JP2004127391A - 光記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ光の短波長化、集光光学系の高開口数化等の従来なされていた方法以外の技術を用いて高密度な光記録媒体を提供する。
【解決手段】第1及び第2主面を有する基板22と、この基板22の第2主面に設けられた記録層23と、第1主面に設けられた周期構造層21とを備える。ここで、「第1主面」は、光ヘッドアセンブリ1側に位置する表面であり、「第2主面」は、第1主面に対向した基板22の主面(裏面)である。「周期構造層21」は、基板22の屈折率とは異なる屈折率の材料からなる微細パターンを、第1主面に平行な面内において、光の波長程度のピッチで、2次元の周期的配置をして構成されている。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクなどの光記録媒体は、コンピュータの外部記憶装置用の記録媒体や音楽メディア用の記録媒体として、CD(コンパクトディスク)、CD−ROM(再生専用)、CD−R(追記型)、CD−RW(書換型)等が広く普及している。最近は更に映像記録媒体とし大容量のDVD(デジタル・ビデオ・ディスク)が広がりつつある。DVDにはDVD−ROM(再生専用)、DVD−R(追記型)、DVD−RAM(書換型)等がある。
【0003】
光記録媒体の記録容量はCDの650MBからDVDの4.7GBと増大し、更に増大する見込みである。光記録媒体の記録容量増大の一般的な方法は:
(イ)フォーマットの高効率化
(ロ)再生信号処理方法の向上
(ハ)媒体の材料・構造の最適化
(ニ)レーザ光の短波長化
(ホ)集光光学系(対物レンズ)の高開口数化
が上げられる。図5の物体空間の絶対屈折率をn、対物レンズ14aが規定する(入射ひとみの)半径が物点において張る角度uを用いると、開口数NAは、
NA=n・sinu              ・・・・・(1)
で表わされる。図5から分かるように、一般に「開口数NAが大きい」とは「大きなレンズで角度をつけて強く集光する」こととほぼ同義である。
【0004】
一般にコヒーレントな光の波長をλとすると、そのコヒーレントな光を光源とする光学システムの分解能εは、
ε=0.77λ/NA            ・・・・・(2)
で決まる。分解能εを高くするために、より小さなスポット径にコヒーレントな光を集光しようとすると、波長λを短くするか、開口数NA即ち集光角度uを大きくとることが主な手段となる。それ以外の手法で式(2)で示した分解能εを超える分解能εを得る技術が「超解像技術」と呼ばれる。
【0005】
最近は「超解像技術」を用いた記憶記録容量増大技術が各研究機関で研究・開発がなされている。例えば、産業総合技術研究所次世代光工学研究ラボの富永らは、近接場光を利用した超解像技術を研究している(特許文献1参照。)。具体的には、アンチモンの微小溶融を利用した開口型や、酸化銀の表面プラズモン散乱を用いた散乱型の近接場効果で微小記録マークの読み取りを行っている。一方ビクターの上野らはサーモクロミック特性を持つロイコ染料を用いた超解像技術を研究開発している(特許文献2参照。)。上野らは記録光記録媒体の記録層面上のビームスポットの中心部がより高温になり、高温で透過特性が変化することを利用している。又、パイオニアの飯田ら、東芝の永瀬ら、ソニーの浅井らも非線形光学材料を用いた超解像技術を開発している(特許文献3,4,5参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−242969号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2001−35011号公報
【0008】
【特許文献3】
特開平06−28713号公報
【0009】
【特許文献4】
特開平11−86342号公報
【0010】
【特許文献5】
特開平06−243508号公報
【0011】
【特許文献6】
特開2000−251302号公報
【0012】
【特許文献7】
特開平07−93797号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
光記録媒体の記録容量の増大は上記(イ)〜(ホ)の方法によってなされてきたが、技術的な限界が近づきつつある。又、これらを克服とする特許文献1〜5に記載された方法は、開発費、製造費がかさむことが懸念される。このため、従来の方法とは別の超解像技術による記録容量増大技術が求められている。
【0014】
本発明は、従来の方法とは異なる安価且つ簡易な記録容量増大技術を用いた高密度な光記録媒体を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、(イ)第1主面と、この第1主面に対向した第2主面とを有する基板と、(ロ)この基板の内部又は第2主面若しくはその上に設けられた記録層と、(ハ)第1主面若しくはその上に設けられ、基板の屈折率とは異なる屈折率の材料からなる微細パターンが周期的に配置されてなる周期構造層とを備える光記録媒体であることを要旨とする。
【0016】
