JP2002269725A - 磁気記録媒体用支持体 - Google Patents

磁気記録媒体用支持体

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JP2002269725A
JP2002269725A JP2001061904A JP2001061904A JP2002269725A JP 2002269725 A JP2002269725 A JP 2002269725A JP 2001061904 A JP2001061904 A JP 2001061904A JP 2001061904 A JP2001061904 A JP 2001061904A JP 2002269725 A JP2002269725 A JP 2002269725A
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tape
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Masaaki Ono
雅章 小野
Katsuya Okamoto
克哉 岡本
Kazuo Nakamura
一生 中村
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DO個数が少なく、走行耐久性に優れ、湿度
環境が変化してもDO個数が増加しない磁気記録媒体、
特にDVC−LPテープを製造するために好適な磁気記
録媒体用支持体を提供する。 【解決手段】 ポリエステルフイルムの片側の表面B上
に、金属、半金属及び合金並びにこれらの酸化物及び複
合物から選ばれた材料からなる強化膜が形成されてなる
磁気記録媒体用支持体であって、他方の表面AのRa値
が1〜5nmであり、支持体の厚さが2〜6μmであ
り、その長手方向、幅方向のヤング率がそれぞれ550
0MPa以上、7500MPa以上であり、かつ、湿度
膨張係数が長手方向、幅方向共に−10×10-6〜10
×10-6/%RHである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体、特
にDVCシステムのVTR等のヘリカルスキャン方式で
画像データ等の大量のデータがデジタル記録される磁気
記録媒体に好適な磁気記録媒体用支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】1995年に実用化された民生用デジタ
ルビデオテープは、厚さ6〜7μmのポリエステルベー
スフィルム上にCoの金属磁性薄膜を真空蒸着により設
け、その表面にダイヤモンド状カーボン膜をコーティン
グしてなり、DVミニカセットテープを使用したカメラ
一体型ビデオの場合には基本仕様(SD仕様)で1時間
の録画時間をもつ。
【0003】このデジタルビデオカセット(DVC)
は、家庭用で世界で初のデジタルビデオカセットであ
り、 a.小型ボディながら、膨大な情報が記録できる、 b.信号が劣化しないから、何年たっても画質・音質が
劣化しない、 c.雑音の妨害を受けないから高画質・高音質が楽しめ
る、 d.ダビングを繰り返しても映像が劣化しない、 等のメリットを持ち、市場の評価は高い。
【0004】また1998年にはSD仕様で1時間20
分の録画時間をもつDVミニカセットテープ(DVC−
LPテープ)が実用化され、そのベースフィルムには厚
さ4〜5μmのポリエチレン−2,6−ナフタレートフ
ィルム、あるいは芳香族ポリアミドフィルムが用いられ
ていて、このテープも長時間の録画時間を持ち、市場の
評価は高い。
【0005】これらベースフィルムには、粒径10〜3
00nmの微細粒子を含有し、該微細粒子により高さ5
〜90nmの微細表面突起が形成されたポリエステルフ
ィルムと、該フィルムの少なくとも片面に密着された厚
さ50nm以下の有極性高分子を主体とする不連続被膜
とからなり、該微細表面突起の高さが該不連続被膜の高
さよりも高いポリエステルフィルム(例えば特公平6−
51401号公報)、ヤング率が長手方向で600kg
/mm2以上で、幅方向のヤング率が長手方向のヤング
率以上である厚み7μm以下のポリエチレン−2、6−
ナフタレートフィルム(例えば特開平5−185507
号公報)、デジタルデータストレージ(DDS−2,
3,4)テープ用の芳香族ポリアミドフィルム(例えば
特開平10−162349、特開平10−114038
号公報等)が使用されている。
【0006】これらDVCテープは非常に好評のため、
生産量を増大させる要求がますます大きくなってきてい
て、DVCテープの生産性を上げるためにベースフィル
ムロールの巻き長さを長尺化して長さ15000m以上
(従来10000m以下)とし、真空蒸着工程、1バッ
チあたりの生産量を上げることが検討されている。
【0007】厚さ6〜7μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルムでは、長さ15000m以上のベースフィ
ルムロールを安定に大量に製造することが現在可能であ
るが、厚さ4〜5μmと薄いポリエチレン−2、6−ナ
フタレートフィルムは製造時にフィルムが破断し易い故
に困難である。また芳香族ポリアミドフィルムは150
00m以上の製品に限らず、現在市販されている量が従
来のポリエステルフィルムと比べて格段に少なく、DV
C−LPテープの量的拡大には制約が大きい。
【0008】これら量的拡大の制約を解決するものとし
て、特開平11−48434号公報において、粒子を有
するフィラー面と、粒子と有機化合物を含有する被膜を
有するマット面を持ち、厚さ2〜5.5μmの、長手方
向のヤング率が6000MPa以下、幅方向のヤング率
が8000MPa以上のポリエステル系フィルムを用
い、このフィルムの両面に、金属、半金属及び合金並び
にこれらの酸化物及び複合物から選ばれた金属材料から
なる強化膜を形成し、これを磁気記録媒体用支持体とす
ること、さらに、この支持体のマット面側に強磁性金属
薄膜を形成することにより磁気記録媒体とすることを提
案している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
11−48434号公報に開示されているDVC−LP
テープでは、走行耐久性および高温、高湿度環境下での
記録再生性能にばらつきが生じ易く、工業的製品として
は必ずしも満足でないことが明らかになってきた。すな
わち、録画済みのDVC−LPテープを繰り返し走行さ
せるとテープが長手方向に伸びて支持体上の磁性層の剥
離が部分的に起こりドロップアウトの発生が多くなる場
合や、また、録画済みのDVC−LPテープを、録画時
の温度、湿度環境とはかなり異なる温度、湿度環境下で
再生するとドロップアウトの発生が多くなる場合がある
ことが判ってきた。
