JP2004106568A - 車両の空調用ダクト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インストルメントパネル内部でその車幅方向両端に亘って延びるベントダクト1を上側ダクト半体39及び下側ダクト半体41に分割する。両ダクト半体39,41の重合部に各ダクト半体39,41と一体に形成されて互いに溶着される上側フランジ43及び下側フランジ45を設ける。上側ダクト半体39の上側フランジ43近傍に下方へ延びる上側リブ47を形成する一方、下側ダクト半体41の下側フランジ45近傍に前記上側リブ47に対向して延びる下側リブ49を形成する。上側リブ47の下部に薄肉部47bを形成し、下側リブ49の溝部49aに嵌合させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の室内に配設される空調装置のダクトに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両のインストルメントパネル内部には空調装置が配設されており、この空調装置には空調エアを車室の各部に導くための空調用ダクトが設けられている。この種の空調用ダクトとして、インストルメントパネル内部で車幅方向に延びるように形成されるとともに、その両端の吹出口がインストルメントパネルの車幅方向両端のサイドベンチレータにそれぞれ接続されるように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1の空調用ダクトは、上側ダクト半体と下側ダクト半体とに半割状に分割されていて、各々は樹脂繊維材をプレス成形してなり、成形後、重合部に設けたフランジを熱プレスで溶着して一体化するようにしている。
【0003】
また、前記のようにインストルメントパネル内部で車幅方向に延びる空調用ダクトとして、ブロー成形により一体に形成されたものも知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002―87045号公報(第3頁、図1〜3)
【特許文献2】
特開平9―2047号公報(第3頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、インストルメントパネル内部には電装部品等が多数配設されるようになり、スペース効率の向上が検討されている。その際、インストルメントパネル内部の空調用ダクトは、前記の如くインストルメントパネルの車幅方向両端に亘って延びるものであることから、この空調用ダクトをインストルメントパネルの補強部材(インストルメントパネルメンバ)として利用することが考えられる。
【0006】
しかしながら、前記特許文献1においては、上側ダクト半体と下側ダクト半体とが平板状の樹脂繊維材をプレス成形してなるものとされていて、両ダクト半体のフランジを熱プレスで溶着しただけなので、インストルメントパネルメンバとしての十分な剛性を確保できない虞れがある。また、特許文献2においても、ダクトはブロー成形品であるため十分な剛性を確保することが困難である。
【0007】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、空調用ダクトの剛性を十分に高めて該空調用ダクトをインストルメントパネルメンバとして利用できるようにし、インストルメントパネル内部のスペース効率を向上させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明では、各ダクト半体に長手方向に延びるリブを形成し、互いに嵌合させるようにした。
【0009】
具体的には、車両のインストルメントパネル内部で車幅方向に延び、少なくとも長手方向両端に空調エアの吹出口がそれぞれ形成された車両の空調用ダクトを対象とする。そして、長手方向に延び外方に突出するフランジを有する半割状の第1ダクト半体及び第2ダクト半体からなり、両ダクト半体を、閉断面を構成するよう各々のフランジを互いに重合させて一体に溶着し、前記第1ダクト半体のフランジ内寄りには、前記第2ダクト半体側へ突出する第1リブを長手方向に沿って形成し、前記第2ダクト半体のフランジ内寄りには、前記第1リブの先端に対向するように前記第1ダクト半体側へ突出する第2リブを長手方向に沿って形成し、前記第1リブの先端と第2リブの先端とは互いに嵌合している構成とする。
【0010】
