JP5112923B2 - 磁気記録媒体支持体 - Google Patents

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本発明は、デジタルデータなどの高密度記録メディアに好適に用いることができる塗布型磁気記録テープに用いる磁気記録媒体支持体に関する。
2軸配向ポリエステルフィルムを用いた磁気記録媒体支持体は、デジタルビデオ用テープや、コンピュータのバックアップ用テープ(以後、データテープという)などに用いられている。近年、磁気テープ、特に高密度に磁気記録を行うデータテープにおいては、トラックが非常に小型化したことによって、テープ走行・保存時のわずかな熱的・力学的寸法変化や、データを記録する際と読み取る際の温湿度環境の違いが、データの再生不良を引き起こす問題点が生じてきた。従って、高密度記録に対応する磁気記録媒体には、温湿度環境変化や熱およびテープ張力などの応力に対して高い寸法安定性が要求される。リニア記録方式のデータテープにおいては、特にテープ幅方向の高い寸法安定性が必要となる。
従来、磁気テープの素材としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称することがある。)とならんで、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(以下、PENと称することがある。)が用いられてきたが、高密度記録の磁気テープのベースフィルムに求められる寸法安定性の要求はますます厳しくなってきており、それだけでは不十分であった。
そこで、上記の寸法安定性の要求に応え得るベースフィルムとして、ポリエステルフィルムに金属、半金属のなどの金属材料からなる強化膜を設けた磁気記録媒体用支持体やこの支持体を用いた磁気記録媒体が知られている(特許文献1および2)。
しかしながら、塗布型の磁気記録テープに代表される磁気記録媒体は、磁性層およびバックコート層(両者をまとめてコーティング層とする)が本質的に大きな熱膨張係数を有しているため、特許文献1および2などに示された支持体とこれらコーティング層とを組み合わせて磁気記録媒体とした場合には、媒体の熱膨張係数が磁気ヘッドの熱膨張係数と比較して大きくなり、異なった温度環境下で書き込みや読み取りをする際に寸法変化によるトラックずれを起こしやすいためトラックの本数を増やすことができず、高密度の記録に限界があるという問題点があった。特に、磁性層の平坦性を高めるために、磁性層と支持体の間に非磁性層を塗設する場合、これら特許文献に記載された支持体でも不十分であることが判明した。
特開2006−216194号公報 特開2006−216195号公報
本発明の目的は、温湿度環境変化に対してトラックずれを起こしにくい、優れた寸法安定性を有する、高密度磁気記録媒体用として有用な、塗布型磁気記録媒体の支持体を提供することにある。
本発明者が鋭意研究した結果、前述の特許文献1や2が教示する支持体の熱膨張係数をプラスサイドにするのではなく、マイナスサイド、すなわち収縮する方向にすることにより、塗布型の高密度記録媒体としたときにも、寸法安定性を良好に保つ媒体とすることが可能であることを見出し、本発明に至った。
かくして本発明によれば、二軸配向ポリエステルフィルム層(F層)の少なくとも一方の面に金属類または金属系無機化合物からなる層(M層)が設けられた支持体であり、リニア記録方式の塗布型磁気記録テープの支持体に用いること、支持体の長手方向と幅方向のヤング率の比(YMD/YTD)が0.55〜0.9であること、および該支持体の幅方向の温度膨張係数が0未満、−5ppm/℃以上であることを具備する磁気記録媒体支持体が提供される。
また、本発明の好ましい態様として、F層の両面にM層が設けられていること、M層の厚みが5〜500nmであること、支持体の長手方向のヤング率(YMD)が5〜20GPaであり、幅方向のヤング率(YTD)が8〜20GPaであること、二軸配向ポリエステルフィルムの長手方向と幅方向のヤング率の比(YMD/YTD)が0.5〜1.0であること、少なくとも一方向の湿度膨張係数が1〜7ppm/%RHの範囲にあること、二軸配向ポリエステルフィルムを形成するポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートからなる群より選ばれる少なくとも一種であることの少なくともいずれかひとつを具備する磁気記録媒体支持体も提供される。
本発明によれば、以下に説明するとおり、従来のPETやPENをベースとして強化膜を設けた支持体に対して、支持体の温度膨張係数を負の値とすることにより磁気テープとしたときの、磁気ヘッドとテープの温度膨張係数を極めて等しくすることができ、その結果磁気記録テープの寸法安定性向上効果をより高度に発現させることができるという格別顕著な効果が奏される。
したがって、本発明によれば、湿度と温度による影響も加味した高度の寸法安定性を具備する高密度磁気記録媒体の支持体が提供され、そして、本発明の支持体を用いれば、優れた寸法安定性を有する塗布型の高密度磁気記録媒体も提供できる。
本発明の磁気記録媒体支持体は、2軸配向ポリエステルフィルム層(F層)の少なくとも一方に金属類または金属系無機化合物を含む層(M層)が設けられた磁気記録媒体支持体である。M層(強化層)を有さない場合は本発明の効果を得ることができない。
本発明の磁気記録媒体支持体のF層は、2軸に配向したフィルム層である。2層以上のフィルム層を有する積層フィルムの場合は、これを構成する少なくとも1層が2軸に配向していればよい。全ての層が無配向や1軸配向のフィルムを用いた場合、本発明の特性を満足することが困難となる。
本発明における二軸配向ポリエステルフィルムを形成するポリエステルは、芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とから形成され、具体的な芳香族ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレン−2,6−ナフタレートなどのポリアルキレン−2,6−ナフタレートが好ましく挙げられる。これらの中でも機械的特性などの点からポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましく、特にポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。そのような観点から、グリコール成分の90モル%以上はエチレングリコール成分であることが好ましい。好ましいエチレングリコール成分の割合は、90〜100モル%、さらに95〜100モル%の範囲である。
