JP2004101345A - 唾液前処理キット及び唾液前処理方法 - Google Patents

唾液前処理キット及び唾液前処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ミュータンス連鎖球菌を免疫クロマトグラフィー法を用いて同定・定量を行う際に、簡便な方法で唾液中のムチン及びミュータンス連鎖球菌の連鎖による凝集を取り除き且つ標識抗体とミュータンス連鎖球菌との複合体が標識抗体を保持する膜中に効率良く流すことができる唾液前処理キット及び唾液前処理方法を提供する。
【既決手段】A)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液B)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液C)非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤とから構成され、C成分が、A成分とB成分の少なくとも一方に混合されているか又はA成分及びB成分とは別に構成され、特定の金属塩の群より選ばれる少なくとも一種の物質が前記A,B,Cの各成分の少なくとも一つに5〜25重量%の範囲で含有されている唾液前処理用キットを利用して唾液を前処理方法する。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ヒトの唾液中に存在する齲蝕原性細菌の一種であるミュータンス連鎖球菌を、抗原抗体反応を利用した免疫クロマトグラフィー法によって同定・定量を行うために用いる唾液前処理キット及びこの唾液前処理キットを使用する唾液前処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ヒトの口腔内におけるミュータンス連鎖球菌の存在と齲蝕の発生との間には密接な関係があることが知られており、ヒトの口腔内のミュータンス連鎖球菌の有無や量を簡便に検査できれば罹患リスクや現状の罹患状況の把握ができ、極めて多くの人々に恩恵をもたらすことが可能である。
【0003】
従来から、細菌の検査には抗原抗体反応を利用した検査法が実施されてきた。例えば酵素抗体法は、酵素を用いた発色濃度で同定・定量を行う方法であるが、抗体やサンプルを扱うために特殊な洗浄器や煩雑で正確な操作を必要とし、酵素反応を行うためのインキュベーターが必要であった。また蛍光抗体法は、抗体を蛍光色素で標識し抗体と反応した抗原を特異的に染色する方法であるが、測定器として蛍光顕微鏡を必要とするために一般的ではない。
【0004】
そのため、抗原抗体反応を簡便に利用する方法が数多く提案されてきた。例えばクロマトグラフィーを利用した測定方法がある(例えば、特許文献1,特許文献2,特許文献3,特許文献4,特許文献5,特許文献6参照。)。この方法は、採取した体液を同定・定量を目的とする抗原を含んだ試験溶液に混入して検査器具に染み込ませるだけで、抗原の有無や量を知ることができる簡便性に優れた方法である。このような方法は一般に免疫クロマトグラフィー法と呼ばれており、その同定・定量の原理も詳細に開示されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
米国特許第5,591,645号公報
【特許文献2】
米国特許第4,855,240号公報
【特許文献3】
米国特許第4,435,504号公報
【特許文献4】
米国特許第4,980,298号公報
【特許文献5】
特開昭61−145459号公報
【特許文献6】
特開平6−160388号公報
【非特許文献1】
Se−Hwan Paek, Seung−Hwa Lee, Joung−Hawan Cho and Young−Sang Kim, 「Development of rapid One−Step immunochromatographic assay, Methods」, 22, 53−60, 2000
【0006】
このような技術を応用すれば前述のヒトの口腔内のミュータンス連鎖球菌の同定・定量を行うことが可能であるように思われるが、現実には以下のような問題が存在するために実用化されていない。即ち、免疫クロマトグラフィー法で利用できるサンプルは原理上、多孔質膜中を毛細管現象によって通過できなければならない。しかし、ミュータンス連鎖球菌のような口腔内細菌の検査に用いられる主要なサンプルは唾液であるため、唾液中に存在するムチンと呼ばれる高粘性物質が多孔質膜の孔を塞いでしまい、またムチンは唾液中に存在する口腔粘膜面から剥がれ落ちた上皮付着細胞を凝集させる働きもするため、これらの物質により多孔質膜の孔が塞がれてミュータンス連鎖球菌の通過を阻害してしまう。
【0007】
また、ムチン以外にも免疫クロマトグラフィー法においてミュータンス連鎖球菌の同定・定量を困難なものとする問題が存在する。即ち、測定の対象であるミュータンス連鎖球菌は単体では直径約1μm程度の菌であるが、連鎖球菌であるためしばしば10〜20個若しくはそれ以上に連鎖しており、多孔質膜中の移動を妨げる要因の一つとなり得る。しかも、ミュータンス連鎖球菌は食品中のスクロースから粘着性のグルカンを生成し、しばしば激しく凝集することもある。また、ミュータンス連鎖球菌の連鎖と凝集とは、多孔質膜中での目詰まりの原因となる以外にも連鎖球菌の表面積を減少させ、ミュータンス連鎖球菌表面に存在する抗原の数の定量に影響を与えてしまい、測定の正確性を低下させる原因となっている。
【0008】
免疫クロマトグラフィー法においては一般的に検体を2つの抗体を用いて検出を行う。第一の抗体はサンプルが滴下される側のグラスファイバーなどから成る多孔質膜中に保持されており、その抗体は一般的にラテックス粒子や金コロイド粒子といったもので標識されている(以下、標識抗体と称することがある)。サンプル中に測定対象の検体が存在すると、この多孔質膜を通過する際に標識抗体が測定対象の検体を認識し結合する。この検体と標識抗体との複合体が毛細管現象により、第二の抗体(以下、捕捉抗体と称することがある)が例えば帯状に固定化された多孔質膜の方向へ流れる。ここで、捕捉抗体により検体と標識抗体との複合体が認識、捕捉され可視シグナルとして(この場合では帯状に)検出される。しかし唾液をサンプルとして免疫クロマトグラフィー法を用いた場合には、標識抗体とミュータンス連鎖球菌との複合体が、標識抗体を保持する膜中に捕捉されてしまい、捕捉抗体を固定化している多孔質膜の方向に効率良く毛細管現象で流れて行かず測定の正確性が低下してしまうという問題もあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ヒトの唾液中の齲蝕原性細菌の一種であるミュータンス連鎖球菌を抗原抗体反応を利用した免疫クロマトグラフィー法を用いて同定・定量を行う際の前記欠点を解消し、簡便な方法で唾液中のムチン及びミュータンス連鎖球菌の連鎖による凝集を取り除くことが可能で、且つ標識抗体とミュータンス連鎖球菌との複合体が標識抗体を保持する膜中から効率良く流れ出て行くことができる唾液前処理キット及び唾液前処理方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の酸及びアルカリ溶液を用いて処理を行うことにより、
