JP2004093415A - バイオアッセイ用基板と基板情報読み取り装置及び基板情報読み取り方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】試料物質を任意の反応領域部位に効率良くかつ的確に配置又は滴下すること。任意の反応領域部位におけるハイブリタイゼーション等の相互反応作用を的確に検出すること。
【解決手段】光学的に記録情報の読み取りが可能とされ、検出用物質Dと標的物質Tとの相互反応作用の場を提供する反応領域21bを少なくとも備えるデータ検出用領域21、並びに前記データ検出領域21と重なり合わない領域に形成され、前記データ検出領域21の位置情報を光学的に提供するサーボ用領域22、これらの領域21,22を備える検出部2が設けられた基板1等を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】光学的に記録情報の読み取りが可能とされ、検出用物質Dと標的物質Tとの相互反応作用の場を提供する反応領域21bを少なくとも備えるデータ検出用領域21、並びに前記データ検出領域21と重なり合わない領域に形成され、前記データ検出領域21の位置情報を光学的に提供するサーボ用領域22、これらの領域21,22を備える検出部2が設けられた基板1等を提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バイオインフォマティクス(生命情報科学)分野において特に有用なバイオアッセイ用基板及び該バイオアッセイ用基板が保有する情報を読み取るための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、分子間の相互反応作用の解析や遺伝子の変異解析、SNPs(一塩基多型)分析、遺伝子発現頻度解析等を目的として、既知の配列をもつDNAプローブ等の検出用のヌクレオチド鎖や蛋白質等を、基板上の所定の検出表面部位に配置して、標的分子との間での相互反応作用の状態を光学的に検出するバイオアッセイ技術がある。この技術は、創薬、臨床診断、薬理ジェノミクス、法医学その他の分野において広範囲に活用され始めている。
【0003】
前記バイオアッセイ技術を効率良く行うための代表的なツールとして、マイクロアレイ技術によって所定のDNAプローブ等が微細配列された、いわゆるDNAチップ又はDNAマイクロアレイ(以下、「DNAチップ」と総称。)と呼ばれるバイオアッセイ用の集積基板がある。
【0004】
このDNAチップは、ガラス基板やシリコン基板上に多種・多数のDNAオリゴ鎖やcDNA(complementary DNA)等が集積されていることから、ハイブリダイゼーション等の分子間相互反応作用の網羅的解析が可能となる点を特徴としている。
【0005】
DNAチップによる解析手法の一例を簡潔に説明すれば、ガラス基板やシリコン基板上に固相化されたDNAプローブに対して、細胞、組織等から抽出したmRNAを逆転写PCR反応等によって蛍光プローブdNTPを組み込みながらPCR増幅し、前記基板上においてハイブリダイゼーションを行い、所定の検出器で蛍光測定を行うという手法である。
【0006】
種々のDNAチップで採用されている蛍光測定は、検出表面に固定化された状態の検出用ヌクレオチド鎖とハイブリダイゼーションした標的ヌクレオチド鎖に標識された蛍光物質や相補結合部位に挿入された蛍光インターカレータを所定波長の励起光で励起し、発光する蛍光を検出するというものである。
【0007】
ここで、図5は、この従来のハイブリダイゼーション検出方法の一般的な原理を簡単に説明する図である。まず、基板100のX・Y方向に形成された所定の反応領域部位(スポット部位)101に、複数の検出用ヌクレオチド鎖Dを固定化して配列し、一方の滴下する標的ヌクレオチド鎖Tは、蛍光物質Fで標識しておく。
【0008】
各反応領域部位101,101・・・において、検出用ヌクレオチド鎖Dと蛍光標識された標的ヌクレオチド鎖Tをハイブリダイゼーションさせ、洗浄作業後に、各反応領域部位101,101・・・からの蛍光発光をCCDカメラ等の二次元光センサー102で検出する。これにより、アクティブなハイブリダイゼーションが生じたか否かによって反応領域部位101毎に明暗を観察できる。二次元光センサーからの画像データは、コントローラ103によってコンピュータに転送され、ディスプレイ104に画像表示される。このようにして、標的ヌクレオチド鎖Tがどの検出用ヌクレオチド鎖Dとハイブリダイゼーションしたかを網羅的に解析する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、DNAプローブ等の検出用ヌクレチド鎖あるいは標的ヌクレオチド鎖をチップ基板上に配置又は滴下するときには、手作業又は自動駆動のX−Yステージで滴下する構成であるため、各工程にかなりの時間を要していた。
【0010】
また、解析のための2次元センサーによる観察は、光学系全体が大型となるため、ポータブルな検出装置を実現することは難しい。また、センサーの分解能からすると、多数のDNAプローブを配置することは困難であった。
【0011】
そこで、本発明は、複数の反応領域部位が配設された円盤状基板に、検出用物質あるいは標的物質を任意の反応領域部位に効率良くかつ的確に配置又は滴下できるようにするとともに、また、任意の反応領域部位におけるハイブリタイゼーション等の相互反応作用を的確に検出できるようにすることを主な目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために、まず、本願においては、以下の「バイオアッセイ用基板」を提供する。なお、本願において「バイオアッセイ」とは、ハイブリダイゼーションその他の物質間の相互反応に基づく生化学的分析を広く意味する。
【0013】
本発明に係る「バイオアッセイ用基板」は、光学的に記録情報の読み取りが可能とされた円盤状基板を用いて、(1)検出用物質と標的物質との相互反応作用の場を提供する反応領域を少なくとも備えるデータ検出用領域、(2)前記データ検出領域と重なり合わない領域に形成され、前記データ検出領域の位置情報を光学的に提供するサーボ用領域、以上(1)、(2)の領域部分を一単位とする「検出部」が配設された構成とする。
【0014】
前記検出部は、一例として少なくとも基板周方向に、好ましくは基板周方向と半径方向に区画(セグメント)されたセル状の単位構造部位であるが、その形状に特に限定はない。この検出部は、前記データ検出領域と前記サーボ領域が区別された領域に設けられている点にその構造上の特徴がある。即ち、データ検出領域は、専ら相互反応作用の場を提供する役割を果たし、位置情報提供機能を持たない。一方のサーボ領域は、専ら各検出部に固有の位置情報を提供する役割を果たし、相互反応作用の場を提供する機能を持たない。
【0015】
