JP2004110927A - 光ディスクドライブ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ディスクの回転およびディスクトレイの振動に伴う騒音を低減する。
【解決手段】トレイ支持体18を、フロントパネル15側に設置された防振部材6における弾性部材7から先端部が突出している支柱9上面に設け、光ディスク回転機構であるスピンドルモータ1およびクランパ3が、光ディスク2を保持しているローディング時に、トレイ支持体18によりディスクトレイ10の下側部を支え、ディスクトレイ10の振動を低減させる。
【選択図】 図2
【解決手段】トレイ支持体18を、フロントパネル15側に設置された防振部材6における弾性部材7から先端部が突出している支柱9上面に設け、光ディスク回転機構であるスピンドルモータ1およびクランパ3が、光ディスク2を保持しているローディング時に、トレイ支持体18によりディスクトレイ10の下側部を支え、ディスクトレイ10の振動を低減させる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクをディスクトレイ上に載せて装置本体内にローディングし、回転駆動させる機構を具備する光ディスクドライブ装置に係り、特にディスク回転駆動に伴うディスクトレイの振動が原因となる騒音を低減する騒音低減構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスクドライブ装置は、一般的に、内部に光ピックアップを備えた装置本体と、光ディスクを着脱自在に保持する受皿部を備え、かつ装置本体の前面に設けた開口から内外へ進退可能に支持されたディスクトレイと、光ディスクを受皿部に保持したディスクトレイを装置本体内に装填したときに、受皿部上の光ディスクを保持して回転駆動するスピンドルモータと、スピンドルモータおよび光ピックアップなどを保持するための内部構造体と、さらにディスクトレイを装置本体の前面に引き出しまたは収納するための開口部を有するフロントパネルを備えた構成になっている。
【0003】
光ディスクドライブ装置は、記録/再生の対象となる光ディスクの記憶容量が大きいこと、また単位記憶容量当たりの単価が安いことから、パソコンの主な周辺機器として開発が進められ、そのデータの読み出し速度は高速化の一途を辿っている。一般的に、データの読み出し速度を大きくする方法として光ディスクの回転数を大きくする方法が採用され、初期の光ディスクドライブ装置の基準回転速度(200rpm)を1とすると、現在では、その32倍速(6400rpm)以上のものが一般的となっており、最近では50倍速(10000rpm)を超えるものも多く存在するようになっている。
【0004】
光ディスクの回転速度が速くなるにつれて、光ディスクの回転に伴って発生する風切り音が次第に大きくなり、光ディスクドライブ装置の騒音源の主な要因となっている。光ディスクドライブ装置の騒音は、単倍速、すなわち10倍速(2000rpm)未満の回転数では、それほど気になるものではなかったが、10倍速以上、特に32倍速以上の回転数では大きな騒音となっている。
【0005】
また、光ディスクの回転に伴って発生する風の影響を最も受けるのがディスクトレイであり、光ディスクはディスクトレイにおける受皿部内で回転するため、受皿部の側面壁は風の力を直接受けることとなり、ディスクトレイに振動を生じる。このディスクトレイに生じる振動は、光ディスクの回転速度の上昇に伴って、周波数および振幅共に増大し、発生する騒音も大きくなってきている。
【0006】
現状では、前記のようなトレイ振動を原因とする騒音は、風切り音以外の騒音源として、最も大きいものの一つとなっており、トレイ振動の抑制による騒音の低減化が求められている。
【0007】
従来の光ディスクドライブ装置では、この騒音を抑制する対策として光ディスクドライブ装置のトレイドア部分(ディスクトレイを出し入れするフロントパネルにおける開口と、この開口を開閉するドア)に隙間が生じないように、その密閉性を高め、装置本体内部で生じる騒音をその内に閉じこめるといった遮音を主とした対策が採られている。
【0008】
例えば特許文献1には、フロントパネルに設けられたトレイドアとディスクトレイとの間に弾性部を設け、弾性部の弾性復元力によって、トレイドアとディスクトレイとを密閉するようにした光ディスク装置が記載されている。これは隙間の密閉による遮音の他に、トレイドアとディスクトレイに押し付けることによるトレイ振動の抑制効果が若干見込まれる。
【0009】
さらに、光ディスクの回転速度の上昇は、光ディスクドライブ装置自体から発生する振動(自励振動)を増大させることになる。光ディスクドライブ装置では、この光ディスク回転に伴う自励振動を低減させるために、スピンドルモータなどを保持するための支持枠体などからなる内部構造体が、ゴム材およびその支柱などからなる防振部材を介して、光ディスクドライブ装置の主筐体に搭載されているが、光ディスクの回転速度上昇に伴う発生振動の増大によって、防振部材を大型化して防振ストローク(防振余裕)を大きく取る必要性、あるいは二重防振構造を持つ必要性が発生している。
【0010】
また、光ディスクドライブ装置の自励振動は、当然、内部に収納されているディスクトレイにも影響を及ぼし、その共振によってディスクトレイの振動がさらに増幅されることとなり、ディスクトレイにおける振動の抑制が、さらに求められる傾向にある。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−231779公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように従来の光ディスクドライブ装置では、装置本体に対してディスクトレイを引き出し、または収納することによって、装置本体に対する光ディスクの取り込みおよび取り出しを行っている。そのため装置本体のフロントパネルには開口部を設ける必要があるが、開口部の形状,構造には機能上の制限がある。ディスクトレイの前面部としてのフロントパネルの一部を構成するドアを、フロントパネルに対して良好に密着させることによって、ある程度、ディスク回転による風切り音がフロントパネル前面部からの漏れること、およびディスクトレイの振動を、ある程度は抑制することはできる。
【0013】
