JP2004095859A - 半導体レーザ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体ウエハ10の上面に電極パターン3′を形成する電極パターン形成工程と、電極パターン3′が形成された半導体ウエハ10を所定ピッチで切断し、複数本の半導体バー11を得るウエハ切断工程と、得られた半導体バー11を所定のチップサイズに分割し、半導体レーザR1を得る半導体バー分割工程とを備える。前記電極パターン形成工程で形成される電極パターン3′を、少なくとも共振器長方向Aに連続させる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザ及びその製造方法に関し、特に半導体レーザの電極パターンに関する。
【0002】
【従来の技術】
CD‐R/RWやDVD−R/RW等の光学系記憶媒体のデータ読み取り及び/又は書き込みに使用する高出力半導体レーザは、各種の光学系記憶媒体によってそれぞれ最適な共振器長が定められており、対象とする光学系記憶媒体に適さない共振器長の半導体レーザを用いると、SCOOP不良(戻り光によるノイズ)が発生する。したがって、各種の光学系記憶媒体にはそれぞれ最適な共振器長の半導体レーザ(レーザチップ)が必要となる。
【0003】
従来、この種の半導体レーザの製造では、半導体ウエハの上面に、予め決められた共振器長のチップサイズ内に収まるチップサイズよりも小さい電極パターン72(図9参照)を、共振器長方向A及びチップ幅方向Bに所定間隔で複数形成し、その後、所定の共振器長L間隔でチップ幅方向Bに切断して複数本のレーザバーに分割する。この際、半導体ウエハの上面における各電極パターン72間がチップ分割位置を示す目印となっている。そして、このレーザバーを所定のチップ幅Wに切断して、図9に示すような個々の半導体レーザ(レーザチップ)70に分割していた(実開平6−79172号公報等参照)。このレーザチップ70は、複数の半導体層が積層され、かつその共振器長方向Aの両端にへき開面73、74を有する半導体層部71と、この半導体層部71の上面に形成された電極パターン72とを備え、共振器長方向Aの長さLが所定の共振器長に設定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように、従来の半導体レーザの製造方法では、予め決められた共振器長Lのチップサイズ内に収まる電極パターン72を個々に形成しているため、同一のウエハから異なった共振器長のレーザチップを生産することは不可能であった。つまり、図9と図10(a)(b)に示すように、予め決められた共振器長Lとは異なる共振器長L′のレーザチップを生産すると、電極82が二つに分離したチップ81が発生し、このようなレーザチップ81では、バースクライブ工程にて認識不良が発生し装置不具合が生じてしまう。そのため、異なるレーザチップを製造するには、その共振器長に対応した電極パターンを半導体ウエハ上に形成しなければならず、レーザチップの生産計画の変更に柔軟に対応することができなかった。
【0005】
本発明の主要な目的の一つは、同一の半導体ウエハから異なる共振器長のレーザチップを生産することができる半導体レーザ及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、半導体ウエハの上面に電極パターンを形成する電極パターン形成工程と、
電極パターンが形成された半導体ウエハを所定ピッチで切断し、複数本の半導体バーを得るウエハ切断工程と、
得られた半導体バーを所定のチップサイズに分割し、半導体レーザを得る半導体バー分割工程とを備えた半導体レーザの製造方法であって、
前記電極パターン形成工程で形成される電極パターンを、少なくとも共振器長方向に連続させる半導体レーザの製造方法を提供できる。
すなわち、本発明は、半導体層部と、この半導体層部の上面に形成された電極パターンとを備え、この電極パターンの共振器長方向側の両端を、半導体層部のへき開面に一致させた半導体レーザを製造する製造方法である。
【0007】
ここで、本発明において、半導体ウエハとは、複数の半導体層が積層され、かつその下面に電極層が積層されたレーザ光発光用の半導体ウエハであると定義する。また、本発明において、チップ幅方向とは、半導体レーザのへき開面と平行な平面方向であり、共振器長方向とは、半導体レーザのへき開面と直角な平面方向であると定義する。
【0008】
