JP4633239B2 - シリカ被覆アルミニウム顔料およびその製造方法 - Google Patents
シリカ被覆アルミニウム顔料およびその製造方法 Download PDFInfo
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【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールミル粉砕法や蒸着法などの方法により製造されるアルミニウム顔料に関する。さらに詳しくは、水性塗料や水性インキに配合される時、ガス発生がなく貯蔵安定性に優れ、或いは、エネルギー線硬化型塗料やインキ中に配合される時、塗料がゲル化することがなく、貯蔵安定性に優れるアルミニウム顔料に関するものである。また、耐電圧性が要求される塗膜を形成するためのメタリック塗料に配合された時には、メタリック感を損なうことなく、耐電圧性が満足されるアルミニウム顔料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水性塗料に配合されるアルミニウム顔料に関しては、多くの技術が開示されている。例えば、特開平07−70468ではモリブデン酸被膜の上にりん酸系被膜を形成することを特徴とする処理方法が開示されている。また、特開平10−130545にはアルミニウム顔料を無機りん酸または無機りん酸塩、りん酸エステル化合物などで加工する方法が開示されている。また、金属アルコキシドを利用して被膜を形成し着色する方法が特許第2915874号に開示されている。また、特開昭62−81460には、アルミニウム表面に樹脂を被覆する方法が開示されている。しかしながら、これらの方法では、水性塗料などでの貯蔵安定性、エネルギー線硬化型塗料などでの貯蔵安定性、塗膜の耐電圧性、全てに優れたアルミニウム顔料を得ることは困難であるのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
アルミニウム顔料は水性塗料や水性インキに配合された時、それに含有される水と反応して水素ガスを発生して溶解する性質があり、特に、pH値の高い水性塗料やインキでは、その傾向が顕著である。
【0004】
また、アルミニウム顔料は、紫外線などによるエネルギー線硬化型塗料やインキに配合された時、塗料やインキが増粘・ゲル化する場合がある。この問題の反応機構は解明されていないが、アルミニウムの金属表面が何らかの関与をしているようである。
【0005】
さらに、電気製品のように塗装された部位で耐電圧性が要求される場合、従来のアルミニウム顔料を配合した塗料では、アルミニウムが持つ導電性のために要求される耐電圧性が満たされないという問題もある。
【0006】
本発明は、上記のような問題点を全て解決するアルミニウム顔料を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の問題点に対して鋭意研究を行なった結果、アルミニウム顔料の表面上にシリカ被膜を形成すること、さらには、該シリカ被膜中にP化合物を含有させることにより、前記課題を解決することを見出し、本発明に到った。即ち、本発明は以下の[1]〜[17]に示されるシリカ被覆アルミニウム顔料とその製造方法に関する。
【0008】
[1]原料アルミニウム顔料を(1)Si含有化合物、(2)水、(3)親水性有機溶剤および(4)りん酸および/またはりん酸塩を必須成分とする反応液に接触させることを特徴とするシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
[2]原料アルミニウム顔料を(1)Si含有化合物、(2)水、(3)親水性有機溶剤、(4)りん酸および/またはりん酸塩、および(5)加水分解触媒を必須成分とする反応液に接触させることを特徴とするシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
[3]シリカ被膜中のSi元素量がアルミニウム顔料中のアルミニウムに対して1〜15質量%となるようにSi含有化合物を配合する上記[1]または[2]に記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
[4]シリカ被膜中のP元素がアルミニウム顔料中のアルミニウムに対して0.01〜4質量%となるようにりん酸および/またはりん酸塩を配合する上記[1]〜[3]のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
[5]Si含有化合物がシリコンアルコキシドである上記[1]〜[4]のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
[6]シリコンアルコキシドがテトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランから選ばれた1種以上である上記[5]に記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
[7]加水分解触媒がアンモニア、エチレンジアミンから選ばれた少なくとも1種である上記[2]〜[6]のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
[8]アルミニウム顔料表面にSi含有化合物によりシリカ被膜を形成し、さらにP化合物を含有させることを特徴とするシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
[9]アルミニウム顔料表面にシリカ被膜が形成され、さらにりん化合物が含有されていることを特徴とするシリカ被覆アルミニウム顔料。
