JP3709190B2 - バラン装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば携帯電話や無線LAN等の無線通信機器その他の各種通信機器等において使用される高周波回路用のバラン装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バラン装置とは、不平衡伝送線路を伝搬する不平衡信号と平衡伝送線路を伝搬する平衡信号とを相互に変換するためのバラン回路を用いた信号変換素子である。例えば、バラン装置の不平衡端子に不平衡信号を入力した場合、バラン装置の平衡端子には、互いに位相が180度異なり(逆相)、振幅が等しい2つの平衡信号が出力されることとなる。
【0003】
高周波信号を伝送する不平衡伝送線路と平衡伝送線路とを接続するバラン装置としては、分布定数によるものとして伝送線路により構成されるものがある。このような従来のバラン装置の例を図5に回路図で示す。
【0004】
図5において、10は第1の伝送線路、11および12は第1の伝送線路10と同一平面上で平行もしくは3次元的に平行に配置されて電磁界的に結合したほぼ等しい長さを有する第2および第3の伝送線路、INは第1の伝送線路10に設けた不平衡端子の一方による入力端子、OUT1およびOUT2は第2の伝送線路および第3の伝送線路の対向する一端同士に設けた平衡端子の両方による出力端子である。そして、図5に示す例では第1の伝送線路の入力端子INと反対側の他端を開放端とし、第2の伝送線路および第3の伝送線路の出力端子OUT1・OUT2と反対側の他端をそれぞれ接地した構成となっていた。
【0005】
このような構成を持つバラン装置は広帯域な周波数特性を持つ(例えば、非特許文献1参照。)。そして、図4に構成をブロック図で示すような無線装置に利用される。
【0006】
図4において、高周波信号はアンテナによって受信され、RF増幅器によって増幅される。RF増幅器により発生する不要な信号を帯域通過フィルタにより
遮断する。次にミキサの平衡入力端子に帯域通過フィルタの不平衡端子を繋ぐため、バラン装置を用いる。
【0007】
【非特許文献1】
チン・ミン・ツァイ、クルディップ・C・グプタ(Chin-ming Thai and Kuldip C. Gupta)著「ア・ゼネラライズド・モデル・フォー・カップルド・ラインズ・アンド・イッツ・アプリケーションズ・トゥ・ツーレイヤーズ・プラナー・サーキッツ(A Generalized Model for Coupled Lines and its Applications to Two-Layer Planar Circuits)」,(米国),アイトリプルイー・トランザクションズ・オン・マイクロウエーブ・セオリー・アンド・テクノロジー(IEEE Trans. Microwave Theory Tech.),1992年12月,40巻,12号,p.2190〜2199
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のバラン装置は、広帯域な周波数特性を有するため、図4に示すように、無線装置にはRF増幅器とミキサとの間に帯域通過フィルタとバラン装置とを必要とするという問題点があった。これは無線装置のさらなる小型化の妨げになっていた。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、伝送線路により構成されたバラン装置において、帯域通過フィルタの特性を有する、無線装置の小型化に好適なバラン装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1のバラン装置は、第1の誘電体層と、この第1の誘電体層の上に積層された第2の誘電体層と、この第2の誘電体層の上に積層された第3の誘電体層と、前記第1の誘電体層の下面に配された第1の接地電極と、前記第1および第2の誘電体層の間に配された第1〜第3の伝送線路と、前記第2および第3の誘電体層の間に配された第4〜第6の伝送線路と、前記第3の誘電体層の上面に配された第2の接地電極とから成り、前記第1および第4の伝送線路、ならびに前記第2および第5の伝送線路、ならびに前記第3および第6の伝送線路は、それぞれ略同一の長さを有し、前記第2の誘電体層を挟んでそれぞれの幅の少なくとも一部が積層方向から見て重なるように平行に対向させて配され、前記第1および第2の接地電極は、積層方向から見て前記第1〜第6の伝送線路を覆うように配されており、前記第1および第3の伝送線路は一端に開放端を有し、前記第1および第3の伝送線路の他端はそれぞれ前記第2の伝送線路の両端に電気的に接続されているとともに、前記第4および第6の伝送線路は一端に開放端を有し、前記第4および第6の伝送線路の他端はそれぞれ前記第5の伝送線路の両端に電気的に接続されており、前記第1の伝送線路の前記開放端に不平衡端子が、前記第4の伝送線路の前記他端に第1の平衡端子が、前記第6の伝送線路の前記他端に第2の平衡端子が、それぞれ電気的に接続されていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の第1のバラン装置によれば、不平衡端子から供給された高周波信号は第1の伝送線路を伝わり、一部は直接電気的に接続された第2の伝送線路を伝わり、一部は、第1および第4の伝送線路が第2の誘電体層を挟んで一部が積層方向から見て重なるように平行に対向させて配されていることにより電磁気的に結合されているので、第4の伝送線路へと伝わる。