JP2004108205A - スタータ - Google Patents
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Abstract
【課題】回転規制噛み合式スタータ1において、部品コストを低減でき、且つ電磁スイッチ3の小型化効果を十分に発揮できる構造を提供すること。
【解決手段】始動時にピニオン移動体5の回転を規制する回転規制部材6は、金属製の板状部材を略コの字状に折り曲げて構成され、第1の折り曲げ片と第2の折り曲げ片とに設けられた嵌合孔にクランクバー7の作動腕7bが挿通されて、その作動腕7bと一体に可動する。
この構成によれば、回転規制部材6を小型化して軽量化を実現できるので、電磁スイッチ3に内蔵されたスプリング16の反力だけでも十分に回転規制部材6を元の位置へ戻すことができ、専用の戻しスプリングを使用する必要がない。
その結果、電磁スイッチ3の吸引力を小さくでき、ソレノイド14の体格を従来品より更に小さくすることで電磁スイッチ3の小型化を促進できる。
【選択図】 図1
【解決手段】始動時にピニオン移動体5の回転を規制する回転規制部材6は、金属製の板状部材を略コの字状に折り曲げて構成され、第1の折り曲げ片と第2の折り曲げ片とに設けられた嵌合孔にクランクバー7の作動腕7bが挿通されて、その作動腕7bと一体に可動する。
この構成によれば、回転規制部材6を小型化して軽量化を実現できるので、電磁スイッチ3に内蔵されたスプリング16の反力だけでも十分に回転規制部材6を元の位置へ戻すことができ、専用の戻しスプリングを使用する必要がない。
その結果、電磁スイッチ3の吸引力を小さくでき、ソレノイド14の体格を従来品より更に小さくすることで電磁スイッチ3の小型化を促進できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転規制されたピニオンギヤをヘリカルスプラインの作用により押し出してエンジンのリングギヤに噛み合わせる回転規制噛み合式スタータに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大気中の二酸化炭素増加による温暖化等、地球環境悪化を防止するため、自動車においては燃費向上が最重要課題となり、エンジンの改良が進められている。これに伴い、エンジンの補機部品であるスタータでは、小型軽量化が求められており、その小型化に関する従来技術として、例えば特許文献1に記載されたスタータがある。
このスタータは、出力軸にヘリカルスプライン嵌合するピニオンと、始動時にピニオンの回転を規制するピニオン回転規制部材とを有し、このピニオン回転規制部材によりピニオンの回転を規制して出力軸を駆動することにより、ヘリカルスプラインの作用でピニオンを反モータ方向へ移動させてエンジンのリングギヤに噛み合わせる方式である。
【0003】
上記の方式では、電磁スイッチの吸引力を利用してピニオンを押し出す方式のスタータと比較すると、ソレノイドの体格(特に外径)を小さくできる。つまり、上記の方式において、電磁スイッチの吸引力は、始動時にピニオン回転規制部材を作動させるために利用されるが、このピニオン回転規制部材を作動させるために必要な吸引力は、ピニオンを押し出すために必要な吸引力と比較して格段に小さくて済む。これにより、電磁スイッチを小型化でき、ひいてはスタータの小型軽量化を促進できる。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−217672号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のピニオン回転規制部材は、太径の棒状スプリング材をピニオンの外径より大きなコイル形状に巻回して構成されたもので、比較的質量の大きな部品である。このため、エンジン始動後、ピニオン回転規制部材を初期位置に戻す際に、専用の戻しスプリングを必要としている。つまり、電磁スイッチに内蔵されたスプリング(プランジャを押し戻すためのスプリング)の反力だけでは、質量の大きいピニオン回転規制部材を初期位置まで戻すことができない。
【0006】
従って、始動時にピニオン回転規制部材を作動させる時には、戻しスプリングの反力に抗してピニオン回転規制部材を作動させる必要があるので、その分、電磁スイッチの吸引力を大きくする必要がある。その結果、ソレノイドの体格が大きくなり、電磁スイッチを小型化できる効果が低減されてしまう。
また、上記のスタータは、ピニオン回転規制部材を回転軸に対して略直角方向に移動させる構造であるため、そのピニオン回転規制部材の移動を案内する案内部材が必要となり、部品コストが増大するという問題もある。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、回転規制噛み合式スタータにおいて、部品コストを低減でき、且つ電磁スイッチの小型化効果を十分に発揮できる構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の発明)
本発明は、回転規制部材によりピニオン移動体の回転を規制して出力軸を回転させ、ヘリカルスプラインによりピニオン移動体を反モータ方向へ移動させてピニオンギヤをリングギヤに噛み合わせる方式のスタータであって、
電磁スイッチの吸引力を利用して回転規制部材を作動させる作動手段は、電磁スイッチの吸引力が伝達されて回動する棒状部と、この棒状部の反電磁スイッチ側端部に設けられて、棒状部の回動により、棒状部を中心として揺動する作動腕とを有し、回転規制部材は、作動腕に取り付けられて、作動腕と一体に可動することを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、回転規制部材が作動腕に取り付けられ、この作動腕と一体に可動するので、回転規制部材を比較的軽量にできる。これにより、回転規制部材を元の位置へ戻す際に、電磁スイッチに内蔵されたスプリングの反力(プランジャを初期位置へ戻すためのスプリング力)を利用することが可能であり、専用の戻しスプリングを廃止できる。
また、回転規制部材は、作動腕に取り付けられて可動するので、回転規制部材の移動を案内部材によってガイドする必要がない。これにより、案内部材を廃止できるので、部品コストを低減でき、且つ案内部材を配置するためのスペースも不要となるので、スタータの小型化にも寄与できる。
【0009】
(請求項2の発明)
請求項1に記載したスタータにおいて、
回転規制部材は、板状部材を略コの字状に折り曲げて構成され、その折り曲げられた第1の折り曲げ片と第2の折り曲げ片とにそれぞれ嵌合孔が形成されて、その嵌合孔に作動腕を挿通して作動腕に組付けられ、且つ第1の折り曲げ片に係合部が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、作動腕に対して回転規制部材が第1の折り曲げ片と第2の折り曲げ片の2カ所で支持されるので、ピニオン移動体の回転規制を行う際に、回転規制部材の傾きを抑制できる。
【0010】
