JP2004095050A - ビデオテープ録画内容の検索・再生システム、録画検索可能なビデオテープ、ビデオテープ録画内容を検索・再生する方法、及び、ビデオテープ用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】ビデオテープを実時間再生しなくてもDVCテープ録画内容を容易に検索することができ、検索した録画部分を容易に再生することができるシステムや方法を提供する。そのために有効なビデオテープ等を提供する。
【解決手段】タイムコードを付して録画されたビデオテープの録画内容の検索用に、録画内容に対応する文字データを当該ビデオテープのタイムコードと関連づけて入力したコンピュータテキストファイルが記憶されていて、かつ該コンピュータテキストファイルの文字データ検索により選択されたタイムコードから該タイムコードの録画部分が再生されるように検索機器と録画再生機器とが関連付けて接続されている、ビデオテープ録画内容の検索・再生用システムである。タイムコードを付して録画されたビデオテープの未録画部分に、録画内容に対応する文字データを当該ビデオテープのタイムコードと関連づけて入力したコンピュータテキストファイルを追加記録する。ビデオテープに記録されたコンピュータテキストファイルにより録画検索をした後に、選択された録画部分を再生させる。
【選択図】 なし
【解決手段】タイムコードを付して録画されたビデオテープの録画内容の検索用に、録画内容に対応する文字データを当該ビデオテープのタイムコードと関連づけて入力したコンピュータテキストファイルが記憶されていて、かつ該コンピュータテキストファイルの文字データ検索により選択されたタイムコードから該タイムコードの録画部分が再生されるように検索機器と録画再生機器とが関連付けて接続されている、ビデオテープ録画内容の検索・再生用システムである。タイムコードを付して録画されたビデオテープの未録画部分に、録画内容に対応する文字データを当該ビデオテープのタイムコードと関連づけて入力したコンピュータテキストファイルを追加記録する。ビデオテープに記録されたコンピュータテキストファイルにより録画検索をした後に、選択された録画部分を再生させる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオテープの録画内容をテキスト文書より検索可能な検索・再生システム、方法、そのためのビデオテープ、及び、該ビデオテープ用ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1995年に実用化された民生用デジタルビデオテープは厚さ6〜7μmのベースフィルム上にCoの金属磁性薄膜を真空蒸着により設け、その表面にダイヤモンド状カーボン膜をコーティングしてなり、DVミニカセットを使用したカメラ一体型ビデオの場合には基本仕様(SD仕様)で1時間の録画時間をもつ。
【0003】
このデジタルビデオカセット(DVC)は、家庭用で世界で初のデジタルビデオカセットであり、a.小型ボディながら、膨大な情報が記録できる、b.信号が劣化しないから、何年たっても画質・音質が劣化しない、c.雑音の妨害を受けないから高画質・高音質が楽しめる、d.ダビングを繰り返しても映像が劣化しない、等のメリットを持ち、市場の評価は高い。またDVカメラ、DVデッキをDV端子(IEEE1394準拠)を装備した他のビデオ機器とつなげば画質劣化のほとんどないデジタルダビングが可能であり、DV端子のあるパソコンと接続して、映像の編集/加工をパソコンで自由に楽しむことができ、編集/加工された画像をDVCテープに保存することができ、他のカメラで撮影した画像の保存、編集/加工された画像の保存を画質劣化がほとんどなく実行可能であり、DVCの使用の拡大が続いている。
【0004】
そのベースフィルムとしては、
▲1▼ポリエステルフィルムと、該フィルムの少なくとも片面に密着されたポリマーブレンド体と粒径50〜500オングストロームの微細粒子を主体とした不連続皮膜とからなり、該不連続皮膜には水溶性ポリエステル共重合体が含有され、微細粒子により不連続皮膜上に微細突起が形成されたポリエステルフィルム(例えば特公昭63−57238号公報)、
特にドロップアウトの少ないDVCテープとなるベースフィルムとして、
▲2▼片側表面Aに高さ10〜50nmの微細表面突起が300万〜9000万個/mm2設けられてなるポリエステルフィルムであって、片側表面Aに存在する高さ50〜120nmの表面突起が4万個/mm2以下、高さ120nm以上の表面欠陥が400個/100cm2以下であるポリエステルフィルム(例えば特開2000−25105号公報)
等が用いられている。
【0005】
現在のDVCテープは、高画質、高音質の情報の記録、保存や、編集/加工された画像の保存が、音質や画質の劣化なく実行することが可能であるので、編集の楽しさが趣味的に認知され、利用が大きく広がってきた。しかし、他のビデオテープと同様、該DVCテープの中に、どのような映像が記録、保存されているかはDVCテープのラベル記載内容から推測するだけであって、実際に再生して確認しない限り録画内容の詳細は判らず、どのような貴重な情報や思い出がつまっているかというDVCテープ録画内容の検索を、短時間で行うことは不可能である。
【0006】
そこで、ビデオテープの内容を確認、検索するための技術として、次の提案がされている。
【0007】
イ) ビデオテープ内の一連の動画像の中から所定のタイミングで抽出した画像を、インデックス画像としてビデオテープの先頭に録画すると共に、抽出したタイミングに合わせてコントロールトラックにマーカーを書き込む。先頭に録画したインデックス画像の中から所望の画像を指定することにより、ビデオテープに記録されたインデックスマーカーを利用して指定された記録位置に移行され、再生動作が行われる(特許文献1参照)。
【0008】
ロ) シークエンシャルアクセス方式の記録媒体にAV信号を記録すると共に、AV信号が記録される領域とは異なる部分に、音声入力部からのキーワード音声がタイムコード発生部からのタイムコードと共に、登録用キーワードテーブルに記録する。再生時に、音声入力部より検索用キーワード音声を入力すると、登録用キーワードテーブルに記録されたキーワード音声の中から対応するキーワード音声が検索され、検索されたキーワード音声に対応するタイムコードがVTR記録再生部に出力され、該タイムコードに応じた位置からビデオテープの再生が行われる(特許文献2参照)。
【0009】
ハ) テープ番号の付いた第1のビデオテープに記録した映像素材の検索用として、第2のビデオテープに複数の前記映像素材の任意の映像部分の数フレームを映像インデックス画像として記録する。第2の検索用ビデオテープを用いて、第1のビデオテープ内容の検索を行う(特許文献3参照)。
【0010】
【特許文献1】特開平8−315546号公報
【0011】
【特許文献2】特開平6−203539号公報
【0012】
【特許文献3】特開平7−50088号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
これらのビデオテープ内容の検索技術をDVCテープに応用したとしても、次のような問題がある。
【0014】
前記イ)の技術では、DVCテープの録画画像のうちの一部の画像をインデックス画像としてDVCテープの一部に記録して、該当インデックス画像を実際に再生して確認しなければ内容が検索できないので、内容検索の効率性に欠けるという問題がある。前記ロ)の技術では、音声キーワードの入力により検索可能であるが、録画内容を知らなければ、キーワードとされている言葉自体がわからないので、該当キーワードを見出すことが容易でなく、検索の効率性が劣るという問題がある。また、前記ハ)の技術は、検索用のビデオテープを再生してビデオテープライブラリより希望のビデオテープを再生するものであるので、この方法では、録画画像の内容を検索することは困難である。
【0015】
このように従来のいずれの技術を適用しても、画像内容検索のためには実際の画像を再生して確認することが必要であり、即ち、画像を再生せずにDVCテープ内容を検索することは不可能である。
【0016】
そこで、本発明の目的は、DVCテープを再生しなくてもDVCテープ録画内容を検索すること、即ち、該DVCテープの中にどのような映像が記録、保存されているかという画像情報を検索することが可能であり、さらに、検索された箇所を容易に再生することができるシステムや方法を提供すること、録画検索することが可能なDVCテープを提供すること、及び、そのために有効なDVCテープ用ポリエステルフィルムを提供することである。なお、DVCテープ以外のビデオテープにも本発明は適用できる。
【0017】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明は以下の通りである。すなわち、
1.タイムコードを付して録画されたビデオテープの録画内容の検索用に、録画内容に対応する文字データを当該ビデオテープのタイムコードと関連づけて入力したコンピュータテキストファイルが記憶されていて、かつ該コンピュータテキストファイルの文字データ検索により選択されたタイムコードから該タイムコードの録画部分が再生されるように検索機器と録画再生機器とが関連付けて接続されていることを特徴とするビデオテープ録画内容の検索、再生システム、
2.タイムコードを付して録画されたビデオテープの未録画部分に、録画内容に対応する文字データを当該ビデオテープのタイムコードと関連づけて入力したコンピュータテキストファイルが追加記録されていることを特徴とする録画検索可能なビデオテープ、
3.デジタル記録方式であることを特徴とする上記2に記載の録画検索可能なビデオテープ、
4.ポリエステルフィルムとポリエステルフィルムの片側表面Aに形成された強磁性金属薄膜の磁性層とからなる磁気記録方式のビデオテープであることを特徴とする上記2又は3に記載の録画検索可能なビデオテープ、
5.上記2記載のビデオテープに記録されたコンピュータテキストファイルにより録画検索をした後に、選択された録画部分を再生させることを特徴とするテープ録画内容を検索、再生する方法、
6.上記4に記載のビデオテープ用のポリエステルフィルムであって、フィルムの片側表面Aの表面粗さRaが1〜4nmであり、高さ120〜240nmのフィルム内異物起因突起個数が1〜40個/100cm2、高さ240nmを超えるフィルム内異物起因突起個数が1〜15個/500cm2であることを特徴とするビデオテープ用ポリエステルフィルム、
7.ポリエステルがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートであることを特徴とする上記6に記載のビデオテープ用ポリエステルフィルム、
とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明のビデオテープ録画内容の検索、再生システムとは、録画の際にビデオテープにタイムコードが付されて録画されたビデオテープの録画内容検索用に、録画内容に対応する文字データを当該ビデオテープのタイムコードと関連づけて入力したコンピュータテキストファイルが記憶されていて、該コンピュータテキストファイルの文字データ検索により選択されたタイムコードから該タイムコードの録画部分が再生されるように検索機器と録画再生機器とが関連付けて接続されたシステムである。
【0019】
前記タイムコードは民生用のRC(Rewritable Consumer)タイムコードであり、映像信号の1フレーム毎につけられた番号で、録画スタート時に直前のタイムコードに連続するように記録される。直前にタイムコードがなければ、0時0分0秒フレーム0から記録を始める。タイムコードは「時:分:秒:0から29までのフレーム番号」の形でテープの絶対位置が記録される。タイムコードは画面表示だけでなくランク(LANC、Local Application Control bus system)端子、コントロール端子、リモ−ト端子からも入、出力される。RCタイムコードは8mmビデオのために開発され、DVカメラは規格で全機種で記録される。ランク端子からの入力によってタイムコード部のビデオテープ部分が頭だし再生ができる。
【0020】
本発明においてビデオテープに記録されるコンピュータテキストファイルは、録画内容の検索を可能とするためのものであり、即ち、このビデオテープにどんな映像、音声が入っているか、録画内容を再生しなくても録画内容を記述した文書の文字データにより内容が把握できるように入力、作成されたものである。脚本、あらすじのようなもの、録画内容を時系列にキーワード的に並べたもの、録画内容のハイライトを記述したもの等、形式はいかなるものでもよい。但し、文字データはタイムコードと関連付けて入力されたものでなければならない。すなわち、脚本、あらすじのようなものでは脚本、あらすじに対応する文字データにその時間に対応する場面のタイムコードが付されていること、録画内容が時系列にキーワード的に並べたものであれば、そのキーワードとともにその時間に対応する録画部のタイムコードがならんでいること、ハイライト集であるならば、その各ハイライト毎にそのハイライト時間部のタイムコードが関連づけられていることが必要である。該コンピュータテキストファイルは、パソコンのワードプロセッサー・プログラム、エディター・プログラムを用いてテキスト文書あるいはHTML文書として入力され、ビデオテープの録画内容検索時には、パソコンのメモリー上、及び/又はハードディスク上に存在するが、録画されたビデオテープにデジタル記録方式で追加記録されていることが好ましい。
【0021】
該テキストファイルはビデオテープからパソコン内のメモリー上やハードディスク上にファイル転送でき、該テキストファイルの文字データはパソコン内で動作しているワードプロセッサー・プログラム、エディター・プログラム、ブラウザー・プログラムの検索機能を用いて文字検索ができ、検索された文字データに対応するタイムコードが選択できるように作成されるのが好ましい。
【0022】
検索機器としてのパソコンと録画再生機器としてのVTRとはパソコンの指示でVTRが制御できるよう、すなわちタイムコードの入力によりビデオテープのタイムコード部の頭出しができるように接続されており、前記の選択されたタイムコードに関連付けられたビデオテープ部分が再生され、ビデオテープが検索、再生されることが可能となる。
【0023】
録画内容のコンピュータテキストファイルが、録画されたビデオテープ内にデジタル記録されていると、そのビデオテープ自体に文字情報化されたビデオテープ内容が記憶されていることになり、ビデオテープ録画内容文書や文字データの紛失を防止することができる。
【0024】
本発明の録画検索可能なビデオテープには、ビデオ録画が可能なことに加え、コンピュータテキストファイルが追加記録できるデジタル記録方式による磁気記録のビデオテープを用いることが好ましい。また、そのビデオテープのベースフィルムはポリエステルフィルムであることが好ましい。ポリエステルフィルムとポリエステルフィルムの片側表面Aに形成された強磁性金属薄膜の磁性層からなる磁気記録のビデオテープであることが好ましい。磁性層を強磁性金属薄膜とすることにより磁気ビデオテープはデジタル記録可能となり、コンピュータテキストファイル記録可能なデジタルデータテープとしても機能することが容易となり好ましい。
【0025】
強磁性金属薄膜としては公知のものを使用でき、特に限定されないが、鉄、コバルト、ニッケル、またはそれらの合金の強磁性体からなるものが好ましい。金属薄膜層の厚さは160〜250nm、より好ましくは180〜220nmが好ましい。160nmより薄いと磁気テープの曲げ剛性が不足しヘッドタッチが大幅に不良となり録画、再生が不能となり好ましくない。250nmより厚いと、強磁性金属薄膜層の磁気特性が不良となり、磁気テープの電磁変換特性が悪化し、ドロップアウトが非常に増加し好ましくない。
【0026】
本発明におけるビデオテープ用ポリエステルフィルムは、その片側表面AのRa値が、表面A上に真空蒸着により形成される強磁性金属薄膜膜の記録・再生時の磁気ヘッドによる磨耗を極力少なくし、および磁気テープの出力特性を良好に保つために、1〜4nm、好ましくは2〜3nmである。Ra値が1nm未満であると、表面A上に真空蒸着により形成される強磁性金属薄膜層が平滑すぎて、ビデオカメラ内での録画、再生時に磁気ヘッドにより磁気テープの強磁性金属薄膜が磨耗してしまい好ましくない。Ra値が4nmを超えると、該強磁性金属薄膜層が粗面すぎて、磁気テープの出力特性が低下し好ましくない。
【0027】
このポリエステルフィルムの片側表面Aの高さ120〜240nmのフィルム内異物起因突起個数は1〜40個/100cm2、より好ましくは1〜30個/100cm2である。高さ240nm以上のフィルム内異物起因突起個数は1〜15個/500cm2、より好ましくは1〜10個/500cm2である。高さ120〜240nmのフィルム内異物起因突起個数が40個/100cm2を超えると、ビデオテープのドロップアウトが増加し好ましくない。高さ120〜240nmのフィルム内の異物起因の表面突起個数を1個/100cm2 より少なくしても、ビデオテープのドロップアウト個数の低減効果は顕著でなくなり、フィルム内の異物の徹底的軽減のために費用がかかりすぎかえって好ましいものではない。高さ240nmを超えるフィルム内異物起因突起個数が15個/500cm2を超えると、ビデオテープへのテキストファイルの書き込み、読みとりエラーが発生しやすくなり好ましくない。高さ240nmを超えるフィルム内の異物起因の表面突起個数を1個/500cm2 より少なくしても、ビデオテープへのテキストファイルの書き込み、読みとりエラー個数の低減効果は顕著でなくなり、フィルム内の異物の徹底的軽減のために費用がかかりすぎかえって好ましいものではない。
【0028】
この検索可能ビデオテープ用のポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、分子配向により高強度フィルムとなるポリエステルであればよいが、なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。即ち、その構成成分の80%以上がエチレンテレフタレート又はエチレンナフタレートであるポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。エチレンテレフタレート、エチレンナフタレート以外のポリエステル共重合体成分としては、例えばジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、p−キシリレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官能ジカルボン酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸などが挙げられる。
【0029】
さらに、上記のポリエステルは、他にポリエステルと非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩誘導体、該ポリエステルに実質的に不溶なポリアルキレングリコールなどの少なくとも一つを5重量%を越えない程度に混合してもよい。
【0030】
本発明のビデオテープは、本発明のポリエステルフィルムの片側被膜面上に強磁性金属薄膜層を設けることにより製造されるが、さらに、表面B上に、固体微粒子および結合剤からなり必要に応じて各種添加剤を加えた溶液を塗布することにより形成されるバックコート層を設けることが好ましく、固体微粒子、結合剤、添加剤としては公知のものを使用でき、特に限定されない。
【0031】
次に、本発明によりビデオテープ録画内容を検索、再生するシステムや方法の一例を説明する。
【0032】
タイムコードが付されて録画されたビデオテープの内容を、パソコンのエディター・プログラムを用いてHTML文書により録画内容を時系列でキーワードを主体に文書化する。該当キーワードには対応するビデオテープ録画フレーム部分のタイムコードを付加する。すなわちHTML文書内の再生をスタートさせたい位置にそのビデオテープの対応するタイムコードを関連づけておく。HTMLファイルをブラウザーで閲覧し、見たい部分のキーワードをクリックするとその部分のタイムコードを示すテーブルにリンクできるようにしておく。そしてこのパソコンで作成したHTMLファイルを録画画像が記録されているビデオテープにパソコンを使用してデジタル記録する。
【0033】
ビデオテープの録画内容の検索は、該HTMLファイルを、記録されたビデオテープよりパソコンを用いて読み取り、パソコンのブラウザーで表示させ、希望のキーワードをクリックするか、任意のキーワードで検索し、その検索キーワードのタイムコードを選択し、そのタイムコードを該ビデオテープ搭載カメラ、VTRに入力することにより文書上で検索された部分のビデオ画面、音声が再生でき、ビデオテープの検索が可能になる。
【0034】
次に、本発明のビデオテープ用ポリエステルフィルム及びそれを用いての磁気記録ビデオテープの製法の一例を説明する。
【0035】
本発明のポリエステルフィルムは、そのA面側原料として含有粒子を可能な限り除いたポリエステル原料チップを用い、乾燥、溶融、成形、二軸延伸、熱固定からなる通常のプラスチックフィルム製造工程で製造されるが、その延伸工程では90〜140℃で、縦、横方向に、2.7〜5.5倍、3.5〜7.0倍に延伸され、190〜220℃の温度で熱固定される。そして、下記の操作を行うことにより製造することができる。
【0036】
