JP5905500B2 - インクジェット用インクセット、及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット用インクセット、及び画像形成方法に関する。
インクジェット法による画像形成方法において、階調再現性に優れる方式の一つとして、スーパードロップ方式と呼ばれるものが知られている。スーパードロップ方式とは、液体吐出ヘッドから吐出される少なくとも二つの一次液滴を、飛翔中に合一させて一つの二次液滴として記録媒体に着弾させる方式である。この方式によれば、合一させる一次液滴の個数を制御することにより、記録媒体に着弾する二次液滴の大きさを変化させることができるので、豊かな階調を再現することが可能となる。このようなスーパードロップ方式に係る吐出ヘッドについての改良の提案も行われている(例えば、特許文献1参照)。
他方、インクジェット用インクセットとして、顔料、ガラス転移温度が70℃以上であり、かつ体積平均粒子径が70nm以下であるポリマー粒子、及び活性エネルギー線により重合する水溶性の重合性化合物を含むインク組成物と、インク組成物中の成分を凝集させる凝集剤(例えば、マロン酸などの酸性化合物)を含む処理液と、を含むインクセットが知られている(例えば、特許文献2参照)。このインクセットにおけるインク組成物に含まれるポリマー粒子として、酸価が25mgKOH/g以上70mgKOH/gの自己分散性ポリマーが好ましいことが記載されている。また、この自己分散性ポリマーに含まれるカルボキシル基のようなアニオン性の解離基の一部又は全部を、例えば水酸化ナトリウムなどのようなアルカリ金属水酸化物、又は例えばトリエタノールアミンなどのような有機アミンで部分的に中和したものは、溶媒として含まれる水の中で安定した分散状態を形成するので好ましいことも記載されている。
水と、有機酸化合物と、無機酸化合物と、を含有し、pH0.5〜pH2.0である処理液を用いた画像形成方法が知られており、インク凝集性に優れると共に、画像部の光沢ムラが抑制され、処理液の記録媒体への悪影響が抑制されるとされている(例えば、特許文献3参照)。
特開2012−250477号公報 特開2011−46872号公報 特開2012−196822号公報
インクジェット用インクセットにおいて、凝集剤として酸性化合物を含有する処理液と組み合わせられるインク組成物は、そのpHがアルカリ性を示すように調整される。このようなインク組成物を用いて、原紙と無機顔料を含むコート層を有する記録媒体(以下、「塗工紙」ともいう。)にインクジェット法により画像を形成した場合、画像の形成を連続的に多量に行ってその量が多量になるにつれて、吐出ヘッドのノズルに凝集物が蓄積され、ノズルからのインク組成物の吐出安定性が低下するようになる。このような吐出安定性の低下は、インク組成物中の成分を凝集させるために付与される処理液中の酸が、塗工紙中の成分と反応して炭酸ガスが発生することがあることから、炭酸ガスの蓄積との関連性が原因として考えられる。
上記の吐出安定性の低下は、インク組成物に、例えば、トリエタノールアミンなどのような有機アミンをpH緩衝剤として含有させておくることで改善されることが分かった。そして、有機アミンをpH緩衝剤として含有するインク組成物の場合、連続的に多量のインクジェット記録を行っても、インクジェット記録装置のインクの吐出ヘッドのノズルに、インク組成物の成分が凝集して吐出性が低下してしまうことが少ない。そのため、吐出安定性に優れることも分かった。特に、記録媒体として塗工紙を使用した場合においては、顕著な吐出安定性を奏することも分かった。
しかしながら、上記インクジェット用インクセットを用いて、スーパードロップ方式に係るインクジェット記録装置により画像形成を行った場合、インク組成物の飛翔性が低下して、記録された画像の画質が低下してしまうという新たな課題が見出された。この画質低下は、吐出ヘッドから吐出された少なくとも二つの一次液が、飛翔中に合一して一つの二次液滴(以下、「主液滴」ともいう。)が形成される際に、副次的にサテライト液滴が形成され、主液滴が着弾した位置から離れた位置にサテライト液滴が着弾することによるものであることが判明した。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、インク組成物の安定性及び吐出性に優れると共に、サテライト液滴の発生が抑制されたインクジェット用インクセット、及び画像形成方法を提供することを課題とする。
上記課題を達成する本発明は、以下の通りである。
<1> 水、色材、インク組成物の全質量に対して0.3質量%以上10.0質量%以下の、90℃以上のガラス転移温度を有するポリマー粒子、インク組成物の全質量に対して0.05質量%以上5質量%以下の有機アミン、並びにインク組成物の全質量に対して0.01質量%以上1質量%以下の、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩から選ばれた少なくとも一種の無機塩を含有するインク組成物と、インク組成物と接触したときに凝集体を生成する酸性化合物を含有する処理液と、を含むインクジェット用インクセット。
<2> 有機アミンが、アミノアルコールである<1>に記載のインクジェット用インクセット。
<3> 有機アミンが、トリエタノールアミンである<1>又は<2>に記載のインクジェット用インクセット。
<4> 有機アミンに対する無機塩の質量比が、1/3以上1/10以下である<1>〜<3>のいずれか一つに記載のインクジェット用インクセット。
<5> 無機塩が、塩酸塩及び硝酸塩から選ばれた少なくとも一種である<1>〜<4>のいずれか一つに記載のインクジェット用インクセット。
<6> 無機塩が、塩化リチウム、硝酸リチウム、塩化カリウム及び硝酸カリウムから選ばれた少なくとも一種である<1>〜<5>のいずれか一つに記載のインクジェット用インクセット。
<7> ポリマー粒子が、120℃以上のガラス転移温度を有する<1>〜<6>のいずれか一つに記載のインクジェット用インクセット。
<8> インク組成物のpHが、7.5以上13.0以下であり、処理液のpHが、0.1以上4.0以下である<1>〜<7>のいずれか一つに記載のインクジェット用インクセット。
<9> インク組成物のpHが7.5以上13.0以下であり、処理液のpHが、0.1以上0.5以下である<1>〜<8>のいずれか一つに記載のインクジェット用インクセット。
<10> インク組成物が、更に、重合性化合物を含有する<1>〜<9>のいずれか一つに記載のインクジェット用インクセット。
<11> インク組成物が、更に、重合開始剤を含有する<10>に記載のインクジェット用インクセット。
<12> 原紙と無機顔料を含むコート層とを有する記録媒体に画像を形成するために用いられる<1>〜<11>のいずれか一つに記載のインクジェット用インクセット。
<13> 原紙と無機顔料を含むコート層とを有する記録媒体上に、<1>〜<12>のいずれか一つに記載のインクジェット用インクセットのインク組成物をインクジェット法によって付与して画像を形成するインク付与工程と、原紙と無機顔料を含むコート層とを有する記録媒体上に、インクジェット用インクセットの処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程と、を含む画像形成方法。
<14> 記録媒体に、処理液付与工程で処理液を付与した後、インク付与工程で、インク組成物を付与する<13>に記載の画像形成方法。
本発明によれば、インク組成物の安定性及び吐出性に優れると共に、サテライト液滴の発生が抑制されたインクジェット用インクセット、及び画像形成方法が提供される。
画像形成の実施に用いるインクジェット記録装置の構成例を示す概略構成図である。
以下、本発明のインクジェット用インクセット及び画像形成方法について詳細に説明する。
本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
≪インクジェット用インク組成物≫
本発明に係るインク組成物は、水、色材、インク組成物の全質量に対して0.3質量%以上10.0質量%以下の、90℃以上のガラス転移温度を有するポリマー粒子、インク組成物の全質量に対して0.05質量%以上5質量%以下の有機アミン、並びにインク組成物の全質量に対して0.01質量%以上1質量%以下の、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩から選ばれた少なくとも一種の無機塩を含有する。
本発明に係るインクジェット用インクセットにより、インク組成物の安定性及び吐出性に優れると共に、サテライト液滴の発生が抑制される理由は、必ずしも明らかではないが、次のような理由によるものと推定される。
本発明に係るインク組成物には、有機アミンが含有されているため、炭酸ガスの発生に伴う吐出ヘッドの吐出口近傍への凝集物の蓄積が抑えられる。そのため、長期に亘って、及び/又は、多量の記録媒体に、画像を形成した場合においても、吐出口に凝集物が蓄積されることが少なく、優れた吐出安定性が長期に亘り確保される。
本発明に係るインク組成物には、90℃以上のガラス転移温度を有するポリマー粒子及び無機塩が含有されているため、インク組成物が吐出ヘッドの吐出口から一次液滴が吐出される際に、吐出口とインク組成物との液離れが良好であり、吐出された一次液滴の形状が真球に近いものとなり、二つ以上の液滴が合一する際に副次的なミストの発生が抑制される。更に、記録媒体に着弾した際には、直ちに凝集するので、着弾時に二次液滴が飛散することも抑制されるので、これら両者の効果が相俟って、サテライト液滴の形成が抑制される。
また、本発明に係るインク組成物は、長期間の保存後においても、初期の粘度が維持されていることが確認されており、保存安定性に優れる。
以下、90℃以上のガラス転移温度を有するポリマー粒子、有機アミン、及び無機塩について、順に説明し、その後に、水及び色材について説明する。
<90℃以上のガラス転移温度を有するポリマー粒子>
本発明のインク組成物は、ガラス転移温度が90℃以上であるポリマー粒子(以下、「特定ポリマー粒子」ともいう。)を少なくとも一種含有する。
特定ポリマー粒子は、後述するポリマー分散剤(顔料の少なくとも一部を被覆するポリマー分散剤)とは異なり、顔料とは別に存在している粒子であり、より詳細にはガラス転移温度が90℃以上であるポリマー(以下、「特定ポリマー」ともいう)からなる粒子である。
本発明のインク組成物では、含有されるポリマー粒子のガラス転移温度が90℃以上であることにより、サテライト液滴の発生が効果的に抑制される。更に、画像の耐擦性が向上し、画像ムラが抑制される。ポリマー粒子のガラス転移温度の上限は、250℃であることが好ましい。
ポリマー粒子のガラス転移温度は、好ましくは120℃以上230℃以下の範囲である。
例えば、インク組成物を後述する処理液とともに記録媒体上に付与して画像を形成する場合には、特定ポリマー粒子は、処理液又はこれを乾燥させた領域と接触した際に、インク組成物中において分散不安定化して凝集し、増粘することによりインク組成物を固定化する機能を有する。これにより、画像の耐擦性がより向上し、画像ムラがより抑制される。更に、インク組成物の記録媒体への密着性及び画像の耐傷性がより向上する。
特定ポリマー粒子のガラス転移温度(Tg)は、通常用いられる方法によって適宜制御することができる。例えば、特定ポリマー粒子を構成するモノマー(重合性化合物)の種類やその構成比率、特定ポリマー粒子を構成するポリマーの分子量等を適宜選択することで、特定ポリマー粒子のガラス転移温度(Tg)を所望の範囲に制御することができる。
本発明において、ポリマー粒子のガラス転移温度(Tg)は、実測によって得られる測定Tgを適用する。
具体的には、測定Tgとしては、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製の示差走査熱量計(DSC)EXSTAR6220を用いて通常の測定条件で測定された値を意味する。但し、ポリマーの分解等により測定が困難な場合には、下記の計算式で算出される計算Tgを適用する。計算Tgは下記の式(1)で計算されるものである。
1/Tg=Σ(X/Tg) ・・・(1)
ここで、計算対象となるポリマーはi=1からnまでのn種のモノマー成分が共重合しているとする。Xはi番目のモノマーの重量分率(ΣX=1)、Tgはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。但し、Σはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tg)は、Polymer Handbook (3rd Edition) (J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用する。
特定ポリマー粒子としては、転相乳化法により得られたポリマー粒子であることが好ましく、下記の自己分散性ポリマーの粒子(自己分散性ポリマー粒子)がより好ましい。
ここで、自己分散性ポリマーとは、界面活性剤の不存在下、転相乳化法により分散状態としたとき、ポリマー自身が有する官能基(特に酸性基又はその塩)によって、水性媒体中で分散状態となり得る水不溶性ポリマーをいう。
ここで、分散状態とは、水性媒体中に水不溶性ポリマーが液体状態で分散された乳化状態(エマルション)、及び、水性媒体中に水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態(サスペンジョン)の両方の状態を含むものである。
また、「水不溶性」とは、水100質量部(25℃)に対する溶解量が5.0質量部以下であることを指す。
転相乳化法としては、例えば、ポリマーを溶媒(例えば、水溶性溶剤等)中に溶解又は分散させた後、界面活性剤を添加せずにそのまま水中に投入し、ポリマーが有する塩生成基(例えば、酸性基)を中和した状態で、攪拌、混合し、溶媒を除去した後、乳化又は分散状態となった水性分散物を得る方法が挙げられる。
自己分散性ポリマー粒子としては、特開2010−64480号公報の段落0090〜0121や、特開2011−068085号公報の段落0130〜0167に記載されている自己分散性ポリマー粒子の中から、ガラス転移温度が90℃以上であるものを選択して用いることができる。
特定ポリマー粒子を構成するポリマー(特定ポリマー。以下同じ。)は、芳香族基を有する構造単位及び脂環族基を有する構造単位の少なくとも一方を有することが好ましい。ここで、脂環族基は、環状脂肪族基と同義である。
これにより、形成された画像の強度をより向上(例えば耐傷性や耐ブロッキング性)させることができる。
なお、本明細書中では、特定ポリマーに含まれる構造単位を、「構成成分」ということがある。
(芳香族基を有する構造単位)
芳香族基を有する構造単位としては、フェニル基を有する構造単位、ベンジル基を有する構造単位、フェノキシ基を有する構造単位、フェネチル基を有する構造単位等が挙げられるが、中でも、ベンジル基を有する構造単位、フェノキシ基を有する構造単位(好ましくはフェノキシエチル基を有する構造単位)が好ましい。
芳香族基を有する構造単位は、芳香族基を有するモノマー(以下、「芳香族基含有モノマー」ともいう)に由来する構造単位であることが好ましい。
芳香族基含有モノマーは、芳香族炭化水素に由来する芳香族基とエチレン性不飽和結合とを有するモノマーであることが好ましい。芳香族基含有モノマーは、一種単独でも、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族基含有モノマーとしては、例えば、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマー(例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、等)、スチレン系モノマー等が挙げられる。中でも、ポリマー鎖の親水性と疎水性のバランスとインク定着性の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及びフェニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも一種がより好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートが更に好ましい。
なお、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
(脂環族基を有する構造単位)