本発明における芳香族ポリエステルは、本発明の効果を阻害しない範囲で、それ自体公知の他の共重合成分を共重合しても良いし、また、ポリエーテルイミドや液晶性樹脂などをブレンドしてもよい。具体的な共重合成分としては、イソフタル酸成分、2,7−ナフタレンジカルボン酸成分などの芳香族ジカルボン酸成分や、トリメチレングリコール成分、テトラメチレングリコール成分、シクロヘキサンジメタノール成分などのグリコール成分が挙げられる。
つぎに、本発明における芳香族ポリエステルは、DSCで測定した融点が、200〜280℃の範囲、さらに215〜275℃の範囲、特に225〜270℃の範囲にあることが製膜性の点から好ましい。融点が上記上限を越えると、溶融押し出しして成形する際に、流動性が劣り、吐出などが不均一化しやすくなる。一方、上記下限未満になると、製膜性は優れるものの、芳香族ポリエステルの持つ機械的特性などの損なわれやすくなる。
また、本発明における芳香族ポリエステルは、DSCで測定したガラス転移温度(以下、Tgと称することがある。)が、60〜135℃の範囲、さらに65〜130℃の範囲、特に65〜125℃の範囲にあることが、耐熱性や寸法安定性の点から好ましい。
本発明のF層は単層であってもよいが、磁気テープ用途として用いる場合に平滑性と層構成とをより調整しやすいことから、少なくとも2層以上の積層構成であることが好ましい。また、さらに、F層表面に厚み1〜50nmの水溶性または水分散性高分子、あるいは溶剤可溶性高分子などからなるコーティング層を有していても良い。
本発明のF層には、磁気記録媒体の走行耐久性や、磁気ヘッドとの走行性の良化、あるいは、巻き取り性などハンドリング性の向上のため、不活性粒子を含有させることが好ましい。なお、本発明でいう不活性粒子とは、無機または有機の粒子で、フィルムを形成するポリマー中で本発明の効果を損なうような化学的反応や、磁気記録テープとしたときに記録特性を損なうような電磁気的影響を与えないものをいう。不活性粒子としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、湿式または乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナおよびジルコニア等の無機粒子、アクリル酸類、スチレン、ジビニルベンゼン、シリコーン、イミド等を構成成分とする有機高分子粒子、ポリエステル重合反応時に添加する触媒等によって析出する粒子(いわゆる内部粒子)や、界面活性剤などがある。
本発明のF層に含有する不活性粒子の好ましい平均粒径および含有量は、フィルムの積層構成によって異なる。
上記F層が2層以上の積層構成をとる場合には、磁性層側のフィルム層に含有する粒子の平均粒径は、0.005〜0.5μmが好ましく、より好ましくは、0.01〜0.3μm、さらに好ましくは0.03〜0.2μm、最も好ましくは0.05〜0.15μmである。含有量は、0.001〜1重量%が好ましく、より好ましくは0.005〜0.5重量%、さらに好ましくは0.01〜0.3重量%、最も好ましくは0.01〜0.2重量%である。一方、非磁性層側、すなわちバックコート層側のフィルム層に含有する粒子は2種類以上のサイズの異なる粒子を用いることが好ましい。大粒子の平均粒径は、0.05〜2μmが好ましく、より好ましくは、0.1〜1μm、さらに好ましくは0.2〜0.6μmである。小粒子の平均粒経は、0.01〜0.3μmが好ましく、さらに好ましくは0.03〜0.2μm、最も好ましくは0.05〜0.15μmである。大粒子の含有量は、0.001〜1重量%が好ましく、より好ましくは0.005〜0.5重量%、さらに好ましくは0.01〜0.3重量%、最も好ましくは0.02〜0.2重量%である。 小粒子の含有量は、0.001〜1重量%が好ましく、より好ましくは0.005〜0.5重量%、さらに好ましくは0.01〜0.3重量%、最も好ましくは0.02〜0.2重量%である。
F層が2層以上の層を有する場合、その層の厚みは磁性層が配される面においては0.5〜6μm、バックコート層が配される面においては0.1〜5μmであることが好ましい。両者の厚みの比は、バックコート層側の面の厚みが磁性層側の面の厚みに比べて薄い方が表面の粗さを平滑に保つことが容易であることから好ましい。
F層が単層構成をとる場合には、不活性粒子の平均粒径は、0.01〜1μmが好ましく、より好ましくは、0.05〜0.5μmである。含有量は、0.01〜1重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜0.5重量%である。
また、F層には、本発明を阻害しない範囲内で、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワックスなどの有機滑剤などが添加されてもよい。
本発明の磁気記録媒体支持体は、F層の少なくとも一方に金属類または金属系無機化合物からなる層(M層)を有する。M層を有することで、F層のみからなる磁気記録媒体支持体に比べ、温湿度環境変化および荷重による寸法変化の好ましい範囲を両立することが容易となる。ここで、金属類とは、いわゆる単体金属、半金属、合金、金属間化合物を表し、具体的には、例えば単体金属ではMg、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Mo、Pd、Ag、Sn、Pt、Au、Pb、半金属ではC、Si、Ge、Sb、Teなどが挙げられ、これらの金属の数種を混ぜ合わせて合金や金属間化合物としてもよい。また、金属系無機化合物としては、例えば、上記金属類の酸化物や窒化物、炭化物、ホウ化物、硫化物などを用いることができる。具体的には、例えば、CuO、ZnO、Al、SiO、Fe、Fe、AgO、TiO、MgO、SnO、ZrO、InOなどの酸化物、Si、TiN、ZrN、GaN、TaN、AlNなどの窒化物、TiC、WC、SiC、NbC、ZrC、FeCなどの炭化物が挙げられる。また、上記の金属系無機化合物はそれぞれ単独で用いてもよく、もちろん複数種を混合して用いても構わない。中でも、M層を構成する金属材料は経済性の観点からアルミニウムや珪素を含むことが好ましい。
