JP2005156327A - バイオアッセイ用基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 DNA解析装置に対する装置移動の方向に沿って生じた汚れに関わらず、プローブ物質とサンプル物質との相互作用を検出する。
【解決手段】 1種類のプローブDNAを、バイオアッセイ用基板1の円心を中心とした複数の同心円のうち、2つ以上の円の円周上に設けられたウェル8に固着させる。また、1種類のプローブDNAを、バイオアッセイ用基板1の半径方向に沿った複数の直線のうち、2つ以上の直線上に設けられたウェル8に固着させる。
【選択図】 図4
【解決手段】 1種類のプローブDNAを、バイオアッセイ用基板1の円心を中心とした複数の同心円のうち、2つ以上の円の円周上に設けられたウェル8に固着させる。また、1種類のプローブDNAを、バイオアッセイ用基板1の半径方向に沿った複数の直線のうち、2つ以上の直線上に設けられたウェル8に固着させる。
【選択図】 図4
Description
本発明は、例えばDNA解析装置で使用されるDNAチップなど、プローブ物質とサンプル物質との相互作用を検出するバイオアッセイ用基板及びその製造方法に関する。
現在、マイクロアレイ技術によって所定のDNAが微細配列された、いわゆるDNAチップ又はDNAマイクロアレイ(以下、DNAチップと総称する。)と呼ばれるDNAの配列解析用の集積基板が、遺伝子の突然変異、SNPs(一塩基多型)分析、遺伝子発現頻度解析などに利用されており、創薬、臨床診断、薬理ジェノミクス、法医学、その他の分野において広範に活用され始めている。
DNAチップを用いてDNAの配列を解析する方法は、先ず、DNAチップ上にプローブDNAを固相化(固定化)させる。そして、細胞、組織等から抽出したmRNA(messenger RNA)を逆転写PCR(Polymerase Chain Reaction)反応等により蛍光プローブdNTPを組み込みながらPCR増幅することでサンプルDNAを生成し、このサンプルDNAをDNAチップ上に固相化されたプローブDNAに滴下して、サンプルDNAとプローブDNAとをハイブリダイゼーションさせる。続いて、DNAの2重らせん内に蛍光標識剤を挿入し、所定の検出器でその蛍光測定を行う。このことにより、サンプルDNAとプローブDNAとの塩基配列が同一であるか否かを判別する。
以上説明したDNAチップを、ディスク状にすることが提案されている(例えば、特許文献1)。DNAチップをディスク状にすることにより、光ディスクと同様に取り扱い、光ディスクの分野で培われた基板技術及びサーボ技術をDNAチップ技術に応用させることが可能となる。
ディスク状のDNAチップを用いてDNAの配列を解析する場合には、プローブDNAとサンプルDNAとの反応領域となる複数のウェルに、先ず、プローブDNAを滴下して固着させる。続いて、DNAチップをDNA解析装置に装着し、DNAチップを回転させながら、蛍光標識インターカレータ及びサンプルDNAが含有された溶液をウェルに滴下し、プローブDNAとサンプルDNAとをハイブリダイゼーションさせる。ハイブリダイゼーションさせると、2重らせん内に蛍光標識インターカレータが挿入して結合する。続いて、ハイブリダイゼーションに寄与しなかったサンプルDNA及び蛍光標識インターカレータをDNAチップ上から洗浄する。続いて、DNAチップを回転させながら励起光をディスク表面に照射し、励起光の照射により蛍光標識剤から発生する蛍光を光検出器で検出し、その蛍光の発光位置からサンプルDNAと結合したプローブDNAを特定する。
このように、ディスク状のDNAチップを用いてDNAの配列を解析すると、DNAチップを回転させながら蛍光検出を行うことができるので、これまでの光ディスク装置の技術を利用することができる。従って、DNA配列の解析装置を簡易化することができるとともに、検出速度の向上、並びに、1度に解析できるサンプル数の増大などを図ることが可能となり、DNAの配列の解析を効率良く行うことが可能となる。
ところで、DNAチップでは、同じ種類のプローブDNAを複数のウェルに固着させ、同じ種類のプローブDNAが固着された複数のウェルに、サンプルDNAが含有された溶液を、例えばサンプルDNAの濃度を変化させながら滴下してハイブリダイゼーションさせることなどにより、プローブDNAとサンプルDNAとのハイブリダイゼーションを特定するときの精度を向上させている。
DNAチップの複数のウェルに同じ種類のプローブDNAを固着させる場合には、同じ種類のプローブDNAを、図10に示すように、DNAチップ100の円心を中心とした複数の円のうち、1つの円の円周上に設けられたウェル101に集中的に固着させたり、図11に示すように、半径方向に沿った複数の直線のうち、1つの直線上に設けられたウェル101に集中的に固着させたり、図12に示すように所定の領域R内に設けられたウェル101に集中的に固着させている。
なお、図10〜12は、DNAチップ100の表面の一部拡大図である。図10〜12中probe1〜10は、ウェル101の底面に固着されているプローブDNAの種類を示しており、PTCはポジティブコントロールを示しており、NTCはネガティブコントロールを示している。また、図10〜12では、矢印Aで示す方向が円心を中心とした円の円周方向であり、矢印Bで示す方向が半径方向である。また、図10〜12では、各ウェル8間の間隙などを省略して示している。
しかしながら、ディスク状のDNAチップ100では、表面に、図13中S1に示すような、円心を中心とした円の円周に沿った汚れや、図13中S2に示すような、半径方向に沿った汚れ、図13中S3に示すような、特定の領域R全体に亘った汚れなどが生じる。汚れが生じた位置に配置されたウェルは、プローブDNAとサンプルDNAとのハイブリダイゼーションを検出することが困難となる。
従って、同じ種類のプローブDNAを、DNAチップの円心を中心とした1つの円の円周上に設けられた複数のウェルや、半径方向に沿った1つの直線上に設けられた複数のウェル、特定の領域内に設けられた複数のウェルなどに集中して固着させると、同じ種類のプローブDNAが固着されたウェルの大部分又は全てが損傷し、特定の種類のプローブとサンプルDNAとのハイブリダイゼーションを特定することができなくなるという不都合が生じ易くなる。