脂環族基を有する構造単位は、脂環族基を有するモノマー(以下、「脂環族基含有モノマー」ともいう)に由来する構造単位であることが好ましい。
脂環族基含有モノマーは、脂環族基とエチレン性不飽和結合とを有するモノマーであることが好ましく、脂環族基を有する(メタ)アクリレート(以下、「脂環式(メタ)アクリレート」ともいう)がより好ましい。
脂環式(メタ)アクリレートとは、(メタ)アクリル酸に由来する構造部位と、アルコールに由来する構造部位とを含み、アルコールに由来する構造部位に、無置換又は置換された脂環式炭化水素基を少なくとも1つ含む構造を有しているものである。尚、脂環式炭化水素基は、アルコールに由来する構造部位そのものであっても、連結基を介してアルコールに由来する構造部位に結合していてもよい。
脂環式炭化水素基としては、環状の非芳香族炭化水素基を含むものであれば特に限定はなく、単環式炭化水素基、2環式炭化水素基、3環式以上の多環式炭化水素基が挙げられる。脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基や、シクロアルケニル基、ビシクロヘキシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、アダマンチル基、デカヒドロナフタレニル基、ペルヒドロフルオレニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、及びビシクロ[4.3.0]ノナン等を挙げることができる。
脂環式炭化水素基は、更に置換基を有してもよい。置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、アルキル又はアリールカルボニル基、及びシアノ基等が挙げられる。また、脂環式炭化水素基は、さらに縮合環を形成していてもよい。本発明における脂環式炭化水素基としては、粘度や溶解性の観点から、脂環式炭化水素基部分の炭素原子数が5〜20であることが好ましい。
脂環式(メタ)アクリレートの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
単環式(メタ)アクリレートとしては、シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロノニル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル基の炭素原子数が3〜10のシクロアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2環式(メタ)アクリレートとしては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3環式(メタ)アクリレートとしては、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらは、それぞれ単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
これらのうち、自己分散性ポリマー粒子の分散安定性と、定着性、ブロッキング耐性の観点から、2環式(メタ)アクリレート、又は3環式以上の多環式(メタ)アクリレートを少なくとも一種であることが好ましく、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも一種であることがより好ましい。
本発明における特定ポリマー粒子を構成するポリマーにおいて、上述の芳香族基を有する構造単位及び上述の脂環族基を有する構造単位の総含有量としては、3質量%〜95質量%であることが好ましい。総含有量がこの範囲であると、自己乳化又は分散状態の安定性が向上し、更にインク粘度の上昇を抑制することができる。
また、ノズルからのインク組成物の除去性(メンテナンス性)や除去後の再吐出性も考慮すると、特定ポリマー粒子は、芳香族基を有する構造単位を有することがより好ましい。
特定ポリマー粒子の更に好ましい形態は、特定ポリマー粒子を構成するポリマーが芳香族基を有する構造単位を含み、芳香族基を有する構造単位の含有量が、ポリマー全量に対し、3質量%〜45質量%(より好ましくは3〜40質量%、特に好ましくは5〜30質量%)である形態である。
この形態であると、特定ポリマー粒子のガラス転移温度を90℃以上に調整することがより容易となる。
(親水性の構造単位)
特定ポリマー粒子を構成するポリマーは、インク組成物中での分散性(自己分散性ポリマー粒子である場合には自己分散性)の観点から、親水性の構成単位を含むことが好ましい。
親水性の構成単位は、親水性基を有するモノマー(以下、「親水性基含有モノマー」ともいう)に由来する構造単位であることが好ましい。
この場合、親水性の構成単位は、一種の親水性基含有モノマーに由来するものであっても、二種以上の親水性基含有モノマーに由来するものであってもよい。
親水性基としては、特に制限はなく、解離性基であってもノニオン性親水性基であってもよい。
親水性基は、自己分散促進の観点、形成された乳化又は分散状態の安定性の観点から、解離性基であることが好ましく、アニオン性の解離性基であることがより好ましい。解離性基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基などが挙げられ、中でも、インク組成物を構成した場合の定着性の観点から、カルボキシル基が好ましい。
親水性基含有モノマーは、自己分散性と凝集性の観点から、解離性基含有モノマーであることが好ましく、解離性基とエチレン性不飽和結合とを有する解離性基含有モノマーであることが好ましい。
解離性基含有モノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとして、具体的には、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。
不飽和スルホン酸モノマーとして、具体的には、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。
不飽和リン酸モノマーとして具体的には、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
解離性基含有モノマーの中では、分散安定性、吐出安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましい。
特定ポリマー粒子を構成するポリマー中における親水性の構造単位の含有量には特に制限はないが、分散安定性の観点から、含有量は、特定ポリマー粒子の全量に対し、2質量%〜30質量%が好ましく、5質量%〜20質量%がより好ましく、5質量%〜15質量%が特に好ましい。
(アルキル基を有する構造単位)
特定ポリマー粒子を構成するポリマーは、ポリマー骨格の柔軟性やガラス転移温度(Tg)制御の容易さの観点から、アルキル基を有する構造単位を含むことが好ましい。
アルキル基を有する構造単位におけるアルキル基の炭素原子数は、1〜4が好ましい。
アルキル基を有する構造単位は、アルキル基を有するモノマー(以下、「アルキル基含有モノマー」ともいう)に由来する構造単位であることが好ましい。
アルキル基含有モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、Nーヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−,イソ)ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−、イソ)ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
中でも、アルキル(メタ)アクリレートが好ましく、アルキル基の炭素原子数が1〜4であるアルキル(メタ)アクリレートがより好ましく、メチル(メタ)アクリレート又はエチル(メタ)アクリレートが更に好ましく、メチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
特定ポリマー粒子を構成するポリマー中におけるアルキル基を有する構造単位の含有量には特に制限はないが、分散安定性の観点から、含有量は、特定ポリマー粒子の全量に対し、5質量%〜90質量%が好ましく、30質量%〜90質量%がより好ましく、40質量%〜90質量%が更に好ましく、50質量%〜90質量%が特に好ましく、60質量%〜85質量%が最も好ましい。
特定ポリマー粒子を構成するポリマーは、必要に応じ、上述した構造単位以外の構造単位を含んでいてもよい。
特定ポリマー粒子を構成するポリマーの共重合比率の好ましい形態は、ガラス転移温度を90℃以上に調整し易く、かつ、分散安定性を良好に維持する観点からみて、以下の形態である。
即ち、上記観点からみた好ましい形態は、特定ポリマー粒子を構成するポリマーが、芳香族基(好ましくは、ベンジル基、フェノキシ基)を有する構造単位を共重合比率として3質量%〜45質量%(より好ましくは3質量%〜40質量%、特に好ましくは5質量%〜30質量%)と、親水性の構造単位を共重合比率として2質量%〜30質量(より好ましくは5質量%〜20質量%、特に好ましくは5質量%〜15質量%)と、アルキル基を有する構造単位を共重合比率として5質量%〜90質量%(より好ましくは30質量%〜90質量%、更に好ましくは50質量%〜90質量%、特に好ましくは60質量%〜85質量%)と、を含む形態である。
特定ポリマー粒子の更に好ましい形態は、ベンジル(メタ)アクリレートに由来する構造単位又はフェノキシエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位の少なくとも一方を共重合比率として3質量%〜45質量%(より好ましくは3質量%〜40質量%、特に好ましくは5質量%〜30質量%)と、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を共重合比率として2質量%〜30質量(より好ましくは5質量%〜20質量%、特に好ましくは5質量%〜15質量%)と、アルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を共重合比率として40質量%〜90質量%(より好ましくは50質量%〜90質量%、特に好ましくは60質量%〜85質量%)と、を含む形態である。
特定ポリマー粒子を構成するポリマーの分子量範囲は、重量平均分子量で3000〜20万であることが好ましく、5000〜15万であることがより好ましく、10000〜10万であることが更に好ましい。重量平均分子量を3000以上とすることで水溶性成分量を効果的に抑制することができる。また、重量平均分子量を20万以下とすることで、自己分散安定性を高めることができる。
なお、特定ポリマー粒子を構成するポリマーの重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)で測定される。GPCは、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgel、Super Multipore HZ−H(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる。また、条件としては、試料濃度を0.45質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて行なう。また、検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製する。
本発明における特定ポリマー粒子(特に自己分散性ポリマー粒子)の平均粒子径は、体積平均粒子径で10nm〜400nmの範囲が好ましく、10nm〜200nmの範囲がより好ましく、10nm〜100nmの範囲が更に好ましく、特に好ましくは10nm〜50nmの範囲である。体積平均粒子径が10nm以上であると製造適性が向上する。また、体積平均粒子径が400nm以下であると保存安定性が向上する。また、ポリマー粒子の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布を持つもの又は単分散の粒径分布を持つもののいずれでもよい。また、ポリマー粒子を二種以上混合して使用してもよい。
なお、特定ポリマー粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
上述した特定ポリマー粒子(好ましくは自己分散性ポリマー粒子)のインク組成物中における含有量(二種以上である場合には総含有量)、インク組成物の全量に対し、0.3質量%〜10.0質量%であり、0.5質量%〜7.0質量%がより好ましく、1.0質量%〜5.0質量%が特に好ましい。
上記含有量が0.3質量%以上であると、画像の耐擦性をより向上させ、かつ、画像ムラをより抑制できる。
上記含有量が10.0質量%以下であると、インクの吐出性をより向上させることができ、また、低温環境下での析出物の発生を抑制する点でも有利である。
<有機アミン>
本発明に係るインク組成物は、有機アミンを含有する。
有機アミンは、酸性化合物を含有する処理液が塗工紙のコート層と接触した際に炭酸ガスが発生したとしても、その炭酸ガスを吸収するので、吐出ヘッドの吐出口近傍にインクの凝集物が蓄積されることを防止する機能を有する。従って、インク組成物の初期の吐出性が長期に亘り安定に維持される。
本発明における有機アミンとしては特に限定はないが、炭酸ガス耐性を向上させる観点よりアミノアルコールが好ましい。
アミノアルコールの具体例としては、例えば、アミノエトキシエタノール、イソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン等が挙げられる。
アミノアルコールの有する水酸基の数は、炭酸ガス耐性を向上させる観点より多いほうが好ましい。この観点から、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンが好ましく、中でもトリメタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンがより好ましい。
有機アミンは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のインク組成物中における有機アミンの含有量(二種以上の場合には合計の含有量)、インク物性を破綻させない範囲で炭酸ガス耐性を向上させる観点から、インク組成物の総重量を基準として0.05質量%以上5質量%以下であり、0.05質量%以上3質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上1質量%以下が特に好ましい。
<無機塩>
本発明のインク組成物は、無機塩を含有する。
インク組成物が、90℃以上のガラス転移温度を有するポリマー粒子と共に無機塩を含有することで、インク組成物が吐出ヘッドの吐出口から一次液滴が吐出される際に、吐出口とインク組成物との液離れが良好となる。そのため、吐出された一次液滴の形状が真球に近いものとなり、二つ以上の液滴が合一する際に副次的なミストの発生が抑制され、その結果としてサテライト液滴の形成が抑制される。更に、記録媒体に着弾した際には、直ちに凝集するので、着弾時に二次液滴が飛散することも抑制される。
本発明における無機塩としては特に限定はないが、周期表の第1属のアルカリ金属(例えばカリウム、リチウム)、周期表の第2属のアルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネシウム)の塩を挙げることができる。塩としては、塩化物、塩酸塩及び硝酸塩が好適である。中でも、サテライト液滴の形成が抑制される効果に優れるという点から、アルカリ金属塩が好ましく、塩化リチウム、硝酸リチウム、塩化カリウム、及び硝酸カリウムが特に好ましい。
無機塩は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のインク組成物中における無機塩の含有量(二種以上の場合には合計の含有量)、インク組成物の総重量を基準として0.01質量%以上1質量%以下であり、0.03質量%以上0.5質量%以下がより好ましく、0.05質量%以上0.1質量%以下が特に好ましい。
更に、前述の有機アミンに対する無機塩の質量比、即ち、無機塩/有機アミンの比は徒吐出安定化という利点が得られるので、1/1以上1/50以下の範囲が好ましく、1/3以上1/10以下の範囲が更に好ましい。