この構成によれば、第1ダクト半体と第2ダクト半体とを一体化する際、第1リブと第2リブとを互いに嵌合させてから各々のフランジを互いに一体に溶着する。この際、第1リブと第2リブとがダクトの長手方向に沿って形成されていて両リブが互いに嵌合しているので、ダクトの剛性を十分に高めることができ、これにより、インストルメントパネルメンバとして利用するに十分な剛性を有する空調用ダクトを得ることができ、よって、インストルメントパネル内部のスペース効率を向上できる。
【0011】
請求項2の発明では、2つのダクト半体のフランジに突条部及び凹条部をそれぞれ形成し、互いに嵌合させるようにした。
【0012】
具体的には、車両のインストルメントパネル内部で車幅方向に延び、少なくとも長手方向両端に空調エアの吹出口がそれぞれ形成された車両の空調用ダクトを対象とする。そして、長手方向に延び外方に突出するフランジを有する半割状の第1ダクト半体及び第2ダクト半体からなり、両ダクト半体を、閉断面を構成するよう各々のフランジを互いに重合させて一体に溶着し、前記第1ダクト半体のフランジには、前記第2ダクト半体のフランジ側へ突出して長手方向に延びる突条部を形成し、前記第2ダクト半体のフランジには、前記突条部の先端に対向するように凹条部を形成し、前記突条部は前記凹条部に嵌合している構成とする。
【0013】
この構成によれば、第1ダクト半体と第2ダクト半体とを一体化する際、第1ダクト半体の突条部を第2ダクト半体の凹条部に嵌合させてからフランジを互いに一体に溶着する。この際、前記請求項1の発明と同様に、ダクト長手方向に延びる突条部が凹条部に嵌合しているので、ダクトの剛性を十分に高めることができ、これにより、空調用ダクトをインストルメントパネルメンバとして利用でき、よって、インストルメントパネル内部のスペース効率を向上できる。
【0014】
請求項3の発明では、ダクト半体をガスインジェクション成形するようにした。
【0015】
具体的には、車両のインストルメントパネル内部で車幅方向に延び、少なくとも長手方向両端に空調エアの吹出口がそれぞれ形成された車両の空調用ダクトを対象とする。そして、長手方向に延び外方に突出するフランジを有する半割状の第1ダクト半体及び第2ダクト半体からなり、両ダクト半体を、閉断面を構成するよう各々のフランジを互いに重合させて一体に溶着し、前記第1及び第2ダクト半体の少なくとも一方は、ガスインジェクション成形されて長手方向に延びる複数の中空部を有し、該中空部周りが外方へ膨出している構成とする。
【0016】
この構成によれば、第1ダクト半体及び第2ダクト半体の少なくとも一方に長手方向に延びる中空部が形成され、その周りが外方へ膨出しているので、当該ダクト半体の剛性が高まり、これにより、両ダクト半体を重合させてなるダクトをインストルメントパネルメンバとして利用でき、よって、インストルメントパネル内部のスペース効率を向上できる。
【0017】
請求項4の発明では、請求項1〜3のいずれか1つの発明において、第1ダクト半体及び第2ダクト半体を、空調機器を収容する空調ユニットのケースの一部とそれぞれ一体に形成する構成とする。
【0018】
この構成によれば、両ダクト半体とケースの一部とが一体に形成されるので、ダクトの剛性をより一層高めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
(実施形態1)
図2は、本発明の実施形態1に係る空調用ダクトとしてのベントダクト1を備える空調装置3を示し、この空調装置3は、車室の前端に配設されたインストルメントパネル内部に収容される。図示しないが、インストルメントパネルの車幅方向両端近傍には、空調エアを吹き出すサイドベンチレータがそれぞれ設けられ、その左右のサイドベンチレータの間の略中央部には、一対のセンタベンチレータが車幅方向に並んで設けられている。
【0021】
前記空調装置3は空調エアを生成する空調ユニット5を備えており、該空調ユニット5からの空調エアは前記ベントダクト1によりインストルメントパネルの前記各ベンチレータに導かれるようになっている。
【0022】
前記空調ユニット5は、インストルメントパネル内部の車幅方向略中央に配設されており、空調機器としての熱交換器7,9(図4に示す)やブロア(図示せず)を収容するケース13を備えている。該ケース13は、図3に示すように、箱状の車体前側ケース構成部材15と、該前側ケース構成部材15の車体後側を覆うパネル状の後側ケース構成部材17との組合わせ体で構成されており、振動溶着により互いに接合されている。
【0023】
前記前側ケース構成部材15は、車幅方向に分割された左側分割材21と右側分割材23との組合わせ体で構成されており、これら両分割材21,23は樹脂材料の射出成形品とされている。左側分割材21及び右側分割材23は、それぞれの向かい合う側の全体が開口した大略箱状をなすように成形され、各々の開口端部同士を突き合わせて振動溶着により一体に接合されている。
