JP3783364B2 - スタータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジンを始動するスタータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、日本電装公開技報(整理番号82−113/1992年1月15日発行)に開示されたスタータがある。
このスタータは、図11に示す様に、マグネットスイッチのプランジャ100と、そのプランジャ100の摺動面を形成するスリーブ110に各々テーパ部101、111を設け、且つプランジャ係合部102とレバー120の端部121との間に弾性体130を介在させている。この構成により、マグネットスイッチの作動停止時(静止状態)には、リターンスプリング140に付勢されたプランジャ100が、プランジャ100のテーパ部101とスリーブ110のテーパ部111とが接触した状態で停止し、リターンスプリング140の押圧力で安定的に保持される。これにより、外部から大きな振動を受けた場合でも、プランジャ100がスリーブ110内を軸方向(図11の左右方向)に移動することがなく、プランジャ100とスリーブ110とが一体運動となるため、プランジャ100とスリーブ110との相対運動によるスリーブ面の磨耗を防止できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記構成のスタータでは、以下の問題点が生じる。
▲1▼弾性体130を設けることによる部品点数の増加。
▲2▼プランジャ100とスリーブ110にテーパ部101、111を設けることによる工数増加。
▲3▼プランジャ100にテーパ部101を設けることによる磁気特性の変化。
▲4▼静止状態の時に弾性体130の弾力でレバー120を押している(リターンスプリング140の反力で直接レバー120を押していない)ため、レバー120を介して一方向クラッチを軸方向後端側へ押圧保持する力が低下する。
▲5▼プランジャ係合部102とレバー端部121との間に弾性体130を介在させたことで両者間の係合隙間がなくなるため、エンジン始動後、電磁スイッチの通電が断たれても、ピニオンが摺動不良等により、リングギヤから離脱できなくなった際にモータ接点を切り離すために設定する接点切りガタが減少する。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、少なくともスタータの静止状態において、プランジャをスタータの固定部位に押圧保持させることにより耐振性の向上を図ったスタータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくともスタータ非作動時にプランジャをスタータの固定部位(例えばプランジャを摺動自在に保持するスリーブ)に押圧する押圧手段を設け、この押圧手段は、プランジャに連結された伝達部材の弾性変形によりプランジャを径方向に付勢するものである。これにより、少なくとも静止状態(スタータの作動停止状態)の時には、プランジャが固定部位に押圧されているため、外部から大きな振動を受けた場合でも、プランジャと固定部位とが一体運動となる。この結果、振動を受けてプランジャがスリーブ内を摺動することによるスリーブ内周面の磨耗を防止できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のスタータを図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1は電磁スイッチの要部断面図である。
本実施例のスタータ1は、図3に示す様に、回転力を発生する始動モータ2、この始動モータ2に回転駆動される出力軸3、この出力軸3上を移動可能に設けられたピニオン移動体4、始動モータ2への通電を制御する電磁スイッチ5、この電磁スイッチ5の作動力を受けてピニオン移動体4を軸方向に移動させるレバー6等より構成される。
【0007】
始動モータ2は、周知の構造を有し、電磁スイッチ5によりモータ接点(後述する)が閉じて通電されることによりアーマチャ(図示しない)が回転する。