(請求項3の発明)
請求項2に記載したスタータにおいて、
回転規制部材は、作動腕の長手方向に移動可能に組付けられ、且つ作動腕に対し回動不能に組付けられていることを特徴とする。
この構成によれば、回転規制されたピニオン移動体が反モータ方向へ移動してピニオンギヤがリングギヤに当接した時(ピニオンギヤとリングギヤとの歯筋が合致せず、両者が噛み合わない時)に、ピニオンギヤとリングギヤとの歯筋が一致するまで、回転規制部材が作動腕の長手方向に移動することでピニオン移動体の回転を許容できる。
また、回転規制部材が作動腕に対して回動不能に組付けられているので、ピニオン移動体に対して確実に回転規制することができ、所定の回転規制荷重を付与できる。
【0011】
(請求項4の発明)
請求項3に記載したスタータにおいて、
作動腕には、第1の折り曲げ片と第2の折り曲げ片との間に回転規制部材を位置決めするためのストッパが設けられ、更にストッパに対し回転規制部材を付勢する復帰スプリングが取り付けられていることを特徴とする。
この構成によれば、回転規制部材自体に復帰スプリングの機能を持たせる必要がないので、回転規制部材を、ピニオン移動体の回転規制を行うために最適な形状に設けることができる。
【0012】
(請求項5の発明)
請求項4に記載したスタータにおいて、
復帰スプリングは、ストッパと第2の折り曲げ片との間に配設され、第1の折り曲げ片がストッパに当接した状態で、回転規制部材に所定の初期荷重を付与していることを特徴とする。
この構成によれば、作動腕に取り付けられる回転規制部材の内側(第1の折り曲げ片と第2の折り曲げ片との間)に戻しスプリングを配設しているので、作動腕を必要以上に長く形成する必要がない。
【0013】
また、復帰スプリングは、回転規制部材に所定の初期荷重を付与しているので、ピニオン移動体の回転を規制する際に、第1の折り曲げ片がストッパに当接した状態を維持できる。即ち、回転規制部材が作動腕の長手方向にがたつくことがないので、ピニオン移動体を確実に回転規制できる。
【0014】
(請求項6の発明)
請求項1〜5に記載した何れかのスタータにおいて、
回転規制部材は、少なくとも係合部に硬度を高めるための熱処理が施されていることを特徴とする。
これにより、被係合部との係合に伴う係合部の摩耗を低減でき、耐久性を向上できる。
【0015】
(請求項7の発明)
請求項1〜6に記載したスタータにおいて、
被係合部は、自身の外径部に複数の凹部が周方向に連続して設けられ、
回転規制部材は、係合部が凹部に入り込んでピニオン移動体の回転を規制し、係合部は、被係合部に対向する先端部の板厚方向の少なくとも一方側に面取りが施されていることを特徴とする。
この構成によれば、ピニオン移動体を回転規制する際に、係合部が被係合部の凹部に入り込み易くなるので、より確実にピニオン移動体の回転規制を行うことができる。
【0016】
(請求項8の発明)
請求項1〜7に記載したスタータにおいて、
作動手段は、棒状部と作動腕とが分離して設けられ、両者が連結手段により連結されていることを特徴とする。
作動手段を組付ける際に、棒状部と作動腕とが一体に構成されていると、作動腕が他の部品と干渉するため、棒状部を撓ませながら組付ける必要がある。
これに対し、作動手段の棒状部と作動腕とを分離することで、作動手段を組付ける際に作動腕が他の部品に干渉することなく、軸方向からの組付けが可能となり、組付け性が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1はスタータ1の断面図である。
本実施例のスタータ1は、回転力を発生するモータ2と、このモータ2の通電電流をON/OFFする電磁スイッチ3、モータ2に駆動されて回転する出力軸4、この出力軸4上を移動可能に設けられたピニオン移動体5、始動時にピニオン移動体5の回転を規制する回転規制部材6、及び電磁スイッチ3の吸引力を利用して回転規制部材6を作動させるクランクバー7(本発明の作動手段)等を備えている。
【0018】
モータ2は、ヨーク8、界磁石9(永久磁石)、アーマチャ10、及びブラシ11(図5参照)等から構成される周知の直流電動機であり、電磁スイッチ3に内蔵されたモータ接点(後述する)が閉じると、バッテリ電流がブラシ11を通じてアーマチャ10に流れることにより、アーマチャ10に回転力を生じる。
【0019】
電磁スイッチ3は、図1に示す様に、スタータ1の後部に配置され、エンドフレーム12によって覆われている。この電磁スイッチ3は、IGスイッチ13(図5参照)のON操作により通電されて磁力を発生するソレノイド14と、このソレノイド14の内側を往復動自在に嵌挿され、ソレノイド14への通電時に図示上方へ吸引されて移動するプランジャ15、ソレノイド14への通電が停止された時に、プランジャ15を初期位置へ押し戻すためのスプリング16、及びモータ接点を構成する一組の可動接点17、18と一組の固定接点19、20等を備えている。
【0020】
一組の可動接点17、18は、プランジャ15に図示しない連結部材を介して連結された第1の可動接点17と、この第1の可動接点17と機械的且つ電気的に連結された第2の可動接点18であり、共にプランジャ15と一体に可動する。なお、第1の可動接点17は、正極側のブラシ11に接続されている。
一組の固定接点19、20は、第1の可動接点17に対向する第1の固定接点19と、第2の可動接点18に対向する第2の固定接点20である。第1の固定接点19は、エンドフレーム12に固定された端子ボルト21と一体に設けられ、第2の固定接点20は、第1の固定接点19と機械的且つ電気的に連結されてエンドフレーム12に固定されている。
【0021】
なお、第2の固定接点20は、第1の固定接点19より電気抵抗の高いカーボン材を使用している。
また、プランジャ15が初期位置(図1に示す位置)に静止した状態で、図5に示す様に、第1の固定接点19と第1の可動接点17との接点間距離をA、第2の固定接点20と第2の可動接点18との接点間距離をBとした時、以下の関係が成立する。
A>B
【0022】
これは、モータ2の起動時にアーマチャ10の回転速度を低く抑えるためである。即ち、ソレノイド14への通電によりプランジャ15が吸引されて図1に示す上方へ移動した時に、先ず第2の可動接点18が第2の固定接点20に当接してアーマチャ10に印加されるバッテリ電圧を抑えることにより、アーマチャ10の回転速度を低くし、その後、第1の可動接点17が第1の固定接点19に当接して、バッテリの定格電圧をアーマチャ10に印加することで、アーマチャ10の回転速度を高くしている。
【0023】
出力軸4は、フロントハウジング22に固定された軸受23と、センタプレート24に固定された軸受25を介して回転自在に支持され、以下に説明する減速装置と一方向クラッチを介してモータ2の回転軸(アーマチャシャフト10a)に連結されている。
減速装置は、アーマチャシャフト10aの一端部に形成されたサンギヤ26と、センタプレート24に固定されたインターナルギヤ27、及び両ギヤ26、27に噛み合う複数の遊星ギヤ28を有し、この遊星ギヤ28がサンギヤ26の回転に伴ってサンギヤ26の周囲を自転しながら公転する遊星ギヤ減速装置を構成している。
