JP2004099429A - 結晶化ガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】 原ガラスの粘度を下げる効果が高いLiOを多く含有させても、原ガラスをより低温で溶融でき、高精度な線引き成形が可能な結晶化ガラス、ならびに、これを用いた結晶化ガラス物品を提供する。
【解決手段】 β-スポジュメン固溶体もしくはβ-石英固溶体を析出してなり、質量百分率でSiO 55〜72%、Al 14〜30%、LiO 2.9〜6.0%、KO 1.0〜10.0%を含有し、かつ、LiOとKOの質量比(LiO/KO)が2.2以下である。
【選択図】   なし

Description

 本発明は、線引き成形が可能な結晶化ガラスとこれを用いた結晶化ガラス物品に関する。
 結晶化ガラスは、ガラス中に析出する種々の結晶によってガラスには無いユニークな特性を示す材料である。例えばβ−石英固溶体またはβ−スポジュメン固溶体の結晶を析出させると、ガラスには無い低膨張、もしくはマイナス膨張を示す結晶化ガラスが得られる。さらに一般に結晶化ガラスは、これらの結晶の存在によりガラスに比べて高い機械的強度を有する。
 近年、このように優れた特性を有する結晶化ガラスを、線引き成形法によって精密な細棒状、細管状、薄板状等に加工して、電子部品、精密機械部品等に応用することが提案され、実用化されている。一般に結晶化ガラスの原ガラスは加熱によって結晶が析出するように組成設計されているため、線引き時の加熱によって結晶が析出してしまい、精密な製品を成形することができない。この問題を解決するため、結晶化ガラスを線引き成形する改善された手法が開発され、これによって結晶化ガラスの精密線引き成形が可能になった。このような手法は、例えば、特許文献1、2参照に開示されている。
特開平09−086961号公報 特開2002−154840号公報
 しかしながら、特許文献1、2に記載の線引き可能な結晶化ガラスは、原ガラスの粘度が高いため、脈理のない均質なガラスを得るためには原ガラスを高温で溶融する必要があり、窯や付帯設備の劣化が著しく、生産性を向上させることが困難である。
 また、原ガラスをより低温で溶融すべく原ガラスの粘度を下げるために、その効果が高いLiOを原ガラス成分として多く含有させると、結晶析出量が多くなって、結晶化ガラスの軟化点が高くなり、線引き温度が析出結晶の融解点よりも高くなって、線引き成形時に結晶の融解と再析出が起こるため、線引き成形品の寸法精度が悪くなり、最悪の場合には、線引き成形ができなくなるという問題を有していた。
 本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、原ガラスをより低温で溶融すべく原ガラスの粘度を下げる効果が高いLiOを多く含有させても、結晶析出量の増加を抑えて結晶化ガラスの軟化点の上昇を防ぎ、高精度な線引き成形が可能な結晶化ガラス、およびこれを用いた結晶化ガラス物品を提供することを目的とする。
 本発明者らは、LiOを多く含有させても、LiOとKOの質量比(LiO/KO)を制御することによって、原ガラスをより低温で溶融でき、高精度な線引き成形が可能となることを見出し、本発明を提案するに到った。
 即ち、本発明の結晶化ガラスは、β-スポジュメン固溶体もしくはβ-石英固溶体を析出してなり、質量百分率でSiO 55〜72%、Al 14〜30%、LiO 2.9〜6.0%、KO 1.0〜10.0%を含有し、かつ、LiOとKOの質量比(LiO/KO)が2.2以下であることを特徴とする。
 また、本発明の結晶化ガラス物品は、β-スポジュメン固溶体もしくはβ-石英固溶体を析出してなり、質量百分率でSiO 55〜72%、Al 14〜30%、LiO 2.9〜6.0%、KO 1.0〜10.0%を含有し、かつ、LiOとKOの質量比(LiO/KO)が2.2以下である結晶化ガラスを線引き成形することによって得られることを特徴とする。
