JP2004255870A - インクセット、画像記録方法及び画像記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 顔料を分散状態で含んでいるインクジェット用インクと、該インクと共に記録に用いられる、該インクとの被記録媒体上での接触により該インク中の顔料を凝集させる反応液とを独立して有するインクセットにおいて、上記インクは、更にグラフトポリマーを含有し、該グラフトポリマーの主鎖を構成する全てのモノマー単位の50質量%以上が親水性官能基を有するモノマー単位であり、上記グラフトポリマーの側鎖を構成する全てのモノマー単位の50質量%以上が疎水性官能基を有するモノマー単位であることを特徴とするインクセット、それを用いた画像記録方法及び画像記録装置。
【選択図】 なし
Description
上記インクは、更にグラフトポリマーを含有し、該グラフトポリマーの主鎖を構成する全てのモノマー単位の50質量%以上が親水性官能基を有するモノマー単位であり、上記グラフトポリマーの側鎖を構成する全てのモノマー単位の50質量%以上が疎水性官能基を有するモノマー単位であることを特徴とするインクセットである。
本発明にかかるインクセットを構成するインクジェット用インク(以降、単に「インク」と称する)は、着色剤として顔料を含有し、更に、特定のグラフトポリマーを含有する。該グラフトポリマーは、顔料の分散剤として機能する。本発明において使用するグラフトポリマーは、該グラフトポリマーの主鎖を構成する全てのモノマー単位の50質量%以上が親水性官能基を有するモノマー単位であり、該グラフトポリマーの側鎖を構成する全てのモノマー単位の50質量%以上が疎水性官能基を有するモノマー単位である。特に、主鎖における親水性官能基をもつモノマー単位の割合が70質量%以上であり、側鎖における疎水性官能基をもつモノマー単位が70質量%以上であると、主鎖の親水性と側鎖の疎水性がより明確になるので好ましい。
(側鎖ポリマーA1の合成)
スチレン80部、ブチルアクリレート20部及びアゾビスイソブチロニトリルの混合液を75℃、N2気流下のプロピレングリコールモノメチルエーテルに滴下し、ラジカル重合を行った。未反応物を沈澱精製により取り除き、得られた精製物80部をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解した溶液に、グリシジルメタクリレート20部とアゾビスイソブチロニトリルの混合液を75℃、N2気流下にて滴下し、ラジカル重合を行った。未反応物を沈澱精製にて取り除き、末端にグリシジル基を有する側鎖ポリマーA1を得た。側鎖ポリマーA1の数平均分子量は1,000、重量平均分子量は2,300であった。
アクリル酸50部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート30部、アクリル酸エチル20部及びアゾビスイソブチロニトリルの混合液を75℃、N2気流下のプロピレングリコールモノメチルエーテルに滴下し、ラジカル重合を行った。未反応物を沈澱精製により取り除き、側鎖ポリマーA1に導入されたグリシジル基と反応可能な水酸基を持つ主鎖ポリマーB1を得た。この主鎖ポリマーB1の数平均分子量は4,000、重量平均分子量は5,600であった。
上記で得た主鎖ポリマーB1を60部、側鎖ポリマーA1を40部、テトラヒドロフラン中に溶解し、80℃で3時間反応を行った。未反応物を沈澱精製にて取り除き、グラフトポリマーC1を得た。このグラフトポリマーC1の数平均分子量は10,000、重量平均分子量は13,000であった。
・グラフトポリマーC1 3部
・エチレングリコール 5部
・イオン交換水 76部
・KOH 1部
・分散機:サンドグラインダー(五十嵐機械製)
・粉砕メディア:ジルコニアビーズ(1mm径)
・粉砕メディアの充填率:100%(体積)
・粉砕時間:3時間
更に、遠心分離処理(遠心効果2,100RCF、30分間)を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液PK1とした。
・顔料分散液PK1 30部
・グリセリン 5部
・ジエチレングリコール 5部
