JP4009178B2 - ローパスフィルタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に携帯電話や移動体通信のような電子機器の電子回路に1〜3GHz前後の周波数帯において使用されるローパスフィルタに関し、特にグランド電極・コンデンサ電極またはコイル電極が形成された複数の誘電体層を積層することによって構成されたローパスフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話や移動体通信のような電子機器の電子回路に1〜3GHz前後の周波数帯において使用されるローパスフィルタについては、これが用いられる電子機器の小型化・高密度化・低価格化に対する要求が高まる中、同様に小型化・高密度化が要求されている。
【0003】
このようなローパスフィルタとして、例えば特開平7−273502号公報には、表面にマイクロストリップラインを有する誘電体基板と、表面にコンデンサ電極を有する誘電体基板とを、誘電体シートと表面にグランド電極を有する誘電体基板とで挟持して積層し、側面にそれらマイクロストリップライン・コンデンサ電極およびグランド電極を導通する外部電極を形成したローパスフィルタにおいて、マイクロストリップラインを有する誘電体基板と、コンデンサ電極を有する誘電体基板との間に、表面にグランド電極と導通したシールド電極を有する誘電体基板を挿入したローパスフィルタが開示されている。
【0004】
これによれば、マイクロストリップラインを有する誘電体基板とコンデンサ電極を有する誘電体基板の間に、表面にグランド電極と導通するシールド電極を挿入することにより、マイクロストリップラインの両端に発生する浮遊容量を低下させることができるため、ローパスフィルタを通過した後の高周波帯域の減衰量を高く保つことができ、不要な高調波を除去することができるというものである。
【0005】
また、コンデンサ電極とシールド電極との間で新たなコンデンサが発生し、コンデンサ電極とグランド電極との間のコンデンサに並列に付加されるため、コンデンサの総合静電容量が2倍になり、形状を変更することなくローパスフィルタの共振周波数を低下させることができ、また、共振周波数が一定の場合では、ローパスフィルタの形状を小型にすることができるというものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−273502号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平7−273502号公報に開示されたローパスフィルタでは、マイクロストリップラインの両端に発生する浮遊容量を低下させることができるため、ローパスフィルタを通過した後の高周波帯域の減衰量を高く保つことができ、不要な高調波を除去できるものの、形状を小型にするために、コンデンサ電極とシールド電極との間で新たなコンデンサを発生させ共振周波数を低下させることによりローパスフィルタの形状を小型化しているが、共振周波数をローパスフィルタ全体のコイル電極とコンデンサ電極とによって発生させているため、コイル電極とコンデンサ電極とをある程度大きくしないと共振周波数を低下させることが困難であるという問題点があった。
【0008】
また、共振周波数をローパスフィルタ全体のコイル電極とコンデンサ電極とによって発生させているため、任意の共振周波数を1つしか発現できないという問題点もあった。
【0009】
また、すべてのコンデンサの総合静電容量をコンデンサ電極とグランド電極との間、およびコンデンサ電極とシールド電極との間にて発生させているが、もっとも大きな容量すなわち小型化が必要とされるコンデンサ電極は、マイクロストリップライン同士が接続される部分に接続されるコンデンサ電極のみでよいのに対し、すべてのコンデンサ電極を同じ誘電体表面に並べているため小型化しにくいといった問題点があった。
【0010】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、共振周波数を低下させるとともに任意の共振周波数すなわち減衰極を2つ設けることができ、しかも全体の形状を小型化できる、1〜3GHz前後の高周波の周波数帯において好適に使用されるローパスフィルタを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のローパスフィルタは、順次積層された第1乃至第4の誘電体層と、前記第1の誘電体層の下面に形成された第1のグランド電極ならびに前記第2および第3の誘電体層間に形成された第2のグランド電極と、前記第1および第2の誘電体層間に形成され、前記第1および第2のグランド電極と対向した第1のコンデンサ電極と、前記第3および第4の誘電体層間に形成され、前記第2のグランド電極とそれぞれ対向した第2および第3のコンデンサ電極と、前記第4の誘電体層の上面に形成された第1および第2のコイル電極とを具備し、該第1および第2のコイル電極の一方端同士を接続するとともにこれら一方端間を前記第1のコンデンサ電極と電気的に接続し、前記第1のコイル電極の他方端を前記第2のコンデンサ電極と電気的に接続するとともに入力端子とし、前記第2のコイル電極の他方端を前記第3のコンデンサ電極と電気的に接続するとともに出力端子としたことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明のローパスフィルタは、上記構成において、前記入力端子および前記出力端子を前記第1の誘電体層の下面に導出したことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のローパスフィルタによれば、順次積層された第1乃至第4の誘電体層と、第1の誘電体層の下面に形成された第1のグランド電極ならびに第2および第3の誘電体層間に形成された第2のグランド電極と、第1および第2の誘電体層間に形成され、第1および第2のグランド電極と対向した第1のコンデンサ電極と、第3および第4の誘電体層間に形成され、第2のグランド電極とそれぞれ対向した第2および第3のコンデンサ電極と、第4の誘電体層の上面に形成された第1および第2のコイル電極とを具備し、第1および第2のコイル電極の一方端同士を接続するとともにこれら一方端間を第1のコンデンサ電極と電気的に接続するとともに、第1のコイル電極の他方端を第2のコンデンサ電極と電気的に接続するとともに入力端子とし、第2のコイル電極の他方端を第3のコンデンサ電極と電気的に接続するとともに出力端子としてローパスフィルタを構成したことから、第1のコイル電極(L1)と、第1のコイル電極(L1)の両端に接続されることとなる、第1のコンデンサ電極および第2のコンデンサ電極の間に形成されるコンデンサ(C4)とによる並列共振回路により発現する減衰極、および第2のコイル電極(L2)と、第2のコイル電極(L2)の両端に接続されることとなる、第1のコンデンサ電極および第3のコンデンサ電極の間に形成されるコンデンサ(C5)とによる並列共振回路により発現する減衰極を、コイル電極およびコイル電極の両端に接続されるコンデンサの大きさを変えることにより任意に設定できる。すなわち、コイル電極を大きくしたい場合はコンデンサ電極を小さくでき、またコンデンサ電極を大きくしたい場合はコイル電極を小さくできるため、コイル電極およびコンデンサ電極の大きさを適切に設定することにより、ローパスフィルタ全体のコイル電極およびコンデンサ電極を大きくすることなく減衰極を低下させることができる。
【0014】
また、このようにして並列共振回路を2つ直列に接続したことにより、2つの任意の減衰極を設けることができる。また、第1乃至第3の3つのコンデンサ電極のうち、一般的に用いられるバタワース型・ベッセル型およびチェビシェフ型等のローパスフィルタの構成上最も大きくなる第1のコンデンサ電極を第1および第2の誘電体層間に第1および第2のグランド電極と対向させて形成したことにより、第1のコンデンサ電極と第1および第2のグランド電極とを対向させて形成される接地容量C1の大きさを、1つのグランド電極のみに対向する際に必要とされる大きさの略半分とすることができる。また、積層方向から見た場合に、第1のコンデンサ電極と第2および第3のコンデンサ電極とを重ねることができるため、ローパスフィルタ全体を小型化できる。
【0015】
また、入力端子および出力端子を第1の誘電体層の下面に導出したときには、このローパスフィルタを表面実装型の電子部品として外部電気回路基板上に実装することが可能となる。
【0016】
以下、本発明のローパスフィルタについて図面を参照しつつ説明する。
【0017】
図1は本発明のローパスフィルタの実施の形態の一例を示す分解斜視図である。図1において、1は第1の誘電体層、2は第2の誘電体層、3は第3の誘電体層、4は第4の誘電体層、5は第1のグランド電極、6は第2のグランド電極、7は第1のコンデンサ電極、8は第2のコンデンサ電極、9は第3のコンデンサ電極、10は第1のコイル電極、11は第2のコイル電極、12は第1の貫通導体、13は第2の貫通導体、14は第3の貫通導体である。
【0018】
図1に示す例においては、第1の誘電体層1の下面に形成された第1のグランド電極5ならびに第2の誘電体層2および第3の誘電体層3間に形成された第2のグランド電極6と、第1の誘電体層1および第2の誘電体層2間に形成され、第1のグランド電極5および第2のグランド電極6と対向した第1のコンデンサ電極7との間に生じる接地容量をC1とし、第3の誘電体層3および第4の誘電体層4間に形成され、第2のグランド電極6とそれぞれ対向した第2のコンデンサ電極8および第3のコンデンサ電極9との間に生じる接地容量をそれぞれC2およびC3とし、第4の誘電体層4の上面に形成された第1のコイル電極10および第2のコイル電極11により生じるインダクタンスをそれぞれL1およびL2とし、第1のコンデンサ電極7と、第2の誘電体層2・第2のグランド電極6および第3の誘電体層3を介して第2のコンデンサ電極8および第3のコンデンサ電極9とが対向して形成される容量をそれぞれC4およびC5とする。
