JP2004124069A - シリカ被覆アルミニウム顔料およびその製造方法並びにその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】水性塗料、水性インキに配合された時の水素ガスの発生、光沢の劣化、塗料に配合された時の増粘、ゲル化現象、耐電圧の低下といった従来のアルミニウム顔料の問題点を解決するアルミニウム顔料の提供。
【解決手段】アルミニウム粒子が、該表面に膜厚0.5〜5nmのシリカ薄膜が多層に形成され、そのシリカ多層膜で被覆されたことを特徴とするシリカ被覆アルミニウム顔料。
アルミニウム粒子を加水分解触媒、水、親水性有機溶剤を含む溶液に分散させる工程、該分散液にSi含有化合物を含む溶液をシリカ膜の最大堆積速度が3nm/hr以下にして添加する工程、を含むシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
【選択図】図2
【解決手段】アルミニウム粒子が、該表面に膜厚0.5〜5nmのシリカ薄膜が多層に形成され、そのシリカ多層膜で被覆されたことを特徴とするシリカ被覆アルミニウム顔料。
アルミニウム粒子を加水分解触媒、水、親水性有機溶剤を含む溶液に分散させる工程、該分散液にSi含有化合物を含む溶液をシリカ膜の最大堆積速度が3nm/hr以下にして添加する工程、を含むシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム粒子を使用するアルミニウム顔料に関する。さらに詳しくは、水性塗料や水性インキに配合される時、ガス発生がなく貯蔵安定性に優れ、或いは、塗料やインキ中に配合される時、組成物がゲル化することがなく、貯蔵安定性に優れるアルミニウム顔料に関するものである。また、耐電圧性が要求される塗膜を形成するためのメタリック塗料に配合された時には、メタリック感を損なうことなく、耐電圧性が満足されるアルミニウム顔料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水性塗料に配合されるアルミニウム顔料に関しては、多くの技術が開示されている。例えば、特開平10−130545号公報(特許文献1)にはアルミニウム顔料を無機りん酸または無機りん酸塩、りん酸エステル化合物などで加工する方法が開示されている。また、特開昭62−81460号公報(特許文献2)には、アルミニウム表面に樹脂を被覆する方法が開示されている。また、特開2002−121423号公報(特許文献3)には、樹脂を被覆したアルミニウム顔料にさらに化成処理を加える方法が、特開2002−88274号公報(特許文献4)には、りんを含有させたシリカ被覆の方法が開示されている。特開平7−3185号公報(特許文献5)ではアルミニウム顔料表面にシロキサン被覆を施し、さらに合成樹脂被覆を形成する方法が開示されている。特開昭57−42772号公報(特許文献6)ではPH10.0〜10.8に調整した可溶性珪酸にアルミニウム顔料を分散させ、褐色や黒色に着色した顔料を作成する方法が開示されている。しかしながら、これらの方法では、水性塗料などでの貯蔵安定性、熱硬化型、エネルギー線硬化型塗料などでの貯蔵安定性、塗膜の耐電圧性、光沢、全てに優れたアルミニウム顔料を得ることは困難であるのが現状である。
【0003】
特開2002−88274号公報(特許文献7)では、りん含有シリカ膜は0.01μm以下の微粒子が表面に付き被膜を形成して、膜の緻密性を上げている。しかし、りんを含有していないシリカ膜のみの場合は、耐水性が劣り、大量の水素を発生することが開示されている。
【0004】
特許文献6では、アルミニウム顔料を着色させ太陽光線に対する選択吸収性の向上を目的としており、水性塗料等に関する記述はない。
【0005】
特許文献5では、単分子層相当のシロキサン被覆をアルミ顔料に施し、樹脂とアルミ顔料の密着性、シール性を高めており、単分子相当レベルのシロキサン被覆のみではバリアー性が問題である。
【特許文献1】
特開平10−130545号公報
【特許文献2】
特開昭62−81460号公報
【特許文献3】
特開2002−121423号公報
【特許文献4】
特開2002−88274号公報
【特許文献5】
特開平7−3185号公報
【特許文献6】
特開昭57−42772号公報
【特許文献7】
特開2002−88274号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
アルミニウム顔料は水性塗料や水性インキに配合された時、それに含有される水と反応して水素ガスを発生して溶解する性質があり、特に、pH値の高い水性塗料やインキでは、その傾向が顕著である。
【0007】
また、アルミニウム顔料は、熱硬化型や紫外線などによるエネルギー線硬化型塗料やインキに配合された時、塗料やインキが増粘・ゲル化する場合がある。この現象の反応機構は解明されていないが、アルミニウムの金属表面が何らかの関与をしているようである。
【0008】
さらに、電気製品などに塗装された部位で塗膜の耐電圧性が要求される場合、従来のアルミニウム顔料を配合した塗料では、アルミニウムが持つ導電性のために要求される耐電圧性が満たされないという問題もある。
【0009】
本発明は、上記のような問題点を解決するアルミニウム顔料を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の問題点に対して鋭意研究を行なった結果、アルミニウム粒子の表面上に緻密な連続膜であるシリカ薄膜の多層膜を設けることにより、前記課題を解決することを見出し、本発明に到った。
【0011】
すなわち本発明は、
1)アルミニウム粒子表面に膜厚0.5〜5nmのシリカ薄膜が多層に形成されたことを特徴とするシリカ被覆アルミニウム顔料。
2)アルミニウム顔料が、アルミニウム粒子表面とシリカ薄膜との間に酸化アルミニウム層を有する上記1記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
3)シリカ薄膜が多層に形成されたシリカ多層膜が、膜厚3〜30nmである上記1または2記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
4)水性塗料や水性インキに配合され、50℃、336時間経過した時に、アルミニウム顔料中のアルミニウム1g当りから発生する水素ガスの体積が1cm3以下であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
5)水性塗料や水性インキに配合され、50℃、336時間経過した時に、アルミニウム顔料中のアルミニウム1g当りから発生する水素ガスの体積が10cm3以下であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
6)シリカ多層膜の1150〜1250cm−1と1000〜1100cm−1における赤外吸収スペクトルの吸収ピーク強度の比I(I=I1/I2:I1は1150〜1250cm−1の吸収ピーク強度、I2は1000〜1100cm−1の吸収ピーク強度)が、0.2以上であり、且つシリカ膜の屈折率が1.435以上であることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
7)シリカ多層膜中のSi元素量が、アルミニウム粒子中のアルミニウムに対して1〜10質量%である上記1〜6のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
8)シリカ多層膜の表面が、疎水性付与剤で疎水化された上記1〜7のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
9)疎水性付与剤が、シラン系カプリング剤、アルミニウム系カプリング剤、チタネート系カプリング剤から選ばれた少なくとも1種である上記8記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
10)アルミニウム粒子が、フレーク状粒子である上記1〜9のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
11)アルミニウム粒子が、フレーク状粒子であって、平均粒子径D50が5〜100μm、アスペクト比(粒子径/厚み)が20以上である上記1〜9のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
12)アルミニウム粒子を加水分解触媒、水、親水性有機溶剤を含む溶液に分散させる工程、該分散液にSi含有化合物を含む溶液をシリカ膜の最大堆積速度が3nm/hr以下にして添加する工程、を含むシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
13)アルミニウム粒子をSi含有化合物、水、親水性有機溶剤を含む溶液に分散させる工程、該分散液に加水分解触媒を含む溶液をシリカ膜の最大堆積速度が3nm/hr以下にして添加する工程、を含むシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
14)シリカ被覆アルミニウム顔料を70℃以上の沸点をもつ有機溶媒を含有する溶液中で加熱する工程を含むことを特徴とする上記12または13記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
15)Si含有化合物が、加水分解触媒存在下で加水分解しシリカを造り出すことができる化合物である上記12〜14のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
16)Si含有化合物が、シリコンアルコキシドである上記15に記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
17)シリコンアルコキシドが、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランから選ばれた少なくとも1種である上記16に記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
18)加水分解触媒が、アンモニア、エチレンジアミン、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、蟻酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムから選ばれた少なくとも1種である上記12〜14のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
19)上記1〜11のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料を含むペースト。
20)上記1〜11のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料、水を含む水系ペースト。
21)上記1〜11のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料を含む塗膜。
22)上記1〜11のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料を含有する塗料。
23)上記1〜11のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料を含有するインキ組成物。
24)上記22に記載の塗料が塗布された塗装物。