【0024】
一方向クラッチは、遊星ギヤ28の公転運動が伝達されて回転するアウタ29と、このアウタ29の内径側に配置されるインナ30、及びアウタ29とインナ30との間に形成されるくさび状空間に配されるローラ31等から構成される。アウタ29は、軸受32を介して遊星ギヤ28を回転自在に支持する支持ピン33が圧入等によって固定されており、遊星ギヤ28がサンギヤ26の周囲を公転すると、その公転運動が支持ピン33を介して伝達されて回転する。
【0025】
インナ30は、出力軸4の後端部に設けられて、出力軸4と一体に回転する。ローラ31は、遊星ギヤ28の公転運動を受けてアウタ29が回転すると、アウタ29とインナ30との間にロックされてアウタ29の回転をインナ30に伝達する。一方、エンジンの始動によりインナ30の回転速度がアウタ29の回転速度を上回ると、アウタ29とインナ30との間で空転することにより、両者間の動力伝達を遮断する。
【0026】
ピニオン移動体5は、始動時にエンジンのリングギヤ(図示しない)に噛み合うピニオンギヤ34と、このピニオンギヤ34の反リングギヤ側に設けられたフランジ部35(本発明の被係合部)とを有し、内径側に内ヘリカルスプライン5aが形成されて、この内ヘリカルスプライン5aが出力軸4の外周に形成された外ヘリカルスプライン4aに噛み合って出力軸4上に配置され、スプリング36によって反リングギヤ方向に付勢されている。
フランジ部35の外径部には、図2に示す様に、複数の凹部35aが周方向に連続して設けられている。
【0027】
このピニオン移動体5には、ピニオンギヤ34がリングギヤに噛み合った後、回転規制部材6と協働してピニオン移動体5の戻りを防止する戻り防止部材37が保持されている。この戻り防止部材37は、センタプレート24に固定されたフック38に一端が回動自在に支持されると共に、自身の中間部がピニオン移動体5の後端面に設けられたホルダ(図示しない)によって揺動自在に保持されている。
【0028】
クランクバー7は、例えば1本の金属棒から構成され、電磁スイッチ3のプランジャ15に設けられたフック部39に連結される連結部7aと、回転規制部材6が組付けられる作動腕7b、及び連結部7aと作動腕7bとを連結する棒状部7cとを有している。
連結部7aは、金属棒の一端側を略直角方向に折り曲げて形成され、フック部39に設けられた貫通孔に回動自在に挿通されている。
棒状部7cは、例えばモータ2の周方向に隣合う界磁石9の間を通ってモータ2の軸線と略平行に配設され、図示しない軸受により回転自在に支持されている。
【0029】
作動腕7bは、センタプレート24の反クラッチ側(図1の左側)まで延設された金属棒の他端側を略直角方向に折り曲げて形成され、図2(a)に示す様に、ピニオン移動体5に設けられたフランジ部35の外径に近接した位置で、ピニオン移動体5の軸線と交差して配置されている。
このクランクバー7は、プランジャ15の移動(図1に示す上下方向の移動)が連結部7aを介して棒状部7cに伝達されると、棒状部7cが自身の軸芯を中心として回動し、その結果、作動腕7bが棒状部7cを中心として、図2(a)に示す矢印方向に揺動する。
【0030】
回転規制部材6は、図3に示す様に、板状部材を略コの字状に折り曲げて構成され、クランクバー7の作動腕7bに組付けられている。具体的には、折り曲げられた第1の折り曲げ片6aと第2の折り曲げ片6bとにそれぞれ嵌合孔が形成され、その嵌合孔にクランクバー7の作動腕7bを挿通して摺動自在に組付けられている。但し、作動腕7bの断面形状、及び第1の折り曲げ片6aと第2の折り曲げ片6bに形成された嵌合孔の形状は、それぞれ異形断面(例えば円形の一部を直線状にカットしたD型断面)を有し、回転規制部材6を作動腕7bに対し回動不能に組付けている。
【0031】
回転規制部材6の第1の折り曲げ片6aには、作動腕7bがピニオン移動体5側(図2(a)に示す矢印a方向)へ移動した時に、ピニオン移動体5のフランジ部35に設けられた凹部35aに入り込んでピニオン移動体5の回転を規制する係合部6cが一体に設けられている。
係合部6cは、図1に示す様に、ピニオン移動体5の軸線方向に沿って配置され、その軸線方向に所定の長さを有している。また、フランジ部35に対向する係合部6cの先端部には、凹部35aへ入り易くするために、板厚方向の少なくとも一方側に面取り6dが設けられて、先端の板厚が薄く形成されている(図4参照)。
この係合部6cを有する回転規制部材6は、係合部6cに所定の硬度を持たせるために、熱処理(例えば高周波焼き入れ)が施されている。
【0032】
上記の回転規制部材6は、第1の折り曲げ片6aと第2の折り曲げ片6bとの間で作動腕7bに設けられるストッパ40に第1の折り曲げ片6aが当接して位置決めされ、この位置(初期位置と呼ぶ)から作動腕7bの先端側(反棒状部側)へ移動可能に設けられ、且つ復帰スプリング41により初期位置に付勢されている。
復帰スプリング41は、ストッパ40と第2の折り曲げ片6bとの間に押し縮められた状態で配設され、回転規制部材6が初期位置の状態で所定の荷重を発生している。
【0033】
次に、本実施例の作動を説明する。
IGスイッチ13を閉じる(ON操作する)と、バッテリ42(図5参照)から電磁スイッチ3のソレノイド14に電流が流れて磁力が発生し、その磁力によりプランジャ15が図1の上方へ吸引されて移動する。このプランジャ15の移動がクランクバー7を介して回転規制部材6に伝達されると、回転規制部材6が図1の上方へ移動し、図2(b)に示す様に、回転規制部材6の係合部6cがピニオン移動体5のフランジ部35に設けられた凹部35aに係合してピニオン移動体5の回転を規制する。
【0034】
一方、電磁スイッチ3では、プランジャ15の移動により、先ず第2の可動接点18が電気抵抗の高い第2の固定接点20に当接するため、比較的小電流がバッテリ42からアーマチャ10に流れて、アーマチャ10がゆっくり回転する。アーマチャ10の回転は、減速装置で減速された後、一方向クラッチを介して出力軸4に伝達されて出力軸4を回転させる。この出力軸4の回転により、出力軸4上のピニオン移動体5も回転しようとするが、そのピニオン移動体5が回転規制部材6によって回転規制されているので、出力軸4の回転力がヘリカルスプラインを介してピニオン移動体5にスラスト力として付与される。
【0035】
これにより、ピニオン移動体5が出力軸4上を前進して、ピニオンギヤ34の端面がリングギヤの端面に当接する。ここで、ピニオンギヤ34とリングギヤとの歯筋がずれていると、ピニオンギヤ34がリングギヤに噛み合うことができないため、ピニオン移動体5は前進できずに停止する。この状態(ピニオン移動体5が停止した状態)では、ピニオン移動体5に対して出力軸4の回転力がスラスト力に変換されないため、ピニオン移動体5に回転力が付与される。
【0036】