本発明において、ウエハ切断工程及び半導体バー分割工程は、下記の▲1▼又は▲2▼の方法を実施することができる。
▲1▼ウエハ切断工程において、電極パターンが形成された半導体ウエハを、共振器長方向に所定の共振器長間隔で切断して、チップ幅方向に長い半導体バー(レーザバー)を得る。この場合、半導体バー分割工程において、得られた半導体バーを所定のチップ幅間隔で分割(切断)して、所定チップサイズの半導体レーザを得る。
▲2▼ウエハ切断工程において、電極パターンが形成された半導体ウエハを、チップ幅方向に所定のチップ幅間隔で切断して、共振器長方向に長い半導体バーを得る。この場合、半導体バー分割工程において、得られた半導体バーを所定の共振器長間隔で分割(切断)して、所定チップサイズの半導体レーザを得る。
【0009】
本発明の半導体レーザの製造方法によれば、電極パターン形成工程において、半導体ウエハの上面に、共振器長方向に連続した(途中で切れ目のない)電極パターンを形成するので、前記▲1▼又は▲2▼による工程中に電極パターンを共振器長方向の所望の共振器長に切断することができる。つまり、電極パターンの切断ピッチを変更することができる。したがって、本発明によれば、同一のウエハから異なった共振器長の半導体レーザ(以下、レーザチップと称することがある)を製造することができ、異なるレーザチップの生産計画の変更に柔軟に対応することができる。
【0010】
本発明の半導体レーザの製造方法において、電極パターン形成工程は、下記の▲3▼▲4▼▲5▼の具体例を挙げることができる。
▲3▼電極パターン形成工程において、電極パターンを、チップ幅方向に所定間隔で複数列形成し、かつ各列の電極パターンのチップ幅方向側の一側縁又は両側縁に所定形状のマーカを共振器長以下のピッチで複数形成する。このようにすれば、半導体ウエハ上に共振器長方向に連続して電極パターンが形成されるので、前記▲1▼又は▲2▼の工程にて異なる共振器長に電極パターンを切断することができる。また、この帯状の電極パターンのチップ幅方向側の一側縁又は両側縁には、所定形状のマーカが一体形成されるので、このマーカの形状、数、位置、あるいはこれらの組み合わせ等によって、レーザチップの種類やレーザ光主出射面等を容易に判別することができる。したがって、レーザチップをヒートシンクやパッケージに実装する際に、レーザチップのレーザ光主出射面を所定の方向に向けてミスなく正確に実装することができる。
▲4▼電極形成工程において、電極パターンを、半導体ウエハの略全上面に一体に形成し、この電極パターンのチップ分割位置にチップ幅間隔で、かつ共振器長方向に共振器長以下のピッチで複数のマーカを形成する。このようにしても、半導体ウエハ上に共振器長方向に連続して電極パターンが形成されるので、前記▲1▼又は▲2▼の工程にて異なる共振器長に電極パターンを切断することができると共に、チップ分割位置をマーカにて容易かつ確実に検出することができる。
▲5▼電極形成工程において、電極パターンを、半導体ウエハの略全上面に一体に形成し、この電極パターンのレーザ発光チャネル対応位置にチップ幅間隔で、かつ共振器長方向に共振器長以下のピッチで複数のマーカを形成する。このようにしても、半導体ウエハ上に共振器長方向に連続して電極パターンが形成されるので、前記▲1▼又は▲2▼の工程にて異なる共振器長に電極パターンを切断することができると共に、製造されたレーザチップをヒートシンクやパッケージに実装する際に、レーザ発光点をマーカによって所定の位置に高精度にかつ容易に配置させることができる。
【0011】
前記▲3▼において、電極パターンのチップ幅方向側の両側縁にそれぞれ形成されるマーカは、電極パターンのチップ幅方向の中心線に対して対称形であり、かつ共振器長方向にその全長を二分する仮想線に対して非対称形(例えば直角三角形、台形等)であるようにしてもよい。このようにすれば、電極パターンのチップ幅方向側の両側縁にそれぞれマーカが形成される場合に、それらのマーカによる形状的な特徴を、レーザチップのレーザ光主出射面を判別する材料とすることができる。なお、詳しくは後述の実施の形態にて説明する。
一方、前記▲3▼において、電極パターンのチップ幅方向側の一側縁のみにマーカを形成した場合は、例えば、マーカを手前にしたときのチップ右側がレーザ光主出射面であるというような判別を行うことができる。
【0012】
