JP2008066336A - ウエハ加工用シート - Google Patents

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尚哉 佐伯
Masatomo Nakamura
優智 中村
Osamu Yamazaki
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Abstract

【課題】タックが少ない、粘着力が低いダイ固定用接着剤層を用いた場合であっても、ダイシング工程においては、両面粘着シートとダイボンドシートとの界面にウキ・ハガレが見られず、ダイボンド工程においては、チップのピックアップ時のエキスパンドの際にリングフレームからの脱落が起こらないとともに、所要の工程後にはリングフレームに糊残りせずに剥離できるようなウエハ加工用シートを提供すること。
【解決手段】本発明のウエハ加工用シートは、特定のダイボンドシートと特定の両面粘着シートとが接着してなるウエハ加工用シートであって、該両面粘着シートがリング形状をなしリングフレームに固定可能な大きさを有し、リングフレーム固定用粘着剤層とリングフレームとの接着力がダイ固定用接着剤層と積層用粘着剤層との接着力よりも小さいことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、ダイシング工程においてウエハおよびチップを支持固定する機能を有するとともに、ダイボンド工程においてチップにダイボンド用接着剤を供給することの可能なウエハ加工用シートに関する。より詳しくは、本発明は、ダイシング工程およびダイボンド工程に用いられるリングフレームへの接着剤の付着を防止できるウエハ加工用シートに関する。
半導体装置の製造工程において、従来、チップをダイボンドする際にはエポキシ樹脂等からなるペースト状の接着剤をチップ裏面に塗布していたが、この作業は精度よく行うには極めて煩雑である。このため、近年ウエハ固定用感圧接着剤とダイ固定用接着剤層とを兼用する性能を有する接着剤層(以下、単に「ダイ固定用接着剤層」ともいう。)を基材フィルム上に備えたダイボンドシートが開発されている。
このダイボンドシートは、チップマウント時にダイ固定用接着剤層をチップに転移させるために、ダイボンドシートの基材フィルムと該接着剤層との界面の接着力は低めに設定されていることが多い。このため、リングフレームからダイボンドシートを剥離しようとすると、基材フィルムとダイ固定用接着剤層との界面で剥離し、基材フィルムのみが除去され、接着剤がリングフレームに残留してしまう場合が多かった。
このリングフレーム汚染を防ぐために、上記ダイボンドシート上に、粘着剤層と基材フィルムとからなる付着防止用粘着シートが積層されたウエハ加工用シートが開発されている(たとえば特許文献1参照)。このウエハ加工用シートでは、付着防止用粘着シートの基材フィルムを介して付着防止用粘着シートがダイボンドシートに積層されており、付着防止用粘着シートの粘着剤層がリングフレームに貼付されて用いられる。
特許第3521099号公報
しかしながら、このウエハ加工用シートでは、付着防止用粘着シートと積層するためダイ固定用接着剤層が感圧接着性(粘着性)であることが前提となっていた。ところが、ダイボンド工程のための所要の接着性能を発揮するためには、ダイ固定用接着剤層が感圧接着性でない場合も多く、その場合は、付着防止用粘着シートの基材フィルムとダイ固定用接着剤層との接着力が不十分となった。これにより付着防止用粘着シートとダイボンドシートとの界面にウキ・ハガレが生じてダイシング時の洗浄水が界面に入り込んだり、チップのピックアップ時に行うエキスパンドで同界面からダイボンドシートがチップごと脱落したりするなどの不具合を生じることがあった。
本発明は、このような多様なダイ固定用接着剤層に適応可能なウエハ加工用シートの必要性に鑑みてなされたものである。したがって、本発明の目的は、タックが少ない、粘着力が低いダイ固定用接着剤層を用いた場合であっても上記不具合が生じないウエハ加工用シートを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究した結果、特定の構造を有するウエハ加工用シートによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るウエハ加工用シートは、
基材フィルムと、該基材フィルムから剥離可能に積層されており、接着力が0.5N/25mm以下であるダイ固定用接着剤層とからなるダイボンドシートと、
