JP2004126718A - 誘導車両及び誘導車両の走行路 - Google Patents
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Abstract
【課題】走行標識近傍で停止しても正確に走行情報を得られるようにする。
【解決手段】走行路50に沿って自動走行可能な誘導車両としてのゴルフカート1において、走行路50に設けられた走行標識としての非接触ICタグ51の送信手段として送信回路56から送信される制御情報を受信する受信部としての受信回路32aと、この受信回路32aにて受信した制御情報に基づいて走行制御する制御手段としての制御回路13とを具えたものである。
【効果】走行標識の送信手段から制御情報を送信するようにしたことで、ゴルフカートを走行標識付近で停止しても制御情報を確実に受信することができ、走行標識に基づいた走行を確実に行うことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】走行路50に沿って自動走行可能な誘導車両としてのゴルフカート1において、走行路50に設けられた走行標識としての非接触ICタグ51の送信手段として送信回路56から送信される制御情報を受信する受信部としての受信回路32aと、この受信回路32aにて受信した制御情報に基づいて走行制御する制御手段としての制御回路13とを具えたものである。
【効果】走行標識の送信手段から制御情報を送信するようにしたことで、ゴルフカートを走行標識付近で停止しても制御情報を確実に受信することができ、走行標識に基づいた走行を確実に行うことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動走行可能な誘導車両(例えば、ゴルフカート)と誘導車両が走行される走行路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の誘導車両、例えばゴルフカートは、搭乗者の操縦に基づいて走行される手動モードと、走行路の誘導線に沿って誘導され、マグネット情報やリモコン信号に基づいて走行される自動モードとを、切り換えスイッチにて切り換えるようになっている。自動モードで走行した場合、走行路に設けられた一対のマグネットの極性とマグネット間の距離検出し、この検出したマグネットからの制御情報に基づいて、走行速度が高速、中速、低速に設定されて走行されたり、減速されたり、停止されたりしていた(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかしながら、マグネットからの極性情報は、マグネット上を通過する際に生じる誘起電圧の大きさを波形によって検出するもので、走行中にリモコン等の停止信号を受けて停止した際に、マグネットの上方にマグネットを検知するマグネットセンサが位置する場合では、再度走行を開始した際にマグネットを検知しようとしても、マグネットセンサにて正常の波形が検出されず、マグネットを検知できなかったり極性を間違って検出したりすることがあり、正確な制御情報が得られないという問題が生じていた。
【0004】
これにより、走行速度が高速で走行し、カーブにさしかかる前の走行速度を中速に減速するマグネット近傍で停止された場合には、マグネットからの制御情報が読み取れなくなると、そのまま高速で走行され、曲がりきれずに脱輪する恐れが大きくなる。また、低速で走行し、高速を指示するマグネット近傍で停止された場合には、マグネットからの制御情報が読み取れなくなると、そのまま低速で走行され、目標とする地点までの到達時間が長くなり、プレーが遅れてしまうことが生じる。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−281751号公報(6頁の段落番号44から同頁段落番号48)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、走行標識近傍で停止しても正確に走行標識からの制御情報を得ることができる誘導車両を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の手段は、走行路に沿って自動走行可能な誘導車両において、前記走行路に設けられた走行標識の送信手段から送信される制御情報を受信する受信部と、この受信部にて受信した制御情報に基づいて走行制御する制御手段とを具えたものである。
【0008】
上記構成において、前記走行標識は、前記送信手段と共に受信手段を有し、受信手段の入力に基づいて前記送信手段からの制御情報を送信し、前記受信手段に向けて送信信号を送信する送信部を設けたものである。
【0009】
そして、前記走行標識は、具体的には非接触ICタグである。
【0010】
上記課題を解決するための第2の手段は、誘導車両を自動走行可能とする走行標識が設けられた走行路において、前記走行標識は前記誘導車両へ向けて制御情報を送信可能な送信手段を有するものである。
【0011】
上記構成において、前記送信手段は、前記誘導車両から送信される送信信号に基づいて前記制御情報を送信するものである。
【0012】
そして、前記制御情報は、走行速度情報や前方の誘導車両に追従するための情報等からなるものである。
【0013】
また、前記走行標記は、前記制御情報を記憶する記憶手段を有し、前記制御情報を他の情報に書き換え可能としたものである。
【0014】
また、前記記憶手段は、外部の送信機からの書き換え指示信号を受信可能な構成で、前記書き換え指示信号に基づいて前記制御情報が書き換えられるものである。
【0015】
また、前記誘導車両を前記走行路に沿って自動走行させるための誘導線が設けられ、この誘導線の近傍に前記走行標識を設けたものである。
【0016】
また、前記走行標識は、具体的には非接触ICタグである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態における誘導車両及びこの誘導車両が走行される走行路を、誘導車両としてゴルフカートを一例に示し、図1乃至図11に基づき説明する。
【0018】
まず、ゴルフカートにおける制御回路のブロック図を図1に、ゴルフカート本体の全体斜視図を図2に示し、全体の構成について図面に基づいて説明をする。
【0019】
1は、使用者が運転して手動走行することのできる手動モードと、使用者が乗車可能で後述する走行路50に埋設した誘導線49に沿って自動走行することができる自動モードとを備え、ゴルフバッグを搭載して走行するゴルフカート本体で、このゴルフカート本体1は、走行モータ17を駆動源として走行する。
【0020】
2は、メインフレーム(図示せず)に設けられ、前記本体1の前後方向に設けられた基台で、この基台2には、使用者が乗車するための座席3、操舵を行うための操舵輪となる前輪4、駆動輪となる後輪5が設けられている。
【0021】
6は、手動モード選択時に使用者が前記座席3に座って操作可能な位置に設けられ、操作によって前記前輪4を操舵するためのハンドルである。
【0022】
7は、ゴルフカート本体1の後部に斜め後方が上部に延びるように設けられゴルフバッグを搭載するための荷台である。
【0023】
8は、前記ハンドル6と前記前輪4との連結部分を覆う樹脂製のフロントカウルで、このフロントカウル8は、その中央に蓋部9を設け、この蓋部9を開口するとゴルフボールやグローブなどを入れるための小物入れになっている。
【0024】
10は、前記本体1の前部で前記フロントカウル8の上部に設けられた透明な樹脂製のフロントシールドで、このフロントシールド10上部より後方にかけて、前記座席3上部を覆う樹脂製のルーフ11が設けられている。また、前記ルーフ11の後部は前記荷台7近傍より上方に向けて設けられた2本の支柱12によって支えられている。
【0025】
次に制御回路のブロック図(図1)について説明する。
【0026】
13は、ゴルフカート本体1の走行を制御する制御回路で、この制御回路13は、マイクロコンピュータであるメインCPU14、誘導センサ処理CPU15、非接触ICタグ情報処理CPU16からなっており、メインCPU14は走行のための制御や操舵のための制御、また制動のための制御等を行うために信号を生成して出力している。誘導センサ処理CPU15は、後述する誘導センサ33からの信号を処理する為のマイクロコンピュータであり、また非接触ICタグ情報処理CPU16は、後述する非接触ICタグ51から送信された制御情報を処理する為のマイクロコンピュータである。また、メインCPU14は、誘導センサ処理CPU15、及び非接触ICタグ情報処理CPU16とシリアル通信によって接続されている。そして、このように制御回路13を複数のマイクロコンピュータから構成することにより、演算の処理速度が速くなるほか、部分的に破損等が生じた場合においても破損したマイクロコンピュータのみを交換するだけで良く、修理が簡単になるという効果がある。
【0027】
17は、後輪5を回転駆動する為の駆動源となる走行モータで、この走行モータ17は、駆動用の前記メインCPU14からの信号に基づいてモータコントローラ19にて制御される。
【0028】
