JP2004118028A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で初動時の駆動モータの脱調を防止する画像形成装置を提供する。
【解決手段】プロセスカートリッジの装着信号を検知した場合に、プロセスカートリッジの初期回転動作が半速モードのプロセス条件に応じて行われる。これにより、トナー攪拌部材の駆動軸にかかるトルクが減少し、駆動モータの脱調を防止することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】プロセスカートリッジの装着信号を検知した場合に、プロセスカートリッジの初期回転動作が半速モードのプロセス条件に応じて行われる。これにより、トナー攪拌部材の駆動軸にかかるトルクが減少し、駆動モータの脱調を防止することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真式プリンタ、複写機及び静電記録装置等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、レーザビームプリンタなどの電子写真画像形成方式を利用した画像形成装置が広く使用されている。特に最近、オフィスのネットワーク化が進み、プリンタを複数のユーザが同時に使用したり、文書の電子化により複写機の代用として大量の出力をプリンタで行うため、装置の高速化が求められている。
【0003】
また、その一方で多様なメディアに対するプリントの要求も高まっている。例えば、レイド紙など表面が粗い紙や、厚紙に対しても普通紙と同等にプリントする装置が求められており、定着しづらいメディアに対してはスループットを抑えて定着性を維持する装置も使用されている。
【0004】
このような要求に応えるため、主要な紙種に対する画像形成モードでは、装置はフルスピードで動作し、特殊な用途の紙種に対する画像形成モードでは、装置は低速のプロセススピードで動作する、という機能を備えた装置が提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平1−297677号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の画像形成装置では、下記のような問題が生じていた。
【0007】
(初期トルクの増大)
画像形成装置に使用されるカートリッジは、高速化に伴い大量のプリントアウトを行うことが多くなるため、トナー容量が増大する傾向がある。この場合、長期間に渡って保存したり輸送の際の振動を受けたりすると、トナーが凝集し、かさ密度が3〜4割程度増大するといったパッキング現象が生じやすくなる。
【0008】
このようなパッキング現象が起きると、トナーを攪拌する攪拌部材への回転負荷が増大し、ひどい場合、回転困難となり攪拌部材自体が破損する可能性がある。また、駆動系であるモータが脱調する可能性もある。
【0009】
この問題に対する解決策として、モータのイニシャル起動時に、通常回転速度より低い速度で攪拌部材を回転させることを特徴とする像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0010】
しかしながら、このようにイニシャル回転時のみに通常と異なるスピードとする場合、元来複数のプロセススピードとそれぞれに対応したプロセス条件を有する画像形成装置と比べると、そのための付加回路や、モータと攪拌部材との間の伝達機構に変速機構を介在させる必要がある。しかし、このような構成を付加することは、パッキング現象が発生するのが実質的にはカートリッジを画像形成装置に装着した初期のみであることを考慮すると、装置全体のコストアップの要因となる。
【0011】
(駆動音、帯電音)
また、プリンタの高速化に伴い、プリンタ本体の駆動音や、帯電部材である導電体ローラに印加された電圧の交流成分によって帯電装置が振動して発生する「帯電音」など、ユーザにとって耳障りな騒音が増加するという問題が生じている。特に、プリンタの電源オンオフ時やカートリッジ装着時は、ユーザがプリンタ近傍に在るために不快感を感じる可能性が高い。
【0012】
以上のように、プリンタの高速化つまりプロセススピードの増加に伴って、画像形成装置における帯電音とトルクは増加傾向となる。
【0013】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、簡易な構成で初動時の駆動モータの脱調を防止する画像形成装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
少なくとも像担持体と該像担持体を帯電する帯電部材と、を有するプロセスカートリッジが着脱可能であって、複数のプロセススピードにより被記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
前記複数のプロセススピードのなかで最も速い第1のプロセススピードと、前記複数のプロセススピードのなかで前記第1のプロセススピードより遅い第2のプロセススピードと、を選択する選択手段と、
画像形成装置の電源ON信号、前記プロセスカートリッジの装着信号、あるいは前記プロセスカートリッジに充填された現像剤の凝集度に応じた信号、を検知する検知手段と、
いずれかの前記信号を検知した場合に、前記プロセスカートリッジの初期動作が前記第2のプロセススピード及び該第2のプロセススピードに応じたプロセス条件により行われるように前記選択手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
前記帯電部材は、直流電圧に交流電圧が重畳された電圧が印加されており、前記像担持体に対して接触していてもよい。
【0016】
前記複数のプロセススピードの内最も遅いプロセスピードは前記第1のプロセススピードの2/3以下であることが好適である。
【0017】
前記第1のプロセススピードは、150mm/sec以上であってもよい。
【0018】
前記プロセス条件は、帯電条件であり、