 本発明の結晶化ガラスは、LiOの含有量が多くても、軟化点が高くならず、高精度な線引き成形が可能であり、しかも原ガラスの粘度を低くすることができ、窯や付帯設備が劣化しにくく、生産性が向上すると共に、均質な原ガラスを得ることが容易となり、線引き成形品の歩留まりが高くなる。
 また、結晶化ガラスの軟化点が高くならないばかりか、反対に低いため、線引き成形する際の線引き温度を低くすることができ、線引き成形設備の劣化抑制が可能となり、線引き成形の生産性が向上する。
 さらに、本発明の結晶化ガラスを線引き成形することで得られる結晶化ガラス物品は、光コネクタ、固定減衰器等の情報通信部品や電子部品への適用が可能である。
 本発明の結晶化ガラスは、β-スポジュメン固溶体もしくはβ-石英固溶体を析出してなり、質量百分率でSiO 55〜72%、Al 14〜30%、LiO 2.9〜6.0%、KO 1.0〜10.0%を含有し、かつ、LiOとKOの質量比(LiO/KO)が2.2以下であるため、原ガラスをより低温で溶融すべくLiOの含有量が多くても、軟化点が高くならず、高精度で線引き成形することが可能であり、しかも原ガラスの低粘性化を図ることができる。原ガラスの粘度が低いと、低温で溶融しても、脈理のない均質なガラスを得ることが可能となり、窯や付帯設備が劣化しにくく、生産性が向上する。さらに、結晶化ガラスの軟化点が高くならないばかりか、反対に低くなるため、線引き成形する際の線引き温度を低くすることができ、線引き成形設備の劣化抑制が可能となり、線引き成形の生産性が向上する。
 また、本発明の結晶化ガラスは、熱膨張係数が低いβ-スポジュメン固溶体もしくはβ-石英固溶体を析出し、−50〜150℃の範囲で、−10〜50×10−7/℃(好ましくは、−5〜35×10−7/℃)の熱膨張係数を有するため、温度変化による寸法の変化が小さく、精密部品として用いた場合、温度が変化しても、位置ずれが起こりにくい。また、フェルール材料として用いた場合、温度が変化しても、光ファイバーとフェルールとの寸法変化が略同等となり、初期の接続特性が劣化しにくい。尚、石英ガラス製の光ファイバの熱膨張係数は、−50〜150℃の範囲で、5.5×10−7/℃である。
 本発明の結晶化ガラスにおける構成成分の限定理由は、次の通りである。
 SiOは、ガラスの主たる構成成分であると共に結晶成分でもあり、SiOが55%よりも少ないとガラスの低粘性化は図れるものの、析出結晶が粗大化し、高精度で線引き成形することが困難となり、72%よりも多いと結晶化ガラスの軟化点が高くなると共に、ガラス溶融時の溶融性が悪くなる。
 AlもSiOと同様に結晶構成成分であり、14%より少ないと析出結晶が粗大化し、高精度で線引き成形することが困難となる。30%より多くなると線引き成形時に失透が発生しやすくなる。
 LiOは、結晶の構成成分として必須であると共に、原ガラスの粘度を低下させ低温での溶融を可能にするために重要な成分である。また、SnOの溶解性を向上させる成分でもある。LiOが2.9%以上であると、原ガラスの粘度を下げることができ、原ガラスを低温で溶融しても脈理のない均質なガラスを得ることができる。LiOが2.9%以上であるとさらに、KOとのイオン交換による表面圧縮応力が高くなり、結晶化ガラス物品の機械強度(曲げ強度)が高くなる。一方、LiOが2.9%よりも少ないと、原ガラスの粘度が高くなり、高温で溶融しなければ脈理が発生するため、生産性が低下する。6.0%より多くなると結晶性が強くなりすぎ、原ガラスの成形時に失透が起こりやすくなると共に、結晶化ガラスの軟化点が高くなる。尚、LiO含有量の好ましい範囲は、2.9〜4.5%、さらに好ましくは4.1〜4.5%である。
 KOは結晶性を制御するための必須成分で、結晶化後のガラス相の割合、軟化点およびガラスの粘度に重要な影響を及ぼす。即ち、KOが1.0%未満であると結晶性が強くなりすぎてガラス相の割合が低くなると共に、結晶化ガラスの軟化点が高くなる。一方、10.0%を越えると異種結晶が析出しやすくなる。また、KOは、LiOの添加量にも重要な影響を及ぼす。即ち、KOの添加によって結晶性を抑制することができるため、LiOをより多量に添加しても、ガラス相の割合を低くなりすぎるのを抑制でき、原ガラスの低粘度化による低温溶融を容易にすると共に、線引き成形性を維持できる。
