JP2004133133A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ピッチむらや中抜け等の画像不良を防止できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】転写ローラ13を感光ドラム1に従動回転させ、感光ドラム1の表面速度と搬送ローラ102の搬送速度を同じに設定した画像形成装置において、転写材が定着器に到達する前の領域では、転写材に転写される画像の間引き処理を行うことで、転写部で転写材に転写されるトナー像の中抜けを防止する。一方、転写材が定着器に到達した後の領域では、転写ニップ下流に設けられた定着器40の加圧ローラ44の搬送速度を感光ドラム1の表面速度より速く設定し、転写部における転写材の速度を感光ドラムの表面速度よりも速くすることで、中抜けを防止する。
【選択図】 図5
【解決手段】転写ローラ13を感光ドラム1に従動回転させ、感光ドラム1の表面速度と搬送ローラ102の搬送速度を同じに設定した画像形成装置において、転写材が定着器に到達する前の領域では、転写材に転写される画像の間引き処理を行うことで、転写部で転写材に転写されるトナー像の中抜けを防止する。一方、転写材が定着器に到達した後の領域では、転写ニップ下流に設けられた定着器40の加圧ローラ44の搬送速度を感光ドラム1の表面速度より速く設定し、転写部における転写材の速度を感光ドラムの表面速度よりも速くすることで、中抜けを防止する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子写真を応用した複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置および画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は従来の画像形成装置の画像形成プロセスに係わる部分の構成を示す図である。感光ドラム201の周囲には、その回転方向に沿って順に、帯電ローラ(帯電装置)202、露光装置204、現像装置207、転写ローラ213、クリーニングブレード214が配置されている。また、画像形成装置本体の下部には、紙等のシート状の転写材Pを収納した給紙カセット300が配置されており、転写材Pの搬送経路に沿って上流側から順に、給紙ローラ301、搬送ローラ302、トップセンサ303、転写ローラ213、定着装置240が配置されている。
【0003】
上記構成を有する画像形成装置の動作を示す。駆動部(図示せず)によって図中矢印a方向に回転駆動された感光ドラム201は、帯電ローラ202によって所定の極性で所定の電位に一様に帯電される。帯電後の感光ドラム201の表面に対し、レーザ光学系等の露光装置204によって露光が行われ、露光部分の電荷が除去されると、静電潜像が形成される。静電潜像は、現像装置207によって現像される。
【0004】
現像装置207は、現像ローラ210を有しており、この現像ローラ210に現像バイアスを印加し、感光ドラム201上の静電潜像にトナーを付着させることでトナー像としての顕像化を行う。トナー像は、転写ローラ213によって紙等の転写材Pに転写される。転写材Pは、給紙カセット300に収納されており、給紙ローラ301および搬送ローラ302によって給紙・搬送され、トップセンサ303を経由して感光ドラム201と転写ローラ213との間の転写ニップ部Nbに搬送される。
【0005】
このとき、転写材Pはトップセンサ303によってその先端が検知され、感光ドラム201上のトナー像と同期がとられる。また、トップセンサ303の信号によって転写ローラ213には、所定の転写バイアスが印加され、これにより感光ドラム1上のトナー像が転写材Pに転写される。転写によって表面に未定着トナー像を担持した転写材Pは、定着装置240に搬送されると、ここで、未定着トナー像が加熱/加圧されて転写材P表面に定着される。一方、トナー像転写後の感光ドラム201は、転写材Pに転写されないで表面に残ったトナーがクリーニングブレード214によって除去されると、次の画像形成に備える。
【0006】
このような動作を繰り返すことで、次々と画像形成を行うことができる。また、転写部では、搬送ローラ等で形成されるニップ部に突入する際、あるいはニップ部から抜ける際、紙搬送速度が不安定になりやすく、転写部での画像を乱し、画像のぶれの原因となる。これを防止するために、転写ローラ213と感光ドラム201の接触圧はある程度高く設定されている。
【0007】
また、接触圧が高く設定されると、感光ドラム201と転写ローラ213で形成されるニップ部Nbでは、トナーが感光ドラムに吸着し、所定のトナー像が転写材に転写できないという画像不良(以下、中抜けという)が悪化していくる。
【0008】
そこで、転写ローラをギアで駆動し、転写ローラの表面速度を感光ドラムの表面速度に対して速く設定しておき、転写材の速度を感光ドラムの表面速度以上にすることで、静電的な力に加え、機械的な擦り取る力を感光ドラム上のトナーに付与することで、中抜けの防止が図られている。
【0009】
また、画像処理で間引きを行う画像形成装置が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−201985号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の画像形成装置では、以下に掲げる問題があり、その改善が要望されていた。すなわち、近年の画像形成装置においては、現状のレベルに対し、高精細、高解像度化が要求されるようになってきた。このため、1ドットや細線を忠実に再現でき、画像不良が発生しないものが必須になっている。こういった状況の中、転写部での画質改善は必須であり、このため、転写部における記録材の安定した搬送速度が必要である。
【0012】
しかし、前述したように、様々な画像不良を防止し、かつその上で中抜けを防止するために、転写ローラをギアで駆動し、感光ドラムの表面速度に対して転写ローラの表面速度を速く設定することで、転写材の速度を速くしている構成では、以下の問題があった。すなわち、転写ローラをギアで駆動するので、ギア同士の噛み合い時に発生する衝撃により、搬送速度の時間的揺らぎが発生し、その影響により搬送方向に対して横方向の縞が画像に発生してしまう(以後、ピッチむらという)。これは、ギア駆動固有の問題であるので、ギアをとることで解消するが、そうすると、発生する中抜けを防止することが難しくなる。
【0013】
そこで、本発明は、ピッチむらや中抜け等の画像不良を防止できる画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、画像情報に基づき、像担持体を露光する露光手段と、該露光された像担持体にトナー像を形成して現像する現像手段と、前記トナー像をシートに転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、前記シートに転写されるトナー像の中抜けを防止するために、前記画像情報を間引き処理する間引き手段を備え、前記露光手段は、前記間引き処理された画像情報に基づいて露光することを特徴とする。
【0015】
また、前記トナー像が転写されたシートを下流側に搬送する下流側シート搬送手段を備え、前記間引き手段は、前記シートの先端が前記転写手段から前記下流側シート搬送手段に到達する迄の間、前記画像情報を間引き処理することを特徴とする。
【0016】
さらに、前記下流側シート搬送手段の搬送速度は、前記転写手段による搬送速度に比べて、所定値だけ速く設定され、前記シートの先端が前記転写手段から前記下流側シート搬送手段に到達した後、前記間引き手段による前記間引き処理を中止することを特徴とする。
【0017】
また、連続通紙を行う場合、連続して搬送されるシートの枚数を計数する計数手段と、該計数されたシートの枚数を基に、前記下流側シート搬送手段の搬送速度を設定する速度設定手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