該帯電条件は、前記交流電圧の周波数がプロセススピードに略比例し、前記第1のプロセススピードでは2400Hz以上であってもよい。
【0019】
上記構成により、例えば、画像形成装置へのプロセスカートリッジ装着時の初期回転動作において、複数のプロセススピードの内で普通紙等の通常の紙種に画像を形成する第1の画像形成モードにおけるプロセススピードより遅い、第2のプロセススピードに応じたプロセス条件により動作させることにより、駆動モータにかかる動トルクを少なくすることができる。また、プロセススピードを遅くすることで、モータ駆動音、感光ドラムの一次帯電音をも少なくすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、以下の説明で一度説明した部材についての材質、形状などは、特に改めて記載しない限り初めの説明と同様のものである。
【0021】
(第1の実施の形態)
図2は本発明が適用される本実施の形態に係る画像形成装置の略断面図である。
【0022】
図2において、像担持体である感光ドラム1は、OPC(有機光導電体)やアモルファスシリコン等の感光材料を、アルミニウムやニッケル等のシリンダ状の基板上に形成して構成されている。
【0023】
初めに感光ドラム1の表面は、帯電装置としての帯電ローラ2によって一様に帯電される。次に露光手段であるレーザビーム3を画像情報に応じてON/OFF制御し走査露光がなされ、感光ドラム1上に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置4で現像され、可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法等が用いられ、イメージ露光と反転現像との組み合わせで用いられることが多い。
【0024】
被記録材Pは手差しトレイ8またはカセット9から給紙ローラ10によって取り出され、後端検知センサ(不図示)で被記録材サイズ検知を行い、レジストローラ11に送られる。被記録材サイズはレジストセンサ(不図示)で行っても良い。カセット9は500枚の紙を収容する能力があるが、手差しトレイ8は50枚程度の収容能力である。
【0025】
被記録材Pはレジストローラ11によって、感光ドラム1表面に形成されたトナー像と同期を取り、感光ドラム1と転写ローラ5とで形成される転写ニップ部に供給される。転写ニップ部において、感光ドラム1上のトナー像は不図示の電源による転写バイアスの作用で被記録材Pに転写される。
【0026】
トナー像を保持した被記録材Pは定着装置6へ搬送され、定着装置6のニップ部で加熱・加圧されてトナー像が被記録材P上に定着され永久画像となり機外へ排出される。
【0027】
一方、転写後に感光ドラム1上に残留する転写残留トナーは、クリーニング装置7により感光ドラム1表面より除去される。
【0028】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置のプロセススピードについて説明する。図3は、本実施の形態に係る画像形成装置のプロセス条件を示した表である。本実施の形態に係る画像形成装置は、2種類のプロセススピードで動作することができる。
【0029】
このように異なるプロセススピードで動作する複数の画像形成モードを有するのは、プリンタの高速化や紙等の被記録材の多様化に対応するためである。すなわち、一種類のプロセススピードで全ての種類の被記録材に対応するより、一般的に使用される所定のコピー用紙等に対しては生産性を重視し、最も速いプロセススピードで動作する第1の画像形成モードにより、特殊な用途に限定される紙種に対しては定着性や搬送性を重視し、より低速のプロセススピードで動作する第2の画像形成モードにより、対応する方が有効である場合が増えてきた。
【0030】
紙種を例に考えてみると、一般的な用途としてはA4、LTRサイズで紙種が一般的な普通紙の場合で、特殊な用途というのは、例えばBond紙、Laid紙と呼ばれる表面がざらざらしたいわゆるラフ紙の場合である。
【0031】
このようなラフ紙はトナーを定着しにくいので、フルスピードで定着できるような強力な定着器を装置に設けるよりも、プロセススピードを落として低速でプリントした方が装置の小型化や省エネルギーの観点からも合理的である。
【0032】
従って、本実施の形態における画像形成装置は、標準的な紙であるA4、LTRサイズで紙種が一般的な普通紙については最も速いプロセススピードで動作する第1の画像形成モードにより、Bond紙、Laid紙と呼ばれる表面がざらざらしたいわゆるラフ紙については、ユーザがラフ紙モードを設定すると第1のの画像形成モードより低速なプロセススピードである第2の画像形成モードによりプリントされる仕様としている。
【0033】
また、給紙口については、主要なモードである第1の画像形成モードでは、カセットからの給紙で、これはフルスピードでプリントできる。ところが、手差し給紙口のような不定形サイズ用や特殊紙用の給紙口は、フルスピードに対応するための給紙機構を設けるよりも低プロセススピードのみに対応できるような機構で十分であり、手差し給紙口に関してはフルスピードより低いプロセススピードに対応するものとした。
【0034】
上記理由によっても、複数のプロセススピードを設けたプリンタや複写機等が必要とされる。そこで、本実施の形態に係る画像形成装置において、カセットからの通常紙給紙の場合、A4サイズ紙40ppm(1分間に40枚プリント)でプロセススピードは約260mm/secとし、手差し給紙口からの場合、ラフ紙モードでは、A4サイズ紙20ppmでプロセススピードは約130mm/secとした。
【0035】
以後、この2種類のプロセススピードの内で速い方を全速モード(第1の画像形成モード)、遅い方を半速モード(第2の画像形成モード)と呼ぶ。
【0036】
次に、プロセススピードに応じた、画像形成のプロセス条件について、説明する。
【0037】
図3より、本実施の形態では帯電ローラに印加される一次帯電ACの周波数及び流れる電流値をプロセススピードに応じて変更している。これは以下の理由による。
