JP2004203137A - 車両用インストルメントパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】インストルメントパネル内に空気流路を形成する場合に、コストの低減を図ると共にインストルメントパネルへのダクト又はダクト部材の取り付け作業を不要とした車両用インストルメントパネルを提供する。
【解決手段】インストルメントパネル1は、アッパーパネル部材3とロアーパネル部材2とを有して構成され、アッパーパネル部材3とロアーパネル部材2とを組み付けた場合に、これらパネル部材の間に空気流路(サイドデフ通路11)を画成するダクト14を一体に形成する。
【選択図】 図2
【解決手段】インストルメントパネル1は、アッパーパネル部材3とロアーパネル部材2とを有して構成され、アッパーパネル部材3とロアーパネル部材2とを組み付けた場合に、これらパネル部材の間に空気流路(サイドデフ通路11)を画成するダクト14を一体に形成する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気流路を画成するダクトが一体に形成される車両用インストルメントパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
現行の車両に搭載される車両用空調用ダクトは、ブロー成形品にてダクトを成形し、ネジなどを用いてインストルメントパネルに固定するものや、特許文献1又は2などに示されるように、エア通路を形成したダクト部材をインストルメントパネル本体の裏側に設置して構成するものなどが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−211405号公報(0017欄、図1参照)
【特許文献2】
特開2000−264095号公報(0010〜0012欄、図1参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ダクト又はダクト部材をインストルメントパネルに取り付ける上述した構成によれば、インストルメントパネルの他にダクトやダクト部材の成形型が必要となり、コストが増加する不都合がある。また、ダクトやダクト部材が別途必要となることから、部品点数が増加し、これらをインストルメントパネルへ取り付ける作業が必要となるので、作業工数も多くなる。
【0005】
そこで、この発明においては、インストルメントパネルが通常においてアッパーパネル部材とロアーパネル部材とを嵌合して構成されることに鑑み、これらパネル部材を利用することで上述した不都合を解消し、インストルメントパネル内に空気流路を形成する場合に、コストの低減を図ると共にダクト又はダクト部材の取り付け作業を不要とした車両用インストルメントパネルを提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、この発明に係る車両用インストルメントパネルは、アッパーパネル部材とこれに嵌合するロアーパネル部材とを有し、アッパーパネル部材とロアーパネル部材とを嵌合させることで、これらパネル部材の間に空気流路を画成するダクトを一体に形成したことを特徴としている(請求項1)。
【0007】
したがって、空気流路を画成するダクトがインストルメントパネルを構成するアッパーパネル部材とロアーパネル部材とを嵌合して構成されるので、インストルメントパネルの組み付けが終了すれば内部にダクトが一体に形成されるので、ダクトを形成するためにインストルメントパネルに別部材を取付ける作業が不要となる。
【0008】
ここで、アッパーパネル部材とロアーパネル部材との間に形成される空気流路を画成するダクトは、アッパーパネル部材にロアーパネル部材に向って延設されたダクト構成壁部を一体に形成し、このダクト構成壁部をロアーパネル部材に形成された溝部の側縁に当接して構成されるものであってもよい(請求項2)。
【0009】
また、アッパーパネル部材とロアーパネル部材との間に形成される空気流路を画成するダクトは、アッパーパネル部材にロアーパネル部材に向って延設されたダクト構成壁部を一体に形成し、このダクト構成壁部をロアーパネル部材の対峙する部分に当接して構成されるものであっても(請求項3)、ロアーパネル部材にアッパーパネル部材に向って延設されたダクト構成壁部を一体に形成し、このダクト構成壁部をアッパーパネル部材の対峙する部分に当接して構成されるものであってもよい(請求項4)。
【0010】