【0010】そこで本発明の目的は、支持体として、生
産性の良いポリエステルフィルムを用いた磁気記録媒体
であって、繰り返し走行させた後でも走行耐久性が良好
でドロップアウト(DO)の発生が少なく、また、録画
時とはかなり異なる温度、湿度環境下で再生した場合で
もDOの発生が少なく、DVC−LPテープ等のヘリカ
ルスキャン方式によるデジタル記録用に好適な磁気記録
媒体を製造することができる磁気記録媒体用支持体を提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる問題を解決するた
めの本発明は以下のとおりである。 1.ポリエステルフイルムの片側の表面B上に、金属、
半金属及び合金並びにこれらの酸化物及び複合物から選
ばれた材料からなる強化膜が形成されてなる磁気記録媒
体用支持体であって、他方の表面AのRa値が1〜5n
mであり、支持体の厚さが2〜6μmであり、その長手
方向、幅方向のヤング率がそれぞれ5500MPa以
上、7500MPa以上であり、湿度膨張係数が長手方
向、幅方向共に−10×10-6〜10×10-6/%RH
である磁気記録媒体用支持体。 2.ポリエステルがポリエチレンテレフタレートまたは
ポリエチレン−2、6−ナフタレートである上記1記載
の磁気記録媒体用支持体。 3.デジタル記録方式の磁気記録媒体用に用いられる上
記1又は2記載の磁気記録媒体用支持体、 4.温度膨張係数が、長手方向、幅方向共に−10×1
-6〜10×10-6/℃である1〜3のいずれかに記載
の磁気記録媒体用支持体。 5.上記1〜4のいずれかに記載の支持体の表面A上に
強磁性金属薄膜層が設けられてなる磁気記録媒体。 6.ポリエステルフイルムの片側の表面B上に、金属、
半金属及び合金並びにこれらの酸化物及び複合物から選
ばれた材料からなる強化膜が形成され、他方の表面A上
に強磁性金属薄膜層が設けられてなる磁気記録テープで
あって、その湿度膨張係数が長手方向、幅方向共に−1
0×10-6〜10×10-6/%RHである磁気記録テー
プ。 7.温度膨張係数が、長手方向、幅方向共に−10×1
-6〜10×10-6/℃である上記6に記載の磁気記録
テープ。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルは分
子配向により高強度フィルムとなり得るポリエステルで
あればよいが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートが好ましい。即ち、その構
成成分の80%以上がエチレンテレフタレート、エチレ
ンナフタレートであるポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレートである。エチレンテ
レフタレート、エチレンナフタレート以外のポリエステ
ル共重合体成分としては、例えばジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、
ポリエチレングリコール、p−キシリレングリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール成
分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボ
ン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官
能ジカルボン酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸など
が挙げられる。
【0013】さらに、上記のポリエステルには、他に、
ポリエステルと非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩
誘導体、ポリエステルに実質的に不溶なポリアルキレン
グリコールなどの少なくとも一つを5重量%を越えない
程度に混合してもよい。
【0014】本発明の支持体の片側の表面AのRa値
は、表面A上に真空蒸着により形成される強磁性金属薄
膜が記録・再生時にビデオヘッドにより磨耗することを
極力少なくし、DVCテープの出力特性を良好に保つた
めに、1〜5nm、好ましくは2〜4nmである。この
Ra値が1nm未満であると、表面A上に真空蒸着によ
り形成される強磁性金属薄膜層が平滑すぎて、デジタル
ビデオテープレコーダーで記録、再生する時にビデオヘ
ッドによりビデオテープの強磁性金属薄膜が磨耗してし
まう。SRa値が5nmを超えると、該強磁性金属薄膜
層が粗面すぎて、DVCテープの出力特性が低下する。
【0015】表面AのRa値を上記の水準とするために
は、フィルム表面上に、平均粒径が5〜30nm好まし
くは8〜30nmの微細粒子を、0.5〜12.0重量
%好ましくは0.6〜10.0重量%含む有機化合物か
らなる被覆層を形成し、この被覆層の面を、表面Aとす
ることが望ましい。微細粒子としてはシリカ、炭酸カル
シウム、アルミナ、ポリアクリル酸球、ポリスチレン
球、有機化合物としてはポリビニルアルコール、トラガ
ントゴム、カゼイン、ゼラチン、セルロース誘導体、水
溶性ポリエステル、ポリウレタン等の有極性高分子これ
らのブレンド体が使用できるが、これらに限定されな
い。
【0016】フィルムの片側表面Bには、金属、半金属
及び合金並びにこれらの酸化物及び複合物から選ばれた
材料からなる強化膜が形成されている。この強化膜の材
料としては、具体的には、Al、Cu、Zn、Sn、N
i、Ag、Co、Fe、Mnなどの金属、Si、Ge、
As、Sc、Sbなどの半金属があげられ、また、これ
らの金属及び半金属の合金、それら複合物として、Fe
−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Fe−Co−Ni、
Fe−Cu、Co−Cu、Co−Au、Co−Y、Co
−La、Co−Pr、Co−Gd、Co−Sm、Co−
Pt、Ni−Cu、Mn−Bi、Mn−Sb、Mn−A
l、Fe−Cr、Co−Cr、Ni−Cr、Fe−Co
−Cr、Ni−Co−Cr、Fe−Si−O、Si−
C、Si−N、Cu−Al−O、Si−N−O、Si−
C−Oなどが挙げられ、さらにまた、酸化物としては酸
化アルミニウム、アルミナ、酸化ケイ素、二酸化ケイ素
等が挙げられる。これら材料の一種以上が、支持体の湿
度膨張係数が長手方向、幅方向共に−10×10-6〜1
0×10-6/%RHとなるような材料組合せで用いられ
る。
【0017】本発明の磁気記録媒体用支持体は、ポリエ
ステルフィルムと、このフィルムの片側の表面Bに形成
された強化膜と、さらに必要に応じてその反対側の表面
Aに形成された被覆層とからなり、この支持体の厚さは
2.0〜6.0μm、好ましくは2.0〜5.5μm、
より好ましくは3.0〜5.0μmである。厚さが6.