出力軸3は、始動モータ2の回転軸(図示しない)と同軸に配されて、始動モータ2の回転が減速装置(図示しない)で減速されて伝達される。
ピニオン移動体4は、エンジンのリングギヤ(図示しない)と噛み合って出力軸3の回転をリングギヤに伝達するためのピニオンギヤ7と、このピニオンギヤ7に出力軸3の回転を伝達する一方向クラッチ8とから成り、ピニオン移動体4の内周面に設けられたヘリカルスプラインが出力軸3の外周面に設けられたヘリカルスプラインに嵌合している。
【0008】
電磁スイッチ5は、通電を受けて磁力を発生するコイル9、このコイル9の内周に配された円筒形のスリーブ10、このスリーブ10の内周を摺動自在に配されたプランジャ11、及びプランジャ11を付勢するリターンスプリング12等を具備し、プランジャ11の移動に伴ってモータ接点を開閉する。モータ接点は、可動接点13、バッテリ側固定接点14、及びモータ側固定接点15から成る。可動接点13は、プランジャ11に連結されたロッド16の端部に絶縁部材17を介して取り付けられ、プランジャ11と一体に可動する。バッテリ側固定接点14は、ケーブルを通じてバッテリ(図示しない)に接続されるバッテリ端子18と一体に設けられている。モータ側固定接点15は、リード線19を通じて始動モータ2の正極ブラシ(図示しない)と電気的に接続されている。
【0009】
プランジャ11は、コイル9が通電されると、コイル9の発生する磁力を受けてリターンスプリング12の付勢力に抗してスリーブ10の内周を図3の右方向へ移動し、コイル9への通電が断たれて磁力が消滅すると、リターンスプリング12の付勢力で静止位置(図3に示す位置)へ押し戻される。このプランジャ11は、図1に示す様に、スプリング20を介して連結するジョイント部21を具備し、このジョイント部21の端部にレバー6の上端部6aが係合する係合凹部21aが形成されている。係合凹部21aには、静止状態の時にレバー上端部6aの片側面(図1の右側面)が当接する当接面に傾斜面21b(図1参照)が設けられている。この傾斜面21bは、図2に示す様に、リターンスプリング12の付勢力Fのうち傾斜面21bと平行な分力F1 がプランジャ11をスリーブ10の内周面に押圧する力として作用する様に構成されている。
【0010】
レバー6は、上端部6aがU字状に設けられてジョイント部21の係合凹部21aに係合し、下端部6bが二股形状に設けられてピニオン移動体4の円筒部外周面に係合し、ハウジング22に支持された支点23を中心として回動可能に設けられている。
【0011】
次に、本実施例の作動を説明する。
電磁スイッチ5のコイル9が通電されてプランジャ11が吸引されると、レバー6が支点23を中心として回転する。これにより、レバー6の下端部6bに連結されたピニオン移動体4が出力軸3上をヘリカルスプラインに沿って前方(図3の左側)へ押し出され、ピニオンギヤ7の端面がリングギヤの端面に当接した状態で停止する。
一方、プランジャ11の吸引によりモータ接点が閉じる(可動接点13が両固定接点14、15に当接すること)と、バッテリよりアーマチャに電流が流れてアーマチャが回転し、そのアーマチャの回転が減速装置で減速されて出力軸3に伝達される。これにより、出力軸3の回転が一方向クラッチ8を介してピニオンギヤ7に伝達され、ピニオンギヤ7がリングギヤと噛み合い可能な位置まで回転することでピニオンギヤ7がリングギヤと噛み合い、ピニオンギヤ7からリングギヤに回転力が伝達されてエンジンが始動する。
【0012】
エンジン始動後、電磁スイッチ5のコイル9への通電が断たれて磁力が消滅すると、それまで吸引されていたプランジャ11がリターンスプリング12の付勢力で静止位置まで押し戻される。このプランジャ11の移動により、モータ接点が開いて(可動接点13が両固定接点14、15から離れること)アーマチャへの電流が断たれることでアーマチャの回転が停止するとともに、レバー6を通じてピニオン移動体4が軸方向後端側へ押圧されて静止位置(図3に示す状態)に戻る。この時、リターンスプリング12の付勢力Fのうち傾斜面21bと平行な分力F1 がプランジャ11に作用する。これにより、プランジャ11は図1の斜め左上方へ押されてスリーブ10の内周面に押圧される。
