JP2001176112A - 光情報再生装置 - Google Patents

光情報再生装置

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JP2001176112A
JP2001176112A JP36040699A JP36040699A JP2001176112A JP 2001176112 A JP2001176112 A JP 2001176112A JP 36040699 A JP36040699 A JP 36040699A JP 36040699 A JP36040699 A JP 36040699A JP 2001176112 A JP2001176112 A JP 2001176112A
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Yasushi Oki
裕史 大木
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回折格子を用いて超解像を行う光情報再生装
置において、位相の異なる高次回折光が混入して解像力
を低下させることを防止する。 【解決手段】 レーザダイオード101から射出された
レーザビームは、コリメートレンズ102でコリメート
され回折格子103で3つのビームに分割され、対物レ
ンズ105で異なる周期を有する複数の回折格子106
の各透過開口中央部に集光される。回折格子106は正
弦振幅格子であり0次光と±1次回折光のみが光ディス
ク107の記録面に照射される。このようにして変調さ
れた光スポットは位相が反転した高次回折光成分を持た
ないため、3分割検出器109で検出され加算機112
で合成される再生信号は歪曲されることなく、高帯域に
わたって超解像が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光を用いて被検出
媒体上の微細な光学情報を再生する光情報再生装置、例
えば、光ディスク等の情報記録媒体に記録された情報を
再生する再生装置や、被観測物体の微細構造を再生表示
する走査型光学顕微鏡などの光情報再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光ディスク等光を用いた情報の記
録・再生装置については記録密度を向上させるため、ま
た走査型光学顕微鏡では解像度を向上させるため、従来
から超解像技術を応用した種々の提案が成されている。
これらには、例えば光源の光波長λを短波長化し、ある
いは照射集光光学系を改善する等光学系に改良を加える
方式や、情報記録媒体の非線形な特性を応用する方式等
を挙げることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、光学系に改良
を加える方式では、光源波長λと光学系の開口数NAで
定まる解像限界(λ/2NA)を超えて微細な信号を再生
することができない。また、ソリッド・イマージョン・レ
ンズ(Solid Immersion Lens)を使用し、近接場に於け
るエバネッセント光を利用した方法では、実効NA値を
大きくすることができるが、その増加割合はレンズの屈
折率に比例するため、この方法で改善できる解像度にも
結果的に同様の限界があった。一方、磁気的超解像など
媒体の非線形な特性を応用する方式では、解像限界が記
録方式に依存するため応用範囲が限定されること、及
び、記録媒体の製造コストが従来と比較して増大するこ
となどの問題を有していた。
【0004】このため、本出願の発明者は集光光学系と
被検出媒体との間に回折格子を配設し、記録媒体上の記
録情報と回折格子の間に生ずるモアレ縞の移動変化を検
出することにより、簡単な構成で解像限界を超える情報
を再生可能な新たな手法を発明し、本出願人に係る特願
平11−48811号に開示している。
【0005】しかしながら、上記開示された発明技術の
構成では、回折格子によって発生する複数の回折光のう
ち、一部の高次回折光の位相が0次光ないし1次回折光
と同一でないことに起因して、本来得られるべき解像性
能に部分的な劣化を生じる可能性があることがわかっ
た。本発明はこのような課題に対応して成されたもので
あり、上記発明技術をさらに進展させて解像性能を向上