本発明は、以上説明した従来の実情を鑑みて提案されたものであり、円心を中心とした円周に沿った汚れや、半径方向に沿った汚れなどが生じた場合にも、プローブ物質とサンプル物質とを相互作用させた結果を検出することが可能となるバイオアッセイ用基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るバイオアッセイ用基板は、プローブ物質とサンプル物質との相互作用に基づく生化学分析を行うバイオアッセイ装置で使用されるディスク状のバイオアッセイ用基板において、上記プローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する複数の反応領域が、円心を中心とした複数の円周上に設けられており、上記反応領域のうち所定のプローブ物質とサンプル物質との反応を検出する複数の反応領域は、上記複数の円周のうち2つ以上の円周上に設けられることを特徴とする。
また、本発明に係るバイオアッセイ用基板は、プローブ物質とサンプル物質との相互作用に基づく生化学分析を行うバイオアッセイ装置で使用されるディスク状のバイオアッセイ用基板において、上記プローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する複数の反応領域が、半径方向に沿った複数の直線上に設けられており、上記反応領域のうち所定のプローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する複数の反応領域は、上記半径方向に沿った複数の直線のうち2つ以上の直線上に設けられることを特徴とする。
また、本発明に係るバイオアッセイ用基板は、プローブ物質とサンプル物質との相互作用に基づく生化学分析を行うバイオアッセイ装置で使用されるバイオアッセイ用基板において、上記プローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する複数の反応領域が設けられており、上記反応領域のうち所定のプローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する複数の反応領域は、上記複数の反応領域が設けられている範囲のうち、所定の範囲内に限定して設けられないことを特徴とする。
本発明に係るバイオアッセイ用基板の製造方法は、プローブ物質とサンプル物質との相互作用に基づく生化学分析を行うバイオアッセイ装置で使用されるバイオアッセイ用基板の製造方法において、ディスク状の基板の主面に対して、上記サンプル物質を添加する添加領域を、上記基板の円心を中心とした複数の円周上に複数形成する添加領域形成工程と、上記添加領域に対して上記プローブ物質を固着させ、上記プローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する反応領域を複数形成する反応領域形成工程を備え、上記反応領域形成工程では、1種類の上記プローブ物質を、上記基板の円心を中心とした複数の円周のうち2つ以上の円周上に形成された添加領域に対して固着させることを特徴とする。
また、本発明に係るバイオアッセイ用基板の製造方法は、プローブ物質とサンプル物質との相互作用に基づく生化学分析を行うバイオアッセイ装置で使用されるバイオアッセイ用基板の製造方法において、ディスク状の基板の主面に対して、上記サンプル物質を添加する領域を、半径方向に沿った複数の直線上に複数形成する添加領域形成工程と、上記添加領域に対して上記プローブ物質を固着させ、上記プローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する反応領域を複数形成する反応領域形成工程を備え、上記反応領域形成工程では、1種類の上記プローブ物質を、半径方向に沿った複数の直線のうち2つ以上の直線上に形成された添加領域に対して固着させることを特徴とする。
また、本発明に係るバイオアッセイ用基板の製造方法は、プローブ物質とサンプル物質との相互作用に基づく生化学分析を行うバイオアッセイ装置で使用されるバイオアッセイ用基板の製造方法において、基板の主面に対して、上記サンプル物質を添加する添加領域を複数形成する反応領域形成工程と、上記添加領域に対して上記プローブ物質を固着させ、上記プローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する反応領域を複数形成する反応領域形成工程を備え、上記反応領域形成工程では、1種類の上記プローブ物質を、上記添加領域が形成されている範囲のうち、特定の範囲内に形成されている添加領域に限定して固着させないことを特徴とする。
本発明に係るバイオアッセイ用基板では、所定のプローブ物質とサンプル物質との反応を検出する複数の反応領域は、上記複数の円周のうち2つ以上の円周上に設けられている。すなわち、所定のプローブ物質とサンプル物質との反応を検出する複数の反応領域は、円心を中心とした1つの円の円周上に限定して設けられない。
従って、本発明に係るバイオアッセイ用基板は、円心を中心とした円周方向に沿って汚れが生じたときにも、所定のプローブ物質とサンプル物質との反応を検出する複数の反応領域の全部又は大部分が損傷を受けることを回避することが可能となる。すなわち、円周方向に沿った汚れに関わらず、プローブ物質とサンプル物質との相互作用を検出することが可能となる。
また、本発明に係るバイオアッセイ用基板では、所定のプローブ物質とサンプル物質との反応を検出する複数の反応領域は、半径方向に沿った複数の直線のうち、2つ以上の直線上に設けられる。すなわち、所定のプローブ物質とサンプル物質との反応を検出する複数の反応領域は、半径方向に沿った1つの直線上に限定して設けられない。
従って、本発明に係るバイオアッセイ用基板は、半径方向に沿って汚れが生じたときにも、所定のプローブ物質とサンプル物質との反応を検出する複数の反応領域の全部又は大部分が損傷を受けることを回避することが可能となる。すなわち、半径方向に沿った汚れに関わらず、プローブ物質とサンプル物質との相互作用を検出することが可能となる。
