JP2004099512A - 染毛剤組成物、染毛剤セットおよび染毛方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の染毛剤組成物は、
パラフェニレンジアミン、硫酸トルエン−2,5−ジアミン、塩酸トルエン−2,5−ジアミンおよびトルエン−2,5−ジアミンよりなる群から選ばれる1種以上の酸化染料成分(A)と、
前記酸化染料成分(A)以外の酸化染料成分(B)とを、
(A):(B)の重量比で1:2〜1:10の範囲で配合してなることを特徴としている。
【効果】本発明によれば、白髪まじりの毛髪を染毛した場合であっても、白髪がしっかりと染色されて白髪が目立たず、白髪と黒髪とを同程度に染色でき、頭髪全体を明るく透明感のある、明度および彩度の高い色調とすることができ、しかも色持ちに優れた染毛ができる。
【選択図】 なし
パラフェニレンジアミン、硫酸トルエン−2,5−ジアミン、塩酸トルエン−2,5−ジアミンおよびトルエン−2,5−ジアミンよりなる群から選ばれる1種以上の酸化染料成分(A)と、
前記酸化染料成分(A)以外の酸化染料成分(B)とを、
(A):(B)の重量比で1:2〜1:10の範囲で配合してなることを特徴としている。
【効果】本発明によれば、白髪まじりの毛髪を染毛した場合であっても、白髪がしっかりと染色されて白髪が目立たず、白髪と黒髪とを同程度に染色でき、頭髪全体を明るく透明感のある、明度および彩度の高い色調とすることができ、しかも色持ちに優れた染毛ができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、染毛剤組成物、染毛剤セットおよび染毛方法に関する。詳しくは、本発明は、白髪まじりの毛髪を染毛する場合にも、白髪を目立たせず、かつ、全体を明るい色調に染毛することができる染毛剤組成物、染毛剤セットおよび染毛方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
黒髪を明るい色調に染毛することは一般に行われているが、白髪まじりの毛髪においても、黒髪を染毛する場合と同様に、明るく透明感のある色調、すなわち明度および彩度の高い色調にしたいという要望は強い。
しかしながら、白髪まじりの毛髪の染毛では、通常、白髪を目立たなくすることを最大の目的としている。白髪を目立たなくする方法としては、白髪を暗褐色に染毛することが挙げられるが、白髪まじりの毛髪の染毛では、白髪の染毛と黒髪の染毛とが同時に進行するため、白髪を暗褐色に染毛すると同時に黒髪はよりいっそう濃い色に染まってしまい、頭髪全体の色調はかなり暗いものになる。
【0003】
このため、白髪を目立たなくするという目的と、頭髪全体を明るい色調に染毛するという目的とを同時に達成するのは非常に困難であった。
白髪まじりの毛髪を、明るい色調に染毛する方法としては、染料の量を少なくするなどの手段により、毛髪に入る染料の量を少なくする方法が挙げられる。しかしながらこの方法では、白髪が薄染まりになり、かえって目立つ場合があった。また、頭髪全体に着色が少ないため、色持ちが悪いという問題があった。
【0004】
また、考えられる別の方法としては、白髪の仕上がりとつりあう明るさとなるよう、黒髪に対するブリーチ力を大幅に上げる方法が挙げられる。しかしながら、この方法では多量のアルカリ剤を用いるため、アンモニア臭が強くなり、毛髪のダメージも大きくなるなど、アルカリ剤の欠点が目立つ結果となり、実用できるものではない。
【0005】
またさらに別の方法としては、染料として直接染料を多量に使う方法が挙げられるが、直接染料による染毛では、酸化染料による染毛と比較して退色しやすく、色持ちが不充分であるという問題があった。
染毛において、色持ちを向上させるためには、酸化染料を多く毛髪に導入する方法が挙げられるが、この方法では上述のように頭髪全体が暗い色調になるため、白髪まじりの毛髪を明るい色調に染色することと、色持ちを向上させることとを同時に達成することはこれまで不可能であった。
【0006】
また、通常の白髪染め用染毛剤では、処方中の染料配合成分の半量程度が、パラフェニレンジアミンなどの濃く発色する染料である。発色が強い酸化染料であるパラフェニレンジアミンなどは、白髪を目立たなくする効果が期待されるが、黒髪をも濃色に染めるため、明るい色調に仕上げたい場合には染料成分量を少なくする必要があり、結果として白髪の染色が不足していた。また、パラフェニレンジアミンなどのいわゆる染料中間体は、染料中間体以外の酸化染料(いわゆるカップラー)と反応して発色するが、単独で発色する反応も同時に起こり、これがくすんだ印象に仕上がる原因となっていた。
【0007】
このため、白髪まじりの毛髪を染毛した際に、頭髪全体が明るい色調となり、白髪が目立たず、しかも色持ちのよい染毛剤および染毛方法の出現が強く望まれていた。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、白髪まじりの毛髪を染毛した際に、頭髪全体が明度および彩度の高い明るい色調となり、白髪が目立たず、しかも色持ちのよい染毛剤組成物、染毛剤セットおよび染毛方法を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】
本発明の染毛剤組成物は、
パラフェニレンジアミン、硫酸トルエン−2,5−ジアミン、塩酸トルエン−2,5−ジアミンおよびトルエン−2,5−ジアミンよりなる群から選ばれる1種以上の酸化染料成分(A)と、
前記酸化染料成分(A)以外の酸化染料成分(B)とを、
(A):(B)の重量比で1:2〜1:10の範囲で配合してなることを特徴としている。
【0010】
このような本発明の染毛剤組成物は、
パラフェニレンジアミン、硫酸トルエン−2,5−ジアミン、塩酸トルエン−2,5−ジアミンおよびトルエン−2,5−ジアミンよりなる群から選ばれる1種以上の酸化染料成分(A)と、
前記酸化染料成分(A)以外の酸化染料成分(B)とを、
(A)と(B)との合計で、染毛剤組成物全体の0.5〜5.0重量%の範囲で含有することが好ましい。
【0011】
また、本発明の染毛剤組成物は、前記酸化染料成分(A)が、パラフェニレンジアミンを含有することが好ましい。
さらに、本発明の染毛剤組成物は、前記酸化染料成分(B)が、レゾルシンおよび/またはパラアミノフェノールを含有し、レゾルシンとパラアミノフェノールとの合計量が、前記酸化染料成分(A)と前記酸化染料成分(B)との合計量に対して、30〜90重量%であることが好ましい。
【0012】
またさらに、本発明の染毛剤組成物は、染毛剤組成物中のアルカリ量が、染毛剤組成物中に28重量%アンモニア水を2〜15重量%含有する場合に相当する量であることが好ましい。
本発明の染毛剤セットは、上記本発明の染毛剤組成物からなる第1剤と、過酸化水素を含有する第2剤とからなることを特徴としている。
【0013】
本発明の染毛方法は、上記本発明の染毛剤組成物からなる第1剤と、過酸化水素を含有する第2剤とを混合して混合物を調製し、該混合物を毛髪に塗布することを特徴としている。
【0014】