同様にして他の伝送線路へも高周波信号が伝わっていく。ここで、第2の伝送線路および第5の伝送線路の長さ方向の中心付近が電気的にゼロ電位となるように、第1と第4の伝送線路の長さと、第1と第4の伝送線路の自己インピーダンスおよび第1と第4の伝送線路間の相互インピーダンスとを、また第3と第6の伝送線路の長さと、第3と第6の伝送線路の自己インピーダンスおよび第3と第6の伝送線路間の相互インピーダンスとを、また第2と第5の伝送線路の長さと、第2と第5の伝送線路の自己インピーダンスおよび第2と第5の伝送線路間の相互インピーダンスとを適切に設定する。これにより、第5の伝送線路の長さ方向の中心付近を節とし第4の伝送線路および第6の伝送線路の開放端を腹とした電圧定在波が生じ、第5の伝送線路の長さ方向の中心付近が電圧定在波の節となるため、第5の伝送線路の両端にある第1および第2の平衡端子間に位相差が約180度である出力電圧の信号が取り出せて、バラン装置としての特性が得られる。また、第3の伝送線路と第6の伝送線路は片端が開放となるため、容量性の結合線路共振器を構成することができて、第2の伝送線路および第5の伝送線路は長さ方向の中心付近が電気的にゼロ電位となるため、誘導性の結合線路共振器を構成することができる。これにより容量性の結合線路共振器と誘導性の結合線路共振器が電気的に接続されることとなり帯域通過のフィルタ特性を有する回路をもつバラン装置を提供することができる。
【0012】
また、本発明の第2のバラン装置は、本発明の第1のバラン装置の構成において、前記不平衡端子が、前記第1の伝送線路の前記開放端に代えて、前記第1の伝送線路の途中にまたは前記第2の伝送線路に電気的に接続されていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の第2のバラン装置によれば、不平衡端子が第1の伝送線路の途中にまたは第2の伝送線路に接続される場合には、前記第1の伝送線路の前記開放端から前記第2の伝送線路の長さ方向の中心付近(電気的にゼロ電位)に向かってインピーダンスがゼロとなるので、本発明の第1のバラン装置の不平衡端子の入力インピーダンスに対して、不平衡端子が低い入力インピーダンスを有するバラン装置を提供することができる。
【0014】
また、本発明の第3のバラン装置は、本発明の第1のバラン装置または本発明の第2のバラン装置の構成において、前記第1の平衡端子が、前期第4の伝送線路の前記他端に代えてその前記開放端または途中に、前記第2の平衡端子が、前記第6の伝送線路の前記他端に代えてその前記開放端または途中にそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の第3のバラン装置によれば、本発明の第1のバラン装置または本発明の第2のバラン装置の第1の平衡端子および第2の平衡端子の入力インピーダンスに対して、第1の平衡端子または第2の平衡端子が、第4または第6の伝送線路の他端からそれぞれの開放端に向かってインピーダンスが大きくなる伝送線路の途中にまたは開放端に接続されることから、第1および第2の平衡端子が高い入力インピーダンスを有するバラン装置を提供することができる。
【0016】
また、本発明の第4のバラン装置は、本発明の第1のバラン装置または本発明の第2のバラン装置の構成において、前記第1の平衡端子が前記第4の伝送線路の前記他端に代えて、前記第2の平衡端子が前記第6の伝送線路の前記他端に代えて、それぞれ前記第5の伝送線路の途中に電気的に接続されていることを特徴とするものである。
【0017】
本発明の第4のバラン装置によれば、本発明の第1のバラン装置の第1の平衡端子および第2の平衡端子の入力インピーダンスに対して、第1の平衡端子または第2の平衡端子が、第4または第6の伝送線路の他端から第5の伝送線路の長さ方向の中心付近(電気的にゼロ電位)に向かってインピーダンスがゼロとなる伝送線路の途中に接続されることから、第1および第2の平衡端子の入力インピーダンスが低い入力インピーダンスを有するバラン装置を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のバラン装置を図面を参照しつつ説明する。