光は、光の波長のサイズ程度で屈折率の違う2つの物質を周期的に組み合わせた媒質(周期構造層)に入射すると、この周期構造層中では、古典的な一様な屈折率中の媒質中での反射・屈折・干渉などとは、異なる振る舞いをする。即ち、光記録媒体の第1主面に周期構造層を構成することにより、その周期の持つ運動量ベクトルpを入射光に加えることが可能となる。このため、光記録媒体の記録層の面内方向成分に運動量ベクトルpを増やすことができる。後述する式(3)で示されるような、位置を示すベクトル変数と運動量ベクトルpとの不確定性原理を考慮すれば、運動量ベクトルpを増やすことは、解像度が向上したことと等価である。したがって、光記録媒体の表面に周期構造層を加えることによって、超解像効果が得られることとなる。又、別な見方をすれば周期構造層の周期性により光を回折させ、集光角度を変えて実効的な開口数NAを大きくしていると、捉えることもできる。
【0017】
ここで、「周期構造層」は、2次元フォトニック結晶、若しくは3次元フォトニック結晶で構成できる。この周期構造層の微細パターンは、第1主面に平行な面内において、記録層に情報を書き込み若しくは読み出す光の波長のサイズ程度であればよい。具体的には、フォトニック結晶における光の回折効率をみた場合、屈折率差にもよるが、光源の波長の5倍〜0.2倍のピッチの微細パターンとすれば良い。屈折率差が小さければ光源の波長の1.2倍〜0.4倍程度のピッチの微細パターンにすれば良い。
【0018】
又、周期構造層の微細パターンは、光の回折効率を考慮すれば、第1主面から記録層に情報を書き込み若しくは読み出す光源の波長程度の深さが必要である。しかし、多くの物理現象と同様に、eを自然対数の底として、最低光源の波長の1/e程度あれば一定の光の回折効率は得られる。したがって、微細パターンを形成する部分の表面からの深さは、光源の波長の約0.3倍以上が好ましい。又、アスペクト比が大きくなりすぎると製造プロセスが困難になるので、微細パターンの深さは、光源の波長の3倍(約e倍)程度以下が好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第3の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。又、以下に示す第1〜第3の実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0020】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る光記録媒体2は、図1に示すように、第1及び第2主面を有する基板22と、この基板22の第2主面に設けられた記録層23と、第1主面に設けられた周期構造層21とを備える。ここで、「第1主面」は、光ヘッドアセンブリ1側に位置する表面であり、「第2主面」は、第1主面に対向した基板22の主面(裏面)である。「周期構造層21」は、基板22の屈折率とは異なる屈折率の材料からなる微細パターンを、第1主面に平行な面内において、2次元な周期的配置をして構成されている。
【0021】
具体的には、ポリカーボネート製の基板22の裏面(第2主面)に、図4に示すようなピットPn− ,Pn− ,P,Pn+ ,Pn+ ,Pn+3,Pn+4,・・・・・が設けられ、このピットPn− ,Pn− ,P,Pn+ ,Pn+ ,Pn+3,Pn+4,・・・・・の表面に図1に示すように、アルミニウム(Al)反射膜23rをスパッタして、記録層23が設けられている。基板22の材料としては、ポリカーボネートに限定されず、その他ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂よりなるプラスチック基板やガラス基板等の透明基板であれば使用可能である。又、アルミニウム(Al)反射膜23rの代わりに金(Au)反射膜等の他の金属薄膜が使用可能である。
【0022】
周期構造層21は、図1に示すように、第1主面に平行な面内において、記録層23に情報を書き込み若しくは読み出す光源の波長の5倍〜0.2倍のピッチで、酸化チタン(TiO)微細パターン21i,j−1,21i,j,21i,j+1,・・・・・を周期的に2次元配置すれば良い。特に、フォトニック結晶の周期は光源の波長の約半分前後で効果が大きくなる。又、周期構造層21は、第1主面から、記録層23に情報を書き込み若しくは読み出す光源の波長の3倍〜0.3倍の深さに周期的に埋め込まれていることが好ましい。又、2種類の材料の屈折率差が大きい方が、周期構造層21の効果が期待できる。第1の実施の形態に係る光記録媒体2においては、第1主面に、図1に示すように、電子ビーム(EB)リソグラフィーと反応性イオンエッチング(RIE)を用い、ピッチ0.57μmで窪みをつけ、この窪みにポリカーボネートとは屈折率の異なる酸化チタン(TiO)微細パターン21i,j−1,21i,j,21i,j+1,・・・・・を埋め込んで、周期構造層21を構成している。窪みの形状は、直径0.2μm、深さ0.6μmの円筒形で、2次元フォトニック結晶を構成している。図3には、酸化チタン(TiO)微細パターン21k+1,l,21k,l,21k−1,l,・・・・・の正方格子状2次元的レイアウトを示す平面図を示す。
【0023】
