JP2004090609A - 帯電防止性樹脂積層シート - Google Patents

帯電防止性樹脂積層シート Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性、剛性等の機械的物性に優れると共に、帯電防止性の持続力及び回復力にも優れた帯電防止性樹脂シート及びそのシートで形成された成形体を提供する。
【解決手段】スチレン系樹脂(a)及びオレフィン系樹脂(a)から選択された少なくとも一つの樹脂で構成された基材層(A)と、この基材層の少なくとも一方の面に積層され、かつオレフィン系樹脂(b)と高分子型帯電防止剤(b)とで構成された表層(B)を形成して帯電防止性樹脂シートを調製する。基材層(A)は発泡体で構成されていてもよく、スチレン系樹脂(a)とオレフィン系樹脂(a)とを、(a)/(a)=60/40〜95/5(重量比)の割合で含んでいてもよい。高分子型帯電防止剤(b)の数平均分子量は1000〜10万であってもよい。高分子型帯電防止剤(b)はオレフィン系ブロック又はポリアミド系ブロックと、親水性ブロックとのブロック共重合体で構成されていてもよい。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の樹脂層を一体に積層した帯電防止性樹脂シート及びそのシートで形成された成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体や電子部品のための包装形態としては、トレー(インジェクショントレー、真空成形トレー等)、マガジン、キャリアテープ(エンボスキャリアテープなど)等の包装・収納容器などが使用されている。これらの成形品は、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂やポリスチレンなどのスチレン系樹脂等で構成された樹脂シートを熱成形や打ち抜き成形によって所定形状に成形加工することにより得られる。前記樹脂シートの中でも、特にポリプロピレンで構成されたシートは、耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、軽量性、リサイクル性等の実用的な性質に優れているため、前記成形品としてポリプロピレンを主体にした素材が望まれている。
【0003】
さらに、これらの成形品には、電子部品の静電破壊を防ぐため、帯電防止処理されていることが必要である。帯電防止処理の方法としては、(1)シート表面に帯電防止剤を塗布する方法、(2)カーボンブラック、金属酸化物等の無機系充填剤を練りこむ方法、(3)シートに低分子型帯電防止剤を練りこみブリードさせる方法等が挙げられる。
【0004】
しかし、前記塗布による方法(1)では、熱成形時に部分的に塗膜が破壊したり、摩耗によって塗膜が消失し、帯電防止性が損なわれる場合がある。また、前記無機系充填剤を練り込む方法(2)では、無機系充填剤が脱落し易い。
【0005】
前記低分子型帯電防止剤を練り込む方法(3)は、帯電防止剤が表面にブリードすることにより、帯電防止力の持続性・回復性に優れている。しかし、この方法は、多量の帯電防止剤が必要なため、樹脂組成物の特性が低下し易く、コスト的にも不利である。
【0006】
そこで、帯電防止剤を表層に含む積層シートが提案されている(特開平7−76334号公報など)。しかし、帯電防止剤が低分子量であるため、帯電防止剤が表面だけでなく層内へも移行し、表面の帯電防止性が低下する。特に、基材層が発泡層である場合、低分子型帯電防止剤が、気体/固体界面の面積が大きな基材層へ移行し、帯電防止性の低下が顕著となる。
【0007】
これに対して、高分子型帯電防止剤を用いて、熱可塑性樹脂に永久帯電防止性を付与する方法が提案されている。特開2001−278985号公報には、ポリオレフィンに永久帯電防止性を付与するために、ポリエーテルエステルアミド構造を有するブロックポリマーなどをブレンドする方法が提案されている。しかし、これらの高分子型帯電防止剤は高価であると共に、低分子型帯電防止剤に比べて多量に添加する必要がある。また、多量に添加した場合には、組成物全体の吸湿性が高まり、成形品の寸法安定性が低下する。
【0008】
特開平4−197625号公報には、エチレン構造単位65〜99モル%と、アクリレート構造単位0〜15モル%と、4級アンモニウム塩基を含むアクリルアミド構造単位1〜35モル%とのランダム共重合体で構成されたポリオレフィン系高分子帯電防止剤を含有するポリオレフィン系樹脂層を設けた発泡体積層物が開示されている。しかし、この発泡体積層物では、剛性や耐衝撃性等の機械的物性や二次成形性が充分でない。
【0009】
一方、電子部品の薄肉化や小型化、軽量化に伴い、その部品を保護する観点からトレーの分野においても緩衝性が強く求められている。緩衝性を付与するためには、樹脂シートを発泡させるのが一般的である。そこで、ポリプロピレンをベースにした発泡シートの開発も行われている。しかし、汎用のポリプロピレンは、スチレン系樹脂のような非晶性樹脂と比較して、結晶性が高く、結晶部へのガスの溶解性は低いため、均一な発泡が困難である。また、汎用ポリプロピレンは、温度変化に伴って樹脂粘度が急激に変化するため、真空成形において成形可能な温度範囲も狭い。発泡性を改良した分岐ポリプロピレンや高分子量ポリプロピレン等も提案されてはいるものの、発泡性及び真空成形性が充分でなく、コスト的に不利である。また、ポリプロピレン製成形品は、スチレン系樹脂で形成された成形品に比べて、剛性が低い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、耐摩耗性、剛性等の機械的物性に優れると共に、帯電防止性の持続力及び回復力にも優れた帯電防止性樹脂シート及びそのシートで形成された成形体を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、熱成形などの成形性及び耐衝撃性に優れた帯電防止性樹脂シート及びそのシートで形成された成形体を提供することにある。
【0012】
本発明の更に他の目的は、緩衝性(クッション性)に優れた帯電防止性樹脂シート及びそのシートで形成された成形体を提供することにある。
【0013】
本発明の別の目的は、発泡や二次成形を行っても、機械的物性及び帯電防止力に優れた樹脂シート及びそのシートで形成された成形体を提供することにある。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、持続性及び回復性に優れた帯電防止性成形品を、安価で簡便な方法で成形できる帯電防止性樹脂シート及びそれを用いて形成された成形体を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、スチレン系樹脂及び/又はオレフィン系樹脂で構成された基材層の両面に、オレフィン系樹脂と高分子型帯電防止剤とで構成された表層を形成することにより、耐摩耗性、剛性等の機械的物性に優れると共に、帯電防止性を持続力及び回復力にも優れた樹脂積層シートが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
