JP2004120291A - バラントランス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】誘電体基板に形成された、第1の伝送線路部1ならびにこれと平行に配置された第2および第3の伝送線路部2・3から成り、第1の伝送線路部の一端を不平衡端子INとし他端に接地容量を電気的に接続するとともに、第2および第3の伝送線路部2・3の対向する一端同士をそれぞれ平衡端子OUT1・OUT2とし他端をそれぞれ接地したバラントランスとする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば携帯電話や無線LAN等の無線通信機器その他の各種通信機器等において使用される高周波回路用のバラントランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バラントランスとは、不平衡伝送線路を伝搬する不平衡信号と平衡伝送線路を伝搬する平衡信号とを相互に変換するためのバラン回路を用いた信号変換素子である。例えば、バラントランスの不平衡端子に不平衡信号を入力した場合、バラントランスの平衡端子には、互いに位相が180度異なり(逆相)、振幅が等しい2つの平衡信号が出力されることとなる。
【0003】
高周波信号を伝送する不平衡伝送線路と平衡伝送線路とを接続するバラントランスとしては、分布定数によるものとして伝送線路により構成されるものがある。このような従来のバラントランスの例を図5および図6に回路図で示す。
【0004】
図5において、10は第1の伝送線路部、11および12は第1の伝送線路部10と同一平面上で平行もしくは3次元的に平行に配置されて電磁界的に結合した略等しい長さを有する第2および第3の伝送線路部、INは第1の伝送線路部10に設けた不平衡端子の一方側の入力端子、OUT1およびOUT2は第2の伝送線路部および第3の伝送線路部の対向する一端側に設けた平衡端子のそれぞれの出力端子である。そして、図5に示す例では第1の伝送線路部の入力端子INと反対側の他端を開放端とし、第2の伝送線路部および第3の伝送線路部の出力端子OUT1・OUT2と反対側の他端をそれぞれ接地した構成となっていた。また、図6においては、図5に示す回路図に対し、更に入力端子INに接地容量を電気的に接続した構成となっていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−176918号公報
【特許文献2】
特開平11−219825号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のバラントランスにおいては、図5に示す例では、特開平7−176918号公報に記載されているように、第1の伝送線路部10の長さとして中心周波数の略1/2波長の長さが必要になるとともに、第2および第3の伝送線路部11・12の長さとして中心周波数の略1/4波長の長さが必要になり、バラントランスのサイズが大きくなるという問題点があった。
【0007】
また、図6に示す例では、特開平11−219825号公報に記載されているように、図5に示す構成に対し、更に入力端子INに接地容量を電気的に接続することで第1の伝送線路部10の長さを中心周波数の略1/2波長より短縮するとともに、第2および第3の伝送線路部11・12の長さを中心周波数の略1/4波長の長さより短縮する効果が得られ、バラントランスのサイズを小型化することができるが、バラントランスの周波数特性が狭帯域となってしまうという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、伝送線路により構成されたバラントランスにおいて、バラントランスのサイズを小型化するとともに周波数特性の広帯域なバラントランスを実現することができる、高周波回路に好適なバラントランスを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のバラントランスは、誘電体基板に形成された、中心周波数の略1/2波長以下の長さを有する第1の伝送線路部ならびにこの第1の伝送線路部と長さ方向に対して平行に配置されてそれぞれ前記第1の伝送線路部と電磁界的に結合した前記中心周波数の略1/4波長以下の略等しい長さを有する第2の伝送線路部および第3の伝送線路部から成り、前記第1の伝送線路部の一端を不平衡端子とし他端に接地容量を電気的に接続するとともに、前記第2の伝送線路部および前記第3の伝送線路部の対向する一端同士をそれぞれ平衡端子とし他端をそれぞれ接地したことを特徴とするものである。
【0010】
