JP2004091377A - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】反応性シリル基を有するポリマーを皮膜剤として含有する水中油型乳化化粧料において、使用感、耐水性に優れた水中油型乳化化粧料、更には紫外線防御能に優れた水中油型乳化化粧料を提供することにある。
【解決手段】反応性シリル基を有するポリマーと、フッ素系油分とを含有することを特徴とする水中油型乳化化粧料。
【選択図】 なし
【解決手段】反応性シリル基を有するポリマーと、フッ素系油分とを含有することを特徴とする水中油型乳化化粧料。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水中油型乳化化粧料、特に、反応性シリル基を有するポリマーを含有する水中油型乳化化粧料におけるべたつきの抑制及び耐水性の向上、更には紫外線防御能の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、化粧料用の皮膜剤としては、主に有機溶剤溶解系のセルロース系高分子あるいはビニル系高分子が汎用されており、これらの皮膜剤はサンスクリーンなどのサンケア化粧料、ネイルエナメルなどのメーキャップ化粧料、あるいはヘアスタイリング剤等、種々の化粧料に配合されている。ところが、近年、これらの有機溶剤の揮散による人体への影響や環境汚染が問題となっており、有機溶剤を使用しない水系材料への転換が求められていた。
【0003】
このような状況から、水分散性のポリマーを化粧料用の皮膜剤として応用する試みが盛んに検討されており、例えば、アクリル酸系の水系ポリマーエマルジョンを化粧料用の皮膜剤として用いること等が知られている。しかしながら、これらのポリマーは、単に製剤の乾燥によりポリマーが凝縮することによって、皮膜を形成するものであるため、塗膜の耐水性に乏しく、また、化粧料に配合した場合は化粧持ちが不十分であるといった問題があった。
【0004】
そこで、近年、水分散性のポリマーとして、反応性のシリル基を有するポリマーを化粧料用の皮膜剤に用いることが試みられており、例えば、アルコキシシラン残基を含有する単量体を含む共重合体を美爪料に用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような反応性のシリル基を有するポリマーを皮膜剤として用いると、乾燥と共にポリマー内部のシリル基同士が架橋し三次元化することにより、優れた塗膜物性を示すことが知られている。
【0005】
【特許文献1】
特許第3145219号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のような反応性シリル基を有するポリマーを化粧料用の皮膜剤として用いる場合は、通常、水系溶媒中に乳化して用いるものであり、成膜過程においてエマルジョン粒子同士の融着が起こるため、皮膚に塗布した場合、塗膜の乾き際にべたつき感が生じるという使用性上の問題点があった。また、これらのポリマーは、塗膜の耐水性に劣るという問題もあった。さらに、これらのポリマーを配合した化粧料において、紫外線防御剤を共に配合した場合に、紫外線防御剤の種類、及び配合量に見合うだけの十分な紫外線防御効果が得られないという問題もあった。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑み行われたものであり、その目的は、反応性シリル基を有するポリマーを皮膜剤として含有する水中油型乳化化粧料において、使用感、耐水性に優れた水中油型乳化化粧料、更には紫外線防御能に優れた水中油型乳化化粧料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記従来技術の課題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、反応性シリル基を有するポリマーを皮膜剤として含有する水中油型乳化化粧料中に、フッ素系油分を配合することにより、該ポリマー皮膜の機能性を保持しながら、成膜時に生じるべたつき感を抑制できること、また、該ポリマー皮膜の耐水性を向上することができることを見出した。さらに、反応性シリル基を有するポリマーと、紫外線防御剤とを含有する水中油型乳化化粧料において、フッ素系油分を配合することにより、紫外線防御能が向上することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明にかかる水中油型乳化化粧料は、反応性シリル基を有するポリマーと、フッ素系油分とを含有することを特徴とする。また、前記水中油型乳化化粧料において、フッ素系油分は化合物中のフッ素含有率が1質量%以上であることが好適である。また、前記水中油型乳化化粧料において、反応性シリル基を有するポリマーを0.0001〜20.0質量%、フッ素系油分を0.001〜20.0質量%含有することが好適である。また、前記水中油型乳化化粧料において、さらに紫外線防御剤を含有することが好適である。
【0009】
また、本発明にかかる皮膚外用剤は、反応性シリル基を有するポリマーと、フッ素系油分とを含有することを特徴とする。また、前記皮膚外用剤は、さらに紫外線防御剤を含有することが好適である。また、本発明にかかる日焼け止め化粧料は、反応性シリル基を有するポリマーと、フッ素系油分と、紫外線防御剤とを含有することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明に用いられる反応性シリル基を有するポリマーとは、反応性シリル基を官能基として有する重合性のモノマーの1種又は2種以上を、構成モノマーとして有するポリマーのことであり、このようなものであれば、特に限定されるものではなく、いずれのものを用いることもできる。
【0011】
なお、反応性シリル基とは、加水分解することによりシロキサン結合−Si−O−Si−を形成することによって、ポリマー分子間を架橋し得る官能基のことであり、−SiR3で表されるシリル基において、Rで示される官能基のうちの1又は2以上が、水酸基、又は加水分解反応により水酸基となり得る官能基、例えば、アルコキシ基、水素原子、ハロゲン原子、アシルオキシ基、アミノ基等の官能基で置換されたシリル基のことである。
【0012】
そして、本発明において反応性シリル基を有するポリマーとは、前述したような反応性シリル基を官能基として有する重合性のモノマーの1種又は2種以上を、構成モノマーとして有するポリマーのことである。ここで、反応性シリル基を有する重合性のモノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジプロポキシシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、などのビニル基、アクリロキシまたはメタクリロキシ基と、アルコキシシリル基とを有する重合性モノマーが挙げられる。
【0013】
また、本発明に用いられる反応性シリル基を有するポリマーとしては、上記反応性シリル基を有する重合性モノマー以外の重合性モノマーを構成モノマーとして含有することができる。このような重合性モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、イソプレン、ビニルアセチレン、ジビニルアセチレン、塩化ビニル、フッ化ビニル、スチレン、メチルスチレン、ビニルスチレン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、アクリル酸、メタクリル酸、メチルビニルエーテル、2−メトキシエチルビニルエーテル、メチルトリエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシエトキシエチルメカクリレート、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリドン、N−アクロイルモルホリン、ビニルピロリドン、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボニルメタクリレート、メタクリル酸ポリジメチルシロキサン、アクリル酸ポリジメチルシロキサン等を挙げることができる。
【0014】
なお、反応性シリル基を有するポリマーは、上記反応性シリル基を有する重合性のモノマーの1種又は2種以上、又はこれと上記重合性モノマーの1種又は2種以上とを併せて用い、公知の重合方法により重合させることによって得ることができる。
本発明にかかる反応性シリル基を有するポリマーの平均分子量は、オリゴマー以上の重合度を有していればよく、特に制限されるものではない。ただし、重合度が小さい場合、塗膜強度が低下し、また、あまりに重合度が大きすぎると塗膜の除去性に劣ることから、ポリマーの平均分子量は2000〜200000程度であることが好ましい。
【0015】
本発明にかかる反応性シリル基を有するポリマーとしては、前述のようにして得られた反応性シリル基を有するポリマーを、予め乳化剤とともに水を主とした水系溶媒中に分散させたポリマーエマルジョンの形態として、本発明の水中油型乳化化粧料中に配合して用いることもできる。
【0016】
また、本発明にかかる反応性シリル基を有するポリマーとしては、前述した反応性シリル基を有する重合性モノマーの1種又は2種以上を含む重合性モノマーの混合物を、乳化剤により水系溶媒中に乳化した状態で、重合開始剤を用いて乳化重合を行うことによって得られたポリマーエマルジョンを、本発明の水中油型乳化化粧料中に配合して用いることもできる。
なお、前述のようにして、乳化重合によりポリマーエマルジョンを製造する際には、上記重合性モノマー、乳化剤、開始剤といった各種原料の他に、予め適量の緩衝剤、重合度を調整する連鎖移動剤等を配合した状態で、重合を行うことも出来る。
【0017】
本発明の水中油型乳化化粧料において、反応性シリル基を有するポリマーは、水中油型乳化化粧料の総量に対して、0.0001〜20.0質量%配合することが好ましく、更には0.01〜10.0質量%配合することがより好ましい。反応性シリル基を有するポリマーの配合量が0.0001質量%未満である場合、皮膜剤としての効果が見られない場合があり、また、20.0質量%を超えて配合すると、化粧料中での経時安定性が悪化する恐れがある。また、化粧料中の皮膜剤として使用する場合には、必要な時に安全且つ簡便な方法で皮膜を除去できることが必要であり、この観点からも、反応性シリル基を有するポリマーの配合量は20.0質量%以下であることが好適である。
【0018】
また、本発明に用いられるフッ素系油分とは、化合物の構造中にフッ素原子を有する油性の化合物のことであり、このようなものであれば、特に限定されるものではなく、いずれのものを用いることもできる。
なお、本発明に用いられるフッ素系油分の具体例としては、例えば、以下のようなものを挙げることができる。
【0019】
本発明に用いられるフッ素系油分としては、例えば、下記一般式(1)で示されるフッ素系ポリマーが挙げられる。
【化1】
(式中、Rは炭化水素基を示し、XはRとCH2とを連結する基を示し、nは分子量が5000〜1000000となるような整数を示し、Rfは末端炭素原子に水素原子を有していてもよいフッ化炭素基を示す)