【0019】
そして、図1に示す例では、第1のコイル電極10および第2のコイル電極11の一方端同士を接続し、例えば第1の貫通導体12を介して接地容量C1を生じる第1のコンデンサ電極7と電気的に接続するとともに、第1のコイル電極10の他方端を例えば第2の貫通導体13を介して接地容量C2を生じる第2のコンデンサ電極8と電気的に接続して入力端子とし、また第2のコイル電極11の他方端を接地容量C3を生じる第3のコンデンサ電極9と例えば第3の貫通導体14を介して電気的に接続することによりローパスフィルタを構成している。ここで、第2の誘電体層2・第2のグランド電極6および第3の誘電体層3を介して第1のコンデンサ電極7と第2のコンデンサ電極8との間に生じる容量をC4とし、同じく第1のコンデンサ電極7と第3のコンデンサ電極9との間に生じる容量をC5とする。
【0020】
このような図1に示す本発明のローパスフィルタの例によれば、そのローパスフィルタの等価回路図は図2に示すようなものとなる。そして、第1乃至第3の誘電体層1〜3、第1および第2のグランド電極5・6および第1乃至第3のコンデンサ電極7〜9によって容量C1〜C5を調整し、また第1および第2のコイル電極10・11によってインダクタンスL1・L2を調整することにより、所望のローパス特性を有するローパスフィルタを得ることができる。
【0021】
また、入力端子および出力端子を第1の誘電体層の下面に第1のグランド電極5とは電気的に絶縁して導出することにより、このローパスフィルタを表面実装型の電子部品として外部電気回路基板上に実装することが可能となる。
【0022】
このように、図1に示す本発明のローパスフィルタの例においては、図2に等価回路図で示すように、第1のコイル電極10で形成されるインダクタンスL1と、第1のコイル電極10の両端に接続される第1のコンデンサ電極7と第2の誘電体層2・第2のグランド電極6および第3の誘電体層3を挟んで第2のコンデンサ電極8とが対向することよって形成される容量C4との並列共振回路を、また第2のコイル電極11で形成されるインダクタンスL2と、第2のコイル電極11の両端に接続される第1のコンデンサ電極7と第2の誘電体層2・第2のグランド電極6および第3の誘電体層3を挟んで第3のコンデンサ電極9とが対向することによって形成される容量C5との並列共振回路を形成しており、これらの並列共振回路の共振周波数をそれぞれ通過帯域の2倍および3倍の高調波に該当させることにより、ローパスフィルタに必要とされる通過帯域の2倍および3倍の高調波の除去を確実に行なうことができる。
【0023】
また、並列共振回路は、それぞれインダクタンスL1および容量C4、ならびにインダクタンスL2および容量C5にて形成され、各コイル電極10・11の長さや各コンデンサ電極7〜9の面積にて設定できるため、特開平7−273502号公報に開示されたもののように全体の形状を大きくすることなく共振周波数を低下させることができる。
【0024】
また、共振周波数の調整をインダクタンスL1およびL2にて行なう場合は、第1および第2のコイル電極10・11の長さや第4の誘電体層4の厚みを調整すればよい。さらに、共振周波数の調整を容量C4およびC5にて行なう場合は、第1のコンデンサ電極7と第2のコンデンサ電極8および第3のコンデンサ電極9との積層方向から見た重なる面積や、第1のコンデンサ電極7と第2のコンデンサ電極8および第3のコンデンサ電極9との積層方向から見た重なる面積を制限することとなる第2のグランド電極6の第1の貫通導体12の周りの開口部の面積や、第2および第3の誘電体層2・3の厚みを調整すればよい。このことより、本発明のローパスフィルタにおいては、減衰極すなわち並列共振回路の共振周波数を設定できるパラメータが多く、設計自由度の大きいものとなっている。
【0025】
なお、第1および第2のコイル電極10・11は、それぞれ第4の誘電体層4の上面に、例えば第2および第3のコンデンサ電極8・9と対向するように配置されて形成されるものであるが、図1に示した例におけるように、第1および第2のコイル電極10・11を、それぞれ第4の誘電体層4の上面のみならず内部にかけても形成してもよく、その場合は、第4の誘電体層4の上面に電子部品を実装したり配線を設けたりする領域を確保することができるようになるため、単なるローパスフィルタでなくモジュール基板の一部として構成することもできる。また、第1および第2のコイル電極10・11をそれぞれ第2および第3のコンデンサ電極8・9と対向するように配置することにより、第1乃至第3の貫通導体12〜14をほぼ垂直方向に配設することができその長さを最短とすることができ、貫通導体の不要なインダクタンス成分を少なくすることができるため、減衰特性のよいローパスフィルタとすることができる。