(1)一方向に延伸後の平滑なポリエステルフィルムのA面側に、粒径が5〜60nmの微細粒子を有機化合物に含有させた被膜層をポリエステル表面に形成させる。微細粒子の粒径は5〜60nm程度である。その粒子種としては、ポリアクリル酸、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアクリル酸エステル、ポリメチルメタクリレート、ポリエポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル−スチレン共重合体、アクリル系共重合体、各種変成アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、各種変成スチレン−ブタジエン共重合体等の有機化合物粒子、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等の無機粒子を核として、有機高分子で被覆した粒子等が使用できるが、これらに限定されない。有機化合物としては末端基がエポキシ、アミン、カルボン酸、水酸基等で変成された自己架橋性のものが好ましい。なお微細粒子としてはシリカ、アルミナ等の無機粒子でもかまわないが、有機粒子の方が発現する表面突起の径に比べて突起高さが低くなりがちでありより好ましい。被膜層に使用される有機化合物としてはポリビニルアルコール、トラガントゴム、カゼイン、ゼラチン、セルロース誘導体、水溶性ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、アクリル−ポリエステル樹脂、イソフタル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂等の有極性高分子これらのブレンド体が使用できるが、これらに限定されない。これら記載の微細粒子を0.5〜12.0重量%、好ましくは0.6〜10.0重量%含む有機化合物からなる塗液を塗布して表面A側に被覆層を形成させ、表面A側に微細表面突起を形成する。被覆層に使用される有機化合物としてはポリビニルアルコール、トラガントゴム、カゼイン、ゼラチン、セルロース誘導体、水溶性ポリエステル、ポリウレタン、イソフタル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂等の有極性高分子、これらのブレンド体が使用できるが、これらに限定されない。
【0037】
片側表面AのRa値は表面A上に形成させた被覆層内の微粒子、成分、被覆層処方の調整により調節することができる。
【0038】
(2)高さ120〜240nmのフィルム内異物起因突起個数を1〜40個/100cm2、高さ240nmを越えるフィルム内異物起因突起個数を1〜15個/500cm2とするには以下の方法で行う。
【0039】
溶融押出しの際に層A側溶融体を1.0μmカット(95%カット径)程度の性能を有する高精度フィルター内を通過させること、およびポリエステルフィルムを製造するためにポリエステルチップ原料を用いるがポリエステルチップ原料をサイロ等の原料保管庫に移動させる際に、またサイロ等に保管されたチップ原料をポリエステルフィルム製造用のポリエステルチップ乾燥機に移送させる際に、長径が2.5μm程度以上の大気中の塵埃をポリエステルチップに付着させないようにすることによってフィルム内の異物起因の高さ120〜240nmのフィルム内異物起因突起個数を1〜40個/100cm2、高さ240nmを超えるフィルム内異物起因突起個数を1〜15個/500cm2とすることができる。完全にポリエステルチップ原料を、環境空気の清浄度クラス(米国連邦規格・Fed’Std−209D)1000以下の環境で移動、移送させ、0.8μmカット(95%カット径)程度の性能を有する高精度フィルター内を通過させることできれば、高さ120〜240nmのフィルム内異物起因突起個数を1個/100cm2未満、高さ240nmを超えるフィルム内異物起因突起個数を1個/500cm2未満とすることができるが、その高精度フィルターの濾過寿命が短くなり、環境空気の清浄度を上げるための設備、維持管理費用が高価になりすぎ好ましくない。
【0040】
なお、共押出し技術の使用により、前記A層用の原料と積極的により大きな微粒子を含有させたB層用の原料とを用いてA/B積層フィルムを溶融押出しし製膜してもよいし、B層を用いなく、前記表面A側と反対の表面B側に滑剤を含む塗液を塗布しB面側に易滑処理をしてもよい。B層を用い、更に滑剤を含む塗液を塗布しB面側の易滑処理をしてもよい。
【0041】
二軸延伸は、例えば逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法で行うことができるが、所望するならば熱固定前にさらに縦あるいは横方向あるいは縦と横方向に再度延伸させ機械的強度を高めた、いわゆる強力化タイプとすることもできる。
【0042】
本発明の磁気記録ビデオテープは、本発明のポリエステルフィルムの表面Aの被膜上に、真空蒸着により形成される強磁性金属薄膜層を設け、そしてテープ状にしたものであり、使用する金属薄膜としては公知のものを使用でき、特に限定されないが、鉄、コバルト、ニッケル、またはそれらの合金の強磁性体からなるものが好ましい。金属薄膜層の厚さは160〜250nmが好ましい。160nmを下回ると磁気テープからの再生出力信号が弱すぎ、記録信号が読みとれない。250nmを上回ると金属薄膜層の磁気特性が悪化し、再生出力信号が弱すぎ、記録の読み取りが不可能となる。
【0043】
即ち、本発明の磁気記録ビデオテープは、本発明のポリエステルフィルムの片側表面Aの被膜上に、Co等からなる強磁性金属薄膜を、真空蒸着により膜厚み160〜250nm程度で形成し、この金属薄膜上に10nm程度の厚みのダイヤモンド状カーボン膜をコーティングし、さらにその上に、潤滑剤を塗布し、他方、片側表面Bに固体微粒子および結合剤からなり必要に応じて各種添加剤を加えた溶液を塗布することによりバックコート層を設け、そして、所定のテープ幅に切断することにより、製造することができる。
【0044】
【実施例】
本実施例で用いた測定法を下記に示す。
(1)Ra値
磁気記録媒体用フィルムの表面A又は表面Bの表面粗さRa値は、原子間力顕微鏡(走査型プローブ顕微鏡)を用いて測定した。セイコーインスツルメント社製の卓上小型プローブ顕微鏡(Nanopics 1000)を用い、ダンピングモードでフィルムの表面を4μm角の範囲で原子間力顕微鏡計測走査を行い、得られる表面のプロファイル曲線よりJIS・B0601・Raに相当する算術平均粗さよりRaを求めた。面内方向の拡大倍率は1万〜5万倍、高さ方向の拡大倍率は100万倍程度とした。
(2)高さ120〜240nm、高さ240nmを超えるフィルム内異物突起個数
光学顕微鏡(観測倍率:100倍)を用いてフィルムA側表面を観察し、フィルム内異物により突起状に見える表面突起を観測してマーキングする。マーキングされたそれら表面突起の高さを、キーエンス社製のレーザー顕微鏡(表面形状測定顕微鏡 VF−7500)を用いて120〜240nmであるか、又は、240nmを超えるかを判定する。表面突起がフィルム内の異物起因か否か判定が困難な場合はこれらマーキングした突起を走査型電子顕微鏡−X線微小解析(SEM−XMA解析)し、その表面突起がフィルム内の異物起因かどうかを、異物がフィルム内に存在するか否かにより判断した。このようにして確認されたフィルム内異物突起個数を分子とし、観測した面積を分母として、フィルム内異物突起個数を求めた。高さ120〜240nmの場合は、面積100cm2あたりのフィルム内異物突起個数でもって、また、高さ240nmを超えるの場合は、面積500cm2あたりのフィルム内異物突起個数でもって表した。
【0045】
磁気テープから測定する場合は、磁気記録した後に、磁性コロイドを磁気テープ表面に塗布し光学顕微鏡(観測倍率:100倍)により塗布表面観察することにより行う。塗布表面上の磁気記録が抜けた箇所をマーキングし、マーキングされたそれら欠陥の高さをキーエンス社製のレーザー顕微鏡(表面形状測定顕微鏡VF−7500)を用いて前記同様に測定し、観測した面積より、100cm2あたりの、又は、500cm2あたりのフィルム内異物突起個数を求める。
【0046】
(3)録画済みDVCテープの、読み取り性、検索・再生性
DVCカメラで撮影された録画済みDVCテープを、松下電器(株)製のDV搭載パソコンFX−CR01(パソコン2)に組み込んで、テープからテキストファイルが読みとれるか否かを調べた。
次いで、読み取ったテキストファィルからキーワード検索によって録画内容の検索ができるか否かを調べ、さらに、その検索された録画部分の再生の指示に連動して、それに対応するテープ部分の録画が再生されるか否かを調べた。
それら読み取り時、又は、検索・再生時におけるエラー回数を測定し、100回あたりのエラー回数でもって、読み取り性、又は、検索・再生性を評価した。
【0047】
(4)録画済みDVCテープからの再生画像の画質
DVCカメラで撮影された録画済みDVCテープを市販のDVCレコーダーで再生させた時、再生画像中に、1分間に発生するブロック状のモザイク個数(ドロップアウト(DO)個数)を数え、画質の評価をした。
【0048】
次に実施例に基づき、本発明を説明する。
【0049】
[実施例1]
実質的に不活性粒子を含有しないポリエチレンテレフタレート原料Aと、同一のポリエチレンテレフタレートと平均粒径200nmのケイ酸アルミニウムを0.25重量%含有させた原料Bとを厚み比5:1の割合で共押出し、冷却ドラムに密着させシート化し、ロール延伸法で110℃で3.3倍に縦延伸した。
【0050】
溶融押出しの前に、層A側の溶融体(原料A)は1.0μmカット(95%カット径)の性能を有する高精度フィルター内を通過させた。
【0051】
共押し出しにあたり原料Aと原料Bとは押し出し時の加水分解を防ぐために真空乾燥処理を行うが、原料Aの製膜室外の保管サイロから真空乾燥機への移送は、エアーブロアーによる空気輸送方式を用い、そのエアーには、エアー取り込み口に1μm粒子を90%程度除去できる中性能フィルターを通して取込んだ空気を使用した。
【0052】
縦延伸の後の工程で、片側表面Aの外側に下記組成の水溶液を固形分塗布量が20mg/m2 となるように塗布した。
【0053】
A面外側への塗布水溶液(全体としてのpH=4.5):
メチルセルロース 0.12 重量%
水溶性ポリエステル(=テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.35 重量%
アミノ変性シリコーン 0.01 重量%
平均粒径 12nmの極微細シリカ 0.01重量%
その後、ステンターにて横方向に105℃で4.4倍に延伸し、210℃で熱処理し中間スプールに巻き、スリッターで小幅にスリットし、円筒コアーにロール状に巻取り、厚さ6.3μmのロール状ポリエステルフィルムを作製した。得られたポリエステルフィルムの特性を表1に示す。なおポリエステルフィルムのB面のRa値は15nmであった。