0μmを越えると本発明の支持体より作成されるDVミ
ニカセットテープの録画時間が80分を下回り好ましく
ない。厚さが2.0μmを下回るとあまりにも支持体剛
性が低下しすぎ、DVCテープとビデオテープレコーダ
ー内の磁気ヘッドとの接触が弱くなりDVCテープの電
磁変換特性、特に出力が低下する。
【0018】支持体の長手方向、幅方向のヤング率は、
それぞれ5500MPa以上、7500MPa以上であ
り、好ましくは、それぞれ6000〜20000MP
a、8000〜24000MPaである。長手方向のヤ
ング率が5500MPaを下回るとDVCテープを繰り
返し再生すると伸びてしまい再生時のDOが増加してし
まう。幅方向のヤング率が7500MPaを下回るとD
VCテープの繰り返し再生によりDVCテープのエッジ
が磁気ヘッドにより変形して、わかめ状になり、再生時
のDOが増加してしまう。支持体の長手方向、幅方向の
ヤング率をそれぞれ20000MPa、24000MP
aを超えるほどに高くするには、使用するポリエステル
フィルムのヤング率を長手方向11000MPa以上、
幅方向15000MPa以上のように極めて高くしなけ
ればならず、その為にはポリエステルフィルムの延伸倍
率を非常に大きくしなければならず、ポリエステルフィ
ルムの製膜時の破れが増加して工業的生産は実際上、極
めて難しくなるので好ましくない。
【0019】支持体の湿度膨張係数は、長手方向、幅方
向共に−10×10-6〜10×10 -6/%RHであり、
好ましくは−6×10-6〜6×10-6/%RHである。
長手方向、幅方向の湿度膨張係数の絶対値が10×10
-6/%RHを超えると、この支持体から製造される磁気
記録テープの湿度膨張係数が長手方向、幅方向共に絶対
値が10×10-6/%RHを超えてしまうので、録画時
と再生時との環境の湿度差が20%RH以上のように湿
度環境がかなり異なる場合、再生時と記録時のDVCテ
ープの寸法が異なり、再生時のヘッド軌跡が記録時のヘ
ッド軌跡と異なってしまい、再生信号強度が小さくな
り、DOが増大する。すなわち、録画時と再生時との湿
度環境がかなり異なる場合でも優れた記録再生性能を発
揮できる磁気記録テープとするためには、磁気記録テー
プの湿度膨張係数を長手方向、幅方向共に−10×10
-6〜10×10-6/%RH、好ましくは−6×10-6
6×10-6/%RHとすることが有効であり、そのため
に支持体の湿度膨張係数を長手方向、幅方向共に−10
×10-6〜10×10-6/%RH、好ましくは−6×1
-6〜6×10-6/%RHとするのである。
【0020】また、支持体の温度膨張係数は、長手方
向、幅方向共に−10×10-6〜10×10-6/℃であ
ることが好ましく、−6×10-6〜6×10-6/℃がさ
らに好ましくい。この範囲内の温度膨張係数の支持体で
あれば、この支持体から製造される磁気記録テープの温
度膨張係数を長手方向、幅方向共に−10×10-6〜1
0×10-6/℃とすることができ、この磁気記録テープ
を用いると録画時と再生時の環境の温度さが20℃以上
のように温度環境がかなり異なっても、再生時と記録時
とでDVCテープの寸法差は小さく抑えられ、DOの増
大をさらに抑制することができる。
【0021】フィルムの表面Bに、特定材質からなる強
化膜が形成されていることにより、支持体のヤング率が
向上し、さらに温度膨張係数、湿度膨張係数の絶対値が
低下する。支持体の長手方向、幅方向のヤング率をそれ
ぞれ5500MPa以上、7500MPa以上とし、湿
度膨張係数を長手方向、幅方向ともに−10×10-6
10×10-6/%RHとすることができれば、さらに好
ましくは温度膨張係数を−10×10-6〜10×10-6
/℃とすることができれば、強化膜の厚さは特に限定は
なく、強化膜材料の材質によって決めればよい。一般的
には、20〜500nmの厚さが好ましく、50〜30
0nmの範囲がより有効である。20nmを下回ると強
化の目的を達成しがたく、500nmを越えると強化膜
がポリエステルフィルムより剥離しがちとなるので好ま
しくない。
【0022】強化膜を形成していない厚さ2〜6μmの
ポリエステルフィルムの支持体から作成されたDVCテ
ープは、繰返し再生することによって伸びてしまい再生
時のDOが増加するし、さらにDVCテープのエッジも
磁気ヘッドにより変形して、わかめ状になり、再生時の
DOが増加する。また、強化膜を形成していない厚さ2
〜6μmのポリエステルフィルムの支持体から作成され
たDVCテープは、例えばポリエチレンテレフタレート
フィルム製DVCテープの湿度膨張係数が5×10-5
%RHであるように、湿度や温度による膨張係数、特に
湿度膨張係数の絶対値が、DVCテープの要求水準を満
足できないものであるので、湿度管理や温度管理をして
いない環境下では環境の湿度、温度の変化によって磁気
テープの寸法が変化してしまい、再生の際にDVCテー