M層の形成方法としては物理蒸着法や化学蒸着法を用いることができる。物理蒸着法には真空蒸着法、スパッタリング法があり、真空蒸着法が一般的である。特に金属層の結晶粒径を小さく緻密にするためには蒸着物の運動エネルギーを高める必要がある。そのため電子ビーム蒸着やスパッタリング法が好ましい。
M層の厚みは5〜500nmが好ましく、より好ましくは10〜400nm、最も好ましくは15〜300nmである。この範囲にすることでM層の金属の結晶粒径を細かくすることができ、補強効果の向上と、表面平滑性への悪影響がないなどの条件を満足し易いため好ましい。厚みが5nmより小さい場合、M層の金属の結晶形成が不完全となるため、強度を増加させる効果が小さくなるため、本発明の寸法安定性向上の効果が小さくなることがある。500nmより大きい場合はクラックや粒界ができやすく、磁気記録媒体の表面が粗くなって電磁変換特性が悪化したり、M層が製造工程や、走行を繰り返す際に剥離や脱落が起こり易く、生産性が低下することがある。
本発明の磁気記録媒体支持体において、M層はF層の片側にのみ設けても良いし、両側に設けても良いが、磁気記録テープとしたときのカッピングやカールを抑制する観点から、F層の両側に金属層を設けることが好ましい。なお、上記好ましいM層の厚みは、F層の両面に設けた場合は、それぞれのM層が上記の範囲内にあることが好ましい。
本発明におけるF層は、M層と組み合わせて高密度磁気記録媒体の支持体として用いた際に優れた寸法安定性を発現するために、長手方向のヤング率が3〜10GPa、さらに3.5〜9GPa、特に4〜8GPaであることが好ましい。一方、幅方向のヤング率は、支持体としたときの温度膨張係数を前述の範囲とさせやすい観点から、4〜15GPa、さらに5〜14GPa、特に6〜13GPa、もっとも好ましくは7〜11GPaの範囲であることが好ましい。F層の幅方向のヤング率が下限未満では、支持体としたときの温度膨張係数をマイナス側にすることが困難となり、他方上限を超えると、支持体としたときの温度膨張係数が過度にマイナス側となってしまう。
本発明の磁気記録媒体支持体は、長手方向のヤング率は5〜20GPa、幅方向のヤング率は8〜20GPaであることが好ましい。支持体の長手方向のヤング率はさらに好ましくは5.5〜18GPa、特に好ましくは6.0〜15GPaである。長手方向のヤング率が下限未満の時には磁気記録媒体を使用する際に張力の変動があった際に長手方向に変形しやすくなり、結果として、ポアソン比による幅方向の寸法変化が引き起こされやすくなる。長手方向のヤング率が上限を超える際には、幅方向のヤング率を範囲内に維持することが困難となり、ヘッドとの接触状態を安定に保つのが困難となる。支持体の幅方向のさらに好ましいヤング率は9〜18GPa、特に好ましくは10〜16GPaである。支持体の幅方向のヤング率が下限未満の場合、磁気ヘッドとの接触状態が不安定化するため電磁変換特性が悪化しやすくなる。支持体の幅方向のヤング率が上限を超える場合には、上記の好ましい支持体長手方向のヤング率範囲を達成することが困難となる。
支持体の長手方向のヤング率(YMD)と幅方向のヤング率(YTD)の比、YMD/YTDは0.5〜1.0であることが、上述のヘッドとの安定接触と、張力変動による長手方向の変形抑制を両立できる点から好ましい。より好ましいYMD/YTDの範囲は0.55〜0.9、特に好ましくは0.6〜0.8である。
本発明の特徴のひとつは、磁気記録媒体支持体の幅方向の温度膨張係数が、0ppm/℃未満〜−5ppm/℃以上の範囲にあることである。好ましい磁気記録媒体支持体の幅方向の温度膨張係数は、上限が−1ppm/℃以下であり、下限が−4ppm/℃以上、さらに−3ppm/℃以上である。一般的に磁気記録装置に用いられている磁気ヘッドの温度膨張係数は7ppm/℃前後である。支持体の幅方向の温度膨張係数が0ppm/℃以上の場合には、磁気テープとしたときの幅方向の温度膨張が磁気ヘッドの温度膨張よりも大きくなりすぎるため、磁気データを記録・再生する環境が低温から高温に変化した際に、テープの幅方向に磁気ヘッドに対して相対的に膨張し、再生不良を起こしやすい。また、支持体幅方向の温度膨張係数が−5ppm/℃より小さい場合には、フィルムの温度膨張が磁気ヘッドの温度膨張よりも小さすぎるため、低温から高温に変化した際に、テープの幅方向に磁気ヘッドに対して相対的に収縮し、再生不良を起こしやすくなる。
このような幅方向の温度膨張係数は、M層の材質や厚み、さらにM層を設けるフィルム層の幅方向の温度膨張係数とヤング率によって調整できる。具体的には、フィルム層の幅方向の温度膨張係数は、その方向の分子鎖の配向を高めること、すなわち延伸倍率を高くすることなどによって小さく小さくすることができる。そして、M層はポリエステル層と比較して非常に大きな値のヤング率を有しており、また材質によっては大きな温度膨張係数を有することから、使用するフィルム層の温度膨張係数がマイナスサイドにある場合は、温度膨張係数の大きなM層を使用したり、M層の厚みを厚くし、他方使用するフィルム層の温度膨張係数がさほどマイナスサイドにない場合は、温度膨張係数の小さなM層を使用したり、M層の厚みを薄くするなど組合せによる最適化も可能である。
本発明の磁気記録媒体支持体の一方の表面の表面粗さRa(m)は1〜5nmが好ましく、より好ましくは2〜4.5nmである。Ra(m)が5nmより大きい場合には、高密度磁気記録媒体として十分な電磁変換特性を得られない場合がある。また、Ra(m)が1nmより小さい場合には、搬送工程や、テープ走行中に、搬送不良のトラブルを引き起こしたり、走行面の突起が転写したり、走行中にゴミによる傷が付きやすくなったりする。このような磁気記録媒体支持体の表面粗さは、F層の表面粗さやM層の厚さで制御することが可能である。Ra(m)を好ましい範囲に制御するためには、F層の一方の表面粗さは、1〜7nmが好ましく、より好ましくは、2〜5nmである。上記範囲を外れる場合には、搬送性不良、電磁変換特性の低下を招くことがある。金属層の厚みは前記のとおりであり、厚みが厚いほど、表面が粗くなりやすい。
