JP2004142291A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

【課題】色濃度の均一性に優れ、且つ発色性が高いカラー画像のインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】着色顔料を含有した第1の液体組成物を被記録媒体に付与する前に、第1の液体組成物と反応する反応剤を含有した表面張力が40mN/m以上である第2の液体組成物を被記録媒体に付与し、被記録媒体に付与された第2の液体組成物に接するように第1の液体組成物を付与して画像を形成する記録方法において、第2の液体組成物を被記録媒体に付与した際に第2の液体組成物のドット同士が接しないように付与することを特徴としたインクジェット記録方法である。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、とりわけ普通紙に対して高画質なカラー画像が得られるインクジェット画像の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方法は、記録液(インク)の小滴を飛翔させ、紙などの被記録材に付着させて記録を行うものである。特に、特公昭61−59911号公報、特公昭61−59912号公報、特公昭61−59914号公報において開示された、吐出エネルギー供給手段として電気熱変換体を用い、熱エネルギーをインクに与えて気泡を発生させることにより液滴を吐出させる方法によれば、記録ヘッドの高密度マルチオリフィス化が容易に実現でき、高解像度、高品質の画像を高速で記録できる。
【0003】
しかしながら、従来のインクジェット記録に用いられるインクは一般に水を主成分とし、これに乾燥防止、目詰まり防止などの目的でグリコールなどの水溶性高沸点溶剤を含有したものが一般的で、このようなインクを用いて普通紙に記録を行った場合、インクが記録紙の内部に浸透してしまい十分な画像濃度が得られなかったり、記録紙表面の填料、サイズ剤の不均一な分布によると思われる画像濃度の不均一が生じたりした。また、特にカラー画像を得ようとした場合には、複数の色のインクが、定着する以前に次々と重ねられることから、異色の画像の境界の部分では、色が滲んだり、不均一に混じり合って(以下ブリーディングという)満足すべき画像が得られなかった。
【0004】
ブリーディングを改善する手段の一つとして、特開昭55−65269号公報に示すインク中に界面活性剤等の浸透性を高める化合物を添加するインクを用いることが開示されている。しかし、前者の方法では、インクの記録紙への浸透性が向上し、ブリーディングはある程度抑えられるものの、インクの着色剤が記録紙の奥深くまで浸透してしまうため、画像濃度が低下したり、画像の鮮明性が低下したり、被記録媒体の裏面に画像が裏抜けて見えるなど不都合があった。また、記録紙表面に対する濡れ性が向上するためインクが広がり易く、解像性の低下をきたしたり、滲みが発生したり好ましくないものであった。
【0005】
さらに、記録インクの噴射に先立って記録紙上に画像を良好にせしめる液体を付着させる方法が開示されている。例えば、特開昭63−29971号公報には、1分子当り2個以上のカチオン性基を有する有機化合物を含有する液体を付着させた後、アニオン染料を含有したインクを記録する方法が、又、特開昭64−9279号公報には、コハク酸等含有した酸性液体を付着させた後、インクを記録する方法が、更に特開昭64−63185号公報には、染料を不溶化する液体を記録前に付着させる方法が開示されている。しかし、前記何れの場合においてもブリーディングはある程度抑えられるものの、記録紙上で不溶化した色材がゲル状物質を生成し、記録紙中への浸透速度が極めて遅くなるため、定着に非常に時間がかかるという問題があった。
【0006】
また記録方法としては、特開平09−240137号公報では、多価金属塩を含んでなる第一液を記録媒体に付着させ、その後記録媒体にインク組成物を印字するインクジェット記録方法において、記録媒体中の第一液の付着部分が、インク組成物による印字部分より少なくなるよう記録することを特徴としたインクジェット記録方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら特開平09−240137号公報は、多価金属塩を含んでなる第一液の表面張力が高い場合、第一液は被記録媒体上で複数のドットが隣接して形成されると、インク滴の表面張力により第一液のインク滴同士が引き寄せ合い、不均一なドット集合体が発生し、特にベタ画像やライン画像のようにインク滴の密集により像を形成する印刷物の画質品質が低下するという問題が発生した。
【0008】
図12はこのことをよく表したものである。図12は、インクジェットにより第一液のインク滴が被記録媒体に付与された直後を表している。ここでは一ラインによる例を示しているが、ベタ画像についての概念は同様であるので省略する。図12(a)は、図に向かって右側に印字した場合の第一液のインク滴がドットになって整列している様子を示している。図12(a)はインク滴が被記録媒体に付与された直後であるが、付与された直後からのインク滴は、インクの表面張力によりインク滴同士が互いに引き寄せ合い、不均一なドット集合体が発生する。この様子を表したのが図12(b)である。図12(b)のような状態で、着色材料を含有したインク組成物を付与した場合、反応剤を含有した第一液が無色透明であっても、図12(b)で形成された不均一なドット集合体によるばらつきがそのままインク組成物による画像に影響を及ぼし、印字物の画質の品位低下につながることになる。