前記フッ素系ポリマーにおいては、特に分子量が5000〜500000、特に10000〜300000のものが好ましい。
【0020】
また、前記フッ素化ポリマーにおいて、一般式(1)中、Rで示される炭化水素基としては、炭素数2〜30、特に2〜20の直鎖又は分岐鎖のものが好ましく、更に炭素数2〜20のアルキル基が好ましい。また、XはRとCH2とを連結する基であり、例えば、エステル結合(−COO−又は−OCO−)、エーテル結合(−O−)、アミド結合(−NHCO−又は−CONH−)、ウレタン結合(−NHCOO−又は−OCONH−)、尿素結合(−NHCONH−)、−CH(OH)CH2O−基、又は−OCH2CH(OH)−基が挙げられ、特にエステル結合又はエーテル結合が好ましい。nは1又は2が好ましく、Rfで示されるフッ化炭素基としては、炭素数3〜20、特に3〜18の直鎖又は分岐鎖のパーフルオロアルキル基、又はω−ヒドロパーフルオロアルキル基が好ましい。また、前記フッ素系ポリマー(1)において、総炭素数は6〜50であり、特に10〜40、更には10〜30が好ましい。
【0021】
前記フッ素化ポリマー(1)のうち、Xがエステル結合である化合物は、例えば、Rf(CH2)nOHで表されるアルコールに脂肪酸R−COOH又はその反応性誘導体を反応させることにより製造することができる。また、Xがエーテル結合である化合物は、例えば、Rf(CH2)nOHで表されるアルコールに、下記一般式(2)で表されるカルボニル化合物を、水素化触媒の存在下、水素雰囲気中で反応させることにより製造することができる。
【化2】
【0022】
前記フッ素化ポリマー(1)の特に好ましい例としては、具体的には、パーフルオロオクチルエチルオクタノエート、パーフルオロオクチルエチルステアレート、パーフルオロオクチルエチルカプリレート、パーフルオロオクチルエチルデシルエーテル、パーフルオロヘキシルエチル−1,3−ジメチルブチルエーテル、パーフルオロオクチルエチルエチルエーテル、パーフルオロステアリルメチルエチルエーテル、パーフルオロプロピルエチルオクチルエーテル、パーフルオロオクチルエチルオクチルエーテル、パーフルオロブチルエチルヘキシルエーテル等が挙げられる。
【0023】
また、本発明に用いられるフッ素系油分として、下記一般式(3)で示されるフッ素化アクリル酸系ポリマーが挙げられる。
【化3】
(式中、R1はC1〜C30のアルキル基、R2はC1〜C20のパーフルオロアルキル基、mは1〜5、x及びyは分子量が5000〜1000000となるような整数を示す。)
【0024】
前記フッ素化アクリル酸系ポリマーにおいては、x及びyは5000〜500000、特に10000〜300000となる整数が好ましい。また、xとyとの比はx:y=8:2〜1:9、特にx:y=5:5〜1:9であることが好ましい。
前記フッ素化アクリル酸系ポリマーの特に好ましい例としては、具体的には、分子量10000〜300000のアルキルメタクリレート・パーフルオロアルキルメタクリレート共重合体で、上記一般式(3)におけるxとyとの比が2/3のものが特に好ましい。
【0025】
また、本発明に用いられるフッ素系油分として、下記一般式(4)で示されるフッ素化アルキレンオキシドポリマーが挙げられる。
【化4】
(式中、lは60〜100000の整数を示す。)
【0026】
また、本発明に用いられるフッ素系油分として、下記一般式(5)で示されるパーフルオロポリエーテルが挙げられる。
【化5】
(式中、R3、R5、R6及びR7は同一又は異なってもよく、フッ素原子、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキルオキシ基を示し、R4はフッ素原子又はパーフルオロアルキル基を示し、a、b及びcは分子量が5000〜1000000となる整数を示す)
【0027】
なお、本発明に用いられるパーフルオロポリエーテルとしては、上記一般式(5)に示される各構成モノマーは、必ずしもこの順で並んでいる必要はなく、構成モノマーの順序が適宜入れ替わった化合物も本発明に用いることができる。例えば、上記各構成モノマーがランダム重合した化合物、ブロック重合した化合物を本発明に用いることができる。また、本発明に用いられるパーフルオロポリエーテルとしては、特に粘度が5〜5,000mm2/sの液体状のものが好ましい。
【0028】
また、前記パーフルオロポリエーテルの特に好ましい例としては、具体的には、下記一般式(6)で示されるFOMBLIN HC−R(平均分子量6,600)(モンテフロス社製)、および、下記一般式(7)で示されるデムナムS−20(重量平均分子量25,000)、同S−100(同5,600)、同S−200(同8,400)(以上、ダイキン工業社製)等の市販品を挙げることができる。
【0029】
【化6】
(式中、d及びeは分子量が5000〜1000000となる整数を示し、d/eは0.2〜2を示す)
【0030】
【化7】
(式中、fは分子量が5000〜1000000となる整数を示す)
【0031】
また、本発明に用いられるフッ素系油分として、下記一般式(8)〜(11)で表されるフッ素含有構造単位の1種又は2種以上と、一般式(12)で表される構造単位とからなるフッ素変性シリコーンが挙げられる。
【化8】
(式中、R8は炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基又は炭素数5〜10の脂環式若しくは芳香族炭化水素基を示し;R9は、水素原子、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10の脂環式、芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基、若しくは次式:H(CF2)g−(gは1〜20の整数を示す)で表されるω−H−パーフルオロアルキル基を示し;R10は、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のパーフルオロアルキル基、又は次式:H(CF2)g−(gは1〜20の整数を示す)で表されるω−H−パーフルオロアルキル基を示し;X2及びY2は単結合、−CO−又は炭素数1〜6の二価の炭化水素基を示し;hは1〜200、iは1〜16の数を示す。)
【0032】
【化9】
(式中、R8は炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基又は炭素数5〜10の脂環式若しくは芳香族炭化水素基を示し;R10及びR11は同一又は異なってもよく、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のパーフルオロアルキル基又は次式:H(CF2)g−(gは1〜20の整数を示す)で表されるω−H−パーフルオロアルキル基を示し;hは1〜200、iは2〜16、j及びkはそれぞれ1〜16の数を示す。)
【0033】
【化10】
(式中、R8は、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基又は炭素数5〜10の脂環式若しくは芳香族炭化水素基を示し;R10、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のパーフルオロアルキル基又は次式:H(CF2)g−(gは1〜20の整数を示す)で表されるω−H−パーフルオロアルキル基を示し;R12は、炭素数2〜6の二価の炭化水素基を示しiは2〜16の数を示し、j及びkはそれぞれ1〜16の数を示し、hは1〜200、iは2〜16、wは0〜20、vは0〜200の数を示す。)
【0034】
【化11】
(式中、R8は、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基又は炭素数5〜10の脂環式若しくは芳香族炭化水素基を示し;R10は、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のパーフルオロアルキル基又は次式:H(CF2)g−(gは1〜20の整数を示す)で表されるω−H−パーフルオロアルキル基を示し;hは1〜200、iは2〜16の数を示す。)
【0035】
【化12】
(式中、R13及びR14は、同一又は異なってもよく、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基又は炭素数5〜10の脂環式若しくは芳香族炭化水素基を示し;R9 は、水素原子、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10の脂環式若しくは芳香族炭化水素基、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基又は次式:H(CF2)g−(gは1〜20の整数を示す)で表されるω−H−パーフルオロアルキル基を示し;hは1〜200の数を示す。)
【0036】
一般式(8)〜(12)で表される構造単位において、R10及びR11で示されるパーフルオロアルキル基としては、例えば、CF3−、C2F5−、C4F9−、C6F13−、C8F17−、C10F21−、H(CF2)2−、H(CF2)4−、H(CF2)6−、H(CF2)8−、(C3F7)C(CF3)2−等が挙げられる。また、H(CF2)g−で表されるパーフルオロアルキル基におけるgが、6〜20の整数であるものが好ましい。また、R8、R13及びR14で示される炭化水素基としては、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基;フェニルナフチル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。また、R12で示される二価の炭化水素基としては、炭素数2〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基が好ましく、特にエチレン基、プロピレン基が好ましい。
【0037】
前記フッ素変性シリコーンとしては、例えば、下記一般式(13)で表されるフッ素変性シリコーン、又は、下記一般式(14)で表されるフッ素変性シリコーンが挙げられる。
【0038】
【化13】
(式中、Z1及びZ2は、少なくとも一方は上記一般式(8)〜(11)から選ばれる構造単位を示し、残余は単結合を示し、pは0〜200の数を示し、R13及びR14は前記と同じ意味を示す)
【0039】
【化14】
(式中、Z3は、一般式(8)〜(11)から選ばれる構造単位を示し、R15は炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基又は炭素数5〜10の脂環式若しくは芳香族の炭化水素基を示し、p、R13及びR14は前記と同じ意味を示す。)
【0040】