・イソプロピルアルコール 5部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)
1部
・イオン交換水 54部
上記成分を混合し、インクK1とした。
インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(Color Black S160 デグサ製)15部を、ピグメントブルー15:3に代えたこと以外はインクK1の調製と同様にして、顔料を含有したインクC1を調製した。
インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(Color Black S160 デグサ製)15部を、ピグメントレッド122に代えたこと以外はインクK1の調製と同様にして、顔料を含有したインクM1を調製した。
インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(Color Black S160 デグサ製)15部を、ピグメントイエロー109に代えたこと以外はインクK1の調製と同様にして、顔料を含有したインクY1を調製した。
・ジエチレングリコール 10.0部
・メチルアルコール 5.0部
・硝酸マグネシウム 3.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)
0.1部
・イオン交換水 81.9部
上記で調製した反応液S1と、インクK1、C1、M1、Y1を用いて、普通紙であるPB用紙(キヤノン製)に反応液S1を先に付与した後、液状の反応液S1と接するように、インクK1、C1、M1及びY1を付与して印字物1Aを作成した。ここで用いた記録ヘッドは、1,200dpiの記録密度を有し、駆動条件としては、駆動周波数15kHzとした。又、1ドットあたりの吐出体積は、夫々4plのヘッドを使用した。又、印字テストの際の環境条件は、25℃/55%RHに統一してある。
(側鎖ポリマーA2の合成)
テトラヒドロフランを撹拌しながら、ジイソプロピルアミン101部、13部のブチルリチウムを溶解したシクロヘキサン70部を加えた。この溶液に4−メチルスチレン24部を加え、20℃で5分間反応させた。続いて、該反応溶液にスチレンを104部加え、アニオン重合を行った。続いて未反応物を沈澱精製にて取り除き、側鎖ポリマーA2を作製した。この側鎖ポリマーA2は、末端にビニル基を持つスチレンマクロモノマーである。この側鎖ポリマーA2の数平均分子量は2,400、重量平均分子量は3,400であった。
アクリル酸を30部とアゾビスイソブチロニトリルの混合液を、上記で調製した側鎖ポリマーA2の70部をテトラヒドロフランに溶解した溶液に、75℃、N2気流下にて滴下し、ラジカル重合を行った。未反応物を沈澱精製により取り除き、アクリル酸と、側鎖ポリマーA2を構成している4−メチルスチレンから得られた主鎖と、該主鎖の4−メチルスチレンからスチレン鎖が連なった側鎖を有するグラフトポリマーC2を得た。このグラフトポリマーC2の数平均分子量は5,000、重量平均分子量は15,000であった。
顔料分散液PK1の調製の際に使用したグラフトポリマーC1を、グラフトポリマーC2の3部に代えたこと以外は顔料分散液PK1の調製と同様にして、顔料分散液PK2を調製した。
インクK1の調製の際に使用した顔料分散液PK1を、顔料分散液PK2の30部に代えたこと以外はインクK1の調製と同様にして、顔料を含有したインクK2を調製した。
インクK2の調製の際に使用したカーボンブラック(Color Black S160 デグサ製)15部を、ピグメントブルー15:3に代えたこと以外はインクK2の調製と同様にして、顔料を含有したインクC2を調製した。
インクK2の調製の際に使用したカーボンブラック(Color Black S160 デグサ製)15部を、ピグメントレッド122に代えたこと以外はインクK2の調製と同様にして、顔料を含有したインクM2を調製した。
インクK2の調製の際に使用したカーボンブラック(Color Black S160 デグサ製)15部を、ピグメントイエロー109に代えたこと以外はインクK2の調製と同様にして、顔料を含有したインクY2を調製した。