本発明のバラントランスによれば、第1および第2の伝送線路部間で形成される第1の結合線路部、および、第1および第3の伝送線路部間で形成される第2の結合線路部の共振周波数frは、第1および第2の結合線路部で形成される等価的なインダクタンスLとキャパシタンスCに対して、fr=1/{2π(LC)1/2}の関係があり、第1の伝送線路部の入力端子INと反対側の他端に接地容量を電気的に接続していることから、共振周波数frに寄与するキャパシタンスCの値が大きくなるので、バラントランスの中心周波数を決める第1および第2の結合線路部の共振周波数frは低くなることとなる。一方、第1および第2の結合線路部の共振周波数frは、第1および第2の結合線路部の長さLと第1および第2の結合線路部を伝播する高周波信号の伝播速度Vgに対して、fr∝Vg/Lの関係があるので、第1の伝送線路部の入力端子INと反対側の他端に接地容量を電気的に接続することによって、第1および第2の結合線路部の共振周波数frが低くなる分を、第1および第2の結合線路部の長さLを短縮することにより共振周波数frが高くなるように調整し、これらをバランスさせれば、所望の中心周波数を有するバラントランスを実現することができることとなる。このことにより、第1〜第3の伝送線路部の長さを短縮した小型なバラントランスを提供することができる。また、この効果に加えて、第1の伝送線路部の入力端子INと反対側の他端に接地容量を電気的に接続していることによって、中心周波数近傍における周波数に対するバラントランスの入出力インピーダンスの変化が緩和され、周波数特性の広帯域なバラントランスを提供することができた。
【0011】
また、本発明のバラントランスは、上記構成において、前記誘電体基板が複数の誘電体層から成り、前記第1乃至第3の伝送線路部が前記誘電体基板の表面または内部に形成されたマイクロストリップ線路またはストリップ線路またはコプレーナ線路から成り、前記第2の伝送線路部および前記第3の伝送線路部の各他端が前記誘電体基板の内部に形成した貫通導体および/または側面に形成した端子電極を介して接地されているとともに、前記接地容量が前記誘電体基板に内蔵した、または前記誘電体基板上に実装したコンデンサから成ることを特徴とするものである。
【0012】
これにより、このバラントランスを用いる高周波回路の仕様に応じて、複数の誘電体層から成る誘電体基板の表面または内部に高周波信号の伝送特性に優れた伝送線路部を形成するとともに、接地容量を誘電体基板に内蔵した、または誘電体基板上に実装したコンデンサで構成できることから、設計自由度が向上するとともに、高周波回路とともに誘電体基板に一体化して構成することが可能な、小型で高性能なバラントランスを提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のバラントランスを図面を参照しつつ説明する。
【0014】
図1は本発明のバラントランスの実施の形態の一例を示す回路図である。図1において、1は中心周波数の略1/2波長以下の長さを有する第1の伝送線路部、2および3は第1の伝送線路部1と同一平面上で平行にもしくは3次元的に平行に配置されてそれぞれ第1の伝送線路部1と電磁界的に結合した中心周波数の略1/4波長以下の略等しい長さを有する第2の伝送線路部および第3の伝送線路部である。INは第1の伝送線路部1の一端に設けた不平衡端子であり、不平衡信号の入出力端子となるものである。OUT1およびOUT2は第2の伝送線路部2および第3の伝送線路部3の対向する一端同士にそれぞれ設けた平衡端子であり、平衡信号の入出力端子となるものである。そして、第1の伝送線路部1の一端を不平衡端子INとし他端に接地容量C1を電気的に接続するとともに、第2の伝送線路部2および第3の伝送線路部3の対向する一端同士をそれぞれ平衡端子OUT1・OUT2とし他端をそれぞれ接地した構成となっている。なお、これら第1〜第3の伝送線路部1〜3は誘電体基板の表面または内部に形成されているが、図1においては誘電体基板についての図示は省略している。
【0015】
このような構成の本発明のバラントランスは、誘電体基板として複数の誘電体層を積層して形成された誘電体多層基板を用い、第1〜第3の伝送線路部1〜3を複数の誘電体層を有する多層基板の表面または内部に形成されたマイクロストリップ線路またはストリップ線路またはコプレーナ線路で形成し、第2の伝送線路部2および第3の伝送線路部3の各他端を誘電体基板の内部に形成したスルーホール導体やビア導体等の貫通導体および/または誘電体基板の側面に形成したメタライズ導体層やいわゆるキャスタレーション導体等による端子電極を介して外部の接地と接続して接地するとともに、接地容量C1を誘電体基板に内蔵したコンデンサ(容量形成領域)、または誘電体基板上に実装したコンデンサで構成することにより、誘電体基板の表面または内部に小型で高周波信号の伝送特性に優れたバラントランスとして実現することができ、高周波回路と一体的に形成することができる、高周波回路に好適なバラントランスを提供することができる。