【0009】
本発明は上述したような第一液による不均一なドット集合体の発生による画質品質を低下させることなく、ライン画像やベタ画像においても色濃度の均一性に優れ、且つ発色性が高いカラー画像の記録方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため本発明の記録方法は、着色顔料を含有した第1の液体組成物を被記録媒体に付与する前に、第1の液体組成物と反応する反応剤を含有した表面張力が40mN/m以上である第2の液体組成物を被記録媒体に付与し、被記録媒体に付与された第2の液体組成物に接するように第1の液体組成物を付与して画像を形成する記録方法において、第2の液体組成物を被記録媒体に付与した際に第2の液体組成物のドット同士が接しないように付与することを特徴としている。
【0011】
これにより、第2の液体組成物のドット同士が接しないように被記録媒体に付与されるため、第2の液体組成物同士による不均一なドット集合体が形成されることがないため、色濃度の均一性に優れたカラー画像を得ることができる。
【0012】
【発明の実施形態】
図13は本発明の特徴を最もよく表す図面である。
【0013】
図13は、図12と同様に図に向かって右側に印字した場合の第2の液体組成物のインク滴がドットになって整列している様子を示している。図13ではインク滴が被記録媒体に付与された直後であるが、付与された直後からのインク滴は、インク滴同士が互いに引き寄せ合うことがないため、この状態を維持することができ、不均一なドット集合体を発生することはない。またベタ印字の場合は図14のようにすることで不均一なドット集合体を回避することができる。図13や図14に示すように、第2の液体組成物を被記録媒体に付与した際に第2の液体組成物のドット同士が接しないように付与することで、不均一なドット集合体を形成しないため、色濃度の均一性なカラー画像を形成することが可能となる。
次に本発明の実施形態を詳細に述べていく。
【0014】
(第1の液体組成物)
まず第1の液体組成物について説明する。
【0015】
本発明で使用される第1の液体組成物の色材として顔料には、顔料の量は、液体組成物の全重量に対して、重量比で1〜20重量%、好ましくは2〜12重量%の範囲で用いる。本発明において使用される顔料としては、具体的には、黒色の顔料としてはカーボンブラックが挙げられ、例えば、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックであって、一次粒子径が15〜40mμ(nm)、BET法による比表面積が50〜300m/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9等の特性を有するものが好ましく用いられる。この様な特性を有する市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、No.2200B(以上、三菱化成製)、RAVEN1255(以上、コロンビア製)、REGAL400R、REGAL330R、REGAL660R、MOGUL L(以上キャボット製)、Color Black FWl、COLOR Black FW18、Color Black S170、Color Black S150、Printex 35、Printex U(以上、デグッサ製)等があり、何れも好ましく使用することができる。
【0016】
又、イエローの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.PigmentYellow 3、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow83等が挙げられ、マゼンタの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Red 12、C.I.Pigment Red 48(Ca)、C.I.Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pigment Red 57(Ca)、C.I.Pigment Red 112、C.I.Pigment Red 122等が挙げられ、シアンの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.Pigment Blue 3、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Vat Blue 4、C.I.Vat Blue 6等が挙げられる。勿論、本発明は、これらに限られるものではない。又、以上の他、本発明の為に新たに製造された顔料も、勿論、使用することが可能である。
【0017】