本発明の画像形成方法は、画像情報に基づき、像担持体を露光する露光ステップと、該露光された像担持体にトナー像を形成して現像する現像ステップと、前記トナー像をシートに転写する転写ステップとを有する画像形成方法において、前記シートに転写されるトナー像の中抜けを防止するために、前記画像情報を間引き処理する間引きステップを有し、前記露光ステップでは、前記間引き処理された画像情報に基づいて露光することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の画像形成装置および画像形成方法の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0020】
[第1の実施形態]
(画像形成プロセス)
図1は第1の実施形態における画像形成装置の画像形成プロセスに係わる部分の構成を示す図である。この画像形成装置では、画像形成プロセス系として、感光ドラム1、帯電ローラ2、現像装置7、クリーニングブレード14、転写ローラ13、定着器40などが配置され、光学系として、レーザスキャナ4、ミラー6などが配置されている。また、転写材搬送系として、転写材積載カセット100、給紙ローラ101、転写前搬送ローラ(搬送ローラ)102、通紙センサ103などが配置されている。
【0021】
被帯電体(像担持体)としての感光ドラム1は、アルミニウム製の導電性基体の表面に光導電性の感光層を積層して構成されており、図中矢印a方向に回転・駆動される。また、感光ドラム1は、回転過程において、帯電ローラ2により均一に負極に帯電する。ビデオコントローラ(図示せず)から送られる画像情報(時系列電気デジタル画像信号)に対応したレーザ光がレーザスキャナ4から出力され、画像形成装置本体に設置されているミラー6を介して照射されることにより、感光ドラム1の表面には静電潜像が形成される。この感光ドラム1上の静電潜像は、現像装置7内の現像スリーブ10上に担持されたトナー8により反転現像され、顕像化する。
【0022】
トナー像は転写ローラ13によって転写材P上に転写される。トナー像が転写された転写材Pは、感光ドラム1から分離されると、定着器10に導かれる。定着器10でトナー像が定着された後、画像形成装置本体から排出される。
【0023】
尚、トナー像転写後の感光ドラム1上に残った転写残りトナーは、クリーニング14により除去され、次の画像形成プロセスが行われる。
【0024】
(転写材搬送系)
転写材積載カセット100に積載された転写材は、給紙ローラ101が1回転することで少なくとも搬送ローラ102まで搬送された後、搬送ローラ102の搬送力により、転写ニップNbに突入する。転写ニップNb部付近で感光ドラム1から転写されたトナー像を静電保持する転写材は、定着器40まで搬送されると、定着器40により挟持され、定着・搬送される。
【0025】
定着器40に挟持されると、定着器40、転写ニップNbおよび搬送ローラニップNaで同時に挟持・搬送されることになる。そして、所定距離搬送された後、搬送ローラニップNaを抜けると、定着器40および転写ニップNbにおける搬送力により転写材Pは搬送される。さらに、所定距離搬送された後、転写ニップNbを抜ける。尚、本実施形態では、転写後の搬送部材として、定着器40を用いているが、搬送を担うものであればよく、これに限定されない。
【0026】
(帯電)
帯電ローラ2は、芯金とその外周のローラ状に被覆された中抵抗弾性ゴム層から構成されており、芯金の両端が軸受によって回転自在に支持されるとともに、帯電ローラ2が常時感光ドラム1に当接するように支持されている。そして、帯電ローラ2は感光ドラム1に対して従動回転している。
【0027】
帯電ローラ2の芯金は、DCバイアスおよびACバイアスを重畳できる帯電バイアス印加電源17と電気的に接続されており、この芯金を通じて帯電ローラ2にバイアスを印加することで、感光ドラム1の表面は所定の電位に帯電処理される。
【0028】
(現像)
現像装置7は、非接触現像方式を採用したものであり、トナー8を担持して感光ドラム1に搬送するトナー担持体である現像スリーブ10、および現像容器3を有する。現像容器3内にはトナー8を攪拌し、現像スリーブ10方向に送り込むための攪拌部材30が設けられており、図中矢印e方向に回転している。
【0029】
現像スリーブ10は、素管上にカーボンを分散させた塗料をコートしたものであり、非磁性である。素管はアルミニウム、ステンレス鋼等で構成されている。また、塗料コートによって現像スリーブ10の表面は粗さを有しており、その粗さは現像スリーブ10のトナー搬送に寄与する。
【0030】
さらに、現像スリーブ10は、軸受け(図示せず)によって回転自在に支持されており、感光ドラム1からギア(図示せず)を介して、図中矢印b方向に回転している。また、現像スリーブ10は、DCバイアスにACバイアスを重畳可能な電源12に接続されており、電源12のバイアス印加によって感光ドラム1上の潜像がトナー像として可視化される。また、現像スリーブ10は直径φ16mmのものであり、感光ドラム1に対して所定の現像間隔をもって対向・支持されている。
【0031】
また、現像スリーブ10上のトナー8の層厚規制を行うトナー層厚規制部材であるドクターブレード9は、摩擦帯電によりトナー8に適正なトリボを与えている。トナー8は磁性一成分ネガトナーである。ドクターブレード9は、ウレタンゴムを現像スリーブ10に対し、当接力P(スリーブ長手方向の1cm当たりの当接荷重gf/cm)、例えば35gf/cmで当接するように配置されている。板金20は、現像装置7の内壁に固定されている。
【0032】
現像スリーブ10の内部にはマグネットローラ11が固定されている。このマグネットローラ11は4つの磁極を有しており、4つの磁極のうち、感光ドラム1に対向しているものがS1極であり、トナー8が感光ドラム1上に飛翔して現像されるとき、カブリの要因となるトナーを現像スリーブ10上に付着させておくために必要である。
【0033】
S1極の反対側に配設されている磁極がS2極であり、現像容器3のトナー8を現像スリーブ10に吸着させ、現像スリーブ10の回転に伴い、その近傍でトナー8を循環させる機能を有する。この循環は、トナー8のトリボ付与に寄与する。N1、N2極は、現像スリーブ10上にコートされているトナー8の搬送およびトリボ付与に寄与する。本実施形態では、4極のマグネットローラを用いたが、上記機能を果たす極が存在すればよく、4極に限ることはない。尚、現像スリーブ10の下部に位置する現像容器3の内側には、トナー吹き出し防止シート18が設けられており、現像スリーブ10の下部からのトナー漏れを防止する。
【0034】
(転写)
転写ローラ13は、SUS、アルミ等からなる芯金の外周に、体積抵抗1×105〜1×1012Ωcm程度の中抵抗弾性ゴム層をローラ状に被覆した構成を有する。芯金の両端は軸受けにより回転自在に支持されており、転写ローラ13が常時感光ドラム1に当接するように、軸受けはばね材により総加重700gfで加圧・支持されている。この転写ローラ13は感光ドラム1に従動して回転する。
【0035】
一方、転写前の搬送ローラ102は、芯金の上にEPDM等のゴム材がローラ状に形成されたものである。感光ドラム1の表面速度に対し、搬送ローラ102の表面速度は同じになるように設定されている。本実施形態では、これらの表面速度は85.6mm/sである。
【0036】
(定着)
図2は定着器40の構成を示す図である。本実施形態の定着器40はオンデマンド定着方式のものである。図において、42はヒータであり、セラミック基板上に導電ペーストが印刷されたものである。導電ペースト部は、電源(図示せず)により給電されて発熱し、ヒータとして所望の温度になるように制御されている。
【0037】
43は定着フィルムであり、3層構造になっている。最も内側の層(第1層)はベース層であり、定着フィルムのねじれ強度、平滑性などの機械的特性を担う層であり、ポリイミドなどの樹脂からできている。第2層は導電プライマ層であり、カーボンブラックなどの導電性粒子が分散された導電層であり、第3層とベース層の接合を行なう接着剤の役目も担っている。最も外側の層がトップ層(第3層)であり、さまざまな画像不良を引き起こさないよう、最適な抵抗値と膜厚になるように設計される。
【0038】
41はヒータ42の支持部材としてのヒータホルダであり、定着フィルム43の円滑な回転を促す案内部材としての役割を有する。44は加圧ローラであり、アルミ、鋳鉄などで作られる芯金をシリコーンゴムなど耐熱性がある絶縁性の弾性体で覆ったものである。加圧ローラ44の表層には、トナーに対して離型性を有するフッ素樹脂などがコートされている。また、加圧ローラ44の芯金端部には、駆動ギアが設けられており、この駆動ギアを介して加圧ローラ44は駆動される。また、芯金はAsker−C硬度(600gf加重)で45度の硬度を有しており、13kgfの加重により定着ニップNcを形成する。