させ、よりクリアな再生信号が得られる光情報再生装置
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明に係る第1の光情報再生装置(例えば実施形態に於
ける光ディスク再生装置1)は、空間的にコヒーレント
な光を射出する光源(例えば実施形態に於けるレーザダ
イオード101)と、この光源からの光を被検出媒体
(例えば実施形態に於ける光ディスク107)上に集光
する集光光学系(例えば実施形態に於けるコリメートレ
ンズ102,対物レンズ105等)と、集光光学系と被
検出媒体との間であって被検出媒体の直上に近接して配
設された回折格子と、被検出媒体からの透過光または反
射光を検出する検出手段(例えば実施形態に於けるフォ
トディテクタ109等)とから成る光情報再生装置にお
いて、回折格子は振幅透過率が空間的に正弦状に変化す
る正弦振幅格子であることを特徴として構成される。こ
のような光情報再生装置では、回折格子として正弦振幅
格子を用いているため、発生する回折光が0次光と±1
次回折光に限定され、±2次以上の高次回折光を発生さ
せることがない。従って、被検出媒体から検出される信
号に、位相の異なる高次回折光が重畳して再生像を歪ま
せるおそれがなく、クリアな再生信号が得られる光情報
再生装置を提供することができる。
【0007】また、本発明に係る第2の光情報再生装置
は、空間的にコヒーレントな光を射出する光源と、この
光源からの光を被検出媒体上に集光する集光光学系と、
集光光学系と被検出媒体との間であって被検出媒体の直
上に近接して配設された回折格子(例えば実施形態に於
ける矩形回折格子206)と、被検出媒体からの透過光
または反射光を検出する検出手段とから成る光情報再生
装置である。その上で、回折格子によって回折される±
2次以上の回折光がエバネッセント波であり、回折格子
と被検出媒体との間隔は回折格子で回折された±1次回
折光が被検出媒体に到達し、±2次以上の回折光が到達
できないように光情報再生装置が構成される。
【0008】この装置は上記第1の光情報再生装置と異
なり±2次以上の高次回折光が発生する光情報再生装
置、例えば通常の回折格子を用いた装置において、少な
くとも±2次以上の回折光がエバネッセント波になるよ
うに構成し、さらに、回折格子と被検出媒体との間隔を
0次光と±1次回折光は被検出媒体に到達するが±2次
以上の回折光が到達できない距離になるよう構成するも
のである。従って、検出信号に位相の異なる高次回折光
が重畳して再生像を歪ませることがなく、クリアな再生
信号が得られる光情報再生装置を提供することができ
る。
【0009】なお、これらの光情報再生装置において
は、集光光学系によって集光される集光ビームのビーム
中心と回折格子の透過開口部中心とが一致するように配
設されることが望ましい。このように配設することによ
り、0次光と±1次回折光の位相を全て同一位相とさせ
ることができるため、1枚の回折格子を配設することで
得られる3倍の解像帯域幅全域にわたって歪みのない再
生信号を得ることができる。
【0010】また、回折格子は異なる周期を有する複数
の回折格子(例えば実施形態に於ける正弦振幅格子10
6,矩形回折格子206)からなり、集光光学系は複数
の回折格子に対応して複数の集光ビームを被検出媒体上
に集光し、検出手段は複数の回折格子に導かれた集光ビ
ームごとの透過光または反射光を個々に検出してこれら
を合成するように光情報再生装置を構成する。このよう
な構成によれば、簡易な構成でありながら2枚の回折格
子で5倍、3枚で7倍の解像力を有する光情報再生装置
を提供することができる。なお、このように複数の回折
格子を用いて情報を再生する場合には、情報再生装置の
回転数等(例えば実施形態に於ける光ディスク107の
回転数)に起因する各信号間の読み取り時間の遅延を補
正し、補正後の信号を合成して読み出し信号とすること
が好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。回折格子を用いた超解像の原理について
は、上述した本出願人に係る特願平11−48811号
に詳しく説明されている。このなかで発明者は超解像の
原理を理解容易に説明するため、記録媒体上に形成され
