JP2012230930A - ウエハ加工用テープおよびウエハ加工用テープを用いて半導体装置を製造する方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のウエハ加工用テープ1は、長尺のフィルム状に形成され、ウエハ12をダイシングする際にウエハ12およびダイシングされたチップ14を保持するための粘着テープ4と、粘着テープ4上に長尺のフィルム状に設けられた接着剤層5と、接着剤層5上に設けられた長尺の離型フィルム6と、離型フィルム6上に長尺のフィルム状に設けられた粘着剤層7とを有する。
【選択図】図1
Description
粘着テープ4には、基材フィルム2に第1粘着剤層3を設けたものを好適に用いることができる。粘着テープ4は、ウエハをダイシングする際にはウエハおよびダイシングされたチップが接着剤層5ごと剥離しないように十分な粘着力を有し、ダイシング後にチップをピックアップする際には容易に接着剤層5から剥離できるよう低い粘着力を有するものである。そのため、粘着テープ4の第1粘着剤層3には、放射線重合性化合物と光開始剤が含まれていることが好ましい。
接着剤層5は、ウエハ等が貼り合わされてダイシングされた後、チップをピックアップする際に、粘着テープ4から剥離してチップに付着し、チップを基板やリードフレーム等に固定する際の接着剤として使用されるものである。従って、接着剤層5は、チップをピックアップする際に、接着剤層5がチップに付着したままの状態で、粘着テープ4から剥離することができる剥離性を有し、さらに、ダイボンディングする際において、チップを基板やリードフレーム等に接着固定するために、十分な接着信頼性を有するものである。
離型フィルム6としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)系、ポリエチレン系、その他、離型処理がされたフィルム等公知のものを使用することができる。離型フィルム6の厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定してよいが、25〜50μmが好ましい。
第2粘着剤層7は、ウエハ加工工程において、ウエハ加工用テープ1が貼合されたウエハを搬送したり、ダイシング装置等のウエハ加工用の装置に固定する等取扱い性をよくするためにリングフレームを貼合するためものである。また、ウエハ加工用テープ1をロール状に巻き取った際に、粘着テープ4の裏面に粘着してウエハ加工用テープ1の巻きズレを防止する機能も果たすものである。
次に、本実施形態に係るウエハ加工用テープ1の使用方法すなわちウエハ加工用テープ1を用いて半導体装置を製造する方法を、図2〜図4を用いて説明する。
まず、図2(A)に示すように、ウエハ加工用テープ1の第2粘着剤層7側からリングフレームを貼合することになるリングフレーム貼合位置の内周に沿って、接着剤層5への切込深さが接着剤層5の厚さの50%以内になるように高さを調整したカッター刃8により、環状に切り込みを入れる。
次に、図4(A)に示すように、ウエハ12を切断して複数のチップ14に分割するとともに、接着剤層5も分割する。
図4(B)に示すように、分割された複数のチップ14を保持するウエハ加工用テープ1をエキスパンド装置のステージ15上に載置する。そして、図4(C)に示すように、粘着テープ4をウエハ12の周方向および径方向に引き伸ばすエキスパンド工程を実施する。具体的には、ダイシングされた複数のチップ14および接着剤層5を保持した状態の粘着テープ4に対して、中空円柱形状の突き上げ部材16を、粘着テープ4の下面側から上昇させ、粘着テープ4をウエハ12の周方向および径方向に引き伸ばす。エキスパンド工程により、チップ14同士の間隔を広げ、CCDカメラ等によるチップ14の認識性を高めるとともに、ピックアップの際に隣接するチップ14同士が接触することによって生じるチップ14同士の再接着を防止することができる。
エキスパンド工程を実施した後、粘着テープ4をエキスパンドした状態のままで、チップ14をピックアップするピックアップ工程を実施する。具体的には、粘着テープ4の下側からチップ14をピンによって突き上げるとともに、粘着テープ4の上面側から吸着冶具でチップ14を吸着することで、個片化されたチップ14を接着フィルムとともにピックアップする。
ピックアップ工程を実施した後、ダイボンディング工程を実施する。具体的には、ピックアップ工程でチップ14とともにピックアップされた接着剤層5により、チップ14をリードフレームやパッケージ基板等に接着して、半導体装置を製造する。
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
溶媒のトルエン400g中に、n−ブチルアクリレート128g、2−エチルヘキシルアクリレート307g、メチルメタアクリレート67g、メタクリル酸1.5g、重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整し、反応温度および反応時間を調整し、官能基をもつ化合物の溶液を得た。
アクリル樹脂(質量平均分子量60万、ガラス転移温度−20℃)100質量部、硬化剤としてポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン株式会社製、商品名:コロネートL)10質量部を混合して粘着剤組成物を得た。この粘着剤組成物を離型フィルム(38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)に乾燥厚が10μmになるように塗工し、110℃で2分間乾燥し、積層体2Aを得た。