【発明の具体的説明】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の染毛剤組成物は、
パラフェニレンジアミン、硫酸トルエン−2,5−ジアミン、塩酸トルエン−2,5−ジアミンおよびトルエン−2,5−ジアミンよりなる群から選ばれる1種以上の酸化染料成分(A)と、
前記酸化染料成分(A)以外の酸化染料成分(B)とを含有している。
【0015】
本発明において、酸化染料とは、過酸化水素によって酸化されて発色する染料全般を意味し、他の酸化染料と共同しても単独でも発色するいわゆる染料中間体、および、該染料中間体と組み合わせた場合に発色するいわゆるカップラーの両方を包含する。
本発明の染毛剤組成物を構成する酸化染料成分(A)、すなわちパラフェニレンジアミン、硫酸トルエン−2,5−ジアミン、塩酸トルエン−2,5−ジアミンおよびトルエン−2,5−ジアミンよりなる群から選ばれる1種以上の酸化染料成分は、それぞれ発色の強い酸化染料であって、いわゆる染料中間体である。染料には、染料重量あたりの発色が強い、濃く発色する染料と、染料重量あたりの発色が比較的弱い、薄く発色する染料とがあるが、酸化染料成分(A)は、酸化染料のうちでは特に濃く発色する染料に相当する。
【0016】
酸化染料成分(A)は、パラフェニレンジアミン、硫酸トルエン−2,5−ジアミン、塩酸トルエン−2,5−ジアミンおよびトルエン−2,5−ジアミンのいずれか1種であってもよく、これらの2種以上が任意に組み合わされていてもよい。このような酸化染料成分(A)は、パラフェニレンジアミンを含有するのが好ましく、パラフェニレンジアミンのみからなることも好ましい。
【0017】
また、酸化染料成分(B)は、上述の酸化染料成分(A)以外の酸化染料成分であって、酸化染料成分(A)以外のいわゆる染料中間体およびカップラーのうちの1種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
酸化染料成分(B)としては、特に限定されるものではないが、たとえば、レゾルシン;o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノールなどのアミノフェノール類;p−アミノ−o−クレゾール;2,6ジアミノピリジン;塩酸2,4ジアミノフェノキシエタノール;m−フェニレンジアミン;ピロガロール;カテコール;硫酸−o−クロル−p−フェニレンジアミン;5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール;硫酸4,4−ジアミノジフェニルアミン;N−フェニルフェニレンジアミン類などが挙げられ、これらあるいはその他の酸化染料の1種以上を任意に組み合わせて用いることがでる。
【0018】
本発明では、酸化染料成分(B)が、レゾルシン;m−アミノフェノール、p−アミノフェノールなどのアミノフェノール類;p−アミノ−o−クレゾール;2,6ジアミノピリジン、および、塩酸2,4ジアミノフェノキシエタノールよりなる群から選ばれる1種以上を含有するのが好ましく、レゾルシンおよび/またはp−アミノフェノールを含有するのが特に好ましい。
【0019】
本発明の染毛剤組成物は、酸化染料成分(A)と、酸化染料成分(B)とを、(A):(B)の重量比で1:2〜1:10、好ましくは1:2〜1:5で含有している。本発明の染毛剤組成物では、酸化染料全量に占めるパラフェニレンジアミンなどの割合が、従来公知の白髪染め用染毛剤と比較して大幅に少ない。このため、パラフェニレンジアミンなど同士が結合して発色する割合が従来よりも大幅に減少するため、くすみを生じずに染毛することができ、明るく透明感のある、明度および彩度の高い色調の仕上がりとすることができる。
【0020】
ところで、染毛後の退色は、毛髪内に導入された染料が、時間の経過とともに流出することに起因すると考えられる。したがって、染毛直後に同等の着色程度が得られる場合であっても、少量の濃く発色する染料での染毛よりも、多量の薄く発色する染料での染毛の方が、単位時間経過後に残留する染料が多いため、退色が少ない。
【0021】
酸化染料成分(B)は、パラフェニレンジアミンなどの酸化染料成分(A)と比較すると、一般に薄く発色する染料に相当するため、酸化染料成分(B)を多く含有する本発明の染毛剤組成物を用いた場合には、染毛後の退色が少なく、色持ちに優れる。
また、本発明の染毛剤組成物は、酸化染料成分(A)と、酸化染料成分(B)とを、(A)と(B)との合計で、すなわち酸化染料成分全体で、染毛剤組成物全体の0.5〜5.0重量%、好ましくは1.0〜5.0重量%、より好ましくは1.0〜3.0重量%、さらに好ましくは1.2〜3.0重量%の範囲で含有することが望ましい。このような酸化染料成分の含有量は、従来公知の白髪染め用染毛剤と比較して大幅に多い。酸化染料成分をこのような量で含有する染毛剤組成物を用いた場合には、酸化染料成分が毛髪内に従来よりも多く導入されるため、発色が鮮やかになるとともに、染毛後の退色が少なく、色持ちに優れる。
【0022】
また本発明では、酸化染料成分(B)が、レゾルシンおよび/またはパラアミノフェノールを含有し、レゾルシンとパラアミノフェノールとの合計量が、酸化染料成分(A)と酸化染料成分(B)との合計量に対して、30〜90重量%、好ましくは50〜90重量%、より好ましくは70〜90重量%であることが望ましい。レゾルシンは寒色系の染料であり、パラアミノフェノールは暖色系の染料であって、これらの使用の有無および使用割合は、所望の色調によるものではあるが、本発明の染毛剤組成物が、上記の量でレゾルシンおよび/またはパラアミノフェノールを含有する場合には、透明感のある明るい印象の仕上がりを達成しやすいため好ましい。レゾルシン、パラアミノフェノールはそれぞれ薄く発色する染料であるが、上記のような量で配合した場合には、毛髪に充分量が導入されるため、薄染まりとならずに白髪までしっかりと染色することができる。
【0023】
さらに、本発明の染毛剤組成物は、染毛剤組成物中のアルカリ量が、染毛剤組成物中に28重量%アンモニア水を2〜15重量%、好ましくは5〜15重量%、より好ましくは7〜15重量%含有する場合に相当する量であることが望ましい。
すなわち本発明の染毛剤組成物は、アルカリ成分を含有するのが好ましい。アルカリ成分としては、特に限定されるものではないが、たとえば、アンモニア水、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルフォリン、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素グアニジンなどを挙げることができ、これらの1種以上を適宜組み合わせて用いることができる。本発明の染毛剤組成物が、アンモニア水以外のアルカリ成分を含有する場合には、染毛剤組成物中のアルカリ量は、0.1規定の塩酸を用いた中和滴定によって測定し、アルカリ成分としてアンモニア水のみを用いた組成物で別途測定して得たアルカリ量の検量線と比較することによって求めることができる。
【0024】