[10]原料アルミニウム顔料を(1)Si含有化合物、(2)水、(3)親水性有機溶剤および(4)りん酸および/またはりん酸塩を必須成分とする反応液に接触させることにより得られるシリカ被覆アルミニウム顔料。
[11]原料アルミニウム顔料を(1)Si含有化合物、(2)水、(3)親水性有機溶剤、(4)りん酸および/またはりん酸塩、および(5)加水分解触媒を必須成分とする反応液に接触させることにより得られるシリカ被覆アルミニウム顔料。
[12]シリカ被膜中のSi元素量がアルミニウム顔料中のアルミニウムに対して1〜15質量%である上記[9]〜[11]のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
[13]アルミニウム顔料中のりん元素量がアルミニウム顔料中のアルミニウムに対して0.01〜4質量%である[9]〜[12]のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料。
[14][9]〜[13]のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料を含有する塗料。
[15][9]〜[13]のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料を含有するインキ組成物。
[16][14]に記載の塗料が塗布された塗装物。
[17][15]に記載のインキ組成物が使用された印刷物。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0010】
本発明のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法例の概略を説明する。まず、上記の原料アルミニウム顔料を親水性有機溶剤に分散させ、シリカ被膜を形成させるためのSi含有化合物(好ましくはシリコンアルコキシド類)を加える。次に水、および必要に応じて触媒を加えてシリコンアルコキシド類の加水分解によるシリカ生成反応を行い、シリカ被膜をアルミニウム顔料表面に析出させる。この反応時にりん酸もしくはりん酸塩水溶液を添加することによりシリカ被膜中にりん化合物を含有させることができる。反応後のシリカ被覆アルミニウム顔料は濾過、溶媒洗浄、乾燥操作等を経て、顔料あるいは顔料ペーストとする事ができる。
【0011】
本発明で用いる原料アルミニウム顔料は、ボールミル粉砕法や蒸着法によって製造されたものである。その形状、大きさは特に限定されないが、メタリック塗料として使用される場合にはフレーク状であり、平均粒子径(D50:累積重量50%粒子径)で5μmから100μm、厚みは1μm以下、アスペクト比(粒子径/厚み)が20以上であることが望ましい。
【0012】
アルミニウム顔料は、乾燥粉末にすると、粉塵爆発の危険性や取り扱いの困難さの理由から、通常は溶剤を含んだペースト状になっている。本発明においては、アルミニウム顔料はそのまま用いても良いし、あるいは洗浄して溶剤を除いてから用いても良い。ミネラルスピリットなどの疎水性有機溶剤を含むアルミニウムペーストを用いる場合は、親水性溶剤で洗浄することが好ましい。あるいは、ノニオン性やアニオン性の界面活性剤を添加して、水に乳化・分散し易くしても良い。
【0013】
原料アルミニウム顔料を分散させる親水性有機溶媒は水と親和性があれば特に制限はないが、好ましい例としてはグリコール類やアルコール類が挙げられ、これらの1種あるいは2種以上を用いることができる。グリコール類としては、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどが挙げられる。また、アルコール類としては、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどが挙げられる。これらの中ではアルミニウム顔料の分散性の面からプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが特に好ましい。
【0014】
シリカ被膜を形成するのに用いるSi含有化合物はシリコンアルコキシドが好ましい。シリコンアルコキシドとしては、一般式 Si−(OR)4(Rはアルキル基など)で示されるものや、アルコキシ基の一部をアルキル基に変えたものも用いることができる。また、そのシリコンアルコキシドはモノマーでもよく、オリゴマーでもよい。また、その混合物でも構わない。
【0015】
シリコンアルコキシドの好適な例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等を挙げることができ、その中でも適当な加水分解速度を有するテトラエトキシシランが特に好適に用いられる。
【0016】
シリコンアルコキシド類の使用量は、用いるアルミニウム顔料の種類によって異なるため一概には規定できないが、シリカ被膜中のSi原子量がアルミニウム顔料中のアルミニウムに対して1〜15質量%、より好ましくは3〜12質量%、さらに好ましくは4〜10質量%となるように使用量を設定する事が望ましい。
【0017】
シリコンアルコキシドの使用量が少ない場合は、アルミニウム顔料の表面に緻密なシリカ層被膜が形成されなくなり、またシリコンアルコキシドの使用量が多すぎる場合には、アルミニウム顔料の表面にシリカが付き過ぎ、アルミニウム顔料の持つ金属光沢が損なわれることがあるため好ましくない。また、アルミニウムに対しSi原子換算で15質量%以上の被膜を形成すると、アルミニウム顔料の持つ金属光沢(メタリック感)が損なわれてしまい好ましくない。