一般式(8)〜(12)で表される構造単位、及び一般式(13)、(14)で表されるフッ素変性シリコーンにおける各式中の基としては、撥水性、撥油性及び使用性の点から下記のものが好ましい。R10R11としては、炭素数6〜20の直鎖若しくは分岐鎖のパーフルオロアルキル基又は次式;H(CF2)q−(qは6〜20の整数を示す)で表されるω−H−パーフルオロアルキル基が好ましい。R8、R13R14としては、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素基が好ましい。R9しては、水素原子、炭素数6〜20のパーフルオロアルキル基又は次式;H(CF2)q−(qは6〜20の整数を示す)で表されるω−H−パーフルオロアルキル基が好ましい。R12としては、炭素数2〜4の二価の炭化水素基が好ましい。X2 及びY2 は単結合、−CO−又は炭素数1〜4の二価の炭化水素基が好ましく、iは2〜10、特に2〜5の数が好ましく、j及びkは、それぞれ2〜10、特に1〜6の数が好ましく、hは1〜100、特に1〜10の数が好ましく、wは0〜20、特に0〜5の数が好ましく、vは0〜100、特に0〜10の数が好ましい。なお、フッ素変性シリコーンの構造単位の配列は、交互でもブロックでもランダムでもよい。
【0041】
更に、本発明に用いられるフッ素変性シリコーンとしては、市販品である旭硝子社製のFSL−300、信越化学工業社製のX−22−819、X−22−820、X−22−821、X−22−822及びFL−100、東レダウコーニングシリコーン社製のFS−1265等を用いることもできる。
【0042】
本発明にかかるフッ素系油分としては、化合物中のフッ素含有率が1質量%以上であることが好ましい。化合物中のフッ素含有率が1質量%未満であると、べたつき改善、耐水性の向上等の効果が十分に発揮できない場合がある。
また、本発明にかかるフッ素系油分は、水中油型乳化化粧料の全組成中に0.001〜20.0質量%配合するのが好ましく、更に0.01〜10.0質量%配合することが好ましい。フッ素系油分の配合量が0.001質量%未満である場合、べたつき改善、耐水性の向上等の効果十分に発揮できない場合があり、また20.0質量%を超えて配合しても、配合量に見合うだけの効果が発揮できない。
【0043】
また、本発明にかかる水中油型乳化化粧料において、さらに紫外線防御剤を配合することが好適である。本発明に用いられる紫外線防御剤は、紫外線から保護する目的で配合される製剤であれば、特に制限されるものではなく、いずれのものを用いることもできる。本発明に用いられる紫外線防御剤としては、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤が挙げられる。
【0044】
本発明に用いられる紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸(以下 PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAメチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル−N− アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5− ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2− エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p− メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート、トリメトキシ桂皮酸メチルビス(トリメチルシロキサン)シリルイソペンチル等の桂皮酸系紫外線吸収剤、3−(4’−メチルベンジリデン)−d,1−カンファー、3−ベンジリデン−d,1−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]1,3,5−トリアジン、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシロキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−(1,3,5)−トリアジン、 2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、オクトクリレン等が挙げられ、上記紫外線吸収剤の任意の一種または二種以上を本発明に用いることができる。
【0045】
また、本発明に用いられる紫外線吸収剤としては、例えば、オクチルメトキシシンナメート(商品名:パルソールMCX)、t−ブチルメトキシベンゾイルメタン(商品名:パルソール1789)、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル(商品名:サンシェルターSP)、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(商品名:エスカロール507D)、パラジメチルアミノ安息香酸メチル(商品名:エスカロール506)、2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキソロキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(商品名:チノソーブS)を特に好適に用いることができる。
【0046】
本発明に用いられる紫外線散乱剤としては、例えば、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛、微粒子酸化亜鉛、酸化鉄、微粒子酸化鉄、酸化セリウムなどの粉末が挙げられる。なお、粉末としては、通常、針状、紡錘状、球状、粒状の粉末が使用され、また、粒子径が0.1μm以下の微粒子粉末が好ましい。また、メチルハイドロジェンポリシロキサンやシランカップリング剤などのシリコーン処理;金属石鹸処理;パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩やパーフルオロアルキルシラン等のフッ素処理、デキストリン脂肪酸エステル処理等により、疎水化処理した紫外線散乱剤も好適に用いることができる。
【0047】
本発明にかかる水中油型乳化化粧料において、紫外線防御剤は、水中油型乳化化粧料の全組成中に0.001〜40.0質量%配合することが好ましく、更に好ましい配合量は0.01〜10.0質量%である。0.001質量%未満である場合、紫外線防御効果が十分に発揮できない場合があり、40.0質量%を超えて配合しても、配合量に見合うだけの効果が発揮できない。
【0048】
本発明にかかる水中油型乳化化粧料は、前述した必須成分を既存の化粧料基剤に配合することにより調整される。
なお、本発明の水中油型乳化化粧料においては、必須成分であるフッ素系油分以外の油性成分を適宜配合しても良い。このような油性成分としては、通常化粧料に用いられるものであれば、特に限定されることなく用いることができるが、例えば、オリーブ油、ホホバ油、ミンク油、モクロウ等の油脂類、ミツロウ、キャンデリラロウ等のロウ類、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素類、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、セタノール等の高級アルコール類、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル類、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン化合物等が挙げられる。
【0049】
また、本発明にかかる水中油型乳化化粧料においては、前述した必須成分の他に通常化粧料に用いられる他の成分、例えば、粉末成分、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調製剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、精製水等を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤型に応じて常法により製造することが出来る。
【0050】
なお、本発明は、反応性シリル基を有するポリマーを皮膜剤として含有する水中油型乳化化粧料において、フッ素系油分を配合することにより、皮膜形成時のべたつきを改善し、さらに皮膜の耐水性を向上させるといった効果を奏するものであるため、水中油型乳化化粧料が皮膚外用剤である場合に特に有用である。また、加えて、水中油型乳化化粧料中に紫外線防御剤を共に配合する場合に、紫外線防御能を向上させるといった効果を奏するものであるため、水中油型乳化化粧料が日焼け止め化粧料である場合に、特に有用である。
【0051】
本発明の水中油型乳化化粧料において、皮膜のべたつきの改善、耐水性の向上、さらには紫外線防御能の向上といった効果が発現する作用機作としては、以下のように推測することができる。
反応性シリル基を有するポリマーは、水中油型乳化組成物として水系溶媒中に分散している状態では、ポリマー表面及び内部の反応性シリル基は、外部の水によって加水分解され、シラノール基として存在している(図1)。そしてこれを人体に塗布すると、該水中油型乳化組成物中の水分が徐々に揮発し、ポリマー中の反応性シリル基同士が近づき、架橋反応が起こることによって皮膜が形成される(図2)。
【0052】
しかしながら、前述のようにしてポリマーによる皮膜が形成される途中で、水分が徐々に揮発し水分量が減少していくと、ポリマーエマルジョン同士の融着が起こり、残留している水分がポリマー中に取り込まれ、ポリマーはゲル状の様相を呈する。そして、この時、ポリマー皮膜表面上がべたつきを有するようになると考えられる。なお、ポリマーからなる皮膜内部には、揮発せずに残留している油分や保湿剤等の配合成分が散在しており、これも皮膜表面上でのべたつきの原因となっているものと考えられる。
【0053】
これに対して、本発明の水中油型乳化化粧料はフッ素系油分を配合しており、該フッ素系油分は疎水性とともに疎油性をも有していることから、皮膜形成時にポリマーからなる皮膜と相分離を起こし、皮膜表面上を覆うような形で該フッ素系油分が存在するようになる(図3)。そして、このために、従来の化粧料における皮膜表面上でのべたつきを抑えることができるのである。また、これと同時に、フッ素系油分がポリマーからなる皮膜表面を保護することとなり、該フッ素系油分の有する撥水性によって皮膜の耐水性を向上させることもできる。
【0054】
また、前述のような水中油型乳化化粧料中にさらに紫外線防御剤を配合しているような場合、フッ素系油分を配合していることにより、皮膜形成時にフッ素系油分が皮膜の表面を覆うことによって、形成される皮膜の均一性が向上し、さらには、前述したように皮膜の耐水性が向上することによって、フッ素系油分を配合していないものと比較して、紫外線防御剤がその効果を十分に発揮することができるようになるのである。
【0055】
【実施例】
以下、実施例に基づき、本発明について更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、配合量はすべて質量%で示す。まず、本発明の実施例に用いた試験方法及び評価方法を説明する。
【0056】
[使用性(べたつき感)試験]