25)上記23に記載のインキ組成物が使用された印刷物。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のシリカ多層膜により被覆されたアルミニウム顔料の製造方法の概略を説明する。まず、アルミニウム粒子(原料アルミニウム顔料)を親水性有機溶剤、水、加水分解触媒に分散させ、シリカ薄膜を形成させるためのSi含有化合物を加えてSi含有化合物の加水分解によるシリカ生成反応を行い、アルミニウム粒子表面にシリカ薄膜を多層に形成しシリカ多層膜によって被覆する。反応後のシリカ膜被覆されたアルミニウム顔料は濾過、溶媒洗浄、乾燥操作等を経て、顔料あるいは顔料ペーストとする事ができる。さらにシリカ膜の脱水縮合により、バリアー性を向上させるために顔料ペーストを高沸点溶媒に分散させ、熱をかけることもできる。アルミニウム顔料はアルミニウム粒子を基材とする。
【0013】
本発明で用いるアルミニウム粒子は、アルミニウムを溶湯直接粉化、機械的粉化、蒸着法によって得ることができる。機械的粉化として、ボールミル粉砕法、スタンプミル法、アトライタ−法、振動ミルなどの手法や蒸着法によって製造されたものが好適に使用できる。また、アルミニウム粒子はアルミニウムのみから構成されていてもよく、また、アルミニウムを基とした合金から構成されていてもよく、その純度は特に限定されない。
【0014】
アルミニウム粒子の形状としては、涙滴状、球状、針状、不規則形状、フレーク(鱗片)状があるが、メタリック塗料として使用される場合にはフレーク状が好ましく、平均粒子径(D50:累積重量50%粒子径)で5μmから100μm、さらに5〜50μmが好ましく、厚みは1μm以下、アスペクト比(粒子径/厚み)が20以上であることが望ましい。また、アスペクト比は1000以下であることが好ましい。1000を超えると顔料の機械的強度が低下し、色調が不安定となる場合がある。
【0015】
アルミニウム粒子の平均粒子径は、レーザー回折法、マイクロメッシュシーブ法、コールターカウンター法、などの公知の粒度分布測定法により測定された粒度分布より、体積平均を算出して求められる。
【0016】
また、アルミニウム粒子の表面には、粉砕助剤が付着していてもよい。粉砕助剤としては、通常不飽和脂肪酸を使用する。ここで使用される不飽和脂肪酸としては、たとえば、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、リノール酸、リノレイン酸、リシノール酸、エライジン酸、ゾーマリン酸、ガドレイン酸、エルカ酸などが挙げられる。
アルミニウム顔料は、乾燥粉末にすると、粉塵爆発の危険性や取り扱いの困難さの理由から、通常は溶剤を含んだペースト状になっている。本発明においては、アルミニウム顔料はそのまま用いても良いし、あるいは洗浄して溶剤を除いてから用いても良い。ミネラルスピリットなどの疎水性有機溶剤を含むアルミニウムペーストを用いる場合は、ノニオン性やアニオン性の界面活性剤を添加して、水に乳化・分散し易くしても良い。
【0017】
アルミニウム粒子を分散させる親水性有機溶媒は水と親和性があり、均一溶液を形成するものであれば、特に制限はないが、好ましい例としてはグリコール類やアルコール類が挙げられ、これらの1種あるいは2種以上を用いることができる。グリコール類としては、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールなどが挙げられる。また、アルコール類としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノールなどが挙げられる。これらの中ではアルミニウム顔料の分散性の観点からプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エタノールが特に好ましい。有機溶媒は、これらの内1種を単独でも、また2種類以上組み合わせて用いてもよい。本発明で用いられる親水性有機溶媒には、特に制限はなく、工業用、あるいは試薬として広く一般に用いられているものでよいが、好ましくはより高純度のものが適している。
【0018】
シリカ薄膜で被覆するのに用いるSi含有化合物は加水分解してシリカを造り出す化合物であれば使用できるが、シリコンアルコキシドが好ましい。シリコンアルコキシドとしては、特に制限はなく、工業用、あるいは試薬として広く一般に用いられているものでよいが、好ましくはより高純度のものがよい。一般式 Si−(OR)4(RはC1〜C5のアルキル基などの炭化水素基を示す、Rは全て同一あるいは異なったものであっても、異なったもの一部含んでいてもよい)で示されるものや、アルコキシ基の一部をアルキル基に変えたものも用いることができる。具体的にはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン等がある。また、そのシリコンアルコキシドはモノマーでも、オリゴマーでもよく、また、その混合物でも構わない。また、本発明のシリカ薄膜で被覆するのに用いるSi含有化合物には、中でも、適当な加水分解速度を有するテトラエトキシシランが特に好適に用いられる。Si含有化合物は、単独で使用してもよく、また2種類以上組み合わせて用いてもよい。
【0019】
シリコンアルコキシドの使用量は、用いるアルミニウム粒子の種類によって異なるため一概には規定できないが、シリカ多層膜中のSi原子量がアルミニウム粒子中のアルミニウムに対して1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%、さらに好ましくは2〜4質量%となるように使用量を設定する事が望ましい。
【0020】
シリコンアルコキシドの使用量が少ない場合は、シリカ多層膜のバリアー性が不充分であり特に水性塗料に適用した場合は水素ガスの発生量が多くなる。、またシリコンアルコキシドの使用量が多すぎる場合には、アルミニウム粒子の表面にシリカが付き過ぎ、アルミニウム粒子の持つ金属光沢が損なわれることがあるためアルミニウム顔料として好ましくない。また、アルミニウムに対しSi原子換算で10質量%以上のシリカ被膜を形成すると、アルミニウム顔料の持つ金属光沢(メタリック感)が損なわれてしまい好ましくない。
【0021】
シリカ薄膜の膜厚は、シリカ(SiO2)分子1層以上であればよいが、0.5〜5nm、好ましくは0.5〜3nmである。また、シリカ薄膜は、アルミニウム粒子表面の少なくとも一部分を被覆していればよく、シリカ薄膜が重なりあって多層状態をつくりシリカ多層膜が結果的にアルミニウム粒子の全表面を被覆していればよい。シリカ多層膜は厚さが均一でも不均一でもよく、緻密な(密度が高く、欠陥がない)連続した膜であればよい。
【0022】
アルミニウム粒子は、その表面がアルミニウム金属の状態、表面が酸化され酸化アルミニウム層を有している状態、水酸化アルミニウム膜の発生を防ぐためにステアリル酸等の脂肪酸で保護膜を有している状態であってもよい。
【0023】
シリカ多層膜の膜厚に関してはバリアー性と金属光沢の兼ね合いで決まり、3〜30nmが好ましく、さらに好ましくは5〜15nmである。なお、シリカ多層膜厚は透過型電子顕微鏡像より求めることができる。
【0024】
Si含有化合物として、例えばシリコンアルコキシドを用いる場合は、アルミニウム粒子、およびシリコンアルコキシドを含む分散液に、水や加水分解触媒を加えることによりシリコンアルコキシドを加水分解し、シリカ被膜をアルミニウム顔料表面に析出させることができる。その加水分解速度は、用いる水のシリコンアルコキシドとのモル比や濃度、及び、加水分解触媒のシリコンアルコキシドとのモル比や濃度によって調整される。シリコンアルコキシドが加水分解されシラノール性−OH基が形成され、アルミニウム粒子表面にある−OH基等と縮合反応し、また、シリコンアルコキシドの重合反応によりSi−O−Si結合ができるため、アルミニウム粒子表面にシリカ被膜が形成されると考えられる。
【0025】
本発明で用いるSi含有化合物を加水分解するための加水分解触媒は、特に限定はなく、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ類、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機アルカリ塩類、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ピリジン、アニリン、コリン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、グアニジン等の有機アルカリ類、蟻酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、蟻酸モノメチルアミン、酢酸ジメチルアミン、乳酸ピリジン、グアニジノ酢酸、酢酸アニリン等の有機酸アルカリ塩を用いることができる。特に、アンモニア、エチレンジアミン、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、蟻酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが好ましい。加水分解触媒は、これらの内1種を単独でも、また2種類以上組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられる加水分解触媒には特に制限はなく、工業用、あるいは試薬として広く一般に用いられているものでよいが、好ましくはより高純度のものがよい。
【0026】
本発明でのシリカ被膜形成用組成物に用いる水は、特に制限はなく、好ましくは濾過等により粒子を除去した水である。水中に粒子が含まれると、製品中に不純物として混入するので好ましくない。
【0027】
水は、有機溶媒/水の比率が容量比で0〜10(0は水のみの場合を示す)の範囲の量で使用できる。この範囲をはずれると、成膜できない場合や、成膜速度が極端に落ちる場合がある。更に、好ましくは、有機溶媒/水の比率が2〜5の範囲である。有機溶媒/水の比率が2〜5の範囲では、用いる加水分解触媒の種類が限定されない。これをはずれる範囲、すなわち、有機溶媒/水の比率が2未満では、アルカリ金属を含まない加水分解触媒、例えば、アンモニア、エチレンジアミン、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム等を用いれば成膜ができる。
【0028】
成膜速度を上げるには、成膜温度を上げることが有効である。この場合には、成膜温度で揮発、分解しにくい加水分解触媒、および有機溶媒を用いることが好ましい。加水分解触媒の添加量は、例えば炭酸ナトリウムの場合0.002 モル/リットル程度の微量添加で成膜可能であるが、1 モル/リットル程度の大量の添加を行ってもかまわない。しかし、固形アルカリを溶解しない量を超えて添加すると、アルミニウム顔料中に不純物として混入するので好ましくない。必要に応じて、アルカリ金属を主成分として含まない加水分解触媒を用いることにより、アルカリ金属含有量の少ないシリカ被膜を形成できる。中でも、成膜速度、残留物除去のしやすさから、特にアンモニア、エチレンジアミン、無機アンモニウム塩(例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム)が好ましい。
【0029】