また、検出部は、円盤状の基板を回転させながら試料溶液を滴下し、又は相互反応作用の状態を検出できるようにする目的から、前記検出部は、周方向に複数配設するようにし、具体的には、基板上に同心円状又はスパイラル状に配設するようにする。
【0016】
検出部の反応領域には、前記検出用物質が固定可能なように表面処理が施された検出表面を設け、この検出表面に固定化された状態の検出用物質と標的物質との間で相互反応作用を行うようにすることもできる。
【0017】
ここで、前記サーボ領域の位置情報としては、光ディスク技術分野で採用される、いわゆる「トラッキングマーク」と「アドレスマーク」を適用し、これらのマークから光ピックアップにより情報を採用する。トラッキングマークは、検出部の半径位置情報を提供するものであって、例えば、半径方向に1/4トラック+と−方向に位置した凹凸マークを採用できる。アドレスマークは、当該検出部の基板上の番地情報を提供するものであって、例えば、基板上に形成された微小な凹凸パターンに基づいて形成できる。
【0018】
なお、本発明に係る「バイオアッセイ用基板」は、前記検出用物質及び前記標的物質はヌクレオチド鎖であって、前記相互反応作用がハイブリダイゼーションである場合には、DNAチップとして機能させることができ、遺伝子の網羅的解析等に利用することができる。
【0019】
次に、本願では、上記構成のバイオアッセイ用基板が保有する情報を、光学的に的確に読み取ることができる装置又は方法を提供する。
【0020】
具体的には、所定の試料溶液を前記データ検出用領域に滴下するための吐出ヘッドの位置決め動作又は位置決め工程と、前記位置情報の検出並びに前記反応領域における前記相互反応作用情報を検出するための光照射及び反射光の受光(以下、本願では「光ピックアップ」と称する。)を行うための光学ヘッドの位置決め動作又は位置決め工程を、前記サーボ用領域から得られる位置情報に基づいて制御するように工夫し、好ましくは、前記データ検出領域には、検出用の励起光のみが照射されるように構成し、サーボ領域の位置情報を得るための光はデータ検出領域には照射されないようように工夫された基板情報読み取り装置又は基板情報読み取り方法を提供する。なお、前記反射光は、基板のサーボ用領域又はデータ検出用領域への光照射によって、基板から戻ってくる光を意味する。
【0021】
本装置又は本方法によれば、複数の反応領域部位が配設された円盤状基板に、検出用物質あるいは標的物質を任意の反応領域部位に効率良くかつ的確に配置又は滴下できるようになるとともに、また、任意の反応領域部位におけるハイブリタイゼーション等の相互反応作用を的確に検出できるようになる。
【0022】
以上のように、本発明は、DNAチップやバイオセンサーチップに関連する新規な集積基板技術並びに該集積基板の情報読み取り技術を提供するという技術的意義を有している。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明に係るバイオアッセイ用基板及び検出部の構成を簡略に示す図、図2は、
同基板における検出部の配置例を示す図、図3は、同検出部を構成するデータ検出領域の一実施形態の外観斜視図である。
【0024】
まず、本発明で採用可能な実施形態は、本願の目的上、より短時間で効率よく、DNAプローブ等の検出用物質を基板上に配列できるように構造形態上工夫された検出部が予め多数配設された、安価かつ大量生産可能な基板であり、また、物質間の相互反応作用(例えば、ハイブリダイゼーション)の検出をよりコンパクトな装置で実施できる基板情報読み取り装置である。
【0025】
そこで、第一に本発明では、図1等に示されたような円盤形状の基板1を採用することとし、この基板1に、検出用物質を回転方向(周方向)と半径方向に区分けして配列するようにする構成する。
【0026】
前記基板1は、CD、DVD、MD等の光情報記録媒体に用いられる円盤基板(ディスク)に採用される基材から形成することができる。該基材は、石英ガラスやシリコン、ポリカーボネート、ポリスチレンその他の円盤状に成形可能な合成樹脂、好ましくは射出成形可能な合成樹脂によって円盤状に形成することができる。安価な合成樹脂基板を用いることで、従来使用されていたガラスチップに比して低ランニングコストを実現でき、大量生産も可能である。なお、基板1の中心には、基板を回転する場合に使用されるスピンドル固定用の孔(図示せず)が形成される場合もある。
【0027】
この基板1の一方の表面には、反射膜である厚さ40nm程度のアルミ蒸着層を形成する。該アルミ蒸着層は反射膜として機能する。この反射膜は、屈折率1.5以上の基盤単体からの表面反射4%以上とする。この反射膜の上層には、透明なガラスや透明樹脂等からなる光透過層が成膜されている。なお、基材が高反射率の材料である場合には、基材表面自体が反射面として機能するので前記反射膜は形成しなくてもかまわない。なお、金属膜などの高反射率膜を形成すれば蛍光標識された標的物質の蛍光強度を、感度良く検出することができる。
【0028】
基板1表面の前記光透過層には、図1に拡大して示されているセル状の検出部2が、図2に示すように、周方向に多数配列されている。なお、以下の検出部2の機能に係わる説明においては、検出用物質と標的物質が共に一本鎖のヌクレオチド鎖である場合を代表例とするが、検出部2の対象反応物質をこれに限定する趣旨ではない。
【0029】
この検出部2は、符号21で示されたデータ検出領域と、符号22で示されたサーボ領域と、を備えており、前記データ検出領域21には、図3において符号Dで示す検出用ヌクレオチド鎖の末端部位が固定できるように慣用の方法で表面処理が施された検出表面21aと、該検出表面21aに予め固定された前記検出用ヌクレオチド鎖Dと吐出ヘッド(ノズル)Nから後滴下されてくる標的ヌクレオチドとの間のハイブリダイゼーション反応の場となる反応領域21bと、が形成されている。なお、図3では、データ検出領域を簡略に図示するため、上方視矩形状に表現しているが、正確には上方視円弧状をなす。
【0030】
検出表面21aは、検出用ヌクレオチド鎖Dの末端がカップリング反応等の結合によって固定されるように表面処理されている。即ち、検出表面21aは、DNAプローブ等の検出用ヌクレオチド鎖Dの予め加工された末端部位を固定化するのに好適な表面処理が施されていればよいのであって、狭く限定されない。一例を挙げれば、ストレプトアビジンによって表面処理された検出表面Sの場合には、ビオチン化されたヌクレオチド鎖末端の固定化に適している。
【0031】
ここで、好ましくは、検出表面21aと(検出用物質である)検出用ヌクレオチド鎖Dの間に、検出用物質あるいは標的物質と相互反応性のない任意のスペーサ分子を挿入するとよい。これにより、反応領域21bに検出用ヌクレオチド鎖Dをより露出させることができるので、標的ヌクレオチド鎖Tとのハイブリダイゼーションにおける立体障害が軽減され、ハイブリダイゼーション効率を向上させることができる。