本発明のインク組成物においては、炭酸ガスが一原因と思われる前述の凝集物発生を抑制する効果と、サテライト液滴の発生を抑制する効果の両者の効果が容易に得られるという点から、インク組成物における有機アミンの含有量が0.05質量%以上、ポリマー粒子の含有量が0.5質量%以上、及び無機塩の含有量が質量0.01質量%以上である場合が好ましい。更に、有機アミンの含有量が0.05質量%以上0.1質量%以下、ポリマー粒子の含有量が0.75質量%以上15質量%以下、及び無機塩の含有量が0.01質量%以上0.5質量%以下である場合がより好ましく、有機アミンの含有量が0.1質量%以上1質量%以下、ポリマー粒子の含有量が1質量%以上10質量%以下、及び無機塩の含有量が0.05質量%以上0.1質量%以下である場合が特に好ましい。
<水>
本発明のインク組成物は水を含有する。
インク組成物中の水の含有量には特に制限されないが、この含有量は、50質量%以上とすることができる。
一般に、水の含有量が50質量%以上であるインク組成物では、析出物が発生し易い傾向となる。
しかしながら、本発明のインク組成物は、前述のとおり、低温環境下であっても析出物の発生を抑制できる。
従って、本発明のインク組成物は、水を50質量%以上含有することができる。
インク組成物中の水の好ましい含有量は、インク組成物の総量に対して、50質量%以上80質量%以下が好ましく、より好ましくは50質量%以上75質量%以下であり、更に好ましくは50質量%以上70質量%以下である。
<色材>
本発明のインク組成物は、色材を少なくとも一種を含有する。
色材としては特に制限されず、顔料であっても染料であってもよい。
(顔料)
顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料、無機顔料のいずれであってもよい。顔料は、水に殆ど不溶であるか又は難溶である顔料であることが、インク着色性の点で好ましい。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。
有機顔料を用いる場合、有機顔料の平均粒子径は、透明性・色再現性の観点から小さい方がよいが、耐光性の観点からは大きい方が好ましい。これらを両立する観点から、平均粒子径は10nm〜200nmが好ましく、10nm〜150nmがより好ましく、10nm〜120nmがさらに好ましい。また、有機顔料の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布を持つもの又は単分散の粒径分布を持つもののいずれでもよい。また、単分散の粒径分布を持つ有機顔料を二種以上混合して使用してもよい。
−分散剤−
本発明に係るインク組成物は、顔料が分散剤によって分散されていることが好ましい。
顔料の分散剤としては、ポリマー分散剤、又は低分子の界面活性剤型分散剤のいずれでもよい。また、ポリマー分散剤は、水溶性の分散剤、又は非水溶性の分散剤のいずれでもよい。
低分子の界面活性剤型分散剤については、例えば、特開2011−178029号公報の段落0047〜0052に記載された公知の低分子の界面活性剤型分散剤を用いることができる。
ポリマー分散剤のうち、水溶性分散剤としては、親水性高分子化合物が挙げられる。例えば、天然の親水性高分子化合物では、アラビアガム、トラガントガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子等が挙げられる。
また、天然物を原料に修飾した親水性高分子化合物では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子等が挙げられる。
更に、合成系の親水性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。
これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンアクリル酸のホモポリマーや、他の親水基を有するモノマーとの共重合体などのように、カルボキシル基が導入された水溶性分散剤が親水性高分子化合物として好ましい。
ポリマー分散剤のうち、非水溶性分散剤としては、疎水性部と親水性部の両方を有するポリマーを用いることができる。例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
ポリマー分散剤の重量平均分子量は、3,000〜100,000が好ましく、より好ましくは5,000〜50,000であり、更に好ましくは5,000〜40,000であり、特に好ましくは10,000〜40,000である。
なお、ポリマー分散剤の重量平均分子量は、前述の特定ポリマー粒子を構成するポリマーの重量平均分子量と同様にして測定される。
ポリマー分散剤は、自己分散性、及び処理液が接触したときの凝集速度の観点から、カルボキシル基を有するポリマーを含むことが好ましく、カルボキシル基を有し、酸価が100mgKOH/g以下のポリマーであることが好ましく、酸価は25mgKOH/g〜100mgKOH/gのポリマーがより好ましい。特に、本発明のインク組成物を、インク組成物中の成分を凝集させる処理液と共に用いる場合には、カルボキシル基を有し、かつ酸価が25mgKOH/g〜100mgKOH/gのポリマー分散剤が有効である。処理液については、後述する。
顔料(p)と分散剤(s)との混合質量比(p:s)としては、1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、1:0.125〜1:2の範囲がより好ましく、更に好ましくは1:0.125〜1:1.5である。
画像の耐光性や品質などの観点から、顔料と共に分散剤と含むことが好ましく、有機顔料とポリマー分散剤(好ましくはカルボキシル基を含むポリマー分散剤)とを含むことがより好ましい。
更に、インク組成物は、顔料表面の少なくとも一部がポリマー分散剤で被覆されたポリマー被覆顔料を含有することが好ましい。更には、インク組成物は、顔料表面の少なくとも一部がカルボキシル基を有するポリマー分散剤で被覆されたポリマー被覆顔料を含むことが特に好ましい。更には、インク組成物は、凝集性の観点から、顔料表面の少なくとも一部がカルボキシル基を有するポリマー分散剤で被覆された、水不溶性のポリマー被覆顔料を含有することが特に好ましい。
分散状態での顔料の平均粒子径(例えばポリマー被覆顔料の平均粒子径)としては、10nm〜200nmが好ましく、10nm〜150nmがより好ましく、10nm〜100nmがさらに好ましい。平均粒子径が200nm以下であると、色再現性が良好になり、インクジェット法で打滴する際の打滴特性が良好になる。平均粒子径が10nm以上であると、耐光性が良好になる。また、色材の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布又は単分散性の粒径分布のいずれであってもよい。また、単分散性の粒径分布を持つ色材を二種以上混合して使用してもよい。ここで、分散状態での顔料の平均粒子径は、インク化した状態での平均粒子径を示すが、インク化する前段階のいわゆる濃縮インク分散物についても同様である。
なお、分散状態での顔料の平均粒子径は、前述の特定ポリマー粒子の平均粒子径及び粒径分布と同様にして求められるものである。
顔料は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。
顔料のインク組成物中における含有量としては、画像濃度の観点から、インク組成物に対して、1質量%〜20質量%が好ましく、2質量%〜10質量%がより好ましい。
(染料)
染料としては公知の染料を特に制限なく用いることができ、例えば、特開2001−115066号公報、特開2001−335714号公報、特開2002−249677号公報等に記載の染料を本発明においても好適に用いることができる。
また、染料を用いる場合には、染料を水不溶性の担体に保持したものを用いてもよい。染料を保持した担体(水不溶性着色粒子)は、分散剤を用いて水系分散物として用いることができる。担体としては、水に不溶又は水に難溶であれば特に制限なく、無機材料、有機材料及びこれらの複合材料を用いることができる。具体的には、特開2001−181549号公報、特開2007−169418号公報等に記載の担体を本発明においても好適に用いることができる。
<重合性化合物>
本発明に係るインク組成物には、重合性化合物を少なくとも一種含有させてもよい。
重合性化合物を含有するインク組成物の場合には、記録媒体上に付与された際、インク組成物に含まれる重合性化合物を重合させて、硬化させることができる。これにより、画像の耐擦性を向上させることができる。
重合性化合物は、水溶性の重合性化合物であることが好ましい。
ここで、「水溶性」とは、水に一定濃度以上溶解できることをいう。具体的には25℃の水に対する溶解度が5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また水溶性の重合性化合物は、水性のインク組成物中に(望ましくは均一に)溶解し得るものであることが好ましい。また後述する水溶性溶剤を添加することにより溶解度が上昇してインク組成物中に(望ましくは均一に)溶解するものであってもよい。
重合性化合物としては、特に限定はなく、単官能の重合性化合物であっても多官能の重合性化合物であってもよい。
多官能の重合性化合物は、活性エネルギー線照射により画像を硬化させる際の重合性、重合効率が高く、形成画像の耐擦性や耐傷性が高められる点で好ましい。
また、重合性化合物としては、(メタ)アクリルアミド化合物が好ましい。
なお、「(メタ)アクリルアミド化合物」とは、メタクリルアミド化合物及びアクリルアミド化合物の少なくとも一方を意味する。(メタ)アクリルアミド化合物は、分子内に(メタ)アクリルアミド構造を有し、活性エネルギー線が照射されることで重合する化合物である。
以上の点から、多官能の(メタ)アクリルアミド化合物が好適である。
多官能の(メタ)アクリルアミド化合物の中でも、高い重合能及び硬化能を備える点で、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリルアミド化合物(以下、単に「一般式(1)で表される化合物」ともいう)が特に好ましい。
この化合物は、分子内に重合性基として4つのアクリルアミド基又はメタクリルアミド基を有している。また、この化合物は、例えば、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外光線、電子線等の活性エネルギー線や熱等のエネルギーの付与による重合反応に基づく硬化性を示す。一般式(1)で表される化合物は、水溶性を示し、水やアルコール等の水溶性溶剤に良好に溶解する。
また、一般式(1)で表される化合物は、インクの吐出性(特に、連続吐出性)の観点からみても好ましい。
(一般式(1)で表される(メタ)アクリルアミド化合物)
本発明のインク組成物では、上述のとおり、重合性化合物の少なくとも一種が、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリルアミド化合物であることが好ましい。

一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、炭素原子数2〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。但し、Rにおいて、Rの両端に結合する酸素原子と窒素原子とがRの同一の炭素原子に結合した構造をとることはない。Rは2価の連結基を表す。kは2又は3を表す。x、y、zは各々独立に0〜6の整数を表し、x+y+zは0〜18を満たす。
一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。複数のRは互いに同じでも異なっていてもよい。Rは、水素原子であることが好ましい。
一般式(1)中、Rは、炭素原子数2〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。複数のRは互いに同じでも異なっていてもよい。Rは、炭素原子数3〜4のアルキレン基であることが好ましく、炭素原子数3のアルキレン基であることがより好ましく、炭素原子数3の直鎖のアルキレン基であることが特に好ましい。Rのアルキレン基はさらに置換基を有していてもよく、置換基としてはアリール基、アルコキシ基等が挙げられる。
但し、Rにおいて、Rの両端に結合する酸素原子と窒素原子とがRの同一の炭素原子に結合した構造をとることはない。Rは酸素原子と(メタ)アクリルアミド基の窒素原子とを連結する直鎖又は分岐のアルキレン基であり、アルキレン基が分岐構造をとる場合、両端の酸素原子と(メタ)アクリルアミド基の窒素原子とがアルキレン基中の同一の炭素原子に結合した、−O−C−N−構造(ヘミアミナール構造)をとることも考えられる。しかし、一般式(1)で表される化合物には、このような構造の化合物は含まれない。これにより、−O−C−N−構造の炭素原子に位置での分解が抑制され、インク組成物の保存安定性をより向上させることができる。
一般式(1)中、Rは2価の連結基を表す。Rの2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、複素環基、又はこれらの組み合わせからなる基等が挙げられ、アルキレン基であることが好ましい。なお、2価の連結基がアルキレン基を含む場合、アルキレン基中にはさらに−O−、−S−、及び−NR−から選ばれる少なくとも一種の基が含まれていてもよい。Rは、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。
がアルキレン基を含む場合、アルキレン基の例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基等が挙げられる。Rのアルキレン基の炭素原子数は1〜6であることが好ましく、1〜3であることがさらに好ましく、1であることが特に好ましい。
のアルキレン基中にはさらに−O−、−S−、及び−NR−から選ばれる少なくとも一種が含まれていてもよく、−O−が含まれるアルキレン基の例としては、−C−O−C−、−C−O−C−等が挙げられる。
のアルキレン基はさらに置換基を有していてもよく、置換基の例としてはアリール基、アルコキシ基等が挙げられる。
がアリーレン基を含む場合、アリーレン基の例としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる、Rのアリーレン基の炭素原子数は6〜14であることが好ましく、6〜10であることがさらに好ましく、6であることが特に好ましい。
のアリーレン基はさらに置換基を有していてもよく、置換基の例としてはアルキル基、アルコキシ基等が挙げられる。
が複素環基を含む場合、複素環基としては、5員又は6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族複素環であっても非芳香族複素環であってもよい。Rが複素環基を含む場合の複素環基として具体的には、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。なかでも、芳香族複素環基が好ましく、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが好ましい。なお、上記で示した複素環基は、置換位置を省略した形で例示しているが、置換位置は限定されるものではなく、例えばピリジンであれば、2位、3位、4位で置換することが可能で、これらの置換体を全て含みうるものである。上記複素環基は、さらに置換基を有してもよく、置換基の例としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基等が挙げられる。
一般式(1)中、kは2又は3を表す。複数のkは互いに同じでも異なっていてもよい。また、C2kは直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。
一般式(1)中、x、y、zは各々独立に0〜6の整数を表し、0〜5の整数であることが好ましく、0〜3の整数であることがより好ましい。x+y+zは0〜18を満たし、0〜15であることが好ましく、0〜9であることがより好ましい。
一般式(1)で表される化合物の具体例(重合性化合物a〜f)を下記に示すが、一般式(1)で表される化合物はこれらに限定されるものではない。

一般式(1)で表される化合物の合成方法には特に制限はないが、例えば、特開2013−18846号公報の段落0028〜0033及び段落0123〜0139に記載されている方法によって合成できる。