本発明の染毛剤組成物は、上述した酸化染料およびアルカリ成分のほか、染毛剤組成物に配合しうる公知の成分を所望により適宜含有することができる。本発明の染毛剤組成物に配合しうる他の成分としては、たとえば、直接染料、界面活性剤、油剤、湿潤剤、安定化剤、コンディショニング剤、シリコーン、毛髪保護剤、増粘剤、浸透剤、養毛剤、紫外線吸収剤、色素、パール剤、防腐剤、香料などが挙げられる。
【0025】
直接染料としては、たとえば、ニトロ−p−フェニレンジアミン、p―ニトロ−o−フェニレンジアミン、硫酸−p−ニトロ−m−フェニレンジアミン、ピクラミン酸、2−アミノ−5−ニトロフェノール、2−アミノ−4−ニトロフェノールなどが挙げられる。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤および両性界面活性剤のいずれを用いてもよい。
【0026】
非イオン性界面活性剤としては、たとえば、以下のものが挙げられる。
ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル、ポリオキシエチレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキシルデシルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンデシルペンタデシルエーテル、ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシアルキルフェニルエーテル類;
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類;
モノステアリン酸プロピレングリコール等の多価アルコール脂肪酸エステル類;
モノミリスチン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル類、モノラウリン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル類;
モノパルミチン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類;
モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類;
トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類;
モノステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類;
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等のアルキルアルカノールアミド類;
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンコレステロール、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンコレスタノール、ポリオキシエチレンフィトスタノール等。
【0027】
また、陰イオン性界面活性剤としては、たとえば、以下のものが挙げられる。ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウムなどのアルキル硫酸塩;
POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリルエーテル硫酸アンモニウム、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEアルキルエーテル硫酸アンモニウム、POEノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキル/アルキルアリルエーテル硫酸塩;スルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、POEスルホコハク酸二ナトリウム、POEスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、スルホコハク酸POEラウロイルエタノールアミドエステル二ナトリウム、ウンデシレノイルアミドエチルスルホコハク酸二ナトリウムなどのスルホコハク酸塩;
ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウムなどのN−アシルスルホン酸塩;
ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミンなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩;
テトラデセンスルホン酸ナトリウムなどのα−オレフィンスルホン酸塩;
ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸二ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウムなどのN−アシルアミノ酸塩;
POEラウリルエーテルリン酸などのPOEアルキルエーテルリン酸およびその塩等。
【0028】
また、陽イオン性界面活性剤としては、たとえば、以下のものが挙げられる。塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩;
脂肪酸アミドアミン塩、アルキルトリアルキレングリコールアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリニウム塩等。
【0029】
さらに、両性界面活性剤としては、たとえば、以下のものが挙げられる。
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ココアミドプロピルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ココベタイン、オレイルベタイン、ラウリルベタイン、セチルベタイン、スルホベタインなどのベタイン型;
2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ二ナトリウム塩、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどのイミダゾリン型;
グリシン型、アミノプロピオン酸型等のアミノ酸型。
【0030】
油剤としては、たとえば、以下のものを挙げることができる。
パラフィン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、ワセリン、スクワラン、マイクロクリスタンワックス、セレシン、プリスタンなどの炭化水素;
オリーブ油、ツバキ油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アルモンド油、アボガド油、カロット油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油などの油脂;
ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリンなどのロウ類;