【0054】
このポリエステルフィルムの表面Aの被膜上に真空蒸着によりコバルト−酸素薄膜を160nmの膜厚で形成した。次にコバルト−酸素薄膜層上に、スパッタリング法によりダイヤモンド状カーボン膜を10nmの厚さで形成させ、フッ素含有脂肪酸エステル系潤滑剤を3nmの厚さで塗布した。続いて表面B上に、カーボンブラック、ポリウレタン、シリコーンからなるバックコート層を500nmの厚さで設け、スリッターにより幅6.35mmにスリットしリールに巻き取り磁気テープ(DVCテープ1、録画時間60分)を作製した。
【0055】
得られたDVCテープ1を市販のDVCカメラに搭載し、京都市観光に出かけ、京都駅、清水寺、平安神宮、京都大学キャンパス、吉田山、銀閣寺、金閣寺、本能寺、四条川原町、東寺と訪れ、50分の市内風景の撮影を行った。撮影した録画内容をDVCテープから再生し、タイムコード情報も確認しながら、パソコンのエディタープログラム(メモ帳)を用いて、タイムコード情報と一緒にホームページ(HTML文書)化した。すなわち、京都観光に行った年月日を記し、訪問場所としてキーワード的に京都駅の風景、清水寺の風景、平安神宮の風景、京都大学キャンパスの風景、吉田山の風景、銀閣寺の風景、金閣寺の風景、本能寺の風景、四条川原町、東寺の5重の塔というように文字データを入力し、文書化し、ブラウザーで読めるようにHTML文書とし、各文字データをクリックするとその風景が録画されているタイムコードを示すテーブルが表示されるようにした。なおパソコンは松下電器(株)製のDV搭載パソコンFX−CR01を用いた。HTML文書作成終了後、この文書ファイルをDVCテープの51分目の位置にデジタル記録した(DVCテープ2)。
【0056】
このDVCテープ2を別の松下電器製のDV搭載パソコンFX−CR01(パソコン2)に組み込み、録画時間51分目の位置にあるテキストファイルを読みとらせ、NetScape Navigatorブラウザーソフトウェアを用いて閲覧した。DVCテープ2内には京都駅、清水寺、平安神宮、京都大学キャンパス、吉田山、銀閣寺、金閣寺、本能寺、四条川原町、東寺の5重の塔が動画として録画されていることが録画像を再生することなく判った。そのうちの任意のキーワードをクリックするとそのキーワードの録画部分に対応するタイムコードが表示された。このタイムコードをクリックすると、選択されたタイムコードがDVデッキに転送されDVデッキ内でDVCテープが早送りされ、そのタイムコード部分より頭出しされるソフトウェアにより、検索された録画内容が再生された。
【0057】
このように、パソコン2でのテキストファイルの読みとりを100回行い、任意の検索、再生を100回行うことによって評価したが、いずれにおいてもエラーは起きず、任意のキーワード部分の検索ができ、再生画像のドロップアウト(DO)は無かった。検索状況、再生画質の特性を表1に示す。
【0058】
[実施例2]
実施例1のフィルム製造において、ポリエステルフィルムの厚さを5.3μmに変更してポリエステルフィルムを製造し、このフィルムを用いて厚さ6.0μmの磁気テープを製造し、70分録画可能なDVCカセットテープ(DVCテープ3)を作製した。
【0059】
3人が、各自の持ち時間が20分、全体の時間が60分の技術報告会を行っている時の状況を、市販のDVCカメラを用いてDVCテープ3に録画した。DVCテープ3を再生し、録画内容を実施例1と同様にしてHTML文書化し、この文書をDVCテープ3の61分目の位置に記録した(DVCテープ4)。具体的には、報告会年月日、日時、場所、3人の報告者の氏名、報告順に報告者名、報告題名、おおまかな目次、得られた知見、結論を、キーワード的に文字データとして入力し、文書化し、実施例1と同様にそのキーワードに対応したタイムコードを付したHTML文書ファイルを作成した。
【0060】
DVCテープ4に関して、実施例1のDVCテープ2と同様にして録画時間61分目の位置にある記録文書を読みとらせた。その他実施例1と同様にして読みとり100回、検索再生100回行ったが、いずれにおいてもエラーは起きず、任意のキーワード部分の検索ができ、再生画像のドロップアウト(DO)は無かった。
【0061】
[実施例3]
実施例1のフィルム製造において、ポリエチレンテレフタレートをポリエチレン−2,6−ナフタレートに変更し、原料B内のケイ酸アルミニウムの含有量を1.1重量%と変更し、縦延伸温度、倍率を135℃で5.0倍と変更し、固形分塗布量を50mg/m2と変更し、横延伸温度、倍率を135℃、6.5倍と変更し、200℃の熱処理に変更し、その他は実施例1と同様にして、厚さ4.8μmのポリエステルフィルムを作製した。得られたポリエステルフィルムの特性を表1に示す。なおポリエステルフィルムのB面のRa値は20nmであった。
【0062】
得られたポリエステルフィルムから、実施例1と同様にして録画時間80分の磁気テープ(DVCテープ5)を作製した。
【0063】
次いで、市販のDVCカメラを用いて、市内を散歩して、70分の市内の風景を録画した。この録画内容にキーワード的文字データを追加したHTML文書を、実施例1と同様にして作成し、文書ファイルをDVCテープの71分目の位置にデジタル記録した(DVCテープ6)。
【0064】
DVCテープ6を実施例1のDVCテープ2と同様にして録画時間71分目の位置にあるテキスト文書を読みとらせた。その他実施例1と同様にして読みとり100回、検索再生100回行ったが、いずれにおいてもエラーは起きず、任意のキーワード部分の検索ができ、再生画像のドロップアウト(DO)は無かった。
【0065】
[比較例1]
実施例1において製造し、撮影したDVCテープに、録画内容テキスト文書を追加記録しなかった。そのため、録画されたDVCテープにはどのような内容が録画されているかを再生せずに知ることができず、DVCテープの録画内容の検索は不可能であった。
【0066】
[比較例2]
実施例1において製造し、撮影したDVCテープの録画内容に、キーワード的文字データを入力し、文書化する際、タイムコード情報を一緒に文書化することはしなかった。従って、得られたDVCテープに記録されたコンピュータテキストファイルは、録画ビデオテープのタイムコードと共通のタイムコードを持たないものであった。このためパソコン2により録画内容文書を読みとることができ、キーワード検索まではできるものの、その録画内容に対応するタイムコードが判らず、DVCテープの録画内容を検索かつ再生することは不可能であった。
【0067】
[比較例3]
実施例1のフィルム製造において、固形分塗布量を10mg/m2と変更した。その他は実施例1と同様にして、厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを作製し、磁気テープ(DVCテープ、録画時間60分)を作製した。得られたポリエステルフィルムの特性を表1に示す。なおポリエステルフィルムのB面のRa値は15nmであった。
【0068】
得られたDVCテープに、実施例3と同様にして市内風景の撮影を行った後、キーワードとタイムコードとを関連づけて入力したHTML文書を作成し、記録させた。得られたDVCテープの録画内容の検索性、再生画像の画質を、実施例1と同様に調べた。検索状況、再生画質の特性を表1に示す。
【0069】
[比較例4]
実施例1のフィルム製造において、固形分塗布量を95mg/m2と変更した。その他は実施例1と同様にして、厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを作製し、磁気テープ(DVCテープ、録画時間60分)を作製した。得られたポリエステルフィルムの特性を表1に示す。なおポリエステルフィルムのB面のRa値は15nmであった。
【0070】
得られたDVCテープに、実施例3と同様にして市内風景の撮影を行った後、キーワードとタイムコードとを関連づけて入力したHTML文書を作成し、記録させた。得られたDVCテープの録画内容の検索性、再生画像の画質を、実施例1と同様に調べた。検索状況、再生画質の特性を表1に示す。
【0071】
[比較例5]
実施例1のフィルム製造において、溶融押出しの前に層A側の溶融体(原料A)を通過させるフィルターを、2.0μmカット(95%カット径)の性能を有するフィルター内に変更した。その他は実施例1と同様にして、厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを作製し、磁気テープ(DVCテープ、録画時間60分)を作製した。得られたポリエステルフィルムの特性を表1に示す。なおポリエステルフィルムのB面のRa値は15nmであった。
【0072】
得られたDVCテープに、実施例3と同様にして市内風景の撮影を行った後、キーワードとタイムコードとを関連づけて入力したHTML文書を作成し、記録させた。得られたDVCテープの録画内容の検索性、再生画像の画質を、実施例1と同様に調べた。検索状況、再生画質の特性を表1に示す。
【0073】
[比較例6]
実施例1のフィルム製造において、原料Aを保管サイロから真空乾燥機へと移送する空気輸送方式で使用する空気の取込み口に設けた中性能フィルターを、50μm程度の粗い塵埃を20%程度捕集するラフフィルターに変更した。その他は実施例1と同様にして、厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを作製し、磁気テープ(DVCテープ、録画時間60分)を作製した。得られたポリエステルフィルムの特性を表1に示す。なおポリエステルフィルムのB面のRa値は15nmであった。
【0074】
得られたDVCテープに、実施例3と同様にして市内風景の撮影を行った後、キーワードとタイムコードとを関連づけて入力したHTML文書を作成し、記録させた。得られたDVCテープの録画内容の検索性、再生画像の画質を、実施例1と同様に調べた。検索状況、再生画質の特性を表1に示す。
【0075】
【表1】
表1の特性から明らかな様に、本発明によると、DVCテープの録画内容を容易に検索し、再生することができる。さらに、再生された画像は、DOの少ない良好な画質のものであった。
【0076】
【発明の効果】
本発明によると、ビデオテープの録画内容をテキスト文書より検索可能であるので、DVCテープを再生しなくてもDVCテープ録画内容を容易に検索することができる。さらに、検索された箇所を容易に再生することができ、また、良好な画質で再生することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオテープの録画内容をテキスト文書より検索可能な検索・再生システム、方法、そのためのビデオテープ、及び、該ビデオテープ用ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1995年に実用化された民生用デジタルビデオテープは厚さ6〜7μmのベースフィルム上にCoの金属磁性薄膜を真空蒸着により設け、その表面にダイヤモンド状カーボン膜をコーティングしてなり、DVミニカセットを使用したカメラ一体型ビデオの場合には基本仕様(SD仕様)で1時間の録画時間をもつ。