(1)唾液中のムチンやグルカンを溶解しミュータンス連鎖球菌の外膜に作用して凝集を抑えることができること、
(2)これに特定の界面活性剤を用いることによりミュータンス連鎖球菌に存在するタンパク質を可溶化させてミュータンス連鎖球菌が多孔質膜内を効率良く通り抜けることを可能にすること、
(3)更に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガンという特定の金属塩を用いることにより標識抗体とミュータンス連鎖球菌との複合体が標識抗体を保持する膜中から効果的に流れ出すことが可能であること、
を究明して本発明を完成したのである。
【0011】
【発明の実施の形態】
即ち、本発明に係る唾液前処理キットの一つは、
A)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液
B)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液
C)非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤
とから構成され、C成分が、A成分とB成分の少なくとも一方に混合されているか又はA成分及びB成分とは別に構成され、塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化カルシウム,塩化マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫酸マンガンから成る群より選ばれる少なくとも一種の物質が前記A,B,Cの各成分の少なくとも一つに5〜25重量%の範囲で含有されていることを特徴とする唾液前処理キットであり、更にD)トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンが、A,B,Cの各成分の少なくとも一つに混合されていることが好ましく、
また、本発明に係る唾液前処理キットの他の一つは、
A)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液
B)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液
C)非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤
D)トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含有する水溶液
とから構成され、C成分が、A成分,B成分,D成分の少なくとも一方に混合されているか又はA成分,B成分及びD成分とは別に構成され、塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化カルシウム,塩化マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫酸マンガンから成る群より選ばれる少なくとも一種の物質がA,B,C,Dの各成分のうち少なくとも一つに5〜25重量%の範囲で含有されていることを特徴とする唾液前処理キットである。
【0012】
このような唾液前処理キットにおいて、C成分の非イオン性界面活性剤は、ポリエチレングリコールモノオクチルフェニルエーテル、n−オクチル−β−D−グルコシド、n−ヘプチル−β−D−チオグルコシド、n−オクチル−β−D−チオグルコシド、ノニルフェノキシポリエトキシエタノール、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートから成る群より選ばれる少なくとも一種又は二種以上の混合物であることが、またC成分の両性界面活性剤は、CHAPS(3−[(3−コラミドプロピル)−ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホナート)、CHAPSO(3−[(3−コラミドプロピル)−ジメチルアンモニオ]−1−ヒドロキシプロパンスルホナート)から成る群より選ばれる一種又は二種以上の混合物であることが好ましい。
【0013】
また、前記唾液前処理キットを使用する唾液前処理方法としては、免疫クロマトグラフィー法によりミュータンス連鎖球菌を同定・定量するに際し、後述するA,B,Cの各成分の少なくとも一つに、塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化カルシウム,塩化マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫酸マンガンから成る群より選ばれる少なくとも一種の物質を5〜25重量%の範囲で含有させておき、A)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液、B)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液、C)非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を任意の順に滴下して混合する方法(以下、第1の方法と言う)と、免疫クロマトグラフィー法によりミュータンス連鎖球菌を同定・定量するに際し、後述するA,B成分の少なくとも一つに、塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化カルシウム,塩化マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫酸マンガンから成る群より選ばれる少なくとも一種の物質を5〜25重量%の範囲で、及びC)非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤をそれぞれ含有させておき、A)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液、B)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液、を任意の順に滴下して混合する方法(以下、第2の方法と言う)と、免疫クロマトグラフィー法によりミュータンス連鎖球菌を同定・定量するに際し、A)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液、B)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液、C)非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤、D)トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンの少なくとも一つに、塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化カルシウム,塩化マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫酸マンガンから成る群より選ばれる少なくとも一種の物質を5〜25重量%の範囲で含有させておき、A成分とB成分がD成分の存在下で接触する順でA,B,C,D成分を滴下して混合する方法(以下、第3の方法と言う)とがある。