本発明の磁気記録媒体支持体のもう一方の表面の表面粗さRa(b)は3〜20nmが好ましく、より好ましくは4〜15nm特に好ましくは5〜12nmである。Ra(b)が20nmより大きい場合には、保存中に磁性面側へ転写が起こり、磁性面側の表面粗さが粗くなることがある。また、Ra(b)が3nmより小さい場合には、テープの走行性が低下し、ドライブ中で走行不良を引き起こすことがある。このような磁気記録媒体支持体の粗さは、F層の表面粗さや金属層の厚さで制御することが可能である。Ra(m)を好ましい範囲に制御するためには、F層のもう一方の表面粗さは、5〜15nmが好ましく、より好ましくは、6〜10nmである。上記範囲を外れる場合には、搬送性不良、平面性の悪化を招くことがある。金属層の厚みは前記のとおりであり、厚みが厚いほど、表面が粗くなりやすい。
本発明の磁気記録媒体支持体の全厚みは、2.0〜8μmが好ましい。より好ましくは2.5〜7μm、さらに好ましくは3〜6μm、特に好ましくは3.5〜5.5μmである。厚みが2.0μmより小さい場合は、テープに腰がなくなるため、電磁変換特性が低下する。厚みが7μmを超える場合は、テープ1巻あたりのテープ長さが短くなるため、磁気テープの小型化、高容量化が困難になりやすい。そのような観点から、好ましいF層の厚みは、2〜8μmが好ましく、より好ましくは2.5〜7μm、さらに好ましくは3〜6μm、特に好ましくは3.5〜5.5μmである。
本発明の磁気記録媒体支持体は、高い寸法安定性を必要とする塗布型のデジタル記録方式の磁気記録テープの支持体として好ましく用いられる。中でも、データストレージ用高密度磁気記録用テープやデジタルビデオテープなどの支持体に特に適したものである。しかも、本発明の支持体は幅方向の温度膨張係数がマイナスサイドにあることから、磁性層の平坦性を高め、十分な走行耐久性を得るために、十分な厚みの非磁性層を磁性層と支持体の間に形成し、さらに走行性を高めるために支持体の磁性層側とは異なる面にバックコート層を設けた磁気記録テープとしたとき、優れた寸法安定性を発現することができる。
本発明の磁気記録媒体支持体を用いた磁気記録テープとしては、磁性層−非磁性層−支持体―バックコート層がこの順で積層されたものあることが好ましく、磁性層の表面をより高度に平坦にしやすいことから、非磁性層の厚みは0.9〜1.1μm、磁性層の厚みは0.05〜0.25μmの範囲にあることが好ましい。また、磁気記録テープの走行性を高度に発現させやすいことから、バックコート層の厚みは0.3〜0.7μmの範囲にあることが好ましい。特に本発明の効果の点からは、磁気記録テープ中に占めるコート層(磁性層、非磁性層、バックコート層など)の厚みの割合は、15〜35%、さらに22〜30%の範囲にあることが好ましい。コート層の厚みが下限未満では、非磁性層などの厚みが薄くなり、磁性層の平坦化向上効果が乏しくなりやすく、他方上限を超えると寸法安定性の向上効果が損なわれやすくなる。
以下、本発明の磁気記録媒体支持体の製造方法について説明する。
(F層の製造方法)
F層を構成するポリエステルは、それ自体公知の方法で製造でき、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の熱可塑性ポリマー、紫外線吸収剤等の安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、離型剤、顔料、核剤、充填剤あるいはガラス繊維、炭素繊維、層状ケイ酸塩などを必要に応じて配合しても良い。他種熱可塑性ポリマーとしては、脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリエーテルイミド、ポリイミドなどが挙げられる。
以下、PETやPENを例として、さらに詳述する。まず、PETやPENのペレットを、270〜320℃に加熱された押出機に供給して、スリット状のダイから溶融押出し、キャスティングロール上で冷却して未延伸フィルムを得る。なお、ヤング率、αtもしくはαhを目的とするような範囲にするには、その後の延伸を進行させやすくすることが好ましく、そのような観点から冷却ドラムによる冷却は非常に速やかに行なうことが好ましい。また、ポリマー中の異物や変質ポリマー、未溶融物などを除去する方法としては、各種のフィルター、例えば、焼結金属、多孔性セラミック、サンド、金網などの素材からなるフィルターを用いることが好ましい。特に、1.2μmカット以上の性能を有する繊維焼結ステンレス金属フィルターによりポリマーを濾過すると、粗大突起を抑制しやすいため好ましい。より好ましくは、0.8μmカットのフィルターである。なお、ここでいう1.2μmカットのフィルターとは、濾過精度1.2μmのことをいい、濾過精度とはJIS−B8356−8(2002)の方法によりフィルターメディアを透過した最大グラスビーズ粒径を意味する。また、押出機には必要に応じて、定量供給性を向上させるためにギアポンプを設けることが好ましい。
フィルムを積層する場合、方法としては、2台以上の押出機および合流ブロックを用いて、スリット状のダイよりも上流側で溶融積層する方法が好ましい。
次に、この未延伸フィルムを2軸延伸し、2軸配向させる。延伸方法としては、逐次2軸延伸法または同時2軸延伸法を用いることができる。また、分子鎖を高配向させて、温湿度膨張を十分に抑制し、ヤング率を本発明の好ましい範囲に制御するためには、長手方向、幅方向共に少なくとも2段以上に分けて延伸することが好ましい。
例えば、最初に長手方向、次に幅方向の延伸を行う逐次2軸延伸法の場合、未延伸フィルムを加熱ロール群で加熱、長手方向に1段もしくは多段で3〜8倍延伸(再縦延伸を用いる場合は、2.5〜5倍)し、20〜50℃の冷却ロール群で冷却する。長手方向延伸速度は1,000〜50,000%/分の範囲で行うのが好ましい。続いて、幅方向の延伸を行う。幅方向の延伸方法としては、テンターを用いる方法が一般的である。幅方向の延伸倍率は3〜8倍(再横延伸を行う場合は1段目の延伸は2〜4倍)、延伸速度は1,000〜20,000%/分の範囲で行うのが好ましい。