【0032】
ここで、検出用ヌクレオチド鎖Dや標的ヌクレオチド鎖Tを含む試料溶液Sを前記反応領域21bに滴下する手段は、慣用の方法の中から適宜選択可能であるが、好適にはインクジェットプリンティング方法を採用することができる。
【0033】
その理由は、所定の反応領域21bに正確に追従して、微小滴を、正確に滴下することができるからである。このインクジェットプリンティング法は、インクジェットプリンターで用いられるノズルを応用する方法であって、電気を用いてインクジェットプリンターのようにプリンターヘッドから基板に検出用物質を噴射し、固定する方法である。この方法には、圧電式インクジェット法、バブルジェット(登録商標)法、超音波ジェット法がある。
【0034】
本発明においては、「インクジェットプリンティング法」として、圧電体にパルスを印加することによって生じる変位の圧力によって液滴を飛ばす方法である「圧電式インクジェッティング法」を特に採用できる。印加するパルスの形状を変えることによって、液滴(微小滴)のサイズを制御することができるので、解析精度向上に好適である。液滴表面の曲率半径が小さいときは液滴を小さくし、液滴の曲率半径が大きいときは、液滴を大きくすることができる。また、パルスを急激に負の方向に変化させることにより液滴表面を内側に引っ張り、曲率半径を小さくすることも可能である。
【0035】
図2に示す例では、検出部2は周方向に8等分され、また、半径方向に2列設けられているが、検出部2の数に特に制限はない。この検出部2を同心円状あるいは渦状(スパイラル状)に配設すると、後述するように、基板1を回転させながら検出用物質Dや標的物質Tを連続して滴下することができ、また、連続して読取動作を行うことができるので好適である。なお、「連続して」とは、全く途切れることなく常に動作を行うことのみならず、動作を長時間中断することなく、ほぼ常に動作を行う状態も含まれる。
【0036】
図2に示す例では、検出部2は周方向に等分された構成になっている。サーボ領域22の長さは、書き込むべきサーボ情報に応じて若干の長短はあるが、基板1全体から比較すればほぼ同一長と考えて支障がないので、検出部2が外周にいくに従って、データ検出領域21は長くなることになる。
【0037】
データ検出領域21の寸法を全ての検出部2で同一とする構成も可能であるが、後述する基板情報読取の際に、確実な検出を行うためには、内周の検出部2における基板回転速度よりも外周の検出部2における基板回転速度を遅くして、全てのデータ検出領域21における読取時の線速度の変動を抑えることが望ましい。
【0038】
一方、検出部2を周方向に等分した場合は、検出部2の位置に関係なく基板1の回転速度を常時一定にしておいて問題ない。この議論は、光ディスク技術におけるCAV(角速度一定:Constant Angular Velocity)記録方式とCLV(線速度一定:Constant Linear Velocity)記録方式を対比すると理解し易い。
【0039】
ここで、本発明では、例えば、図2に示すような例の円盤状の基板1を回転させながら、周方向に配置した上記検出部2(の反応領域21b)に精度よく、試料溶液Sを吐出ヘッドNから滴下し、各検出部2から得られる蛍光を検出するための光ピックアップ動作を制御する。
【0040】
周方向に複数に分割された区画部位に設けられる検出部2をスパイラル状に、即ち、半径方向に渦状に配置した場合は、連続して試料溶液Sを滴下することができ、また連続して光ピックアップ解析を実施できるので、好適である。
【0041】
以下、図4に基づいて、本発明に係る基板情報読み取り装置と該装置を用いる基板情報読み取り方法の好適な一実施形態について説明する。
【0042】
まず、既述したように各検出部2は、データ検出領域21とサーボ領域22を備え、サーボ領域22には、半径位置制御用のサーボマーク221と、各検出部2の基板1上の番地情報を提供するアドレスマーク222と、が設けられている(図1再参照)。この検出部2を図1、図2のような配置構成で周方向又はスパイラルに配設すると、データ検出領域21、サーボ領域22の順番で次々に形成され、サーボ領域22は不連続状態となるため、光ディスク技術分野で言うサンプルサーボ方式となる。なお、図1の線Lは、光ピックアップ再生信号を表している。
【0043】
サーボマーク221とアドレスマーク222は、慣用の光ディスクマスタリングプロセスにより形成することができる。即ち、基板1を光ディスクとして考えた場合、滴下検出位置である反応領域21bをユーザーデータ領域と考え、他の領域は、サンプルサーボ方式等により同期ピットを配列し、かつトラッキングサーボとしても利用し、更に、直後にアドレス部(ディスク上の地理的な番地、図2参照)を挿入することによって位置情報を与えることができる。
【0044】
アドレス部は、先頭パターンであるセクターマークから始まり、実際に回転しているディスクの回転位相を与えるVFO(Variable Frequency Oscillator)とアドレスデータの開始位置を与えるアドレスマークとトラックとセクタのナンバーが入ったID(Identifer)等が組み合わされてなる。
【0045】
基板1の半径方向の情報は、それぞれ半径方向に1/4トラック+と一方向に位置するトラッキングマーク221(図1参照)からの信号レベルの差分によるファインエラー信号とアドレスマーク222とから得られるトラック位置情報に基づく。このトラック位置情報を用いて、基板1全体を、図4中符号3で示されている半径ステージで駆動することによって、光学ヘッドH並びに吐出ヘッドNの位置決めを行う。
【0046】
吐出ヘッドN並びに光ピックアップを行う光学ヘッドHの位置決め動作に係わる制御は、半径ステージ3に載置されて回転する基板1の読み取り側から光ピックアップにより得られた再生信号からのアドレス・トラッキングエラー信号TE並びにフォーカスエラー信号FEに基づいて行う。
【0047】
図4における符号8は、ダイクロイックミラー7を通過して直進してきた特定の波長部分の戻り光Pzを捕捉して検出するためのフォトディテクタを示しており、符号9は、前記フォトディテクタ8からの信号をIV変換する変換器、符号10は、エラー信号検出部を示している。エラー信号検出部10では、アドレス・トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEを得る。符号11は位相補償回路部、符号12は半径ステージ駆動回路部、符号13はPLL(Phase Locked Loop)回路部及びアドレス検出部を表し、符号14は前記PLL回路部及びアドレス検出部13から得られる、トラックアドレスと目標位置との間のラフエラー信号をそれぞれ表している。なお、エラー信号検出部10には、サンプルサーボ方式の場合は、サンプルホールド回路を設ければよい。
【0048】