また、本発明に係るバイオアッセイ用基板では、反応領域のうち所定のプローブ物質とサンプル物質との反応を検出する複数の反応領域は、複数の反応領域が設けられている範囲のうち、所定の範囲内に限定して設けられない。すなわち、所定のプローブ物質とサンプル物質との反応を検出する複数の反応領域は、全体に亘って分散して位置するように設けられる。
従って、本発明に係るバイオアッセイ基板は、所定の領域が全面的に汚れたときにも、所定のプローブ物質とサンプル物質との反応を検出する複数の反応領域の全部又は大部分が損傷を受けることを回避することが可能となる。すなわち、所定の領域全面に亘る汚れに関わらず、プローブ物質とサンプル物質との相互作用を検出することが可能となる。
また、本発明に係るバイオアッセイ用基板の製造方法によれば、1種類の上記プローブ物質を、上記基板の円心を中心とした複数の円周のうち2つ以上の円周上に形成された添加領域に対して固着させる。すなわち、円心を中心とした1つの円の円周上に設けられた複数の反応領域上に限定して固着させない。
従って、本発明に係るバイオアッセイ用基板の製造方法によれば、円心を中心とした円周方向に沿って汚れが生じたときにも、特定の種類のプローブ物質が固着されている反応領域の全部又は大部分が損傷を受けることを回避することができ、汚れに関わらず、プローブ物質とサンプル物質との相互作用を検出することができるバイオアッセイ用基板を提供することが可能となる。
また、本発明に係るバイオアッセイ用基板の製造方法によれば、1種類のプローブ物質を、半径方向に沿った複数の直線のうち、2つ以上の直線上に設けられた複数の添加領域に固着させる。すなわち、半径方向に沿った1つ直線上に設けられた複数の反応領域上に限定して固着させない。
従って、本発明に係るバイオアッセイ用基板の製造方法によれば、半径方向に沿って汚れが生じたときにも、特定の種類のプローブ物質が固着されている反応領域の全部又は大部分が損傷を受けることを回避することができ、汚れに関わらず、プローブ物質とサンプル物質との相互作用を検出することができるバイオアッセイ用基板を提供することが可能となる。
また、本発明に係るバイオアッセイ用基板の製造方法によれば、1種類のプローブ物質を、添加領域が形成されている範囲のうち、特定の範囲内に形成されている添加領域に限定して固着させない。すなわち、1種類のプローブ物質を、分散して配置されている添加領域に固着させる。
従って、本発明に係るバイオアッセイ用基板の製造方法によれば、所定の領域が全面的に汚れたときにも、所定のプローブ物質とサンプル物質との反応を検出する複数の反応領域の全部又は大部分が損傷を受けることを回避することができ、汚れに関わらず、プローブ物質とサンプル物質との相互作用を検出することができるバイオアッセイ用基板を提供することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(生化学分析用基板)
まず、図1及び図2に示すような、本発明を適用した生化学分析方法で使用するバイオアッセイ用基板1について説明する。
まず、図1及び図2に示すような、本発明を適用した生化学分析方法で使用するバイオアッセイ用基板1について説明する。
図1にバイオアッセイ用基板1の上面を模式的に表した図を示し、図2にバイオアッセイ用基板1の断面を模式的に表した図を示す。
バイオアッセイ用基板1の全体形状は、例えば、CD(Compact Disk)や、DVD(Digital Versatile Disk)等の光ディスクと同様に、主面が円形とされた平板状(以下、ディスク状という。)とされている。バイオアッセイ用基板1の主面の中心には、中心孔2が形成されている。中心孔2には、当該バイオアッセイ用基板1が後述するDNA解析装置に装着されたときに、当該バイオアッセイ基板1を保持及び回転させるためのチャッキング機構が挿入される。
バイオアッセイ用基板1は、図2に示すように、基板層3上に、固相化層5と、ウェル形成層6とが順次積層されることによって、形成されている。なお、以下の説明では、バイオアッセイ用基板1のウェル形成層6の表面を上面1a、基板層3側の表面を下面1bという。
基板層3は、後述する蛍光標識剤を励起する励起光、及び蛍光標識剤の蛍光を透過する材料である。例えば、基板層3は、石英ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリスチレン等の材料で形成されている。
固相化層5は、基板層3上に形成された層である。固相化層5は、プローブDNAの一端を固相化させるための材料から形成されている。本例では、固相化層5は、シランにより表面修飾可能なSiO2が、例えばスパッタリングや電子ビーム蒸着等により50nmの厚さに成膜された層となっている。
ウェル形成層6は、固相化層5上に形成された層である。ウェル形成層6は、複数のウェル8が形成された層である。
ウェル8は、その内部空間が、プローブDNA(検出用ヌクレオチド鎖)とサンプルDNA(標的ヌクレオチド鎖)とが相互作用する場、具体的には、ハイブリダイゼーション反応する場となる。
ウェル8は、バイオアッセイ用基板1の上面1a側に開口したくぼみ状となっており、サンプルDNAが含まれた溶液などの液体が滴下されたときに、その液体を保留することができる程度の深さ及び大きさとなっている。例えば、ウェル8は、開口部が100μm四方の大きさに形成され、深さが5μm程度とされ、底面11に固相化層5が露出している。
複数のウェル8は、円心から外周方向に放射状に向かう複数の直線、すなわち半径方向に沿った直線上に、例えば400μmの間隔で、等間隔に並んで配置されている。すなわち、円心から外周方向に放射状に向かう複数の直線と、円心を中心としており等間隔で描かれた複数の円との交点上に、配置されている。
このようなウェル形成層6は、図3に示すように、固相化層5の上に感光性ポリイミド13をスピンコート等で5μm程度の厚さに塗布する(ステップS1)。続いて、塗布した感光性ポリイミド13上に所定のパターンのフォトマスク14を形成し、このフォトマスク14を用いて感光性ポリイミド13を露光及び現像する(ステップS2)。このことにより、ウェル形成層6に複数のウェル8(添加領域)が形成される(ステップS3)。さらに、ウェル8の底面11には、プローブDNA(P)が固着される(ステップS4)。