た微細周期情報と、この媒体上に配設された微細周期の
回折格子との間で見られるモアレ縞を観念し、この拡大
された周期差情報(モアレ縞)の移動(一定点における
明滅)を検出することにより、もとの微細な周期情報が
解像可能であることを示している。
【0012】この原理を近接場の問題として把握し、こ
の場における現象を、回折格子によって変調を受けた光
スポットの問題として捉え考えると、より物理的に明確
な解を得ることができる。まず、回折格子を近接場の開
口と考えれば、回折格子を通して記録媒体に到達する光
スポットの振幅分布k(x)は次式で表すことができる。
【0013】
【数1】 k(x)=u(x)g(x) ・・・・・・・・・・・・(1)
【0014】ここで、u(x)はレーザ光源から射出され、
集光光学系によって回折格子上に集光されたレーザスポ
ットの振幅分布、g(x)は回折格子の振幅透過率分布であ
る。
【0015】一般に、集光スポットの振幅分布関数と光
学系の瞳関数とは相互にフーリエ変換の関係にあること
がよく知られている。すなわち、記録媒体に到達する光
スポットの振幅分布k(x)をフーリエ変換することは、回
折格子を含んだ光学系の等価瞳関数K(f)を与えることに
他ならない。
【0016】いま、回折格子として、透過率が0%の部
分と100%の部分とを一定周期P=λ/2NAで繰り
返す矩形回折格子を用い、波長λのレーザビームの集光
スポットを透過開口の中心に入射させる場合について考
える。このとき、レーザスポットの振幅分布u(x)と回折
格子の振幅透過率分布g(x)との関係は、図1(a)に示す
ように中心x=0に対して対称な偶関数として示され
る。ここで、上記(1)式におけるu(x)とg(x)との積のフ
ーリエ変換は、u(x),g(x)それぞれをフーリエ変換して
得たU(f)とG(f)とのコンボリュージョン、すなわち周波
数領域における両関数の積と等価である。そこで、u(x)
とg(x)とをそれぞれをフーリエ変換すると、各フーリエ
スペクトルU(f)とG(f)とは図1(b)の様に示される。
【0017】従って、u(x)とg(x)との積で表される光ス
ポットの振幅分布k(x)のフーリエ変換は、図1(b)にお
けるU(f)とG(f)とを掛けあわせた関数となり、そのフー
リエスペクトルは図2に示すように表される。
【0018】このようにして得られたスペクトル分布
は、矩形回折格子によって変調され記録媒体に到達する
光スポットの瞳関数であり、この図から、黒色に塗りつ
ぶして示すもともとのレーザスポットによる解像領域
(図1(b)におけるU(f))が、一枚の回折格子の干渉作
用によって、格子ラインに直交する方向に対して著しく
拡大されることが理解される。
【0019】しかしながら、この拡大作用によって光学
系の解像力が飛躍的に向上する一方で、拡大された瞳関
数の一部にスペクトル強度がマイナスの領域、すなわち
位相が反転した領域が存在することが解る。それは、図
2において中心周波数±6NA/λ,±14NA/λ
(±22NA/λ…)の領域であり、回折格子の3次,
7次,(11次…)回折光の解像領域に相当する。これ
は、光学的には、この領域部分においてλ/2の波面収
差が発生したのと等価な意味を持っており、解像力の向
上にとって好ましくない。
【0020】この問題を解決するに最も根本的且つ有効
な方法は、0次光(透過光)と±1次回折光以外の回折光
成分を全てシャットアウトすることである。図2から明
らかなように、0次光と±1次回折光以外の回折光成分
(離散的に分布する高次回折光成分)を全てシャットア
ウトしたとしても、なお解像力は±1次回折光の作用で
従来の解像領域の3倍に達する。さらに、1次回折光の
中心周波数が図2における4NA/λ,6NA/λとな
る周期の回折格子を加えて複数回折格子の構成とすれ
ば、それぞれの高次回折光をシャットアウトしても2枚
で5倍、3枚で7倍の解像力を達成することができる。
【0021】ここで、0次光と±1次回折光以外の回折
光成分をシャットアウトする方法として、次の2つの手
法を提案することができる。第1は、高次回折光を発生
させないという面からのアプローチであり、第2は、発
生した高次回折光を記録媒体まで到達させないという面
からのアプローチである。以下、これら2つの手法につ