【0039】
定着フィルム43は加圧ローラ44に従動・回転している。加圧ローラ44の表面速度は、後述するように、本実施形態では、感光ドラム1表面速度に対し、102%以上のスピードで設定される。この設定により、転写材Pが定着器40に挟持・搬送された時点で、定着ニップNcの搬送力は転写ニップNbの搬送力より大きくなるので、転写ニップNbにおける転写材Pの搬送速度が感光ドラム1の表面速度よりも速くなる。
【0040】
尚、本実施形態では、オンデマンド定着装置の場合を示したが、挟持・搬送する定着器である限り、特にこれに限定されるものではない。さらには、転写後の搬送を担い、感光ドラムの表面速度より転写材を速く搬送するような搬送手段を設ける場合、挟持・搬送する手段は、定着器でなくてもよい。
【0041】
(制御部)
図3は画像形成装置の制御部の構成を示す図である。図において、50は画像形成装置全体を制御するCPUである。55はCPU50によって実行されるプログラムやフォントデータ等を記憶するROMである。
【0042】
60はCPU50のワーク領域や受信バッファとして機能するRAMである。65は印刷出力ビットマップデータを展開するためのビットマップメモリである。70は上位装置であるホストコンピュータからの印刷データを受信したり、あるいは上位装置にステータス情報を送出するインターフェースである。
【0043】
75は画像形成装置に各種指示を与えたり、各種メッセージを表示する表示部を有する操作パネルである。90は転写材上に可視画像を記録するプリンタエンジン部80に、ビットマップメモリ65に展開されたイメージデータを出力する画像処理回路である。
【0044】
(画像処理)
画像処理回路90における画像処理を示す。本実施形態では、印字する画像情報1ページ分のうち、画像先端の搬送方向の転写ニップから転写直後に存在する搬送手段(本実施形態では定着器)までの搬送距離Lの間、画像処理を行う。この搬送距離L(転写ローラ13〜定着器40までの距離)は、本実施形態では70mmである。
【0045】
図4は画像処理回路90の構成を示すブロック図である。この画像処理回路90では、最外殻部が全て黒である主走査方向mドット×副走査方向nドットの画像データに対し、エッジ部の画像をそのままとし、非エッジ部の画像を間引くことにする。
【0046】
また、本実施形態では、最外殻部が全て黒である主走査方向mドット×副走査方向nドットの画像データをプリントする場合、多値の主走査方向mドット×副走査方向nドットの画像データ91に対し、そのエッジ部をエッジ部検出部92で検出する。エッジ部検出部92で検出されたエッジ部93の画像データは、D/D変換(濃度ダウン処理もしくはドット間引き処理)において補正されずに保持され、比較器96に供給される。ここで、エッジを検出するエッジ部検出部92は、1次微分回路または2次微分回路で構成される。例えば、注目画素を含む適当な大きさのウインドウを用意し、その中で最高濃度と最低濃度とを検出し、その差が所定値以上のときエッジ部に注目画素があると判断する。
【0047】
一方、非エッジ部94の画像データは、転写材上にプリントされるプリント画像濃度が画像データ補正前のプリント画像濃度と変わらない程度になるように、多値の非エッジ部の画像データをグレー濃度を小さくなる方向にD/D変換を行って補正される。
【0048】
この後、補正後の画像濃度データは比較器96に供給される。そして、比較器96は、画像濃度データに応じてディザなどのハーフトーン2値化処理、あるいは三角波を用いたPWM処理95によりレーザドライバ97の駆動信号を生成し、レーザを駆動する。2値化処理方法として、パターンディザ法、誤差拡散法、ハーフトーンスクリーン法などがある。また、例えば600dpi画像の場合、主走査方向1〜5ドット、副走査方向3〜8ドット幅の縦細線などの特定なパターンについては、エッジ部のみ画像データを保持し、非エッジ部の画像データを主走査方向で、例えば1ドット2スペース(1d2s)の間隔で画像を間引く処理を行う。
【0049】
(画像形成動作)
図5は画像形成動作処理手順を示すフローチャートである。転写材積載カセット100から給紙ローラ101によって給紙された転写材を搬送ローラ102、転写ローラ13によって搬送し、搬送される転写材が転写ニップNbに達すると、転写を行う(ステップS1)。
【0050】
そして、搬送される転写材の先端が定着器40に到達したか否かを判別し(ステップS2)、転写材の先端が定着器40に到達する前では、画像処理回路90で、前述した画像の間引き処理を行う(ステップS3)。この後、ステップS1に戻って同様の処理を繰り返す。
【0051】
一方、ステップS2で転写材の先端が定着器40に到達した後では、画像処理回路90での画像の間引き処理を中止する(ステップS4)。このとき、前述したように、定着器40の加圧ローラ44の搬送速度は、感光ドラム1の表面速度に対し、102%以上のスピードで設定されている。具体的に、加圧ローラ44の回転速度は1速:80.6rpmに設定される。この設定により、転写材Pが定着器40に挟持・搬送された時点で、定着ニップNcの搬送力は転写ニップNbの搬送力より大きくなるので、転写ニップNbにおける転写材Pの搬送速度は感光ドラム1の表面速度よりも速くなる。この後、ステップS1に戻って同様の処理を繰り返す。
【0052】
従来、転写ローラはギア駆動されており、ギアのかみ合わせ時の衝撃により発生する周期的な速度ゆらぎが発生していたが、本実施形態では、これを防止するようにギアを取り外すことで、ピッチむらを防止している。また、ギアを設けるスペースを必要としなくなり、さらにギアを駆動するための他の駆動構成も必要としなくなるので、部品点数を少なくできる。装置の構成を簡素化でき、この結果、画像形成装置の大きさを小さくできる。
【0053】
さらに、転写ローラを感光ドラムに従動させたことによる中抜けの悪化を防止するために、転写材が定着器に到達した後の領域では、転写ニップ下流にある定着器40の加圧ローラ44の搬送速度を感光ドラム1の表面速度よりも速く設定し、転写部における転写材の速度を感光ドラムの表面速度よりも速くすることで、中抜けを防止している。本実施形態では、定着器の加圧ローラの表面速度が感光ドラムの表面速度に対して2%速くなるように設定されている。尚、2%に限らず、装置の構成に応じて適宜設定してもよいことは勿論である。
【0054】
ここで、定着器に転写材を到達させるまでの間、搬送ローラ102を早回しすることでも、上記と同様の効果が得られるが、転写材の種類、例えば厚紙、薄紙等の転写材の硬さ(以後、こしと称す)が異なると、以下のような問題が生じる。つまり、搬送ローラ102の搬送速度と感光ドラム1の搬送速度との差により、それぞれの間で発生する転写材のループが異なる。その結果、転写材の搬送速度は、厚紙の場合速くなり、薄紙の場合遅くなる。このように、搬送速度が異なってしまい、こしの違う転写材では、先端の画像(定着器に到達するまでの転写材上の画像)が転写材上の所定の位置からずれてしまう(以後、画像伸びという)。このような転写材の搬送速度を制御することは難しく、採用されない。
【0055】
このため、本実施形態では、感光ドラム1の表面速度と搬送ローラ102の表面速度を同じに設定し、転写材の種類により画像伸び量の違いが発生しないようにした状況でも、中抜けを防止することに特徴がある。
【0056】
すなわち、本実施形態では、画像先端領域における画像を間引くことにより、防止する。そもそも中抜けは、ドラム上にトナー量が多い場合に発生し易い。例えば、レーザ露光では、潜像を形成する際、レーザスポットによる隣り合う露光部分の面積が干渉し合うので、干渉部分での感光ドラム上の電荷減衰量が大きくなり、この結果、その部分での現像によるトナー量が過剰となり、中抜けが悪化する。
【0057】
そして、このような干渉部分を減らすことで中抜けを防止することが可能である。このため、隣り合う露光部分が干渉し合わないように、レーザスポット径を小さくする技術等が挙げられるが、大量生産を行う場合、技術的、コスト的にも厳しい。そこで、本実施形態では、隣り合う露光部分に対し、濃度を低下させることなく、画像データの一部を間引くことで、中抜けを防止することにした。
【0058】
(評価結果)