光ヘッドアセンブリ1は、図1に示すようにコの字型の断面を有するアームと、このコの字型を構成するアームの空洞部16に配置されたハーフミラー13aと、アームの空洞部16に面して、アームの内壁に設けられた半導体レーザ11a、受光素子12a及び対物レンズ14aとを備える。半導体レーザ11aは、例えば、波長λ=0.58〜0.69μmの(AlGa −x)In0.5Pレーザや波長λ=0.43〜0.54μmのInGa −xNレーザが使用可能である。対物レンズ14aの開口数NAは、例えば0.4である。
【0024】
実際には、図2に示すように、ピットPn− ,Pn− ,P,Pn+ ,Pn+ ,Pn+3,Pn+4,・・・・・は、複数の平行配置されたトラック24a,24b,・・・・・,24h,・・・・・を構成するように設けられている。そして、複数のトラック24a,24b,・・・・・,24h,・・・・・のそれぞれに対応して、アームの内壁に半導体レーザ11a,11b,・・・・・,11h,・・・・・、受光素子12a,12b,・・・・・,12h,・・・・・が配置されている。図示を省略しているが、複数のトラック24a,24b,・・・・・,24h,・・・・・のそれぞれに対応して、複数の対物レンズ14a,14b,・・・・・が配置されていることは勿論である。即ち、本発明の第1の実施の形態に係る光記録媒体2は、読み取り時の移動は水平移動のみで回転しない非回転平行移動記録媒体2である。
【0025】
比較のため、第1の実施の形態に係る光記録媒体2と同一規格であるが、周期構造層が無い光記録媒体(比較例)を用意した。開口数NA=0.4の対物レンズ14aで波長λ=0.63μmの半導体レーザの光を集光し、反射光量を測定した。ピット長0.22μmの部分での反射率は比較例では約6%であったが、周期構造層21のある第1の実施の形態に係る光記録媒体2では約0.3%であった。ピットの部分からの反射率とピットが内分の反射率の差が信号量になる。つまり、周期構造層がある第1の実施の形態に係る光記録媒体2では0.22μmのピットパターンまで判別できるが、約6%の反射率の比較例は、0.22μmのピットパターンが判別できない。即ち、第1の実施の形態に係る光記録媒体2により、光記録媒体2の高密度化が達成されたことが分かる。
【0026】
式(2)で分かる通り、開口数NAを大きくすれば、即ち図5に示す物点において張る角度uを大きくとれば、分解能εは向上する。しかし、これは不確定性原理を表わしているといえる。「不確定性原理」とは、例えば“位置座標と運動量という正準共役の関係にある2つの量がともに1つの値に確定しない“という定理である。xを位置を示すベクトル変数、pを運動量ベクトル、hをプランク定数とすると、不確定性原理は、
x・p≧h/4π        ・・・・・(3)
と表わされる。ここで、Δxは、分解能εを表わし、Δpは運動量ベクトルpの広がりを示す。Δpは、大きさ(ベクトルの長さ)の不確定さでもいいし、角度の不確定さでも良い。
【0027】
波数ベクトルkの不確定さが小さい、言い換えれば波長半値幅の小さいレーザ光ではなく、波長半値幅が大きい白色光を用いれば、式(2)の係数0.77は0.61まで小さくなることが知られている。又、角度の広がりという観点でΔpが大きいということは、開口数NAが大きいということに対応している。したがって分解能εを上げるためには、その方向の運動量ベクトルpの広がりを大きくすれば良い。又、波数ベクトルkとは単位長さあたりの波の数であり、運動量ベクトルpとは、
p=(h/2π)・k      ・・・・・・(4)
の関係がある。
【0028】
さて、ビームスポットを小さくするためには、光記録媒体2の記録層23の表面と平行な方向に運動量ベクトルの広がりΔpを大きくすれば良いことが分かる。又、この様な方向に運動量ベクトルpを与えるようにしても良い。例えばSIL(Solid Immersion Lens)は、レンズ形状によって記録層23の面内方向と平行な方向の運動量ベクトルpを増やして解像度を上げている。
【0029】
図7に示すように、複素屈折率の実部n1を持つ材料と、これと異なる複素屈折率の実部n2を持つ材料の界面において、低い屈折率(複素屈折率の実部)n1の材料から高い屈折率(複素屈折率の実部)n2の材料へ光が入射した時、その光の界面の垂直方向の成分に運動量ベクトルpが与えられる。屈折率比n2/n1に対応する分だけ、波数ベクトルkが増えるからである。
【0030】
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る光記録媒体2の第1主面に光の波長λと同程度、例えば光の波長λの5倍〜0.2倍程度の周期性を持たせた周期構造層21を構成すれば、その周期の持つ運動量ベクトルpを入射光に加えることにより、光記録媒体2の記録層23の面内方向成分に運動量ベクトルpを増やすことができる。
【0031】
この様な周期構造層21は、2次元フォトニック結晶や3次元フォトニック結晶により容易に実現できる。周期構造層21における運動量ベクトルpを、図6に示す結晶運動量と考えれば、理解しやすい。したがって、光記録媒体2の表面にフォトニック結晶構造層(周期構造層)21を加えることによって、超解像効果が得られることとなる。又、別な見方をすれば周期構造層21の周期性により光を回折させ、集光角度を変えて実効的な開口数NAを大きくしていると、捉えることもできる。
【0032】