芯材フィルムと、その片面に形成される積層用粘着剤層と、他方の面に形成されるリングフレーム固定用粘着剤層とからなる両面粘着シートとが、
該ダイ固定用接着剤層と該積層用粘着剤層とで接着してなるウエハ加工用シートであって、
上記両面粘着シートがリング形状をなし、リングフレームに固定可能な大きさを有し、
上記リングフレーム固定用粘着剤層と上記リングフレームとの接着力が、上記ダイ固定用接着剤層と上記積層用粘着剤層との接着力よりも小さいことを特徴とする。
また、本発明に係るウエハ加工用シートは、上記ダイボンドシートの外形と上記両面粘着シートの外形とが一致することが好ましい。また、前記芯材フィルムは厚さ30〜200μmのポリオレフィンであることが好ましい。
本発明によれば、ダイシング工程、ダイボンド工程をともに安定した操作で行うことのできるウエハ加工用シートを提供できる。すなわち、本発明によれば、感圧接着性の乏しいダイ固定用接着剤層が採用された場合であっても、ダイシング工程においては、両面粘着シートとダイボンドシートとの界面にウキ・ハガレが見られず、ダイボンド工程においては、チップのピックアップ時のエキスパンドの際にリングフレームからの脱落が起こらないとともに、所要の工程後にはリングフレームに糊残りせずに剥離できるようなウエハ加工用シートを提供できる。
以下、本発明を図面を参照しながらさらに具体的に説明する。
図1は本発明のウエハ加工用シートとともに用いるリングフレーム1の代表例を示している。リングフレーム1は、通常は金属製またはプラスチック製の成形体であり、リングフレーム1の内部開口2の内径寸法はダイシングするウエハ径よりも幾分大きいことはいうまでもなく、また外周の一部にはガイド用の平坦切欠部3が形成されている。なお、本発明において用いるリングフレーム1の形状は、図1に示すものに限定されず、従来用いられている種々の形状のものが用いられる。
このようなリングフレーム1は、一般には、下面をダイシングシートに貼付して使用される。本発明に係るウエハ加工用シート5を用いるときは、リングフレーム1は、後述するように、下面を両面粘着シート9のリングフレーム固定用粘着剤層7に貼付し、この両面粘着シート9を介してダイボンドシート10に貼付された構成となる(図4参照)。以下、両面粘着シート9に貼付される面を「ウエハ加工シート接着予定面4」という。なお、次いで内部開口2内において、半導体ウエハ11をダイボンドシート10で支持し、この状態でダイシングを行なって半導体チップとする(図4参照)。
次に、ウエハ加工用シート5を構成するダイボンドシート10について説明する。ダイシングシート10は、例えば、特開平2−32181号公報等に記載されており、基材フィルム10aにダイ固定用接着剤層10bが剥離可能に積層されている(図2、3参照)。
ダイ固定用接着剤層10bは、ダイシング加工前には常温または加熱により感圧接着性となり、半導体ウエハに貼着可能で、ダイシング加工時にウエハを支持固定することができる。加えてダイとリードフレームを接着可能であり、加熱硬化により、強固に接着固定化する。
ダイ固定用接着剤10bは、Bステージ(半硬化状)の熱硬化型接着成分からなるものと、低分子量の熱硬化性接着成分とポリマー成分とからなるものなどが挙げられる。
またダイ固定用接着剤層10bには、紫外線硬化性成分をさらに配合できる。このような接着剤層は、紫外線照射により基材との剥離性が向上し、ピックアップ加工が行ないやすくなる。
ところで、ある種の条件によるダイボンド性能を充たすためには、常温での感圧接着性が乏しいダイボンドシートが必要とされる場合がある。本発明において使用されるダイ固定用接着剤層10bは、このような条件に適用されるものであって、常温における接着力が0.5N/25mm以下である。ここで、ダイ固定用接着剤層10bの接着力は、JIS Z 0237に準拠して測定できる。ダイ固定用接着剤層10bは基材フィルム10aとは剥離可能のため、通常、ダイ固定用接着剤層10bとしての接着力は測定不能である。しかし、ダイ固定用接着剤層10bがこのレベルの接着力である場合は、基材フィルム10aとダイ固定用接着剤10bとの剥離力よりも小さく設定できるため、常温における接着力測定が可能となる。このようなダイ固定用接着剤層10bは、常温でウエハへの貼着は困難であるが、加熱下で行うことにより、貼着前後の工程に必要な接着力を得る。しかし、ダイ固定用接着剤10bでリングフレーム1や樹脂フィルムへ直接貼着するには不十分な接着力であり、その場合エキスパンド工程においてリングフレーム1からダイボンドシート10が脱落するなどの不具合が起こる。