18は充電器20によって一ラウンドが終了したときなどに適宜充電されるバッテリで、モータコントローラ19、走行モータ17、後述するブレーキモータ23、ハンドルモータ26、パーキングブレーキ24及びステアリングモータ25へ電力を供給すると同時に、これら以外(前記制御回路13、後述する表示部45や超音波センサ35等の検出手段)に、降圧回路(図示せず)を介して電力を供給する。このバッテリ18の電力の残量は残量センサ21で検出され、検出された検出値がメインCPU14へ出力される。
【0029】
22は、前記座席3の前面に設けられ使用者のスイッチ51の切り換えによる走行モードの切換を検出する自動/手動検出手段で、この自動/手動検出手段22は、使用者によって選択された走行モードをメインCPU14に入力するようになっている。
【0030】
23は、前記前輪4及び後輪5に設けられた油圧の力によって動作する図示しないブレーキ(ここではディスクブレーキ)の制動力を調整する為のブレーキモータであり、このブレーキモータ23はメインCPU14からの信号によりPWM制御されることになる。
【0031】
24は、本体1を停車させる為の電磁ブレーキからなるパーキングブレーキで、このパーキングブレーキ24は、通電した時に制動力が解除され、非通電時にはバネの力によって制動力が付与されることになる。そして、非通電時には走行モータ17近傍の駆動系の途中に制動力が与えられ、後輪5を固定するように動作する。
【0032】
25は、前記メインCPU14に接続され、前記メインCPU14からの制御信号に基づいて動作するステアリングモータで、このステアリングモータ25は、自動モード選択時にはステアリングモータ25だけの駆動力で前記前輪4を操舵し、手動モード選択時にはハンドル6を操作する人的な力に加えてステアリングモータ25の力が補助的に動作する。
【0033】
26は、ハンドル6軸の途中に設けられ自動モード選択時と手動モード選択時とでハンドル6と前輪4との機械的連結を電気的に断続する為のハンドルモータで、このハンドルモータ26によって自動モードに切り替えられたときにはハンドル6が操作できないように固定され、手動モードに切り替えられたときはハンドル6の操作に伴って前輪4が操舵されるように連結するように電気的に操作される。
【0034】
27は、使用者がブレーキペダル(図示せず)を操作した時に信号が出力するように構成されるブレーキスイッチで、自動モード選択時にブレーキスイッチ27からの信号が出力すると前記メインCPU14よりブレーキモータ23が動作するよう信号が出力し、所定時間経過後にパーキングブレーキ24が動作するようになっている。
【0035】
28は、ブレーキモータ27の動作量の動作初期を検出する為のブレーキホームスイッチであり、このスイッチ28が入っているときはブレーキは動作していない状態であることを検出する。
【0036】
29は、ブレーキモータ27の動作量の動作終了を検出する為のブレーキリミットスイッチであり、このブレーキリミットスイッチ29が動作しているときはブレーキの制動量がフルに動作していることを検出する。
【0037】
30は、ブレーキの油圧が適量であるかどうかを検出する為のブレーキオイル検出手段である。
【0038】
31は、ゴルフカート本体1に設けられゴルフカート本体1の傾斜角度を検出する傾斜センサで、この傾斜センサ31は、検出した傾斜角度を電圧値に変換しメインCPU14に入力する。そして、この値に基づいて発進時や停止時の制御を行うようになっている。
【0039】
32aはゴルフカート本体1に設けられた受信部としての受信回路で、アンテナ32bを介して後述する非接触ICタグ51の制御情報を受信し、受信した制御情報を非接触ICタグ情報処理CPU16に出力する。
【0040】
非接触ICタグ情報処理CPU16は前記制御情報に基づいて指示速度(高速H=10km/h、中速M=6km/h、低速L=3km/h)を検出してメインCPU14に出力したり、通常停止信号、ティーグランドTGの位置であることを指示するティーグランド位置信号、前方のゴルフカートがティグランドTGに達した時刻t1、追従設定及び解除信号等を検知してメインCPU14に出力する。更に、ティーグランド位置信号を検知した際にはゴルフカートの識別番号や停止した時刻t2を書き込み指示信号として設定する。
【0041】
32cはゴルフカート本体1に設けられた送信部としての送信回路で、非接触ICタグ情報CPU16にて制御され、通常、制御情報を送信させるためのゴルフカート送信信号を図6に示すように所定の時間間隔で送信する。また、非接触ICタグ情報CPU16にティーグランド位置信号が入力された際には、非接触ICタグ情報処理CPU16にて設定された書き込み指示信号を送信する。
【0042】
33は、前記ゴルフカート本体1に設けられ、操舵される前輪4の操舵と共に左右に回動する一対の誘導センサで、この誘導センサ33は、誘導線49からの磁界を検出し、互いの誘導センサ33の検出レベルが同じになるように前輪4を操舵する。従って、前輪4が操舵されると誘導センサ33も左右に回動されるため、誘導線49が一対の誘導センサ33の中央に位置するように操舵されることになる。
【0043】
34は、ゴルフカート本体1の前部に設けられた受信機と、後部に設けられた送信機とからなる衝突防止手段としてのカートガードで、受信機にて前方にあるゴルフカート本体1の送信機からの電磁波を受信し、受信機にて受信した信号が所定の信号レベルになったときに緊急停止信号をメインCPU14へ出力する。また、送信機からは後方のゴルフカートへ電磁波が送信される。
【0044】
35は、前方の障害物を超音波の反射によって検出する障害物検知手段としての超音波センサであり、この超音波センサ35も障害物との距離が所定の距離になったときに緊急停止信号をメインCPU14に出力する。
【0045】
メインCPU14は、非接触ICタグ情報処理CPU16で検知された通常停止信号や、カートガード34又は超音波センサ35で検知される緊急停止信号に基づいてブレーキモータ23による制動と走行モータ27の発電、回生制動を行う。
【0046】
36は、後輪5の回転数を検出するエンコーダであり、このエンコーダ36によって検出される信号はメインCPU14に入力され、メインCPU14にて走行速度と走行距離等が算出されるようになっている。また、前記エンコーダ36とは別に後輪5の回転数を検出するサブエンコーダ37も設けられており、このサブエンコーダ37の信号も前記メインCPU14に入力され、この信号に基づいて、エンコーダ36が正常に動作しているかどうかを判断したり、エンコーダ36が異常になったときにメインのエンコーダとして使用したりするために設けられている。
【0047】
38は、前記ハンドル6軸に設けられハンドル6の操作による操作トルクを検出するトルクセンサで、このトルクセンサ38はメインCPU14に接続されており、操作トルクが電気信号として入力され、このトルクの大きさに応じてステアリングモータ25が動作するようになっている。
【0048】
39は、前記ゴルフカート本体1前部に設けられたバンパー40に取り付けられ、障害物等がバンパー40に当接したときに動作するバンパースイッチで、バンパースイッチ39からの信号が入力されるとメインCPU14に非常停止信号が入力されるようになっている。そして、メインCPU14は、前記非常停止信号が入力された際に、走行モータ17の回生制動とブレーキモータ23による制動を最も強く行って停止させる。
【0049】
41は、アクセル近傍に設けられ使用者のアクセルの操作がなされているときにメインCPU14に信号出力するアクセルスイッチで、このアクセルスイッチ41は、自動走行モード選択時にアクセルスイッチ41からの信号入力によって発進するようになっている。
【0050】
42は、使用者の操作可能な位置に設けられ使用者によって進行方向を指示する前後進スイッチで、該前後進スイッチ42は、メインCPU14に接続され、前進及び後進のいずれに切り替えられているかの信号が入力されて指示された向きに走行するように走行モータ17が駆動するようになっている。
【0051】
43は、使用者の操作可能な位置に設けられ、自動モードが選択されている時に、ゴルフカート本体1の発進停止を指示するためのスタートストップスイッチで、このスタートストップスイッチ43は、操作されたときに発進信号と通常停止信号が交互にメインCPU14に入力されるようになっており、この信号入力に基づいて走行モータ17が駆動開始、駆動停止するようになっている。
【0052】
44は、ゴルフカート本体1の発進停止を遠隔操作するためのリモコンからの信号を受信するためのリモコン受信機で、このリモコン受信機44もメインCPU14に接続され、受信した信号によって走行制御されるようになっている。また、前記リモコンには、一つの操作ボタンが設けられ、操作ボタンを押圧したときに信号が出力されるようになっており、前記ゴルフカート本体1が走行中に信号が入力されると通常停止信号がメインCPU14に入力されて停止の制御がなされ、停止中に信号が入力されると発進の制御がなされるようになっている。
【0053】
45は、使用者が前記座席3に乗車したときに正面にくるような位置に設けられた表示部で、この表示部45は、バッテリ残量や選択された走行モードの表示などが表示されるようになっている。
【0054】
次に上述する構成における動作について説明する。
【0055】