いて説明する。
【0022】まず、第1のアプローチである高次回折光
を発生させない光学系を実現する手段として、高次回折
光を発生しない回折格子を用いることが挙げられる。こ
のような回折格子として具体的に正弦振幅格子を例示す
ることができる。正弦振幅格子は振幅透過率が正弦波状
に変化する回折格子であり、正弦振幅格子にレーザスポ
ットを入射させたときには、0次光(透過光)と±1次回
折光のみが発生し他の高次回折光は発生しない。
【0023】このため、正弦振幅格子の最大透過率とな
る部分(特許請求の範囲における透過開口部)とレーザ
スポットの中心とを一致させて入射させたときには、そ
の等価瞳関数は図3に示すように、0次光と±1次回折
光の位相が同位相で、且つ図2における6NA/λ,1
0NA/λ,14NA/λ…のような高次回折光成分の
ないスペクトル分布を得ることができる。従って、この
ように正弦振幅格子を用いることにより−3NA/λ〜
3NA/λの広い解像領域内で波面収差のないクリアな
再生信号を得ることができる。
【0024】第2のアプローチは、回折格子で発生した
高次回折光を記録媒体まで到達させないことであり、こ
れを実現する具体的手段としてエバネッセント波の特性
を利用する。エバネッセント波は、全反射する面の近傍
領域にのみ薄い層状の場を成して存在する光であり、伝
播方向に急激に減少する。そして、その減衰の速さは波
数ベクトルの横方向成分の大きさに依存することが公知
である。
【0025】従って、回折格子によって変調を受け記録
媒体に向かう光のうち、少なくとも不要な高次回折光は
エバネッセント波となるように構成し、回折格子と記録
媒体との間隔を適切に調整すれば、0次光と±1次光は
記録媒体に到達するが、不要な高次回折光は到達できな
いという状態をつくりだすことができる。
【0026】例えば、回折格子によって変調を受け記録
媒体に向かう光のうち、0次光と±1次回折光とは透過
光となり、不要な高次回折光がエバネッセント波となる
ように構成し(具体的には、不要な高次回折光(図2に
おける3次回折光)の周波数帯域でNAが1を超えるよ
うに回折格子の格子定数を設定する。)、回折格子と記
録媒体との間隔を透過光は到達するがエバネッセント波
が到達できない距離に調整する。このような距離として
は概略λ/4〜λ/2程度で充分であり、明確な干渉作
用を観測するため一般に波長以下のギャップとして設定
する。
【0027】あるいは、高解像力が求められるときに
は、±1次回折光がエバネッセント波になる場合も起こ
りうる。このときには回折格子と記録媒体との間隔を、
±1次回折光のエバネッセント波は到達するが、不要な
±3次回折光のエバネッセント波が到達できない距離に
調整する。上述のように、エバネッセント波の減衰の速
さは波数ベクトルの横方向成分の大きさに依存する。そ
して高次回折光は低次回折光より波数ベクトルの横成分
が大きく、空間中での伝播距離が短い。従って、回折格
子と記録媒体との間を適正に調整すれば、±1次回折光
と±3次回折光がともにエバネッセント波であっても、
これらを分離することができる。なお、周期の異なる複
数の回折格子を用いて解像領域を拡大させるときには、
周期に応じてこの間隔を各々最適化する。
【0028】次に、以上説明した原理を用いて構成され
る光情報再生装置について、図4を用いて説明する。こ
の光情報再生装置は上記第1のアプローチで説明した正
弦波回折格子を用いた光ディスク再生装置1の構成を示
したものである。この光ディスク再生装置1は、照射光
学系11,集光光学系12,回折格子GA〜GC,検出光
学系14及び処理装置15から構成されており、光ディ
スク107上に記録された光学情報を読み取り再生する
光情報再生装置である。
【0029】レーザダイオード(半導体レーザ)101か
ら射出された波長λのレーザ光Lは、コリメータレンズ
102で平行ビームにコリメートされた後、ビーム分割
用の回折格子103によって0次(直進)及び±1次(屈
折)の3つの平行ビームLA,L B,LCに分割される。分割
された各ビームはハーフプリズム104を透過した後、
対物レンズ105によって各々集光され、回折格子10
6の下端面に3つのレーザスポットを形成する。
【0030】レーザスポットの形成される回折格子10
