JP2004107481A - インク組成物、これを用いる記録方法および記録画像、ならびにインクセットおよびインクヘッド - Google Patents

インク組成物、これを用いる記録方法および記録画像、ならびにインクセットおよびインクヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】滲みが少なく高品質で、耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を得ることのできるインクジェット記録法に好適なインク組成物、これを用いる記録方法および記録画像、ならびにインクセットおよびインクヘッドを提供する。
【解決手段】水と、色材と、多価カルボン酸成分がスルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸を含むポリエステル樹脂とを含有させてインク組成物60を製造する。インクヘッド1のインクタンク50にインク組成物60を貯留し、インクタンク50から吐出口31を有するインク室40にインク組成物60を供給し、圧電材料で形成される隔壁部12に電圧を印加し、隔壁部12によってインク室40に収容されるインク組成物60に対して圧力をかけ、吐出口31からインク組成物60の液滴を吐出させ、被記録材上に付着させることによって画像を記録する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録法において好適に用いられるインク組成物、これを用いる記録方法および記録画像、ならびにインクセットおよびインクヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録法は、力学的エネルギまたは熱エネルギを用いてインク組成物(以下、単に「インク」とも称する)の液滴を吐出、飛翔させ、その液滴を紙などの被記録材上に付着させることによって画像を記録するノンインパクト記録法の代表的なものである。インクジェット記録法は、インパクト記録法に比べて記録時の騒音が少なく、また電子写真記録法などに不可欠な現像や定着のプロセスが不要であるので装置の小型化が容易であるとともに高速記録が可能であるという利点を有する。インクジェット記録法の中でも、デジタル信号に応答してインク滴を吐出させるオンデマンド方式のインクジェット記録法は、インク滴を連続して吐出させる連続方式のインクジェット記録法に比べ、装置が比較的安価で、またカラー化が容易であることから、近年では事務機器または家庭用パーソナルコンピュータなどの出力機器として広く用いられている。
【0003】
インクジェット記録法を用いて画像を記録するインクジェット記録装置には、電子写真記録法による記録画像に劣らない高画質の記録画像を、高速かつ安定的に提供することが求められる。また、形成された記録画像には、耐水性および耐光性などの耐久性が求められる。
【0004】
記録画像の耐水性および耐光性を向上させるための技術として、インク中に含有させる色材に顔料を用いる方法が検討されている。最も一般的な方法は、顔料をインク中に分散させる方法であるけれども、この方法では、インク中の顔料粒子の粒子径が大きく、顔料が沈降しやすいので、インク滴を吐出させるノズルの先端が詰まりやすく、記録画像を安定して提供することができないという問題がある。
【0005】
近年、この顔料の沈降の問題は、分散技術の発展に伴って解決されている。しかしながら、顔料を分散させたインクを用いて、インクジェット記録法に用いられる記録紙の1つである光沢紙と呼ばれる印画紙写真に近い光沢感を有する被記録材上に画像を形成すると、顔料成分が被記録材上から剥離するという新たな問題が生じる。
【0006】
また顔料を分散させたインクを用いて形成された記録画像をマーカーペンなどの水性インクを用いたペンで上からなぞると、記録画像が滲んだり、顔料が被記録材上から剥離し、記録画像が乱れるという問題がある。
【0007】
たとえば、疎水性のAブロックと親水性のBブロックとのABまたはABAブロックコポリマーを用いることによって、インク中における顔料の分散安定性を向上させたインクが開示されている(特許文献1参照)けれども、このインクを用いて形成された記録画像は耐擦過性に乏しく、顔料成分が被記録材上から剥離するなど実用上問題がある。
【0008】
これらの問題を解決するために、顔料を分散させたインクには、顔料をインク中に安定に分散させることに加えて、耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を実現することが求められる。
【0009】
たとえば、顔料の分散安定性を損なうことなく、記録画像の耐水性および耐擦過性を向上させる技術が提案されている。この技術では、耐水性および耐擦過性を向上させるために、エラストマー性のBブロックと非エラストマー性のAブロックとの水溶性のエラストマー性ABAブロックポリマーを含有させている(特許文献2参照)。
【0010】
【特許文献1】
特許第2635235号明細書
【特許文献2】
特許第3122405号明細書
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2に開示の技術は、普通紙のように繊維間隙が大きく表面が粗い被記録材を用いる場合には有効であるけれども、光沢紙のように、表面に微粒子を含む塗工層が形成された表面が平滑な被記録材を用いる場合には十分な耐擦過性を得ることはできない。
【0012】
本発明の目的は、滲みが少なく高品質で、耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を得ることのできるインクジェット記録法に好適なインク組成物、これを用いる記録方法および記録画像、ならびにインクセットおよびインクヘッドを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水と、色材と、多価カルボン酸成分および多価アルコール成分を含むポリエステル樹脂とを含有するインク組成物であって、
前記多価カルボン酸成分は、スルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸を含むことを特徴とするインク組成物である。
【0014】
本発明に従えば、インク組成物は、水と、色材と、多価カルボン酸成分および多価アルコール成分を含むポリエステル樹脂とを含有し、前記多価カルボン酸成分は、スルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸を含む。スルホン酸金属塩基は、水溶液中ではスルホン酸基と金属イオンとに解離するので、前記ポリエステル樹脂は、水を含有する前記インク組成物中に安定に分散されて存在することができる。すなわち、前記インク組成物は、水溶液中に前記ポリエステル樹脂が分散された粒子分散体であるので、被記録材における滲みを少なくすることができる。また前記ポリエステル樹脂は、被記録材上では、色材を覆うように被記録材と色材とを結着する結着剤として機能する。すなわち、被記録材上の前記色材は、前記ポリエステル樹脂によって覆われ、水に対して直接接触することがなく、また機械的な接触を直接受けないので、被記録材上から溶出または剥離しにくく、前記インク組成物によって形成される記録画像は耐水性および耐擦過性に優れる。したがって、滲みが少なく高品質で耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を得ることのできるインクジェット記録法に好適なインク組成物を実現することができる。
【0015】
また本発明は、前記ポリエステル樹脂は、数平均分子量が5000以上50000以下であることを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、前記ポリエステル樹脂は、数平均分子量が5000以上50000以下である。数平均分子量が50000を超えると、水に対する分散安定性が低下し、水を含有する前記インク組成物中に安定に分散されて存在することができないので、吐出安定性が低下する。数平均分子量が5000未満であると、樹脂としての耐久性が低下するので、十分な耐擦過性を得ることができない。したがって、前述のように、数平均分子量を5000以上50000以下とすることによって、十分な吐出安定性および耐擦過性を得ることができる。
【0017】
また本発明は、前記ポリエステル樹脂は、ガラス転移点Tgが−20℃以上70℃以下であることを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、前記ポリエステル樹脂は、ガラス転移点Tgが−20℃以上70℃以下である。ガラス転移点Tgが70℃を超えると、破断伸度が小さくなるので、記録画像の耐擦過性が低下する。また樹脂として非常に硬くなり、被記録材に対する密着性が低下するので、結着剤として機能することができず、記録画像の耐擦過性が低下する。ガラス転移点Tgが−20℃未満であると、記録画像を形成するインク組成物に粘着性が生じ、連続して画像を記録する場合に、被記録材上に形成された記録画像と次の被記録材とが貼付き、記録画像の一部が次の被記録材に転写され、記録画像に乱れが生じることがある。またインク組成物の保存安定性が低下する。したがって、前述のように、ガラス転移点Tgを−20℃以上70℃以下とすることによって、記録画像の十分な耐擦過性を実現することができるとともに、記録画像の乱れを抑えることができ、またインク組成物の十分な保存安定性を得ることができる。
【0019】
また本発明は、前記多価アルコール成分は、脂肪族グリコール類および脂環族グリコール類からなる群から選ばれる少なくとも1つのグリコールを含むことを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、前記多価アルコール成分は、脂肪族グリコール類および脂環族グリコール類からなる群から選ばれる少なくとも1つのグリコールを含む。したがって、前記多価アルコール成分に含まれる前記グリコールの割合を変化させることによって、前記ポリエステル樹脂のガラス転移点を制御し、所望の強度を有するポリエステル樹脂を得ることができるので、滲みが少なく高品質で耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を得ることのできるインクジェット記録法に好適なインク組成物を容易に実現することができる。
【0021】
また本発明は、前記水は、導電率が250μS/cm以下であることを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、前記水は導電率が250μS/cm以下である。水の導電率は、含有されるイオン成分の量に依存し、導電率が250μS/cm以下の前記水中に含まれる不要なイオン成分の量は少なく、前記水の純度は高い。前記水中に含まれる不要なイオン成分の量が多くなり、前記導電率が250μS/cmを超えると、金属イオンの解離によって生成する前記ポリエステル樹脂のスルホン酸基と前記イオン成分とが結合しやすくなるので、前記インク組成物中に前記ポリエステル樹脂を安定に分散させることが困難になる。したがって、前述のように、前記水の導電率を250μS/cm以下とすることによって、前記インク組成物中に前記ポリエステル樹脂を安定に分散させることができる。
【0023】
また本発明は、前記色材は、顔料を含むことを特徴とする。
本発明に従えば、前記色材は、顔料を含むので、耐光性および耐水性に優れる記録画像を得ることができる。また、前記インク組成物は、水中に分散可能なポリエステル樹脂を含有するので、前記顔料を安定に分散させることができる。したがって、目詰まりの発生を抑えることができるので、吐出安定性を損なうことなく、耐光性および耐水性に優れる記録画像を得ることが可能なインク組成物を得ることができる。
【0024】
また本発明は、前記顔料は、親水基を有することを特徴とする。
本発明に従えば、前記顔料は、親水基を有するので、水を含有する前記インク組成物中に安定に分散されて存在することができる。すなわち、前記顔料が親水基を有することによって、前記顔料の前記インク組成物中における分散安定性を高めることができる。