又、フォトニック結晶は非線形光学特性を増大させる効果を生むことも可能である。したがって、フォトニック結晶の間あるいは中にビームが細るような非線形光学材料を配せば、その超解像特性が増大し、集光ピット径が小さくなる。
【0033】
図8は、波長λ=0.4μmのレーザ光が角度u=17.5°で基板(ガラス)22上へ入射する場合を示す。基板(ガラス)22上にはピッチ0.36μmの周期の周期構造層(屈折率n:約2.5)を付置させている。図8において、x方向の1波長の長さは、入射側では1.33μm(波数ベクトルk:約7500cm−1)であるが、基板(ガラス)22中では0.28μm(波数ベクトルk:約35000cm−1)となっており、運動量ベクトルpが増大していることが分かる。但しこの時ビームの回折角度は基板(ガラス)22界面が与える運動量ベクトルpも影響している。
【0034】
図8から分かるように、周期構造層21が与える結晶運動量成分の分だけ分解能εが上がる。記録層23の表面内成分にこの様な周期構造層21が無い場合はx方向成分は変化しない。角度位置によって集光する位置(記録層23の表面とは垂直方向成分)がずれるが、対物レンズ14aによる集光条件、例えば対物レンズ14aの焦点位置や、開口数NA等を変えることが可能ならば、最も分解能εの高い角度成分を使うようにすれば良い。
【0035】
図6に示すように、屈折率nの周期性による結晶運動量は入射光の面内成分と同程度の方が回折されやすい。又、回折される空間の屈折率をnとすると、回折された面内成分の大きさは(n/λ)以上の波数ベクトルkにはなり得ない。
【0036】
本発明の第1の実施の形態に係る光記録媒体2において、屈折率nの周期性を有する周期構造層21を設置させるだけでなく、非線形光学材料を付置し、そこに複数のレーザビームを照射し、非線形光学的周期構造層を形成しても良い。この場合再生・記録光ビームの中心位置を中心とする円形の周期構造の非線形光学的周期構造層とするのが最も良い。これは波長の異なる2つのビームを記録・再生光ビームの外側から照射して形成するのが良い。更にフォトリフラクティブ材料を用いて周期性を形成しても良い。
【0037】
本発明の第1の実施の形態の変形例に係る光記録媒体3は、図9に示すように、円筒形のドラムと、このドラムの内部に設けられた記録層と、ドラムの円筒面に設けられた周期構造層とを備える。ここで、「ドラムの円筒面」上には、ピックアップ1が配置される。
【0038】
「周期構造層」は、ドラムを構成しているポリカーボネートの屈折率とは異なる屈折率を有する酸化チタン(TiO)微細パターンの周期的配置を備えている。酸化チタン(TiO)微細パターンは、ドラムの円筒面に、図3と同様に、ピッチ0.57μmで設けられた正方格子状に窪みに埋め込まれている。窪みは、直径0.2μm、深さ0.6μmの円筒形である。
【0039】
ピックアップ1は、図9と同様にコの字型の断面を有するアームと、このコの字型を構成するアームの空洞部に配置されたハーフミラーと、アームの空洞部に面して、アームの内壁に設けられた半導体レーザ、受光素子及び対物レンズとを備える。実際には、図2と同様に、複数のトラック24a,24b,・・・・・,24h,・・・・・のそれぞれに対応して、アームの内壁に複数の半導体レーザ、受光素子及び対物レンズが配置されている。
【0040】
第1の実施の形態の変形例に係る光記録媒体3は、読み取り時にはピックアップ1に対して、記録媒体3が相対的に回転する。第1の実施の形態の変形例においても、図1に示した光記録媒体2と同様なの高密度化が達成されることは、上述した説明から明らかであろう。
【0041】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る光記録媒体4は、図10に示すように、第1及び第2主面を有するポリカーボネート製の直径120mmの基板42と、この基板42の第2主面に設けられた記録層43と、第1主面に設けられた周期構造層41とを備えるCAV(Constant Angular Velocity)記録方式のDVD−ROM(再生専用)である。ここで、「第1主面」は、光ヘッドアセンブリの対物レンズ14側に位置する表面であり、「第2主面」は、第1主面に対向した基板42の主面(裏面)である。基板42の材料としては、ポリカーボネートの他に、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂よりなるプラスチック基板の透明基板が使用可能である。
【0042】
記録層43は、第2主面に複数の凸部(ランド)Lj− ,L,Lj+ ,Lj+ ,・・・・・と、これらのランドLj− ,L,Lj+ ,Lj+ ,・・・・・の間の凹部(グルーブ)Gj− ,G,Gj+ ,Gj+ ,・・・・・を用いて構成している。記録ピットは、グルーブGj− ,G,Gj+ ,Gj+ ,・・・・・に設けられている。隣接するグルーブGj− ,G,Gj+ ,Gj+ ,・・・・・の間隔は、例えば0.58μm〜0.74μmである。トラック配置方式は、1本のグルーブ・トラックを蚊取り線香のようにそれぞれ隣り合うように、螺旋状に形成する蚊取り線香タイプでも、1周ごとにランドからグルーブ,グルーブからランドと次々に切り替えながらディスク全体で1本の螺旋状トラックを作る方法でも構わない。図示を省略しているが、記録層にはアルミニウム(Al)反射膜が用いられる。記録層43の最短ピット長は、例えば0.22μm、最長は0.88μmである。なお、アルミニウム(Al)反射膜の代わりに金(Au)反射膜等の他の金属薄膜が使用可能である。
