JP2006225638A - インク、インクセット、インクジェット記録方法、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インク、インクセット、インクジェット記録方法、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録方法に用いられるインクにおいて、吐出安定性を向上することができるインク、更には、高い保存安定性、発色性が得られるインクを提供する。
【解決手段】熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録方法に用いられるインクにおいて、前記インクが、C.I.ピグメントイエロー74に代表されるC.I.ピグメントオレンジ:1等の顔料、分散剤、水溶性有機化合物、及び前記顔料が分散破壊した後の凝集を抑制する凝集抑制物質を含有し、前記凝集抑制物質のインク全質量を基準とした含有量(質量%)が、前記顔料のインク全質量を基準とした含有量(質量%)に対して、0.4倍以上1.3倍未満であることを特徴とするインク。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録方法に用いられるインク、該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置に関する。特には、特定の構造を有する色材を含有するインクの吐出安定性を向上することができ、高い保存安定性、更には高い発色性が得られるインク、該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録方法は、インクを紙等の記録媒体に付与して画像を形成する記録方法であり、安価な装置で、高解像度、高速で印刷可能であるという特徴を有する。近年では、カラー画像を容易に形成できる手段として広く普及しており、より高品位なカラー画像への要望が高まっている。
インクジェット記録方法に用いるインクの色材には、現在でも様々な顔料が用いられている。特に、アゾ顔料は着色力に優れ、更にコスト面でも有利であるため、様々な開発が進められている。
例えば、構造の異なる2種の黄色モノアゾ顔料が混在するように顔料を合成し、得られた組成物を含有するインクを用いることで、耐光性、耐熱性を向上させるという提案がある(例えば、特許文献1参照)。又、純度が90%以上のモノアゾ顔料を用いることで、インクの保存安定性を向上させるという提案がある(例えば、特許文献2参照)。
又、色材として顔料を用いたインクジェット用インクの信頼性(保存安定性、吐出安定性等)や画像品位(定着性、マーカー性等)を向上することを目的とした種々の提案がある。例えば、アルキレンオキサイド鎖を有する化合物を含有するインクを用いることで、吐出性能を向上し、記録ヘッドに設けられた微細なインクの吐出口(オリフィス)の目詰まりを防止することに関する提案がある(例えば、特許文献3参照)。又、インクの浸透性を向上させることを目的として、1,2−アルカンジオールや、グリコールモノエーテルを含有するインクに関する提案がある(例えば、特許文献4及び5参照)。
上記したように、特に最近では、色材と共にインク中に含有される、水溶性有機溶剤や添加剤等に注目して、これらの特性や含有量に関する工夫をすることで、上記した課題を解決することが主流となっている。
特開平10−158555号公報 特開2004−123866号公報 特開平9−165538号公報 特開平7−157698号公報 特開2001−354888号公報
本発明者らは、色材としてモノアゾ顔料を含有するインクを、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(以後、サーマルタイプのインクジェット記録装置等と呼ぶことがある)に搭載して、吐出安定性の評価を行った。その結果、インクを連続して吐出させたところ、吐出されたインクの体積が徐々に減少する、記録媒体への着弾位置がずれる等の現象が起こる、即ち、吐出安定性が悪化する場合があることがわかった。
そこで、本発明者らは、吐出安定性が悪化した原因を解明するために、記録ヘッドのインク流路を経て、吐出口から吐出されるまでの間で、インクが含有する顔料分散体がどのように変化しているかということに着目して検討を行った。
その結果、数多くある顔料分散体の中でも特に、熱安定性が低いモノアゾ顔料分散体は、インク滴を吐出させる際にかかる熱によって起こる顔料分散体の分散破壊が、急速に、且つ過剰に起きることが主原因であることが判明した。
即ち、吐出安定性の悪化は、今までにも知られていたインクの吐出口(オリフィス)の目詰まりが原因として発生するのではない。熱安定性が低いモノアゾ顔料を色材として含有するインクに熱がかかり、インクが昇温すると、顔料分散体の分散破壊が急速に、そして過剰に起こる。その結果、インク流路内及び吐出口近傍に堆積物が付着し、該堆積物が記録ヘッドのインク流路を塞ぐことで、吐出安定性が悪化することがわかった。
上記した現象は、従来では確認されることがなかった現象であり、本発明は、この知見に基づいてなされたものである。
従って、本発明の目的は、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録方法に用いられるインクにおいて、吐出安定性を向上することができるインク、更には、高い保存安定性、発色性が得られるインクを提供することにある。
又、本発明の別の目的は、前記インクを用いたインクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかるインクは、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録方法に用いられるインクにおいて、前記インクが、下記一般式(1)で表される顔料、分散剤、水溶性有機化合物、及び前記顔料が分散破壊した後の凝集を抑制する凝集抑制物質を含有し、前記凝集抑制物質のインク全質量を基準とした含有量(質量%)が、前記顔料のインク全質量を基準とした含有量(質量%)に対して、0.4倍以上1.3倍未満であることを特徴とする。
一般式(1)
Figure 2006225638