本発明のシリカ被膜形成用組成物の調製は、一般的な溶液調製法で出来る。例えば、所定の量の加水分解触媒と水を有機溶媒に添加、撹拌した後、シリコンアルコキサイドを添加、撹拌する等が挙げられるが、これらの混合の順番は何れが先でも、被膜形成が可能である。好ましくは、アルミニウム粒子を、所定の量の加水分解触媒と水を有機溶媒に添加、撹拌した分散液中へ、シリコンアルコキサイドを添加する。シリコンアルコキサイドを混合する際、有機溶媒で希釈することが、加水分解反応の制御性の点で好ましい。
【0030】
本発明のシリカ被膜形成用組成物を用いた、シリカ多層膜で被覆されたアルミニウム顔料の製造方法について説明する。
基本的には、アルミニウム粒子をシリカ被膜形成用組成物に浸漬し、所定温度に保持しておくことによりシリカ被膜を形成できる。シリカ被膜形成用組成物を予め調製しておき、その中にアルミニウム粒子を投入し、シリカ被膜を堆積させる方法、アルミニウム粒子を容器に入れておき、シリカ被膜形成用組成物をそこで調製する方法等の手法を用いることができる。シリカ被膜形成用組成物原料、アルミニウム粒子を投入する順番は、何れが先でも被膜形成が可能である。ここで本発明者らは、アルミニウム粒子と有機溶媒と水と加水分解触媒により懸濁液あるいは分散液を作成した後、テトラアルコキシシランを経時的に投入すると、緻密性の良好なシリカ被膜を形成でき、これにより、工業的に有用な連続プロセスを構成できることも見いだした。
シリカ被膜はアルミニウム粒子表面での堆積により成長するので、成膜時間を長くすれば膜厚を厚くできる。勿論、被膜形成用組成物中のシリコンアルコキシドが、被膜の形成により大部分消費された場合には、成膜速度は著しく低下するが、消費されたシリコンアルコキシド相当分を順次添加することにより、連続して実用的な成膜速度で被膜の堆積を行なうことができる。また、シリコンアルコキシド成分(所望のシリカ被膜となるようなシリコンアルコキシド成分)を添加すれば、被膜形成用組成物中にアルミニウム顔料を所定時間保持し、シリコンアルコキシド成分を消費せしめ、シリカ被膜を堆積させ、シリカ被覆アルミニウム顔料として系外に取り出した後、引き続いてシリコンアルコキシド成分を添加することにより、該組成物を、次のアルミニウム粒子への被膜の堆積に用いることができ、生産性の高い連続プロセスを構築できることも見いだした。
【0031】
シリコンアルコキシドは経時的になるべく低速度で投入することが好ましい。所定量のシリコンアルコキシドを一気に投入すると、液中で均一核生成によりシリカ粒子が生成し、これがアルミニウム粒子表面に付着することになり、シリカ膜のバリアー性は著しく低下する。一方、低速度でシリコンアルコキシドを投入すると膜のバリアー性は向上するが、生産性の面では好ましくないため、膜物性と生産性を考慮してシリコンアルコキシドの投入速度を決めれば良い。具体的な例を挙げると被膜形成用組成物中のアルミニウム粒子が7質量%の状態で、シリカ分がアルミニウム粒子に対し10質量%の成膜をテトラエトキシシランを用いて行う場合は、テトラエトキシシランを4時間以上、好ましくは8時間以上、さらに好ましくは12時間以上かけて添加するのが良い。
【0032】
被膜形成時はシリカ膜の堆積速度をコントロールすることが極めて重要である。膜の堆積速度は有機溶媒と水の比や有機溶剤の種類にもよるが、成膜中の最大堆積速度は3nm/hr以下、より好ましくは2nm/hr以下、さらに好ましくは1nm/hr以下にすることである。
【0033】
シリカ膜の堆積速度は成膜中にアルミニウム粒子を抜きだし、透過電子顕微鏡等で厚みを測定して求める。あるいは、被膜形成用組成物中にシリコンウェーハ等の平坦な基材を浸漬し、この膜厚を段差計で求めることも可能である。
【0034】
シリカ膜の堆積速度について詳細に説明する。堆積速度を考える場合、被膜形成用組成物中での珪酸濃度が重要となる。珪酸濃度はシリカの均一核生成領域以下を保持することが重要となる。均一核生成によりシリカ粒子が生成すると、これがアルミニウム顔料に付着することになり膜のバリアー性は著しく低下する。最も理想的には珪酸濃度を不均一核生成領域に保持し、シリカ膜をSiO2分子1層づつ積み上げていくことがよいが、生産性の面からはさらに早い堆積速度が望まれ、実用上は膜性能と生産性のバランスを考えて決定する。
【0035】
珪酸濃度は珪酸の供給速度と消費速度で決定される。供給速度に関してはシリコンアルコキシドの供給速度、加水分解速度が関係する。さらに加水分解速度は触媒種類・濃度、被膜形成用組成物の温度、水の量、有機溶媒の量、Si含有化合物の種類・濃度等により決まる。消費速度は珪酸の重縮合速度、基材表面積等により決められる。
【0036】
被膜形成反応中の被膜形成用組成物の温度は、特に限定しないが、好ましくは10℃から100℃の範囲、より好ましくは、20℃〜50℃である。成膜温度が高い程成膜速度が増加するが、高すぎると該組成物中の成分の揮発のため溶液組成を一定に保つことが困難になる。
【0037】
被膜形成後、固・液の分離を行なう場合は、濾過、遠心沈降、遠心分離等の一般的な分離法を用いることができる。必要に応じて、固・液分離後はシリカ被覆アルミニウム顔料を有機溶媒中に懸濁し熱処理を行なうことでシリカの脱水縮合を促進し、緻密で強固な膜をつくることが好ましい。この場合は、できる限り高温で長時間熱処理をした方がシリカの脱水縮合が進む。そのため使用する有機溶媒の沸点は70℃以上、さらに好ましくは100℃以上のものが好ましい。またシリカ被膜形成用組成物の親水性有機溶媒に高沸点のものを使用することもできる。この場合被膜形成後にシリカ被膜形成用組成物は水、有機溶媒、加水分解触媒、シリコンアルコキシドから副生したアルコールが含まれているため、低沸点成分をまず減圧蒸留等で除去することにより溶液の沸点を上げ、熱処理によりシリカ被膜を緻密化、固液分離をすることも可能である。例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、水、アンモニアのシリカ被膜形成用組成物を使用し、テトラエトキシシランをシリカ源として用いた時は、減圧蒸留により水、エタノール、アンモニアを系中から実質的に除去した後に加熱処理をすることができる。
【0038】
上記の方法で得られたシリカ被覆アルミニウム顔料の切断面を透過型電子顕微鏡で観察すると、アルミニウム粒子表面にはシリカ被膜が形成されているのが観察される。被膜の厚さを正確に測定することは困難であるが、3nmから30nmの範囲である。また、アルミニウム粒子表面とシリカ被膜との間に、酸化アルミニウム膜が介在しているのが観察される。酸化アルミニウム被膜が通常4〜6nm程度で存在する。
【0039】
上記の方法で得られるシリカ被覆アルミニウム顔料は、1150〜1250cm−1と1000〜1100cm−1における赤外吸収スペクトルの吸収ピークの吸光度の比I(I=I1/I2:I1は1150〜1250cm−1の吸収ピーク強度(吸光度)、I2は1000〜1100cm−1の吸収ピーク強度でありベースラインを差し引いた値である)が0.2以上、好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.4以上である。シリカ被覆アルミニウム顔料はKBr錠剤を用いた透過法では赤外を透過せず、また拡散反射法ではアルミニウムの反射により赤外吸収スペクトルがゆがむ。従って、アルミニウム顔料以外の分析を妨害しない基材、例えば酸化チタンに膜をつけて赤外吸収スペクトルを測定する。
【0040】
通常、ゾル−ゲル法等で焼成して得られる、あるいはCVD法で得られるシリカ被膜は、1150〜1250cm−1と1000〜1100cm−1における赤外吸収スペクトルの吸収ピーク強度の比Iが一般に0.2未満である。そして、Iの値は一般に焼成により、化学結合あるいは官能基が変化し、シリカ被膜の親水性、吸油性の特性が変化することが知られている。
【0041】
本発明のシリカ被覆アルミニウム顔料のシリカ被膜の屈折率は1.435以上であることが好ましく、1.440以上が更に好ましい。屈折率が1.435未満であると緻密性が低いこととなり、好ましくない。また、通常のゾル−ゲル法で焼成をしないで得られるシリカ被膜は、屈折率が1.435未満であり、緻密性が低く実用的ではない。ここで、一般にシリカ被膜の緻密性と屈折率は正の相関があるとされている。(例えば、C.JEFFERY BRINKER、SOL−GEL SCIENCE、581〜583、ACADEMIC PRESS(1990))
屈折率は、シリカ被覆アルミニウム顔料を合成する際にシリカ被膜形成用組成物中に同時に浸漬したシリコンウエハー上に形成されるシリカ膜を用いて測定する。すなわち、このシリコンウエハーには、アルミニウム顔料と同じシリカ被膜が形成されているとみなす。シリコンウエハー上のシリカ被膜の屈折率は、エリプソメーター(ULVAC社製;LASSER ELLIPSOMETER ESM−1A)により測定できる。
【0042】
本発明のシリカ多層膜で被覆されたアルミニウム顔料の表面は、そのシリカの性質によって、親水性の特徴を有している。よって、水性塗料やインキに配合した場合、分散性が良いという特徴がある。しかし、用途によっては、表面が疎水性の方が好ましい場合がある。その場合には、シラン系、アルミニウム系、チタネート系カプリング剤などにより表面処理を実施することによって、表面に化学的に結合して有機質の被膜をつくるので、表面を疎水性に変性することができる。
【0043】
用いるカプリング剤には特に制限はなく、工業用、あるいは試薬として広く一般に用いられているものでよい。好ましくは、シラン系カプリング剤、アルミニウム系カプリング剤、チタネート系カプリング剤が使用できる。例えば、シランカプリング剤としては、一般式RSiX3(R:ビニル、グリシドキシ、メタクリル、アミノ、メルカプト基、X:ハロゲン、アルコキシ基)で示される化合物、アルミニウム系カプリング剤としては(アルキルアセトアセタト)アルミニウムジイソプロピレート、チタネート系カプリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネートなどがある。
【0044】
本発明のシリカ膜で被覆されたアルミニウム顔料は公知、慣用の塗料、インキ組成物に配合して使用することができる。これらの塗料、インキ組成物は水性(エマルジョン、水溶性)ばかりではなく、油性であってもよい。また、1液性ばかりでなく、2液以上を混合して用いるものであってもよく、反応を伴うものであってもよい。
【0045】
また、本発明のシリカ膜で被覆されたアルミニウム顔料を含有する塗料、インキ組成物は目的とする塗料、インキ組成物の色相に合わせて、他の顔料、染料を含むことができる。但し、顔料は本発明のシリカ膜で被覆されたアルミニウム顔料によるメタリック感を損なわない範囲で使用することが望ましい。
【0046】
本発明のシリカ膜で被覆されたアルミニウム顔料を含有する塗料、インキ組成物に使用する溶媒は塗料、インキ組成物の種類に応じて親油性、親水性、水溶性の各種溶媒(水を含む)を用いることができる。また、溶媒はその機能(シンナー、リターダー、レベリング剤など)に対応して複数の種類の混合物であってもよく、あるいは、無溶剤であってもよい。
【0047】
バインダーとしては天然あるいは合成の各種のポリマー、モノマー、オリゴマー、プレポリマー等を使用することが可能である。反応型の塗料、インキ組成物の場合には触媒、開始剤、架橋剤、硬化剤なども含有することができる。
【0048】
また、本発明のシリカ膜で被覆されたアルミニウム顔料を含有する塗料、インキ組成物は必要に応じて各種の添加剤を含有することができる。例えば、界面活性剤、安定剤、防腐剤、可塑剤、乾燥剤、顔料湿潤剤、顔料分散剤、防食剤、流動調整剤、防かび剤、紫外線吸収剤が挙げられる。
【0049】
【実施例】