すなわち、本発明の樹脂シートは、スチレン系樹脂(a)及びオレフィン系樹脂(a)から選択された少なくとも一つの樹脂で構成された基材層(A)と、この基材層の少なくとも一方の面に積層され、かつオレフィン系樹脂(b)及び高分子型帯電防止剤(b)で構成された表層(B)とを備えている。前記シートにおいて、基材層(A)は発泡体で構成されていてもよい。基材層(A)は、スチレン系樹脂(a)とオレフィン系樹脂(a)とを、スチレン系樹脂(a)/オレフィン系樹脂(a)=60/40〜95/5(重量比)の割合で含んでいてもよい。オレフィン系樹脂(b)は、ポリプロピレン系樹脂で構成されてよく、耐摩耗性の観点から、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とで構成されていてもよい。高分子型帯電防止剤(b)の数平均分子量は、1000〜100000(特に2000〜60000)程度であってもよい。高分子型帯電防止剤(b)は、プロピレンなどのオレフィン系ブロックやポリアミド系ブロックと、親水性ブロックとのブロック共重合体で構成されていてもよい。また、表層(B)には、さらに相溶化剤(b)が含まれていてもよい。表層(B)において、オレフィン系樹脂(b)と高分子型帯電防止剤(b)との割合(重量比)は、オレフィン系樹脂(b)/高分子型帯電防止剤(b)=75/25〜99/1(特に80/20〜95/5)程度である。表層(B)において、オレフィン系樹脂(b)のメルトインデックスは0.5〜50g/10分程度である。基材層(A)の厚みは100〜2000μm程度、表層(B)の合計厚みは20〜1000μm程度であり、基材層(A)の厚み(D)と、表層(B)の合計厚み(D)との比は、D/D=100/1〜1/1程度である。
【0017】
本発明には、スチレン系樹脂(a)及びオレフィン系樹脂(a)から選択された少なくとも一つの樹脂と、オレフィン系樹脂(b)及び高分子型帯電防止剤(b)を含む樹脂組成物とを溶融して積層状態でTダイより押出して樹脂シートを製造する方法も含まれる。また、本発明には、スチレン系樹脂(a)、オレフィン系樹脂(a)、スチレン−ブタジエン共重合体(a)及び発泡剤を含む樹脂組成物と、オレフィン系樹脂(b)及び高分子型帯電防止剤(b)を含む樹脂組成物とを溶融して積層状態でTダイより押出して樹脂シートを製造する方法も含まれる。また、本発明には、前記シートで形成された成形体も含まれる。
【0018】
【発明の実施の形態】
[基材層]
基材層は、スチレン系樹脂(a)及びオレフィン系樹脂(a)から選択された少なくとも一方の樹脂で構成される。好ましい態様では、剛性を向上させるため、スチレン系樹脂(a)及びオレフィン系樹脂(a)で構成できる。
【0019】
(a)スチレン系樹脂
スチレン系樹脂(a)は、芳香族ビニル単量体を主構成単位として形成される単独又は共重合体である。スチレン系樹脂を形成するための芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、アルキル置換スチレン(例えば、ビニルトルエン、ビニルキシレン、p−エチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等)、ハロゲン置換スチレン(例えば、クロロスチレン、ブロモスチレン等)、α位にアルキル基が置換したα−アルキル置換スチレン(例えば、α−メチルスチレンなど)等が例示できる。これらの芳香族ビニル単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの単量体のうち、通常、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等、特にスチレンが使用される。
【0020】
前記芳香族ビニル単量体は、共重合可能な単量体と組み合わせて使用してもよい。共重合可能な単量体としては、例えば、シアン化ビニル系単量体(例えば、アクリロニトリルなど)、不飽和多価カルボン酸又はその酸無水物(例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸又はその酸無水物等)、イミド系単量体[例えば、マレイミド、N−アルキルマレイミド(例えば、N−C1−4アルキルマレイミド等)、N−シクロアルキルマレイミド(例えば、N−シクロヘキシルマレイミドなど)、N−アリールマレイミド(例えば、N−フェニルマレイミドなど)]、アクリル系単量体[例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル等の(メタ)アクリル酸C1−20アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、 (メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシC2−4アルキルエステル等]等が例示できる。これらの共重合可能な単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。全単量体中の共重合可能な単量体の使用量は、通常、1〜50モル%、好ましくは3〜40モル%、さらに好ましくは5〜30モル%程度の範囲から選択できる。
【0021】
スチレン系樹脂(a)は、ゴム変性スチレン系樹脂であってもよい。ゴム変性スチレン系樹脂は、耐衝撃性及び緩衝性を改善するために使用され、共重合(グラフト重合、ブロック重合等)等により、前記スチレン系樹脂で構成されたマトリックス中にゴム状重合体が粒子状に分散した重合体であってもよく、通常、ゴム状重合体の存在下、少なくとも芳香族ビニル単量体を、慣用の方法(塊状重合、塊状懸濁重合、溶液重合、乳化重合等)で重合することにより得られるグラフト共重合体(ゴムグラフトポリスチレン系重合体)である。
【0022】
ゴム状重合体としては、例えば、ジエン系ゴム[ポリブタジエン(低シス型又は高シス型ポリブタジエン)、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソブチレン−ブタジエン系共重合ゴム等]、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリルゴム(ポリアクリル酸C2−8アルキルエステルを主成分とする共重合エラストマーなど)、エチレン−α−オレフィン系共重合体[エチレン−プロピレンゴム(EPR)など]、エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体[エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)など]、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、水添ジエン系ゴム(水素化スチレン−ブタジエン共重合体、水素化ブタジエン系重合体等)等が挙げられる。なお、上記共重合体はランダム又はブロック共重合体であってもよく、ブロック共重合体には、AB型、ABA型、テーパー型、ラジアルテレブロック型の構造を有する共重合体等が含まれる。これらのゴム状重合体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0023】
好ましいゴム状重合体は、共役1,3−ジエン又はその誘導体の重合体、特にジエン系ゴム[ポリブタジエン(ブタジエンゴム)、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体等]である。
【0024】
ゴム変性スチレン系樹脂において、ゴム状重合体の含有量は、3〜80重量%(例えば、4〜70重量%)、好ましくは5〜60重量%(例えば6〜55重量%)、さらに好ましくは7〜50重量%(特に7〜30重量%)程度である。ゴム状重合体の含有量が少なすぎると、耐衝撃性の改良効果が充分でなく、ゴム状重合体の含有量が多すぎると、剛性が低下する。
【0025】
スチレン系樹脂で構成されたマトリックス中に分散するゴム状重合体の形態は、特に限定されず、サラミ構造、コア/シェル構造、オニオン構造等であってもよい。
【0026】
分散相を構成するゴム状重合体の粒子径は、例えば、体積平均粒子径0.5μm以上(例えば、0.5〜30μm)、好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは0.5〜7μm(特に0.5〜5μm)程度の範囲から選択できる。また、ゴム状重合体のグラフト率は、5〜150%、好ましくは10〜150%程度である。