【0038】
本実施の形態においては、帯電ローラを感光ドラムに接触させAC+DC電圧を印加することで、感光ドラム表面を一様に帯電している。この時の帯電周波数は、プロセススピードと画素密度に応じて選択される。即ち、周波数Vf(Hz)とプロセススピード(mm/sec)の比が5以上であり、且つ、モアレを回避するため画像形成の画素密度(dpi、即ちドット/インチ)に対して前記交流成分の周波数Vf(Hz)が、画素密度をA(dpi)、プロセススピードをVp(mm/sec)、Mを1以上の整数とした時に、次式
0.9〔Vp/{(25.4/A)×M}〕≦ Vf ≦1.1〔Vp/{(25.4/A)×M}〕
の範囲に入らないことを前提とするためである。
【0039】
本実施の形態の画像形成装置本体は600dpiであるため、プロセススピード260mm/secの場合は、M=2において2763≦Vf≦3377、M=3において1842≦Vf≦2251となり、Vf=2500Hzはモアレ発生範囲に該当せず、Vfは明らかにプロセススピードの5倍以上を満たしている。
【0040】
また、130mmの場合は、M=2において1381≦Vf≦1688、M=3において921≦Vf≦1125となり、Vf=1250Hzはモアレ発生範囲に該当せず、Vfは明らかにプロセススピードの5倍以上を満たしている。
【0041】
本実施の形態では、以上のようにモアレを回避するような条件のプロセス条件を使用している。
【0042】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の帯電音に関して述べる。上述のように帯電ローラによって感光ドラムの一次帯電を行っており、この帯電ローラは芯金の外周に同心一体にローラ形状に形成された発砲部材と、発砲部材を囲繞する導電層と、さらにその外周面を被覆する中抵抗層とによって構成されている。
【0043】
上述の帯電ローラを用いて、N/N(気温25℃、湿度60%)環境にて、帯電部材に印加する交流バイアスを2.0kVppとし、画像形成装置を無響室にセットし、帯電音を測定した。図4は、本実施の形態に係る画像形成装置の帯電ローラに印加する交流周波数と帯電音の関係を示した図である。
【0044】
図4より、2400Hzの領域から急激に帯電音が大きくなりユーザーに不快感を与え始めることがわかる。本実施の形態によれば、帯電の周波数が高いと帯電音の音程も高くなるために非常に耳につきやすくなる。
【0045】
そのため、図4における2500Hz、52dBの点程度からユーザーが不快感を感じるレベルとなる。
【0046】
次に、本実施の形態における画像形成装置の攪拌動トルクについて述べる。図5は、本実施の形態に係る画像形成装置のプロセススピードと攪拌軸にかかるトルクとの関係を示した図である。図6は、本実施の形態に係る画像形成装置に着脱自在のプロセスカートリッジの略断面図である。
【0047】
まず、図6において感光ドラム201と現像剤担持体208とトナー攪拌部材211は画像形成装置本体の駆動モータと同期しているので、課題として上述したパッキング現象による攪拌トルクの増大により、攪拌部材211の破損、駆動モータの脱調が考えられる。
【0048】
図5に示すように、本実施の形態において、全速モード時(プロセススピード260mm/sec)のドラム軸にかかる動トルクは11.88kgf・cm(≒116.4N・cm)である。
【0049】
次にプリンターの初期回転動作について説明する。
【0050】
初期回転動作では、通常カートリッジの有無検知や、Jam等で汚れた場合の為に転写ローラのクリーニングを行う。
【0051】
具体的には初期回転動作中にトナー残量を検知するために現像ACを印加し、転写ローラのクリーニングのために転写バイアスを印加している。
【0052】
従って、これらの動作中は、現像バイアスによるドラムへのトナー付着や転写ローラクリーニングの際にローラ上に付いているトナーを電界によってドラムに付着させるために、ドラムは帯電している必要がある。
【0053】
次に、本実施の形態における初期回転動作時、画像形成時におけるシーケンスチャートを図1に示す。図1に示すように、初期回転動作時においては、画像形成時よりも遅いプロセススピードである半速モードで駆動する。また、本実施の形態における画像形成装置の解像度は一定であり、前記の帯電ムラが生じる条件を満たすことはなく、感光ドラムに対する一次帯電における周波数は、全速モードの場合は2500Hzであり、半速モードの場合は1250Hzである。
【0054】
プロセススピードが半分になるために、図7に示すように、稼動音はN/N環境において全速モードで56dB、半速モードで49dBに減衰する。また、それぞれの帯電音に関する音圧は、N/N環境において全速モードで54dB、半速モードで45dBに減衰する。
【0055】
そのため、本実施の形態において、半速モードを使用することによって稼動音をユーザーに不快感を与えない程度に音圧値を下げることが可能である。
【0056】
また、半速モードを使用することによって、図6におけるカートリッジのトナー攪拌部材211の軸中心にかかる動トルクを低減することが出来る。つまり、プロセススピードとドラム軸にかかる動トルクの関係は、図5に示すように、プロセススピードを遅くすればドラム軸にかかる動トルクは小さくなる。
【0057】
さらに、図6において感光ドラム201と現像剤担持体208とトナー攪拌部材211は装置の駆動モーターと同期しており、モータのトルクは出力MAX値11.5kgf・cm(≒112.7N・cm)に設定されており、全速モードではドラム軸にかかる動トルクが11.88kgf・cm(≒116.4N・cm)であるので、駆動モータの脱調が生じる可能性がある。しかし、半速モードではドラム軸にかかる動トルクが10.35kgf・cm(101.4N・cm)に低減することができ、モータの脱調を回避することが可能である。
【0058】