(一般式(1)中、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホン酸基又はそのアルカリ土類金属塩、N−フェニルアミノスルホニル基、カルボキシル基又はそのアルカリ土類金属塩、カルボアミド基、N−フェニルカルバモイル基、ウレイレン基、イミノジカルボニル基又はカルボン酸エステル基である。)
又、本発明の別の実施態様にかかるインクは、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置に用いるインクカートリッジに供給されるインクにおいて、前記インクが、色材としてC.I.ピグメントイエロー74を含有し、更に、前記インクが、前記C.I.ピグメントイエロー74が分散破壊した後の凝集を抑制する凝集抑制物質を含有し、前記凝集抑制物質のインク全質量を基準とした含有量(質量%)が、前記C.I.ピグメントイエロー74のインク全質量を基準とした含有量(質量%)に対して、0.4倍以上1.3倍未満であることを特徴とする。
又、本発明の別の実施態様にかかるインクセットは、複数のインクを有するインクセットにおいて、上記構成のインクと、前記インクと色相が異なる少なくとも1種のインクとを含むことを特徴とする。
又、本発明の別の実施態様にかかるインクジェット記録方法は、インクをインクジェット記録方法で吐出する工程を有するインクジェット記録方法において、前記インクが、上記構成のインクであることを特徴とする。
又、本発明の別の実施態様にかかるインクカートリッジは、インクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記インクが、上記構成のインクであることを特徴とする。
又、本発明の別の実施態様にかかるインクジェット記録装置は、インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置において、前記インクが、上記構成のインクであることを特徴とする。
本発明は、熱安定性が低いモノアゾ顔料を含有するインクを、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを連続して吐出させる際に生じる、堆積物の付着による吐出安定性の悪化という固有の課題を解決する。更には、高い保存安定性、発色性を得ることができる。
本発明によれば、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録方法に用いられるインクにおいて、吐出安定性を向上することができるインク、更には、高い保存安定性、発色性が得られるインクを提供することができる。
又、本発明の別の実施態様によれば、前記インクを用いたインクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置を提供することができる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を挙げて、詳細に説明する。
本発明者らは、インク流路内及び吐出口近傍に堆積物が付着する原因を追求する過程で、上記した現象が起きる原因の1つに、インクを吐出する際にインクにかかる熱が影響すると考えた。そこで、サーマルタイプのインクジェット記録装置を用いた場合にインク流路内及び吐出口近傍に堆積物が付着するインクを用いて、以下の実験を行った。具体的には、前記したインクを、電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換し、力学的エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(以後、ピエゾタイプのインクジェット記録装置等と呼ぶことがある)に搭載した。そして、吐出安定性の評価を行った。その結果、インクを長時間連続して吐出させても、吐出されたインクの体積は変化せず、又、吐出が乱れることなく安定な状態を保った。
そこで、本発明者らは、インク流路内及び吐出口近傍に堆積物が付着する現象は、サーマルタイプのインクジェット記録装置を用いて、熱安定性が低いモノアゾ顔料を含有するインクを吐出する場合に特有に生じる問題であると確信した。
このようにして得られた知見をもとに、サーマルタイプのインクジェット記録装置を用いてインクを吐出する過程で起こる現象を確認できるような模擬実験を行った。その結果、堆積物を発生させる最大の原因は、インク流路内において以下に述べるような現象が起きていることであるという結論に至った。
(堆積物が発生するメカニズム)
図1は、サーマルタイプのインクジェット記録装置を用いる場合に、吐出口の近傍における堆積物発生のメカニズムを示す模式図である。図1において、(a)はヒータ1上に膜状の気泡6が生成した状態、(b)〜(h)はそれぞれ、(b)約1μ秒後、(c)約2.5μ秒後、(d)約3μ秒後、(e)約4μ秒後、(f)約4.5μ秒後、(g)約6μ秒後、(h)約9μ秒後、の状態を示す。尚、図1の(a)〜(h)において水平方向にハッチングを施した部分は、オリフィスプレート又は流路壁を示す。
まず、図1の(a)に示すように、記録信号等に基づいたヒータ1への通電に伴い、ヒータ1上のインク流路2の内部に気泡6が生成する。この際、ヒータ1近傍のインクの温度は約200℃まで上昇する。そして、温度が上昇したインク中では、顔料分散体の分散破壊が起こり、顔料からの分散剤の剥離、顔料の小片化等の現象が起きる。その結果、分散状態が不安定になった顔料がインク中に混在して存在することになる。この時、熱安定性が低いモノアゾ顔料を含有するインク中には、分散破壊が急速に、そして過剰に起きるため、分散状態が不安定になった顔料が数多く存在することになる。
その後、図1の(b)及び(c)に示すように、約2.5μ秒の間に、気泡6は急激にその体積が膨張する。これに伴って、温度が上昇したインクは冷却される。インクの温度が低下するのにつれて、分散状態が不安定になった顔料は分散状態を維持することができなくなり、顔料の凝集が起こり、インク中に析出する顔料が現れるようになる。このようして析出した顔料の凝集物4の一部は、吐出口3からインク滴5中に含まれた状態で吐出されるものもあるが、インク流路2の内部に残留して、流路壁に付着するものもある。このように、図1の(a)〜(h)に示すインク吐出を繰り返すことで、インク中に析出した凝集物4が流路壁に堆積していくものと考えられる。
(顔料が分散破壊した後の凝集を抑制する凝集抑制物質作用)