前記自動手動検出手段22によって手動モードの選択が検出され、走行を開始する場合、アクセルを操作したときにアクセルからの指示値に応じた駆動力で走行モータ17が駆動する。これによって後輪5が回転して走行を始め、走行開始と同時に、パーキングブレーキ24は解除される。
【0056】
また、停止をする場合、ブレーキの操作量に応じた制動量でブレーキモータ23が動作し、エンコーダ36によって車速がゼロであることを検出したときにパーキングブレーキ24が動作するようになっている。
【0057】
走行中の操舵については、ハンドル6の操作に応じて前輪4が操舵され、その時に同時にトルクセンサ38によってハンドル6の操作トルクが検出される。このトルクに応じて、ステアリングモータ25が駆動し、ハンドル6の操作力を補助するように駆動力が与えられる。
【0058】
次に自動モードが選択されている場合について説明をする。
【0059】
停止中にスタートストップスイッチ43が押されると、パーキングブレーキ24が解除されると共に走行モータ17が駆動を開始する。この時の走行速度は、後述する非接触ICタグ51からの速度指示信号に基づいて高速Hの場合10km/h、中速Mの場合6km/h、低速Lの場合3km/hに設定され、エンコーダ36にて走行速度を検知しながら走行モータ17の駆動とブレーキモータ23の駆動により設定速度となるように速度が調整されて走行される。そして、後述する誘導センサ33の動作によって、走行路50に埋設した誘導線49に沿って前輪4が操舵されて走行する。
【0060】
次に、自動モード時のステアリング部分の動作について、図3に基づき説明をする。
【0061】
46は、先端部に前記誘導センサ33を取り付けた誘導センサアームで、このアーム46は、前輪4の左右の操舵と共に回動するように連結されている。また、前記アーム46の途中にはギヤ47が設けられており、このギヤ47は、前記ステアリングモータ25の出力軸に設けられたギヤ48と結合するようになっている。
【0062】
ゴルフカート本体1の操舵においては、自動モード選択時、走行しながら一対の誘導センサ33によって走行路50に埋設された誘導線49からの磁界を検出し、2つの誘導センサ33の信号のレベルが同じになるように前輪4を操舵する。具体的な信号の流れについて説明すると、誘導線49から生じる磁界は、それぞれの誘導センサ33によって受信され、誘導センサ処理CPU15に入力される。そして、2つの誘導センサ33の信号レベルを比較して、左右どちらにずれているかが演算され、一対の誘導センサ33の中心が誘導線49上にくるように、メインCPU14からステアリングモータ25に信号が出力され、ステアリングモータ25の駆動によって前輪4を操舵する。前輪4を操舵することによって2つの誘導センサ33の中心に誘導線49が位置するように制御されることになる。
【0063】
次に、ゴルフカート本体1の走行を指示する走行標識としての非接触ICタグ51とこの非接触ICタグ51に制御情報を書き込むためのライター58について説明する。
【0064】
51はゴルフカート本体1へ制御情報を送信する非接触ICタグで、図3、図10及び図11に示すように走行路50の誘導線49近傍に埋設され、図4に示すように内蔵する電池52を電源として動作する。この非接触ICタグ51は、記憶部53を有する制御部54に、受信手段としての受信回路55と、送信手段としての送信回路56とが接続され、受信回路55と送信回路56にアンテナ57を接続した構成となっている。
【0065】
記憶部53には主として図9に示すような制御情報がコード化されて書き換え可能に記憶され、受信回路55はゴルフカート本体1からのゴルフカート送信信号(図6)や書き込み指示信号(図8)を受信すると共に、後述するライター58からの書き込み指示信号(図8)を受信し、制御部54に出力する。
【0066】
受信回路55からのゴルフカート送信信号が制御部54へ出力された場合には、制御部54は、記憶部53に記憶されたコード化した制御情報を図7に示す非接触ICタグ送信信号(ここでは、一例として走行速度3kmを指示する信号を示す)を送信回路56からアンテナ57を介して複数回(ここでは2回)送信する。
【0067】
また、受信回路55から書き込み指示信号(書き込み指示信号であることを示すA部と制御情報を示すB部から構成)が制御部54へ出力された場合には、制御部54は、書き込み指示信号の内のB部を記憶部53に書き込む。
【0068】
58は制御情報を非接触ICタグ51に書き込むためのライターで、図5に示すように電源としての電池59を内蔵し、持ち運び可能となっている。このライター58は、制御部60に入力回路61と送信スイッチ62と表示部65と送信回路53と受信回路66とが接続され、送信回路63及び受信回路66にアンテナ64が接続された構成となっている。
【0069】
入力回路61からは制御情報が図9に示すコードで入力可能となっており、入力された制御情報が制御部60に出力され、制御情報が表示部65に表示される。そして、送信スイッチ62を押すと、制御部60は図8に示すように書き込み指示信号であることを認識させるA部と制御部60に出力された制御情報としてのB部(ここでは、走行速度3kmの場合を示す)とから書き込み指示信号を構成し、この書き込み指示信号を送信回路63からアンテナ64を介して送信する。
【0070】
また、入力回路61からはゴルフカート送信信号を入力可能となっている。この信号を入力すると表示部にゴルフカート送信信号であることが表示され、この状態で送信スイッチ62を押すと、送信回路63からゴルフカート送信信号が送信される。
【0071】
このゴルフカート送信信号が非接触ICタグ51の受信回路55で受信されると、この信号が制御部54に出力され、制御部54は記憶部53に記憶された制御情報を発信回路56からアンテナ57を介して送信する。
【0072】
そして、この送信された制御情報をライター58の受信回路66で受信すると、受信した制御情報が制御部60に出力され、表示部65に制御情報が表示される。これにより、非接触ICタグ51に書き込まれている制御情報を容易に確認することができ、非接触ICタグ51の制御情報の書き換えを確実に行うことができる。
【0073】
次に、走行路50に埋設される各非接触ICタグ51について図10及び図11に基づいて説明する。ここで、図中のTGはティーグランド、Gはグリーン、CHはクラブハウスである。
【0074】
51aはクラブハウスCH前に埋設された非接触ICタグで、停止信号と追従走行を解除する信号と走行速度(ここでは中速M)を指示する信号とからなる制御情報が記憶されている。
【0075】
51bは各ホールのティーグランド近傍に埋設された非接触ICタグで、停止信号とティーグランド位置信号と前方のゴルフカートがティーグランド位置に達した時間t1と中速Mの走行速度を指示する信号とからなる制御情報が記憶されている。
【0076】
51cは各ホールの中間位置に設けられた非接触ICタグで、停止信号と走行速度を指示する信号とからなる制御情報が記憶されている。走行速度は、平坦な直線区間が続くことからここでは高速Hが設定されている。
【0077】
51dはグリーンG近傍に設けられた非接触ICタグで、停止信号と走行速度(ここでは中速M)を指示する信号とからなる制御情報が記憶されている。
【0078】
51eは見通しが良く長い直線が始まる箇所に埋設された非接触ICタグで、高速Hを指示する信号が制御情報として記憶されている。
【0079】
51fは急なカーブや急な下り坂の手前に設けられた非接触ICタグで、低速L指示する信号が制御情報として記憶されている。
【0080】
51gは通常の走行速度としての中速Hを指示する信号が制御情報として記憶された非接触ICタグである。
【0081】
上述の如く、急なカーブや急な下り坂の手前において非接触ICタグ51fにて低速Lを指示することで、脱輪等を起こすのを防止でき、安全に走行できる。また、平坦な直線が続く箇所において非接触ICタグ51dにて高速Hを指示することで、目標とする箇所に速く到達することができる。
【0082】
次に、上記構成のゴルフカート本体1が上記走行路50に沿って収納場所から自動走行される場合について説明する。
【0083】
収納場所であるカートハウスにおいて電源を投入して自動走行を選択すると追従走行が設定され、スタートストップスイッチ43等で発進を指示すると誘導線49に誘導されながら収納場所からクラブハウスCHに向けて走行される。
【0084】
走行中、前方のゴルフカート本体1のカートガード34からの信号を本ゴルフカート本体1のカートガード34で受信する。受信した信号が所定のレベルに達すると前方のゴルフカート本体1と本ゴルフカート本体1との距離が所定の距離以下であることがカートガード34からの信号により制御回路13にて検知され、停止される。そして、追従走行が設定されていることで、前方のゴルフカート本体1が発進して前方のゴルフカート本体1とのとの距離が所定の距離以上になると本ゴルフカート本体1は自動的に走行が開始される。これにより、上記の如く通常の停止位置以外で停止しても、その都度手動で走行開始を指示する必要がなく、使い勝手を向上できる。
【0085】