また、前記▲3▼のマーカは、等ピッチで複数形成され、その共振器長方向の全長が、共振器長/整数(1以上)に、かつマーカのピッチと等しく設定されるものとしてもよい。このようにすれば、1個のレーザチップ内にあるマーカの数を数えることで共振器長を容易に識別することができ、共振器長の異なる機種が混在するのを防止、あるいは混在した異なる機種を容易に分別することができる。
【0013】
また、前記▲3▼のマーカは、その共振器長方向の全長とチップ幅方向の最大長さとの比が1:5〜5:1に設定されるものとしてもよい。例えば、レーザチップを共振器長700〜900μm、チップ幅200〜250μmとした場合、マーカを共振器長方向の全長30〜300μm、チップ幅方向の最大長さ150〜30μmに設定する。このようにすれば、目視によって容易にマーカ形状を識別することができるため、例えばマーカ形状でレーザチップの種類を識別する場合には識別ミスを有効に防止することができる。なお、マーカにおいて、その共振器長方向の最大長さとチップ幅方向の最大長さとの比が1:5〜5:1の範囲を逸脱すると、マーカ形状が識別し難くなって識別ミスを起こすおそれがある。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。
【0015】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る半導体レーザを示す概略斜視図であり、図2は同実施の形態1における半導体レーザの平面図であり、図3は同実施の形態1の半導体レーザの製造過程を説明する説明図であって、ウエハ切断工程を示している。
【0016】
この半導体レーザ(レーザチップ)R1は、複数の半導体層が積層され、かつその下面に電極部2を有する半導体層部1と、この半導体層部1の上面に形成された電極パターン3とを備え、半導体層部1の共振器長方向A側の両端にへき開面4、5を有している。なお、図1において、矢印Bはチップ幅方向を表している。また、半導体レーザR1は、共振器長方向Aの長さ寸法である共振器長Lが例えば800μmであり、チップ幅Wが例えば230μmである。
【0017】
半導体層部1の上面の電極パターン3は、その共振器長方向A側の両端がそれぞれ半導体層部1の一対のへき開面4、5に一致しており、さらにチップ幅方向B側の一側縁には直角三角形のマーカ6が等ピッチで複数(この場合4個)鋸歯状に形成されている。一方、電極パターン3のチップ幅方向B側の他側縁はストレート形に形成されている。なお、電極パターン3のチップ幅方向Bの全幅W1は、チップ幅Wより小さい例えば170μmとされている。
【0018】
マーカ6は、その共振器長方向Aの全長M1が例えば100μmに設定され、チップ幅方向Bの最大長さN1が例えば40μmに設定されており、その比は5:2である。また、マーカ6の前記全長M1は、共振器長L/4に、かつマーカ6のピッチP1と等しく設定されている。
【0019】
このように構成された実施の形態1の半導体レーザR1によれば、電極パターン3のチップ幅方向B側の一側縁のみにマーカ6を有しているため、例えばマーカ6を手前に配置したときの右側のへき開面4を前面(レーザ光主出射面)、左側のへき開面5を後面というように容易に判別することができる。例えば、一対のへき開面4、5を非対称にコーティングし、一対のへき開面4、5からのレーザ光の光出射強度が異なる半導体レーザの実装時に、その向きを確認することができる。また、共振器長L/整数と等しい全長M1のマーカ6を、この全長M1と等しいピッチP1で複数個設けたので、1個のチップ内にあるマーカ6の数を数えることで共振器長を容易に確認識別することができ、共振器長の異なる機種が混在するのを防止することができる。この際、マーカ6は、共振器長方向Aの全長M1とチップ幅方向Bの最大長さN1との比が1:5〜5:1の範囲内にあるので、目視でパターン形状を識別することができ、識別ミスの発生を防止することができる。
【0020】
次に、実施の形態1の半導体レーザの製造方法について説明する。
実施の形態1の半導体レーザの製造方法では、図3に示すように、半導体層を複数層に積層してなる矩形状の半導体ウエハ10の上面に、電極パターン3′を形成する電極パターン形成工程が行われる。この電極パターン形成工程において、半導体ウエハ10の上面に共振器長方向Aに延びる連続した帯状の電極パターン3′を、チップ幅方向Bに所定間隔、すなわちチップ幅方向Bに所定チップ幅W間隔(図2参照)で複数列形成する。この際、電極パターン3′のチップ幅方向B側の一側縁には鋸歯状の複数個のマーカ6が形成される。この各マーカ6の形状、大きさ寸法、ピッチは図1と図2で説明したので省略する。なお、電極パターン3′は、従来と同様の公知技術により形成することができる。