6の下端面には、それぞれのレーザスポットに対応する
領域に、3種の異なる空間周波数(周期)を有する正弦振
幅格子(回折格子)GA,GB,GCが形成されている。例え
ば、GA,GB,GCそれぞれの空間周波数の中心値が2N
A/λ,4NA/λ,6NA/λの3種の正弦振幅格子
をそれぞれの領域に形成する。あるいは、1枚を素通し
とし他の2枚の空間周波数を2NA/λ,4NA/λの
ように構成しても良い。図5は回折格子GA〜GCの形成
例を、図4中に於けるV-V矢視図として示したものであ
る。
【0031】集光された3つのレーザスポットは、それ
ぞれのビーム中心が各正弦振幅格子GA,GB,GCの高透
過率中心を通るように照射される。なお、3つのレーザ
スポットの間隔は、隣接するレーザビームによって相互
に干渉することがないように、ビームスポットサイズω
0よりも充分離れた位置に形成されている。また、回折
格子106の下端面と光ディスク107表面との間隔
(ギャップ)は、光源レーザの発振波長λ以下の間隔に調
整されており、回折格子106からのエバネッセント光
も光ディスク上に充分到達するように構成されている。
【0032】このようにして回折格子GA,GB,GC越し
に光ディスク107に照射され、この光ディスク上の記
録マークを照明して反射したレーザ光は、再び回折格子
106、対物レンズ105を透過し、ハーフプリズム1
04で折り返されて結像レンズ108によりフォトディ
テクタ109上に3つの集光像を結像する。フォトディ
テクタ109は、集光像に対応した複数の検出領域を有
しており、本実施例においては回折格子GA〜GCに対応
する3つの検出領域(A,B,C)を有する3分割検出器が用
いられている。フォトディテクタ109の受光面と光デ
ィスク107の表面とは略共役となるように配置されて
いる。このようにして検出される3つの検出信号の各々
は、正弦振幅格子の作用により、回折格子を透過する0
次光による信号成分と、それぞれの回折格子の空間周波
数に対応した±1次回折光による信号成分とからなり、
他の高次回折光成分は含まれていない。
【0033】フォトディテクタ109からの出力信号
は、各回折格子が受け持つ解像領域に対応した透過特性
を有するバンドパスフィルタ110(A,B,C)を通し、不
要な帯域成分を除去する。なお、バンドパスフィルタ1
10は、正弦振幅格子を用いて不要な高次回折光成分を
発生させない本装置においては、必ずしも必要なもので
はない。本装置では全ての回折格子を透過する0次光成
分の重複加算を防止するため、及び外乱光や検出系の高
調波ノイズ等の影響を除去してよりクリアな再生信号を
得るために用いている。
【0034】フォトディテクタ109から出力される3
つの検出信号間には、レーザビームの走査速度(光ディ
スク107の回転による記録マークの移動線速度)と、
記録マークを検出する3つのレーザスポットの相互間隔
と、によって定まる検出時間遅れτA-BA-CB-C)が
存在する。そこで、バンドパスフィルタ110の出力信
号は遅延回路111(A,B,C)に入力されて、各々の検出
信号間の時間遅れを補正した後、加算機112に入力さ
れる。加算機112は各検出系ごとの検出感度の差異を
補正する重み付け処理(ゲイン調整)を行った上で加算
され、再生信号として出力される。バンドパスフィルタ
110を用いない構成においては、この重み付け処理に
おいて重複加算された0次光成分の強度を調整すること
も可能である。
【0035】以上説明した光ディスク再生装置1によれ
ば、回折格子GAを通して検出される検出系により−3
NA/λ〜3NA/λの解像領域が検出され、回折格子
Bの検出系により3NA/λ〜5NA/λ及び−3N
A/λ〜−5NA/λの解像領域が検出され、回折格子
Cの検出系により5NA/λ〜7NA/λ及び−5N
A/λ〜−7NA/λの解像領域が検出される。それぞ
れの検出系に到達する光は、いずれも同位相の0次光と
±1次回折光のみからなり、解像度を悪化させる要因と
なる位相が反転した高次回折光(例えば図2における±
3次回折光や±7次回折光)が含まれることがない。従
って、このような簡易な構成によって、解像限界を大幅
に超え−7NA/λから7NA/λまでの広い領域にわ