又、顔料の分散剤としては、水溶性樹脂ならどの様なものでもよいが、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲のものが好ましく、更に好ましくは、3,000〜15,000の範囲のものを使用する。この様な分散剤として、具体的には、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体(このうち少なくとも1つは親水性の重合性単量体)からなるブロック共重合体、或いは、ランダム共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。或いは、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も好ましく使用することができる。これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂である。尚、これらの顔料分散剤として用いられる水溶性樹脂は、液体組成物の全重量に対して0.1〜5重量%の範囲で含有させるのが好ましい。
【0018】
特に、上記した様な顔料が含有されている液体組成物の場合には、液体組成物の全体が中性又はアルカリ性に調整されていることが好ましい。この様なものとすれば、顔料分散剤として使用される水溶性樹脂の溶解性を向上させ、長期保存性に一層優れた液体組成物とすることができるので好ましい。但し、この場合、インクジェット記録装置に使われている種々の部材の腐食の原因となる場合があるので、好ましくは、7〜10のpH範囲とするのが望ましい。この際に使用されるpH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。上記した様な顔料及び分散剤である水溶性樹脂は、水性液媒体中に分散又は溶解される。
【0019】
本発明で使用される顔料が含有された液体組成物において好適な水性液媒体は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒であり、水としては種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。
【0020】
水と混合して使用される水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。
【0021】
上記した様な水溶性有機溶剤の液体組成物中の含有量は、一般的には、液体組成物の全重量の3〜50重量%の範囲、より好ましくは3〜40重量%の範囲で使用する。又、使用される水の含有量としては、液体組成物の全重量の10〜90重量%、好ましくは30〜80重量%の範囲とする。
【0022】
又、本発明で使用できる顔料が含有された液体組成物としては、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つ液体組成物とする為に、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を適宜に添加することができる。
【0023】
上記した様な顔料が含有された液体組成物の作製方法としては、始めに、分散剤としての水溶性樹脂と、水とが少なくとも含有された水性媒体に顔料を添加し、混合撹拌した後、後述の分散手段を用いて分散を行い、必要に応じて遠心分離処理を行って所望の分散液を得る。次に、この分散液にサイズ剤、及び、上記で挙げた様な適宜に選択された添加剤成分を加え、撹拌して本発明で使用する液体組成物とする。
【0024】
尚、分散剤として前記した様なアルカリ可溶型樹脂を使用する場合には、樹脂を溶解させる為に塩基を添加することが必要であるが、この際の塩基類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミンメチルプロパノール、アンモニア等の有機アミン、或いは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基が好ましく使用される。
【0025】
又、顔料が含有されている液体組成物の作製方法においては、顔料を含む水性媒体を攪拌し、分散処理する前に、プレミキシングを30分間以上行うのが効果的である。即ち、この様なプレミキシング操作は、顔料表面の濡れ性を改善し、顔料表面への分散剤の吸着を促進することができる為、好ましい。
【0026】
上記した顔料の分散処理の際に使用される分散機は、一般に使用される分散機なら、如何なるものでもよいが、例えば、ボールミル、ロールミル及びサンドミル等が挙げられる。その中でも、高速型のサンドミルが好ましく使用される。この様なものとしては、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル及びコボルミル(何れも商品名)等が挙げられる。
【0027】
又、顔料が含有されている液体組成物をインクジェット記録方法では、耐目詰り性等の要請から、最適な粒度分布を有する顔料を用いるが、所望の粒度分布を有する顔料を得る方法としては、分散機の粉砕メディアのサイズを小さくすること、粉砕メディアの充填率を大きくすること、処理時間を長くすること、吐出速度を遅くすること、粉砕後フィルタや遠心分離機等で分級すること、及びこれらの手法の組合せ等の手法が挙げられる。
【0028】
本発明において、顔料を含有する液体組成物では、液体組成物中に上記で説明した各種成分の他に、アニオン性の界面活性剤或いはアニオン性の高分子物質等、アニオン性化合物を添加したものが好ましい。特に、分散剤としてアニオン性化合物が用いられていない場合には、この様なアニオン性物質を添加することが必須となる。この際の添加量としては、0.05〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%とする。又、両性界面活性剤をその等電点以下のpHに調整して含有させるのも好ましい態様である。この際に使用されるアニオン性界面活性剤の例としては、カルボン酸塩型、硫酸エステル型、スルホン酸塩型、燐酸エステル型等、一般に使用されているものを何れも好ましく使用することができる。又、アニオン性高分子の例としては、アルカリ可溶型の樹脂、具体的には、ポリアクリル酸ソーダ、或いは高分子の一部にアクリル酸を共重合したもの等を挙げることができるが、勿論、これらに限定されない。