バイオアッセイ用基板1では、1種類のプローブDNAは、後述するDNA解析装置に対する相対移動方向に沿った複数の曲線又は直線上のウェル8のうち、少なくとも2つ以上の曲線又は直線上に形成されたウェル8に固着される。
具体的に説明すると、バイオアッセイ用基板1は、DNA解析装置に装着されて回転する。従って、円心を中心とした複数の同心円が、DNA解析装置に対するバイオアッセイ用基板1の相対移動方向に沿った曲線となる。したがって、同じ種類のプローブは、円心を中心とする異なる円の円周上に設けられたウェル8に固着される。言いかえると、同じ種類のプローブは、1つの円の円周上に設けられたウェル8だけではなく、必ず異なる円の円周上に設けられたウェル8にも固着され、1つの円の円周上に設けられたウェル8に集中して固着されない。
また、バイオアッセイ用基板1がDNA解析装置に装着されると、後述するように、サンプルDNAを含む溶液が貯留された滴下ヘッドなどが、バイオアッセイ基板1の半径方向に沿って移動する。従って、半径に沿った直線が、DNA解析装置に対するバイオアッセイ用基板1の相対移動方向に沿った直線となる。したがって、同じ種類のプローブは、半径に沿った異なる直線上に設けられたウェル8に固着される。言いかえると、同じ種類のプローブは、半径方向に沿った複数の直線のうち1つの直線上に設けられたウェル8だけではなく、異なる直線上に設けられたウェル8にも固着され、1つの直線上に設けられた複数のウェル8に集中して固着されない。
同じ種類のプローブDNAは、例えば、図4に示すように、半径方向に沿った複数の直線のうち互いに隣接する直線上に設けられており、且つ互いに隣接する円周上に設けられているウェル8に固着されることが好ましい。
以上説明した位置関係で同じ種類のプローブDNAが固着されることにより、バイオアッセイ用基板1は、円心を中心とした円の円周に沿った汚れが生じたときや、半径方向に沿った汚れが生じたときにも、特定の種類のプローブDNAが固着されているウェル8の全部又は大部分が損傷を受けることを回避することができる。従って、バイオアッセイ用基板1は、円心を中心とした円の円周方向に沿った汚れや半径方向に沿った汚れに関わらず、DNAの配列分析を行うことが可能となる。
なお、半径方向に沿った複数の直線のうち互いに隣接する直線上に設けられており、且つ互いに隣接する円周上に設けられている複数のウェル8の中には、特定の種類のプローブが固着されているウェル8の他に、プローブが固着されていないウェル8が配置されていても良い。プローブが固着されていないウェル8は、例えば、キャリブレーション用に使用することができる。
また、同じ種類のプローブDNAは、バイオアッセイ基板1上のウェル8が設けられている領域のうち、特定の領域R内に設けられた複数のウェル8に集中的に固着されない。言い換えると、同じ種類のプローブDNAは、互いにできるだけ離れた位置に設けられたウェル8に固着される。すなわち、同じ種類のプローブDNAは、分散して位置するウェル8に固着される。
この位置関係で同じ種類のプローブDNAが固着されることにより、バイオアッセイ用基板1は、例えばDNA解析装置との衝突などにより、領域Rが全面的に損傷されたときにも、特定の種類のプローブDNAが固着されているウェル8の全部又は大部分が損傷を受けることを回避することが可能となり、DNAの配列分析を行うことが可能となる。なお、この位置関係で配置したウェルの中にも、プローブが固着されていないウェル8が配置されていても良い。
また、図5に示すように、例えば方形状など、ディスク状以外の形状のバイオアッセイ基板20についても、同じ種類のプローブDNAは、特定の領域R’内に設けられた複数のウェル21に集中的に固着されない。この位置関係で同じ種類のプローブDNAが固着されることにより、バイオアッセイ用基板20は、領域R’が全面的に損傷されたときにも、特定の種類のプローブDNAが固着されているウェル21の全部又は大部分が損傷を受けることを回避することが可能となり、DNAの配列分析を行うことが可能となる。
なお、図4は、バイオアッセイ用基板1の表面の一部拡大図である。図4中probe1〜10は、ウェル8の底面に固着されているプローブDNAの種類を示しており、PTCはポジティブコントロールを示しており、NTCはネガティブコントロールを示している。また、図4では、矢印Aで示す方向が円心を中心とした円の円周方向であり、矢印Bで示す方向が半径方向である。また、図4では、各ウェル8間の間隙や、後述するアドレスピットなどを省略して示している。
なお、ウェル8は、一端が官能基により修飾されたプローブDNAが底面11(固相化層5が露出した部分)に結合するように、当該底面11が官能基により表面修飾されていることが好ましい。例えば、ウェル8は、図6に示すように、SH基15を有するシラン分子により、底面11(SiO2から形成されている固相化層5)が表面修飾される。このため、ウェル8の底面11には、例えばSH基で一端が修飾されたプローブDNAを結合させることができる。このようにバイオアッセイ用基板1では、ウェル8の底面11に、プローブDNAの一端を結合させることができるので、図7に示すように、底面11から垂直方向に鎖が伸びるように、プローブDNA(P)を結合させることができる。
また、バイオアッセイ用基板1には、バイオアッセイ用基板1の下面1b側からレーザ光を照射することにより読み取り可能なアドレスピット9が形成されている。アドレスピット9は、バイオアッセイ用基板1の平面上における各ウェル8の位置を特定するための情報である。アドレスピット9から情報を光学的に読み取ることによって、複数存在するウェル8のうち、現在レーザ光を照射しているウェル8がどれであるかを特定することが可能となる。このようなアドレスピット9が設けてあることによって、後述する滴下装置による溶液の滴下位置の制御や、対物レンズによる蛍光検出位置の特定を行うことができる。
以上のようなバイオアッセイ用基板1では、1種類のプローブDNAが、円心を中心とした複数の同心円のうち、2つ以上の円の円周上に設けられたウェル8に固着される。また、バイオアッセイ用基板1では、1種類のプローブDNAが、バイオアッセイ用基板1の半径方向に沿った複数の直線のうち、2つ以上の直線上に設けられたウェル8に固着される。