この時、ピニオン移動体5は、回転規制部材6によって回転規制されているが、回転規制部材6を付勢する復帰スプリング41の付勢力よりピニオン移動体5に付与される回転力の方が大きいので、ピニオン移動体5は、フランジ部35の凹部35aに回転規制部材6の係合部6cが入り込んだ状態で回転を開始する。このピニオン移動体5の回転により、回転規制部材6は、図2(c)に示す様に、復帰スプリング41を撓ませながらクランクバー7の作動腕7b上を先端方向へ移動する。
ピニオン移動体5は、少なくともピニオンギヤ34の1ピッチ分だけ回転する間に、ピニオンギヤ34とリングギヤとの歯筋が一致して噛み合い可能となるため、再びスラスト力を受けて出力軸4上を前進し、ピニオンギヤ34がリングギヤに噛み合うことができる。
【0037】
ピニオンギヤ34とリングギヤとが完全に噛み合うと、それまでフランジ部35の凹部35aに係合していた回転規制部材6の係合部6cが凹部35aから外れるため、復帰スプリング41に付勢されて作動腕7b上を初期位置へ押し戻され、且つ、ピニオン移動体5の後部に配設される戻り防止部材37の後側(反ピニオン側)に入り込み、ピニオン移動体5の後退を阻止する。
なお、戻り防止部材37は、ピニオン移動体5の前進に伴い、フック38に支持された一端を中心として回動し、戻り防止部材37の下端部がピニオン移動体5の後端面に近接した状態に配設される。
【0038】
エンジンが始動してIGスイッチ13を開く(OFF 操作する)と、電磁スイッチ3のソレノイド14に流れる電流が遮断されて磁力が消滅するため、プランジャ15がスプリング16に付勢されて初期位置に押し戻される。このプランジャ15の移動に伴い、クランクバー7の棒状部7cが起動時と反対方向に回転するため、その棒状部7cを中心として作動腕7bが起動時と反対方向(図2(a)の矢印b方向)に移動して初期位置に復帰する。
これにより、回転規制部材6の係合部6cが戻り防止部材37の後部から抜け出るため、ピニオン移動体5の後退規制が解除されて、スプリング36の付勢力とリングギヤから受ける後退力とでピニオン移動体5が出力軸4上を後退し、図1に示す静止位置に復帰する。
【0039】
(第1実施例の効果)
本実施例のスタータ1は、ピニオン移動体5の回転を規制する回転規制部材6がクランクバー7の作動腕7bに組付けられ、この作動腕7bと一体に可動するので、回転規制部材6を小型化して軽量化を実現できる。これにより、回転規制部材6を元の位置へ戻す際に、電磁スイッチ3に内蔵されたスプリング16の反力を利用することが可能である。つまり、クランクバー7の作動腕7bに組付けられた回転規制部材6の質量が比較的小さく、且つクランクバー7の作動が棒状部7cを中心とした回転運動であるため、クランクバー7を作動させるために必要な操作力を小さくできる。
【0040】
これにより、電磁スイッチ3に内蔵されたスプリング16の反力だけでも十分に回転規制部材6を元の位置へ戻すことができるので、専用の戻しスプリングを使用する必要がない。これにより、始動時にピニオン移動体5の回転を規制する際には、専用の戻しスプリングの反力に抗して回転規制部材6を作動させる必要がないので、その分、電磁スイッチ3の吸引力を小さくすることが可能である。その結果、ソレノイド14の体格を従来品より更に小さくでき、電磁スイッチ3の小型化を促進できる。
【0041】
また、回転規制部材6は、作動腕7bに取り付けられて可動するので、回転規制部材6の移動を案内部材によってガイドする必要がない。これにより、案内部材を廃止できるので、部品コストを低減でき、且つ案内部材を配置するためのスペースも不要となるので、スタータ1の小型化にも寄与できる。
更に、回転規制部材6は、作動腕7bに対して第1の折り曲げ片6aと第2の折り曲げ片6bの2カ所で支持されるので、ピニオン移動体5の回転規制を行う際に、回転規制部材6の傾きを抑制でき、確実にピニオン移動体5の回転規制を行うことができる。
【0042】
(第2実施例)
図7は回転規制部材6とクランクバー7の斜視図である。
本実施例は、クランクバー7の棒状部7cと作動腕7bとを分離した一例を示す。
クランクバー7は、図7に示す様に、棒状部7cと作動腕7bとがそれぞれ別部品として構成され、両者が連結手段によって連結されている。
連結手段は、作動腕7bの端部に設けられた雌ジョイント部7dと、棒状部7cの端部に設けられた雄ジョイント部7eとで構成される。
【0043】
雌ジョイント部7dは、円筒形状に設けられ、その内径に複数の係合溝7fが形成されている。
雄ジョイント部7eは、自身の外周面に複数の係合山7gが形成され、この係合山7gを雌ジョイント部7dの係合溝7fに嵌め合わせることで、両者が回動不能に連結される(図6参照)。
【0044】
本実施例の構成によれば、雄ジョイント部7eが設けられる棒状部7cの端部が直線状となるので、スタータ1の組付け工程において、棒状部7cを撓めるとか、電磁スイッチ3のソレノイド14を組付ける最終段階で、フック部39にクランクバー7の連結部7aを挿通してから図示しない所定の金具で固定する等の組付け時間の増加を招く工程をかけることなく、フロントハウジング22を下にして順番に上へ積み上げていく工程を採用できるので、組付けコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スタータの断面図である。
【図2】回転規制部材の作動説明図である。
【図3】回転規制部材とクランクバーの斜視図である(第1実施例)。
【図4】回転規制部材の係合部の先端形状を示す拡大図である。
【図5】スタータの電気回路図である。
【図6】ピニオン移動体と回転規制部材を示す軸方向正面図である(第2実施例)。
【図7】回転規制部材とクランクバーの斜視図である(第2実施例)。
【符号の説明】
1 スタータ
2 モータ
3 電磁スイッチ
4 出力軸
4a 外ヘリカルスプライン(出力軸のヘリカルスプライン)
5 ピニオン移動体
5a 内ヘリカルスプライン(ピニオン移動体のヘリカルスプライン)
6 回転規制部材
6a 第1の折り曲げ片
6b 第2の折り曲げ片
6c 係合部
6d 面取り
7 クランクバー(作動手段)
7b 作動腕
7c 棒状部
7d 雌ジョイント部(連結手段)
7e 雄ジョイント部(連結手段)
34 ピニオンギヤ
35 フランジ部(被係合部)
35a 凹部
40 ストッパ
41 復帰スプリング
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転規制されたピニオンギヤをヘリカルスプラインの作用により押し出してエンジンのリングギヤに噛み合わせる回転規制噛み合式スタータに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大気中の二酸化炭素増加による温暖化等、地球環境悪化を防止するため、自動車においては燃費向上が最重要課題となり、エンジンの改良が進められている。これに伴い、エンジンの補機部品であるスタータでは、小型軽量化が求められており、その小型化に関する従来技術として、例えば特許文献1に記載されたスタータがある。