しかしながら、前記のような要因を基とした騒音は、ディスク回転の高速化に伴い増大の一途を辿っており、現状では完全に抑えることは困難となっている。また、フロントパネルおよびドアの形状によっては、高い効果を得るためには外観に悪影響を与える可能性もあることから、光ディスクドライブ装置内部における対策を施すことが求められている。
【0014】
本発明の目的は、前記従来の課題に鑑みなされたものであって、光ディスクの回転速度が高速化の一途を辿り、ディスク回転に伴う風切り音、あるいはディスクトレイの振動に伴う騒音が増大し続ける光ディスクドライブ装置において、装置の外観に影響を与えることなく、ディスクの回転およびディスクトレイの振動に伴う騒音を低減することができる構成にした光ディスクドライブ装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、光ディスクが取り外し可能に載置される受皿部を有し、かつ装置本体に対して内外へ進退可能に設置されるディスクトレイと、前記受皿部に光ディスクを載置した前記ディスクトレイが前記装置本体内に収納されているときに光ディスクを保持して回転駆動する光ディスク回転機構と、少なくとも前記光ディスク回転機構を支持する駆動部支持部材と、前記ディスクトレイを前記装置本体の前面において出し入れするための開口部を有するフロントパネル体とを備えた光ディスクドライブ装置において、前記光ディスク回転機構が光ディスクを保持しているときに、前記ディスクトレイの下側部を支えるトレイ支持体を備えたことを特徴とし、この構成によって、光ディスク回転機構が光ディスクを保持する際に、光ディスクの受皿となるディスクトレイを下からトレイ支持体により支えることにより、音の発生源であるディスクトレイ部分における振動を、トレイ支持体を具備しない従来装置に比べて良好に抑制することができるため、ディスクトレイの振動に伴う騒音を低減することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の光ディスクドライブ装置において、ディスクトレイの前面にドア部を設け、ディスクトレイが装置本体に収納されたとき、ドア部がフロントパネルの開口部周部に接合することを特徴とし、この構成によって、ディスクトレイがトレイ支持体とドア部とによって確実に支えることができるため、ディスクトレイの振動に伴う騒音を確実に低減することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の光ディスクドライブ装置において、トレイ支持体を、駆動部支持部材に設けられて防振および吸振を図る防振材と該防振材を支持する支柱とからなる防振部材における先端部に付設したことを特徴とし、この構成によって、ディスクトレイの振動を効果的に抑制することが可能になり、それに伴う騒音を低減させることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の光ディスクドライブ装置において、ディスクトレイと防振部材との干渉を避ける逃げ孔をディスクトレイの下側部に設けたことを特徴とし、この構成によって、防振材を大きくして防振ストロークに余裕を持たせることができるため、装置の自励振動に誘発されるトレイの振動を抑制することができ、それに伴う騒音を低減させることができる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4記載の光ディスクドライブ装置において、防振部材の先端部分にトレイ支持体としてのキャップ部材を嵌着し、このキャップ部材を逃げ孔から挿入し、かつキャップ部材の鍔部によりディスクトレイの下側部を支えるように構成したことを特徴とし、この構成によって、逃げ孔がキャップ部材によって塞がれることになるため、ディスクトレイと装置の自励振動を抑制することができ、それに伴う騒音をより効果的に低減させることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項4または5記載の光ディスクドライブ装置において、防振部材の先端部周囲における逃げ孔の空隙部を塞ぐように前記トレイ支持体に延出部を設けたことを特徴とし、この構成によって、防振部材が延出部によって確実に支持されるようになり、しかも逃げ孔部分が延出部によってより良好に塞がれることになるため、自励振動の抑制効果と共に、騒音の発生,漏れを防ぐことができ、騒音をさらに効果的に低減させることができる。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項1記載の光ディスクドライブ装置において、トレイ支持体により、ディスクトレイにおける受皿部以外の下側部を支えることを特徴とし、この構成によって、トレイ支持体と受皿部との配置関係を考慮せずに、トレイ支持体によってディスクトレイ部分における振動を抑制することができ、それに伴う騒音を低減させることができると共に、設計の自由度を高めることができる。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項1記載の光ディスクドライブ装置において、トレイ支持体により、ディスクトレイにおける受皿部以外のフロントパネル体側を支えることを特徴とし、この構成によって、ドアが備えられたフロントパネルに近い箇所でディスクトレイにおける振動を抑制することができ、それに伴う騒音を低減させることができる。
【0023】
請求項9に記載の発明は、請求項7または8記載の光ディスクドライブ装置において、ディスクトレイにおけるトレイ支持体により支えられる位置に、トレイ支持体の先端部が突出する通孔を設けたことを特徴とし、この構成によって、ディスクトレイとトレイ支持体とが確実かつ良好に接触して支持することになるため、ディスクトレイにおける振動をより効果的に抑制することができ、それに伴う騒音を低減させることができる。
【0024】