【0026】
また、第1乃至第3の3つのコンデンサ電極7〜9のうち、一般的に用いられるバタワース型・ベッセル型およびチェビシェフ型のローパスフィルタの構成上で最も大きくなる第1のコンデンサ電極7を第1のグランド電極5および第2のグランド電極6間に形成したことにより、第1のコンデンサ電極7と第1および第2のグランド電極5・6とを対向させて形成される接地容量C1の大きさを、1つのグラウンド電極のみに対向する際に必要とされる大きさの略半分とすることができるとともに、第1のコンデンサ電極7と第2のコンデンサ電極8および第3のコンデンサ電極9とを対向させて配置して積層方向より見た場合にオーバーラップさせているので、積層方向から見てローパスフィルタ全体の面積を小さくすることができ、全体を小型化することができる。
【0027】
図3は、図1に示す本発明のローパスフィルタの例における周波数特性を示す線図である。図3において、横軸は周波数(単位:GHz)を、縦軸は信号通過量S(2,1)(単位:dB)を表わし、特性曲線はその周波数特性を示している。図3に示す結果より、本発明のローパスフィルタによれば、通過帯域(0.88GHzから0.915GHz)の2倍および3倍の周波数(1.76GHzから1.83GHzおよび2.64GHzから2.745GHz)において減衰極が発現しているとともに大きな減衰量が得られていることが分かる。
【0028】
なお、本発明のローパスフィルタは、例えば誘電体層がセラミックスから成る場合であれば、焼成後に各誘電体層となる誘電体セラミックグリーンシートに所定の孔開け加工を施すとともに各電極のパターン形状および貫通導体となる貫通孔やグリーンシートの側面等に導体ペーストを塗布し、これらを積層して焼成することによって製作される。あるいは、誘電体層がフッ素樹脂やガラスエポキシ樹脂・ポリイミド樹脂のような樹脂基板を用い、その表面の銅箔をエッチングして各電極パターン形成を行ない、層間接続用ビア導体を形成して積層プレスするような樹脂基板によっても製作される。
【0029】
また、第1乃至第4の誘電体層1〜4を始めとする誘電体層には、アルミナセラミックス・ムライトセラミックス等のセラミックス材料やガラスセラミック等の無機系材料、あるいは四フッ化エチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン;PTFE)・四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合樹脂;ETFE)・四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−パーフルテロアルキルビニルエーテル共重合樹脂;PFA)等のフッ素樹脂やガラスエポキシ樹脂・ポリイミド等の樹脂系材料等が用いられる。また、第1および第2のグランド電極5・6、第1乃至第3のコンデンサ電極7〜9、第1および第2のコイル電極10・11には、高周波信号伝送用の金属材料の導体層、例えばCu層・Mo−Mnのメタライズ層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの・Wのメタライズ層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの・Cr−Cu合金層・Cr−Cu合金層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの・Ta2N層上にNi−Cr合金層およびAuメッキ層を被着させたもの・Ti層上にPt層およびAuメッキ層を被着させたもの・またはNi−Cr合金層上にPt層およびAuメッキ層を被着させたもの等を用いて、厚膜印刷法あるいは各種の薄膜形成方法やメッキ法等により形成される。その厚みや幅は、伝送される高周波信号の周波数や用途等に応じて設定される。
【0030】
次に、図4に本発明のローパスフィルタの実施の形態の他の例を、図1と同様の分解斜視図で示す。
【0031】
図4において、1aは第1の誘電体層、2aは第2の誘電体層、3aは第3の誘電体層、4aは第4の誘電体層、5aは第1のグランド電極、6aは第2のグランド電極、7aは第1のコンデンサ電極、8aは第2のコンデンサ電極、9aは第3のコンデンサ電極、10aは第1のコイル電極、11aは第2のコイル電極、12aは第1の貫通導体、13aは第2の貫通導体、14aは第3の貫通導体である。