ここで、モノアゾ顔料を含有するインクが、インクの温度が上昇することにより分散破壊した後の凝集を抑制する凝集抑制物質を含有することで、堆積物の発生を抑制し、その結果、吐出安定性が向上する理由について述べる。
図2は、サーマルタイプのインクジェット記録装置を用いる場合に、ヒータの近傍における凝集抑制物質の作用を示す模式図である。図2において、(a)〜(c)はそれぞれ、(a)は記録信号等に基づいたヒータへの通電が行われる前の状態、(b)はヒータへの通電が開始され、膜状の気泡が生成するまでの状態、(c)は気泡の成長に伴ってインクが吐出されるまでの状態、を示す。
まず、図2の(a)に示すように、ヒータへの通電によりヒータの温度が上昇し、インク流路の内部においてインクの温度が上昇する。そして、温度が上昇したインク中では、上記したように顔料分散体の分散破壊が起こり、顔料7から、顔料7の分散に寄与する分散剤8の剥離、顔料7の小片化等の現象が起きる。ここで、インクが凝集抑制物質を含有する場合、図2の(b)に示すように、顔料7において、分散剤8が剥離した部分や、小片化により顔料の表面が剥き出しになった部分に、凝集抑制物質9が配位する。その後、気泡の体積の膨張に伴って、温度が上昇したインクは冷却される。インクの温度が低下するのにつれて、分散状態が不安定になった顔料7は分散状態を維持することができなくなり、顔料の凝集が起こる。しかし、図2の(c)に示すように、インクが凝集抑制物質を含有するので、顔料7には凝集抑制物質9が配位することになり、分散状態をある程度維持することができる。この結果、インク中に析出する凝集物を低減することが可能になるものと考えられる。
<インク>
以下、本発明にかかるインクを構成する成分等について詳細に述べる。
(凝集抑制物質)
本発明にかかるインクは、凝集抑制物質を含有することが必須である。かかる凝集抑制物質は、顔料において分散剤が剥離した部分や、表面が剥き出しになった部分に配位することができる化合物であれば特に限定されるものではない。本発明においては、具体的には、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、1,2−アルカンジオール、グリコールモノアルキルエーテル等を用いることができる。
ノニオン性界面活性剤は、以下のものを用いることができる。具体的には、例えば、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。
アニオン性界面活性剤は、以下のものを用いることができる。具体的には、例えば、アルキル硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、脂肪酸塩、アルキルアリールカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩が挙げられる。
1,2−アルカンジオールは、以下のものを用いることができる。具体的には、例えば、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール等が挙げられる。
グリコールモノアルキルエーテルは、以下のものを用いることができる。具体的には、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。
しかし、界面活性剤のような性質が高いほど、インク中において顔料から分散剤を剥離してしまう場合がある。従って、本発明においては、上記した凝集抑制物質の中でも、界面活性剤のような性質が弱い物質である1,2−アルカンジオール、具体的には、炭素数が5又は6である、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールを用いることが特に好ましい。
本発明においては、凝集抑制物質のインク全質量を基準とした含有量(質量%)が、前記顔料のインク全質量を基準とした含有量(質量%)に対して、0.4倍以上1.3倍未満であることが必須である。凝集抑制物質の含有量は、顔料の表面状態や、顔料を分散させる分散剤として機能する樹脂の含有量、更には凝集抑制物質の種類によって異なる。しかし、本発明においては、含有量を上記した範囲とすることで、インク流路内及び吐出口近傍の堆積物の発生を十分抑制することが可能となる。尚、凝集抑制物質と顔料の含有量の比が0.4倍より少ない場合でも堆積物の発生を多少抑制することはできるが、十分な吐出安定性が得られるまでの基準には達しないことがある。又、凝集抑制物質と顔料の含有量の比が1.3倍以上である場合、界面活性剤のような性質が弱い凝集抑制物質である1,2−アルカンジオールを用いたとしても、顔料から分散剤を剥離してしまう場合がある。このため、インクの保存安定性が低下することや、場合によっては、インク流路内及び吐出口近傍の堆積物の発生を抑制できないことがある。
本発明においては、更に、凝集抑制物質の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、0.4質量%以上10.0質量%以下であることが特に好ましい。含有量が10.0質量%を超える場合、インクの保存安定性が低下することや、インクの粘度が上昇することにより、吐出特性が低下する場合がある。又、含有量が0.4質量%未満である場合、インク流路内及び吐出口近傍の堆積物の発生を抑制できないことがある。
尚、上記した特許文献3〜5には、本発明の凝集抑制物質に該当する物質を含有するインクに関する記載がある。そして、特許文献3は、目詰まりを防止して、吐出の安定を保持することを目的としている。又、特許文献4は、ブリード防止と、インクの可燃性、悪臭及び揮発性を低くすることを目的としている。又、特許文献5は、インク吐出ノズル近傍への析出物の付着を防止し、かつ優れた浸透性を得ることを目的としている。
しかし、特許文献3及び4に記載の発明においては、色材として、本発明において必須である一般式(1)で表される顔料は用いられていない。特許文献5の実施例においては、一般式(1)で表されるモノアゾ顔料が用いられている。しかし、特許文献5には、ピエゾタイプのインクジェット記録装置を用いることが好ましいとの記載があり、実施例においても、ピエゾタイプのインクジェット記録装置しか用いられていない。特許文献5においては、本発明の凝集抑制物質に該当する物質は浸透性を高め、インクの粘度上昇を抑え、保湿剤の添加量を増加することができることが記載されている。加えて、保湿剤を用いることで、インクの乾燥を抑制して吐出ノズルでのインク固化を防止し、吐出安定性を得ることが記載されている。つまり、特許文献5に記載の発明において、技術課題に挙げられているノズルの目詰まりとは、従来からの課題であるノズル近傍における水分の蒸発による顔料の析出という現象のことである。