以下に本発明について代表的な例を示し、さらに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものではない。
(実施例1)
昭和アルミパウダー社製アルミペースト Sap FM4010(アルミニウム分67質量%)をガラスビーカーに76g取り、プロピレングリコールモノメチルエーテル724gに分散させ、イオン交換水169g、25質量%アンモニア水を32g添加、攪拌し、液温は30℃に保持した。テトラエトキシシラン13.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテル13.2gで希釈し、この液を12時間かけて、一定速度でシリカ膜の最大堆積速度が1nm/hr以下になるように上記アルミパウダースラリーに滴下し、成膜を行なった。滴下後は12時間攪拌を継続し、温度は30℃に保持した。その後、ろ過し、ろ過ケーキをプロピレングリコールモノメチルエーテルで洗浄後、ろ過物にプロピレングリコールモノメチルエーテルを加え、アルミニウム固形分を50質量%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルのペーストにした。電子顕微鏡像では緻密な連続したシリカ被膜により、アルミニウム粒子が被覆されているのが観察される(図1、図2)。シリカ多層膜厚は8nmであった。シリカ膜の屈折率は1.443、シリカ膜被覆を同条件で行った酸化チタン上に成膜したシリカ膜の赤外吸収スペクトルの強度比Iの値は0.45であった。
(実施例2)
実施例1で得られたプロピレングリコールモノメチルエーテルのアルミペースト50gをセパラブルフラスコにとり、これにプロピレングリコールモノメチルエーテル420gを入れた。還流管を上部にとりつけて、プロピレングリコールモノメチルエーテル中で還流を3hr行った。還流終了後、ろ過し、ろ過物にプロピレングリコールモノメチルエーテルを加え、アルミニウム固形分を50質量%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルのペーストにした。シリカ膜の屈折率は1.445、シリカ膜被覆を同条件で行った酸化チタン上に成膜したシリカ膜の赤外吸収スペクトルの強度比Iの値は0.46であった。
(実施例3)
実施例2で得られたプロピレングリコールモノメチルエーテルのペーストを10gとり、これにプロピレングリコールモノメチルエーテルで5質量%に希釈したアルミニウム系カップリング剤AL−M(味の素ファインテクノ製)を2g添加し、スパチュラで充分に混合した。処理後、濾過し、ろ過物にプロピレングリコールモノメチルエーテルを加え、アルミニウム固形分を50質量%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルのペーストにした。
(比較例1)
テトラエトキシシランを一度に投入した以外は実施例1と同様に行った。
(比較例2)
テトラエトキシシラン13.2gの代わりに3.4g使用した以外は実施例1と同様に行った。得られたアルミニウム顔料の透過電子顕微鏡観察ではシリカ多層膜の膜厚は2.1nmであった。
(比較例3)
テトラエトキシシラン13.2gを使用しないで、無添加とした以外は、実施例1と同様の処理をし、ペーストを得た。
(比較例4)
昭和アルミパウダー社製アルミペースト Sap FM4010(アルミニウム分67質量%)をガラスビーカーに76g取り、プロピレングリコールモノメチルエーテル200gに分散させ、テトラエトキシシラン14.9gを添加した。攪拌下、29質量%アンモニア水を21gと水378gを添加し、液温は30℃に保持し、5時間攪拌を継続した後、ろ過し、ろ過ケーキをプロピレングリコールモノメチルエーテルで洗浄後、ろ過物にプロピレングリコールモノメチルエーテルを加え、アルミニウム固形分を50質量%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルのペーストにした。電子顕微鏡像ではシリカ微粒子がアルミニウム粒子表面全体に付いているのが観察される(図3)。
(実施例4〜6、比較例5〜8)
実施例1〜3、比較例1〜4で作製したアルミニウム顔料ペーストを用い、以下のようにしてメタリック塗料を作製し、実施例4〜6、比較例5〜8とした。
【0050】
アルミニウム顔料ペースト 5.8g
酢酸エチル 5.8g
を混合し、予備分散させ、次に、
オリジン電気製 プラネットSVクリア(アクリルラッカー)37.5g
オリジン電気製 プラネットシンナー#175 70.0g
を加えて、5分間撹拌する。
(アルミニウム顔料の評価方法)
実施例1〜3、比較例1〜4で得られたアルミニウム顔料を下記の方法で評価した。評価テストの結果を表1に示す。
(1)膜厚測定
シリカ被覆アルミニウム顔料を透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製JEM2010、加速電圧200V)により観察し、粒子表面のシリカ被膜(基材に対して、基材を覆うように認められる、薄いコントラストを有する膜部)の厚さを観察によって測定した。
(2)IRスペクトル測定
シリカ膜の赤外吸収スペクトルは酸化チタン(昭和タイタニウム製、スーパータイタニアF−1)にシリカ被覆したものをKBr法を用いて日本分光(株)製FT−IR−8000で測定した。1150〜1250cm−1と1000〜1100cm−1における赤外吸収スペクトルの透過率より吸収ピークの吸光度を算出し、吸収ピーク強度の比I(I=I1/I2:I1は1150〜1250cm−1の吸収ピークの吸光度、I2は1000〜1100cm−1の吸収ピークの吸光度)を求める。
(3)屈折率測定
シリカ被覆アルミニウム顔料を合成する際に系内に浸漬したシリコンウエハー上に形成されるシリカ膜を用いて、エリプソメーター(ULVAC社製;LASSER ELLIPSOMETER ESM−1A)により測定した。
(4)Si量の測定
アルミニウムペーストを乾燥させ、王水に溶解したのち、蒸留水で希釈し、Siの濃度既知の水溶液で検量線を引いたICP(プラズマ発光分析法)で測定した。
(5)水素ガス発生テスト
試験管中にアルミニウムペースト3gと蒸留水3gを加え、さらにアクリルエマルジョン塗料(三井化学製E−208)14gを加えてよく撹拌し、水性塗料を調合した。この試験管にガス捕集器付きの栓をし、これを50℃の恒温水槽に入れ、2週間(336時間)の水素ガス累積発生量を測定した。測定はそれぞれの4点のサンプルについて行った。
(6)ゲル化テスト
茶褐色ガラス瓶にアルミニウムペースト12gを入れ、さらに、ウレタンアクリレート系のUV硬化型インキ(十条ケミカル製、レイキュアLP4700)48gを加えてよく撹拌後、60℃の恒温オーブンに入れ、1ヶ月後のゲル化の状態を調べた。結果は、ゲル化せず、増粘した(ゲル化まで至ってない)、ゲル化した の3段階評価とした。なお、ゲル化の程度はこの順で悪い状態である。
(アルミニウム顔料含有塗料の評価方法)
実施例4〜6、比較例5〜8で得られた塗料を下記の方法で評価した。評価テストの結果を表2に示す。
(7)アルミニウム顔料含有塗料の塗装
関西ペイント製自動塗装機レシコーターに、イワタ製スプレーガンWA−100を使用して、ABS樹脂板に乾燥膜厚15μmとなるようにスプレー塗装し、60℃のエアーオーブン中で20分間乾燥し、試験塗板を得た。
(8)耐電圧テスト
(7)の方法でABS板に塗装されたアルミニウム顔料含有塗料を、耐電圧測定器(多摩電測製TW−516)を使用し、遮断電流0.5mA、電極間隔10mmで、1kV刻みに電圧を20秒間印加し、絶縁破壊により回路が遮断されない最大の電圧を耐電圧とした。
(9)光沢(メタリック感)
ABS板に塗装された塗膜外観を肉眼で観察した。金属光沢感が、優、良、可の3段階評価で示した。なお、金属光沢感は、優、良、可の順で劣っている。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】
本発明で得られたシリカ薄膜の多層膜で被覆されたシリカ多層膜被覆アルミニウム顔料は、水性塗料や熱硬化型、エネルギー線硬化型塗料に配合された時の貯蔵安定性に優れ、塗膜の耐電圧性、光沢(メタリック感)が悪化しないアルミニウム顔料を提供するものである。
【0054】
また、本発明のシリカ多層膜被覆アルミニウム顔料を含有する水性塗料や水性インキは、50℃、336時間経過した時に、アルミニウム顔料中のアルミニウム1g当りから発生する水素ガスの体積が10cm3以下、更には6cm3以下、より優れた場合には1cm3以下であって、従来のシリカ被膜アルミニウム顔料を含有する水性塗料や水性インキに比べて水素ガスの発生量が少なく安定性に優れている。
【0055】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたアルミニウム顔料の走査型電子顕微鏡写真(倍率30,000倍)
【図2】実施例1で得られたアルミニウム顔料の断面を示す透過型電子顕微鏡写真(倍率1×106倍)
【図3】比較例4で得られたアルミニウム顔料の走査型電子顕微鏡写真(倍率30,000倍)
【符号の説明】
1 シリカ膜
2 アルミニウム酸化被膜
3 アルミニウム粒子
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム粒子を使用するアルミニウム顔料に関する。さらに詳しくは、水性塗料や水性インキに配合される時、ガス発生がなく貯蔵安定性に優れ、或いは、塗料やインキ中に配合される時、組成物がゲル化することがなく、貯蔵安定性に優れるアルミニウム顔料に関するものである。また、耐電圧性が要求される塗膜を形成するためのメタリック塗料に配合された時には、メタリック感を損なうことなく、耐電圧性が満足されるアルミニウム顔料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水性塗料に配合されるアルミニウム顔料に関しては、多くの技術が開示されている。例えば、特開平10−130545号公報(特許文献1)にはアルミニウム顔料を無機りん酸または無機りん酸塩、りん酸エステル化合物などで加工する方法が開示されている。また、特開昭62−81460号公報(特許文献2)には、アルミニウム表面に樹脂を被覆する方法が開示されている。また、特開2002−121423号公報(特許文献3)には、樹脂を被覆したアルミニウム顔料にさらに化成処理を加える方法が、特開2002−88274号公報(特許文献4)には、りんを含有させたシリカ被覆の方法が開示されている。特開平7−3185号公報(特許文献5)ではアルミニウム顔料表面にシロキサン被覆を施し、さらに合成樹脂被覆を形成する方法が開示されている。特開昭57−42772号公報(特許文献6)ではPH10.0〜10.8に調整した可溶性珪酸にアルミニウム顔料を分散させ、褐色や黒色に着色した顔料を作成する方法が開示されている。しかしながら、これらの方法では、水性塗料などでの貯蔵安定性、熱硬化型、エネルギー線硬化型塗料などでの貯蔵安定性、塗膜の耐電圧性、光沢、全てに優れたアルミニウム顔料を得ることは困難であるのが現状である。
【0003】
特開2002−88274号公報(特許文献7)では、りん含有シリカ膜は0.01μm以下の微粒子が表面に付き被膜を形成して、膜の緻密性を上げている。しかし、りんを含有していないシリカ膜のみの場合は、耐水性が劣り、大量の水素を発生することが開示されている。
【0004】
特許文献6では、アルミニウム顔料を着色させ太陽光線に対する選択吸収性の向上を目的としており、水性塗料等に関する記述はない。
【0005】