【0014】
そして、第1の方法においては、更にD)トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを、A,B,Cの各成分の少なくとも一つに混合させておき、A成分とB成分とがD成分の存在下で接触する順でA,B,C成分を滴下して混合することが、また第2の方法においては、更にD)トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを、A,B成分の少なくとも一方に混合させておき、A成分とB成分とを任意の順で滴下して混合することが、第3の方法においては、少なくともC成分が混合されているA,B又はD成分を、A成分とB成分がD成分の存在下で接触する順で滴下して混合することが更に好ましいのである。
【0015】
このような本発明に係る唾液前処理キット及び唾液前処理方法に使用されるA成分である「0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液」は、唾液中のムチンやミュータンス連鎖球菌の外膜に存在するグルカンに作用してミュータンス連鎖球菌の凝集を抑え、抗原であるミュータンス連鎖球菌の多孔質膜中の移動を容易とする作用を成すもので、このアルカリ溶液として水酸化ナトリウムを使用することが必要であり、炭酸ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム等は適しておらず、水酸化ナトリウム以外のアルカリ溶液以外ではミュータンス連鎖球菌の検査を行うことはできない。これは水酸化ナトリウム以外のアルカリ処理では、ミュータンス連鎖球菌の抗原の構造に障害を与えている可能性があると推測される。水酸化ナトリウムの濃度は水溶液中に0.01〜10mol/lであることが必要があり、0.01mol/l未満ではその効果が十分に得られず、10mol/lを超えるとミュータンス連鎖球菌の抗原を破壊してしまい検出精度が低下する。
【0016】
また、本発明に係る唾液前処理キット及び唾液前処理方法に使用されるB成分である「0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液」は、ミュータンス連鎖球菌の連鎖を抑えることにより抗原であるミュータンス連鎖球菌の多孔質膜中の移動を容易とする作用を成すもので、酸として酒石酸及び/又はクエン酸を使用することが必要である。その他の酸、例えば塩酸,硫酸,硝酸,酢酸,乳酸,マレイン酸等は適しておらず、水酸化ナトリウムと組み合わせて用いても目的とする検査の感度を得ることができない。これは酒石酸及びクエン酸以外では、ミュータンス連鎖球菌の抗原の構造に障害を与えている可能性があると推測される。酒石酸及び/又はクエン酸の濃度は水溶液中に0.01〜3mol/lである必要があり、0.01mol/l未満ではその効果が十分に得られず、3mol/lを超えると酒石酸及び/又はクエン酸の溶解濃度が限界に達し沈殿を生じてしまうため適さない。
【0017】
また、本発明に係る唾液前処理キット及び唾液前処理方法に使用されるC成分である「非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤」は、ミュータンス連鎖球菌表面のタンパク質を可溶化して、ミュータンス連鎖球菌が多孔質膜中を効率良く通り抜けることを可能とする作用を成すものである。従来から免疫クロマトグラフィー法ではサンプル液や抗原液が検査器具内をスムーズに移動できるようにイオン性界面活性剤を使用することがよくある。しかし、本発明に係るミュータンス連鎖球菌抗原の同定・定量を行うための唾液前処理キット及び唾液前処理方法に使用される界面活性剤は、実験の結果から非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤である必要があり、ラウリル硫酸ナトリウムやドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤では、抗体による抗原の検出を行うことができない。
【0018】
このような本発明で使用する界面活性剤は、非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤であれば特に限定されず、一般に膜タンパク質の可溶化剤として使用されるものがいずれも使用できる。しかし、用いる非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤の種類によってミュータンス連鎖球菌抗原の検出感度に差があり、中でも非イオン性界面活性剤としては、ポリエチレングリコールモノオクチフェニルエーテル、n−オクチル−β−D−グルコシド、n−ヘプチル−β−D−チオグルコシド、n−オクチル−β−D−チオグルコシドが、また両性界面活性剤としては、CHAPS(3−[(3−コラミドプロピル)−ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホナート)、CHAPSO(3−[(3−コラミドプロピル)−ジメチルアンモニオ]−1−ヒドロキシプロパンスルホナート)から成る群より選ばれる一種又は二種以上の混合物であることが、検出感度の点で好ましい。
【0019】
本発明に係る唾液前処理キット及び唾液前処理方法において、C)非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤は、唾液の処理後に0.05〜90重量%の濃度となるように使用することが好ましく、0.05重量%未満では抗原抗体反応による検出感度が低くなる傾向があり、90重量%を超えても抗原抗体反応による検出感度が低下し易いので好ましくない。
【0020】
本発明に係る唾液前処理キット及び唾液前処理方法において、C)非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤は、A)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液及びB)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液と別に提供されてもよく、その場合は水溶液の形態でもよい。またA)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウムを含有する水溶液とB)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸を含有する水溶液との一方又は両方に混合されて提供されてもよいが、その場合には酸やアルカリによる分解性に注意を払わなければならない。
【0021】
