JP2004099757A - セラミックコンデンサチップの製法及び該方法に用いる両面粘着シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体の片面にセラミック粉末成形シートに接着する水溶性粘着剤層を有し、反対面に加工用支持台に接着する再剥離性、非水溶性の粘着剤層を有する両面粘着シートからなるセラミックコンデンサチップ製造用両面粘着シート。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、支持体の片面に水溶性粘着剤層を有し、反対面に再剥離性で非水溶性の粘着剤層を有する両面粘着テープに関する。特に本発明は、支持台上に両面粘着テープの再剥離性で非水溶性の粘着剤層側を貼着し、該粘着テープの水溶性粘着剤層上にセラミック粉末成形シートを接着固定し、該セラミック粉末成形シートの上に内部電極を印刷形成し、さらに別のセラミック粉末成形シートの積層及び内部電極の印刷形成を繰り返してセラミックコンデンサチップ用の積層体を製造する方法に使用するための両面粘着テープに関する。
【0002】
【従来の技術】
セラミック粉末とバインダーと溶剤との混合物から成形されているセラミック粉末成形シートの片面に内部電極を印刷形成したセラミックシートを多数積層し、圧着して一体化されている積層体を切断して多数のセラミックコンデンサチップを同時に製造する方法として、支持台上に両面粘着テープを貼付し、その上に最初のセラミック粉末成形シートを接着固定して上記内部電極の印刷形成とセラミック粉末成形シートを積層する操作を繰返し、最終的にチップ形状に切断分割し、支持台から剥離することによるセラミックコンデンサチップの製造方法が知られている。
【0003】
この方法では、積層体を最終的にチップ状に切断分割した後、支持台から切断分割されたチップを剥離することが必要であるために、積層体を支持台に接着固定するために使用される両面粘着テープとして、切断後にチップを破壊することなく確実に剥離することができる再剥離性粘着剤層を有する両面粘着シートが使用されている。
【0004】
上記の目的に使用される再剥離型の両面粘着テープとしては、積層体を接着固定するための再剥離性粘着剤層として、熱膨張性樹脂粒子を混入・分散させた粘着剤層を有する熱剥離性粘着シートが知られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4等参照)。この両面粘着シートを使用する方法では、前記のチップ製造工程にしたがって切断分割されたチップは、支持台上に接着されている状態で、チップを接着固定している熱膨張性樹脂粒子を混入・分散させた粘着剤層を加熱発泡させて該粘着剤層の粘着力を低下させた後、剥離、回収されている。
【0005】
しかし、このような熱剥離性粘着シートを使用する場合、チップ自体も加熱された状態となることから、チップが変形したり、ひびが入ることがあり、製品として使用できない不良品の発生が避けられない。
【0006】
また、熱膨張性樹脂粒子は、通常、最大粒径が30μm〜50μmのものを含むことから、該熱膨張樹脂粒子を含有する粘着剤層の厚さは50μm又はそれ以上とならざるを得ず、そのような厚さのために、粘着剤層上に形成されているセラミック粉末成形シート積層体を加圧接着させる際の圧力によって粘着剤層が変形することが避けられず、その影響が粘着剤層に接している未焼成で変形し易い状態のセラミック粉末成形体に及び、その成形体の下端部に伸びが生じて精度の劣る製品が製造される原因となることが多い。
【0007】
再剥離型の粘着剤としては、水溶性の粘着剤も知られている。このような水溶性粘着剤は、通常、水洗工程を経て再利用されるガラス等の被着体に貼着されるラベル用の粘着剤(特許文献5、特許文献6参照)。このような水溶性粘着剤を利用することの理由は、ガラスビンに貼着されているラベルのように、被着体を再利用するために被着体から確実に除去されれば足りるものであり、剥離されるラベルを損傷させずに再利用するために用いられているものではない。
【0008】
また、各種機器のサイクルを可能とする両面粘着テープとして、片面に水溶性粘着剤層を設けたものも知られている(特許文献7参照)。この両面粘着剤は反基材上に設けた水溶性粘着剤層が凝集力が低く、粘着力が弱いので、その層の上にさらに発泡体を含有する粘着剤層を設けているので、該水溶性粘着剤層を溶解しても、被着体面には発泡体含有粘着剤層が残存することとなるので、本発明のようなセラミックコンデンサチップの製造に使用した場合にはチップ側に発泡体含有粘着剤層が残ることとなるので適用できないものである。
他に、水溶性粘着剤を本発明のセラミックコンデンサチップのような高精度が要求される精密電子部品の製造工程における粘着剤として使用して製品の精度向上を果たしているという例は見当たらない。