従って、本発明を適用したバイオアッセイ用基板1によれば、円心を中心とした円の円周に沿った損傷を受けたときや、半径方向に沿った損傷を受けたときにも、特定の種類のプローブDNAが固着されているウェル8の全部又は大部分が損傷を受けることを回避することが可能となり、円心を中心とした円の円周に沿った損傷や半径方向に沿った損傷に関わらず、DNAの配列分析を行うことが可能となる。
(DNA配列解析方法)
つぎに、上述したバイオアッセイ用基板1を使用したDNAの塩基配列の解析方法について説明する。
つぎに、上述したバイオアッセイ用基板1を使用したDNAの塩基配列の解析方法について説明する。
先ず、生体から抽出したサンプルDNAが含有された試料溶液Sを、上述したバイオアッセイ用基板1上の各ウェル8に滴下する。
試料溶液Sの滴下制御は、光ディスクの駆動システムと同様に、バイオアッセイ用基板1を駆動制御することにより行う。すなわち、図8に示すように、バイオアッセイ用基板1を、上面1aを上にして平行に保持しながら回転駆動するとともに、レーザ光Vをバイオアッセイ用基板1の下側(下面1b側)から照射してアドレスピット9を検出することによりウェル8の位置を特定しながら、滴下位置の制御を行えばよい。
続いて、サンプルDNAの滴下後、バイオアッセイ用基板1の主面に対して垂直方向の交流電界を、加熱しながら印加する。例えば、ウェル8内に1MV/m、1MHz程度の交流電界を印加する。
このような処理をすると、サンプルDNAとプローブDNAとが垂直方向に伸張して立体障害の少ない状態となるとともに、サンプルDNAがバイオアッセイ用基板1に対して垂直方向に移動する。この結果、互いの塩基配列が相補的な関係にあるサンプルDNAとプローブDNAとが同一のウェル8内にある場合には、それらがハイブリダイゼーションを起こす。
続いて、ハイブリダイゼーションを起こさせた後に、蛍光標識インターカレータ等をバイオアッセイ用基板1のウェル8内に滴下する。このような蛍光標識剤は、ハイブリダイゼーションを起こしたプローブDNAとサンプルDNAとの2重らせん間に挿入して結合する。
続いて、バイオアッセイ用基板1の表面1aを純水等で洗浄し、ハイブリダイゼーションを起こしていないウェル8内のサンプルDNA及び蛍光標識剤を除去する。この結果、ハイブリダイゼーションを起こしたウェル8内にのみ、蛍光標識剤が残存することとなる。
続いて、光ディスクの駆動システムと同様にバイオアッセイ用基板1を駆動制御することにより、ウェル8からの蛍光の検出を行う。すなわち、バイオアッセイ用基板1を保持しながら回転駆動するとともに、レーザ光Vをバイオアッセイ用基板1の下側(下面1b側)から照射してアドレスピット9を検出することによりウェル8の位置を特定する。それと同時に、励起光をバイオアッセイ用基板1の下側(下面b側)から検出する。そして、どのウェル8から蛍光が発生されているか、又は蛍光が発生されていないかを検出する。
続いて、バイオアッセイ用基板1上の蛍光が発生していたウェル8の位置を示すマップを作成する。そして、作成したマップ、並びに、各ウェルにどのような塩基配列のプローブDNAが固着されていたかを示す配置マップに基づき、サンプルDNAの配列解析を行う。
(DNA解析装置)
つぎに、上述したバイオアッセイ用基板1を使用してサンプルDNAの配列を解析するDNA解析装置について説明する。
つぎに、上述したバイオアッセイ用基板1を使用してサンプルDNAの配列を解析するDNA解析装置について説明する。
図9に示すように、DNA解析装置51は、上述したバイオアッセイ用基板1を保持して回転させるディスク装填部52と、ハイブリダイゼーションのための各種溶液を貯留するとともにバイオアッセイ用基板1のウェル8にその溶液を滴下する滴下部53と、バイオアッセイ用基板1から励起光を検出するための励起光検出部54と、上記各部の管理及び制御を行う制御/サーボ部55とを備えている。
ディスク装填部52は、バイオアッセイ用基板1の中心孔2内に挿入して当該バイオアッセイ用基板1を保持するチャッキング機構61と、チャッキング機構61を駆動することによりバイオアッセイ用基板1を回転させるスピンドルモータ62とを有している。ディスク装填部52は、上面1a側が上方向となるようにバイオアッセイ用基板1を水平に保持した状態で、当該バイオアッセイ用基板1を回転駆動する。ディスク装填部52では、バイオアッセイ用基板1を水平に保持することによって、ウェル8に滴下された溶液が垂れてしまうといった問題を回避することができる。
滴下部53は、試料溶液Sや蛍光標識剤S’を貯留する貯留部63と、貯留部63内の試料溶液Sや蛍光標識剤S’をバイオアッセイ用基板1に滴下する滴下ヘッド64とを有している。
滴下ヘッド64は、水平に装填されたバイオアッセイ用基板1の上面1aの上方に配置されている。さらに、滴下ヘッド64は、バイオアッセイ用基板1のアドレスピットから読み出される位置情報及び回転同期情報に基づいて、バイオアッセイ用基板1との相対位置を半径方向に制御し、サンプルDNA(標的ヌクレオチド鎖T)を含有する試料溶液Sを所定のウェル8の反応領域に正確に追従して滴下する構成とされている。また、貯留部63と滴下ヘッド64との組み合わせは、ハイブリダイゼーションのために使用する試料溶液Sの数だけある。
また、滴下部53では、バイオアッセイ用基板1上の所定の位置に正確に試料溶液を滴下するために、例えば、いわゆる「インクジェットプリンティング方式」に基づく滴下方法が採用されている。「インクジェットプリンティング方式」は、滴下ヘッド64にいわゆるインクジェットプリンタで用いられるインク噴出機構を適用する方法であり、インクジェットプリンタのようなノズルヘッドからバイオアッセイ用基板1に試料溶液Sを噴射するものである。
励起光検出部54は、光学ヘッド70を有している。光学ヘッド70は、水平に装填されたバイオアッセイ用基板1の下方側、すなわち、下面1b側に配置されている。光学ヘッド70は、例えば、図示していないスレッド機構等により、バイオアッセイ用基板1の半径方向に移動自在とされている。