図6は画像の評価結果を示すテーブルである。実施例、比較例、従来例は以下の通りである。
【0059】
実施例:転写ローラ従動、間引き画像処理有り、加圧ローラ増速有り
比較例:転写ローラ従動、間引き画像処理無し、加圧ローラ増速有り
従来例:転写ギア駆動
条件:環境23℃ 60%R.H. 14ppm機
この画像評価では、○、×の2段階に分けて評価した。○は発生せず、OKである。×はNGである。この検討結果、実施例では、ギア駆動系の転写ローラを有する従来例に対し、根本的にピッチむらを防止することができ、さらに、間引き画像処理を行わない比較例に対し、中抜けも同時に防止できる。
【0060】
このように、第1の実施形態の画像形成装置では、種々の転写材に対し、転写ローラ駆動等で発生するピッチむらや中抜けを同時に防止することができる。さらに、画像形成装置をコンパクトに構成することができる。
【0061】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、連続通紙を行う場合を考慮したものであり、連続通紙時、連続通紙枚数により定着器の駆動速度を変化させる点を特徴とする。すなわち、連続通紙を行っていくと、定着器で発生する熱によって加圧ローラ44が膨張し、その外径が増大することにより、加圧ローラの表面速度が速くなる。さらに、連続通紙の枚数が進むにつれて、転写材の搬送速度が速くなり、やがて転写材の後端から画像がはみ出してしまうおそれがある。この結果、転写材の後端からはみ出たトナー像が転写ローラを汚染することになり、転写材裏面を汚す結果となってしまう。
【0062】
そこで、第2の実施形態では、加圧ローラの駆動速度を3モードに分類し、連続通紙枚数に応じて、加圧ローラの駆動速度を切り替える。この切り替えは、以下に示すように、加圧ローラの回転速度に対して3段階で行われる。尚、前記第1の実施形態では、通常の加圧ローラの回転速度に対し、1速のみが設定されていた。
【0063】
1速:80.6rpm(0〜5枚)
2速:78.1rpm(6〜17枚)
3速:75.8rpm(18枚〜)
図7は第2の実施形態における加圧ローラの回転速度の切替処理手順を示すフローチャートである。ここで、画像形成装置の構成および画像形成動作は前記第1の実施形態と同じであるので、その説明を省略する。また、この処理は前記第1の実施形態の図5のステップS1の処理の中で行われるものである。画像形成が開始され、転写材積載カセット100から転写材が搬送されると、連続通紙枚数を計数する(ステップS11)。
【0064】
連続通紙枚数が閾値1以下であるか否かを判別する(ステップS12)。本実施形態では、閾値1は値5に設定されているが、装置の構成によって適当な値に設定してよいことは勿論である。連続通紙枚数が閾値1以下である場合、加圧ローラ44の回転速度を1速(80.6rpm)に設定する(ステップS14)。
【0065】
一方、閾値1以下でない場合、連続通紙枚数が閾値2以下であるか否かを判別する(ステップS13)。本実施形態では、閾値2は値17に設定されているが、閾値1と同様、装置の構成によって適当な値に設定してよいことは勿論である。閾値2以下である場合、加圧ローラの回転速度を2速(78.1rpm)に設定する(ステップS15)。
【0066】
一方、閾値2以下でない場合、加圧ローラの回転速度を3速(75.8rpm)に設定する(ステップS16)。この後、転写材の搬送を継続し(ステップS17)、本処理を終了する。
【0067】
図8は連続通紙時に加圧ローラの駆動(搬送)速度を切り換える場合の画像伸びを示すグラフである。本実施形態では、画像伸びの規格は、印字長さの±0.5%を許容するという条件の下で設計されている。LTRサイズ(216×279mm)を縦に搬送させた場合の結果である。図中×は加圧ローラの回転速度の切替制御無しの場合のデータであり、図中○は切替制御有りの場合のデータである。この結果を見ると、画像伸びは、設計の許容範囲である279mmの0.5%である1.4mm以内にほぼ収まっている。
【0068】
尚、本実施形態では、変速モードとして3モードを設定しているが、特にこれに限定されず、より精度高く画像伸びを制御するために、より細かな区切りで変速を行うモード数に設定にしてもよいし、加圧ローラの仕様および定着温度設定によって、加圧ローラの膨張の具合が異なる場合、設定した画像伸びの範囲より広範囲に設定してモード数を増やすようにしてもよい。
【0069】
また、本実施形態では、プリント枚数に応じて駆動速度を切り換えているが、このような制御方法でなくとも、転写材の搬送速度を判断し、転写材の搬送速度を所定の範囲に制御できればよく、制御方法は特に限定されない。例えば、加圧ローラの外径の検知、定着器の温度検知、速度センサによる転写材の直接速度検知等によって切り替えても、同様の効果が得られる。
【0070】
このように、第2の実施形態では、連続通紙時でも転写材の裏汚れのない良好な画像を形成することが可能である。
【0071】
以上が本発明の実施の形態の説明であるが、本発明は、これら実施の形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または実施の形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、ピッチむらや中抜け等の画像不良を防止でき、また連続通紙時の画像伸び等の画像不良を防止できる。これにより、画質の向上を達成できる。また、部品点数等を削減することにより、画像形成装置の大きさを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における画像形成装置の画像形成プロセスに係わる部分の構成を示す図である。
【図2】定着器40の構成を示す図である。
【図3】画像形成装置の制御部の構成を示す図である。
【図4】画像処理回路90の構成を示すブロック図である。
【図5】画像形成動作処理手順を示すフローチャートである。
【図6】画像の評価結果を示すテーブルである。
【図7】第2の実施形態における加圧ローラの回転速度の切替処理手順を示すフローチャートである。
【図8】連続通紙時に加圧ローラの駆動速度を切り換える場合の画像伸びを示すグラフである。
【図9】従来の画像形成装置の画像形成プロセスに係わる部分の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
10 現像スリープ
13 転写ローラ
40 定着器
44 加圧ローラ
102 搬送ローラ
Nb 転写ニップ
Na 搬送ローラニップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子写真を応用した複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置および画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は従来の画像形成装置の画像形成プロセスに係わる部分の構成を示す図である。感光ドラム201の周囲には、その回転方向に沿って順に、帯電ローラ(帯電装置)202、露光装置204、現像装置207、転写ローラ213、クリーニングブレード214が配置されている。また、画像形成装置本体の下部には、紙等のシート状の転写材Pを収納した給紙カセット300が配置されており、転写材Pの搬送経路に沿って上流側から順に、給紙ローラ301、搬送ローラ302、トップセンサ303、転写ローラ213、定着装置240が配置されている。
【0003】
上記構成を有する画像形成装置の動作を示す。駆動部(図示せず)によって図中矢印a方向に回転駆動された感光ドラム201は、帯電ローラ202によって所定の極性で所定の電位に一様に帯電される。帯電後の感光ドラム201の表面に対し、レーザ光学系等の露光装置204によって露光が行われ、露光部分の電荷が除去されると、静電潜像が形成される。静電潜像は、現像装置207によって現像される。
【0004】
現像装置207は、現像ローラ210を有しており、この現像ローラ210に現像バイアスを印加し、感光ドラム201上の静電潜像にトナーを付着させることでトナー像としての顕像化を行う。トナー像は、転写ローラ213によって紙等の転写材Pに転写される。転写材Pは、給紙カセット300に収納されており、給紙ローラ301および搬送ローラ302によって給紙・搬送され、トップセンサ303を経由して感光ドラム201と転写ローラ213との間の転写ニップ部Nbに搬送される。