【0032】
図4に示す例においては、第1の誘電体層1aの下面に形成された第1のグランド電極5aならびに第2の誘電体層2aおよび第3の誘電体層3a間に形成された第2のグランド電極6aと、第1の誘電体層1aおよび第2の誘電体層2a間に形成され第1のグランド電極5aおよび第2のグランド電極6aと対向した第1のコンデンサ電極7aとの間に生じる接地容量をC1とし、第3の誘電体層3aおよび第4の誘電体層4a間に形成され、第2のグランド電極2aとそれぞれ対向した第2のコンデンサ電極8aおよび第3のコンデンサ電極9aとの間に生じる接地容量をそれぞれC2aおよびC3aとし、第4の誘電体層4aの上面に形成された第1のコイル電極10aおよび第2のコイル電極11aにより生じるインダクタンスをそれぞれL1aおよびL2aとし、第1のコンデンサ電極7aと第2の誘電体層2a・第2のグランド電極6aおよび第3の誘電体層3aを介して第2のコンデンサ電極8aおよび第3のコンデンサ電極9aとが対向して形成される容量をそれぞれC4aおよびC5aとする。
【0033】
そして、図4に示す例では、第1のコイル電極10aおよび第2のコイル電極11aの一方端同士を接続し、例えば第1の貫通導体12aを介して接地容量C1aを生じる第1のコンデンサ電極7aと電気的に接続するとともに、第1のコイル電極10aの他方端を例えば第2の貫通導体13aを介して接地容量C2aを生じる第2のコンデンサ電極8aと電気的に接続して入力端子とし、また、第2のコイル電極11aの他方端を接地容量C3aを生じる第3のコンデンサ電極9aと例えば第3の貫通導体14aを介して電気的に接続することによりローパスフィルタを構成している。ここで、第1のコンデンサ電極7aと第2のコンデンサ電極8aとの間に生じる容量をC4aとし、第1のコンデンサ電極7aと第3のコンデンサ電極9aとの間に生じる容量をC5aとする。
【0034】
この図4に示す例においては、第4の誘電体層4aの上面に形成された第1および第2のコイル電極10a・11aをそれぞれミアンダ形状にすることにより、第1および第2のコイル電極10a・11aを積層して形成し貫通導体を用いて電気的に接続する必要がないことから、図1に示す例に比べて、第4の誘電体層4aならびに第1および第2のコイル電極10a・11aの構成を簡単にすることができ、特性のばらつきの低減や製造コストの低コスト化の面において有利な構成となっている。
【0035】
このような図4に示す本発明のローパスフィルタの例によれば、その等価回路図は図5に示すようなものとなる。そして、容量C1a〜C5aおよびインダクタンスL1a・L2aを調整することにより、所望の特性を有するローパスフィルタを得ることができる。
【0036】
図6は、図4に示す本発明のローパスフィルタの例における周波数特性を示す図3と同様の線図である。図6に示す結果より、本発明のローパスフィルタによれば、図3と同様に通過帯域(0.88GHzから0.915GHz)の2倍および3倍の周波数(1.76GHzから1.83GHzおよび2.64GHzから2.745GHz)において減衰極が発現しているとともに大きな減衰量が得られていることが分かる。
【0037】
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることは何ら差し支えない。例えば、本発明のローパスフィルタによれば、第1乃至第3の誘電体層1〜3の厚みを薄くしたり、これらに高誘電率材料を用いたり、第4の誘電体層4に磁性体を混ぜたりすることにより、さらなる特性の改善や小型化が可能となる。
【0038】
また、第4の誘電体層の上面にシールド電極を設けたり、第1乃至第3の貫通導体の代わりに、誘電体層の側面に各電極の接続用導体を形成して各電極間を電気的に接続してもよい。
【0039】
また、本発明のローパスフィルタは、フィルタ単体部品としてでなく、回路基板の一部として構成することも可能である。
【0040】
【発明の効果】
本発明のローパスフィルタによれば、順次積層された第1乃至第4の誘電体層と、第1の誘電体層の下面に形成された第1のグランド電極ならびに第2および第3の誘電体層間に形成された第2のグランド電極と、第1および第2の誘電体層間に形成され、第1および第2のグランド電極と対向した第1のコンデンサ電極と、第3および第4の誘電体層間に形成され、第2のグランド電極とそれぞれ対向した第2および第3のコンデンサ電極と、第4の誘電体層の上面に形成された第1および第2のコイル電極とを具備し、第1および第2のコイル電極の一方端同士を接続するとともにこれら一方端間を第1のコンデンサ電極と電気的に接続するとともに、第1のコイル電極の他方端を第2のコンデンサ電極と電気的に接続するとともに入力端子とし、第2のコイル電極の他方端を第3のコンデンサ電極と電気的に接続するとともに出力端子としてローパスフィルタを構成したことから、第1のコイル電極(L1)と、第1のコイル電極(L1)の両端に接続されることとなる第1のコンデンサ電極および第2のコンデンサ電極の間に形成されるコンデンサ(C4)とによる並列共振回路により発現する減衰極、および第2のコイル電極(L2)と、第2のコイル電極(L2)の両端に接続されることとなる、第1のコンデンサ電極および第3のコンデンサ電極の間に形成されるコンデンサ(C5)とによる並列共振回路により発現する減衰極を、コイル電極およびコイル電極の両端に接続されるコンデンサの大きさを変えることにより任意に設定できる。