【0024】
前記前側ケース構成部材15の下半部は、相対的に大きい矩形箱状に形成されて熱交換器収容部25を構成しているとともに、上半部は有底円筒状に形成されてブロア収容部27を構成している。該ブロア収容部27の車体左側には、空調装置3の組み立て時に前記ブロアを挿入するための開口21aが形成されており、円盤状のキャップ29により閉塞されるようになっている。
【0025】
図4に示すように、このブロア収容部27の下部が熱交換器収容部25の上部と連通しており、前記ブロアにより空気取入口(図示せず)からブロア収容部27に取り入れられた空気が熱交換器収容部25に送風され、該熱交換器収容部25に収容固定された冷却用熱交換器7及び加熱用熱交換器9を経て空調エアとなる。
【0026】
前記後側ケース構成部材17は、前記前側ケース構成部材15の上端近傍から下端近傍に亘って延びており、その上下方向略中央部に前記ベントダクト1が隣接配置された状態で一体に形成されている。そして、この後側ケース構成部材17とベントダクト1とが連なった部分には、ケース13内部とベントダクト1とを連通させる連通口31が形成されている。
【0027】
前記ベントダクト1は、図2に示すように、インストルメントパネルの左側サイドベンチレータから右側サイドベンチレータに亘って延びるサイド用ベントダクト35と、該サイド用ベントダクト35の車幅方向略中央から分岐して車体後方へ延びる一対のセンタ用ベントダクト37,37とからなる。サイド用ベントダクト35は全体的に略円形状の閉断面を有するとともに略水平に延びていて、その両端側は車体後方へ直角に曲げられてそれぞれの端部開口(吹出口)35a,35aが前記サイドベンチレータに接続されている。また、前記一対のセンタ用ベントダクト37,37は車幅方向に並んでおり、それらは車体後側へ行くほど互いに車幅方向に離れるように形成されていて、その端部開口37a,37aがそれぞれ前記センタベンチレータに接続されている。このセンタ用ベントダクト37,37も略円形状の閉断面を有している。
【0028】
そして、前記空調ユニット5で生成された空調エアは、サイド用ベントダクト35の車幅方向略中央部に流入した後、該サイド用ベントダクト35を車幅方向両側に流れて端部開口35a,35aからサイドベンチレータを介してそれぞれ車室に供給される。さらに、サイド用ベントダクト35に流入した空調エアは、センタ用ベントダクト37,37を車体後側へ流れて端部開口37a,37aからセンタベンチレータを介して車室に供給される。
【0029】
図3に示すように、前記ベントダクト1は上下方向に分割されていて、共に車幅方向に延びるように射出成形された上側ダクト半体(第1ダクト半体)39と下側ダクト半体(第2ダクト半体)41とからなり、従って、このベントダクト1と一体の後側ケース構成部材17も上下方向に分割されている。上側ダクト半体39は断面略半円状に形成され長手方向両端に半円状の上側開放部35b,35bが形成されるとともに、センタ用ベントダクト37,37の端部開口37a,37aに対応して半円状の上側開放部37b,37bが形成されている。一方、下側ダクト半体41は同様に断面略半円状に形成され、長手方向両端に下側開放部35c,35cが形成されるとともに、センタ用ベントダクト37,37の端部開口37a,37aに対応して下側開放部37c,37cが形成されている。
【0030】
前記上側ダクト半体39及び下側ダクト半体41の重合部には、両ダクト半体39,41を一体化する際に互いに重合させて溶着する上側フランジ43及び下側フランジ45がそれぞれ一体に形成されている。これら一対のフランジ43,45は両ダクト半体39,41の車体前側及び後側にそれぞれ突出しており、各上側フランジ43及び下側フランジ45は、図1に示すように、サイド用ベントダクト35の分割面と略同じ方向でかつ該ダクト35の長手方向に延びている。上側フランジ43の下面には下方へ突出する一対の突条部43a,43aがサイド用ベントダクト35の長手方向に沿って形成されており、該突条部43a,43aは断面略矩形状とされ、上側フランジ43のダクト35内側及び外側に互いに離れて略平行に延びている。一方、下側フランジ45の上面は略平坦面とされており、前記突条部43a,43aと下側フランジ45の上面とが振動溶着により接合されるようになっている。
【0031】
本発明の特徴として、前記上側ダクト半体39の車体前側のフランジ43内寄り及び後側のフランジ43内寄りには、略鉛直下方へ延びる上側リブ47がそれぞれ形成されている。該上側リブ47はサイド用ベントダクト35の長手方向に連続して延びており、上側が相対的に厚肉の厚肉部47aとされ、該厚肉部47aはその下端面が上側フランジ43の下面と略同一面に位置するまで延びており、下端面の厚み方向略中央部から薄肉部47bが下方へ延びている。