【0029】
(第2の液体組成物)
次に第2の液体組成物について説明する。
【0030】
本発明の第2の液体組成物に含有される第1の液体組成物と反応する反応剤は、具体例としては多価金属塩が挙げられる。多価金属塩とは、二価以上の多価金属イオンとこれら多価金属イオンに結合する陰イオンとから構成される。多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+などの二価金属イオン、そしてFe3+、Al3+などの三価金属イオンがあげられる。また陰イオンとしては、Cl−、NO3−、SO4−などがあげられる。多価金属塩の液体組成物中の濃度は印字品質から適宜決定されるが、好ましくは0.1〜45重量%であり、より好ましくは3〜20重量%程度である。
【0031】
本発明の第2の液体組成物にできる水溶性有機溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の1価アルコール類の他、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホラン、ジメチルサルホキサイド等が挙げられる。本発明の第2の液体組成物中における上記水溶性有機溶剤の含有量については特に制限はないが、液体組成物全重量の5〜60重量%、更に好ましくは、5〜40重量%が好適な範囲である。
【0032】
又、本発明の液体組成物には、更にこの他、必要に応じて、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、各種界面活性剤、酸化防止剤及び蒸発促進剤等の添加剤を適宜配合してもかまわない。界面活性剤の選択は、液体組成物の記録媒体への浸透性を調整する上で特に重要である。
【0033】
本発明の液体組成物は、無色であることがより好ましいが、記録媒体上でインクと混合された際に、各色インクの色調を変えない範囲の淡色のものでもよい。更に、以上の様な本発明の液体組成物の各種物性の好適な範囲としては、25℃付近でのpHが、3〜12、好ましくは3〜8、より好ましくは3〜5であり、粘度が1〜30cps.の範囲となる様に調整されたものが好ましい。
【0034】
(インクジェット記録方法)
次にインクジェット記録方法について説明する。
【0035】
次に、上記した構成を有する本発明の液体組成物を適用することが好適な本発明の液体組成物カートリッジ、記録ユニット、インクジェット記録装置、及び、これらの装置に好適に用いられる液体吐出ヘッドの構成の具体例を説明する。図1は、本発明のインクジェット記録装置に好適な、吐出時に気泡を大気と連通する吐出方式のインクジェット記録ヘッドとしての液体吐出ヘッド、及び、このヘッドを用いる液体吐出装置としてのインクジェットプリンタの一例の要部を示す概略斜視図である。
【0036】
図1においては、インクジェットプリンタは、ケーシング1008内に長手方向に沿って設けられる被記録材としての用紙1028を、図中に示した矢印Pで示す方向に間欠的に搬送する搬送装置1030と、該搬送装置1030による用紙1028の搬送方向Pに略直交する矢印S方向に略平行に、ガイド軸1014に沿って往復運動せしめられる記録部1010と、記録部1010を往復運動させる駆動手段としての移動駆動部1006とを含んで構成されている。
移動駆動部1006は、所定の間隔をもって対向配置される回転軸に配されるプーリ1026a、及び、該プーリ1026bに巻きかけられるベルト1016、ローラユニット1022a、及び、該ローラユニット1022bに略平行に配置され記録部1010のキャリッジ部材1010aに連結されるベルト1016を順方向及び逆方向に駆動させるモータ1018、とを含んで構成されている。
モータ1018が作動状態とされてベルト1016が図1の矢印R方向に回転したとき、記録部1010のキャリッジ部材1010aは、図1の矢印S方向に所定の移動量だけ移動される。又、モータ1018が作動状態とされてベルト1016が図中に示した矢印R方向とは逆方向に回転したとき、記録部1010のキャリッジ部材1010aは、図1の矢印S方向とは反対の方向に所定の移動量だけ移動されることとなる。更に、移動駆動部1006の一端部には、キャリッジ部材1010aのホームポジションとなる位置に、記録部1010の吐出回復処理を行うための回復ユニット1026が、記録部1010のインク吐出口配列に対向して設けられている。
【0037】
記録部1010は、インクジェットカートリッジ(以下、単にカートリッジと記述する場合がある)1012Y、1012M、1012C及び1012Bが各色、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラック顔料を含有した第1の液体組成物として、1012Sが第2の液体組成物として、キャリッジ部材1010aに対して着脱自在に備えられる。
【0038】
図2は、上述のインクジェット記録装置に搭載可能なインクジェットカートリッジの一例を示す。本例におけるカートリッジ1012は、シリアルタイプのものであり、インクジェット記録ヘッド100と、インク等の液体を収容する液体タンク1001とで主要部が構成されている。