【0027】
スチレン系樹脂(a)(ゴム変性スチレン系樹脂の場合はマトリックス樹脂)の重量平均分子量は、10,000〜1,000,000、好ましくは50,000〜500,000、さらに好ましくは100,000〜500,000程度である。
【0028】
これらのスチレン系樹脂(a)は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのスチレン系樹脂(a)のうち、ポリスチレン(GPPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体(SMA樹脂)等の非ゴム含有スチレン系樹脂(ゴム成分を含有しないスチレン系樹脂や非ゴム強化スチレン系樹脂など)や、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)、α−メチルスチレン変性ABS樹脂、イミド変性ABS樹脂、MBS樹脂等のゴム変性スチレン系樹脂が好ましく、特にGPPSやHIPSが好ましい。
【0029】
耐衝撃性、剛性及び成形性のバランスを考慮して、非ゴム含有スチレン系樹脂とゴム変性スチレン系樹脂とを組み合わせてもよい。非ゴム含有スチレン系樹脂とゴム変性スチレン系樹脂との割合(重量比)は、前者/後者=95/5〜5/95程度の範囲から選択でき、各種特性のバランス、特に耐衝撃性の点から、前者/後者=70/30〜10/90、好ましくは60/40〜20/80、さらに好ましくは50/50〜30/70程度である。剛性及び成形性の点からは、前者/後者(重量比)=50/50〜95/5、好ましくは60/40〜90/10、さらに好ましくは70/30〜85/15程度であってもよい。
【0030】
(a)オレフィン系樹脂
オレフィン系樹脂(a)は、主に耐衝撃性や耐熱性を向上させると共に、表層との接着性を向上させるために使用される。
【0031】
オレフィン系樹脂としては、オレフィンの単独又は共重合体が挙げられる。オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、4−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等のα−C2−16オレフィン(好ましくはα−C2−10オレフィン、さらに好ましくはα−C2−8オレフィン、特にα−C2−4オレフィン)などが挙げられる。これらのオレフィンは、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。これらのオレフィンのうち、エチレン、プロピレン、特に少なくともプロピレンを含むのが好ましい。
【0032】
オレフィン系樹脂は、オレフィンと共重合性モノマーとの共重合体であってもよい。共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル[例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸C1−6アルキルエステル]、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど)、環状オレフィン類(ノルボルネン、エチリデンノルボルネン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン等)、ジエン類(ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン等)等が例示できる。共重合性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。共重合性モノマーの使用量は、オレフィン100モルに対して、0〜100モル、好ましくは0〜50モル、さらに好ましくは0〜25モル程度の範囲から選択できる。
【0033】
オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂[例えば、低、中又は高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−(4−メチルペンテン−1)共重合体など]、ポリプロピレン系樹脂(例えば、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体等のプロピレン含有80モル%以上のプロピレン−α−オレフィン共重合体など)、ポリ(メチルペンテン−1)樹脂等が挙げられる。共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体又はそのアイオノマー、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリレート共重合体、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン等が例示できる。
【0034】
前記共重合体(オレフィン同士の共重合体及びオレフィンと共重合性モノマーとの共重合体)には、ランダム共重合体、ブロック共重合体、又はグラフト共重合体が含まれる。
【0035】
これらのオレフィン系樹脂のうち、耐熱性、耐油性、強度や剛性等の点から、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。ポリプロピレン系樹脂は、具体的には、プロピレンホモポリマー又はプロピレン−α−オレフィン共重合体であり、プロピレンとα−オレフィンとの割合(モル比)が、プロピレン/α−オレフィン=60/40〜100/0、好ましくは70/30〜100/0、さらに好ましくは80/20〜100/0(特に90/10〜100/0)程度である。α−オレフィンの割合が40モル%を超えると、剛性や耐熱性が低下する。
【0036】
ポリプロピレン系樹脂は、アタクチック構造であってもよいが、アイソタクチック、シンジオタクチック、メタロセン触媒により生成する高い立体規則性を有していてもよい。これらのうち、簡便性及び経済性の点から、アイソタクチック構造を有するポリプロピレン系樹脂が好ましい。
【0037】
さらに、基材層の発泡倍率や独立気泡率を向上させると共に、外観や成形性も向上させるために、超高分子量ポリオレフィン、分岐構造を導入したポリオレフィン、ポリスチレングラフトポリオレフィン、環状ポリオレフィン等と組み合わせてもよい。
【0038】
スチレン系樹脂(a)とオレフィン系樹脂(a)との割合(重量比)は、スチレン系樹脂(a)/オレフィン系樹脂(a)=50/50〜99/1の範囲から選択でき、好ましくは60/40〜95/5、さらに好ましくは70/30〜90/10(特に75/25〜85/15)程度である。スチレン系樹脂(a)の割合が少なすぎると、成形品の剛性及び真空成形性が損なわれ、多すぎると、実用的な耐熱性が低下するだけでなく、表層(B)との接着性が低下する。
【0039】
(a)相溶化剤
スチレン系樹脂(a)とオレフィン系樹脂(a)との相溶性及び耐衝撃性を向上させるために、相溶化剤(a)を用いてもよい。相溶化剤としては、両成分を相溶化できればよく、特に制限されないが、例えば、芳香族ビニル−ジエン系共重合体やオレフィン系共重合体等を好ましく用いることができる。
【0040】