さらに、アッパーパネル部材とロアーパネル部材との間に形成される空気流路を画成するダクトは、アッパーパネル部材にロアーパネル部材に向って延設されたアッパー側のダクト構成壁部を一体に形成し、ロアーパネル部材にアッパーパネル部材に向って延設されたロアー側のダクト構成壁部を一体に形成し、アッパー側のダクト構成壁部をロアー側のダクト構成壁部に当接して構成されるものであってもよい(請求項5)。
【0011】
尚、上述したダクト構成壁部の当接部分には、シール部材を介在させて気密性を確保するとよい(請求項6)。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面により説明する。図1において、本発明に係るインストルメントパネル1は、樹脂材によって構成されたアッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とを嵌合して構成されている。
【0013】
ロアーパネル部材3は、空調ユニットや電装部品を覆うように設けられた表皮部材となるもので、車体両脇に設けられた図示しないブラケットに装着されて固定されており、車幅のほぼ全体にわたって設けられている。このロアーパネル部材3には、運転席側において、ステアリングコラムを取り付けるステアリングコラム取付開口部4や計器類を取り付ける計器取付開口部5が形成されている。また、中央部において、ナビゲーション装置などの電装品を取り付ける電装品取付開口部6aが形成され、助手席側において、エアバッグ装置を取り付けるエアバッグ取付開口部6bなどが形成されている。さらに、ロアーパネル部材3の上部には、その前縁部近傍において車幅方向に延設されたセンタデフ通路用溝部7と、このセンタデフ通路用溝部7に連接し、車幅方向に延びると共に両端部が車室側へ延設されたサイドデフ通路用溝部8とが一体に形成され、これら溝部の連接部分には、図示しない空調ユニットから供給される空調風を導入するデフロストエア導入口9が形成されている。
【0014】
尚、上述のロアーパネル部材3は、細部が省略されているが、空調ユニットから供給される空調風を吹き出すセンタベント吹出口やサイドベント吹出口なども有している。
【0015】
これに対して、アッパーパネル部材2は、ロアーパネル部材3の上部を覆うように平板状に形成されているもので、センタデフ通路用溝部7との間で閉断面の空間が画成され、この閉断面の空間によってセンタデフ通路が構成されている。
また、サイドデフ通路用溝部8との間で閉断面の空間が画成され、この閉断面の空間によってサイドデフ通路が画成されている。そして、センタデフ通路用溝部7と対峙する部分にはデフロスト吹出口10が形成されている。
【0016】
図2において、インストルメントパネル1のアッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とを嵌合させた状態が示されている。ここで示される部分は、サイドデフ通路用溝部8を横断するように図1のA−A線で切断したもので、この構成例においては、両パネル部材2,3で構成されるサイドデフ通路11のダクト14が、アッパーパネル部材2にロアーパネル部材3に向って延設された対をなすダクト構成壁部12,13を一体に形成し、このダクト構成壁部12,13をロアーパネル部材3に形成されたサイドデフ通路用溝部8の側縁に当接させることで構成されている。
【0017】
したがって、上述の構成によれば、サイドデフ通路11を画成するダクト14がアッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とを嵌合させることによって構成されるので、インストルメントパネル1の組み付けが終了すればインストルメントパネル1の内部にダクト14が一体に形成されることとなる。このため、ダクト14を形成するためにインストルメントパネル1に別部材を取付ける必要がなくなり、組み付け作業の効率を高めることが可能となる。
【0018】
また、サイドデフ通路11を形成するダクト構成壁部12,13がアッパーパネル部材2に一体に形成されているので、部品点数の増加がなくなり、インストルメントパネル1の他にダクト14を構成する部材の成形型が不要となり、コストを削減することが可能となる。特に、インストルメントパネル1にダクト14が一体に形成されるので、ダクト14のレイアウトも容易となり、また、ダクト構成壁部12,13が補強リブの役割を担うので、アッパーパネル部材2の強度を高めることも可能となる。さらに、ダクト14がアッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とを嵌合させて構成されるので、アッパーパネル部材2を取り外すことでダクト内を清掃できるメリットも有する。
【0019】
アッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とを嵌合させて構成されるサイドデフ通路11のダクト14は、上述した構成に限定されるものではなく、例えば、図3(a)に示されるように、アッパーパネル部材2にロアーパネル部材3へ向って延設された対をなすダクト構成壁部12,13を一体に形成し、このダクト構成壁部12,13を平坦に形成されたロアーパネル部材3の対峙する部分に当接して構成するようにしても、図3(b)に示されるように、ロアーパネル部材3にアッパーパネル部材2へ向って延設された対をなすダクト構成壁部15,16を一体に形成し、このダクト構成壁部15,16を平坦に形成されたアッパーパネル部材2の対峙する部分に当接して構成するようにしてもよい。
【0020】
また、サイドデフ通路11を画成するダクト14は、アッパーパネル部材2にロアーパネル部材3へ向って延設された対をなすアッパー側のダクト構成壁部17,18を一体に形成し、また、ロアーパネル部材3にアッパーパネル部材2へ向って延設された対をなすロアー側のダクト構成壁部19,20を一体に形成し、アッパー側のダクト構成壁部17,18をロアー側のダクト構成壁部19,20に当接して構成されるものであってもよい。この際、一方のダクト構成壁部19,20に段部19a,20aを形成し、他方のダクト構成壁部17,18の端部を段部19a,20aに当接して位置決めしてもよい。
【0021】
また、以上のダクト構成壁部12,13,15〜20に対し、図4に示されるように、当接部分にシール部材21を介在させ、気密性を確保するようにしてもよい。
【0022】
例えば、図2の構成に対しては、図4(a)に示されるように、アッパーパネル部材2のダクト構成壁部12,13の端部にフランジ部12a,13aを形成し、このフランジ部12a,13aとロアーパネル部材3に形成されたサイドデフ通路用溝部8の側縁とをシール部材21を介して当接させてもよい。
【0023】
また、図3(a)の構成に対しては、図4(b)に示されるように、アッパーパネル部材2のダクト構成壁部12,13の端部にフランジ部12a,13aを形成し、このフランジ部12a,13aとロアーパネル部材3とをシール部材21を介して当接させ、図3(b)の構成に対しては、図4(c)に示されるように、ロアーパネル部材3のダクト構成壁部15,16の端部にフランジ部15a,16aを形成し、このフランジ部15a,16aとアッパーパネル部材2とをシール部材21を介して当接させ、図3(c)の構成に対しては、図4(d)に示されるように、アッパーパネル部材2のダクト構成壁部17,18の端部とロアーパネル部材3のダクト構成壁部19,20に形成された段部19a,20aとをシール部材21を介して当接させてもよい。
【0024】
以上の構成は、アッパーパネル部材2やロアーパネル部材3の形状によって適宜組み合わせてもよく、また、シール部材21も、ダクト構成壁部の当接部分に鉛直方向に介在させても、水平方向に介在させてもよい。例えば、図4(e)に示されるように、アッパーパネル部材2にロアーパネル部材3に向って延設された対をなすダクト構成壁部12,13を形成し、このダクト構成壁部12,13をロアーパネル部材3に形成されたサイドデフ通路用溝部8の側縁に当接してダクト14を構成する場合には、一方のダクト構成壁部12を鉛直方向にシール部材21aを介在させて当接させ、他方のダクト構成壁部13を水平方向にシール部材21bを介在させて当接させるようにしてもよい。
【0025】
尚、以上の構成例においては、サイドデフ通路11を構成するダクト14の構成例を示したが、ベント通路を構成するダクトやその他の空気流路を構成するダクトにおいても、アッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とを嵌合させて同様に構成してもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、車両用インストルメントパネルを構成するアッパーパネル部材とロアーパネル部材とを嵌合させることで、これらパネル部材の間に空気流路を画成するダクトを一体に形成したので、インストルメントパネルの組み付けが終了すればダクトが内部に一体形成されることとなり、ダクトを形成するためにインストルメントパネルに別部材を取付ける必要がなくなる。
【0027】
このため、ダクトを形成するにあたり、部品点数の削減が図れると共にインストルメントパネルとは別に成形型が不要になり、コストの低減を図ることが可能となる。
【0028】
