JP2004089180A - サイトケラチン類の検出のための核酸増幅用プライマーおよび該プライマーを用いた検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定の塩基配列の270〜1375番目の領域及びその相補鎖の領域から選択され、例えば340種類のいずれかで表される特定の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含むプライマーを構築する。また、特定の塩基配列の270〜930番目の領域及びその相補鎖の領域から選択され、例えば92種類のいずれかで表される特定の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含むプライマーを構築する。さらに特定の塩基配列の340〜490番目若しくは495〜1050番目の領域及びそれらの相補鎖の領域から選択され、例えば39種類のいずれかで表される特定の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含むプライマーを構築することによる。
【選択図】なし
Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、ヒトサイトケラチンを検出するための核酸増幅用プライマーに関する。
【0002】
【従来の技術】
サイトケラチン(以下、本明細書中では「CK」と記載する)は、細胞の繊維性骨格を形成するタンパク質の一つで、少なくとも20個の遺伝子群からなるファミリーを形成し、ヒトCK18、ヒトCK19及びヒトCK20等が公知である。CKは上皮細胞で発現される。
例えばヒトCK18は、乳腺、肺、大腸、胃などの正常組織だけでなくそれぞれの癌組織においても発現されることが報告されているが、ヒトCK18は上皮系組織ではないリンパ節では発現されないことが知られている。また、ヒトCK19は肺癌、胃癌、乳癌、膵癌、前立腺癌等で発現されることが報告されており、正常組織と癌組織でのヒトCK19の発現量に差が認められる。ヒトCK20は大腸癌、胃癌、メルケル細胞癌、婦人科粘液癌、移行上皮癌、膵癌・胆管癌で発現されることが報告されており、やはり正常組織と癌組織でのヒトCK20の発現量に差が認められる。そこで、リンパ節等の組織においてヒトCK18、ヒトCK19及び/又はヒトCK20の発現の有無を調べることで癌の転移の有無を確認することができる、さらに上記正常組織と癌組織で発現量の差が認められるものを調べることでも癌の転移を確認することができる。
【0003】
癌細胞は、原病巣部位を離れ、血流やリンパ系を経由して全身に転移する。癌の手術では、できるだけ確実に病巣を取り除くことが必要であるため、転移を正確に検出し、転移の度合に応じて適切な処置をすることが要求される。このため、術中のリンパ節への癌転移診断は極めて重要な意義を有している。例えば乳癌の場合には、QOL向上のために郭清範囲を縮小化する傾向であるが、術中のリンパ節癌転移診断は、最小限のリンパ節郭清範囲を決定するための重要な指針となりうる。食道癌においては、リンパ節転移の部位を検出することにより、開腹、閉胸、頚部切開のうち、いずれの術式を選択するかの決定するための指針となりうる。前立腺癌においては、リンパ節転移があれば摘出手術は中止し、ホルモン療法を行う等の意思決定の指標となり、さらに胃癌においても、術式及び術後の治療方針の選択の指針となりうる。又、患者への負担を考えると、術中の癌転移診断は、迅速に行うことが必要である。
【0004】
リンパ節への癌転移診断の1手法として、癌マーカーとしてCKタンパク質を検出する方法がある。例えば、切除したリンパ節を凍結し、凍結した組織の切断面を染色する等により行われているが、このような手法では切断面の情報のみであるから微小癌転移を見落とす危険性がある。
【0005】
近年の遺伝子解析技術の発展により、癌マーカー遺伝子の発現を検出することで、効果的に癌診断が行われるようになった。例えばPCR法は、DNA鎖の1本鎖への解離、DNA鎖の中の特定の領域をはさんだプライマーの結合、DNAポリメラーゼによるDNA合成反応を繰り返すことによって、目的のDNA断片を数十万倍にも増幅できる方法であり(特開昭61−274697号公報)、種々の試料中の核酸の高感度分析法として使用可能である。例えば、動物体液や組織由来の試料中の核酸の分析が可能であるため、感染症や遺伝病や癌の診断などに有用である。
【0006】
RNAの検出には、RT−PCR法が利用できる。RT−PCR法とは、例えば腫瘍組織からRNAを抽出し、オリゴ(dT)又はランダムヘキサマーをプライマーにして逆転写酵素(RT)によりcDNAを合成し、このcDNAをPCR法で増幅し、検出する方法である。この方法を用いた線維芽細胞腫の診断の例が報告されている(北海道医学雑誌、p.135−141, Vol. 66(2),(1991))。RT−PCRにより、切除した組織からCKのmRNA発現の検出が可能となり、癌転移の見落としの間題はある程度回避されるようになった。腫瘍や癌の診断分野では、このような核酸増幅方法が実用化されている(臨床検査法提要、第31版1314頁、金原出版株式会杜、1998年9月20日発行)。
しかし、PCR法では、鋳型DNAの2本鎖から1本鎖への変性の操作を必要とし、増幅反応は複数の温度条件で繰り返し行う必要があった。また、一般に検出可能な増幅産物を得るのに2時間程度かかり、迅速性を要求される術中に行う検査としては好ましいものではない。
【0007】