【0043】
「周期構造層41」は、基板42の屈折率(n=1.55)とは異なる屈折率の材料からなる図11に示すような微細パターンを、第1主面に平行な面内において、2次元周期的配置して構成されている。この周期構造層41は、2次元フォトニック結晶を構成するようにすれば良い。このため、周期構造層41は、第1主面に平行な面内において、記録層43に情報を書き込み若しくは読み出す光源の波長の5倍〜0.2倍のピッチで周期的に2次元配置するのが好ましい。特に、第1の実施の形態で説明したように、周期構造層41の周期が光源の波長の約半分程度になると効果が大きくなる。
【0044】
このため、ポリカーボネートの基板42のカバー層上に、図10に示すように、銀パラジウム銅(Ag−Pd−Cu)微細パターン41i,j−1,41i,j,41i,j+1,・・・・・を形成している。銀パラジウム銅(Ag−Pd−Cu)微細パターン41i,j−1,41i,j,41i,j+1,・・・・・は、例えば、ポリカーボネートの基板42のカバー層上にレジストをスピン塗布し、このレジストをEBリソグラフィーでパターニングし、銀パラジウム銅(Ag−Pd−Cu)膜をスパッタし、スパッタ後下地のレジストを剥離する、いわゆるリフトオフ法により形成できる。又、RIE法で窪みを付け、この窪みの中に銀パラジウム銅(Ag−Pd−Cu)膜を埋め込んでも良い。図11には、銀パラジウム銅(Ag−Pd−Cu)微細パターン41k+1,l,41k,l,41k−1,l,・・・・・からなる蜂の巣構造2次元的レイアウトを示す平面図を示す。図11の矢印方向のピッチは約0.36μmである。
【0045】
又、周期構造層41は、第1主面から、記録層43に情報を書き込み若しくは読み出す光源の波長の3倍〜0.3倍の深さに周期的に埋め込まれていることが好ましい。特に、銀パラジウム銅(Ag−Pd−Cu)微細パターン41i,j−1,41i,j,41i,j+1,・・・・・の場合は、光に対して不透明であるので、その消衰係数kを考慮して、周期構造層41の深さが決定される。
【0046】
例えば、波長λ=0.4μmの半導体レーザの光を集光して再生する場合を考える。このとき、銀パラジウム銅(Ag−Pd−Cu)膜の波長λ=0.4μmにおける消衰係数kは約1.69であるので、吸収係数αは
α=4πk/λ=53/μm   ・・・・・・(5)
となる。透過率Tは、周期構造層41の厚みを0.2μmとすると、
T=exp(−53×0.2)=2.5×10−5・・・・・・(6)
となり、透過率Tはゼロとみなしていい。周期構造層41における銀パラジウム銅(Ag−Pd−Cu)微細パターン41i,j−1,41i,j,41i,j+1,・・・・・の全体に対する面積比は約20%である。更に、回折光があり、その効率を約半分と見積もると、透過率Tは大まかには約40%と見積もれる。
【0047】
なお、図示を省略しているが、基板42の第2主面の記録層43には接着層を介してダミー基板が設けられている。したがって、実際には、記録層43は基板42とダミー基板の間に位置する。ダミー基板は、透明基板である必要はない
図12は、本発明の第2の実施の形態に係る光記録媒体4を用いた再生装置の概略を示す模式図である。即ち、第2の実施の形態に係る再生装置は、スピンドルモータ45と、このスピンドルモータ45の上面に配置された円形状ディスク型の光記憶媒体4と、この光記憶媒体4の上方に配置されたピックアップ47と、このピックアップ47とスピンドルモータ45に電気的に接続する制御及び信号処理回路46とを備える。スピンドルモータ45は、光記憶媒体4を回転駆動させる。ピックアップ47は、光記憶媒体4にレーザ光を照射し反射光を読み取り、出力信号に変換する。制御及び信号処理回路46は、ピックアップ47の出力信号をデータとして読み取り、スピンドルモータ45による光記憶媒体4の回転駆動を制御する。
【0048】
図13は、図12のピックアップ47の光学系の詳細を示す。即ち、本発明の第2の実施の形態に係るビックアップ47は、半導体レーザ11と、この半導体レーザ11の前方に配置されたコリメータ15と、このコリメータ15の前方に配置されたビームスプリッター16と、このビームスプリッター16の下方に配置された受光素子12と、ビームスプリッター16の前方に配置されたリレイレンズ17と、このリレイレンズ17の前方に配置されたイメージレンズ18と、このイメージレンズ18の前方に配置された反射鏡19と、この反射鏡19の下方でピックアップ47の先端に配置された対物レンズ14とを備えている。
【0049】
半導体レーザ11から発したレーザ光がコリメータ15により平行光線となり、コリメータ15を透過した平行光線がビームスプリッター16を透過し、ビームスプリッター16を透過した平行光線は、リレイレンズ17により一度集光され更に、イメージレンズ18により平行光線にされる。イメージレンズ18を出射した平行光線は、反射鏡19により90度下方に反射され、