【0021】
続いて、ウエハ切断工程において、複数列の電極パターン3′が形成された半導体ウエハ10を、共振器長方向Aの所望のピッチ、すなわち所定の共振器長L間隔{この場合、マーカピッチP1×4(図2参照)}で切断して複数本の半導体バー(レーザバー)11を得る。この際、マーカ6がちょうど4個入る位置を検出して切断する。なお、この場合、切断によるロスは考えないものとしている。
【0022】
その後、半導体バー分割工程において、得られた半導体バー11を所定のチップ幅W間隔に切断して、個々の半導体レーザR1に分割する。この際、例えば半導体バー11の隣接した電極パターン3間の中間位置をチップ分割位置として検出して切断する。なお、この場合も、切断によるロスは考えないものとしている。
【0023】
この実施の形態1の半導体レーザの製造方法によれば、電極パターン形成工程において、半導体ウエハ10の上面に切れ目のない連続した帯状の電極パターン3′の列を形成するので、ウエハ切断工程において所望の共振器長に半導体ウエハを切断することができる。すなわち、同一のウエハで異なる共振器長の半導体レーザを製造することができる。なお、この実施の形態1では、ちょうど4個分のマーカ16の長さに相当する共振器長LのレーザチップR1を形成した場合を例示したが、この共振器長Lと異なる共振器長の半導体レーザを製造する際は、例えばマーカが5個以上の整数個又は3個以下の整数個の長さに相当する共振器長の半導体レーザを製造することができる。また、このようにマーカの整数個分の長さに相当しない共振器長の半導体レーザも製造可能である。
【0024】
[実施の形態2]
図4は本発明の実施の形態2に係る半導体レーザを示す平面図である。
この実施の形態2の半導体レーザR2は、実施の形態1とは電極パターン13の形状、配置が異なるものであり、その他の構成は同様であり、同一の要素には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0025】
電極パターン13は、そのチップ幅方向B側の両側縁に直角三角形のマーカ16が1個ずつ形成されている。一対のマーカ16は、その共振器長方向Aの全長M2が例えば200μmに、チップ幅方向Bの最大長さN2が例えば40μmにそれぞれ設定され、その比が5:1である。また、一対のマーカ16は、電極パターン13のチップ幅方向Bの中心線Cに対して対称形であり、かつ共振器長方向Aにその全長M2を二分する仮想線Kに対して非対称形である。
【0026】
このように、電極パターン13のチップ幅方向B側の両側縁にマーカ16を形成する場合は、電極パターン13のチップ幅方向Bの中心線Cに対して対称形に、かつ共振器長方向Aにその全長M2を二分する仮想線Kに対して非対称形とすることにより、一対のマーカ16で形成される形状的な特徴を、レーザチップR2のレーザ光主出射面を判別する判別材料とすることができる。この場合、例えば各マーカ16の傾斜辺部の向きや頂部の位置を判別材料とすることができる。
【0027】
この実施の形態2の半導体レーザの製造方法は、実施の形態1と同様に、電極パターン形成工程で半導体ウエハの上面に複数列の電極パターンが形成される(図3参照)が、この際、各電極パターンのチップ幅方向B側の両側縁に共振器長Lと等しいピッチでマーカ16が複数個形成される。その後のウエハ切断工程では、等ピッチで並ぶ各マーカ16間を共振器長L間隔で切断して複数本の半導体バーを得る。そして、半導体バー分割工程において、半導体バーを所定のチップ幅W間隔で切断して複数個のレーザチップR2を得る。
【0028】
この実施の形態2の半導体レーザの製造方法によっても、電極パターン形成工程において、半導体ウエハの上面に切れ目のない帯状の電極パターンを形成するので、実施の形態1と同様に、同一のウエハにて異なる共振器長の半導体レーザを製造することができる。なお、この実施の形態2では、所定の共振器長Lと等しいピッチでマーカ16を形成しているので、この共振器長Lと異なる共振器長の半導体レーザを製造する際は、共振器長Lよりも小さい共振器長間隔で切断していくとマーカのないレーザバーが発生するので、この共振器長Lよりも大きい共振器長の半導体レーザを製造するのが好ましい。そうすれば、1個のチップ内に必ずマーカ16が入り、製造した半導体レーザR2のレーザ光主出射面を確実に判別することができる。