【0005】
このとき、転写材Pはトップセンサ303によってその先端が検知され、感光ドラム201上のトナー像と同期がとられる。また、トップセンサ303の信号によって転写ローラ213には、所定の転写バイアスが印加され、これにより感光ドラム1上のトナー像が転写材Pに転写される。転写によって表面に未定着トナー像を担持した転写材Pは、定着装置240に搬送されると、ここで、未定着トナー像が加熱/加圧されて転写材P表面に定着される。一方、トナー像転写後の感光ドラム201は、転写材Pに転写されないで表面に残ったトナーがクリーニングブレード214によって除去されると、次の画像形成に備える。
【0006】
このような動作を繰り返すことで、次々と画像形成を行うことができる。また、転写部では、搬送ローラ等で形成されるニップ部に突入する際、あるいはニップ部から抜ける際、紙搬送速度が不安定になりやすく、転写部での画像を乱し、画像のぶれの原因となる。これを防止するために、転写ローラ213と感光ドラム201の接触圧はある程度高く設定されている。
【0007】
また、接触圧が高く設定されると、感光ドラム201と転写ローラ213で形成されるニップ部Nbでは、トナーが感光ドラムに吸着し、所定のトナー像が転写材に転写できないという画像不良(以下、中抜けという)が悪化していくる。
【0008】
そこで、転写ローラをギアで駆動し、転写ローラの表面速度を感光ドラムの表面速度に対して速く設定しておき、転写材の速度を感光ドラムの表面速度以上にすることで、静電的な力に加え、機械的な擦り取る力を感光ドラム上のトナーに付与することで、中抜けの防止が図られている。
【0009】
また、画像処理で間引きを行う画像形成装置が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−201985号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の画像形成装置では、以下に掲げる問題があり、その改善が要望されていた。すなわち、近年の画像形成装置においては、現状のレベルに対し、高精細、高解像度化が要求されるようになってきた。このため、1ドットや細線を忠実に再現でき、画像不良が発生しないものが必須になっている。こういった状況の中、転写部での画質改善は必須であり、このため、転写部における記録材の安定した搬送速度が必要である。
【0012】
しかし、前述したように、様々な画像不良を防止し、かつその上で中抜けを防止するために、転写ローラをギアで駆動し、感光ドラムの表面速度に対して転写ローラの表面速度を速く設定することで、転写材の速度を速くしている構成では、以下の問題があった。すなわち、転写ローラをギアで駆動するので、ギア同士の噛み合い時に発生する衝撃により、搬送速度の時間的揺らぎが発生し、その影響により搬送方向に対して横方向の縞が画像に発生してしまう(以後、ピッチむらという)。これは、ギア駆動固有の問題であるので、ギアをとることで解消するが、そうすると、発生する中抜けを防止することが難しくなる。
【0013】
そこで、本発明は、ピッチむらや中抜け等の画像不良を防止できる画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、画像情報に基づき、像担持体を露光する露光手段と、該露光された像担持体にトナー像を形成して現像する現像手段と、前記トナー像をシートに転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、前記シートに転写されるトナー像の中抜けを防止するために、前記画像情報を間引き処理する間引き手段を備え、前記露光手段は、前記間引き処理された画像情報に基づいて露光することを特徴とする。
【0015】
また、前記トナー像が転写されたシートを下流側に搬送する下流側シート搬送手段を備え、前記間引き手段は、前記シートの先端が前記転写手段から前記下流側シート搬送手段に到達する迄の間、前記画像情報を間引き処理することを特徴とする。
【0016】
さらに、前記下流側シート搬送手段の搬送速度は、前記転写手段による搬送速度に比べて、所定値だけ速く設定され、前記シートの先端が前記転写手段から前記下流側シート搬送手段に到達した後、前記間引き手段による前記間引き処理を中止することを特徴とする。
【0017】
また、連続通紙を行う場合、連続して搬送されるシートの枚数を計数する計数手段と、該計数されたシートの枚数を基に、前記下流側シート搬送手段の搬送速度を設定する速度設定手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
本発明の画像形成方法は、画像情報に基づき、像担持体を露光する露光ステップと、該露光された像担持体にトナー像を形成して現像する現像ステップと、前記トナー像をシートに転写する転写ステップとを有する画像形成方法において、前記シートに転写されるトナー像の中抜けを防止するために、前記画像情報を間引き処理する間引きステップを有し、前記露光ステップでは、前記間引き処理された画像情報に基づいて露光することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の画像形成装置および画像形成方法の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0020】
[第1の実施形態]
(画像形成プロセス)
図1は第1の実施形態における画像形成装置の画像形成プロセスに係わる部分の構成を示す図である。この画像形成装置では、画像形成プロセス系として、感光ドラム1、帯電ローラ2、現像装置7、クリーニングブレード14、転写ローラ13、定着器40などが配置され、光学系として、レーザスキャナ4、ミラー6などが配置されている。また、転写材搬送系として、転写材積載カセット100、給紙ローラ101、転写前搬送ローラ(搬送ローラ)102、通紙センサ103などが配置されている。
【0021】
被帯電体(像担持体)としての感光ドラム1は、アルミニウム製の導電性基体の表面に光導電性の感光層を積層して構成されており、図中矢印a方向に回転・駆動される。また、感光ドラム1は、回転過程において、帯電ローラ2により均一に負極に帯電する。ビデオコントローラ(図示せず)から送られる画像情報(時系列電気デジタル画像信号)に対応したレーザ光がレーザスキャナ4から出力され、画像形成装置本体に設置されているミラー6を介して照射されることにより、感光ドラム1の表面には静電潜像が形成される。この感光ドラム1上の静電潜像は、現像装置7内の現像スリーブ10上に担持されたトナー8により反転現像され、顕像化する。
【0022】
トナー像は転写ローラ13によって転写材P上に転写される。トナー像が転写された転写材Pは、感光ドラム1から分離されると、定着器10に導かれる。定着器10でトナー像が定着された後、画像形成装置本体から排出される。
【0023】
尚、トナー像転写後の感光ドラム1上に残った転写残りトナーは、クリーニング14により除去され、次の画像形成プロセスが行われる。
【0024】
(転写材搬送系)
転写材積載カセット100に積載された転写材は、給紙ローラ101が1回転することで少なくとも搬送ローラ102まで搬送された後、搬送ローラ102の搬送力により、転写ニップNbに突入する。転写ニップNb部付近で感光ドラム1から転写されたトナー像を静電保持する転写材は、定着器40まで搬送されると、定着器40により挟持され、定着・搬送される。
【0025】
定着器40に挟持されると、定着器40、転写ニップNbおよび搬送ローラニップNaで同時に挟持・搬送されることになる。そして、所定距離搬送された後、搬送ローラニップNaを抜けると、定着器40および転写ニップNbにおける搬送力により転写材Pは搬送される。さらに、所定距離搬送された後、転写ニップNbを抜ける。尚、本実施形態では、転写後の搬送部材として、定着器40を用いているが、搬送を担うものであればよく、これに限定されない。
【0026】
(帯電)
帯電ローラ2は、芯金とその外周のローラ状に被覆された中抵抗弾性ゴム層から構成されており、芯金の両端が軸受によって回転自在に支持されるとともに、帯電ローラ2が常時感光ドラム1に当接するように支持されている。そして、帯電ローラ2は感光ドラム1に対して従動回転している。
【0027】