【0019】
図1は本発明の第1のバラン装置の実施の形態の一例を示す回路図である。図2は本発明の第1のバラン装置の実施の形態の一例を積層方向から見た透視平面図、図3(a)は図2におけるa−a’線断面図、図3(b)は図2におけるb−b’線断面図である。
【0020】
図1〜図3において、21は第1の誘電体層、22は第1の誘電体層の上に積層された第2の誘電体層、23は第2の誘電体層の上に積層された第3の誘電体層、31は第1の誘電体層の下面に配された第1の接地電極、1〜3は第1および第2の誘電体層21・22の間に配された第1〜第3の伝送線路、4〜6は第2および第3の誘電体層22・23の間に配された第4〜第6の伝送線路、32は第3の誘電体層23の上面に配された第2の接地電極である。
【0021】
そして、第1および第4の伝送線路1・4、ならびに第2および第5の伝送線路2・5、ならびに第3および第6の伝送線路3・6は、それぞれ長さの差が20%以内で略同一の長さを有し、第2の誘電体層22を挟んでそれぞれの幅の少なくとも一部が積層方向から見て重なるように平行に対向させて配され、第1および第2の接地電極31・32は、積層方向から見て第1〜第6の伝送線路1〜6を覆うように配されている。
【0022】
そして、さらに第1および第3の伝送線路1・3は一端に開放端を有し、前記第1および第3の伝送線路1・3の他端はそれぞれ第2の伝送線路2の両端に電気的に接続されているとともに、第4および第6の伝送線路4・6は一端に開放端を有し、第4および第6の伝送線路4・6の他端はそれぞれ第5の伝送線路5の両端に電気的に接続されており、第1の伝送線路1の開放端または途中に不平衡端子INが、第4の伝送線路4の他端に第1の平衡端子OUT1が、第6の伝送線路の他端に第2の平衡端子OUT2が、それぞれ電気的に接続されている。
【0023】
なお、図2では伝送線路1〜6についての構成を示すため、第1および第2の接地電極31・32を図示から省いている。本発明の第1のバラン装置において、接地電極31・32は、第1〜第6の伝送線路1〜6に伝わる高周波信号の帰路の役割を担うと伴に、不平衡端子INならびに第1と第2の平衡端子OUT1・OUT2の基準電位を与えるために設けられる。
【0024】
このような構成の本発明の第1のバラン装置においては、不平衡端子INから供給された高周波信号は第1の伝送線路1を伝わり、一部は直接電気的に接続された第2の伝送線路2へ伝わり、一部は、第1および第4の伝送線路が第2の誘電体層22を挟んで一部が積層方向から見て重なるように平行に対向させて配されていることにより電磁気的に結合されているので、第4の伝送線路4へと伝わる。同様にして他の伝送線路へも高周波信号が伝わっていく。
【0025】
ここで、第2の伝送線路2および第5の伝送線路5の長さ方向の中心付近が電気的にゼロ電位となるように、第1と第4の伝送線路1・4の長さと、第1と第4の伝送線路1・4の自己および第1と第4の伝送線路1・4間の相互のインピーダンスを、また、第3と第6の伝送線路3・6の長さと、第3と第6の伝送線路3・6の自己および第3と第6の伝送線路3・6間の相互のインピーダンスを、また、第2と第5の伝送線路2・5の長さと、第2と第5の伝送線路2・5の自己および第2と第5の伝送線路2・5間の相互のインピーダンスを適切に設定する。
【0026】
すなわち、第1ならびに第4の伝送線路1・4と第3ならびに第6の伝送線路3・6の長さは、長さの差が20%以内で略同一とし、高周波信号の周波数通過帯域の中心周波数の1/4波長以下の長さとする。
【0027】
また、第1ならびに第4の伝送線路1・4と第3ならびに第6の伝送線路3・6の長さが略同一であるので、第1と第4の伝送線路1・4の自己および第1と第4の伝送線路1・4間の相互のインピーダンスは第3と第6の伝送線路3・6の自己および第3と第6の伝送線路3・6間の相互のインピーダンスとそれぞれほぼ同一の値に設定され、第1〜第6の伝送線路1〜6で構成される回路は第2および第5の伝送線路2・5の長さ方向の中心付近を軸としたほぼ対称な回路構成となる。
【0028】
さらに、第2および第5の伝送線路2・5の長さは高周波信号の周波数通過帯域の中心周波数の1/2波長以下の長さとする。そして、線路長と伝送線路のインピーダンスは、例えば、第2と第5の伝送線路2・5の長さと、第2と第5の伝送線路2・5の自己および第2と第5の伝送線路2・5間の相互のインピーダンスを、第2と第5の伝送線路2・5の長さ方向の中心付近が電位ゼロとなるように定める。これには、片端を短絡した伝送線路の入力インピーダンスZinと線路長lと伝送線路の特性インピーダンスZ0の関係式を利用する。以下にその式を示す。
【0029】
【数1】
Figure 0003709190
【0030】