実施例1で用いた反応液S1と、上記で調製したインクK2、C2、M2、Y2とを用いて、実施例1と同様の方法で印字物1Bを作成した。得られた印字物1Bを目視で観察したところ、ブリーディングは生じておらず、色間の滲みはなかった。そして、印字してから約5秒経過後に別の紙のエッジ部で印字部を擦ったところ、印字画像が流れることはなかった。又、印字部の光学濃度を反射濃度計RD−19I(GretagMacbeth製)で測定したところ、インクK2、C2、M2、Y2の順に、1.6、1.6、1.5、1.5の反射濃度を得た。
(側鎖ポリマーA3の合成)
メチルメタクリレート50部、ブチルアクリレート50部及びアゾビスイソブチロニトリルの混合液を、75℃、N2気流下のプロピレングリコールモノメチルエーテルに滴下し、ラジカル重合を行った。未反応物を沈澱精製により取り除き、得られた精製物80部をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解した溶液に、グリシジルメタクリレート20部とアゾビスイソブチロニトリルの混合液を75℃、N2気流下にて滴下し、ラジカル重合を行った。未反応物を沈澱精製にて取り除き、末端にグリシジル基を有する側鎖ポリマーA3を得た。この側鎖ポリマーA3の数平均分子量は1,000、重量平均分子量は2,300であった。
先に調製した主鎖ポリマーB1を60部と、上記で調製した側鎖ポリマーA3を40部、テトラヒドロフラン中に溶解し、80℃で3時間反応を行った。未反応物を沈澱精製にて取り除き、グラフトポリマーC3を得た。このグラフトポリマーC3の数平均分子量は10,000、重量平均分子量は13,000であった。
顔料分散液PK1の調製の際に使用したグラフトポリマーC1を、グラフトポリマーC3の3部に代えたこと以外は顔料分散液PK1の調製と同様にして、顔料分散液PK3を調製した。
インクK1の調製の際に使用した顔料分散液PK1を、顔料分散液PK3の30部に代えたこと以外はインクK1の調製と同様にして、顔料を含有したインクK3を調製した。
インクK3の調製の際に使用したカーボンブラック(Color Black S160 デグサ製)15部を、ピグメントブルー15:3に代えたこと以外はインクK3の調製と同様にして、顔料を含有したインクC3を調製した。
インクK3の調製の際に使用したカーボンブラック(Color Black S160 デグサ製)15部を、ピグメントレッド122に代えたこと以外はインクK3の調製と同様にして、顔料を含有したインクM3を調製した。
インクK3の調製の際に使用したカーボンブラック(Color Black S160 デグサ製)15部を、ピグメントイエロー109に代えたこと以外はインクK3の調製と同様にして、顔料を含有したインクY3を調製した。
実施例1で用いたと同様の反応液S1と、上記で調製したインクK3、C3、M3、Y3を用いて、実施例1と同様の方法で印字物1Cを作成した。得られた印字物1Cを目視で観察したところ、ブリーディングは生じておらず、色間の滲みはなかった。そして、印字してから約5秒経過後に別の紙のエッジ部で印字部を擦ったところ、印字画像が流れることはなかった。又、印字部の光学濃度を反射濃度計RD−19I(GretagMacbeth製)で測定したところ、インクK3、C3、M3、Y3の順に、1.4、1.4、1.3、1.3の反射濃度を得た。
(主鎖ポリマーB2の合成)
ビニルホスホン酸50部、2−ヒドロキシメタクリレート30部、アクリル酸エチル20部及びアゾビスイソブチロニトリルの混合液を、75℃、N2気流下にて滴下し、ラジカル重合を行った。未反応物を沈澱精製により取り除き、側鎖ポリマーA1に導入されたグリシジル基と反応可能な水酸基を持つ主鎖ポリマーB2を得た。この主鎖ポリマーB2の数平均分子量は4,000、重量平均分子量は5,600であった。
上記で調製した主鎖ポリマーB2を60部、先に得た側鎖ポリマーA1を40部、テトラヒドロフラン中に溶解し、80℃で3時間反応を行った。未反応物を沈澱精製にて取り除きグラフトポリマーC4を得た。このグラフトポリマーC4の数平均分子量は8,000、重量平均分子量は15,000であった。