これらのことから、特許文献3〜5の発明においては、本発明が解決しようとしている技術課題に対する認識はないものであると言わざるを得ない。
(水性媒体)
本発明にかかるインクは、上記したような凝集抑制物質の他に、これらを添加することによる効果が得られ、且つ、本発明の目的効果を損なわない範囲で、水、又は水と各種水溶性有機化合物との混合溶媒である水性媒体を用いることができる。尚、上記した凝集抑制物質は水溶性有機化合物に分類される物質の一部(具体的には1,2−アルカンジオール類、グリコールモノアルキルエーテル類)も含むものである。
水溶性有機化合物は、以下のものを用いることができる。
具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;
アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオ−ル、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等の炭素原子数が2〜6個のアルキレングリコール類;
ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の低級アルキルエーテルアセテート;
グリセリン;
エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;
トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の多価アルコール;
N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等。
上記した水溶性有機化合物は、単独で用いることも、又は混合物として用いることもできる。
尚、本発明において用いることができる水溶性有機化合物には、常温で固体である化合物も含まれている。
本発明においては、水溶性有機化合物の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.0質量%以上16.5質量%以下とすることが好ましい。含有量を上記した範囲とすることで、インク流路内及び吐出口近傍の堆積物の発生を抑制できることが確認されている。尚、水溶性有機化合物の含有量が、インク流路内及び吐出口近傍の堆積物の発生にどのような影響を与えているかは明確ではない。しかし、水溶性有機化合物の含有量の合計が16.5質量%を超えると、水溶性有機化合物、及び分散剤である樹脂の疎水部、の親和性が急激に高まり、その結果、顔料、及び分散剤である樹脂の疎水部、の吸着力が相対的に低くなるためであると考えられる。
又、水の含有量は、インク全質量に対して、68.5質量%以上90.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、73.0質量%以上80.0質量%以下であることが好ましい。
(貧溶媒)
本発明にかかるインクに用いることができる、水溶性有機化合物は、上記で説明したもののようにインクジェット適性を有するものである限り、特に限定されるものではない。
本発明者らは、インクの吐出量が多くなった場合においても、インク流路内及び吐出口近傍の堆積物の発生を抑制する、即ち、長期間に渡ってより安定した吐出安定性を得ることを目的として検討を行った。その結果、インクが、上記した水溶性有機化合物の中でも、特に、分散剤に対する貧溶媒を含有することで、上記した課題を効果的に解決することができることがわかった。
ここで、インクが、上記した水溶性有機化合物の中でも、特に、分散剤に対する貧溶媒を含有することで、長期間に渡って吐出安定性を得ることができるメカニズムについて説明する。
図2の(b)のように、凝集抑制物質9は、顔料7において、分散剤8が剥離した部分や、小片化により顔料の表面が剥き出しになった部分のみならず、分散剤8にも配位する。その結果、凝集抑制物質の種類や、そのインク中における含有量によっては、顔料7において、分散剤8を剥離することがある。
ここで、インクが分散剤8に対する貧溶媒を含有する場合、分散剤8とインクを構成する水性媒体との親和力よりも、分散剤8が顔料7の表面に配位する力の方が支配的になる。この結果、凝集抑制物質9が分散剤8に配位していても、顔料7からはがれにくくなるため、顔料の分散安定性をより高く保つことができるものと考えられる。
分散剤に対して貧溶媒である水溶性有機化合物は、上記で挙げた作用を示すものであれば特に限定するものではない。本発明においては、1,5−ペンタンジオールを用いた場合、本発明の効果が最も顕著に得られた。勿論、本発明はこれに限られるものではない。尚、本発明においては、分散剤に対する貧溶媒の判定は、水溶性有機化合物のうち界面活性剤以外の化合物を対象とするものとした。
(貧溶媒の選択方法)
ここで、分散剤に対して貧溶媒である水溶性有機化合物の選択方法について以下に説明する。本発明者らは、本発明の効果をもたらす貧溶媒の判定基準を、本発明の効果との関連の下で種々検討した結果、下記のような判定方法が有効であることを見いだした。
まず、判定対象の水溶性有機化合物50質量%、及び水45質量%を含有し、且つインクに用いる分散剤5質量%を含有する水溶液を調製する。そして、調製した水溶液を60℃で24時間保存したときの水溶液の濁り具合を、50質量%の上記水溶性有機化合物と水50質量%とを含有する水溶液の濁り具合とを目視で確認して比較する。
より具体的には、下記の方法で、ある分散剤に対して、使用される水溶性有機化合物が貧溶媒となっているか否かの判定を行った。まず、下記に挙げた、判定対象の水溶性有機化合物を含有する、ある分散剤の水溶液A、及び該水溶性有機化合物の水溶液B、の2種類の水溶液を調製する。
水溶液A:判定対象の水溶性有機化合物が50質量%、分散剤が5質量%、水が45質量%である組成の水溶液。
水溶液B:判定対象の水溶性有機化合物が50質量%、水が50質量%である組成の水溶液。