【0018】
原料アルミニウム顔料、およびシリコンアルコキシド類を含む分散液に、水や触媒を加えることによりシリコンアルコキシド類を加水分解し、シリカ被膜をアルミニウム顔料表面に析出させることができる。その加水分解速度は、用いる水のシリコンアルコキシドとのモル比や濃度、及び必要に応じて加えられる触媒(アルカリ等)のシリコンアルコキシドとのモル比や濃度によって調整される。シリコンアルコキシドが加水分解されシラノール性−OH基が形成され、アルミニウム顔料表面にある−OH基と縮合反応し、また、シリコンアルコキシドの自己脱水重合反応によりSi−O−Si結合ができるため、アルミニウム顔料表面にシリカの被膜が形成されると考えられる。
【0019】
触媒としてはアンモニア等のアルカリや塩酸等の酸が使用できるが、シリコンアルコキシドの加水分解速度の面からアンモニアが特に好ましい。
【0020】
また、上記の加水分解・重合反応の際に、りん酸もしくはりん酸塩水溶液を添加することにより、形成されるシリカ被膜中にりんを含有させることができる。
りん酸塩としては、りん酸1水素2アンモニウム、りん酸2水素1アンモニウム、第一りん酸アルミニウムなどを使用することができる。りん酸、リン酸塩の使用量は、用いるアルミニウム顔料の種類によって異なるため一概には規定できないが、アルミニウムに対しP換算で0.01〜4質量%の範囲が好ましく、0.05〜2質量%がより好ましい。用いるSiの重量に対しては25質量%以下が好ましい。りんが4質量%以上になると、シリカ被膜が緻密でなくなり、本発明の目的の達成が困難となる。また、0.01以下ではりん化合物の効果が発現しなくなる場合がある。
【0021】
加水分解・重合反応の反応温度は15℃〜35℃、反応時間は、0.5〜10時間が好ましい。
【0022】
上記の方法でシリカ被膜中にりんを含有させることによって、シリカ被膜をより緻密にし、アルミニウム顔料の持つ金属感の低下を少なくする効果が確認された。
【0023】
上記の方法で得られたアルミニウム顔料を高分解能走査型電子顕微鏡で観察すると、アルミニウム顔料表面にはシリカの0.01μm以下の微粒子が表面全体に付き、被膜を形成しているのが確認された。被膜の厚さを正確に測定することは困難であるが、10nmから30nmの範囲と推定される。
【0024】
本発明のシリカ被覆アルミニウム顔料は公知、慣用の塗料、インキ組成物に配合して使用することができる。これらの塗料、インキ組成物は油性でもよく、水性(エマルジョン、水溶性)であってもよい。また、1液性ばかりでなく、2液以上を混合して用いるものであってもよく、反応を伴うものであってもよい。
【0025】
本発明のシリカ被覆アルミニウム顔料を含有する塗料、インキ組成物は目的とする塗料、インキ組成物の色相に合わせて、他の顔料、染料を含むことができる。但し、顔料は本発明のシリカ被覆アルミニウム顔料によるメタリック感を損なわない範囲で使用することが望ましい。
【0026】
本発明のシリカ被覆アルミニウム顔料を含有する塗料、インキ組成物に使用する溶媒は塗料、インキ組成物の種類に応じて親油性、親水性、水溶性の各種溶媒(水を含む)を用いることができる。また、溶媒はその機能(シンナー、リタダー、レベリング剤など)に対応して複数の種類の混合物であってもよく、無溶剤であってもよい。
【0027】
バインダーとしては天然あるいは合成の各種のポリマー、モノマー、オリゴマー、プレポリマー等を使用することが可能である。反応型の塗料、インキ組成物の場合には触媒、開始剤、架橋剤、硬化剤なども含有することができる。
【0028】
本発明のシリカ被覆アルミニウム顔料を含有する塗料、インキ組成物は必要に応じて各種の添加剤を含有することができる。例えば、界面活性剤、安定剤、防腐剤、可塑剤、乾燥剤、顔料湿潤剤、顔料分散剤、防食剤、流動調整剤、防かび剤、紫外線吸収剤が挙げられる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0030】
(実施例1)
昭和アルミパウダー社製アルミペースト Sap FM4010(アルミニウム分67質量%)をガラスビーカーに76g取り、プロピレングリコールモノメチルエーテル200gに分散させ、テトラエトキシシラン14.9gを添加した。撹拌下、29%アンモニア水21gを添加し、さらにりん酸1水素2アンモニウム0.5gを溶解した水を378g添加した。25℃で5時間撹拌を続けた後、ろ過し、ろ過ケーキをプロピレングリコールモノメチルエーテルで洗浄後、アルミニウム分を50質量%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルのペーストとした。
【0031】
(実施例2)
昭和アルミパウダー社製アルミペーストSap 2173(アルミニウム分質量67%)を39g取り、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル200gに分散させ、テトラエトキシシラン18.6gを添加した。撹拌下、29%アンモニア水21gを添加し、さらにりん酸2水素1アンモニウム2.14gを溶解した水378gを添加した。3時間撹拌を続けた後、ろ過し、ろ過ケーキをプロピレングリコールモノメチルエーテルで洗浄後、アルミニウム分を50質量%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルのペーストにした。
【0032】
(実施例3)
りん酸1水素2アンモニウム量を10.6gに変えた以外は、実施例1と同様の処理をし、ペーストを得た。
【0033】
(実施例4)