走行路50のクラブハウスCH前に近づくとゴルフカート本体1の送信回路32cから常時送信されているゴルフカート送信信号がクラブハウスCH前の非接触ICタグ51aの受信回路55で受信されるようになる。この非接触ICタグ51aでゴルフカート送信信号が受信されると、非接触ICタグ51aの記憶部53に記憶された制御情報が制御部54にて読み出され、送信回路56からアンテナ57を介して送信される。
【0086】
ゴルフカート本体1では受信回路55にて制御情報が受信され、非接触ICタグ情報処理CPU16に出力される。非接触ICタグ情報処理CPU16では制御情報として停止信号と追従走行解除信号と中速Mの走行速度を指示する信号が検知され、この検知された制御情報が非接触ICタグ情報処理CPU16からメインCPU14に送られる。メインCPU14では追従走行解除信号に基づいて追従走行を解除すると共に停止信号に基づいて走行モータ17とブレーキモータ23を制御してゴルフカート本体1を停止させる。
【0087】
そして、クラブハウスCH前に停止したゴルフカート本体1には荷台7にゴルフバッグが搭載される。そして、ゴルフカート本体1にスタートストップスイッチ43を押して発進を指示すると、中速Mを指示する信号に基づいて走行モータ17とブレーキモータ23を制御して中速Mとなるように速度が調節され、ティグランドTGに向けて走行される。
【0088】
ゴルフカート本体1がティグランドTG近傍に到達すると、クラブハウスCH前と同様に、ゴルフカート本体1からのゴルフカート送信信号に基づいてティーグランドTG近傍の非接触ICタグ51bから制御情報が送信されるようになる。この制御情報を受信回路32aにて受信したゴルフカート本体1は、制御回路13にて停止信号、ティーグランド位置信号、前方のゴルフカート本体1が達した時間t1及び中速Mを指示する信号を検知する。
【0089】
この検知した停止信号に基づいてゴルフカート本体1が停止される。そして、ティーグランド位置信号に基づいて到達時間t2が検知され、制御情報から得られた到達時間t1との差(t2−t1)、即ち、前方のゴルフカート本体1が到達してから本ゴルフカート本体1が到達するまでの時間Δtが算出される。この時間Δtが予め設定した所定の時間Tより長い場合には、制御回路13にてプレーが遅れていると判断し、表示部45にプレーの進行を早めるよう促す表示を行う。これにより、大きくプレーが遅れるのを防止できる。逆に、時間Δtが予め設定した所定の時間Tより短い場合には、制御回路13にてプレーが進んでいると判断し、表示部45にプレーが進んでいることを示す表示が行われる。これにより、前のプレーヤとの間隔が狭い状態でティーショットを打ってボールがプレーヤに当たるのを防止できる。
【0090】
また、検知した到達時間t2はゴルフカート本体1の送信回路32cから書き込み指示信号として送信される。この書き込み指示信号はティーグランドTG近傍の非接触ICタグ51bの受信回路55にて受信され、制御部54に出力される。制御部54では書き込み指示信号に基づいて制御情報としての到達時間t1をt2に書き換えて記憶する。
【0091】
ティーショットを打ち終えた後、スタートストップスイッチ43やリモコンを操作してゴルフカート本体1をティーグランドTG近傍の停止位置から発進させる。
【0092】
発進したゴルフカート本体1は誘導線49に沿って非接触ICタグ51から送信される制御情報に基づいて走行速度を制御されたり、停止されたりしながら走行路50を走行される。
【0093】
上述の如く、制御情報としての走行速度を指示する信号や追従走行を設定する信号等が非接触ICタグ51から送信されるので、走行標識である非接触ICタグ51上で停止された場合でも、非接触ICタグ51からの制御情報を確実に検知でき、非接触ICタグ51に基づいた走行制御を確実に行うことができる。
【0094】
また、非接触ICタグ51には受信回路55と送信回路56とを有し、ゴルフカート本体1には非接触ICタグ51に向けて常時ゴルフカート送信信号を送信する送信回路32bを設けたことで、非接触ICタグ51は、常時送信信号を送信する必要がなく、ゴルフカート本体1の送信回路32bからのゴルフカート送信信号を受信した際に、送信回路56から制御情報を送信すればよく、非接触ICタグ51での消費電力を抑制することができる。したがって、上述の如く、電源として電池52を使用しても長期間非接触ICタグ51を使用することができる。
【0095】
また、非接触ICタグ51は制御情報を書き込み可能な記憶部53を有することから、制御情報を変更する際に、従来のマグネットを利用した走行標識のように走行路50から掘り起こして移動させることが必要なく、容易に制御情報を変更することができる。この際、外部の送信機であるライター58からの書きこみ指示信号を受信して制御情報が書きかえられるので、容易に制御情報の書き換えを行うことができる。
【0096】
また、非接触ICタグ51を誘導線49の近傍に設けたことで、ゴルフカート本体1が誘導線49に沿って走行する際に非接触ICタグ51からの情報を容易に得ることができる。
【0097】
尚、上記実施の形態に示すように、家電等のリサイクルのための識別番号等の情報を記憶する非接触ICタグ51を走行標識に利用することが望ましいが、走行路50に設けられて制御情報を送信するものであればよい。
【0098】
また、非接触ICタグ51は電池を電源として制御情報を送信する等の動作を行うようにしたが、ゴルフカート送信信号を電力に変換し、変換した電力により制御情報を送信するようにしても良い。
【0099】
また、バッテリ18を電源とした走行モータ17にて走行するゴルフカートを示したが、エンジンにて走行するゴルフカートでも良い。更に、誘導線や磁気テープ上を走行する搬送車に使用してもかまわない。
【0100】
【発明の効果】
本発明の請求項1によれば、走行標識の送信手段から制御情報を送信するようにしたことで、誘導車両を走行標識付近で停止しても制御情報を確実に受信することができ、走行標識に基づいた走行を確実に行うことができる。
【0101】
本発明の請求項2によれば、常時制御情報を送信する必要がなく、誘導車両から送信される信号を受信した際に走行標識から制御情報を送信すればよく、走行標識での消費電力を抑制することができる。
【0102】
本発明の請求項3によれば、家電などのリサイクルに使用される非接触ICタグを走行標識として利用し、走行標識から正確な制御情報を得ることが出きる。
【0103】
本発明の請求項4によれば、走行標識から誘導車両に向けて制御情報を送信することで、走行標識に基づいた誘導車両の走行制御を確実に行うことができる。
【0104】
本発明の請求項4によれば、前記走行標識の送信手段から必要なときに制御情報が送信されるので、走行標識での消費電力を抑制できる。
【0105】
本発明の請求項5によれば、安全な走行速度で走行したり、前方のパーティとの間で遅延したり速くなったりするのを極力防止できる。
【0106】
本発明の請求項6によれば、走行標識としてマグネットを使用した場合、走行速度を変更する際に走行標識を掘り起こして位置を変更する等の必要があるのに対し、そのような必要がなく、簡単に制御情報を変更することができる。
【0107】
本発明の請求項7によれば、走行情報を書き換える際に、外部の送信機により容易に行うことができる。
【0108】
本発明の請求項8によれば、誘導線に沿って走行する際に走行標識からの情報を容易に得ることができる。
【0109】
本発明の請求項10によれば、家電などのリサイクルに使用される非接触ICタグを走行標識として利用し、制御情報を誘導車両に正確に送信できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す制御ブロック図である。
【図2】同ゴルフカート本体の全体斜視図である。
【図3】同ゴルフカート本体の要部概略図である。
【図4】同ゴルフカートの走行標識としての非接触ICタグのブロック回路図である。
【図5】同4の非接触ICタグへの書き込みを行うライターのブロック回路図である。
【図6】同ゴルフカートから送信されるゴルフカート送信信号を示す図である。
【図7】同ゴルフカートの走行標識としての非接触ICタグから送信される非接触ICタグ送信信号の一例を示す図である。
【図8】同ゴルフカートの走行標識としての非接触ICタグへの書き込み指示信号の一例を示す図である。
【図9】同ゴルフカートの制御信号を示す図である。
【図10】同ゴルフカートが走行される走行路を示す図である。
【図11】同ゴルフカートのカートハウスからクラブハウス前までの走行路を示す図である。
【符号の説明】
1 ゴルフカート本体(誘導車両)
13 制御回路
32a ゴルフカートの受信回路(受信部)
32b ゴルフカートの送信回路(送信部)
49 誘導線
50 走行路
51 非接触ICタグ
53 非接触ICタグの記憶部(記憶手段)
55 非接触ICタグの受信回路(受信手段)
56 非接触ICタグの送信回路(送信手段)
58 ライター(送信機)