帯電ローラ2の芯金は、DCバイアスおよびACバイアスを重畳できる帯電バイアス印加電源17と電気的に接続されており、この芯金を通じて帯電ローラ2にバイアスを印加することで、感光ドラム1の表面は所定の電位に帯電処理される。
【0028】
(現像)
現像装置7は、非接触現像方式を採用したものであり、トナー8を担持して感光ドラム1に搬送するトナー担持体である現像スリーブ10、および現像容器3を有する。現像容器3内にはトナー8を攪拌し、現像スリーブ10方向に送り込むための攪拌部材30が設けられており、図中矢印e方向に回転している。
【0029】
現像スリーブ10は、素管上にカーボンを分散させた塗料をコートしたものであり、非磁性である。素管はアルミニウム、ステンレス鋼等で構成されている。また、塗料コートによって現像スリーブ10の表面は粗さを有しており、その粗さは現像スリーブ10のトナー搬送に寄与する。
【0030】
さらに、現像スリーブ10は、軸受け(図示せず)によって回転自在に支持されており、感光ドラム1からギア(図示せず)を介して、図中矢印b方向に回転している。また、現像スリーブ10は、DCバイアスにACバイアスを重畳可能な電源12に接続されており、電源12のバイアス印加によって感光ドラム1上の潜像がトナー像として可視化される。また、現像スリーブ10は直径φ16mmのものであり、感光ドラム1に対して所定の現像間隔をもって対向・支持されている。
【0031】
また、現像スリーブ10上のトナー8の層厚規制を行うトナー層厚規制部材であるドクターブレード9は、摩擦帯電によりトナー8に適正なトリボを与えている。トナー8は磁性一成分ネガトナーである。ドクターブレード9は、ウレタンゴムを現像スリーブ10に対し、当接力P(スリーブ長手方向の1cm当たりの当接荷重gf/cm)、例えば35gf/cmで当接するように配置されている。板金20は、現像装置7の内壁に固定されている。
【0032】
現像スリーブ10の内部にはマグネットローラ11が固定されている。このマグネットローラ11は4つの磁極を有しており、4つの磁極のうち、感光ドラム1に対向しているものがS1極であり、トナー8が感光ドラム1上に飛翔して現像されるとき、カブリの要因となるトナーを現像スリーブ10上に付着させておくために必要である。
【0033】
S1極の反対側に配設されている磁極がS2極であり、現像容器3のトナー8を現像スリーブ10に吸着させ、現像スリーブ10の回転に伴い、その近傍でトナー8を循環させる機能を有する。この循環は、トナー8のトリボ付与に寄与する。N1、N2極は、現像スリーブ10上にコートされているトナー8の搬送およびトリボ付与に寄与する。本実施形態では、4極のマグネットローラを用いたが、上記機能を果たす極が存在すればよく、4極に限ることはない。尚、現像スリーブ10の下部に位置する現像容器3の内側には、トナー吹き出し防止シート18が設けられており、現像スリーブ10の下部からのトナー漏れを防止する。
【0034】
(転写)
転写ローラ13は、SUS、アルミ等からなる芯金の外周に、体積抵抗1×105〜1×1012Ωcm程度の中抵抗弾性ゴム層をローラ状に被覆した構成を有する。芯金の両端は軸受けにより回転自在に支持されており、転写ローラ13が常時感光ドラム1に当接するように、軸受けはばね材により総加重700gfで加圧・支持されている。この転写ローラ13は感光ドラム1に従動して回転する。
【0035】
一方、転写前の搬送ローラ102は、芯金の上にEPDM等のゴム材がローラ状に形成されたものである。感光ドラム1の表面速度に対し、搬送ローラ102の表面速度は同じになるように設定されている。本実施形態では、これらの表面速度は85.6mm/sである。
【0036】
(定着)
図2は定着器40の構成を示す図である。本実施形態の定着器40はオンデマンド定着方式のものである。図において、42はヒータであり、セラミック基板上に導電ペーストが印刷されたものである。導電ペースト部は、電源(図示せず)により給電されて発熱し、ヒータとして所望の温度になるように制御されている。
【0037】
43は定着フィルムであり、3層構造になっている。最も内側の層(第1層)はベース層であり、定着フィルムのねじれ強度、平滑性などの機械的特性を担う層であり、ポリイミドなどの樹脂からできている。第2層は導電プライマ層であり、カーボンブラックなどの導電性粒子が分散された導電層であり、第3層とベース層の接合を行なう接着剤の役目も担っている。最も外側の層がトップ層(第3層)であり、さまざまな画像不良を引き起こさないよう、最適な抵抗値と膜厚になるように設計される。
【0038】
41はヒータ42の支持部材としてのヒータホルダであり、定着フィルム43の円滑な回転を促す案内部材としての役割を有する。44は加圧ローラであり、アルミ、鋳鉄などで作られる芯金をシリコーンゴムなど耐熱性がある絶縁性の弾性体で覆ったものである。加圧ローラ44の表層には、トナーに対して離型性を有するフッ素樹脂などがコートされている。また、加圧ローラ44の芯金端部には、駆動ギアが設けられており、この駆動ギアを介して加圧ローラ44は駆動される。また、芯金はAsker−C硬度(600gf加重)で45度の硬度を有しており、13kgfの加重により定着ニップNcを形成する。
【0039】
定着フィルム43は加圧ローラ44に従動・回転している。加圧ローラ44の表面速度は、後述するように、本実施形態では、感光ドラム1表面速度に対し、102%以上のスピードで設定される。この設定により、転写材Pが定着器40に挟持・搬送された時点で、定着ニップNcの搬送力は転写ニップNbの搬送力より大きくなるので、転写ニップNbにおける転写材Pの搬送速度が感光ドラム1の表面速度よりも速くなる。
【0040】
尚、本実施形態では、オンデマンド定着装置の場合を示したが、挟持・搬送する定着器である限り、特にこれに限定されるものではない。さらには、転写後の搬送を担い、感光ドラムの表面速度より転写材を速く搬送するような搬送手段を設ける場合、挟持・搬送する手段は、定着器でなくてもよい。
【0041】
(制御部)
図3は画像形成装置の制御部の構成を示す図である。図において、50は画像形成装置全体を制御するCPUである。55はCPU50によって実行されるプログラムやフォントデータ等を記憶するROMである。
【0042】
60はCPU50のワーク領域や受信バッファとして機能するRAMである。65は印刷出力ビットマップデータを展開するためのビットマップメモリである。70は上位装置であるホストコンピュータからの印刷データを受信したり、あるいは上位装置にステータス情報を送出するインターフェースである。
【0043】
75は画像形成装置に各種指示を与えたり、各種メッセージを表示する表示部を有する操作パネルである。90は転写材上に可視画像を記録するプリンタエンジン部80に、ビットマップメモリ65に展開されたイメージデータを出力する画像処理回路である。
【0044】
(画像処理)
画像処理回路90における画像処理を示す。本実施形態では、印字する画像情報1ページ分のうち、画像先端の搬送方向の転写ニップから転写直後に存在する搬送手段(本実施形態では定着器)までの搬送距離Lの間、画像処理を行う。この搬送距離L(転写ローラ13〜定着器40までの距離)は、本実施形態では70mmである。
【0045】
図4は画像処理回路90の構成を示すブロック図である。この画像処理回路90では、最外殻部が全て黒である主走査方向mドット×副走査方向nドットの画像データに対し、エッジ部の画像をそのままとし、非エッジ部の画像を間引くことにする。
【0046】
また、本実施形態では、最外殻部が全て黒である主走査方向mドット×副走査方向nドットの画像データをプリントする場合、多値の主走査方向mドット×副走査方向nドットの画像データ91に対し、そのエッジ部をエッジ部検出部92で検出する。エッジ部検出部92で検出されたエッジ部93の画像データは、D/D変換(濃度ダウン処理もしくはドット間引き処理)において補正されずに保持され、比較器96に供給される。ここで、エッジを検出するエッジ部検出部92は、1次微分回路または2次微分回路で構成される。例えば、注目画素を含む適当な大きさのウインドウを用意し、その中で最高濃度と最低濃度とを検出し、その差が所定値以上のときエッジ部に注目画素があると判断する。
【0047】
一方、非エッジ部94の画像データは、転写材上にプリントされるプリント画像濃度が画像データ補正前のプリント画像濃度と変わらない程度になるように、多値の非エッジ部の画像データをグレー濃度を小さくなる方向にD/D変換を行って補正される。