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、重量平均分子量1200、軟化点70℃)50質量部、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.5質量部、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン3質量部、平均粒径16nmのシリカフィラー30質量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分混練した。
上記積層体3Aを得る際に、離型フィルムに表面処理を施すことにより、第2粘着剤層と離型フィルムとの間の剥離力が1(N/25mm)、離型フィルムと接着剤層との間の剥離力が0.3(N/25mm)となるように調整した。冷蔵保管していた積層体3Aを常温に戻し、粘着フィルム1Aを第1粘着剤層が接着剤層と接するように常温で貼り合わせ、内径3インチのABS製コアに幅290mm、長さ100mを巻取り張力10Nで巻き取って巻回体4Aを作製して実施例1とした。
コアへの巻取り張力を40Nとした以外は実施例1と同様にして巻回体4Bを作製して実施例2とした。
積層体3Aを得る際に、第2粘着剤層と離型フィルムとの間の剥離力を0.2(N/25mm)、離型フィルムと接着剤層との間の剥離力を1.0(N/25mm)となるように調整し、その他は実施例1と同様の巻回体4Cを作製して実施例3とした。
積層体3Aを得る際に、第2粘着剤と離型フィルムとの間の剥離力を0.2(N/25mm)、離型フィルムと接着剤層との間の剥離力を0.3(N/25mm)となるように調整し、その他は実施例1と同様の巻回体4Dを作製して実施例4とした。
積層体3Aを得る際に、第2粘着剤と離型フィルムとの間の剥離力を0.9(N/25mm)、離型フィルムと接着剤層との間の剥離力を1.0(N/25mm)となるように調整し、その他は実施例1と同様の巻回体4Eを作製して実施例5とした。
冷蔵保管していた積層体3Bを常温に戻し、接着剤層に対して、離型フィルムへの切込みを10μm以下になるように調整して直径220mmの円形プリカット加工を行なった。その後、接着剤層の不要部分を除去し、粘着テープ1Aをその第1粘着剤層が接着剤層と接するように、室温でラミネートした。そして、粘着テープ1Aに対して、離型フィルムへの切込深さが10μm以下になるように調節して接着剤層と同心円状に直径280mmのプリカット加工し、円形ラベルを得た。この円形ラベル400枚を内径3インチのABS製コアに巻取り張力10Nで巻き取って巻回体4Fを作製して比較例1とした。
コアへの巻取り張力を40Nとした以外は比較例1と同様にして巻回体4Gを作製して比較例2とした。
冷蔵保管していた積層体3Bを常温に戻し、粘着フィルム1Aをその第1粘着剤層が接着剤層と接するように、室温でラミネートし、内径3インチのABS製コアに巻取り張力10Nで100m巻き取って巻回体4Hを作製して比較例3とした。
コアへの巻取り張力を40Nとした以外は比較例3と同様にして巻回体4Iを作製して比較例4とした。
冷蔵保管していた積層体3Bを常温に戻し、粘着フィルム1Bをその第1粘着剤層が接着剤層と接するように、室温でラミネートし、内径3インチのABS製コアに巻取り張力40Nで100m巻き取って巻回体4Jを作製して比較例5とした。
上記接着剤層と離型フィルムとの間の剥離力の測定方法について説明する。剥離力測定試験時の接着剤層の伸びを防止するため、接着剤層側に第2粘着剤層と接着剤層との間の剥離力より大きい粘着力を有する支持テープ(積水化学工業化株式会社製の梱包用オリエンスパットテープ)を、平らな硝子板上で手動の貼合ローラー(2kg)を用いて貼合する。そして、支持テープが貼合されたウエハ加工用テープを25mm×100mmのサイズに切り出し、粘着テープを剥離する。第2粘着剤層側の面をアルミ板に両面テープで固定し、接着剤層の端部を離型フィルムより一部剥離して測定治具に固定して、支持テープが貼合された接着剤層を50mm/minの引っ張り速度で90度の角度にて剥離したときの剥離強度を測定した。
(転写痕)
実施例1〜5および比較例1〜5に係る巻回体を、2週間5℃の冷蔵下で保管した後、常温に戻し、巻きほぐしながらシート上に転写痕があるかどうかを目視で確認した。転写痕がないものを○、転写痕があるものを×とした。それぞれの評価結果を実施例1〜5については表1に、比較例1〜5については表2に示す。
実施例1〜5および比較例1〜5に係る巻回体を、2週間5℃の冷蔵下で保管した後、常温に戻し、コア内に支持体を挿入しコアを垂直方向に立て、支持体のみで巻回体を支持した状態で1分間放置し巻きズレが発生するかどうかを確認した。コア端部に対しフィルム端部のズレが2mm未満のものを○、2mm以上のものを×とした。それぞれの評価結果を実施例1〜5については表1に、比較例1〜5については表2に示す。