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動走行可能な誘導車両(例えば、ゴルフカート)と誘導車両が走行される走行路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の誘導車両、例えばゴルフカートは、搭乗者の操縦に基づいて走行される手動モードと、走行路の誘導線に沿って誘導され、マグネット情報やリモコン信号に基づいて走行される自動モードとを、切り換えスイッチにて切り換えるようになっている。自動モードで走行した場合、走行路に設けられた一対のマグネットの極性とマグネット間の距離検出し、この検出したマグネットからの制御情報に基づいて、走行速度が高速、中速、低速に設定されて走行されたり、減速されたり、停止されたりしていた(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかしながら、マグネットからの極性情報は、マグネット上を通過する際に生じる誘起電圧の大きさを波形によって検出するもので、走行中にリモコン等の停止信号を受けて停止した際に、マグネットの上方にマグネットを検知するマグネットセンサが位置する場合では、再度走行を開始した際にマグネットを検知しようとしても、マグネットセンサにて正常の波形が検出されず、マグネットを検知できなかったり極性を間違って検出したりすることがあり、正確な制御情報が得られないという問題が生じていた。
【0004】
これにより、走行速度が高速で走行し、カーブにさしかかる前の走行速度を中速に減速するマグネット近傍で停止された場合には、マグネットからの制御情報が読み取れなくなると、そのまま高速で走行され、曲がりきれずに脱輪する恐れが大きくなる。また、低速で走行し、高速を指示するマグネット近傍で停止された場合には、マグネットからの制御情報が読み取れなくなると、そのまま低速で走行され、目標とする地点までの到達時間が長くなり、プレーが遅れてしまうことが生じる。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−281751号公報(6頁の段落番号44から同頁段落番号48)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、走行標識近傍で停止しても正確に走行標識からの制御情報を得ることができる誘導車両を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の手段は、走行路に沿って自動走行可能な誘導車両において、前記走行路に設けられた走行標識の送信手段から送信される制御情報を受信する受信部と、この受信部にて受信した制御情報に基づいて走行制御する制御手段とを具えたものである。
【0008】
上記構成において、前記走行標識は、前記送信手段と共に受信手段を有し、受信手段の入力に基づいて前記送信手段からの制御情報を送信し、前記受信手段に向けて送信信号を送信する送信部を設けたものである。
【0009】
そして、前記走行標識は、具体的には非接触ICタグである。
【0010】
上記課題を解決するための第2の手段は、誘導車両を自動走行可能とする走行標識が設けられた走行路において、前記走行標識は前記誘導車両へ向けて制御情報を送信可能な送信手段を有するものである。
【0011】
上記構成において、前記送信手段は、前記誘導車両から送信される送信信号に基づいて前記制御情報を送信するものである。
【0012】
そして、前記制御情報は、走行速度情報や前方の誘導車両に追従するための情報等からなるものである。
【0013】
また、前記走行標記は、前記制御情報を記憶する記憶手段を有し、前記制御情報を他の情報に書き換え可能としたものである。
【0014】
また、前記記憶手段は、外部の送信機からの書き換え指示信号を受信可能な構成で、前記書き換え指示信号に基づいて前記制御情報が書き換えられるものである。
【0015】
また、前記誘導車両を前記走行路に沿って自動走行させるための誘導線が設けられ、この誘導線の近傍に前記走行標識を設けたものである。
【0016】
また、前記走行標識は、具体的には非接触ICタグである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態における誘導車両及びこの誘導車両が走行される走行路を、誘導車両としてゴルフカートを一例に示し、図1乃至図11に基づき説明する。
【0018】
まず、ゴルフカートにおける制御回路のブロック図を図1に、ゴルフカート本体の全体斜視図を図2に示し、全体の構成について図面に基づいて説明をする。
【0019】
1は、使用者が運転して手動走行することのできる手動モードと、使用者が乗車可能で後述する走行路50に埋設した誘導線49に沿って自動走行することができる自動モードとを備え、ゴルフバッグを搭載して走行するゴルフカート本体で、このゴルフカート本体1は、走行モータ17を駆動源として走行する。
【0020】
2は、メインフレーム(図示せず)に設けられ、前記本体1の前後方向に設けられた基台で、この基台2には、使用者が乗車するための座席3、操舵を行うための操舵輪となる前輪4、駆動輪となる後輪5が設けられている。
【0021】
6は、手動モード選択時に使用者が前記座席3に座って操作可能な位置に設けられ、操作によって前記前輪4を操舵するためのハンドルである。
【0022】
7は、ゴルフカート本体1の後部に斜め後方が上部に延びるように設けられゴルフバッグを搭載するための荷台である。
【0023】
8は、前記ハンドル6と前記前輪4との連結部分を覆う樹脂製のフロントカウルで、このフロントカウル8は、その中央に蓋部9を設け、この蓋部9を開口するとゴルフボールやグローブなどを入れるための小物入れになっている。
【0024】
10は、前記本体1の前部で前記フロントカウル8の上部に設けられた透明な樹脂製のフロントシールドで、このフロントシールド10上部より後方にかけて、前記座席3上部を覆う樹脂製のルーフ11が設けられている。また、前記ルーフ11の後部は前記荷台7近傍より上方に向けて設けられた2本の支柱12によって支えられている。
【0025】
次に制御回路のブロック図(図1)について説明する。
【0026】
13は、ゴルフカート本体1の走行を制御する制御回路で、この制御回路13は、マイクロコンピュータであるメインCPU14、誘導センサ処理CPU15、非接触ICタグ情報処理CPU16からなっており、メインCPU14は走行のための制御や操舵のための制御、また制動のための制御等を行うために信号を生成して出力している。誘導センサ処理CPU15は、後述する誘導センサ33からの信号を処理する為のマイクロコンピュータであり、また非接触ICタグ情報処理CPU16は、後述する非接触ICタグ51から送信された制御情報を処理する為のマイクロコンピュータである。また、メインCPU14は、誘導センサ処理CPU15、及び非接触ICタグ情報処理CPU16とシリアル通信によって接続されている。そして、このように制御回路13を複数のマイクロコンピュータから構成することにより、演算の処理速度が速くなるほか、部分的に破損等が生じた場合においても破損したマイクロコンピュータのみを交換するだけで良く、修理が簡単になるという効果がある。
【0027】
17は、後輪5を回転駆動する為の駆動源となる走行モータで、この走行モータ17は、駆動用の前記メインCPU14からの信号に基づいてモータコントローラ19にて制御される。
【0028】
18は充電器20によって一ラウンドが終了したときなどに適宜充電されるバッテリで、モータコントローラ19、走行モータ17、後述するブレーキモータ23、ハンドルモータ26、パーキングブレーキ24及びステアリングモータ25へ電力を供給すると同時に、これら以外(前記制御回路13、後述する表示部45や超音波センサ35等の検出手段)に、降圧回路(図示せず)を介して電力を供給する。このバッテリ18の電力の残量は残量センサ21で検出され、検出された検出値がメインCPU14へ出力される。
【0029】
22は、前記座席3の前面に設けられ使用者のスイッチ51の切り換えによる走行モードの切換を検出する自動/手動検出手段で、この自動/手動検出手段22は、使用者によって選択された走行モードをメインCPU14に入力するようになっている。
【0030】
23は、前記前輪4及び後輪5に設けられた油圧の力によって動作する図示しないブレーキ(ここではディスクブレーキ)の制動力を調整する為のブレーキモータであり、このブレーキモータ23はメインCPU14からの信号によりPWM制御されることになる。
【0031】
24は、本体1を停車させる為の電磁ブレーキからなるパーキングブレーキで、このパーキングブレーキ24は、通電した時に制動力が解除され、非通電時にはバネの力によって制動力が付与されることになる。そして、非通電時には走行モータ17近傍の駆動系の途中に制動力が与えられ、後輪5を固定するように動作する。
【0032】
25は、前記メインCPU14に接続され、前記メインCPU14からの制御信号に基づいて動作するステアリングモータで、このステアリングモータ25は、自動モード選択時にはステアリングモータ25だけの駆動力で前記前輪4を操舵し、手動モード選択時にはハンドル6を操作する人的な力に加えてステアリングモータ25の力が補助的に動作する。
【0033】
26は、ハンドル6軸の途中に設けられ自動モード選択時と手動モード選択時とでハンドル6と前輪4との機械的連結を電気的に断続する為のハンドルモータで、このハンドルモータ26によって自動モードに切り替えられたときにはハンドル6が操作できないように固定され、手動モードに切り替えられたときはハンドル6の操作に伴って前輪4が操舵されるように連結するように電気的に操作される。