【0048】
この後、補正後の画像濃度データは比較器96に供給される。そして、比較器96は、画像濃度データに応じてディザなどのハーフトーン2値化処理、あるいは三角波を用いたPWM処理95によりレーザドライバ97の駆動信号を生成し、レーザを駆動する。2値化処理方法として、パターンディザ法、誤差拡散法、ハーフトーンスクリーン法などがある。また、例えば600dpi画像の場合、主走査方向1〜5ドット、副走査方向3〜8ドット幅の縦細線などの特定なパターンについては、エッジ部のみ画像データを保持し、非エッジ部の画像データを主走査方向で、例えば1ドット2スペース(1d2s)の間隔で画像を間引く処理を行う。
【0049】
(画像形成動作)
図5は画像形成動作処理手順を示すフローチャートである。転写材積載カセット100から給紙ローラ101によって給紙された転写材を搬送ローラ102、転写ローラ13によって搬送し、搬送される転写材が転写ニップNbに達すると、転写を行う(ステップS1)。
【0050】
そして、搬送される転写材の先端が定着器40に到達したか否かを判別し(ステップS2)、転写材の先端が定着器40に到達する前では、画像処理回路90で、前述した画像の間引き処理を行う(ステップS3)。この後、ステップS1に戻って同様の処理を繰り返す。
【0051】
一方、ステップS2で転写材の先端が定着器40に到達した後では、画像処理回路90での画像の間引き処理を中止する(ステップS4)。このとき、前述したように、定着器40の加圧ローラ44の搬送速度は、感光ドラム1の表面速度に対し、102%以上のスピードで設定されている。具体的に、加圧ローラ44の回転速度は1速:80.6rpmに設定される。この設定により、転写材Pが定着器40に挟持・搬送された時点で、定着ニップNcの搬送力は転写ニップNbの搬送力より大きくなるので、転写ニップNbにおける転写材Pの搬送速度は感光ドラム1の表面速度よりも速くなる。この後、ステップS1に戻って同様の処理を繰り返す。
【0052】
従来、転写ローラはギア駆動されており、ギアのかみ合わせ時の衝撃により発生する周期的な速度ゆらぎが発生していたが、本実施形態では、これを防止するようにギアを取り外すことで、ピッチむらを防止している。また、ギアを設けるスペースを必要としなくなり、さらにギアを駆動するための他の駆動構成も必要としなくなるので、部品点数を少なくできる。装置の構成を簡素化でき、この結果、画像形成装置の大きさを小さくできる。
【0053】
さらに、転写ローラを感光ドラムに従動させたことによる中抜けの悪化を防止するために、転写材が定着器に到達した後の領域では、転写ニップ下流にある定着器40の加圧ローラ44の搬送速度を感光ドラム1の表面速度よりも速く設定し、転写部における転写材の速度を感光ドラムの表面速度よりも速くすることで、中抜けを防止している。本実施形態では、定着器の加圧ローラの表面速度が感光ドラムの表面速度に対して2%速くなるように設定されている。尚、2%に限らず、装置の構成に応じて適宜設定してもよいことは勿論である。
【0054】
ここで、定着器に転写材を到達させるまでの間、搬送ローラ102を早回しすることでも、上記と同様の効果が得られるが、転写材の種類、例えば厚紙、薄紙等の転写材の硬さ(以後、こしと称す)が異なると、以下のような問題が生じる。つまり、搬送ローラ102の搬送速度と感光ドラム1の搬送速度との差により、それぞれの間で発生する転写材のループが異なる。その結果、転写材の搬送速度は、厚紙の場合速くなり、薄紙の場合遅くなる。このように、搬送速度が異なってしまい、こしの違う転写材では、先端の画像(定着器に到達するまでの転写材上の画像)が転写材上の所定の位置からずれてしまう(以後、画像伸びという)。このような転写材の搬送速度を制御することは難しく、採用されない。
【0055】
このため、本実施形態では、感光ドラム1の表面速度と搬送ローラ102の表面速度を同じに設定し、転写材の種類により画像伸び量の違いが発生しないようにした状況でも、中抜けを防止することに特徴がある。
【0056】
すなわち、本実施形態では、画像先端領域における画像を間引くことにより、防止する。そもそも中抜けは、ドラム上にトナー量が多い場合に発生し易い。例えば、レーザ露光では、潜像を形成する際、レーザスポットによる隣り合う露光部分の面積が干渉し合うので、干渉部分での感光ドラム上の電荷減衰量が大きくなり、この結果、その部分での現像によるトナー量が過剰となり、中抜けが悪化する。
【0057】
そして、このような干渉部分を減らすことで中抜けを防止することが可能である。このため、隣り合う露光部分が干渉し合わないように、レーザスポット径を小さくする技術等が挙げられるが、大量生産を行う場合、技術的、コスト的にも厳しい。そこで、本実施形態では、隣り合う露光部分に対し、濃度を低下させることなく、画像データの一部を間引くことで、中抜けを防止することにした。
【0058】
(評価結果)
図6は画像の評価結果を示すテーブルである。実施例、比較例、従来例は以下の通りである。
【0059】
実施例:転写ローラ従動、間引き画像処理有り、加圧ローラ増速有り
比較例:転写ローラ従動、間引き画像処理無し、加圧ローラ増速有り
従来例:転写ギア駆動
条件:環境23℃ 60%R.H. 14ppm機
この画像評価では、○、×の2段階に分けて評価した。○は発生せず、OKである。×はNGである。この検討結果、実施例では、ギア駆動系の転写ローラを有する従来例に対し、根本的にピッチむらを防止することができ、さらに、間引き画像処理を行わない比較例に対し、中抜けも同時に防止できる。
【0060】
このように、第1の実施形態の画像形成装置では、種々の転写材に対し、転写ローラ駆動等で発生するピッチむらや中抜けを同時に防止することができる。さらに、画像形成装置をコンパクトに構成することができる。
【0061】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、連続通紙を行う場合を考慮したものであり、連続通紙時、連続通紙枚数により定着器の駆動速度を変化させる点を特徴とする。すなわち、連続通紙を行っていくと、定着器で発生する熱によって加圧ローラ44が膨張し、その外径が増大することにより、加圧ローラの表面速度が速くなる。さらに、連続通紙の枚数が進むにつれて、転写材の搬送速度が速くなり、やがて転写材の後端から画像がはみ出してしまうおそれがある。この結果、転写材の後端からはみ出たトナー像が転写ローラを汚染することになり、転写材裏面を汚す結果となってしまう。
【0062】
そこで、第2の実施形態では、加圧ローラの駆動速度を3モードに分類し、連続通紙枚数に応じて、加圧ローラの駆動速度を切り替える。この切り替えは、以下に示すように、加圧ローラの回転速度に対して3段階で行われる。尚、前記第1の実施形態では、通常の加圧ローラの回転速度に対し、1速のみが設定されていた。
【0063】
1速:80.6rpm(0〜5枚)
2速:78.1rpm(6〜17枚)
3速:75.8rpm(18枚〜)
図7は第2の実施形態における加圧ローラの回転速度の切替処理手順を示すフローチャートである。ここで、画像形成装置の構成および画像形成動作は前記第1の実施形態と同じであるので、その説明を省略する。また、この処理は前記第1の実施形態の図5のステップS1の処理の中で行われるものである。画像形成が開始され、転写材積載カセット100から転写材が搬送されると、連続通紙枚数を計数する(ステップS11)。
【0064】
連続通紙枚数が閾値1以下であるか否かを判別する(ステップS12)。本実施形態では、閾値1は値5に設定されているが、装置の構成によって適当な値に設定してよいことは勿論である。連続通紙枚数が閾値1以下である場合、加圧ローラ44の回転速度を1速(80.6rpm)に設定する(ステップS14)。
【0065】
一方、閾値1以下でない場合、連続通紙枚数が閾値2以下であるか否かを判別する(ステップS13)。本実施形態では、閾値2は値17に設定されているが、閾値1と同様、装置の構成によって適当な値に設定してよいことは勿論である。閾値2以下である場合、加圧ローラの回転速度を2速(78.1rpm)に設定する(ステップS15)。
【0066】
一方、閾値2以下でない場合、加圧ローラの回転速度を3速(75.8rpm)に設定する(ステップS16)。この後、転写材の搬送を継続し(ステップS17)、本処理を終了する。