すなわち、コイル電極を大きくしたい場合はコンデンサ電極を小さくでき、またコンデンサ電極を大きくしたい場合はコイル電極を小さくできるため、コイル電極およびコンデンサ電極の大きさを適切に設定することにより、ローパスフィルタ全体のコイル電極およびコンデンサ電極を大きくすることなく減衰極を低下させることができる。
【0041】
また、このようにして並列共振回路を2つ直列に接続したことにより、2つの任意の減衰極を設けることができる。また、第1乃至第3の3つのコンデンサ電極のうち、一般的に用いられるバタワース型・ベッセル型およびチェビシェフ型等のローパスフィルタの構成上最も大きくなる第1のコンデンサ電極を第1および第2の誘電体層間に第1および第2のグランド電極と対向させて形成したことにより、第1のコンデンサ電極と第1および第2のグランド電極とを対向させて形成される接地容量C1の大きさを、1つのグランド電極のみに対向する際に必要とされる大きさの略半分とすることができる。また、積層方向から見た場合に、第1のコンデンサ電極と第2および第3のコンデンサ電極とを重ねることができるため、ローパスフィルタ全体を小型化できる。
【0042】
また、入力端子および出力端子を第1の誘電体層の下面に導出したときには、このローパスフィルタを表面実装型の電子部品として外部電気回路基板上に実装することが可能となる。
【0043】
以上のように本発明によれば、通過帯域の2倍および3倍に減衰極を持ち、減衰極を多くのパラメータにて調整可能な、しかも全体の形状を小型化できる、1〜3GHz前後の高周波の周波数帯において好適に使用されるローパスフィルタを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のローパスフィルタの実施の形態の一例を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示すローパスフィルタの例の等価回路図である。
【図3】図1に示すローパスフィルタの例の周波数特性を示す線図である。
【図4】本発明のローパスフィルタの実施の形態の他の例を示す分解斜視図である。
【図5】図4に示すローパスフィルタの例の等価回路図である。
【図6】図4に示すローパスフィルタの例の周波数特性を示す線図である。
【符号の説明】
1、1a・・・・・第1の誘電体層
2、2a・・・・・第2の誘電体層
3、3a・・・・・第3の誘電体層
4、4a・・・・・第4の誘電体層
5、5a・・・・・第1のグランド電極
6、6a・・・・・第2のグランド電極
7、7a・・・・・第1のコンデンサ電極
8、8a・・・・・第2のコンデンサ電極
9、9a・・・・・第3のコンデンサ電極
10、10a・・・・・第1のコイル電極
11、11a・・・・・第2のコイル電極
12、12a・・・・・第1の貫通導体
13、13a・・・・・第2の貫通導体
13、13a・・・・・第3の貫通導体

Claims (2)

  1. 順次積層された第1乃至第4の誘電体層と、前記第1の誘電体層の下面に形成された第1のグランド電極ならびに前記第2および第3の誘電体層間に形成された第2のグランド電極と、前記第1および第2の誘電体層間に形成され、前記第1および第2のグランド電極と対向した第1のコンデンサ電極と、前記第3および第4の誘電体層間に形成され、前記第2のグランド電極とそれぞれ対向した第2および第3のコンデンサ電極と、前記第4の誘電体層の上面に形成された第1および第2のコイル電極とを具備し、該第1および第2のコイル電極の一方端同士を接続するとともにこれら一方端間を前記第1のコンデンサ電極と電気的に接続し、前記第1のコイル電極の他方端を前記第2のコンデンサ電極と電気的に接続するとともに入力端子とし、前記第2のコイル電極の他方端を前記第3のコンデンサ電極と電気的に接続するとともに出力端子としたことを特徴とするローパスフィルタ。
  2. 前記入力端子および前記出力端子を前記第1の誘電体層の下面に導出したことを特徴とする請求項1記載のローパスフィルタ。
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