上式により、第2と第5の伝送線路2・5の長さ方向の中心付近から両端までの線路長がそれぞれ1/4の波長以下であれば第2と第5の伝送線路2・5は第2と第5の伝送線路2・5の両端部で入力インピーダンスZinの値をもつ誘導性の素子として働く。
【0031】
また、例えば、第3と第6の伝送線路3・6の長さと、第3と第6の伝送線路3・6の自己および第3と第6の伝送線路3・6間の相互のインピーダンスにおいては、一端を開放した伝送線路となるので、入力アドミタンスYinと線路長lと伝送線路の特性インピーダンスZ0の次式の関係式を利用できる。
【0032】
【数2】
Figure 0003709190
【0033】
上式により、第3と第6の伝送線路3・6の線路長がそれぞれ1/4の波長以下であれば第3と第6の伝送線路3・6の他端すなわち第2と第5の伝送線路2・5が接続されている端部は入力アドミタンスYinの値をもつ容量性の素子として働く。
【0034】
次に、先の数式で説明したような第5の伝送線路5の端部でインピーダンスがZinの誘導性の素子として働く線路と後の数式による第6の伝送線路6の端部でアドミタンスがYinの容量性の素子として働く線路とを接続することで、誘導性と容量性の線路を接続した並列共振回路が形成されることとなり、第5の伝送線路端部のインピーダンスZinと第6の伝送線路端部のアドミタンスYinを高周波信号の通過帯域で共振するような設定にすれば、不平衡端子INから第2の平衡端子OUT2に流れる信号に対してこの並列共振回路が並列に挿入されることとなるので、帯域通過のフィルタ特性を示すようにすることができる。
【0035】
同様にして、例えば、第2と第5の伝送線路2・5間の相互のインピーダンスZinの誘導性の素子として働く線路と第3と第6の伝送線路3・6間の相互のアドミタンスYinの容量性の素子として働く線路とを第2と第5ならびに第3と第6の線路2・5・3・6とを図1に示すように配置することで、誘導性と容量性の線路を接続した並列共振回路が形成されることとなり、相互のインピーダンスZinと相互のアドミタンスYinを高周波信号の通過帯域の近傍で共振するような設定にすれば、不平衡端子INから第2の平衡端子OUT2に流れる信号に対してこの並列共振回路が直列に挿入されることとなるので、高周波信号の通過帯域の近傍に減衰極ができるようなフィルタ特性を示すようにすることができる。
【0036】
これらのことにより、第1ならびに第4の伝送線路1・4と第3ならびに第6の伝送線路3・6の長さが略同一で、さらに第1と第4の伝送線路1・4の自己インピーダンスおよび第1と第4の伝送線路1・4間の相互インピーダンスは第3と第6の伝送線路3・6の自己インピーダンスおよび第3と第6の伝送線路3・6間の相互インピーダンスとそれぞれほぼ同一の値であるので、第2および第5の伝送線路2・5の長さ方向の中心付近を軸とした対称な回路構成となる。
【0037】
さらに、このように対称な回路構成において、第5の伝送線路5の中心付近が電位ゼロとなるように線路長と伝送線路のインピーダンスとを決めているので、結果として、高周波信号によって励起された第4〜第6の伝送線路4〜6に第4の伝送線路4および第6の伝送線路6の開放端を腹(電位最大となる位置)とした電圧定在波が生じ、そして電圧定在波の節(電位最小となる位置)は第5の伝送線路5の長さ方向の中心付近にできる。
【0038】
同様にして、第4の伝送線路4および第6の伝送線路6の開放端では、インピーダンスが無限大なので電流はゼロとなり、第5の伝送線路5の長さ方向の中心付近では電位ゼロであるので、電流は最大となる。また、第5の伝送線路5の長さ方向の中心付近が電位ゼロで電圧定在波の節となり、第5の伝送線路5の中心付近を軸とした対称な回路構成としているため、その節から電気長でほぼ同一の距離に位置する第5の伝送線路5の両端すなわち第1および第2の平衡端子OUT1・OUT2では電圧定在波の電位の大きさがほぼ同一で、位相差が約180度となる。
【0039】
一方、電流においては、上記により、第5の伝送線路5の長さ方向の中心付近を腹(電流最大の位置)とし第4の伝送線路4および第6の伝送線路6の開放端を節(電流最低の位置)とした電流定在波が生じる。従って、第5の伝送線路5の両端すなわち第1および第2の平衡端子OUT1・OUT2では第5の伝送線路5の長さ方向の中心付近を軸としてほぼ対称な回路構成であるので、電流の定在波も対称となり、電流の大きさおよび位相差がほぼ同一となり、第1および第2の平衡端子OUT1・OUT2の出力電力(=電圧×電流)は大きさがほぼ同等で位相差は約180度となるので、バラン装置としての特性が得られ、これにより帯域通過のフィルタ特性を有するバラン装置を提供することができる。
【0040】
図7は本発明の第2〜第4のバラン装置の実施の形態の例を示す回路図である。図8は本発明の第4のバラン装置の実施の形態の例を積層方向から見た透視平面図である。なお、図7・図8において、図1・図2と対応する同じ部位には同じ符号を付している。