下記実施例に示す処方の実施例品、比較例品の使用性(べたつき感)をパネル(50名)の実使用試験によって下記基準により判定、評価した。
(判定基準)
著効 :極めてべたつかない
有効 :べたつかない
やや有効:若干べたつかない
無効 :べたつく
(評価)
◎:著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が80%以上
〇:著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が50〜80%未満
△:著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が30〜50%未満
×:著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が30%未満
【0057】
[使用性(肌のハリ感)試験]
下記実施例に示す処方の実施例品、比較例品の使用性(肌のハリ感)をパネル(50名)の実使用試験によって下記基準により判定、評価した。
(判定基準)
著効 :極めてハリ感を感じる
有効 :ハリ感を感じる
やや有効:若干ハリ感を感じる
無効 :ハリ感を感じない
(評価)
◎:著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が80%以上
〇:著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が50〜80%未満
△:著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が30〜50%未満
×:著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が30%未満
【0058】
[In vitro SPF測定]
5×5cmのVitro skinシートを予め専用保湿チャンバー中に終夜放置し吸湿平衡に到達させた。該シート上に50μLの製剤を均一に塗布(2μL/cm2)し、塗布15分後にスペクトルメーターで透過率を測定し、透過率の測定値からIn vitro SPF値を算出した。
【0059】
[耐水性試験]
5×5cmのVitro skinシートを予め専用保湿チャンバー中に終夜放置し吸湿平衡に到達させた。該シート上に50μLの製剤を均一に塗布(2μL/cm2)し、塗布15分後にスペクトルメーターで製剤適用直後の透過率を測定した。次に、該シートを専用保湿チャンバー中に終夜放置し再び吸湿平衡に到達させた。次に、該シートをバットに入れ、該シートに直接当たらないよう流速で水道水に2分間浸漬した後、軽く室温で乾かした後該チャンバー中に終夜放置した。該シートをスペクトルメーターで水洗後の透過率を測定し、透過率の測定値からSPF値を算出した。そして、このSPF値と、水への浸漬を行わずに測定したIn vitro SPF値との比を算出し、耐水性の評価を行った。
【0060】
【実施例1、2、比較例1〜4】
下記表1に示されるリフティング製剤を調製し、これら被験試料に関して使用性(べたつき感、肌のハリ感)試験を実施した。結果を表1中に併せて示す。
【表1】
【0061】
なお、表1において、(3)は下記一般式(15)で表されるシ゛メチルシロキサン・シ゛フェニルシロキサンメチル(ハ゜ーフルオロアルキル)シロキサン共重合体である。
【化15】
(式中、Rfは、CF3(CF2)7CH2−で表される基を示す。)
また、(4)はFOMBLIN HC−04(モンテフルオス社製)である。
また、(22)は、エレミノールJS−2 TM(三洋化成工業社製)5部、過硫酸アンモニウム0.3部、n−フ゛チルメタクリレート60部、2−エチルヘキシルアクリレート30部、メタクリル酸5部、X−24−8201 TM(信越化学工業社製)2.5部、ヘフ゜タテ゛カフルオロn−テ゛シルアクリレート2.5部、及びγ−メタクリロキシフ゜ロヒ゜ルトリエトキシシラン0.3部で得られた実分40質量%の水系ホ゜リマーエマルシ゛ョンである。
(製法)
(5)〜(11)及び(13)〜(21)を混合し、予め混合しておいた(1)〜(4)を徐添して乳化物を調製した後、これに(12)及び(22)を順次添加して、リフティング製剤を調製した。
【0062】
表1からわかるように、反応性シリル基含有ポリマーを配合した比較例2のリフティング製剤では明らかなべたつきを生じている。これに対して、フッ素油分であるジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサンメチル(パーフルオロアルキル)シロキサン共重合体、パーフルオロポリエーテルを配合した実施例1、2のリフティング製剤は、比較例2と比べ、肌のハリ感を保持しつつ、べたつき感が改善されており、使用性が著しく良好であることが分かる。一方で、シリコーン油であるメチルポリシロキサンや炭化水素系の油分である流動パラフィンを配合した比較例3、4のリフティング製剤では、べたつき感が改善されていない。このことから、反応性シリル基含有ポリマーの配合によるべたつき感の改善といった効果は、フッ素系油分に特有の効果であることが分かる。
【0063】
実施例3〜6、比較例5、6
下記表2に示されるリフティング製剤を調製し、これら被験試料に関して使用性(べたつき感、肌のハリ感)試験を実施した。結果を表2中に併せて示す。
【表2】
【0064】
なお、表2において、(3)は前記一般式(15)で表されるシ゛メチルシロキサン・シ゛フェニルシロキサンメチル(ハ゜ーフルオロアルキル)シロキサン共重合体である。
また、(4)はFOMBLIN HC−04(モンテフルオス社製)である。
また、(22)はエレミノールJS−2 TM(三洋化成工業社製)5部、過硫酸アンモニウム0.3部、n−フ゛チルメタクリレート60部、2−エチルヘキシルアクリレート30部、メタクリル酸5部、X−24−8201 TM(信越化学工業社製)2.5部、ヘフ゜タテ゛カフルオロn−テ゛シルアクリレート2.5部、及びγ−メタクリロキシフ゜ロヒ゜ルトリエトキシシラン0.3部で得られた実分40質量%の水系ホ゜リマーエマルシ゛ョンである。
(製法)
(5)〜(11)及び(13)〜(21)を混合し、予め混合しておいた(1)〜(4)を徐添して乳化物を調製した後、これに(12)及び(22)を順次添加して、リフティング製剤を調製した。
【0065】
表2からわかるように、反応性シリル基含有ポリマーを配合した比較例6のリフティング製剤では明らかなべたつきを生じている。これに対して、フッ素油分を配合した実施例3〜6のリフティング製剤は、比較例6と比べ、肌のハリ感を保持しつつ、べたつき感が改善されており、使用性が著しく良好であることが分かる。
【0066】
【実施例7〜10、比較例7、8】
下記表3に示される〇/W乳化型ファンデーションを調製し、これら被験試料に関して使用性(べたつき感、肌のハリ感)試験を実施した。結果を表3中に併せて示す。
【表3】
【0067】
なお、表3において、(5)はエレミノールJS−2 TM(三洋化成工業社製)5部、過硫酸アンモニウム0.3部、n−フ゛チルメタクリレート65部、2−エチルヘキシルアクリレート30部、メタクリル酸5部、及びγ−メタクリロキシフ゜ロヒ゜ルトリエトキシシラン0.3部で得られた実分40質量%の水系ホ゜リマーエマルシ゛ョンである。
また、(18)は前記一般式(15)で表されるシ゛メチルシロキサン・シ゛フェニルシロキサンメチル(ハ゜ーフルオロアルキル)シロキサン共重合体である。
また、(19)はFOMBLIN HC−04(モンテフルオス社製)である。
(製法)(1)〜(5)の各成分を加熱混合し、これに混合粉砕した(6)〜(10)を加えて均一に分散した。別に(11)〜(21)を加熱調製して、これに加えて混合乳化した後、容器に充填して冷却し、〇/W乳化型ファンデーションを得た。
【0068】
表3からわかるように、反応性シリル基含有ポリマーを配合した比較例8のO/W乳化型ファンデーションでは明らかなべたつきを生じているのに対して、フッ素油分を配合した実施例7〜10の〇/W乳化型ファンデーションは、比較例8と比べ、肌のハリ感を保持しつつ、べたつき感が改善されており、使用性が著しく良好であることが分かる。
【0069】
【実施例11〜14、比較例9、10】
下記表4に示されるO/W乳化型サンプロテクターを調製し、これら被験試料に関してIn vitro SPF測定、耐水性試験、及び使用性(べたつき感)試験を実施した。結果を表4中に併せて示す。
【表4】
【0070】
なお、表4において、(1)は前記一般式(15)で表されるシ゛メチルシロキサン・シ゛フェニルシロキサンメチル(ハ゜ーフルオロアルキル)シロキサン共重合体である。
また、(2)はFOMBLIN HC−04(モンテフルオス社製)である。
また、(18)はメチルメタクリレート42部、フ゛チルアクリレート53部、メチルアクリレート5部、KBE−503TM(信越化学工業社製)0.3部、エレミノールJS−2 TM(三洋化成工業社製)4.0部、及び過硫酸アンモニウム0.22部で得られた実分40質量%の水系ホ゜リマーエマルシ゛ョンである。
(製法)
(6)〜(12)及び(14)〜(17)を混合し、予め混合しておいた(1)〜(5)を徐添して乳化組成物を調製した後、これに(13)及び(18)を順次添加して、O/W乳化型サンプロテクターを調製した。
【0071】
表4からわかるように、フッ素系油分を配合していない比較例9,10のO/W乳化型サンプロテクターではIn vitro SPF値が小さく、さらに耐水性も低い。また、反応性シリル基含有ポリマーを配合した比較例10では明らかなべたつきを生じている。これに対して、フッ素油分を配合した実施例11〜14のO/W乳化型サンプロテクターは、比較例9,10と比べ、In vitroSPF値が大きくなっていることから紫外線防御能が向上しており、さらに耐水性も向上していることが分かる。また、比較例10と比べて、反応性シリル基含有ポリマーによるべたつき感が改善されており使用性も良好であることが分かる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、反応性シリル基を有するポリマーを皮膜剤として配合する水中油型乳化化粧料において、フッ素系油分を配合することにより、皮膜形成時のべたつき感を抑制することにより使用感が向上し、さらに皮膜の耐水性を向上することができる。また、本発明の水中油型乳化化粧料に紫外線防御剤を共に配合した場合には、紫外線防御能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反応性シリル基を有するポリマーの水中での存在状態の説明図である。
【図2】反応性シリル基を有するポリマーの成膜時の脱水縮合の説明図である。