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール;
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸等の高級脂肪酸;
ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ラノリン誘導体等のエステル類等。
【0031】
湿潤剤としては、たとえば、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
安定化剤としては、たとえば、亜硫酸塩、アスコルビン酸、エリソルビン酸、チオグリコール酸塩、システイン、エデト酸塩等が挙げられる。
コンディショニング剤としては、たとえば、カチオン化セルロース、カチオン化グァガム、カチオン化ポリマー、カチオン化樹脂、天然水溶性高分子類などが挙げられる。
【0032】
シリコーンとしては、たとえば、ポリシロキサン、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、ポリエーテル変成シリコーン、アミノ変成シリコーン等が挙げられる。
毛髪保護剤としては、たとえば、タンパク質、ポリペプチド、アミノ酸等が挙げられる。
【0033】
増粘剤としては、カルボキシエチルセルロース、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、エチレン/アクリル酸共重合体等が挙げられる。
染毛剤セット・染毛方法
本発明の染毛剤セットは、上記本発明の染毛剤組成物からなる第1剤と、過酸化水素を含有する第2剤とからなる。
【0034】
過酸化水素を含有する第2剤は、過酸化水素を含有し、第1剤中の酸化染料を発色させる組成物であればよい。第2剤を構成する配合原料としては、特に限定されるものではないが、過酸化水素水、界面活性剤、油脂、湿潤剤、pH調整剤、安定化剤などが挙げられる。第2剤に配合することのできる界面活性剤、油脂、湿潤剤および安定化剤としては、それぞれ、上述した本発明の染毛剤組成物(第1剤)で例示したものと同様のものを用いることができる。
【0035】
第1剤と第2剤とは、特に限定されるものではないが、1:3〜3:1、好ましくは1:2〜2:1の範囲で混合して用いる処方とするのが好ましく、1:1で混合して用いる処方とするのが特に好ましい。
第1剤および第2剤の剤状は、液状、クリーム状、乳液状、ゲル状など、どのような剤状であってもよいが、毛髪に塗布する際のたれを防止し、効率的に塗布できるためクリーム状であるのが好ましい。
【0036】
本発明の染毛方法では、上記本発明の染毛剤組成物からなる第1剤と、過酸化水素を含有する第2剤とを混合して混合物を調製し、該混合物を毛髪に塗布する。これにより、白髪まじりの毛髪が、白髪部もしっかりと染毛されて目立つことなく、かつ、頭髪全体を明るい色調に染毛することができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、白髪まじりの毛髪を染毛した場合であっても、白髪がしっかりと染色されて白髪が目立たず、白髪と黒髪とを同程度に染色でき、頭髪全体を明るく透明感のある、明度および彩度の高い色調とすることができ、しかも色持ちに優れた染毛ができる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0039】
【実施例1】
<第1剤の調製>
撹拌機つき反応容器に、セタノール、流動パラフィン、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムおよびポリエチレングリコールを添加し、85℃で加温溶解した。これに、撹拌しながら、各酸化染料成分と、亜硫酸ナトリウムを85℃にて精製水に溶解したものとを徐々に加え、さらに撹拌しながら30℃まで冷却し、次いで28重量%アンモニア水を加えて、クリーム状の第1剤を調製した。なお、各成分の組成比(重量%)は、表1に記載のとおりである。
【0040】
<第2剤の調製>
表2に記載した組成の各原料を用いて、常法により、過酸化水素含有量が6重量%のクリーム状の第2剤を調製した。
<染毛>
白髪が頭髪全体の約30%を占め、残りの70%が日本人の標準的黒髪であり、染毛施術がなされてから約2ヶ月が経過した白髪まじりの毛髪に対して、染毛施術を行った。
【0041】
染毛施術は、上記で調製した第1剤と第2剤とを、第1剤:第2剤=1:1の割合で混合して混合剤を調製し、これを新生毛部に塗布して10分間自然放置し、次いで同様に調製した混合剤を既染毛部に塗布して、さらに15分間自然放置した後、市販のシャンプーおよび水で洗浄し、乾燥させることにより行った。
染色の結果を目視で評価したところ、白髪部分と黒髪部分がほぼ均一な色調で白髪はほとんど目立たなくなり、黒髪と白髪がともに同程度の明るい印象に仕上がっていた。頭髪は全体として明るく透明感のあるマットブラウン系の色調を呈していた。
【0042】
また、染毛施術後1ヵ月経過後の状態を目視で評価したところ、頭髪全体の色調に大きな変化は見られず、白髪はあまり目立たなかった。
【0043】
【実施例2、3、比較例1〜3】
実施例1の第1剤の調製において、各成分の組成比(重量%)を表1に示す割合としたことのほかは、実施例1と同様にして、それぞれ第1剤を調製した。
得られた各第1剤と、実施例1と同様に調製した第2剤とを用いて、実施例1と同様に染毛施術を行った。
【0044】
染色の結果を目視で評価したところ、実施例2および3では、白髪部分と黒髪部分がほぼ均一な色調で白髪はほとんど目立たなくなり、黒髪と白髪がともに同程度の明るい印象に仕上がっていた。また、実施例2では頭髪全体が明るく透明感のあるオレンジブラウン系の色調を、実施例3では頭髪全体が明るく透明感のあるピンクブラウン系の色調をそれぞれ明らかに呈していた。
【0045】
比較例1〜3では、いずれも白髪がうす染まりであって、黒髪と白髪が見分けられ、均一感のない状態であった。
また、染毛施術後1ヶ月経過後の状態を目視で評価したところ、実施例2および3では、頭髪全体の色調に大きな変化は見られず、白髪はあまり目立たなかった。一方、比較例1〜3では、染毛施術後1ヵ月後では、色味がほとんど感じられず、色持ちが悪かった。
【0046】
【表1】
【0047】
なお、表1における染毛結果の評価は以下の基準による。
全体の仕上がり(施術直後)
○:黒髪と白髪が均一に染まり、明るく透明感のある印象を受ける
×:白髪の染色が薄く、白髪が容易に判別できる
施術後1ヶ月経過後の色持ち
○:染毛直後とあまり変化していない
△:若干の退色は見られるが、白髪はあまり目立たない
×:明らかに退色しており、白髪が目立つ
【0048】
【表2】
【発明の技術分野】
本発明は、染毛剤組成物、染毛剤セットおよび染毛方法に関する。詳しくは、本発明は、白髪まじりの毛髪を染毛する場合にも、白髪を目立たせず、かつ、全体を明るい色調に染毛することができる染毛剤組成物、染毛剤セットおよび染毛方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