本発明に係るインク組成物が上述した一般式(1)で表される化合物を含有する場合、インク組成物は、一般式(1)で表される化合物を一種のみ含有していてもよいし、二種以上含有していてもよい。
インク組成物が上述した一般式(1)で表される化合物を含有する場合、一般式(1)で表される化合物の含有量は、インク組成物の総量に対して、0.1質量%〜45質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が特に好ましい。一般式(1)で表される化合物の含有量が上記範囲内であると、インク組成物の硬化性及び保存安定性がより向上する。
上記含有量は、硬化性の観点から、3質量%以上がより好ましく、5質量%が更に好ましく、7質量%以上が特に好ましい。
また、インク組成物に含有される全重合性化合物中に占める、一般式(1)で表される(メタ)アクリルアミド化合物の比率が、50質量%以上(より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上)であることが好ましい。
この形態では、硬化性及びインクの連続吐出性に顕著に優れる。
(一般式(2)で表される(メタ)アクリルアミド化合物)
本発明に係るインク組成物には、下記一般式(2)で表される単官能(メタ)アクリルアミド化合物(以下、「一般式(2)で表される化合物」ともいう)の少ないとも一種を含有させることができる。これにより、画像の柔軟性をより向上させることができる。
本発明に係るインク組成物には、例えば、上述した一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物とを併用してもよい。
一般式(2)中、R10は水素原子又はメチル基を表し、R11は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、R12は置換又は無置換のアルキル基を表す。R11とR12は互いに結合して5〜8員環を形成してもよく、5〜8員環はさらに−O−、−S−、及び−NR−から選ばれる少なくとも一種を含んでいてもよい。Rは、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。
一般式(2)中、R10は水素原子又はメチル基を表し、水素原子が好ましい。
11は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、水素原子、メチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
12は置換又は無置換のアルキル基を表す。R12のアルキル基としては、直鎖又は分岐の炭素原子数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基)が好ましく、炭素原子数2〜4のアルキル基がより好ましく、炭素原子数2又は3のアルキル基が特に好ましい。
一般式(2)で表される化合物の具体例として、下記例示化合物(C−1)〜(C−13)が挙げられるが、一般式(2)で表される化合物はこれらに限定されるものではない。
(C−1):ジアセトンアクリルアミド(日本化成社製)
(C−2):ヒドロキシエチルアクリルアミド(興人社製)
(C−3):ヒドロキシプロピルアクリルアミド(Fluka社製)
(C−4):N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロペンアミド(aldrich社製)
(C−5):N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド(aldrich社製)
(C−6):ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(興人社製)
(C−7):2−(アクリロイルオキシ)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムクロリド(興人社製)
(C−8):(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(興人社製)
(C−9):2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(東亜合成社製)
(C−10):N−[1,1−ジメチル−2−(ソジオオキシスルホニル)エチル]アクリルアミド(aldrich社製)
(C−11):N,N−ジメチルアクリルアミド(興人社製)
(C−12):N,N−ジエチルアクリルアミド(興人社製)
(C−13):4−アクリロイルモルホリン(興人社製)
インク組成物が上述した一般式(2)で表される化合物を含有する場合、インク組成物は、一般式(2)で表される化合物を一種のみ含有していてもよいし、二種以上含有していてもよい。
インク組成物が上述した一般式(2)で表される化合物を含有する場合、一般式(2)で表される化合物の含有量の好ましい範囲は、上述した一般式(1)で表される化合物の含有量の好ましい範囲と同様である。
本発明に係るインク組成物では、上述したとおり、一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物とを組み合わせて含有させてもよい。
但し、インクの連続吐出性をより向上させる観点から、質量比〔一般式(1)で表される化合物:一般式(2)で表される化合物〕は、100:0〜50:50が好ましく、100:0〜70:30がより好ましく、100:0〜80:20が更に好ましく、100:0〜90:10が特に好ましく、最も好ましくは100:0である。
上記質量比が100:0〜50:50であれば、一般式(1)で表される化合物の特性がより効果的に維持される。
重合性化合物としては、上述した一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物以外のその他の重合性化合物も挙げられる。
また、上述した一般式(1)で表される化合物(及び、必要に応じ一般式(2)で表される化合物)と、その他の重合性化合物と、を併用してもよいことはもちろんである。
その他の重合性化合物としては、例えば、特開2011−46872号方法の段落0149〜0169に記載されている、ノニオン性の重合性モノマーやカチオン性の重合性モノマーが挙げられる。
インク組成物中における重合性化合物の含有量(二種以上である場合には総含有量)は、インク組成物の総量に対して、0.1質量%〜45質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が特に好ましい。重合性化合物の含有量が上記範囲内であると、インク組成物の硬化性及び保存安定性がより向上する。
<重合開始剤>
本発明に係るインク組成物が重合性化合物を含有する場合には、更に、重合開始剤を含有させておくことが好ましい。
重合開始剤は、活性エネルギー線により重合性化合物の重合を開始させる機能を有するものである。
重合開始剤は、一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。また、重合開始剤は、増感剤と併用してもよい。
重合開始剤としては、活性エネルギー線により重合性化合物の重合反応を開始し得る化合物を適宜選択して含有することができる。重合開始剤の例として、放射線もしくは光、又は電子線により活性種(ラジカル、酸、塩基など)を発生する重合開始剤(例えば光重合開始剤等)が挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ジクロロベンゾフェン、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾインパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメートが挙げられる。更に、例えばトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等の、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物等が挙げられる。上記1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンは、市販品として入手することができ、例えば、イルガキュア2959(BASFジャパン社製)等を挙げることができる。また、上記2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オンの上市されている市販品としては、例えば、ダロキュア1173(BASFジャパン社製)等を挙げることができる。
本発明に係るインク組成物中における全重合開始剤の含有量(重合開始剤が二種以上である場合には総含有量)は、0.3質量%以上10.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以上7.0質量%以下がより好ましく、0.8質量%以上5.0質量%以下が特に好ましい。
本発明に係るインク組成物には、更に、水溶性有機溶剤、界面活性剤、水溶性高分子化合物、消泡剤、コロイダルシリカ、及びワックス粒子を含有させてもよい。以下、これらの成分について、説明する。
<水溶性溶剤>
水溶性溶剤としては公知のものを特に制限なく用いることができる。
上記水溶性溶剤は、低温環境下での析出物の発生をより抑制する観点から、下記一般式(A)で表される化合物及び下記一般式(B)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
一般式(A)中、RA1は、炭素原子数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。RA2及びRA3は、それぞれ独立に、水素原子、又は、炭素原子数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。
一般式(B)中、Wは、一般式(B)中の炭素原子及び窒素原子とともに複素環を形成する2価の連結基を表す。
(一般式(A)で表される化合物)
以下、水溶性溶剤の例である、一般式(A)で表される化合物について説明する。
一般式(A)で表される化合物は、上記構造のとおり、β−アルコキシプロピオンアミド化合物である。
一般式(A)で表される化合物は、インク組成物中において、重合開始剤の溶解性を維持しつつ、かつ、重合開始剤と水との相溶性を高めることができる。
このため、インク組成物が一般式(A)で表される化合物を含有する場合には、インク組成物が低温環境下に置かれても、重合開始剤が析出し難くなる。また、この化合物は、環境に対する負荷が小さく、臭気も少ないため、インク組成物が取り扱い易くなる。
一般式(A)において、RA1で表される炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
一般式(A)において、RA2およびRA3で表される炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
以上の中でも、RA1で表されるアルキル基の炭素原子数は3〜6が好ましく、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、及び、n−ヘキシル基がより好ましい。
A2またはRA3で表されるアルキル基の炭素原子数は1〜3が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
以下に、一般式(A)で表される化合物の例示化合物A−1〜A−33を示すが、一般式(A)で表される化合物は、これらに限られるものではない。
A−1:3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド
A−2:3−n−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド
A−3:3−エトキシ−N,N−ジエチルプロピオンアミド
A−4:3−メトキシ−N,N−ジエチルプロピオンアミド
A−5:3−メトキシ−N,N−モノメチルモノエチルプロピオンアミド
A−6:3−メトキシ−N,N−ジ−n−プロピルプロピオンアミド
A−7:3−メトキシ−N,N−ジ−n−ブチルプロピオンアミド
A−8:3−メトキシ−N,N−ジ−n−ブチルプロピオンアミド
A−9:3−エトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド
A−10:3−エトキシ−N,N−モノメチルモノエチルプロピオンアミド
A−11:3−エトキシ−N,N−ジ−n−プロピルプロピオンアミド
A−12:3−エトキシ−N,N−ジ−n−ブチルプロピオンアミド
A−13:3−n−ブトキシ−N,N−ジエチルプロピオンアミド
A−14:3−n−ブトキシ−N,N−モノメチルモノエチルプロピオンアミド
A−15:3−n−ブトキシ−N,N−ジ−n−プロピルプロピオンアミド
A−16:3−n−ブトキシ−N,N−ジ−n−ブチルプロピオンアミド
A−17:3−n−プロポキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド
A−18:3−n−プロポキシ−N,N−ジエチルプロピオンアミド
A−19:3−n−プロポキシ−N,N−モノメチルモノエチルプロピオンアミド
A−20:3−n−プロポキシ−N,N−ジ−n−プロピルプロピオンアミド
A−21:3−n−プロポキシ−N,N−ジ−n−ブチルプロピオンアミド
A−22:3−iso−プロポキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド
A−23:3−iso−プロポキシ−N,N−ジエチルプロピオンアミド
A−24:3−1so−プロポキシ−N,N−モノメチルモノエチルプロピオンアミド
A−25:3−iso−プロポキシ−N,N−ジ−n−プロピルプロピオンアミド
A−26:3−iso−プロポキシ−N,N−ジ−n−ブチルプロピオンアミド
A−27:3−tert−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド
A−28:3−tert−ブトキシ−N,N−ジエチルプロピオンアミド
A−29:3−tert−ブトキシ−N,N−モノメチルモノエチルプロピオンアミド
A−30:3−tert−ブトキシ−N,N−ジ−n−プロピルプロピオンアミド
A−31:3−tert−ブトキシ−N,N−ジ−n−ブチルプロピオンアミド
A−32:3−ヘキシルオキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド
A−33:3−ヘキシルオキシ−N,N−ジエチルプロピオンアミド
一般式(A)で表される化合物は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
一般式(A)で表される化合物の具体的な製造方法は、例えば、特開2009−185079号公報や国際公開第2008/102615号等に記載の合成方法に基づき、製造することができる。また、一般式(A)で表される化合物は、市販品を用いてもよく、例えば、出光興産社製の「エクアミド」として入手できる。
一般式(A)で表される化合物としては、3−n−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(上記例示化合物A−2)が最も好ましい。
(一般式(B)で表される化合物)
次に、水溶性溶剤の例である、一般式(B)で表される化合物について説明する。
一般式(B)で表される化合物は、上記構造のとおり、複素環式化合物である。
一般式(B)で表される化合物も、インク組成物中において、重合開始剤の溶解性を維持しつつ、かつ、重合開始剤と水との相溶性を高めることができる。
一般式(B)中、Wは、一般式(B)中の炭素原子及び窒素原子とともに複素環を形成する2価の連結基を表す。
Wとしてはアルキレン基が好ましい。
このアルキレン基は、無置換であっても、置換基によって置換されていてもよい。この置換基としては、アルキル基(好ましくは、炭素原子数1〜6の鎖状、分岐、又は環状のアルキル基)、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜6のヒドロキシアルキル基)が好ましい。
アルキレン基の炭素原子数(置換基を有する場合には置換基の炭素原子数も含む)の好ましい範囲は1〜10である。
また、一般式(B)における複素環の員数は、好ましくは3〜6である。