【0025】
また本発明は、前記親水基は、カルボキシル基およびスルホン酸基のうちの少なくとも一方であることを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、前記親水基が、カルボキシル基およびスルホン酸基のうちの少なくとも一方であるので、前記顔料の前記インク組成物中における分散安定性をさらに高めることができる。
【0027】
また本発明は、水の蒸気圧よりも低い蒸気圧を有する水溶性有機溶剤をさらに含有することを特徴とする。
【0028】
本発明に従えば、水の蒸気圧よりも低い蒸気圧を有する水溶性有機溶剤をさらに含有するので、乾燥を抑制し、吐出安定性を向上させることができる。
【0029】
また本発明は、前記水溶性有機溶剤は、グリコールエーテル類および/または多価アルコール類を含むことを特徴とする。
【0030】
本発明に従えば、前記水溶性有機溶剤は、グリコールエーテル類および/または多価アルコール類を含むので、吐出安定性をさらに向上させることができる。
【0031】
また本発明は、非イオン系界面活性剤をさらに含有し、
前記非イオン系界面活性剤の含有量は、臨界ミセル濃度以上であることを特徴とする。
【0032】
本発明に従えば、非イオン系界面活性剤をさらに含有し、前記非イオン系界面活性剤の含有量は、臨界ミセル濃度以上である。前記非イオン性界面活性剤は、水溶液中において電離しないので、前記スルホン酸金属塩基によって付与される前記ポリエステル樹脂の分散安定性を損なうことがない。また界面活性剤を含有する溶液の表面張力は、臨界ミセル濃度までは界面活性剤の増加に伴って低下するけれども、臨界ミセル濃度以上ではほぼ一定であるので、前述のように前記非イオン系界面活性剤を臨界ミセル濃度以上含有させることによって、前記非イオン系界面活性剤の効果を十分に発揮させ、前記インク組成物の表面張力を十分に下げることができる。したがって、前記ポリエステル樹脂の分散安定性を損なうことなく、インクジェット記録法に用いた場合の前記インク組成物と記録装置内のインク室の内壁との濡れ性を良好にし、前記インク組成物を安定して前記インク室に供給することができるので、吐出安定性を向上させることができる。
【0033】
また本発明は、前記顔料は、C.I.ピグメントブルー15:3およびC.I.ピグメントブルー15:4のうちの少なくとも一方の顔料を含むことを特徴とする。
【0034】
本発明に従えば、前記顔料は、C.I.ピグメントブルー15:3およびC.I.ピグメントブルー15:4のうちの少なくとも一方の顔料を含むので、シアンの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物を得ることができる。
【0035】
また本発明は、前記顔料は、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド209およびC.I.ピグメントヴァイオレット19からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含むことを特徴とする。
【0036】
本発明に従えば、前記顔料は、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド209およびC.I.ピグメントヴァイオレット19からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含むので、マゼンタの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物を得ることができる。
【0037】
また本発明は、前記顔料は、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150およびC.I.ピグメントイエロー180からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含むことを特徴とする。
【0038】
本発明に従えば、前記顔料は、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150およびC.I.ピグメントイエロー180からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含むので、イエローの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物を得ることができる。
【0039】
また本発明は、前記顔料は、カーボンブラックを含むことを特徴とする。
本発明に従えば、前記顔料は、カーボンブラックを含むので、ブラックの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物を得ることができる。
【0040】
また本発明は、インク組成物を被記録材上に付着させることによって画像を記録する記録方法であって、
前記インク組成物には、前記本発明のインク組成物のうちのいずれかが用いられることを特徴とする記録方法である。
【0041】
本発明に従えば、インク組成物を被記録材上に付着させることによって画像を記録する記録方法に、前記本発明のインク組成物のうちのいずれかを用いるので、滲みが少なく高品質で、耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を提供することができる。
【0042】
また本発明は、インク組成物に圧力をかけることによって前記インク組成物の液滴を吐出させ、前記液滴を被記録材上に付着させることによって画像を記録する記録方法であって、
前記インク組成物には、前記本発明のインク組成物のうちのいずれかが用いられることを特徴とする記録方法である。
【0043】
本発明に従えば、インク組成物に圧力をかけて前記インク組成物の液滴を吐出させ、前記液滴を被記録材上に付着させることによって画像を記録する記録方法、すなわちインクジェット記録法に、前記本発明のインク組成物のうちのいずれかを用いるので、安定した吐出が可能であるとともに、滲みが少なく高品質で、耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を提供することができる。
【0044】
また本発明は、前記インク組成物には、少なくとも、前記顔料が、C.I.ピグメントブルー15:3およびC.I.ピグメントブルー15:4のうちの少なくとも一方の顔料を含むインク組成物と、前記顔料が、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド209およびC.I.ピグメントヴァイオレット19からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含むインク組成物と、前記顔料が、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150およびC.I.ピグメントイエロー180からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含むインク組成物とが用いられることを特徴とする。
【0045】
本発明に従えば、前記インク組成物には、少なくとも、シアンの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物と、マゼンタの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物と、イエローの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物とが用いられるので、発色性に優れるフルカラーの記録画像を提供することができる。
【0046】
また本発明は、前記インク組成物には、少なくとも、前記顔料が、C.I.ピグメントブルー15:3およびC.I.ピグメントブルー15:4のうちの少なくとも一方の顔料を含むインク組成物と、前記顔料が、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド209およびC.I.ピグメントヴァイオレット19からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含むインク組成物と、前記顔料が、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150およびC.I.ピグメントイエロー180からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含むインク組成物と、前記顔料が、カーボンブラックを含むインク組成物とが用いられることを特徴とする。
【0047】
本発明に従えば、前記インク組成物には、少なくとも、シアンの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物と、マゼンタの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物と、イエローの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物と、ブラックの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物とが用いられるので、発色性に優れるフルカラーの記録画像を提供することができる。
【0048】
また本発明は、前記記録方法によって記録されることを特徴とする記録画像である。
【0049】
本発明に従えば、記録画像は、前記記録方法によって記録されるので、滲みが少なく高品質で、耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を得ることができる。
【0050】
また本発明は、前記顔料が、C.I.ピグメントブルー15:3およびC.I.ピグメントブルー15:4のうちの少なくとも一方の顔料を含むインク組成物と、
前記顔料が、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド209およびC.I.ピグメントヴァイオレット19からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含むインク組成物と、
前記顔料が、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150およびC.I.ピグメントイエロー180からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含むインク組成物とを含むことを特徴とするインクセットである。
【0051】
本発明に従えば、インクセットは、シアンの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物と、マゼンタの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物と、イエローの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物とを含むので、カラーバランスに優れるインクセットを得ることができ、発色性に優れるフルカラーの記録画像を実現することができる。
【0052】
また本発明は、前記顔料が、C.I.ピグメントブルー15:3およびC.I.ピグメントブルー15:4のうちの少なくとも一方の顔料を含むインク組成物と、
前記顔料が、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド209およびC.I.ピグメントヴァイオレット19からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含むインク組成物と、
前記顔料が、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150およびC.I.ピグメントイエロー180からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含むインク組成物と、