また、インストルメントパネルの成形時にダクト構成壁部が一体に形成されるので、インストルメントパネル内のダクトのレイアウトも容易に決定でき、また、ダクトとインストルメントパネルとのクリアランス確保が不要になり、さらには、ダクト構成壁部がインストルメントパネルの補強リブの役割を担うので、強度を向上させることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかる車両用インストルメントパネルを構成するアッパーパネル部材とロアーパネル部材とを示す分解斜視図である。
【図2】図2は、アッパーパネル部材とロアーパネル部材とを嵌合した状態を示す図1のA−A線で切断した断面図である。
【図3】図3は、インストルメントパネルに一体に形成されたダクトの態様を示す断面図であり、図3(a)は、アッパーパネル部材にダクト構成壁部を形成し、このダクト構成壁部をロアーパネル部材に当接してダクトを構成した例を示し、図3(b)は、ロアーパネル部材にダクト構成壁部を形成し、このダクト構成壁部をアッパーパネル部材に当接してダクトを構成した例を示し、図3(c)は、アッパーパネル部材とロアーパネル部材のそれぞれにダクト構成壁部を形成し、これらを当接させてダクトを構成した例を示す。
【図4】図4は、ダクトを構成するダクト構成壁部の当接部分にシール部材を介在させた態様を示す図である。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル
2 アッパーパネル部材
3 ロアーパネル部材
8 サイドデフ通路用溝部
11 サイドデフ通路
12,13,15,16,17,18,19,20 ダクト構成壁部
21 シール部材
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気流路を画成するダクトが一体に形成される車両用インストルメントパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
現行の車両に搭載される車両用空調用ダクトは、ブロー成形品にてダクトを成形し、ネジなどを用いてインストルメントパネルに固定するものや、特許文献1又は2などに示されるように、エア通路を形成したダクト部材をインストルメントパネル本体の裏側に設置して構成するものなどが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−211405号公報(0017欄、図1参照)
【特許文献2】
特開2000−264095号公報(0010〜0012欄、図1参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ダクト又はダクト部材をインストルメントパネルに取り付ける上述した構成によれば、インストルメントパネルの他にダクトやダクト部材の成形型が必要となり、コストが増加する不都合がある。また、ダクトやダクト部材が別途必要となることから、部品点数が増加し、これらをインストルメントパネルへ取り付ける作業が必要となるので、作業工数も多くなる。
【0005】
そこで、この発明においては、インストルメントパネルが通常においてアッパーパネル部材とロアーパネル部材とを嵌合して構成されることに鑑み、これらパネル部材を利用することで上述した不都合を解消し、インストルメントパネル内に空気流路を形成する場合に、コストの低減を図ると共にダクト又はダクト部材の取り付け作業を不要とした車両用インストルメントパネルを提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、この発明に係る車両用インストルメントパネルは、アッパーパネル部材とこれに嵌合するロアーパネル部材とを有し、アッパーパネル部材とロアーパネル部材とを嵌合させることで、これらパネル部材の間に空気流路を画成するダクトを一体に形成したことを特徴としている(請求項1)。
【0007】
したがって、空気流路を画成するダクトがインストルメントパネルを構成するアッパーパネル部材とロアーパネル部材とを嵌合して構成されるので、インストルメントパネルの組み付けが終了すれば内部にダクトが一体に形成されるので、ダクトを形成するためにインストルメントパネルに別部材を取付ける作業が不要となる。
【0008】
ここで、アッパーパネル部材とロアーパネル部材との間に形成される空気流路を画成するダクトは、アッパーパネル部材にロアーパネル部材に向って延設されたダクト構成壁部を一体に形成し、このダクト構成壁部をロアーパネル部材に形成された溝部の側縁に当接して構成されるものであってもよい(請求項2)。
【0009】