光ディスク技術に照らせば再生光学系とも言える光学ヘッドHのフォーカシングは、慣用の光ディスク装置で一般に用いられる非点周差法により得られるフォーカスエラー信号FE(図4参照)に基づいて、対物レンズ4を制御することにより行う。なお、符号15は光学ヘッドHのフォーカシングに用いられる位相補償回路部、符号16は前記対物レンズ4の動作を制御するフォーカス駆動回路部をそれぞれ示している。
【0049】
次に、試料溶液Sを吐出ヘッドNから吐出する際は、符号13のアドレス検出部によって、再生信号から得られる検出部2のサーボ信号に基づいて検出部2(の位置)を検出し、符号13のPLL回路で生成したタイミング信号Iに基づいて、吐出ヘッドNが(検出部2の)データ検出領域21の位置に来たときに、検出用ヌクレオチド鎖Dあるいは標的ヌクレオチド鎖Tを含む試料溶液S(図4参照)の吐出動作を行う。なお、図4中の符号17は、前記タイミング信号Iによって、吐出ヘッドNによる試料溶液Sの吐出動作を制御するための駆動回路を表している。
【0050】
ここで、検出用ヌクレオチド鎖Dあるいは標的ヌクレオチド鎖Tを光照射の影響から保護する目的から、サーボ用に設けられた再生LD光源5は、(検出部2の)サーボ領域22(図1参照)においてのみ発光するように構成する。図4中の符号Pxは、再生LD光源5から出射されたサーボ用のレーザー光を表している。
【0051】
蛍光量のレベル検出を行う際には、サーボ用の前記再生LD光源5は、データ検出領域21(図1参照)では消光させる。そして、検出時(再生時)においては、図4に示された蛍光励起用の光源6を用い、該光源6から出射される励起光Pyを標的ヌクレオチド鎖Tに標識された蛍光物質F(又は二本鎖ヌクレオチド鎖に挿入された蛍光インターカレータ)に照射する。
【0052】
続いて、励起光Pyの戻り光Pzを波長選択性のあるダイクロイックミラー7により直角に分岐させて(図4参照)、後続のフォトディテクタ18で捕捉・検出し、続く変換器19でIV変換し、検出部20において蛍光量のレベル検出を行い、コンピュータCのディスプレイに解析結果を表示する。
【0053】
ここで、図4に示された実施形態において、光源を二つ(符号5,6)設けた理由について説明する。まず、光ディスク技術においては、サーボ用の光源として用いられる光源の波長は、例えばCDでは780nm、DVDでは650nmと赤色光、赤色光領域の波長である。
【0054】
一方、ヌクレオチド鎖を標識するための蛍光物質F(図3参照)は、例えば後述するPOPO−1であれば、約440nm近傍の青色領域の励起波長を有する。また、蛍光物質Fとして、CDやDVDで用いられている光源の波長に近い励起波長を有するものを使用すれば、光源5,6を共通化することも可能であるが、サーボを正確に行うために光強度を上げると検出用物質Dや標的物質Tに何らかの影響を及ぼす可能性がある。
【0055】
このため、光源6は、蛍光物質Fに適した波長のもので、かつ検出用物質Dや標的物質Tに影響を及ぼさないような光強度とし、光源5は、CDやDVDで用いられている光源を流用するか、あるいはそれに類似するものを使用し、かつ光強度はサーボを正確に行うことができる範囲とすることで、効率の良いサーボと検出動作を行いつつ、検出用物質Dや標的物質Tへの光照射の影響を抑制することができる。
【0056】
二つある光源5,6を一つにし、光強度をデータ検出領域21とサーボ領域22で変化させることによって、蛍光測定と位置情報読み取りにそれぞれ適した光ピックアップを行うようにしてもよい。
【0057】
本発明においては、試料物質の標識方法は狭く限定されることない。例えば、標的物質を蛍光物質で標識する方法に加えて、蛍光インターカレータを用いてもよい。蛍光インターカレータは、検出用ヌクレオチド鎖Dと標的ヌクレオチド鎖Tとの塩基間の水素結合中に挿入されるように、ハイブリダイゼーションした二本鎖ヌクレオチド鎖に取り込まれる。これにより、長波長側に蛍光波長がシフトし、かつ、蛍光強度と二本鎖DNAに取り込まれた蛍光インターカレータの量との間の相関関係に基づいて、定量的な検出が可能になる。蛍光インターカレータに用いる蛍光色素としては、POPO−1やTOTO−3等が考えられる。
【0058】
以上説明した構成の基板情報読み取り装置Uを採用すれば、各検出部2のデータ検出領域21とサーボ領域22において、時分割で光源5,6を制御することが可能となる。この結果、高い精度のエラー信号による制御を行うことが可能となり、かつ試料物質(T,D)の損傷を避けることが可能となる。
【0059】
【発明の効果】
(1)本発明によれば、複数の反応領域部位が配設された円盤状基板に、検出用物質あるいは標的物質を任意の反応領域部位に効率良くかつ的確に配置又は滴下できるようにするとともに、また、任意の反応領域部位におけるハイブリタイゼーション等の相互反応作用を的確に検出することができる。
【0060】
(2)極めて安価に大量生産可能な光ディスク形態の基板により、厳密なハイブリダイゼーションその他の物質間相互反応作用の検出が、試料物質にダメージを与えることなく高精度に測定することができる
【0061】
(3)本発明は、DNAチップやバイオセンサーチップに基づくバイオアッセイ方法に特に有用であり、遺伝子の変異解析、SNPs(一塩基多型)分析、遺伝子発現頻度解析等に利用でき、創薬、臨床診断、薬理ジェノミクス、法医学その他の分野において広範囲に活用でき、更には、抗原抗体反応の検査、内分泌攪乱物質の検定等に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバイオアッセイ用基板(1)及び検出部(2)の構成を簡略に示す図
【図2】同基板(1)における検出部(2)の配置例を示す図
【図3】同検出部(2)を構成するデータ検出領域(21)の一実施形態の外観斜視図
【図4】本発明に係る基板情報読み取り装置(U)と該装置(U)を用いる基板情報読み取り方法の好適な実施形態を表す図
【図5】典型的な従来技術の構成を簡略に表す図
【符号の説明】
1 バイオアッセイ用基板
2 検出部
21 データ検出領域
22 サーボ領域
221 トラッキングマーク
223 アドレスマーク
U 基板情報読み取り装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、バイオインフォマティクス(生命情報科学)分野において特に有用なバイオアッセイ用基板及び該バイオアッセイ用基板が保有する情報を読み取るための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、分子間の相互反応作用の解析や遺伝子の変異解析、SNPs(一塩基多型)分析、遺伝子発現頻度解析等を目的として、既知の配列をもつDNAプローブ等の検出用のヌクレオチド鎖や蛋白質等を、基板上の所定の検出表面部位に配置して、標的分子との間での相互反応作用の状態を光学的に検出するバイオアッセイ技術がある。この技術は、創薬、臨床診断、薬理ジェノミクス、法医学その他の分野において広範囲に活用され始めている。