【0003】
このデジタルビデオカセット(DVC)は、家庭用で世界で初のデジタルビデオカセットであり、a.小型ボディながら、膨大な情報が記録できる、b.信号が劣化しないから、何年たっても画質・音質が劣化しない、c.雑音の妨害を受けないから高画質・高音質が楽しめる、d.ダビングを繰り返しても映像が劣化しない、等のメリットを持ち、市場の評価は高い。またDVカメラ、DVデッキをDV端子(IEEE1394準拠)を装備した他のビデオ機器とつなげば画質劣化のほとんどないデジタルダビングが可能であり、DV端子のあるパソコンと接続して、映像の編集/加工をパソコンで自由に楽しむことができ、編集/加工された画像をDVCテープに保存することができ、他のカメラで撮影した画像の保存、編集/加工された画像の保存を画質劣化がほとんどなく実行可能であり、DVCの使用の拡大が続いている。
【0004】
そのベースフィルムとしては、
▲1▼ポリエステルフィルムと、該フィルムの少なくとも片面に密着されたポリマーブレンド体と粒径50〜500オングストロームの微細粒子を主体とした不連続皮膜とからなり、該不連続皮膜には水溶性ポリエステル共重合体が含有され、微細粒子により不連続皮膜上に微細突起が形成されたポリエステルフィルム(例えば特公昭63−57238号公報)、
特にドロップアウトの少ないDVCテープとなるベースフィルムとして、
▲2▼片側表面Aに高さ10〜50nmの微細表面突起が300万〜9000万個/mm2設けられてなるポリエステルフィルムであって、片側表面Aに存在する高さ50〜120nmの表面突起が4万個/mm2以下、高さ120nm以上の表面欠陥が400個/100cm2以下であるポリエステルフィルム(例えば特開2000−25105号公報)
等が用いられている。
【0005】
現在のDVCテープは、高画質、高音質の情報の記録、保存や、編集/加工された画像の保存が、音質や画質の劣化なく実行することが可能であるので、編集の楽しさが趣味的に認知され、利用が大きく広がってきた。しかし、他のビデオテープと同様、該DVCテープの中に、どのような映像が記録、保存されているかはDVCテープのラベル記載内容から推測するだけであって、実際に再生して確認しない限り録画内容の詳細は判らず、どのような貴重な情報や思い出がつまっているかというDVCテープ録画内容の検索を、短時間で行うことは不可能である。
【0006】
そこで、ビデオテープの内容を確認、検索するための技術として、次の提案がされている。
【0007】
イ) ビデオテープ内の一連の動画像の中から所定のタイミングで抽出した画像を、インデックス画像としてビデオテープの先頭に録画すると共に、抽出したタイミングに合わせてコントロールトラックにマーカーを書き込む。先頭に録画したインデックス画像の中から所望の画像を指定することにより、ビデオテープに記録されたインデックスマーカーを利用して指定された記録位置に移行され、再生動作が行われる(特許文献1参照)。
【0008】
ロ) シークエンシャルアクセス方式の記録媒体にAV信号を記録すると共に、AV信号が記録される領域とは異なる部分に、音声入力部からのキーワード音声がタイムコード発生部からのタイムコードと共に、登録用キーワードテーブルに記録する。再生時に、音声入力部より検索用キーワード音声を入力すると、登録用キーワードテーブルに記録されたキーワード音声の中から対応するキーワード音声が検索され、検索されたキーワード音声に対応するタイムコードがVTR記録再生部に出力され、該タイムコードに応じた位置からビデオテープの再生が行われる(特許文献2参照)。
【0009】
ハ) テープ番号の付いた第1のビデオテープに記録した映像素材の検索用として、第2のビデオテープに複数の前記映像素材の任意の映像部分の数フレームを映像インデックス画像として記録する。第2の検索用ビデオテープを用いて、第1のビデオテープ内容の検索を行う(特許文献3参照)。
【0010】
【特許文献1】特開平8−315546号公報
【0011】
【特許文献2】特開平6−203539号公報
【0012】
【特許文献3】特開平7−50088号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
これらのビデオテープ内容の検索技術をDVCテープに応用したとしても、次のような問題がある。
【0014】
前記イ)の技術では、DVCテープの録画画像のうちの一部の画像をインデックス画像としてDVCテープの一部に記録して、該当インデックス画像を実際に再生して確認しなければ内容が検索できないので、内容検索の効率性に欠けるという問題がある。前記ロ)の技術では、音声キーワードの入力により検索可能であるが、録画内容を知らなければ、キーワードとされている言葉自体がわからないので、該当キーワードを見出すことが容易でなく、検索の効率性が劣るという問題がある。また、前記ハ)の技術は、検索用のビデオテープを再生してビデオテープライブラリより希望のビデオテープを再生するものであるので、この方法では、録画画像の内容を検索することは困難である。
【0015】
このように従来のいずれの技術を適用しても、画像内容検索のためには実際の画像を再生して確認することが必要であり、即ち、画像を再生せずにDVCテープ内容を検索することは不可能である。
【0016】
そこで、本発明の目的は、DVCテープを再生しなくてもDVCテープ録画内容を検索すること、即ち、該DVCテープの中にどのような映像が記録、保存されているかという画像情報を検索することが可能であり、さらに、検索された箇所を容易に再生することができるシステムや方法を提供すること、録画検索することが可能なDVCテープを提供すること、及び、そのために有効なDVCテープ用ポリエステルフィルムを提供することである。なお、DVCテープ以外のビデオテープにも本発明は適用できる。
【0017】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明は以下の通りである。すなわち、
1.タイムコードを付して録画されたビデオテープの録画内容の検索用に、録画内容に対応する文字データを当該ビデオテープのタイムコードと関連づけて入力したコンピュータテキストファイルが記憶されていて、かつ該コンピュータテキストファイルの文字データ検索により選択されたタイムコードから該タイムコードの録画部分が再生されるように検索機器と録画再生機器とが関連付けて接続されていることを特徴とするビデオテープ録画内容の検索、再生システム、
2.タイムコードを付して録画されたビデオテープの未録画部分に、録画内容に対応する文字データを当該ビデオテープのタイムコードと関連づけて入力したコンピュータテキストファイルが追加記録されていることを特徴とする録画検索可能なビデオテープ、
3.デジタル記録方式であることを特徴とする上記2に記載の録画検索可能なビデオテープ、
4.ポリエステルフィルムとポリエステルフィルムの片側表面Aに形成された強磁性金属薄膜の磁性層とからなる磁気記録方式のビデオテープであることを特徴とする上記2又は3に記載の録画検索可能なビデオテープ、
5.上記2記載のビデオテープに記録されたコンピュータテキストファイルにより録画検索をした後に、選択された録画部分を再生させることを特徴とするテープ録画内容を検索、再生する方法、
6.上記4に記載のビデオテープ用のポリエステルフィルムであって、フィルムの片側表面Aの表面粗さRaが1〜4nmであり、高さ120〜240nmのフィルム内異物起因突起個数が1〜40個/100cm2、高さ240nmを超えるフィルム内異物起因突起個数が1〜15個/500cm2であることを特徴とするビデオテープ用ポリエステルフィルム、
7.ポリエステルがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートであることを特徴とする上記6に記載のビデオテープ用ポリエステルフィルム、
とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明のビデオテープ録画内容の検索、再生システムとは、録画の際にビデオテープにタイムコードが付されて録画されたビデオテープの録画内容検索用に、録画内容に対応する文字データを当該ビデオテープのタイムコードと関連づけて入力したコンピュータテキストファイルが記憶されていて、該コンピュータテキストファイルの文字データ検索により選択されたタイムコードから該タイムコードの録画部分が再生されるように検索機器と録画再生機器とが関連付けて接続されたシステムである。
【0019】
前記タイムコードは民生用のRC(Rewritable Consumer)タイムコードであり、映像信号の1フレーム毎につけられた番号で、録画スタート時に直前のタイムコードに連続するように記録される。直前にタイムコードがなければ、0時0分0秒フレーム0から記録を始める。タイムコードは「時:分:秒:0から29までのフレーム番号」の形でテープの絶対位置が記録される。タイムコードは画面表示だけでなくランク(LANC、Local Application Control bus system)端子、コントロール端子、リモ−ト端子からも入、出力される。RCタイムコードは8mmビデオのために開発され、DVカメラは規格で全機種で記録される。ランク端子からの入力によってタイムコード部のビデオテープ部分が頭だし再生ができる。
【0020】
本発明においてビデオテープに記録されるコンピュータテキストファイルは、録画内容の検索を可能とするためのものであり、即ち、このビデオテープにどんな映像、音声が入っているか、録画内容を再生しなくても録画内容を記述した文書の文字データにより内容が把握できるように入力、作成されたものである。脚本、あらすじのようなもの、録画内容を時系列にキーワード的に並べたもの、録画内容のハイライトを記述したもの等、形式はいかなるものでもよい。但し、文字データはタイムコードと関連付けて入力されたものでなければならない。すなわち、脚本、あらすじのようなものでは脚本、あらすじに対応する文字データにその時間に対応する場面のタイムコードが付されていること、録画内容が時系列にキーワード的に並べたものであれば、そのキーワードとともにその時間に対応する録画部のタイムコードがならんでいること、ハイライト集であるならば、その各ハイライト毎にそのハイライト時間部のタイムコードが関連づけられていることが必要である。該コンピュータテキストファイルは、パソコンのワードプロセッサー・プログラム、エディター・プログラムを用いてテキスト文書あるいはHTML文書として入力され、ビデオテープの録画内容検索時には、パソコンのメモリー上、及び/又はハードディスク上に存在するが、録画されたビデオテープにデジタル記録方式で追加記録されていることが好ましい。