光学ヘッド70は、対物レンズ71と、対物レンズ71を移動可能に支持する2軸アクチュエータ72と、導光ミラー73とを有している。
対物レンズ71は、その中心軸がバイオアッセイ用基板1の表面に対して略垂直となるように2軸アクチュエータ72に支持されている。従って、対物レンズ71は、バイオアッセイ用基板1の下方側から入射された光束を、当該バイオアッセイ用基板1に対して集光することができる。
2軸アクチュエータ72は、バイオアッセイ用基板1の表面に対して垂直な方向、及び、バイオアッセイ用基板1の半径方向の2方向に、対物レンズ71を移動可能に支持している。2軸アクチュエータ72を駆動することにより、対物レンズ71により集光された光の焦点を、バイオアッセイ用基板1の表面に対して垂直な方向及び半径方向に移動させることができる。従って、この光学ヘッド70では、光ディスクシステムにおけるジャストフォーカス制御並びに位置決め制御と同様の制御を行うことができる。
導光ミラー73は、光路X上に対して45°の角度で配置されている。光路Xは、励起光P、蛍光F、サーボ光V及び反射光Rが、光学ヘッド70に対して入射及び出射する光路である。導光ミラー73には、励起光P及びサーボ光Vが光路X上から入射される。導光ミラー73は、励起光P及びサーボ光Vを反射して90°屈折させて、対物レンズ71に入射させる。対物レンズ71に入射された励起光P及びサーボ光Vは、当該対物レンズ71により集光されてバイオアッセイ用基板1に照射される。また、導光ミラー73には、蛍光及びサーボ光Vの反射光Rが、バイオアッセイ用基板1から対物レンズ71を介して入射される。導光ミラー73は、蛍光F及び反射光Rを反射して90°屈折させて、光路X上に出射する。
なお、光学ヘッド70をスレッド移動させる駆動信号及び2軸アクチュエータ72を駆動する駆動信号は、制御/サーボ部55から与えられる。
また、励起光検出部54は、励起光Pを出射する励起光源74と、励起光源74から出射された励起光Pを平行光束とするコリメータレンズ75と、コリメータレンズ75により平行光束とされた励起光Pを光路X上で屈折させて導光ミラー73に照射する第1のダイクロックミラー76とを有している。
励起光源74は、蛍光標識剤を励起可能な波長のレーザ光源を有する発光手段である。励起光源74から出射される励起光Pは、ここでは波長が405nmのレーザ光源である。なお、励起光Pの波長は、蛍光標識剤を励起できる波長であればどのような波長であってもよい。コリメータレンズ75は、励起光源74から出射された励起光Pを平行光束にする。第1のダイクロックミラー76は、波長選択性を有する反射鏡であり、励起光Pの波長の光のみを反射して、蛍光F及びサーボ光Vの波長の光を透過する。第1のダイクロックミラー76は、光路X上に45°の角度で配置されており、コリメータレンズ75から出射された励起光Pを反射して90°屈折させ、導光ミラー73に励起光Pを照射している。
また、励起光検出部54は、蛍光Fを検出するアバランジェフォトダイオード77と、蛍光Fを集光する集光レンズ78と、光学ヘッド70から光路X上に出射された蛍光Fを屈折させてアバランジェフォトダイオード77に照射する第2のダイクロックミラー79とを有している。
アバランジェフォトダイオード77は、非常に感度の高い光検出器であり、微弱光量の蛍光Fを検出することが可能である。なお、アバランジェフォトダイオード77により検出する蛍光Fの波長は、ここでは470nm程度である。また、この蛍光Fの波長は、蛍光標識剤の種類により異なるものである。
集光レンズ78は、アバランジェフォトダイオード77上に蛍光を集光するためのレンズである。
第2のダイクロックミラー79は、光路X上に45°の角度で配置されるとともに、導光ミラー73側から見て第1のダイクロックミラー76の後段に配置されている。従って、第2のダイクロックミラー79には、蛍光F、サーボ光V及び反射光Rが入射し、励起光Pは入射しない。第2のダイクロックミラー79は、光学ヘッド70の導光ミラー73から出射された蛍光Fを反射して90°屈折させ、集光レンズ78を介してアバランジェフォトダイオード77に蛍光Fを照射する。
アバランジェフォトダイオード77では、このように検出した蛍光Fの光量に応じた電気信号を発生し、その電気信号を制御/サーボ部55に供給する。
また、励起光検出部54は、サーボ光Vを出射するサーボ光源80と、サーボ光源80から出射されたサーボ光Vを平行光束とするコリメータレンズ81と、サーボ光Vの反射光Rを検出するフォトディテクト回路82と、非点収差を生じさせてフォトディテクト回路82に対して反射光Rを集光するシリンドリカルレンズ83と、サーボ光Vと反射光Rとを分離する光セパレータ84とを有している。
サーボ光源80は、例えば780nmの波長のレーザ光を出射するレーザ光源を有する発光手段である。なお、サーボ光Vの波長は、アドレスピットが検出できる程度の波長であり、励起光P及び蛍光Fの波長と異なっていれば780nmに限らずどのような波長であってもよい。
コリメータレンズ81は、サーボ光源80から出射されたサーボ光Vを平行光束にする。平行光束とされたサーボ光Vは光セパレータ84に入射される。
フォトディテクト回路82は、反射光Rを検出するディテクタと、検出した反射光Rからフォーカスエラー信号、位置決めエラー信号、及びアドレスピットの再生信号を生成する信号生成回路とを有している。反射光Rは、サーボ光Vがバイオアッセイ用基板1で反射して生成された光であるので、その波長は、サーボ光と同一の780nmである。
なお、フォーカスエラー信号は、対物レンズ71により集光された光の合焦位置と、バイオアッセイ用基板1の基板層3との位置ずれ量を示すエラー信号である。フォーカスエラー信号が0となったときに、対物レンズ71とバイオアッセイ用基板1との間の距離が最適になる。位置決めエラー信号は、所定のウェル8の位置と、焦点位置とのディスク半径方向に対する位置ずれ量を示す信号である。位置決めエラー信号が0となったときに、サーボ光Vのディスク半径方向に対する照射位置が任意のウェル8に一致したこととなる。アドレスピットの再生信号は、バイオアッセイ用基板1に記録されているアドレスピットに記述されている情報内容を示す信号である。この情報内容を読み出すことにより、現在サーボ光Vを照射しているウェル8を特定することができる。