プの寸法変化により、記録時と再生時のテープ上の磁気
記録トラックの位置がずれ、DOが増大する。
【0023】強化膜はポリエステルフィルムの表面B上
に設けられる。
【0024】本発明の磁気記録媒体用支持体を用いて磁
気記録媒体を作成するには、支持体の表面A(表面Aが
被覆層から成る場合はその被覆層の表面)上に真空蒸着
により強磁性金属薄膜層を形成するが、使用する金属は
公知のものを使用でき、特に限定されないが、鉄、コバ
ルト、ニッケル、またはそれらの合金の強磁性体からな
るものが好ましい。金属薄膜層の厚さは一般に100〜
300nmである。
【0025】本発明の磁気記録媒体は、支持体の強化膜
表面をそのままDVCテープの走行面側表面としてもよ
い。また、DVCビデオテープレコーダー内の各種ガイ
ド、ピンとの走行において走行性、耐久性を確保するた
めに更に、強化膜表面上に、固体微粒子および結合剤か
らなり、必要に応じて各種添加剤を加えた溶液を塗布す
ることにより形成されるバックコート層を設けてもよ
い。バックコート層の厚さは0.5〜1.5μm程度で
ある。微粒子としてはカーボンブラック、アルミナ等
が、潤滑剤としてはシリコーン、フッ素化合物等が、結
合材としてはポリウレタン、エポキシ樹脂等が用いられ
るが、これらに限定されない。
【0026】次に本発明の製法を例示する。
【0027】本発明の支持体に用いるポリエステルフィ
ルムは、A面側原料として含有粒子を可能な限り除いた
ポリエステルを用い、溶融、成形、二軸延伸、熱固定か
らなる通常のプラスチックフィルム製造工程によって、
縦、横方向に90〜140℃でそれぞれ2.7〜5.5
倍、3.5〜7.0倍延伸し、190〜220℃の温度
で熱固定を行うという条件で、下記操作を行うことによ
り製造することができる。
【0028】表面AのRa値を調整するために、一方向
に延伸後の平滑なポリエステルフィルムのA面側に、平
均粒径が5〜30nm好ましくは8〜25nmの微細粒
子を0.5〜12.0重量%好ましくは0.6〜10.
0重量%含む有機化合物からなる塗液を塗布して、表面
A側に被覆層を形成させ、表面Aに微細表面突起を形成
する。被覆層は連続皮膜形状、不連続皮膜形状のいずれ
であってもかまわない。被膜構成成分にその滑り性、耐
久性向上のためにシリコーン、シランカップリング剤、
チタンカップリング剤を少量添加してもよい。
【0029】DVCテープの磁性層の耐久性を更に増す
ことが望まれる時は、表面Aを形成するポリエステル層
内に平均粒径が30〜90nm、好ましくは40〜80
nmの微細粒子を1.0重量%以下、好ましくは0.8
重量%以下、含ませることにより、表面A上に表面突起
をもたせるのが好ましい。微細粒子としてはシリカ、炭
酸カルシウム、アルミナ、ポリアクリル酸球、ポリスチ
レン球等が使用できるが、これらに限定されない。
【0030】表面AのRa値は前記被覆層内、ポリエス
テル層内の微細粒子の種類、平均粒径、添加量を調整す
ることにより調節することができる。
【0031】なお、前記したA面側原料(A層用)と積
極的により大きな微粒子を含有させた原料(B層用)を
用い、共押出し技術によってA/B積層フィルムを溶融
押出しし製膜してもよい。また、前記したA面側原料か
らなる単層フィルムの表面A側とは反対側の表面(B面
側)に、滑剤を含む塗液を塗布しB面側を易滑処理した
面としてもよい。B層内に含有させる微細粒子の種類、
粒径、含有量の調整によりB面側のRa値を2〜50n
mに調整するのが好ましい。滑剤を含む塗液中に微細粒
子を含有させ、その微細粒子の種類、粒径、含有量を調
整することによっても調整可能である。細細粒子として
はシリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、ポリアクリル酸
球、ポリスチレン球等が使用できるが、これらに限定さ
れない。
【0032】ポリエステルフィルムの片側表面B上に
は、Al、Cu、Zn、Sn、Ni、Ag、Co、F
e、Mnなどの金属、Si、Ge、As、Sc、Sbな
どの半金属、これらの金属及び半金属の合金、それらの
複合物であるFe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、F
e−Co−Ni、Fe−Cu、Co−Cu、Co−A
u、Co−Y、Co−La、Co−Pr、Co−Gd、
Co−Sm、Co−Pt、Ni−Cu、Mn−Bi、M
n−Sb、Mn−Al、Fe−Cr、Co−Cr、Ni
−Cr、Fe−Co−Cr、Ni−Co−Cr、Fe−
Si−O、Si−C、Si−N、Cu−Al−O、Si
−N−O、Si−C−O等、また、これらの金属、半金
属および合金の酸化物(例えば、酸化アルミニウム、ア
ルミナ、酸化ケイ素、二酸化ケイ素等)などを用いて、
強化膜が形成されるが、この際、支持体の湿度膨張係数
が長手方向、幅方向共に−10×10-6〜10×10-6