【0034】
27は、使用者がブレーキペダル(図示せず)を操作した時に信号が出力するように構成されるブレーキスイッチで、自動モード選択時にブレーキスイッチ27からの信号が出力すると前記メインCPU14よりブレーキモータ23が動作するよう信号が出力し、所定時間経過後にパーキングブレーキ24が動作するようになっている。
【0035】
28は、ブレーキモータ27の動作量の動作初期を検出する為のブレーキホームスイッチであり、このスイッチ28が入っているときはブレーキは動作していない状態であることを検出する。
【0036】
29は、ブレーキモータ27の動作量の動作終了を検出する為のブレーキリミットスイッチであり、このブレーキリミットスイッチ29が動作しているときはブレーキの制動量がフルに動作していることを検出する。
【0037】
30は、ブレーキの油圧が適量であるかどうかを検出する為のブレーキオイル検出手段である。
【0038】
31は、ゴルフカート本体1に設けられゴルフカート本体1の傾斜角度を検出する傾斜センサで、この傾斜センサ31は、検出した傾斜角度を電圧値に変換しメインCPU14に入力する。そして、この値に基づいて発進時や停止時の制御を行うようになっている。
【0039】
32aはゴルフカート本体1に設けられた受信部としての受信回路で、アンテナ32bを介して後述する非接触ICタグ51の制御情報を受信し、受信した制御情報を非接触ICタグ情報処理CPU16に出力する。
【0040】
非接触ICタグ情報処理CPU16は前記制御情報に基づいて指示速度(高速H=10km/h、中速M=6km/h、低速L=3km/h)を検出してメインCPU14に出力したり、通常停止信号、ティーグランドTGの位置であることを指示するティーグランド位置信号、前方のゴルフカートがティグランドTGに達した時刻t1、追従設定及び解除信号等を検知してメインCPU14に出力する。更に、ティーグランド位置信号を検知した際にはゴルフカートの識別番号や停止した時刻t2を書き込み指示信号として設定する。
【0041】
32cはゴルフカート本体1に設けられた送信部としての送信回路で、非接触ICタグ情報CPU16にて制御され、通常、制御情報を送信させるためのゴルフカート送信信号を図6に示すように所定の時間間隔で送信する。また、非接触ICタグ情報CPU16にティーグランド位置信号が入力された際には、非接触ICタグ情報処理CPU16にて設定された書き込み指示信号を送信する。
【0042】
33は、前記ゴルフカート本体1に設けられ、操舵される前輪4の操舵と共に左右に回動する一対の誘導センサで、この誘導センサ33は、誘導線49からの磁界を検出し、互いの誘導センサ33の検出レベルが同じになるように前輪4を操舵する。従って、前輪4が操舵されると誘導センサ33も左右に回動されるため、誘導線49が一対の誘導センサ33の中央に位置するように操舵されることになる。
【0043】
34は、ゴルフカート本体1の前部に設けられた受信機と、後部に設けられた送信機とからなる衝突防止手段としてのカートガードで、受信機にて前方にあるゴルフカート本体1の送信機からの電磁波を受信し、受信機にて受信した信号が所定の信号レベルになったときに緊急停止信号をメインCPU14へ出力する。また、送信機からは後方のゴルフカートへ電磁波が送信される。
【0044】
35は、前方の障害物を超音波の反射によって検出する障害物検知手段としての超音波センサであり、この超音波センサ35も障害物との距離が所定の距離になったときに緊急停止信号をメインCPU14に出力する。
【0045】
メインCPU14は、非接触ICタグ情報処理CPU16で検知された通常停止信号や、カートガード34又は超音波センサ35で検知される緊急停止信号に基づいてブレーキモータ23による制動と走行モータ27の発電、回生制動を行う。
【0046】
36は、後輪5の回転数を検出するエンコーダであり、このエンコーダ36によって検出される信号はメインCPU14に入力され、メインCPU14にて走行速度と走行距離等が算出されるようになっている。また、前記エンコーダ36とは別に後輪5の回転数を検出するサブエンコーダ37も設けられており、このサブエンコーダ37の信号も前記メインCPU14に入力され、この信号に基づいて、エンコーダ36が正常に動作しているかどうかを判断したり、エンコーダ36が異常になったときにメインのエンコーダとして使用したりするために設けられている。
【0047】
38は、前記ハンドル6軸に設けられハンドル6の操作による操作トルクを検出するトルクセンサで、このトルクセンサ38はメインCPU14に接続されており、操作トルクが電気信号として入力され、このトルクの大きさに応じてステアリングモータ25が動作するようになっている。
【0048】
39は、前記ゴルフカート本体1前部に設けられたバンパー40に取り付けられ、障害物等がバンパー40に当接したときに動作するバンパースイッチで、バンパースイッチ39からの信号が入力されるとメインCPU14に非常停止信号が入力されるようになっている。そして、メインCPU14は、前記非常停止信号が入力された際に、走行モータ17の回生制動とブレーキモータ23による制動を最も強く行って停止させる。
【0049】
41は、アクセル近傍に設けられ使用者のアクセルの操作がなされているときにメインCPU14に信号出力するアクセルスイッチで、このアクセルスイッチ41は、自動走行モード選択時にアクセルスイッチ41からの信号入力によって発進するようになっている。
【0050】
42は、使用者の操作可能な位置に設けられ使用者によって進行方向を指示する前後進スイッチで、該前後進スイッチ42は、メインCPU14に接続され、前進及び後進のいずれに切り替えられているかの信号が入力されて指示された向きに走行するように走行モータ17が駆動するようになっている。
【0051】
43は、使用者の操作可能な位置に設けられ、自動モードが選択されている時に、ゴルフカート本体1の発進停止を指示するためのスタートストップスイッチで、このスタートストップスイッチ43は、操作されたときに発進信号と通常停止信号が交互にメインCPU14に入力されるようになっており、この信号入力に基づいて走行モータ17が駆動開始、駆動停止するようになっている。
【0052】
44は、ゴルフカート本体1の発進停止を遠隔操作するためのリモコンからの信号を受信するためのリモコン受信機で、このリモコン受信機44もメインCPU14に接続され、受信した信号によって走行制御されるようになっている。また、前記リモコンには、一つの操作ボタンが設けられ、操作ボタンを押圧したときに信号が出力されるようになっており、前記ゴルフカート本体1が走行中に信号が入力されると通常停止信号がメインCPU14に入力されて停止の制御がなされ、停止中に信号が入力されると発進の制御がなされるようになっている。
【0053】
45は、使用者が前記座席3に乗車したときに正面にくるような位置に設けられた表示部で、この表示部45は、バッテリ残量や選択された走行モードの表示などが表示されるようになっている。
【0054】
次に上述する構成における動作について説明する。
【0055】
前記自動手動検出手段22によって手動モードの選択が検出され、走行を開始する場合、アクセルを操作したときにアクセルからの指示値に応じた駆動力で走行モータ17が駆動する。これによって後輪5が回転して走行を始め、走行開始と同時に、パーキングブレーキ24は解除される。
【0056】
また、停止をする場合、ブレーキの操作量に応じた制動量でブレーキモータ23が動作し、エンコーダ36によって車速がゼロであることを検出したときにパーキングブレーキ24が動作するようになっている。
【0057】
走行中の操舵については、ハンドル6の操作に応じて前輪4が操舵され、その時に同時にトルクセンサ38によってハンドル6の操作トルクが検出される。このトルクに応じて、ステアリングモータ25が駆動し、ハンドル6の操作力を補助するように駆動力が与えられる。
【0058】
次に自動モードが選択されている場合について説明をする。
【0059】
停止中にスタートストップスイッチ43が押されると、パーキングブレーキ24が解除されると共に走行モータ17が駆動を開始する。この時の走行速度は、後述する非接触ICタグ51からの速度指示信号に基づいて高速Hの場合10km/h、中速Mの場合6km/h、低速Lの場合3km/hに設定され、エンコーダ36にて走行速度を検知しながら走行モータ17の駆動とブレーキモータ23の駆動により設定速度となるように速度が調整されて走行される。そして、後述する誘導センサ33の動作によって、走行路50に埋設した誘導線49に沿って前輪4が操舵されて走行する。
【0060】
次に、自動モード時のステアリング部分の動作について、図3に基づき説明をする。
【0061】
46は、先端部に前記誘導センサ33を取り付けた誘導センサアームで、このアーム46は、前輪4の左右の操舵と共に回動するように連結されている。また、前記アーム46の途中にはギヤ47が設けられており、このギヤ47は、前記ステアリングモータ25の出力軸に設けられたギヤ48と結合するようになっている。
【0062】