【0032】
一方、下側ダクト半体41のフランジ45近傍には、前記上側リブ47の先端に対向して略鉛直上方へ延びる下側リブ49が形成されている。該下側リブ49は、前記上側リブ47の厚肉部47aと略同じ肉厚を有しており、上端面が該厚肉部47aに近接するまで延びている。この下側リブ49の厚み方向略中央部には、前記上側リブ47の薄肉部47bが嵌合する溝部49aが形成されており、前記上側リブ47及び下側リブ49が互いに嵌合している。尚、空調エアは、車体前側に位置する上側リブ47及び下側リブ49と、後側に位置する上側リブ47及び下側リブ49との間を流れるようになっている。
【0033】
また、前記ベントダクト1の下側ダクト半体41の車幅方向両端には、図2に示すように、車体外方へ延びる一対のフランジ55,55が設けられており、該一対のフランジ55,55は、それぞれに形成された取付口55a,55aにボルト(図示せず)を挿通して車体のサイドパネル部材(図示せず)に締結固定されるようになっている。そして、ベントダクト1にインストルメントパネルの所定箇所が固定され、該インストルメントパネルが補強されるようになっている。
【0034】
したがって、この実施形態1によれば、上側ダクト半体39と下側ダクト半体41とを一体化する際、上側リブ47の薄肉部47bを下側リブ49の溝部49aに嵌合させて上側フランジ43及び下側フランジ45を重合させる。これにより、上側ダクト半体39の上側開放部35b,35b,37b,37b及び下側ダクト半体41の下側開放部35c,35c,37c,37cにより端部開口35a,35a,37a,37aが形成される。そして、上側フランジ43の突条部43a,43aを下側フランジ45の上面に当接させて、振動溶着機により互いに溶着することで、上側フランジ39及び下側フランジ41間がシールされたベントダクト1を得ることができる。
【0035】
この際、上側リブ47及び下側リブ49は、上側ダクト半体39及び下側ダクト半体41の長手方向に延びるとともに、両ダクト半体39,41とそれぞれ一体に形成されているので、両ダクト半体39,41の各々の剛性を高めることができる。そして、上側リブ47の薄肉部47bを下側リブ49の溝部49aに嵌合しているので、両ダクト半体39,41の強度を高めることができるとともに、ベントダクト1の剛性を十分に高めることができ、これにより、該ベントダクト1をインストルメントパネルメンバとして利用することができ、よって、インストルメントパネル内部のスペース効率を向上できる。
【0036】
また、薄肉部47bが溝部49aに嵌合しているので、センタ用ベントダクト37を流れる空調エアが上側リブ47及び下側リブ49の間を通ってフランジ43,45側へ流れることを十分に抑制でき、よって、両フランジ43,45間からの空調エアの洩れを防止できる。
【0037】
さらに、前記上側リブ47及び下側リブ49とは互いに嵌合しているため、両ダクト半体39,41を長手方向に相対振動させて溶着する際、両ダクト半体39,41の車体前後方向(図1の左右方向)の相対変位が規制され、各フランジ43,45における溶着面のずれを防止することができる。
【0038】
尚、上側ダクト半体39と下側ダクト半体41とを振動溶着する際、上側リブ47の薄肉部47bと下側リブ49の溝部49aとを溶着するようにしてもよく、こうすることで、ベントダクト1の剛性をより高めることができるとともに、溶融したバリが溝部49aと前記薄肉部47bとの間の隙間に充填されて固化するためシール性をより向上できる。
【0039】
また、この実施形態1では、上側リブ47及び下側リブ49をサイド用ベントダクト35の長手方向に連続して形成するようにしているが、断続的に設けるようにしてもよい。また、下側リブ49に薄肉部を形成し、上側リブ47に溝部を形成して、両者を互いに嵌合させるようにしてもよい。
【0040】
(実施形態2)
図5は、本発明の実施形態2を示しており、この実施形態2のサイド用ベントダクト35と実施形態1のものとは、上側ダクト半体39及び下側ダクト半体41の重合部の構造が異なるだけなので、以下、同一の部分には同一の符号を付し異なる部分だけを説明する。
【0041】
すなわち、上側ダクト半体39及び下側ダクト半体41の実施形態1における上側リブ47及び下側リブ49を省略し、上側ダクト半体39のフランジ43に中間突条部43bを形成し、下側ダクト半体41のフランジ45に前記中間突条部43bが嵌合する凹条部45aを形成するようにしている。