/%RHとなるように、強化膜成形材料を適宜選定す
る。強化膜の形成法は特に限定しないが真空蒸着法が一
般的である。
【0033】支持体の長手方向、幅方向のヤング率をそ
れぞれ5500MPa以上、7500MPa以上とする
ためには、前記のポリエステルフィルムを製造する際の
延伸倍率を調整し、さらに、強化膜形成材料のヤング率
を50000MPa以上とし、この強化膜形成材料のヤ
ング率水準に応じて強化膜厚さを調整すればよい。例え
ば、強化膜形成材料のヤング率が低い時は膜厚さを厚く
し、ヤング率が高い時は膜厚さを薄くするとよい。
【0034】支持体の長手方向、幅方向の湿度膨張係数
を−10×10-6〜10×10-6/%RHとするために
は、前記のポリエステルフィルムを製造する際の延伸倍
率と延伸温度、熱処理温度を調整し、長手方向、幅方向
のポリエステルフィルム分子鎖の配向を上げ、湿度上昇
に伴い、分子鎖が収縮する傾向をもたせることが好まし
く、さらに、前記強化膜を設けフィルム内に水分が浸入
しにくくすることが効果的である。湿度膨張係数は強化
膜の材料、膜厚、膜質の条件によっても大きく影響を受
けるので、これら条件を調整する。一般的にはポリエス
テルフィルム自体のヤング率を4500MPa以上と
し、強化膜材料としてその温度膨張係数が小さい材料、
防湿性の材料を選び、膜厚を50nm以上に調整すれば
よい。
【0035】支持体の長手方向、幅方向の温度膨張係数
を−10×10-6〜10×10-6/℃とするためには、
前記のポリエステルフィルムを製造する際の延伸倍率と
延伸温度、熱処理温度を調整し、長手方向、幅方向のポ
リエステルフィルム分子鎖の配向を上げ、温度上昇に伴
い、分子鎖が収縮する傾向をもたせ、更にその上に前記
強化膜を設け、その強化膜材料、膜厚、膜質を調整すれ
ばよい。この場合にも一般的にはポリエステルフィルム
自体のヤング率を4500MPa以上とし、100℃、
30分の熱収縮率を0.6%以上とし、強化膜厚を50
nm以上に調整すればよい。また強化膜の材料には温度
膨張係数が小さいものを選ぶことが好ましい。
【0036】本発明の磁気記録媒体の強磁性金属薄膜層
に使用される強磁性金属は公知のものを使用でき、特に
限定されないが、鉄、コバルト、ニッケル、またはそれ
らの合金の強磁性体からなるものが好ましい。
【0037】本発明の磁気記録媒体の磁性層は、前記支
持体の片側表面Aに、Co等の強磁性金属の薄膜層を真
空蒸着により膜厚み100〜300nmで形成し、この
金属薄膜層上に10nm程度の厚みのダイヤモンド状カ
ーボン膜をコーティングにより形成し、更にその上を潤
滑剤処理することにより作成することができる。本発明
の磁気記録媒体では、支持体表面Bをそのまま磁気テー
プの走行面側の面としてもよいし、更に表面B上に固体
微粒子および結合剤からなり、必要に応じて各種添加剤
を加えた溶液を塗布することによりバックコート層を形
成してもよい。固体微粒子、結合剤、添加剤はカーボン
ブラック、ポリウレタン樹脂、シリコーン等、公知のも
のを使用でき、特に限定されない。バックコート層の厚
さは0.3〜1.5μm程度である。
【0038】本発明の磁気記録媒体用支持体は、DVC
−LPテープ作成用の支持体として使用すると優れた結
果を得ることができ好適である。またAITシステム等
のデータストレージ用途の支持体として使用しても優れ
た結果を得ることができる。
【0039】
【実施例】本実施例で用いた測定法を下記に示す。
【0040】(1)Ra値 磁気記録媒体用支持体の表面Aの表面粗さRa値は、原
子間力顕微鏡(走査型プローブ顕微鏡)を用いて測定し
た。セイコーインスツルメント社製の走査型プローブ顕
微鏡(SPI3800シリーズ)を用い、ダイナミック
フォースモードでフィルムの表面を30μm角の範囲で
原子間力顕微鏡計測走査を行い、得られる表面のプロフ
ァイル曲線よりJIS・B0601・Raに相当する算
術平均粗さより求めた。面内方向の拡大倍率は1万〜5
万倍、高さ方向の拡大倍率は100万倍程度とした。
【0041】(2)ヤング率 磁気記録媒体用支持体の長手方向(MD)、幅方向(T
D)のヤング率は、引張試験測定により得られる応力−
ひずみ曲線におけるスタート点の立ち上がり勾配からA
STM・D−882−67に準じて測定し、単位はMP
aで表す。このときのサンプル幅、実効長さは10m
m、100mmとし、引張速度は100mm/minと
した。
【0042】(3)支持体の温度膨張係数、湿度膨張係
数 磁気記録媒体用支持体の温度膨張係数(α)、湿度膨張
係数(β)はTMA(Thermo-Mechanical-Analyzer、熱
機械分析装置)を用いて、支持体を試料台にセットし、
雰囲気(温度、湿度)を変えた時の寸法変化を記録す
る。温度膨張係数(α)は、次の式より求める。 α=[L(T2)−L(T1)]/[L0・(T2−T