【0009】
【特許文献1】
特開平1−53989号公報
【特許文献2】
特許第2613389号公報
【特許文献3】
特開昭56−61469号公報
【特許文献4】
特開昭63−30205号公報
【特許文献5】
特開平6−184508号公報
【特許文献6】
特開平6−259016号公報
【特許文献7】
特開平11−323276号公報
【特許文献8】
特開平5−156222号公報
【特許文献9】
特開平5−70755号公報
【特許文献10】
米国特許第2838421号明細書
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の粘着剤層中に熱膨張性樹脂粒子を含有させて、再剥離時に該熱膨張性樹脂粒子を加熱発泡させることによって粘着剤層の粘着力を低下させるタイプの再剥離型粘着剤層を有する両面粘着テープを使用しているセラミックコンデンサチップの製造方法によって製造されている従来のセラミックコンデンサチップが、前記のように熱膨張性樹脂粒子の使用によって粘着剤層が厚くなること、及び粘着剤層に再剥離性を付与する手段が加熱手段であること等に起因して、製品精度に問題のあるものが製造されることがあるという点を改善し、常に高精度のセラミックコンデンサチップを提供することができる製造方法を確立することを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)支持体の片面にセラミック粉末成形シートに接着する水溶性粘着剤層を有し、反対面に加工用支持台に接着する再剥離性、非水溶性の粘着剤層を有する両面粘着シートからなるセラミックコンデンサチップ製造用両面粘着シート。
【0012】
(2)前記水溶性粘着剤層が、アクリル系の水溶性粘着剤からなることを特徴とする(1)記載のセラミックコンデンサチップ製造用両面粘着シート。
【0013】
(3)前記再剥離性、非水溶性粘着剤層が前記水溶性粘着剤層の粘着力よりも小さい粘着力を有することを特徴とする(1)又は(2)に記載のセラミックコンデンサチップ製造用両面粘着シート。
【0014】
(4)前記支持体が合成樹脂フィルム、特にポリエステルフィルムであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のセラミックコンデンサチップ製造用両面粘着シート。
【0015】
(5)支持体の片面にセラミック粉末成形シートに接着する水溶性粘着剤層を有し、反対面に加工用支持台に接着する再剥離性、非水溶性の粘着剤層を有する両面粘着シートからなるセラミックコンデンサチップ製造用両面粘着シート長尺体を、前記水溶性粘着剤層に両面剥離シートを貼着し、前記再剥離性、非水溶性の粘着剤層を内側にして巻き取られていることを特徴とするセラミックコンデンサチップ製造用両面粘着シート。
【0016】
(6)前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の両面粘着テープの再剥離性、非水溶性の粘着剤層を支持台に接着し、前記水溶性粘着剤層上にセラミック粉末成形シートを接着固定し、該セラミック粉末成形シート上にセラミックコンデンサチップを形成するための内部電極を印刷形成し、さらに該印刷電極形成面に、別のセラミック粉末成形シートを積層してセラミックコンデンサチップを形成するための内部電極を印刷形成する、という操作を繰り返してセラミックコンデンサチップ用シート積層体を形成し、次いで、該セラミックコンデンサチップ用積層体を複数のセラミックコンデンサチップの形状に切断分割し、さらに、該複数のセラミックコンデンサチップが形成されている支持台を水中に浸漬して前記水溶性粘着剤層を溶解し、切断分割されている複数のセラミックコンデンサチップを支持台上の粘着シートから剥離回収することを特徴とするセラミックコンデンサチップの製造法。
【0017】
(7)前記複数のセラミックコンデンサチップが形成されている支持台を水中に浸漬して前記水溶性粘着剤層を溶解する際に、超音波振動を付与することを特徴とする(6)記載のセラミックコンデンサチップの製造法。
【0018】
(8)前記複数のセラミックコンデンサチップを支持台上の粘着シートから剥離回収した後、支持台上の粘着テープを支持台から剥離除去することを特徴とする(6)又は(7)に記載のセラミックコンデンサチップの製造法。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明のセラミックコンデンサチップの製造方法に使用される両面粘着シート又は両面粘着テープは、支持体の一方の面に水溶性粘着剤層を有し、反対面には非水溶性で、かつ再剥離性である粘着剤層を有している。
【0020】