【0042】
具体的には、前記上側フランジ43及び下側フランジ45の幅を前記実施形態1のものよりも広く形成し、上側フランジ43の一対の溶着用突条部43a,43aの間隔を広くしている。該一対の突条部43a,43a間に各突条部43aよりも下方へ突出する中間突条部43bが形成されており、該中間突条部43bは、前記各突条部43aと略平行に延びている。一方、下側フランジ45には、前記中間突条部43bに対応して下方へ窪む凹条部45aが形成されており、この凹条部45aの深さは両ダクト半体39,41を重合させた状態で前記中間突条部43bの先端面が底面に近接するように設定されている。
【0043】
この実施形態2によれば、上側ダクト半体39の上側フランジ43に中間突条部43bを設け、下側ダクト半体41の下側フランジ45に凹条部45aを設けたので、両ダクト半体39,41の各々の剛性を高めることができる。そして、中間突条部43bを凹条部45aに嵌合させることで、両ダクト半体39,41の強度を高めることができるとともに、ベントダクト1の剛性を向上できる。
【0044】
この際、中間突条部43bが凹条部45aに嵌合しているので、上側フランジ43及び下側フランジ45間のシール性を向上できる。
【0045】
尚、中間突条部43bと凹条部45aとを溶着するようにすれば、中間突条部43bと凹条部45aとの間の隙間に、溶着時に溶融したバリが充填されて固化するため、さらにシール性が向上する。
【0046】
また、中間突条部43b及び凹条部45aは、ダクト35内側に位置する溶着用突条部43aよりもダクト35内側に形成してもよく、また、ダクト35外側に位置する溶着用突条部43aよりもダクト35外側に形成してもよい。
【0047】
さらに、下側フランジ45に中間突条部を形成し、上側フランジ43に凹条部を形成して、両者を互いに嵌合させるようにしてもよい。
【0048】
(実施形態3)
図6は、本発明の実施形態3を示しており、この実施形態3のサイド用ベントダクト35と実施形態2のものとは、上側ダクト半体39及び下側ダクト半体41の重合部の構造と、両ダクト半体39,41の成形方法が異なるだけなので、以下、同一の部分には同一の符号を付し異なる部分だけを説明する。
【0049】
すなわち、上側ダクト半体39及び下側ダクト半体41は、それぞれガスインジェクション成形方法により成形されており、その際の高圧ガスが長手方向に流通するガス通路(中空部)61aが両ダクト半体39,41の周方向に離れて3つずつ形成されている。各ガス通路61aの周りは外方へ膨出して膨出部61を形成している。
【0050】
この実施形態3によれば、上側ダクト半体39及び下側ダクト半体41に中空状の膨出部61,61,…を形成したので、両ダクト半体39,41の各々の剛性を高めることができ、よって、高剛性のベントダクト1を得ることができる。
【0051】
尚、膨出部61は上側ダクト半体39及び下側ダクト半体41の一方にのみ形成するようにしてもよく、また、膨出部61の数は3つに限られるものではない。
【0052】
(実施形態4)
図7は、本発明の実施形態4を示しており、前記実施形態1〜3のサイド用ベントダクト35(概略形状を示す)を樹脂製の箱状体により囲まれた状態で一体に形成するようにしており、以下、各実施形態と同一の部分には同一の符号を付し異なる部分だけを説明する。
【0053】
すなわち、箱状体は、サイド用ベントダクト35の車体前側及び後側でそれぞれ車幅方向に延びる縦壁53,53と、これら縦板53,53に連繋しかつサイド用ベントダクト35の外周面に連なるリブ51,51とからなる。各縦板53は両ダクト半体39,41の分割面において上下に分割されていて、それぞれがリブ51を介してダクト半体39,41と一体に形成されており、両ダクト半体39,41を一体に振動溶着することにより箱状体が構成されて、ベントダクト1の剛性をより一層向上できる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る車両の空調用ダクト構造によると、フランジを有する第1ダクト半体及び第2ダクト半体からなり、両ダクト半体のフランジを互いに重合させて一体に溶着し、第1ダクト半体のフランジ内寄りに第1リブを長手方向に沿って形成し、第2ダクト半体のフランジ内寄りに第2リブを長手方向に沿って形成し、第1リブの先端と第2リブの先端とは互いに嵌合しているので、ダクトの剛性を十分に高めることができ、これにより、インストルメントパネルメンバとして利用するに十分な剛性を有する空調用ダクトを得ることができ、よって、インストルメントパネル内部のスペース効率を向上できる。