【0016】
次に、図2および図3は本発明のバラントランスの実施の形態の例を示した断面図であり、図1と同じ部位に対応するものは同一符号で示してある。図2および図3において、20は誘電体基板、21は接地導体層、22は内蔵したコンデンサ(容量発生領域)を構成する容量電極パターン、23は誘電体基板20上に実装されたコンデンサ、24はコンデンサ23を実装するための部品実装パッド、25は貫通導体、26は接続線路を示す。なお、図2および図3においては、第1〜第3の伝送線路部1〜3は紙面に垂直な方向に形成されており、不平衡端子INおよび平衡端子OUT1・OUT2についての図示は省略している。また、図2においては、第1の伝送線路部1と容量電極パターン22とを接続する接続線路26を点線で図示している。
【0017】
図2は、第1〜第3の伝送線路部1〜3を誘電体基板20の内部に形成し、かつ、接地容量C1を誘電体基板20の内部に形成した容量電極パターン22および接地導体層21の間で形成したものである。
【0018】
図3は、第1〜第3の伝送線路部1〜3を誘電体基板20の内部に形成し、かつ、接地容量C1を誘電体基板20の表面に形成された部品実装パッド24上に実装したコンデンサ23で構成したものである。
【0019】
図2および図3に示す例のような構成とすることによって、接地容量C1を、誘電体基板20に内蔵した容量電極パターン22によるコンデンサ、または誘電体基板20の表面に形成された部品実装パッド24上に実装したコンデンサ23で構成できることから、設計自由度が向上するとともに、高周波回路とともに誘電体基板に一体化して構成することが可能な、小型で高性能なバラントランスを提供することができる。
【0020】
本発明のバラントランスを形成するに当たり、このような複数の誘電体層を積層して形成された誘電体多層基板をはじめとする誘電体基板やマイクロストリップ線路・ストリップ線路・コプレーナ線路等による第1〜第3の伝送線路部1〜3、不平衡端子IN、平衡端子OUT1・OUT2、端子電極ならびに接地導体層21、容量電極パターン22、部品実装パッド24、貫通導体25、接続線路26は、周知の高周波用配線基板に使用される種々の材料・形態のものを使用することができる。
【0021】
本発明のバラントランスに用いる誘電体基板としては、例えばアルミナセラミックス・ムライトセラミックス等のセラミックス材料やガラスセラミックス等の無機系材料、あるいは四ふっ化エチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン;PTFE)・四ふっ化エチレン−エチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合樹脂;ETFE)・四ふっ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−パーフルテロアルキルビニルエーテル共重合樹脂;PFA)等のフッ素樹脂やガラスエポキシ樹脂・ポリイミド樹脂等の樹脂系材料等が用いられる。これら誘電体基板の形状や寸法(厚みや幅・長さ)は、使用される周波数や用途等に応じて設定される。
【0022】
本発明の第1〜第3の伝送線路部1〜3ならびに接地導体層21、容量電極パターン22、部品実装パッド24、貫通導体25、接続線路26は、高周波信号伝送用の金属材料の導体層、例えばCu層・Mo−Mnのメタライズ層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの・Wのメタライズ層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの・Cr−Cu合金層・Cr−Cu合金層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの・Ta2N層上にNi−Cr合金層およびAuメッキ層を被着させたもの・Ti層上にPt層およびAuメッキ層を被着させたもの、またはNi−Cr合金層上にPt層およびAuメッキ層を被着させたもの等を用いて、厚膜印刷法あるいは各種の薄膜形成方法やメッキ法等により形成される。その厚みや幅も、伝送される高周波信号の周波数や用途等に応じて設定される。
【0023】
本発明のバラントランスに用いる誘電体基板の作製にあたっては、例えば誘電体基板がガラスセラミックスから成る場合であれば、まず誘電体基板となるガラスセラミックスのグリーンシートを準備し、これに所定の打ち抜き加工を施して貫通導体となる貫通孔を形成した後、スクリーン印刷法によりCu等の導体ペーストを貫通孔に充填するとともに、所定の伝送線路パターンおよびその他の導体層のパターンを印刷塗布する。次に、850〜1000℃で焼成を行ない、最後に各導体層上にNiメッキおよびAuメッキを施す。