顔料分散液PK1の調製の際に使用したグラフトポリマーC1を、グラフトポリマーC4の3部に代えたこと以外は顔料分散液PK1の調製と同様にして、顔料分散液PK4を調製した。
インクK1の調製の際に使用した顔料分散液PK1を、顔料分散液PK4の30部に代えたこと以外はインクK1の調製と同様にして、顔料を含有したインクK4を調製した。
インクK4の調製の際に使用したカーボンブラック(Color Black S160 デグサ製)15部を、ピグメントブルー15:3に代えたこと以外はインクK4の調製と同様にして、顔料を含有したインクC4を調製した。
インクK4の調製の際に使用したカーボンブラック(Color Black S160 デグサ製)15部を、ピグメントレッド122に代えたこと以外はインクK4の調製と同様にして、顔料を含有したインクM4を調製した。
インクK4の調製の際に使用したカーボンブラック(Color Black S160 デグサ製)15部を、ピグメントイエロー109に代えたこと以外はインクK4の調製と同様にして、顔料を含有したインクY4を調製した。
実施例1で使用したと同様の反応液S1と、上記で調製したインクK4、C4、M4、Y4を用いて、実施例1と同様の方法で印字物1Dを作成した。得られた印字物1Dを目視で観察したところ、ブリーディングは生じておらず、色間の滲みはなかった。そして、印字してから約5秒経過後に別の紙のエッジ部で印字部を擦ったところ、印字画像が流れることはなかった。又、印字部の光学濃度を反射濃度計RD−19I(GretagMacbeth製)で測定したところ、インクK4、C4、M4、Y4の順に、1.3、1.25、1.3、1.2の反射濃度を得た。
反応液S1を用いないで、インクK1、C1、M1、Y1を普通紙であるPB用紙(キヤノン製)に付与して、印字物1Eを作成した。得られた印字物1Eを目視で観察したところ、ブリーディングが生じており、色間の滲みがあった。但し、印字してから約5秒経過後に別の紙のエッジ部で印字部を擦ったところ、印字画像が流れることはなかった。又、印字部の光学濃度を反射濃度計RD−19I(GretagMacbeth製)で測定したところ、インクK1、C1、M1、Y1の順に、0.88、0.83、0.72、0.68の反射濃度を得た。実施例1で作成した印字物と比べると、明らかに実施例1の方の発色性が高いことが分かった。
顔料分散剤として、下記のようにして調製したランダム重合タイプのポリマーを用いた。
アクリル酸30部、メタクリル酸メチル20部、スチレン50部及びアゾビスイソブチロニトリルの混合液を、75℃、N2気流下のテトラヒドロフランに滴下し、ラジカル重合を行った。未反応物を沈澱精製により取り除き、ランダム重合により合成されたランダムポリマーC5を得た。このランダムポリマーC5の数平均分子量は7,000、重量平均分子量は15,000であった。
顔料分散液PK1の調製の際に使用したグラフトポリマーC1を、上記で得たランダムポリマーC5の3部に代えたこと以外は顔料分散液PK1の調製と同様にして、顔料分散液PK5を調製した。
インクK1の調製の際に使用した顔料分散液PK1を、顔料分散液PK5の30部に代えたこと以外はインクK1の調製と同様にして、顔料を含有したインクK5を調製した。
インクK5の調製の際に使用したカーボンブラック(Color Black S160 デグサ製)15部を、ピグメントブルー15:3に代えたこと以外はインクK5の調製と同様にして、顔料を含有したインクC5を調製した。
インクK5の調製の際に使用したカーボンブラック(Color Black S160 デグサ製)15部を、ピグメントレッド122に代えたこと以外はインクK5の調製と同様にして、顔料を含有したインクM5を調製した。
インクK5の調製の際に使用したカーボンブラック(Color Black S160 デグサ製)15部を、ピグメントイエロー109に代えたこと以外はインクK5の調製と同様にして、顔料を含有したインクY5を調製した。