【図3】本発明にかかる水中油型乳化化粧料において形成される皮膜の説明図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は水中油型乳化化粧料、特に、反応性シリル基を有するポリマーを含有する水中油型乳化化粧料におけるべたつきの抑制及び耐水性の向上、更には紫外線防御能の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、化粧料用の皮膜剤としては、主に有機溶剤溶解系のセルロース系高分子あるいはビニル系高分子が汎用されており、これらの皮膜剤はサンスクリーンなどのサンケア化粧料、ネイルエナメルなどのメーキャップ化粧料、あるいはヘアスタイリング剤等、種々の化粧料に配合されている。ところが、近年、これらの有機溶剤の揮散による人体への影響や環境汚染が問題となっており、有機溶剤を使用しない水系材料への転換が求められていた。
【0003】
このような状況から、水分散性のポリマーを化粧料用の皮膜剤として応用する試みが盛んに検討されており、例えば、アクリル酸系の水系ポリマーエマルジョンを化粧料用の皮膜剤として用いること等が知られている。しかしながら、これらのポリマーは、単に製剤の乾燥によりポリマーが凝縮することによって、皮膜を形成するものであるため、塗膜の耐水性に乏しく、また、化粧料に配合した場合は化粧持ちが不十分であるといった問題があった。
【0004】
そこで、近年、水分散性のポリマーとして、反応性のシリル基を有するポリマーを化粧料用の皮膜剤に用いることが試みられており、例えば、アルコキシシラン残基を含有する単量体を含む共重合体を美爪料に用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような反応性のシリル基を有するポリマーを皮膜剤として用いると、乾燥と共にポリマー内部のシリル基同士が架橋し三次元化することにより、優れた塗膜物性を示すことが知られている。
【0005】
【特許文献1】
特許第3145219号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のような反応性シリル基を有するポリマーを化粧料用の皮膜剤として用いる場合は、通常、水系溶媒中に乳化して用いるものであり、成膜過程においてエマルジョン粒子同士の融着が起こるため、皮膚に塗布した場合、塗膜の乾き際にべたつき感が生じるという使用性上の問題点があった。また、これらのポリマーは、塗膜の耐水性に劣るという問題もあった。さらに、これらのポリマーを配合した化粧料において、紫外線防御剤を共に配合した場合に、紫外線防御剤の種類、及び配合量に見合うだけの十分な紫外線防御効果が得られないという問題もあった。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑み行われたものであり、その目的は、反応性シリル基を有するポリマーを皮膜剤として含有する水中油型乳化化粧料において、使用感、耐水性に優れた水中油型乳化化粧料、更には紫外線防御能に優れた水中油型乳化化粧料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記従来技術の課題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、反応性シリル基を有するポリマーを皮膜剤として含有する水中油型乳化化粧料中に、フッ素系油分を配合することにより、該ポリマー皮膜の機能性を保持しながら、成膜時に生じるべたつき感を抑制できること、また、該ポリマー皮膜の耐水性を向上することができることを見出した。さらに、反応性シリル基を有するポリマーと、紫外線防御剤とを含有する水中油型乳化化粧料において、フッ素系油分を配合することにより、紫外線防御能が向上することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明にかかる水中油型乳化化粧料は、反応性シリル基を有するポリマーと、フッ素系油分とを含有することを特徴とする。また、前記水中油型乳化化粧料において、フッ素系油分は化合物中のフッ素含有率が1質量%以上であることが好適である。また、前記水中油型乳化化粧料において、反応性シリル基を有するポリマーを0.0001〜20.0質量%、フッ素系油分を0.001〜20.0質量%含有することが好適である。また、前記水中油型乳化化粧料において、さらに紫外線防御剤を含有することが好適である。
【0009】
また、本発明にかかる皮膚外用剤は、反応性シリル基を有するポリマーと、フッ素系油分とを含有することを特徴とする。また、前記皮膚外用剤は、さらに紫外線防御剤を含有することが好適である。また、本発明にかかる日焼け止め化粧料は、反応性シリル基を有するポリマーと、フッ素系油分と、紫外線防御剤とを含有することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明に用いられる反応性シリル基を有するポリマーとは、反応性シリル基を官能基として有する重合性のモノマーの1種又は2種以上を、構成モノマーとして有するポリマーのことであり、このようなものであれば、特に限定されるものではなく、いずれのものを用いることもできる。
【0011】
なお、反応性シリル基とは、加水分解することによりシロキサン結合−Si−O−Si−を形成することによって、ポリマー分子間を架橋し得る官能基のことであり、−SiR3で表されるシリル基において、Rで示される官能基のうちの1又は2以上が、水酸基、又は加水分解反応により水酸基となり得る官能基、例えば、アルコキシ基、水素原子、ハロゲン原子、アシルオキシ基、アミノ基等の官能基で置換されたシリル基のことである。
【0012】
そして、本発明において反応性シリル基を有するポリマーとは、前述したような反応性シリル基を官能基として有する重合性のモノマーの1種又は2種以上を、構成モノマーとして有するポリマーのことである。ここで、反応性シリル基を有する重合性のモノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジプロポキシシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、などのビニル基、アクリロキシまたはメタクリロキシ基と、アルコキシシリル基とを有する重合性モノマーが挙げられる。
【0013】
また、本発明に用いられる反応性シリル基を有するポリマーとしては、上記反応性シリル基を有する重合性モノマー以外の重合性モノマーを構成モノマーとして含有することができる。このような重合性モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、イソプレン、ビニルアセチレン、ジビニルアセチレン、塩化ビニル、フッ化ビニル、スチレン、メチルスチレン、ビニルスチレン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、アクリル酸、メタクリル酸、メチルビニルエーテル、2−メトキシエチルビニルエーテル、メチルトリエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシエトキシエチルメカクリレート、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリドン、N−アクロイルモルホリン、ビニルピロリドン、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボニルメタクリレート、メタクリル酸ポリジメチルシロキサン、アクリル酸ポリジメチルシロキサン等を挙げることができる。
【0014】
なお、反応性シリル基を有するポリマーは、上記反応性シリル基を有する重合性のモノマーの1種又は2種以上、又はこれと上記重合性モノマーの1種又は2種以上とを併せて用い、公知の重合方法により重合させることによって得ることができる。
本発明にかかる反応性シリル基を有するポリマーの平均分子量は、オリゴマー以上の重合度を有していればよく、特に制限されるものではない。ただし、重合度が小さい場合、塗膜強度が低下し、また、あまりに重合度が大きすぎると塗膜の除去性に劣ることから、ポリマーの平均分子量は2000〜200000程度であることが好ましい。
【0015】
本発明にかかる反応性シリル基を有するポリマーとしては、前述のようにして得られた反応性シリル基を有するポリマーを、予め乳化剤とともに水を主とした水系溶媒中に分散させたポリマーエマルジョンの形態として、本発明の水中油型乳化化粧料中に配合して用いることもできる。
【0016】
また、本発明にかかる反応性シリル基を有するポリマーとしては、前述した反応性シリル基を有する重合性モノマーの1種又は2種以上を含む重合性モノマーの混合物を、乳化剤により水系溶媒中に乳化した状態で、重合開始剤を用いて乳化重合を行うことによって得られたポリマーエマルジョンを、本発明の水中油型乳化化粧料中に配合して用いることもできる。
なお、前述のようにして、乳化重合によりポリマーエマルジョンを製造する際には、上記重合性モノマー、乳化剤、開始剤といった各種原料の他に、予め適量の緩衝剤、重合度を調整する連鎖移動剤等を配合した状態で、重合を行うことも出来る。
【0017】
本発明の水中油型乳化化粧料において、反応性シリル基を有するポリマーは、水中油型乳化化粧料の総量に対して、0.0001〜20.0質量%配合することが好ましく、更には0.01〜10.0質量%配合することがより好ましい。反応性シリル基を有するポリマーの配合量が0.0001質量%未満である場合、皮膜剤としての効果が見られない場合があり、また、20.0質量%を超えて配合すると、化粧料中での経時安定性が悪化する恐れがある。また、化粧料中の皮膜剤として使用する場合には、必要な時に安全且つ簡便な方法で皮膜を除去できることが必要であり、この観点からも、反応性シリル基を有するポリマーの配合量は20.0質量%以下であることが好適である。
【0018】
また、本発明に用いられるフッ素系油分とは、化合物の構造中にフッ素原子を有する油性の化合物のことであり、このようなものであれば、特に限定されるものではなく、いずれのものを用いることもできる。
なお、本発明に用いられるフッ素系油分の具体例としては、例えば、以下のようなものを挙げることができる。
【0019】
本発明に用いられるフッ素系油分としては、例えば、下記一般式(1)で示されるフッ素系ポリマーが挙げられる。
【化1】
(式中、Rは炭化水素基を示し、XはRとCH2とを連結する基を示し、nは分子量が5000〜1000000となるような整数を示し、Rfは末端炭素原子に水素原子を有していてもよいフッ化炭素基を示す)
前記フッ素系ポリマーにおいては、特に分子量が5000〜500000、特に10000〜300000のものが好ましい。
【0020】
また、前記フッ素化ポリマーにおいて、一般式(1)中、Rで示される炭化水素基としては、炭素数2〜30、特に2〜20の直鎖又は分岐鎖のものが好ましく、更に炭素数2〜20のアルキル基が好ましい。また、XはRとCH2とを連結する基であり、例えば、エステル結合(−COO−又は−OCO−)、エーテル結合(−O−)、アミド結合(−NHCO−又は−CONH−)、ウレタン結合(−NHCOO−又は−OCONH−)、尿素結合(−NHCONH−)、−CH(OH)CH2O−基、又は−OCH2CH(OH)−基が挙げられ、特にエステル結合又はエーテル結合が好ましい。nは1又は2が好ましく、Rfで示されるフッ化炭素基としては、炭素数3〜20、特に3〜18の直鎖又は分岐鎖のパーフルオロアルキル基、又はω−ヒドロパーフルオロアルキル基が好ましい。また、前記フッ素系ポリマー(1)において、総炭素数は6〜50であり、特に10〜40、更には10〜30が好ましい。