請求項9に記載の発明は、請求項7または8記載の光ディスクドライブ装置において、ディスクトレイにおけるトレイ支持体により支えられる位置に、トレイ横方向に延在するように長孔を設け、この長孔からトレイ支持体の先端部を立壁状に突出させたことを特徴とし、この構成によって、ディスクトレイとトレイ支持体とが確実かつ良好に接触して支持することになるため、ディスクトレイにおける振動をより効果的に抑制することができ、それに伴う騒音を低減させることができると共に、突出したトレイ支持体が防音壁を兼ねるため、装置から外部に漏れる騒音をより低減させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1は本発明に係る実施形態1を説明するための光ディスクドライブ装置の概略構成を示す分解斜視図、図2は図1に示す実施形態1の側面断面図であり、1は光ディスク2を回転させる光ディスク回転機構の主構成部材であるスピンドルモータ、3は、クランパプレート4に設けられて、光ディスク2をスピンドルモータ1に押し付けて保持するクランパ、5はスピンドルモータ1あるいは図示しない光ピックアップなどを保持する駆動部支持部材であるメカシャーシ、6は、メカシャーシ5に複数設置(本例では4箇所)されて、図2に示すように、メカシャーシ5を振動減衰性に優れた弾性部材7を介して内部筐体8に保持する防振部材、9は、弾性部材7を保持するようにメカシャーシ5に立設され、防振部材6を構成する支柱である。
【0027】
10は、光ディスク2が着脱可能に載置される受皿部11を有し、かつベースフレーム13と該ベースフレーム13を覆うトップカバー14からなる装置本体に装置内外に対して進退可能に設置されるディスクトレイ、15はベースフレーム13の前側(図では左側)に固定されたフロントパネル、16はディスクトレイ10の前側に固定され、ディスクトレイ10の移動に伴ってフロントパネル15に設けられた開口部17を開閉するドアである。
【0028】
前記光ディスクドライブ装置内の構成部品は、全てベースフレーム13内に設置され、ベースフレーム13の上面部分において、ディスクトレイ10が、ローディング方向あるいはアンローディング(エジェクト)方向に移動する。ディスクトレイ10の装置本体収納時に、ディスクトレイ10の前側に設けられたドア16がフロントパネル15の開口部17に嵌まり、これによって、ディスクトレイ10の前側がドア16を介してフロントパネル15に固定保持され、かつ装置本体が外部に対して密閉された状態になるようにしてある。
【0029】
また、18はトレイ支持体であって、トレイ支持体18は、図2に示すように、フロントパネル15側に設置された防振部材6における弾性部材7から先端部が突出している支柱9上面に設けられ、このトレイ支持体18は、光ディスク回転機構であるスピンドルモータ1およびクランパ3が、光ディスク2を保持しているローディング時に、ディスクトレイ10の下側部を支えるように配設されている。
【0030】
ディスクトレイ10が引き出されている図1に示す状態では、メカシャーシ5などからなる機構部分は、装置本体の前側に向かって前下がりに傾斜した状態になって、ディスクトレイ10のローディング方向への移動を可能にしており、また、図2に示すようにディスクトレイ10が装置本体内に収納された状態では、装置本体内においてディスクトレイ10を含めてメカシャーシ5などからなる機構部分が水平状態になり、さらにドア16がフロントパネル15の開口部17に嵌まって、装置本体が外部に対して密閉された状態になる。
【0031】
装置本体内に引き込まれた状態にあるディスクトレイ10の下側部は、図2に示すように、トレイ支持体18にて下から押さえ付けられる。これによって、ディスクトレイ10が装置本体前面部におけるドア16以外の部分でも固定されることになり、ディスクトレイ10に発生する振動が抑制され、その振動に伴って発生する騒音がより低減されることになる。
【0032】
図3は本発明の実施形態2を説明するための光ディスクドライブ装置の要部を示す側面断面図である。なお、以下の説明において、図1,図2の実施形態1にて説明した部材に対応する部材には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0033】
実施形態2では、防振部材6が設置されている部位におけるディスクトレイ10に、弾性部材7との干渉を避ける逃げ孔20を穿設し、弾性部材7の設置スペースを広くし、防振部材6による防振ストロークに余裕を持たせることによって防振性能を高めるようにしている。
【0034】
このようにして防振材である弾性部材7を大きくすることによって,弾性部材7を固定する支柱9はディスクトレイ10よりも突出することになるため、支柱9の先端部でディスクトレイ10を支持することができなくなる。
【0035】
このため、実施形態2では、トレイ支持体18として、鍔部21が付いたキャップ部材22と中空部材23とを用い、支柱9上にキャップ部材22を載置して逃げ孔20から挿入し、かつキャップ部材22の鍔部21に中空部材23を載置して、この中空部材23によりディスクトレイ10の下側部を支えるようにしている。
【0036】
したがって、実施形態2の構成によれば、実施形態1と同様に、ディスクトレイ10に発生する振動を抑制することができ、さらに、弾性部材7を大きくすることによってトレイ振動を増幅させる装置自体から発生する自励振動も低減されることから、トレイ振動に伴う騒音がより効果的に低減されることになる。
【0037】
図4は本発明の実施形態3を説明するための光ディスクドライブ装置の要部を示す側面断面図であり、実施形態3は実施形態2と基本構成が同様であるが、トレイ支持体18における中空部材25の形状を断面L形状にし、防振部材6の上部外周と逃げ孔20との隙間を、中空部材25における上部25aにて塞ぐようにした点が異なっている。
【0038】
このようにしたため、ディスクトレイ10に穿設された逃げ孔20と防振部材6との隙間部分に、支持材である中空部材25の上部25aが入り込むことになるため、ディスクトレイ10を下側部から押さえるのみである構造と比較し、より確実にディスクトレイ10を押さえ付け、支持することができるため、装置自励振動の低減効果がより大きくなる。また、逃げ孔20周囲に通気通路が存在すると、それがディスク回転に伴う風に対して、笛のような役割を果たすため、ディスク間による風切り音を増幅させることになるが、実施形態3のように、逃げ孔20の隙間を閉塞してトレイ面を滑らかな形状にすることによって、風切り音の増幅を防ぐことができる。
【0039】
図5は本発明の実施形態4を説明するための光ディスクドライブ装置の要部を示す斜視図、図6は図5に示す実施形態4の側面断面図であり、実施形態4では、トレイ支持体27をディスクトレイ10における受皿部11以外の部位の内部筐体8の端部に設け、かつ本例では光ディスクドライブ装置の前面側、すなわちフロントパネル15側の前側部分10aに、トレイ支持体27を設置している。
