JP2006210617A - バラントランス - Google Patents

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Abstract

【課題】 低背でかつ広帯域なバラントランスを提供する。
【解決手段】 3層以上の誘電体層を積層してなる積層体の内部に、不平衡信号が伝送される第1の伝送電路と、平衡信号が伝送される第2,第3の伝送線路とを間に誘電体層を介して少なくとも一部が対向するように配置させるとともに、積層体の一主面に第1の伝送線路と電磁界結合される第1の接地電極を、他主面に第2,第3の伝送線路と電磁界結合される第2の接地電極を被着させてなるバラントランスにおいて、第1の伝送線路−第1の接地電極間の誘電体層及び第2,第3の伝送線路−第2の接地電極間の誘電体層の少なくとも一方の比誘電率を、第1の伝送線路−第2,第3の伝送線路間の誘電体層の比誘電率に比し低く設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば携帯電話や無線LAN等の無線通信機器その他の各種通信機器等において使用される、伝送線路により構成された高周波回路用のバラントランスに関するものである。
バラントランスとは、不平衡伝送線路を伝搬する不平衡信号と平衡伝送線路を伝搬する平衡信号とを相互に変換するためのバラン回路を用いた信号変換素子である。例えば、バラントランスの不平衡端子に不平衡信号を入力した場合、バラントランスの平衡端子には、互いに位相が180度異なり(逆相)、振幅が等しい2つの平衡信号が出力されることとなる。
高周波信号を伝送する不平衡伝送線路と平衡伝送線路とを接続するバラントランスとしては、分布定数によるものとして伝送線路により構成されるものがある。このような従来のバラントランスの例を図6および図7に示す。
図6において、30は同じ程度の比誘電率を有する第1乃至第3の誘電体層30a乃至30cを順次積層した誘電体、31は第1の誘電体層30a−第2の誘電体層30b間に配された第1の伝送線路、32,33は第2の誘電体層30b−第3の誘電体層30c間に配された第2,第3の伝送線路、34は誘電体30の下面に配された第1の接地電極、35は誘電体30の上面に配された第2の接地電極、36は接続導体である。誘電体30内において第1の伝送線路は積層方向から見て第2,第3の伝送線路32,33とそれぞれ少なくとも一部が対向するように配置されて電磁界結合している。
INは第1の伝送線路31の一端に設けた不平衡端子、OUT1,OUT2は第2,第3の伝送線路32,33の対向する一端側に設けた平衡端子である。そして、図6に示す例では第1の伝送線路31の不平衡端子INと反対側の他端を開放端とし、第2,第3の伝送線路32,33の平衡端子OUT1,OUT2と反対側の他端をそれぞれ接続導体36で接地した構成となっている。
図7は、上記の構成を回路図で示したものである。
そして、第1乃至第3の誘電体層30a乃至30cの厚みを任意に設定し、第1の伝送線路31−第2の伝送線路32間で形成される電磁界結合、ならびに、第1の伝送線路31−第3の伝送線路33間で形成される電磁界結合を調整することで、第1の伝送線路31−第2の伝送線路32間、ならびに、第1の伝送線路31−第3の伝送線路33間でそれぞれ形成される偶モード特性インピーダンスZoeと奇モード特性インピーダンスZooを調整し、所望のバラントランス特性を得るようにしていた。
特開平7−176918号公報
近年、携帯電話や無線LAN等の無線通信機器その他の各種通信機器等において使用される部品は低背化の要求がある。しかしながら、上記従来のバラントランスにおいてバラントランスの特性(信号反射量、信号透過量、位相差、レベル差等)を維持しつつ、バラントランスの厚みを薄くするには、バラントランスを構成する第1乃至第3の伝送線路31乃至33の線路幅を細くしなければならず、製造公差(伝送線路の線路幅公差、伝送線路の形成位置ずれ、誘電体層の積層時の位置ずれ等)によるバラントランスの特性バラツキが大きくなるという問題があった。
これに対し、製造公差によるバラントランスの特性バラツキを小さくするために、バラントランスの特性を広帯域化することが考えられる。