上記のダイ固定用接着剤層10bの厚さは、通常5〜200μmであり、好ましくは10〜100μm程度である。
ダイボンドシート10の基材フィルム10aは、基本的にダイシング加工専用のダイシングシートの基材と同じものが使用できる。
さらに基材フィルム10aの表面張力は、好ましくは40dyn/cm以下、さらに好まし
くは35dyn/cm以下であることが望ましい。このような表面張力を有する基材を使用す
ることにより、ダイ固定用接着剤層との剥離性が向上し、ピックアップ適性が向上する。このような表面張力の低い基材は、材質を適宜に選択して得ることが可能であるし、また基材の表面にシリコーン樹脂等を塗布して、離型処理を施すことで得ることもできる。
次に、本発明のウエハ加工用シート5を構成する両面粘着シート9について説明する。両面粘着シート9は、リング形状を有し、芯材フィルム6とその片面に形成される積層用粘着剤層8と、他方の面に形成されるリングフレーム固定用粘着剤層7からなる(図2、3参照)。すなわち、リング形状を有する芯材フィルム6と、そのリングフレーム1に貼付される側の面に形成されたリングフレーム固定用粘着剤層7およびダイボンドシート10に貼付される側の面に形成された積層用粘着剤層8とからなる。
また、両面粘着シート9は、リングフレーム1に固定可能な大きさを有する。すなわち、両面粘着シート9の大きさは、両面粘着シート9をリングフレーム1のウエハ加工用シート接着予定面4に固定できる程度の大きさであればよく、具体的には、リングフレーム1の内部開口の径よりも、両面粘着シート9の外径が大きければよい。
芯材フィルム6の厚さは30〜200μmであり、中でも35〜150μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。30μm未満だと、両面粘着シート9をダイボンドシート10に貼り合わせる際に形状を維持できず変形して積層されてしまう場合がある。200μmを超えると、ウエハ加工用シート5をロール状としたときに段差が大きいため、巻跡がつくことがある。
芯材フィルム6としては、たとえばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、
エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等が用いられる。中でも、エキスパンド性の観点から、ポリオレンフィルム、可塑化したポリ塩化ビニルフィルムが好ましく、両面に積層される粘着剤に可塑剤による接着力の影響が出ないため、ポリオレフィンフィルムが特に好ましい。
リングフレーム固定用粘着剤層7および積層用粘着剤層8の厚さは、それぞれ2〜20μmであり、中でも3〜15μmが好ましく、4〜10μmがより好ましい。2μm未満だと、充分な接着力が発現しないことがある。20μmを超えると、リングフレーム1に粘着剤が残り、汚染することがある。
リングフレーム固定用粘着剤層7および積層用粘着剤層8はともに感圧接着性を有していればよく、同じ粘着剤からなる層であっても異なる粘着剤からなる層であっても構わない。このような粘着剤としては、たとえばアクリル、ゴム、シリコーン粘着剤であって、後述するようにリングフレーム固定用粘着剤層7とリングフレーム1との接着力Aをダイ固定用接着剤層10bと積層用粘着剤層8との接着力Bよりも小さくできるような粘着剤が適宜選択されて用いられる。リングフレーム固定用粘着剤層7としては、中でも、リングフレーム1からの再剥離性を考慮するとアクリル粘着剤が好ましい。リングフレーム固定用粘着剤層7を形成する粘着剤は、単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。積層用粘着剤層8についても同様である。
本発明のウエハ加工用シート5の斜視図を図2に示し、そのX−X線断面図を図3に示す。図2および図3に示すように、ウエハ加工用シート5は、上記ダイボンドシート10と上記両面粘着シート9とからなり、ダイボンドシート10のダイ固定用接着剤層10bと両面粘着シート9の積層用粘着剤層8とが接着してなる。
このような構成のウエハ加工用シート5を実際に使用するときは、両面粘着シート9を介してリングフレーム1とダイボンドシート10とが固定される。このとき、両面粘着シート9のリングフレーム固定用粘着剤層7がリングフレーム1に貼付される。