黒髪を明るい色調に染毛することは一般に行われているが、白髪まじりの毛髪においても、黒髪を染毛する場合と同様に、明るく透明感のある色調、すなわち明度および彩度の高い色調にしたいという要望は強い。
しかしながら、白髪まじりの毛髪の染毛では、通常、白髪を目立たなくすることを最大の目的としている。白髪を目立たなくする方法としては、白髪を暗褐色に染毛することが挙げられるが、白髪まじりの毛髪の染毛では、白髪の染毛と黒髪の染毛とが同時に進行するため、白髪を暗褐色に染毛すると同時に黒髪はよりいっそう濃い色に染まってしまい、頭髪全体の色調はかなり暗いものになる。
【0003】
このため、白髪を目立たなくするという目的と、頭髪全体を明るい色調に染毛するという目的とを同時に達成するのは非常に困難であった。
白髪まじりの毛髪を、明るい色調に染毛する方法としては、染料の量を少なくするなどの手段により、毛髪に入る染料の量を少なくする方法が挙げられる。しかしながらこの方法では、白髪が薄染まりになり、かえって目立つ場合があった。また、頭髪全体に着色が少ないため、色持ちが悪いという問題があった。
【0004】
また、考えられる別の方法としては、白髪の仕上がりとつりあう明るさとなるよう、黒髪に対するブリーチ力を大幅に上げる方法が挙げられる。しかしながら、この方法では多量のアルカリ剤を用いるため、アンモニア臭が強くなり、毛髪のダメージも大きくなるなど、アルカリ剤の欠点が目立つ結果となり、実用できるものではない。
【0005】
またさらに別の方法としては、染料として直接染料を多量に使う方法が挙げられるが、直接染料による染毛では、酸化染料による染毛と比較して退色しやすく、色持ちが不充分であるという問題があった。
染毛において、色持ちを向上させるためには、酸化染料を多く毛髪に導入する方法が挙げられるが、この方法では上述のように頭髪全体が暗い色調になるため、白髪まじりの毛髪を明るい色調に染色することと、色持ちを向上させることとを同時に達成することはこれまで不可能であった。
【0006】
また、通常の白髪染め用染毛剤では、処方中の染料配合成分の半量程度が、パラフェニレンジアミンなどの濃く発色する染料である。発色が強い酸化染料であるパラフェニレンジアミンなどは、白髪を目立たなくする効果が期待されるが、黒髪をも濃色に染めるため、明るい色調に仕上げたい場合には染料成分量を少なくする必要があり、結果として白髪の染色が不足していた。また、パラフェニレンジアミンなどのいわゆる染料中間体は、染料中間体以外の酸化染料(いわゆるカップラー)と反応して発色するが、単独で発色する反応も同時に起こり、これがくすんだ印象に仕上がる原因となっていた。
【0007】
このため、白髪まじりの毛髪を染毛した際に、頭髪全体が明るい色調となり、白髪が目立たず、しかも色持ちのよい染毛剤および染毛方法の出現が強く望まれていた。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、白髪まじりの毛髪を染毛した際に、頭髪全体が明度および彩度の高い明るい色調となり、白髪が目立たず、しかも色持ちのよい染毛剤組成物、染毛剤セットおよび染毛方法を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】
本発明の染毛剤組成物は、
パラフェニレンジアミン、硫酸トルエン−2,5−ジアミン、塩酸トルエン−2,5−ジアミンおよびトルエン−2,5−ジアミンよりなる群から選ばれる1種以上の酸化染料成分(A)と、
前記酸化染料成分(A)以外の酸化染料成分(B)とを、
(A):(B)の重量比で1:2〜1:10の範囲で配合してなることを特徴としている。
【0010】
このような本発明の染毛剤組成物は、
パラフェニレンジアミン、硫酸トルエン−2,5−ジアミン、塩酸トルエン−2,5−ジアミンおよびトルエン−2,5−ジアミンよりなる群から選ばれる1種以上の酸化染料成分(A)と、
前記酸化染料成分(A)以外の酸化染料成分(B)とを、
(A)と(B)との合計で、染毛剤組成物全体の0.5〜5.0重量%の範囲で含有することが好ましい。
【0011】
また、本発明の染毛剤組成物は、前記酸化染料成分(A)が、パラフェニレンジアミンを含有することが好ましい。
さらに、本発明の染毛剤組成物は、前記酸化染料成分(B)が、レゾルシンおよび/またはパラアミノフェノールを含有し、レゾルシンとパラアミノフェノールとの合計量が、前記酸化染料成分(A)と前記酸化染料成分(B)との合計量に対して、30〜90重量%であることが好ましい。
【0012】
またさらに、本発明の染毛剤組成物は、染毛剤組成物中のアルカリ量が、染毛剤組成物中に28重量%アンモニア水を2〜15重量%含有する場合に相当する量であることが好ましい。
本発明の染毛剤セットは、上記本発明の染毛剤組成物からなる第1剤と、過酸化水素を含有する第2剤とからなることを特徴としている。
【0013】
本発明の染毛方法は、上記本発明の染毛剤組成物からなる第1剤と、過酸化水素を含有する第2剤とを混合して混合物を調製し、該混合物を毛髪に塗布することを特徴としている。
【0014】
【発明の具体的説明】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の染毛剤組成物は、
パラフェニレンジアミン、硫酸トルエン−2,5−ジアミン、塩酸トルエン−2,5−ジアミンおよびトルエン−2,5−ジアミンよりなる群から選ばれる1種以上の酸化染料成分(A)と、
前記酸化染料成分(A)以外の酸化染料成分(B)とを含有している。
【0015】
本発明において、酸化染料とは、過酸化水素によって酸化されて発色する染料全般を意味し、他の酸化染料と共同しても単独でも発色するいわゆる染料中間体、および、該染料中間体と組み合わせた場合に発色するいわゆるカップラーの両方を包含する。
本発明の染毛剤組成物を構成する酸化染料成分(A)、すなわちパラフェニレンジアミン、硫酸トルエン−2,5−ジアミン、塩酸トルエン−2,5−ジアミンおよびトルエン−2,5−ジアミンよりなる群から選ばれる1種以上の酸化染料成分は、それぞれ発色の強い酸化染料であって、いわゆる染料中間体である。染料には、染料重量あたりの発色が強い、濃く発色する染料と、染料重量あたりの発色が比較的弱い、薄く発色する染料とがあるが、酸化染料成分(A)は、酸化染料のうちでは特に濃く発色する染料に相当する。
【0016】
酸化染料成分(A)は、パラフェニレンジアミン、硫酸トルエン−2,5−ジアミン、塩酸トルエン−2,5−ジアミンおよびトルエン−2,5−ジアミンのいずれか1種であってもよく、これらの2種以上が任意に組み合わされていてもよい。このような酸化染料成分(A)は、パラフェニレンジアミンを含有するのが好ましく、パラフェニレンジアミンのみからなることも好ましい。
【0017】
また、酸化染料成分(B)は、上述の酸化染料成分(A)以外の酸化染料成分であって、酸化染料成分(A)以外のいわゆる染料中間体およびカップラーのうちの1種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