【0067】
図8は連続通紙時に加圧ローラの駆動(搬送)速度を切り換える場合の画像伸びを示すグラフである。本実施形態では、画像伸びの規格は、印字長さの±0.5%を許容するという条件の下で設計されている。LTRサイズ(216×279mm)を縦に搬送させた場合の結果である。図中×は加圧ローラの回転速度の切替制御無しの場合のデータであり、図中○は切替制御有りの場合のデータである。この結果を見ると、画像伸びは、設計の許容範囲である279mmの0.5%である1.4mm以内にほぼ収まっている。
【0068】
尚、本実施形態では、変速モードとして3モードを設定しているが、特にこれに限定されず、より精度高く画像伸びを制御するために、より細かな区切りで変速を行うモード数に設定にしてもよいし、加圧ローラの仕様および定着温度設定によって、加圧ローラの膨張の具合が異なる場合、設定した画像伸びの範囲より広範囲に設定してモード数を増やすようにしてもよい。
【0069】
また、本実施形態では、プリント枚数に応じて駆動速度を切り換えているが、このような制御方法でなくとも、転写材の搬送速度を判断し、転写材の搬送速度を所定の範囲に制御できればよく、制御方法は特に限定されない。例えば、加圧ローラの外径の検知、定着器の温度検知、速度センサによる転写材の直接速度検知等によって切り替えても、同様の効果が得られる。
【0070】
このように、第2の実施形態では、連続通紙時でも転写材の裏汚れのない良好な画像を形成することが可能である。
【0071】
以上が本発明の実施の形態の説明であるが、本発明は、これら実施の形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または実施の形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、ピッチむらや中抜け等の画像不良を防止でき、また連続通紙時の画像伸び等の画像不良を防止できる。これにより、画質の向上を達成できる。また、部品点数等を削減することにより、画像形成装置の大きさを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における画像形成装置の画像形成プロセスに係わる部分の構成を示す図である。
【図2】定着器40の構成を示す図である。
【図3】画像形成装置の制御部の構成を示す図である。
【図4】画像処理回路90の構成を示すブロック図である。
【図5】画像形成動作処理手順を示すフローチャートである。
【図6】画像の評価結果を示すテーブルである。
【図7】第2の実施形態における加圧ローラの回転速度の切替処理手順を示すフローチャートである。
【図8】連続通紙時に加圧ローラの駆動速度を切り換える場合の画像伸びを示すグラフである。
【図9】従来の画像形成装置の画像形成プロセスに係わる部分の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
10 現像スリープ
13 転写ローラ
40 定着器
44 加圧ローラ
102 搬送ローラ
Nb 転写ニップ
Na 搬送ローラニップ
Claims (13)
- 画像情報に基づき、像担持体を露光する露光手段と、該露光された像担持体にトナー像を形成して現像する現像手段と、前記トナー像をシートに転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、
前記シートに転写されるトナー像の中抜けを防止するために、前記画像情報を間引き処理する間引き手段を備え、
前記露光手段は、前記間引き処理された画像情報に基づいて露光することを特徴とする画像形成装置。 - 前記トナー像が転写されたシートを下流側に搬送する下流側シート搬送手段を備え、
前記間引き手段は、前記シートの先端が前記転写手段から前記下流側シート搬送手段に到達する迄の間、前記画像情報を間引き処理することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記下流側シート搬送手段の搬送速度は、前記転写手段による搬送速度に比べて、所定値だけ速く設定され、
前記シートの先端が前記転写手段から前記下流側シート搬送手段に到達した後、前記間引き手段による前記間引き処理を中止することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。 - 連続通紙を行う場合、連続して搬送されるシートの枚数を計数する計数手段と、
該計数されたシートの枚数を基に、前記下流側シート搬送手段の搬送速度を設定する速度設定手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記転写手段は、表面が弾性部材からなるローラを備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記露光手段は、レーザおよび該レーザを走査する走査手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記現像手段は、現像剤、該現像剤を担持して現像領域に搬送する現像剤担持体、および該現像剤担持体上に当接し、前記現像剤の塗布量を規制する規制部材を有し、
前記現像剤担持体の表面と前記像担持体の表面とは非接触であり、前記現像剤が担持された前記現像剤担持体を前記現像領域に搬送し、前記像担持体上に形成された露光部を、前記現像剤担持体に現像バイアスを印加して現像することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記下流側シート搬送手段は定着装置であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記定着装置は、弾性ローラからなる加圧部材と加熱部材とで前記シートを挟持して搬送し、前記トナー像を前記シート上に定着させることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
- 画像情報に基づき、像担持体を露光する露光ステップと、該露光された像担持体にトナー像を形成して現像する現像ステップと、前記トナー像をシートに転写する転写ステップとを有する画像形成方法において、
前記シートに転写されるトナー像の中抜けを防止するために、前記画像情報を間引き処理する間引きステップを有し、
前記露光ステップでは、前記間引き処理された画像情報に基づいて露光することを特徴とする画像形成方法。 - 前記間引きステップでは、前記シートの先端が転写部から下流側シート搬送部に到達する迄の間、前記画像情報を間引き処理することを特徴とする請求項10記載の画像形成方法。
- 前記下流側シート搬送部の搬送速度は、前記転写部による搬送速度に比べて、所定値だけ速く設定され、
前記シートの先端が前記転写部から前記下流側シート搬送部に到達した後、前記間引き処理を中止する間引き中止ステップを有することを特徴とする請求項11記載の画像形成方法。 - 連続通紙を行う場合、連続して搬送されるシートの枚数を計数する計数ステップと、
該計数されたシートの枚数を基に、前記下流側シート搬送手段の搬送速度を設定する速度設定ステップとを有することを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の画像形成方法。
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JP2002296579A JP2004133133A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 画像形成装置および画像形成方法 |
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JP2007121706A (ja) * | 2005-10-28 | 2007-05-17 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像形成装置 |
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- 2002-10-09 JP JP2002296579A patent/JP2004133133A/ja active Pending
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