【0003】
前記バイオアッセイ技術を効率良く行うための代表的なツールとして、マイクロアレイ技術によって所定のDNAプローブ等が微細配列された、いわゆるDNAチップ又はDNAマイクロアレイ(以下、「DNAチップ」と総称。)と呼ばれるバイオアッセイ用の集積基板がある。
【0004】
このDNAチップは、ガラス基板やシリコン基板上に多種・多数のDNAオリゴ鎖やcDNA(complementary DNA)等が集積されていることから、ハイブリダイゼーション等の分子間相互反応作用の網羅的解析が可能となる点を特徴としている。
【0005】
DNAチップによる解析手法の一例を簡潔に説明すれば、ガラス基板やシリコン基板上に固相化されたDNAプローブに対して、細胞、組織等から抽出したmRNAを逆転写PCR反応等によって蛍光プローブdNTPを組み込みながらPCR増幅し、前記基板上においてハイブリダイゼーションを行い、所定の検出器で蛍光測定を行うという手法である。
【0006】
種々のDNAチップで採用されている蛍光測定は、検出表面に固定化された状態の検出用ヌクレオチド鎖とハイブリダイゼーションした標的ヌクレオチド鎖に標識された蛍光物質や相補結合部位に挿入された蛍光インターカレータを所定波長の励起光で励起し、発光する蛍光を検出するというものである。
【0007】
ここで、図5は、この従来のハイブリダイゼーション検出方法の一般的な原理を簡単に説明する図である。まず、基板100のX・Y方向に形成された所定の反応領域部位(スポット部位)101に、複数の検出用ヌクレオチド鎖Dを固定化して配列し、一方の滴下する標的ヌクレオチド鎖Tは、蛍光物質Fで標識しておく。
【0008】
各反応領域部位101,101・・・において、検出用ヌクレオチド鎖Dと蛍光標識された標的ヌクレオチド鎖Tをハイブリダイゼーションさせ、洗浄作業後に、各反応領域部位101,101・・・からの蛍光発光をCCDカメラ等の二次元光センサー102で検出する。これにより、アクティブなハイブリダイゼーションが生じたか否かによって反応領域部位101毎に明暗を観察できる。二次元光センサーからの画像データは、コントローラ103によってコンピュータに転送され、ディスプレイ104に画像表示される。このようにして、標的ヌクレオチド鎖Tがどの検出用ヌクレオチド鎖Dとハイブリダイゼーションしたかを網羅的に解析する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、DNAプローブ等の検出用ヌクレチド鎖あるいは標的ヌクレオチド鎖をチップ基板上に配置又は滴下するときには、手作業又は自動駆動のX−Yステージで滴下する構成であるため、各工程にかなりの時間を要していた。
【0010】
また、解析のための2次元センサーによる観察は、光学系全体が大型となるため、ポータブルな検出装置を実現することは難しい。また、センサーの分解能からすると、多数のDNAプローブを配置することは困難であった。
【0011】
そこで、本発明は、複数の反応領域部位が配設された円盤状基板に、検出用物質あるいは標的物質を任意の反応領域部位に効率良くかつ的確に配置又は滴下できるようにするとともに、また、任意の反応領域部位におけるハイブリタイゼーション等の相互反応作用を的確に検出できるようにすることを主な目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために、まず、本願においては、以下の「バイオアッセイ用基板」を提供する。なお、本願において「バイオアッセイ」とは、ハイブリダイゼーションその他の物質間の相互反応に基づく生化学的分析を広く意味する。
【0013】
本発明に係る「バイオアッセイ用基板」は、光学的に記録情報の読み取りが可能とされた円盤状基板を用いて、(1)検出用物質と標的物質との相互反応作用の場を提供する反応領域を少なくとも備えるデータ検出用領域、(2)前記データ検出領域と重なり合わない領域に形成され、前記データ検出領域の位置情報を光学的に提供するサーボ用領域、以上(1)、(2)の領域部分を一単位とする「検出部」が配設された構成とする。
【0014】
前記検出部は、一例として少なくとも基板周方向に、好ましくは基板周方向と半径方向に区画(セグメント)されたセル状の単位構造部位であるが、その形状に特に限定はない。この検出部は、前記データ検出領域と前記サーボ領域が区別された領域に設けられている点にその構造上の特徴がある。即ち、データ検出領域は、専ら相互反応作用の場を提供する役割を果たし、位置情報提供機能を持たない。一方のサーボ領域は、専ら各検出部に固有の位置情報を提供する役割を果たし、相互反応作用の場を提供する機能を持たない。
【0015】
また、検出部は、円盤状の基板を回転させながら試料溶液を滴下し、又は相互反応作用の状態を検出できるようにする目的から、前記検出部は、周方向に複数配設するようにし、具体的には、基板上に同心円状又はスパイラル状に配設するようにする。
【0016】
検出部の反応領域には、前記検出用物質が固定可能なように表面処理が施された検出表面を設け、この検出表面に固定化された状態の検出用物質と標的物質との間で相互反応作用を行うようにすることもできる。
【0017】
ここで、前記サーボ領域の位置情報としては、光ディスク技術分野で採用される、いわゆる「トラッキングマーク」と「アドレスマーク」を適用し、これらのマークから光ピックアップにより情報を採用する。トラッキングマークは、検出部の半径位置情報を提供するものであって、例えば、半径方向に1/4トラック+と−方向に位置した凹凸マークを採用できる。アドレスマークは、当該検出部の基板上の番地情報を提供するものであって、例えば、基板上に形成された微小な凹凸パターンに基づいて形成できる。
【0018】
なお、本発明に係る「バイオアッセイ用基板」は、前記検出用物質及び前記標的物質はヌクレオチド鎖であって、前記相互反応作用がハイブリダイゼーションである場合には、DNAチップとして機能させることができ、遺伝子の網羅的解析等に利用することができる。
【0019】
次に、本願では、上記構成のバイオアッセイ用基板が保有する情報を、光学的に的確に読み取ることができる装置又は方法を提供する。
【0020】
具体的には、所定の試料溶液を前記データ検出用領域に滴下するための吐出ヘッドの位置決め動作又は位置決め工程と、前記位置情報の検出並びに前記反応領域における前記相互反応作用情報を検出するための光照射及び反射光の受光(以下、本願では「光ピックアップ」と称する。)を行うための光学ヘッドの位置決め動作又は位置決め工程を、前記サーボ用領域から得られる位置情報に基づいて制御するように工夫し、好ましくは、前記データ検出領域には、検出用の励起光のみが照射されるように構成し、サーボ領域の位置情報を得るための光はデータ検出領域には照射されないようように工夫された基板情報読み取り装置又は基板情報読み取り方法を提供する。なお、前記反射光は、基板のサーボ用領域又はデータ検出用領域への光照射によって、基板から戻ってくる光を意味する。