【0021】
前記フッ素化ポリマー(1)のうち、Xがエステル結合である化合物は、例えば、Rf(CH2)nOHで表されるアルコールに脂肪酸R−COOH又はその反応性誘導体を反応させることにより製造することができる。また、Xがエーテル結合である化合物は、例えば、Rf(CH2)nOHで表されるアルコールに、下記一般式(2)で表されるカルボニル化合物を、水素化触媒の存在下、水素雰囲気中で反応させることにより製造することができる。
【化2】
【0022】
前記フッ素化ポリマー(1)の特に好ましい例としては、具体的には、パーフルオロオクチルエチルオクタノエート、パーフルオロオクチルエチルステアレート、パーフルオロオクチルエチルカプリレート、パーフルオロオクチルエチルデシルエーテル、パーフルオロヘキシルエチル−1,3−ジメチルブチルエーテル、パーフルオロオクチルエチルエチルエーテル、パーフルオロステアリルメチルエチルエーテル、パーフルオロプロピルエチルオクチルエーテル、パーフルオロオクチルエチルオクチルエーテル、パーフルオロブチルエチルヘキシルエーテル等が挙げられる。
【0023】
また、本発明に用いられるフッ素系油分として、下記一般式(3)で示されるフッ素化アクリル酸系ポリマーが挙げられる。
【化3】
(式中、R1はC1〜C30のアルキル基、R2はC1〜C20のパーフルオロアルキル基、mは1〜5、x及びyは分子量が5000〜1000000となるような整数を示す。)
【0024】
前記フッ素化アクリル酸系ポリマーにおいては、x及びyは5000〜500000、特に10000〜300000となる整数が好ましい。また、xとyとの比はx:y=8:2〜1:9、特にx:y=5:5〜1:9であることが好ましい。
前記フッ素化アクリル酸系ポリマーの特に好ましい例としては、具体的には、分子量10000〜300000のアルキルメタクリレート・パーフルオロアルキルメタクリレート共重合体で、上記一般式(3)におけるxとyとの比が2/3のものが特に好ましい。
【0025】
また、本発明に用いられるフッ素系油分として、下記一般式(4)で示されるフッ素化アルキレンオキシドポリマーが挙げられる。
【化4】
(式中、lは60〜100000の整数を示す。)
【0026】
また、本発明に用いられるフッ素系油分として、下記一般式(5)で示されるパーフルオロポリエーテルが挙げられる。
【化5】
(式中、R3、R5、R6及びR7は同一又は異なってもよく、フッ素原子、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキルオキシ基を示し、R4はフッ素原子又はパーフルオロアルキル基を示し、a、b及びcは分子量が5000〜1000000となる整数を示す)
【0027】
なお、本発明に用いられるパーフルオロポリエーテルとしては、上記一般式(5)に示される各構成モノマーは、必ずしもこの順で並んでいる必要はなく、構成モノマーの順序が適宜入れ替わった化合物も本発明に用いることができる。例えば、上記各構成モノマーがランダム重合した化合物、ブロック重合した化合物を本発明に用いることができる。また、本発明に用いられるパーフルオロポリエーテルとしては、特に粘度が5〜5,000mm2/sの液体状のものが好ましい。
【0028】
また、前記パーフルオロポリエーテルの特に好ましい例としては、具体的には、下記一般式(6)で示されるFOMBLIN HC−R(平均分子量6,600)(モンテフロス社製)、および、下記一般式(7)で示されるデムナムS−20(重量平均分子量25,000)、同S−100(同5,600)、同S−200(同8,400)(以上、ダイキン工業社製)等の市販品を挙げることができる。
【0029】
【化6】
(式中、d及びeは分子量が5000〜1000000となる整数を示し、d/eは0.2〜2を示す)
【0030】
【化7】
(式中、fは分子量が5000〜1000000となる整数を示す)
【0031】
また、本発明に用いられるフッ素系油分として、下記一般式(8)〜(11)で表されるフッ素含有構造単位の1種又は2種以上と、一般式(12)で表される構造単位とからなるフッ素変性シリコーンが挙げられる。
【化8】
(式中、R8は炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基又は炭素数5〜10の脂環式若しくは芳香族炭化水素基を示し;R9は、水素原子、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10の脂環式、芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基、若しくは次式:H(CF2)g−(gは1〜20の整数を示す)で表されるω−H−パーフルオロアルキル基を示し;R10は、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のパーフルオロアルキル基、又は次式:H(CF2)g−(gは1〜20の整数を示す)で表されるω−H−パーフルオロアルキル基を示し;X2及びY2は単結合、−CO−又は炭素数1〜6の二価の炭化水素基を示し;hは1〜200、iは1〜16の数を示す。)
【0032】
【化9】
(式中、R8は炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基又は炭素数5〜10の脂環式若しくは芳香族炭化水素基を示し;R10及びR11は同一又は異なってもよく、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のパーフルオロアルキル基又は次式:H(CF2)g−(gは1〜20の整数を示す)で表されるω−H−パーフルオロアルキル基を示し;hは1〜200、iは2〜16、j及びkはそれぞれ1〜16の数を示す。)
【0033】
【化10】
(式中、R8は、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基又は炭素数5〜10の脂環式若しくは芳香族炭化水素基を示し;R10、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のパーフルオロアルキル基又は次式:H(CF2)g−(gは1〜20の整数を示す)で表されるω−H−パーフルオロアルキル基を示し;R12は、炭素数2〜6の二価の炭化水素基を示しiは2〜16の数を示し、j及びkはそれぞれ1〜16の数を示し、hは1〜200、iは2〜16、wは0〜20、vは0〜200の数を示す。)
【0034】
【化11】
(式中、R8は、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基又は炭素数5〜10の脂環式若しくは芳香族炭化水素基を示し;R10は、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のパーフルオロアルキル基又は次式:H(CF2)g−(gは1〜20の整数を示す)で表されるω−H−パーフルオロアルキル基を示し;hは1〜200、iは2〜16の数を示す。)
【0035】
【化12】
(式中、R13及びR14は、同一又は異なってもよく、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基又は炭素数5〜10の脂環式若しくは芳香族炭化水素基を示し;R9 は、水素原子、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10の脂環式若しくは芳香族炭化水素基、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基又は次式:H(CF2)g−(gは1〜20の整数を示す)で表されるω−H−パーフルオロアルキル基を示し;hは1〜200の数を示す。)
【0036】
一般式(8)〜(12)で表される構造単位において、R10及びR11で示されるパーフルオロアルキル基としては、例えば、CF3−、C2F5−、C4F9−、C6F13−、C8F17−、C10F21−、H(CF2)2−、H(CF2)4−、H(CF2)6−、H(CF2)8−、(C3F7)C(CF3)2−等が挙げられる。また、H(CF2)g−で表されるパーフルオロアルキル基におけるgが、6〜20の整数であるものが好ましい。また、R8、R13及びR14で示される炭化水素基としては、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基;フェニルナフチル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。また、R12で示される二価の炭化水素基としては、炭素数2〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基が好ましく、特にエチレン基、プロピレン基が好ましい。
【0037】
前記フッ素変性シリコーンとしては、例えば、下記一般式(13)で表されるフッ素変性シリコーン、又は、下記一般式(14)で表されるフッ素変性シリコーンが挙げられる。
【0038】
【化13】
(式中、Z1及びZ2は、少なくとも一方は上記一般式(8)〜(11)から選ばれる構造単位を示し、残余は単結合を示し、pは0〜200の数を示し、R13及びR14は前記と同じ意味を示す)
【0039】
【化14】
(式中、Z3は、一般式(8)〜(11)から選ばれる構造単位を示し、R15は炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基又は炭素数5〜10の脂環式若しくは芳香族の炭化水素基を示し、p、R13及びR14は前記と同じ意味を示す。)
【0040】
一般式(8)〜(12)で表される構造単位、及び一般式(13)、(14)で表されるフッ素変性シリコーンにおける各式中の基としては、撥水性、撥油性及び使用性の点から下記のものが好ましい。R10R11としては、炭素数6〜20の直鎖若しくは分岐鎖のパーフルオロアルキル基又は次式;H(CF2)q−(qは6〜20の整数を示す)で表されるω−H−パーフルオロアルキル基が好ましい。R8、R13R14としては、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素基が好ましい。R9しては、水素原子、炭素数6〜20のパーフルオロアルキル基又は次式;H(CF2)q−(qは6〜20の整数を示す)で表されるω−H−パーフルオロアルキル基が好ましい。R12としては、炭素数2〜4の二価の炭化水素基が好ましい。X2 及びY2 は単結合、−CO−又は炭素数1〜4の二価の炭化水素基が好ましく、iは2〜10、特に2〜5の数が好ましく、j及びkは、それぞれ2〜10、特に1〜6の数が好ましく、hは1〜100、特に1〜10の数が好ましく、wは0〜20、特に0〜5の数が好ましく、vは0〜100、特に0〜10の数が好ましい。なお、フッ素変性シリコーンの構造単位の配列は、交互でもブロックでもランダムでもよい。
【0041】