しかしながら、広帯域化を実現するには、偶モード特性インピーダンスZoeを大きくしてバラントランス特性に大きく寄与する奇モード特性インピーダンスZooの独立性を確保しなければならない。
従来のバラントランスにおいて偶モード特性インピーダンスZoeを大きくして広帯域化を図るには、偶モード特性インピーダンスZoeの形成に寄与する第1の伝送線路31−第1の接地電極34間の電磁界結合、ならびに、第2,第3の伝送線路32,33−第2の接地電極間35で形成される電磁界結合をそれぞれ小さくする必要があり、これを実現するには、第1,第3の誘電体層30a,30cの厚みを厚くすること等も考えられるが、その場合、部品の低背化の要求に逆行するという問題があった。
本発明は上記の問題点に鑑み案出されたもので、その目的は、低背でかつ広帯域なバラントランスを提供することにある。
本発明のバラントランスは、3層以上の誘電体層を積層してなる誘電体基板の内部に、不平衡信号が伝送される第1の伝送線路と、平衡信号が伝送される第2,第3の伝送線路とを間に誘電体層を介して少なくとも一部が対向するように配置させるとともに、誘電体基板の一主面に第1の伝送線路と電磁界結合される第1の接地電極を、他主面に第2,第3の伝送線路と電磁界結合される第2の接地電極を被着させてなるバラントランスであって、第1の伝送線路−第1の接地電極間の誘電体層及び第2,第3の伝送線路−第2の接地電極間の誘電体層の少なくとも一方の比誘電率を、第1の伝送線路−第2,第3の伝送線路間の誘電体層の比誘電率に比し低く設定したことを特徴とするものである。
また本発明のバラントランスは、第1の伝送線路−第1の接地電極間の誘電体層及び第2,第3の伝送線路−第2の接地電極間の誘電体層の少なくとも一方の比誘電率が、第1の伝送線路−第2,第3の伝送線路間の誘電体層の比誘電率の40%以上、100%未満に設定されていることを特徴とするものである。
さらに本発明のバラントランスは、第1乃至第3の伝送線路がストリップ線路またはコプレーナ線路により構成されているとともに、第2,第3の伝送線路の一端側を短絡端とし、且つ短絡端を接地するようになしたことを特徴とするものである。
またさらに本発明のバラントランスは、第1の伝送線路の一端側を開放端とするとともに、開放端に接地容量を電気的に接続し、この接地容量を誘電体基板上に実装されたコンデンサ、及び/又は誘電体基板中の誘電体層を用いて構成されたコンデンサにより形成したことを特徴とするものである。
本発明のバラントランスによれば、第1の伝送線路−第1の接地電極間の誘電体層及び第2,第3の伝送線路−第2の接地電極間の誘電体層の少なくとも一方の比誘電率を、第1の伝送線路−第2,第3の伝送線路間の誘電体層の比誘電率に比し低く設定したことにより、第1,第3の誘電体層の厚みが薄い場合においても、第1の伝送線路−第1の接地電極間で形成される電磁界結合、及び、第2,第3の伝送線路−第2の接地電極間で形成されるの少なくとも一方の電磁界結合を小さくすることができ、第1の伝送線路−第2の伝送線路間、ならびに、第1の伝送線路−第3の伝送線路間でそれぞれ形成される偶モード特性インピーダンスZoeを大きくすることができる。そしてこの結果、第1の伝送線路−第2の伝送線路間、ならびに、第1の伝送線路−第3の伝送線路間でそれぞれ形成される奇モード特性インピーダンスZooの独立性が確保されることとなり、第1,第3の誘電体層の厚みが薄い場合においても、バラントランスの特性を広帯域化することができ、低背で広帯域なバラントランスを提供することができる。
また本発明のバラントランスによれば、上記構成において、第1の伝送線路−第1の接地電極間の誘電体層及び第2,第3の伝送線路−第2の接地電極間の誘電体層の少なくとも一方の比誘電率を、第1の伝送線路−第2,第3の伝送線路間の誘電体層の比誘電率の40%以上、100%未満に設定することにより、第1の伝送線路−第1の接地電極間の誘電体層及び第2,第3の伝送線路−第2の接地電極間の誘電体層の少なくとも一方の比誘電率を、第1の伝送線路−第2,第3の伝送線路間の誘電体層の比誘電率に比し低く設定したことにより発生する、第1の伝送線路−第2の伝送線路間、ならびに、第1の伝送線路−第3の伝送線路間でそれぞれ形成される偶モード信号の伝播速度Voeと奇モード信号の伝播速度Vooのズレをより効果的に抑制することができる。この結果、偶モード信号の伝播速度Voeと奇モード信号の伝播速度Vooの関係によって決まる2つの平衡信号間の位相逆相性を確保することができ、高性能なバラントランスをより確実に提供することができる。