同時2軸延伸法を用いる場合には、未延伸フィルムを同時2軸延伸テンターに導いて、長手および幅方向に同時に2軸延伸を行う。同時2軸延伸を行う場合、延伸速度は長手、幅方向ともに1,000〜20,000%/分の範囲で行うのが好ましい。延伸倍率は逐次2軸延伸と同様である。
また、延伸温度は、逐次2軸延伸の場合、長手方向にTg〜Tg+50℃の範囲で行ない、幅方向にはTg+10℃〜Tg+30℃の範囲で行うことが好ましい。同時2軸延伸の場合は、長手、幅方向共にTg〜Tg+30℃の範囲で延伸することが好ましい。上記範囲より延伸温度が低い場合には、フィルム破れが多発して生産性が低下したり、再延伸性が低下して、十分に配向を高めることができず、温湿度膨張係数が大きくなることがある。また、上記範囲よりも延伸温度が高い場合には、十分に分子配向がつかず、支持体の寸法安定性が低下することがある。
本発明のF層を製造するためには、さらに再縦延伸および再横延伸を行うことが好ましい。その場合の延伸条件としては、2段目を逐次2軸延伸で行う場合には、長手方向の延伸は、温度Tg〜Tg+100℃の加熱ロール群で、延伸倍率1.1〜2.5倍、幅方向の延伸方法としてはテンターを用いる方法が好ましく、温度Tg+50℃〜Tg+150℃、延伸倍率1.1〜2.5倍で行うのが好ましい。同時2軸延伸で行う場合には、長手方向、幅方向ともに延伸温度Tg+10℃〜Tg+150℃で、延伸倍率1.1〜2.5倍で行うことが好ましい。上記範囲より延伸温度が低い場合には、フィルム破れが多発して生産性が低下して、十分に配向を高めることができず、また、上記範囲よりも延伸温度が高い場合には、十分に分子配向がつかないため、ともに支持体の寸法安定性が低下する。
続いて、この延伸フィルムを長手、幅方向に緊張下または緩和を行ないながら熱処理する。好ましくは、幅方向に2〜7%の緩和を行ないながら熱処理を行うと、F層の熱収縮率を好ましい範囲に制御し易い。熱処理温度は、Tm−70℃〜Tm−30℃が好ましい。熱処理時間は0.1秒〜12秒の範囲で行うことが好ましい。熱処理温度を上記範囲より高くしたり、熱処理時間を上記範囲より長くする場合には、分子鎖が緩和して、温湿度膨張を起こしやすくなり、本発明の好ましい範囲に制御困難となる場合があり、また、熱処理温度を上記範囲より低くしたり、熱処理時間を上記範囲より短くする場合には、分子鎖の構造固定が不十分となって、クリープ特性が悪化し、支持体の寸法安定性が低下する場合がある。
(M層の製造方法)
次に、上記F層にM層を設ける。なお、ここでは、真空蒸着法を用いた金属層の製造方法の例を挙げる。
真空蒸着装置内に設置されたフィルム走行装置に、ポリエステルフィルムをセットし、真空蒸着を行う。1.00×10−5〜1.00×10−1Paの高真空で蒸着することが好ましい。0〜50℃の冷却金属ドラムを介して、走行させ、蒸着物を加熱蒸発させ、フィルムの両面に形成して巻取る。フィルム走行速度は、10〜200m/分が好ましく、より好ましくは、50〜150m/分である。走行速度が上記範囲を外れる場合には、金属層の厚みを好ましい範囲に設定することが困難となったり、生産性が劣る場合がある。F層の両側に金属層を設ける場合には、同一の真空層内に2つの加熱蒸着装置と冷却ドラムを設けて、1パスで両面を蒸着することが好ましいが、一度片面に蒸着を行ない、巻き取った後に、再びもう一方の面に金属層を設ける2パスで行っても良い。2パスの場合は勿論であるが、1パスの場合でも、金属層を設ける順序としては、磁性層側、バックコート層側とした方が、カッピングを抑制できるため好ましい。
さらに、上記の方法で磁気記録媒体支持体を作製した後、エージング処理を行うことが、クリープ変形を抑制し、寸法安定性を向上するために好ましい。処理温度は100〜120℃が好ましく、処理時間は10〜40時間が好ましく、より好ましくは、15〜20時間である。上記、エージング処理の好ましい条件のなかでも、処理温度が短い場合は処理時間を長くとる方が好ましいし、処理温度が比較的高めの場合には処理時間は短い方がよい。この温度と時間の両方に関係する処理条件は、示差走査熱量測定(DSC)によって得られる磁気記録媒体のエンタルピー緩和のピーク面積を指標として表すことができ、ピーク面積ΔHは、0.5J/g〜1J/gが好ましい。
エージング処理は、F層を作製した後、M層を設ける前に行うことも可能であるが、この場合、F層の長手方向の熱収縮率が低くなり、蒸着工程でキャンとの密着が低下して、表面が粗くなったり、オリゴマーがフィルム表面に析出して、蒸着工程トラブルを引き起こしやすい。このため、エージング処理は、M層を設けた後に行う方が好ましい。
(物性の測定方法ならびに効果の評価方法)
本発明における特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次の通りである。
(1)固有粘度
得られたポリエステルの固有粘度はO−クロロフェノールを用いてポリマーを溶解して35℃で測定して求めた。
(2)ガラス転移点および融点
ガラス転移点、融点はDSC(TAインスツルメンツ株式会社製、商品名:Thermal lyst2100)により試料量20mg、昇温速度20℃/minで測定した。
(3)ヤング率
得られたF層および磁気記録媒体支持体を試料巾10mm、長さ15cmで切り取り、チャック間100mm、引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分の条件で万能引張試験装置(東洋ボールドウィン製、商品名:テンシロン)にて引っ張る。得られた荷重―伸び曲線の立ち上がり部の接線よりヤング率を計算する。
(4)温度膨張係数(αt)
磁気記録媒体支持体または磁気記録媒体を、幅方向が測定方向となるように長さ12mm、幅5mmに切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、窒素雰囲気下(0%RH)、60℃で30分前処理し、その後室温まで降温させる。その後25℃から70℃まで2℃/minで昇温して、各温度でのサンプル長を測定し、次式より温度膨張係数(αt)を算出する。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値を用いた。
αt={(L60−L40)}/(L40×△T)}+0.5