このスタータは、出力軸にヘリカルスプライン嵌合するピニオンと、始動時にピニオンの回転を規制するピニオン回転規制部材とを有し、このピニオン回転規制部材によりピニオンの回転を規制して出力軸を駆動することにより、ヘリカルスプラインの作用でピニオンを反モータ方向へ移動させてエンジンのリングギヤに噛み合わせる方式である。
【0003】
上記の方式では、電磁スイッチの吸引力を利用してピニオンを押し出す方式のスタータと比較すると、ソレノイドの体格(特に外径)を小さくできる。つまり、上記の方式において、電磁スイッチの吸引力は、始動時にピニオン回転規制部材を作動させるために利用されるが、このピニオン回転規制部材を作動させるために必要な吸引力は、ピニオンを押し出すために必要な吸引力と比較して格段に小さくて済む。これにより、電磁スイッチを小型化でき、ひいてはスタータの小型軽量化を促進できる。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−217672号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のピニオン回転規制部材は、太径の棒状スプリング材をピニオンの外径より大きなコイル形状に巻回して構成されたもので、比較的質量の大きな部品である。このため、エンジン始動後、ピニオン回転規制部材を初期位置に戻す際に、専用の戻しスプリングを必要としている。つまり、電磁スイッチに内蔵されたスプリング(プランジャを押し戻すためのスプリング)の反力だけでは、質量の大きいピニオン回転規制部材を初期位置まで戻すことができない。
【0006】
従って、始動時にピニオン回転規制部材を作動させる時には、戻しスプリングの反力に抗してピニオン回転規制部材を作動させる必要があるので、その分、電磁スイッチの吸引力を大きくする必要がある。その結果、ソレノイドの体格が大きくなり、電磁スイッチを小型化できる効果が低減されてしまう。
また、上記のスタータは、ピニオン回転規制部材を回転軸に対して略直角方向に移動させる構造であるため、そのピニオン回転規制部材の移動を案内する案内部材が必要となり、部品コストが増大するという問題もある。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、回転規制噛み合式スタータにおいて、部品コストを低減でき、且つ電磁スイッチの小型化効果を十分に発揮できる構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の発明)
本発明は、回転規制部材によりピニオン移動体の回転を規制して出力軸を回転させ、ヘリカルスプラインによりピニオン移動体を反モータ方向へ移動させてピニオンギヤをリングギヤに噛み合わせる方式のスタータであって、
電磁スイッチの吸引力を利用して回転規制部材を作動させる作動手段は、電磁スイッチの吸引力が伝達されて回動する棒状部と、この棒状部の反電磁スイッチ側端部に設けられて、棒状部の回動により、棒状部を中心として揺動する作動腕とを有し、回転規制部材は、作動腕に取り付けられて、作動腕と一体に可動することを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、回転規制部材が作動腕に取り付けられ、この作動腕と一体に可動するので、回転規制部材を比較的軽量にできる。これにより、回転規制部材を元の位置へ戻す際に、電磁スイッチに内蔵されたスプリングの反力(プランジャを初期位置へ戻すためのスプリング力)を利用することが可能であり、専用の戻しスプリングを廃止できる。
また、回転規制部材は、作動腕に取り付けられて可動するので、回転規制部材の移動を案内部材によってガイドする必要がない。これにより、案内部材を廃止できるので、部品コストを低減でき、且つ案内部材を配置するためのスペースも不要となるので、スタータの小型化にも寄与できる。
【0009】
(請求項2の発明)
請求項1に記載したスタータにおいて、
回転規制部材は、板状部材を略コの字状に折り曲げて構成され、その折り曲げられた第1の折り曲げ片と第2の折り曲げ片とにそれぞれ嵌合孔が形成されて、その嵌合孔に作動腕を挿通して作動腕に組付けられ、且つ第1の折り曲げ片に係合部が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、作動腕に対して回転規制部材が第1の折り曲げ片と第2の折り曲げ片の2カ所で支持されるので、ピニオン移動体の回転規制を行う際に、回転規制部材の傾きを抑制できる。
【0010】
(請求項3の発明)
請求項2に記載したスタータにおいて、
回転規制部材は、作動腕の長手方向に移動可能に組付けられ、且つ作動腕に対し回動不能に組付けられていることを特徴とする。
この構成によれば、回転規制されたピニオン移動体が反モータ方向へ移動してピニオンギヤがリングギヤに当接した時(ピニオンギヤとリングギヤとの歯筋が合致せず、両者が噛み合わない時)に、ピニオンギヤとリングギヤとの歯筋が一致するまで、回転規制部材が作動腕の長手方向に移動することでピニオン移動体の回転を許容できる。
また、回転規制部材が作動腕に対して回動不能に組付けられているので、ピニオン移動体に対して確実に回転規制することができ、所定の回転規制荷重を付与できる。
【0011】
(請求項4の発明)
請求項3に記載したスタータにおいて、
作動腕には、第1の折り曲げ片と第2の折り曲げ片との間に回転規制部材を位置決めするためのストッパが設けられ、更にストッパに対し回転規制部材を付勢する復帰スプリングが取り付けられていることを特徴とする。
この構成によれば、回転規制部材自体に復帰スプリングの機能を持たせる必要がないので、回転規制部材を、ピニオン移動体の回転規制を行うために最適な形状に設けることができる。
【0012】
(請求項5の発明)
請求項4に記載したスタータにおいて、
復帰スプリングは、ストッパと第2の折り曲げ片との間に配設され、第1の折り曲げ片がストッパに当接した状態で、回転規制部材に所定の初期荷重を付与していることを特徴とする。
この構成によれば、作動腕に取り付けられる回転規制部材の内側(第1の折り曲げ片と第2の折り曲げ片との間)に戻しスプリングを配設しているので、作動腕を必要以上に長く形成する必要がない。
【0013】
また、復帰スプリングは、回転規制部材に所定の初期荷重を付与しているので、ピニオン移動体の回転を規制する際に、第1の折り曲げ片がストッパに当接した状態を維持できる。即ち、回転規制部材が作動腕の長手方向にがたつくことがないので、ピニオン移動体を確実に回転規制できる。
【0014】
(請求項6の発明)
請求項1〜5に記載した何れかのスタータにおいて、
回転規制部材は、少なくとも係合部に硬度を高めるための熱処理が施されていることを特徴とする。
これにより、被係合部との係合に伴う係合部の摩耗を低減でき、耐久性を向上できる。
【0015】
(請求項7の発明)
請求項1〜6に記載したスタータにおいて、
被係合部は、自身の外径部に複数の凹部が周方向に連続して設けられ、