酸化染料成分(B)としては、特に限定されるものではないが、たとえば、レゾルシン;o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノールなどのアミノフェノール類;p−アミノ−o−クレゾール;2,6ジアミノピリジン;塩酸2,4ジアミノフェノキシエタノール;m−フェニレンジアミン;ピロガロール;カテコール;硫酸−o−クロル−p−フェニレンジアミン;5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール;硫酸4,4−ジアミノジフェニルアミン;N−フェニルフェニレンジアミン類などが挙げられ、これらあるいはその他の酸化染料の1種以上を任意に組み合わせて用いることがでる。
【0018】
本発明では、酸化染料成分(B)が、レゾルシン;m−アミノフェノール、p−アミノフェノールなどのアミノフェノール類;p−アミノ−o−クレゾール;2,6ジアミノピリジン、および、塩酸2,4ジアミノフェノキシエタノールよりなる群から選ばれる1種以上を含有するのが好ましく、レゾルシンおよび/またはp−アミノフェノールを含有するのが特に好ましい。
【0019】
本発明の染毛剤組成物は、酸化染料成分(A)と、酸化染料成分(B)とを、(A):(B)の重量比で1:2〜1:10、好ましくは1:2〜1:5で含有している。本発明の染毛剤組成物では、酸化染料全量に占めるパラフェニレンジアミンなどの割合が、従来公知の白髪染め用染毛剤と比較して大幅に少ない。このため、パラフェニレンジアミンなど同士が結合して発色する割合が従来よりも大幅に減少するため、くすみを生じずに染毛することができ、明るく透明感のある、明度および彩度の高い色調の仕上がりとすることができる。
【0020】
ところで、染毛後の退色は、毛髪内に導入された染料が、時間の経過とともに流出することに起因すると考えられる。したがって、染毛直後に同等の着色程度が得られる場合であっても、少量の濃く発色する染料での染毛よりも、多量の薄く発色する染料での染毛の方が、単位時間経過後に残留する染料が多いため、退色が少ない。
【0021】
酸化染料成分(B)は、パラフェニレンジアミンなどの酸化染料成分(A)と比較すると、一般に薄く発色する染料に相当するため、酸化染料成分(B)を多く含有する本発明の染毛剤組成物を用いた場合には、染毛後の退色が少なく、色持ちに優れる。
また、本発明の染毛剤組成物は、酸化染料成分(A)と、酸化染料成分(B)とを、(A)と(B)との合計で、すなわち酸化染料成分全体で、染毛剤組成物全体の0.5〜5.0重量%、好ましくは1.0〜5.0重量%、より好ましくは1.0〜3.0重量%、さらに好ましくは1.2〜3.0重量%の範囲で含有することが望ましい。このような酸化染料成分の含有量は、従来公知の白髪染め用染毛剤と比較して大幅に多い。酸化染料成分をこのような量で含有する染毛剤組成物を用いた場合には、酸化染料成分が毛髪内に従来よりも多く導入されるため、発色が鮮やかになるとともに、染毛後の退色が少なく、色持ちに優れる。
【0022】
また本発明では、酸化染料成分(B)が、レゾルシンおよび/またはパラアミノフェノールを含有し、レゾルシンとパラアミノフェノールとの合計量が、酸化染料成分(A)と酸化染料成分(B)との合計量に対して、30〜90重量%、好ましくは50〜90重量%、より好ましくは70〜90重量%であることが望ましい。レゾルシンは寒色系の染料であり、パラアミノフェノールは暖色系の染料であって、これらの使用の有無および使用割合は、所望の色調によるものではあるが、本発明の染毛剤組成物が、上記の量でレゾルシンおよび/またはパラアミノフェノールを含有する場合には、透明感のある明るい印象の仕上がりを達成しやすいため好ましい。レゾルシン、パラアミノフェノールはそれぞれ薄く発色する染料であるが、上記のような量で配合した場合には、毛髪に充分量が導入されるため、薄染まりとならずに白髪までしっかりと染色することができる。
【0023】
さらに、本発明の染毛剤組成物は、染毛剤組成物中のアルカリ量が、染毛剤組成物中に28重量%アンモニア水を2〜15重量%、好ましくは5〜15重量%、より好ましくは7〜15重量%含有する場合に相当する量であることが望ましい。
すなわち本発明の染毛剤組成物は、アルカリ成分を含有するのが好ましい。アルカリ成分としては、特に限定されるものではないが、たとえば、アンモニア水、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルフォリン、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素グアニジンなどを挙げることができ、これらの1種以上を適宜組み合わせて用いることができる。本発明の染毛剤組成物が、アンモニア水以外のアルカリ成分を含有する場合には、染毛剤組成物中のアルカリ量は、0.1規定の塩酸を用いた中和滴定によって測定し、アルカリ成分としてアンモニア水のみを用いた組成物で別途測定して得たアルカリ量の検量線と比較することによって求めることができる。
【0024】
本発明の染毛剤組成物は、上述した酸化染料およびアルカリ成分のほか、染毛剤組成物に配合しうる公知の成分を所望により適宜含有することができる。本発明の染毛剤組成物に配合しうる他の成分としては、たとえば、直接染料、界面活性剤、油剤、湿潤剤、安定化剤、コンディショニング剤、シリコーン、毛髪保護剤、増粘剤、浸透剤、養毛剤、紫外線吸収剤、色素、パール剤、防腐剤、香料などが挙げられる。
【0025】
直接染料としては、たとえば、ニトロ−p−フェニレンジアミン、p―ニトロ−o−フェニレンジアミン、硫酸−p−ニトロ−m−フェニレンジアミン、ピクラミン酸、2−アミノ−5−ニトロフェノール、2−アミノ−4−ニトロフェノールなどが挙げられる。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤および両性界面活性剤のいずれを用いてもよい。
【0026】
非イオン性界面活性剤としては、たとえば、以下のものが挙げられる。
ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル、ポリオキシエチレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキシルデシルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンデシルペンタデシルエーテル、ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシアルキルフェニルエーテル類;
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類;
モノステアリン酸プロピレングリコール等の多価アルコール脂肪酸エステル類;
モノミリスチン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル類、モノラウリン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル類;