本発明に係る唾液前処理キット及び唾液前処理方法においては、標識抗体とミュータンス連鎖球菌との複合体が標識抗体を保持する膜中から効率良く流れ出るように、塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化カルシウム,塩化マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫酸マンガンから成る群より選ばれる少なくとも一種の物質をA)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液、B)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液、C)非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤の少なくとも一つに5〜25重量%の範囲で含有させておく。これら塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化カルシウム,塩化マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫酸マンガンから成る群より選ばれる少なくとも一種の物質は、唾液中に存在する各種タンパク質を塩析により凝集させ、また標識抗体とそれを保持する膜間の相互作用を打ち消す効果があり、その作用により標識抗体とミュータンス連鎖球菌との複合体が標識抗体を保持する膜中から効率良く流れ出す効果を得る。
【0022】
これら塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化カルシウム,塩化マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫酸マンガンから成る群より選ばれる少なくとも一種の物質は、A)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液、B)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液、C)非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤の少なくとも一つに5〜25重量%の範囲で配合する必要があり、5重量%未満ではその効果が十分に得られず標識抗体とミュータンス連鎖球菌との複合体が標識抗体を保持する膜中から効率良く流れない。一方、25重量%を超えると逆に検出精度が低下してしまう。
【0023】
本発明に係る唾液前処理キット及び唾液前処理方法においては、A)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液とB)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液との間に中和反応が起こるため、緩衝剤を利用することが好ましく、この中和反応において緩衝作用を効果的に得るためにはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを緩衝剤として使用することが好ましい。しかしこのとき、その他の緩衝剤、例えば炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムや、クエン酸とクエン酸ナトリウムのような組み合わせでは十分な緩衝作用は得られないことを確認している。トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンはA,B,Cの各成分の少なくとも一方に配合してもよいし、別に提供されてもよく、その場合は水溶液の形態が好ましい。なお、本発明に係る唾液前処理キットにおいては、A)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液と、B)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液は、中和作用があるため必ず別になっていることが必要である。
【0024】
本発明に係る唾液前処理方法における第1の方法では、免疫クロマトグラフィー法によりミュータンス連鎖球菌を同定・定量するに際し、A,B,Cの各成分の少なくとも一つに、塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化カルシウム,塩化マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫酸マンガンから成る群より選ばれる少なくとも一種の物質を5〜25重量%の範囲で含有させておき、A)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液、B)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液、C)非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を任意の順に滴下して混合する。また、この処理を簡便にするために本発明に係る唾液前処理方法における第2の方法では、C)非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤をA)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液、B)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液の少なくとも一方に予め混合させておき、A)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液、B)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液を任意の順に滴下して混合する。
【0025】
本発明に係る唾液前処理方法においては、A)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液と、B)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液との間に中和反応が起こるため緩衝剤を利用することが好ましく、この中和反応において緩衝作用を効果的に得るためには、D)トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを使用する。このとき、本発明に使用するA,B,Cの各成分はそれぞれ独立した機能を持つため、任意の順で処理を行うことが可能であるが、唾液前処理用キットにD)トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む場合には、A成分とB成分の中和反応において緩衝作用を得るためにA成分とB成分とが接触する際にはD)トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンの存在下であることが必要である。