また、アッパーパネル部材とロアーパネル部材との間に形成される空気流路を画成するダクトは、アッパーパネル部材にロアーパネル部材に向って延設されたダクト構成壁部を一体に形成し、このダクト構成壁部をロアーパネル部材の対峙する部分に当接して構成されるものであっても(請求項3)、ロアーパネル部材にアッパーパネル部材に向って延設されたダクト構成壁部を一体に形成し、このダクト構成壁部をアッパーパネル部材の対峙する部分に当接して構成されるものであってもよい(請求項4)。
【0010】
さらに、アッパーパネル部材とロアーパネル部材との間に形成される空気流路を画成するダクトは、アッパーパネル部材にロアーパネル部材に向って延設されたアッパー側のダクト構成壁部を一体に形成し、ロアーパネル部材にアッパーパネル部材に向って延設されたロアー側のダクト構成壁部を一体に形成し、アッパー側のダクト構成壁部をロアー側のダクト構成壁部に当接して構成されるものであってもよい(請求項5)。
【0011】
尚、上述したダクト構成壁部の当接部分には、シール部材を介在させて気密性を確保するとよい(請求項6)。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面により説明する。図1において、本発明に係るインストルメントパネル1は、樹脂材によって構成されたアッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とを嵌合して構成されている。
【0013】
ロアーパネル部材3は、空調ユニットや電装部品を覆うように設けられた表皮部材となるもので、車体両脇に設けられた図示しないブラケットに装着されて固定されており、車幅のほぼ全体にわたって設けられている。このロアーパネル部材3には、運転席側において、ステアリングコラムを取り付けるステアリングコラム取付開口部4や計器類を取り付ける計器取付開口部5が形成されている。また、中央部において、ナビゲーション装置などの電装品を取り付ける電装品取付開口部6aが形成され、助手席側において、エアバッグ装置を取り付けるエアバッグ取付開口部6bなどが形成されている。さらに、ロアーパネル部材3の上部には、その前縁部近傍において車幅方向に延設されたセンタデフ通路用溝部7と、このセンタデフ通路用溝部7に連接し、車幅方向に延びると共に両端部が車室側へ延設されたサイドデフ通路用溝部8とが一体に形成され、これら溝部の連接部分には、図示しない空調ユニットから供給される空調風を導入するデフロストエア導入口9が形成されている。
【0014】
尚、上述のロアーパネル部材3は、細部が省略されているが、空調ユニットから供給される空調風を吹き出すセンタベント吹出口やサイドベント吹出口なども有している。
【0015】
これに対して、アッパーパネル部材2は、ロアーパネル部材3の上部を覆うように平板状に形成されているもので、センタデフ通路用溝部7との間で閉断面の空間が画成され、この閉断面の空間によってセンタデフ通路が構成されている。
また、サイドデフ通路用溝部8との間で閉断面の空間が画成され、この閉断面の空間によってサイドデフ通路が画成されている。そして、センタデフ通路用溝部7と対峙する部分にはデフロスト吹出口10が形成されている。
【0016】
図2において、インストルメントパネル1のアッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とを嵌合させた状態が示されている。ここで示される部分は、サイドデフ通路用溝部8を横断するように図1のA−A線で切断したもので、この構成例においては、両パネル部材2,3で構成されるサイドデフ通路11のダクト14が、アッパーパネル部材2にロアーパネル部材3に向って延設された対をなすダクト構成壁部12,13を一体に形成し、このダクト構成壁部12,13をロアーパネル部材3に形成されたサイドデフ通路用溝部8の側縁に当接させることで構成されている。
【0017】
したがって、上述の構成によれば、サイドデフ通路11を画成するダクト14がアッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とを嵌合させることによって構成されるので、インストルメントパネル1の組み付けが終了すればインストルメントパネル1の内部にダクト14が一体に形成されることとなる。このため、ダクト14を形成するためにインストルメントパネル1に別部材を取付ける必要がなくなり、組み付け作業の効率を高めることが可能となる。
【0018】