芳香族ビニル−ジエン系共重合体には、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニルと、ブタジエン、イソプレン、1,3−又は1,4−ペンタジエン等のジエン系成分との共重合体が含まれ、例えば、スチレン−ブタジエンランダム又はブロック共重合体、スチレン−イソプレンランダム又はブロック共重合体、あるいはこれらの水添物等が挙げられる。芳香族ビニル−ジエン系共重合体は、エポキシ化されたスチレン−ジエン系共重合体であってもよい。共重合体を構成する芳香族ビニルとジエン系成分との割合(モル比)は、芳香族ビニル/ジエン系成分=55/45〜95/5、好ましくは60/40〜90/10、さらに好ましくは65/35〜75/25程度である。芳香族ビニル−ジエン系ブロック共重合体の構造としては、リニア(直鎖状)型(AB型、ABA型等)、星型(ラジアルテレブロック型など)、テーパー型等が挙げられる。
【0041】
オレフィン系共重合体としては、エチレン−ブタジエン共重合体などのオレフィン系ブロック又はランダム共重合体、ポリスチレングラフトポリプロピレンなどの芳香族ビニル変性ポリオレフィン、無水マレイン酸グラフトポリオレフィン、(メタ)アクリル酸変性ポリオレフィン、エポキシ変性ポリオレフィン等が例示できる。
【0042】
これらの相溶化剤(a)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、芳香族ビニル−ジエン系共重合体、特にスチレン−ブタジエンブロック共重合体(例えば、ポリスチレンブロックとポリブタジエンブロックとで構成されたジ又はトリブロック共重合体)が好ましい。
【0043】
相溶化剤(a)の割合は、スチレン系樹脂(a)及びオレフィン系樹脂(a)の合計100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは5〜20重量部程度である。相溶化剤の割合が少なすぎると、積層体が割れやすくなり、多すぎると、積層体としての剛性が低下すると共に、基材層を発泡させる場合に、連続気泡になり易い。
【0044】
基材層(A)に軽量性及び緩衝性を付与するために、前記樹脂組成物を発泡して発泡体を形成してもよい。発泡方法としては、慣用の方法、例えば、反応生成ガスを利用する方法、発泡剤を使用する方法等を用いることができるが、これらの方法のうち、発泡剤を用いて押出発泡する方法が好ましい。
【0045】
発泡剤には、揮発性発泡剤及び分解性発泡剤が含まれる。揮発性発泡剤としては、例えば、気体[炭酸ガス(二酸化炭素)、炭化水素(プロパン、ブタン、ペンタン等)、メチルエーテル、三塩化フッ化メタン、窒素等]、揮発性液体[水、エーテル類(エチルエーテル、石油エーテル)、アセトン、ヘキサン、ベンゼン]等が挙げられる。これらの揮発性発泡剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。揮発性発泡剤は、水と、官能基[ヒドロキシル基、カルボキシル基又はその塩(アルカリ金属塩やアンモニウム塩等)、アルコキシカルボニル基、シアノ基、アミノ基、−NH−基、アミド基、硫酸基、スルホ基、−CHSOH基、―CO―基等]を有する化合物(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、酒石酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、クロル酢酸、ジグリコール酸等)との混合物であってもよい。
【0046】
分解型発泡剤としては、例えば、有機酸(クエン酸など)、アゾ化合物(2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、アゾヘキサヒドロベンゾニトリル、アゾジカルボン酸アミド、ジアゾアミノベンゼン等)、スルホニルヒドラジド化合物[ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等]、ニトロソ化合物(N,N′−ジニトロペンタメチレンテトラミン、N,N′−ジニトロソ−N,N′−ジメチルテレフタルアミド等)等の有機化合物や、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の無機化合物などが例示できる。これらの分解型発泡剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0047】
発泡剤の割合は、スチレン系樹脂(a)、オレフィン系樹脂(a)及び相溶化剤(a)を含む樹脂組成物100重量部に対して、0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部程度である。
【0048】
発泡体は、主に、独立気泡で構成されているのが好ましく、独立気泡の割合は、全気泡中50〜100%、好ましくは80〜100%程度である。発泡倍率は、1〜30倍の範囲から選択でき、3〜20倍(特に5〜10倍)程度の高倍率であってもよいが、好ましくは1.2〜3倍、さらに好ましくは1.5〜2.5倍(特に1.7〜2.3倍)程度である。発泡倍率は成形方法によっても異なり、例えば、Tダイを用いた発泡成形の場合は、低倍率の発泡体を得ることができる。なお、低発泡シートは、真空成形などの金型に対する追従性(金型に対する忠実度)が高く、深絞り成形性も可能である。
【0049】
発泡体を形成する場合(特に押出発泡する場合)は、充填材を用いて、金型に対する追従性や表面外観を改良してもよい。このような充填材としては、タルク、シリカ、カオリン、マイカ、グラファイト等の板状充填剤や、金属炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等)、石膏、カーボンブラック、ホワイトカーボン、ケイ酸塩(クレー、天然ケイ酸等)、金属粉等の粉粒状充填材等が挙げられる。これらの充填材は、押出し機に投入する際に、マスターバッチ化してもよい。また、気泡調整剤(例えば、多価カルボン酸などの酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウムとの反応混合物など)や顔料等を用いてもよい。これらの充填剤や気泡調整剤の割合は、前記樹脂組成物100重量部に対して、0.01〜2重量部程度である。
【0050】
基材層(A)には、必要に応じて、他の熱可塑性樹脂(アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリビニルケトン系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂等)、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、熱安定化剤等)、難燃剤(リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、無機系難燃剤等)、難燃助剤、補強材(ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状充填材など)、核剤、滑剤、可塑剤、離型剤、耐衝撃改良剤、色相改良剤、流動性改良剤、着色剤(染料など)、分散剤、帯電防止剤、抗菌剤等を添加してもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0051】
基材層の厚みは、100〜2000μm、好ましくは300〜1700μm、さらに好ましくは500〜1500μm程度である。
【0052】
[表層(B)]
表層(B)は、オレフィン系樹脂(b)及び高分子型帯電防止剤(b)で構成されている。
【0053】
(b)オレフィン系樹脂
オレフィン系樹脂(b)としては、前記基材層(A)におけるオレフィン系樹脂(a)の項で例示されたオレフィン系樹脂を用いることができる。なお、基材層(A)と表層(B)との接着性の観点から、基材層(A)のオレフィン系樹脂と同系統の樹脂を用いるのが好ましく、特に積層体に剛性及び耐摩耗性を付与する点から、ポリプロピレンを主成分とするポリプロピレン系樹脂を用いるのが好ましい。