ここで、上記式中のL40は40℃のときのサンプル長(mm)、L60は60℃のときのサンプル長(mm)、△Tは20(=60−40)℃、0.5は石英ガラスの温度膨張係数(×ppm/℃)である。
(5)湿度膨張係数(αh)
磁気記録媒体支持体または磁気記録媒体を、幅方向が測定方向となるように長さ12mm、幅5mmに切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、30℃の窒素雰囲気下で、湿度30%RHと湿度70%RHにおけるそれぞれのサンプルの長さを測定し、次式にて湿度膨張係数を算出する。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値をαhとした。
αh=(L70−L30)/(L30×△H)
ここで、上記式中のL30は30%RHのときのサンプル長(mm)、L70は70%RHのときのサンプル長(mm)、△H:40(=70−30)%RHである。
(6)磁気テープの寸法安定性
1m幅にスリットした支持体を、張力20kg/mで搬送させ、フィルムの平滑面側の表面に下記組成の磁性塗料および非磁性塗料をエクストルージョンコーターにより重層塗布(上層は磁性塗料で、塗布厚0.1μm、非磁性下層の厚みは1.0μmとした。)し、磁気配向させ、乾燥温度100℃で乾燥させる。次いで反対面に下記組成のバックコートを固形分の厚みが0.5μmとなるように塗布した後、小型テストカレンダー装置(スチール/ナイロンロール、5段)で、温度85℃、線圧200kg/cmでカレンダー処理し、巻き取る。上記テープ原反を1/2インチ幅にスリットし、パンケーキ(長さ5000m)を作成した。
(磁性塗料の組成)
・強磁性金属粉末 : 100重量部
・変成塩化ビニル共重合体 : 10重量部
・変成ポリウレタン : 10重量部
・ポリイソシアネート : 5重量部
・ステアリン酸 : 1.5重量部
・オレイン酸 : 1重量部
・カーボンブラック : 1重量部
・アルミナ : 10重量部
・メチルエチルケトン : 75重量部
・シクロヘキサノン : 75重量部
・ トルエン : 75重量部
非磁性塗料の組成
・二酸化チタン微粒子 :100重量部
・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 :10重量部
・ニッポラン2304(日本ポリウレタン 製ポリウレタンエラストマ):10重量部
・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネート) : 5重量部
・レシチン : 1重量部
・メチルエチルケトン :75重量部
・メチルイソブチルケトン :75重量部
・トルエン :75重量部
・カーボンブラック : 2重量部
・ラウリン酸 :1.5重量部
(バックコートの組成)
・カーボンブラック(平均粒径20nm) : 95重量部
・カーボンブラック(平均粒径280nm): 10重量部
・αアルミナ : 0.1重量部
・変成ポリウレタン : 20重量部
・変成塩化ビニル共重合体 : 30重量部
・シクロヘキサノン : 200重量部
・メチルエチルケトン : 300重量部
・トルエン : 100重量部
上記、磁気テープを、恒温恒湿槽中に設置したフィルム走行寸法測定装置(図1)にセットし、テープを走行させながら、下記の条件でテープの幅を測定した。
測定方法(イ) テープの幅方向熱膨張係数が7ppm/℃以上の場合
(A)張力を0.85Nに変更し、温湿度条件を、10℃10%RHに変更し(設定条件までは1時間で到達)、10℃10%RH条件で23時間保持した。テープ幅は温度変更開始後3時間(放置後2時間)の時点で観測した。
(B)次に、張力を0.55Nに変更し、湿度条件を、30℃80%RHに変更し(設定条件までは1時間で到達)、同様に23時間保持した。テープ幅は温度変更開始後3時間(放置後2時間)の時点で観測した。
(C)上記(A)→(B)→(A)→(B)→(A)→(B)と工程を連続して繰り返し行ない、それぞれテープ幅を測定した。
上記の6点の中でのテープ幅の最大値と最小値の差を、12.65(mm)で割り、ppm単位に変換(1,000,000倍する)し、さらに磁気ヘッドの温度変化分7ppm/℃に測定温度差(30−10=20℃)を乗じた数値である140ppmを減じたものを、テープの相対的な幅変化とした。
測定方法(ロ) テープの幅方向温度膨張係数が7ppm/℃未満の場合
上記測定方法(イ)の(A)の温湿度条件を45℃10%RH、B)の温湿度条件を10℃80%RH とし、磁気ヘッドの温度変化分7ppm/℃に測定温度差(45−10=35℃)を乗じた数値である245ppmを加算したものをテープの相対的な寸法変化量とした。
上記(イ)、(ロ)いずれの評価においても600ppm未満が良好、600ppm以上は不良である。
次の実施例に基づき、本発明の実施形態を説明する。
[実施例1]
平均粒子径が0.3μmの架橋ポリスチレン粒子(架橋PSt)を、得られる組成物の重量を基準として、0.5重量%となるように含有させた固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(樹脂1)、平均粒子径が0.1μmの架橋ポリスチレン粒子(架橋PSt)を、得られる組成物の重量を基準として、0.5重量%となるように含有させた固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(樹脂2)、および不活性粒子を添加しなかった固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂(樹脂3)とを用意し、これらを表1に示す粒子量(それぞれの層の重量が基準)となるように、それぞれのフィルム層(F1層とF2層)を形成する別の2台の押出機に供給して300℃で溶融し、矩形の合流ブロックにて合流させた後にダイから溶融状態で回転中の温度20℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸積層フィルムとした。この際、F1層側を冷却ドラムと接触する側とした。次に、この未延伸積層フィルムを同時2軸延伸機にて、温度85℃にて予熱を行ない、95℃で長手方向に3.2倍の延伸倍率で縦延伸を行ない、幅方向に延伸倍率4.8倍で横延伸を行ない、さらに210℃にて2秒間熱固定処理を行ない、その後冷却して厚さ4.4μmの二軸延伸積層フィルムを得た。