【0041】
本発明の第2のバラン装置の実施の形態の例は、第1のバラン装置の実施の形態の一例において、不平衡端子INが、第1の伝送線路1の開放端に接続されていたのに代えて、図7に示すように不平衡端子INが、第1の伝送線路1の途中に電気的に接続されたものである。また、図7においての図示は省略しているが、本発明の第3のバラン装置の実施の形態の例は、第1の平衡端子OUT1が第4の伝送線路4の開放端または途中に、第2の平衡端子OUT2が第6の伝送線路6の開放端または途中に電気的に接続されているものである。さらに、本発明の第4のバラン装置の実施の形態の例は、第1および第2のバラン装置の実施の形態の例において、第1の平衡端子OUT1が第4の伝送線路4の他端に接続されていたのに代えて、また第2の平衡端子OUT2が第6の伝送線路6の他端に接続されていたのに代えて、図7に示すように第1および第2の平衡端子OUT1・OUT2が第5の伝送線路5の途中に電気的に接続されているものである。
【0042】
図9は本発明のバラン装置の不平衡端子INの入力インピーダンス(縦軸に示す)と第1の伝送線路1の途中に接続された不平衡端子INの第1の伝送線路1の開放端から接続された位置までの距離(横軸に示す)を変化させたときとの関係を示した線図である。また、図10は本発明のバラン装置の第1および第2の平衡端子OUT1・OUT2の入力インピーダンス(縦軸に示す)と第4と第5の伝送線路の接続点(第4の伝送線路の他端)もしくは第5と第6の伝送線路の接続点(第6の伝送線路の他端)から第1もしくは第2の平衡端子OUT1・OUT2が接続された位置までの距離(横軸に示す)を変化させたときとの関係を示した線図である。
【0043】
不平衡端子INの位置が第1の伝送線路の開放端に電気的に接続されている本発明の第1のバラン装置の実施の形態の一例において、不平衡端子INの入力インピーダンスは、図9において横軸が0の位置で示すように50Ωである。この不平衡端子INを第1の伝送線路1の開放端から第1の伝送線路1の途中に、さらには第1の伝送線路1と第2の伝送線路2との接続点である図9においての横軸の1/8波長の位置を越えて第2の伝送線路2に電気的に接続することによって、不平衡端子INの入力インピーダンスは図9に示すように50Ωより低いインピーダンスが得られる。これにより不平衡端子INの入力インピーダンスが第1の伝送線路1の開放端における50Ωより低い任意のインピーダンスを有するバラン装置を提供することができる。
【0044】
本発明の第2のバラン装置においては、不平衡端子が第1の伝送線路の途中にまたは第2の伝送線路に接続される場合には、第1の伝送線路の開放端から第2の伝送線路の長さ方向の中心付近(電気的にゼロ電位)に向かってインピーダンスがゼロとなるので、不平衡端子INの入力インピーダンスは図9に示すように50Ωより低いインピーダンスが得られる。
【0045】
また、第1もしくは第2の平衡端子OUT1・OUT2の位置が第4の伝送線路4と第5の伝送線路5の接続点もしくは第5の伝送線路と第6の伝送線路の接続点に電気的に接続されている本発明の第1のバラン装置の実施の形態の一例において、第1もしくは第2の平衡端子OUT1・OUT2の入力インピーダンスは、図10の横軸が0の位置に示すように50Ωである。この第1もしくは第2の平衡端子OUT1・OUT2の位置を第4の伝送線路4と第5の伝送線路5の接続点もしくは第5の伝送線路5と第6の伝送線路6の接続点から、第4の伝送線路4もしくは第6の伝送線路6の開放端または途中に移動し電気的に接続することによって、第1もしくは第2の平衡端子OUT1・OUT2の入力インピーダンスは図10に示すように50Ωより高いインピーダンスが得られる。これにより第1もしくは第2の平衡端子OUT1・OUT2の入力インピーダンスが50Ωより高い任意のインピーダンスを有する本発明の第3のバラン装置を提供することができる。
【0046】
さらには、この第1もしくは第2の平衡端子OUT1・OUT2の位置を第4の伝送線路4と第5の伝送線路5の接続点もしくは第5の伝送線路5と第6の伝送線路6の接続点から、第5の伝送線路5の途中に移動し電気的に接続することによって、第1もしくは第2の平衡端子OUT1・OUT2の入力インピーダンスは図10に示すように50Ωより低いインピーダンスが得られる。これにより第1もしくは第2の平衡端子OUT1・OUT2の入力インピーダンスが50Ωより低い任意のインピーダンスを有する本発明の第4のバラン装置を提供することができる。
【0047】