本発明の両面粘着テープ又はシートにおける水溶性粘着剤層は、セラミックコンデンサチップの製造過程で、セラミック粉末成形シートの移動や変形が生じないように確実に接着固定することができる強い粘着力を備えていることが必要であり、かつ、最終の剥離工程における水中への浸漬によって水の影響を受けることによって粘着力を殆ど失うという特性を備えていることが必要である。
【0021】
そのような、粘着剤としては、従来公知の水溶性粘着剤を使用することができる。本発明で使用することができる水溶性粘着剤には、アラビアゴム、膠、デンプン、ポリビニルアルコール等の水に溶解する水溶性粘着剤及び水分散性粘着剤のいずれも包含される。また、アルカリ可溶型粘着剤組成物(特許文献8参照)、水溶性又は水分散性の感圧接着剤組成物(特許文献9参照)、ベースポリマーとして水溶性ポリマー塩を使用し、これに水溶性又は水分散性の可塑剤を添加した感圧接着剤組成物(特許文献10参照)等も挙げられる。より具体的例としては、例えば、アクリル系粘着剤である商品名「SKダイン1193」綜研化学(株)製、商品名「セビアンA886」ダイセルファインケム(株)製等が使用することができる水溶性粘着剤として好ましい。
【0022】
水溶性粘着剤層はの厚さは、通常、5〜30μmであり、好ましくは、10〜20μmである。30μmより厚くなると粘着力は十分であるが、粘着剤層が厚くなり過ぎて、その上に接着され、積層されるセラミック粉末成形シートを加圧一体化する際の圧力によって粘着剤層に変形が生じることがあり、その結果、未焼結状態の変形し易い積層体が粘着剤層中にめり込んで変形することがあるので好ましくない。
一方、5μm未満では、セラミック粉末成形シートを確実に接着固定するために必要な接着力が不足することがあるので、好ましくない。
【0023】
本発明の両面粘着シートの前記水溶性粘着剤層と反対側の粘着剤層は、再剥離性でかつ非水溶性の粘着剤によって形成されている。
粘着剤層の粘着力は、セラミック粉末成形シート及びその積層体を、前記基材及び水溶性粘着剤層を挟んで、例えば、アルミニウム製の支持台面に確実に接着固定できる粘着力を有している限り特に制限はない。むしろ、製造工程の最後において、水溶性粘着剤が水によって除かれてセラミックコンデンサチップが剥離回収された後、機械的に支持台面から容易に剥離することができるような程度の粘着力であることが必要である。前記水溶性粘着剤層が作業中にセラミック粉末成形シートはその積層体が移動、変形が生じないように強固に接着固定するための粘着力を求められるのに対して、反対側の非水溶性粘着剤層は、水溶性粘着剤層に較べて弱い粘着力を有していて、機械的に容易に剥離できる粘着剤層であることが望ましい。
【0024】
再剥離性でかつ非水溶性の粘着剤層を水溶性粘着剤層としていない理由は、前記セラミックコンデンサチップの製造工程における積層体の切断分割工程で、セラミック粉末成形体の積層体が切断分割される結果、多数の切断個所から水が侵入して水溶性粘着剤層と接触することとなり、水溶性粘着剤層は比較的に容易に水によって溶解されるが、アルミニウム支持台に接着している粘着剤層は水不透過性のポリエステルフィルム等の粘着テープ支持体によって覆われていて殆どの部分が水から隔離されているため、水は粘着テープ周縁部と接触しているに過ぎず、したがって、粘着剤層を水溶性としても、その粘着力が水によって失われるまでに長時間を要し、非効率的であることにある。
【0025】
そのような、粘着剤としては、天然ゴム系粘着剤、SIS(スチレン−イソプレン−スチレン)ブロック共重合体等の合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤などの従来公知の非水溶性の粘着剤を使用することができる。好適な具体例としては、例えば、アクリル系粘着剤である商品名「SKダイン1491H」綜研化学(株)製、商品名「アロセット8065」(株)日本触媒製等が使用することができる非水溶性粘着剤として挙げられる。
また、これらの粘着剤には、支持台からの剥離性を向上させる目的で、加熱発泡剤や熱膨張性中空粒子等を配合しておいてもよい。
【0026】
本発明の両面粘着テープの支持体用基材には、ダイシング時、切断刃により支持台が損傷を受けることがなく、また、テープ剥離時にテープ切れを起こさない強度を有するものであること、及びセラミックグリーンシートの積層加圧時にセラミック積層シートの下部における伸びを抑える特性を備えるものであることが要求され、通常、厚さは70μm以上、引っ張り弾性率200kg/mm2以上の合成樹脂シートがが使用される。具体的には、引っ張り弾性率が450mm2である市販のポリエステルシートなどが好ましい支持体として使用される。
【0027】