前記顔料が、カーボンブラックを含むインク組成物とを含むことを特徴とするインクセットである。
【0053】
本発明に従えば、インクセットは、シアンの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物と、マゼンタの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物と、イエローの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物と、ブラックの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物とを含むので、カラーバランスに優れるインクセットを得ることができ、発色性に優れるフルカラーの記録画像を実現することができる。
【0054】
また本発明は、前記本発明のインク組成物のうちのいずれかを貯留するインクタンクと、
前記インク組成物の液滴を吐出する吐出口を有し、前記インクタンクから前記インク組成物が供給されるインク室と、
印加される電圧に応答してひずみを生じる圧電素子であって、前記インク室の少なくとも一部に設けられ前記インク室に収容される前記インク組成物に対して圧力をかける圧電素子と、
前記圧電素子に電圧を印加するために設けられる電極とを含むことを特徴とするインクヘッドである。
【0055】
本発明に従えば、インクヘッドは、インクタンクによって前記本発明のインク組成物のうちのいずれかを貯留し、前記インク組成物の液滴を吐出する吐出口を有するインク室によって前記インクタンクから供給される前記インク組成物を収容し、印加される電圧に応答してひずみを生じる圧電素子であって、前記インク室の少なくとも一部に設けられる圧電素子によって前記インク室に収容される前記インク組成物に対して圧力をかけ、電極によって前記圧電素子に電圧を印加する。このことによって、前記圧電素子に印加される電圧に応じて、前記吐出口から前記インク組成物の液滴を吐出させることのできるピエゾ方式のインクヘッドを得ることができる。また、前記インクヘッドは、前記インクタンクに前記本発明のインク組成物のうちのいずれかを貯留するので、安定して前記吐出口から前記インク組成物の液滴を吐出させることができ、滲みが少なく高品質で耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を提供することができる。このようなインクヘッドを用いれば、信頼性の高いピエゾ方式のインクジェット記録装置を実現することができる。
【0056】
また本発明は、前記本発明のインク組成物のうちのいずれかを貯留するインクタンクと、
前記インク組成物の液滴を吐出する吐出口を有し、前記インクタンクから前記インク組成物が供給されるインク室と、
前記インク室の少なくとも一部に設けられ、前記インク室に収容される前記インク組成物を加熱し気泡を発生させることによって前記インク組成物に対して圧力をかける発熱体と、
前記発熱体に電圧を印加するために設けられる電極とを有することを特徴とするインクヘッドである。
【0057】
本発明に従えば、インクヘッドは、インクタンクによって前記本発明のインク組成物のうちのいずれかを貯留し、前記インク組成物の液滴を吐出する吐出口を有するインク室によって前記インクタンクから供給される前記インク組成物を収容し、前記インク室の少なくとも一部に設けられる発熱体によって前記インク室に収容される前記インク組成物を加熱し、気泡を発生させることによって前記インク組成物に対して圧力をかけ、電極によって前記発熱体に電圧を印加する。このことによって、前記発熱体に印加される電圧に応じて、前記吐出口から前記インク組成物の液滴を吐出させることのできるサーマルインクジェット方式のインクヘッドを得ることができる。また、前記インクヘッドは、前記インクタンクに前記本発明のインク組成物のうちのいずれかを貯留するので、安定して前記吐出口から前記インク組成物の液滴を吐出させることができ、滲みが少なく高品質で耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を提供することができる。このようなインクヘッドを用いれば、信頼性の高いサーマルインクジェット方式のインクジェット記録装置を実現することができる。
【0058】
また本発明は、前記ピエゾ方式のインクヘッドによって吐出されるインク組成物の液滴が、被記録材上に付着されることによって記録されることを特徴とする記録画像である。
【0059】
本発明に従えば、記録画像は、前述のように安定してインク組成物の液滴を吐出させることのできるピエゾ方式のインクヘッドによって吐出されるインク組成物の液滴が、被記録材上に付着されることによって記録されるので、高品質の記録画像を安定して得ることができる。
【0060】
また本発明は、前記サーマルインクジェット方式のインクヘッドによって吐出されるインク組成物の液滴が、被記録材上に付着されることによって記録されることを特徴とする記録画像である。
【0061】
本発明に従えば、記録画像は、前述のように安定してインク組成物の液滴を吐出させることのできるサーマルインクジェット方式のインクヘッドによって吐出されるインク組成物の液滴が、被記録材上に付着されることによって記録されるので、高品質の記録画像を安定して得ることができる。
【0062】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態であるインク組成物は、水と、色材と、多価カルボン酸成分および多価アルコール成分を含むポリエステル樹脂とを含有し、前記多価カルボン酸成分は、スルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸を含む。ここで、多価カルボン酸成分とは、多価カルボン酸そのものおよび多価カルボン酸の誘導体のことであり、ポリエステル樹脂中においては、多価カルボン酸に由来する構造単位のことである。また多価アルコール成分とは、多価アルコールそのものおよび多価アルコールの誘導体のことであり、ポリエステル樹脂中においては、多価アルコールに由来する構造単位のことである。
【0063】
本実施の形態のインク組成物は、インクジェット記録法に好適に用いられる。インクジェット記録法では、インク組成物に圧力をかけてインク組成物の液滴を吐出させ、この液滴を被記録材上に付着させることによって画像を記録する。
【0064】
スルホン酸金属塩基は、水溶液中ではスルホン酸基と金属イオンとに解離するので、前記ポリエステル樹脂は、水を含有するインク組成物中に安定に分散されて存在することができる。すなわち、本実施の形態のインク組成物は、水溶液中に前記ポリエステル樹脂が分散された粒子分散体であるので、被記録材における滲みを少なくすることができる。また前記ポリエステル樹脂は、被記録材上では、色材を覆うように被記録材と色材とを結着する結着剤として機能する。すなわち、被記録材上の色材は、前記ポリエステル樹脂によって覆われ、水に対して直接接触することがなく、また機械的な接触を直接受けないので、被記録材上から溶出または剥離しにくく、本実施の形態のインク組成物によって形成される記録画像は耐水性および耐擦過性に優れる。したがって、滲みが少なく高品質で耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を得ることのできるインクジェット記録法に好適なインク組成物を実現することができる。
【0065】
ポリエステル樹脂の数平均分子量は、5000以上50000以下であることが好ましい。これによって、十分な吐出安定性および耐擦過性を得ることができる。数平均分子量が50000を超えると、水に対する分散安定性が低下し、水を含有するインク組成物中に安定に分散されて存在することができないので、吐出安定性が低下する。数平均分子量が5000未満であると、樹脂としての耐久性が低下するので、十分な耐擦過性を得ることができない。したがって、5000以上50000以下とした。
【0066】
またポリエステル樹脂のガラス転移点Tgは、−20℃以上70℃以下であることが好ましい。これによって、記録画像の十分な耐擦過性を実現することができるとともに、記録画像の乱れを抑えることができ、またインク組成物の十分な保存安定性を得ることができる。ガラス転移点Tgが70℃を超えると、破断伸度が小さくなるので、記録画像の耐擦過性が低下する。また樹脂として非常に硬くなり、被記録材、特に光沢紙のように表面に微粒子を含む塗工層が形成された表面が平滑な被記録材に対する密着性が低下するので、結着剤として機能することができず、記録画像の耐擦過性が低下する。ガラス転移点Tgが−20℃未満であると、記録画像を形成するインク組成物に粘着性が生じ、連続して画像を記録する場合に、被記録材上に形成された記録画像と次の被記録材とが貼付き、記録画像の一部が次の被記録材に転写され、記録画像に乱れが生じることがある。またインク組成物の保存安定性が低下する。したがって、−20℃以上70℃以下とした。
【0067】
多価カルボン酸成分に含まれるスルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸の具体例としては、たとえば、5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、4−スルホフタル酸または4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸などの金属塩が挙げられるけれども、スルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸は、これに限定されるものではない。金属塩としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)またはカルシウム(Ca)などとの塩が挙げられ、これらの中でも、ナトリウム(Na)との塩が好適に使用される。これらのスルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸の中でも、5−スルホイソフタル酸の金属塩を用いることが好ましく、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を用いることが特に好ましい。
【0068】
スルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸は、多価カルボン酸成分中に0.5モル%〜8モル%含まれることが好ましく、より好ましくは2.5モル%〜7モル%である。
【0069】
多価カルボン酸成分に含まれるスルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸の割合が、0.5モル%未満であると、水に対する十分な分散安定性を得ることができない。また8モル%を超えると、前記ポリエステル樹脂が水溶化し、水溶液中に前記ポリエステル樹脂が分散された粒子分散体を得ることができない。したがって、0.5モル%〜8モル%とした。
【0070】
多価カルボン酸成分は、スルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸以外に、スルホン酸金属塩基を有しない芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸または脂環族ジカルボン酸などの他のジカルボン酸を含んでもよい。
【0071】
スルホン酸金属塩基を有しない芳香族ジカルボン酸の具体例としては、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸などを挙げることができる。
【0072】
脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、たとえば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびドデカンジカルボン酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸、ならびにフマール酸、マレイン酸およびイタコン酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸などを挙げることができる。
【0073】
脂環族ジカルボン酸の具体例としては、たとえば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸およびトリシクロデカンジカルボン酸などの飽和脂環族ジカルボン酸、ならびにテトラヒドロテレフタル酸およびテトラヒドロオルソフタル酸などの不飽和脂環族ジカルボン酸などを挙げることができる。
【0074】
これらのジカルボン酸の中でも、アジピン酸、セバシン酸または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が好適に使用される。
【0075】
また多価カルボン酸成分は、前述したジカルボン酸以外に、トリメリット酸、トリメシン酸およびピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸などを含んでもよい。
【0076】
多価アルコール成分は、脂肪族グリコール類および脂環族グリコール類からなる群から選ばれる少なくとも1つのグリコールを含むことが好ましい。
【0077】
これによって、多価アルコール成分に含まれる前記グリコールの割合を変化させることによって、前記ポリエステル樹脂のガラス転移点を制御し、所望の強度を有するポリエステル樹脂を得ることができるので、滲みが少なく高品質で耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を得ることのできるインクジェット記録法に好適なインク組成物を容易に実現することができる。
【0078】
脂肪族グリコール類の具体例としては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールなどのアルキレングリコール、ならびにジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびジプロピレングリコールなどのエーテルグリコールなどを挙げることができる。これらの中でも、エチレングリコール、ネオペンチルグリコールまたは1,4−ブタンジオールが好適に使用される。
【0079】
脂環族グリコール類の具体例としては、たとえば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロへキサンジオール、1,3−シクロへキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、スピログリコール、トリシクロデカンジオールおよびトリシクロデカンジメタノールなどを挙げることができる。これらの中でも、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好適に使用される。
【0080】
これらのグリコールは、多価アルコール成分中に60モル%〜100モル%含まれることが好ましく、より好ましくは80モル%〜100モル%である。多価アルコール成分中の前記グリコールの割合が60モル%未満であると、結着剤としての性能が著しく低下する。したがって、60モル%〜100モル%とした。ただし、前記ポリエステル樹脂によって付与される記録画像の耐水性を十分なものとするためには、分子量がl50以上のポリエチレングリコールの割合は、全多価アルコール成分の20モル%以下であることが好ましい。
【0081】
多価アルコール成分は、脂肪族グリコール類および脂環族グリコール類以外に、3価以上の脂肪族または脂環族多価アルコール類を含んでもよい。3価以上の脂肪族または脂環族多価アルコール類の具体例としては、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンおよびグリセリンなどのトリオール、ならびにペンタエリスリトールなどのテトラオールなどを挙げることができる。これらのトリオールおよびテトラオールの割合は、高分子量で水中に分散可能なポリエステル樹脂を得るためには、全多価アルコール成分の5モル%以下であることが好ましい。
【0082】
また多価アルコール成分は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのエチレンオキサイド付加物またはプロピレンオキサイド付加物などの芳香族多価アルコール類を含んでもよい。
【0083】
これらの多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とを従来公知の方法を用いて縮重合させることによって、前述の水中に分散可能なポリエステル樹脂を得ることができる。
【0084】
インク組成物中の前記ポリエステル樹脂の含有量は、0.5重量%〜40重量%であることが好ましく、より好ましくは0.5重量%〜30重量%である。前記ポリエステル樹脂の含有量が40重量%を超えると、インク組成物の粘度上昇が大きくなり、インク組成物の適正粘度から外れる。前記ポリエステル樹脂の含有量が0.5重量%未満であると、結着剤としての効果が得られない。したがって、0.5重量%〜40重量%とした。
【0085】
水には、導電率が250μS/cm以下の水が好適に使用される。水の導電率は、含有されるイオン成分の量に依存し、導電率が250μS/cm以下の水中に含まれる不要なイオン成分の量は少なく、水の純度は高い。水中に含まれる不要なイオン成分の量が多くなり、導電率が250μS/cmを超えると、金属イオンの解離によって生成する前記ポリエステル樹脂のスルホン酸基とイオン成分とが結合しやすくなるので、インク組成物中に前記ポリエステル樹脂を安定に分散させることができない。したがって、250μS/cm以下とした。
【0086】
インク組成物中の水の含有量は、30重量%〜95重量%であることが好ましく、より好ましくは30重量%〜65重量%である。水の含有量が95重量%を超えると、インク組成物の湿潤性を保てない。水の含有量が30重量%未満であると、親水性の添加剤等の混合安定性が保てない。したがって、30重量%〜95重量%とした。
【0087】
フルカラーのインクジェット記録法における各色の再現には、シアン(Cyan;略称:C)、マゼンタ(Magenta;略称:M)およびイエロー(Yellow;略称:Y)の3色のインク組成物が用いられ、これらのインク組成物を混色することによって、各色が表現される。ただし、前記3色の混色では黒色の再現が難しいので、黒色の表現には一般的にブラック(Black;略称:B)のインク組成物が用いられる。用いる色材の色を変えることによって、シアン、マゼンタ、イエローまたはブラックのインク組成物を得ることができる。
【0088】
色材には、染料、顔料またはこれらの混合物が用いられる。染料および顔料は、これらが含有されたものであってもよく、またこれらが被着されたものであってもよい。特に、顔料を含有するインク組成物を用いると、耐光性および耐水性に優れる記録画像を得ることができるので、色材は顔料を含むことが好ましい。
【0089】
本実施の形態では、色材に、たとえばカルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基およびスルホン酸基などからなる群から選ばれる1種または2種以上の親水基を有する顔料を用いる。これらの親水基は、顔料表面に化学修飾もしくは親水性ポリマーを被覆するなどの手法で導入される。またこれらの親水基は、塩になっていてもよい。
【0090】
通常、水を含有するインク組成物中に顔料を安定に分散させることは困難であるけれども、本実施の形態のインク組成物に用いられる顔料は親水基を有しているため、安定して分散している。さらに、本実施の形態のインク組成物は、前述のように水中に分散可能なポリエステル樹脂を含有するので、より顔料を安定に分散させることができる。したがって、目詰まりの発生を抑えることができるので、吐出安定性を損なうことなく、耐光性および耐水性に優れる記録画像を得ることが可能なインク組成物を得ることができる。
【0091】
特に、顔料がカルボキシル基またはスルホン酸基を有することによって、顔料のインク組成物中における分散安定性をさらに高めることができるので、顔料はカルボキシル基およびスルホン酸基のうちの少なくとも一方の親水基を有することが好ましい。
【0092】
顔料の具体例としては、以下に示す顔料が挙げられるけれども、顔料はこれに限定されるものではない。なお、以下では顔料をカラーインデックス(Color Index;略称:C.I.)ナンバーで示す。
【0093】
シアンのインク組成物に用いられる顔料としては、たとえば、C.I.ピグメントブルー1,2,15,16,17,21,22,60および64などが挙げられる。
【0094】
マゼンタのインク組成物に用いられる顔料としては、たとえば、C.I.ピグメントレッド2,3,5,16,23,31,49,57,63,122および209、ならびにC.I.ピグメントヴァイオレット19などが挙げられる。
【0095】
イエローのインク組成物に用いられる顔料としては、たとえば、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,5,12,74,138,150および180などが挙げられる。
【0096】
ブラックのインク組成物に用いられる顔料としては、たとえば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラックおよびランプブラックなどのカーボンブラックなどが挙げられる。
【0097】
これらの顔料のうち、シアンのインク組成物には、C.I.ピグメントブルー15:3およびC.I.ピグメントブルー15:4のうちの少なくとも一方の顔料を用いることが好ましい。またマゼンタのインク組成物には、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド209およびC.I.ピグメントヴァイオレット19からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を用いることが好ましい。またイエローのインク組成物には、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150およびC.I.ピグメントイエロー180からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を用いることが好ましい。またブラックのインク組成物には、前述のカーボンブラックのうちから選ばれる少なくとも1つの顔料を用いることが好ましい。これらの顔料を用いることによって、各色の発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物を得ることができる。
【0098】
また、C.I.ピグメントブルー15:3およびC.I.ピグメントブルー15:4のうちの少なくとも一方の顔料を用いたシアンのインク組成物と、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド209およびC.I.ピグメントヴァイオレット19からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を用いたマゼンタのインク組成物と、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150およびC.I.ピグメントイエロー180からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を用いたイエローのインク組成物との3色のインク組成物を重ね合せることによって、ブラックのインク組成物を用いて形成された記録画像に近い濃度の濃い黒色の記録画像を実現することができる。
【0099】