上記の方法で作成した二軸延伸積層フィルムの両面に、以下の方法で、金属層を設けた。まず、真空蒸着装置内に設置されたフィルム走行装置に、得られた二軸延伸積層フィルムをセットし、1.00×10−3Paの高真空にした後に、20℃の冷却金属ドラムを介して走行させた。このとき、アルミを電子ビームで加熱蒸発させ、アルミの金属層(厚み60nm)を形成し、さらに連続で、反対側の面に同様にして金属層を形成し支持体を作成した。
得られたF層および磁気記録媒体支持体の特性を表1に示す。
表1に示すとおり、この磁気記録媒体支持体は、本発明の好ましい範囲を満たしており、高密度磁気テープ用途として優れた特性を有していた。
[実施例2]
平均粒子径が0.6μmの架橋ポリスチレン粒子(架橋PSt)を、得られる組成物の重量を基準として、0.5重量%となるように含有させた固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(樹脂4)、平均粒子径が0.1μmのシリカ粒子(シリカ)を、得られる組成物の重量を基準として、1重量%となるように含有させた固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(樹脂5)および樹脂3とを用意し、これらを表1に示す粒子量(それぞれの層の重量が基準)となるように用い、かつそれぞれの層厚みを表1のとおり変更した以外は実施例1と同様にして厚み4.8μmのF層である二軸延伸積層フィルムを得た。さらに金属層をF1層側の表面のみに150nmの厚みで形成する以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体支持体を得た。得られたF層および支持体の特性を表1に示す。この磁気記録媒体は本発明の範囲を満たしており、寸法安定性に優れた高密度磁気テープ媒体を作成することができた。
[実施例3]
平均粒子径が0.3μmのシリカ粒子(シリカ)を、得られる組成物の重量を基準として、1重量%となるように含有させた固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(樹脂6)、樹脂2および樹脂3とを用意し、これらを表1に示す粒子量(それぞれの層の重量が基準)となるように用い、かつそれぞれの層厚みおよび延伸倍率を表1のとおり変更した以外は実施例1と同様にして厚み4.5μmのF層である二軸延伸積層フィルムを得た。さらに蒸着源を酸化ケイ素に変更しF1層のみに200nmの厚みで形成する以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体用支持体を得た。得られたF層および支持体の特性を表1に示す。この磁気記録媒体は本発明の範囲を満たしており、寸法安定性に優れた高密度磁気テープ媒体を得ることができた。
[実施例4]
平均粒子径が0.5μmのシリコーン樹脂粒子(シリコーン)を、得られる組成物の重量を基準として、0.5重量%となるように含有させた固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(樹脂7)、平均粒子径が0.2μmの架橋ポリスチレン粒子(架橋PSt)を、得られる組成物の重量を基準として、0.5重量%となるように含有させた固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(樹脂8)、樹脂2および樹脂3とを用意し、これらを表1に示す粒子量(それぞれの層の重量が基準)となるように用い、かつそれぞれの層厚みを表1のとおり変更しそれ以外は実施例3と同様にして厚み4.1μmのF層である二軸延伸積層フィルムを得た。得られた二軸延伸積層フィルムの両面に酸化ケイ素の蒸着層を200nm厚みで実施例3と同様にして形成し磁気記録媒体用支持体を得た。得られたF層および支持体の特性を表1に示す。この磁気記録媒体は本発明の範囲を満たしており、寸法安定性に優れた高密度磁気テープ媒体を得ることができた。
[実施例5]
平均粒子径が0.5μmの架橋ポリスチレン粒子(架橋PSt)を、得られる組成物の重量を基準として、0.5重量%となるように含有させた固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(樹脂9)、樹脂2、樹脂3およびポリエーテルイミド( GE製、商品名ULTEM1010)を30重量%含有させ不活性粒子を添加しなかった固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(樹脂10)とを用意し、F1層およびF2層に添加する粒子の種類、粒径、添加量(それぞれの層の重量が基準)、層厚みを表1のとおり変更し、さらにポリエーテルイミドをF1層およびF2層ともに、それぞれの層の重量を基準として、15重量%となるように変更した以外は実施例3と同様にしてF層である二軸延伸積層フィルムを得た。得られた二軸延伸積層フィルムの両面に酸化ケイ素の蒸着層を50nm厚みで実施例3と同様にして形成し磁気記録媒体用支持体を得た。得られたF層および支持体の特性を表1に示す。この磁気記録媒体は本発明の範囲を満たしており、寸法安定性に優れた高密度磁気テープ媒体を得ることができた。
[実施例6]
平均粒子径が0.5μmの架橋ポリスチレン粒子(架橋PSt)を、得られる組成物の重量を基準として、0.5重量%となるように含有させた固有粘度0.62のポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂組成物(樹脂11)、平均粒子径が0.1μmの架橋ポリスチレン粒子(架橋PSt)を、得られる組成物の重量を基準として、0.5重量%となるように含有させた固有粘度0.62のポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂組成物(樹脂12)、および不活性粒子を添加しなかった固有粘度0.62のポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂(樹脂13)とを用意し、これらを表1に示す粒子量(それぞれの層の重量が基準)となるように、それぞれのフィルム層(F1層とF2層)を形成する別の2台の押出機に供給して300℃で溶融し、矩形の合流ブロックにて合流させた後にダイから溶融状態で回転中の温度60℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸積層フィルムとした。