 したがって、LiOとKOの質量比が2.2以下であると、LiO含有量を多くしても、析出結晶が増えないため、軟化点が上昇せず、高精度な線引き成形が可能となると共に、機械的強度や耐磨耗性に優れ、原ガラスの低粘性化を図ることができる。さらに、結晶化ガラスの軟化点が高くならないばかりか、反対に低くなるため、線引き成形する際の線引き温度を低くすることができ、線引き成形設備の劣化抑制が可能となり、線引き成形の生産性が向上する。一方、LiOとKOの質量比が0.33よりも小さいと、異種結晶が析出し易くなるため、好ましくない。
 尚、LiOとKOの質量比の好ましい範囲は、0.33〜2.2である。LiOとKOの質量比のさらに好ましい範囲は、0.5〜1.5である。
 さらに上記した組成を有する結晶化ガラスは、ガラス相中のLiイオン濃度が比較的高いため、イオン交換による機械的強度が向上しやすいという利点も有する。
 本発明の結晶化ガラスの具体的組成は、質量百分率でSiO 55〜72%、Al 14〜30%、LiO 2.9〜6.0%、KO 1.0〜10.0%、TiO 1.0〜5.0%、ZrO 0〜4.0%、TiO+ZrO 2.0〜9.0%、ZnO 0〜10.0%、MgO 0〜2.5%、CaO 0〜4.0%、BaO 0〜6.0%、B 0〜7.0%、NaO 0〜4.0%、P 0〜8.0%である。
 先に示したSiO、Al、LiO及びKOの主成分以外の上記各成分の限定理由は、次の通りである。
 TiOは結晶析出の際に核となる成分(核形成成分)であり、析出結晶の結晶粒径を小さくする作用を有する。TiOが1.0%よりも少ないと、析出結晶が粗大化し、高精度な線引き成形が困難となる。5.0%よりも多いと、原ガラス成形時に失透が発生しやすい。尚、TiOの好ましい範囲は、1.5〜4.0%である。
 ZrOもTiOと同様に結晶析出の際に核となる成分(核形成成分)であり、ZrOが4%よりも多いと、ガラス溶融時に失透が発生しやすくなる。ZrOの好ましい範囲は、1.0〜3.0%である。
 また、TiOとZrOの合量が2.0%よりも少ないと、結晶性が弱くなり、緻密な結晶が得がたくなる。また9.0%を超えると、原ガラス成形時に失透が発生しやすくなると共に、原ガラスが不均一になりやすい。
 ZnO、MgO、CaO、BaO、B及びNaOは何れも結晶化ガラスの軟化点を低下させるのに有効な成分であり、ZnO 0〜10.0%(好ましくは1.5〜6.0%)、MgO 0〜2.5%(好ましくは0〜2.0%)、CaO 0〜4.0%(好ましくは0〜2.0%)、BaO 0〜6.0%(好ましくは0〜3.5%)、B 0〜7.0%(好ましくは0〜5%)、NaO 0〜4.0%(好ましくは0〜2.0%)、P 0〜8.0%(好ましくは0〜4%)添加することができるが、これらの範囲を超えると異種結晶が析出しやすくなり、かつ、失透性が強くなる。
 上記以外に、ガラス溶融時の清澄性を向上させる目的で、SnOを3.0%まで(好ましくは0.1〜3.0%)含有させることができる。SnOは、難溶成分であるため、3.0%よりも多いと溶融が困難になる。
 尚、上記以外にも、合計量で5%を超えない範囲で、さらにAs、Sb、PbO、Bi等を加えることもできる。また、Feは500ppmを超えない範囲で、白金は30ppmを超えない範囲で含有してもよい。
 本発明の結晶化ガラスは、結晶粒径が10μm以下(好ましくは5μm以下)であることが好ましい。結晶粒径が10μmを超えると、線引き成形した際の結晶化ガラスの伸びが著しく低下するとともに寸法精度が低下し、又は機械的強度、耐摩耗性もしくは化学耐久性等の材料物性が劣化しやすい。
 また、本発明の結晶化ガラスは、ガラス相の割合が10〜85体積%(好ましくは20〜65体積%)であることが好ましい。ガラス相が10体積%よりも少ないと線引き成形が困難となりやすく、85体積%よりも多いと結晶量が少なくなるため、機械的強度や耐摩耗性が低下しやすい。