【0026】
また前記第1及び第2の方法以外に、本発明に係る唾液前処理方法における第3の方法では、免疫クロマトグラフィー法によりミュータンス連鎖球菌を同定・定量するに際し、A)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液、B)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液、C)非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤、D)トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンの少なくとも一つに、塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化カルシウム,塩化マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫酸マンガンから成る群より選ばれる少なくとも一種の物質を5〜25重量%の範囲で含有させておき、A成分とB成分がD成分の存在下で接触する順でA,B,C,D成分を滴下して混合するのである。この場合、少なくともC成分が混合されているA,B又はD成分を、A成分とB成分がD成分の存在下で接触する順で滴下して混合することが好ましい。
【0027】
このような本発明に係る唾液前処理方法においては、処理後の唾液のpHが5〜9の範囲内となるように処理を行うことが好ましい。これは抗原抗体反応がこのpHの範囲内で行われるため、用いる抗体によって異なるが、pHがこの範囲外であると抗体が抗原と離れてしまったり、非特異的な親和性を持ってしまうため測定結果の信頼性が低下する傾向がある。
【0028】
本発明に係る唾液前処理キット及び唾液前処理方法によって処理を行った唾液試料は、従来の免疫クロマトグラフィー法を用いた抗原抗体反応により、ミュータンス連鎖球菌の同定・定量することが可能である。抗体は、通常用いられる方法によって得ることができ、例えば、KohlerとMilstein (Kohler G, C. Milstein, Continuous cultures of fused cells secreting antibody of predefined specificity, Nature, 256:495−497, 1975) による細胞融合によるハイブリドーマの樹立法によってもよいし、単に抗原を動物に免疫してその血清から精製したものでも構わない。
【0029】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例のみに制限されるものではない。尚、特に記述がない限り、温度は室温で操作し、pHは20〜25℃におけるpHを示す。
【0030】
(1)試薬、試験器具の調製
1.抗体の作製
ミュータンス連鎖球菌としてストレプトコッカス・ミュータンス菌(ATCC25175菌株)、ストレプトコッカス・ソブリヌス菌(ATCC33478菌株)をそれぞれBHI培地(Brain Heart Infusion培地,DIFCO社製)を用いて37℃で一晩培養を行い、培養液から遠心分離によって菌体を回収した後、PBS(10mmolリン酸緩衝化生理食塩水)にて2回洗浄後、ホルムアルデヒド水溶液により生育を停止させた。この菌の分散液をそのままマウスに免疫し、KohlerとMilsteinによる細胞融合を用いたハイブリドーマの樹立法によって以下に示す精製抗体を各二種類ずつ得た。
【0031】
「SM1抗体」…ストレプトコッカス・ミュータンス菌に対する抗体
「SM2抗体」…ストレプトコッカス・ミュータンス菌に対する抗体
「SS1抗体」…ストレプトコッカス・ソブリヌス菌に対する抗体
「SS2抗体」…ストレプトコッカス・ソブリヌス菌に対する抗体
【0032】
2.抗体への金コロイド標識
粒径40nmの金コロイドをSM2抗体及びSS2抗体に標識した。金コロイドは市販品(商品名:British Biocell,International社製)を使用し、ウシ血清アルブミン(商品名:BSA、SIGMA社製)1%、非イオン性界面活性剤(商品名:Tween20,SIGMA社製)1%を添加したPBSで抗体濃度0.1μg/mlとなるように希釈した。金コロイドで標識した抗体液をそれぞれSM2標識抗体、SS2標識抗体と称する。
【0033】
3.抗体固定化多孔質膜ストリップの作製
多孔質膜としてプラスティックフィルムで裏打ちをしたニトロセルロースメンブレン(商品名:SXHF、日本ミリポア社製)を用いた。この膜を5mm×40mmの長方形に切り出し、SM1抗体又はSS1抗体を1%ウシ血清アルブミン含有50mmolリン酸緩衝液に1mg/mlの濃度となるように希釈し、この抗体希釈液を切り出したニトロセルロースメンブレンの中央部に長手方向と直角にマイクロピペットで凡そ1μl/cmとなるように塗布した。尚、固定された抗体はそれぞれSM1捕捉抗体、SS1捕捉抗体と称することがある。この膜の一方の端に15mm四方の濾紙を密着するようにクリップで固定し吸水体とした。また、吸水体と反対側の端に標識抗体の保持体(以下、標識抗体保持体と称する)として5mm×20mmのポリプロピレン製マトリクス(商品名:クイックリリース コンジュゲートパッド,日本ミリポア社製)をクリップで固定し、そこにSM2標識抗体液又はSS2標識抗体液を30μl滴下した。この器具を37℃で2時間乾燥し、使用直前までデシケーター中に保管した。
【0034】
以上の試薬、器具を用いた免疫クロマトグラフィー法による唾液中のミュータンス連鎖球菌の定量と、従来のコロニー数から算出する唾液中のミュータンス連鎖球菌とを比較した。
【0035】
1.免疫クロマトグラフィー法による試験方法
ミュータンス連鎖球菌と抗体固定化多孔質膜ストリップ上に固定化された抗体との反応性は以下の原理で検出される。唾液が抗体固定化多孔質膜ストリップの標識抗体保持体を通過する際、唾液中のミュータンス連鎖球菌に標識抗体が結合し赤色に発色する。更にミュータンス連鎖球菌と標識抗体との複合体は抗体固定化多孔質膜ストリップ中を移動して行き、抗体固定化多孔質膜ストリップに例えば帯状に固定化された抗体(捕捉抗体)に捕捉され帯状の染みが確認される。
【0036】
2.従来のコロニー数からのミュータンス連鎖球菌数
MSB培地上に、ストレプトコッカス・ミュータンス菌、ストレプトコッカス・ソブリヌス菌の両菌及び夾雑菌がコロニーを形成する。そこでこれらのコロニー数を正確に計測するために、MSB培地上に形成されたコロニー数を計測した後、それぞれのコロニーの一部分を回収し菌体を破砕した後に、ストレプトコッカス・ミュータンス菌又はストレプトコッカス・ソブリヌス菌に特異的な配列を持つ合成DNAをプライマーとしてPCR反応(ポリメラーゼ連鎖反応)を行い、増幅された遺伝子断片をアガロースゲルで電気泳動を行うことにより、菌株の確認も行った。
【0037】
実施例1
抗体固定化多孔質膜ストリップとして、中央部にSM1抗体を固定化し、一方の端の標識抗体保持体にはSM2標識抗体を含んだものを用い、以下のように試験を行った。