たって、歪曲されることなく再現性の優れた光情報再生
装置を得ることができる。
【0036】なお、以上は回折格子として正弦振幅格子
106を用いて光ディスク再生装置1を構成した例につ
いて説明したが、第2のアプローチで説明した手法を用
いる場合には、上記正弦振幅格子106に代えて通常の
矩形回折格子206を代用して同様に構成することがで
きる。但し、矩形回折格子206を用いた場合には、既
に説明したように回折光中に位相の反転した高次回折光
成分が発生する。従って、この場合には回折格子206
と光ディスクとの間隔を回折格子206からの0次光及
び±1次回折光のみが光ディスク107に到達し、不要
な高次回折光が到達できない間隔になるよう調節する。
【0037】この間隔は、前述したとおり、回折格子の
周期すなわち解像力との関係において定められるが、回
折格子が異なる周期を持つ複数の回折格子からなる場合
には、一般に分割された各回折格子ごとに別個独立した
最適値を有することとなる。従って、3つの回折格子か
らなる矩形回折格子206では、それぞれの格子面をそ
れぞれの最適値にあわせて予め所定量だけオフセットさ
せた構成とすることが好ましい。そしてこのように構成
された光ディスク再生装置によれば、上記第1の実施例
と同様に、解像限界を超えて広い領域にわたって、歪曲
されることなくフラットな再生特性を有する光情報再生
装置を得ることができる。
【0038】なお、以上説明した光情報再生装置の実施
例では、レーザダイオード101からの出力ビームを分
割する手段として透過型の回折格子103を用いた例を
説明したが、分割手段はビームを所望の分割数に分割で
きるものであればよく、例えば、ビームスプリッタやエ
タロンを用いて部分反射若しくは多重反射を利用した分
割手段であっても良い。あるいは、この様な1ビームの
レーザダイオードと分割手段を用いずに、複数のビーム
を出力するレーザダイオードアレイを用い、または、複
数のレーザダイオードの出力光を光ファイバー等により
導入することも可能である。
【0039】また、実施例では光情報再生装置として、
光ディスク再生装置を例に挙げ、一方向に配向された回
折格子によって直交する方向に超解像が可能であること
を説明したが、本発明はこの実施例に限定されるもので
はない。例えば、回折格子として複数の異なる方向に配
向された複数の回折格子を用い、被検出媒体を2次元方
向に走査する構成とすることも可能である。この様な光
情報再生装置の適用例として走査型顕微鏡を例示するこ
とができる。さらに、以上の実施形態は、被検出媒体か
らの反射光を検出する構成としたが、被検出媒体に応じ
て透過光を検出する透過検出系の構成とすることも可能
である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る第1
の光情報再生装置は、振幅透過率が空間的に正弦状に変
化する正弦振幅格子を用いて構成されるため、発生する
回折光が0次光と±1次回折光に限定され、±2次以上
の高次回折光を発生させることがない。従って、検出信
号に位相の異なる高次回折光が重畳して解像力を低下さ
せるおそれがなく、簡便な構成で歪みのない再生信号が
得られる超解像可能な光情報再生装置を提供することが
できる。
【0041】また、本発明に係る第2の光情報再生装置
は、回折格子によって回折される±2次以上の回折光が
エバネッセント波であり、回折格子と被検出媒体との間
隔は回折格子で回折された±1次回折光が被検出媒体に
到達し、±2次以上の回折光が到達できないように光情
報再生装置が構成される。従って、検出信号に位相の異
なる高次回折光が重畳して解像力を低下させるおそれが
なく、歪みのない再生信号が得られる超解像可能な光情
報再生装置を提供することができる。
【0042】なお、これらの光情報再生装置において
は、集光光学系によって集光される集光ビームのビーム
中心と回折格子の透過開口部中心とが一致するように配
設されることが望ましい。このように配設することによ
り、0次光と±1次回折光の位相を全て同一位相とさせ
ることができるため、解像帯域幅全域にわたって歪みの
ない再生信号を得る光情報再生装置を提供することがで
きる。
【0043】また、回折格子は異なる周期を有する複数
の回折格子からなり、集光光学系は複数の回折格子に対