実施例1で使用したと同様の反応液S1と、上記で調製したインクK5、C5、M5、Y5を用いて、実施例1と同様の方法で印字物1Fを作成した。印字物1Fを目視で観察したところ、ブリーディングは生じておらず、色間の滲みはなかった。そして、印字してから約5秒経過後に別の紙のエッジ部で印字部を擦ったところ、印字画像が流れることはなかった。又、印字部の光学濃度を反射濃度計RD−19I(GretagMacbeth製)で測定したところ、インクK5、C5、M5、Y5の順に、1.2、1.1、1.1、1.0の反射濃度を得た。実施例1で得た印字物と比べると、比較例2で得た印字物よりも明らかに実施例1の方の発色性が高いことが分かった。
(側鎖ポリマーA4の合成)
ベンジルアクリレート100部及びアゾビスイソブチロニトリルの混合液を、75℃、N2気流下のプロピレングリコールモノメチルエーテルに滴下し、ラジカル重合を行った。未反応物を沈澱精製により取り除き、得られた精製物80部をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解した溶液に、グリシジルメタクリレート20部とアゾビスイソブチロニトリルの混合液を75℃、N2気流下にて滴下し、ラジカル重合を行った。未反応物を沈澱精製にて取り除き、末端にグリシジル基を有する側鎖ポリマーA4を得た。この側鎖ポリマーA4の数平均分子量は1,000、重量平均分子量は2,300であった。
メチルアクリレート70部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及びアゾビスイソブチロニトリルの混合液を75℃、N2気流下のプロピレングリコールモノメチルエーテルに滴下し、ラジカル重合を行った。未反応物を沈澱精製により取り除き、側鎖ポリマーA4に導入されたグリシジル基と反応可能な水酸基を持つ主鎖ポリマーB3を得た。この主鎖ポリマーB3の数平均分子量は5,000、重量平均分子量は6,600であった。
上記で調製した主鎖ポリマーB3を60部、上記で得た側鎖ポリマーA4を40部、テトラヒドロフラン(THF)中に溶解し、80℃で3時間反応を行った。未反応物を沈澱精製にて取り除き、減圧乾燥した後、0.1N水酸化ナトリウムTHF溶液中に溶解し、60℃で2時間撹拌しながら、主鎖ポリマーに導入したメチルアクリレートを加水分解してアクリル酸とした。そして、再度、得られた反応物をヘキサン1,000部中に展開して未反応物を沈澱精製により取り除き、減圧乾燥してグラフトポリマーC6を得た。このグラフトポリマーC6の数平均分子量は8,000、重量平均分子量は15,000であった。
顔料分散液PK1の調製の際に使用したグラフトポリマーC1を、グラフトポリマーC6の3部に代えたこと以外は顔料分散液PK1の調製と同様にして、顔料分散液PK6を調製した。
インクK1の調製の際に使用した顔料分散液PK1を、顔料分散液PK6の30部に代えたこと以外はインクK1の調製と同様にして、顔料を含有したインクK6を調製した。
インクK6の調製の際に使用したカーボンブラック(Color Black S160 デグサ製)15部を、ピグメントブルー15:3に代えたこと以外はインクK6の調製と同様にして、顔料を含有したインクC6を調製した。
インクK6の調製の際に使用したカーボンブラック(Color Black S160 デグサ製)15部を、ピグメントレッド122に代えたこと以外はインクK6の調製と同様にして、顔料を含有したインクM6を調製した。
インクK6の調製の際に使用したカーボンブラック(Color Black S160 デグサ製)15部を、ピグメントイエロー74に代えたこと以外はインクK6の調製と同様にして、顔料を含有したインクY6を調製した。
実施例1で使用したと同様の反応液S1と、上記で調製したインクK6、C6、M6、Y6を用いて、実施例1と同様の方法で印字物1Gを作成した。印字物1Gを目視で観察したところ、ブリーディングは生じておらず、色間の滲みはなかった。そして、印字してから約5秒経過後に別の紙のエッジ部で印字部を擦ったところ、印字画像が流れることはなかった。又、印字部の光学濃度を反射濃度計RD−19I(GretagMacbeth製)で測定したところ、インクK6、C6、M6、Y6の順に、1.3、1.35、1.3、1.3の反射濃度を得た。