【0021】
該テキストファイルはビデオテープからパソコン内のメモリー上やハードディスク上にファイル転送でき、該テキストファイルの文字データはパソコン内で動作しているワードプロセッサー・プログラム、エディター・プログラム、ブラウザー・プログラムの検索機能を用いて文字検索ができ、検索された文字データに対応するタイムコードが選択できるように作成されるのが好ましい。
【0022】
検索機器としてのパソコンと録画再生機器としてのVTRとはパソコンの指示でVTRが制御できるよう、すなわちタイムコードの入力によりビデオテープのタイムコード部の頭出しができるように接続されており、前記の選択されたタイムコードに関連付けられたビデオテープ部分が再生され、ビデオテープが検索、再生されることが可能となる。
【0023】
録画内容のコンピュータテキストファイルが、録画されたビデオテープ内にデジタル記録されていると、そのビデオテープ自体に文字情報化されたビデオテープ内容が記憶されていることになり、ビデオテープ録画内容文書や文字データの紛失を防止することができる。
【0024】
本発明の録画検索可能なビデオテープには、ビデオ録画が可能なことに加え、コンピュータテキストファイルが追加記録できるデジタル記録方式による磁気記録のビデオテープを用いることが好ましい。また、そのビデオテープのベースフィルムはポリエステルフィルムであることが好ましい。ポリエステルフィルムとポリエステルフィルムの片側表面Aに形成された強磁性金属薄膜の磁性層からなる磁気記録のビデオテープであることが好ましい。磁性層を強磁性金属薄膜とすることにより磁気ビデオテープはデジタル記録可能となり、コンピュータテキストファイル記録可能なデジタルデータテープとしても機能することが容易となり好ましい。
【0025】
強磁性金属薄膜としては公知のものを使用でき、特に限定されないが、鉄、コバルト、ニッケル、またはそれらの合金の強磁性体からなるものが好ましい。金属薄膜層の厚さは160〜250nm、より好ましくは180〜220nmが好ましい。160nmより薄いと磁気テープの曲げ剛性が不足しヘッドタッチが大幅に不良となり録画、再生が不能となり好ましくない。250nmより厚いと、強磁性金属薄膜層の磁気特性が不良となり、磁気テープの電磁変換特性が悪化し、ドロップアウトが非常に増加し好ましくない。
【0026】
本発明におけるビデオテープ用ポリエステルフィルムは、その片側表面AのRa値が、表面A上に真空蒸着により形成される強磁性金属薄膜膜の記録・再生時の磁気ヘッドによる磨耗を極力少なくし、および磁気テープの出力特性を良好に保つために、1〜4nm、好ましくは2〜3nmである。Ra値が1nm未満であると、表面A上に真空蒸着により形成される強磁性金属薄膜層が平滑すぎて、ビデオカメラ内での録画、再生時に磁気ヘッドにより磁気テープの強磁性金属薄膜が磨耗してしまい好ましくない。Ra値が4nmを超えると、該強磁性金属薄膜層が粗面すぎて、磁気テープの出力特性が低下し好ましくない。
【0027】
このポリエステルフィルムの片側表面Aの高さ120〜240nmのフィルム内異物起因突起個数は1〜40個/100cm2、より好ましくは1〜30個/100cm2である。高さ240nm以上のフィルム内異物起因突起個数は1〜15個/500cm2、より好ましくは1〜10個/500cm2である。高さ120〜240nmのフィルム内異物起因突起個数が40個/100cm2を超えると、ビデオテープのドロップアウトが増加し好ましくない。高さ120〜240nmのフィルム内の異物起因の表面突起個数を1個/100cm2 より少なくしても、ビデオテープのドロップアウト個数の低減効果は顕著でなくなり、フィルム内の異物の徹底的軽減のために費用がかかりすぎかえって好ましいものではない。高さ240nmを超えるフィルム内異物起因突起個数が15個/500cm2を超えると、ビデオテープへのテキストファイルの書き込み、読みとりエラーが発生しやすくなり好ましくない。高さ240nmを超えるフィルム内の異物起因の表面突起個数を1個/500cm2 より少なくしても、ビデオテープへのテキストファイルの書き込み、読みとりエラー個数の低減効果は顕著でなくなり、フィルム内の異物の徹底的軽減のために費用がかかりすぎかえって好ましいものではない。
【0028】
この検索可能ビデオテープ用のポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、分子配向により高強度フィルムとなるポリエステルであればよいが、なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。即ち、その構成成分の80%以上がエチレンテレフタレート又はエチレンナフタレートであるポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。エチレンテレフタレート、エチレンナフタレート以外のポリエステル共重合体成分としては、例えばジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、p−キシリレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官能ジカルボン酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸などが挙げられる。
【0029】
さらに、上記のポリエステルは、他にポリエステルと非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩誘導体、該ポリエステルに実質的に不溶なポリアルキレングリコールなどの少なくとも一つを5重量%を越えない程度に混合してもよい。
【0030】
本発明のビデオテープは、本発明のポリエステルフィルムの片側被膜面上に強磁性金属薄膜層を設けることにより製造されるが、さらに、表面B上に、固体微粒子および結合剤からなり必要に応じて各種添加剤を加えた溶液を塗布することにより形成されるバックコート層を設けることが好ましく、固体微粒子、結合剤、添加剤としては公知のものを使用でき、特に限定されない。
【0031】
次に、本発明によりビデオテープ録画内容を検索、再生するシステムや方法の一例を説明する。
【0032】
タイムコードが付されて録画されたビデオテープの内容を、パソコンのエディター・プログラムを用いてHTML文書により録画内容を時系列でキーワードを主体に文書化する。該当キーワードには対応するビデオテープ録画フレーム部分のタイムコードを付加する。すなわちHTML文書内の再生をスタートさせたい位置にそのビデオテープの対応するタイムコードを関連づけておく。HTMLファイルをブラウザーで閲覧し、見たい部分のキーワードをクリックするとその部分のタイムコードを示すテーブルにリンクできるようにしておく。そしてこのパソコンで作成したHTMLファイルを録画画像が記録されているビデオテープにパソコンを使用してデジタル記録する。
【0033】
ビデオテープの録画内容の検索は、該HTMLファイルを、記録されたビデオテープよりパソコンを用いて読み取り、パソコンのブラウザーで表示させ、希望のキーワードをクリックするか、任意のキーワードで検索し、その検索キーワードのタイムコードを選択し、そのタイムコードを該ビデオテープ搭載カメラ、VTRに入力することにより文書上で検索された部分のビデオ画面、音声が再生でき、ビデオテープの検索が可能になる。
【0034】
次に、本発明のビデオテープ用ポリエステルフィルム及びそれを用いての磁気記録ビデオテープの製法の一例を説明する。
【0035】
本発明のポリエステルフィルムは、そのA面側原料として含有粒子を可能な限り除いたポリエステル原料チップを用い、乾燥、溶融、成形、二軸延伸、熱固定からなる通常のプラスチックフィルム製造工程で製造されるが、その延伸工程では90〜140℃で、縦、横方向に、2.7〜5.5倍、3.5〜7.0倍に延伸され、190〜220℃の温度で熱固定される。そして、下記の操作を行うことにより製造することができる。
【0036】
(1)一方向に延伸後の平滑なポリエステルフィルムのA面側に、粒径が5〜60nmの微細粒子を有機化合物に含有させた被膜層をポリエステル表面に形成させる。微細粒子の粒径は5〜60nm程度である。その粒子種としては、ポリアクリル酸、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアクリル酸エステル、ポリメチルメタクリレート、ポリエポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル−スチレン共重合体、アクリル系共重合体、各種変成アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、各種変成スチレン−ブタジエン共重合体等の有機化合物粒子、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等の無機粒子を核として、有機高分子で被覆した粒子等が使用できるが、これらに限定されない。有機化合物としては末端基がエポキシ、アミン、カルボン酸、水酸基等で変成された自己架橋性のものが好ましい。なお微細粒子としてはシリカ、アルミナ等の無機粒子でもかまわないが、有機粒子の方が発現する表面突起の径に比べて突起高さが低くなりがちでありより好ましい。被膜層に使用される有機化合物としてはポリビニルアルコール、トラガントゴム、カゼイン、ゼラチン、セルロース誘導体、水溶性ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、アクリル−ポリエステル樹脂、イソフタル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂等の有極性高分子これらのブレンド体が使用できるが、これらに限定されない。これら記載の微細粒子を0.5〜12.0重量%、好ましくは0.6〜10.0重量%含む有機化合物からなる塗液を塗布して表面A側に被覆層を形成させ、表面A側に微細表面突起を形成する。被覆層に使用される有機化合物としてはポリビニルアルコール、トラガントゴム、カゼイン、ゼラチン、セルロース誘導体、水溶性ポリエステル、ポリウレタン、イソフタル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂等の有極性高分子、これらのブレンド体が使用できるが、これらに限定されない。
【0037】