【0055】
請求項2記載の発明によると、フランジを有する第1ダクト半体及び第2ダクト半体からなり、両ダクト半体のフランジを互いに重合させて一体に溶着し、第1ダクト半体のフランジに長手方向に延びる突条部を形成し、第2ダクト半体のフランジに凹条部を形成し、突条部が前記凹条部に嵌合しているので、ダクトの剛性を十分に高めることができ、これにより、空調用ダクトをインストルメントパネルメンバとして利用して、インストルメントパネル内部のスペース効率を向上できる。
【0056】
請求項3記載の発明によると、フランジを有する第1ダクト半体及び第2ダクト半体からなり、両ダクト半体のフランジを互いに重合させて一体に溶着し、第1ダクト半体及び第2ダクト半体の少なくとも一方は、ガスインジェクション成形されて長手方向に延びる複数の中空部を有し、該中空部周りが外方へ膨出しているので、当該ダクト半体の剛性が高まり、これにより、ダクトをインストルメントパネルメンバとして利用して、インストルメントパネル内部のスペース効率を向上できる。
【0057】
請求項4記載の発明によると、第1ダクト半体及び第2ダクト半体を空調ユニットのケースの一部とそれぞれ一体に形成したので、ダクトの剛性をより一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のA−A線における断面図である。
【図2】本発明の実施形態1を示し、空調装置を車体後側から見た斜視図である。
【図3】空調装置の分解斜視図である。
【図4】図2のB−B線における断面図である。
【図5】実施形態2に係る図1相当図である。
【図6】実施形態3に係る図1相当図である。
【図7】実施形態4に係るサイド用ベントダクトの車幅方向左側を示す斜視図である。
【符号の説明】
5 空調ユニット
7 冷却用熱交換器(空調機器)
9 加熱用熱交換器(空調機器)
17 後側ケース構成部材
35 サイド用ベントダクト(空調用ダクト)
35a 端部開口(吹出口)
39 上側ダクト半体(第1ダクト半体)
41 下側ダクト半体(第2ダクト半体)
43 上側フランジ
43b 中間突条部(突条部)
45 下側フランジ
45a 凹条部
47 上側リブ(第1リブ)
49 下側リブ(第2リブ)
61a ガス通路(中空部)
Claims (4)
- 車両のインストルメントパネル内部で車幅方向に延び、少なくとも長手方向両端に空調エアの吹出口がそれぞれ形成された車両の空調用ダクトであって、
長手方向に延び外方に突出するフランジを有する半割状の第1ダクト半体及び第2ダクト半体からなり、両ダクト半体は、閉断面を構成するよう各々のフランジを互いに重合させて一体に溶着され、
前記第1ダクト半体のフランジ内寄りには、前記第2ダクト半体側へ突出する第1リブが長手方向に沿って形成され、
前記第2ダクト半体のフランジ内寄りには、前記第1リブの先端に対向するように前記第1ダクト半体側へ突出する第2リブが長手方向に沿って形成され、
前記第1リブの先端と第2リブの先端とは互いに嵌合していることを特徴とする車両の空調用ダクト。 - 車両のインストルメントパネル内部で車幅方向に延び、少なくとも長手方向両端に空調エアの吹出口がそれぞれ形成された車両の空調用ダクトであって、
長手方向に延び外方に突出するフランジを有する半割状の第1ダクト半体及び第2ダクト半体からなり、両ダクト半体は、閉断面を構成するよう各々のフランジを互いに重合させて一体に溶着され、
前記第1ダクト半体のフランジには、前記第2ダクト半体のフランジ側へ突出して長手方向に延びる突条部が形成され、
前記第2ダクト半体のフランジには、前記突条部の先端に対向するように凹条部が形成され、前記突条部は前記凹条部に嵌合していることを特徴とする車両の空調用ダクト。 - 車両のインストルメントパネル内部で車幅方向に延び、少なくとも長手方向両端に空調エアの吹出口がそれぞれ形成された車両の空調用ダクトであって、
長手方向に延び外方に突出するフランジを有する半割状の第1ダクト半体及び第2ダクト半体からなり、両ダクト半体は、閉断面を構成するよう各々のフランジを互いに重合させて一体に溶着され、
前記第1ダクト半体及び第2ダクト半体の少なくとも一方は、ガスインジェクション成形されて長手方向に延びる複数の中空部を有し、該中空部周りが外方へ膨出していることを特徴とする車両の空調ダクト。 - 請求項1〜3のいずれか1つにおいて、
第1ダクト半体及び第2ダクト半体は、空調機器を収容する空調ユニットのケースの一部とそれぞれ一体に形成されていることを特徴とする車両の空調ダクト。
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