さらに本発明のバラントランスによれば、上記構成において、第1乃至第3の伝送線路をストリップ線路またはコプレーナ線路により構成するとともに、第2,第3の伝送線路の一端側を短絡端とし、且つ短絡端を接地するようになすことにより、このバラントランスを用いる高周波回路の仕様に応じて、複数の誘電体層から成る誘電体基板上の内部に高周波信号の伝送特性に優れた第1乃至第3の伝送線路を形成できる。これにより、バラントランスの設計自由度が更に向上するとともに、高周波回路とともに誘電体基板上に一体化して構成することが可能な、小型で高性能なバラントランスをより効果的に提供することができる。
またさらに本発明のバラントランスによれば、上記構成において、第1の伝送線路の一端側を開放端とするとともに、開放端に接地容量を電気的に接続し、この接地容量を誘電体基板上に実装されたコンデンサ、及び/又は誘電体基板中の誘電体層を用いて構成されたコンデンサによって形成することにより、開放端への容量装荷による波長短縮効果によって、第1乃至第3の伝送線路の長さを短縮することができ、バラントランスをより小型に構成することが可能となる。そして、さらに接地容量として、誘電体基板上に実装されたコンデンサ、及び/又は誘電体基板中の誘電体層を用いて構成されたコンデンサを選択的に採用することができるため、バラントランスの設計自由度が大幅に向上し、高周波回路と共に誘電体基板に一体化した小型のバラントランスを得ることが可能となる。
以下、本発明について添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態では、パーソナルコンピュータとプリンタ等の周辺機器を無線で繋いだシステム等である無線LAN(周波数帯域2.4〜2.5GHz)の周波数に対応したバラントランスを例にとって説明する。
図1は本発明のバラントランスの実施の形態の一例を示す分解斜視図、図2は図1のバラントランスの回路構成を示す回路図であり、図1において、10aは第1の誘電体層、10bは第2の誘電体層、10cは第3の誘電体層、11は第1の伝送線路、12は第2の伝送線路、13は第3の伝送線路、14は第1の接地電極、15は第2の接地電極、16は接続導体である。
第1の伝送線路11−第1の接地電極14間に第1の誘電体層10a、第1の伝送線路11−第2,第3の伝送線路12,13間に第2の誘電体層10b、第2,第3の伝送線路12,13−第2の接地電極15間に第3の誘電体層10cが、それぞれ位置している。
そして、図1において、第1乃至第3の誘電体層10a乃至10cは順次積層されて誘電体基板10に含まれているとともに、第1,第3の誘電体層10a,10cは、少なくとも一方の比誘電率が第2の誘電体層10bの比誘電率よりも低く設定されている。また、第1の伝送線路11は、積層方向から見て第2,第3の伝送線路12,13と平行に、かつ、少なくとも一部が重なるように配されており、第1,第2の接地電極14,15は積層方向から見て第1乃至第3の伝送線路11乃至13を覆うように配されている。そして、第1の伝送線路11は、その一端に不平衡端子INが接続され、他端が開放端とされるとともに、第2,第3の伝送線路12,13は、それぞれ一端が短絡端とされ、接続導体16で接地されている。そして、その第2,第3の伝送線路12,13の短絡端はそれぞれ第2の誘電体層10bを挟んで第1の伝送線路11の不平衡端子IN、または、第1の伝送線路11の開放端と対向する位置に配され、第2,第3の伝送線路12,13の他端にそれぞれ第1,第2の平衡端子OUT1,OUT2が接続されている。