【0021】
本装置又は本方法によれば、複数の反応領域部位が配設された円盤状基板に、検出用物質あるいは標的物質を任意の反応領域部位に効率良くかつ的確に配置又は滴下できるようになるとともに、また、任意の反応領域部位におけるハイブリタイゼーション等の相互反応作用を的確に検出できるようになる。
【0022】
以上のように、本発明は、DNAチップやバイオセンサーチップに関連する新規な集積基板技術並びに該集積基板の情報読み取り技術を提供するという技術的意義を有している。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明に係るバイオアッセイ用基板及び検出部の構成を簡略に示す図、図2は、
同基板における検出部の配置例を示す図、図3は、同検出部を構成するデータ検出領域の一実施形態の外観斜視図である。
【0024】
まず、本発明で採用可能な実施形態は、本願の目的上、より短時間で効率よく、DNAプローブ等の検出用物質を基板上に配列できるように構造形態上工夫された検出部が予め多数配設された、安価かつ大量生産可能な基板であり、また、物質間の相互反応作用(例えば、ハイブリダイゼーション)の検出をよりコンパクトな装置で実施できる基板情報読み取り装置である。
【0025】
そこで、第一に本発明では、図1等に示されたような円盤形状の基板1を採用することとし、この基板1に、検出用物質を回転方向(周方向)と半径方向に区分けして配列するようにする構成する。
【0026】
前記基板1は、CD、DVD、MD等の光情報記録媒体に用いられる円盤基板(ディスク)に採用される基材から形成することができる。該基材は、石英ガラスやシリコン、ポリカーボネート、ポリスチレンその他の円盤状に成形可能な合成樹脂、好ましくは射出成形可能な合成樹脂によって円盤状に形成することができる。安価な合成樹脂基板を用いることで、従来使用されていたガラスチップに比して低ランニングコストを実現でき、大量生産も可能である。なお、基板1の中心には、基板を回転する場合に使用されるスピンドル固定用の孔(図示せず)が形成される場合もある。
【0027】
この基板1の一方の表面には、反射膜である厚さ40nm程度のアルミ蒸着層を形成する。該アルミ蒸着層は反射膜として機能する。この反射膜は、屈折率1.5以上の基盤単体からの表面反射4%以上とする。この反射膜の上層には、透明なガラスや透明樹脂等からなる光透過層が成膜されている。なお、基材が高反射率の材料である場合には、基材表面自体が反射面として機能するので前記反射膜は形成しなくてもかまわない。なお、金属膜などの高反射率膜を形成すれば蛍光標識された標的物質の蛍光強度を、感度良く検出することができる。
【0028】
基板1表面の前記光透過層には、図1に拡大して示されているセル状の検出部2が、図2に示すように、周方向に多数配列されている。なお、以下の検出部2の機能に係わる説明においては、検出用物質と標的物質が共に一本鎖のヌクレオチド鎖である場合を代表例とするが、検出部2の対象反応物質をこれに限定する趣旨ではない。
【0029】
この検出部2は、符号21で示されたデータ検出領域と、符号22で示されたサーボ領域と、を備えており、前記データ検出領域21には、図3において符号Dで示す検出用ヌクレオチド鎖の末端部位が固定できるように慣用の方法で表面処理が施された検出表面21aと、該検出表面21aに予め固定された前記検出用ヌクレオチド鎖Dと吐出ヘッド(ノズル)Nから後滴下されてくる標的ヌクレオチドとの間のハイブリダイゼーション反応の場となる反応領域21bと、が形成されている。なお、図3では、データ検出領域を簡略に図示するため、上方視矩形状に表現しているが、正確には上方視円弧状をなす。
【0030】
検出表面21aは、検出用ヌクレオチド鎖Dの末端がカップリング反応等の結合によって固定されるように表面処理されている。即ち、検出表面21aは、DNAプローブ等の検出用ヌクレオチド鎖Dの予め加工された末端部位を固定化するのに好適な表面処理が施されていればよいのであって、狭く限定されない。一例を挙げれば、ストレプトアビジンによって表面処理された検出表面Sの場合には、ビオチン化されたヌクレオチド鎖末端の固定化に適している。
【0031】
ここで、好ましくは、検出表面21aと(検出用物質である)検出用ヌクレオチド鎖Dの間に、検出用物質あるいは標的物質と相互反応性のない任意のスペーサ分子を挿入するとよい。これにより、反応領域21bに検出用ヌクレオチド鎖Dをより露出させることができるので、標的ヌクレオチド鎖Tとのハイブリダイゼーションにおける立体障害が軽減され、ハイブリダイゼーション効率を向上させることができる。
【0032】
ここで、検出用ヌクレオチド鎖Dや標的ヌクレオチド鎖Tを含む試料溶液Sを前記反応領域21bに滴下する手段は、慣用の方法の中から適宜選択可能であるが、好適にはインクジェットプリンティング方法を採用することができる。
【0033】
その理由は、所定の反応領域21bに正確に追従して、微小滴を、正確に滴下することができるからである。このインクジェットプリンティング法は、インクジェットプリンターで用いられるノズルを応用する方法であって、電気を用いてインクジェットプリンターのようにプリンターヘッドから基板に検出用物質を噴射し、固定する方法である。この方法には、圧電式インクジェット法、バブルジェット(登録商標)法、超音波ジェット法がある。
【0034】
本発明においては、「インクジェットプリンティング法」として、圧電体にパルスを印加することによって生じる変位の圧力によって液滴を飛ばす方法である「圧電式インクジェッティング法」を特に採用できる。印加するパルスの形状を変えることによって、液滴(微小滴)のサイズを制御することができるので、解析精度向上に好適である。液滴表面の曲率半径が小さいときは液滴を小さくし、液滴の曲率半径が大きいときは、液滴を大きくすることができる。また、パルスを急激に負の方向に変化させることにより液滴表面を内側に引っ張り、曲率半径を小さくすることも可能である。
【0035】
図2に示す例では、検出部2は周方向に8等分され、また、半径方向に2列設けられているが、検出部2の数に特に制限はない。この検出部2を同心円状あるいは渦状(スパイラル状)に配設すると、後述するように、基板1を回転させながら検出用物質Dや標的物質Tを連続して滴下することができ、また、連続して読取動作を行うことができるので好適である。なお、「連続して」とは、全く途切れることなく常に動作を行うことのみならず、動作を長時間中断することなく、ほぼ常に動作を行う状態も含まれる。
【0036】