【0040】
実施形態4では、ディスクトレイ10における前側部分10aの両側に通孔28を穿設し、この通孔28に断面凸状のトレイ支持体27における先端部27aが遊嵌され、トレイ支持体27の水平部27bによりディスクトレイ10の下側部を受けるようになっている。具体的には、ローディング時にディスクトレイ10が図1に示す位置から移動して、図6に示す水平位置にディスクトレイ10が移動する際に、トレイ支持体27の先端部27aが通孔28に入り込むような設置構造になっている。
【0041】
このようにしたため、ディスクトレイ10がフロントパネル15のドア16以外の部分においても固定されることとなり、ディスクトレイ10に発生する振動が押さえ込まれ、その振動に伴う騒音が低減される。特に実施形態4では、トレイ支持体27の水平部27bでディスクトレイ10の下側面を押え、さらにトレイ支持体27の先端部27aを通孔28に遊嵌することによって、全軸方向における振動抑制効果が得られる。
【0042】
また、ディスクトレイ10の受皿部11に孔を穿設したり、突起形状を設けたりすると、その形状がディスク回転に伴う風と干渉して、風切り音の増幅源となるが、実施形態4のようにディスクトレイ10の受皿部11以外に孔を穿設するならば、このような悪影響の発生を回避することができる。
【0043】
図7は本発明の実施形態5を説明するための光ディスクドライブ装置の要部を示す斜視図、図8は図7に示す実施形態5の側面断面図であり、実施形態5が実施形態4と異なる点は、フロントパネル15側の前側部分10aに、ディスクトレイ10における横方向に延在するように長孔30を平面視円弧状に穿設し、トレイ支持体31における水平部31bから延出する先端部31aを長孔30から立壁状に突出させ、トレイ支持体31の水平部31bによりディスクトレイ10の下側部を受けるようにした構成である。
【0044】
実施形態5でも実施形態4と同様に、ローデイング時に図1に示す位置から移動して、図8に示す水平位置にディスクトレイ10が移動する際に、トレイ支持体31の先端部31aが長孔30に挿入するような設置構造になっている。
【0045】
このようにしたため、実施形態5においても、前記と同様に振動に伴う騒音が低減される。さらに、ディスクトレイ10に穿設された円弧形状の長孔30に、同じく円弧形状のトレイ支持体31の先端部31aが嵌挿する構成であることから、ディスクトレイ10における平面全方向へのがた付きがほぼ打ち消され、高い振動抑制効果が得られる、しかも、ディスクトレイ10から突出する壁形状のトレイ支持体31の先端部31aは、ディスクトレイ10の受皿部11で発生するディスク回転に伴う風切り音に対して、装置前面部への防音壁の役割を果たすため、装置全体として、より高い騒音低減効果が得られる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光ディスク回転機構が光ディスクを保持する際に、光ディスクの受皿となるディスクトレイを下側からトレイ支持体により支えることにより、騒音の発生源であるディスクトレイ部分における振動を、トレイ支持体を具備しない従来装置に比べて良好に抑制することができるため、ディスクトレイの振動に伴う騒音を効果的に低減することができる実際的な光ディスクドライブ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態1を説明するための光ディスクドライブ装置の概略構成を示す分解斜視図
【図2】実施形態1の光ディスクドライブ装置の側面断面図
【図3】本発明に係る実施形態2を説明するための光ディスクドライブ装置の要部を示す側面断面図
【図4】本発明に係る実施形態3を説明するための光ディスクドライブ装置の要部を示す側面断面図
【図5】本発明に係る実施形態4を説明するための光ディスクドライブ装置の要部を示す斜視図
【図6】実施形態4の光ディスクドライブ装置の側面断面図
【図7】本発明に係る実施形態5を説明するための光ディスクドライブ装置の要部を示す斜視図
【図8】実施形態5の光ディスクドライブ装置の側面断面図
【符号の説明】
1 スピンドルモータ
2 光ディスク
3 クランパ
6 防振部材
7 弾性部材
8 内部筐体
9 支柱
10 ディスクトレイ
11 受皿部
13 ベースフレーム
14 トップカバー
15 フロントパネル
16 ドア
18,27,31 トレイ支持体
20 逃げ孔
21 鍔部
22 キャップ部材
23,25 中空部材
28 通孔
30 長孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクをディスクトレイ上に載せて装置本体内にローディングし、回転駆動させる機構を具備する光ディスクドライブ装置に係り、特にディスク回転駆動に伴うディスクトレイの振動が原因となる騒音を低減する騒音低減構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスクドライブ装置は、一般的に、内部に光ピックアップを備えた装置本体と、光ディスクを着脱自在に保持する受皿部を備え、かつ装置本体の前面に設けた開口から内外へ進退可能に支持されたディスクトレイと、光ディスクを受皿部に保持したディスクトレイを装置本体内に装填したときに、受皿部上の光ディスクを保持して回転駆動するスピンドルモータと、スピンドルモータおよび光ピックアップなどを保持するための内部構造体と、さらにディスクトレイを装置本体の前面に引き出しまたは収納するための開口部を有するフロントパネルを備えた構成になっている。
【0003】
光ディスクドライブ装置は、記録/再生の対象となる光ディスクの記憶容量が大きいこと、また単位記憶容量当たりの単価が安いことから、パソコンの主な周辺機器として開発が進められ、そのデータの読み出し速度は高速化の一途を辿っている。一般的に、データの読み出し速度を大きくする方法として光ディスクの回転数を大きくする方法が採用され、初期の光ディスクドライブ装置の基準回転速度(200rpm)を1とすると、現在では、その32倍速(6400rpm)以上のものが一般的となっており、最近では50倍速(10000rpm)を超えるものも多く存在するようになっている。
【0004】