【0054】
さらに、耐摩耗性を改良する観点から、前記ポリプロピレン系樹脂と前記ポリエチレン系樹脂(例えば、低密度ポリエチレンなど)とを組み合わせて用いてもよい。ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との割合(重量比)は、前者/後者=95/5〜30/70、好ましくは90/10〜40/60、さらに好ましくは80/20〜50/50程度である。
【0055】
JIS K 7210によるオレフィン系樹脂(b)のメルトインデックス値(230℃、21.2N)は、0.5〜50g/10分の範囲から選択できるが、帯電防止剤の発現性の点からは高粘度であるのが好ましく、例えば、0.5〜30g/10分、好ましくは0.5〜10g/10分(特に0.5〜5g/10分)程度である。メルトインデックス値が低すぎると、オレフィン系樹脂の流動性が低いため、成形性が低下する。また、メルトインデックスが高すぎると、帯電防止剤の分散性が低下し、多量の帯電防止剤が必要となる。
【0056】
(b)高分子型帯電防止剤
本発明では、高分子型帯電防止剤を用いることにより、少量であっても優れた帯電防止性を発揮でき、高い帯電防止性を持続できると共に、万一帯電防止性が低下しても回復させることができる。
【0057】
高分子型帯電防止剤は、高分子量(例えば、数平均分子量1000以上)の帯電防止剤であればよく、特に制限されないが、例えば、オレフィン系ブロックやポリアミド系ブロックと、親水性ブロックとのブロック共重合体が好ましい。このようなブロック共重合体で構成された高分子型帯電防止剤について、例えば、特開2001−278985号公報を参照できる。これらの高分子型帯電防止剤は、オレフィン系ブロックやポリアミド系ブロックと、親水性ブロックとが交互に結合した構造を有している。
【0058】
前記オレフィン系ブロックを構成するオレフィン系単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン等のC2−6オレフィンが例示できる。これらのオレフィンのうち、エチレン及びプロピレンから選択された少なくとも一種が好ましく、特に、プロピレンが好ましい。オレフィン系単量体のうち、プロピレンの割合は80モル%以上(特に90モル%以上)が好ましい。ポリオレフィンブロックにおいて、オレフィン系単量体(C2−6オレフィン、特にエチレン及び/又はプロピレン)の含有量は、80モル%以上(特に90モル%以上)程度である。ポリオレフィンブロックの数平均分子量は、2000〜50000、好ましくは3000〜40000、さらに好ましくは5000〜30000程度である。
【0059】
前記ポリアミド系ブロックは、ジアミン(例えば、ヘキサメチレンジアミンなどのC4−20脂肪族ジアミンなど)とジカルボン酸(例えば、アジピン酸やセバシン酸、ドデカン二酸などのC4−20脂肪族ジカルボン酸など)との縮合によって得られるブロック、アミノカルボン酸(例えば、6−アミノヘキサン酸や12−アミノドデカン酸などのC4−20アミノカルボン酸など)の縮合によって得られるブロック、ラクタム(カプロラクタムなどのC4−20ラクタムなど)の開環重合によって得られるブロック、これらの成分から得られる共重合ブロックのいずれであってもよい。ポリアミド系ブロックは、通常、アルキレン鎖を有しており、アルキレン鎖の炭素数は、例えば、6〜18個、好ましくは6〜16個、さらに好ましくは6〜12個程度である。ポリアミド系ブロックは、例えば、6−アミノヘキサン酸や12−アミノドデカン酸などのC6−12アミノカルボン酸の縮合によって得られたアルキレン骨格を有するポリアミドブロックであってもよい。ポリアミド系ブロックの割合は、全ブロック共重合体中、例えば、20〜70重量%、好ましくは25〜50重量%程度である。
【0060】
親水性ブロックとしては、例えば、ポリエーテル系ポリマー(又はノニオン性ポリマー)、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー等が例示できる。親水性ブロックを構成する親水性単量体としては、アルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどのC2−6アルキレンオキシド)、特にエチレンオキシドやプロピレンオキシドなどのC2−4アルキレンオキシドなどが好ましい。好ましい親水性ブロックとしては、ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドなどのポリC2−4アルキレンオキシド)が好ましい。アルキレンオキシドの重合度は1〜300(例えば、5〜200)、好ましくは10〜150、さらに好ましくは10〜100(例えば、20〜80)程度である。
【0061】
前記オレフィン系ブロックと、親水性ブロックとの間は、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合等を介して結合されている。これらの結合は、例えば、ポリオレフィンを変性剤で変性した後、親水性ブロックを導入することにより形成できる。例えば、ポリオレフィンを変性剤で変性して活性水素原子を導入した後、アルキレンオキシドなどの親水性単量体を付加重合することによって導入される。このような変性剤としては、例えば、不飽和カルボン酸又はその無水物((無水)マレイン酸など)、ラクタム又はアミノカルボン酸(カプロラクタムなど)、酸素又はオゾン、ヒドロキシルアミン(2−アミノエタノールなど)、ジアミン(エチレンジアミンなど)、あるいはこれらの混合物等が例示できる。このようにして得られる高分子型帯電防止剤は、例えば、三洋化成工業(株)から商品名「ペレスタット300」として入手できる。
【0062】
前記ポリアミドブロックと、親水性ブロックとの間は、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合等を介して結合されている。これらの結合は、例えば、両末端に官能基を有するポリアミドとポリエーテル系ポリマーとをグリシジルエーテル化合物(例えば、ビスフェノールAグリシジルエーテルなど)などで結合することによって形成できる。このようにして得られる高分子型帯電防止剤は、例えば、チバスペシャリティーケミカルズ(株)から商品名「イルガスタットP16」「イルガスタットP18」として、三洋化成工業(株)から商品名「ペレスタット6321」として入手できる。
【0063】
高分子型帯電防止剤の数平均分子量は、1000以上(例えば、1000〜100000)、好ましくは2000〜60000、さらに好ましくは2000〜50000(特に3000〜20000)程度である。
【0064】
オレフィン系樹脂(b)と高分子型帯電防止剤(b)との割合(重量比)は、オレフィン系樹脂(b)/高分子型帯電防止剤(b)=60/40〜99.9/0.1の範囲から選択でき、好ましくは70/30〜99.5/0.5、さらに好ましくは75/25〜99/1(特に80/20〜95/5)程度である。高分子型帯電防止剤の割合が少なすぎると、帯電防止性が低下し、多すぎるとコスト的に不利である。
【0065】
オレフィン系樹脂(b)と高分子型帯電防止剤(b)との分散性を向上させ、表面外観、衝撃強度、耐摩耗性などを改善する目的で、相溶化剤(b)を添加してもよい。例えば、高分子型帯電防止剤(b)として、ポリアミド系ブロックと親水性ブロックとのブロック共重合体を用いた場合に、相溶化剤(b)を添加することにより、オレフィン系樹脂と高分子型帯電防止剤との分散性を向上させることができる。
【0066】