テトラエトキシシラン量を70gに変えた以外は、実施例1と同様の処理をし、ペーストを得た。
【0034】
(実施例5)
テトラエトキシシラン量を1.86gに変えた以外は、実施例1と同様の処理をし、ペーストを得た。
【0035】
(比較例1)
りん酸1水素2アンモニウムを含まない水を添加した以外は、実施例1と同様の処理をし、ペーストを得た。
【0036】
(比較例2)
りん酸1水素2アンモニウムを含まない水を添加した以外は、実施例2と同様の処理をし、ペーストを得た。
【0037】
(比較例3)
テトラエトキシシランを0g(無添加)とした以外は、比較例2と同様の処理をし、ペーストを得た。
【0038】
(実施例6〜10、比較例4〜6)
実施例1〜5、比較例1〜3で作製したアルミニウム顔料ペーストを用い、以下のようにしてメタリック塗料を作製した。
アルミニウム顔料ペースト 5.8g
酢酸エチル 5.8g
を混合し、予備分散させ、次に、
オリジン電気製 プラネットSVクリア 37.5g
オリジン電気製 プラネットシンナー#175 70.0g
を加えて、5分間撹拌する。
【0039】
○アルミニウム顔料の評価方法
実施例や比較例で得られたアルミニウム顔料を下記の方法で評価した。
【0040】
(1)Si,P量の測定
アルミニウムペーストを乾燥させ、王水に溶解したのち、蒸留水で希釈し、Si、Pの濃度既知の水溶液で検量線を引いたICPで測定し、Si,Pの濃度から被着率を算出した。Si,Pともに、仕込み量の90%前後が被着している。
【0041】
(2)水素ガス発生テスト
試験管中にアルミニウムペースト3gと蒸留水3gを加え、さらにアクリルエマルジョン塗料(三井化学製E−208)14gを加えてよく撹拌し、水性塗料を調合した。これを50℃の恒温水槽に入れ、2週間の水素ガス累積発生量を測定した。
【0042】
(3)ゲル化テスト
茶褐色ガラス瓶にアルミニウムペースト12gを入れ、さらに、ウレタンアクリレート系のUV硬化型インキ(十条ケミカル製、レイキュアLP4700)48gを加えてよく撹拌後、50℃の恒温オーブンに入れ、1ヶ月後のゲル化の状態を調べた。
【0043】
(4)アルミニウム顔料含有塗料の塗装
実施例3および4、比較例5〜10で作製した塗料をプラスチック板に塗装した。即ち、関西ペイント製自動塗装機レシコーターに、イワタ製スプレーガンWA−100を使用して、ABS樹脂板に乾燥膜厚15μmとなるようにスプレー塗装し、60℃のエアーオーブン中で20分間乾燥し、試験塗板を得た。
【0044】
(5)耐電圧テスト
(4)の方法でABS板に塗装されたアルミニウム顔料含有塗料を、耐電圧測定器(多摩電測製TW−516)を使用し、遮断電流0.5mA、電極間隔10mmで、1kV刻みに電圧を20秒間を印加し、絶縁破壊により回路が遮断されない最大の電圧を耐電圧とした。
【0045】
(6)光沢(メタリック感)
ABS板に塗装された塗膜外観を肉眼で観察した。
【0046】
上記の評価テストの結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】
本発明で得られたシリカ被覆アルミニウム顔料は、水性塗料やエネルギー線硬化型塗料に配合された時の貯蔵安定性に優れ、塗膜の耐電圧性、光沢(メタリック感)が悪化しないアルミニウム顔料を提供するものである。
Claims (9)
- 原料アルミニウム顔料を(1)Si含有化合物、(2)水、(3)親水性有機溶剤、(4)りん酸塩、および(5)加水分解触媒を必須成分とする反応液に接触させることによって、りんを含有するシリカ被膜をアルミニウム顔料表面に形成することを特徴とするシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
- りん酸塩が、りん酸1水素2アンモニウムまたはりん酸2水素1アンモニウムである請求項1に記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
- 親水性有機溶剤がグリコール類である請求項1または2に記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
- 15℃〜35℃の反応温度で接触させる請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
- シリカ被膜中のSi元素量がアルミニウム顔料中のアルミニウムに対して1〜15質量%となるようにSi含有化合物を配合する請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
- シリカ被膜中のP元素がアルミニウム顔料中のアルミニウムに対して0.01〜4質量%となるようにりん酸塩を配合する請求項1〜5のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
- Si含有化合物がシリコンアルコキシドである請求項1〜6のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
- シリコンアルコキシドがテトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランから選ばれた1種以上である請求項7に記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
- 加水分解触媒がアンモニア、エチレンジアミンから選ばれた少なくとも1種である請求項1〜8のいずれかに記載のシリカ被覆アルミニウム顔料の製造方法。
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