本発明の第3のバラン装置においては、第1の平衡端子または第2の平衡端子が、第4または第6の伝送線路の他端、すなわち第4と第5の伝送線路4・5の接続点または第5と第6の伝送線路5・6の接続点からそれぞれの開放端に向かってインピーダンスが大きくなる伝送線路の途中または開放端に接続されるので、図10に示すような50Ωより高い任意のインピーダンスが得られる。
【0048】
また、本発明の第4のバラン装置においては、第1の平衡端子または第2の平衡端子が、第4または第6の伝送線路の他端、すなわち第4と第5の伝送線路4・5の接続点または第5と第6の伝送線路5・6の接続点から前記第5の伝送線路の長さ方向の中心付近(電気的にゼロ電位)に向かってインピーダンスがゼロとなる伝送線路の途中に接続されるので、図10に示すように50Ωより低いインピーダンスが得られる。
【0049】
本発明のバラン装置を形成するに当たり、第1〜第3の誘電体層21〜23、第1および第2の接地電極31・32、第1〜第6の伝送線路部1〜6は、周知の高周波用配線基板に使用される種々の材料・形態のものを使用することができる。
【0050】
本発明のバラン装置に用いる第1〜第3の誘電体層21〜23としては、例えばアルミナセラミックス・ムライトセラミックス等のセラミックス材料やガラスセラミックス等の無機系材料、あるいは四ふっ化エチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン;PTFE)・四ふっ化エチレン−エチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合樹脂;ETFE)・四ふっ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂;PFA)等のフッ素樹脂やガラスエポキシ樹脂・ポリイミド等の樹脂系材料等が用いられる。これらの材料による第1〜第3の誘電体層21〜23の形状や寸法(厚みや幅・長さ)は、使用される周波数や用途等に応じて設定される。
【0051】
本発明のバラン装置における第1および第2の接地電極31・32、第1〜第6の伝送線路部1〜6は、高周波信号伝送用の金属材料の導体層、例えばCu層・Mo−Mnのメタライズ層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの・Wのメタライズ層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの・Cr−Cu合金層・Cr−Cu合金層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの・TaN層上にNi−Cr合金層およびAuメッキ層を被着させたもの・Ti層上にPt層およびAuメッキ層を被着させたもの、またはNi−Cr合金層上にPt層およびAuメッキ層を被着させたもの等を用いて、厚膜印刷法あるいは各種の薄膜形成方法やメッキ法等により形成される。その厚みや幅も、伝送される高周波信号の周波数や用途等に応じて設定される。
【0052】
本発明のバラン装置に用いる第1〜第3の誘電体層21〜23の作製にあたっては、例えば誘電体層がガラスセラミックスから成る場合であれば、まず誘電体層となるガラスセラミックスのグリーンシートを準備し、これに所定の打ち抜き加工を施して貫通導体となる貫通孔を形成した後、スクリーン印刷法によりCu等の導体ペーストを貫通孔に充填するとともに、所定の伝送線路パターンおよびその他の導体層のパターンを印刷塗布する。次に、850〜1000℃で焼成を行ない、最後に外表面に露出している導体層上にNiメッキおよびAuメッキを施す。
【0053】
図6は、図1に示す構成の本発明の第1のバラン装置と、図5に示す従来のバラン装置において、透過損失特性をシミュレーションで比較した結果を示す各線図である。
【0054】
このシミュレーションは、以下に示すパラメータを持つ伝送線路を用いて、それぞれ図1および図5に示す構成となるシミュレーションモデルを作製し、比較検討を実施することにより行なった。
【0055】
図1に示す構成の本発明の第1のバラン装置の場合、第1と第4の伝送線路1・4は長さを高周波信号の周波数通過帯域の中心周波数の約1/8波長、第1と第4の伝送線路1・4の自己および相互インピーダンスを5〜20Ωとし、また第3と第6の伝送線路3・6は長さを高周波信号の周波数通過帯域の中心周波数の約1/8波長、第3と第6の伝送線路3・6の自己および相互インピーダンスを5〜20Ωとし、第2と第5の伝送線路2・5は長さを高周波信号の周波数通過帯域の中心周波数の約1/4波長、第2と第5の伝送線路2・5の自己および相互インピーダンスを5〜30Ωとしている。
【0056】
図5に示す従来のバラン装置の場合、第1の伝送線路10と第2の伝送線路11で形成される結合線路は長さを高周波信号の周波数通過帯域の中心周波数の約1/4波長、第1の伝送線路と第2の伝送線路で形成される結合線路の自己および相互のインピーダンスを30〜100Ωとし、第1の伝送線路10と第3の伝送線路12で形成される結合線路は長さを高周波信号の周波数通過帯域の中心周波数の約1/4波長、第1の伝送線路10と第3の伝送線路12で形成される結合線路の自己および相互のインピーダンスを30〜100Ωとしている。