フォトディテクト回路82は、反射光Rに基づき生成されたフォーカスエラー信号、位置決めエラー信号及びアドレスピットの再生信号を制御/サーボ部55に供給する。
シリンドリカルレンズ83は、フォトディテクト回路82上に反射光Rを集光するとともに非点収差を生じさせるためのレンズである。このように非点収差を生じさせることによりフォトディテクト回路82によりフォーカスエラー信号を生成させることができる。
光セパレータ84は、偏光ビームスプリッタからなる光分離面84aと1/4波長板84bにより構成されている。光セパレータ84では、1/4波長板84bの逆側から入射された光を光分離面84aが透過し、その透過光の反射光が1/4波長板84b側から入射された場合には光分離面84aが反射する機能を有している。光セパレータ84は、光分離面84aが光路X上に45°の角度で配置されているとともに、導光ミラー73側から見て第2のダイクロックミラー79の後段に配置されている。従って、光セパレータ84では、コリメータレンズ81から出射された反射光Rを反射することにより90°屈折させ、シリンドリカルレンズ83を介してフォトディテクト回路82に反射光Rを照射する。
制御/サーボ部55は、励起光検出部54により検出されたフォーカスエラー信号、位置決めエラー信号及びアドレスピットの再生信号に基づき、各種のサーボ制御を行う。
すなわち、制御/サーボ部55は、フォーカスエラー信号に基づき光学ヘッド70内の2軸アクチュエータ72を駆動して対物レンズ71とバイオアッセイ用基板1との間の間隔を制御し、フォーカスエラー信号が0となるようにサーボ制御を行う。また、制御/サーボ部55は、位置決めエラー信号に基づき光学ヘッド70内の2軸アクチュエータ72を駆動して対物レンズ71をバイオアッセイ用基板1の半径方向に移動制御し、フォーカスエラー信号が0となるようにサーボ制御を行う。また、制御/サーボ部55は、アドレスピットの再生信号に基づき光学ヘッド70のスレッド移動制御を行って光学ヘッド70を所定の半径位置に移動し、目的のウェル位置に対物レンズ71を移動させる。
また、制御/サーボ部55は、ハイブリダイゼーション時に、交流電力発生部31を制御し、電力の供給の制御も行う。
以上のようなDNA解析装置51では、次のような動作を行う。
DNA解析装置51は、バイオアッセイ用基板1を回転させながら、ウェル8上にサンプルDNAが含有された溶液を滴下し、プローブDNAとサンプルDNAとをハイブリダイゼーションさせる。ハイブリダイゼーション時には上述した電界の制御も行う。また、ハイブリダイゼーション処理の済んだバイオアッセイ用基板1上に、蛍光標識剤を含んだバッファ溶液を滴下する。
また、DNA解析装置51は、蛍光標識剤が滴下された後のバイオアッセイ用基板1を回転させ、励起光Pを当該バイオアッセイ用基板1の下面1b側から入射させてウェル8内の蛍光標識剤に照射し、その励起光Pに応じてその蛍光標識剤から発生した蛍光Fをバイオアッセイ用基板1の下方から検出する。
ここで、DNA解析装置51は、励起光Pとサーボ光Vとを同一の対物レンズ71を介してバイオアッセイ用基板1に照射している。このため、DNA解析装置51では、サーボ光Vを用いたフォーカス制御、位置決め制御、並びにアドレス制御を行うことによって、励起光Pの照射位置、すなわち、蛍光Fの発光位置を特定することが可能となり、その蛍光の発光位置からサンプルDNAと結合したプローブを特定することができる。
1 バイオアッセイ用基板、2 中心孔、3 基板層、4 透明電極層、5 固相化層、6 ウェル形成層、8 ウェル、9 ピット
Claims (22)
- プローブ物質とサンプル物質との相互作用に基づく生化学分析を行うバイオアッセイ装置で使用されるディスク状のバイオアッセイ用基板において、
上記プローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する複数の反応領域が、円心を中心とした複数の円周上に設けられており、
上記反応領域のうち所定のプローブ物質とサンプル物質との反応を検出する複数の反応領域は、上記複数の円周のうち2つ以上の円周上に設けられることを特徴とするバイオアッセイ用基板。 - 上記所定のプローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する複数の反応領域は、上記所定のプローブ物質が固着されている領域と、上記プローブ物質が固着されていない領域とを含むことを特徴とする請求項1記載のバイオアッセイ用基板。
- 上記所定のプローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する複数の反応領域は、半径方向に沿った複数の直線のうち、2つ以上の直線上に設けられることを特徴とする請求項1記載のバイオアッセイ用基板。
- 上記所定のプローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する複数の反応領域は、上記複数の反応領域が設けられている範囲のうち、所定の範囲内に限定して設けられないことを特徴とする請求項1記載のバイオアッセイ用基板。
- プローブ物質とサンプル物質との相互作用に基づく生化学分析を行うバイオアッセイ装置で使用されるディスク状のバイオアッセイ用基板において、
上記プローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する複数の反応領域が、半径方向に沿った複数の直線上に設けられており、
上記反応領域のうち所定のプローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する複数の反応領域は、上記半径方向に沿った複数の直線のうち2つ以上の直線上に設けられることを特徴とするバイオアッセイ用基板。 - 上記所定のプローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する複数の反応領域は、上記所定のプローブ物質が固着されている領域と、上記プローブ物質が固着されていない領域とを含むことを特徴とする請求項5記載のバイオアッセイ用基板。