1)] ここで、L0は、測定対象の支持体の原長、L(T
1)、L(T2)は、温度T1、T2(℃)の時の支持
体長さである。
【0043】また、湿度膨張係数(β)を測定する時
は、支持体が吸湿平衡に達するまで時間を要するので、
湿度H1(%RH)での平衡伸びL1、湿度H2(%R
H)での平衡伸びL2を測定し、次の式から求める。 β=[L2−L1]/[L0・(H2−H1)] なお、除湿方向で測定すると、脱湿が十分行えず、時間
を要し、βの値も小さくなるので増湿方向で測定を行
う。
【0044】(4)磁気テープ(DVCテープ)の特性
評価 市販のカメラ一体型デジタルビデオテープレコーダーの
LPモードを用いて静かな室内で録画し、1分間の再生
をして画面にあらわれたブロック状のモザイク個数(ド
ロップアウト(DO)個数)を数えることによって、D
VCテープ特性を評価した。
【0045】DO個数は常温常湿(25℃、40%R
H)でテープ製造後の初期特性を最初に調べた。次に常
温常湿(25℃、40%RH)でテープの走行を100
回くり返した後のDO個数を常温常湿で測定しDVCテ
ープの走行耐久性を評価した。
【0046】また、常温低湿(25℃、20%RH)で
録画したテープを、温度、湿度条件を高温高湿(35
℃、80%RH)に変えた環境下で再生した時のDO個
数を測定し、DVCテープの環境変化に対する録画、再
生の安定性を評価した。
【0047】次に実施例に基づき、本発明を説明する。
【0048】[実施例1]実質的に不活性粒子を含有し
ないポリエチレンテレフタレート原料Aと、実質的に不
活性粒子を含有しないポリエチレンテレフタレートに平
均粒径190nmのケイ酸アルミニウムを0.50重量
%含有させた原料Bとを厚み比5:1の割合で、口金を
通して、共押出しし冷却ドラムに密着させシート化し、
ロール延伸法で108℃で3.6倍に縦延伸した。
【0049】縦延伸の後の工程で、A層の外側に下記組
成の水溶液を固形分濃度22mg/m2で塗布した。 A層外側: メチルセルロース 0.11重量% 水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフ タル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.28重量% アミノエチルシランカップリング剤 0.01重量% 平均粒径 11nmの極微細シリカ 0.03重量% その後、ステンターにて横方向に108℃で4.2倍に
延伸し、190℃で熱処理し、厚さ4.4μmのポリエ
ステルフィルムを得た。このフィルムをスリッターを用
いて幅600mmにスリットし、巻取り長さ20000
mのフィルムロールとした。
【0050】得られたフィルムロールから供給されるフ
ィルムを用い、その表面B上にアルミニウムの真空蒸着
を、酸素を、Al:酸素元素モル比=2:3で導入しな
がら行ない、蒸着膜厚150nmの酸化アルミニウム強
化膜を形成し、厚さ4.55μmの支持体を作成した。
この支持体の特性は表1、2に示す。
【0051】次に、この支持体の表面A上に真空蒸着に
より厚さ180nmのコバルト−酸素薄膜を形成した。
次にコバルト−酸素薄膜層上に、CVD法によりダイヤ
モンド状カーボン膜を10nmの厚みで形成させた。こ
の後、150℃のホットローラーに表面B側を接触させ
て走行させ、カール戻しを行った。続いてフッ素含有脂
肪酸エステル系潤滑剤を3nmの厚さで塗布し、最後に
カーボンブラック、ポリウレタン、シリコーンからなる
バックコート層(厚さ400nm)を、メチルエチルケ
トン溶液を用いた溶液塗布によりフィルム表面B上に設
け、スリッターにより幅6.35mm幅にスリットし、
リールに巻き取り磁気記録テープ(DVC−LPテー
プ、LPモードでの録画時間120分)を作成した。得
られたDVC−LPテープの特性を表2に示す。
【0052】[実施例2]実施例1の支持体製造におい
て、アルミニウム、酸素の真空蒸着のかわりに、銅の真
空蒸着を行い、銅強化膜を100nmの膜厚で形成し、
厚さ4.5μmの支持体を作成した。支持体の特性を表
1、2に示す。得られた支持体を用いて、その他は実施
例1と同様にしてDVC−LPテープ(LPモードでの
録画時間120分)を作成した。得られたDVC−LP
テープの特性を表2に示す。
【0053】[実施例3]実施例1のポリエステルフィ
ルム製造において、ポリエチレンテレフタレートをポリ
エチレン−2,6−ナフタレートに変更し、原料B内の
ケイ酸アルミニウムの含有量を1.1重量%とし、縦延
伸温度、倍率を132℃で6.1倍とし、横延伸温度、
倍率を130℃、8.0倍とし、190℃での熱処理と
変更し、その他は同様にして、厚さ3.2μm、長さ1
4000mのポリエステルフィルムロールを得た。次
に、そのフィルムの表面B上にシリカの真空蒸着を施し
蒸着膜厚100nmのシリカ強化膜を形成し、厚さ3.