反射鏡19により90度下方に反射された平行光線は、対物レンズ14により光記憶媒体4の周期構造層41を介して、記録層43に集光される。そして、対物レンズ14により光記憶媒体4の記録層43から反射した戻り光が、周期構造層41を介して対物レンズ14により平行な戻り光となる。対物レンズ14を透過した平行な戻り光は、反射鏡19により90度後方に反射され、反射鏡19により90度後方に反射された平行な戻り光がイメージレンズ18により集光され、リレイレンズ17により平行光線にされる。リレイレンズ17を出射した戻り光は、ビームスプリッター16により下方に分離され、ビームスプリッター16により下方に分離された平行な戻り光が受光素子12により受光し出力信号に変換される。
【0050】
図12に示す制御及び信号処理回路46の詳細を図14に示す。記録媒体4の周期構造層41の上部に配置されたピックアップ47によって、記録層43から読み出された信号は、高周波増幅器(RFAmp)115で増幅される。そして、高周波増幅器115からトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、情報信号であるRF信号が出力される。トラッキングエラー信号TEはトラッキングサーボ制御回路116に入力される。トラッキングサーボ制御回路116では、ゲインと位相が補償されると共に、シーク制御等も行われる。このトラッキングサーボ制御回路116の出力は、送りモータ制御回路117及び加算器131に入力される。送りモータ制御回路117は、モータドライバ118を介して送りモータ48を制御する。加算器131においては、レンズ駆動信号発生回路122aの出力が、トラッキングサーボ制御回路116の出力と加算される。加算器131の出力はアクチュエータドライバ120を介して送りモータ48に入力される。フォーカスエラー信号FEはフォーカスサーボ制御回路119に入力される。フォーカスサーボ制御回路119の出力は加算器132において、フォーカスサーチ時にレンズを駆動する為のレンズ駆動信号発生回路122bの出力と加算される。そしてアクチュエータドライバ121を通じてピックアップ47の内部のフォーカスアクチュエータを駆動する。RF信号は、再生時においては、DVDデータ信号処理回路126で復調・誤り訂正後のデータ信号はMPEG2規格に基づくビデオ・オーディオエンコーダ/デコーダ128のデコーダ部で復号される。そして元のビデオ信号及びオーディオ信号が再生される。本発明の第2の実施の形態に係る再生装置はCAV制御であるので、スピンドルモータ45からのFG信号がディスクモータ制御回路123に入力される。この結果ディスクモータドライバ124を介して角速度、即ち光記録媒体4の回転速度が一定となるようにスピンドルモータ45の回転速度が制御される。システムコントローラ125は、各制御回路の制御タイミングやシステム全体の動作を制御する。
【0051】
比較のため、第2の実施の形態に係る光記録媒体4と同一規格であるが、周期構造層41が無いCAV記録方式のDVD−ROM(比較例)を用意した。比較例も最短ピット長は0.22μm、最長は0.88μmである。
【0052】
開口数NA=0.3の対物レンズ14で0.4μmの半導体レーザの光を集光し、対物レンズ14の焦点サーボが十分動作する回転数で再生したところ、比較例では0.77μmのピットまでしか判別できなかった。しかし、周期構造層41がある第2の実施の形態に係る光記録媒体4では0.22μmのピットパターンまで判別できるので、光記録媒体4の高密度化が達成されたことが分かる。
【0053】
(第3の実施の形態)
周期構造層の周期性を、ディスクのラジアル方向とタンジェンシャル方向を考慮すると、角度位置による集光条件の変化は無くすることができる。この時CLV(Constant Linear Velocity)の様に、外周部と内周部で周期性が大きく変わらないようにすることが望ましい。DVD−RAM(書換形)等においては、集光サイズが小さいため、ビームスポット内ではラジアル方向、タンジェンシャル方向の周期の差は小さくなり、回折が起こることになる。
【0054】
本発明の第3の実施の形態に係る光記録媒体5は、図15に示すような第1及び第2主面を有するポリカーボネート製の直径120mmの基板と、この基板の第2主面に設けられた記録層と、第1主面に設けられた周期構造層とを備えるCAV記録方式のDVD−RAM(書換形)である。ここで、「第1主面」は、光ヘッドアセンブリの対物レンズ側に位置する表面であり、「第2主面」は、第1主面に対向した基板の主面(裏面)である。
【0055】
記録層は、図10と同様に、第2主面に複数の凸部(ランド)と、これらのランドの間の凹部(グルーブ)を用いて構成している。第3の実施の形態に係る光記録媒体5においては、記録ピットは、ランドとグルーブの両方に設けている。隣接するグルーブの間隔は、例えば0.58μm〜0.74μmである。トラック配置方式は、蚊取り線香タイプでも、1周ごとにランドからグルーブ,グルーブからランドと次々に切り替えながらディスク全体で1本の螺旋状トラックを作る方法でも構わない。図示を省略しているが、記録層にはゲルマニウム・アンチモン・テルル(Ge−Sb−Te)合金膜等の相変化媒体膜が用いられる。記録層の最短ピット長は、例えば0.22μm、最長は0.88μmである。
【0056】