次に、前記水溶液Aを60℃で24時間保存した後、室温まで冷却した水溶液の濁り具合を目視で確認した。又、同様にして、前記水溶液Bの濁り具合を目視で確認した。その結果、水溶液Aの方が濁っている場合、前記水溶性有機化合物を貧溶媒であると判定した。
本発明で用いた貧溶媒である水溶性有機化合物の具体例は、ポリエチレングリコール(分子量1000)、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール等が挙げられる。本発明においては、水溶性有機化合物が貧溶媒であるか否かは、インクに用いる分散剤との関係により決定されるものである。従って、本発明は前記した貧溶媒の具体例に限られるものではない。
分散剤に対して貧溶媒である水溶性有機化合物の含有量は、インク流路内及び吐出口近傍の堆積物の発生を抑制する及び/又はインクの保存安定性を向上する効果が得られれば、特に限定されるものではない。本発明においては、貧溶媒のインク全質量を基準とした含有量(質量%)が、顔料のインク全質量を基準とした含有量(質量%)に対して、0.8倍以上4.0倍以下であることが好ましい。貧溶媒と顔料の含有量の比が0.8倍未満である場合、分散剤である樹脂を構成する親水性部とインクを構成する水性媒体との親和力が高くなる。この結果、凝集抑制物質が分散剤に配位することによって起こる、顔料からの分散剤の剥離を十分に抑制することができないことがある。又、貧溶媒と顔料の含有量の比が4.0倍を超える場合、インクの保存安定性が得られない場合がある。
本発明においては、更に、貧溶媒の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、3.0質量%以上10.0質量%以下であることが特に好ましい。含有量が3.0質量%未満である場合や10.0質量%を超える場合、上記した効果が十分に得られないことがある。
本発明者らが検討を行ったところ、インクが分散剤に対して貧溶媒である水溶性有機化合物を含有することによる効果は、インクが、下記一般式(2)〜(4)で表される凝集抑制物質を貧溶媒と組み合わせて含有する場合に顕著に得られることがわかった。これは、これらの物質が、凝集抑制物質の中でも特に界面活性剤のような性質が強い。このため、貧溶媒と一般式(2)〜(4)で表される凝集抑制物質を組み合わせて含有するインクは、貧溶媒を含有しないインクと比較して、顔料に対する凝集抑制物質の作用が大きくなり、効果的に凝集を抑制することができるためであると考えられる。
一般式(2)
Figure 2006225638
(一般式(2)中、Rは炭素数10〜22のアルキル基であり、[EO]はエチレンオキサイド鎖であり、nは5〜45の整数である。)
一般式(3)
Figure 2006225638
(一般式(3)中、Rは炭素数10〜22のアルキル基であり、[EO]はエチレンオキサイド鎖であり、mは5〜45の整数である。)
一般式(4)
Figure 2006225638
(一般式(4)中、Rは炭素数10〜22のアルキル基であり、[EO]はエチレンオキサイド鎖であり、[PO]はプロピレンオキサイド鎖であり、oは2〜10の整数であり、pは5〜40の整数である。)
本発明においては、上記一般式(2)〜(4)で表される化合物において、アルキル基の炭素数が10〜22の範囲であり、且つ、エチレンオキサイド鎖又はプロピレンオキサイド鎖の鎖長が5以上45以下のものを用いることができる。特には、具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等を用いることができる。具体的には、例えば、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。勿論、本発明はこれらに限られるものではない。
一般式(2)〜(4)で表される化合物の含有量は、上記した効果が得られれば、特に限定されるものではない。本発明においては、一般式(2)〜(4)で表される化合物のインク全質量を基準とした含有量(質量%)が、貧溶媒のインク全質量を基準とした含有量(質量%)に対して、0倍より大きく3.5倍以下、更には、2.0倍以上3.5倍以下であることが好ましい。これは、上記した範囲とすることで、顔料に対する凝集抑制物質の作用が大きくなり、効果的に凝集を抑制することができるためである。
(モノアゾ顔料)
次に、本発明のインクを構成するモノアゾ顔料及び分散剤について説明する。
本発明にかかるインクは、下記一般式(1)で表される顔料を含有することが必須である。かかる一般式(1)で表される顔料は、その構造からも明らかであるように、モノアゾ顔料である。
一般式(1)
Figure 2006225638
(一般式(1)中、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホン酸基又はそのアルカリ土類金属塩、N−フェニルアミノスルホニル基、カルボキシル基又はそのアルカリ土類金属塩、カルボアミド基、N−フェニルカルバモイル基、ウレイレン基、イミノジカルボニル基又はカルボン酸エステル基である。)
本発明で用いることができる、一般式(1)で表される顔料は、具体的には、以下のものが挙げられる。勿論、本発明はこれらに限られるものではない。
C.I.ピグメントイエロー:1、2、3、5、6、49、65、73、74、75、97、98、111、116、130、61、62:1、133、168、169等
C.I.ピグメントオレンジ:1等。
中でも、凝集抑制物質の効果が最も顕著に表れるため、C.I.ピグメントイエロー74を用いることが特に好ましい。
顔料の含有量(質量%)、インク全質量を基準として、0.1質量%〜15.0質量%、更には1.0質量%〜10.0質量%とすることが好ましい。これは、含有量を前記した範囲とすることで、インク中における、顔料分散体の分散状態を十分に維持することができるためである。
(天然樹脂及び/又は天然樹脂誘導体)
本発明にかかるインクにおいては、上記したモノアゾ顔料が、天然樹脂及び/又は天然樹脂誘導体によって表面処理されているものを用いることが好ましい。これは、天然樹脂及び/又は天然樹脂誘導体で顔料を表面処理することで、顔料表面の疎水性を高めて、顔料と分散剤との吸着性を高めることが可能となる。その結果、インクが、上記した界面活性剤のような性質を有する凝集抑制物質を含有する場合でも、インク中において顔料から分散剤を剥離してしまう作用を抑制することが可能となる。更には、インク流路内及び吐出口近傍の堆積物の発生を抑制するだけでなく、インクの保存安定性をも向上させることが可能となる。