実施例1〜5については、上述の段落[0052]〜段落[0055]の方法により、ウエハおよびリングフレームのウエハ加工用テープへの貼合を試行し、第2粘着剤層および離型フィルムが接着剤層のウエハを貼合する位置を含む領域から剥離でき、ウエハおよびリングフレームが貼合できた場合を○、離型フィルムが第2粘着剤層とともに除去できず、接着剤層側に残ってしまったが、離型フィルムの切り込み内側端部に粘着テープ片を貼合し引っ張ることで離型フィルムを除去することができ、問題なくウエハおよびリングフレームを貼合することができた場合を△、ウエハおよびリングフレームが貼合できなかった場合を×とした。また、比較例1,2については、離型フィルムを剥離し、接着剤層および粘着テープ1Aの粘着剤層のプリカットされた部分に、ウエハおよびリングフレームの貼合を試行し、貼合できた場合を○、できなかった場合を×とした。比較例3〜5については、ウエハ加工用テープを300mm長に切断し、離型フィルムを剥離し、接着剤層のウエハを貼合する位置に環状の切り込みを入れた後に、この接着剤層のウエハ貼合位置にウエハを貼合し、貼合したウエハをマスクとして紫外線をメタルハライドランプ(30mW/cm2)により積算照射量が200mJ/cm2となるように照射し、ウエハが貼合されていない部分の粘着テープ1Aまたは粘着テープ1Bの粘着剤層の粘着力を弱め、接着剤層に形成された上述の環状の切り込みの外側部分を粘着剤層から剥離し、露出した粘着剤層へのリングフレームの貼合を試行し、ウエハおよびリングフレームが貼合できた場合を○、できなかった場合を×とした。それぞれの評価結果を実施例1〜5については表1に、比較例1〜5については表2に示す。
実施例1〜5については、ダイシングに使用するSUS製リングフレームに1N/mmの押圧で第2粘着剤層を貼合し、室温で24時間放置した後、180度の方向にフィルムを剥離し、リングフレーム上を目視した。比較例1,2については、SUS製リングフレームに1N/mmの押圧で粘着テープ1Aの粘着剤層を貼合し、室温で24時間放置した後、180度の方向にフィルムを剥離し、リングフレーム上を目視した。比較例3〜5については、SUS製リングフレームに1N/mmの押圧で紫外線をメタルハライドランプ(30mW/cm2)により積算照射量が200mJ/cm2となるように照射した後の粘着テープ1Aまたは粘着テープ1Bの粘着剤層を貼合し、室温で24時間放置した後、180度の方向にフィルムを剥離し、リングフレーム上を目視した。そして、粘着剤の残渣が無い場合を○、残渣がある場合を×とした。それぞれの評価結果を実施例1〜5については表1に、比較例1〜5については表2に示す。なお、比較例4について、粘着剤層に代えて接着剤層にリングフレームを上記と同様に貼合して接着剤の残渣の有無を評価したところ、リングフレームに接着剤の残渣が有ることが確認された。
厚さ20μmのシリコンウエハを上述の方法で実施例1〜5および比較例1〜5に係るウエハ加工用テープに貼合した後、シリコンウエハと接着剤層とを、ダイシング装置(ディスコ社製、商品名:DFD6340)を使用し10mm角にダイシングした。その後、第1粘着剤層に紫外線をメタルハライドランプ(30mW/cm2)により積算照射量が200mJ/cm2となるように照射した。その後、ウエハ加工用テープをエキスパンドして、シリコンウエハ中央部のチップ20個についてダイボンダー装置(キャノンマシナリー製、商品名:CAP−300)によるピックアップ試験を行い、すべてピックアップできた場合を○、ピックアップできないものがあった場合を×とした。それぞれの評価結果を実施例1〜5については表1に、比較例1〜5については表2に示す。
2:基材フィルム
3:第1粘着剤層
4:粘着テープ
5:接着剤層
6:離型フィルム
7:第2粘着剤層
11:リングフレーム
12:ウエハ
14:チップ
Claims (6)
- 長尺のフィルム状に形成され、ウエハをダイシングする際にウエハおよびダイシングされたチップを保持するための粘着テープと、
前記粘着テープ上に長尺のフィルム状に設けられた接着剤層と、
前記接着剤層上に設けられた長尺の離型フィルムと、
前記離型フィルム上に長尺のフィルム状に設けられた粘着剤層と
を有することを特徴とするウエハ加工用テープ。 - 前記粘着剤層と前記離型フィルムとの間の剥離力が、前記接着剤層と前記離型フィルムとの間の剥離力よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のウエハ加工用テープ。
- 前記粘着テープは、リングフレームに対応する形状にプリカットされておらず、接着剤層は、ウエハに対応する形状にプリカットされていないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウエハ加工用テープ。
- 前記粘着剤層が外部から力を加えることにより剥離することができる感圧型であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のウエハ加工用テープ。
- 前記粘着テープは、第1粘着剤層を有しており、前記第1粘着剤層が放射線を照射することにより硬化する放射線硬化型であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のウエハ加工用テープ。
- 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のウエハ加工用テープを用いて半導体装置を製造する半導体装置の製造方法であって、ウエハを貼合する際に、少なくとも前記接着剤層のウエハを貼合する位置を含む領域に対応する部分の前記粘着剤層と前記離型フィルムとを前記接着剤層から剥離する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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