このように、本実施の形態に係る画像形成装置においては、全速モードか半速モードかによって稼動音、感光ドラム一次帯電音、ドラム軸にかかる動トルクに差が生じる。
【0059】
したがって、画像形成装置の電源ON信号、画像形成装置へのプロセスカートリッジ装着信号、コンピュータ等からのプリント命令信号、あるいはプロセスカートリッジに充填された現像剤の凝集度に応じた信号(例えば、光学的に現像剤の嵩変動を検知する場合や、インダクタンスセンサーにより現像剤の凝集度を検知した場合)等を、不図示の検知手段により検知した場合は、直後の初期回転動作時においては、必ずしも全速モードで装置を動作させる必要はないため、プロセススピード(画像形成モード)を選択する選択手段により半速モードで動作させることで、トナー攪拌部材を駆動させるモータにかかるトルクを減らすことができ、駆動モータの脱調を防止することができる。
【0060】
また、稼動音、感光ドラムの一次帯電音を減らすことが可能となり、画像形成装置の周囲において操作する者の不快感を軽減することができる。
【0061】
なお、本実施の形態において、上述の検知手段としては、回路を通した電気的な信号や、機械的な接触により導通し流れた電流を信号としても良い。例えば、画像形成装置と、これに着脱自在なプロセスカートリッジの嵌合部の双方に金属板等の接触部を設け、装着時に金属板同士が接触し導通することで信号を検知してもよい。
【0062】
上述の選択手段としては、ユーザーが検知信号をランプ等で確認し、ボタン等の機械部品により複数の画像形成モードからプロセススピードがより遅い画像形成モードを選択してもよく、あるいは、前記検知手段により検知した信号を電気的に選択判別するCPU等の電気回路を画像形成装置やプロセスカートリッジに備えてもよい。
【0063】
上述の制御手段としては、前記選択手段を兼ねたCPU等の電気回路であってもよく、また別に設けた他の演算処理手段であってもよい。
【0064】
(第2の実施の形態)
前述した第1の実施の形態では、2種類のプロセススピードとそれぞれに応じたプロセス条件を有する画像形成装置において、本発明がどのように用いられているかを示したが、第2の実施の形態では3種類のプロセススピードとそれぞれに応じたプロセス条件を有する画像形成装置の場合を示す。図8は、第2の実施の形態に係る画像形成装置のプロセス条件を示した表である。
【0065】
本実施の形態では、画像形成時には通常速度260mm/secを使用し、前多回転動作時には最も遅い130mm/secを使用している。この場合、図8に示すように、前多回転動作時の一次帯電における周波数は1250Hzである。前述の第1の実施の形態と同様にモアレ発生範囲を回避している。
【0066】
また、一次帯電における周波数と帯電音圧の関係は、図4に示すようになる。そして、プリンタの稼動音とプロセススピードの関係は図7に示すようになる。故に、図7より明らかに通常時のプロセススピードを使用するよりも、最も遅いプロセススピードを使用した方が、帯電音、稼動音が小さくなる。
【0067】
そのため、3種類のプロセススピードとそれに応じたプロセス条件を有する画像形成装置においても、初期回転動作時に、最も駆動速度の遅い画像形成モードを利用することにより、稼動音、感光ドラムの一次帯電音を減らすことが可能となり、さらに第1の実施の形態と同様にドラム軸にかかる動トルクを減らすことによって駆動モータの脱調を防ぐことができる。
【0068】
なお、本実施の形態においては最も遅い画像形成モードを利用することとしているが、もちろん、通常の全速モードよりプロセススピードが遅い画像形成モードであっても、本願発明の課題を解決することができるのはいうまでもない。すなわち本実施の形態において、プロセススピードを200mm/secである画像形成モードを選択してもよい。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、装置起動時の初期回転動作時において、複数のプロセススピードの内でより遅いプロセススピードをとり、且つ、立ち上げ時に行う前記初期回転動作にはより遅いプロセススピードのプロセス条件を使用することにより、攪拌部材を駆動する駆動装置の軸にかかるトルクを減少させ、脱調を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置の初期回転動作時と画像形成時におけるシーケンスチャートである。
【図2】本実施の形態に係る画像形成装置の略断面図である。
【図3】第1の実施の形態に係る画像形成装置のプロセス条件を示した表である。
【図4】本実施の形態に係る画像形成装置の帯電ローラに印加する交流電圧の周波数と帯電音の関係を示した図である。
【図5】本実施の形態に係る画像形成装置のプロセススピードと攪拌軸にかかるトルクとの関係を示した図である。
【図6】本実施の形態に係る画像形成装置に着脱自在のプロセスカートリッジの断面図である。
【図7】本実施の形態に係る画像形成装置にけるプロセススピードと稼動音との関係を示した図である。
【図8】第2の実施の形態に係る画像形成装置のプロセス条件を示した表である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 レーザビーム
4 現像装置
5 転写ローラ
6 定着装置
7 クリーニング装置
8 トレイ
9 カセット
10 給紙ローラ
11 レジストローラ
211 トナー攪拌部材
P 被記録材
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真式プリンタ、複写機及び静電記録装置等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、レーザビームプリンタなどの電子写真画像形成方式を利用した画像形成装置が広く使用されている。特に最近、オフィスのネットワーク化が進み、プリンタを複数のユーザが同時に使用したり、文書の電子化により複写機の代用として大量の出力をプリンタで行うため、装置の高速化が求められている。
【0003】