応して複数の集光ビームを被検出媒体上に集光し、検出
手段は複数の回折格子に導かれた集光ビームごとの透過
光または反射光を個々に検出してこれらを合成するよう
に光情報再生装置を構成する。このような構成によれ
ば、簡易な構成でありながら2枚の回折格子で5倍、3
枚で7倍の解像力を実現することができ、解像限界を大
幅に超えて広い解像帯域幅を実現する光情報再生装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図(a)は通常の矩形回折格子とレーザスポッ
トの振幅分布関数h(x)とg(x)とを示し、図(b)はこれ
らをフーリエ変換したフーリエスペクトルH(f)とG(f)と
を示す説明図である。
【図2】上記矩形回折格子を通して記録面に到達する光
スポットの等価瞳関数K(f)(スペクトル分布)を説明す
る説明図である。
【図3】正弦振幅格子を通して記録面に到達する光スポ
ットの等価瞳関数K(f)(スペクトル分布)を説明する説
明図である。
【図4】本発明に係る光情報再生装置(光ディスク再生
装置)の構成を示すブロック図である。
【図5】上記図4中にV-V矢視で示す回折格子の部分拡
大図である。
【符号の説明】
1 光ディスク再生装置(光情報再生装置) 101 レーザダイオード(光源) 105 対物レンズ(集光光学系) 106 正弦振幅格子(回折格子) 107 光ディスク(被検出媒体) 109 フォトディテクタ(検出手段) 206 矩形回折格子(回折格子)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空間的にコヒーレントな光を射出する光
    源と、 前記光源からの光を被検出媒体上に集光する集光光学系
    と、 前記集光光学系と前記被検出媒体との間であって前記被
    検出媒体の直上に近接して配設された回折格子と、 前記被検出媒体からの透過光または反射光を検出する検
    出手段とから成る光情報再生装置において、 前記回折格子は、振幅透過率が空間的に正弦状に変化す
    る正弦振幅格子であることを特徴とする光情報再生装
    置。
  2. 【請求項2】 空間的にコヒーレントな光を射出する光
    源と、 前記光源からの光を被検出媒体上に集光する集光光学系
    と、 前記集光光学系と前記被検出媒体との間であって前記被
    検出媒体の直上に近接して配設された回折格子と、 前記被検出媒体からの透過光または反射光を検出する検
    出手段とから成る光情報再生装置において、 前記回折格子によって回折される±2次以上の回折光が
    エバネッセント波であり、前記回折格子と前記被検出媒
    体との間隔は前記回折格子で回折された±1次回折光が
    前記被検出媒体に到達し、±2次以上の回折光が到達で
    きないように構成されていることを特徴とする光情報再
    生装置。
  3. 【請求項3】 前記集光光学系によって集光される集光
    ビームのビーム中心と前記回折格子の透過開口部中心と
    が一致するように配設されることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の光情報再生装置。
  4. 【請求項4】 前記回折格子は異なる周期を有する複数
    の回折格子からなり、前記集光光学系は前記複数の回折
    格子に対応して複数の集光ビームを前記被検出媒体上に
    集光し、前記検出手段は前記複数の回折格子に導かれた
    集光ビームごとの透過光または反射光を個々に検出して
    これらを合成することを特徴とする請求項1から請求項
    3のいずれか一項に記載の光情報再生装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004127391A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Toshiba Corp 光記録媒体
KR20150034741A (ko) * 2012-06-26 2015-04-03 케이엘에이-텐코 코포레이션 근접장 계측

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