【0039】
インクジェット記録ヘッド100は、液体を吐出するための多数の吐出口832が形成されており、液体組成物等の液体は、液体タンク1001から図示しない液体供給通路を介して液体吐出ヘッド100の共通液室(図3参照)へと導かれるようになっている。図2に示したカートリッジ1012は、インクジェット記録ヘッド100と液体タンク1001とを一体的に形成し、必要に応じて液体タンク1001内に液体を補給できるようにしたものであるが、この液体吐出ヘッド100に対し、液体タンク1001を交換可能に連結した構造を採用するようにしてもよい。
【0040】
このような構成のインクジェットプリンタに搭載され得る上述の液体吐出ヘッドの具体例を、以下に更に詳しく説明する。図3は、本発明のインクジェット記録装置に好適な液体吐出ヘッドの要部を模式的に示した概略斜視図である。尚、これらの図において、電気熱変換素子を駆動するための電気的な配線等は省略している。
【0041】
本発明で使用する液体吐出ヘッドにおいては、例えば、図3に示されるような、ガラス、セラミックス、プラスチック或いは金属等からなる基板934が用いられる。このような基板の材質は、本発明の本質ではなく、流路構成部材の一部として機能し、インク吐出エネルギー発生素子、及び後述する液流路、吐出口を形成する材料層の支持体として、機能し得るものであれば特に限定されるものではない。そこで、本例では、Si基板(ウエハ)を用いた場合で説明する。このような基板934上にインク吐出口を形成するが、その方法としては、レーザー光による形成方法の他、例えば、後述するオリフィスプレート(吐出口プレート)935を感光性樹脂として、MPA(Mirror  ProjectionAliner)等の露光装置により、吐出口を形成する方法も挙げられる。
【0042】
図3において、934は、電気熱変換素子(以下、ヒータと記述する場合がある)931、及び、共通液室部としての長溝状の貫通口からなるインク供給口933を備える基板であり、該インク供給口933の長手方向の両側には、熱エネルギ発生手段であるヒータ931がそれぞれ1列ずつ千鳥状に、電気熱変換素子の間隔が、例えば、300dpiで配列されている。又、この基板934には、インク流路を形成するためのインク流路壁936が設けられている。このインク流路壁936には、更に吐出口832を備える吐出口プレート935が設けられている。
【0043】
ここで、図3においては、インク流路壁936と吐出口プレート935とは、別部材として示されているが、このインク流路壁936を、例えば、スピンコート等の手法によって基板934上に形成することにより、インク流路壁936と吐出口プレート935とを同一部材として同時に形成することも可能である。ここでは、更に、吐出口面(上面)935a側は撥水処理が施されている。
【0044】
例示した装置では、図1の矢印S方向に走査しながら記録を行うシリアルタイプのヘッドを用い、例えば、1,200dpiで記録を行う。駆動周波数は10kHzであり、一つの吐出口では、最短時間間隔100μs毎に吐出を行うことになる。
【0045】
次に、上述の構成のインクジェット記録ヘッドによる液体の吐出動作について図8〜図15を用いて説明する。図4〜図11は、図3に記載の液体吐出ヘッドの液体吐出動作を説明するための断面図であり、図3に示すX−X断面図である。この断面において吐出口部940のオリフィスプレート厚み方向の端部は、溝1141の頂部1141aとなっている。
【0046】
図4は、ヒータ上に膜状の気泡が生成した状態を示し、図5は、図4の約1μs後、図6は、図4の約2μs後、図7は、図4の約3μs後、図8は、図4の約4μs後、図9は、図4の約5μs後、図10は、図4の約6μs後、図11は、図4の約7μs後の状態をそれぞれ示している。尚、以下の説明において、「落下」又は「落とし込み」、「落ち込み」とは、いわゆる重力方向への落下という意味ではなく、ヘッドの取り付け方向によらず、電気熱変換素子の方向への移動をいう。
【0047】
先ず、図4に示すように、記録信号等に基づいたヒータ931への通電に伴ってヒータ931上の液流路1338内に気泡101が生成されると、該気泡は、2μs間に図5及び図6に示したように急激に体積膨張して成長する。気泡101の最大体積時における高さは吐出口面935aを上回るが、このとき、気泡の圧力は大気圧の数分の1から10数分の1にまで減少している。
【0048】
次に、気泡101の生成から約2μs後の時点で、気泡101は上述のように最大体積から体積減少に転じるが、これとほぼ同時にメニスカス102の形成も始まる。このメニスカス102も、図7に示したように、ヒータ931側への方向に後退、即ち、落下してゆく。
【0049】
ここで、図示した例の液体吐出ヘッドにおいては、吐出口部に複数の溝1141が分散した状態で設けられていることにより、メニスカス102が後退する際に、溝1141の部分では、メニスカス後退方向FMとは反対方向FCに毛管力が作用する。その結果、仮に何らかの原因により気泡101の状態に多少のバラツキが認められたとしても、メニスカスの後退時のメニスカス及び主液滴(以下、液体又はインクと記述する場合がある)Iaの形状が、吐出口中心に対して略対称形状となるように補正される。
【0050】