また、その一方で多様なメディアに対するプリントの要求も高まっている。例えば、レイド紙など表面が粗い紙や、厚紙に対しても普通紙と同等にプリントする装置が求められており、定着しづらいメディアに対してはスループットを抑えて定着性を維持する装置も使用されている。
【0004】
このような要求に応えるため、主要な紙種に対する画像形成モードでは、装置はフルスピードで動作し、特殊な用途の紙種に対する画像形成モードでは、装置は低速のプロセススピードで動作する、という機能を備えた装置が提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平1−297677号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の画像形成装置では、下記のような問題が生じていた。
【0007】
(初期トルクの増大)
画像形成装置に使用されるカートリッジは、高速化に伴い大量のプリントアウトを行うことが多くなるため、トナー容量が増大する傾向がある。この場合、長期間に渡って保存したり輸送の際の振動を受けたりすると、トナーが凝集し、かさ密度が3〜4割程度増大するといったパッキング現象が生じやすくなる。
【0008】
このようなパッキング現象が起きると、トナーを攪拌する攪拌部材への回転負荷が増大し、ひどい場合、回転困難となり攪拌部材自体が破損する可能性がある。また、駆動系であるモータが脱調する可能性もある。
【0009】
この問題に対する解決策として、モータのイニシャル起動時に、通常回転速度より低い速度で攪拌部材を回転させることを特徴とする像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0010】
しかしながら、このようにイニシャル回転時のみに通常と異なるスピードとする場合、元来複数のプロセススピードとそれぞれに対応したプロセス条件を有する画像形成装置と比べると、そのための付加回路や、モータと攪拌部材との間の伝達機構に変速機構を介在させる必要がある。しかし、このような構成を付加することは、パッキング現象が発生するのが実質的にはカートリッジを画像形成装置に装着した初期のみであることを考慮すると、装置全体のコストアップの要因となる。
【0011】
(駆動音、帯電音)
また、プリンタの高速化に伴い、プリンタ本体の駆動音や、帯電部材である導電体ローラに印加された電圧の交流成分によって帯電装置が振動して発生する「帯電音」など、ユーザにとって耳障りな騒音が増加するという問題が生じている。特に、プリンタの電源オンオフ時やカートリッジ装着時は、ユーザがプリンタ近傍に在るために不快感を感じる可能性が高い。
【0012】
以上のように、プリンタの高速化つまりプロセススピードの増加に伴って、画像形成装置における帯電音とトルクは増加傾向となる。
【0013】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、簡易な構成で初動時の駆動モータの脱調を防止する画像形成装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
少なくとも像担持体と該像担持体を帯電する帯電部材と、を有するプロセスカートリッジが着脱可能であって、複数のプロセススピードにより被記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
前記複数のプロセススピードのなかで最も速い第1のプロセススピードと、前記複数のプロセススピードのなかで前記第1のプロセススピードより遅い第2のプロセススピードと、を選択する選択手段と、
画像形成装置の電源ON信号、前記プロセスカートリッジの装着信号、あるいは前記プロセスカートリッジに充填された現像剤の凝集度に応じた信号、を検知する検知手段と、
いずれかの前記信号を検知した場合に、前記プロセスカートリッジの初期動作が前記第2のプロセススピード及び該第2のプロセススピードに応じたプロセス条件により行われるように前記選択手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
前記帯電部材は、直流電圧に交流電圧が重畳された電圧が印加されており、前記像担持体に対して接触していてもよい。
【0016】
前記複数のプロセススピードの内最も遅いプロセスピードは前記第1のプロセススピードの2/3以下であることが好適である。
【0017】
前記第1のプロセススピードは、150mm/sec以上であってもよい。
【0018】
前記プロセス条件は、帯電条件であり、
該帯電条件は、前記交流電圧の周波数がプロセススピードに略比例し、前記第1のプロセススピードでは2400Hz以上であってもよい。
【0019】
上記構成により、例えば、画像形成装置へのプロセスカートリッジ装着時の初期回転動作において、複数のプロセススピードの内で普通紙等の通常の紙種に画像を形成する第1の画像形成モードにおけるプロセススピードより遅い、第2のプロセススピードに応じたプロセス条件により動作させることにより、駆動モータにかかる動トルクを少なくすることができる。また、プロセススピードを遅くすることで、モータ駆動音、感光ドラムの一次帯電音をも少なくすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、以下の説明で一度説明した部材についての材質、形状などは、特に改めて記載しない限り初めの説明と同様のものである。
【0021】
(第1の実施の形態)
図2は本発明が適用される本実施の形態に係る画像形成装置の略断面図である。
【0022】
図2において、像担持体である感光ドラム1は、OPC(有機光導電体)やアモルファスシリコン等の感光材料を、アルミニウムやニッケル等のシリンダ状の基板上に形成して構成されている。
【0023】
