JP2003242630A - 磁気記録媒体用支持体 - Google Patents
磁気記録媒体用支持体Info
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Abstract
機種で再生した場合でも、DO個数が少なく、走行耐久
性に優れた磁気記録媒体、特にDVC−LPテープ、を
製造するために好適な磁気記録媒体用支持体を提供す
る。 【解決手段】 ポリエステルフイルムの少なくとも片側
の表面に、金属、半金属及び合金並びにこれらの酸化物
及び複合物から選ばれた材料からなる強化膜が形成され
てなる磁気記録媒体用支持体であって、下記式で表され
る幅方向曲げモーメント指標値MTDが150GPa・μ
m3以上である。 【式1】 ここで、yは、支持体内の厚さ方向の位置を表す変数
で、厚さ方向の中央位置を零、前記強化膜が形成された
支持体表面位置をt/2(μm)、他方の支持体表面位
置を−t/2(μm)とするものであり、かつ、E
TDは、位置yにおける構成材の幅方向のヤング率(GP
a)である。
Description
にDVCシステムのVTR等のヘリカルスキャン方式で
画像データ等の大量のデータがデジタル記録される磁気
記録媒体に好適な磁気記録媒体用支持体に関する。
ルビデオテープは、厚さ6〜7μmのポリエステルベー
スフィルム上にCoの金属磁性薄膜を真空蒸着により設
け、その表面にダイヤモンド状カーボン膜をコーティン
グしてなり、DVミニカセットテープを使用したカメラ
一体型ビデオの場合には基本仕様(SD仕様)で1時間
の録画時間をもつ。
は、家庭用で世界で初のデジタルビデオカセットであ
り、 a.小型ボディながら、膨大な情報が記録できる、 b.信号が劣化しないから、何年たっても画質・音質が
劣化しない、 c.雑音の妨害を受けないから高画質・高音質が楽しめ
る、 d.ダビングを繰り返しても映像が劣化しない、 等のメリットを持ち、市場の評価は高い。
分の録画時間をもつDVミニカセットテープ(DVC−
LPテープ)が実用化され、そのベースフィルムには厚
さ4〜5μmのポリエチレン−2,6−ナフタレートフ
ィルム、あるいは芳香族ポリアミドフィルムが用いられ
ていて、このテープも長時間の録画時間を持ち、市場の
評価は高い。
00nmの微細粒子を含有し、該微細粒子により高さ5
〜90nmの微細表面突起が形成されたポリエステルフ
ィルムと、該フィルムの少なくとも片面に密着された厚
さ50nm以下の有極性高分子を主体とする不連続被膜
とからなり、該微細表面突起の高さが該不連続被膜の高
さよりも高いポリエステルフィルム(例えば特公平6−
51401号公報)、ヤング率が長手方向で600kg
/mm2以上で、幅方向のヤング率が長手方向のヤング
率以上である厚み7μm以下のポリエチレン−2、6−
ナフタレートフィルム(例えば特開平5−185507
号公報)、デジタルデータストレージ(DDS−2,
3,4)テープ用の芳香族ポリアミドフィルム(例えば
特開平10−162349、特開平10−114038
号公報等)が使用されている。
生産量を増大させる要求がますます大きくなってきてい
て、DVCテープの生産性を上げるためにベースフィル
ムロールの巻き長さを長尺化して長さ20000m以上
(従来15000m以下)とし、真空蒸着工程、1バッ
チあたりの生産量を上げることが検討されている。また
更なる長時間録画可能な、より薄いDVCテープも市場
から要請されている。
ートフィルムでは、長さ20000m以上のベースフィ
ルムロールを安定に大量に製造することが可能である
が、厚さ5μm以下のポリエチレン−2、6−ナフタレ
ートフィルムでは製造時にフィルムが破断し易い故に困
難である。また芳香族ポリアミドフィルムは20000
m以上の製品に限らず、現在市販されている量が従来の
ポリエステルフィルムと比べて格段に少なく、SD仕様
で録画時間1時間20分のDVC−LPテープの量的拡
大には制約が大きい。
間のDVC−LPテープを可能とするものとして、特開
平11−48434号公報において、粒子を有するフィ
ラー面と、粒子と有機化合物を含有する被膜を有するマ
ット面を持ち、厚さ2〜5.5μmの、長手方向のヤン
グ率が6000MPa以下、幅方向のヤング率が800
0MPa以上のポリエステル系フィルムを用い、このフ
ィルムの両面に、金属、半金属及び合金並びにこれらの
酸化物及び複合物から選ばれた金属材料からなる強化膜
を形成し、これを磁気記録媒体用支持体とすること、さ
らに、この支持体のマット面側に強磁性金属薄膜を形成
することにより磁気記録媒体とすることを提案してい
る。
4号公報に開示されている支持体より作成されたDVC
−LPテープや、ポリエチレン−2、6−ナフタレート
フィルムより作成されたDVC−LPテープは、SD仕
様(記録トラック10μm幅)で録画・再生する場合
は、撮影に使用したビデオカメラと違う他のビデオカメ
ラで再生しても満足に再生できる。しかしながら、走行
速度を2/3に落とし、記録トラック幅を6.7μmに
狭めたLPモード(1時間20分の録画時間が2時間と
なる)で録画・再生する場合は、撮影に使用したビデオ
カメラと違う他のビデオカメラ、あるいはビデオデッキ
で再生するとドロップアウト(DO)が増加し易いこと
が判ってきた。この問題は、トラック幅が狭くなったた
めにDVCテープからの再生信号の出力が減少し記録さ
れたデジタルデータの読みとり時のエラーレートが増大
し、DO個数が増大し易くなるものと考えられる。
エステルフィルムを用いた磁気記録媒体用支持体であっ
て、LPモードで2時間録画したテープを撮影時と異な
ったビデオカメラ、ビデオデッキで再生した場合でも再
生時のDOの発生が少ないDVC−LPテープを製造す
ることができ、また更なるLPモードでの録画再生時間
の長時間化を可能とするヘリカルスキャン方式によるデ
ジタル記録用に好適な磁気記録媒体を製造することがで
きる磁気記録媒体用支持体を、提供することである。
めの本発明は以下のとおりである。 1. ポリエステルフイルムの少なくとも片側の表面
に、金属、半金属及び合金並びにこれらの酸化物及び複
合物から選ばれた材料からなる強化膜が形成されてなる