また、本発明のウエハ加工用シート5では、リングフレーム固定用粘着剤層7とリングフレーム1との接着力Aがダイ固定用接着剤層10bと積層用粘着剤層8との接着力Bよりも小さい(図4、A、B参照)。したがって、本発明のウエハ加工用シート5では、両面粘着シート9が積層用粘着剤層8を有するとともに、接着力A<接着力Bの関係を有するため、ダイ固定用接着剤層10bの感圧接着性の有無に左右されず、ダイシング中には、ダイボンドシート10と両面粘着シート9との界面でウキ・ハガレは生じない。すなわち、常温で感圧接着性が乏しく、加熱によってウエハに貼付できるダイボンドシート10を用いるときも、これを安定してダイシングできる。また、ダイボンド工程でチップをピックアップするためダイボンドシート10をエキスパンドする際に、ダイボンドシート10が剥離してリングフレーム1から脱落するようなことも起きない。さらに、所要の工程後、リングフレーム1からウエハ加工用シート5を剥離しようとするときは、両面粘着シート9も同時に剥離され、リングフレーム1には糊残りしない。
また、リングフレーム固定用粘着剤層7とリングフレーム1との接着力は、糊残りを抑制する観点から、好ましくは0.5〜5N/25mm程度である。したがって、ダイ固定用接着剤層10bと積層用粘着剤層8との接着力は、例えば、0.5N/25mm以上である。ところで、ダイ固定用接着剤層10bと積層用粘着剤層8との接着力を測定する場合、ダイボンドシート10側を剥離して接着力を測定しようとすると基材フィルム10aとダイ固定用接着剤10bの層間が先に剥離してしまうため、実際の接着力値を得ること
は困難である。このため、基材フィルム10aを剥離し露出したダイ固定用接着剤層10bを金属板などの剛直な支持体に固定し、両面粘着シート9側を引き剥がすことにより測定できる。
また、ダイボンドシート10の外形と両面粘着シート9の外形とが一致することが好ましい。すなわち、例えば、図2、3に示すように、ダイボンドシート10の外周と両面粘着シート9の外周とが一致していることが好ましい。
本発明のウエハ加工用シート5は、例えば次のようにして作成されるが、加工の順番等は適宜変更されてもよい。所定形状とする前のダイボンドシート10および両面粘着シート9は、それぞれ公知の塗工方法に基づき製造される。ダイ固定用接着剤層10b、リングフレーム固定用粘着剤層7および積層用粘着剤層8の表面には、それぞれ層の保護のために剥離フィルムが積層される。
両面粘着シート9に対し、積層用粘着剤層8側の剥離フィルムからリングフレーム固定用粘着剤層7の層まで、リングフレーム固定用粘着剤層7側の剥離フィルムを残すようにして、リング形状の内形をかたどる打ち抜きが行われる。打ち抜かれた両面粘着シートの内側部分はリングフレーム固定用粘着剤層7側の剥離フィルム上から除去される。続いて、両面粘着シートから積層用粘着剤層8側の剥離フィルムが剥離されるとともに、ダイボンドシート10からダイ固定用接着剤層10b側の剥離フィルムが剥離され、積層用粘着剤層8とダイ固定用接着剤層10bの面が積層される。そして、リング形状の外形をかたどる打ち抜きが、基材フィルム10aからリングフレーム固定用粘着剤層7の層まで、リングフレーム固定用粘着剤層7側の剥離フィルムを残すようにして行われる。これによってウエハ加工用シート5が作成される。
次に、このようにして作成されたウエハ加工用シート5の使用方法について説明する。
ダイボンドシート10のダイ固定用接着剤層10bを、加工すべきウエハ11に常温下での加圧、好ましくは加熱条件下での加圧により貼着する。これと同時に、リングフレーム1のウエハ加工用シート接着予定面4に、ウエハ加工用シート5のリングフレーム固定用粘着剤層7を貼着することにより、ウエハ11をリングフレーム1にウエハ加工用シート5を介して固定した状態とする(図4)。リングフレーム固定用粘着剤層7の貼着条件は、ダイ固定用接着剤層10bの貼着条件と同じであってもよいし、異なってもよい。
この状態でウエハ11を所定のサイズのチップにダイシングをして、さらに洗浄、乾燥の諸工程が加えられる。このとき、本発明のウエハ加工用シート5によれば安定してダイシングが行われる。なお、ダイ固定用接着剤層10bが紫外線硬化性成分を有するものを使用した場合は、ダイシング工程の前またはピックアップ工程の前に紫外線照射が施され、これによりダイシングによるチップ飛散が抑えられ、またはチップのピックアップを行うための剥離性が向上する。
次に、ダイ固定用接着剤層10b付きのチップをピックアップする工程を行う。ピックアップ工程においては、必要に応じ、ウエハ加工用シートのエキスパンドが行われる。本発明のウエハ加工用シート5は上述のような構成および接着力の関係を有するため、エキスパンド時にもリングフレーム1からダイボンドシート10の脱落が起こらない。エキスパンドを行うことにより、チップ間の隙間が広がり、ピックアップ装置のチップ認識性が向上する。さらに、芯材フィルム6として上記範囲にある厚さのポリオレフィンが使用されていれば、より広いチップ間隔とチップの整列性が得られる。