初めに感光ドラム1の表面は、帯電装置としての帯電ローラ2によって一様に帯電される。次に露光手段であるレーザビーム3を画像情報に応じてON/OFF制御し走査露光がなされ、感光ドラム1上に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置4で現像され、可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法等が用いられ、イメージ露光と反転現像との組み合わせで用いられることが多い。
【0024】
被記録材Pは手差しトレイ8またはカセット9から給紙ローラ10によって取り出され、後端検知センサ(不図示)で被記録材サイズ検知を行い、レジストローラ11に送られる。被記録材サイズはレジストセンサ(不図示)で行っても良い。カセット9は500枚の紙を収容する能力があるが、手差しトレイ8は50枚程度の収容能力である。
【0025】
被記録材Pはレジストローラ11によって、感光ドラム1表面に形成されたトナー像と同期を取り、感光ドラム1と転写ローラ5とで形成される転写ニップ部に供給される。転写ニップ部において、感光ドラム1上のトナー像は不図示の電源による転写バイアスの作用で被記録材Pに転写される。
【0026】
トナー像を保持した被記録材Pは定着装置6へ搬送され、定着装置6のニップ部で加熱・加圧されてトナー像が被記録材P上に定着され永久画像となり機外へ排出される。
【0027】
一方、転写後に感光ドラム1上に残留する転写残留トナーは、クリーニング装置7により感光ドラム1表面より除去される。
【0028】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置のプロセススピードについて説明する。図3は、本実施の形態に係る画像形成装置のプロセス条件を示した表である。本実施の形態に係る画像形成装置は、2種類のプロセススピードで動作することができる。
【0029】
このように異なるプロセススピードで動作する複数の画像形成モードを有するのは、プリンタの高速化や紙等の被記録材の多様化に対応するためである。すなわち、一種類のプロセススピードで全ての種類の被記録材に対応するより、一般的に使用される所定のコピー用紙等に対しては生産性を重視し、最も速いプロセススピードで動作する第1の画像形成モードにより、特殊な用途に限定される紙種に対しては定着性や搬送性を重視し、より低速のプロセススピードで動作する第2の画像形成モードにより、対応する方が有効である場合が増えてきた。
【0030】
紙種を例に考えてみると、一般的な用途としてはA4、LTRサイズで紙種が一般的な普通紙の場合で、特殊な用途というのは、例えばBond紙、Laid紙と呼ばれる表面がざらざらしたいわゆるラフ紙の場合である。
【0031】
このようなラフ紙はトナーを定着しにくいので、フルスピードで定着できるような強力な定着器を装置に設けるよりも、プロセススピードを落として低速でプリントした方が装置の小型化や省エネルギーの観点からも合理的である。
【0032】
従って、本実施の形態における画像形成装置は、標準的な紙であるA4、LTRサイズで紙種が一般的な普通紙については最も速いプロセススピードで動作する第1の画像形成モードにより、Bond紙、Laid紙と呼ばれる表面がざらざらしたいわゆるラフ紙については、ユーザがラフ紙モードを設定すると第1のの画像形成モードより低速なプロセススピードである第2の画像形成モードによりプリントされる仕様としている。
【0033】
また、給紙口については、主要なモードである第1の画像形成モードでは、カセットからの給紙で、これはフルスピードでプリントできる。ところが、手差し給紙口のような不定形サイズ用や特殊紙用の給紙口は、フルスピードに対応するための給紙機構を設けるよりも低プロセススピードのみに対応できるような機構で十分であり、手差し給紙口に関してはフルスピードより低いプロセススピードに対応するものとした。
【0034】
上記理由によっても、複数のプロセススピードを設けたプリンタや複写機等が必要とされる。そこで、本実施の形態に係る画像形成装置において、カセットからの通常紙給紙の場合、A4サイズ紙40ppm(1分間に40枚プリント)でプロセススピードは約260mm/secとし、手差し給紙口からの場合、ラフ紙モードでは、A4サイズ紙20ppmでプロセススピードは約130mm/secとした。
【0035】
以後、この2種類のプロセススピードの内で速い方を全速モード(第1の画像形成モード)、遅い方を半速モード(第2の画像形成モード)と呼ぶ。
【0036】
次に、プロセススピードに応じた、画像形成のプロセス条件について、説明する。
【0037】
図3より、本実施の形態では帯電ローラに印加される一次帯電ACの周波数及び流れる電流値をプロセススピードに応じて変更している。これは以下の理由による。
【0038】
本実施の形態においては、帯電ローラを感光ドラムに接触させAC+DC電圧を印加することで、感光ドラム表面を一様に帯電している。この時の帯電周波数は、プロセススピードと画素密度に応じて選択される。即ち、周波数Vf(Hz)とプロセススピード(mm/sec)の比が5以上であり、且つ、モアレを回避するため画像形成の画素密度(dpi、即ちドット/インチ)に対して前記交流成分の周波数Vf(Hz)が、画素密度をA(dpi)、プロセススピードをVp(mm/sec)、Mを1以上の整数とした時に、次式
0.9〔Vp/{(25.4/A)×M}〕≦ Vf ≦1.1〔Vp/{(25.4/A)×M}〕
の範囲に入らないことを前提とするためである。
【0039】
本実施の形態の画像形成装置本体は600dpiであるため、プロセススピード260mm/secの場合は、M=2において2763≦Vf≦3377、M=3において1842≦Vf≦2251となり、Vf=2500Hzはモアレ発生範囲に該当せず、Vfは明らかにプロセススピードの5倍以上を満たしている。
【0040】
また、130mmの場合は、M=2において1381≦Vf≦1688、M=3において921≦Vf≦1125となり、Vf=1250Hzはモアレ発生範囲に該当せず、Vfは明らかにプロセススピードの5倍以上を満たしている。
【0041】