回転規制部材は、係合部が凹部に入り込んでピニオン移動体の回転を規制し、係合部は、被係合部に対向する先端部の板厚方向の少なくとも一方側に面取りが施されていることを特徴とする。
この構成によれば、ピニオン移動体を回転規制する際に、係合部が被係合部の凹部に入り込み易くなるので、より確実にピニオン移動体の回転規制を行うことができる。
【0016】
(請求項8の発明)
請求項1〜7に記載したスタータにおいて、
作動手段は、棒状部と作動腕とが分離して設けられ、両者が連結手段により連結されていることを特徴とする。
作動手段を組付ける際に、棒状部と作動腕とが一体に構成されていると、作動腕が他の部品と干渉するため、棒状部を撓ませながら組付ける必要がある。
これに対し、作動手段の棒状部と作動腕とを分離することで、作動手段を組付ける際に作動腕が他の部品に干渉することなく、軸方向からの組付けが可能となり、組付け性が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1はスタータ1の断面図である。
本実施例のスタータ1は、回転力を発生するモータ2と、このモータ2の通電電流をON/OFFする電磁スイッチ3、モータ2に駆動されて回転する出力軸4、この出力軸4上を移動可能に設けられたピニオン移動体5、始動時にピニオン移動体5の回転を規制する回転規制部材6、及び電磁スイッチ3の吸引力を利用して回転規制部材6を作動させるクランクバー7(本発明の作動手段)等を備えている。
【0018】
モータ2は、ヨーク8、界磁石9(永久磁石)、アーマチャ10、及びブラシ11(図5参照)等から構成される周知の直流電動機であり、電磁スイッチ3に内蔵されたモータ接点(後述する)が閉じると、バッテリ電流がブラシ11を通じてアーマチャ10に流れることにより、アーマチャ10に回転力を生じる。
【0019】
電磁スイッチ3は、図1に示す様に、スタータ1の後部に配置され、エンドフレーム12によって覆われている。この電磁スイッチ3は、IGスイッチ13(図5参照)のON操作により通電されて磁力を発生するソレノイド14と、このソレノイド14の内側を往復動自在に嵌挿され、ソレノイド14への通電時に図示上方へ吸引されて移動するプランジャ15、ソレノイド14への通電が停止された時に、プランジャ15を初期位置へ押し戻すためのスプリング16、及びモータ接点を構成する一組の可動接点17、18と一組の固定接点19、20等を備えている。
【0020】
一組の可動接点17、18は、プランジャ15に図示しない連結部材を介して連結された第1の可動接点17と、この第1の可動接点17と機械的且つ電気的に連結された第2の可動接点18であり、共にプランジャ15と一体に可動する。なお、第1の可動接点17は、正極側のブラシ11に接続されている。
一組の固定接点19、20は、第1の可動接点17に対向する第1の固定接点19と、第2の可動接点18に対向する第2の固定接点20である。第1の固定接点19は、エンドフレーム12に固定された端子ボルト21と一体に設けられ、第2の固定接点20は、第1の固定接点19と機械的且つ電気的に連結されてエンドフレーム12に固定されている。
【0021】
なお、第2の固定接点20は、第1の固定接点19より電気抵抗の高いカーボン材を使用している。
また、プランジャ15が初期位置(図1に示す位置)に静止した状態で、図5に示す様に、第1の固定接点19と第1の可動接点17との接点間距離をA、第2の固定接点20と第2の可動接点18との接点間距離をBとした時、以下の関係が成立する。
A>B
【0022】
これは、モータ2の起動時にアーマチャ10の回転速度を低く抑えるためである。即ち、ソレノイド14への通電によりプランジャ15が吸引されて図1に示す上方へ移動した時に、先ず第2の可動接点18が第2の固定接点20に当接してアーマチャ10に印加されるバッテリ電圧を抑えることにより、アーマチャ10の回転速度を低くし、その後、第1の可動接点17が第1の固定接点19に当接して、バッテリの定格電圧をアーマチャ10に印加することで、アーマチャ10の回転速度を高くしている。
【0023】
出力軸4は、フロントハウジング22に固定された軸受23と、センタプレート24に固定された軸受25を介して回転自在に支持され、以下に説明する減速装置と一方向クラッチを介してモータ2の回転軸(アーマチャシャフト10a)に連結されている。
減速装置は、アーマチャシャフト10aの一端部に形成されたサンギヤ26と、センタプレート24に固定されたインターナルギヤ27、及び両ギヤ26、27に噛み合う複数の遊星ギヤ28を有し、この遊星ギヤ28がサンギヤ26の回転に伴ってサンギヤ26の周囲を自転しながら公転する遊星ギヤ減速装置を構成している。
【0024】
一方向クラッチは、遊星ギヤ28の公転運動が伝達されて回転するアウタ29と、このアウタ29の内径側に配置されるインナ30、及びアウタ29とインナ30との間に形成されるくさび状空間に配されるローラ31等から構成される。アウタ29は、軸受32を介して遊星ギヤ28を回転自在に支持する支持ピン33が圧入等によって固定されており、遊星ギヤ28がサンギヤ26の周囲を公転すると、その公転運動が支持ピン33を介して伝達されて回転する。
【0025】
インナ30は、出力軸4の後端部に設けられて、出力軸4と一体に回転する。ローラ31は、遊星ギヤ28の公転運動を受けてアウタ29が回転すると、アウタ29とインナ30との間にロックされてアウタ29の回転をインナ30に伝達する。一方、エンジンの始動によりインナ30の回転速度がアウタ29の回転速度を上回ると、アウタ29とインナ30との間で空転することにより、両者間の動力伝達を遮断する。
【0026】
ピニオン移動体5は、始動時にエンジンのリングギヤ(図示しない)に噛み合うピニオンギヤ34と、このピニオンギヤ34の反リングギヤ側に設けられたフランジ部35(本発明の被係合部)とを有し、内径側に内ヘリカルスプライン5aが形成されて、この内ヘリカルスプライン5aが出力軸4の外周に形成された外ヘリカルスプライン4aに噛み合って出力軸4上に配置され、スプリング36によって反リングギヤ方向に付勢されている。
フランジ部35の外径部には、図2に示す様に、複数の凹部35aが周方向に連続して設けられている。
【0027】
このピニオン移動体5には、ピニオンギヤ34がリングギヤに噛み合った後、回転規制部材6と協働してピニオン移動体5の戻りを防止する戻り防止部材37が保持されている。この戻り防止部材37は、センタプレート24に固定されたフック38に一端が回動自在に支持されると共に、自身の中間部がピニオン移動体5の後端面に設けられたホルダ(図示しない)によって揺動自在に保持されている。
【0028】
クランクバー7は、例えば1本の金属棒から構成され、電磁スイッチ3のプランジャ15に設けられたフック部39に連結される連結部7aと、回転規制部材6が組付けられる作動腕7b、及び連結部7aと作動腕7bとを連結する棒状部7cとを有している。
連結部7aは、金属棒の一端側を略直角方向に折り曲げて形成され、フック部39に設けられた貫通孔に回動自在に挿通されている。