そして、図示した例の液体吐出ヘッドでは、このメニスカス102の落下速度が気泡101の収縮速度よりも速いために、図8に示したように、気泡の生成から約4μs後の時点で気泡101が吐出口832の下面近傍で大気に連通する。このとき、吐出口832の中心軸近傍の液体(インク)は、ヒータ931に向かって落ち込んでゆく。これは、大気に連通する前の気泡101の負圧によってヒータ931側に引き戻された液体(インク)Iaが、気泡101の大気連通後も慣性でヒータ931面方向の速度を保持しているからである。
【0051】
ヒータ931側に向かって落ち込んでいった液体(インク)は、図9に示すように気泡101の生成から約5μs後の時点でヒータ931の表面に到達し、図10に示すように、ヒータ931の表面を覆うように拡がってゆく。このようにヒータ931の表面を覆うように拡がった液体は、ヒータ931の表面に沿った水平方向のベクトルを有するが、ヒータ931の表面に交差する、例えば、垂直方向のベクトルは消滅し、ヒータ931の表面上に留まろうとし、それよりも上側の液体、即ち、吐出方向の速度ベクトルを保つ液体を下方向に引っ張ることになる。
【0052】
その後、ヒータ931の表面に拡がった液体と、上側の液体(主液滴)との間の液体部分Ibが細くなってゆき、気泡101の生成から約7μs後の時点で図11に示したようにヒータ931の表面の中央で液体部分Ibが切断され、吐出方向の速度ベクトルを保つ主液滴Iaと、ヒータ931の表面上に拡がった液体Icとに分離される。このように分離の位置は液流路1338内部、より好ましくは、吐出口832よりも電気熱変換素子931側が望ましい。
【0053】
主液滴Iaは吐出方向に偏りがなく、吐出ヨレすることなく、吐出口832の中央部分から吐出され、被記録材の被記録面の所定位置に着弾される。又、ヒータ931の表面上に拡がった液体Icは、従来であれば、主液滴の後続としてサテライト滴となって飛翔するものであるが、ヒータ931の表面上に留まり、吐出されない。
【0054】
このように、サテライト滴の吐出を抑制することができるため、サテライト滴の吐出により発生し易いスプラッシュを防止することができ、霧状に浮遊するミストによって被記録材の被記録面が汚れるのを確実に防止することが可能となる。尚、図8〜11において、Idは溝部に付着したインク(溝内のインク)を、又、Ieは液流路1338内に残存しているインクを表している。
【0055】
このように、図示した例の液体吐出ヘッドでは、気泡が最大体積に成長した後の体積減少段階で液体を吐出する際に、吐出口の中心に対して分散した複数の溝により、吐出時の主液滴の方向を安定化させることができる。その結果、吐出方向のヨレのない、着弾精度の高い液体吐出ヘッドを提供することができる。又、高い駆動周波数での発泡ばらつきに対しても吐出を安定して行うことができることによる、高速高精細印字を実現することができる。
【0056】
特に、図示した例の液体吐出ヘッドでは、気泡の体積減少段階で、この気泡を始めて大気と連通させることで液体を吐出することにより、気泡を大気に連通させて液滴を吐出する際に発生するミストを防止できるので、所謂、突然不吐出の要因となる、吐出口面に液滴が付着する状態を抑制することもできる。本発明に好適に使用できる、上記したような吐出時に気泡を大気と連通する吐出方式の記録ヘッドの他の実施態様としては、例えば、特許第2783647号公報に記載のように、いわゆるエッジシュータータイプが挙げられる。
【0057】
本発明の記録方法は、特にインクジェット記録方式の中でも、熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記録を行うインクジェット方式の記録ヘッドや記録装置において、優れた効果をもたらすものである。その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4,723,129号明細書及び同第4,740,796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。
この方式は、いわゆるオンデマンド型及びコンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的に、この駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長及び収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの液滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0058】
この際のパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4,463,359号明細書及び同第4,345,262号明細書に記載されているようなものが適している。尚、上記熱作用面の温度上昇率についての発明に関する米国特許第4,313,124号明細書に記載されている条件を採用すると、更に、優れた記録を行なうことができる。
【0059】
本発明のインクカートリッジ、記録ユニット、インクジェット記録装置を構成する記録ヘッドの構成としては、上記に挙げた各明細書に開示されているような吐出口、液路及び電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4,558,333号明細書及び米国特許第4,459,600号明細書を用いた構成のものを使用することも好ましい。
【0060】