したがって、C.I.ピグメントブルー15:3およびC.I.ピグメントブルー15:4のうちの少なくとも一方の顔料を用いたシアンのインク組成物と、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド209およびC.I.ピグメントヴァイオレット19からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を用いたマゼンタのインク組成物と、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150およびC.I.ピグメントイエロー180からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を用いたイエローのインク組成物との3色のインク組成物、またはこの3色のインク組成物にブラックのインク組成物を加えた4色のインク組成物を組合せることによって、黒色再現性が良好で、カラーバランスに優れるインクセットを得ることができ、発色性に優れるフルカラーの記録画像を実現することができる。
【0100】
これらの顔料のインク組成物中における含有量は、特に限定されるものではないけれども、好ましくは0.1〜10重量%である。
【0101】
染料としては、酸性染料、直接染料、反応性染料および食品用色素などの水溶性染料が好適に使用される。これらの中でも、耐水性、耐光性または安全性に優れるものを用いることが好ましい。
【0102】
染料の具体例としては、以下に示す染料が挙げられるけれども、染料はこれに限定されるものではない。なお、以下では、染料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで示す。
【0103】
シアンのインク組成物に用いられる染料としては、たとえば、酸性染料であるC.I.アシッドブルー7,9,29,45,92および249、直接染料であるC.I.ダイレクトブルー1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,90,98,163,165,199および202、ならびに反応性染料であるC.I.リアクティブブルー1,2,7,14,15,23,32,38,41,63,80および95などが挙げられる。これらの中でも、C.I.アシッドブルー7および9、ならびにC.I.ダイレクトブルー199からなる群から選ばれる少なくとも1つの染料を用いることが好ましい。
【0104】
マゼンタのインク組成物に用いられる染料としては、たとえば、酸性染料であるC.I.アシッドレッド1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254および289、直接染料であるC.I.ダイレクトレッド1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225および227、C.I.ダイレクトオレンジ26,29,62および102、ならびに反応性染料であるC.I.リアクティブレッド1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,58,60,66,74,79,96,97,141,147,180および181などが挙げられる。これらの中でも、C.I.アシッドレッド52および289、ならびにC.I.リアクティブレッド58,141および180からなる群から選ばれる少なくとも1つの染料を用いることが好ましい。
【0105】
イエローのインク組成物に用いられる染料としては、たとえば、酸性染料であるC.I.アシッドイエロー1,7,17,23,42,44,79および142、直接染料であるC.I.ダイレクトイエロー1,12,24,26,33,44,50,86,120,132,142および144、ならびに反応性染料であるC.I.リアクティブイエロー1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65および67などが挙げられる。これらの中でも、C.I.アシッドイエロー17および23、ならびにC.I.ダイレクトイエロー86からなる群から選ばれる少なくとも1つの染料を用いることが好ましい。
【0106】
ブラックのインク組成物に用いられる染料としては、たとえば、食品用色素であるC.I.フードブラック2、直接染料であるC.I.ダイレクトブラック19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168および171、ならびに反応性染料であるC.I.リアクティブブラック3,4,7,11,12および17などが挙げられる。これらの中でも、C.I.フードブラック2およびC.I.ダイレクトブラック154のうちの少なくとも一方の染料を用いることが好ましい。
【0107】
これらの染料は、常温で安定に溶解する範囲内で用いられる。この範囲は各染料で異なるので、インク組成物中の染料の含有量は、特に限定されるものではないけれども、好ましくは0.1〜10重量%である。
【0108】
本実施の形態のインク組成物は、非イオン系界面活性剤を臨界ミセル濃度以上含有することが好ましい。
【0109】
非イオン性界面活性剤は、水溶液中において電離しないので、スルホン酸金属塩基によって付与される前記ポリエステル樹脂の分散安定性を損なうことがない。また界面活性剤を含有する溶液の表面張力は、臨界ミセル濃度までは界面活性剤の増加に伴って低下するけれども、臨界ミセル濃度以上ではほぼ一定であるので、前述のように非イオン系界面活性剤を臨界ミセル濃度以上含有させることによって、非イオン系界面活性剤の効果を十分に発揮させ、インク組成物の表面張力を十分に下げることができる。したがって、前記ポリエステル樹脂の分散安定性を損なうことなく、インクジェット記録法に用いた場合のインク組成物と記録装置内のインク室の内壁との濡れ性を良好にし、インク組成物を安定してインク室に供給することができるので、吐出安定性を向上させることができる。
【0110】
また非イオン系界面活性剤の効果を十分に発揮させるためには、不純物の少ない水を用いることが好ましい。水に不純物が多量に含まれる場合、非イオン系界面活性剤は、不純物を取囲むように作用するので、十分に効果を発揮することができない。しかしながら、本実施の形態では、前述のように導電率が250μS/cm以下の純度の高い水が使用されるので、非イオン系界面活性剤は、十分に効果を発揮することができる。
【0111】
非イオン系界面活性剤の具体例としては、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で示される界面活性剤などが挙げられるけれども、非イオン系界面活性剤はこれに限定されるものではない。
【0112】
【化1】
Figure 2004107481
【0113】
【化2】
Figure 2004107481
【0114】
【化3】
Figure 2004107481
【0115】
【化4】
Figure 2004107481
【0116】
【化5】
Figure 2004107481
【0117】
前記一般式(I)において、mは0〜30の整数または小数を示し、nは0〜30の整数または小数を示す。また、mとnとの和(m+n)は、0〜30の整数または小数である。
【0118】
前記一般式(II)において、kは11〜13の整数または小数を示し、lは3〜30の整数または小数を示す。
【0119】
前記一般式(III)において、hは0〜11の整数または小数を示し、iは0〜11の整数または小数を示し、jは3〜50の整数または小数を示す。また、hとiとの和(h+i)は、9〜11の整数または小数である。
【0120】
前記一般式(IV)において、wは0〜11の整数または小数を示し、xは5〜9の整数または小数を示し、yは2.5〜5の整数または小数を示し、zは0〜9の整数または小数を示す。また、wとzとの和(w+z)は、9〜11の整数または小数である。
【0121】
前記一般式(V)において、sとtとの和(s+t)は、1〜30の整数または小数であり、uとvとの和(u+v)は、1〜10の整数または小数である。
【0122】
これらの非イオン系界面活性剤の臨界ミセル濃度は、0.001重量%〜0.1重量%程度(測定温度:25℃)である。
【0123】
また本実施の形態のインク組成物は、有機溶剤を含有してもよく、水の蒸気圧よりも低い蒸気圧を有する水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。これによって、乾燥を抑制し、吐出安定性を向上させることができる。
【0124】
有機溶剤の具体例としては、たとえば、ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミドなどのアミド類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジグリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ヘキサンジオール、グリセリンおよび1,2,6−ヘキサントリオールなどの多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルおよびエチレングリコールモノフェニルエーテルなどのグリコールエーテル類などの多価アルコールのエーテル類、スルホランおよびジメチルスルホキシドなどの硫黄含有化合物、2−ピロリドン、N−メチルピロリドンおよびε−カプロラクタムなどの窒素含有化合物、γ−ブチロラクトンなどの酸素含有化合物、ならびにジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、トリエタノールアミンおよびモルホリンなどの多官能化合物などが挙げられるけれども、有機溶剤はこれに限定されるものではない。
【0125】
前述した有機溶剤の中でも、水の蒸気圧よりも低い蒸気圧を有する水溶性有機溶剤であるグリコールエーテル類および多価アルコール類を用いることが好ましい。グリコールエーテル類および/または多価アルコール類を含有させることによって、吐出安定性をさらに向上させることができる。グリコールエーテル類の中でも、ジエチレングリコールモノブチルエーテールまたはトリエチレングリコールモノブチルエーテルが好適に使用される。また多価アルコール類の中でも、グリセリン、1,2−ヘキサンジオールまたは1,5−ペンタンジオールが好適に用いられる。
【0126】
これらの有機溶剤は、インク組成物の全重量の1〜70重量%の範囲、より好ましくは1〜40重量%の範囲で使用される。有機溶剤の使用量が70重量%を超え、インク組成物中の水の割合が低下すると、紙などの被記録媒体上において滲みが生じたり、乾燥性が著しく低下する。またインク組成物の粘度が上昇して適正範囲から逸脱し、インクジェット記録法に用いた場合、インク組成物の液滴を安定して吐出させることができない。
【0127】
また本実施の形態のインク組成物は、前述した水、色材、ポリエステル樹脂、非イオン系界面活性剤および有機溶剤以外に、他の添加剤、たとえば防カビ剤、pH調整剤、キレート化剤、防錆剤または紫外線吸収剤などを含んでもよい。
【0128】
防カビ剤には、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウムまたはソルビタン酸ナトリウムなどが好適に用いられる。
【0129】
pH調整剤には、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウムまたは硝酸カリウムなどが好適に用いられる。
【0130】
少なくとも水と色材とポリエステル樹脂とを含有する本実施の形態のインク組成物の粘度は、20mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは15mPa・s以下である。インク組成物の粘度が20mPa・sを超えると、インクジェット記録法に用いた場合、インク組成物の液滴を安定して吐出させることができない。したがって、20mPa・s以下とした。
【0131】