支持体であって、下記式(I)で表される幅方向曲げモー
メント指標値MTDが150GPa・μm3以上であるこ
とを特徴とする磁気記録媒体用支持体。
で、厚さ方向の中央位置を零、前記強化膜が形成された
支持体表面位置をt/2(μm)、他方の支持体表面位
置を−t/2(μm)とするものであり、かつ、E
TDは、位置yにおける構成材の幅方向のヤング率(GP
a)である。 2. 強化膜の厚みがポリエステルフィルムの厚みの
2.0〜8.0%であることを特徴とする上記1に記載
の磁気記録媒体用支持体。
モーメント指標値MMDが120GPa・μm3以上であ
る上記1又は2に記載の磁気記録媒体用支持体。
で、厚さ方向の中央位置を零、前記強化膜が形成された
支持体表面位置をt/2(μm)、他方の支持体表面位
置を−t/2(μm)とするものであり、かつ、E
MDは、位置yにおける構成材の長手方向のヤング率(G
Pa)である。
側に形成されてなる支持体において、幅方向曲げモーメ
ント指標値MTDを下記式により求める上記1〜3のいず
れかに記載の磁気記録媒体。 MTD=EmetalTD×{dhalf3−(dhalf−dmetal)3}
+ EfilmTD×{(dhalf−dmetal)3−(−dhalf)
3} ここで、dhalf=(dmetal+dfilm)/2であり、ま
た、EfilmTD、dfilmは、それぞれ、ポリエステルフィ
ルムの幅方向ヤング率(GPa)、厚み(μm)であ
り、EmetalTD、dmetalは、それぞれ、強化膜の幅方向
ヤング率(GPa)、厚み(μm)である。 5. 強化膜がポリエステルフィルムの片側に形成され
てなる支持体において、長手方向曲げモーメント指標値
MMDを下記式により求める上記3又は4に記載の磁気記
録媒体。 MMD=EmetalMD×{dhalf3−(dhalf−dmetal)3}
+ EfilmMD×{(dhalf−dmetal)3−(−dhalf)
3} ここで、dhalf=(dmetal+dfilm)/2であり、ま
た、EfilmMD、dfilmは、それぞれ、ポリエステルフィ
ルムの長手方向ヤング率(GPa)、厚み(μm)であ
り、EmetalMD、dmetalは、それぞれ、強化膜の長手方
向ヤング率(GPa)、厚み(μm)である。 6. ポリエステルフィルムの厚みが2〜9μmである
上記1〜5のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体。 7. 支持体の長手方向の伸度が120%以上である上
記1〜6のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体。 8. ポリエステルがポリエチレンテレフタレートまた
はポリエチレン−2,6−ナフタレートである上記1〜
7のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体。 9. 支持体の片側の表面AのRa値が1〜5nmであ
る上記1〜8のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持
体。 10. デジタル記録方式の磁気記録媒体用に用いられ
る上記1〜9のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持
体。 11. 上記9に記載の支持体の片側表面A上に強磁性
金属薄膜層が設けられてなる磁気記録媒体。 12. デジタル記録方式である上記11に記載の磁気
記録媒体。
テルは、分子配向により高強度フィルムとなり得るポリ
エステルであればよいが、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。
即ち、その構成成分の80%以上がエチレンテレフタレ
ート、エチレンナフタレートであるポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートであ
る。エチレンテレフタレート、エチレンナフタレート以
外のポリエステル共重合体成分としては、例えばジエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチル
グリコール、ポリエチレングリコール、p−キシリレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど
のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、
イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸など
のジカルボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸
などの多官能ジカルボン酸成分、p−オキシエトキシ安
息香酸などが挙げられる。
ポリエステルと非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩
誘導体、ポリエステルに実質的に不溶なポリアルキレン
グリコールなどの少なくとも一つを5重量%を越えない
程度に混合してもよい。
属、半金属及び合金並びにこれらの酸化物及び複合物か
ら選ばれた材料からなる強化膜が形成されている。強化
膜の材料としては具体的にはAl、Cu、Zn、Sn、
Ni、Ag、Co、Fe、Mnなどの金属、Si、G
e、As、Sc、Sbなどの半金属があげられる。これ
らの金属及び半金属の合金、それら複合物としては、F
e−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Fe−Co−N
i、Fe−Cu、Co−Cu、Co−Au、Co−Y、
Co−La、Co−Pr、Co−Gd、Co−Sm、C
o−Pt、Ni−Cu、Mn−Bi、Mn−Sb、Mn
−Al、Fe−Cr、Co−Cr、Ni−Cr、Fe−
Co−Cr、Ni−Co−Cr、Fe−Si−O、Si
−C、Si−N、Cu−Al−O、Si−N−O、Si
−C−Oなどが挙げられる。酸化物としては酸化アルミ
ニウム、アルミナ、酸化ケイ素、二酸化ケイ素等が挙げ
られる。
体はポリエステルフィルムそのものとなり、このポリエ