本発明のバラントランスに用いる第1乃至第3の誘電体層10a乃至10cを含む誘電体基板10は、例えばガラス粉末、および所望するフィラー粉末からなる低誘電率セラミック組成物および高誘電率セラミック組成物それぞれに、適当な有機バインダー、溶剤、可塑材を添加混合することによりスラリーを作製し、かかるスラリーを周知のドクターブレード等の塗工方式によるグリーンシート成形法により、グリーンシート状に成形する。そして、メタライズ配線層として、適当な金属粉末に有機バインダー、溶剤、可塑材を添加混合して得た金属ペーストを前記グリーンシートに周知のスクリーン印刷法により、所定のパターンに印刷塗布する。また、必要に応じて、前記グリーンシートに適当な打ち抜き加工を行い、スルーホールを形成し、このホール内にもメタライズペーストを充填する。そして、低誘電率セラミックグリーンシート間に高誘電率セラミックグリーンシートを積層し、グリーンシート積層体とメタライズを同時焼成することにより得ることができる。
また、本形態のバラントランスに用いる第1乃至第3の伝送線路11〜13、第1,第2の接地電極14,15、その他これらを接続する接続導体16は、高周波信号伝送用の金属材料の導体層、例えばCu層・Mo−Mnのメタライズ層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの・Wのメタライズ層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの・Cr−Cu合金層・Cr−Cu合金層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの・TaN層上にNi−Cr合金層およびAuメッキ層を被着させたもの・Ti層上にPt層およびAuメッキ層を被着させたもの、またはNi−Cr合金層上にPt層およびAuメッキ層を被着させたもの等を用いて、厚膜印刷法あるいは各種の薄膜形成方法やメッキ法等により形成される。その厚みや幅も、伝送される高周波信号の周波数や用途等に応じて設定される。
以上のような本形態のバラントランスは、第1の誘電体層、及び第3の誘電体層10a,10cの少なくとも一方の比誘電率が第2の誘電体層10bの比誘電率よりも低く設定されているため、第1の伝送線路11−第1の接地電極間14間で形成される電磁界結合、及び、第2,第3の伝送線路12,13−第2の接地電極間15間で形成される電磁界結合の少なくとも一方の電磁界結合を小さくすることができる。したがって、第1の伝送線路11−第2の伝送線路12間、及び、第1の伝送線路11−第3の伝送線路13間の少なくとも一方の間でそれぞれ形成される偶モード特性インピーダンスZoeを大きくすることが可能となる。
そしてこの結果、第1の伝送線路11−第2の伝送線路12間、及び、第1の伝送線路11−第3の伝送線路13間の少なくとも一方でそれぞれ形成される奇モード特性インピーダンスZooの独立性が確保されることとなり、第1,第3の誘電体層10a,10cの厚みが薄い場合においても、バラントランスの特性を広帯域化することができ、低背で広帯域なバラントランスが得られる。
図3は図1および図2に示すバラントランスの周波数特性を示すグラフである。図3において、横軸は周波数(単位:GHz)を、縦軸はバラントランスの周波数特性を信号反射量(単位:dB)で表わし、実線の特性曲線は本発明のバラントランスの周波数特性を、破線の周波数特性は従来のバラントランスの周波数特性を示している。なお、本発明のバラントランス、ならびに、従来のバラントランスにおける第1乃至第3の誘電体層10a乃至10cの厚みはそれぞれ同一に設定されている。
図3の結果より、本発明のバラントランスによれば、従来のバラントランスに比べて第1の伝送線路11−第2の伝送線路12間、ならびに、第1の伝送線路11−第3の伝送線路13間でそれぞれ形成される偶モード特性インピーダンスZoeを大きくすることができ、第1の伝送線路11−第2の伝送線路12間、ならびに、第1の伝送線路11−第3の伝送線路13間でそれぞれ形成される奇モード特性インピーダンスZooの独立性を確保することができため、バラントランスの周波数特性の広帯域化が図れていることが分かる。例えば、従来のバラントランスの厚み0.75mmに対して比較を実施した場合、本発明のバラントランスを用いることで、バラントランスの厚みを0.50mmに低背化することが実現できる。
図4は図1に示すバラントランスにおいて、第2の誘電体層10bの比誘電率ε1と第1,第3の誘電体層10a,10cの比誘電率ε2の比と、周波数帯域2.4〜2.5GHzにおける第1,第2の平衡端子OUT1,OUT2から出力される2つの平衡信号の位相差(単位:度)の関係を示したグラフである。