 また、本発明の結晶化ガラスは、結晶化ガラスの軟化点が主たる析出結晶の融解点より低いことが好ましい。即ち、軟化点が融解点よりも低ければ線引き温度を融解点より低い温度にできるため、結晶を残存させたまま線引き成形することが可能となり、線引き成形品は、実質的に結晶化ガラスとしての特性を維持できる。尚、結晶化ガラスの軟化点および融解点は示差熱分析(DTA)によって測定することができる。
 さらに、本発明の結晶化ガラスは、軟化点以上の温度に加熱しても結晶化が実質的に進行しないことが好ましい。即ち、線引き成形によって新たに発生する表面は内部よりも自由エネルギーが高いため、結晶化ガラスが、軟化点以上の温度に加熱した際、結晶化が進行しやすく、表面に粗大な結晶(失透物)が集中して析出し、成形が困難になったり、線引き成形品の寸法や物性が大幅に劣化してしまうためである。なお本発明において、結晶化が実質的に進行しないとは、具体的には軟化点以上の温度に加熱し、保持しても結晶相が15体積%以上増加しないことを意味する。
 また本発明の結晶化ガラスは、10Pa・sの粘度となる温度が1330℃以下である原ガラスから作製されることが望ましい。10Pa・sの粘度となる温度が1330℃よりも高いと、脈理のない均質なガラスを得るためには高温で溶融しなければならず、窯やその付帯設備が劣化し易く、好ましくない。また、窯やその付帯設備が劣化し難いように低温で溶融すると、脈理のない均質なガラスが得られず、また、線引き成形時の成形性に劣る。
 以下、本発明の結晶化ガラスを実施例に基づいて説明する。
 表1、2は本発明の実施例(試料No.1〜10)を、表3は比較例(試料No.11〜14)を示す。
Figure 2004099429
Figure 2004099429
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 まず、表1〜3に示した組成となるように調合したガラス原料を白金坩堝に入れ、ガラス溶解炉に投入し、表中の溶融温度にて10時間撹拌しながら溶融した後、溶融したガラスを直径50mm、長さ500mmの円柱形状に鋳込み、原ガラス成形体を作製した。
 尚、これらの原ガラス成形体には、原料からの混入により、Feが40〜100ppm含まれ、白金坩堝からの溶け込みにより、Ptが1〜3ppm含まれていた。
 得られた原ガラス成形体について粘度および脈理の評価を行った。尚、原ガラスの粘度は白金球引き上げ法によって測定し、脈理は原ガラス成形体にハロゲンランプの光を照射して肉眼で観察を行った。
 次いでこれらの原ガラス成形体を、電気炉を用いて表中の結晶化温度で4時間加熱して結晶化させ、結晶化ガラスを作製した。
 このようにして得られた結晶化ガラスについて、熱膨張係数、析出結晶の種類、結晶粒径、ガラス相の占める割合、析出結晶の融解点及び結晶化ガラスの軟化点を測定した。尚、表中のSは、β-スポジュメン固溶体を示し、Qは、β-石英固溶体を表す。
 次いで、上記結晶化ガラスを軟化点より70℃高い温度または析出結晶の融解点よりも50℃低い温度で1時間加熱した後、再びガラス相の占める割合(加熱後のガラス相の割合)を測定した。
 尚、熱膨張係数は、ディラトメーターにて−50〜150℃の温度範囲で測定して求めた。析出結晶の種類はX線回折(XRD)によって同定し、結晶粒径およびガラス相の占める割合は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定した。析出結晶の融解点および結晶化ガラスの軟化点は、150メッシュ以下の粉末にした試料を用い、示差熱分析(DTA)によって測定した。
 次に、結晶化ガラスの外周をダイヤモンドツールで研削して真円度を整え、直径40mmの予備成形体を作製した。続いて予備成形体を環状電気炉の上部から、5mm/分の速度で連続的に送り込み、軟化変形して下方に伸びた線引き成形体の下端をローラーに挟んで直径2.5mmの細棒となるように、1280mm/分の速度で延伸し、成形性を評価した。尚、線引き成形性は線引き後の試料の外径精度が2μm以内のものを「良」、それ以上のものを「不良」とした。