ステルフィルムの支持体から形成されるDVCテープを
LPモードで使用すると、再生に使用するビデオカメ
ラ、ビデオセッキを変更すると再生時のDOが増える傾
向にあり、本発明の目的を達成できない。
ステルフイルムの少なくとも片側の表面に、金属、半金
属及び合金並びにこれらの酸化物及び複合物から選ばれ
た材料からなる強化膜が形成されてなる支持体であり、
この支持体の幅方向曲げモーメント指標値MTDは150
GPa・μm3以上、より好ましくは200GPa・μ
m3以上、更により好ましくは200GPa・μm3以
上、250GPa・μm 3以下である。なお、この幅方
向曲げモーメント指標値MTDは、支持体を構成する材料
の幅方向のヤング率ETDから下記式(I)により算出され
る値である。即ち、支持体の厚さ方向の位置をy(μ
m)とし、厚みをt(μm)とし、厚み方向の中心点を
零点とし、片側表面強化膜が形成された位置をt/2
(μm)とし、他方の片側表面の位置を−t/2(μ
m)とし、位置yの支持体を構成する材料の幅方向のヤ
ング率をETD(GPa)とした場合、MTDとは、yが−
t/2からt/2までについてETD・y2を積分し,3
を掛けた値(GPa・μm3)である。
が150GPa・μm3未満であると、この支持体より
形成されるDVCテープの曲げ剛性が小さくなり、DV
Cテープの磁性層表面とビデオカメラの磁気ヘッド表面
との間隔が大となり、録画の際の磁気記録強度が低下す
る上に、撮影と異なったビデオカメラ、デッキでLPモ
ードで再生する時にもDVCテープの磁性層表面がビデ
オカメラ、デッキの磁気ヘッド表面との間隔が大とな
り、再生の時の磁気記録強度が更に低下しDVCテープ
のDOが増加し易いので、本発明の目的を達成できな
い。
GPa・μm3を越える程に高すぎる場合には、この支
持体より形成されるDVCテープの曲げ剛性が大きくな
りすぎ、DVCテープの磁性層表面と磁気ヘッド表面と
が密着しすぎてDVCテープの磁性層表面、磁気ヘッド
の両方の表面が繰り返し走行で削れてしまいがちとな
り、好ましくない。
ステルフィルムの厚みの2.0〜8.0%が好ましく、
より好ましくは2.5〜5.0%が望ましい。強化膜の
厚みがポリエステルフィルムの厚みの2.0%未満であ
ると、LPモードで録画したDVCテープを他のビデオ
カメラ、ビデオデッキで再生する時にDOが増加しがち
となり好ましくない。強化膜の厚みがポリエステルフィ
ルムの厚みの8.0%より大であると、ポリエステルフ
ィルムの屈曲に応じて強化膜が屈曲することが難しくな
り、DVCテープの走行時に強化膜がポリエステルフィ
ルム表面より剥離しがちとなり好ましくない。
ト指標値MMDが120GPa・μm 3以上であることが
好ましく、より好ましくは150GPa・μm3以上、
210GPa・μm3以下が望ましい。長手方向曲げモ
ーメント指標値MMDが120GPa・μm3未満である
とこの支持体より作成されるDVCテープを繰り返し走
行させた場合、LPモードで録画したDVCテープを再
生するときDOが増加しがちとなる。長手方向曲げモー
メント指標値MMDが210GPa・μm3を越えるとこ
の支持体より作成されるDVCテープの曲げ剛性が大き
くなりすぎ、DVCテープの磁性層表面と磁気ヘッド表
面とが密着しすぎてDVCテープの磁性層表面、磁気ヘ
ッドの両方の表面が繰り返し走行で削れてしまいがちで
ある。
MMDは、支持体を構成する材料の長手方向のヤング率E
MDから下記式(II)により算出される値である。即ち、支
持体の厚さ方向の位置をy(μm)とし、厚みをt(μ
m)とし、厚み方向の中心点を零点とし、片側表面強化
膜が形成された位置をt/2(μm)とし、他方の片側
表面の位置を−t/2(μm)とし、位置yの支持体を
構成する材料の長手方向のヤング率をEMD(GPa)と
した場合、MMDとは、yが−t/2からt/2までにつ
いてEMD・y2を積分し,3を掛けた値(GPa・μ
m3)である。
ルムの厚みは2〜9μmが好ましく、より好ましくは3
〜9μm、さらに好ましくは3.5〜8.5μmであ
る。厚さが2.0μmを下回るとあまりにも支持体剛性
が低下しがちとなり、DVCテープとビデオテープレコ
ーダー内の磁気ヘッドとの接触が弱くなりDVCテープ
の電磁変換特性、特に出力が低下し、DOが増大し易
い。厚さが9μmを越えるとこの支持体より作成される
DVCテープの曲げ剛性が大きくなりすぎ、DVCテー
プの磁性層表面と磁気ヘッド表面とが密着しすぎてDV
Cテープの磁性層表面、磁気ヘッドの両方の表面が繰り
返し走行で削れてしまいがちとなる。またテープ1巻き
あたりのテープ長さが短くなり長時間録画が困難とな
る。
好ましく、より好ましくは140%以上である。長手方
向の伸度が120%未満であると、この支持体より作成
されるDVCテープが繰り返しの走行時にビデオカメラ
内で切れやすくなる。
ィルムに用いて磁気記録媒体を作成するには、支持体の
表面A(表面Aがポリエステル層の上に形成された被覆
層から成る場合はその被覆層の表面であり、また、その
被覆層の上にさらに強化膜が形成されている場合はその
強化膜の表面である。)上に真空蒸着により強磁性金属
薄膜層を形成するが、使用する金属は公知のものを使用
でき、特に限定されないが、鉄、コバルト、ニッケル、
またはそれらの合金の強磁性体からなるものが好まし
い。金属薄膜層の厚さは一般に100〜300nmであ
ればよい。
は、表面A上に真空蒸着により形成される強磁性金属薄
膜が記録・再生時にビデオヘッドにより磨耗することを
極力少なくし、DVCテープの出力特性を良好に保つた
めに、1〜5nmが好ましく、より好ましくは2〜4n
mである。このRa値が1nm未満であると、表面A上
に真空蒸着により形成される強磁性金属薄膜層が平滑す
ぎて、デジタルビデオテープレコーダーで記録、再生す
る時にビデオヘッドによりビデオテープの強磁性金属薄
膜が磨耗し易い。SRa値が5nmを超えると、該強磁
性金属薄膜層が粗面すぎて、DVCテープの出力特性が
低下し易い。
は、支持体を形成するフィルムの片側表面上に、平均粒
径が5〜30nm好ましくは8〜30nmの微細粒子
を、0.5〜12.0重量%好ましくは0.6〜10.