図4の結果より、本発明のバラントランスによれば、第2の誘電体層10bの比誘電率ε1と第1,第3の誘電体層10a,10cの比誘電率ε2の比を40%以上、100%未満にすることにより、第1の伝送線路11−第2の伝送線路間12、ならびに、第1の伝送線路11−第3の伝送線路13間でそれぞれ形成される偶モード信号の伝播速度Voeと奇モード信号の伝播速度Vooのズレをより効果的に抑制することができるため、偶モード信号の伝播速度Voeと奇モード信号の伝播速度Vooの関係によって決まる2つの平衡信号間の位相逆相性を確保することができ、バラントランスに一般的に要求される2つの平衡信号の位相逆相性(180度±10度以内)をより好適に確保できることが分かる。
さらに、このような構成の本発明のバラントランスは、第1乃至第3の伝送線路11乃至13がストリップ線路またはコプレーナ線路により構成されているとともに、第2,第3の伝送線路12,13の一端側を短絡端とし、且つ短絡端を接続導体16で接地するようになしていることにより、このバラントランスを用いる高周波回路の仕様に応じて、第1乃至第3の誘電体層10a乃至10cを含む誘電体基板10の内部に高周波信号の伝送特性に優れた第1乃至第3の伝送線路11乃至13を形成できることから、バラントランスの設計自由度が更に向上するとともに、高周波回路とともに誘電体基板10に一体化して構成することが可能な、小型で高性能なバラントランスをより効果的に実現することができる。なお、第2,第3の伝送線路12,13の一端側(短絡端)を接地する手段は、接続導体16を介して行なうものに限らず、他の手段を用いてもよい。
次に図5に本発明のバラントランスの他の実施の形態の例に係る回路図を示す。図5の回路図は、図2の回路図に対して、第1の伝送線路11の開放端に接地容量C1を電気的に接続したものであり、この接地容量C1は、誘電体基板10上に実装されたコンデンサ、及び/又は誘電体基板10内の誘電体層を用いて構成されたコンデンサを用いて形成されるものである。
図5に示すバラントランスによれば、第1の伝送線路11の開放端に接地容量C1を電気的に接続するようにしたことから、開放端への容量装荷による波長短縮効果によって、第1乃至第3の伝送線路11乃至13の長さを短縮することができ、更に小型なバラントランスを提供することができる。そして、さらに接地容量C1として、誘電体基板30上に実装されたコンデンサ、及び/又は誘電体基板30内に誘電体層を用いて構成されたコンデンサを選択的に採用することができるため、バラントランスの設計自由度が大幅に向上し、高周波回路と共に誘電体基板に一体化して構成することができる小型のバラントランスが得られる。
コンデンサを誘電体基板10上に実装する場合には、例えば、第1の伝送線路11の一部を誘電体基板10の主面や側面に導出しておいて、その導出部分に従来周知のチップコンデンサを接続する。また、誘電体層を用いて構成する場合には、例えば、誘電体層を挟んで対向するコンデンサ電極を形成し、これを第1の伝送線路と電気的に接続する。コンデンサ電極は、第1〜第3の伝送線路11,12,13と同様の材料,手段で形成することができる。また、コンデンサ電極は、第1〜第3の誘電体層10a〜10cの上側や下側に別の誘電体層を積層して、この誘電体層を挟んで形成してもよい。
なお、本発明は上述した実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良を加えても何ら差し支えない。
例えば、本発明のバラントランスを構成する第1乃至第3の伝送線路11〜13は、図1に示すように、それぞれ必ずしも直線状の伝送線路により形成されるものに限られるものではなく、それぞれ角型状や円形状等に折り曲げた伝送線路や、コの字型・スパイラル形状・ミアンダライン形状の伝送線路等で形成しても良い。このような形状を採用することにより、バラントランスを用いる高周波回路の仕様に応じて、複数の誘電体層から成る誘電体基板10の内部に、高周波回路とともに誘電体基板に一体化して高周波信号の伝送特性に優れた伝送線路部を、構成する際の設計自由度が向上するとともに、小型で高性能なバラントランスを提供することができる。