【0038】
被験者に唾液採取用ガムを5分間咀嚼させ唾液を試験管に採取した。採取した唾液の一部をPBSにて希釈しMSB培地に塗布する。2〜3日間、37℃で嫌気培養を行った後、コロニー数を計測する。計測後、それぞれのコロニーの一部分を回収し菌体を破砕した後にストレプトコッカス・ミュータンス菌又はストレプトコッカス・ソブリヌス菌に特異的な配列を持つ合成DNAをプライマーとしてPCR反応(ポリメラーゼ連鎖反応)を行い、増幅された遺伝子断片をアガロースゲルで電気泳動を行うことにより両菌株の判別を行った。判別の結果、ストレプトコッカス・ミュータンス菌のコロニーであると確認されたものの数値から細菌数(CFU/ml値)を算出した。
【0039】
1.0mol/lの水酸化ナトリウム(A成分)を含有している1.0mol/lのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(D成分)に23.3重量%となるように塩化ナトリウムを添加した液(AD液)と、0.5mol/lのクエン酸(B成分)を含有している1.0mol/lのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(D成分)に非イオン性界面活性剤(C成分)としてポリエチレングリコールモノオクチルフェニルエーテル(和光純薬社製)を5重量%添加した液(BCD液)とを準備した。
【0040】
唾液250μlに対し、先ずAD液を50μl添加して攪拌し、次にBCD液を100μl添加して攪拌する処理を行い、処理後の唾液のうち100μlをストリップの標識抗体保持体側に滴下した。処理後の液のpHは7.2であった。尚、この液中のC成分の濃度は1.25重量%となる。滴下15分後に捕捉抗体との反応を確認し、また標識抗体保持体に残存するSM2標識抗体とストレプトコッカス・ミュータンス菌との複合体の量を目視により観察した。
【0041】
前記試験をa〜eの5人の被験者に対して実施した結果を以下の表1に示す。抗体との反応性の評価は、++:明確に赤色の帯が確認できる、+:赤色の帯が確認できる、±:僅かに赤色の帯が確認できる、−:帯は確認できない、の4段階で評価した。また標識抗体保持体に残存するSM2標識抗体とストレプトコッカス・ミュータンス菌との複合体の量(以下、単に残存抗体量と称す)を目視にて確認し、+:標識抗体保持体に赤色として残存抗体が多く確認される、±:僅かに確認される、−:なし、の3段階で評価した。尚、表中で単位として用いているCFU/mlは唾液1ml当りの細菌のコロニー数を示すものである。
【0042】
【表1】
Figure 2004101345
【0043】
実施例2
実施例1と同様の抗体固定化多孔質膜ストリップにおいて、SM1捕捉抗体に代えてSS1捕捉抗体を、SM2標識抗体に代えてSS2標識抗体を使用し、以下の試験を行った。
【0044】
1.0mol/lの水酸化ナトリウム(A成分)を含有している水溶液に25.0重量%となるように塩化ナトリウムを添加した液(A液)と、0.5mol/lのクエン酸(B成分)を含有している1.0mol/lのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(D成分)から成る液(BD液)と、非イオン性界面活性剤(C成分)であるポリエチレングリコールモノオクチルフェニルエーテル(和光純薬社製)5重量%水溶液(C液)とを準備した。
【0045】
唾液250μlに対し、先ずBD液を80μl添加して攪拌し、次にC液を50μl添加して攪拌し、更にA液を40μl添加して撹拌する処理を行い、処理後の唾液のうち100μlをストリップの標識抗体保持体側に滴下した。処理後の液のpHは6.6であった。尚、この液中のC成分の濃度は0.60重量%となる。滴下15分後に捕捉抗体との反応を確認し、また標識抗体保持体に残存するSS2標識抗体とストレプトコッカス・ソブリヌス菌との複合体の量を目視により観察した。
【0046】
前記の試験をa〜eの5人の被験者に対して実施した結果を実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
Figure 2004101345
【0048】
実施例3
実施例1と同様に抗体固定化多孔質膜ストリップに、SM1捕捉抗体,SM2標識抗体を使用し、以下の試験を行った。
【0049】
1.0mol/lの水酸化ナトリウム(A成分)を含有している非イオン性界面活性剤(C成分)であるポリエチレングリコールモノオクチルフェニルエーテル(和光純薬社製)5重量%の水溶液(AC液)と、0.5mol/lのクエン酸(B成分)を含有する1.0mol/lのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(D成分)に12.0重量%となるように塩化ナトリウムを添加した液(BD液)とを準備した。
【0050】
唾液250μlに対し、先ずAC液を75μl添加して攪拌し、次にBD液を75μl添加して攪拌する処理を行い、処理後の唾液のうち100μlをストリップの標識抗体保持体側に滴下した。処理後の液のpHは7.5であった。尚、この液中のC成分の濃度は0.94重量%となる。滴下15分後に捕捉抗体との反応を確認し、また標識抗体保持体に残存するSM2標識抗体とストレプトコッカス・ミュータンス菌との複合体の量を目視により観察した。
【0051】
前記の試験をa,b,cの3人の被験者に対して実施した結果を実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
Figure 2004101345
【0053】
実施例4
実施例2と同様に抗体固定化多孔質膜ストリップに、SS1捕捉抗体,SS2標識抗体を使用し以下の試験を行った。
【0054】
4.0mol/lの水酸化ナトリウム(A成分)の水溶液(A液)と、1.0mol/lの酒石酸(B成分)の水溶液(B液)と、非イオン性界面活性剤(C成分)であるポリエチレングリコールモノオクチルフェニルエーテル(和光純薬社製)5重量%の水溶液(C液)と、1.0mol/lのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(D成分)に12.0重量%となるように塩化ナトリウムを添加した液(D液)とを準備した。
【0055】
唾液250μlに対し、先ずC液を40μl添加して攪拌し、次にB液を40μl添加して攪拌し、次にD液を40μl添加して攪拌し、最後にA液を40μl添加して攪拌する処理を行い、処理後の唾液のうち100μlをストリップの標識抗体保持体側に滴下した。処理後の液のpHは8.0であった。尚、この液中のC成分の濃度は0.49重量%となる。滴下15分後に捕捉抗体との反応を確認し、また標識抗体保持体に残存するSS2標識抗体とストレプトコッカス・ソブリヌス菌との複合体の量を目視により観察した。
【0056】
前記の試験をa,b,cの3人の被験者に対して実施した結果を実施例1と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