【0024】
図4は、図1に示す構成の本発明のバラントランスと、図6に示す従来の構成のバラントランスにおいて、反射損失特性をシミュレーションした結果を比較した図である。
【0025】
このシミュレーションは、以下に示すパラメータを持つ結合線路を用いて、それぞれ図1および図6に示す構成となるシミュレーションモデルを作成し、比較検討を実施することにより行なった。
【0026】
Z0=25Ω :第1の伝送線路部と第2の伝送線路部で形成される結合線路の特性インピーダンス、および、第1の伝送線路部と第3の伝送線路部で形成される結合線路の特性インピーダンス
εr=10 :誘電体基板の比誘電率
C1=1.0pF :接地容量
そして、第1の伝送線路部の長さL1と第2および第3の伝送線路部の長さL2をそれぞれ、図1の場合L1=3.86mm、L2=1.93mm、図6の場合L1=5.94mm、L2=2.97mmとしている。
【0027】
シミュレーションによって求めた計算結果は、測定値と良く一致することを確認している。
【0028】
図4において、横軸は周波数(単位:GHz)を、縦軸は反射損失(単位:dB)を表わし、各特性曲線は、Aが本発明の構成によるバラントランスにおける結果を、Bが図6に示す従来の構成によるバラントランスにおける結果を示している。
【0029】
図4に示す結果は、本発明の構成によるバラントランスによれば、図6に示す従来の構成によるバラントランスより周波数帯域が広帯域な特性を有するバラントランスを実現できることを示している。
【0030】
例えば、一般的なバラントランスに要求される反射損失−15dB以下を満足する帯域幅についてみると、
A:帯域幅760MHz
B:帯域幅440MHz
であり、従来のバラントランスにおける結果(B)に比べて、本発明のバラントランスにおける結果(A)では、広帯域なバラントランス特性を実現することができる。
【0031】
また、サイズ的な観点から見てみると、第1の伝送線路部の長さL1と第2および第3の伝送線路部の長さL2が、図6に示す従来の構成によるバラントランスではL1=5.94mm、L2=2.97mmである一方、本発明のバラントランスはL1=3.86mm、L2=1.93mmであり、本発明のバラントランスによれば、バラントランスのサイズを小型化することができる。
【0032】
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更・改良を加えることは何ら差し支えない。
【0033】
例えば、本発明のバラントランスを構成する第1〜第3の伝送線路部1〜3は、それぞれ必ずしも直線状の伝送線路により形成されるものに限られるものではなく、それぞれ角型状や円形状等に折り曲げた伝送線路や、コの字形状・スパイラル形状・ミアンダライン形状の伝送線路等で形成したりすることができる。伝送線路をこのような形状に形成することで、バラントランスを用いる高周波回路の仕様に応じて、複数の誘電体層から成る誘電体基板の表面または内部に、高周波回路とともに誘電体基板に一体化して構成する際の設計自由度が向上するとともに、小型で高性能なバラントランスを提供することが可能となる。
【0034】
また、第1〜第3の伝送線路部1〜3は、それぞれ単一の線路導体で形成するものに限られるものではなく、それぞれ電磁気的に1つの伝送線路とみなせるような2個以上の導体で形成してもよい。
【0035】
さらにまた、図2および図3に示した例では、誘電体基板20の内部に容量電極パターン22を形成する場合として単一の容量電極パターンで形成した例を示しているが、必ずしもこの例のものに限られるものではなく、それぞれ電気的に1つの容量電極パターンとみなせるような2個以上の導体で形成してもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明のバラントランスによれば、第1および第2の伝送線路部間で形成される第1の結合線路部、および、第1および第3の伝送線路部間で形成される第2の結合線路部の共振周波数frは、第1および第2の結合線路部で形成される等価的なインダクタンスLとキャパシタンスCに対して、fr=1/{2π(LC)1/2}の関係があり、第1の伝送線路部の入力端子INと反対側の他端に接地容量を電気的に接続していることから、共振周波数frに寄与するキャパシタンスCの値が大きくなるので、バラントランスの中心周波数を決める第1および第2の結合線路部の共振周波数frは低くなることとなる。