特許文献5では、単分子層相当のシロキサン被覆をアルミ顔料に施し、樹脂とアルミ顔料の密着性、シール性を高めており、単分子相当レベルのシロキサン被覆のみではバリアー性が問題である。
【特許文献1】
特開平10−130545号公報
【特許文献2】
特開昭62−81460号公報
【特許文献3】
特開2002−121423号公報
【特許文献4】
特開2002−88274号公報
【特許文献5】
特開平7−3185号公報
【特許文献6】
特開昭57−42772号公報
【特許文献7】
特開2002−88274号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
アルミニウム顔料は水性塗料や水性インキに配合された時、それに含有される水と反応して水素ガスを発生して溶解する性質があり、特に、pH値の高い水性塗料やインキでは、その傾向が顕著である。
【0007】
また、アルミニウム顔料は、熱硬化型や紫外線などによるエネルギー線硬化型塗料やインキに配合された時、塗料やインキが増粘・ゲル化する場合がある。この現象の反応機構は解明されていないが、アルミニウムの金属表面が何らかの関与をしているようである。
【0008】
さらに、電気製品などに塗装された部位で塗膜の耐電圧性が要求される場合、従来のアルミニウム顔料を配合した塗料では、アルミニウムが持つ導電性のために要求される耐電圧性が満たされないという問題もある。
【0009】
本発明は、上記のような問題点を解決するアルミニウム顔料を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の問題点に対して鋭意研究を行なった結果、アルミニウム粒子の表面上に緻密な連続膜であるシリカ薄膜の多層膜を設けることにより、前記課題を解決することを見出し、本発明に到った。
【0011】
すなわち本発明は、
1)アルミニウム粒子表面に膜厚0.5〜5nmのシリカ薄膜が多層に形成されたことを特徴とするシリカ被覆アルミニウム顔料。
2)アルミニウム顔料が、アルミニウム粒子表面とシリカ薄膜との間に酸化アルミニウム層を有する上記1記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
3)シリカ薄膜が多層に形成されたシリカ多層膜が、膜厚3〜30nmである上記1または2記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
4)水性塗料や水性インキに配合され、50℃、336時間経過した時に、アルミニウム顔料中のアルミニウム1g当りから発生する水素ガスの体積が1cm3以下であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
5)水性塗料や水性インキに配合され、50℃、336時間経過した時に、アルミニウム顔料中のアルミニウム1g当りから発生する水素ガスの体積が10cm3以下であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
6)シリカ多層膜の1150〜1250cm−1と1000〜1100cm−1における赤外吸収スペクトルの吸収ピーク強度の比I(I=I1/I2:I1は1150〜1250cm−1の吸収ピーク強度、I2は1000〜1100cm−1の吸収ピーク強度)が、0.2以上であり、且つシリカ膜の屈折率が1.435以上であることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
7)シリカ多層膜中のSi元素量が、アルミニウム粒子中のアルミニウムに対して1〜10質量%である上記1〜6のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
8)シリカ多層膜の表面が、疎水性付与剤で疎水化された上記1〜7のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
9)疎水性付与剤が、シラン系カプリング剤、アルミニウム系カプリング剤、チタネート系カプリング剤から選ばれた少なくとも1種である上記8記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
10)アルミニウム粒子が、フレーク状粒子である上記1〜9のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
11)アルミニウム粒子が、フレーク状粒子であって、平均粒子径D50が5〜100μm、アスペクト比(粒子径/厚み)が20以上である上記1〜9のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
12)アルミニウム粒子を加水分解触媒、水、親水性有機溶剤を含む溶液に分散させる工程、該分散液にSi含有化合物を含む溶液をシリカ膜の最大堆積速度が3nm/hr以下にして添加する工程、を含むシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
13)アルミニウム粒子をSi含有化合物、水、親水性有機溶剤を含む溶液に分散させる工程、該分散液に加水分解触媒を含む溶液をシリカ膜の最大堆積速度が3nm/hr以下にして添加する工程、を含むシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
14)シリカ被覆アルミニウム顔料を70℃以上の沸点をもつ有機溶媒を含有する溶液中で加熱する工程を含むことを特徴とする上記12または13記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
15)Si含有化合物が、加水分解触媒存在下で加水分解しシリカを造り出すことができる化合物である上記12〜14のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
16)Si含有化合物が、シリコンアルコキシドである上記15に記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
17)シリコンアルコキシドが、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランから選ばれた少なくとも1種である上記16に記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
18)加水分解触媒が、アンモニア、エチレンジアミン、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、蟻酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムから選ばれた少なくとも1種である上記12〜14のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
19)上記1〜11のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料を含むペースト。
20)上記1〜11のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料、水を含む水系ペースト。
21)上記1〜11のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料を含む塗膜。
22)上記1〜11のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料を含有する塗料。
23)上記1〜11のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料を含有するインキ組成物。
24)上記22に記載の塗料が塗布された塗装物。
25)上記23に記載のインキ組成物が使用された印刷物。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のシリカ多層膜により被覆されたアルミニウム顔料の製造方法の概略を説明する。まず、アルミニウム粒子(原料アルミニウム顔料)を親水性有機溶剤、水、加水分解触媒に分散させ、シリカ薄膜を形成させるためのSi含有化合物を加えてSi含有化合物の加水分解によるシリカ生成反応を行い、アルミニウム粒子表面にシリカ薄膜を多層に形成しシリカ多層膜によって被覆する。反応後のシリカ膜被覆されたアルミニウム顔料は濾過、溶媒洗浄、乾燥操作等を経て、顔料あるいは顔料ペーストとする事ができる。さらにシリカ膜の脱水縮合により、バリアー性を向上させるために顔料ペーストを高沸点溶媒に分散させ、熱をかけることもできる。アルミニウム顔料はアルミニウム粒子を基材とする。
【0013】
本発明で用いるアルミニウム粒子は、アルミニウムを溶湯直接粉化、機械的粉化、蒸着法によって得ることができる。機械的粉化として、ボールミル粉砕法、スタンプミル法、アトライタ−法、振動ミルなどの手法や蒸着法によって製造されたものが好適に使用できる。また、アルミニウム粒子はアルミニウムのみから構成されていてもよく、また、アルミニウムを基とした合金から構成されていてもよく、その純度は特に限定されない。
【0014】
アルミニウム粒子の形状としては、涙滴状、球状、針状、不規則形状、フレーク(鱗片)状があるが、メタリック塗料として使用される場合にはフレーク状が好ましく、平均粒子径(D50:累積重量50%粒子径)で5μmから100μm、さらに5〜50μmが好ましく、厚みは1μm以下、アスペクト比(粒子径/厚み)が20以上であることが望ましい。また、アスペクト比は1000以下であることが好ましい。1000を超えると顔料の機械的強度が低下し、色調が不安定となる場合がある。
【0015】
アルミニウム粒子の平均粒子径は、レーザー回折法、マイクロメッシュシーブ法、コールターカウンター法、などの公知の粒度分布測定法により測定された粒度分布より、体積平均を算出して求められる。
【0016】
また、アルミニウム粒子の表面には、粉砕助剤が付着していてもよい。粉砕助剤としては、通常不飽和脂肪酸を使用する。ここで使用される不飽和脂肪酸としては、たとえば、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、リノール酸、リノレイン酸、リシノール酸、エライジン酸、ゾーマリン酸、ガドレイン酸、エルカ酸などが挙げられる。
アルミニウム顔料は、乾燥粉末にすると、粉塵爆発の危険性や取り扱いの困難さの理由から、通常は溶剤を含んだペースト状になっている。本発明においては、アルミニウム顔料はそのまま用いても良いし、あるいは洗浄して溶剤を除いてから用いても良い。ミネラルスピリットなどの疎水性有機溶剤を含むアルミニウムペーストを用いる場合は、ノニオン性やアニオン性の界面活性剤を添加して、水に乳化・分散し易くしても良い。
【0017】
アルミニウム粒子を分散させる親水性有機溶媒は水と親和性があり、均一溶液を形成するものであれば、特に制限はないが、好ましい例としてはグリコール類やアルコール類が挙げられ、これらの1種あるいは2種以上を用いることができる。グリコール類としては、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールなどが挙げられる。また、アルコール類としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノールなどが挙げられる。これらの中ではアルミニウム顔料の分散性の観点からプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エタノールが特に好ましい。有機溶媒は、これらの内1種を単独でも、また2種類以上組み合わせて用いてもよい。本発明で用いられる親水性有機溶媒には、特に制限はなく、工業用、あるいは試薬として広く一般に用いられているものでよいが、好ましくはより高純度のものが適している。