【0013】
(第1実施例の効果)
本実施例によれば、電磁スイッチ5の作動が停止しているスタータ非作動時に、リターンスプリング12の付勢力Fのうち傾斜面21bと平行な分力F1 によってプランジャ11がスリーブ10の内周面に押圧されている。これにより、外部から大きな振動を受けた場合でも、プランジャ11がスリーブ10内を摺動することはなく、プランジャ11とスリーブ10とが一体運動となるため、スリーブ10内周面の磨耗を防止できる。
また、電磁スイッチ5の作動時には、コイル9の磁力によりプランジャ11が吸引され始めた時点で傾斜面21bがレバー上端部6aの片側面から離れるため、プランジャ11をスリーブ10の内径側へ押圧する力が消滅してプランジャ11の摺動抵抗とはならない。
更に、本実施例では、リターンスプリング12の付勢力Fのうち傾斜面21bと直交する分力F2 がレバー6の支点23に作用して支点23に負荷を掛けることができるため、外部から大きな振動を受けてもレバー6自体の振動が抑えられることで、支点23の磨耗対策となる。
【0014】
(第2実施例)
図4はスタータ1の断面図である。
本実施例のスタータ1は、回転力を発生する始動モータ2、この始動モータ2に回転駆動される出力軸3、この出力軸3にヘリカルスプライン嵌合するピニオン移動体4、始動モータ2への通電を制御する電磁スイッチ5、始動モータ2が起動する前にピニオン移動体4の回転を規制する回転規制部材6、電磁スイッチ5の作動力を回転規制部材6に伝達する伝達部材7等より構成される。
【0015】
始動モータ2は、磁気枠を形成する円筒形状の継鉄8、回転軸9の両端部が軸受10、11を介して回転自在に支持されたアーマチャ12、このアーマチャ12の外周に所定のギャップを有して継鉄8の内周に固着された固定磁極13(例えば複数の永久磁石)等を具備し、モータ軸に略直角に配置された電磁スイッチ5によりモータ接点(後述する)が閉じて通電されることによりアーマチャ12が回転する。
出力軸3は、アーマチャ12の回転軸9と同軸に配され、アーマチャ12の回転が減速装置(後述する)で減速された後、一方向クラッチ14を介して伝達される。出力軸3の軸方向の一部にはヘリカルスプラインが形成されている。
【0016】
減速装置は、回転軸9の先端側外周に形成されたサンギヤ15、このサンギヤ15の径方向外周に配されたインターナルギヤ16、及びサンギヤ15とインターナルギヤ16との間に介在されて両ギヤ15、16に噛み合う複数の遊星ギヤ17により遊星歯車減速機構を構成している。
一方向クラッチ14は、遊星ギヤ17を軸支するピン18を通じて減速装置の回転出力を受けて出力軸3に伝達する。
【0017】
ピニオン移動体4は、内周に設けられたヘリカルスプラインが出力軸3のヘリカルスプラインに嵌合して出力軸3上を移動可能に設けられ、ピニオン移動体4の前方に配されたスプリング19により常時スタータ1の後方側(図4の右方向)へ付勢されている。このピニオン移動体4には、エンジンの駆動軸に設けられたリングギヤ(図示しない)と噛み合うためのピニオンギヤ20が一体に形成され、そのピニオンギヤ20の後端側にピニオンギヤ20の外径より大きく、外周に多数の歯部21aを有する鍔部21が一体に形成されている。また、ピニオン移動体4の後端面には、コロ22を介して回転自在に支持されたワッシャ23が配設されている。
【0018】
電磁スイッチ5は、始動モータ2の後方に配されて、椀状に成形されたリヤケース24の内部に収容されている。この電磁スイッチ5は、通電を受けて磁力を発生するコイル25、このコイル25の内周に配された円筒形のスリーブ26、このスリーブ26の内周を摺動自在に配されたプランジャ27、及びプランジャ27を付勢するリターンスプリング28等を具備し、プランジャ27の移動に伴ってモータ接点を開閉する。