相溶化剤(b)としては、前記相溶化剤(b)の項で例示した相溶化剤の他、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、オキサゾリニル基などの官能基を有するオレフィン系樹脂などが挙げられる。これらのオレフィン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの相溶化剤のうち、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、オキサゾリニル基などの官能基を有する変性オレフィン系樹脂が好ましい。
【0067】
前記変性オレフィン系樹脂は、例えば、前記官能基を有する単量体とオレフィン系単量体とを共重合させてもよいし、ポリオレフィンに前記官能基を有する単量体をグラフト共重合させてもよい。オレフィン系単量体としては、前記オレフィン系樹脂(a)の項で例示したオレフィンなどが使用でき、好ましくはエチレンやプロピレンなどのC2−4オレフィンである。
【0068】
エポキシ基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのグリシジル基を有するビニル系単量体などが挙げられる。カルボキシル基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸やマレイン酸などの脂肪族カルボン酸などが挙げられる。酸無水物基を有する単量体としては、例えば、無水マレイン酸などのカルボン酸無水物などが挙げられる。アルコキシカルボニル基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸C1−4アルキルなどが挙げられる。アシルオキシ基を有する単量体としては、例えば、酢酸ビニルなどの脂肪族カルボン酸ビニルなどが挙げられる。オキサゾリニル基を有する単量体としては、例えば、オキサゾリニル基を有するビニル系単量体などが挙げられる。これらの官能基を有する単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの官能基を有する単量体のうち、エポキシ基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体、酸無水物基を有する単量体などが好ましい。
【0069】
変性オレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体などのC2−4オレフィン−(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体やエチレン−(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体などのC2−4オレフィン−(メタ)アクリル酸C1−4アルキル−(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体などのC2−4オレフィン−酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体やプロピレン−(メタ)アクリル酸共重合体などのC2−4オレフィン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体などのC2−4オレフィン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸−無水マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸や(無水)マレイン酸などによる酸変性ポリエチレン、(無水)マレイン酸変性ポリプロピレンなどが挙げられる。これらの相溶化剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、エポキシ基を有するオレフィン系樹脂、特に、エチレン−(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体などのC2−4オレフィン−(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体や、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体などのC2−4オレフィン−(メタ)アクリル酸C1−4アルキル−(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体が好ましい。
【0070】
相溶化剤(b)の割合は、オレフィン系樹脂(b)と高分子型帯電防止剤(b)との合計100重量部に対して、例えば、0〜50重量部、好ましくは0〜20重量部(例えば、0.1〜20重量部)、さらに好ましくは0〜10重量部(特に1〜10重量部)程度である。相溶化剤の割合が多すぎると、帯電防止性が低下するだけでなく、添加量に伴った効果が発現せず、経済的にも不利である。
【0071】
なお、表層(B)にも、前記基材層(A)と同様の添加剤を添加してもよい。特に、帯電防止性の向上やシート成形時の流動性調整等のために低分子型帯電防止剤や、カーボンブラックや金属酸化物等の無機系充填剤を添加してもよい。
【0072】
表層(B)の合計厚みは、20〜1000μm、好ましくは30〜700μm、さらに好ましくは50〜500μm程度である。尚、表層が基材層の両面にある場合、表層の上表層厚みと下表層厚みとの割合は、前者/後者=5/1〜1/5、好ましくは3/1〜1/3、さらに好ましくは2/1〜1/2程度であり、通常、上表層と下表層とは同程度の厚みである。
【0073】
基材層(A)の厚み(D)と、表層(B)の合計厚み(D)との割合は、D/D=100/1〜1/1、好ましくは50/1〜2/1、さらに好ましくは30/1〜3/1(特に10/1〜3/1)程度である。基材層(A)に対する表層(B)の厚み比が低すぎると、二次成形で引き伸ばされた部分の帯電防止性が低下する。また表層(B)の厚みが厚すぎたり、基材層(A)に対する表層(B)の厚み比が高すぎると、真空成形の前加熱工程で半溶融シートの垂下変形量が大きくなり、シートが下部ヒーターに接触したり、成形品にしわが発生する。
【0074】
[樹脂シート及びその製造方法]
本発明では、前記組成の基材層(A)及び表層(B)により、機械的特性(耐摩耗性、剛性、緩衝性等)が高いレベルでバランスしていると共に、帯電防止性にも優れた樹脂シートが得られる。前記樹脂シートの厚みは特に制限されないが、120μm〜3mm、好ましくは300μm〜2mm、さらに好ましくは500μm〜1.5mm程度である。
【0075】
基材層(A)及び表層(B)は、特に制限されず、それぞれ各層の成分をタンブラー、スーパーミキサー等を用いて混合した後、そのままシート押出機に供給して形成してもよいし、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸もしくは二軸押出し機等によって溶融混練してペレット化した後、シート押出し機に供給して形成してもよい。シートの成形方法としては、例えば、エキストルージョン法[ダイ(フラット状、T状(Tダイ)、円筒状(サーキュラダイ)等)法、インフレーション法等]などの押出成形法、テンター方式、チューブ方式、インフレーション方式等による延伸法等が挙げられる。樹脂シートは、未延伸であってもよく、延伸(一軸延伸、二軸延伸等)してもよい。
【0076】