【0057】
【表4】
Figure 2004101345
【0058】
実施例5
実施例1と同様に抗体固定化多孔質膜ストリップに、SM1捕捉抗体,SM2標識抗体を使用し以下の試験を行った。
【0059】
1.0mol/lの水酸化ナトリウム(A成分)を含有している非イオン性界面活性剤(C成分)であるポリエチレングリコールモノオクチルフェニルエーテル(和光純薬社製)5重量%の水溶液に12.0重量%となるように塩塩化ナトリウムを添加した液(AC液)と、0.5mol/lの酒石酸(B成分)の水溶液(B液)と、1.0mol/lのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(D成分)に12.0重量%となるように塩化ナトリウムを添加した液(D液)とを準備した。
【0060】
唾液250μlに対し、先ずAC液を75μl添加して攪拌し、次にB液を75μl添加して攪拌し、次にD液を50μl添加して攪拌する処理を行い、処理後の唾液のうち100μlをストリップの標識抗体保持体側に滴下した。処理後の液のpHは7.2であった。尚、この液中のC成分の濃度は0.83重量%となる。滴下15分後に捕捉抗体との反応を確認し、また標識抗体保持体に残存するSM2標識抗体とストレプトコッカス・ミュータンス菌との複合体の量を目視により観察した。
【0061】
前記の試験をa,b,cの3人の被験者に対して実施した結果を実施例1と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
【0062】
【表5】
Figure 2004101345
【0063】
実施例6
実施例1と同様に抗体固定化多孔質膜ストリップに、SM1捕捉抗体,SM2標識抗体を使用し以下の試験を行った。
【0064】
12.0重量%となるように塩化ナトリウムを添加した3.0mol/lの水酸化ナトリウム(A成分)を含有している1.0mol/lのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(D成分)から成る液(AD液)と、1.0mol/lの酒石酸及び0.5mol/lのクエン酸(B成分)を含有する1.0mol/lのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(D成分)から成る液(BD液)と、非イオン性界面活性剤(C成分)であるポリエチレングリコールモノオクチルフェニルエーテル(和光純薬社製)5重量%の水溶液に2mol/l塩化ナトリウムを添加した液(C液)とを準備した。
【0065】
唾液250μlに対し、先ずBD液を40μl添加して攪拌し、次にA液を40μl添加して攪拌し、次にC液を40μl添加して攪拌する処理を行い、処理後の唾液のうち100μlをストリップの標識抗体保持体側に滴下した。処理後の液のpHは6.9であった。尚、この液中のC成分の濃度は0.54重量%となる。滴下15分後に捕捉抗体との反応を確認し、また標識抗体保持体に残存するSM2標識抗体とストレプトコッカス・ミュータンス菌との複合体の量を目視により観察した。
【0066】
前記の試験をa,b,cの3人の被験者に対して実施した結果を実施例1と同様の評価を行った。結果を表6に示す。
【0067】
【表6】
Figure 2004101345
【0068】
実施例7
実施例1と同様に抗体固定化多孔質膜ストリップに、SM1捕捉抗体,SM2標識抗体を使用し以下の試験を行った。
【0069】
1.0mol/lの水酸化ナトリウム(A成分)を含有している水溶液に25.0重量%となるように塩化ナトリウムを添加した液(A液)と、0.5mol/lのクエン酸(B成分)を含有している水溶液に非イオン性界面活性剤(C成分)であるポリエチレングリコールモノオクチルフェニルエーテル(和光純薬社製)を5重量%となるように添加した液(BC液)と、2mol/lのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(D成分)から成る緩衝液(D液)とを準備した。
【0070】
唾液250μlに対し、先ずD液を40μl添加して攪拌し、次にA液を40μl添加して攪拌し、次にBC液を70μl添加して攪拌する処理を行い、処理後の唾液のうち100μlをストリップの標識抗体保持体側に滴下した。処理後の液のpHは6.9であった。尚、この液中のC成分の濃度は0.88重量%となる。滴下15分後に捕捉抗体との反応を確認し、また標識抗体保持体に残存するSM2標識抗体とストレプトコッカス・ミュータンス菌との複合体の量を目視により観察した。
【0071】
前記の試験をa〜eの5人の被験者に対して実施した結果を実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
【0072】
【表7】
Figure 2004101345
【0073】
比較例1
塩化ナトリウムの入っていないAD液を用いた以外は実施例1と同様にして、試験をa〜eの5人の被験者に対して実施した結果を実施例1と同様の評価を行った。結果を表8に示す。
【0074】
【表8】
Figure 2004101345
【0075】
比較例2
塩化ナトリウムの入っていないD液を用いた以外は実施例4と同様にして、試験をa,b,cの3人の被験者に対して実施した結果を実施例1と同様の評価を行った。結果を表9に示す。
【0076】
【表9】
Figure 2004101345
【0077】
以上の結果から本発明に係る唾液前処理キットを使用した唾液前処理方法は、唾液中のムチン及びミュータンス連鎖球菌の連鎖による凝集を取り除くことが可能であり、且つ標識抗体保持体に残存する標識抗体とミュータンス連鎖球菌との複合体の量が少ないことから、標識抗体とミュータンス連鎖球菌との複合体が標識抗体を保持する膜中に留まってしまう現象を防ぐ効果が確認できた。
【0078】
【発明の効果】
以上に詳述した如く、本発明に係る唾液前処理キット及び唾液の前処理方法は、ヒトの唾液中の齲蝕原性細菌の一種であるミュータンス連鎖球菌を抗原抗体反応を利用した免疫クロマトグラフィー法を用いて同定・定量を行う際に、簡便な方法で唾液中のムチン及びミュータンス連鎖球菌の連鎖による凝集を取り除くことが可能で、且つ標識抗体とミュータンス連鎖球菌との複合体が標識抗体を保持する膜中から効率良く流すことにより精度の高い同定・定量を行うことを可能とするものであり、その歯科医療に貢献する価値の非常に大なるものである。

Claims (11)

  1. A)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液
    B)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液
    C)非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤
    とから構成され、C成分が、A成分とB成分の少なくとも一方に混合されているか又はA成分及びB成分とは別に構成され、塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化カルシウム,塩化マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫酸マンガンから成る群より選ばれる少なくとも一種の物質が前記A,B,Cの各成分の少なくとも一つに5〜25重量%の範囲で含有されていることを特徴とする唾液前処理キット。
  2. 更にD)トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンが、A,B,Cの各成分の少なくとも一つに混合されている請求項1に記載の唾液前処理キット。
  3. A)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液
    B)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液
    C)非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤
    D)トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含有する水溶液
    とから構成され、C成分が、A成分,B成分,D成分の少なくとも一方に混合されているか又はA成分,B成分及びD成分とは別に構成され、塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化カルシウム,塩化マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫酸マンガンから成る群より選ばれる少なくとも一種の物質がA,B,C,Dの各成分のうち少なくとも一つに5〜25重量%の範囲で含有されていることを特徴とする唾液前処理キット。
  4. C成分の非イオン性界面活性剤が、ポリエチレングリコールモノオクチルフェニルエーテル、n−オクチル−β−D−グルコシド、n−ヘプチル−β−D−チオグルコシド、n−オクチル−β−D−チオグルコシド、ノニルフェノキシポリエトキシエタノール、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートから成る群より選ばれる少なくとも一種又は二種以上の混合物である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の唾液前処理キット。
  5. C成分の両性界面活性剤が、CHAPS(3−[(3−コラミドプロピル)−ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホナート)、CHAPSO(3−[(3−コラミドプロピル)−ジメチルアンモニオ]−1−ヒドロキシプロパンスルホナート)から成る群より選ばれる一種又は二種以上の混合物である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の唾液前処理キット。
  6. 免疫クロマトグラフィー法によりミュータンス連鎖球菌を同定・定量するに際し、後述するA,B,Cの各成分の少なくとも一つに、塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化カルシウム,塩化マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫酸マンガンから成る群より選ばれる少なくとも一種の物質を5〜25重量%の範囲で含有させておき、A)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液、B)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液、C)非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を任意の順に滴下して混合することを特徴とする唾液前処理方法。
  7. 更にD)トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを、A,B,Cの各成分の少なくとも一つに混合させておき、A成分とB成分とがD成分の存在下で接触する順でA,B,C成分を滴下して混合する請求項6に記載の唾液前処理方法。
  8. 免疫クロマトグラフィー法によりミュータンス連鎖球菌を同定・定量するに際し、後述するA,B成分の少なくとも一つに、塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化カルシウム,塩化マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫酸マンガンから成る群より選ばれる少なくとも一種の物質を5〜25重量%の範囲で、及びC)非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤をそれぞれ含有させておき、A)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液、B)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液、を任意の順に滴下して混合することを特徴とする唾液前処理方法。
  9. 更にD)トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを、A,B成分の少なくとも一方に混合させておき、A成分とB成分とを任意の順で滴下して混合する請求項8に記載の唾液前処理方法。
  10. 免疫クロマトグラフィー法によりミュータンス連鎖球菌を同定・定量するに際し、A)0.01〜10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液、B)0.01〜3mol/lの酒石酸及び/又はクエン酸水溶液、C)非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤、D)トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンの少なくとも一つに、塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化カルシウム,塩化マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫酸マンガンから成る群より選ばれる少なくとも一種の物質を5〜25重量%の範囲で含有させておき、A成分とB成分がD成分の存在下で接触する順でA,B,C,D成分を滴下して混合することを特徴とする唾液前処理方法。
  11. 少なくともC成分が混合されているA,B又はD成分を、A成分とB成分がD成分の存在下で接触する順で滴下して混合する請求項10に記載の唾液前処理方法。
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