光ディスクの回転速度が速くなるにつれて、光ディスクの回転に伴って発生する風切り音が次第に大きくなり、光ディスクドライブ装置の騒音源の主な要因となっている。光ディスクドライブ装置の騒音は、単倍速、すなわち10倍速(2000rpm)未満の回転数では、それほど気になるものではなかったが、10倍速以上、特に32倍速以上の回転数では大きな騒音となっている。
【0005】
また、光ディスクの回転に伴って発生する風の影響を最も受けるのがディスクトレイであり、光ディスクはディスクトレイにおける受皿部内で回転するため、受皿部の側面壁は風の力を直接受けることとなり、ディスクトレイに振動を生じる。このディスクトレイに生じる振動は、光ディスクの回転速度の上昇に伴って、周波数および振幅共に増大し、発生する騒音も大きくなってきている。
【0006】
現状では、前記のようなトレイ振動を原因とする騒音は、風切り音以外の騒音源として、最も大きいものの一つとなっており、トレイ振動の抑制による騒音の低減化が求められている。
【0007】
従来の光ディスクドライブ装置では、この騒音を抑制する対策として光ディスクドライブ装置のトレイドア部分(ディスクトレイを出し入れするフロントパネルにおける開口と、この開口を開閉するドア)に隙間が生じないように、その密閉性を高め、装置本体内部で生じる騒音をその内に閉じこめるといった遮音を主とした対策が採られている。
【0008】
例えば特許文献1には、フロントパネルに設けられたトレイドアとディスクトレイとの間に弾性部を設け、弾性部の弾性復元力によって、トレイドアとディスクトレイとを密閉するようにした光ディスク装置が記載されている。これは隙間の密閉による遮音の他に、トレイドアとディスクトレイに押し付けることによるトレイ振動の抑制効果が若干見込まれる。
【0009】
さらに、光ディスクの回転速度の上昇は、光ディスクドライブ装置自体から発生する振動(自励振動)を増大させることになる。光ディスクドライブ装置では、この光ディスク回転に伴う自励振動を低減させるために、スピンドルモータなどを保持するための支持枠体などからなる内部構造体が、ゴム材およびその支柱などからなる防振部材を介して、光ディスクドライブ装置の主筐体に搭載されているが、光ディスクの回転速度上昇に伴う発生振動の増大によって、防振部材を大型化して防振ストローク(防振余裕)を大きく取る必要性、あるいは二重防振構造を持つ必要性が発生している。
【0010】
また、光ディスクドライブ装置の自励振動は、当然、内部に収納されているディスクトレイにも影響を及ぼし、その共振によってディスクトレイの振動がさらに増幅されることとなり、ディスクトレイにおける振動の抑制が、さらに求められる傾向にある。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−231779公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように従来の光ディスクドライブ装置では、装置本体に対してディスクトレイを引き出し、または収納することによって、装置本体に対する光ディスクの取り込みおよび取り出しを行っている。そのため装置本体のフロントパネルには開口部を設ける必要があるが、開口部の形状,構造には機能上の制限がある。ディスクトレイの前面部としてのフロントパネルの一部を構成するドアを、フロントパネルに対して良好に密着させることによって、ある程度、ディスク回転による風切り音がフロントパネル前面部からの漏れること、およびディスクトレイの振動を、ある程度は抑制することはできる。
【0013】
しかしながら、前記のような要因を基とした騒音は、ディスク回転の高速化に伴い増大の一途を辿っており、現状では完全に抑えることは困難となっている。また、フロントパネルおよびドアの形状によっては、高い効果を得るためには外観に悪影響を与える可能性もあることから、光ディスクドライブ装置内部における対策を施すことが求められている。
【0014】
本発明の目的は、前記従来の課題に鑑みなされたものであって、光ディスクの回転速度が高速化の一途を辿り、ディスク回転に伴う風切り音、あるいはディスクトレイの振動に伴う騒音が増大し続ける光ディスクドライブ装置において、装置の外観に影響を与えることなく、ディスクの回転およびディスクトレイの振動に伴う騒音を低減することができる構成にした光ディスクドライブ装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、光ディスクが取り外し可能に載置される受皿部を有し、かつ装置本体に対して内外へ進退可能に設置されるディスクトレイと、前記受皿部に光ディスクを載置した前記ディスクトレイが前記装置本体内に収納されているときに光ディスクを保持して回転駆動する光ディスク回転機構と、少なくとも前記光ディスク回転機構を支持する駆動部支持部材と、前記ディスクトレイを前記装置本体の前面において出し入れするための開口部を有するフロントパネル体とを備えた光ディスクドライブ装置において、前記光ディスク回転機構が光ディスクを保持しているときに、前記ディスクトレイの下側部を支えるトレイ支持体を備えたことを特徴とし、この構成によって、光ディスク回転機構が光ディスクを保持する際に、光ディスクの受皿となるディスクトレイを下からトレイ支持体により支えることにより、音の発生源であるディスクトレイ部分における振動を、トレイ支持体を具備しない従来装置に比べて良好に抑制することができるため、ディスクトレイの振動に伴う騒音を低減することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の光ディスクドライブ装置において、ディスクトレイの前面にドア部を設け、ディスクトレイが装置本体に収納されたとき、ドア部がフロントパネルの開口部周部に接合することを特徴とし、この構成によって、ディスクトレイがトレイ支持体とドア部とによって確実に支えることができるため、ディスクトレイの振動に伴う騒音を確実に低減することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の光ディスクドライブ装置において、トレイ支持体を、駆動部支持部材に設けられて防振および吸振を図る防振材と該防振材を支持する支柱とからなる防振部材における先端部に付設したことを特徴とし、この構成によって、ディスクトレイの振