本発明で用いることができる天然樹脂及び/又は天然樹脂誘導体は、顔料合成時に添加されることにより顔料表面の疎水性を高めることができる物質であれば特に限定されるものではない。本発明においては、ロジン樹脂、テルペン樹脂、シェラック樹脂及びこれらの誘導体等を用いることができる。
ロジン樹脂は、マツ科植物から採取される樹脂酸が重合したものを用いることができる。前記樹脂酸は、アビエチン酸とその類縁体、例えば、ジヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、無水アビエチン酸等の成分からなる混合物が挙げられる。
テルペン樹脂は、松の木より得られるテレピン油と柑橘類の皮より得られるオレンジオイルを精製・重合して得られる熱可塑性オリゴマーを用いることができる。前記テレピン油は、α−ピネン、β−ピネン等を主成分とした混合物が挙げられる。又、オレンジオイルは、リモネン等を主成分とした混合物が挙げられる。
シェラック樹脂は、ラックカイガラ虫の分泌液から抽出された幾多の樹脂酸混合物の重合体を用いることができる。前記樹脂酸混合物は、アレウリチン酸、ジャラール酸、ラクシジャラール酸等がエステル結合してできた樹脂が挙げられる。
本発明においては、天然樹脂及び/又は天然樹脂誘導体の顔料への処理量は、インク全質量を基準として、顔料の含有量に対して3.0%〜20.0%であることが好ましく、5.0%〜15.0%であることがより好ましい。処理量が3.0%より少ないと、インク流路内及び吐出口近傍の堆積物の発生を効率的に抑制する効果や、インクの保存安定性をより向上する効果が得られない場合がある。又、処理量が20.0%より多いと、天然樹脂及び/又は天然樹脂誘導体がインクに溶け出し、記録ヘッドの吐出口面が濡れることにより、吐出安定性が得られない場合がある。
尚、天然樹脂及び/又は天然樹脂誘導体による顔料表面への処理方法は、例えば、顔料分散体の調製の際に、天然樹脂及び/又は天然樹脂を顔料分散体に添加して、十分に撹拌して顔料表面に天然樹脂及び/又は天然樹脂を付着させる等の方法がある。勿論、本発明はこれに限られるものではない。
(分散剤)
本発明にかかるインクは、モノアゾ顔料を水性媒体中に分散させるために、分散剤を含有することが必須である。かかる分散剤は、アニオン性基の作用によってモノアゾ顔料を水性媒体に安定に分散させることができる樹脂を用いることが好ましい。尚、本発明においては、分散剤を用いずに顔料を分散することができる自己分散型顔料を用いることもできる。この場合にも、より安定した分散性を得るために分散剤を併用することが好ましい。
本発明においては、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。
スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、
スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、
スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、
ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、
スチレン−無水マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体又はこれらの塩等
分散剤は、重量平均分子量が、1,000〜30,000、更には、3,000〜15,000であるものを用いることが好ましい。
分散剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、顔料の含有量に対して0.3倍以上2.0倍以下であることが好ましい。分散剤の含有量を顔料の含有量に対して0.3倍以上とすることで、顔料からの分散剤の剥離が起きた場合においても、分散剤が顔料に再び吸着するために十分な含有量と擦ることができる。又、分散剤の含有量が、顔料の含有量に対して2.0倍を超えると、顔料に吸着しなない分散剤が必要以上に存在することになる。その結果、ノズル先端部からの水分の蒸発に伴うインクの粘度の上昇や、記録ヘッドの吐出口等へ分散剤が付着することにより、吐出安定性が悪化する場合がある。
(その他の成分)
本発明にかかるインク中には、上記した成分の他に、これらを添加することによる効果が得られ、且つ、本発明の目的効果を損なわない範囲で、更に必要に応じて保湿剤を添加することができる。又、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤等を添加してもよい。更に、インクの物性値は、該インクをインクジェット記録装置に適用する際に、良好な吐出性等を得るために、所望の粘度やpHを有するように調整することが好ましい。
<インクセット>
本発明にかかるインクは、他のインクと組み合わせてインクセットとした場合においても好ましく用いることができる。本発明におけるインクセットは、上記で説明した本発明のインクを、前記インクと色相が異なる少なくとも1種のインクと共に用いる状態のことを言う。前記色相の異なるインクの色相は特に限定されるものではない。例えば、モノアゾ顔料としてC.I.ピグメントイエロー74を含有するイエローインクを用いる場合、前記色相の異なるインクは、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブルー及びブラックからなる群から選ばれる少なくとも1つのインクとすればよい。色相が異なるインクに用いることができる色材は、特に制限はなく、従来公知の染料、及び顔料等を用いることができる。
<インクカートリッジ>
本発明のインクを用いて記録を行うのに好適なインクカートリッジは、これらのインクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジが挙げられる。
<インクジェット記録装置>