また表面張力は、20〜60mN/mであることが好ましく、より好ましくは20〜50mN/mである。表面張力が20mN/m未満であると、浸透性が高くなりすぎるので、吸収性の被記録材上においてインク組成物が横方向に広がり、形成される記録画像の輪郭が不鮮明になる。また表面張力が60mN/mを超えると、被記録材に対する浸透性が低くなるので、乾燥性が低下する。またインク組成物とインク室の内壁との濡れ性が悪くなり、インク室へのインク組成物の供給が滞り、インク室にインク組成物が充填されにくくなるので、安定してインク組成物の液滴を吐出させることができない。したがって、20〜60mN/mとした。
【0132】
図1は、本発明の第2の実施形態であるインクヘッド1の構成を簡略化して示す分解斜視図であり、図2は、図1に示すインクヘッド1を構成するヘッドプレート10の構成の一部を拡大して示す図である。なお、図1では、図2に示す駆動電極13は、図が錯綜して理解が困難になるので記載を省略する。
【0133】
インクヘッド1は、圧電材料で形成される底壁部11と複数の隔壁部12とを有するヘッドプレート10と、隔壁部12の上面に設けられる天板20と、複数の吐出口31を備え隔壁部12の一方の端部に設けられるノズルプレート30と、隔壁部12の他方の端部に設けられる図示しない背面板と、天板20の上部に設けられ開口部51を有するインクタンク50とを含んで構成される。複数の隔壁部12は、底壁部11上に所定の間隔で平行に配置されており、複数の隔壁部12と底壁部11と天板20とノズルプレート30と図示しない背面板とによって複数のインク室40が形成されている。天板20には、各インク室40に連通する共通インク供給路21と、共通インク供給路21とインクタンク50の開口部51とを連結するインク供給管22とが形成される。インクタンク50には実施の第1形態のインク組成物60が貯留されており、このインク組成物60は共通インク供給路21を介して各インク室40に供給される。
【0134】
また図2に示すように、ヘッドプレート10の底壁部11および複数の隔壁部12のインク室40に臨む表面には、複数の隔壁部12に電圧を印加する駆動電極13が形成される。また複数の隔壁部12を形成する圧電材料は、矢符70の方向に分極しており、複数の隔壁部12は圧電素子として機能する。
【0135】
このように構成されるインクヘッド1は、圧電素子である複数の隔壁部12に印加される電圧に応じて、吐出口31からインク組成物60の液滴を吐出させることのできるピエゾ方式のインクヘッドである。
【0136】
インクヘッド1において、インク室40からインク組成物60を吐出させる際の動作原理について説明する。図3は、図1に示すインクヘッド1をインク室40の延長方向から見た断面図である。ここでは、インク室40bからインク組成物60を吐出させる場合の動作について説明する。
【0137】
インク室40bを構成する隔壁部12aおよび12bに電圧が印加されていないとき、すなわちインク室40bの駆動電極13bとインク室40bに隣接するインク室40aの駆動電極13aとの間、およびインク室40bの駆動電極13bとインク室40bに隣接するインク室40cの駆動電極13cとの間に電位差が生じていないとき、インク室40bは、毛管作用によってインクタンク50から供給されるインク組成物60で充填された状態になっている。同様に、インク室40aおよび40cもインク組成物60で充填された状態になっている。
【0138】
駆動電極13aおよび駆動電極13cに電圧が印加されると、駆動電極13bと駆動電極13aとの間、および駆動電極13bと駆動電極13cとの間に電位差が生じ、インク室40bを構成する隔壁部12aおよび12bに電圧が印加される。この電圧によって、隔壁部12aおよび12bにそれぞれ矢符71および72の方向の電界が発生し、この電界の作用によって、インク室40bを構成する隔壁部12aおよび12bにひずみが生じ、インク室40b側に凸になるように変形する。これによって、圧力波が発生し、インク室40b内に充填されているインク組成物60に大きな圧力がかかり、インク組成物60の液滴が前述の図1に示す吐出口31から吐出する。
【0139】
駆動電極13aおよび駆動電極13cへの電圧の印加を止めると、隔壁部12aおよび12bの形状が元に戻ってインク室40bの体積が元に戻り、復元された体積分のインク組成物60が前述の図1に示す共通インク供給路21を介してインクタンク50から供給され、インク室40bは、インク組成物60が充填された初期の状態に戻る。
【0140】
本実施の形態によるインクヘッド1は、前述のようにインクタンク50に実施の第1形態のインク組成物60を貯留し、このインク組成物60がインク室40に供給されて吐出口31から液滴として吐出するので、安定して吐出口31からインク組成物60の液滴を吐出させることができ、滲みが少なく高品質で耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を提供することができる。このようなインクヘッドを用いれば、信頼性の高いピエゾ方式のインクジェット記録装置を実現することができ、高品質の記録画像を安定して得ることができる。
【0141】
本実施の形態では、インク室40を構成する隔壁部12を圧電材料で形成し、圧電素子として機能させるけれども、これに限定されることなく、インク室を構成する隔壁を圧電材料以外の材料で形成し、隔壁の内方または外方に圧電素子を設けてもよい。
【0142】
図4は、本発明の第3の実施形態であるインクヘッド2の構成を簡略化して示す分解斜視図であり、図5は、図4に示すインクヘッド2の構成の一部を示す平面図である。なお、図5では、図4に示す天板20およびインクタンク50は、図が錯綜して理解が困難になるので、記載を省略する。本実施の形態のインクヘッド2は、実施の第2形態のインクヘッド1と類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0143】
注目すべきは、ヘッドプレート100が、基板101と、基板101上に所定の間隔で平行に配置される複数の隔壁102と、基板101のインク室40に臨む表面上に設けられる発熱体であるヒータ103と、ヒータ103に電圧を印加する駆動電極104および105とを含んで構成されることである。
【0144】
このように構成されるインクヘッド2は、発熱体であるヒータ103に印加される電圧に応じて、吐出口31からインク組成物60の液滴を吐出させることのできるサーマルインクジェット方式のインクヘッドである。
【0145】
インクヘッド2において、インク室40からインク組成物60を吐出させる際の動作原理について説明する。図6は、インク室40からインク組成物60の液滴61が吐出する様子を示す図である。図6では、図5に示すインクヘッド2の切断面線I−Iにおける断面構成を示す。
【0146】
ヒータ103に電圧が印加されていないとき、実施の第2形態のインクヘッド1において隔壁部12に電圧が印加されていないときと同様に、インク室40はインク組成物60が充填された状態になっている。
【0147】
駆動電極104および105によってヒータ103に電圧が印加されると、ヒータ103が発熱し、インク室40内に充填されているインク組成物60が加熱されて、気泡62が発生する。これによって、圧力波が発生し、インク室40内に充填されているインク組成物60に大きな圧力がかかり、インク組成物60の液滴61が吐出口31から吐出する。
【0148】
ヒータ103への電圧の印加を止めると、インク室40内のインク組成物60が冷却されて気泡62が消滅し、復元された体積分のインク組成物60が前述の図4に示す共通インク供給路21を介してインクタンク50から供給され、インク室40は、インク組成物60が充填された初期の状態に戻る。
【0149】
本実施の形態によるインクヘッド2は、前述の実施の第2形態のインクヘッド1と同様に、インクタンク50に実施の第1形態のインク組成物60を貯留し、このインク組成物60がインク室40に供給されて吐出口31から液滴61として吐出するので、安定して吐出口31からインク組成物60の液滴61を吐出させることができ、滲みが少なく高品質で耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を提供することができる。このようなインクヘッドを用いれば、信頼性の高いサーマルインクジェット方式のインクジェット記録装置を実現することができ、高品質の記録画像を安定して得ることができる。
【0150】
[実施例]
以下、本発明について、実施例を用いてさらに詳細に説明するけれども、本発明は、これに限定されるものではない。なお、本実施例では、画像を記録することを印刷または印字と呼ぶことがある。
【0151】
(ポリエステル樹脂1〜8)
ポリエステル樹脂の製造に際し、多価カルボン酸成分の種類およびそれらの多価カルボン酸成分中の割合(モル%)と、多価アルコール成分の種類およびそれらの多価アルコール成分中の割合(モル%)とを、表1に示すように変化させることによって、多価カルボン酸成分がスルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸を含むポリエステル樹脂1〜7と、多価カルボン酸成分がスルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸を含まないポリエステル樹脂8とを得た。なお、表1では、ポリエステル樹脂をPESと略記する。
【0152】
得られたポリエステル樹脂1〜8について、数平均分子量およびガラス転移点Tgを測定した。測定結果を表1に示す。なお、数平均分子量およびガラス転移点Tgの測定は以下のように行った。
【0153】
<数平均分子量>
テトラヒドロフラン10mlに試料0.03gを溶解させ、ゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography;略称:GPC)測定を行い、数平均分子量を求めた。装置には東ソー株式会社製のHLC8120を用い、カラムには昭和電工株式会社製のShodexKF−802,804,806の3本を用いた。流量は1.0ml/minとし、測定温度は30℃とした。分子量較正曲線は、標準ポリスチレンで作成した。
【0154】
<ガラス転移点>
試料3gを秤量し、示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製:DSC200)を用い、JIS K 7121−1987に準じて、昇温速度20℃/minで示差走査熱量測定を行った。得られたDSC曲線の低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度を求め、ガラス転移点とした。
【0155】
また、得られたポリエステル樹脂1〜8について、水に対する分散性を以下のようにして評価した。
【0156】
<水分散性>
試料10gを水990g中に入れ、スリーワンモータによって撹拌した後、40℃で2000時間静置した。静置後の分散状態を目視観察し、試料が沈殿せず均一に分散している場合を良(○)とし、試料の一部が沈殿している場合を可(△)とし、試料が沈殿し水と分離している場合を不良(×)と評価した。
評価結果を表1に示す。
【0157】
【表1】
Figure 2004107481
【0158】
多価カルボン酸成分がスルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸を含むポリエステル樹脂1〜7(PES1〜7)では、水中に分散させることができた。分子量が50000を超えるポリエステル樹脂7では、水に対する分散性が若干悪かった。
【0159】
一方、多価カルボン酸成分がスルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸を含まないポリエステル樹脂8(PES8)では、水中に分散させることができなかった。
【0160】
以上のように、多価カルボン酸成分がスルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸を含むことによって、水中に分散可能なポリエステル樹脂を得ることができた。
【0161】
得られたポリエステル樹脂1〜7を用いて、以下のようにインク組成物を作製した。
【0162】
(実施例1〜10および比較例1)