動を効果的に抑制することが可能になり、それに伴う騒音を低減させることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の光ディスクドライブ装置において、ディスクトレイと防振部材との干渉を避ける逃げ孔をディスクトレイの下側部に設けたことを特徴とし、この構成によって、防振材を大きくして防振ストロークに余裕を持たせることができるため、装置の自励振動に誘発されるトレイの振動を抑制することができ、それに伴う騒音を低減させることができる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4記載の光ディスクドライブ装置において、防振部材の先端部分にトレイ支持体としてのキャップ部材を嵌着し、このキャップ部材を逃げ孔から挿入し、かつキャップ部材の鍔部によりディスクトレイの下側部を支えるように構成したことを特徴とし、この構成によって、逃げ孔がキャップ部材によって塞がれることになるため、ディスクトレイと装置の自励振動を抑制することができ、それに伴う騒音をより効果的に低減させることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項4または5記載の光ディスクドライブ装置において、防振部材の先端部周囲における逃げ孔の空隙部を塞ぐように前記トレイ支持体に延出部を設けたことを特徴とし、この構成によって、防振部材が延出部によって確実に支持されるようになり、しかも逃げ孔部分が延出部によってより良好に塞がれることになるため、自励振動の抑制効果と共に、騒音の発生,漏れを防ぐことができ、騒音をさらに効果的に低減させることができる。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項1記載の光ディスクドライブ装置において、トレイ支持体により、ディスクトレイにおける受皿部以外の下側部を支えることを特徴とし、この構成によって、トレイ支持体と受皿部との配置関係を考慮せずに、トレイ支持体によってディスクトレイ部分における振動を抑制することができ、それに伴う騒音を低減させることができると共に、設計の自由度を高めることができる。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項1記載の光ディスクドライブ装置において、トレイ支持体により、ディスクトレイにおける受皿部以外のフロントパネル体側を支えることを特徴とし、この構成によって、ドアが備えられたフロントパネルに近い箇所でディスクトレイにおける振動を抑制することができ、それに伴う騒音を低減させることができる。
【0023】
請求項9に記載の発明は、請求項7または8記載の光ディスクドライブ装置において、ディスクトレイにおけるトレイ支持体により支えられる位置に、トレイ支持体の先端部が突出する通孔を設けたことを特徴とし、この構成によって、ディスクトレイとトレイ支持体とが確実かつ良好に接触して支持することになるため、ディスクトレイにおける振動をより効果的に抑制することができ、それに伴う騒音を低減させることができる。
【0024】
請求項9に記載の発明は、請求項7または8記載の光ディスクドライブ装置において、ディスクトレイにおけるトレイ支持体により支えられる位置に、トレイ横方向に延在するように長孔を設け、この長孔からトレイ支持体の先端部を立壁状に突出させたことを特徴とし、この構成によって、ディスクトレイとトレイ支持体とが確実かつ良好に接触して支持することになるため、ディスクトレイにおける振動をより効果的に抑制することができ、それに伴う騒音を低減させることができると共に、突出したトレイ支持体が防音壁を兼ねるため、装置から外部に漏れる騒音をより低減させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1は本発明に係る実施形態1を説明するための光ディスクドライブ装置の概略構成を示す分解斜視図、図2は図1に示す実施形態1の側面断面図であり、1は光ディスク2を回転させる光ディスク回転機構の主構成部材であるスピンドルモータ、3は、クランパプレート4に設けられて、光ディスク2をスピンドルモータ1に押し付けて保持するクランパ、5はスピンドルモータ1あるいは図示しない光ピックアップなどを保持する駆動部支持部材であるメカシャーシ、6は、メカシャーシ5に複数設置(本例では4箇所)されて、図2に示すように、メカシャーシ5を振動減衰性に優れた弾性部材7を介して内部筐体8に保持する防振部材、9は、弾性部材7を保持するようにメカシャーシ5に立設され、防振部材6を構成する支柱である。
【0027】
10は、光ディスク2が着脱可能に載置される受皿部11を有し、かつベースフレーム13と該ベースフレーム13を覆うトップカバー14からなる装置本体に装置内外に対して進退可能に設置されるディスクトレイ、15はベースフレーム13の前側(図では左側)に固定されたフロントパネル、16はディスクトレイ10の前側に固定され、ディスクトレイ10の移動に伴ってフロントパネル15に設けられた開口部17を開閉するドアである。
【0028】
前記光ディスクドライブ装置内の構成部品は、全てベースフレーム13内に設置され、ベースフレーム13の上面部分において、ディスクトレイ10が、ローディング方向あるいはアンローディング(エジェクト)方向に移動する。ディスクトレイ10の装置本体収納時に、ディスクトレイ10の前側に設けられたドア16がフロントパネル15の開口部17に嵌まり、これによって、ディスクトレイ10の前側がドア16を介してフロントパネル15に固定保持され、かつ装置本体が外部に対して密閉された状態になるようにしてある。
【0029】
また、18はトレイ支持体であって、トレイ支持体18は、図2に示すように、フロントパネル15側に設置された防振部材6における弾性部材7から先端部が突出している支柱9上面に設けられ、このトレイ支持体18は、光ディスク回転機構であるスピンドルモータ1およびクランパ3が、光ディスク2を保持しているローディング時に、ディスクトレイ10の下側部を支えるように配設されている。
【0030】