3μmの支持体を作成した。支持体の特性を表1、2に
示す。得られた支持体を用いて、その他は実施例1と同
様にしてDVC−LPテープ(LPモードでの録画時間
180分)を作成した。得られたDVC−LPテープの
特性を表2に示す。
【0054】[実施例4]実施例1のポリエステルフィ
ルム製造において、縦方向の延伸温度を112℃に変更
した。その他は実施例1と同様にして厚さ4.4μmの
ポリエステルフィルム、厚さ4.55μmの支持体を
得、DVC−LPテープ(LPモードでの録画時間12
0分)を作成した。得られた支持体、DVC−LPテー
プの特性を表1、2に示す。
【0055】[実施例5]実施例1のポリエステルフィ
ルム製造において、横方向の延伸温度を115℃に変更
した。その他は実施例1と同様にして厚さ4.4μmの
ポリエステルフィルム、厚さ4.55μmの支持体を
得、DVC−LPテープ(LPモードでの録画時間12
0分)を作成した。得られた支持体、DVC−LPテー
プの特性を表1、2に示す。
【0056】[比較例1]実施例1のポリエステルフィ
ルム製造において、水溶液塗布の固形分濃度を10mg
/m2に変更した。その他は実施例1と同様にして、厚
さ4.4μmのポリエステルフィルム、厚さ4.55μ
mの支持体を得、DVC−LPテープ(LPモードでの
録画時間120分)を作成した。得られた支持体、DV
C−LPテープの特性を表1、2に示す。
【0057】[比較例2]実施例1のポリエステルフィ
ルム製造において、塗布水溶液のメチルセルロース濃度
を0.15重量%に変更した。その他は実施例1と同様
にして、厚さ4.4μmのポリエステルフィルム、厚さ
4.55μmの支持体を得、DVC−LPテープ(LP
モードでの録画時間120分)を作成した。得られた支
持体、DVC−LPテープの特性を表1、2に示す。
【0058】[比較例3]実施例1において、ポリエス
テル表面Bへの酸化アルミニウム蒸着膜の膜厚みを70
nmに変更して支持体を得た。その他は実施例1と同様
にして、厚さ4.4μmのポリエステルフィルム、厚さ
4.47μmの支持体を得、DVC−LPテープ(LP
モードでの録画時間120分)を作成した。得られた支
持体、DVC−LPテープの特性を表1、2に示す。
【0059】[比較例4]実施例1のポリエステルフィ
ルム製造において横方向の延伸倍率を3.8倍に変更
し、さらに、ポリエステル表面Bへの酸化アルミニウム
蒸着膜の膜厚みを40nmに変更して支持体を得た。そ
の他は実施例1と同様にして、厚さ4.4μmのポリエ
ステルフィルム、厚さ4.44μmの支持体を得、DV
C−LPテープ(LPモードでの録画時間120分)を
作成した。得られた支持体、DVC−LPテープの特性
を表1、2に示す。
【0060】[比較例5]実施例1のポリエステルフィ
ルム製造において、縦方向の延伸倍率を4.0倍に変更
した。その他は実施例1と同様にして厚さ4.4μmの
ポリエステルフィルムを得た。実施例1の支持体製造に
おいて酸化アルミニウムの膜厚みを50nmとし、厚さ
4.45μmの支持体を得、DVC−LPテープ(LP
モードでの録画時間120分)を作成した。得られた支
持体、DVC−LPテープの特性を表1、2に示す。
【0061】[比較例6]実施例1のポリエステルフィ
ルム製造において、横方向の延伸倍率を4.3倍に変更
した。その他は実施例1と同様にして厚さ4.4μmの
ポリエステルフィルムを得た。実施例1の支持体製造に
おいて酸化アルミニウムの膜厚みを50nmとし、厚さ
4.45μmの支持体を得、DVC−LPテープ(LP
モードでの録画時間120分)を作成した。得られた支
持体、DVC−LPテープの特性を表1、2に示す。
【0062】[比較例7]強化膜を形成しなかったこと
以外は実施例1と同様にして厚さ4.4μmのポリエス
テルフィルムを製造し、これを支持体としてDVC−L
Pテープ(LPモードでの録画時間120分)を作成し
た。得られた支持体(フィルム)、DVC−LPテープ
の特性を表1、2に示す。
【0063】
【表1】 磁気記録媒体用支持体 A面 B面 厚さ ヤング率 温度膨張係数 Ra 強化膜の材料 (MPa) (×10-6/℃) nm μm MD TD MD TD 実施例1 2.4 酸化アルミニウム 4.55 8000 9500 3 2 〃 2 2.6 銅 4.5 9000 10000 4 3 〃 3 2.5 シリカ 3.3 12000 14000 2 2 〃 4 2.4 酸化アルミニウム 4.55 7500 9500 20 3 〃 5 2.4 酸化アルミニウム 4.55 8000 8900 26 比較例1 0.9 酸化アルミニウム 4.55 8000 9500 3 2 〃 2 5.2 酸化アルミニウム 4.55 8000 9500 3 2 〃 3 2.4 酸化アルミニウム 4.47 5300 8000 6 7 〃 4 2.4 酸化アルミニウム 4.44 5500 7000 6 7 〃 5 2.5 酸化アルミニウム 4.45 5800 7800 7 7 〃 6 2.4 酸化アルミニウム 4.45 5700 7900 7 7 〃 7 2.4 − 4.4 5300 6500 26 29
【0064】