 表から明らかなように、本発明の実施例No.1〜10は、LiOの含有量が多いにもかかわらず、析出結晶の結晶粒径が小さく、原ガラスの粘度が10Pa・sとなる温度が1200〜1330℃の間にあり、低粘度化されている。また、1500℃で溶融しても、ガラス成形体には脈理が確認されず、均質なガラスが得られ、線引き成形時の成形性に優れていた。
 一方、比較例No.11およびNo.14は、LiOの含有量が多く、原ガラスの粘度が低いものの、LiO/KOの質量比が2.2よりも大きいため、結晶化後の軟化点が上昇し、線引き温度が融解点よりも高くなり、線引き成形品の寸法精度が低かった。
 比較例12は、LiOの含有量が少ないため、原ガラスの粘度が10Pa・sとなる温度が1330℃よりも高くなって、原ガラスの粘度が高く、1500℃で溶融すると、ガラス成形体に脈理が観察され、ガラスが不均質であるため線引き成形時の成形性が悪く、線引き成形品の寸法精度が大幅に劣っていた。
 尚、比較例13のデータから、比較例12のガラス成形体を1600℃で溶融すれば、脈理は観察されないことが理解できる。
 以上、具体的な実施例によって本発明によるを説明したが、本発明はこれら実施例に限定されず、種々の線引き成形が可能な結晶化ガラスとこれを用いた結晶化ガラス物品への適用、変形が当業者にとって可能であることは、いうまでもない。尚、結晶化ガラスを線引き成形することで得られる結晶化ガラス物品は、光コネクタ、固定減衰器等の情報通信部品や電子部品への適用が可能である。

Claims (9)

  1.  β-スポジュメン固溶体もしくはβ-石英固溶体を析出してなり、質量百分率でSiO 55〜72%、Al 14〜30%、LiO 2.9〜6.0%、KO 1.0〜10.0%を含有し、かつ、LiOとKOの質量比(LiO/KO)が2.2以下であることを特徴とする結晶化ガラス。
  2.  質量百分率でSiO 55〜72%、Al 14〜30%、LiO 2.9〜6.0%、KO 1.0〜10.0%、TiO 1.0〜5.0%、ZrO 0〜4.0%、TiO+ZrO 2.0〜9.0%、ZnO 0〜10.0%、MgO 0〜2.5%、CaO 0〜4.0%、BaO 0〜6.0%、B 0〜7.0%、NaO 0〜4.0%、P 0〜8.0%の組成を有することを特徴とする請求項1に記載の結晶化ガラス。
  3.  質量百分率でSiO 55〜72%、Al 14〜30%、LiO 4.1〜6.0%、KO 1.0〜10.0%、TiO 1.0〜5.0%、SnO 0.1〜3.0%、ZrO 0〜4.0%、TiO+ZrO 2.0〜9.0%、ZnO 0〜10.0%、MgO 0〜2.5%、CaO 0〜4.0%、BaO 0〜6.0%、B 0〜7.0%、NaO 0〜4.0%、P 0〜8.0%を含有することを特徴とする請求項1に記載の結晶化ガラス。
  4.  析出結晶粒子が10μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の結晶化ガラス。
  5.  ガラス相の割合が10〜85体積%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の結晶化ガラス。
  6.  主たる析出結晶の融解点よりも低い軟化点を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の結晶化ガラス。
  7.  軟化点以上の温度に加熱しても結晶化が実質的に進行しないことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の結晶化ガラス。
  8.  請求項1乃至7のいずれかに記載の結晶化ガラスを線引き成形して得られることを特徴とする結晶化ガラス物品。
  9.  β-スポジュメン固溶体もしくはβ-石英固溶体を析出してなり、質量百分率でSiO 55〜72%、Al 14〜30%、LiO 2.9〜6.0%、KO 1.0〜10.0%を含有し、かつ、原ガラスの粘度が10Pa・sとなる温度が1330℃以下であることを特徴とする結晶化ガラス。

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