片側表面AのRa値は表面A上に形成させた被覆層内の微粒子、成分、被覆層処方の調整により調節することができる。
【0038】
(2)高さ120〜240nmのフィルム内異物起因突起個数を1〜40個/100cm2、高さ240nmを越えるフィルム内異物起因突起個数を1〜15個/500cm2とするには以下の方法で行う。
【0039】
溶融押出しの際に層A側溶融体を1.0μmカット(95%カット径)程度の性能を有する高精度フィルター内を通過させること、およびポリエステルフィルムを製造するためにポリエステルチップ原料を用いるがポリエステルチップ原料をサイロ等の原料保管庫に移動させる際に、またサイロ等に保管されたチップ原料をポリエステルフィルム製造用のポリエステルチップ乾燥機に移送させる際に、長径が2.5μm程度以上の大気中の塵埃をポリエステルチップに付着させないようにすることによってフィルム内の異物起因の高さ120〜240nmのフィルム内異物起因突起個数を1〜40個/100cm2、高さ240nmを超えるフィルム内異物起因突起個数を1〜15個/500cm2とすることができる。完全にポリエステルチップ原料を、環境空気の清浄度クラス(米国連邦規格・Fed’Std−209D)1000以下の環境で移動、移送させ、0.8μmカット(95%カット径)程度の性能を有する高精度フィルター内を通過させることできれば、高さ120〜240nmのフィルム内異物起因突起個数を1個/100cm2未満、高さ240nmを超えるフィルム内異物起因突起個数を1個/500cm2未満とすることができるが、その高精度フィルターの濾過寿命が短くなり、環境空気の清浄度を上げるための設備、維持管理費用が高価になりすぎ好ましくない。
【0040】
なお、共押出し技術の使用により、前記A層用の原料と積極的により大きな微粒子を含有させたB層用の原料とを用いてA/B積層フィルムを溶融押出しし製膜してもよいし、B層を用いなく、前記表面A側と反対の表面B側に滑剤を含む塗液を塗布しB面側に易滑処理をしてもよい。B層を用い、更に滑剤を含む塗液を塗布しB面側の易滑処理をしてもよい。
【0041】
二軸延伸は、例えば逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法で行うことができるが、所望するならば熱固定前にさらに縦あるいは横方向あるいは縦と横方向に再度延伸させ機械的強度を高めた、いわゆる強力化タイプとすることもできる。
【0042】
本発明の磁気記録ビデオテープは、本発明のポリエステルフィルムの表面Aの被膜上に、真空蒸着により形成される強磁性金属薄膜層を設け、そしてテープ状にしたものであり、使用する金属薄膜としては公知のものを使用でき、特に限定されないが、鉄、コバルト、ニッケル、またはそれらの合金の強磁性体からなるものが好ましい。金属薄膜層の厚さは160〜250nmが好ましい。160nmを下回ると磁気テープからの再生出力信号が弱すぎ、記録信号が読みとれない。250nmを上回ると金属薄膜層の磁気特性が悪化し、再生出力信号が弱すぎ、記録の読み取りが不可能となる。
【0043】
即ち、本発明の磁気記録ビデオテープは、本発明のポリエステルフィルムの片側表面Aの被膜上に、Co等からなる強磁性金属薄膜を、真空蒸着により膜厚み160〜250nm程度で形成し、この金属薄膜上に10nm程度の厚みのダイヤモンド状カーボン膜をコーティングし、さらにその上に、潤滑剤を塗布し、他方、片側表面Bに固体微粒子および結合剤からなり必要に応じて各種添加剤を加えた溶液を塗布することによりバックコート層を設け、そして、所定のテープ幅に切断することにより、製造することができる。
【0044】
【実施例】
本実施例で用いた測定法を下記に示す。
(1)Ra値
磁気記録媒体用フィルムの表面A又は表面Bの表面粗さRa値は、原子間力顕微鏡(走査型プローブ顕微鏡)を用いて測定した。セイコーインスツルメント社製の卓上小型プローブ顕微鏡(Nanopics 1000)を用い、ダンピングモードでフィルムの表面を4μm角の範囲で原子間力顕微鏡計測走査を行い、得られる表面のプロファイル曲線よりJIS・B0601・Raに相当する算術平均粗さよりRaを求めた。面内方向の拡大倍率は1万〜5万倍、高さ方向の拡大倍率は100万倍程度とした。
(2)高さ120〜240nm、高さ240nmを超えるフィルム内異物突起個数
光学顕微鏡(観測倍率:100倍)を用いてフィルムA側表面を観察し、フィルム内異物により突起状に見える表面突起を観測してマーキングする。マーキングされたそれら表面突起の高さを、キーエンス社製のレーザー顕微鏡(表面形状測定顕微鏡 VF−7500)を用いて120〜240nmであるか、又は、240nmを超えるかを判定する。表面突起がフィルム内の異物起因か否か判定が困難な場合はこれらマーキングした突起を走査型電子顕微鏡−X線微小解析(SEM−XMA解析)し、その表面突起がフィルム内の異物起因かどうかを、異物がフィルム内に存在するか否かにより判断した。このようにして確認されたフィルム内異物突起個数を分子とし、観測した面積を分母として、フィルム内異物突起個数を求めた。高さ120〜240nmの場合は、面積100cm2あたりのフィルム内異物突起個数でもって、また、高さ240nmを超えるの場合は、面積500cm2あたりのフィルム内異物突起個数でもって表した。
【0045】
磁気テープから測定する場合は、磁気記録した後に、磁性コロイドを磁気テープ表面に塗布し光学顕微鏡(観測倍率:100倍)により塗布表面観察することにより行う。塗布表面上の磁気記録が抜けた箇所をマーキングし、マーキングされたそれら欠陥の高さをキーエンス社製のレーザー顕微鏡(表面形状測定顕微鏡VF−7500)を用いて前記同様に測定し、観測した面積より、100cm2あたりの、又は、500cm2あたりのフィルム内異物突起個数を求める。
【0046】
(3)録画済みDVCテープの、読み取り性、検索・再生性
DVCカメラで撮影された録画済みDVCテープを、松下電器(株)製のDV搭載パソコンFX−CR01(パソコン2)に組み込んで、テープからテキストファイルが読みとれるか否かを調べた。
次いで、読み取ったテキストファィルからキーワード検索によって録画内容の検索ができるか否かを調べ、さらに、その検索された録画部分の再生の指示に連動して、それに対応するテープ部分の録画が再生されるか否かを調べた。
それら読み取り時、又は、検索・再生時におけるエラー回数を測定し、100回あたりのエラー回数でもって、読み取り性、又は、検索・再生性を評価した。
【0047】
(4)録画済みDVCテープからの再生画像の画質
DVCカメラで撮影された録画済みDVCテープを市販のDVCレコーダーで再生させた時、再生画像中に、1分間に発生するブロック状のモザイク個数(ドロップアウト(DO)個数)を数え、画質の評価をした。
【0048】
次に実施例に基づき、本発明を説明する。
【0049】
[実施例1]
実質的に不活性粒子を含有しないポリエチレンテレフタレート原料Aと、同一のポリエチレンテレフタレートと平均粒径200nmのケイ酸アルミニウムを0.25重量%含有させた原料Bとを厚み比5:1の割合で共押出し、冷却ドラムに密着させシート化し、ロール延伸法で110℃で3.3倍に縦延伸した。
【0050】
溶融押出しの前に、層A側の溶融体(原料A)は1.0μmカット(95%カット径)の性能を有する高精度フィルター内を通過させた。
【0051】
共押し出しにあたり原料Aと原料Bとは押し出し時の加水分解を防ぐために真空乾燥処理を行うが、原料Aの製膜室外の保管サイロから真空乾燥機への移送は、エアーブロアーによる空気輸送方式を用い、そのエアーには、エアー取り込み口に1μm粒子を90%程度除去できる中性能フィルターを通して取込んだ空気を使用した。
【0052】
縦延伸の後の工程で、片側表面Aの外側に下記組成の水溶液を固形分塗布量が20mg/m2 となるように塗布した。
【0053】
A面外側への塗布水溶液(全体としてのpH=4.5):
メチルセルロース 0.12 重量%
水溶性ポリエステル(=テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.35 重量%
アミノ変性シリコーン 0.01 重量%
平均粒径 12nmの極微細シリカ 0.01重量%
その後、ステンターにて横方向に105℃で4.4倍に延伸し、210℃で熱処理し中間スプールに巻き、スリッターで小幅にスリットし、円筒コアーにロール状に巻取り、厚さ6.3μmのロール状ポリエステルフィルムを作製した。得られたポリエステルフィルムの特性を表1に示す。なおポリエステルフィルムのB面のRa値は15nmであった。
【0054】
このポリエステルフィルムの表面Aの被膜上に真空蒸着によりコバルト−酸素薄膜を160nmの膜厚で形成した。次にコバルト−酸素薄膜層上に、スパッタリング法によりダイヤモンド状カーボン膜を10nmの厚さで形成させ、フッ素含有脂肪酸エステル系潤滑剤を3nmの厚さで塗布した。続いて表面B上に、カーボンブラック、ポリウレタン、シリコーンからなるバックコート層を500nmの厚さで設け、スリッターにより幅6.35mmにスリットしリールに巻き取り磁気テープ(DVCテープ1、録画時間60分)を作製した。
【0055】
得られたDVCテープ1を市販のDVCカメラに搭載し、京都市観光に出かけ、京都駅、清水寺、平安神宮、京都大学キャンパス、吉田山、銀閣寺、金閣寺、本能寺、四条川原町、東寺と訪れ、50分の市内風景の撮影を行った。撮影した録画内容をDVCテープから再生し、タイムコード情報も確認しながら、パソコンのエディタープログラム(メモ帳)を用いて、タイムコード情報と一緒にホームページ(HTML文書)化した。すなわち、京都観光に行った年月日を記し、訪問場所としてキーワード的に京都駅の風景、清水寺の風景、平安神宮の風景、京都大学キャンパスの風景、吉田山の風景、銀閣寺の風景、金閣寺の風景、本能寺の風景、四条川原町、東寺の5重の塔というように文字データを入力し、文書化し、ブラウザーで読めるようにHTML文書とし、各文字データをクリックするとその風景が録画されているタイムコードを示すテーブルが表示されるようにした。なおパソコンは松下電器(株)製のDV搭載パソコンFX−CR01を用いた。HTML文書作成終了後、この文書ファイルをDVCテープの51分目の位置にデジタル記録した(DVCテープ2)。
【0056】
このDVCテープ2を別の松下電器製のDV搭載パソコンFX−CR01(パソコン2)に組み込み、録画時間51分目の位置にあるテキストファイルを読みとらせ、NetScape Navigatorブラウザーソフトウェアを用いて閲覧した。DVCテープ2内には京都駅、清水寺、平安神宮、京都大学キャンパス、吉田山、銀閣寺、金閣寺、本能寺、四条川原町、東寺の5重の塔が動画として録画されていることが録画像を再生することなく判った。そのうちの任意のキーワードをクリックするとそのキーワードの録画部分に対応するタイムコードが表示された。このタイムコードをクリックすると、選択されたタイムコードがDVデッキに転送されDVデッキ内でDVCテープが早送りされ、そのタイムコード部分より頭出しされるソフトウェアにより、検索された録画内容が再生された。