なお、このピックアップされたダイ固定用接着剤層10b付きのチップは、所望の次工程で用いられる。例えば、このチップは所定の基板上にダイボンドされ、加熱硬化するこ
とによりチップとリードフレームとが強固に接着固定されてもよい。
所定の工程後に、リングフレーム1からウエハ加工用シート5を剥離するが、本発明のウエハ加工用シート5は上述のような構成および接着力の関係を有するため、リングフレームに糊残りは見られない。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<リングフレーム固定用粘着剤層とリングフレームとの接着力Aの測定方法>
JIS Z 0237に準拠して測定した。具体的には、25mm幅に切断したウエハ加工用シートのリングフレーム固定用粘着剤層をステンレス製のリングフレームに模した試験板(SUS304)に室温で貼付した。これを20分間放置した後、ウエハ加工用シートの端部を万能引張試験機(テンシロン)に固定し、剥離速度 = 300 mm/min,剥離角度 = 180度の条件で引張力を測定した。試験板とリングフレーム固定用粘着剤層の界
面で剥離した場合の引張力をリングフレーム固定用粘着剤層とリングフレームとの接着力Aとした。測定結果を表1に示す。
<ダイ固定用接着剤層と積層用粘着剤層との接着力Bの測定方法>
JIS Z 0237に準拠して測定した。具体的には、25mm幅に切断したウエハ加工用シートから基材フィルムを剥離し露出したダイ固定用接着剤層の面を強粘着力の両面粘着テープで金属板に固定した。これを室温で20分間放置した後、ウエハ加工用シートの端部を万能引張試験機(テンシロン)に固定し、剥離速度 = 300 mm/min,剥離角度
= 180度の条件で引張力を測定した。ダイ固定用接着剤層と積層用粘着剤層との界面
で剥離した場合の引張力をダイ固定用接着剤層と積層用粘着剤層との接着力Bとした。測定結果を表1に示す。
また、比較例1、2については、ダイ固定用接着剤層と積層用粘着剤層との接着力の代わりにダイ固定用接着剤層と芯材フィルムとの接着力を表記した。
<ダイ固定用接着剤層の接着力>
JIS Z 0237に準拠して測定した。具体的には、実施例または比較例のウエハ加工用シートに使用されるダイボンドシートを25mm幅に切断し試験板(SUS304)に室温で貼付した。これを20分間放置した後、ダイボンドシートの端部を万能引張試験機(テンシロン)に固定し、剥離速度 = 300 mm/min,剥離角度 = 180度の条件で
引張力を測定した。ダイ固定用接着剤層が基材フィルムとの界面で剥離せず試験板との界面で剥離した場合の引張力をダイ固定用接着剤層の接着力とした。測定結果を表1に示す。
<リングフレームの汚染防止性の評価>
#2000研磨したシリコンウエハ(150mm径、厚さ150μm)の研磨面に、実施例および比較例のウエハ加工用シートを貼付するとともにリングフレームに固定した。次いで、ダイシング装置(株式会社ディスコ製、DFD651)を使用して、8mm×8mmのチップサイズにダイシングした。ダイシングの際の切り込み量は、基材を20μm切りこむようにした。その後、30℃、30日間放置した後に、リングフレームからテープを剥離し、粘着剤の残渣物の有無を光学顕微鏡で観察した。その結果を表2に示す。
<エキスパンド性の評価>
上記同様にダイシングを行った後、20分放置した後にエキスパンド装置(株式会社ジェイシーエム製、ME−300、Btype)を用いて、10mm/秒、10mm条件で
エキスパンドを行い、その後、ダイ固定用接着剤層と積層用粘着剤層との界面でウキ・ハガレが生じるか、さらにウキ・ハガレによってリングフレームが脱落するかを観察した。その結果を表2に示す。
[実施例1]
〔粘着剤α〕
ブチルアクリレートを主成分としたアクリル共重合体(日本合成化学工業株式会社製、コーポニールN−3327)100重量部に対して、芳香族性ポリイソシアナート(日本ポリウレタン工業株式会社製コロネートL)2部、トルエン50部を加えて粘着剤溶液を調製した。
〔粘着剤β〕
ブチルアクリレートを主成分としたアクリル共重合体(綜研化学株式会社製、SKダイン1811L)100重量部に対して、芳香族性ポリイソシアナート(綜研化学株式会社製、TD−75)5部、トルエン30部を加えて粘着剤溶液を調製した。