積層シートは、得られた各シートをヒートラミネーションやドライラミネーション等の方法により積層して調製してもよいが、各層用の樹脂組成物を、汎用のフィードブロック付きダイやマルチマニホールドダイ等を使用して共押出する方法により調製するのが好ましい。スチレン系樹脂(a)及びオレフィン系樹脂(a)を含む樹脂組成物(又はペレット)と、オレフィン系樹脂(b)及び高分子型帯電防止剤(b)を含む樹脂組成物とをそれぞれ押出機に供給して溶融攪拌し、各樹脂組成物層をダイ内で合流させて積層し、ダイから押し出すことにより積層シートを得ることができる。共押出法では、薄い表面層を得ることができ、かつ量産性に優れる。これらの共押出法の中でも、通常、共押出Tダイ成形法、共押出サーキュラーダイ成形法、共押出中空成形法を用いることができ、基材層を発泡させる場合は、低発泡率で薄いシートが得られるため、共押出Tダイ成形が好ましい。押出温度は120〜300℃、好ましくは150〜280℃程度である。尚、ラミネーション法においては、必ずしも接着剤は必要としない。
【0077】
本発明の積層体は、基材層(A)と表層(B)とを有する2層以上の積層体である。表層(B)は、基材層(A)の少なくとも一方の面(耐摩耗性や帯電防止性が要求される面)に形成されていればよいが、通常、表層は基材層の両面に形成される。さらに必要に応じて、再生樹脂層を設けてもよい。
【0078】
[二次成形方法及び二次成形品]
このようにして得られた前記樹脂シートは、成形性に優れるため、圧空成形(押出圧空成形、熱板圧空成形、真空圧空成形等)、自由吹込成形、真空成形、折り曲げ加工、マッチモールド成形、熱板成形等の慣用の熱成形などで、簡便に二次成形することができる。
【0079】
熱成形工程においては、加熱したシートを加圧や減圧により成形し、例えば、圧空成形の場合は、加熱したシートを圧空により金型に押し当てて容器を成形する。真空成形の場合は、金型と加熱したシートとの間を真空にすることにより、加熱シートを金型側に引き込んで容器を成形する。前記金型には、空気を引き込むための小孔やスリットが設けられている。
【0080】
また、基材層(A)を発泡させた積層発泡シートにおいては、加熱し二次発泡させた後、雌雄両金型を用いてマッチド・モールド法で所望の厚みや形状にする方法も好ましく採用できる。
【0081】
前記樹脂シートは種々の機械的特性に優れ、二次成形品としては、例えば、トレー、キャリアテープ、エンボステープ、マガジン、食品用容器、薬品用容器等が挙げられる。シートや二次成形品の表面は、表面処理(例えば、コロナ放電やグロー放電等の放電処理、酸処理、焔処理等)を行ってもよい。シートや二次成形品の表面は、導電性被膜又は帯電防止層(例えば、導電性インキによる被膜など)を形成してもよい。
【0082】
前記樹脂シートは、帯電防止性に優れるため、前記二次成形品の中でも、半導体や電子部品(例えば、ICやICを用いた電子部品)を収容するための収容凹部を有する搬送用成形品[例えば、電子部品搬送用トレー(インジェクショントレー、真空成形トレー等)、マガジン、キャリアテープ(エンボスキャリアテープなど)等]に有用である。また、ヒートシール性に優れるため、カバーテープとの密着性が高く、特に、電子部品を収容するための凹部をカバーテープで密封して電子部品を収納する搬送用成形品(例えば、トレー、キャリアテープ等)に有用である。
【0083】
【発明の効果】
本発明では、耐摩耗性、剛性等の機械的物性に優れると共に、帯電防止性の持続力及び回復力にも優れた帯電防止性樹脂シート及び成形体が得られる。また、前記樹脂シートは、熱成形などの成形性及び耐衝撃性に優れると共に、緩衝性(クッション性)にも優れる。さらに、発泡や二次成形を行っても、機械的物性及び帯電防止力に優れている。そして、本発明では、このような優れた特性を示す成形体を、安価で簡便な方法で成形できる。
【0084】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた各成分の略号の内容、及び各評価項目の評価方法は以下の通りである。
【0085】
[各成分の略号の内容]
PP(1):ポリプロピレン((株)グランドポリマー製、F812A、MI=1.7g/10分)
PP(2):ポリプロピレン((株)グランドポリマー製、701WC、MI=0.8g/10分)
PP(3):ポリプロピレン((株)グランドポリマー製、F707V、MI=6.5g/10分)
PP(4):ポリプロピレン(チッソ(株)製、NEWSTREN SH9000、MI=0.3g/10分)
PP(5):ポリプロピレン(チッソ(株)製、FB3500)
LDPE:低密度ポリエチレン(旭化成(株)製、M1703)
変性ポリオレフィン:エチレン−アクリル酸エチル−メタクリル酸グリシジル共重合体(住友化学(株)製、ボンドファスト7M)
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン(出光石油化学(株)製、0144N)
GPPS(1):ポリスチレン(東洋スチレン(株)製、♯30)
GPPS(2):ポリスチレン(東洋スチレン(株)製、G19K)
HIPS:耐衝撃性ポリスチレン(東洋スチレン(株)製、E640)
SBS:スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(JSR(株)製、TR2003)
高分子型帯電防止剤(1):オレフィン系高分子型帯電防止剤(三洋化成工業(株)製、ペレスタット300)
高分子型帯電防止剤(2):ポリアミド系高分子型帯電防止剤(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製、イルガスタットP18)
高分子型帯電防止剤(3):ポリアミド系高分子型帯電防止剤(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製、イルガスタットP16)
低分子型帯電防止剤(1):低分子型帯電防止剤(花王(株)製、エレストマスター320)
低分子型帯電防止剤(2):低分子型帯電防止剤(花王(株)製、エレストマスターS520)
発泡剤:三協化成(株)製、セルマイク623。
【0086】
[成形性]
浅野研究所(株)製単発真空成形機を用いて、得られたシートから円筒状(底部直径φ7cm、開口部直径φ9cm、深さ7cm)の容器を成形し、以下の基準で目視にて評価した。
【0087】
◎:金型の形状が明確に現われ、コーナー部分に濃淡がなく、表面に凹凸も存在しない
○:金型の形状は明確に現われているが、コーナー部分に濃淡があるか、あるいは表面に凹凸が存在している
△:金型の形状が明確に現われていない。
【0088】
[成形サイクル試験]
浅野研究所(株)製単発真空成形機を用いて、得られたシートをマッチモールド成形又は真空成形した。これらの成形において、前加熱ヒーターの温度を変えて、シート表面が所定温度に達するまでの時間を測定した。マッチモールド成形及び真空成形においては、図1に示す形状の金型(底面部の形状が縦171mm×横27mmの長方形状で、深さが38mmである凹部を2個有するアルミニウム製金型)を用いて容器を成形し、金型形状に対する容器の対応性又は応答性を、以下の基準で目視にて評価した。
【0089】
○:金型の形状が明確に現われ、コーナー部分に濃淡なし
△:金型の形状が過剰に現われ、真空孔の跡や偏肉が存在する
×:金型の形状が明確に現われず、コーナー部分の濃淡や、表面の凹凸、孔あきが発生する。
【0090】
[電気特性]
得られたシート及び前記成形品の内面底部について、表面抵抗値及び10kV印加した時の飽和電圧を、23℃、50%RHの条件で測定した。
【0091】
[衝撃強度]
得られたシートについて、23℃、50%RHの条件で、デュポン衝撃強度を測定した。
【0092】
[耐摩耗性]
得られたシート及び前記成形品の底部を1.5cm角にカットし、往復摩擦摩耗試験機の摺動部にシート及び前記成形品の平面が水平になるように固定した。ガラス板をそのエッジ部がサンプル平面に5°の傾きで接するように固定した。500gf(4.9N)の荷重をかけ、最大速度50mm/秒、4mmのストロークで2000回往復運動を行い、発生する摩耗粉の量(mg)を測定した。