棒状部7cは、例えばモータ2の周方向に隣合う界磁石9の間を通ってモータ2の軸線と略平行に配設され、図示しない軸受により回転自在に支持されている。
【0029】
作動腕7bは、センタプレート24の反クラッチ側(図1の左側)まで延設された金属棒の他端側を略直角方向に折り曲げて形成され、図2(a)に示す様に、ピニオン移動体5に設けられたフランジ部35の外径に近接した位置で、ピニオン移動体5の軸線と交差して配置されている。
このクランクバー7は、プランジャ15の移動(図1に示す上下方向の移動)が連結部7aを介して棒状部7cに伝達されると、棒状部7cが自身の軸芯を中心として回動し、その結果、作動腕7bが棒状部7cを中心として、図2(a)に示す矢印方向に揺動する。
【0030】
回転規制部材6は、図3に示す様に、板状部材を略コの字状に折り曲げて構成され、クランクバー7の作動腕7bに組付けられている。具体的には、折り曲げられた第1の折り曲げ片6aと第2の折り曲げ片6bとにそれぞれ嵌合孔が形成され、その嵌合孔にクランクバー7の作動腕7bを挿通して摺動自在に組付けられている。但し、作動腕7bの断面形状、及び第1の折り曲げ片6aと第2の折り曲げ片6bに形成された嵌合孔の形状は、それぞれ異形断面(例えば円形の一部を直線状にカットしたD型断面)を有し、回転規制部材6を作動腕7bに対し回動不能に組付けている。
【0031】
回転規制部材6の第1の折り曲げ片6aには、作動腕7bがピニオン移動体5側(図2(a)に示す矢印a方向)へ移動した時に、ピニオン移動体5のフランジ部35に設けられた凹部35aに入り込んでピニオン移動体5の回転を規制する係合部6cが一体に設けられている。
係合部6cは、図1に示す様に、ピニオン移動体5の軸線方向に沿って配置され、その軸線方向に所定の長さを有している。また、フランジ部35に対向する係合部6cの先端部には、凹部35aへ入り易くするために、板厚方向の少なくとも一方側に面取り6dが設けられて、先端の板厚が薄く形成されている(図4参照)。
この係合部6cを有する回転規制部材6は、係合部6cに所定の硬度を持たせるために、熱処理(例えば高周波焼き入れ)が施されている。
【0032】
上記の回転規制部材6は、第1の折り曲げ片6aと第2の折り曲げ片6bとの間で作動腕7bに設けられるストッパ40に第1の折り曲げ片6aが当接して位置決めされ、この位置(初期位置と呼ぶ)から作動腕7bの先端側(反棒状部側)へ移動可能に設けられ、且つ復帰スプリング41により初期位置に付勢されている。
復帰スプリング41は、ストッパ40と第2の折り曲げ片6bとの間に押し縮められた状態で配設され、回転規制部材6が初期位置の状態で所定の荷重を発生している。
【0033】
次に、本実施例の作動を説明する。
IGスイッチ13を閉じる(ON操作する)と、バッテリ42(図5参照)から電磁スイッチ3のソレノイド14に電流が流れて磁力が発生し、その磁力によりプランジャ15が図1の上方へ吸引されて移動する。このプランジャ15の移動がクランクバー7を介して回転規制部材6に伝達されると、回転規制部材6が図1の上方へ移動し、図2(b)に示す様に、回転規制部材6の係合部6cがピニオン移動体5のフランジ部35に設けられた凹部35aに係合してピニオン移動体5の回転を規制する。
【0034】
一方、電磁スイッチ3では、プランジャ15の移動により、先ず第2の可動接点18が電気抵抗の高い第2の固定接点20に当接するため、比較的小電流がバッテリ42からアーマチャ10に流れて、アーマチャ10がゆっくり回転する。アーマチャ10の回転は、減速装置で減速された後、一方向クラッチを介して出力軸4に伝達されて出力軸4を回転させる。この出力軸4の回転により、出力軸4上のピニオン移動体5も回転しようとするが、そのピニオン移動体5が回転規制部材6によって回転規制されているので、出力軸4の回転力がヘリカルスプラインを介してピニオン移動体5にスラスト力として付与される。
【0035】
これにより、ピニオン移動体5が出力軸4上を前進して、ピニオンギヤ34の端面がリングギヤの端面に当接する。ここで、ピニオンギヤ34とリングギヤとの歯筋がずれていると、ピニオンギヤ34がリングギヤに噛み合うことができないため、ピニオン移動体5は前進できずに停止する。この状態(ピニオン移動体5が停止した状態)では、ピニオン移動体5に対して出力軸4の回転力がスラスト力に変換されないため、ピニオン移動体5に回転力が付与される。
【0036】
この時、ピニオン移動体5は、回転規制部材6によって回転規制されているが、回転規制部材6を付勢する復帰スプリング41の付勢力よりピニオン移動体5に付与される回転力の方が大きいので、ピニオン移動体5は、フランジ部35の凹部35aに回転規制部材6の係合部6cが入り込んだ状態で回転を開始する。このピニオン移動体5の回転により、回転規制部材6は、図2(c)に示す様に、復帰スプリング41を撓ませながらクランクバー7の作動腕7b上を先端方向へ移動する。
ピニオン移動体5は、少なくともピニオンギヤ34の1ピッチ分だけ回転する間に、ピニオンギヤ34とリングギヤとの歯筋が一致して噛み合い可能となるため、再びスラスト力を受けて出力軸4上を前進し、ピニオンギヤ34がリングギヤに噛み合うことができる。
【0037】
ピニオンギヤ34とリングギヤとが完全に噛み合うと、それまでフランジ部35の凹部35aに係合していた回転規制部材6の係合部6cが凹部35aから外れるため、復帰スプリング41に付勢されて作動腕7b上を初期位置へ押し戻され、且つ、ピニオン移動体5の後部に配設される戻り防止部材37の後側(反ピニオン側)に入り込み、ピニオン移動体5の後退を阻止する。
なお、戻り防止部材37は、ピニオン移動体5の前進に伴い、フック38に支持された一端を中心として回動し、戻り防止部材37の下端部がピニオン移動体5の後端面に近接した状態に配設される。
【0038】
エンジンが始動してIGスイッチ13を開く(OFF 操作する)と、電磁スイッチ3のソレノイド14に流れる電流が遮断されて磁力が消滅するため、プランジャ15がスプリング16に付勢されて初期位置に押し戻される。このプランジャ15の移動に伴い、クランクバー7の棒状部7cが起動時と反対方向に回転するため、その棒状部7cを中心として作動腕7bが起動時と反対方向(図2(a)の矢印b方向)に移動して初期位置に復帰する。
これにより、回転規制部材6の係合部6cが戻り防止部材37の後部から抜け出るため、ピニオン移動体5の後退規制が解除されて、スプリング36の付勢力とリングギヤから受ける後退力とでピニオン移動体5が出力軸4上を後退し、図1に示す静止位置に復帰する。
【0039】
(第1実施例の効果)
本実施例のスタータ1は、ピニオン移動体5の回転を規制する回転規制部材6がクランクバー7の作動腕7bに組付けられ、この作動腕7bと一体に可動するので、回転規制部材6を小型化して軽量化を実現できる。これにより、回転規制部材6を元の位置へ戻す際に、電磁スイッチ3に内蔵されたスプリング16の反力を利用することが可能である。つまり、クランクバー7の作動腕7bに組付けられた回転規制部材6の質量が比較的小さく、且つクランクバー7の作動が棒状部7cを中心とした回転運動であるため、クランクバー7を作動させるために必要な操作力を小さくできる。