一般式(B)で表される化合物の具体例としては、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1−プロピル−2−ピロリドン、1−ブチル−2−ピロリドン、1−ペンチル−2−ピロリドン、1−ヘキシル−2−ピロリドン、1−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1−シクロヘキシル−2−ピロリドン等が挙げられ、特に重合開始剤の溶解性の点で、2−ピロリドンが好ましい。
本発明のインク組成物が、水溶性溶剤として、一般式(A)で表される化合物及び一般式(B)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも一種を含有する場合、
一般式(A)で表される化合物及び一般式(B)で表される化合物の総含有量は、インク組成物の総量に対し、2質量%〜20質量%であることが好ましい。
上記総含有量が2質量%以上であることで、重合開始剤のインク組成物への溶解性をより高めることができる。
また、上記総含有量が20質量%以下であることで、重合性化合物をインク組成物に、十分に含有することができるため、インク組成物の硬化性を高めることができる。
上記総含有量は、インク組成物の総量に対し、3質量%〜18質量%であることがより好ましく、4質量%〜15質量%であることがさらに好ましく、5質量%〜12質量%であることが特に好ましい。
上記のうち、一般式(A)で表される化合物及び一般式(B)で表される化合物のうち、インクの粘度をより低くしインクの吐出性(例えば連続吐出性)をより向上させることができる点で、一般式(B)で表される化合物が特に好ましい。
本発明のインク組成物が水溶性溶剤を含有する場合、水溶性溶剤としては、一般式(A)で表される化合物及び一般式(B)で表される化合物以外のその他の水溶性溶剤も挙げられる。
また、水溶性溶剤として、一般式(A)で表される化合物及び一般式(B)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも一種と、その他の水溶性溶剤と、を併用することもできる。
その他の水溶性溶剤としては、例えば、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類や、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等のアルカンジオールなどの多価アルコール類のほか、特開2011−42150号公報の段落0116に記載の、糖類や糖アルコール類、ヒアルロン酸類、炭素原子数1〜4のアルキルアルコール類、グリコールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これら溶剤は、一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。多価アルコール類は、乾燥防止剤や湿潤剤としても有用であり、例えば、特開2011−42150号公報の段落0117に記載の例も挙げられる。また、ポリオール化合物は、浸透剤として好ましく、脂肪族ジオールとしては、例えば、特開2011−42150号公報の段落0117に記載の例が挙げられる。
また、その他の水溶性溶剤としては、例えば、特開2011−46872号公報の段落0176〜0179に記載されている水溶性溶剤や、特開2013−18846号公報の段落0063〜0074に記載されている水溶性溶剤の中から、適宜選択することもできる。
本発明のインク組成物が水溶性溶剤を含有する場合、水溶性溶剤の含有量(二種以上である場合には総含有量)は、インク組成物の総量に対し、2質量%〜20質量%であることが好ましい。
上記総含有量が2質量%以上であることで、重合開始剤のインク組成物への溶解性をより高めることができる。
また、上記総含有量が20質量%以下であることで、重合性化合物をインク組成物に、十分に含有することができるため、インク組成物の硬化性を高めることができる。
上記総含有量は、インク組成物の総量に対し、3質量%〜18質量%であることがより好ましく、4質量%〜15質量%であることがさらに好ましい。
<界面活性剤>
本発明に係るインク組成物は、必要に応じて、界面活性剤の少なくとも一種を含むことができる。界面活性剤は、例えば表面張力調整剤として用いることができる。
界面活性剤としては、分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物等が有効に使用することができ、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、ベタイン系界面活性剤のいずれも使用することができる。更に、上記の水溶性ポリマー(高分子分散剤)を界面活性剤としても用いてもよい。
本発明においては、インクの打滴干渉抑制の観点から、ノニオン性界面活性剤が好ましく、中でもアセチレングリコール誘導体(アセチレングリコール系界面活性剤)がより好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキシド付加物等を挙げることができ、これから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。これらの化合物の市販品としては例えば、日信化学工業社のオルフィンE1010などのEシリーズを挙げることができる。
界面活性剤(表面張力調整剤)をインク組成物に含有する場合、界面活性剤はインクジェット方式によりインク組成物の吐出を良好に行う観点から、インク組成物の表面張力を20mN/m〜60mN/mに調整できる範囲の量を含有することが好ましく、表面張力の点からはより好ましくは20mN/m〜45mN/mであり、更に好ましくは25mN/m〜40mN/mである。
本発明に係るインク組成物が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の具体的な量には特に限定はないが、インク組成物の全量に対し、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.1質量%〜10質量%であり、更に好ましくは0.2質量%〜3質量%である。
<水溶性高分子化合物>
本発明に係るインク組成物は、必要に応じて、水溶性高分子化合物を少なくとも一種含むことが好ましい。水溶性高分子化合物としては特に限定はなく、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等の公知の水溶性高分子化合物を用いることができる。
また、水溶性高分子化合物としては、後述する処理液に含まれることがある特定高分子化合物や、特開2013−001854号公報の段落0026〜0080に記載された水溶性高分子化合物も好適である。
<消泡剤>
本発明に係るインク組成物は、必要に応じ、消泡剤を少なくとも一種含有していてもよい。
消泡剤としては、例えばシリコーン系化合物(シリコーン系消泡剤)、プルロニック系化合物(プルロニック系消泡剤)等が挙げられ、これらの中でも、シリコーン系消泡剤が好ましい。
シリコーン系消泡剤としては、ポリシロキサン構造を有するシリコーン系消泡剤が好ましい。
消泡剤としては、市販品を用いることができる。
市販品としては、BYK−012、017、021、022、024、025、038、094(以上、ビックケミー・ジャパン(株)製)、KS−537、KS−604、KM−72F(以上、信越化学工業(株)製)、TSA−739(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)、オルフィンAF104(日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
中でも、シリコーン系消泡剤である、BYK−017、021、022、024、025、094、KS−537、KS−604、KM−72F、TSA−739が好ましく、中でも、インクの吐出安定性の点でBYK−024が最も好ましい。
本発明に係るインク組成物が消泡剤を含有する場合、消泡剤の含有量は、インク組成物全量に対し、0.0001質量%〜1質量%が好ましく、0.001質量%〜0.1質量%がより好ましい。
<コロイダルシリカ>
本発明に係るインク組成物は、必要に応じ、コロイダルシリカを含有していてもよい。
これにより、インクの連続吐出時の安定性をより向上させることができる。
コロイダルシリカは、平均粒子径が数100nm以下のケイ素を含む無機酸化物の微粒子からなるコロイドである。コロイダルシリカは、主成分として二酸化ケイ素(その水和物を含む)を含み、少量成分としてアルミン酸塩(アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムなど)を含んでいてもよい。
またコロイダルシリカには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム等の無機塩類やテトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機塩類が含まれていてもよい。これらの無機塩類および有機塩類は、例えば、コロイドの安定化剤として作用する。
コロイダルシリカについては、例えば、特開2011−202117号公報の段落0043〜0050の記載を適宜参照することができる。
また、本発明のインク組成物は、必要に応じ、コロイダルシリカに代えて、又は、コロイダルシリカに加えて、ケイ酸アルカリ金属塩を含有してもよい。ケイ酸アルカリ金属塩については、特開2011−202117号公報の段落0052〜0056の記載を適宜参照することができる。
本発明に係るインク組成物がコロイダルシリカを含む場合、コロイダルシリカの含有量は、インク組成物の全量に対し、0.0001質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜3質量%がより好ましく、0.02質量%〜0.5質量%が更に好ましく、0.03質量%〜0.3質量%が特に好ましい。
<ワックス粒子>
本発明に係るインク組成物は、ワックス粒子の少なくとも一種を含有することができる。これにより、耐擦性をより向上させることができる。
ワックス粒子としては、例えば、カルナバワックス、キャンデリワックス、みつろう、ライスワックス、ラノリン等の植物系、動物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト等の鉱物系ワックス、カーボンワックス、ヘキストワックス、ポリオレフィンワックス、ステアリン酸アミド等の合成ワックス、α−オレフィン・無水マレイン酸共重合体、等の天然ワックス又は合成ワックスの粒子あるいはこれらの混合粒子等が挙げられる。
ワックスは、分散物の形で添加されることが好ましく、例えば、エマルジョンなどの分散物としてインク組成物中に含有することができる。分散物とする場合の溶媒としては水が好ましいが、これに限定されるものではなく、例えば通常用いられている有機溶媒を適宜選択して分散時に使用することができる。有機溶媒については、特開2006−91780号公報の段落番号[0027]の記載を参照することができる。
ワックス粒子は、一種単独であるいは複数種を混合して用いることができる。
ワックス粒子は上市されている市販品を用いてもよい。市販品の例として、ノプコートPEM17(サンノプコ(株)製)、ケミパールW4005(三井化学(株)製)、AQUACER515、AQUACER593(いずれもビックケミー・ジャパン(株)製)等が挙げられる。
上記のうち、好ましいワックスとしては、カルナバワックス、ポリオレフィンワックスが好ましく、耐擦性の点で、特に好ましくはカルナバワックスである。
本発明に係るインク組成物がワックス粒子を含有する場合、ポリマー粒子とワックス粒子との含有比率としては、ポリマー粒子:ワックス粒子=1:5〜5:1の範囲(固形分比)であることが好ましい。含有比率がこの範囲内であると、画像の耐擦性に優れる。
<その他の成分>
本発明のインク組成物は、必要に応じ、その他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、例えば、重合禁止剤、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、粘度調整剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
本発明のインク組成物は、凝集速度及び組成物の分散安定性の観点から、25℃(±1℃)において、pH7.5以上が好ましく、pH7.5以上pH13以下がより好ましく、pH8以上pH12以下がさらに好ましい。
インク組成物のpHが7.5以上であると、インク組成物の保存安定性がより向上する。pHは、25℃環境下において、pHメーターWM−50EG(東亜DDK(株)製)を用いて測定した。
≪酸性化合物を含む処理液≫
本発明のインクセットは、既述の本発明に係るインク組成物と、インク組成物と接触したときに凝集体を形成する成分としての酸性化合物を含有する処理液(以下、「処理液」ともいう。)と、を含む。
本発明のインクセットは、インク組成物の吐出性及び安定性に優れるとともに、サテライト液滴の発生が抑制されるので、優れた画質を有する画像を記録媒体、特に原紙と無機顔料を含むコート層を有する記録媒体(以下、「塗工紙」とも称す)に形成できる。
従来の有機塩を含むインク組成物や炭酸塩を含むインク組成物を用いて、インクジェット記録法により塗工紙に画像形成する場合、局所的に薄いコート層を有する低級板紙などでは、処理液塗布による酸量が少ない領域が発生する。その酸量の少ない領域では、打滴されたインク組成物のドットが広がりやすく、白地部分が局所的に少なくなることで、意図しない濃淡が現れやすく(例えば、ベタ画像中の濃淡)、ムラとして見える「面アレ」が発生することがあった。
本明細書において、「面アレ」とは、画像の明るい領域(ハイライト)と暗い領域(シャドウ)の中間の領域(中間調領域)において、インク組成物の濃度の高い部分と低い部分が偏在して、荒れているように見える現象のことをいう。
「面アレ」は、従来の「にじみ」や「スジ」のようなインク組成物の局部的な凝集不足により生じる現象ではなく、記録媒体上に処理液が不均一に分布することによる凝集不均一に起因する現象である。
本発明の処理における酸性化合物としては、インク組成物のpHを低下させ得る酸性物質を挙げることができる。
酸性物質としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等が好適に挙げられる。
酸性物質は、一種単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
本発明における処理液が酸性物質を含む場合、処理液のpH(25℃)は、6.0以下が好ましく、より好ましくは、pHは4.0以下である。中でも、pH(25℃)は0.1以上4.0以下の範囲が好ましく、特に好ましくは、pHは0.1以上0.5以下である。このとき、インク組成物のpH(25℃)は、7.5以上13.0以下(より好ましくは8.0以上12.0以下)であることが好ましい。
特に、処理液のpHが0.1以上4.0以下であると、本発明におけるインク組成物をより均一に凝集させやすいため、形成される画像の面アレがより抑制される。
中でも、画像濃度、解像度、及びインクジェット記録の高速化の観点から、インク組成物のpH(25℃)が8.0以上12.0以下であって、処理液のpH(25℃)が0.1以上0.5以下である場合が好ましい。pHは、25℃環境下において、pHメーターWM−50EG(東亜DDK(株)製)を用いて測定した。
中でも、本発明における凝集成分としては、水溶性の高い酸性物質が好ましく、凝集性を高め、インク全体を固定化させる点で、有機酸が好ましく、2価以上の有機酸がより好ましく、2価以上3価以下の酸性物質が特に好ましい。2価以上の有機酸としては、その第1pKaが3.5以下の有機酸が好ましく、より好ましくは3.0以下の有機酸である。具体的には、例えば、リン酸、シュウ酸、マロン酸、クエン酸などが好適に挙げられる。
(水溶性高分子化合物)
処理液には、水溶性高分子化合物を少なくとも一種含有させてもよい。
水溶性高分子化合物としては特に限定はなく、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等の公知の水溶性高分子化合物を用いることができる。
また、水溶性高分子化合物としては、後述する特定高分子化合物や、特開2013−001854号公報の段落0026〜0080に記載された水溶性高分子化合物も好適である。