プランジャ27は、コイル25が通電されると、コイル25の発生する磁力を受けてスリーブ26の内周を図4の上方へ移動し、コイル25への通電が断たれて磁力が消滅すると、リターンスプリング28の付勢力で静止位置(図4に示す位置)へ押し戻される。
【0019】
モータ接点は、バッテリ端子29と一体に設けられた主固定接点30、この主固定接点30に対応して可動する主可動接点31、バッテリ端子29と電気的に接続された抵抗32、この抵抗32を介してバッテリ端子29と導通する副固定接点33、及び副固定接点33に対応して可動する副可動接点34より構成される。但し、主固定接点30と主可動接点31との間隔より副固定接点33と副可動接点34との間隔の方が小さく設定されている。
主可動接点31はプランジャ27に連結されたプランジャロッド35の上端部に取り付けられ、プランジャ27と一体に可動する。また、副可動接点34は、弾力を持たせた銅板36等を介して主可動接点31に接続されている。
【0020】
回転規制部材6は、プレート37によって軸方向への移動が規制された状態で上下方向(図4の上下方向)に移動可能に保持され、図示しない復帰スプリングにより常時上方へ付勢されている。この回転規制部材6は、棒状の金属材をループ状に巻回して、両端部6a、6bを略直角に同一方向へ折り曲げて形成されている。直角に折り曲げられた両端部6a、6bは、それぞれプレート37より前方側へ取り出されている。その一方の端部6aは、出力軸3の径方向上側でピニオン移動体4の鍔部21より外周に位置し、回転規制部材6全体が下方へ移動した時に、鍔部21に設けられた歯部21aに係合することができる。他方の端部6bは、出力軸3の径方向下側に位置し、伝達部材7を通じて電磁スイッチ5の作動力(プランジャ27を吸引する力)が伝えられる。
【0021】
伝達部材7は、適度な弾性を有する材料(例えば鉄)から形成され、プランジャ27のジョイント部38に係合する移動部7a、回転規制部材6の他方の端部6bに当接する作動部7b、及び移動部7aと作動部7bとを接続する直線棒状の棒状部7cとから構成されている。
棒状部7cは、アーマチャ12の径方向外側を回転軸9と略平行に配され、2個の軸受39、40によって回転自在に支持されている。移動部7aと作動部7bは、棒状部7cの両端から棒状部7cに対し略直角に折れ曲がって伸びている。
この伝達部材7は、プランジャ27がコイル25の磁力を受けて吸引される(図4の上方へ移動する)と、ジョイント部38に係合する移動部7aがプランジャ27の移動に追従するため、移動部7aの移動量に応じて棒状部7cが回転し、その棒状部7cを中心として作動部7bが回転することにより、作動部7bに当接する他方の端部6bに電磁スイッチ5の作動力を伝達する。
【0022】
また、伝達部材7は、図5及び図6に示す様に、リヤケース24の内側に一体に設けられた突起壁41によって移動部7aに弾力が付与されている。具体的には、図6に示す様に、突起壁41によって移動部7aに図示下方へ撓みを発生させることにより、その移動部7aに係合するジョイント部38をホルダ壁42に押圧している。
ホルダ壁42は、例えば図示しないブラシを保持するためのブラシホルダと一体に形成され、図5に示す様に、電磁スイッチ5の静止状態の時にリターンスプリング28に付勢されている(図5の下方へ付勢されている)プランジャ27の軸方向の位置規制を行うとともに、移動部7aの撓み力によりプランジャ軸方向と略垂直(図6の下方)に付勢されるジョイント部38を支持している。つまり、スタータ1の非作動時には、突起壁41より移動部7aに付与された弾力により、ジョイント部38がプランジャ軸方向と略垂直に付勢されてホルダ壁42に押圧されている(図6参照)。
【0023】
なお、移動部7aは、プランジャ27がコイル25の磁力を受けて吸引されると、プランジャ27に追従して棒状部7cを中心として回転する(図5の上方へ移動する)ことにより突起壁41から離脱する。この突起壁41は1か所でなく複数箇所設けても良い。
また、突起壁41は、図7に示す様に、移動部7aが当接する壁面を傾斜面としても良い。この場合、スタータ1の非作動時に伝達部材7の移動部7aを突起壁41の傾斜面に押し当てることにより、その反力によって移動部7aに弾力を付与することができる。