ディスクトレイ10が引き出されている図1に示す状態では、メカシャーシ5などからなる機構部分は、装置本体の前側に向かって前下がりに傾斜した状態になって、ディスクトレイ10のローディング方向への移動を可能にしており、また、図2に示すようにディスクトレイ10が装置本体内に収納された状態では、装置本体内においてディスクトレイ10を含めてメカシャーシ5などからなる機構部分が水平状態になり、さらにドア16がフロントパネル15の開口部17に嵌まって、装置本体が外部に対して密閉された状態になる。
【0031】
装置本体内に引き込まれた状態にあるディスクトレイ10の下側部は、図2に示すように、トレイ支持体18にて下から押さえ付けられる。これによって、ディスクトレイ10が装置本体前面部におけるドア16以外の部分でも固定されることになり、ディスクトレイ10に発生する振動が抑制され、その振動に伴って発生する騒音がより低減されることになる。
【0032】
図3は本発明の実施形態2を説明するための光ディスクドライブ装置の要部を示す側面断面図である。なお、以下の説明において、図1,図2の実施形態1にて説明した部材に対応する部材には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0033】
実施形態2では、防振部材6が設置されている部位におけるディスクトレイ10に、弾性部材7との干渉を避ける逃げ孔20を穿設し、弾性部材7の設置スペースを広くし、防振部材6による防振ストロークに余裕を持たせることによって防振性能を高めるようにしている。
【0034】
このようにして防振材である弾性部材7を大きくすることによって,弾性部材7を固定する支柱9はディスクトレイ10よりも突出することになるため、支柱9の先端部でディスクトレイ10を支持することができなくなる。
【0035】
このため、実施形態2では、トレイ支持体18として、鍔部21が付いたキャップ部材22と中空部材23とを用い、支柱9上にキャップ部材22を載置して逃げ孔20から挿入し、かつキャップ部材22の鍔部21に中空部材23を載置して、この中空部材23によりディスクトレイ10の下側部を支えるようにしている。
【0036】
したがって、実施形態2の構成によれば、実施形態1と同様に、ディスクトレイ10に発生する振動を抑制することができ、さらに、弾性部材7を大きくすることによってトレイ振動を増幅させる装置自体から発生する自励振動も低減されることから、トレイ振動に伴う騒音がより効果的に低減されることになる。
【0037】
図4は本発明の実施形態3を説明するための光ディスクドライブ装置の要部を示す側面断面図であり、実施形態3は実施形態2と基本構成が同様であるが、トレイ支持体18における中空部材25の形状を断面L形状にし、防振部材6の上部外周と逃げ孔20との隙間を、中空部材25における上部25aにて塞ぐようにした点が異なっている。
【0038】
このようにしたため、ディスクトレイ10に穿設された逃げ孔20と防振部材6との隙間部分に、支持材である中空部材25の上部25aが入り込むことになるため、ディスクトレイ10を下側部から押さえるのみである構造と比較し、より確実にディスクトレイ10を押さえ付け、支持することができるため、装置自励振動の低減効果がより大きくなる。また、逃げ孔20周囲に通気通路が存在すると、それがディスク回転に伴う風に対して、笛のような役割を果たすため、ディスク間による風切り音を増幅させることになるが、実施形態3のように、逃げ孔20の隙間を閉塞してトレイ面を滑らかな形状にすることによって、風切り音の増幅を防ぐことができる。
【0039】
図5は本発明の実施形態4を説明するための光ディスクドライブ装置の要部を示す斜視図、図6は図5に示す実施形態4の側面断面図であり、実施形態4では、トレイ支持体27をディスクトレイ10における受皿部11以外の部位の内部筐体8の端部に設け、かつ本例では光ディスクドライブ装置の前面側、すなわちフロントパネル15側の前側部分10aに、トレイ支持体27を設置している。
【0040】
実施形態4では、ディスクトレイ10における前側部分10aの両側に通孔28を穿設し、この通孔28に断面凸状のトレイ支持体27における先端部27aが遊嵌され、トレイ支持体27の水平部27bによりディスクトレイ10の下側部を受けるようになっている。具体的には、ローディング時にディスクトレイ10が図1に示す位置から移動して、図6に示す水平位置にディスクトレイ10が移動する際に、トレイ支持体27の先端部27aが通孔28に入り込むような設置構造になっている。
【0041】
このようにしたため、ディスクトレイ10がフロントパネル15のドア16以外の部分においても固定されることとなり、ディスクトレイ10に発生する振動が押さえ込まれ、その振動に伴う騒音が低減される。特に実施形態4では、トレイ支持体27の水平部27bでディスクトレイ10の下側面を押え、さらにトレイ支持体27の先端部27aを通孔28に遊嵌することによって、全軸方向における振動抑制効果が得られる。
【0042】
また、ディスクトレイ10の受皿部11に孔を穿設したり、突起形状を設けたりすると、その形状がディスク回転に伴う風と干渉して、風切り音の増幅源となるが、実施形態4のようにディスクトレイ10の受皿部11以外に孔を穿設するならば、このような悪影響の発生を回避することができる。
【0043】
図7は本発明の実施形態5を説明するための光ディスクドライブ装置の要部を示す斜視図、図8は図7に示す実施形態5の側面断面図であり、実施形態5が実施形態4と異なる点は、フロントパネル15側の前側部分10aに、ディスクトレイ10における横方向に延在するように長孔30を平面視円弧状に穿設し、トレイ支持体31における水平部31bから延出する先端部31aを長孔30から立壁状に突出させ、トレイ支持体31の水平部31bによりディスクトレイ10の下側部を受けるようにした構成である。
【0044】
実施形態5でも実施形態4と同様に、ローデイング時に図1に示す位置から移動して、図8に示す水平位置にディスクトレイ10が移動する際に、トレイ支持体31の先端部31aが長孔30に挿入するような設置構造になっている。
【0045】