【0029】
[実施の形態3]
図5は本発明の実施の形態3に係る半導体レーザを示す平面図である。
この実施の形態3の半導体レーザR3は、その帯状の電極パターン23の一側縁に長方形のマーカ26が1個形成されている。マーカ26は、その共振器長方向Aの全長M3が例えば300μmに、チップ幅方向Bの最大長さN3が例えば60μmにそれぞれ設定され、その比が5:1である。
【0030】
この実施の形態3の半導体レーザの製造方法は、実施の形態1と同様に、電極パターン形成工程で半導体ウエハの上面に電極パターンが複数列形成される(図3参照)が、この際、各電極パターンのチップ幅方向B側の一側縁に共振器長Lと等しいピッチでマーカ26が複数個形成される。この実施の形態3の半導体レーザの製造方法によっても、電極パターン形成工程において、半導体ウエハの上面に切れ目のない帯状の電極パターンを形成するので、同一のウエハにて異なる共振器長の半導体レーザを製造することができる。なお、この実施の形態3では、実施の形態2と同様に、所定の共振器長Lと等しいピッチでマーカ26を形成しているので、この共振器長Lと異なる共振器長の半導体レーザを製造する際は、共振器長Lよりも小さい共振器長間隔で切断していくとマーカのないレーザバーが発生するので、この共振器長Lよりも大きい共振器長の半導体レーザを製造するのが好ましい。
【0031】
[実施の形態4]
図6は本発明の実施の形態4に係る半導体レーザを示す平面図である。
この実施の形態4の半導体レーザR4は、その電極パターン33のチップ幅方向B側の両側縁が、マーカのないストレート形状に形成されたものである。
【0032】
この実施の形態4の半導体レーザの製造方法によっても、電極パターン形成工程において、半導体ウエハの上面に切れ目のない帯状の電極パターンを形成するので、同一のウエハにて異なる共振器長の半導体レーザを製造することができる。
【0033】
[実施の形態5]
図7は本発明の実施の形態5に係る半導体レーザを示す平面図である。
上記実施の形態1〜4では電極パターンのチップ幅方向Bの全幅を半導体層部1のチップ幅よりも小さく設定したものであったが、この実施の形態5の半導体レーザR5では、電極パターン43のチップ幅方向Bの全幅W5を半導体層部1のチップ幅Wと等しく設定したものである。さらに、この半導体レーザR5は、電極パターン43のチップ幅方向B側の両側縁に、長方形に切欠いた凹形のマーカ46が1個ずつ形成されている。このマーカ46は、その共振器長方向Aの全長M5が例えば150μmに、チップ幅方向Bの最大長さN5が例えば30μmにそれぞれ設定され、その比が5:1である。
【0034】
実施の形態5の半導体レーザの製造方法では、電極パターン形成工程において、電極パターンが、半導体ウエハの略全上面に一体に形成される。この際、一体面状の電極パターンのチップ分割位置にチップ幅W間隔で、かつ共振器長方向Aに共振器長Lと等しいピッチで複数の矩形孔状マーカが形成される。つまり、多数の孔を有する一体面状の電極パターンが形成される。
【0035】
続いて、ウエハ切断工程において、一体面状の電極パターンが形成された半導体ウエハを、共振器長方向Aに等ピッチで並ぶ各マーカ46間の中間位置で所定の共振器長Lで切断して複数本の半導体バーに分割する。その後、得られた半導体バーをチップ幅方向Bに等ピッチで並ぶ各マーカの中間位置で切断して、個々の半導体レーザR5に分割する。
【0036】
この実施の形態5の半導体レーザの製造方法によっても、半導体ウエハ上に共振器長に連続して電極パターンが形成されるので、ウエハ切断工程において所望の共振器長に半導体ウエハを切断することができ、同一のウエハにて異なる共振器長の半導体レーザを製造することができる。また、半導体バーのチップ分割位置がマーカにて示されているので、半導体バー分割工程において容易かつ確実にチップ分割位置を検出して切断することができる。なお、この実施の形態5では、所定の共振器長Lと等しいピッチでマーカ46を形成しているので、この共振器長Lと異なる共振器長の半導体レーザを製造する際は、この共振器長Lよりも大きい共振器長の半導体レーザを製造するのが好ましい。
【0037】
[実施の形態6]
図8は本発明の実施の形態6に係る半導体レーザを示す平面図である。