【0057】
図6において、横軸は周波数(単位:GHz)を、縦軸は挿入損失(単位:dB)を表わし、各特性曲線は、Aが本発明のバラン装置における結果を、Bが図5に示す従来のバラン装置における結果を示している。
【0058】
図6に示す結果から明らかなように、図1に示す構成の本発明の第1のバラン装置によれば、従来のバラン装置における結果(B)に比べて、通過帯域の近傍に大きな減衰量frを有する特性を得られ、帯域通過のフィルタ特性を有するバラン装置を実現することができる。
【0059】
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更・改良を加えることは何ら差し支えない。
【0060】
例えば、本発明のバラン装置を構成する第1〜第6の伝送線路1〜6は、それぞれ必ずしも直線状の伝送線路により形成されるものに限られるものではなく、それぞれ角型状や円形状等に折り曲げた伝送線路や、コの字型・スパイラル形状・ミアンダライン形状の伝送線路等で形成したりすることができる。このような形状に形成することで、バラン装置を用いる高周波回路の仕様に応じて、複数の誘電体層から成る誘電体基板の表面または内部に、高周波信号の伝送特性に優れた伝送線路により、高周波回路とともに誘電体基板に一体化して構成する際の設計自由度が向上するとともに、小型で高性能なバラン装置を提供することが可能となる。
【0061】
また、第1〜第6の伝送線路1〜6は、それぞれ単一の線路導体で形成するものに限られるものではなく、それぞれ電磁気的に1つの伝送線路とみなせるような2個以上の導体で形成してもよい。
【0062】
さらにまた、第1および第2の平衡端子OUT1・OUT2に平衡信号を供給して、不平衡端子INから不平衡信号を出力する構成とすることもできる。
【0063】
【発明の効果】
本発明のバラン装置によれば、不平衡端子から供給された高周波信号は第1の伝送線路を伝わり、一部は直接電気的に接続された第2の伝送線路を伝わり、一部は、第1および第4の伝送線路が第2の誘電体層を挟んで一部が積層方向から見て重なるように平行に対向させて配されていることにより電磁気的に結合されているので、第4の伝送線路へと伝わる。同様にして他の伝送線路へも高周波信号が伝わっていく。ここで、第2の伝送線路および第5の伝送線路の長さ方向の中心付近が電気的にゼロ電位となるように、第1と第4の伝送線路の長さと、第1と第4の伝送線路の自己および第1と第4の伝送線路間の相互のインピーダンスを、また、第3と第6の伝送線路の長さと、第3と第6の伝送線路の自己および第3と第6の伝送線路間の相互のインピーダンスを、また、第2と第5の伝送線路の長さと、第2と第5の伝送線路の自己および第2と第5の伝送線路間の相互のインピーダンスを適切に設定する。これにより、第5の伝送線路の長さ方向の中心付近を節とし第4の伝送線路および第6の伝送線路の開放端を腹とした電圧定在波が生じ、第5の伝送線路の長さ方向の中心付近が電圧定在波の節となるため、第5の伝送線路の両端にある第1および第2の平衡端子間に位相差が約180度である出力電圧の信号が取り出せて、バラン装置としての特性が得られる。また、第3の伝送線路と第6の伝送線路は片端が開放となるため、容量性の結合線路共振器を構成することができて、第2の伝送線路および第5の伝送線路は長さ方向の中心付近が電気的にゼロ電位となるため、誘導性の結合線路共振器を構成することができる。これにより容量性の結合線路共振器と誘導性の結合線路共振器が電気的に接続されることとなり帯域通過のフィルタ特性を有する回路をもつ第1のバラン装置を提供することができた。
【0064】
また、上記構成において、不平衡端子が第1の伝送線路の開放端に代えて、第1の伝送線路の途中にまたは第2の伝送線路に電気的に接続される場合には、第1の伝送線路の開放端から第2の伝送線路の長さ方向の中心付近(電気的にゼロ電位)に向かってインピーダンスがゼロとなるので、上記本発明のバラン装置の不平衡端子の入力インピーダンスに対して低い入力インピーダンスを有する第2のバラン装置を提供することができる。
【0065】
また、上記構成において、第1の平衡端子が第4の伝送線路の他端に代えて、第4の伝送線路の開放端または途中に、第2の平衡端子が第6の伝送線路の他端に代えて、第6の伝送線路の開放端または途中にそれぞれ電気的に接続されている場合には、上記本発明のバラン装置の第1の平衡端子および第2の平衡端子の入力インピーダンスに対して、第1の平衡端子または第2の平衡端子が、第4または第6の伝送線路の他端からそれぞれの開放端に向かってインピーダンスが大きくなる伝送線路の途中にまたは開放端に接続されることから、第1および第2の平衡端子が高い入力インピーダンスを有する第3のバラン装置を提供することができる。