本実施の形態では、以上のようにモアレを回避するような条件のプロセス条件を使用している。
【0042】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の帯電音に関して述べる。上述のように帯電ローラによって感光ドラムの一次帯電を行っており、この帯電ローラは芯金の外周に同心一体にローラ形状に形成された発砲部材と、発砲部材を囲繞する導電層と、さらにその外周面を被覆する中抵抗層とによって構成されている。
【0043】
上述の帯電ローラを用いて、N/N(気温25℃、湿度60%)環境にて、帯電部材に印加する交流バイアスを2.0kVppとし、画像形成装置を無響室にセットし、帯電音を測定した。図4は、本実施の形態に係る画像形成装置の帯電ローラに印加する交流周波数と帯電音の関係を示した図である。
【0044】
図4より、2400Hzの領域から急激に帯電音が大きくなりユーザーに不快感を与え始めることがわかる。本実施の形態によれば、帯電の周波数が高いと帯電音の音程も高くなるために非常に耳につきやすくなる。
【0045】
そのため、図4における2500Hz、52dBの点程度からユーザーが不快感を感じるレベルとなる。
【0046】
次に、本実施の形態における画像形成装置の攪拌動トルクについて述べる。図5は、本実施の形態に係る画像形成装置のプロセススピードと攪拌軸にかかるトルクとの関係を示した図である。図6は、本実施の形態に係る画像形成装置に着脱自在のプロセスカートリッジの略断面図である。
【0047】
まず、図6において感光ドラム201と現像剤担持体208とトナー攪拌部材211は画像形成装置本体の駆動モータと同期しているので、課題として上述したパッキング現象による攪拌トルクの増大により、攪拌部材211の破損、駆動モータの脱調が考えられる。
【0048】
図5に示すように、本実施の形態において、全速モード時(プロセススピード260mm/sec)のドラム軸にかかる動トルクは11.88kgf・cm(≒116.4N・cm)である。
【0049】
次にプリンターの初期回転動作について説明する。
【0050】
初期回転動作では、通常カートリッジの有無検知や、Jam等で汚れた場合の為に転写ローラのクリーニングを行う。
【0051】
具体的には初期回転動作中にトナー残量を検知するために現像ACを印加し、転写ローラのクリーニングのために転写バイアスを印加している。
【0052】
従って、これらの動作中は、現像バイアスによるドラムへのトナー付着や転写ローラクリーニングの際にローラ上に付いているトナーを電界によってドラムに付着させるために、ドラムは帯電している必要がある。
【0053】
次に、本実施の形態における初期回転動作時、画像形成時におけるシーケンスチャートを図1に示す。図1に示すように、初期回転動作時においては、画像形成時よりも遅いプロセススピードである半速モードで駆動する。また、本実施の形態における画像形成装置の解像度は一定であり、前記の帯電ムラが生じる条件を満たすことはなく、感光ドラムに対する一次帯電における周波数は、全速モードの場合は2500Hzであり、半速モードの場合は1250Hzである。
【0054】
プロセススピードが半分になるために、図7に示すように、稼動音はN/N環境において全速モードで56dB、半速モードで49dBに減衰する。また、それぞれの帯電音に関する音圧は、N/N環境において全速モードで54dB、半速モードで45dBに減衰する。
【0055】
そのため、本実施の形態において、半速モードを使用することによって稼動音をユーザーに不快感を与えない程度に音圧値を下げることが可能である。
【0056】
また、半速モードを使用することによって、図6におけるカートリッジのトナー攪拌部材211の軸中心にかかる動トルクを低減することが出来る。つまり、プロセススピードとドラム軸にかかる動トルクの関係は、図5に示すように、プロセススピードを遅くすればドラム軸にかかる動トルクは小さくなる。
【0057】
さらに、図6において感光ドラム201と現像剤担持体208とトナー攪拌部材211は装置の駆動モーターと同期しており、モータのトルクは出力MAX値11.5kgf・cm(≒112.7N・cm)に設定されており、全速モードではドラム軸にかかる動トルクが11.88kgf・cm(≒116.4N・cm)であるので、駆動モータの脱調が生じる可能性がある。しかし、半速モードではドラム軸にかかる動トルクが10.35kgf・cm(101.4N・cm)に低減することができ、モータの脱調を回避することが可能である。
【0058】
このように、本実施の形態に係る画像形成装置においては、全速モードか半速モードかによって稼動音、感光ドラム一次帯電音、ドラム軸にかかる動トルクに差が生じる。
【0059】
したがって、画像形成装置の電源ON信号、画像形成装置へのプロセスカートリッジ装着信号、コンピュータ等からのプリント命令信号、あるいはプロセスカートリッジに充填された現像剤の凝集度に応じた信号(例えば、光学的に現像剤の嵩変動を検知する場合や、インダクタンスセンサーにより現像剤の凝集度を検知した場合)等を、不図示の検知手段により検知した場合は、直後の初期回転動作時においては、必ずしも全速モードで装置を動作させる必要はないため、プロセススピード(画像形成モード)を選択する選択手段により半速モードで動作させることで、トナー攪拌部材を駆動させるモータにかかるトルクを減らすことができ、駆動モータの脱調を防止することができる。
【0060】
また、稼動音、感光ドラムの一次帯電音を減らすことが可能となり、画像形成装置の周囲において操作する者の不快感を軽減することができる。
【0061】
なお、本実施の形態において、上述の検知手段としては、回路を通した電気的な信号や、機械的な接触により導通し流れた電流を信号としても良い。例えば、画像形成装置と、これに着脱自在なプロセスカートリッジの嵌合部の双方に金属板等の接触部を設け、装着時に金属板同士が接触し導通することで信号を検知してもよい。
【0062】