更に、本発明に用いられるフッ素変性シリコーンとしては、市販品である旭硝子社製のFSL−300、信越化学工業社製のX−22−819、X−22−820、X−22−821、X−22−822及びFL−100、東レダウコーニングシリコーン社製のFS−1265等を用いることもできる。
【0042】
本発明にかかるフッ素系油分としては、化合物中のフッ素含有率が1質量%以上であることが好ましい。化合物中のフッ素含有率が1質量%未満であると、べたつき改善、耐水性の向上等の効果が十分に発揮できない場合がある。
また、本発明にかかるフッ素系油分は、水中油型乳化化粧料の全組成中に0.001〜20.0質量%配合するのが好ましく、更に0.01〜10.0質量%配合することが好ましい。フッ素系油分の配合量が0.001質量%未満である場合、べたつき改善、耐水性の向上等の効果十分に発揮できない場合があり、また20.0質量%を超えて配合しても、配合量に見合うだけの効果が発揮できない。
【0043】
また、本発明にかかる水中油型乳化化粧料において、さらに紫外線防御剤を配合することが好適である。本発明に用いられる紫外線防御剤は、紫外線から保護する目的で配合される製剤であれば、特に制限されるものではなく、いずれのものを用いることもできる。本発明に用いられる紫外線防御剤としては、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤が挙げられる。
【0044】
本発明に用いられる紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸(以下 PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAメチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル−N− アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5− ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2− エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p− メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート、トリメトキシ桂皮酸メチルビス(トリメチルシロキサン)シリルイソペンチル等の桂皮酸系紫外線吸収剤、3−(4’−メチルベンジリデン)−d,1−カンファー、3−ベンジリデン−d,1−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]1,3,5−トリアジン、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシロキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−(1,3,5)−トリアジン、 2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、オクトクリレン等が挙げられ、上記紫外線吸収剤の任意の一種または二種以上を本発明に用いることができる。
【0045】
また、本発明に用いられる紫外線吸収剤としては、例えば、オクチルメトキシシンナメート(商品名:パルソールMCX)、t−ブチルメトキシベンゾイルメタン(商品名:パルソール1789)、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル(商品名:サンシェルターSP)、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(商品名:エスカロール507D)、パラジメチルアミノ安息香酸メチル(商品名:エスカロール506)、2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキソロキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(商品名:チノソーブS)を特に好適に用いることができる。
【0046】
本発明に用いられる紫外線散乱剤としては、例えば、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛、微粒子酸化亜鉛、酸化鉄、微粒子酸化鉄、酸化セリウムなどの粉末が挙げられる。なお、粉末としては、通常、針状、紡錘状、球状、粒状の粉末が使用され、また、粒子径が0.1μm以下の微粒子粉末が好ましい。また、メチルハイドロジェンポリシロキサンやシランカップリング剤などのシリコーン処理;金属石鹸処理;パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩やパーフルオロアルキルシラン等のフッ素処理、デキストリン脂肪酸エステル処理等により、疎水化処理した紫外線散乱剤も好適に用いることができる。
【0047】
本発明にかかる水中油型乳化化粧料において、紫外線防御剤は、水中油型乳化化粧料の全組成中に0.001〜40.0質量%配合することが好ましく、更に好ましい配合量は0.01〜10.0質量%である。0.001質量%未満である場合、紫外線防御効果が十分に発揮できない場合があり、40.0質量%を超えて配合しても、配合量に見合うだけの効果が発揮できない。
【0048】
本発明にかかる水中油型乳化化粧料は、前述した必須成分を既存の化粧料基剤に配合することにより調整される。
なお、本発明の水中油型乳化化粧料においては、必須成分であるフッ素系油分以外の油性成分を適宜配合しても良い。このような油性成分としては、通常化粧料に用いられるものであれば、特に限定されることなく用いることができるが、例えば、オリーブ油、ホホバ油、ミンク油、モクロウ等の油脂類、ミツロウ、キャンデリラロウ等のロウ類、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素類、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、セタノール等の高級アルコール類、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル類、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン化合物等が挙げられる。
【0049】
また、本発明にかかる水中油型乳化化粧料においては、前述した必須成分の他に通常化粧料に用いられる他の成分、例えば、粉末成分、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調製剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、精製水等を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤型に応じて常法により製造することが出来る。
【0050】
なお、本発明は、反応性シリル基を有するポリマーを皮膜剤として含有する水中油型乳化化粧料において、フッ素系油分を配合することにより、皮膜形成時のべたつきを改善し、さらに皮膜の耐水性を向上させるといった効果を奏するものであるため、水中油型乳化化粧料が皮膚外用剤である場合に特に有用である。また、加えて、水中油型乳化化粧料中に紫外線防御剤を共に配合する場合に、紫外線防御能を向上させるといった効果を奏するものであるため、水中油型乳化化粧料が日焼け止め化粧料である場合に、特に有用である。
【0051】
本発明の水中油型乳化化粧料において、皮膜のべたつきの改善、耐水性の向上、さらには紫外線防御能の向上といった効果が発現する作用機作としては、以下のように推測することができる。
反応性シリル基を有するポリマーは、水中油型乳化組成物として水系溶媒中に分散している状態では、ポリマー表面及び内部の反応性シリル基は、外部の水によって加水分解され、シラノール基として存在している(図1)。そしてこれを人体に塗布すると、該水中油型乳化組成物中の水分が徐々に揮発し、ポリマー中の反応性シリル基同士が近づき、架橋反応が起こることによって皮膜が形成される(図2)。
【0052】
しかしながら、前述のようにしてポリマーによる皮膜が形成される途中で、水分が徐々に揮発し水分量が減少していくと、ポリマーエマルジョン同士の融着が起こり、残留している水分がポリマー中に取り込まれ、ポリマーはゲル状の様相を呈する。そして、この時、ポリマー皮膜表面上がべたつきを有するようになると考えられる。なお、ポリマーからなる皮膜内部には、揮発せずに残留している油分や保湿剤等の配合成分が散在しており、これも皮膜表面上でのべたつきの原因となっているものと考えられる。
【0053】
これに対して、本発明の水中油型乳化化粧料はフッ素系油分を配合しており、該フッ素系油分は疎水性とともに疎油性をも有していることから、皮膜形成時にポリマーからなる皮膜と相分離を起こし、皮膜表面上を覆うような形で該フッ素系油分が存在するようになる(図3)。そして、このために、従来の化粧料における皮膜表面上でのべたつきを抑えることができるのである。また、これと同時に、フッ素系油分がポリマーからなる皮膜表面を保護することとなり、該フッ素系油分の有する撥水性によって皮膜の耐水性を向上させることもできる。
【0054】
また、前述のような水中油型乳化化粧料中にさらに紫外線防御剤を配合しているような場合、フッ素系油分を配合していることにより、皮膜形成時にフッ素系油分が皮膜の表面を覆うことによって、形成される皮膜の均一性が向上し、さらには、前述したように皮膜の耐水性が向上することによって、フッ素系油分を配合していないものと比較して、紫外線防御剤がその効果を十分に発揮することができるようになるのである。
【0055】
【実施例】
以下、実施例に基づき、本発明について更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、配合量はすべて質量%で示す。まず、本発明の実施例に用いた試験方法及び評価方法を説明する。
【0056】
[使用性(べたつき感)試験]
下記実施例に示す処方の実施例品、比較例品の使用性(べたつき感)をパネル(50名)の実使用試験によって下記基準により判定、評価した。
(判定基準)
著効 :極めてべたつかない
有効 :べたつかない
やや有効:若干べたつかない
無効 :べたつく
(評価)
◎:著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が80%以上
〇:著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が50〜80%未満
△:著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が30〜50%未満
×:著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が30%未満
【0057】
[使用性(肌のハリ感)試験]