加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても有効である。
【0061】
更に、記録装置が記録できる最大範囲の被記録材の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0062】
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、或いは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いることもできる。
【0063】
又、本発明のインクジェット記録装置に設けられる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加することは、本発明の効果を一層安定できるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或いは吸引手段、電気熱変換体或いはこれとは別の加熱素子、或いはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0064】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を用いてさらに具体的に説明する。尚、以下の記載において、部、%とあるものは特に断わらない限り重量基準である。
【0065】
まず下記に述べる様にして、夫々顔料とアニオン性化合物とを含むブラック、シアン、マゼンタ、およびイエローの各色インクである液体組成物K、C、M、およびYを得た。
【0066】
Figure 2004142291
上記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液に新たに試作されたカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部、イソプロピルアルコール1部を加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行った。
・分散機:サンドグラインダー(五十嵐機械製)
・粉砕メディア:ジルコニウムビーズ、1mm径
・粉砕メディアの充填率:50%(体積比)
・粉砕時間:3時間
更に、遠心分離処理(12,000rpm.、20分間)を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液とした。
<液体組成物Bの作製>
上記の分散液を使用し、下記の組成比を有する成分を混合し、顔料を含有するインクを作製して液体組成物Bとした。
・上記顔料分散液               30.0部
・グリセリン                 10.0部
・エチレングリコール              5.0部
・N−メチルピロリドン             5.0部
・エチルアルコール               2.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1.0部
・イオン交換水                47.0部
(液体組成物C)
液体組成物Bの調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部をピグメントブルー15に代えたこと以外は、液体組成物Bの調製と同様にして顔料を含有した液体組成物Cを調製した。
【0067】
(液体組成物M)
液体組成物Bの調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部をピグメントレッド7に代えたこと以外は、液体組成物Bの調製と同様にして顔料を含有した液体組成物Mを調製した。
【0068】
(液体組成物Y)
液体組成物Bの調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部をピグメントイエロー74に代えたこと以外は、液体組成物Bの調製と同様にして顔料を含有した液体組成物Yを調製した。
【0069】
(液体組成物S)
次に下記の成分を混合溶解した後、更にポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルター(商品名:フロロポアフィルター、住友電工製)にて加圧濾過し、pHが3.8に調整されている液体組成物Sを得た。
【0070】
このときの表面張力は45mN/mであった。
<液体組成物Sの組成>
・ジエチレングリコール             10.0部
・メチルアルコール                5.0部
・硝酸マグネシウム                3.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)  0.1部
・イオン交換水                 81.9部
(実施例1)
1ドットあたりの吐出体積が4plの特性と1200dpiのノズル密度を有した記録ヘッドと、被記録媒体は普通紙であるPB用紙(キヤノン製)を用いて、液体組成物Sのドット同士が接しないように縦600dpi・横600dpiのベタ画像を先に付与して、その後、液体組成物K、C、M、Yの縦1200dpi・横1200dpiからなるベタ画像を付与した印字物を作成した。又、印字テストの際の環境条件は、25℃/55%RHに統一してある。
【0071】
(比較例1)