ゴルフカート本体1の操舵においては、自動モード選択時、走行しながら一対の誘導センサ33によって走行路50に埋設された誘導線49からの磁界を検出し、2つの誘導センサ33の信号のレベルが同じになるように前輪4を操舵する。具体的な信号の流れについて説明すると、誘導線49から生じる磁界は、それぞれの誘導センサ33によって受信され、誘導センサ処理CPU15に入力される。そして、2つの誘導センサ33の信号レベルを比較して、左右どちらにずれているかが演算され、一対の誘導センサ33の中心が誘導線49上にくるように、メインCPU14からステアリングモータ25に信号が出力され、ステアリングモータ25の駆動によって前輪4を操舵する。前輪4を操舵することによって2つの誘導センサ33の中心に誘導線49が位置するように制御されることになる。
【0063】
次に、ゴルフカート本体1の走行を指示する走行標識としての非接触ICタグ51とこの非接触ICタグ51に制御情報を書き込むためのライター58について説明する。
【0064】
51はゴルフカート本体1へ制御情報を送信する非接触ICタグで、図3、図10及び図11に示すように走行路50の誘導線49近傍に埋設され、図4に示すように内蔵する電池52を電源として動作する。この非接触ICタグ51は、記憶部53を有する制御部54に、受信手段としての受信回路55と、送信手段としての送信回路56とが接続され、受信回路55と送信回路56にアンテナ57を接続した構成となっている。
【0065】
記憶部53には主として図9に示すような制御情報がコード化されて書き換え可能に記憶され、受信回路55はゴルフカート本体1からのゴルフカート送信信号(図6)や書き込み指示信号(図8)を受信すると共に、後述するライター58からの書き込み指示信号(図8)を受信し、制御部54に出力する。
【0066】
受信回路55からのゴルフカート送信信号が制御部54へ出力された場合には、制御部54は、記憶部53に記憶されたコード化した制御情報を図7に示す非接触ICタグ送信信号(ここでは、一例として走行速度3kmを指示する信号を示す)を送信回路56からアンテナ57を介して複数回(ここでは2回)送信する。
【0067】
また、受信回路55から書き込み指示信号(書き込み指示信号であることを示すA部と制御情報を示すB部から構成)が制御部54へ出力された場合には、制御部54は、書き込み指示信号の内のB部を記憶部53に書き込む。
【0068】
58は制御情報を非接触ICタグ51に書き込むためのライターで、図5に示すように電源としての電池59を内蔵し、持ち運び可能となっている。このライター58は、制御部60に入力回路61と送信スイッチ62と表示部65と送信回路53と受信回路66とが接続され、送信回路63及び受信回路66にアンテナ64が接続された構成となっている。
【0069】
入力回路61からは制御情報が図9に示すコードで入力可能となっており、入力された制御情報が制御部60に出力され、制御情報が表示部65に表示される。そして、送信スイッチ62を押すと、制御部60は図8に示すように書き込み指示信号であることを認識させるA部と制御部60に出力された制御情報としてのB部(ここでは、走行速度3kmの場合を示す)とから書き込み指示信号を構成し、この書き込み指示信号を送信回路63からアンテナ64を介して送信する。
【0070】
また、入力回路61からはゴルフカート送信信号を入力可能となっている。この信号を入力すると表示部にゴルフカート送信信号であることが表示され、この状態で送信スイッチ62を押すと、送信回路63からゴルフカート送信信号が送信される。
【0071】
このゴルフカート送信信号が非接触ICタグ51の受信回路55で受信されると、この信号が制御部54に出力され、制御部54は記憶部53に記憶された制御情報を発信回路56からアンテナ57を介して送信する。
【0072】
そして、この送信された制御情報をライター58の受信回路66で受信すると、受信した制御情報が制御部60に出力され、表示部65に制御情報が表示される。これにより、非接触ICタグ51に書き込まれている制御情報を容易に確認することができ、非接触ICタグ51の制御情報の書き換えを確実に行うことができる。
【0073】
次に、走行路50に埋設される各非接触ICタグ51について図10及び図11に基づいて説明する。ここで、図中のTGはティーグランド、Gはグリーン、CHはクラブハウスである。
【0074】
51aはクラブハウスCH前に埋設された非接触ICタグで、停止信号と追従走行を解除する信号と走行速度(ここでは中速M)を指示する信号とからなる制御情報が記憶されている。
【0075】
51bは各ホールのティーグランド近傍に埋設された非接触ICタグで、停止信号とティーグランド位置信号と前方のゴルフカートがティーグランド位置に達した時間t1と中速Mの走行速度を指示する信号とからなる制御情報が記憶されている。
【0076】
51cは各ホールの中間位置に設けられた非接触ICタグで、停止信号と走行速度を指示する信号とからなる制御情報が記憶されている。走行速度は、平坦な直線区間が続くことからここでは高速Hが設定されている。
【0077】
51dはグリーンG近傍に設けられた非接触ICタグで、停止信号と走行速度(ここでは中速M)を指示する信号とからなる制御情報が記憶されている。
【0078】
51eは見通しが良く長い直線が始まる箇所に埋設された非接触ICタグで、高速Hを指示する信号が制御情報として記憶されている。
【0079】
51fは急なカーブや急な下り坂の手前に設けられた非接触ICタグで、低速L指示する信号が制御情報として記憶されている。
【0080】
51gは通常の走行速度としての中速Hを指示する信号が制御情報として記憶された非接触ICタグである。
【0081】
上述の如く、急なカーブや急な下り坂の手前において非接触ICタグ51fにて低速Lを指示することで、脱輪等を起こすのを防止でき、安全に走行できる。また、平坦な直線が続く箇所において非接触ICタグ51dにて高速Hを指示することで、目標とする箇所に速く到達することができる。
【0082】
次に、上記構成のゴルフカート本体1が上記走行路50に沿って収納場所から自動走行される場合について説明する。
【0083】
収納場所であるカートハウスにおいて電源を投入して自動走行を選択すると追従走行が設定され、スタートストップスイッチ43等で発進を指示すると誘導線49に誘導されながら収納場所からクラブハウスCHに向けて走行される。
【0084】
走行中、前方のゴルフカート本体1のカートガード34からの信号を本ゴルフカート本体1のカートガード34で受信する。受信した信号が所定のレベルに達すると前方のゴルフカート本体1と本ゴルフカート本体1との距離が所定の距離以下であることがカートガード34からの信号により制御回路13にて検知され、停止される。そして、追従走行が設定されていることで、前方のゴルフカート本体1が発進して前方のゴルフカート本体1とのとの距離が所定の距離以上になると本ゴルフカート本体1は自動的に走行が開始される。これにより、上記の如く通常の停止位置以外で停止しても、その都度手動で走行開始を指示する必要がなく、使い勝手を向上できる。
【0085】
走行路50のクラブハウスCH前に近づくとゴルフカート本体1の送信回路32cから常時送信されているゴルフカート送信信号がクラブハウスCH前の非接触ICタグ51aの受信回路55で受信されるようになる。この非接触ICタグ51aでゴルフカート送信信号が受信されると、非接触ICタグ51aの記憶部53に記憶された制御情報が制御部54にて読み出され、送信回路56からアンテナ57を介して送信される。
【0086】
ゴルフカート本体1では受信回路55にて制御情報が受信され、非接触ICタグ情報処理CPU16に出力される。非接触ICタグ情報処理CPU16では制御情報として停止信号と追従走行解除信号と中速Mの走行速度を指示する信号が検知され、この検知された制御情報が非接触ICタグ情報処理CPU16からメインCPU14に送られる。メインCPU14では追従走行解除信号に基づいて追従走行を解除すると共に停止信号に基づいて走行モータ17とブレーキモータ23を制御してゴルフカート本体1を停止させる。
【0087】
そして、クラブハウスCH前に停止したゴルフカート本体1には荷台7にゴルフバッグが搭載される。そして、ゴルフカート本体1にスタートストップスイッチ43を押して発進を指示すると、中速Mを指示する信号に基づいて走行モータ17とブレーキモータ23を制御して中速Mとなるように速度が調節され、ティグランドTGに向けて走行される。
【0088】
ゴルフカート本体1がティグランドTG近傍に到達すると、クラブハウスCH前と同様に、ゴルフカート本体1からのゴルフカート送信信号に基づいてティーグランドTG近傍の非接触ICタグ51bから制御情報が送信されるようになる。この制御情報を受信回路32aにて受信したゴルフカート本体1は、制御回路13にて停止信号、ティーグランド位置信号、前方のゴルフカート本体1が達した時間t1及び中速Mを指示する信号を検知する。
【0089】