【0024】
次に、本実施例の作動を説明する。
電磁スイッチ5のコイル25が通電されてプランジャ27が吸引されると、伝達部材7の移動部7aが棒状部7cを中心として回転するため、その移動部7aと一体に棒状部7c及び作動部7bが回転する。これにより、作動部7bに当接する回転規制部材6の他方の端部6bが図4の下方へ押圧されるため、回転規制部材6全体が下方へ移動して、一方の端部6aが鍔部21の歯部21aに係合し、ピニオン移動体4の回転を規制する。
【0025】
一方、プランジャ27の移動に伴って副可動接点34が副固定接点33に当接すると、抵抗32を通じてアーマチャ12に電流が流れるためアーマチャ12が低速で回転する。アーマチャ12の回転は、減速装置で減速された後、一方向クラッチ14を介して出力軸3に伝達されて出力軸3が回転する。この出力軸3の回転によってピニオン移動体4も回転しようとするが、上記の様にピニオン移動体4の回転が規制されているため、出力軸3の回転がヘリカルスプラインを通じてピニオン移動体4を軸方向に押し出す力として作用する。この結果、ピニオン移動体4が出力軸3上を前進してピニオンギヤ20がリングギヤと噛み合うことができる。
【0026】
その後、ピニオンギヤ20が完全にリングギヤに噛み合うまで前進すると、回転規制部材6の一方の端部6aが鍔部21の歯部21aから外れてピニオン移動体4の後端に配設されたワッシャ23の後方側に落ち込むことにより、ピニオン移動体4の回転規制が解除される。これにより、更にプランジャ27が吸引されて主可動接点31が主固定接点30に当接すると、抵抗32が短絡されてアーマチャ12に電流が流れるため、アーマチャ12が高速で回転する。その結果、ピニオンギヤ20よりリングギヤに回転力が伝達されてエンジンが始動する。
【0027】
エンジン始動後、電磁スイッチ5のコイル25への通電が断たれて磁力が消滅すると、それまで吸引されていたプランジャ27がリターンスプリング28の付勢力で静止位置まで押し戻される。このプランジャ27の移動により、モータ接点が開いてアーマチャ12への電流が断たれることでアーマチャ12の回転が停止する。また、プランジャ27が静止位置へ戻ることにより、伝達部材7が棒状部7cを中心としてプランジャ27吸引時と反対側へ回転するため、作動部7bを通じて回転規制部材6の他方の端部6bを下方へ押圧していた力が消滅する。その結果、回転規制部材6は、復帰スプリングの反力を受けて図4の上方へ付勢され、静止位置(図4に示す位置)へ復帰する。
なお、静止位置に押し戻されたプランジャ27は、ジョイント部38に係合する伝達部材7の移動部7aが再び突起壁41に係合して撓み力を発生するため、ジョイント部38を通じて図6の下方へ付勢される。
【0028】
(第2実施例の効果)
本実施例では、電磁スイッチ5が静止状態の時(スタータ1の非作動時)に、伝達部材7の移動部7aに係合するジョイント部38が、移動部7aに発生する撓み力(弾力)を受けてプランジャ27の軸方向と略垂直に付勢され、ホルダ壁42に押圧されている(図6参照)。これにより、外部から大きな振動を受けた場合でも、プランジャ27がスリーブ26内を摺動することはなく、スリーブ26内周面の磨耗を防止できる。
また、電磁スイッチ5の作動時には、コイル25の磁力によりプランジャ27が吸引され始めた時点で移動部7aが突起壁41から離脱するため、ジョイント部38をホルダ壁42に押圧する力が消滅してプランジャ27の摺動抵抗とはならない。
【0029】
(第3実施例)
図8は伝達部材7の移動部7aを保持する構造を示す断面図である。
本実施例は、リヤケース24の内部に設けた突起壁41と、ホルダ壁42と一体に設けられた壁部43とで伝達部材7を保持するU字状の溝部を形成し、リヤケース24の組付け時に伝達部材7を撓ませながらU字状の溝部に保持される様に構成するものである。これにより、伝達部材7は更に安定した耐振保持が可能となる。
【0030】
(第4実施例)