本発明にかかるインクを用いて記録を行うのに好適な記録装置は、インク収容部を有する記録ヘッドのインク収容部内のインクに、記録信号に対応した熱エネルギーや力学的エネルギーを与え、前記エネルギーによりインク液滴を発生させる装置が挙げられる。本発明は特に、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(サーマルタイプのインクジェット記録装置)において、優れた効果をもたらすものである。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、下記の実施例によって限定されるものではない。尚、文中「部」、及び「%」とあるものは、特に断りのない限り質量基準である。
重量平均粒径は、レーザーゼータ電位計ELS8000(大塚電子製)を用いて測定した。
[顔料分散体の調製]
(顔料分散体1)
以下に示す材料をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを150部充填して、水冷しながら、12時間分散させた。得られた分散液を遠心分離処理することで粗大粒子を除去した。そして、最終調製物として、顔料固形分が12.5%、重量平均粒径が120nmである顔料分散体1を得た。
・顔料[C.I.ピグメントイエロー74(製品名:Hansa Brilliant Yellow 5GX−W;クラリアント製)]:10部
・アニオン系高分子P−1[スチレン/ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体(共重合比(重量比)=30/40/30)、酸価202、重量平均分子量6500、樹脂固形分10%水溶液、水酸化カリウムで中和]:30部
・純水:60部
(天然樹脂及び/又は天然樹脂誘導体によって表面処理した顔料の合成)
2−メトキシ−4−ニトロ−アニリン187.8部を、水1,300部と35%塩酸水溶液290部の混合水溶液に加えて攪拌した。得られた水溶液を0℃に冷却した後、亜硝酸ソーダ80部を加えてジアゾ化を行った。
2−メトキシアセトアセトアニライド241.8部を、水5,000部に加え、更に水酸化ナトリウム48部を加えて共に溶解した。次に、この水溶液に、酢酸196部と水196部との混合液を添加することによって結晶を析出させて、カップリング成分の懸濁液を得た。
透明になったジアゾ水溶液をよく撹拌しながら、15℃において、1時間30分〜2時間以内に上記のカップリング成分の酢酸酸性懸濁液に流下して添加した。
カップリング反応が終わった後、得られた水溶液にロジン45部を加えて、顔料に表面処理を施した。得られた顔料を、濾過した後、水洗して、乾燥、粉砕し、黄色アゾ顔料(ロジン処理を行ったC.I.ピグメントイエロー74)492部を得た。
(顔料分散体2)
以下に示す材料をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを150部充填して、水冷しながら、5時間分散させた。得られた分散液を遠心分離処理することで粗大粒子を除去した。そして、最終調製物として、顔料固形分が12.5%、重量平均粒径が125nmである顔料分散体2を得た。
・ロジン処理を行ったC.I.ピグメントイエロー74:10部
・アニオン系高分子P−1[スチレン/ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体(共重合比(重量比)=30/40/30)、酸価202、重量平均分子量6500、樹脂固形分10%水溶液、水酸化カリウムで中和]:30部
・純水:60部
[分散剤に対して貧溶媒である水溶性有機化合物の判別]
上記顔料分散体中の分散剤(アニオン系高分子P−1)に対して、貧溶媒として作用する水溶性有機化合物を判別するために、以下の実験を行った。まず、下記に挙げた、判定対象の水溶性有機化合物を含有する分散剤の水溶液A、及び判定対象の水溶性有機化合物の水溶液B、の2種類の水溶液を調製した。尚、分散剤に対する貧溶媒の判定は、水溶性有機化合物のうち界面活性剤以外の化合物を対象とした。
水溶液A:判定対象の水溶性有機化合物が50質量%、分散剤が5質量%、水が45質量%である組成の水溶液。
水溶液B:判定対象の水溶性有機化合物が50質量%、水が50質量%である組成の水溶液。
次に、水溶液Aを60℃で24時間保存した後、室温まで冷却した水溶液の濁り具合を目視で確認した。又、同様にして、前記水溶液Bの濁り具合を目視で確認した。その結果、水溶液Aの方が濁っている場合、前記水溶性有機化合物を貧溶媒であると判定した。
上記のようにして判別した、インクに使用し得る水溶性有機化合物について、分散剤(アニオン系高分子P−1)に対して貧溶媒であるか否かを判別した結果を表1に示す。尚、表中の、○は貧溶媒であることを示し、×は貧溶媒でないことを示す。
Figure 2006225638
[インクの調製]
下記表2に示した各成分を混合し、十分攪拌した後、ポアサイズ1.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過を行い、インク1〜16を調製した。尚、表2には、各インクにおける、顔料、分散剤、水、凝集抑制物質、水溶性有機化合物、貧溶媒の含有量、及び、顔料に対する凝集抑制物質の比率、凝集抑制物質に対する貧溶媒の比率、顔料に対する貧溶媒の比率、の値を併せて示した。
Figure 2006225638
[評価]
(1)吐出安定性
上記で得られた各インクを、インクジェット記録装置BJF900(キヤノン製)に搭載して、A4用紙300枚に、19cm×26cmのベタパターンを印字した。200枚目と300枚目の印字後にノズルチェックパターンを印字して、得られたノズルチェックパターンを目視で観察した。吐出安定性の評価基準は下記の通りである。評価結果を表3に示す。
A:チェックパターンに乱れがなく、正常に印字できる。
B:チェックパターンに若干の乱れはあるが、不吐出はない。
C:チェックパターンに不吐出や乱れがはっきりと確認され、正常に印字できない。
(2)堆積物
上記で得られた各インクを、インクジェット記録装置BJF900(キヤノン製)に搭載して、A4用紙300枚に、19cm×26cmのベタパターンを印字した。200枚目と300枚目の印字後に、記録ヘッドをインクジェット記録装置から取り外して、ノズル内を光学顕微鏡で観察した。堆積物の評価基準は下記の通りである。評価結果を表3に示す。
A:堆積物がほとんどない。
B:堆積物がノズル壁に少し存在する。
C:堆積物がノズル内に全体的に存在する。
(3)保存安定性