モノパルミチン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類;
モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類;
トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類;
モノステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類;
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等のアルキルアルカノールアミド類;
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンコレステロール、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンコレスタノール、ポリオキシエチレンフィトスタノール等。
【0027】
また、陰イオン性界面活性剤としては、たとえば、以下のものが挙げられる。ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウムなどのアルキル硫酸塩;
POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリルエーテル硫酸アンモニウム、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEアルキルエーテル硫酸アンモニウム、POEノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキル/アルキルアリルエーテル硫酸塩;スルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、POEスルホコハク酸二ナトリウム、POEスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、スルホコハク酸POEラウロイルエタノールアミドエステル二ナトリウム、ウンデシレノイルアミドエチルスルホコハク酸二ナトリウムなどのスルホコハク酸塩;
ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウムなどのN−アシルスルホン酸塩;
ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミンなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩;
テトラデセンスルホン酸ナトリウムなどのα−オレフィンスルホン酸塩;
ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸二ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウムなどのN−アシルアミノ酸塩;
POEラウリルエーテルリン酸などのPOEアルキルエーテルリン酸およびその塩等。
【0028】
また、陽イオン性界面活性剤としては、たとえば、以下のものが挙げられる。塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩;
脂肪酸アミドアミン塩、アルキルトリアルキレングリコールアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリニウム塩等。
【0029】
さらに、両性界面活性剤としては、たとえば、以下のものが挙げられる。
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ココアミドプロピルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ココベタイン、オレイルベタイン、ラウリルベタイン、セチルベタイン、スルホベタインなどのベタイン型;
2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ二ナトリウム塩、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどのイミダゾリン型;
グリシン型、アミノプロピオン酸型等のアミノ酸型。
【0030】
油剤としては、たとえば、以下のものを挙げることができる。
パラフィン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、ワセリン、スクワラン、マイクロクリスタンワックス、セレシン、プリスタンなどの炭化水素;
オリーブ油、ツバキ油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アルモンド油、アボガド油、カロット油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油などの油脂;
ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリンなどのロウ類;
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール;
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸等の高級脂肪酸;
ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ラノリン誘導体等のエステル類等。
【0031】
湿潤剤としては、たとえば、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
安定化剤としては、たとえば、亜硫酸塩、アスコルビン酸、エリソルビン酸、チオグリコール酸塩、システイン、エデト酸塩等が挙げられる。
コンディショニング剤としては、たとえば、カチオン化セルロース、カチオン化グァガム、カチオン化ポリマー、カチオン化樹脂、天然水溶性高分子類などが挙げられる。
【0032】
シリコーンとしては、たとえば、ポリシロキサン、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、ポリエーテル変成シリコーン、アミノ変成シリコーン等が挙げられる。
毛髪保護剤としては、たとえば、タンパク質、ポリペプチド、アミノ酸等が挙げられる。
【0033】
増粘剤としては、カルボキシエチルセルロース、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、エチレン/アクリル酸共重合体等が挙げられる。
染毛剤セット・染毛方法
本発明の染毛剤セットは、上記本発明の染毛剤組成物からなる第1剤と、過酸化水素を含有する第2剤とからなる。
【0034】