顔料分散剤として、下記のようにして調製した、主鎖が主として疎水性官能基を有するモノマー単位で構成されており、側鎖が主として親水性官能基を有するモノマー単位で構成されているグラフトポリマーを用いた。
3−メルカプトプロピオン酸2.0部、メチルアクリレート80部及びアゾビスイソブチロニトリルの混合液を、75℃、N2気流下のプロピレングリコールモノメチルエーテル300部に3時間かけて滴下した。次いでその溶液にグリシジルメタクリレート10部、ヒドロキノン0.01部、N,N−ジメチルドデシルアミン0.05部を加えて90℃で5時間反応させた。得られた反応物をヘキサン1000部中に展開して未反応物を沈澱精製により取り除き、側鎖ポリマーA5を得た。この側鎖ポリマーA5の数平均分子量は1,800、重量平均分子量は2,500であった。
側鎖ポリマーA5の30部をプロピレングリコールモノメチルエーテル300部に溶解した溶液に、ベンジルメタクリレート70部とアゾビスイソブチロニトリルの混合液を75℃、N2気流下にて滴下し、2時間反応させた。得られた反応物をヘキサン1,000部中に展開して未反応物を沈澱精製により取り除き、減圧乾燥した後、0.1N水酸化ナトリウムTHF溶液中に溶解し、60℃で2時間撹拌しながら、側鎖ポリマーに導入したメチルアクリレートを加水分解してアクリル酸とした。そして、再度、得られた反応物をヘキサン1,000部中に展開して未反応物を沈澱精製により取り除き、減圧乾燥してグラフトポリマーC7を得た。このグラフトポリマーC7の数平均分子量は10,000、重量平均分子量は15,000であった。
顔料分散液PK1の調製の際に使用したグラフトポリマーC1を、上記で得たグラフトポリマーC7の3部に代えたこと以外は顔料分散液PK1の調製と同様にして、顔料分散液PK7を調製した。
インクK1の調製の際に使用した顔料分散液PK1を、顔料分散液PK7の30部に代えたこと以外はインクK1の調製と同様にして、顔料を含有したインクK7を調製した。
インクK7の調製の際に使用したカーボンブラック(Color Black S160 デグサ製)15部を、ピグメントブルー15:3に代えたこと以外はインクK7の調製と同様にして、顔料を含有したインクC7を調製した。
インクK7の調製の際に使用したカーボンブラック(Color Black S160 デグサ製)15部を、ピグメントレッド122に代えたこと以外はインクK7の調製と同様にして、顔料を含有したインクM7を調製した。
インクK7の調製の際に使用したカーボンブラック(Color Black S160 デグサ製)15部を、ピグメントイエロー109に代えたこと以外はインクK7の調製と同様にして、顔料を含有したインクY7を調製した。
実施例1で使用したと同様の反応液S1と、上記で調製したインクK7、C7、M7、Y7を用いて、実施例1と同様の方法で印字物1Hを作成した。得られた印字物1Hを目視で観察したところ、ブリーディングは生じておらず、色間の滲みはなかった。そして、印字してから約5秒経過後に別の紙のエッジ部で印字部を擦ったところ、印字画像が流れることはなかった。又、印字部の光学濃度を反射濃度計RD−19I(GretagMacbeth製)で測定したところ、インクK7、C7、M7、Y7の順に、1.2、1.1、1.1、1.1の反射濃度を得た。実施例1で得た印字物と比べると、比較例3で得た印字物よりも明らかに実施例1の方の発色性が高いことが分かった。
832:吐出口
931:電気熱変換素子(ヒータ、インク吐出エネルギー発生素子)
933:インク供給口(開口部)
934:基板
935:オリフィスプレート(吐出口プレート)
935a:吐出口面
936:インク流路壁
940:吐出口部
1001:液体タンク
1006:移動駆動部
1008:ケーシング
1010:記録部
1010a:キャリッジ部材
1012:カートリッジ
1012Y、M、C、B、S:インクジェットカートリッジ
1014:ガイド軸
1016:ベルト
1018:モータ
1020:駆動部
1022a、1022b:ローラユニット
1024a、1024b:ローラユニット
1026:回復ユニット
1026a、1026b:プーリ
1028:用紙
1030:搬送装置
P:用紙の搬送方向
R:ベルトの回転方向
S:用紙の搬送方向と略直交する方向