上記で得られた各インクを密閉容器に入れて、60℃の恒温槽で30日間保存した。その後、密閉容器を取り出して、インクを室温まで冷却した後、純水で2000倍(質量倍)に希釈した。得られた希釈液の吸光度を自記分光光度計U−3300(日立製)で測定した。60℃、30日の保存前後におけるインクの吸光度の変化率を下記式に従って求めた。保存安定性の評価基準は下記の通りである。評価結果を表3に示す。
Figure 2006225638
A:吸光度の変化率が2%未満である。
B:吸光度の変化率が2%以上3%未満である。
C:吸光度の変化率が3%以上である。
Figure 2006225638
尚、インク5の300枚目の印字後における堆積物の発生の程度は、インク1の300枚目の印字後における堆積物の発生の程度よりもやや多かった。
堆積物発生のメカニズムを示す模式図である。 凝集抑制物質の作用を示す模式図である。
符号の説明
1 ヒータ
2 インク流路
3 吐出口
4 凝集物
5 インク滴
6 気泡
7 顔料
8 分散剤
9 凝集抑制物質

Claims (17)

  1. 熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録方法に用いられるインクにおいて、
    前記インクが、下記一般式(1)で表される顔料、分散剤、水溶性有機化合物、及び前記顔料が分散破壊した後の凝集を抑制する凝集抑制物質を含有し、
    前記凝集抑制物質のインク全質量を基準とした含有量(質量%)が、前記顔料のインク全質量を基準とした含有量(質量%)に対して、0.4倍以上1.3倍未満であることを特徴とするインク。
    一般式(1)
    Figure 2006225638
    (一般式(1)中、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1から3のアルキル基、炭素数1から3のフルオロアルキル基、炭素数1から3のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホン酸基又はそのアルカリ土類金属塩、N−フェニルアミノスルホニル基、カルボキシル基又はそのアルカリ土類金属塩、カルボアミド基、N−フェニルカルバモイル基、ウレイレン基、イミノジカルボニル基又はカルボン酸エステル基である。)
  2. 前記一般式(1)で表される顔料が、C.I.ピグメントイエロー74である請求項1に記載のインク。
  3. 前記凝集抑制物質が、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、1,2−アルカンジオール、グリコールモノアルキルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載のインク。
  4. 前記凝集抑制物質が、1,2−ペンタンジオール及び/又は1,2−ヘキサンジオールである請求項1〜3の何れか1項に記載のインク。
  5. 前記水溶性有機化合物の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、5.0質量%以上16.5質量%以下である請求項1〜4の何れか1項に記載のインク。
  6. 前記水溶性有機化合物が、前記分散剤に対する貧溶媒となる水溶性有機化合物を少なくとも1種含む請求項1〜5何れか1項に記載のインク。
  7. 前記貧溶媒のインク全質量を基準とした含有量(質量%)が、前記一般式(1)で表される顔料のインク全質量を基準とした含有量(質量%)に対して、0.8倍以上である請求項6に記載のインク。
  8. 前記貧溶媒の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、3.0質量%以上である請求項6又は7に記載のインク。
  9. 前記貧溶媒が、1,5−ペンタンジオールである請求項6〜8何れか1項に記載のインク。
  10. 前記一般式(1)で表される顔料が、天然樹脂及び/又は天然樹脂誘導体によって表面処理されたものである請求項1〜9の何れか1項に記載のインク。
  11. 複数のインクを有するインクセットにおいて、
    請求項1〜10の何れか1項に記載のインクと、前記インクと色相が異なる少なくとも1種のインクとを含むことを特徴とするインクセット。
  12. インクをインクジェット記録方法で吐出する工程を有するインクジェット記録方法において、
    前記インクが、請求項1〜10の何れか1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  13. インクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記インクが、請求項1〜10の何れか1項に記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  14. インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置において、前記インクが、請求項1〜10の何れか1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
  15. 熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置に用いるインクカートリッジに供給されるインクにおいて、
    前記インクが、色材としてC.I.ピグメントイエロー74を含有し、
    更に、前記インクが、前記C.I.ピグメントイエロー74が分散破壊した後の凝集を抑制する凝集抑制物質を含有し、
    前記凝集抑制物質のインク全質量を基準とした含有量(質量%)が、前記C.I.ピグメントイエロー74のインク全質量を基準とした含有量(質量%)に対して、0.4倍以上1.3倍未満であることを特徴とするインク。
  16. 前記凝集抑制物質が、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、1,2−アルカンジオール、グリコールモノアルキルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項15に記載のインク。
  17. 前記凝集抑制物質が、1,2−ペンタンジオール及び/又は1,2−ヘキサンジオールである請求項15又は16に記載のインク。
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