このようにしたため、実施形態5においても、前記と同様に振動に伴う騒音が低減される。さらに、ディスクトレイ10に穿設された円弧形状の長孔30に、同じく円弧形状のトレイ支持体31の先端部31aが嵌挿する構成であることから、ディスクトレイ10における平面全方向へのがた付きがほぼ打ち消され、高い振動抑制効果が得られる、しかも、ディスクトレイ10から突出する壁形状のトレイ支持体31の先端部31aは、ディスクトレイ10の受皿部11で発生するディスク回転に伴う風切り音に対して、装置前面部への防音壁の役割を果たすため、装置全体として、より高い騒音低減効果が得られる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光ディスク回転機構が光ディスクを保持する際に、光ディスクの受皿となるディスクトレイを下側からトレイ支持体により支えることにより、騒音の発生源であるディスクトレイ部分における振動を、トレイ支持体を具備しない従来装置に比べて良好に抑制することができるため、ディスクトレイの振動に伴う騒音を効果的に低減することができる実際的な光ディスクドライブ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態1を説明するための光ディスクドライブ装置の概略構成を示す分解斜視図
【図2】実施形態1の光ディスクドライブ装置の側面断面図
【図3】本発明に係る実施形態2を説明するための光ディスクドライブ装置の要部を示す側面断面図
【図4】本発明に係る実施形態3を説明するための光ディスクドライブ装置の要部を示す側面断面図
【図5】本発明に係る実施形態4を説明するための光ディスクドライブ装置の要部を示す斜視図
【図6】実施形態4の光ディスクドライブ装置の側面断面図
【図7】本発明に係る実施形態5を説明するための光ディスクドライブ装置の要部を示す斜視図
【図8】実施形態5の光ディスクドライブ装置の側面断面図
【符号の説明】
1 スピンドルモータ
2 光ディスク
3 クランパ
6 防振部材
7 弾性部材
8 内部筐体
9 支柱
10 ディスクトレイ
11 受皿部
13 ベースフレーム
14 トップカバー
15 フロントパネル
16 ドア
18,27,31 トレイ支持体
20 逃げ孔
21 鍔部
22 キャップ部材
23,25 中空部材
28 通孔
30 長孔
Claims (10)
- 光ディスクが取り外し可能に載置される受皿部を有し、かつ装置本体に対して内外へ進退可能に設置されるディスクトレイと、前記受皿部に光ディスクを載置した前記ディスクトレイが前記装置本体内に収納されているときに光ディスクを保持して回転駆動する光ディスク回転機構と、少なくとも前記光ディスク回転機構を支持する駆動部支持部材と、前記ディスクトレイを前記装置本体の前面において出し入れするための開口部を有するフロントパネルとを備えた光ディスクドライブ装置において、
前記光ディスク回転機構が光ディスクを保持しているときに、前記ディスクトレイの下側部を支えるトレイ支持体を備えたことを特徴とする光ディスクドライブ装置。 - 前記ディスクトレイの前面にドア部を設け、前記ディスクトレイが装置本体に収納されたとき、前記ドア部が前記フロントパネルの前記開口部周部に接合することを特徴とする請求項1記載の光ディスクドライブ装置。
- 前記トレイ支持体を、前記駆動部支持部材に設けられて防振および吸振を図る防振材と該防振材を支持する支柱とからなる防振部材における先端部に付設したことを特徴とする請求項1記載の光ディスクドライブ装置。
- 前記ディスクトレイと前記防振部材との干渉を避ける逃げ孔を前記ディスクトレイの下側部に設けたことを特徴とする請求項3に記載の光ディスクドライブ装置。
- 前記防振部材の先端部分に前記トレイ支持体としてのキャップ部材を嵌着し、このキャップ部材を前記逃げ孔から挿入し、かつキャップ部材の鍔部により前記ディスクトレイの下側部を支えるように構成したことを特徴とする請求項3または4記載の光ディスクドライブ装置。
- 前記防振部材の先端部周囲における前記逃げ孔の空隙部を塞ぐように前記トレイ支持体に延出部を設けたことを特徴とする請求項4または5記載の光ディスクドライブ装置。
- 前記トレイ支持体により、前記ディスクトレイにおける受皿部以外の下側部を支えることを特徴とする請求項1記載の光ディスクドライブ装置。
- 前記トレイ支持体により、前記ディスクトレイにおける受皿部以外の前記フロントパネル側を支えることを特徴とする請求項1記載の光ディスクドライブ装置。
- 前記ディスクトレイにおける前記トレイ支持体により支えられる位置に、前記トレイ支持体の先端部が突出する通孔を設けたことを特徴とする請求項7または8記載の光ディスクドライブ装置。
- 前記ディスクトレイにおける前記トレイ支持体により支えられる位置に、トレイ横方向に延在するように長孔を設け、この長孔から前記トレイ支持体の先端部を立壁状に突出させたことを特徴とする請求項7または8記載の光ディスクドライブ装置。
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JP2002271371A JP2004110927A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | 光ディスクドライブ装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7305683B2 (en) | 2004-02-04 | 2007-12-04 | Ricoh Company, Ltd. | Disk rotation device and disk drive device |
KR101078573B1 (ko) * | 2004-10-05 | 2011-11-01 | 주식회사 히타치엘지 데이터 스토리지 코리아 | 디스크 드라이브의 진동 및 충격 저감장치 |
-
2002
- 2002-09-18 JP JP2002271371A patent/JP2004110927A/ja active Pending
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US7305683B2 (en) | 2004-02-04 | 2007-12-04 | Ricoh Company, Ltd. | Disk rotation device and disk drive device |
KR101078573B1 (ko) * | 2004-10-05 | 2011-11-01 | 주식회사 히타치엘지 데이터 스토리지 코리아 | 디스크 드라이브의 진동 및 충격 저감장치 |
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