図2に示す例では、検出部2は周方向に等分された構成になっている。サーボ領域22の長さは、書き込むべきサーボ情報に応じて若干の長短はあるが、基板1全体から比較すればほぼ同一長と考えて支障がないので、検出部2が外周にいくに従って、データ検出領域21は長くなることになる。
【0037】
データ検出領域21の寸法を全ての検出部2で同一とする構成も可能であるが、後述する基板情報読取の際に、確実な検出を行うためには、内周の検出部2における基板回転速度よりも外周の検出部2における基板回転速度を遅くして、全てのデータ検出領域21における読取時の線速度の変動を抑えることが望ましい。
【0038】
一方、検出部2を周方向に等分した場合は、検出部2の位置に関係なく基板1の回転速度を常時一定にしておいて問題ない。この議論は、光ディスク技術におけるCAV(角速度一定:Constant Angular Velocity)記録方式とCLV(線速度一定:Constant Linear Velocity)記録方式を対比すると理解し易い。
【0039】
ここで、本発明では、例えば、図2に示すような例の円盤状の基板1を回転させながら、周方向に配置した上記検出部2(の反応領域21b)に精度よく、試料溶液Sを吐出ヘッドNから滴下し、各検出部2から得られる蛍光を検出するための光ピックアップ動作を制御する。
【0040】
周方向に複数に分割された区画部位に設けられる検出部2をスパイラル状に、即ち、半径方向に渦状に配置した場合は、連続して試料溶液Sを滴下することができ、また連続して光ピックアップ解析を実施できるので、好適である。
【0041】
以下、図4に基づいて、本発明に係る基板情報読み取り装置と該装置を用いる基板情報読み取り方法の好適な一実施形態について説明する。
【0042】
まず、既述したように各検出部2は、データ検出領域21とサーボ領域22を備え、サーボ領域22には、半径位置制御用のサーボマーク221と、各検出部2の基板1上の番地情報を提供するアドレスマーク222と、が設けられている(図1再参照)。この検出部2を図1、図2のような配置構成で周方向又はスパイラルに配設すると、データ検出領域21、サーボ領域22の順番で次々に形成され、サーボ領域22は不連続状態となるため、光ディスク技術分野で言うサンプルサーボ方式となる。なお、図1の線Lは、光ピックアップ再生信号を表している。
【0043】
サーボマーク221とアドレスマーク222は、慣用の光ディスクマスタリングプロセスにより形成することができる。即ち、基板1を光ディスクとして考えた場合、滴下検出位置である反応領域21bをユーザーデータ領域と考え、他の領域は、サンプルサーボ方式等により同期ピットを配列し、かつトラッキングサーボとしても利用し、更に、直後にアドレス部(ディスク上の地理的な番地、図2参照)を挿入することによって位置情報を与えることができる。
【0044】
アドレス部は、先頭パターンであるセクターマークから始まり、実際に回転しているディスクの回転位相を与えるVFO(Variable Frequency Oscillator)とアドレスデータの開始位置を与えるアドレスマークとトラックとセクタのナンバーが入ったID(Identifer)等が組み合わされてなる。
【0045】
基板1の半径方向の情報は、それぞれ半径方向に1/4トラック+と一方向に位置するトラッキングマーク221(図1参照)からの信号レベルの差分によるファインエラー信号とアドレスマーク222とから得られるトラック位置情報に基づく。このトラック位置情報を用いて、基板1全体を、図4中符号3で示されている半径ステージで駆動することによって、光学ヘッドH並びに吐出ヘッドNの位置決めを行う。
【0046】
吐出ヘッドN並びに光ピックアップを行う光学ヘッドHの位置決め動作に係わる制御は、半径ステージ3に載置されて回転する基板1の読み取り側から光ピックアップにより得られた再生信号からのアドレス・トラッキングエラー信号TE並びにフォーカスエラー信号FEに基づいて行う。
【0047】
図4における符号8は、ダイクロイックミラー7を通過して直進してきた特定の波長部分の戻り光Pzを捕捉して検出するためのフォトディテクタを示しており、符号9は、前記フォトディテクタ8からの信号をIV変換する変換器、符号10は、エラー信号検出部を示している。エラー信号検出部10では、アドレス・トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEを得る。符号11は位相補償回路部、符号12は半径ステージ駆動回路部、符号13はPLL(Phase Locked Loop)回路部及びアドレス検出部を表し、符号14は前記PLL回路部及びアドレス検出部13から得られる、トラックアドレスと目標位置との間のラフエラー信号をそれぞれ表している。なお、エラー信号検出部10には、サンプルサーボ方式の場合は、サンプルホールド回路を設ければよい。
【0048】
光ディスク技術に照らせば再生光学系とも言える光学ヘッドHのフォーカシングは、慣用の光ディスク装置で一般に用いられる非点周差法により得られるフォーカスエラー信号FE(図4参照)に基づいて、対物レンズ4を制御することにより行う。なお、符号15は光学ヘッドHのフォーカシングに用いられる位相補償回路部、符号16は前記対物レンズ4の動作を制御するフォーカス駆動回路部をそれぞれ示している。
【0049】
次に、試料溶液Sを吐出ヘッドNから吐出する際は、符号13のアドレス検出部によって、再生信号から得られる検出部2のサーボ信号に基づいて検出部2(の位置)を検出し、符号13のPLL回路で生成したタイミング信号Iに基づいて、吐出ヘッドNが(検出部2の)データ検出領域21の位置に来たときに、検出用ヌクレオチド鎖Dあるいは標的ヌクレオチド鎖Tを含む試料溶液S(図4参照)の吐出動作を行う。なお、図4中の符号17は、前記タイミング信号Iによって、吐出ヘッドNによる試料溶液Sの吐出動作を制御するための駆動回路を表している。
【0050】
ここで、検出用ヌクレオチド鎖Dあるいは標的ヌクレオチド鎖Tを光照射の影響から保護する目的から、サーボ用に設けられた再生LD光源5は、(検出部2の)サーボ領域22(図1参照)においてのみ発光するように構成する。図4中の符号Pxは、再生LD光源5から出射されたサーボ用のレーザー光を表している。
【0051】
蛍光量のレベル検出を行う際には、サーボ用の前記再生LD光源5は、データ検出領域21(図1参照)では消光させる。そして、検出時(再生時)においては、図4に示された蛍光励起用の光源6を用い、該光源6から出射される励起光Pyを標的ヌクレオチド鎖Tに標識された蛍光物質F(又は二本鎖ヌクレオチド鎖に挿入された蛍光インターカレータ)に照射する。
【0052】
続いて、励起光Pyの戻り光Pzを波長選択性のあるダイクロイックミラー7により直角に分岐させて(図4参照)、後続のフォトディテクタ18で捕捉・検出し、続く変換器19でIV変換し、検出部20において蛍光量のレベル検出を行い、コンピュータCのディスプレイに解析結果を表示する。