この実施の形態6の半導体レーザR6では、実施の形態5と同様に、電極パターン63のチップ方向Bの全幅W6を半導体層部1のチップ幅Wと等しく設定したものであって、電極パターン53の中央に長方形孔状のマーカ56が1個形成されている。このマーカ56は、その共振器長方向Aの全長M6が例えば200μmに、チップ幅方向Bの最大長さN6が例えば100μmにそれぞれ設定され、その比が2:1である。
【0038】
実施の形態6の半導体レーザの製造方法では、電極パターン形成工程において、電極パターンが、半導体ウエハの略全上面に一体に形成される。この際、一体面状の電極パターンのレーザ発光チャネル対応位置にチップ幅W間隔で、かつ共振器長方向Aに共振器長Lと等しいピッチで複数の長方形孔状マーカ56が形成される。
【0039】
続いて、ウエハ切断工程において、一体面状の電極パターンが形成された半導体ウエハを、共振器長方向Aに等ピッチで並ぶ各マーカ56間の中間位置で所定の共振器長Lで切断して複数本の半導体バーに分割する。その後、得られた半導体バーを、チップ幅方向Bに等ピッチで並ぶ各マーカ56間の中間位置で切断して、個々の半導体レーザR6に分割する。
【0040】
この実施の形態6の半導体レーザの製造方法によっても、半導体ウエハ上に共振器長に連続して電極パターンが形成されるので、ウエハ切断工程において所望の共振器長に半導体ウエハを切断することができ、同一のウエハにて異なる共振器長の半導体レーザを製造することができる。さらに、製造されたレーザチップをヒートシンクやパッケージに実装する際に、レーザ発光点をマーカ56によって所定の位置に高精度にかつ容易に配置させることができる。なお、この実施の形態6では、所定の共振器長Lと等しいピッチでマーカ56を形成しているので、この共振器長Lと異なる共振器長の半導体レーザを製造する際は、この共振器長Lよりも大きい共振器長の半導体レーザを製造するのが好ましい。
【0041】
[他の実施の形態]
1.図7で説明した実施の形態5の半導体レーザR5では、マーカ46を共振器長方向Aの中間位置に配置した場合を例示したが、マーカ46を一対のへき開面4、5のうち例えばレーザ光主出射面寄りに配置すれば、チップ実装時に主出射面を容易に判別することができる。
2.図8で説明した実施の形態6では、レーザチップR6が、チップ幅方向Bの中央位置にレーザ発光チャネル及びマーカ56を有する場合を例示したが、レーザ発光チャネルが前記中央位置よりもチップ幅方向Bの端面側に配置されている場合はそれに対応する位置にマーカ位置を設定すればよい。さらに、マーカ56を一対のへき開面4、5のうち例えばレーザ光主出射面寄りに配置すれば、チップ実装時に主出射面を容易に判別することができる。
3.上記実施の形態では、電極パターンのマーカが、直角三角形、長方形の場合を例示したが、マーカ形状はこれらに限定されず、例えば半円形、半長円形、半楕円形、二等辺三角形、正三角形、正方形、台形等であってもよい。特に、図7の実施の形態5では、マーカを凹形の直角三角形としてその頂部をレーザ光主出射面側に配置するように設定すれば、チップ実装時に主出射面を判別することができる。また、図8の実施の形態6でも、マーカを例えば細長い二等辺三角形としてその鋭角を主出射面に向けるように配置すれば、
チップ実装時に主出射面を判別することができる。
4.上記実施の形態では、マーカにおいて、共振器長方向の全長をチップ幅方向の最大長さに比して大きく設定した場合を例示したが、共振器長方向の全長をチップ幅方向の最大長さに比して小さく設定してもよい。なお、その比は1:5〜1:1の範囲内とするのが好ましい。
5.上記実施の形態の製造方法では、ウエハ切断工程において、電極パターンが形成された半導体ウエハを、共振器長方向に所定の共振器長間隔で切断して、チップ幅方向に長い半導体バー(レーザバー)を形成したが、電極パターンが形成された半導体ウエハを、チップ幅方向に所定のチップ幅間隔で切断して、共振器長方向に長い半導体バーを形成し、その後、半導体バー分割工程において、得られた半導体バーを所定の共振器長間隔で分割して、所定チップサイズの半導体レーザを得るようにしてもよい。このようにすれば、共振器長方向に長い半導体バーを在庫しておくことにより、異なる共振器長の半導体レーザの少量生産にも迅速に対応することができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、電極パターン形成工程において、半導体ウエハの上面に、共振器長方向に連続した(途中で切れ目のない)電極パターンを形成することにより、ウエハ切断工程又は半導体バー分割工程において、半導体ウエハ又は半導体バーを所望の共振器長に切断することができる。つまり、共振器長方向に連続した電極パターンを有する同一の半導体ウエハから異なった共振器長の半導体レーザを製造することができる。したがって、本発明は、異なるレーザチップの生産計画の変更に柔軟に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る半導体レーザを示す概略斜視図である。