また、サイドデフ通路11を形成するダクト構成壁部12,13がアッパーパネル部材2に一体に形成されているので、部品点数の増加がなくなり、インストルメントパネル1の他にダクト14を構成する部材の成形型が不要となり、コストを削減することが可能となる。特に、インストルメントパネル1にダクト14が一体に形成されるので、ダクト14のレイアウトも容易となり、また、ダクト構成壁部12,13が補強リブの役割を担うので、アッパーパネル部材2の強度を高めることも可能となる。さらに、ダクト14がアッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とを嵌合させて構成されるので、アッパーパネル部材2を取り外すことでダクト内を清掃できるメリットも有する。
【0019】
アッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とを嵌合させて構成されるサイドデフ通路11のダクト14は、上述した構成に限定されるものではなく、例えば、図3(a)に示されるように、アッパーパネル部材2にロアーパネル部材3へ向って延設された対をなすダクト構成壁部12,13を一体に形成し、このダクト構成壁部12,13を平坦に形成されたロアーパネル部材3の対峙する部分に当接して構成するようにしても、図3(b)に示されるように、ロアーパネル部材3にアッパーパネル部材2へ向って延設された対をなすダクト構成壁部15,16を一体に形成し、このダクト構成壁部15,16を平坦に形成されたアッパーパネル部材2の対峙する部分に当接して構成するようにしてもよい。
【0020】
また、サイドデフ通路11を画成するダクト14は、アッパーパネル部材2にロアーパネル部材3へ向って延設された対をなすアッパー側のダクト構成壁部17,18を一体に形成し、また、ロアーパネル部材3にアッパーパネル部材2へ向って延設された対をなすロアー側のダクト構成壁部19,20を一体に形成し、アッパー側のダクト構成壁部17,18をロアー側のダクト構成壁部19,20に当接して構成されるものであってもよい。この際、一方のダクト構成壁部19,20に段部19a,20aを形成し、他方のダクト構成壁部17,18の端部を段部19a,20aに当接して位置決めしてもよい。
【0021】
また、以上のダクト構成壁部12,13,15〜20に対し、図4に示されるように、当接部分にシール部材21を介在させ、気密性を確保するようにしてもよい。
【0022】
例えば、図2の構成に対しては、図4(a)に示されるように、アッパーパネル部材2のダクト構成壁部12,13の端部にフランジ部12a,13aを形成し、このフランジ部12a,13aとロアーパネル部材3に形成されたサイドデフ通路用溝部8の側縁とをシール部材21を介して当接させてもよい。
【0023】
また、図3(a)の構成に対しては、図4(b)に示されるように、アッパーパネル部材2のダクト構成壁部12,13の端部にフランジ部12a,13aを形成し、このフランジ部12a,13aとロアーパネル部材3とをシール部材21を介して当接させ、図3(b)の構成に対しては、図4(c)に示されるように、ロアーパネル部材3のダクト構成壁部15,16の端部にフランジ部15a,16aを形成し、このフランジ部15a,16aとアッパーパネル部材2とをシール部材21を介して当接させ、図3(c)の構成に対しては、図4(d)に示されるように、アッパーパネル部材2のダクト構成壁部17,18の端部とロアーパネル部材3のダクト構成壁部19,20に形成された段部19a,20aとをシール部材21を介して当接させてもよい。
【0024】
以上の構成は、アッパーパネル部材2やロアーパネル部材3の形状によって適宜組み合わせてもよく、また、シール部材21も、ダクト構成壁部の当接部分に鉛直方向に介在させても、水平方向に介在させてもよい。例えば、図4(e)に示されるように、アッパーパネル部材2にロアーパネル部材3に向って延設された対をなすダクト構成壁部12,13を形成し、このダクト構成壁部12,13をロアーパネル部材3に形成されたサイドデフ通路用溝部8の側縁に当接してダクト14を構成する場合には、一方のダクト構成壁部12を鉛直方向にシール部材21aを介在させて当接させ、他方のダクト構成壁部13を水平方向にシール部材21bを介在させて当接させるようにしてもよい。
【0025】
尚、以上の構成例においては、サイドデフ通路11を構成するダクト14の構成例を示したが、ベント通路を構成するダクトやその他の空気流路を構成するダクトにおいても、アッパーパネル部材2とロアーパネル部材3とを嵌合させて同様に構成してもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、車両用インストルメントパネルを構成するアッパーパネル部材とロアーパネル部材とを嵌合させることで、これらパネル部材の間に空気流路を画成するダクトを一体に形成したので、インストルメントパネルの組み付けが終了すればダクトが内部に一体形成されることとなり、ダクトを形成するためにインストルメントパネルに別部材を取付ける必要がなくなる。