【0018】
シリカ薄膜で被覆するのに用いるSi含有化合物は加水分解してシリカを造り出す化合物であれば使用できるが、シリコンアルコキシドが好ましい。シリコンアルコキシドとしては、特に制限はなく、工業用、あるいは試薬として広く一般に用いられているものでよいが、好ましくはより高純度のものがよい。一般式 Si−(OR)4(RはC1〜C5のアルキル基などの炭化水素基を示す、Rは全て同一あるいは異なったものであっても、異なったもの一部含んでいてもよい)で示されるものや、アルコキシ基の一部をアルキル基に変えたものも用いることができる。具体的にはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン等がある。また、そのシリコンアルコキシドはモノマーでも、オリゴマーでもよく、また、その混合物でも構わない。また、本発明のシリカ薄膜で被覆するのに用いるSi含有化合物には、中でも、適当な加水分解速度を有するテトラエトキシシランが特に好適に用いられる。Si含有化合物は、単独で使用してもよく、また2種類以上組み合わせて用いてもよい。
【0019】
シリコンアルコキシドの使用量は、用いるアルミニウム粒子の種類によって異なるため一概には規定できないが、シリカ多層膜中のSi原子量がアルミニウム粒子中のアルミニウムに対して1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%、さらに好ましくは2〜4質量%となるように使用量を設定する事が望ましい。
【0020】
シリコンアルコキシドの使用量が少ない場合は、シリカ多層膜のバリアー性が不充分であり特に水性塗料に適用した場合は水素ガスの発生量が多くなる。、またシリコンアルコキシドの使用量が多すぎる場合には、アルミニウム粒子の表面にシリカが付き過ぎ、アルミニウム粒子の持つ金属光沢が損なわれることがあるためアルミニウム顔料として好ましくない。また、アルミニウムに対しSi原子換算で10質量%以上のシリカ被膜を形成すると、アルミニウム顔料の持つ金属光沢(メタリック感)が損なわれてしまい好ましくない。
【0021】
シリカ薄膜の膜厚は、シリカ(SiO2)分子1層以上であればよいが、0.5〜5nm、好ましくは0.5〜3nmである。また、シリカ薄膜は、アルミニウム粒子表面の少なくとも一部分を被覆していればよく、シリカ薄膜が重なりあって多層状態をつくりシリカ多層膜が結果的にアルミニウム粒子の全表面を被覆していればよい。シリカ多層膜は厚さが均一でも不均一でもよく、緻密な(密度が高く、欠陥がない)連続した膜であればよい。
【0022】
アルミニウム粒子は、その表面がアルミニウム金属の状態、表面が酸化され酸化アルミニウム層を有している状態、水酸化アルミニウム膜の発生を防ぐためにステアリル酸等の脂肪酸で保護膜を有している状態であってもよい。
【0023】
シリカ多層膜の膜厚に関してはバリアー性と金属光沢の兼ね合いで決まり、3〜30nmが好ましく、さらに好ましくは5〜15nmである。なお、シリカ多層膜厚は透過型電子顕微鏡像より求めることができる。
【0024】
Si含有化合物として、例えばシリコンアルコキシドを用いる場合は、アルミニウム粒子、およびシリコンアルコキシドを含む分散液に、水や加水分解触媒を加えることによりシリコンアルコキシドを加水分解し、シリカ被膜をアルミニウム顔料表面に析出させることができる。その加水分解速度は、用いる水のシリコンアルコキシドとのモル比や濃度、及び、加水分解触媒のシリコンアルコキシドとのモル比や濃度によって調整される。シリコンアルコキシドが加水分解されシラノール性−OH基が形成され、アルミニウム粒子表面にある−OH基等と縮合反応し、また、シリコンアルコキシドの重合反応によりSi−O−Si結合ができるため、アルミニウム粒子表面にシリカ被膜が形成されると考えられる。
【0025】
本発明で用いるSi含有化合物を加水分解するための加水分解触媒は、特に限定はなく、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ類、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機アルカリ塩類、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ピリジン、アニリン、コリン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、グアニジン等の有機アルカリ類、蟻酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、蟻酸モノメチルアミン、酢酸ジメチルアミン、乳酸ピリジン、グアニジノ酢酸、酢酸アニリン等の有機酸アルカリ塩を用いることができる。特に、アンモニア、エチレンジアミン、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、蟻酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが好ましい。加水分解触媒は、これらの内1種を単独でも、また2種類以上組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられる加水分解触媒には特に制限はなく、工業用、あるいは試薬として広く一般に用いられているものでよいが、好ましくはより高純度のものがよい。
【0026】
本発明でのシリカ被膜形成用組成物に用いる水は、特に制限はなく、好ましくは濾過等により粒子を除去した水である。水中に粒子が含まれると、製品中に不純物として混入するので好ましくない。
【0027】
水は、有機溶媒/水の比率が容量比で0〜10(0は水のみの場合を示す)の範囲の量で使用できる。この範囲をはずれると、成膜できない場合や、成膜速度が極端に落ちる場合がある。更に、好ましくは、有機溶媒/水の比率が2〜5の範囲である。有機溶媒/水の比率が2〜5の範囲では、用いる加水分解触媒の種類が限定されない。これをはずれる範囲、すなわち、有機溶媒/水の比率が2未満では、アルカリ金属を含まない加水分解触媒、例えば、アンモニア、エチレンジアミン、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム等を用いれば成膜ができる。
【0028】
成膜速度を上げるには、成膜温度を上げることが有効である。この場合には、成膜温度で揮発、分解しにくい加水分解触媒、および有機溶媒を用いることが好ましい。加水分解触媒の添加量は、例えば炭酸ナトリウムの場合0.002 モル/リットル程度の微量添加で成膜可能であるが、1 モル/リットル程度の大量の添加を行ってもかまわない。しかし、固形アルカリを溶解しない量を超えて添加すると、アルミニウム顔料中に不純物として混入するので好ましくない。必要に応じて、アルカリ金属を主成分として含まない加水分解触媒を用いることにより、アルカリ金属含有量の少ないシリカ被膜を形成できる。中でも、成膜速度、残留物除去のしやすさから、特にアンモニア、エチレンジアミン、無機アンモニウム塩(例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム)が好ましい。
【0029】
本発明のシリカ被膜形成用組成物の調製は、一般的な溶液調製法で出来る。例えば、所定の量の加水分解触媒と水を有機溶媒に添加、撹拌した後、シリコンアルコキサイドを添加、撹拌する等が挙げられるが、これらの混合の順番は何れが先でも、被膜形成が可能である。好ましくは、アルミニウム粒子を、所定の量の加水分解触媒と水を有機溶媒に添加、撹拌した分散液中へ、シリコンアルコキサイドを添加する。シリコンアルコキサイドを混合する際、有機溶媒で希釈することが、加水分解反応の制御性の点で好ましい。
【0030】
本発明のシリカ被膜形成用組成物を用いた、シリカ多層膜で被覆されたアルミニウム顔料の製造方法について説明する。
基本的には、アルミニウム粒子をシリカ被膜形成用組成物に浸漬し、所定温度に保持しておくことによりシリカ被膜を形成できる。シリカ被膜形成用組成物を予め調製しておき、その中にアルミニウム粒子を投入し、シリカ被膜を堆積させる方法、アルミニウム粒子を容器に入れておき、シリカ被膜形成用組成物をそこで調製する方法等の手法を用いることができる。シリカ被膜形成用組成物原料、アルミニウム粒子を投入する順番は、何れが先でも被膜形成が可能である。ここで本発明者らは、アルミニウム粒子と有機溶媒と水と加水分解触媒により懸濁液あるいは分散液を作成した後、テトラアルコキシシランを経時的に投入すると、緻密性の良好なシリカ被膜を形成でき、これにより、工業的に有用な連続プロセスを構成できることも見いだした。
シリカ被膜はアルミニウム粒子表面での堆積により成長するので、成膜時間を長くすれば膜厚を厚くできる。勿論、被膜形成用組成物中のシリコンアルコキシドが、被膜の形成により大部分消費された場合には、成膜速度は著しく低下するが、消費されたシリコンアルコキシド相当分を順次添加することにより、連続して実用的な成膜速度で被膜の堆積を行なうことができる。また、シリコンアルコキシド成分(所望のシリカ被膜となるようなシリコンアルコキシド成分)を添加すれば、被膜形成用組成物中にアルミニウム顔料を所定時間保持し、シリコンアルコキシド成分を消費せしめ、シリカ被膜を堆積させ、シリカ被覆アルミニウム顔料として系外に取り出した後、引き続いてシリコンアルコキシド成分を添加することにより、該組成物を、次のアルミニウム粒子への被膜の堆積に用いることができ、生産性の高い連続プロセスを構築できることも見いだした。
【0031】
シリコンアルコキシドは経時的になるべく低速度で投入することが好ましい。所定量のシリコンアルコキシドを一気に投入すると、液中で均一核生成によりシリカ粒子が生成し、これがアルミニウム粒子表面に付着することになり、シリカ膜のバリアー性は著しく低下する。一方、低速度でシリコンアルコキシドを投入すると膜のバリアー性は向上するが、生産性の面では好ましくないため、膜物性と生産性を考慮してシリコンアルコキシドの投入速度を決めれば良い。具体的な例を挙げると被膜形成用組成物中のアルミニウム粒子が7質量%の状態で、シリカ分がアルミニウム粒子に対し10質量%の成膜をテトラエトキシシランを用いて行う場合は、テトラエトキシシランを4時間以上、好ましくは8時間以上、さらに好ましくは12時間以上かけて添加するのが良い。
【0032】
被膜形成時はシリカ膜の堆積速度をコントロールすることが極めて重要である。膜の堆積速度は有機溶媒と水の比や有機溶剤の種類にもよるが、成膜中の最大堆積速度は3nm/hr以下、より好ましくは2nm/hr以下、さらに好ましくは1nm/hr以下にすることである。
【0033】
シリカ膜の堆積速度は成膜中にアルミニウム粒子を抜きだし、透過電子顕微鏡等で厚みを測定して求める。あるいは、被膜形成用組成物中にシリコンウェーハ等の平坦な基材を浸漬し、この膜厚を段差計で求めることも可能である。
【0034】