0重量%含む有機化合物からなる被覆層を形成し、この
被覆層の面を、表面Aとすることが望ましい。微細粒子
としてはシリカ、炭酸カルシウム、アルミナ等の無機化
合物からなる微細粒子、ポリアクリル酸球、ポリスチレ
ン球等の有機化合物からなる微細粒子、有機化合物とし
てはポリビニルアルコール、トラガントゴム、カゼイ
ン、ゼラチン、セルロース誘導体、水溶性ポリエステ
ル、ポリウレタン等の有極性高分子これらのブレンド体
が使用できるが、これらに限定されない。
くとも片側表面に設けられるが、この強化膜は、上記表
面A(強磁性金属薄膜層が形成される方の表面)とは反
対側の表面に設けられることが好ましい。即ち、ポリエ
ステルフィルム/強化膜/強磁性金属薄膜層の構造を持
つDVCテープよりも、強化膜/ポリエステルフィルム
/強磁性金属薄膜層の構造を持つDVCテープの方が、
DVCテープの出力特性が向上し、よりDOが少なくな
るので好ましい。
(上記表面Aとは反対側の表面)上に何らかの層を形成
せずにそのままでDVCテープの走行面側表面としても
よい。また、DVCビデオテープレコーダー内の各種ガ
イド、ピンとの走行時における走行性、耐久性を確保す
るために、表面B上に、固体微粒子および結合剤からな
り、必要に応じて各種添加剤を加えた溶液を塗布するこ
とにより形成されるバックコート層を設けてもよい。バ
ックコート層の厚さは0.5〜1.5μm程度であれば
よい。微粒子としてはカーボンブラック、アルミナ等
が、潤滑剤としてはシリコーン、フッ素化合物等が、結
合材としてはポリウレタン、エポキシ樹脂等が用いられ
るが、これらに限定されない。
を例示する。
ルムは、A面側原料として含有粒子を可能な限り除いた
ポリエステルを用い、溶融、成形、二軸延伸、熱固定か
らなる通常のプラスチックフィルム製造工程によって、
縦、横方向に90〜140℃でそれぞれ2.7〜5.5
倍、3.5〜7.0倍延伸し、190〜220℃の温度
で熱固定を行うという条件で、下記操作を行うことによ
り製造することができる。
に延伸後の平滑なポリエステルフィルムのA面側に、平
均粒径が5〜30nm好ましくは8〜25nmの微細粒
子を0.5〜12.0重量%好ましくは0.6〜10.
0重量%含む有機化合物からなる塗液を塗布して、表面
A側に被覆層を形成させ、表面Aに微細表面突起を形成
する。被覆層は連続皮膜形状、不連続皮膜形状のいずれ
であってもかまわない。被膜構成成分にその滑り性、耐
久性向上のためにシリコーン、シランカップリング剤、
チタンカップリング剤を少量添加してもよい。
ことが望まれる時は、表面Aを形成するポリエステル層
内に平均粒径が30〜90nm、好ましくは40〜80
nmの微細粒子を1.0重量%以下、好ましくは0.8
重量%以下、含ませることにより、表面A上に表面突起
をもたせるのが好ましい。微細粒子としてはシリカ、炭
酸カルシウム、アルミナ、ポリアクリル酸球、ポリスチ
レン球等が使用できるが、これらに限定されない。
テル層内の微細粒子の種類、平均粒径、添加量を調整す
ることにより調節することができる。
極的により大きな微粒子を含有させた原料(B層用)を
用い、共押出し技術によってA/B積層フィルムを溶融
押出しし製膜してもよい。また、前記したA面側原料か
らなる単層フィルムの表面A側とは反対側の表面(B面
側)に、滑剤を含む塗液を塗布しB面側を易滑処理した
面としてもよい。B層内に含有させる微細粒子の種類、
粒径、含有量の調整によりB面側のRa値を2〜50n
mに調整するのが好ましい。滑剤を含む塗液中に微細粒
子を含有させ、その微細粒子の種類、粒径、含有量を調
整することによっても調整可能である。細細粒子として
はシリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、ポリアクリル酸
球、ポリスチレン球等が使用できるが、これらに限定さ
れない。
面上に、Al、Cu、Zn、Sn、Ni、Ag、Co、
Fe、Mnなどの金属、Si、Ge、As、Sc、Sb
などの半金属、これらの金属及び半金属の合金、それら
複合物であるFe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、F
e−Co−Ni、Fe−Cu、Co−Cu、Co−A
u、Co−Y、Co−La、Co−Pr、Co−Gd、
Co−Sm、Co−Pt、Ni−Cu、Mn−Bi、M
n−Sb、Mn−Al、Fe−Cr、Co−Cr、Ni
−Cr、Fe−Co−Cr、Ni−Co−Cr、Fe−
Si−O、Si−C、Si−N、Cu−Al−O、Si
−N−O、Si−C−O等、またこれらの金属、半金属
および合金の酸化物、複合物などを用いて、強化膜を形
成し、支持体を作成する。酸化物としては酸化アルミニ
ウム、アルミナ、酸化ケイ素、二酸化ケイ素等が挙げら
れる。強化膜の形成法は特に限定しないが真空蒸着法が
一般的である。
ィルムの厚みの2.0〜8.0%の厚みで、より好まし
くは3.4〜5.0%の厚みで形成されるのが望まし
い。
を150GPa・μm3以上、より好ましくは200G
Pa・μm3以上、更により好ましくは200GPa・
μm3以上、250GPa・μm3以下とするためには、