上記粘着剤αの溶液をシリコーン処理された剥離フィルム(リンテック株式会社製、SP−PET3811(S))上に塗布、乾燥(オーブンにて100℃1分間)した。このようにして厚み10μmの粘着剤層αを作製した。上記粘着剤βの溶液を用いて同様に厚み10μmの粘着剤層βを作製した。
次いで、芯材フィルムとしてエチレン−メタクリル酸共重合体フィルム(厚み90μm、理研ビニル工業株式会社製、EN09―80T―M8)の片面にリングフレーム固定用粘着剤層として粘着剤層αを転写した。次いでもう一方の面に積層用粘着剤層として粘着剤層βを転写し、両面粘着シートを得た。得られた両面粘着シートに対し、直径165mmの抜き加工(内側)を行った。
粘着剤層β側にダイシング・ダイボンディングテープ(リンテック株式会社製、Adwill LE4411)を室温にて貼付し、直径207mmの抜き加工(外側)を行った。このとき、内側の抜き加工で得られる円と外側の抜き加工で得られる円とが同心円となるようにした。こうして、図2、3の構成を有するウエハ加工用シートを得た。
[実施例2]
ダイシング・ダイボンディングテープ(リンテック株式会社製、Adwill LE4411)の代わりに、ダイシング・ダイボンディングテープ(リンテック株式会社製、Adwill LE4765)を用いたほかは、実施例1と同様にしてウエハ加工用シートを得た。
[比較例1]
実施例1と同様にして、芯材フィルムとしてエチレン−メタクリル酸共重合体フィルム(厚み90μm、理研ビニル工業株式会社製、EN09―80T―M8)の片面に感圧接着剤層αを有する粘着シートを作成した。比較例1では、実施例1の両面粘着シートの代
わりに、この積層用粘着剤層を形成しない粘着シートを用いた。得られた粘着シートに対し、直径165mmの抜き加工(内側)を行った。
粘着シートの芯材フィルムに対してダイシング・ダイボンディングテープ(リンテック株式会社製、Adwill LE4411)のダイ固定用接着剤層で貼付し、直径207mmの抜き加工(外側)を行った。このとき、内側の抜き加工で得られる円と外側の抜き加工で得られる円とが同心円となるようにした。こうして図2、3に準ずる構成を有するウエハ加工用シートを得た。
[比較例2]
ダイシング・ダイボンディングテープとして、実施例2に用いたダイシング・ダイボンディングテープ(リンテック株式会社製、Adwill LE4765)を使用したほかは、比較例1と同様にしてウエハ加工用シートを得た。
[比較例3]
両面粘着シートを積層しないで実施例1に用いたダイシング・ダイボンディングテープ(リンテック株式会社製、Adwill LE4411)をそのままウエハ加工用シートとした。

Figure 2008066336
Figure 2008066336
図1は、リングフレームの斜視図である。 図2は、本発明のウエハ加工用シートの斜視図である。 図3は、図2のX−X線断面図である。 図4は、本発明のウエハ加工用シートの使用状態を示す。
符号の説明
1: リングフレーム
2: リングフレームの内部開口
3: 平坦切欠部
4: ウエハ加工用シート接着予定面
5: ウエハ加工用シート
6: 芯材フィルム
7: リングフレーム固定用粘着剤層
8: 積層用粘着剤層
9: 両面粘着シート
10: ダイボンドシート
10a: 基材フィルム
10b: ダイ固定用接着剤層
11: ウエハ

Claims (3)

  1. 基材フィルムと、該基材フィルムから剥離可能に積層されており、接着力が0.5N/25mm以下であるダイ固定用接着剤層とからなるダイボンドシートと、
    芯材フィルムと、その片面に形成される積層用粘着剤層と、他方の面に形成されるリングフレーム固定用粘着剤層とからなる両面粘着シートとが、
    該ダイ固定用接着剤層と該積層用粘着剤層とで接着してなるウエハ加工用シートであって、
    前記両面粘着シートがリング形状をなし、リングフレームに固定可能な大きさを有し、
    前記リングフレーム固定用粘着剤層と前記リングフレームとの接着力が、前記ダイ固定用接着剤層と前記積層用粘着剤層との接着力よりも小さいことを特徴とするウエハ加工用シート。
  2. 前記ダイボンドシートの外形と前記両面粘着シートの外形とが一致することを特徴とする請求項1に記載のウエハ加工用シート。
  3. 前記芯材フィルムが厚さ30〜200μmのポリオレフィンであることを特徴とする請求項1または2に記載のウエハ加工用シート。
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