シリカ膜の堆積速度について詳細に説明する。堆積速度を考える場合、被膜形成用組成物中での珪酸濃度が重要となる。珪酸濃度はシリカの均一核生成領域以下を保持することが重要となる。均一核生成によりシリカ粒子が生成すると、これがアルミニウム顔料に付着することになり膜のバリアー性は著しく低下する。最も理想的には珪酸濃度を不均一核生成領域に保持し、シリカ膜をSiO2分子1層づつ積み上げていくことがよいが、生産性の面からはさらに早い堆積速度が望まれ、実用上は膜性能と生産性のバランスを考えて決定する。
【0035】
珪酸濃度は珪酸の供給速度と消費速度で決定される。供給速度に関してはシリコンアルコキシドの供給速度、加水分解速度が関係する。さらに加水分解速度は触媒種類・濃度、被膜形成用組成物の温度、水の量、有機溶媒の量、Si含有化合物の種類・濃度等により決まる。消費速度は珪酸の重縮合速度、基材表面積等により決められる。
【0036】
被膜形成反応中の被膜形成用組成物の温度は、特に限定しないが、好ましくは10℃から100℃の範囲、より好ましくは、20℃〜50℃である。成膜温度が高い程成膜速度が増加するが、高すぎると該組成物中の成分の揮発のため溶液組成を一定に保つことが困難になる。
【0037】
被膜形成後、固・液の分離を行なう場合は、濾過、遠心沈降、遠心分離等の一般的な分離法を用いることができる。必要に応じて、固・液分離後はシリカ被覆アルミニウム顔料を有機溶媒中に懸濁し熱処理を行なうことでシリカの脱水縮合を促進し、緻密で強固な膜をつくることが好ましい。この場合は、できる限り高温で長時間熱処理をした方がシリカの脱水縮合が進む。そのため使用する有機溶媒の沸点は70℃以上、さらに好ましくは100℃以上のものが好ましい。またシリカ被膜形成用組成物の親水性有機溶媒に高沸点のものを使用することもできる。この場合被膜形成後にシリカ被膜形成用組成物は水、有機溶媒、加水分解触媒、シリコンアルコキシドから副生したアルコールが含まれているため、低沸点成分をまず減圧蒸留等で除去することにより溶液の沸点を上げ、熱処理によりシリカ被膜を緻密化、固液分離をすることも可能である。例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、水、アンモニアのシリカ被膜形成用組成物を使用し、テトラエトキシシランをシリカ源として用いた時は、減圧蒸留により水、エタノール、アンモニアを系中から実質的に除去した後に加熱処理をすることができる。
【0038】
上記の方法で得られたシリカ被覆アルミニウム顔料の切断面を透過型電子顕微鏡で観察すると、アルミニウム粒子表面にはシリカ被膜が形成されているのが観察される。被膜の厚さを正確に測定することは困難であるが、3nmから30nmの範囲である。また、アルミニウム粒子表面とシリカ被膜との間に、酸化アルミニウム膜が介在しているのが観察される。酸化アルミニウム被膜が通常4〜6nm程度で存在する。
【0039】
上記の方法で得られるシリカ被覆アルミニウム顔料は、1150〜1250cm−1と1000〜1100cm−1における赤外吸収スペクトルの吸収ピークの吸光度の比I(I=I1/I2:I1は1150〜1250cm−1の吸収ピーク強度(吸光度)、I2は1000〜1100cm−1の吸収ピーク強度でありベースラインを差し引いた値である)が0.2以上、好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.4以上である。シリカ被覆アルミニウム顔料はKBr錠剤を用いた透過法では赤外を透過せず、また拡散反射法ではアルミニウムの反射により赤外吸収スペクトルがゆがむ。従って、アルミニウム顔料以外の分析を妨害しない基材、例えば酸化チタンに膜をつけて赤外吸収スペクトルを測定する。
【0040】
通常、ゾル−ゲル法等で焼成して得られる、あるいはCVD法で得られるシリカ被膜は、1150〜1250cm−1と1000〜1100cm−1における赤外吸収スペクトルの吸収ピーク強度の比Iが一般に0.2未満である。そして、Iの値は一般に焼成により、化学結合あるいは官能基が変化し、シリカ被膜の親水性、吸油性の特性が変化することが知られている。
【0041】
本発明のシリカ被覆アルミニウム顔料のシリカ被膜の屈折率は1.435以上であることが好ましく、1.440以上が更に好ましい。屈折率が1.435未満であると緻密性が低いこととなり、好ましくない。また、通常のゾル−ゲル法で焼成をしないで得られるシリカ被膜は、屈折率が1.435未満であり、緻密性が低く実用的ではない。ここで、一般にシリカ被膜の緻密性と屈折率は正の相関があるとされている。(例えば、C.JEFFERY BRINKER、SOL−GEL SCIENCE、581〜583、ACADEMIC PRESS(1990))
屈折率は、シリカ被覆アルミニウム顔料を合成する際にシリカ被膜形成用組成物中に同時に浸漬したシリコンウエハー上に形成されるシリカ膜を用いて測定する。すなわち、このシリコンウエハーには、アルミニウム顔料と同じシリカ被膜が形成されているとみなす。シリコンウエハー上のシリカ被膜の屈折率は、エリプソメーター(ULVAC社製;LASSER ELLIPSOMETER ESM−1A)により測定できる。
【0042】
本発明のシリカ多層膜で被覆されたアルミニウム顔料の表面は、そのシリカの性質によって、親水性の特徴を有している。よって、水性塗料やインキに配合した場合、分散性が良いという特徴がある。しかし、用途によっては、表面が疎水性の方が好ましい場合がある。その場合には、シラン系、アルミニウム系、チタネート系カプリング剤などにより表面処理を実施することによって、表面に化学的に結合して有機質の被膜をつくるので、表面を疎水性に変性することができる。
【0043】
用いるカプリング剤には特に制限はなく、工業用、あるいは試薬として広く一般に用いられているものでよい。好ましくは、シラン系カプリング剤、アルミニウム系カプリング剤、チタネート系カプリング剤が使用できる。例えば、シランカプリング剤としては、一般式RSiX3(R:ビニル、グリシドキシ、メタクリル、アミノ、メルカプト基、X:ハロゲン、アルコキシ基)で示される化合物、アルミニウム系カプリング剤としては(アルキルアセトアセタト)アルミニウムジイソプロピレート、チタネート系カプリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネートなどがある。
【0044】
本発明のシリカ膜で被覆されたアルミニウム顔料は公知、慣用の塗料、インキ組成物に配合して使用することができる。これらの塗料、インキ組成物は水性(エマルジョン、水溶性)ばかりではなく、油性であってもよい。また、1液性ばかりでなく、2液以上を混合して用いるものであってもよく、反応を伴うものであってもよい。
【0045】
また、本発明のシリカ膜で被覆されたアルミニウム顔料を含有する塗料、インキ組成物は目的とする塗料、インキ組成物の色相に合わせて、他の顔料、染料を含むことができる。但し、顔料は本発明のシリカ膜で被覆されたアルミニウム顔料によるメタリック感を損なわない範囲で使用することが望ましい。
【0046】
本発明のシリカ膜で被覆されたアルミニウム顔料を含有する塗料、インキ組成物に使用する溶媒は塗料、インキ組成物の種類に応じて親油性、親水性、水溶性の各種溶媒(水を含む)を用いることができる。また、溶媒はその機能(シンナー、リターダー、レベリング剤など)に対応して複数の種類の混合物であってもよく、あるいは、無溶剤であってもよい。
【0047】
バインダーとしては天然あるいは合成の各種のポリマー、モノマー、オリゴマー、プレポリマー等を使用することが可能である。反応型の塗料、インキ組成物の場合には触媒、開始剤、架橋剤、硬化剤なども含有することができる。
【0048】
また、本発明のシリカ膜で被覆されたアルミニウム顔料を含有する塗料、インキ組成物は必要に応じて各種の添加剤を含有することができる。例えば、界面活性剤、安定剤、防腐剤、可塑剤、乾燥剤、顔料湿潤剤、顔料分散剤、防食剤、流動調整剤、防かび剤、紫外線吸収剤が挙げられる。
【0049】
【実施例】
以下に本発明について代表的な例を示し、さらに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものではない。
(実施例1)
昭和アルミパウダー社製アルミペースト Sap FM4010(アルミニウム分67質量%)をガラスビーカーに76g取り、プロピレングリコールモノメチルエーテル724gに分散させ、イオン交換水169g、25質量%アンモニア水を32g添加、攪拌し、液温は30℃に保持した。テトラエトキシシラン13.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテル13.2gで希釈し、この液を12時間かけて、一定速度でシリカ膜の最大堆積速度が1nm/hr以下になるように上記アルミパウダースラリーに滴下し、成膜を行なった。滴下後は12時間攪拌を継続し、温度は30℃に保持した。その後、ろ過し、ろ過ケーキをプロピレングリコールモノメチルエーテルで洗浄後、ろ過物にプロピレングリコールモノメチルエーテルを加え、アルミニウム固形分を50質量%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルのペーストにした。電子顕微鏡像では緻密な連続したシリカ被膜により、アルミニウム粒子が被覆されているのが観察される(図1、図2)。シリカ多層膜厚は8nmであった。シリカ膜の屈折率は1.443、シリカ膜被覆を同条件で行った酸化チタン上に成膜したシリカ膜の赤外吸収スペクトルの強度比Iの値は0.45であった。
(実施例2)
実施例1で得られたプロピレングリコールモノメチルエーテルのアルミペースト50gをセパラブルフラスコにとり、これにプロピレングリコールモノメチルエーテル420gを入れた。還流管を上部にとりつけて、プロピレングリコールモノメチルエーテル中で還流を3hr行った。還流終了後、ろ過し、ろ過物にプロピレングリコールモノメチルエーテルを加え、アルミニウム固形分を50質量%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルのペーストにした。シリカ膜の屈折率は1.445、シリカ膜被覆を同条件で行った酸化チタン上に成膜したシリカ膜の赤外吸収スペクトルの強度比Iの値は0.46であった。
(実施例3)
実施例2で得られたプロピレングリコールモノメチルエーテルのペーストを10gとり、これにプロピレングリコールモノメチルエーテルで5質量%に希釈したアルミニウム系カップリング剤AL−M(味の素ファインテクノ製)を2g添加し、スパチュラで充分に混合した。処理後、濾過し、ろ過物にプロピレングリコールモノメチルエーテルを加え、アルミニウム固形分を50質量%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルのペーストにした。
(比較例1)
テトラエトキシシランを一度に投入した以外は実施例1と同様に行った。
(比較例2)
テトラエトキシシラン13.2gの代わりに3.4g使用した以外は実施例1と同様に行った。得られたアルミニウム顔料の透過電子顕微鏡観察ではシリカ多層膜の膜厚は2.1nmであった。
(比較例3)
テトラエトキシシラン13.2gを使用しないで、無添加とした以外は、実施例1と同様の処理をし、ペーストを得た。
(比較例4)
昭和アルミパウダー社製アルミペースト Sap FM4010(アルミニウム分67質量%)をガラスビーカーに76g取り、プロピレングリコールモノメチルエーテル200gに分散させ、テトラエトキシシラン14.9gを添加した。攪拌下、29質量%アンモニア水を21gと水378gを添加し、液温は30℃に保持し、5時間攪拌を継続した後、ろ過し、ろ過ケーキをプロピレングリコールモノメチルエーテルで洗浄後、ろ過物にプロピレングリコールモノメチルエーテルを加え、アルミニウム固形分を50質量%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルのペーストにした。電子顕微鏡像ではシリカ微粒子がアルミニウム粒子表面全体に付いているのが観察される(図3)。