インク組成物の作製に際し、色材、有機溶剤、界面活性剤、ポリエステル樹脂および水の種類および含有量を表2に示すように変化させることによって、本発明の要件を満足する、すなわち多価カルボン酸成分がスルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸を含むポリエステル樹脂を含有する実施例1〜10のインク組成物と、本発明の要件を満足しない、すなわち多価カルボン酸成分がスルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸を含むポリエステル樹脂を含有しない比較例1のインク組成物とを得た。なお、表2において、各欄の値の単位は重量部であり、実施例1〜10および比較例1の各インク組成物の合計量は100重量部である。また表2において、TEGBEは、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(Triethylene glycol monobutyl ether)を表し、PEG400は、分子量が400のポリエチレングリコール(Polyethylene glycol)を表す。
【0163】
【表2】
Figure 2004107481
【0164】
得られた実施例1〜10および比較例1の各インク組成物について、特性の評価を以下のように行った。
【0165】
(評価1)耐擦過性
得られた実施例1〜7,9および比較例1の各インク組成物を用い、市販のインクジェット記録装置(シャープ株式会社製:AJ2000)を改造して得られたインクジェット記録装置を用いて、シャープ株式会社製の光沢紙(商品名:フォト光沢紙;品番:AJ−K4AG)上に所定のカラーバーを印刷し、評価用画像を形成した。前記評価用画像を1日放置し十分に乾燥させた後、光学濃度計(X−Rite社製:X−Rite938)を用いて前記評価用画像の印刷濃度(%)を測定した。前記評価用画像の表面にプラスチック消しゴムを接触させ、荷重500gをかけて50回摺動させた後、摺動前と同様にして印刷濃度(%)を測定した。摺動前後の印刷濃度の差を求め、耐擦過性の評価指標とした。摺動前後の印刷濃度の差が30%以内である場合を良(○)とし、30%を超え35%以内である場合を可(△)とし、35%を超える場合を不良(×)と評価した。
【0166】
(評価2)耐水性
得られた実施例1〜7,9および比較例1の各インク組成物を用い、市販のインクジェット記録装置(シャープ株式会社製:AJ2000)を改造して得られたインクジェット記録装置を用いて、シャープ株式会社製の光沢紙(品番:AJ−K4AG)上に特定のパターンを印刷し、評価用画像を得た。前記評価用画像を、印刷直後を起点として3時間室温で放置した後、10秒間流水にさらし、1昼夜放置して乾燥させた。乾燥させた評価用画像を目視観察し、印刷された部分からのインク組成物の流出の程度を軽い方から順に5,4,3,2および1の5段階で評価し、耐水性の評価指標とした。5段階評価が、5,4または3の場合を良(○)とし、2または1の場合を不良(×)と評価した。
【0167】
(評価3)画質
得られた実施例1〜7,9および比較例1の各インク組成物を用い、市販のインクジェット記録装置(シャープ株式会社製:AJ2000)を改造して得られたインクジェット記録装置を用いて、シャープ株式会社製の複写機用普通紙(品番:SF4AM3)上に特定のパターンを印刷し、評価用画像を形成した。前記評価用画像を1日放置した後、設定したパターンの線幅100に対する各評価用画像のパターンの線幅の相対値を求め、画質の評価指標とした。線幅の相対値は、その値が小さいほど画像に滲みが少ないことを示す。画質の評価は、線幅の相対値が150未満である場合を良(○)とし、150以上250以下である場合を可(△)とし、250を超える場合を不良(×)とした。
以上の評価1〜3の結果を表3に示す。
【0168】
【表3】
Figure 2004107481
【0169】
実施例1〜7,9と比較例1との比較から、多価カルボン酸成分がスルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸を含むポリエステル樹脂を含有する実施例1〜7,9のインク組成物を用いて形成された画像の方が、前記ポリエステル樹脂を含有しない比較例1のインク組成物を用いて形成された画像よりも、滲みが少なく高品質で、耐擦過性および耐水性に優れることが判った。
【0170】
また、実施例1〜7と実施例9との比較から、ガラス転移点が−20℃以上70℃以下であるポリエステル樹脂を含有する実施例1〜7のインク組成物を用いて形成された画像の方が、ガラス転移点が71℃であり70℃を超えるポリエステル樹脂を含有する実施例9のインク組成物を用いて形成された画像よりも、耐擦過性に優れることが判った。
【0171】
(評価4)吐出安定性
得られた実施例1〜8および10の各インク組成物を、市販のインクジェット記録装置(シャープ株式会社製:AJ2000)を改造して得られたインクジェット記録装置のインクタンクに充填し、印刷濃度を5%として毎分A4用紙7枚の印刷速度で、シャープ株式会社製の複写機用普通紙(品番:SF4AM3)上に連続的に印刷を行った。試験ではインクタンクが空になった時点でインク組成物を再充填し、ノズルからインク組成物の液滴が吐出せず印刷することができなくなるまで印刷を行い、その時点までに完全に印刷できた枚数を印刷可能枚数として求め、吐出安定性の評価指標とした。印刷可能枚数が200枚を超える場合を良(○)とし、150〜200枚の場合を可(△)とし、150枚未満の場合を不良(×)と評価した。評価結果を表4に示す。
【0172】
【表4】
Figure 2004107481
【0173】
実施例1〜7と実施例10との比較から、数平均分子量が5000以上50000以下であるポリエステル樹脂を含有する実施例1〜7のインク組成物の方が、数平均分子量が51000であり50000を超えるポリエステル樹脂を含有する実施例10のインク組成物よりも吐出安定性に優れることが判った。
【0174】
また実施例1〜7と実施例8との比較から、グリコールエーテル類を含有する実施例1〜7のインク組成物の方が、グリコールエーテル類を含有しない実施例8のインク組成物よりも吐出安定性に優れることが判った。
【0175】
以上のように、多価カルボン酸成分がスルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸を含むポリエステル樹脂を含有させることによって、滲みが少なく高品質で耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を得ることのできるインクジェット記録法に好適なインク組成物を実現することができた。また、ポリエステル樹脂のガラス転移点Tgが−20℃以上70℃以下であることによって、十分な耐擦過性を得ることができた。また、ポリエステル樹脂の数平均分子量が5000以上50000以下であることによって、十分な吐出安定性を得ることができた。また、グリコールエーテル類を含有させることによって、吐出安定性を向上させることができた。
【0176】
(インクセット1〜5)
実施例2〜6,8〜10のインク組成物を、表5に示すようにシアン、マゼンタおよびイエローのインク組成物として組合せ、シアンのインク組成物がC.I.ピグメントブルー15:3および15:4のうちの少なくとも一方の顔料を含有し、マゼンタのインク組成物がC.I.ピグメントレッド122,209およびC.I.ピグメントヴァイオレット19からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含有し、イエローのインク組成物がC.I.ピグメントイエロー74,138,150および180からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含有するインクセット1〜4と、シアン、マゼンタおよびイエローのすべてのインク組成物が前述の顔料と異なる顔料を含有するインクセット5とを得た。
【0177】
【表5】
Figure 2004107481
【0178】
得られたインクセット1〜5を用い、市販のインクジェット記録装置(シャープ株式会社製:AJ2000)を改造して得られたインクジェット記録装置を使用し、シャープ株式会社製の光沢紙(品番:AJ−K4AG)上に、シアン、マゼンタおよびイエローの各インク組成物を印字率1:1:1で印字させることによって黒色画像を形成した。また、実施例7のインク組成物をブラックのインク組成物として用い、同一の画像を形成した。
【0179】
得られた画像について、分光測色計(X−Rite社製:X−Rite938)を用い、L表色系(CIE:1976)における明度指数Lとクロマチックネス指数a,bとを測定した。
【0180】
試験結果の評価は、以下のように行った。実施例7のインク組成物を用いて形成された黒色画像のクロマチックネス指数aをA1、bをB2とし、インクセット1〜5で形成された各黒色画像のクロマチックネス指数aをA2、bをB2としたとき、下記式で示されるΔaの値を求め、黒色再現性の評価指標とした。
Δa={(A1−A2)+(B1−B2)1/2
【0181】
Δaの値が、20以下(Δa≦20)である場合を良(○)とし、20を超える(Δa>20)場合を不良(×)と評価した。評価結果を表6に示す。
【0182】
【表6】
Figure 2004107481
【0183】
インクセット1〜4とインクセット5との比較から、C.I.ピグメントブルー15:3および15:4のうちの少なくとも一方の顔料を含有するシアンのインク組成物と、C.I.ピグメントレッド122,209およびC.I.ピグメントヴァイオレット19からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含有するマゼンタのインク組成物と、C.I.ピグメントイエロー74,138,150および180からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含有するイエローのインク組成物とを含むインクセット1〜4の方が、前述の顔料と異なる顔料を含有するインク組成物を含むインクセット5よりも、黒色再現性が良好であり、カラーバランスに優れることが判った。
【0184】
以上のように、C.I.ピグメントブルー15:3および15:4のうちの少なくとも一方の顔料を含有するシアンのインク組成物と、C.I.ピグメントレッド122,209およびC.I.ピグメントヴァイオレット19からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含有するマゼンタのインク組成物と、C.I.ピグメントイエロー74,138,150および180からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含有するイエローのインク組成物とを組合せることによって、カラーバランスに優れるインクセットを得ることができた。
【0185】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、滲みが少なく高品質で耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を得ることのできるインクジェット記録法に好適なインク組成物を実現することができる。
【0186】
また本発明によれば、ポリエステル樹脂の分子量が好適な範囲に選択されるので、十分な吐出安定性および耐擦過性を得ることができる。
【0187】
また本発明によれば、ポリエステル樹脂のガラス転移点が好適な範囲に選択されるので、記録画像の十分な耐擦過性を実現することができるとともに、記録画像の乱れを抑えることができ、またインク組成物の十分な保存安定性を得ることができる。
【0188】
また本発明によれば、滲みが少なく高品質で耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を得ることのできるインクジェット記録法に好適なインク組成物を容易に実現することができる。
【0189】