【表2】 磁気記録媒体用支持体 テープ特性 湿度膨張係数 DO(個/分) (×10-6/%RH) 初期 繰返し 高温・高湿 MD TD 走行後 再生時 実施例1 3 2 0 0 0 〃 2 3 3 0 0 0 〃 3 1 1 0 0 0 〃 4 8 3 0 0 8 〃 5 10 比較例1 3 2 0 20 3 〃 2 3 2 25 25 25 〃 3 6 6 0 25 0 〃 4 6 6 0 20 0 〃 5 7 23 0 0 23 〃 6 30 7 0 0 20 〃 7 30 36 20 45 23
【0065】表1、2に示した特性から明らかな様に、
本発明の支持体の片側表面Aに強磁性金属薄膜層が設け
られた磁気テープは、DO個数が少なく、走行耐久性に
優れ、記録時と再生時の環境温湿度の変化があってもD
Oの増加がなく、長時間録画可能なDVC−LPテープ
であった。これに対し、本発明外の支持体から得られた
磁気テープは、初期特性、走行耐久性、環境湿度変化で
のDO増加性能のうちの少なくともどれかが劣ってい
た。
【0066】
【発明の効果】本発明による磁気記録媒体用支持体を用
いると、繰り返し走行させた後でも走行耐久性が良好で
ドロップアウト(DO)の発生が少なく、さらに、湿度
変化がある環境で録画、再生した場合でもDOの発生が
少ない、長時間録画可能なDVC−LPテープ等のヘリ
カルスキャン方式によるデジタル記録用に好適な磁気記
録媒体を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 67:02 C08L 67:02 Fターム(参考) 4F006 AA35 AB73 AB74 BA06 CA02 DA01 4F100 AA03 AA17B AA19 AA20 AA33B AB01B AB01C AB10 AB31B AK41A AK42A BA02 BA03 BA06 BA10B BA10C DE01 DH00B EH66 GB41 JA20 JG06C JK07 JL00 JM02B JM02C YY00 5D006 CB01 CB07 CC01 FA05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフイルムの片側の表面B上
    に、金属、半金属及び合金並びにこれらの酸化物及び複
    合物から選ばれた材料からなる強化膜が形成されてなる
    磁気記録媒体用支持体であって、他方の表面AのRa値
    が1〜5nmであり、支持体の厚さが2〜6μmであ
    り、その長手方向、幅方向のヤング率がそれぞれ550
    0MPa以上、7500MPa以上であり、湿度膨張係
    数が長手方向、幅方向共に−10×10-6〜10×10
    -6/%RHであることを特徴とする磁気記録媒体用支持
    体。
  2. 【請求項2】 ポリエステルがポリエチレンテレフタレ
    ートまたはポリエチレン−2、6−ナフタレートである
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体用支持
    体。
  3. 【請求項3】 デジタル記録方式の磁気記録媒体用に用
    いられることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気記
    録媒体用支持体。
  4. 【請求項4】 温度膨張係数が、長手方向、幅方向共に
    −10×10-6〜10×10-6/℃であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の磁気記録媒体用支
    持体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の支持体
    の表面A上に強磁性金属薄膜層が設けられてなることを
    特徴とする磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 ポリエステルフイルムの片側の表面B上
    に、金属、半金属及び合金並びにこれらの酸化物及び複
    合物から選ばれた材料からなる強化膜が形成され、他方
    の表面A上に強磁性金属薄膜層が設けられてなる磁気記
    録テープであって、その湿度膨張係数が長手方向、幅方
    向共に−10×10-6〜10×10-6/%RHであるこ
    とを特徴とする磁気記録テープ。
  7. 【請求項7】 温度膨張係数が、長手方向、幅方向共に
    −10×10-6〜10×10-6/℃であることを特徴と
    する請求項6に記載の磁気記録テープ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002319122A (ja) * 2001-04-24 2002-10-31 Toray Ind Inc 磁気記録媒体用支持体および磁気記録テープ
JP2011070714A (ja) * 2009-09-24 2011-04-07 Teijin Dupont Films Japan Ltd 磁気記録媒体用支持体および磁気記録媒体

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