【0040】
これにより、電磁スイッチ3に内蔵されたスプリング16の反力だけでも十分に回転規制部材6を元の位置へ戻すことができるので、専用の戻しスプリングを使用する必要がない。これにより、始動時にピニオン移動体5の回転を規制する際には、専用の戻しスプリングの反力に抗して回転規制部材6を作動させる必要がないので、その分、電磁スイッチ3の吸引力を小さくすることが可能である。その結果、ソレノイド14の体格を従来品より更に小さくでき、電磁スイッチ3の小型化を促進できる。
【0041】
また、回転規制部材6は、作動腕7bに取り付けられて可動するので、回転規制部材6の移動を案内部材によってガイドする必要がない。これにより、案内部材を廃止できるので、部品コストを低減でき、且つ案内部材を配置するためのスペースも不要となるので、スタータ1の小型化にも寄与できる。
更に、回転規制部材6は、作動腕7bに対して第1の折り曲げ片6aと第2の折り曲げ片6bの2カ所で支持されるので、ピニオン移動体5の回転規制を行う際に、回転規制部材6の傾きを抑制でき、確実にピニオン移動体5の回転規制を行うことができる。
【0042】
(第2実施例)
図7は回転規制部材6とクランクバー7の斜視図である。
本実施例は、クランクバー7の棒状部7cと作動腕7bとを分離した一例を示す。
クランクバー7は、図7に示す様に、棒状部7cと作動腕7bとがそれぞれ別部品として構成され、両者が連結手段によって連結されている。
連結手段は、作動腕7bの端部に設けられた雌ジョイント部7dと、棒状部7cの端部に設けられた雄ジョイント部7eとで構成される。
【0043】
雌ジョイント部7dは、円筒形状に設けられ、その内径に複数の係合溝7fが形成されている。
雄ジョイント部7eは、自身の外周面に複数の係合山7gが形成され、この係合山7gを雌ジョイント部7dの係合溝7fに嵌め合わせることで、両者が回動不能に連結される(図6参照)。
【0044】
本実施例の構成によれば、雄ジョイント部7eが設けられる棒状部7cの端部が直線状となるので、スタータ1の組付け工程において、棒状部7cを撓めるとか、電磁スイッチ3のソレノイド14を組付ける最終段階で、フック部39にクランクバー7の連結部7aを挿通してから図示しない所定の金具で固定する等の組付け時間の増加を招く工程をかけることなく、フロントハウジング22を下にして順番に上へ積み上げていく工程を採用できるので、組付けコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スタータの断面図である。
【図2】回転規制部材の作動説明図である。
【図3】回転規制部材とクランクバーの斜視図である(第1実施例)。
【図4】回転規制部材の係合部の先端形状を示す拡大図である。
【図5】スタータの電気回路図である。
【図6】ピニオン移動体と回転規制部材を示す軸方向正面図である(第2実施例)。
【図7】回転規制部材とクランクバーの斜視図である(第2実施例)。
【符号の説明】
1 スタータ
2 モータ
3 電磁スイッチ
4 出力軸
4a 外ヘリカルスプライン(出力軸のヘリカルスプライン)
5 ピニオン移動体
5a 内ヘリカルスプライン(ピニオン移動体のヘリカルスプライン)
6 回転規制部材
6a 第1の折り曲げ片
6b 第2の折り曲げ片
6c 係合部
6d 面取り
7 クランクバー(作動手段)
7b 作動腕
7c 棒状部
7d 雌ジョイント部(連結手段)
7e 雄ジョイント部(連結手段)
34 ピニオンギヤ
35 フランジ部(被係合部)
35a 凹部
40 ストッパ
41 復帰スプリング
Claims (8)
- 回転力を発生するモータと、
このモータに駆動されて回転する出力軸と、
前記モータの通電電流をON/OFFする電磁スイッチと、
始動時にエンジンのリングギヤに噛み合うピニオンギヤを有すると共に、前記ピニオンギヤの反リングギヤ側に被係合部が設けられて、前記出力軸上にヘリカルスプライン結合されたピニオン移動体と、
このピニオン移動体の回転方向に交差して前記被係合部に係合可能な係合部を有し、この係合部が前記被係合部に係合して前記ピニオン移動体の回転を規制する回転規制部材と、
前記電磁スイッチの吸引力を利用して前記回転規制部材を作動させる作動手段とを備え、
前記回転規制部材により前記ピニオン移動体の回転を規制して前記出力軸を回転させ、前記ヘリカルスプラインにより前記ピニオン移動体を反モータ方向へ移動させて前記ピニオンギヤを前記リングギヤに噛み合わせる方式のスタータであって、
前記作動手段は、前記電磁スイッチの吸引力が伝達されて回動する棒状部と、この棒状部の反電磁スイッチ側端部に設けられて、前記棒状部の回動により、前記棒状部を中心として揺動する作動腕とを有し、
前記回転規制部材は、前記作動腕に取り付けられて、前記作動腕と一体に可動することを特徴とするスタータ。 - 請求項1に記載したスタータにおいて、
前記回転規制部材は、板状部材を略コの字状に折り曲げて構成され、その折り曲げられた第1の折り曲げ片と第2の折り曲げ片とにそれぞれ嵌合孔が形成されて、その嵌合孔に前記作動腕を挿通して前記作動腕に組付けられ、且つ前記第1の折り曲げ片に前記係合部が設けられていることを特徴とするスタータ。 - 請求項2に記載したスタータにおいて、
前記回転規制部材は、前記作動腕の長手方向に移動可能に組付けられ、且つ前記作動腕に対し回動不能に組付けられていることを特徴とするスタータ。 - 請求項3に記載したスタータにおいて、
前記作動腕には、前記第1の折り曲げ片と第2の折り曲げ片との間に前記回転規制部材を位置決めするためのストッパが設けられ、更に前記ストッパに対し前記回転規制部材を付勢する復帰スプリングが取り付けられていることを特徴とするスタータ。 - 請求項4に記載したスタータにおいて、
前記復帰スプリングは、前記ストッパと前記第2の折り曲げ片との間に配設され、前記第1の折り曲げ片が前記ストッパに当接した状態で、前記回転規制部材に所定の初期荷重を付与していることを特徴とするスタータ。 - 請求項1〜5に記載した何れかのスタータにおいて、
前記回転規制部材は、少なくとも前記係合部に硬度を高めるための熱処理が施されていることを特徴とするスタータ。 - 請求項1〜6に記載したスタータにおいて、
前記被係合部は、自身の外径部に複数の凹部が周方向に連続して設けられ、
前記回転規制部材は、前記係合部が前記凹部に入り込んで前記ピニオン移動体の回転を規制し、前記係合部は、前記被係合部に対向する先端部の板厚方向の少なくとも一方側に面取りが施されていることを特徴とするスタータ。 - 請求項1〜7に記載したスタータにおいて、
前記作動手段は、前記棒状部と前記作動腕とが分離して設けられ、両者が連結手段により連結されていることを特徴とするスタータ。
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