【0053】
ここで、図4に示された実施形態において、光源を二つ(符号5,6)設けた理由について説明する。まず、光ディスク技術においては、サーボ用の光源として用いられる光源の波長は、例えばCDでは780nm、DVDでは650nmと赤色光、赤色光領域の波長である。
【0054】
一方、ヌクレオチド鎖を標識するための蛍光物質F(図3参照)は、例えば後述するPOPO−1であれば、約440nm近傍の青色領域の励起波長を有する。また、蛍光物質Fとして、CDやDVDで用いられている光源の波長に近い励起波長を有するものを使用すれば、光源5,6を共通化することも可能であるが、サーボを正確に行うために光強度を上げると検出用物質Dや標的物質Tに何らかの影響を及ぼす可能性がある。
【0055】
このため、光源6は、蛍光物質Fに適した波長のもので、かつ検出用物質Dや標的物質Tに影響を及ぼさないような光強度とし、光源5は、CDやDVDで用いられている光源を流用するか、あるいはそれに類似するものを使用し、かつ光強度はサーボを正確に行うことができる範囲とすることで、効率の良いサーボと検出動作を行いつつ、検出用物質Dや標的物質Tへの光照射の影響を抑制することができる。
【0056】
二つある光源5,6を一つにし、光強度をデータ検出領域21とサーボ領域22で変化させることによって、蛍光測定と位置情報読み取りにそれぞれ適した光ピックアップを行うようにしてもよい。
【0057】
本発明においては、試料物質の標識方法は狭く限定されることない。例えば、標的物質を蛍光物質で標識する方法に加えて、蛍光インターカレータを用いてもよい。蛍光インターカレータは、検出用ヌクレオチド鎖Dと標的ヌクレオチド鎖Tとの塩基間の水素結合中に挿入されるように、ハイブリダイゼーションした二本鎖ヌクレオチド鎖に取り込まれる。これにより、長波長側に蛍光波長がシフトし、かつ、蛍光強度と二本鎖DNAに取り込まれた蛍光インターカレータの量との間の相関関係に基づいて、定量的な検出が可能になる。蛍光インターカレータに用いる蛍光色素としては、POPO−1やTOTO−3等が考えられる。
【0058】
以上説明した構成の基板情報読み取り装置Uを採用すれば、各検出部2のデータ検出領域21とサーボ領域22において、時分割で光源5,6を制御することが可能となる。この結果、高い精度のエラー信号による制御を行うことが可能となり、かつ試料物質(T,D)の損傷を避けることが可能となる。
【0059】
【発明の効果】
(1)本発明によれば、複数の反応領域部位が配設された円盤状基板に、検出用物質あるいは標的物質を任意の反応領域部位に効率良くかつ的確に配置又は滴下できるようにするとともに、また、任意の反応領域部位におけるハイブリタイゼーション等の相互反応作用を的確に検出することができる。
【0060】
(2)極めて安価に大量生産可能な光ディスク形態の基板により、厳密なハイブリダイゼーションその他の物質間相互反応作用の検出が、試料物質にダメージを与えることなく高精度に測定することができる
【0061】
(3)本発明は、DNAチップやバイオセンサーチップに基づくバイオアッセイ方法に特に有用であり、遺伝子の変異解析、SNPs(一塩基多型)分析、遺伝子発現頻度解析等に利用でき、創薬、臨床診断、薬理ジェノミクス、法医学その他の分野において広範囲に活用でき、更には、抗原抗体反応の検査、内分泌攪乱物質の検定等に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバイオアッセイ用基板(1)及び検出部(2)の構成を簡略に示す図
【図2】同基板(1)における検出部(2)の配置例を示す図
【図3】同検出部(2)を構成するデータ検出領域(21)の一実施形態の外観斜視図
【図4】本発明に係る基板情報読み取り装置(U)と該装置(U)を用いる基板情報読み取り方法の好適な実施形態を表す図
【図5】典型的な従来技術の構成を簡略に表す図
【符号の説明】
1 バイオアッセイ用基板
2 検出部
21 データ検出領域
22 サーボ領域
221 トラッキングマーク
223 アドレスマーク
U 基板情報読み取り装置
Claims (10)
- 光学的に記録情報の読み取りが可能とされた円盤状基板であって、次の(1)、(2)の領域部分を一単位とする検出部が配設されたバイオアッセイ用基板。
(1)検出用物質と標的物質との相互反応作用の場を提供する反応領域を少なくとも備えるデータ検出用領域。
(2)前記データ検出領域と重なり合わない領域に形成され、前記データ検出領域の位置情報を光学的に提供するサーボ用領域。 - 前記反応領域は、前記検出用物質が固定可能なように表面処理が施された検出表面が設けられたことを特徴とする請求項1記載のバイオアッセイ用基板。
- 前記検出用物質及び前記標的物質はヌクレオチド鎖であって、前記相互反応作用がハイブリダイゼーションであることを特徴とする請求項1記載のバイオアッセイ用基板。
- 前記検出部が周方向に複数配設されたことを特徴とする請求項1記載のバイオアッセイ用基板。
- 前記検出部は、上方視同心円状又はスパイラル状に配設されたことを特徴とする請求項4記載のバイオアッセイ用基板。
- 前記位置情報は、トラッキングマークとアドレスマークであることを特徴とする請求項1記載のバイオアッセイ用基板。
- 請求項1記載のバイオアッセイ用基板が保有する情報を光学的に読み取る装置であって、
試料溶液を前記データ検出用領域に滴下するための吐出ヘッドの位置決め動作と、前記位置情報の検出並びに前記反応領域における前記相互反応作用情報を検出するための光照射及び反射光の受光を行うための光学ヘッドの位置決め動作を、前記サーボ用領域から得られる位置情報に基づいて制御する基板情報読み取り装置。 - 前記データ検出領域には、検出用の励起光のみが照射されることを特徴とする請求項7記載の基板情報読み取り装置。
- 光学的に記録情報の読み取りが可能とされた円盤状基板であって、検出用物質と標的物質との相互反応作用の場を提供する反応領域を少なくとも備えるデータ検出用領域と、前記データ検出領域と重なり合わない領域に形成され、前記データ検出領域の位置情報を光学的に提供するサーボ用領域とを備えるバイオアッセイ用基板が保有する情報を光学的に読み取る方法であって、
試料溶液を前記データ検出用領域に滴下するための吐出ヘッドの位置決め工程と、前記位置情報の検出並びに前記反応領域における前記相互反応作用情報を検出するための光照射及び反射光の受光を行うための光学ヘッドの位置決め工程を、前記サーボ用領域から得られる位置情報に基づいて制御することを特徴とする基板情報読み取り方法。 - 前記データ検出領域には、検出用の励起光のみが照射されることを特徴とする請求項9記載の基板情報読み取り方法。
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