水溶性高分子化合物の重量平均分子量には特に限定はないが、例えば10000〜100000とすることができ、好ましくは20000〜80000であり、より好ましくは30000〜80000である。
また、本発明における処理液中における水溶性高分子化合物の含有量には特に限定はないが、処理液の全量に対し、0.1質量%〜10質量%が好ましく、0.1質量%〜4質量%がより好ましく、0.1質量%〜2質量%が更に好ましく、0.1質量%〜1質量%が特に好ましい。
含有量が0.1質量%以上であれば、インク滴の広がりをより促進でき、含有量が10質量%以下であれば、処理液の増粘をより抑制できる。また、含有量が10質量%以下であれば、処理液中の泡に起因する処理液の塗布ムラをより抑制できる。
水溶性高分子化合物としては、イオン性基(好ましくはアニオン性基)を有する親水性の構造単位を含む高分子化合物(以下、「特定高分子化合物」ともいう。)が好ましい。これにより、記録媒体に付与されたインク滴の広がりをより促進することができ、画像のざらつきが更に抑制される。
特定高分子化合物におけるイオン性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、ボロン酸基、アミノ基、アンモニウム基、又はこれらの塩等が挙げられる。中でも、好ましくは、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、又はこれらの塩であり、より好ましくは、カルボキシル基、スルホン酸基、又はこれらの塩であり、更に好ましくは、スルホン酸基又はその塩である。
イオン性基(好ましくはアニオン性基)を有する親水性の構造単位としては、イオン性基(好ましくはアニオン性基)を有する(メタ)アクリルアミド化合物に由来する構造単位が好ましい。
水溶性高分子化合物中におけるイオン性基(好ましくはアニオン性基)を有する親水性の構造単位の含有量としては、水溶性高分子化合物の全質量中、例えば10質量%〜100質量%とすることができ、10質量%〜90質量%であることが好ましく、10質量%〜70質量%であることがより好ましく、10質量%〜50質量%であることがさらに好ましく、20質量%〜40質量%であることが特に好ましい。
特定高分子化合物としては、上述のイオン性基(好ましくはアニオン性基、特に好ましくはスルホン酸基)を有する親水性の構造単位の少なくとも1種に加え、疎水性の構造単位の少なくとも1種を含むことがより好ましい。疎水性の構造単位を含むことにより、特定高分子化合物が処理液表面に更に存在しやすくなるため、記録媒体に付与されたインク滴の広がりがより促進され、画像のざらつきが更に抑制される。
疎水性の構造単位としては、(メタ)アクリル酸エステル(好ましくは、(メタ)アクリル酸の炭素原子数1〜4のアルキルエステル)に由来する構造単位が好ましい。
特定高分子化合物における疎水性の構造単位の含有量は、特定高分子化合物の全質量中、例えば10質量%〜90質量%とすることができ、30質量%〜90質量%であることが好ましく、50質量%〜90質量%であることがより好ましく、60質量%〜80質量%であることが特に好ましい。
(水)
処理液は、水を含んで構成することができる。
水の含有量には特に制限はないが、10質量%〜99質量%の範囲が好ましく、より好ましくは50質量%〜90質量%であり、更に好ましくは60質量%〜80質量%である。
(有機溶剤)
処理液は、有機溶剤から選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
有機溶剤としては、インク組成物に含まれることがある水溶性溶剤と同様のものを用いることができる。中でも、カール抑制の観点から、ポリアルキレングリコールまたはその誘導体であることが好ましく、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールから選ばれる少なくとも一種であることがより好ましい。
有機溶剤の処理液中における含有率としては、特に制限はされないが、カール抑制の観点から、処理液全体に対して1質量%〜30質量%であることが好ましく、5質量%〜15質量%であることがより好ましい。
(消泡剤)
処理液は、必要に応じ、消泡剤を少なくとも一種含有していてもよい。
処理液に含有させることができる消泡剤としては、インク組成物に含有させることができる消泡剤と同様のものが挙げられる。
処理液が消泡剤を含有する場合、消泡剤の含有量は、処理液の全量に対し、0.0001質量%〜1質量%が好ましく、0.001質量%〜0.1質量%がより好ましい。
(重合開始剤)
処理液には、インク組成物に含有すると共に、活性エネルギー線によりインク組成物中の重合性化合物の重合を開始する重合開始剤の少なくとも一種を含有することができる。重合開始剤は、一種単独で又は二種以上を混合して、あるいは増感剤と共に使用することができる。
処理液に用いられる重合開始剤は、インク組成物と同様に、活性エネルギー線により重合性化合物の重合反応を開始し得る化合物から適宜選択することができる。重合開始剤の例としては、放射線もしくは光、又は電子線により活性種(ラジカル、酸、塩基など)を発生する重合開始剤(例えば光重合開始剤等)が挙げられる。
重合開始剤等の詳細については、インク組成物の項で説明した通りである。
また、処理液には、本発明の効果を損なわない範囲内で、更にその他の成分として他の添加剤を含有することができる。他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
≪画像形成方法≫
本発明の画像形成方法は、記録媒体上に、既述のインクジェット用インクセットのインク組成物をインクジェット法によって記録媒体に付与して画像を形成するインク付与工程と、上記インクジェット用インクセットの処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程と、を含む。
本発明の画像形成方法によれば、長期に亘って、及び/又は、多量の記録媒体に、画像を形成した場合においても、吐出口に凝集物が蓄積されることが少なく、優れた吐出性が長期に亘り確保される。更に、サテライト液滴の形成が抑制されるので、優れた画質を有する画像が形成される。
<インク付与工程>
インク付与工程は、既述のインク組成物を記録媒体にインクジェット法で付与する。本工程では、記録媒体上に選択的にインク組成物を付与でき、所望の可視画像を形成できる。なお、インク組成物の詳細及び好ましい態様などインク組成物の詳細については、インク組成物に関する説明で既述した通りである。
インクジェット法による画像形成は、エネルギーを供与することにより、所望とする記録媒体上に既述のインク組成物を吐出し、着色画像を形成する。なお、本発明に好ましいインクジェット法として、特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105に記載の方法が適用できる。
インクジェット法には、特に制限はなく、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等のいずれであってもよい。インクジェット法としては、特に、特開昭54−59936号公報に記載の方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させるインクジェット法を有効に利用することができる。
尚、インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
インクジェットヘッドとしては、短尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを記録媒体の幅方向に走査させながら記録を行なうシャトル方式と、記録媒体の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いたライン方式とがある。ライン方式では、記録素子の配列方向と交差する方向に記録媒体を走査させることで記録媒体の全面に画像記録を行なうことができ、短尺ヘッドを走査するキャリッジ等の搬送系が不要となる。また、キャリッジの移動と記録媒体との複雑な走査制御が不要になり、記録媒体だけが移動するので、シャトル方式に比べて記録速度の高速化が実現できる。本発明の画像形成方法は、これらのいずれにも適用可能であるが、一般にダミージェットを行なわないライン方式に適用した場合に、吐出精度及び画像の耐擦性の向上効果が大きい。
インクジェットヘッドから吐出されるインクの液滴量としては、高精細な画像を得る観点で、1pl〜10pl(ピコリットル)が好ましく、1.5pl〜6plがより好ましい。また、画像のムラ、連続諧調のつながりを改良する観点で、異なる液適量を組み合わせて吐出することも有効であり、このような場合でも本発明は好適に使用できる。
本発明に係る画像形成方法においては、記録媒体にインク組成物を打滴する方式がスーパードロップ方式であることが、本発明に係るインクジェット用インクセットの効果が最も発揮されるので、好ましい。このようなスーパードロップ方式に係るインクジェット法については、例えば特開2006−188043号公報に記載されている。
<処理液付与工程>
本発明の画像形成方法では、更に、処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程を有する。
処理液付与工程は、インク組成物中の成分を凝集させる酸性化合物を含む処理液を記録媒体に付与し、処理液をインク組成物と接触させて画像化する。この場合、インク組成物中のポリマー粒子をはじめとする分散粒子が凝集し、記録媒体上に画像が固定化される。なお、処理液は凝集成分を少なくとも含有してなり、各成分の詳細及び好ましい態様については、既述した通りである。
処理液の付与は、塗布法、インクジェット法、浸漬法などの公知の方法を適用して行なうことができる。塗布法としては、バーコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等を用いた公知の塗布方法によって行なうことができる。インクジェット法の詳細については、既述の通りである。
処理液付与工程は、インク組成物を用いたインク付与工程の前又は後のいずれに設けてもよい。本発明においては、処理液付与工程の後にインク付与工程を設けた態様が好ましい。
具体的には、記録媒体上に、インク組成物を付与する前に、予めインク組成物中の成分(上述の分散粒子)を凝集させるため処理液を付与しておき、記録媒体上に付与された処理液に接触するようにインク組成物を付与して画像化する態様が好ましい。これにより、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い画像が得られる。
処理液の付与量としては、インク組成物を凝集可能であれば特に制限はないが、好ましくは、凝集成分の付与量が0.1g/m以上となる量とすることができる。中でも、凝集成分の付与量が0.2g/m〜2.0g/mとなる量が好ましい。凝集成分の付与量が0.1g/m以上であると、インク組成物の種々の使用形態に応じ良好な高速凝集性が保てる。また、凝集成分の付与量が2.0g/m以下であることは、付与した記録媒体の表面性に影響(光沢の変化等)を与えない点で好ましい。
また、本発明においては、処理液付与工程後にインク付与工程を設け、処理液を記録媒体上に付与した後、インク組成物が付与されるまでの間に、記録媒体上の処理液を加熱乾燥する加熱乾燥工程を更に設けることが好ましい。インク付与工程前に予め処理液を加熱乾燥させることにより、滲み防止などのインク着色性が良好になり、色濃度及び色相の良好な可視画像を記録できる。
加熱乾燥は、ヒータ等の公知の加熱手段やドライヤ等の送風を利用した送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段により行なえる。加熱方法としては、例えば、記録媒体の処理液の付与面と反対側からヒータ等で熱を与える方法や、記録媒体の処理液の付与面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒータを用いた加熱法などが挙げられ、これらの複数を組み合わせて加熱してもよい。
<記録媒体>
本発明の画像形成方法は、原紙と無機顔料を含むコート層を有する記録媒体上に画像を記録するものである。塗工紙は、セルロースを主体とした一般に表面処理されていない上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗布してコート層を設けたものである。塗工紙は、通常の水性インクジェットによる画像形成においては、画像の光沢や擦過耐性など、品質上の問題を生じやすいが、本発明の画像形成方法では、光沢ムラが抑制されて光沢性、耐擦性の良好な画像を得ることができる。特に、原紙と無機顔料を含むコート層とを有する塗工紙を用いるのが好ましく、原紙とカオリン及び重炭酸カルシウムの少なくとも一方を含むコート層とを有する塗工紙を用いるのがより好ましい。具体的には、アート紙、コート紙、軽量コート紙、又は微塗工紙がより好ましい。
記録媒体としては、一般に市販されているものを使用することができ、例えば、王子製紙(株)製の「OKプリンス上質」、日本製紙(株)製の「しらおい」、及び日本製紙(株)製の「ニューNPI上質」等の上質紙(A)、王子製紙(株)製の「OKエバーライトコート」及び日本製紙(株)製の「オーロラS」等の微塗工紙、王子製紙(株)製の「OKコートL」及び日本製紙(株)製の「オーロラL」等の軽量コート紙(A3)、王子製紙(株)製の「OKトップコート+」及び日本製紙(株)製の「オーロラコート」等のコート紙(A2、B2)、王子製紙(株)製の「OK金藤+」及び三菱製紙(株)製の「特菱アート」等のアート紙(A1)等が挙げられる。また、インクジェット記録用の各種写真専用紙を用いることも可能である。
記録媒体の中でも、一般のオフセット印刷などに用いられるいわゆる塗工紙が好ましい。
<インクジェット記録装置>
本発明の画像形成方法に用いることができる画像形成装置には、特に制限はないが、スーパードロップ方式で記録媒体に打適される吐出ヘッドを備える画像形成装置、例えば、特開2012−11585号公報、特開2012−250477号公報等に記載の公知の画像形成装置を用いることができる。
画像形成装置は、活性エネルギー線(例えば紫外線)照射手段を備えることが好ましい。活性エネルギー線照射手段をはじめとするその他の手段の構成については、例えば、特開2011−184628号公報等に記載の公知の構成を適宜参照することができる。
以下、本発明の画像形成方法に用いることができる画像形成装置の一例について、図1を参照して説明する。
次に、本発明の画像形成方法を実施するのに好適なインクジェット記録装置の一例を図1を参照して具体的に説明する。図1は、インクジェット記録装置全体の構成例を示す概略構成図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置は、記録媒体の搬送方向(図中の矢印方向)に向かって順次、処理液を吐出する処理液吐出用ヘッド12Sを備えた処理液付与部12と、付与された処理液を乾燥させる加熱手段(不図示)を備えた処理液乾燥ゾーン13と、各種インク組成物を吐出するインク吐出部14と、吐出されたインク組成物を乾燥させるインク乾燥ゾーン15とが配設されている。また、記録媒体の搬送方向におけるインク乾燥ゾーン15の下流側には、紫外線照射ランプ16Sを備えた紫外線照射部16が配設されている。
このインクジェット記録装置に供給された記録媒体は、記録媒体が装填されたケースから記録媒体を給紙する給紙部から、搬送ローラによって、処理液付与部12、処理液乾燥ゾーン13、インク吐出部14、インク乾燥ゾーン15、紫外線照射部16と順に送られて集積部に集積される。搬送は、搬送ローラによる方法のほか、ドラム状部材を用いたドラム搬送方式やベルト搬送方式、ステージを用いたステージ搬送方式などを採用してもよい。
複数配置された搬送ローラのうち、少なくとも1つのローラはモータ(不図示)の動力が伝達された駆動ローラとすることができる。モータで回転する駆動ローラを定速回転することにより、記録媒体は所定の方向に所定の搬送量で搬送されるようになっている。
処理液付与部12には、処理液を貯留する貯留タンクに繋がる処理液吐出用ヘッド12Sが設けられている。処理液吐出用ヘッド12Sは、記録媒体の記録面と対向配置された吐出ノズルから処理液を吐出し、記録媒体の上に処理液を液滴付与できるようになっている。なお、処理液付与部12は、ノズル状のヘッドから吐出する方式に限らず、塗布ローラを用いた塗布方式を採用することもできる。この塗布方式は、下流側に配置されたインク吐出部14で記録媒体上にインク滴が着弾する画像領域を含むほぼ全面に処理液を容易に付与することができる。記録媒体上の処理液の厚みを一定にするために、例えば、エアナイフを用いたり、あるいは尖鋭な角を有する部材を、処理液の規定量に対応するギャップを記録媒体との間に設けて設置する等の方法を設けてもよい。