過酸化水素を含有する第2剤は、過酸化水素を含有し、第1剤中の酸化染料を発色させる組成物であればよい。第2剤を構成する配合原料としては、特に限定されるものではないが、過酸化水素水、界面活性剤、油脂、湿潤剤、pH調整剤、安定化剤などが挙げられる。第2剤に配合することのできる界面活性剤、油脂、湿潤剤および安定化剤としては、それぞれ、上述した本発明の染毛剤組成物(第1剤)で例示したものと同様のものを用いることができる。
【0035】
第1剤と第2剤とは、特に限定されるものではないが、1:3〜3:1、好ましくは1:2〜2:1の範囲で混合して用いる処方とするのが好ましく、1:1で混合して用いる処方とするのが特に好ましい。
第1剤および第2剤の剤状は、液状、クリーム状、乳液状、ゲル状など、どのような剤状であってもよいが、毛髪に塗布する際のたれを防止し、効率的に塗布できるためクリーム状であるのが好ましい。
【0036】
本発明の染毛方法では、上記本発明の染毛剤組成物からなる第1剤と、過酸化水素を含有する第2剤とを混合して混合物を調製し、該混合物を毛髪に塗布する。これにより、白髪まじりの毛髪が、白髪部もしっかりと染毛されて目立つことなく、かつ、頭髪全体を明るい色調に染毛することができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、白髪まじりの毛髪を染毛した場合であっても、白髪がしっかりと染色されて白髪が目立たず、白髪と黒髪とを同程度に染色でき、頭髪全体を明るく透明感のある、明度および彩度の高い色調とすることができ、しかも色持ちに優れた染毛ができる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0039】
【実施例1】
<第1剤の調製>
撹拌機つき反応容器に、セタノール、流動パラフィン、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムおよびポリエチレングリコールを添加し、85℃で加温溶解した。これに、撹拌しながら、各酸化染料成分と、亜硫酸ナトリウムを85℃にて精製水に溶解したものとを徐々に加え、さらに撹拌しながら30℃まで冷却し、次いで28重量%アンモニア水を加えて、クリーム状の第1剤を調製した。なお、各成分の組成比(重量%)は、表1に記載のとおりである。
【0040】
<第2剤の調製>
表2に記載した組成の各原料を用いて、常法により、過酸化水素含有量が6重量%のクリーム状の第2剤を調製した。
<染毛>
白髪が頭髪全体の約30%を占め、残りの70%が日本人の標準的黒髪であり、染毛施術がなされてから約2ヶ月が経過した白髪まじりの毛髪に対して、染毛施術を行った。
【0041】
染毛施術は、上記で調製した第1剤と第2剤とを、第1剤:第2剤=1:1の割合で混合して混合剤を調製し、これを新生毛部に塗布して10分間自然放置し、次いで同様に調製した混合剤を既染毛部に塗布して、さらに15分間自然放置した後、市販のシャンプーおよび水で洗浄し、乾燥させることにより行った。
染色の結果を目視で評価したところ、白髪部分と黒髪部分がほぼ均一な色調で白髪はほとんど目立たなくなり、黒髪と白髪がともに同程度の明るい印象に仕上がっていた。頭髪は全体として明るく透明感のあるマットブラウン系の色調を呈していた。
【0042】
また、染毛施術後1ヵ月経過後の状態を目視で評価したところ、頭髪全体の色調に大きな変化は見られず、白髪はあまり目立たなかった。
【0043】
【実施例2、3、比較例1〜3】
実施例1の第1剤の調製において、各成分の組成比(重量%)を表1に示す割合としたことのほかは、実施例1と同様にして、それぞれ第1剤を調製した。
得られた各第1剤と、実施例1と同様に調製した第2剤とを用いて、実施例1と同様に染毛施術を行った。
【0044】
染色の結果を目視で評価したところ、実施例2および3では、白髪部分と黒髪部分がほぼ均一な色調で白髪はほとんど目立たなくなり、黒髪と白髪がともに同程度の明るい印象に仕上がっていた。また、実施例2では頭髪全体が明るく透明感のあるオレンジブラウン系の色調を、実施例3では頭髪全体が明るく透明感のあるピンクブラウン系の色調をそれぞれ明らかに呈していた。
【0045】
比較例1〜3では、いずれも白髪がうす染まりであって、黒髪と白髪が見分けられ、均一感のない状態であった。
また、染毛施術後1ヶ月経過後の状態を目視で評価したところ、実施例2および3では、頭髪全体の色調に大きな変化は見られず、白髪はあまり目立たなかった。一方、比較例1〜3では、染毛施術後1ヵ月後では、色味がほとんど感じられず、色持ちが悪かった。
【0046】
【表1】
【0047】
なお、表1における染毛結果の評価は以下の基準による。
全体の仕上がり(施術直後)
○:黒髪と白髪が均一に染まり、明るく透明感のある印象を受ける
×:白髪の染色が薄く、白髪が容易に判別できる
施術後1ヶ月経過後の色持ち
○:染毛直後とあまり変化していない
△:若干の退色は見られるが、白髪はあまり目立たない
×:明らかに退色しており、白髪が目立つ
【0048】
【表2】
Claims (7)
- パラフェニレンジアミン、硫酸トルエン−2,5−ジアミン、塩酸トルエン−2,5−ジアミンおよびトルエン−2,5−ジアミンよりなる群から選ばれる1種以上の酸化染料成分(A)と、
前記酸化染料成分(A)以外の酸化染料成分(B)とを、
(A):(B)の重量比で1:2〜1:10の範囲で配合してなることを特徴とする染毛剤組成物。 - パラフェニレンジアミン、硫酸トルエン−2,5−ジアミン、塩酸トルエン−2,5−ジアミンおよびトルエン−2,5−ジアミンよりなる群から選ばれる1種以上の酸化染料成分(A)と、
前記酸化染料成分(A)以外の酸化染料成分(B)とを、
(A)と(B)との合計で、染毛剤組成物全体の0.5〜5.0重量%の範囲で含有することを特徴とする請求項1に記載の染毛剤組成物。 - 前記酸化染料成分(A)が、パラフェニレンジアミンを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の染毛剤組成物。
- 前記酸化染料成分(B)が、レゾルシンおよび/またはパラアミノフェノールを含有し、レゾルシンとパラアミノフェノールとの合計量が、前記酸化染料成分(A)と前記酸化染料成分(B)との合計量に対して、30〜90重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の染毛剤組成物。
- 染毛剤組成物中のアルカリ量が、染毛剤組成物中に28重量%アンモニア水を2〜15重量%含有する場合に相当する量であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の染毛剤組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の染毛剤組成物からなる第1剤と、
過酸化水素を含有する第2剤とからなることを特徴とする染毛剤セット。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の染毛剤組成物からなる第1剤と、
過酸化水素を含有する第2剤とを混合して混合物を調製し、
該混合物を毛髪に塗布することを特徴とする染毛方法。
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