【図2】同実施の形態1における半導体レーザの平面図である。
【図3】同実施の形態1の半導体レーザの製造過程を説明する説明図であって、ウエハ切断工程を示している。
【図4】本発明の実施の形態2に係る半導体レーザを示す平面図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係る半導体レーザを示す平面図である。
【図6】本発明の実施の形態4に係る半導体レーザを示す平面図である。
【図7】本発明の実施の形態5に係る半導体レーザを示す平面図である。
【図8】本発明の実施の形態6に係る半導体レーザを示す平面図である。
【図9】従来の半導体レーザを示す平面図である。
【図10】従来の半導体レーザの製造において、予め決まった共振器長とは異なる共振器長でチップ化した場合の電極パターンを示す平面図である。
【符号の説明】
1 半導体層部
3、3′、13、23、33、43、53 電極パターン
6、16、26、46、56 マーカ
10 半導体ウエハ
11 半導体バー(レーザバー)
A 共振器長方向
K 仮想線
L 共振器長
M1、M2、M3、M5、M6 共振器長方向の全長
N1、N2、N3、N5、N6 チップ幅方向の最大長さ
P1 ピッチ
R1、R2、R3、R4、R5、R6 半導体レーザ(レーザチップ)
W チップ幅
Claims (10)
- 半導体ウエハの上面に電極パターンを形成する電極パターン形成工程と、
電極パターンが形成された半導体ウエハを所定ピッチで切断し、複数本の半導体バーを得るウエハ切断工程と、
得られた半導体バーを所定のチップサイズに分割し、半導体レーザを得る半導体バー分割工程とを備えた半導体レーザの製造方法であって、
前記電極パターン形成工程で形成される電極パターンを、少なくとも共振器長方向に連続させることを特徴とする半導体レーザの製造方法。 - 電極パターン形成工程において、電極パターンが、チップ幅方向に所定間隔で複数列形成され、各列の電極パターンのチップ幅方向側の一側縁又は両側縁に所定形状のマーカを共振器長以下のピッチで複数形成する請求項1に記載の半導体レーザの製造方法。
- 電極形成工程において、電極パターンが、半導体ウエハの略全上面に一体に形成され、この電極パターンのチップ分割位置にチップ幅間隔で、かつ共振器長方向に共振器長以下のピッチで複数のマーカを形成する請求項1に記載の半導体レーザの製造方法。
- 電極形成工程において、電極パターンが、半導体ウエハの略全上面に一体に形成され、この電極パターンのレーザ発光チャネル対応位置にチップ幅間隔で、かつ共振器長方向に共振器長以下のピッチで複数のマーカを形成する請求項1に記載の半導体レーザの製造方法。
- 半導体層部と、この半導体層部の上面に形成された電極パターンとを備え、この電極パターンの共振器長方向側の両端を、半導体層部のへき開面に一致させたことを特徴とする半導体レーザ。
- 電極パターンは、そのチップ幅方向側の一側縁又は両側縁に所定形状のマーカを有する請求項5に記載の半導体レーザ。
- 電極パターンのチップ幅方向側の両側縁にそれぞれ形成されるマーカは、電極パターンのチップ幅方向の中心線に対して対称形であり、かつ共振器長方向にその全長を二分する仮想線に対して非対称形である請求項6に記載の半導体レーザ。
- マーカは、等ピッチで複数形成され、その共振器長方向の全長が、共振器長/整数に、かつマーカのピッチと等しく設定された請求項6又は7に記載の半導体レーザ。
- 電極パターンは、レーザ発光チャネル対応位置にマーカを有する請求項5に記載の半導体レーザ。
- マーカは、その共振器長方向の全長とチップ幅方向の最大長さとの比が1:5〜5:1に設定された請求項6〜9の何れか一つに記載の半導体レーザ。
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