一方、共振周波数frは、第1および第2の結合線路部の長さLと第1および第2の結合線路部を伝播する高周波信号の伝播速度Vgに対して、fr∝Vg/Lの関係があるので、第1の伝送線路部の入力端子INと反対側の他端に接地容量を電気的に接続することによって、共振周波数frが低くなる分を、第1および第2の結合線路部の長さLを短縮することにより共振周波数frが高くなるように調整し、これらをバランスさせれば、所望の中心周波数を有するバラントランスを実現することができ、小型なバラントランスを提供することができる。また、この効果に加えて、第1の伝送線路部の入力端子INと反対側の他端に接地容量を電気的に接続していることによって、中心周波数近傍における周波数に対するバラントランスの入出力インピーダンスの変化が緩和され、周波数特性の広帯域なバラントランスを提供することができる。
【0037】
また、本発明のバラントランスによれば誘電体基板が複数の誘電体層から成り、第1乃至第3の伝送線路部が誘電体基板の表面または内部に形成されたマイクロストリップ線路またはストリップ線路またはコプレーナ線路から成り、第2の伝送線路部および第3の伝送線路部の各他端が誘電体基板の内部に形成した貫通導体および/または側面に形成した端子電極を介して接地されているとともに、接地容量が誘電体基板に内蔵した、または誘電体基板上に実装したコンデンサから成るものとすることにより、このバラントランスを用いる高周波回路の仕様に応じて、複数の誘電体層から成る誘電体基板の表面または内部に高周波信号の伝送特性に優れた伝送線路部および接地容量を誘電体基板に内蔵した、または誘電体基板上に実装したコンデンサにより、高周波回路とともに誘電体基板に一体化して構成することが可能な、小型で周波数特性が広帯域なバラントランスを提供することができる。
【0038】
以上のように、本発明によれば、伝送線路により構成されたバラントランスにおいて、バラントランスのサイズを小型化するとともに周波数特性が広帯域なバラントランスを実現することができ、高周波回路に好適なバラントランスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバラントランスの実施の形態の一例を示す回路図である。
【図2】本発明のバラントランスの実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図3】本発明のバラントランスの実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明のバラントランスおよび従来のバラントランスにおける周波数と反射損失との関係を示す図である。
【図5】従来のバラントランスの例を示す回路図である。
【図6】従来のバラントランスの他の例を示す回路図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・・第1の伝送線路部
2・・・・・・・・・・・第2の伝送線路部
3・・・・・・・・・・・第3の伝送線路部
20・・・・・・・・・・・誘電体基板
21・・・・・・・・・・・接地導体層
22・・・・・・・・・・・容量電極パターン
23・・・・・・・・・・・コンデンサ
24・・・・・・・・・・・部品実装パッド
25・・・・・・・・・・・貫通導体
26・・・・・・・・・・・接続線路
C1・・・・・・・・・・接地容量
IN・・・・・・・・・・不平衡端子(入出力端子)
OUT1、OUT2・・・平衡端子(入出力端子)
Claims (2)
- 誘電体基板に形成された、中心周波数の略1/2波長以下の長さを有する第1の伝送線路部ならびに該第1の伝送線路部と長さ方向に対して平行に配置されてそれぞれ前記第1の伝送線路部と電磁界的に結合した前記中心周波数の略1/4波長以下の略等しい長さを有する第2の伝送線路部および第3の伝送線路部から成り、前記第1の伝送線路部の一端を不平衡端子とし他端に接地容量を電気的に接続するとともに、前記第2の伝送線路部および前記第3の伝送線路部の対向する一端同士をそれぞれ平衡端子とし他端をそれぞれ接地したことを特徴とするバラントランス。
- 前記誘電体基板が複数の誘電体層から成り、前記第1乃至第3の伝送線路部が前記誘電体基板の表面または内部に形成されたマイクロストリップ線路またはストリップ線路またはコプレーナ線路から成り、前記第2の伝送線路部および前記第3の伝送線路部の各他端が前記誘電体基板の内部に形成した貫通導体および/または側面に形成した端子電極を介して接地されているとともに、前記接地容量が前記誘電体基板に内蔵した、または前記誘電体基板上に実装したコンデンサから成ることを特徴とする請求項1記載のバラントランス。
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