- 上記所定のプローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する複数の反応領域は、上記複数の反応領域が設けられている範囲のうち、所定の範囲内に限定して設けられないことを特徴とする請求項5記載のバイオアッセイ用基板。
- プローブ物質とサンプル物質との相互作用に基づく生化学分析を行うバイオアッセイ装置で使用されるバイオアッセイ用基板において、
上記プローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する複数の反応領域が設けられており、
上記反応領域のうち所定のプローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する複数の反応領域は、上記複数の反応領域が設けられている範囲のうち、所定の範囲内に限定して設けられないことを特徴とするバイオアッセイ用基板。 - 上記所定のプローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する複数の反応領域は、上記所定のプローブ物質が固着されている領域と、上記所定のプローブ物質が固着されていない領域とを含むことを特徴とする請求項8記載のバイオアッセイ用基板。
- 当該バイオアッセイ用基板の形状は、ディスク状であることを特徴とする請求項8記載のバイオアッセイ用基板。
- 当該バイオアッセイ用基板の形状は、矩形状であることを特徴とする請求項8記載のバイオアッセイ用基板。
- プローブ物質とサンプル物質との相互作用に基づく生化学分析を行うバイオアッセイ装置で使用されるバイオアッセイ用基板の製造方法において、
ディスク状の基板の主面に対して、上記サンプル物質を添加する添加領域を、上記基板の円心を中心とした複数の円周上に複数形成する添加領域形成工程と、
上記添加領域に対して上記プローブ物質を固着させ、上記プローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する反応領域を複数形成する反応領域形成工程を備え、
上記反応領域形成工程では、1種類の上記プローブ物質を、上記基板の円心を中心とした複数の円周のうち2つ以上の円周上に形成された添加領域に対して固着させることを特徴とするバイオアッセイ用基板の製造方法。 - 上記反応領域形成工程では、上記プローブ物質を、全ての上記添加領域に固着させないことを特徴とする請求項12記載のバイオアッセイ用基板の製造方法。
- 上記添加領域形成工程では、上記添加領域を、半径方向に沿った複数の直線上に形成し、
上記反応領域形成工程では、1種類の上記プローブ物質を、上記複数の直線のうち2つ以上の直線上に形成された上記添加領域に対して固着させることを特徴とする請求項12記載のバイオアッセイ用基板の製造方法。 - 上記プローブ物質固着工程では、1種類の上記プローブ物質を、上記添加領域が形成されている範囲のうち、特定の範囲内に形成されている添加領域に限定して固着させないことを特徴とする請求項12記載のバイオアッセイ用基板の製造方法。
- プローブ物質とサンプル物質との相互作用に基づく生化学分析を行うバイオアッセイ装置で使用されるバイオアッセイ用基板の製造方法において、
ディスク状の基板の主面に対して、上記サンプル物質を添加する領域を、半径方向に沿った複数の直線上に複数形成する添加領域形成工程と、
上記添加領域に対して上記プローブ物質を固着させ、上記プローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する反応領域を複数形成する反応領域形成工程を備え、
上記反応領域形成工程では、1種類の上記プローブ物質を、半径方向に沿った複数の直線のうち2つ以上の直線上に形成された添加領域に対して固着させることを特徴とするバイオアッセイ用基板の製造方法。 - 上記反応領域形成工程では、上記プローブ物質を、全ての上記添加領域に固着させないことを特徴とする請求項16記載のバイオアッセイ用基板の製造方法。
- 上記プローブ物質固着工程では、1種類の上記プローブ物質を、上記添加領域が形成されている範囲のうち、特定の範囲内に形成されている添加領域に限定して固着させないことを特徴とする請求項16記載のバイオアッセイ用基板の製造方法。
- プローブ物質とサンプル物質との相互作用に基づく生化学分析を行うバイオアッセイ装置で使用されるバイオアッセイ用基板の製造方法において、
基板の主面に対して、上記サンプル物質を添加する添加領域を複数形成する反応領域形成工程と、
上記添加領域に対して上記プローブ物質を固着させ、上記プローブ物質と上記サンプル物質との反応を検出する反応領域を複数形成する反応領域形成工程を備え、
上記反応領域形成工程では、1種類の上記プローブ物質を、上記添加領域が形成されている範囲のうち、特定の範囲内に形成されている添加領域に限定して固着させないことを特徴とするバイオアッセイ用基板の製造方法。 - 上記反応領域形成工程では、上記プローブ物質を、全ての上記添加領域に固着させないことを特徴とする請求項19記載のバイオアッセイ用基板の製造方法。
- 上記基板の形状は、ディスク状であることを特徴とする請求項19記載のバイオアッセイ用基板の製造方法。
- 上記基板の形状は、矩形状であることを特徴とする請求項19記載のバイオアッセイ用基板の製造方法。
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JP2003394558A JP2005156327A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | バイオアッセイ用基板及びその製造方法 |
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JP2017211390A (ja) * | 2012-03-29 | 2017-11-30 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 試料保持担体およびそれを用いた蛍光検出装置 |
-
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