「周期構造層」は、基板の屈折率(n=1.55)とは異なる屈折率の材料からなる微細パターンを、第1主面に平行な面内において、2次元周期的配置して構成されている。即ち、基板にエッチングで、窪みをつけ、この窪みに基板とは屈折率の異なる酸化チタン(TiO)微細パターンをスパッタで埋め込んで、周期構造層を構成している。この際、図15(c)に示すように、ラジアル方向とタンジェンシャル方向に周期性を持たせるように埋め込んでいる。ここで図15(c)は、図15(b)の拡大図で、図15(b)は、図15(a)のA部の拡大図である。図15(c)に示すビームスポットBの直径の範囲ではほぼ周期性は格子状となる。この時CLVの様に、外周部と内周部で周期性が大きく変わらないようにしている。ラジアル方向、タンジェンシャル方向共に周期を0.35μmとしている。このようにして、第3の実施の形態に係る光記録媒体5の表面の周期構造層は、2次元フォトニック結晶を構成している。
【0057】
周期構造層の深さは、記録層43に情報を書き込み若しくは読み出す光源の波長の3倍〜0.3倍に設定すれば良い。特に、波長の半分程度あれば光は判別できるため、第3の実施の形態に係る光記録媒体5においては、周期構造層の深さを、0.2μmとしている。
【0058】
比較のため、第3の実施の形態に係る光記録媒体5と同一規格であるが、周期構造層が無いCAV記録方式のDVD−RAM(比較例)を用意した。比較例も最短ピット長は0.22μm、最長は0.88μmである。開口数NA=0.3の対物レンズで0.4μmの半導体レーザの光を集光し、対物レンズの焦点サーボが十分動作する回転数で再生したところ、比較例では0.77μmのピットまでしか判別できなかった。しかし、周期構造層がある第3の実施の形態に係る光記録媒体5では0.33μmのピットパターンまで判別できるので、光記録媒体5の高密度化が達成されたことが分かる。
【0059】
第3の実施の形態に係る光記録媒体5においては、ディスク形状で説明したが、これに限らず、シート状の形状でも良く、又、ピックアップを移動させる方式であっても記録シートを移動させて読み出す方式でも良い。
【0060】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1〜第3の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0061】
既に述べた第1〜第3の実施の形態の説明においては、2次元フォトニック結晶となる周期構造層を説明したが、フォトニック結晶は、2種類の材料の屈折率差が大きい方が効果が大きいので、基板の屈折率との差が大きい材料であれば、酸化チタン(TiO)微細パターンや銀パラジウム銅(Ag−Pd−Cu)微細パターン以外の膜の微細パターンが使用可能である。
【0062】
2次元フォトニック結晶ではなく、3次元フォトニック結晶を用いても良い。
【0063】
例えば、3次元フォトニック結晶からなる周期構造層は以下のようにすれば作成できる。
【0064】
(イ) 先ず、He−Cdレーザ等の光源からレーザ光(He−Cdレーザでは波長λ=442nm)を照射し、ビームスプリターにより、3本のレーザ光に分割する。分割された3本のレーザ光を複数のミラーを用いて反射し、ガラスセル中の光記録媒体の基板上の光硬化性樹脂に、所定の時間、例えば、30秒間照射する。照射され3本のレーザ光がガラスセル中の光硬化性樹脂中で干渉することにより、光硬化性樹脂中に干渉縞が形成される。3本のレーザ光とガラスセル中の光硬化性樹脂との衝突角を調節することで得られる格子の周期が設定される。
【0065】
(ロ) 3本のレーザ光によって干渉縞を形成した部分が硬化される。光硬化性樹脂の周囲の液体樹脂がエタノール等の溶媒で洗い流される。洗い流された液体樹脂は乾燥される。なお、液体樹脂の除去に使用される溶媒は光硬化性樹脂との関連で適宜調整できる。
【0066】
(ハ) 3本のレーザ光の干渉縞によって、2次元方向(干渉縞の水平方向)にロッド(平面に対して垂直方向に延びた柱構造)を周期的に配列した格子構造に対応する像が形成される。
【0067】
(ニ) 2次元格子構造に対応する像の側方(ガラスセルの側方)から2本のレーザ光が入射し干渉される。2本のレーザ光の干渉縞によって、2次元格子構造の垂直方向に1次元周期構造に対応する像が形成される。
【0068】
(ホ) 3次元フォトニック結晶構造を構成する格子構造に対応する像が光記録媒体の基板上の光硬化性樹脂層中に形成される。
【0069】
(ヘ) 光硬化性樹脂の周囲の液体樹脂(未硬化光硬化性樹脂)がエタノール等の溶媒で洗い流される。以上のようにして、光記録媒体の基板上に細密な3次元フォトニック結晶の最密格子構造が得られる。
【0070】
第1〜第3の実施の形態においては、基板の第2主面に記録層がある場合を例示したが、記録層は、基板の内部又は第2主面の上に設けられていても良い。又、第1〜第3の実施の形態においては、周期構造層は、第1主面に埋め込まれて設けられていたが、第1主面の上に設けても構わない。
【0071】