前記のポリエステルフィルムを製造する際の延伸倍率の
調整により、ポリエステルフィルムの幅方向ヤング率を
6.0GPa以上となるように調整することが好まし
い。、さらに、ポリエステルフィルムの片側表面に強化
膜が形成された構造の支持体の場合は、幅方向曲げモー
メント指標値MTDの値は、ポリエステルフィルムの幅方
向ヤング率(EfilmTD)その厚み(dfilm)、強化膜の
幅方向ヤング率(EmetalTD)、及び、その厚み(dmet
al)から下記の式により算出することができるので、下
記の式におけるMTDの数値が150GPa・μm3以
上、より好ましくは200GPa・μm3以上、更に好
ましくは200GPa・μm3以上、250GPa・μ
m3以下となるように、ポリエステルフィルムの厚み、
強化膜のヤング率と厚みをも調整することが好ましい。 dhalf=(dmetal+dfilm)/2 MTD=EmetalTD×{dhalf3−(dhalf−dmetal)3}
+ EfilmTD×{(dhalf−dmetal)3−(−dhalf)
3}
Pテープを製造するための支持体の場合、ポリエステル
フィルムの厚みdfilmを4.5〜4.7μm程度とする
ことが好ましい。この場合、強化膜の幅方向ヤング率E
metalTDを7GPa程度以上となるようにし、強化膜の
厚みdmetalを90nm程度以上とすれば、MTDを15
0Pa・μm3以上とすることができる。また、強化膜
の幅方向ヤング率EmetalTDを25GPa程度以上と
し、強化膜の厚みdmetalを150nm程度以上とすれ
ば、MTDを200GPa・μm3以上とすることができ
る。さらにまた、強化膜の幅方向ヤング率EmetalTDを
45GPa程度以上とし、強化膜の厚みdmetalを15
0nm程度以上とすれば、MTDを250GPa・μm3
以上の程度とすることができる。
Pa程度以上、さらに25GPa程度以上、また、更に
その上の45GPa程度以上とするためには、前記金
属、半金属、合金、酸化物、複合物を真空蒸着法でポリ
エステルフィルム上に設ける際に、その形成材料の種類
を最適化すればよい。例えば、一般的に金属を用いると
ヤング率は高くなり、金属酸化物を用いるとヤング率は
低くなる。金属としては、Zn(ヤング率、公称35G
Pa)、Al(ヤング率、公称70GPa)、Cu(ヤ
ング率、公称119GPa)、Co(ヤング率、公称2
10GPa)等が特に好ましい。酸化物としては、Al
2O3(ヤング率、公称358GPa)、酸化ケイ素(ヤ
ング率、公称210GPa)等が特に好ましい。これら
の材料を真空蒸着法でポリエステルフィルムの厚みの
2.0〜8.0%、より好ましくは2.5〜5.0%の
厚みとなるように形成するが、公称のヤング率の水準が
真空蒸着法により成膜された膜で発現されることは困難
であり、1桁ヤング率のオーダーが下がるのが一般的で
ある。ヤング率の低下を防ぐためには、真空蒸着時の真
空度を上げ、蒸着物質の温度を上げるのが望ましい。酸
化物は融点が高いので真空蒸着時には電子ビーム真空蒸
着法を用いる方法、あるいは、金属蒸着時に酸化を行う
反応性蒸着法を用いることが好ましい。酸化物は微細構
造に極めて敏感であり、気孔率にも影響されヤング率の
発現が特に困難であり、蒸着分子材料濃度を下げ、反応
酸素の導入も少なくし、酸化を緻密に行うのが好まし
い。また、Emetalが低い時は膜厚さdmetalを厚くし、
ヤング率Emetalが高い時は膜厚dmetalを薄くするとよ
い。
MMDを120MPa・μm3以上のような好ましい水準
にするためには、前記した方法に準じて、ポリエステル
フィルムの長手方向ヤング率や強化膜の長手方向ヤング
率や厚み等を調整すればよい。支持体がフィルムの片側
に強化膜が形成された構造である場合には、支持体の長
手方向モーメント指標値MMDは、下記式により算出する
ことができる。
dmetal)3} + EfilmMD×{(dhalf−dmetal)3−
(−dhalf)3} ここで、dhalf=(dmetal+dfilm)/2であり、ま
た、EfilmMD、dfilmは、それぞれ、ポリエステルフィ
ルムの長手方向ヤング率(GPa)、厚み(μm)であ
り、EmetalMD、dmetalは、それぞれ、強化膜の長手方
向ヤング率(GPa)、厚み(μm)である。
類からなる強化膜がポリエステルフィルムの最表層に設
けられているので、その強化膜のヤング率が金属やその
酸化物のヤング率文献値よりも低くても、また、ポリエ
ステルフィルムの厚みが小さくなっても、ヤング率と厚
さ位置の2乗の積分値で曲げモーメントの増加に寄与
し、MTDやMMDが高くなる。
より好ましくは140%以上とするにはポリエステルフ
ィルムの伸度を120%以上、より好ましくは140%
以上とすればよく、そのためには前記プラスチックフィ
ルム製造工程の縦方向の延伸温度を90〜120℃、延
伸倍率を2.7〜4.0倍程度に調整すればよい。
に使用される強磁性金属は公知のものを使用でき、特に
限定されないが、鉄、コバルト、ニッケル、またはそれ
らの合金の強磁性体からなるものが好ましい。
持体の片側表面Aに、Co等の強磁性金属の薄膜層を真