本発明の上記両面粘着シートを使用したセラミックコンデンサチップの製造方法は、最終工程において切断分割したセラミックコンデンサチップを剥離回収する工程が、水溶性粘着剤層野粘着力を水によって低下させてセラミックコンデンサチップを剥離回収する工程である以外は、基本的には熱膨張性樹脂粒子を含有する粘着剤層を有する両面粘着テープを使用する従来のセラミックコンデンサチップの製造方法と差異はなく、基本的には以下の工程からなる。
【0028】
まず、前記した本発明の両面粘着テープの再剥離性、非水溶性の粘着剤層を支持台に接着し、前記水溶性粘着剤層上にセラミック粉末成形シートを接着固定する。
次に、該セラミック粉末成形シート上にセラミックコンデンサチップを形成するための内部電極を印刷形成する。
次に、該印刷電極形成面に、別のセラミック粉末成形シートを積層してセラミックコンデンサチップを形成するための内部電極を印刷形成する、という操作を複数回繰り返してセラミックコンデンサチップ用シート積層体を形成する。
次に、該セラミックコンデンサチップ用積層体を加圧接着して一体化する。
次に、一体化したセラミックコンデンサチップ用積層体を複数のセラミックコンデンサチップの形状に切断分割する。
次に、該複数のセラミックコンデンサチップが形成されている支持台を水中に浸漬して前記水溶性粘着剤層を溶解させ、切断分割されている複数のセラミックコンデンサチップを支持台上の粘着シートから剥離回収する。
最後に、支持台上に残った粘着テープを機械的に剥離除去して、支持台を再利用可能な状態とする。
【0029】
上記の製造方法において、切断分割したセラミックコンデンサチップを水溶性粘着剤層から剥離するための水中浸漬処理は、超音波振動を加えて行なうことが水溶性粘着剤層を溶解させる速度を速めることとなることから望ましい。
【0030】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基いて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの具体例によって限定されるものではない。
【0031】
図1は、本発明の両面粘着シートの層構成を説明するための概略断面図であり、図2は、該両面粘着シートを作業用の支持台に貼着し、セラミック積層体を積層形成した状態を示す概略断面図である。各図において、符号1は粘着シート全体を示し、2は基材、3は水溶性粘着剤層、4は非水溶性、再剥離性粘着剤層、5は剥離シート、6はセラミックシート積層体、7は支持台を示す。
【0032】
実施例1
ポリエステルフィルム(厚さ100μm)の片面に、アクリル系水溶性粘着剤〔日本合成化学工業(株)製「コーポニールN3308」〕100gに対して、硬化剤〔日本合成化学工業(株)製「コーポニールN2233」〕1gを添加して調製した粘着剤を、乾燥後の塗膜厚が15μmになるように塗布、乾燥し、ポリエステル両面シリコーンセパレータと貼り合せた後、前記ポリエステルフィルムの水溶性粘着剤塗布面の反対面に、再剥離型アクリル系粘着剤〔綜研化学(株)製「SKダイン1495」〕100gに対して、硬化剤〔綜研化学(株)製「L−45」〕0.6gを添加した非水溶性粘着剤を、乾燥後の塗膜厚が15μmとなるように塗布、乾燥し、この粘着剤面が内側となるように、内径76mmの巻き芯に巻き取って両面粘着シートを得た。
【0033】
上記のように製造した両面粘着シートを巻き出してアルミニウム製支持台上に貼付固定した後、両面シリコーンセパレータを剥離除去した水溶性粘着剤層面に合計65gのBaTiO3とCaTiO3、15gのメチルメタクリレート系共重合体、及び合計20gのトルエンとブタノールの組成からなり、厚さ50μm、大きさ100mm角のセラミックコンデンサチップ形成用のセラミック粉末成形体シートを接着し、所定位置に内部電極を印刷形成し、次いでその上に、同様のセラミック粉末成形体の積層と内部電極の印刷形成を行う操作を繰り返して合計20枚のセラミック粉末成形シートの積層体を形成した後、100kg/cm2の圧力で押圧し、未焼成セラミック板を形成した。
次いで、その未焼成セラミック板をカッターでポリエステルフィルム部分まで切込みながら、大きさ1.5mm×2.5mm角のチップに切断し、切断後、支持台ごと水に浸し、超音波振動を併用して切断片を粘着シートより剥離させた。
【0034】
比較例1
実施例1の水溶性粘着剤の代わりに、トルエン30gに湿潤させた熱膨張製マイクロバルーン〔松本油脂製薬(株)製「マイクロフェアーF30」〕30gを、アクリル系粘着剤〔綜研化学(株)製「SKダイン1604」〕100gに対して、硬化剤〔綜研化学(株)製「L−45」〕2gを添加した非水溶性粘着剤を、乾燥後の塗膜が50μmになるように塗布、乾燥して粘着シートを得た。
実施例1と同様にして、セラミックコンデンサチップ形成用のシートを製造した後、カッターで小片に切断し、130℃で1分間加熱発泡処理を行い、切断された小片を手で剥がした。