処理液付与部12の記録媒体搬送方向の下流側には、処理液乾燥ゾーン13が配置されている。処理液乾燥ゾーン13は、ヒータ等の公知の加熱手段やドライヤ等の送風を利用した送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段を用いて構成することができる。加熱手段は、記録媒体の処理液付与面とは反対側(例えば、記録媒体を自動搬送する場合は記録媒体を載せて搬送する搬送機構の下方)にヒータ等の発熱体を設置する方法や、記録媒体の処理液付与面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒータを用いた加熱法などが挙げられ、これらの複数を組み合わせて加熱してもよい。
また、記録媒体の種類(材質、厚み等)や環境温度等によって、記録媒体の表面温度は変化するため、記録媒体の表面温度を計測する計測部と計測部で計測された記録媒体の表面温度の値を加熱制御部にフィードバックする制御機構を設けて温度制御しながら処理液を付与することが好ましい。記録媒体の表面温度を計測する計測部としては、接触又は非接触の温度計が好ましい。
また、溶媒除去ローラ等を用いて溶媒除去を行なってもよい。他の態様として、エアナイフで余剰な溶媒を記録媒体から取り除く方式も用いられる。
インク吐出部14は、処理液乾燥ゾーン13の記録媒体搬送方向下流側に配置されている。インク吐出部14には、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各色インクを貯留するインク貯留部の各々と繋がる記録用ヘッド(インク吐出用ヘッド)30K、30C、30M、30Yが配置されている。不図示の各インク貯留部には、各色相に対応する顔料とポリマー粒子と水溶性溶剤と水とを含有するインク組成物が貯留されており、画像の記録に際して必要に応じて各インク吐出用ヘッド30K、30C、30M、30Yに供給されるようになっている。また、インク吐出用ヘッド30K、30C、30M、及び30Yの搬送方向下流側には、図1に示すように、必要に応じて特色インクを吐出可能なように、特色インク吐出用の記録ヘッド30A、30Bを更に配設することもできる。
インク吐出用ヘッド30K、30C、30M、30Yは、記録媒体の記録面と対向配置された吐出ノズルから、それぞれ画像に対応するインクを吐出する。これにより、記録媒体の記録面上に各色インクが付与され、カラー画像が記録される。
処理液吐出用ヘッド12S、並びにインク吐出用ヘッド30K、30C、30M、30Y、30A、及び30Bはいずれも、記録媒体上に記録される画像の最大記録幅(最大記録幅)にわたって多数の吐出口(ノズル)が配列されたフルラインヘッドとなっている。記録媒体の幅方向(記録媒体搬送面において搬送方向と直交する方向)に短尺のシャトルヘッドを往復走査しながら記録を行なうシリアル型のものに比べて、記録媒体に高速に画像記録を行なうことができる。本発明においては、シリアル型での記録、又は比較的高速記録が可能な方式、例えば1回の走査で1ラインを形成するシングルパス方式での記録のいずれを採用してもよいが、本発明の画像記録方法によればシングルパス方式でも再現性の高い高品位の画像が得られる。
ここでは、処理液吐出用ヘッド12S、並びにインク吐出用ヘッド30K、30C、30M、30Y、30A、及び30Bは、全て同一構造になっている。
処理液の付与量とインク組成物の付与量とは、必要に応じて調節することが好ましい。例えば、記録媒体に応じて、処理液とインク組成物とが混合してできる凝集物の粘弾性等の物性を調節する等のために、処理液の付与量を変えてもよい。
インク乾燥ゾーン15は、インク吐出部14の記録媒体搬送方向下流側に配置されている。インク乾燥ゾーン15は、処理液乾燥ゾーン13と同様に構成することができる。
紫外線照射部16は、インク乾燥ゾーン15の記録媒体搬送方向のさらに下流側に配置されており、紫外線照射部16に設けられた紫外線照射ランプ16Sにより紫外線を照射し、画像乾燥後の画像中のモノマー成分を重合硬化させるようになっている。紫外線照射ランプ16Sは、記録媒体の記録面と対向配置されたランプにより記録面の全体を照射し、画像全体の硬化が行なえるようになっている。なお、紫外線照射部16は、紫外線照射ランプ16Sに限らず、ハロゲンランプ、高圧水銀灯、レーザー、LED、電子線照射装置などを採用することもできる。
紫外線照射部16は、インク乾燥ゾーン15の前後のいずれに設置されていてもよく、インク乾燥ゾーン15の前後両方に設置してもよい。
また、インクジェット記録装置には、給紙部から集積部までの搬送路に、記録媒体に加熱処理を施す加熱手段を配置することもできる。例えば、処理液乾燥ゾーン13の上流側や、インク吐出部14とインク乾燥ゾーン15との間、などの所望の位置に加熱手段を配置することで、記録媒体を所望の温度に昇温させることにより、乾燥、定着を効果的に行なうようにすることが可能である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」および「%」は質量基準である。
本実施例において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定し、ポリスチレン換算で算出した。GPCは、得られたポリマーについて、溶剤を除去することによって単離し、得られた固形分をテトラヒドロフランにて0.1質量%に希釈して、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)にて、TSKgel Super HZM−H、TSKgel Super HZ4000、及びTSKgel Super HZ200(全て東ソー(株)製)を直列につないだものをカラムとして測定した。条件は、試料濃度を0.35質量%、流速を0.35mL/min、サンプル注入量を10μL、測定温度を40℃とし、RI検出器を用いて行なった。検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製した。
また、ポリマーの酸価は、JIS規格(JIS K0070:1992)に記載の方法により求めた。ガラス転移温度Tgは示差走査熱量計(DSC)DSC6100(セイコーインスツル(株)製)で測定した。
≪インク組成物の調製≫
<水溶性ポリマー分散剤Q−1の合成>
メタクリル酸(172部)と、メタクリル酸ベンジル(828部)と、イソプロパノール(375部)と、を混合することにより、モノマー供給組成物を調製した。また、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(22.05部)と、イソプロパノール(187.5部)と、混合することにより、開始剤供給組成物を調製した。
次に、イソプロパノール(187.5部)を窒素雰囲気下、80℃に加温し、そこに、上記モノマー供給組成物及び上記開始剤供給組成物の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に4時間、80℃に保った後、25℃まで冷却した。
冷却後、溶媒を減圧除去することにより、重量平均分子量約30,000、酸価112mgKOH/gの水溶性ポリマー分散剤Q−1(水溶性ポリマー)を得た。
<シアン顔料分散物C−1の作製>
上記で得られた水溶性ポリマー分散剤Q−1(150部)中のメタクリル酸量の0.8当量を、水酸化カリウム水溶液を用いて中和した後、水溶性ポリマー分散剤濃度が25%となるように、更にイオン交換水を加えて調整し、水溶性ポリマー分散剤水溶液を得た。
この水溶性ポリマー分散剤水溶液(124部)と、ピグメントブルー15:3(シアン顔料)(48部)と、水(75部)と、ジプロピレングリコール(30部)と、を混合し、ビーズミル(ビーズ径0.1mmφ、ジルコニアビーズ)で所望の体積平均粒子径を得るまで分散し、顔料濃度15%のポリマー被覆シアン顔料粒子の分散物(未架橋分散物C−1)を得た。
この未架橋分散物C−1(136部)に、Denacol EX−321(ナガセケムテックス(株)製、架橋剤)(1.3部)と、ホウ酸水溶液(ホウ酸濃度:4質量%)(14.3部)を添加し、50℃にて6時間半反応させた後、25℃に冷却し、架橋分散物C−1を得た。次に、得られた架橋分散物C−1にイオン交換水を加え、攪拌型ウルトラホルダー(ADVANTEC(株)製)及び限外ろ過フィルター(ADVANTEC(株)製、分画分子量5万、Q0500076Eウルトラフィルター)を用いて限外ろ過を行ない、分散物中のジプロピレングリコール濃度が0.1質量%以下となるように精製した後、顔料濃度が15質量%となるまで濃縮することにより、シアン顔料分散物C−1を得た。シアン顔料分散物C−1に含まれる顔料は、水溶性ポリマー分散剤Q−1が架橋剤により架橋された架橋ポリマーで表面が被覆されているポリマー被覆顔料(カプセル化顔料)である。
<マゼンタ顔料分散物M−1の作製>
シアン顔料分散剤C−1の作成において、顔料として用いたピグメントブルー15:3(シアン顔料)に代えて、ピグメントレッド122(マゼンタ顔料)を用いたこと以外は、シアン顔料分散物C−1の作成と同様にして、マゼンタ顔料分散物M−1を得た。
<イエロー顔料分散物Y−1の作製>
シアン顔料分散剤C−1の作成において、顔料として用いたピグメントブルー15:3(シアン顔料)に代えて、ピグメントイエロー74(イエロー顔料)を用いたこと以外は、シアン顔料分散物C−1の作成と同様にして、イエロー顔料分散物Y−1を得た。
<ブラック顔料分散物K−1の作製>
シアン顔料分散剤C−1の作成において、顔料として用いたピグメントブルー15:3(シアン顔料)に代えて、カーボンブラックMA−100(ブラック顔料)を用いたこと以外は、シアン顔料分散物C−1の作成と同様にして、ブラック顔料分散物K−1を得た。
(重合性化合物aの合成)
前述の重合性化合物aを、以下のようにして合成した。
<第1工程>
スターラーバーを備えた1L容の三口フラスコに、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(東京化成工業社製)(121g,1当量)と、50質量%の水酸化カリウム水溶液(84ml)と、トルエン(423ml)とを加えて攪拌し、水浴下、反応系中を20〜25℃で維持し、アクリロニトリル(397.5g,7.5当量)を2時間かけて滴下した。滴下後、1.5時間攪拌した。その後、トルエン(540ml)を反応系中に追加し、その反応混合物を分液漏斗へ移し、水層を除いた。残った有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、セライトろ過を行ない、減圧下で溶媒留去することによりアクリロニトリル付加体を得た。得られた物質の1H−NMR、MSによる分析結果は、既知物と良い一致を示したため、更に精製することなく、次の還元反応に用いた。
<第2工程>
容積1Lのオートクレーブに、得られたアクリロニトリル付加体(24g)と、Ni触媒(ラネーニッケル2400、W.R.Grace&Co.社製)(48g)と、25質量%アンモニア水溶液(水:メタノール=1:1)(600ml)とを入れ、懸濁させて反応容器を密閉した。反応容器に10Mpaの水素を導入し、反応温度25℃で16時間反応させた。
原料の消失を1H−NMRにて確認し、反応混合物をセライト濾過し、セライトをメタノールで数回洗浄した。濾液を減圧下溶媒留去することにより、ポリアミン体を得た。得られた物質は、更に精製することなく、次の反応に用いた。
<第3工程>
攪拌機を備えた容積2Lの三口フラスコに、得られたポリアミン体(30g)と、NaHCO(120g,14当量)と、ジクロロメタン(1L)と、水50mlとを加えて氷浴下、アクリル酸クロリド(92.8g,10当量)を3時間かけて滴下した。その後、室温で3時間攪拌した。原料の消失を1H−NMRにて確認した後、反応混合物を減圧下で溶媒留去した。続いて、硫酸マグネシウムで反応混合物を乾燥させ、セライトろ過を行ない、減圧下で溶媒留去した。最後に、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=4:1)にて精製することで、常温下、4官能アクリルアミドである重合性化合物a(上記一般式(1)において、R=H、R=C、R=CH、x=y=z=0)の固体を得た。上記第3工程を経て得られた重合性化合物aの収率は、40質量%であった。
(自己分散性ポリマーP−1の調製)
機械式攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた2L三口フラスコに、メチルエチルケトン(540.0g)を仕込んで75℃まで昇温した。反応容器内の温度を75℃に保ちながら、メチルメタクリレート(108g)と、イソボルニルメタクリレート(388.8g)と、メタクリル酸(43.2g)と、メチルエチルケトン(108g)と、「V−601」(和光純薬工業(株)製)(2.1g)とからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、「V−601」(1.15g)と、メチルエチルケトン(15.0g)とからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌した。更に、「V−601」(0.54g)と、メチルエチルケトン(15.0g)とからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌した。その後、85℃に昇温して、更に2時間攪拌を続け、メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/メタクリル酸(=20/72/8[質量比])共重合体の樹脂溶液を得た。
得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は、60,000であり、酸価は、54.2mgKOH/gであり、ガラス転移温度は124℃であった。
次に、上記樹脂溶液(588.2g)を秤量し、イソプロパノール(165g)と、1モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液(120.8ml)とを加え、反応容器内の温度を80℃に昇温した。次に、蒸留水(718g)を20ml/minの速度で滴下し、水分散化した。その後、大気圧下にて反応容器内の温度80℃で2時間、85℃で2時間、90℃で2時間保ち、溶媒を留去した。更に、反応容器内を減圧して、イソプロパノール、メチルエチルケトン、及び蒸留水を留去し、ポリマー粒子としての自己分散性ポリマーP−1(固形分25.0質量%の水性分散物)のを得た。
(自己分散性ポリマーPー2及びP−3の調整)
自己分散性ポリマーP−1の調製に用いたモノマーを下記表1に記載のモノマーに変更したこと以外は、自己分散性ポリマーP−1の調製と同様にして、自己分散性ポリマーP−2およびP−3(何れも、固形分25.0質量%の水性分散物)を調製した。

表1中のモノマーの詳細は以下の通りである。
・MMA:メチルメタクリレート
・BMA:ブチルメタクリレート
・BzMA:ベンジルメタクリレート
・MAA:メタクリル酸
・PhOEMA:フェノキシエチルメタクリレート
・BzA:ベンジルアクリレート
・AA:アクリル酸
(シアンインクの作製)
下記組成を混合し、ADVANTEC社製ガラスフィルター(GS−25)でろ過した後、ミリポア社製フィルター(PVDF膜、孔径5μm)でろ過を行ない、シアンインクを作製した。
〜シアンインクC1の組成〜
・上記シアン顔料分散物C−1(顔料濃度:12質量%) … 20.8部
・エクアミドB100(湿潤剤) … 3.5部
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製、界面活性剤) … 1部
・トリエタノールアミン … 0.5部
・硝酸カリウム … 0.05部
・下記表2に示す自己分散性ポリマー(固形分25.0質量%の水性分散物)
… 3部
・イオン交換水 … 全体が100部となる残量
〜シアンインクC2−1の組成〜
・上記シアン顔料分散物C−1(顔料濃度:12質量%) … 20.8部
・ヒドロキシエチルアクリルアミド(単官能アクリルアミド) … 9.5部
・上記重合性化合物a(多官能アクリルアミド) … 9.5部