空蒸着により膜厚み100〜300nmで形成し、この
金属薄膜層上に10nm程度の厚みのダイヤモンド状カ
ーボン膜をコーティングにより形成し、更にその上を潤
滑剤処理することにより作成することができる。本発明
の磁気記録媒体では、支持体表面Bをそのまま磁気テー
プの走行面側の面としてもよいし、更に表面B上に、固
体微粒子および結合剤からなり、必要に応じて各種添加
剤を加えた溶液を塗布することによりバックコート層を
形成してもよい。固体微粒子、結合剤、添加剤はカーボ
ンブラック、ポリウレタン樹脂、シリコーン等、公知の
ものを使用でき、特に限定されない。バックコート層の
厚さは0.3〜1.5μm程度であればよい。
VC−LPテープ作成用の支持体として有用であり、こ
の支持体の使用により優れた結果を得ることができ好適
である。またAITシステム等のデータストレージ用途
の支持体として使用しても優れた結果を得ることができ
る。さらにまたメタル磁性体を用いるコンピュータデー
タバックアップ用の塗布型磁気テープ等に用いてもよ
い。
料、例えばプリント用フィルム等の各種工業材料に用い
てもよい。
MD 幅方向、長手方向曲げモーメント指標値は、前述した算
出式(式(I)、式(II))で表されるとおり、支持体を構
成する各層の厚みと、その層の幅方向、長手方向ヤング
率とから算出され得る値である。
の片側表面に強化膜が形成された構造の場合は、ポリエ
ステルフィルムのヤング率、厚み、支持体のヤング率、
強化膜の厚みから、次の方法により曲げモーメント指標
値を算出することができる。以下の実施例・比較例で
は、この算出方法によった。
加成則により、ポリエステルフィルムのヤング率:Efi
lm、その厚み:dfilm、強化膜のヤング率:Emetal、
その厚み:dmetalと、次の関係で表される。
lm/dtotal 従って、まずは、ポリエステルフィルムの幅方向又は長
手方向のヤング率、そのフィルムの厚み、支持体の幅方
向又は長手方向のヤング率、強化膜の厚みから、強化膜
の幅方向又は長手方向のヤング率(EmetalTD、Emetal
MD)を算出する。
長手方向のヤング率(EfilmTD、EfilmMD)、その厚み
(dfilm)、強化膜の幅方向又は長手方向のヤング率
(EmetalTD、EmetalMD)、その厚み(dmetal)か
ら、次の式により幅方向又は長手方向の曲げモーメント
指標値(MTD、MMD)を求める。 dhalf=(dmetal+dfilm)/2 MTD=EmetalTD×{dhalf3−(dhalf−dmetal)3}
+ EfilmTD×{(dhalf−dmetal)3−(−dhalf)
3} MMD=EmetalMD×{dhalf3−(dhalf−dmetal)3}
+ EfilmMD×{(dhalf−dmetal)3−(−dhalf)
3}
Efilm ポリエステルフィルムのヤング率は、ポリエステルフィ
ルムの引張試験測定により得られる応力−ひずみ曲線に
おいて、その曲線のスタート点の立ち上がり勾配をAS
TM・D−882−67に準じて測定する。単位はGP
aで表す。このときのサンプルの幅、実効長さは、それ
ぞれ10mm、100mmとし、引張速度は100mm
/minとした。
れる応力−ひずみ曲線において、その曲線のスタート点
の立ち上がり勾配をASTM・D−882−67に準じ
て測定して求める。このときのサンプルの幅、実効長さ
は、それぞれ10mm、100mmとし、引張速度は1
00mm/minとした。単位はGPaで表す。
体やフィルムのヤング率を求める場合には、次の方法を
とることができる。磁気テープより磁性層、バックコー
ト層を溶剤処理により除去し、支持体を取り出し、その
支持体の動的粘弾性測定を23℃、0.1Hzの周波
数、変位量30μmで行い、貯蔵弾性率を求め、支持体
のヤング率とする。支持体より強化膜を溶剤処理で除去
し、同様にしてポリエステルフィルムの動的粘弾性測定
を行い、貯蔵弾性率よりポリエステルフィルムのヤング
率を求める。
み:dfilm ポリエステルフィルム、支持体の厚みはマイクロメータ
ーによりランダムに10点測定し(0.01μm単位で
測定)、その平均値を用いる。なお各点の厚みは10枚
フィルムを重ねた状態で測定し、1枚当たりの厚み値を
算出して用いた。
ージェ電子分光法・深さ方向分析によって求めた。日本
電子社製の走査型オージェ電子分光装置JAMP−10
S型を用い、差動排気型マイクロイオン銃によりArイ
オンエッチングを組み合わせ、深さ方向の強化膜成分元
素の強度分析を行うことにより強化膜の厚みを求めた。
厚みは最表面強度の50%強度となった深さを用いた。
イオンエッチング条件は6nm/min(SiO2換算
値)とした。測定真空度は5×10-2Pa(Ar雰囲
気)、測定条件は加速電圧 3kV、試料電流 500
nA、試料傾斜角 71度、ビーム径100μmφとし
た。
応力−ひずみ曲線において、破断点におけるひずみ値か
らASTM・D−882−67に準じて求める。即ち、
(破断点の試料長さ/元の試料長さ)を伸度とする。こ
のときのサンプルの幅、実効長さは、それぞれ10m
m、100mmとし、引張速度は100mm/minと