(実施例4〜6、比較例5〜8)
実施例1〜3、比較例1〜4で作製したアルミニウム顔料ペーストを用い、以下のようにしてメタリック塗料を作製し、実施例4〜6、比較例5〜8とした。
【0050】
アルミニウム顔料ペースト 5.8g
酢酸エチル 5.8g
を混合し、予備分散させ、次に、
オリジン電気製 プラネットSVクリア(アクリルラッカー)37.5g
オリジン電気製 プラネットシンナー#175 70.0g
を加えて、5分間撹拌する。
(アルミニウム顔料の評価方法)
実施例1〜3、比較例1〜4で得られたアルミニウム顔料を下記の方法で評価した。評価テストの結果を表1に示す。
(1)膜厚測定
シリカ被覆アルミニウム顔料を透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製JEM2010、加速電圧200V)により観察し、粒子表面のシリカ被膜(基材に対して、基材を覆うように認められる、薄いコントラストを有する膜部)の厚さを観察によって測定した。
(2)IRスペクトル測定
シリカ膜の赤外吸収スペクトルは酸化チタン(昭和タイタニウム製、スーパータイタニアF−1)にシリカ被覆したものをKBr法を用いて日本分光(株)製FT−IR−8000で測定した。1150〜1250cm−1と1000〜1100cm−1における赤外吸収スペクトルの透過率より吸収ピークの吸光度を算出し、吸収ピーク強度の比I(I=I1/I2:I1は1150〜1250cm−1の吸収ピークの吸光度、I2は1000〜1100cm−1の吸収ピークの吸光度)を求める。
(3)屈折率測定
シリカ被覆アルミニウム顔料を合成する際に系内に浸漬したシリコンウエハー上に形成されるシリカ膜を用いて、エリプソメーター(ULVAC社製;LASSER ELLIPSOMETER ESM−1A)により測定した。
(4)Si量の測定
アルミニウムペーストを乾燥させ、王水に溶解したのち、蒸留水で希釈し、Siの濃度既知の水溶液で検量線を引いたICP(プラズマ発光分析法)で測定した。
(5)水素ガス発生テスト
試験管中にアルミニウムペースト3gと蒸留水3gを加え、さらにアクリルエマルジョン塗料(三井化学製E−208)14gを加えてよく撹拌し、水性塗料を調合した。この試験管にガス捕集器付きの栓をし、これを50℃の恒温水槽に入れ、2週間(336時間)の水素ガス累積発生量を測定した。測定はそれぞれの4点のサンプルについて行った。
(6)ゲル化テスト
茶褐色ガラス瓶にアルミニウムペースト12gを入れ、さらに、ウレタンアクリレート系のUV硬化型インキ(十条ケミカル製、レイキュアLP4700)48gを加えてよく撹拌後、60℃の恒温オーブンに入れ、1ヶ月後のゲル化の状態を調べた。結果は、ゲル化せず、増粘した(ゲル化まで至ってない)、ゲル化した の3段階評価とした。なお、ゲル化の程度はこの順で悪い状態である。
(アルミニウム顔料含有塗料の評価方法)
実施例4〜6、比較例5〜8で得られた塗料を下記の方法で評価した。評価テストの結果を表2に示す。
(7)アルミニウム顔料含有塗料の塗装
関西ペイント製自動塗装機レシコーターに、イワタ製スプレーガンWA−100を使用して、ABS樹脂板に乾燥膜厚15μmとなるようにスプレー塗装し、60℃のエアーオーブン中で20分間乾燥し、試験塗板を得た。
(8)耐電圧テスト
(7)の方法でABS板に塗装されたアルミニウム顔料含有塗料を、耐電圧測定器(多摩電測製TW−516)を使用し、遮断電流0.5mA、電極間隔10mmで、1kV刻みに電圧を20秒間印加し、絶縁破壊により回路が遮断されない最大の電圧を耐電圧とした。
(9)光沢(メタリック感)
ABS板に塗装された塗膜外観を肉眼で観察した。金属光沢感が、優、良、可の3段階評価で示した。なお、金属光沢感は、優、良、可の順で劣っている。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】
本発明で得られたシリカ薄膜の多層膜で被覆されたシリカ多層膜被覆アルミニウム顔料は、水性塗料や熱硬化型、エネルギー線硬化型塗料に配合された時の貯蔵安定性に優れ、塗膜の耐電圧性、光沢(メタリック感)が悪化しないアルミニウム顔料を提供するものである。
【0054】
また、本発明のシリカ多層膜被覆アルミニウム顔料を含有する水性塗料や水性インキは、50℃、336時間経過した時に、アルミニウム顔料中のアルミニウム1g当りから発生する水素ガスの体積が10cm3以下、更には6cm3以下、より優れた場合には1cm3以下であって、従来のシリカ被膜アルミニウム顔料を含有する水性塗料や水性インキに比べて水素ガスの発生量が少なく安定性に優れている。
【0055】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたアルミニウム顔料の走査型電子顕微鏡写真(倍率30,000倍)
【図2】実施例1で得られたアルミニウム顔料の断面を示す透過型電子顕微鏡写真(倍率1×106倍)
【図3】比較例4で得られたアルミニウム顔料の走査型電子顕微鏡写真(倍率30,000倍)
【符号の説明】
1 シリカ膜
2 アルミニウム酸化被膜
3 アルミニウム粒子
Claims (25)
- アルミニウム粒子表面に膜厚0.5〜5nmのシリカ薄膜が多層に形成されたことを特徴とするシリカ被覆アルミニウム顔料。
- アルミニウム顔料が、アルミニウム粒子表面とシリカ薄膜との間に酸化アルミニウム層を有する請求項1記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
- シリカ薄膜が多層に形成されたシリカ多層膜が、膜厚3〜30nmである請求項1または2記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
- 水性塗料や水性インキに配合され、50℃、336時間経過した時に、アルミニウム顔料中のアルミニウム1g当りから発生する水素ガスの体積が1cm3以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
- 水性塗料や水性インキに配合され、50℃、336時間経過した時に、アルミニウム顔料中のアルミニウム1g当りから発生する水素ガスの体積が10cm3以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
- シリカ多層膜の1150〜1250cm−1と1000〜1100cm−1における赤外吸収スペクトルの吸収ピーク強度の比I(I=I1/I2:I1は1150〜1250cm−1の吸収ピーク強度、I2は1000〜1100cm−1の吸収ピーク強度)が、0.2以上であり、且つシリカ膜の屈折率が1.435以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
- シリカ多層膜中のSi元素量が、アルミニウム粒子中のアルミニウムに対して1〜10質量%である請求項1〜6のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
- シリカ多層膜の表面が、疎水性付与剤で疎水化された請求項1〜7のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
- 疎水性付与剤が、シラン系カプリング剤、アルミニウム系カプリング剤、チタネート系カプリング剤から選ばれた少なくとも1種である請求項8記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
- アルミニウム粒子が、フレーク状粒子である請求項1〜9のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
- アルミニウム粒子が、フレーク状粒子であって、平均粒子径D50が5〜100μm、アスペクト比(粒子径/厚み)が20以上である請求項1〜9のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
- アルミニウム粒子を加水分解触媒、水、親水性有機溶剤を含む溶液に分散させる工程、該分散液にSi含有化合物を含む溶液をシリカ膜の最大堆積速度が3nm/hr以下にして添加する工程、を含むシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
- アルミニウム粒子をSi含有化合物、水、親水性有機溶剤を含む溶液に分散させる工程、該分散液に加水分解触媒を含む溶液をシリカ膜の最大堆積速度が3nm/hr以下にして添加する工程、を含むシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
- シリカ被覆アルミニウム顔料を70℃以上の沸点をもつ有機溶媒を含有する溶液中で加熱する工程を含むことを特徴とする請求項12または13記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
- Si含有化合物が、加水分解触媒存在下で加水分解しシリカを造り出すことができる化合物である請求項12〜14のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
- Si含有化合物が、シリコンアルコキシドである請求項15に記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
- シリコンアルコキシドが、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランから選ばれた少なくとも1種である請求項16に記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
- 加水分解触媒が、アンモニア、エチレンジアミン、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、蟻酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムから選ばれた少なくとも1種である請求項12〜14のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
- 請求項1〜11のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料を含むペースト。
- 請求項1〜11のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料、水を含む水系ペースト。
- 請求項1〜11のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料を含む塗膜。
- 請求項1〜11のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料を含有する塗料。
- 請求項1〜11のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料を含有するインキ組成物。
- 請求項22に記載の塗料が塗布された塗装物。
- 請求項23に記載のインキ組成物が使用された印刷物。
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