【0093】
実施例1
表1に示す組成で、基材層を構成する樹脂組成物を多層押出機(直径50mm、直径35mm)のうち直径50mmの押出機に、表層を構成する樹脂組成物を直径35mmの押出機に供給し、それぞれの押出機内で溶融混練し、T−ダイキャスト法でシート状に押出した後、急冷して積層発泡シートを得た。なお、基材層は、押出し発泡させた。シートの厚み、発泡倍率、積層比は表1の通りである。また、得られたシートの評価結果を表1に示す。実施例1について、成形サイクル試験を行った結果を表4に示す。
【0094】
実施例2
各成分の組成や各層の厚みを表1に示す組成や厚みにする以外は実施例1と同様にしてシートを得た。得られたシートの評価結果を表1に示す。
【0095】
実施例3
基材層を発泡せず、各成分の組成や各層の厚みを表1に示す組成や厚みにする以外は実施例1と同様にしてシートを得た。得られたシートの評価結果を表1に示す。
【0096】
実施例4〜6
各成分の組成や各層の厚みを表1に示す組成や厚みにする以外は実施例1と同様にしてシートを得た。得られたシートの評価結果を表1に示す。
【0097】
実施例7〜13
各成分の組成や各層の厚みを表2に示す組成や厚みにする以外は実施例1と同様にしてシートを得た。得られたシートの評価結果を表2に示す。実施例9について、成形サイクル試験を行った結果を表4に示す。
【0098】
比較例1〜2
各成分の組成や各層の厚みを表3に示す組成や厚みにする以外は実施例1と同様にしてシートを得た。得られたシートの評価結果を表3に示す。
【0099】
比較例3〜4
表層を形成せず、各成分の組成や基材層の厚みを表3に示す組成や厚みにする以外は実施例1と同様にしてシートを得た。得られたシートの評価結果を表3に示す。
【0100】
比較例5
表層を形成せず、基材層を発泡しないで、各成分の組成や基材層の厚みを表3に示す組成や厚みにする以外は実施例1と同様にしてシートを得た。得られたシートの評価結果を表3に示す。
【0101】
比較例6
基材層を発泡せず、各成分の組成や各層の厚みを表3に示す組成や厚みにする以外は実施例1と同様にしてシートを得た。得られたシートの評価結果を表3に示す。
【0102】
【表1】
Figure 2004090609
【0103】
【表2】
Figure 2004090609
【0104】
【表3】
Figure 2004090609
【0105】
【表4】
Figure 2004090609
【0106】
表から明らかなように、実施例のシートは各種性能に優れる。これに対して、高分子型帯電防止剤を含有していない比較例では、帯電防止性や成形性等が充分でない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、成形性サイクル試験で用いた金型の平面図である。

Claims (22)

  1. スチレン系樹脂(a)及びオレフィン系樹脂(a)から選択された少なくとも一つの樹脂で構成された基材層(A)と、この基材層の少なくとも一方の面に積層され、かつオレフィン系樹脂(b)及び高分子型帯電防止剤(b)で構成された表層(B)とを備えている樹脂シート。
  2. 基材層(A)が発泡体で構成されている請求項1記載のシート。
  3. 基材層(A)が、スチレン系樹脂(a)とオレフィン系樹脂(a)とを、スチレン系樹脂(a)/オレフィン系樹脂(a)=60/40〜95/5(重量比)の割合で含む請求項1記載のシート。
  4. オレフィン系樹脂(b)が、ポリプロピレン系樹脂で構成されている請求項1記載のシート。
  5. オレフィン系樹脂(b)が、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とで構成されている請求項1記載のシート。
  6. オレフィン系樹脂(b)において、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との割合(重量比)が、前者/後者=95/5〜30/70である請求項5記載のシート。
  7. 高分子型帯電防止剤(b)の数平均分子量が1000〜100000である請求項1記載のシート。
  8. 高分子型帯電防止剤(b)が、オレフィン系ブロック及びポリアミド系ブロックから選択された少なくとも一種のブロックと、親水性ブロックとのブロック共重合体で構成されている請求項1記載のシート。
  9. 高分子型帯電防止剤(b)が、オレフィン系ブロックと親水性ブロックとのブロック共重合体で構成され、前記オレフィン系ブロックがプロピレン単位を80モル%以上含む請求項8記載のシート。
  10. 高分子型帯電防止剤(b)が、ポリアミド系ブロックと親水性ブロックとのブロック共重合体で構成され、前記ポリアミド系ブロックが炭素数4〜20のアルキレン鎖を有する請求項8記載のシート。
  11. 表層(B)において、さらに相溶化剤(b)を含む請求項1記載のシート。
  12. 相溶化剤(b)が、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基及びオキサゾリニル基から選択された少なくとも一種の官能基を有する変性オレフィン系樹脂で構成されている請求項11記載のシート。
  13. 表層(B)において、オレフィン系樹脂(b)と高分子型帯電防止剤(b)との割合(重量比)が、オレフィン系樹脂(b)/高分子型帯電防止剤(b)=75/25〜99/1である請求項1記載のシート。
  14. 表層(B)において、オレフィン系樹脂(b)と高分子型帯電防止剤(b)との合計100重量部に対して、相溶化剤(b)0〜50重量部を含む請求項1記載のシート。
  15. 表層(B)において、オレフィン系樹脂(b)のメルトインデックスが0.5〜50g/10分である請求項1記載のシート。
  16. 基材層(A)の厚みが100〜2000μm、表層(B)の合計厚みが20〜1000μmであり、基材層(A)の厚み(D)と、表層(B)の合計厚み(D)との比が、D/D=100/1〜1/1である請求項1記載のシート。
  17. スチレン系樹脂(a)とポリプロピレン系樹脂(a)とスチレン−ブタジエン共重合体(a)とを含有し、かつ発泡倍率1.2〜3倍の発泡体で構成された基材層(A)の両面に、ポリプロピレン系樹脂(b)と、数平均分子量が2000〜60000であり、かつプロピレンブロックと親水性ブロックとで構成された高分子型帯電防止剤(b)とを含む表層が形成されたシートであって、表層(B)において、オレフィン系樹脂(b)と高分子型帯電防止剤(b)との割合(重量比)が、オレフィン系樹脂(b)/高分子型帯電防止剤(b)=80/20〜95/5である樹脂シート。
  18. 基材層(A)において、スチレン系樹脂(a)が、非ゴム含有スチレン系樹脂とゴム変性スチレン系樹脂とで構成されている請求項17記載のシート。
  19. 非ゴム含有スチレン系樹脂とゴム変性スチレン系樹脂との割合(重量比)が、前者/後者=60/40〜20/80である請求項18記載のシート。
  20. スチレン系樹脂(a)及びオレフィン系樹脂(a)から選択された少なくとも一つの樹脂と、オレフィン系樹脂(b)及び高分子型帯電防止剤(b)を含む樹脂組成物とを溶融して積層状態でTダイより押出して樹脂シートを製造する方法。
  21. スチレン系樹脂(a)、オレフィン系樹脂(a)、スチレン−ブタジエン共重合体(a)及び発泡剤を含む樹脂組成物と、オレフィン系樹脂(b)及び高分子型帯電防止剤(b)を含む樹脂組成物とを溶融して積層状態でTダイより押出して樹脂シートを製造する方法。
  22. 請求項1記載のシートで形成された成形体。
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