した。単位は%で表す。
体の伸度を求める場合には、磁気テープより磁性層、バ
ックコート層を除去して支持体部分のみにしたものを支
持体サンプルとし、サンプル幅は磁気テープの幅で、上
記同様に測定する。
子間力顕微鏡(走査型プローブ顕微鏡)を用いて測定し
た。セイコーインスツルメント社製の走査型プローブ顕
微鏡(SPI3800シリーズ)を用い、ダイナミック
フォースモードでフィルムの表面を30μm角の範囲で
原子間力顕微鏡計測走査を行い、得られる表面のプロフ
ァイル曲線よりJIS・B0601・Raに相当する算
術平均粗さより求めた。面内方向の拡大倍率は1万〜5
万倍、高さ方向の拡大倍率は100万倍程度とした。
評価 市販のカメラ一体型デジタルビデオテープレコーダー
(DVCカメラ)のLPモードを用いて静かな室内で録
画し、録画のときとは別機種のDVCカメラのLPモー
ドで常温下で1分間の再生をして画面にあらわれたブロ
ック状のモザイク個数(ドロップアウト(DO)個数)
を数えることによって、DVCテープ特性を評価した。
機種のDVCカメラで再生を行ってDO個数を測定し、
テープ製造後の初期特性とした。次に、その別機種でテ
ープの走行を100回くり返し、その後のDO個数を測
定しDVCテープの走行耐久性を評価した。
ないポリエチレンテレフタレート原料Aと、実質的に不
活性粒子を含有しないポリエチレンテレフタレートに平
均粒径190nmのケイ酸アルミニウムを0.10重量
%含有させた原料Bとを、厚み比6:1の割合で、口金
を通して、共押出しし冷却ドラムに密着させシート化
し、ロール延伸法で115℃で3.0倍に縦延伸した。
の外側表面上に下記組成の水溶液を固形分濃度15mg
/m2で塗布して、樹脂塗布膜を形成した。 A層外側: メチルセルロース 0.12重量% 水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフ タル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.29重量% アミノエチルシランカップリング剤 0.01重量% 平均粒径 8nmの極微細シリカ 0.03重量% その後、ステンターにて横方向に100℃で4.5倍に
延伸し、215℃で熱処理し、厚さ4.6μmのポリエ
ステルフィルムを得た。このフィルムをスリッターを用
いて幅600mmにスリットし、巻取り長さ21000
mのフィルムロールとした。
の表面(B面)上に、アルミニウムの真空蒸着を真空度
4×10-3Paのもとで行い、蒸着時に酸素を、アルミ
ニウムと酸素のモル比が3:2になるように導入し、蒸
着膜厚200nmの酸化アルミニウム強化膜を形成し、
厚さ4.8μmの支持体を作成した。この支持体の特性
を表1に示す。
面)上に真空蒸着により厚さ200nmのコバルト−酸
素薄膜を形成した。次にコバルト−酸素薄膜層上に、C
VD法によりダイヤモンド状カーボン膜を10nmの厚
みで形成させた。この後、150℃のホットローラー
に、表面B(B層側の外表面)側を接触させて走行さ
せ、カール戻しを行った。続いて、表面Bに、フッ素含
有脂肪酸エステル系潤滑剤を3nmの厚さで塗布し、最
後にカーボンブラック、ポリウレタン、シリコーンから
なるバックコート層(厚さ400nm)を、メチルエチ
ルケトン溶液を用いた溶液塗布により設け、スリッター
により幅6.35mm幅にスリットし、リールに巻き取
り磁気記録テープ(DVC−LPテープ、LPモードで
の録画時間120分)を作成した。得られたDVC−L
Pテープの特性を表1に示す。
て、酸化アルミニウム強化膜の膜厚を70nmに変更し
た。得られた支持体の特性を表1に示す。得られた支持
体を用いて、その他は実施例1と同様にしてDVC−L
Pテープ(LPモードでの録画時間120分)を作成し
た。得られたDVC−LPテープの特性を表1に示す。
て、酸化アルミニウム強化膜の膜厚を410nmに変更
した。得られた支持体の特性を表1に示す。得られた支
持体を用いて、その他は実施例1と同様にしてDVC−
LPテープ(LPモードでの録画時間120分)を作成
した。得られたDVC−LPテープの特性を表1に示
す。
て、アルミニウムの真空蒸着の代わりに、フィルムのA
面(A層側の樹脂塗布膜の表面)上に亜鉛の強化膜を1
40nmの膜厚で形成した。真空度は5×10-2Paで
行った。得られた支持体の特性を表1に示す。得られた
支持体を用いて、その他は実施例1と同様にしてDVC
−LPテープ(LPモードでの録画時間120分)を作
成した。得られたDVC−LPテープの特性を表1に示
す。
ルムの製造において、ポリエチレンテレフタレートをポ
リエチレン−2,6−ナフタレートに変更し、原料B内
のケイ酸アルミニウムの含有量を0.2重量%と変更
し、縦延伸温度、倍率を130℃で5.6倍と変更し、
横延伸温度、倍率を130、7.0倍と変更し、200
℃での熱処理と変更し、その他は同様にして、厚さ3.
3μm、長さ16000mのポリエステルフィルムのロ
ールを作成した。次に、フィルムのB面上に、実施例1
と同様にしてアルミニウムの真空蒸着を施し蒸着膜厚2
00nmの酸化アルミニウム強化膜を形成し、厚さ3.