この様に、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、基板の屈折率とは異なる屈折率の材料からなる微細パターンを配置した周期構造層の存在により、対物レンズの開口数で決められる再生分解能以上の分解能εを得ることが可能となるので、安価且つ簡易な高密度な光記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光記録媒体と光ヘッドアセンブリの構造を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る光記録媒体のトラックと光ヘッドアセンブリの関係を示す模式的な上面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る光記録媒体の2次元的な周期構造層を示す模式的な平面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る光記録媒体の記録層を示す模式的な平面図である。
【図5】開口数NAを説明するために対物レンズが物点において張る角度uを示す図である。
【図6】結晶運動量のベクトルと、入射光及び回折光のベクトルの関係を示す図である。
【図7】低い屈折率n1の材料から高い屈折率n2の材料へ光が入射した時、その光の界面の垂直方向の成分に運動量ベクトルが与えられることを説明する図である。
【図8】レーザ光が周期構造層を付置した基板(ガラス)上へ入射することにより、基板(ガラス)中で運動量ベクトルが増大することを示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態の変形例に係る光記録媒体と光ヘッドアセンブリの関係を示す模式的な鳥瞰図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る光記録媒体の構造を示す模式的な断面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る光記録媒体の2次元的な周期構造層を示す模式的な平面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る光記録媒体を用いた再生装置の概略を示す模式図である。
【図13】図12のピックアップの光学系の詳細を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係る光記録媒体を用いた再生装置の制御及び信号処理回路の概略を示す図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る光記録媒体において、ラジアル方向とタンジェンシャル方向に周期性を持たせた周期構造層を説明する平面図である。
【符号の説明】
1 ピックアップ(光ヘッドアセンブリ)
2,3,4,5 光記録媒体
11,11a,11b, 半導体レーザ
12,12a,12b, 受光素子
13a ハーフミラー
14,14a,14b, 対物レンズ
15 コリメータ
16 ビームスプリッター
16 空洞部
17 リレイレンズ
18 イメージレンズ
19 反射鏡
21,41 周期構造層
22,42 基板
23r アルミニウム反射膜
23,43 記録層
24a,24b, トラック
45 スピンドルモータ
46 信号処理回路
47 ビックアップ
115 高周波増幅器
116 トラッキングサーボ制御回路
117 モータ制御回路
118 モータドライバ
119 フォーカスサーボ制御回路
120,121 アクチュエータドライバ
122a,122b レンズ駆動信号発生回路
123 ディスクモータ制御回路
124 結果ディスクモータドライバ
125 システムコントローラ
126 DVDデータ信号処理回路
128 デコーダ
131,132 加算器
B ビームスポット
j− ,G,Gj+ ,Gj+ ,・・・・・ グルーブ
j− ,L,Lj+ ,Lj+ ,・・・・・ ランド
n− ,Pn− ,P,Pn+ ,Pn+ ,Pn+3,Pn+4,・・・・・ ピット

Claims (5)

  1. 第1主面と、該第1主面に対向した第2主面とを有する基板と、
    該基板の内部又は前記第2主面若しくはその上に設けられた記録層と、
    前記第1主面若しくはその上に設けられ、前記基板の屈折率とは異なる屈折率の材料からなる微細パターンが周期的に配置されてなる周期構造層
    とを備えることを特徴とする光記録媒体。
  2. 前記周期構造層は、2次元フォトニック結晶からなることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 前記周期構造層は、3次元フォトニック結晶からなることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  4. 前記微細パターンは、前記第1主面に平行な面内において、前記記録層に情報を書き込み若しくは読み出す光源の波長の5倍〜0.2倍のピッチで周期的に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  5. 前記微細パターンは、前記第1主面から、前記記録層に情報を書き込み若しくは読み出す光源の波長の3倍〜0.3倍の深さに周期的に埋め込まれていることを特徴とする請求項1又は4に記載の光記録媒体。
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