図9及び図10は伝達部材7とプランジャ27との関係を示す断面図である。本実施例では、プレート37の一部を切り起こして傾斜壁37aを形成し、電磁スイッチ5の静止状態の時のみ作動部7bの端部が傾斜壁37aに乗り上げた状態(図9に示す状態)で静止する様に構成している。これにより、伝達部材7全体がスタータ1の前方(図9の左方向)へ移動して、伝達部材7の移動部7aがプランジャ27のジョイント部38をスタータ1の前方へ引っ張るため、プランジャ27はホルダ壁42側(図9の左側)へ付勢され、図9に示す様に、プランジャ27の側面がホルダ壁42に押圧された状態で保持される。
また、電磁スイッチ5の作動時には、コイル25の磁力によりプランジャ27が吸引され始めた時点で作動部7bの端部が傾斜壁37aから離れる(図10参照)ため、プランジャ27をホルダ壁42側へ付勢する力が消滅してプランジャ27の摺動抵抗とはならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】電磁スイッチの要部断面図である(第1実施例)。
【図2】傾斜面よりレバーに加わるリターンスプリングの付勢力を示す拡大図である(第1実施例)。
【図3】スタータの断面図である(第1実施例)。
【図4】スタータの断面図である(第2実施例)。
【図5】静止状態の時の突起壁と移動部との関係を示す図である(第2実施例)。
【図6】突起壁と伝達部材との関係を示す断面図である(第2実施例)。
【図7】突起壁と伝達部材との関係を示す断面図である(第2実施例の変形例)。
【図8】伝達部材の移動部の保持構造を示す断面図である(第3実施例)。
【図9】静止状態での伝達部材とプランジャとの関係を示す断面図である(第4実施例)。
【図10】作動状態での伝達部材とプランジャとの関係を示す断面図である(第4実施例)。
【図11】従来技術を説明する電磁スイッチの要部断面図である。
【符号の説明】
(第1実施例)
1 スタータ
2 始動モータ
3 出力軸
4 ピニオン移動体
5 電磁スイッチ
6 レバー
7 ピニオンギヤ
10 スリーブ(固定部位)
11 プランジャ
12 リターンスプリング
13 可動接点(モータ接点)
14 バッテリ側固定接点(モータ接点)
15 モータ側固定接点(モータ接点)
21b 傾斜面(押圧手段)
(第2実施例)
1 スタータ
2 始動モータ
3 出力軸
4 ピニオン移動体
5 電磁スイッチ
6 回転規制部材
7 伝達部材
20 ピニオンギヤ
26 スリーブ
27 プランジャ
28 リターンスプリング
30 主固定接点(モータ接点)
31 主可動接点(モータ接点)
33 副固定接点(モータ接点)
34 副可動接点(モータ接点)
41 突起壁(押圧手段)
42 ホルダ壁(固定部位)
Claims (2)
- 回転力を発生する始動モータと、
この始動モータに回転駆動される出力軸と、
エンジンのリングギヤと噛み合うピニオンギヤを具備して前記出力軸上にヘリカルスプライン嵌合するピニオン移動体と、
筒状のスリーブ内を摺動自在に配されたプランジャを有し、前記プランジャの移動に伴って前記始動モータの通電回路に介在されたモータ接点を開閉する電磁スイッチと、
スタータ作動時に前記ピニオン移動体の回転を規制する回転規制部材と、
一端が前記プランジャに連結され、他端が前記回転規制部材に連結されて、前記プランジャの移動により前記回転規制部材を移動させる伝達部材と
を備えたスタータにおいて、
少なくともスタータ非作動時に前記プランジャを径方向に付勢して固定部位に押圧する押圧手段を設け、この押圧手段は、前記プランジャに連結された前記伝達部材の弾性変形により前記プランジャを径方向に付勢するものであることを特徴とするスタータ。 - 前記固定部位は、前記プランジャを摺動自在に保持するスリーブであることを特徴とする請求項1に記載したスタータ。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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