5μmの支持体を作成した。支持体の特性を表1に示
す。得られた支持体を用いて、その他は実施例1と同様
にしてDVC−LPテープ(LPモードでの録画時間1
60分)を作成した。得られたDVC−LPテープの特
性を表1に示す。
ルムの製造において、縦延伸倍率を6.4倍と変更し、
横延伸倍率を7.9倍と変更し、その他は同様にして、
厚さ2.9μm、長さ16000mのポリエステルフィ
ルムのロールを作成した。得られたフィルムを用い、実
施例1と同様にしてB面上に蒸着膜厚210nmの酸化
アルミニウム強化膜を形成し、厚さ3.1μmの支持体
を作成した。得られた支持体を用いて、その他は実施例
1と同様にしてDVC−LPテープ(LPモードでの録
画時間190分)を作成した。得られたDVC−LPテ
ープの特性を表1に示す。
て、アルミニウムの真空蒸着の代わりに、フィルムのA
面上に銅の強化膜を100nmの膜厚で形成した。真空
度は5×10-4Paで行った。得られた支持体の特性を
表1に示す。得られた支持体を用いて、その他は実施例
1と同様にしてDVC−LPテープ(LPモードでの録
画時間120分)を作成した。得られたDVC−LPテ
ープの特性を表2に示す。
て、酸化アルミニウム強化膜の膜厚を50nmに変更し
た。得られた支持体の特性を表1に示す。得られた支持
体を用いて、その他は実施例1と同様にしてDVC−L
Pテープ(LPモードでの録画時間120分)を作成し
た。得られたDVC−LPテープの特性を表1に示す。
て、銅の強化膜の膜厚を10nmに変更した。得られた
支持体の特性を表1に示す。得られた支持体を用いて、
その他は実施例1と同様にしてDVC−LPテープ(L
Pモードでの録画時間120分)を作成した。得られた
DVC−LPテープの特性を表1に示す。
4.6μmのポリエステルフィルムを製造したが、強化
膜を形成しなかった。これを支持体としてDVC−LP
テープ(LPモードでの録画時間120分)を作成し
た。得られた支持体(フィルム)、DVC−LPテープ
の特性を表1に示す。
の支持体の表面A上に強磁性金属薄膜層を設けることに
より作成した磁気テープは、LPモードで撮影し、撮影
した機種と異なる機種で再生した場合でも、再生時のD
Oの発生個数が少なく、走行耐久性に優れた、長時間録
画可能なDVC−LPテープであった。これに対し、本
発明外の支持体から作成した磁気テープは、別の機種で
再生した場合、初期特性、走行耐久性ともに劣ってい
た。
ースフィルムに用いると、LPモードで撮影し、撮影し
た機種と異なる機種で再生した場合でもDO個数が少な
く、走行耐久性に優れた、長時間録画可能なDVC−L
Pテープ等のヘリカルスキャン方式によるデジタル記録
用に好適な磁気記録媒体を製造することができる。
Claims (12)
- 【請求項1】 ポリエステルフイルムの少なくとも片側
の表面に、金属、半金属及び合金並びにこれらの酸化物
及び複合物から選ばれた材料からなる強化膜が形成され
てなる支持体であって、下記式(I)で表される幅方向曲
げモーメント指標値MTDが150GPa・μm3以上で
あることを特徴とする磁気記録媒体用支持体。 【式1】 ここで、yは、支持体内の厚さ方向の位置を表す変数
で、厚さ方向の中央位置を零、前記強化膜が形成された
支持体表面位置をt/2(μm)、他方の支持体表面位
置を−t/2(μm)とするものであり、かつ、E
TDは、位置yにおける構成材の幅方向のヤング率(GP
a)である。 - 【請求項2】 強化膜の厚みがポリエステルフィルムの
厚みの2.0〜8.0%であることを特徴とする請求項
1に記載の磁気記録媒体用支持体。 - 【請求項3】 下記式(II)で表される長手方向曲げモー
メント指標値MMDが120GPa・μm3以上であるこ
とを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気記録媒体用
支持体。 【式2】 ここで、yは、支持体内の厚さ方向の位置を表す変数
で、厚さ方向の中央位置を零、前記強化膜が形成された
支持体表面位置をt/2(μm)、他方の支持体表面位
置を−t/2(μm)とするものであり、かつ、E
MDは、位置yにおける構成材の長手方向のヤング率(G
Pa)である。 - 【請求項4】 強化膜がポリエステルフィルムの片側に
形成されてなる支持体において、幅方向曲げモーメント
指標値MTDを下記式により求めることを特徴とする請求
項1〜3のいずれかに記載の磁気記録媒体。 MTD=EmetalTD×{dhalf3−(dhalf−dmetal)3}
+ EfilmTD×{(dhalf−dmetal)3−(−dhalf)
3} ここで、dhalf=(dmetal+dfilm)/2であり、ま
た、EfilmTD、dfilmは、それぞれ、ポリエステルフィ
ルムの幅方向ヤング率(GPa)、厚み(μm)であ
り、EmetalTD、dmetalは、それぞれ、強化膜の幅方向
ヤング率(GPa)、厚み(μm)である。 - 【請求項5】 強化膜がポリエステルフィルムの片側に
形成されてなる支持体において、長手方向曲げモーメン
ト指標値MMDを下記式により求めることを特徴とする請
求項3又は4に記載の磁気記録媒体。 MMD=EmetalMD×{dhalf3−(dhalf−dmetal)3}
+ EfilmMD×{(dhalf−dmetal)3−(−dhalf)
3} ここで、dhalf=(dmetal+dfilm)/2であり、ま
た、EfilmMD、dfilmは、それぞれ、ポリエステルフィ
ルムの長手方向ヤング率(GPa)、厚み(μm)であ
り、EmetalMD、dmetalは、それぞれ、強化膜の長手方
向ヤング率(GPa)、厚み(μm)である。 - 【請求項6】 ポリエステルフィルムの厚みが2〜9μ
mであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
載の磁気記録媒体用支持体。 - 【請求項7】 支持体の長手方向の伸度が120%以上
であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載
の磁気記録媒体用支持体。 - 【請求項8】 ポリエステルがポリエチレンテレフタレ
ートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートである
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の磁気
記録媒体用支持体。 - 【請求項9】 支持体の片側の表面AのRa値が1〜5
nmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに
記載の磁気記録媒体用支持体。 - 【請求項10】 デジタル記録方式の磁気記録媒体用に
用いられることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに
記載の磁気記録媒体用支持体。 - 【請求項11】 請求項9に記載の支持体の片側表面A
上に強磁性金属薄膜層が設けられてなることを特徴とす
る磁気記録媒体。 - 【請求項12】 デジタル記録方式であることを特徴と
する請求項11に記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
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JP2002041562A JP2003242630A (ja) | 2002-02-19 | 2002-02-19 | 磁気記録媒体用支持体 |
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