次にこの未延伸フィルムを同時2軸延伸機にて、温度115℃にて予熱を行ない、135℃で長手方向に延伸倍率4.5倍、幅方向に延伸倍率6.0倍で延伸を行ない、さらに205℃にて2秒間熱固定処理を行ない、その後に冷却して厚さ4.2μmの二軸延伸積層フィルムを得た。得られた二軸延伸積層フィルムのF1層側には酸化ケイ素の蒸着層を100nm厚みで形成し、F2層側には酸化ケイ素の蒸着層を200nm厚みで形成し、磁気記録媒体用支持体を得た。得られたF層および支持体の特性を表1に示す。この磁気記録媒体は本発明の範囲を満たしており、寸法安定性に優れた高密度磁気テープ媒体を得ることができた。
[実施例7]
平均粒子径が0.6μmの架橋ポリスチレン粒子(架橋PSt)を、得られる組成物の重量を基準として、0.5重量%となるように含有させた固有粘度0.62のポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂組成物(樹脂14)、平均粒子径が0.08μmの架橋ポリスチレン粒子(架橋PSt)を、得られる組成物の重量を基準として、0.5重量%となるように含有させた固有粘度0.62のポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂組成物(樹脂15)、樹脂12および樹脂13を用意し、F1層およびF2層に添加する粒子の種類、粒径、添加量、層厚みを表1のとおり変更した以外は実施例6と同様にして厚み3.7μmのF層の二軸延伸積層フィルムを得た。得られた二軸延伸積層フィルムの両面に酸化ケイ素の蒸着層を200nm厚みで形成し磁気記録媒体用支持体を得た。得られたF層および支持体の特性を表1に示す。この磁気記録媒体は本発明の範囲を満たしており、寸法安定性に優れた高密度磁気テープ媒体を得ることができた。
[比較例1]
実施例1で作成した二軸延伸積層フィルム(F層)に蒸着操作をせずにそのまま磁気記録媒体支持体として用いた。得られた支持体の特性を表1に示すが、寸法安定性は739ppmと非常に悪かった。
[比較例2]
延伸倍率を長手方向4.0倍、幅方向4.5倍に変更する以外は実施例1と同様にして厚み4.4μmの二軸延伸積層フィルム(F層)を作成し、実施例1と同様にしてアルミニウムを両面に蒸着した磁気記録媒体支持体を得た。得られた支持体の特性を表1に示すが、ポリエステルフィルムの配向状態が実施例1とは異なるため、得られた支持体の温度膨張係数が本発明の範囲から外れており、磁気テープとしての寸法安定性が不十分であった。
[比較例3]
延伸倍率を長手方向2.8倍、幅方向5.2倍に変更する以外は実施例1と同様にして二軸延伸積層フィルムからなるF層を作成した。さらにF層の両面に厚みを25nmとする以外は実施例1と同様にしてアルミニウムを蒸着した磁気記録媒体支持体を作成した。得られた支持体の特性を表1に示すが、F層の配向状態とM層との組合せが不適であるため、得られた支持体の温度膨張係数が本発明の範囲から外れており、磁気テープとしたときの寸法安定性が不十分であった。
[比較例4]
F層の両面に設けるM層を、表1に示すとおり、実施例6の酸化ケイ素からなる厚み100nmのM層に変更した以外は、比較例2と同様にして磁気記録媒体支持体を得た。得られた磁気記録媒体支持体の特性を表1に示す。ポリエステルフィルムの配向状態が不適であるため、得られた支持体の温度膨張係数が本発明の範囲から外れており、磁気テープとしたときの寸法安定性が不十分であった。
[比較例5]
F層の両面に設けるM層を、表1に示すとおり、実施例6の酸化ケイ素からなる厚み50nmのM層に変更した以外は、比較例3と同様にして磁気記録媒体支持体を得た。得られた磁気記録媒体支持体の特性を表1に示す。ポリエステルフィルムの配向状態とM層との組合せが不適であるため、得られた支持体の温度膨張係数が本発明の範囲から外れており、磁気テープとしたときの寸法安定性が不十分であった。
Figure 0005112923
表1中の、MDはフィルムの長手方向、TDはフィルムの幅方向、PEIはポリエーテルイミドを表す。
本発明の磁気記録媒体支持体は、特にデータストレージ用の高密度記録の磁気テープに好ましく用いられる。
フィルム走行試験装置の概略図である。
符号の説明
1:レーザー発振器
2:受光部
3:巻きだしロール
4:巻き取りロール
5:フリーロール
6:フリーロール
7:フリーロール
8:フリーロール
9:磁気テープ
10:レーザー光

Claims (7)

  1. 二軸配向ポリエステルフィルム層(F層)の少なくとも片面に金属類または金属系無機化合物からなる層(M層)が設けられた支持体であり、リニア記録方式の塗布型磁気記録テープの支持体に用いること、支持体の長手方向と幅方向のヤング率の比(YMD/YTD)が0.55〜0.9であること、および該支持体の幅方向の温度膨張係数が0未満、−5ppm/℃以上であることを特徴とする磁気記録媒体支持体。
  2. F層の両面にM層が設けられている、請求項1に記載の磁気記録媒体支持体。
  3. M層の厚みが5〜500nmである、請求項1または2に記載の磁気記録媒体支持体。
  4. 支持体の長手方向のヤング率(YMD)が5〜20GPaであり、幅方向のヤング率(YTD)が8〜20GPaである、請求項1〜3のいずれかに記載の磁気記録媒体支持体。
  5. 二軸配向ポリエステルフィルムの長手方向と幅方向のヤング率の比(YMD/YTD)が0.5〜1.0である、請求項1〜のいずれかに記載の磁気記録媒体支持体。
  6. 少なくとも一方向の湿度膨張係数が1〜7ppm/%RHの範囲にある請求項1〜のいずれかに記載の磁気記録媒体支持体。
  7. 二軸配向ポリエステルフィルムを形成するポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜のいずれかに記載の磁気記録媒体支持体。
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