また本発明によれば、水の導電率が好適な範囲に選択されるので、インク組成物中にポリエステル樹脂を安定に分散させることができる。
【0190】
また本発明によれば、目詰まりの発生を抑えることができるので、吐出安定性を損なうことなく、耐光性および耐水性に優れる記録画像を得ることが可能なインク組成物を得ることができる。
【0191】
また本発明によれば、顔料が親水基を有するので、顔料のインク組成物中における分散安定性を高めることができる。
【0192】
また本発明によれば、親水基がカルボキシル基およびスルホン酸基のうちの少なくとも一方であるので、顔料のインク組成物中における分散安定性をさらに高めることができる。
【0193】
また本発明によれば、水の蒸気圧よりも低い蒸気圧を有する水溶性有機溶剤をさらに含有するので、乾燥を抑制し、吐出安定性を向上させることができる。
【0194】
また本発明によれば、水溶性有機溶剤がグリコールエーテル類および/または多価アルコール類を含むので、吐出安定性をさらに向上させることができる。
【0195】
また本発明によれば、ポリエステル樹脂の分散安定性を損なうことなく、インクジェット記録法に用いた場合のインク組成物と記録装置内のインク室の内壁との濡れ性を良好にし、インク組成物を安定してインク室に供給することができるので、吐出安定性を向上させることができる。
【0196】
また本発明によれば、シアンの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物を得ることができる。
【0197】
また本発明によれば、マゼンタの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物を得ることができる。
【0198】
また本発明によれば、イエローの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物を得ることができる。
【0199】
また本発明によれば、ブラックの発色性に優れる記録画像を実現可能なインク組成物を得ることができる。
【0200】
また本発明によれば、滲みが少なく高品質で、耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を提供することができる。
【0201】
また本発明によれば、安定した吐出が可能であるとともに、滲みが少なく高品質で、耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を提供することができる。
【0202】
また本発明によれば、発色性に優れるフルカラーの記録画像を提供することができる。
【0203】
また本発明によれば、滲みが少なく高品質で、耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を得ることができる。
【0204】
また本発明によれば、カラーバランスに優れるインクセットを得ることができ、発色性に優れるフルカラーの記録画像を実現することができる。
【0205】
また本発明によれば、圧電素子に印加される電圧に応じて、吐出口からインク組成物の液滴を吐出させることのできるピエゾ方式のインクヘッドにおいて、安定して吐出口からインク組成物の液滴を吐出させることができ、滲みが少なく高品質で耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を提供することができる。
【0206】
また本発明によれば、発熱体に印加される電圧に応じて、吐出口からインク組成物の液滴を吐出させることのできるサーマルインクジェット方式のインクヘッドにおいて、安定して吐出口からインク組成物の液滴を吐出させることができ、滲みが少なく高品質で耐水性および耐擦過性に優れる記録画像を提供することができる。
【0207】
また本発明によれば、記録画像は、安定してインク組成物の液滴を吐出させることのできるピエゾ方式のインクヘッドによって吐出されるインク組成物の液滴が、被記録材上に付着されることによって記録されるので、高品質の記録画像を安定して得ることができる。
【0208】
また本発明によれば、記録画像は、安定してインク組成物の液滴を吐出させることのできるサーマルインクジェット方式のインクヘッドによって吐出されるインク組成物の液滴が、被記録材上に付着されることによって記録されるので、高品質の記録画像を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第2の実施形態であるインクヘッド1の構成を簡略化して示す分解斜視図である。
【図2】図1に示すインクヘッド1を構成するヘッドプレート10の構成の一部を拡大して示す図である。
【図3】図1に示すインクヘッド1をインク室40の延長方向から見た断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態であるインクヘッド2の構成を簡略化して示す分解斜視図である。
【図5】図4に示すインクヘッド2の構成の一部を示す平面図である。
【図6】インク室40からインク組成物60の液滴61が吐出する様子を示す図である。
【符号の説明】
1,2 インクヘッド
10 ヘッドプレート
11 底壁部
12,12a,12b 隔壁部
13,13a,13b,13c 駆動電極
20 天板
21 共通インク供給路
22 インク供給管
30 ノズルプレート
31 吐出口
40,40a,40b,40c インク室
50 インクタンク
51 開口部
60 インク組成物
61 液滴
62 気泡
100 ヘッドプレート
101 基板
102 隔壁
103 ヒータ
104,105 駆動電極

Claims (26)

  1. 水と、色材と、多価カルボン酸成分および多価アルコール成分を含むポリエステル樹脂とを含有するインク組成物であって、
    前記多価カルボン酸成分は、スルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸を含むことを特徴とするインク組成物。
  2. 前記ポリエステル樹脂は、数平均分子量が5000以上50000以下であることを特徴とする請求項1記載のインク組成物。
  3. 前記ポリエステル樹脂は、ガラス転移点Tgが−20℃以上70℃以下であることを特徴とする請求項1または2記載のインク組成物。
  4. 前記多価アルコール成分は、脂肪族グリコール類および脂環族グリコール類からなる群から選ばれる少なくとも1つのグリコールを含むことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載のインク組成物。
  5. 前記水は、導電率が250μS/cm以下であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載のインク組成物。
  6. 前記色材は、顔料を含むことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載のインク組成物。
  7. 前記顔料は、親水基を有することを特徴とする請求項6記載のインク組成物。
  8. 前記親水基は、カルボキシル基およびスルホン酸基のうちの少なくとも一方であることを特徴とする請求項7記載のインク組成物。
  9. 水の蒸気圧よりも低い蒸気圧を有する水溶性有機溶剤をさらに含有することを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれか1つに記載のインク組成物。
  10. 前記水溶性有機溶剤は、グリコールエーテル類および/または多価アルコール類を含むことを特徴とする請求項9記載のインク組成物。
  11. 非イオン系界面活性剤をさらに含有し、
    前記非イオン系界面活性剤の含有量は、臨界ミセル濃度以上であることを特徴とする請求項1〜10のうちのいずれか1つに記載のインク組成物。
  12. 前記顔料は、C.I.ピグメントブルー15:3およびC.I.ピグメントブルー15:4のうちの少なくとも一方の顔料を含むことを特徴とする請求項6〜11のうちのいずれか1つに記載のインク組成物。
  13. 前記顔料は、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド209およびC.I.ピグメントヴァイオレット19からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含むことを特徴とする請求項6〜11のうちのいずれか1つに記載のインク組成物。
  14. 前記顔料は、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150およびC.I.ピグメントイエロー180からなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を含むことを特徴とする請求項6〜11のうちのいずれか1つに記載のインク組成物。
  15. 前記顔料は、カーボンブラックを含むことを特徴とする請求項6〜11のうちのいずれか1つに記載のインク組成物。
  16. インク組成物を被記録材上に付着させることによって画像を記録する記録方法であって、
    前記インク組成物には、請求項1〜15のいずれかに記載のインク組成物が用いられることを特徴とする記録方法。
  17. インク組成物に圧力をかけることによって前記インク組成物の液滴を吐出させ、前記液滴を被記録材上に付着させることによって画像を記録する記録方法であって、
    前記インク組成物には、請求項1〜15のいずれかに記載のインク組成物が用いられることを特徴とする記録方法。
  18. 前記インク組成物には、少なくとも、請求項12記載のインク組成物と、請求項13記載のインク組成物と、請求項14記載のインク組成物とが用いられることを特徴とする請求項16または17記載の記録方法。
  19. 前記インク組成物には、少なくとも、請求項12記載のインク組成物と、請求項13記載のインク組成物と、請求項14記載のインク組成物と、請求項15記載のインク組成物とが用いられることを特徴とする請求項16または17記載の記録方法。
  20. 請求項16〜19のいずれかに記載の記録方法によって記録されることを特徴とする記録画像。
  21. 請求項12記載のインク組成物と、
    請求項13記載のインク組成物と、
    請求項14記載のインク組成物とを含むことを特徴とするインクセット。
  22. 請求項12記載のインク組成物と、
    請求項13記載のインク組成物と、
    請求項14記載のインク組成物と、
    請求項15記載のインク組成物とを含むことを特徴とするインクセット。
  23. 請求項1〜15のいずれかに記載のインク組成物を貯留するインクタンクと、
    前記インク組成物の液滴を吐出する吐出口を有し、前記インクタンクから前記インク組成物が供給されるインク室と、
    印加される電圧に応答してひずみを生じる圧電素子であって、前記インク室の少なくとも一部に設けられ前記インク室に収容される前記インク組成物に対して圧力をかける圧電素子と、
    前記圧電素子に電圧を印加するために設けられる電極とを含むことを特徴とするインクヘッド。
  24. 請求項1〜15のいずれかに記載のインク組成物を貯留するインクタンクと、
    前記インク組成物の液滴を吐出する吐出口を有し、前記インクタンクから前記インク組成物が供給されるインク室と、
    前記インク室の少なくとも一部に設けられ、前記インク室に収容される前記インク組成物を加熱し気泡を発生させることによって前記インク組成物に対して圧力をかける発熱体と、
    前記発熱体に電圧を印加するために設けられる電極とを有することを特徴とするインクヘッド。
  25. 請求項23記載のインクヘッドによって吐出されるインク組成物の液滴が、被記録材上に付着されることによって記録されることを特徴とする記録画像。
  26. 請求項24記載のインクヘッドによって吐出されるインク組成物の液滴が、被記録材上に付着されることによって記録されることを特徴とする記録画像。
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