【0057】
このように、パソコン2でのテキストファイルの読みとりを100回行い、任意の検索、再生を100回行うことによって評価したが、いずれにおいてもエラーは起きず、任意のキーワード部分の検索ができ、再生画像のドロップアウト(DO)は無かった。検索状況、再生画質の特性を表1に示す。
【0058】
[実施例2]
実施例1のフィルム製造において、ポリエステルフィルムの厚さを5.3μmに変更してポリエステルフィルムを製造し、このフィルムを用いて厚さ6.0μmの磁気テープを製造し、70分録画可能なDVCカセットテープ(DVCテープ3)を作製した。
【0059】
3人が、各自の持ち時間が20分、全体の時間が60分の技術報告会を行っている時の状況を、市販のDVCカメラを用いてDVCテープ3に録画した。DVCテープ3を再生し、録画内容を実施例1と同様にしてHTML文書化し、この文書をDVCテープ3の61分目の位置に記録した(DVCテープ4)。具体的には、報告会年月日、日時、場所、3人の報告者の氏名、報告順に報告者名、報告題名、おおまかな目次、得られた知見、結論を、キーワード的に文字データとして入力し、文書化し、実施例1と同様にそのキーワードに対応したタイムコードを付したHTML文書ファイルを作成した。
【0060】
DVCテープ4に関して、実施例1のDVCテープ2と同様にして録画時間61分目の位置にある記録文書を読みとらせた。その他実施例1と同様にして読みとり100回、検索再生100回行ったが、いずれにおいてもエラーは起きず、任意のキーワード部分の検索ができ、再生画像のドロップアウト(DO)は無かった。
【0061】
[実施例3]
実施例1のフィルム製造において、ポリエチレンテレフタレートをポリエチレン−2,6−ナフタレートに変更し、原料B内のケイ酸アルミニウムの含有量を1.1重量%と変更し、縦延伸温度、倍率を135℃で5.0倍と変更し、固形分塗布量を50mg/m2と変更し、横延伸温度、倍率を135℃、6.5倍と変更し、200℃の熱処理に変更し、その他は実施例1と同様にして、厚さ4.8μmのポリエステルフィルムを作製した。得られたポリエステルフィルムの特性を表1に示す。なおポリエステルフィルムのB面のRa値は20nmであった。
【0062】
得られたポリエステルフィルムから、実施例1と同様にして録画時間80分の磁気テープ(DVCテープ5)を作製した。
【0063】
次いで、市販のDVCカメラを用いて、市内を散歩して、70分の市内の風景を録画した。この録画内容にキーワード的文字データを追加したHTML文書を、実施例1と同様にして作成し、文書ファイルをDVCテープの71分目の位置にデジタル記録した(DVCテープ6)。
【0064】
DVCテープ6を実施例1のDVCテープ2と同様にして録画時間71分目の位置にあるテキスト文書を読みとらせた。その他実施例1と同様にして読みとり100回、検索再生100回行ったが、いずれにおいてもエラーは起きず、任意のキーワード部分の検索ができ、再生画像のドロップアウト(DO)は無かった。
【0065】
[比較例1]
実施例1において製造し、撮影したDVCテープに、録画内容テキスト文書を追加記録しなかった。そのため、録画されたDVCテープにはどのような内容が録画されているかを再生せずに知ることができず、DVCテープの録画内容の検索は不可能であった。
【0066】
[比較例2]
実施例1において製造し、撮影したDVCテープの録画内容に、キーワード的文字データを入力し、文書化する際、タイムコード情報を一緒に文書化することはしなかった。従って、得られたDVCテープに記録されたコンピュータテキストファイルは、録画ビデオテープのタイムコードと共通のタイムコードを持たないものであった。このためパソコン2により録画内容文書を読みとることができ、キーワード検索まではできるものの、その録画内容に対応するタイムコードが判らず、DVCテープの録画内容を検索かつ再生することは不可能であった。
【0067】
[比較例3]
実施例1のフィルム製造において、固形分塗布量を10mg/m2と変更した。その他は実施例1と同様にして、厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを作製し、磁気テープ(DVCテープ、録画時間60分)を作製した。得られたポリエステルフィルムの特性を表1に示す。なおポリエステルフィルムのB面のRa値は15nmであった。
【0068】
得られたDVCテープに、実施例3と同様にして市内風景の撮影を行った後、キーワードとタイムコードとを関連づけて入力したHTML文書を作成し、記録させた。得られたDVCテープの録画内容の検索性、再生画像の画質を、実施例1と同様に調べた。検索状況、再生画質の特性を表1に示す。
【0069】
[比較例4]
実施例1のフィルム製造において、固形分塗布量を95mg/m2と変更した。その他は実施例1と同様にして、厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを作製し、磁気テープ(DVCテープ、録画時間60分)を作製した。得られたポリエステルフィルムの特性を表1に示す。なおポリエステルフィルムのB面のRa値は15nmであった。
【0070】
得られたDVCテープに、実施例3と同様にして市内風景の撮影を行った後、キーワードとタイムコードとを関連づけて入力したHTML文書を作成し、記録させた。得られたDVCテープの録画内容の検索性、再生画像の画質を、実施例1と同様に調べた。検索状況、再生画質の特性を表1に示す。
【0071】
[比較例5]
実施例1のフィルム製造において、溶融押出しの前に層A側の溶融体(原料A)を通過させるフィルターを、2.0μmカット(95%カット径)の性能を有するフィルター内に変更した。その他は実施例1と同様にして、厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを作製し、磁気テープ(DVCテープ、録画時間60分)を作製した。得られたポリエステルフィルムの特性を表1に示す。なおポリエステルフィルムのB面のRa値は15nmであった。
【0072】
得られたDVCテープに、実施例3と同様にして市内風景の撮影を行った後、キーワードとタイムコードとを関連づけて入力したHTML文書を作成し、記録させた。得られたDVCテープの録画内容の検索性、再生画像の画質を、実施例1と同様に調べた。検索状況、再生画質の特性を表1に示す。
【0073】
[比較例6]
実施例1のフィルム製造において、原料Aを保管サイロから真空乾燥機へと移送する空気輸送方式で使用する空気の取込み口に設けた中性能フィルターを、50μm程度の粗い塵埃を20%程度捕集するラフフィルターに変更した。その他は実施例1と同様にして、厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを作製し、磁気テープ(DVCテープ、録画時間60分)を作製した。得られたポリエステルフィルムの特性を表1に示す。なおポリエステルフィルムのB面のRa値は15nmであった。
【0074】
得られたDVCテープに、実施例3と同様にして市内風景の撮影を行った後、キーワードとタイムコードとを関連づけて入力したHTML文書を作成し、記録させた。得られたDVCテープの録画内容の検索性、再生画像の画質を、実施例1と同様に調べた。検索状況、再生画質の特性を表1に示す。
【0075】
【表1】
表1の特性から明らかな様に、本発明によると、DVCテープの録画内容を容易に検索し、再生することができる。さらに、再生された画像は、DOの少ない良好な画質のものであった。
【0076】
【発明の効果】
本発明によると、ビデオテープの録画内容をテキスト文書より検索可能であるので、DVCテープを再生しなくてもDVCテープ録画内容を容易に検索することができる。さらに、検索された箇所を容易に再生することができ、また、良好な画質で再生することができる。
Claims (7)
- タイムコードを付して録画されたビデオテープの録画内容の検索用に、録画内容に対応する文字データを当該ビデオテープのタイムコードと関連づけて入力したコンピュータテキストファイルが記憶されていて、かつ該コンピュータテキストファイルの文字データ検索により選択されたタイムコードから該タイムコードの録画部分が再生されるように検索機器と録画再生機器とが関連付けて接続されていることを特徴とするビデオテープ録画内容の検索・再生システム。
- タイムコードを付して録画されたビデオテープの未録画部分に、録画内容に対応する文字データを当該ビデオテープのタイムコードと関連づけて入力したコンピュータテキストファイルが追加記録されていることを特徴とする録画検索可能なビデオテープ。
- デジタル記録方式であることを特徴とする請求項2に記載の録画検索可能なビデオテープ。
- ポリエステルフィルムとポリエステルフィルムの片側表面Aに形成された強磁性金属薄膜の磁性層とからなる磁気記録方式のビデオテープであることを特徴とする請求項2又は3に記載の録画検索可能なビデオテープ。
- 請求項2記載のビデオテープに記録されたコンピュータテキストファイルにより録画内容を検索した後に、選択された録画部分を再生させることを特徴とするビデオテープ録画内容を検索・再生する方法。
- 請求項4に記載のビデオテープ用のポリエステルフィルムであって、フィルムの片側表面Aの表面粗さRaが1〜4nmであり、高さ120〜240nmのフィルム内異物起因突起個数が1〜40個/100cm2、高さ240nmを超えるフィルム内異物起因突起個数が1〜15個/500cm2であることを特徴とするビデオテープ用ポリエステルフィルム。
- ポリエステルがポリエチレンテレフタレート又はポリエチレン−2,6−ナフタレートであることを特徴とする請求項6に記載のビデオテープ用ポリエステルフィルム。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7822316B2 (en) | 2005-08-19 | 2010-10-26 | Funai Electric Co., Ltd. | Digital video recorder to be connected to DV camcorder via IEEE 1394 serial bus |
-
2002
- 2002-08-30 JP JP2002254200A patent/JP2004095050A/ja active Pending
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