・エクアミドB100(湿潤剤) … 3.5部
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製、界面活性剤) … 1部
・イルガキュア2959(BASFジャパン(株)製、光重合開始剤) … 1部
・ダロキュア1173 … 0.5部
・下記表2に示す有機アミン …表2に示す量
・下記表2に示す無機塩 …表2に示す量
・下記表2に示す自己分散性ポリマー(固形分25.0質量%の水性分散物)
… 3部
・イオン交換水 … 全体が100部となる残量
シアンインクC2−2〜C2−4、及びC2−6〜C2−11は、シアンインクC2−1と同様にして、下記表2の組成で作製した。
(他色インク組成物の作製)
他色インクとしてマゼンタ、イエロー、ブラックそれぞれのインク組成物を作製した。ここで、マゼンタインクM1M2−1〜M2−4、及びM2−6〜M2−11は、顔料分散物として、マゼンタ顔料分散物M−1を用いたこと以外はシアンインクC1及びC2−1と同様にして作製した。また、イエローインクY1Y2−1〜Y2−4、及びY2−6〜Y2−11は、顔料分散物として、イエロー顔料分散物Y−1を用いたこと以外はシアンインクC1及びC2−1と同様にして作製した。また、ブラックインクK1K2−1〜K2−4、及びK2−6〜K2−11は、顔料分散物として、ブラック顔料分散物K−1を用いたこと以外はシアンインクC1及びC2−1と同様にして作製した。それぞれのインクの組成は表3〜表5に示す。
≪処理液E−1の調製≫
下記組成の成分を混合して、処理液E−1を調製した。処理液のpHは1.1であった。
〜処理液の組成〜
・マロン酸(和光純薬工業(株)製) … 25%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業(株)製) … 20%
・エマルゲンP109(花王(株)製、ノニオン性界面活性剤) … 1%
・イオン交換水 … 54%
≪処理液E−2の調製≫
下記組成の成分を混合して、処理液E−2を調製した。処理液のpHは0.1であった。
〜処理液の組成〜
・マロン酸(和光純薬工業(株)製) … 45%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業(株)製) … 20%
・エマルゲンP109(花王(株)製、ノニオン性界面活性剤) … 1%
・イオン交換水 … 34%
≪処理液E−3の調製≫
下記組成の成分を混合して、処理液E−3を調製した。処理液のpHは0.5であった。
〜処理液の組成〜
・マロン酸(和光純薬工業(株)製) … 35%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業(株)製) … 20%
・エマルゲンP109(花王(株)製、ノニオン性界面活性剤) … 1%
・イオン交換水 … 44%
≪画像形成(インクジェット記録)≫
まず、図1に示すように、記録媒体の搬送方向(図中の矢印方向)に向かって順次、処理液を吐出する処理液吐出用ヘッド12Sを備えた処理液付与部12と、付与された処理液を乾燥させる処理液乾燥ゾーン13と、各種インク組成物を吐出するインク吐出部14と、吐出されたインク組成物を乾燥させるインク乾燥ゾーン15と、紫外線(UV)を照射可能なUV照射ランプ16Sを備えたUV照射部16とが配設されたインクジェット装置を準備した。上記吐出用ヘッドは、処理液乾燥ゾーン13は、図示しないが、記録媒体の記録面側には乾燥風を送って乾燥を行なう送風器を備え、記録媒体の非記録面側には赤外線ヒータを備えており、処理液付与部で処理液の付与を開始した後900msecが経過するまでに、温度・風量を調節して処理液中の水の70質量%以上を蒸発(乾燥)できるように構成した。また、インク吐出部14には、ブラックインク吐出用ヘッド30K、シアンインク吐出用ヘッド30C、マゼンタインク吐出用ヘッド30M、及びイエローインク吐出用ヘッド30Yが配置されており、各ヘッドは1200dpi/10inch幅のスーパードロップ方式のフルラインヘッド(駆動周波数:25kHz)であり、各色をシングルパスで主走査方向に吐出して記録できるようにした。
上記処理液吐出用ヘッド12Sに繋がる貯留タンク(不図示)に上記処理液を、シアンインク吐出用ヘッド30Cに繋がる貯留タンク(不図示)に、上記シアンインクC1C2−1〜C2−4、又はC2−6〜C2−11を充填し、上記処理液、及び上記インクをこの順に打滴して画像を形成した。
このとき、処理液の記録媒体への付与量は1.5ml/mとした。
記録媒体としては、王子製紙(株)製のOKトップコート+を用いた。
画像形成に際し、シアンインクは、ヘッドから解像度1200dpi(dots per inch)×1200dpi、インク滴量2.4plで吐出した。
下記の画像の形成では、記録媒体をA5サイズにカットしたサンプルに処理液及びシアンインクを順次付与して画像を形成した。
具体的には、画像の形成は以下のようにして行った。
まず、記録媒体上に処理液吐出用ヘッド12Sから処理液をシングルパスで吐出(付与)した後、処理液の乾燥は処理液乾燥ゾーン13で行ない、処理液乾燥ゾーンを処理液の吐出開始から900msec迄に通過するようにした。処理液乾燥ゾーン13では、着滴した処理液を着滴面の裏側(背面)から赤外線ヒータで膜面温度が40℃〜45℃となるように加熱しながら、送風器により記録面に120℃、5m/secの温風を5秒間あてて乾燥した。
続いて、記録媒体の処理液が付与された側の面(処理液付与面)に、シアンインクC1を吐出用ヘッド30Cからシングルパスで、網点率20%で付与してドット画像を得た。
画像が形成された記録媒体に対し、インク乾燥ゾーン15で同様にインク着滴面の裏側(背面)から赤外線ヒータで加熱しながら、送風器により、5m/secの温風を記録面に5秒間あてて画像を乾燥させた。このとき、シアンインクの液滴が記録媒体に着弾した時点からインク乾燥ゾーン15に搬送されて乾燥が開始されるまでの時間が約1秒間となるように搬送速度を調整した。
乾燥後の画像に対し、UV照射部16において、UV光(アイグラフィックス(株)製 メタルハライドランプ 最大照射波長 365nm)を積算照射量2J/cmになるように照射して、画像をUV硬化した。
以上により、評価用の画像サンプルを得た。
≪評価≫
評価用の画像サンプルについて、以下の評価を行なった。評価結果を後述の表6〜表9に示す。
<インクミスト抑制評価>
上記画像サンプルにおけるドット画像を、汎用画像処理装置DA-6000(王子計測機器(株)製)を用いて倍率10倍で観察し、下記評価基準に従って、サテライト形成を評価した。
−評価基準−
AA:サテライトが視認されず、まったく問題ない。
A:サテライトの発生率が1%以下であり、実用上問題ない。
B:サテライトの発生率が1〜3%であり、実用上支障をきたす懸念がある。
C:サテライトの発生率が3〜10%であり、実用上問題がある。
D:サテライトの発生率が10%以上であり、実用上非常に問題がある。
<炭酸ガス耐性(吐出安定性)>
上記画像形成法を用いて、インク滴量2.4plでベタ画像を毎時2700枚の描画速度で30分連続描画した後、吐出ヘッドの96ノズルを用いて、75dpi×2400dpiの線画像の平行線パターンサンプルを作成した。汎用画像処理装置DA−6000を用いて画像サンプルを確認し、吐出ノズル数及び吐出曲がりを下記評価基準に従って評価した。
−評価条件−
(1)インク吐出率90%以上を合格とする。この場合、下記(2)及び(3)も合格と判定する。
(2)インク吐出率85%以上を合格とする。この場合、下記(3)も合格と判定する。
(3)インク吐出率80%以上を合格とする。
(4)吐出曲がりがないことを合格とする。
−インク吐出率の測定方法−
作成したライン画像サンプルを計測し、以下の式にしたがって吐出率を算出した。
吐出率(%)=(吐出ノズル数)/(全ノズル数)×100
−吐出曲がりの測定方法−
平行線パターンの線幅中央の位置を計測し、理論上の中央の位置とのずれ量の標準偏差σを算出した。σが5以上の場合を吐出曲がりが発生しているものとする。
−評価基準−
次に、吐出安定性の結果に基づいて、下記基準に従って評価した。
AA:吐出安定性(1)〜(4)が4項目とも合格の場合。
A:吐出安定性(1)〜(4)のうち3項目が合格の場合。
B:吐出安定性(1)〜(4)のうち2項目が合格の場合。
C:吐出安定性(1)〜(4)のうち1項目が合格の場合。
D:吐出安定性(1)〜(4)の4項目とも不合格の場合。
<炭酸ガス耐性>
調整した各インク組成物を30mlのPET製容器に15g入れ、サンプル立てにセットした。30Lポリ容器にドライアイス30gを入れ、炭酸ガスを充満させた後、ポリビンをセットしたサンプル立てを入れ、軽く蓋をして30分放置した。放置後サンプルを取り出し、インク表面の膜生成を観察し、下記評価基準に従って評価を行った。
−評価基準−
AA:膜が生成せず、まったく問題ない。
A:極めて薄い膜が形成するもののインクと混ざることで消え、流動性もあり問題ない。
B:1mm以下の膜が形成する。流動性はあるが実用上懸念がある。
C:1mm〜2mmの膜が形成する。実用上問題がある。
D:内部まで固化しており、実用上非常に問題がある。
<インク安定性>
調整した各インク組成物をPET製容器に入れて密栓し、60℃の恒温槽中で14日間保存し、保存後の粘度を測定した。また、同様の方法で保存前のインク組成物の粘度を測定した。インク組成物の粘度はVISCOMETER TV−22(TOKISANGYO CO.LTD製)により25℃の条件下で測定し、下記評価基準に従って評価を行った。
AA:粘度変化が、保存前の値の±3%以内でまったく問題ない。
A:粘度変化が、保存前の値の±5%以内で問題ない。
B:粘度変化が、保存前の値の±8%以内で実用上懸念がある
C:粘度変化が、保存前の値の10%以内で実用上問題がある。
D:粘度変化が、保存前の値の±10%以上で実用上非常に問題がある。
<画像部光沢ムラ>
上記画像形成方法を用いて約100×150mmの100%ベタ画像を記録した。直後にベタ画像を目視で観察し、下記評価基準に従って、画像部光沢ムラを評価した。
−評価基準−
AA:画像10枚全てに光沢ムラは全く観測されなかった。
A:画像10枚中1枚に光沢ムラが観測された。
B:画像10枚中2枚〜3枚に光沢ムラが観測された。
C:画像10枚中4枚〜5枚に光沢ムラが観測された。
D:画像10枚中6枚以上に光沢ムラが観測された。
<面アレ>
上記画像形成方法を用いて約100×150mmの40%網点画像を記録した。直後に網点画像を目視で観察し、下記評価基準に従って、面アレを評価した。
−評価基準−
AA:画像10枚全てに面アレは全く観測されなかった。
A:画像10枚中1枚に面アレが観測された。
B:画像10枚中2枚〜3枚に面アレが観測された。
C:画像10枚中4枚〜5枚に面アレが観測された。
D:画像10枚中6枚以上に面アレが観測された。


表6〜表9の結果から、以下のことが分かる。
本発明に係るインクジェット用インクセット1〜8は、そのインク組成物がインクを長時間保存しても粘度の変化が少なく、吐出安定性に優れ、かつ炭酸ガスと反応しても不溶物(膜)の生成が少なく、更にサテライト液滴の発生が抑制されるため、画質の優れた画像を形成することができる。
これに対して、有機アミンを含有しないインク組成物C2−6を含むインクセット9は、インクの吐出安定性が劣り、炭酸ガスと反応して多量の不溶物が生成してしまう。有機アミンの代わりにアンモニアを含有するインク組成物C2−7を含むインクセット10は、インクセット9に比べれば軽度ではあるが、インクの吐出安定性が劣り、炭酸ガスと反応して多くの不溶物が生成してしまう。有機アミンの代わりにクロラミンを含有するインク組成物C2−8を含むインクセット11は、インクセット10よりも、更にインク安定性に劣っている。
更に、ポリマー粒子としてTgが90℃よりも低いポリマー粒子を含むインク組成物C2−9を含むインクセット12は、サテライト液滴の発生が多く、画質の劣った画像しか得られない。無機塩を含まないインク組成物C2−10を含むインクセット13は、インクの安定性が著しく劣ると共に、サテライトの発生が多い。無機塩の代わりに安息香酸カリウムを含むインク組成物C2−11を含むインクセット14は、インクの安定性が著しく劣ると共に、炭酸ガスと反応して多くの不溶物が生成してしまう。
同様のことが、マゼンタ、イエロー、及びブラックの各シンクにおいてもいえる。
12・・・処理液付与部
12S・・・処理液吐出用ヘッド
13・・・処理液乾燥ゾーン
14・・・インク吐出部
15・・・インク乾燥ゾーン
16・・・紫外線照射部
16S・・・紫外線照射ランプ
30K、30C、30M、30Y・・・インク吐出用ヘッド

Claims (14)

  1. 水、色材、インク組成物の全質量に対して0.3質量%以上10.0質量%以下の、90℃以上のガラス転移温度を有するポリマー粒子、インク組成物の全質量に対して0.05質量%以上5質量%以下の有機アミン、並びにインク組成物の全質量に対して0.01質量%以上1質量%以下の、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩から選ばれた少なくとも一種の無機塩を含有するインク組成物と、前記インク組成物と接触したときに凝集体を生成する酸性化合物を含有する処理液と、を含むインクジェット用インクセット。
  2. 前記有機アミンが、アミノアルコールである請求項1に記載のインクジェット用インクセット。
  3. 前記有機アミンが、トリエタノールアミンである請求項1又は請求項2に記載のインクジェット用インクセット。
  4. 前記有機アミンに対する無機塩の質量比が、1/3以上1/10以下である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のインクジェット用インクセット。
  5. 前記無機塩が、塩酸塩及び硝酸塩から選ばれた少なくとも一種である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のインクジェット用インクセット。
  6. 前記無機塩が、塩化リチウム、硝酸リチウム、塩化カリウム及び硝酸カリウムから選ばれた少なくとも一種である請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のインクジェット用インクセット。
  7. 前記ポリマー粒子が、120℃以上のガラス転移温度を有する請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のインクジェット用インクセット。
  8. 前記インク組成物のpHが、7.5以上13.0以下であり、前記処理液のpHが、0.1以上4.0以下である請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のインクジェット用インクセット。
  9. 前記インク組成物のpHが、7.5以上13.0以下であり、前記処理液のpHが、0.1以上0.5以下である請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のインクジェット用インクセット。
  10. 前記インク組成物が、更に、重合性化合物を含有する請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のインクジェット用インクセット。
  11. 前記インク組成物が、更に、重合開始剤を含有する請求項10に記載のインクジェット用インクセット。
  12. 原紙と無機顔料を含むコート層とを有する記録媒体に画像を形成するために用いられる請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載のインクジェット用インクセット。
  13. 原紙と無機顔料を含むコート層とを有する記録媒体上に、請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載のインクジェット用インクセットのインク組成物をインクジェット法によって付与して画像を形成するインク付与工程と、
    原紙と無機顔料を含むコート層とを有する記録媒体上に、前記インクジェット用インクセットの処理液を付与する処理液付与工程と、を含む画像形成方法。
  14. 記録媒体に、前記処理液付与工程で処理液を付与した後、前記インク付与工程で、インク組成物を付与する請求項13に記載の画像形成方法。
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