上述の選択手段としては、ユーザーが検知信号をランプ等で確認し、ボタン等の機械部品により複数の画像形成モードからプロセススピードがより遅い画像形成モードを選択してもよく、あるいは、前記検知手段により検知した信号を電気的に選択判別するCPU等の電気回路を画像形成装置やプロセスカートリッジに備えてもよい。
【0063】
上述の制御手段としては、前記選択手段を兼ねたCPU等の電気回路であってもよく、また別に設けた他の演算処理手段であってもよい。
【0064】
(第2の実施の形態)
前述した第1の実施の形態では、2種類のプロセススピードとそれぞれに応じたプロセス条件を有する画像形成装置において、本発明がどのように用いられているかを示したが、第2の実施の形態では3種類のプロセススピードとそれぞれに応じたプロセス条件を有する画像形成装置の場合を示す。図8は、第2の実施の形態に係る画像形成装置のプロセス条件を示した表である。
【0065】
本実施の形態では、画像形成時には通常速度260mm/secを使用し、前多回転動作時には最も遅い130mm/secを使用している。この場合、図8に示すように、前多回転動作時の一次帯電における周波数は1250Hzである。前述の第1の実施の形態と同様にモアレ発生範囲を回避している。
【0066】
また、一次帯電における周波数と帯電音圧の関係は、図4に示すようになる。そして、プリンタの稼動音とプロセススピードの関係は図7に示すようになる。故に、図7より明らかに通常時のプロセススピードを使用するよりも、最も遅いプロセススピードを使用した方が、帯電音、稼動音が小さくなる。
【0067】
そのため、3種類のプロセススピードとそれに応じたプロセス条件を有する画像形成装置においても、初期回転動作時に、最も駆動速度の遅い画像形成モードを利用することにより、稼動音、感光ドラムの一次帯電音を減らすことが可能となり、さらに第1の実施の形態と同様にドラム軸にかかる動トルクを減らすことによって駆動モータの脱調を防ぐことができる。
【0068】
なお、本実施の形態においては最も遅い画像形成モードを利用することとしているが、もちろん、通常の全速モードよりプロセススピードが遅い画像形成モードであっても、本願発明の課題を解決することができるのはいうまでもない。すなわち本実施の形態において、プロセススピードを200mm/secである画像形成モードを選択してもよい。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、装置起動時の初期回転動作時において、複数のプロセススピードの内でより遅いプロセススピードをとり、且つ、立ち上げ時に行う前記初期回転動作にはより遅いプロセススピードのプロセス条件を使用することにより、攪拌部材を駆動する駆動装置の軸にかかるトルクを減少させ、脱調を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置の初期回転動作時と画像形成時におけるシーケンスチャートである。
【図2】本実施の形態に係る画像形成装置の略断面図である。
【図3】第1の実施の形態に係る画像形成装置のプロセス条件を示した表である。
【図4】本実施の形態に係る画像形成装置の帯電ローラに印加する交流電圧の周波数と帯電音の関係を示した図である。
【図5】本実施の形態に係る画像形成装置のプロセススピードと攪拌軸にかかるトルクとの関係を示した図である。
【図6】本実施の形態に係る画像形成装置に着脱自在のプロセスカートリッジの断面図である。
【図7】本実施の形態に係る画像形成装置にけるプロセススピードと稼動音との関係を示した図である。
【図8】第2の実施の形態に係る画像形成装置のプロセス条件を示した表である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 レーザビーム
4 現像装置
5 転写ローラ
6 定着装置
7 クリーニング装置
8 トレイ
9 カセット
10 給紙ローラ
11 レジストローラ
211 トナー攪拌部材
P 被記録材
Claims (5)
- 少なくとも像担持体と該像担持体を帯電する帯電部材と、を有するプロセスカートリッジが着脱可能であって、複数のプロセススピードにより被記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
前記複数のプロセススピードのなかで最も速い第1のプロセススピードと、前記複数のプロセススピードのなかで前記第1のプロセススピードより遅い第2のプロセススピードと、を選択する選択手段と、
画像形成装置の電源ON信号、前記プロセスカートリッジの装着信号、あるいは前記プロセスカートリッジに充填された現像剤の凝集度に応じた信号、を検知する検知手段と、
いずれかの前記信号を検知した場合に、前記プロセスカートリッジの初期動作が前記第2のプロセススピード及び該第2のプロセススピードに応じたプロセス条件により行われるように前記選択手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記帯電部材は、直流電圧に交流電圧が重畳された電圧が印加されており、前記像担持体に対して接触していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記複数のプロセススピードの内最も遅いプロセスピードは前記第1のプロセススピードの2/3以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記第1のプロセススピードは、150mm/sec以上であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の画像形成装置。
- 前記プロセス条件は、帯電条件であり、
該帯電条件は、前記交流電圧の周波数がプロセススピードに略比例し、前記第1のプロセススピードでは2400Hz以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
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