下記実施例に示す処方の実施例品、比較例品の使用性(肌のハリ感)をパネル(50名)の実使用試験によって下記基準により判定、評価した。
(判定基準)
著効 :極めてハリ感を感じる
有効 :ハリ感を感じる
やや有効:若干ハリ感を感じる
無効 :ハリ感を感じない
(評価)
◎:著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が80%以上
〇:著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が50〜80%未満
△:著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が30〜50%未満
×:著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が30%未満
【0058】
[In vitro SPF測定]
5×5cmのVitro skinシートを予め専用保湿チャンバー中に終夜放置し吸湿平衡に到達させた。該シート上に50μLの製剤を均一に塗布(2μL/cm2)し、塗布15分後にスペクトルメーターで透過率を測定し、透過率の測定値からIn vitro SPF値を算出した。
【0059】
[耐水性試験]
5×5cmのVitro skinシートを予め専用保湿チャンバー中に終夜放置し吸湿平衡に到達させた。該シート上に50μLの製剤を均一に塗布(2μL/cm2)し、塗布15分後にスペクトルメーターで製剤適用直後の透過率を測定した。次に、該シートを専用保湿チャンバー中に終夜放置し再び吸湿平衡に到達させた。次に、該シートをバットに入れ、該シートに直接当たらないよう流速で水道水に2分間浸漬した後、軽く室温で乾かした後該チャンバー中に終夜放置した。該シートをスペクトルメーターで水洗後の透過率を測定し、透過率の測定値からSPF値を算出した。そして、このSPF値と、水への浸漬を行わずに測定したIn vitro SPF値との比を算出し、耐水性の評価を行った。
【0060】
【実施例1、2、比較例1〜4】
下記表1に示されるリフティング製剤を調製し、これら被験試料に関して使用性(べたつき感、肌のハリ感)試験を実施した。結果を表1中に併せて示す。
【表1】
【0061】
なお、表1において、(3)は下記一般式(15)で表されるシ゛メチルシロキサン・シ゛フェニルシロキサンメチル(ハ゜ーフルオロアルキル)シロキサン共重合体である。
【化15】
(式中、Rfは、CF3(CF2)7CH2−で表される基を示す。)
また、(4)はFOMBLIN HC−04(モンテフルオス社製)である。
また、(22)は、エレミノールJS−2 TM(三洋化成工業社製)5部、過硫酸アンモニウム0.3部、n−フ゛チルメタクリレート60部、2−エチルヘキシルアクリレート30部、メタクリル酸5部、X−24−8201 TM(信越化学工業社製)2.5部、ヘフ゜タテ゛カフルオロn−テ゛シルアクリレート2.5部、及びγ−メタクリロキシフ゜ロヒ゜ルトリエトキシシラン0.3部で得られた実分40質量%の水系ホ゜リマーエマルシ゛ョンである。
(製法)
(5)〜(11)及び(13)〜(21)を混合し、予め混合しておいた(1)〜(4)を徐添して乳化物を調製した後、これに(12)及び(22)を順次添加して、リフティング製剤を調製した。
【0062】
表1からわかるように、反応性シリル基含有ポリマーを配合した比較例2のリフティング製剤では明らかなべたつきを生じている。これに対して、フッ素油分であるジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサンメチル(パーフルオロアルキル)シロキサン共重合体、パーフルオロポリエーテルを配合した実施例1、2のリフティング製剤は、比較例2と比べ、肌のハリ感を保持しつつ、べたつき感が改善されており、使用性が著しく良好であることが分かる。一方で、シリコーン油であるメチルポリシロキサンや炭化水素系の油分である流動パラフィンを配合した比較例3、4のリフティング製剤では、べたつき感が改善されていない。このことから、反応性シリル基含有ポリマーの配合によるべたつき感の改善といった効果は、フッ素系油分に特有の効果であることが分かる。
【0063】
実施例3〜6、比較例5、6
下記表2に示されるリフティング製剤を調製し、これら被験試料に関して使用性(べたつき感、肌のハリ感)試験を実施した。結果を表2中に併せて示す。
【表2】
【0064】
なお、表2において、(3)は前記一般式(15)で表されるシ゛メチルシロキサン・シ゛フェニルシロキサンメチル(ハ゜ーフルオロアルキル)シロキサン共重合体である。
また、(4)はFOMBLIN HC−04(モンテフルオス社製)である。
また、(22)はエレミノールJS−2 TM(三洋化成工業社製)5部、過硫酸アンモニウム0.3部、n−フ゛チルメタクリレート60部、2−エチルヘキシルアクリレート30部、メタクリル酸5部、X−24−8201 TM(信越化学工業社製)2.5部、ヘフ゜タテ゛カフルオロn−テ゛シルアクリレート2.5部、及びγ−メタクリロキシフ゜ロヒ゜ルトリエトキシシラン0.3部で得られた実分40質量%の水系ホ゜リマーエマルシ゛ョンである。
(製法)
(5)〜(11)及び(13)〜(21)を混合し、予め混合しておいた(1)〜(4)を徐添して乳化物を調製した後、これに(12)及び(22)を順次添加して、リフティング製剤を調製した。
【0065】
表2からわかるように、反応性シリル基含有ポリマーを配合した比較例6のリフティング製剤では明らかなべたつきを生じている。これに対して、フッ素油分を配合した実施例3〜6のリフティング製剤は、比較例6と比べ、肌のハリ感を保持しつつ、べたつき感が改善されており、使用性が著しく良好であることが分かる。
【0066】
【実施例7〜10、比較例7、8】
下記表3に示される〇/W乳化型ファンデーションを調製し、これら被験試料に関して使用性(べたつき感、肌のハリ感)試験を実施した。結果を表3中に併せて示す。
【表3】
【0067】
なお、表3において、(5)はエレミノールJS−2 TM(三洋化成工業社製)5部、過硫酸アンモニウム0.3部、n−フ゛チルメタクリレート65部、2−エチルヘキシルアクリレート30部、メタクリル酸5部、及びγ−メタクリロキシフ゜ロヒ゜ルトリエトキシシラン0.3部で得られた実分40質量%の水系ホ゜リマーエマルシ゛ョンである。
また、(18)は前記一般式(15)で表されるシ゛メチルシロキサン・シ゛フェニルシロキサンメチル(ハ゜ーフルオロアルキル)シロキサン共重合体である。
また、(19)はFOMBLIN HC−04(モンテフルオス社製)である。
(製法)(1)〜(5)の各成分を加熱混合し、これに混合粉砕した(6)〜(10)を加えて均一に分散した。別に(11)〜(21)を加熱調製して、これに加えて混合乳化した後、容器に充填して冷却し、〇/W乳化型ファンデーションを得た。
【0068】
表3からわかるように、反応性シリル基含有ポリマーを配合した比較例8のO/W乳化型ファンデーションでは明らかなべたつきを生じているのに対して、フッ素油分を配合した実施例7〜10の〇/W乳化型ファンデーションは、比較例8と比べ、肌のハリ感を保持しつつ、べたつき感が改善されており、使用性が著しく良好であることが分かる。
【0069】
【実施例11〜14、比較例9、10】
下記表4に示されるO/W乳化型サンプロテクターを調製し、これら被験試料に関してIn vitro SPF測定、耐水性試験、及び使用性(べたつき感)試験を実施した。結果を表4中に併せて示す。
【表4】
【0070】
なお、表4において、(1)は前記一般式(15)で表されるシ゛メチルシロキサン・シ゛フェニルシロキサンメチル(ハ゜ーフルオロアルキル)シロキサン共重合体である。
また、(2)はFOMBLIN HC−04(モンテフルオス社製)である。
また、(18)はメチルメタクリレート42部、フ゛チルアクリレート53部、メチルアクリレート5部、KBE−503TM(信越化学工業社製)0.3部、エレミノールJS−2 TM(三洋化成工業社製)4.0部、及び過硫酸アンモニウム0.22部で得られた実分40質量%の水系ホ゜リマーエマルシ゛ョンである。
(製法)
(6)〜(12)及び(14)〜(17)を混合し、予め混合しておいた(1)〜(5)を徐添して乳化組成物を調製した後、これに(13)及び(18)を順次添加して、O/W乳化型サンプロテクターを調製した。
【0071】
表4からわかるように、フッ素系油分を配合していない比較例9,10のO/W乳化型サンプロテクターではIn vitro SPF値が小さく、さらに耐水性も低い。また、反応性シリル基含有ポリマーを配合した比較例10では明らかなべたつきを生じている。これに対して、フッ素油分を配合した実施例11〜14のO/W乳化型サンプロテクターは、比較例9,10と比べ、In vitroSPF値が大きくなっていることから紫外線防御能が向上しており、さらに耐水性も向上していることが分かる。また、比較例10と比べて、反応性シリル基含有ポリマーによるべたつき感が改善されており使用性も良好であることが分かる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、反応性シリル基を有するポリマーを皮膜剤として配合する水中油型乳化化粧料において、フッ素系油分を配合することにより、皮膜形成時のべたつき感を抑制することにより使用感が向上し、さらに皮膜の耐水性を向上することができる。また、本発明の水中油型乳化化粧料に紫外線防御剤を共に配合した場合には、紫外線防御能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反応性シリル基を有するポリマーの水中での存在状態の説明図である。
【図2】反応性シリル基を有するポリマーの成膜時の脱水縮合の説明図である。
【図3】本発明にかかる水中油型乳化化粧料において形成される皮膜の説明図である。
Claims (7)
- 反応性シリル基を有するポリマーと、フッ素系油分とを含有することを特徴とする水中油型乳化化粧料。
- 請求項1に記載の水中油型乳化化粧料において、前記フッ素系油分が化合物中のフッ素含有率が1質量%以上のフッ素系油分であることを特徴とする水中油型乳化化粧料。
- 請求項1又は2に記載の水中油型乳化化粧料において、前記反応性シリル基を有するポリマーを0.0001〜20.0質量%、前記フッ素系油分を0.001〜20.0質量%含有することを特徴とする水中油型乳化化粧料。
- 請求項1から3のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料において、さらに紫外線防御剤を含有することを特徴とする水中油型乳化化粧料。
- 反応性シリル基を有するポリマーと、フッ素系油分とを含有することを特徴とする皮膚外用剤。
- 請求項5に記載の皮膚外用剤において、さらに紫外線防御剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
- 反応性シリル基を有するポリマーと、フッ素系油分と、紫外線防御剤とを含有することを特徴とする日焼け止め化粧料。
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