この検知した停止信号に基づいてゴルフカート本体1が停止される。そして、ティーグランド位置信号に基づいて到達時間t2が検知され、制御情報から得られた到達時間t1との差(t2−t1)、即ち、前方のゴルフカート本体1が到達してから本ゴルフカート本体1が到達するまでの時間Δtが算出される。この時間Δtが予め設定した所定の時間Tより長い場合には、制御回路13にてプレーが遅れていると判断し、表示部45にプレーの進行を早めるよう促す表示を行う。これにより、大きくプレーが遅れるのを防止できる。逆に、時間Δtが予め設定した所定の時間Tより短い場合には、制御回路13にてプレーが進んでいると判断し、表示部45にプレーが進んでいることを示す表示が行われる。これにより、前のプレーヤとの間隔が狭い状態でティーショットを打ってボールがプレーヤに当たるのを防止できる。
【0090】
また、検知した到達時間t2はゴルフカート本体1の送信回路32cから書き込み指示信号として送信される。この書き込み指示信号はティーグランドTG近傍の非接触ICタグ51bの受信回路55にて受信され、制御部54に出力される。制御部54では書き込み指示信号に基づいて制御情報としての到達時間t1をt2に書き換えて記憶する。
【0091】
ティーショットを打ち終えた後、スタートストップスイッチ43やリモコンを操作してゴルフカート本体1をティーグランドTG近傍の停止位置から発進させる。
【0092】
発進したゴルフカート本体1は誘導線49に沿って非接触ICタグ51から送信される制御情報に基づいて走行速度を制御されたり、停止されたりしながら走行路50を走行される。
【0093】
上述の如く、制御情報としての走行速度を指示する信号や追従走行を設定する信号等が非接触ICタグ51から送信されるので、走行標識である非接触ICタグ51上で停止された場合でも、非接触ICタグ51からの制御情報を確実に検知でき、非接触ICタグ51に基づいた走行制御を確実に行うことができる。
【0094】
また、非接触ICタグ51には受信回路55と送信回路56とを有し、ゴルフカート本体1には非接触ICタグ51に向けて常時ゴルフカート送信信号を送信する送信回路32bを設けたことで、非接触ICタグ51は、常時送信信号を送信する必要がなく、ゴルフカート本体1の送信回路32bからのゴルフカート送信信号を受信した際に、送信回路56から制御情報を送信すればよく、非接触ICタグ51での消費電力を抑制することができる。したがって、上述の如く、電源として電池52を使用しても長期間非接触ICタグ51を使用することができる。
【0095】
また、非接触ICタグ51は制御情報を書き込み可能な記憶部53を有することから、制御情報を変更する際に、従来のマグネットを利用した走行標識のように走行路50から掘り起こして移動させることが必要なく、容易に制御情報を変更することができる。この際、外部の送信機であるライター58からの書きこみ指示信号を受信して制御情報が書きかえられるので、容易に制御情報の書き換えを行うことができる。
【0096】
また、非接触ICタグ51を誘導線49の近傍に設けたことで、ゴルフカート本体1が誘導線49に沿って走行する際に非接触ICタグ51からの情報を容易に得ることができる。
【0097】
尚、上記実施の形態に示すように、家電等のリサイクルのための識別番号等の情報を記憶する非接触ICタグ51を走行標識に利用することが望ましいが、走行路50に設けられて制御情報を送信するものであればよい。
【0098】
また、非接触ICタグ51は電池を電源として制御情報を送信する等の動作を行うようにしたが、ゴルフカート送信信号を電力に変換し、変換した電力により制御情報を送信するようにしても良い。
【0099】
また、バッテリ18を電源とした走行モータ17にて走行するゴルフカートを示したが、エンジンにて走行するゴルフカートでも良い。更に、誘導線や磁気テープ上を走行する搬送車に使用してもかまわない。
【0100】
【発明の効果】
本発明の請求項1によれば、走行標識の送信手段から制御情報を送信するようにしたことで、誘導車両を走行標識付近で停止しても制御情報を確実に受信することができ、走行標識に基づいた走行を確実に行うことができる。
【0101】
本発明の請求項2によれば、常時制御情報を送信する必要がなく、誘導車両から送信される信号を受信した際に走行標識から制御情報を送信すればよく、走行標識での消費電力を抑制することができる。
【0102】
本発明の請求項3によれば、家電などのリサイクルに使用される非接触ICタグを走行標識として利用し、走行標識から正確な制御情報を得ることが出きる。
【0103】
本発明の請求項4によれば、走行標識から誘導車両に向けて制御情報を送信することで、走行標識に基づいた誘導車両の走行制御を確実に行うことができる。
【0104】
本発明の請求項4によれば、前記走行標識の送信手段から必要なときに制御情報が送信されるので、走行標識での消費電力を抑制できる。
【0105】
本発明の請求項5によれば、安全な走行速度で走行したり、前方のパーティとの間で遅延したり速くなったりするのを極力防止できる。
【0106】
本発明の請求項6によれば、走行標識としてマグネットを使用した場合、走行速度を変更する際に走行標識を掘り起こして位置を変更する等の必要があるのに対し、そのような必要がなく、簡単に制御情報を変更することができる。
【0107】
本発明の請求項7によれば、走行情報を書き換える際に、外部の送信機により容易に行うことができる。
【0108】
本発明の請求項8によれば、誘導線に沿って走行する際に走行標識からの情報を容易に得ることができる。
【0109】
本発明の請求項10によれば、家電などのリサイクルに使用される非接触ICタグを走行標識として利用し、制御情報を誘導車両に正確に送信できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す制御ブロック図である。
【図2】同ゴルフカート本体の全体斜視図である。
【図3】同ゴルフカート本体の要部概略図である。
【図4】同ゴルフカートの走行標識としての非接触ICタグのブロック回路図である。
【図5】同4の非接触ICタグへの書き込みを行うライターのブロック回路図である。
【図6】同ゴルフカートから送信されるゴルフカート送信信号を示す図である。
【図7】同ゴルフカートの走行標識としての非接触ICタグから送信される非接触ICタグ送信信号の一例を示す図である。
【図8】同ゴルフカートの走行標識としての非接触ICタグへの書き込み指示信号の一例を示す図である。
【図9】同ゴルフカートの制御信号を示す図である。
【図10】同ゴルフカートが走行される走行路を示す図である。
【図11】同ゴルフカートのカートハウスからクラブハウス前までの走行路を示す図である。
【符号の説明】
1 ゴルフカート本体(誘導車両)
13 制御回路
32a ゴルフカートの受信回路(受信部)
32b ゴルフカートの送信回路(送信部)
49 誘導線
50 走行路
51 非接触ICタグ
53 非接触ICタグの記憶部(記憶手段)
55 非接触ICタグの受信回路(受信手段)
56 非接触ICタグの送信回路(送信手段)
58 ライター(送信機)
Claims (10)
- 走行路に沿って自動走行可能な誘導車両において、前記走行路に設けられた走行標識の送信手段から送信される制御情報を受信する受信部と、該受信部にて受信した制御情報に基づいて走行制御する制御手段とを具えたことを特徴とする誘導車両。
- 前記走行標識は、前記送信手段と共に受信手段を有し、該受信手段の入力に基づいて前記送信手段からの制御情報を送信し、前記受信手段に向けて送信信号を送信する送信部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の誘導車両。
- 前記走行標識は非接触ICタグであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の誘導車両。
- 誘導車両を自動走行可能とする走行標識が設けられた走行路において、前記走行標識は前記誘導車両へ向けて制御情報を送信可能な送信手段を有することを特徴とする誘導車両の走行路。
- 前記送信手段は、前記誘導車両から送信される送信信号に基づいて前記制御情報を送信することを特徴とする請求項4に記載の誘導車両の走行路。
- 前記制御情報は、走行速度情報や前方の誘導車両に追従するための情報からなることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の誘導車両の走行路。
- 前記走行標識は、前記制御情報を記憶する記憶手段を有し、前記制御情報を他の情報に書き換え可能としたことを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の誘導車両の走行路。
- 前記記憶手段は、外部の送信機からの書き換え指示信号を受信可能な構成で、前記書き換え指示信号に基づいて前記制御情報が書き換えられることを特徴とする請求項7に記載の誘導車両の走行路。
- 前記誘導車両を前記走行路に沿って自動走行させるための誘導線が設けられ、該誘導線の近傍に前記走行標識を設けたことを特徴とする請求項4乃至請求項8のいずれかに記載の誘導車両の走行路。
- 前記走行標識は非接触ICタグであることを特徴とする請求項4乃至請求項9のいずれかに記載の誘導車両の走行路。
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2002
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