【0027】
このため、ダクトを形成するにあたり、部品点数の削減が図れると共にインストルメントパネルとは別に成形型が不要になり、コストの低減を図ることが可能となる。
【0028】
また、インストルメントパネルの成形時にダクト構成壁部が一体に形成されるので、インストルメントパネル内のダクトのレイアウトも容易に決定でき、また、ダクトとインストルメントパネルとのクリアランス確保が不要になり、さらには、ダクト構成壁部がインストルメントパネルの補強リブの役割を担うので、強度を向上させることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかる車両用インストルメントパネルを構成するアッパーパネル部材とロアーパネル部材とを示す分解斜視図である。
【図2】図2は、アッパーパネル部材とロアーパネル部材とを嵌合した状態を示す図1のA−A線で切断した断面図である。
【図3】図3は、インストルメントパネルに一体に形成されたダクトの態様を示す断面図であり、図3(a)は、アッパーパネル部材にダクト構成壁部を形成し、このダクト構成壁部をロアーパネル部材に当接してダクトを構成した例を示し、図3(b)は、ロアーパネル部材にダクト構成壁部を形成し、このダクト構成壁部をアッパーパネル部材に当接してダクトを構成した例を示し、図3(c)は、アッパーパネル部材とロアーパネル部材のそれぞれにダクト構成壁部を形成し、これらを当接させてダクトを構成した例を示す。
【図4】図4は、ダクトを構成するダクト構成壁部の当接部分にシール部材を介在させた態様を示す図である。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル
2 アッパーパネル部材
3 ロアーパネル部材
8 サイドデフ通路用溝部
11 サイドデフ通路
12,13,15,16,17,18,19,20 ダクト構成壁部
21 シール部材
Claims (6)
- アッパーパネル部材とこれに嵌合するロアーパネル部材とを有して構成される車両用インストルメントパネルにおいて、
前記アッパーパネル部材と前記ロアーパネル部材とを嵌合させることで、これらパネル部材の間に空気流路を画成するダクトを一体に形成したことを特徴とする車両用インストルメントパネル。 - 前記アッパーパネル部材と前記ロアーパネル部材との間に形成される前記空気流路を画成するダクトは、前記アッパーパネル部材に前記ロアーパネル部材に向って延設されたダクト構成壁部を一体に形成し、このダクト構成壁部を前記ロアーパネル部材に形成された溝部の側縁に当接して構成されるものである請求項1記載の車両用インストルメントパネル。
- 前記アッパーパネル部材と前記ロアーパネル部材との間に形成される前記空気流路を画成するダクトは、前記アッパーパネル部材に前記ロアーパネル部材に向って延設されたダクト構成壁部を一体に形成し、このダクト構成壁部を前記ロアーパネル部材の対峙する部分に当接して構成されるものである請求項1記載の車両用インストルメントパネル。
- 前記アッパーパネル部材と前記ロアーパネル部材との間に形成される前記空気流路を画成するダクトは、前記ロアーパネル部材に前記アッパーパネル部材に向って延設されたダクト構成壁部を一体に形成し、このダクト構成壁部を前記アッパーパネル部材の対峙する部分に当接して構成されるものである請求項1記載の車両用インストルメントパネル。
- 前記アッパーパネル部材と前記ロアーパネル部材との間に形成される前記空気流路を画成するダクトは、前記アッパーパネル部材に前記ロアーパネル部材に向って延設されたアッパー側のダクト構成壁部を一体に形成し、前記ロアーパネル部材に前記アッパーパネル部材に向って延設されたロアー側のダクト構成壁部を一体に形成し、前記アッパー側のダクト構成壁部を前記ロアー側のダクト構成壁部に当接して構成されるものである請求項1記載の車両用インストルメントパネル。
- 前記ダクト構成壁部の当接部分には、シール部材が介在されていることを特徴とする請求項2乃至5記載のいずれかに記載の車両用インストルメントパネル。
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2002
- 2002-12-24 JP JP2002372665A patent/JP2004203137A/ja active Pending
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