【0066】
また、上記構成において、第1の平衡端子が第4の伝送線路の他端に代えて、第2の平衡端子が第6の伝送線路の他端に代えて、それぞれ第5の伝送線路の途中に電気的に接続されている場合には、上記本発明のバラン装置の第1の平衡端子および第2の平衡端子の入力インピーダンスに対して、第1の平衡端子または第2の平衡端子が、第4または第6の伝送線路の他端から第5の伝送線路の長さ方向の中心付近(電気的にゼロ電位)に向かってインピーダンスがゼロとなる伝送線路の途中に接続されることから、第1および第2の平衡端子が低い入力インピーダンスを有する第4のバラン装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1のバラン装置の実施の形態の一例を示す回路図である。
【図2】本発明の第1のバラン装置の実施の形態の一例を示す透視平面図である。
【図3】図2に示す本発明の第1のバラン装置の実施の形態の一例の断面図であり、(a)はa−a’線断面図、(b)はb−b’線断面図である。
【図4】従来の無線装置のブロック図である。
【図5】従来のバラン装置の例を示す回路図である。
【図6】本発明の第1のバラン装置の実施の形態の一例および従来のバラン装置における透過損失を示す線図である。
【図7】本発明のバラン装置の実施の形態の他の例を示す回路図である。
【図8】本発明のバラン装置の実施の形態の他の例を示す透視平面図である。
【図9】本発明のバラン装置の不平衡端子INの位置と不平衡端子INの入力インピーダンスの関係を示す線図である。
【図10】本発明のバラン装置の第1もしくは第2の平衡端子の位置と第1もしくは第2の平衡端子の入力インピーダンスの関係を示す線図である。
【符号の説明】
1〜6・・・・・・・・・第1〜第6の伝送線路
21・・・・・・・・・・・第1の誘電体層
22・・・・・・・・・・・第2の誘電体層
23・・・・・・・・・・・第3の誘電体層
31・・・・・・・・・・・第1の接地電極
32・・・・・・・・・・・第2の接地電極
IN・・・・・・・・・・不平衡端子(入出力端子)
OUT1、OUT2・・・平衡端子(入出力端子)

Claims (4)

  1. 第1の誘電体層と、該第1の誘電体層の上に積層された第2の誘電体層と、該第2の誘電体層の上に積層された第3の誘電体層と、前記第1の誘電体層の下面に配された第1の接地電極と、前記第1および第2の誘電体層の間に配された第1〜第3の伝送線路と、前記第2および第3の誘電体層の間に配された第4〜第6の伝送線路と、前記第3の誘電体層の上面に配された第2の接地電極とから成り、
    前記第1および第4の伝送線路、ならびに前記第2および第5の伝送線路、ならびに前記第3および第6の伝送線路は、それぞれ略同一の長さを有し、前記第2の誘電体層を挟んでそれぞれの幅の少なくとも一部が積層方向から見て重なるように平行に対向させて配され、前記第1および第2の接地電極は、積層方向から見て前記第1〜第6の伝送線路を覆うように配されており、
    前記第1および第3の伝送線路は一端に開放端を有し、前記第1および第3の伝送線路の他端はそれぞれ前記第2の伝送線路の両端に電気的に接続されているとともに、前記第4および第6の伝送線路は一端に開放端を有し、前記第4および第6の伝送線路の他端はそれぞれ前記第5の伝送線路の両端に電気的に接続されており、
    前記第1の伝送線路の前記開放端に不平衡端子が、前記第4の伝送線路の前記他端に第1の平衡端子が、前記第6の伝送線路の前記他端に第2の平衡端子が、それぞれ電気的に接続されていることを特徴とするバラン装置。
  2. 前記不平衡端子が、前記第1の伝送線路の前記開放端に代えて、前記第1の伝送線路の途中にまたは前記第2の伝送線路に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載のバラン装置。
  3. 前記第1の平衡端子が、前記第4の伝送線路の前記他端に代えてその前記開放端または途中に、前記第2の平衡端子が、前記第6の伝送線路の前記他端に代えてその前記開放端または途中にそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のバラン装置。
  4. 前記第1の平衡端子が前記第4の伝送線路の前記他端に代えて、前記第2の平衡端子が前記第6の伝送線路の前記他端に代えて、それぞれ前記第5の伝送線路の途中に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のバラン装置。
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