Claims (17)
- 顔料を分散状態で含んでいるインクジェット用インクと、該インクと共に記録に用いられる、該インクとの被記録媒体上での接触により該インク中の顔料を凝集させる反応液とを独立して有するインクセットにおいて、
上記インクは、更にグラフトポリマーを含有し、該グラフトポリマーの主鎖を構成する全てのモノマー単位の50質量%以上が親水性官能基を有するモノマー単位であり、上記グラフトポリマーの側鎖を構成する全てのモノマー単位の50質量%以上が疎水性官能基を有するモノマー単位であることを特徴とするインクセット。 - 親水性官能基を有するモノマー単位が、グラフトポリマーの主鎖を構成する全てのモノマー単位の70質量%以上であり、疎水性官能基を有するモノマー単位がグラフトポリマーの側鎖を構成する全てのモノマー単位の70質量%以上である請求項1に記載のインクセット。
- 親水性官能基を有するモノマー単位が、グラフトポリマーを構成する全てのモノマー単位の10〜50質量%であり、疎水性官能基を有するモノマー単位が、グラフトポリマーを構成する全てのモノマー単位の40〜90質量%である請求項1に記載のインクセット。
- 親水性官能基がカルボキシル基である請求項1に記載のインクセット。
- 親水性官能基を有するモノマー単位が、アクリル酸から得られる請求項4に記載のインクセット。
- 疎水性官能基を有するモノマー単位が、芳香族ビニル化合物から得られる請求項1に記載のインクセット。
- 芳香族ビニル化合物が、ベンジル(メタ)アクリレートである請求項6に記載のインクセット。
- グラフトポリマーが、1,000〜30,000の重量平均分子量を有する請求項1に記載のインクセット。
- 顔料を分散状態で含んでいるインクジェット用インクを被記録媒体に付与する前に、該インクとの被記録媒体上での接触により該インク中の顔料を凝集させる反応液を被記録媒体に付与し、該反応液と該インクを被記録媒体上で接触させる画像記録方法において、
上記インクは、更にグラフトポリマーを含有し、該グラフトポリマーの主鎖を構成する全てのモノマー単位の50質量%以上が親水性官能基を有するモノマー単位であり、上記グラフトポリマーの側鎖を構成する全てのモノマー単位の50質量%以上が疎水性官能基を有するモノマー単位であることを特徴とする画像記録方法。 - 親水性官能基を有するモノマー単位が、グラフトポリマーの主鎖を構成する全てのモノマー単位の70質量%以上であり、疎水性官能基を有するモノマー単位が、グラフトポリマーの側鎖を構成する全てのモノマー単位の70質量%以上である請求項9に記載の画像記録方法。
- 親水性官能基を有するモノマー単位が、グラフトポリマーを構成する全てのモノマー単位の10〜50質量%であり、疎水性官能基を有するモノマー単位が、グラフトポリマーを構成する全てのモノマー単位の40〜90質量%である請求項9に記載の画像記録方法。
- 親水性官能基が、カルボキシル基である請求項9に記載の画像記録方法。
- 親水性官能基を有するモノマー単位が、アクリル酸から得られる請求項12に記載の画像記録方法。
- 疎水性官能基を有するモノマー単位が、芳香族ビニル化合物から得られる請求項9に記載の画像記録方法。
- 芳香族ビニル化合物が、ベンジル(メタ)アクリレートである請求項14に記載の画像記録方法。
- グラフトポリマーが、1,000〜30,000の重量平均分子量を有する請求項9に記載の画像記録方法。
- 顔料を分散状態で含んでいるインクジェット用インクを被記録媒体に付与する手段、該インクを被記録媒体に付与する前に、該インクとの被記録媒体上での接触により該インク中の顔料を凝集させる反応液を被記録媒体に付与し、該反応液と該インクを被記録媒体上で接触させる手段を有する画像記録装置において、
上記インクは、更にグラフトポリマーを含有し、該グラフトポリマーの主鎖を構成する全てのモノマー単位の50質量%以上が親水性官能基を有するモノマー単位であり、上記グラフトポリマーの側鎖を構成する全てのモノマー単位の50質量%以上が疎水性官能基を有するモノマー単位であることを特徴とする画像記録装置。
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