実施例1と同様な条件において、液体組成物Sのドット同士が接するように縦1200dpi・横1200dpiのベタ画像を付与して印字物を作成した。
【0072】
実施例1と比較例1で作成した印字物を、目視観察と実体顕微鏡による拡大観察を行ったところ、比較例1の印字物のベタ画像は、色濃度が斑状で、色濃度の均一性に欠けた結果となったが、実施例1の印字物は、色濃度の均一なベタ画像を形成していた。
【0073】
(比較例2)
液体組成物Sを以下の表面張力が34mN/mとなる液体組成物Tに変えて、比較例1と同様に印字物を作成した。
<液体組成物Tの組成>
・ジエチレングリコール             10.0部
・メチルアルコール                5.0部
・硝酸マグネシウム                3.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)  1.0部
・イオン交換水                 81.0部
比較例2の印字物は、比較例1の印字物のようなベタ画像の不均一性はなかったが、ベタ画像部の色濃度が実施例1のものより低かった。また、比較例2の印字物は、普通紙の裏面にも着色剤が浸透していた。
【0074】
【発明の効果】
本願の請求項1および2に記載した発明によれば、反応剤を含有した第2の液体組成物による不均一なドット集合体の発生を抑制することができ、ライン画像やベタ画像において色濃度の均一性と発色性に優れたカラー画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットプリンタの一例を示す概略斜視図。
【図2】インクジェトカートリッジの一例を示す概略斜視図。
【図3】液体吐出ヘッドの一例を示す模式的概略斜視図。
【図4】図3中のX−X斜視断面形状に対応し、液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図。
【図5】図3中のX−X斜視断面形状に対応し、液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図。
【図6】図3中のX−X斜視断面形状に対応し、液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図。
【図7】図3中のX−X斜視断面形状に対応し、液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図。
【図8】図3中のX−X斜視断面形状に対応し、液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図。
【図9】図3中のX−X斜視断面形状に対応し、液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図。
【図10】図3中のX−X斜視断面形状に対応し、液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図。
【図11】図3中のX−X斜視断面形状に対応し、液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図。
【図12】従来の記録方法における第2の液体組成物の付与例。
【図13】本発明の記録方法における第2の液体組成物の付与例。
【図14】本発明の記録方法における第2の液体組成物の別の付与例。
【符号の説明】
832 吐出口
931 電気熱変換素子(ヒータ,インク吐出エネルギー発生素子)
933 インク供給口(開口部)
934 基板
935 オリフィスプレート(吐出口プレート)
935a 吐出口面
936 インク流路壁
940 吐出口部
1338 液流路
1141a 頂部
100 インクジェット記録ヘッド
101 気泡
1001 液体タンク
1006 移動駆動部
1008 ケーシング
1010 記録部
1010a キャリッジ部材
1012 カートリッジ
1012Y,M,C,B,S インクジェットカートリッジ
1014 ガイド軸
1016 ベルト
1018 モータ
1020 駆動部
1022a、1022b ローラユニット
1024a、1024b ローラユニット
1026 回復ユニット
1026a、1026b プーリ
1028 用紙
1030 搬送装置
F M メニスカス後退方向
F C メニスカス後退方向と反対方向
I インク
Ia 主液滴(液体,インク)
Ib,Ic 液体(インク)
Id 溝部に付着したインク(溝内のインク)
Ie 液流路内に残存しているインク
P 用紙の搬送方向
R ベルトの回転方向
S 用紙の搬送方向と略直交する方向

Claims (2)

  1. 着色顔料を含有した第1の液体組成物を被記録媒体に付与する前に、前記第1の液体組成物と反応する反応剤を含有した表面張力が40mN/m以上である第2の液体組成物を前記被記録媒体に付与し、前記被記録媒体に付与された前記第2の液体組成物に接するように前記第1の液体組成物を付与して画像を形成する記録方法において、前記第2の液体組成物を前記被記録媒体に付与した際に前記第2の液体組成物のドット同士が接しないように付与することを特徴としたインクジェット記録方法。
  2. 第2の液体組成物に含有される反応剤が多価金属塩からなることを特徴とした前記請求項1に記載のインクジェット記録方法。
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