また、第1乃至第3の伝送線路11〜13は、それぞれ単一の線路導体で形成するものに限られるものではなく、それぞれ電磁気的に1つの伝送線路とみなせるような2個以上の導体で形成するようにしてもよい。
さらに、第1乃至第3の誘電体層10a乃至10cを含む誘電体基板10の材質として、四ふっ化エチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン;PTFE)・四ふっ化エチレン−エチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合樹脂;ETFE)・四ふっ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂;PFA)等のフッ素樹脂やガラスエポキシ樹脂・ポリイミド等の樹脂系材料等を用いてもよい。
またさらに、バラントランスの形成に使用される誘電体基板10は、図1の例では、第1乃至第3の誘電体層10a乃至10cの3層を含む場合について示しているが、誘電体の層数を4層以上で形成してもよい。
さらにまた、バラントランスを使用するシステムはGSM(Gobal System for Mobile Communications)やDCS(Digital Cell System)やBluetoothなどであってもよいことは言うまでもない。
本発明のバラントランスの実施の形態の一例を示す分解斜視図である。 図1のバラントランスを用いた回路図である。 本発明のバラントランスおよび従来のバラントランスにおける信号反射量(単位:dB)示す線図である。 本発明のバラントランスにおける比誘電率ε1と比誘電率ε2の比と、2つの平衡信号の位相差の関係を示す線図である。 本発明のバラントランスの他の実施の形態を示す回路図である。 従来のバラントランスの一例を示す分解斜視図である。 従来のバラントランスを用いた回路図である。
符号の説明
10:誘電体基板
10a〜10c:第1〜第3の誘電体層
11〜13:第1〜第3の伝送線路
14・15:第1・第2の接地電極
IN:不平衡端子
OUT1・OUT2:平衡端子
C1:接地容量

Claims (4)

  1. 3層以上の誘電体層を積層してなる誘電体基板の内部に、不平衡信号が伝送される第1の伝送線路と、平衡信号が伝送される第2,第3の伝送線路とを間に前記誘電体層を介して少なくとも一部が対向するように配置させるとともに、前記誘電体基板の一主面に前記第1の伝送線路と電磁界結合される第1の接地電極を、他主面に前記第2,第3の伝送線路と電磁界結合される第2の接地電極を被着させてなるバラントランスであって、
    前記第1の伝送線路−第1の接地電極間の誘電体層及び前記第2,第3の伝送線路−第2の接地電極間の誘電体層の少なくとも一方の比誘電率を、前記第1の伝送線路−第2,第3の伝送線路間の誘電体層の比誘電率に比し低く設定したことを特徴とするバラントランス。
  2. 前記第1の伝送線路−第1の接地電極間の誘電体層及び前記第2,第3の伝送線路−第2の接地電極間の誘電体層の少なくとも一方の比誘電率が、前記第1の伝送線路−第2,第3の伝送線路間の誘電体層の比誘電率の40%以上、100%未満に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のバラントランス。
  3. 前記第1乃至第3の伝送線路がストリップ線路またはコプレーナ線路により構成されているとともに、前記第2,第3の伝送線路の一端側を短絡端とし、且つ該短絡端を接地するようになしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバラントランス。
  4. 前記第1の伝送線路の一端側を開放端とするとともに、該開放端に接地容量を電気的に接続し、この接地容量を前記誘電体基板上に実装されたコンデンサ、及び/又は前記誘電体基板中の誘電体層を用いて構成されたコンデンサにより形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のバラントランス。
JP2005020247A 2005-01-27 2005-01-27 バラントランス Pending JP2006210617A (ja)

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