【0035】
実施例1及び比較例1で製造したセラミックコンデンサチップの表面をマイクロスコープで観察し、各チップについてひび割れの発生の有無を確認した。
また、実施例1及び比較例1で製造した、両面粘着テープ上の未焼成セラミック積層体についても、その周縁部におけるシートの伸びの発生の有無をマイクロスコープで観察し、全周縁部における伸びの発生の状態を確認した。
結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
表1に示したように、本発明の両面粘着シートは、セラミック粉末成形シートを積層する側の粘着剤層として、水溶性粘着剤層を有しているため、比較例1の熱膨張製樹脂粒子を含有する粘着剤層を有する場合に較べて粘着剤層の厚さが薄くなり、その結果、積層シートを押圧して一体化処理する際にも粘着剤層に伸びが発生しないことから、粘着剤層の伸びに追随して発生する積層シートの下層部における伸びの発生がない。
また、実施例1で得られているセラミックコンデンサチップとなる小片は、剥離時に加熱されることがないため、熱によるひび割れは全く発生していない。
以上の結果から、本発明の両面粘着テープを使用することにより、精度の高いセラミックコンデンサチップを歩留まり良く製造することが可能となることが分る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の両面粘着シートの層構成を説明するための概略断面図である。
【図2】本発明の両面粘着シートを支持台に貼着し、セラミック積層体を積層形成した状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1:粘着シート、2:基材、3:水溶性粘着剤層、4:非水溶性、再剥離性粘着剤層、5:剥離シート、6:セラミックシート積層体、7:支持台
Claims (8)
- 支持体の片面にセラミック粉末成形シートに接着する水溶性粘着剤層を有し、反対面に加工用支持台に接着する再剥離性、非水溶性の粘着剤層を有する両面粘着シートからなるセラミックコンデンサチップ製造用両面粘着シート。
- 前記水溶性粘着剤層が、アクリル系の水溶性粘着剤からなることを特徴とする請求項1記載のセラミックコンデンサチップ製造用両面粘着シート。
- 前記再剥離性、非水溶性粘着剤層が前記水溶性粘着剤層の粘着力よりも小さい粘着力を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のセラミックコンデンサチップ製造用両面粘着シート。
- 前記支持体がポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のセラミックコンデンサチップ製造用両面粘着シート。
- 支持体の片面にセラミック粉末成形シートに接着する水溶性粘着剤層を有し、反対面に加工用支持台に接着する再剥離性、非水溶性の粘着剤層を有する両面粘着シートからなるセラミックコンデンサチップ製造用両面粘着シート長尺体を、前記水溶性粘着剤層に両面剥離シートを貼着し、前記再剥離性、非水溶性の粘着剤層を内側にして巻き取られていることを特徴とするセラミックコンデンサチップ製造用両面粘着シート。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の両面粘着テープの再剥離性、非水溶性の粘着剤層を支持台に接着し、前記水溶性粘着剤層上にセラミック粉末成形シートを接着固定し、該セラミック粉末成形シート上にセラミックコンデンサチップを形成するための内部電極を印刷形成し、さらに該印刷電極形成面に、別のセラミック粉末成形シートを積層してセラミックコンデンサチップを形成するための内部電極を印刷形成する、という操作を繰り返してセラミックコンデンサチップ用シート積層体を形成し、次いで、該セラミックコンデンサチップ用積層体を複数のセラミックコンデンサチップの形状に切断分割し、さらに、該複数のセラミックコンデンサチップが形成されている支持台を水中に浸漬して前記水溶性粘着剤層を溶解し、切断分割されている複数のセラミックコンデンサチップを支持台上の粘着シートから剥離回収することを特徴とするセラミックコンデンサチップの製造法。
- 前記複数のセラミックコンデンサチップが形成されている支持台を水中に浸漬して前記水溶性粘着剤層を溶解する際に、超音波振動を付与することを特徴とする請求項6記載のセラミックコンデンサチップの製造法。
- 前記複数のセラミックコンデンサチップを支持台上の粘着シートから剥離回収した後、支持台上の粘着テープを支持台から剥離除去することを特徴とする請求項6又は7に記載のセラミックコンデンサチップの製造法。
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