PCR法以外のDNA増幅方法として、LAMP法が報告されている(特許文献1)。LAMP法は、鎖置換反応が進行すると増幅産物の末端にヘアピン構造を形成するプライマーを含む複数のプライマーによる遺伝子増幅法である。まず、初期反応において、2種類のインナープライマー(FIP、RIP)と2種類のアウタープライマー(F3プライマー、R3プライマー)及び鎖置換型DNAポリメラーゼにより鋳型DNAから両端に一本鎖ループ部分をもつダンベル状の構造が合成される。この構造が増幅サイクルの起点構造となって、この構造の3’末端側から自己を鋳型としてDNAの伸長・合成反応が進む。増幅産物は多数の繰り返し構造からなり、繰り返し構造の単位はプライマーに挟まれた被増幅領域を構成する2本の核酸の塩基配列が逆向きになった同一鎖内の相補性領域からなる。 LAMP法は、鋳型DNAの2本鎖から1本鎖への熱変性の操作を必要とせず、増幅反応はすべて等温で連続的に進行することが特徴である(非特許文献1、2)。鋳型がRNAの場合には、鋳型がDNAの場合の反応液組成にさらに逆転写酵素を添加することで同様に起点構造を合成することができ、増幅を進めることができる(RT−LAMP法)。LAMP法では、30分程度で検出に十分な増幅産物が得られる。したがって、核酸検出に要する時間が短縮されるため、例えば迅速に治療方針を決定することを目的としたリンパ節への癌転移の診断に適用できる。又、迅速に結果が得られることから、術中診断への適用も期待できる。
LAMP法に適用されるプライマーの基本的な考え方は、特許文献1及び特許文献2に記載されている。
【0008】
ヒトCK18検出用のPCR用プライマー又はプローブについては既に報告されている(非特許文献3)。同様に、ヒトCK19検出用のPCR用プライマー又はプローブについても既に報告されている(特許文献3、非特許文献4)。また、同様にヒトCK20検出用のPCR用プライマー又はプローブについても既に報告されている(非特許文献5、6)。
しかしながら、ヒトCK検出用であって、LAMP法に適用されるプライマーの報告はなく、その開発が望まれている。また、その他の核酸増幅手段に適用されるプライマーでも、公知のプライマーのほかに新たなプライマー又は測定に有用なプライマーセットの構築が望まれている。
【0009】
【先行文献】
【特許文献1】
国際公開WO 00/28082号公報
【特許文献2】
国際公開WO 02/24902号公報
【特許文献3】
米国US 6203992特許公報
【非特許文献1】
Bioベンチャー、Vol.1, No.1, p.109−115(2001)
【非特許文献2】
BIO INDUSTRY、Vol.18, No.2, p.15−29(2001)
【非特許文献3】
Gene, 159(1), p.43−47(1995)
【非特許文献4】
Breast Cancer Research and Treatment 60, p.143−151(2000)
【非特許文献5】
British J. of Cancer, 77(8), p.1327−1332(1998)
【非特許文献6】
British J. of Cancer, 82(1), p157−160 (2000)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ヒトCKを検出するための核酸増幅反応に用いる新規プライマーを提供することを目的とする。より具体的には、LAMP法による核酸増幅用のプライマーを提供することに関する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、LAMP法に効果的に適用されるヒトCKを検出するための核酸増幅用プライマーを構築することができた。
【0012】
即ち本発明は、
1.LAMP法によりサイトケラチンを検出するための核酸増幅用プライマー、
2.サイトケラチンが、サイトケラチン18、サイトケラチン19及びサイトケラチン20からなる群より選択される前項1に記載の核酸増幅用プライマー、
3.以下の群より選択される配列からなるオリゴヌクレオチドを含むヒトサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマー;
1)配列番号1で表される塩基配列の270〜1375番目の領域及びその相補鎖の領域から選択され、配列番号1及び/又はその相補鎖の連続する塩基を少なくとも5以上含むオリゴヌクレオチド、
2)配列番号2〜341のいずれかで表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
3)前記1)又は2)に記載のオリゴヌクレオチドの相補鎖、
4)前記1)〜3)のいずれか1に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド、
5)前記1)〜4)に記載のオリゴヌクレオチドのうち、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異された塩基配列を含み、プライマー機能を有するオリゴヌクレオチド、
4.配列番号66〜88又は179〜341で表される塩基配列のいずれかより選択されるオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマー、
5.核酸増幅の手段がLAMP法である前項3又は4に記載の核酸増幅用プライマー、
6.以下の群より選択される配列からなるオリゴヌクレオチドを含む核酸増幅用プライマーから少なくとも2種を選択することを特徴とするヒトサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマーセット;
1)配列番号1で表される塩基配列の270〜1375番目の領域及びその相補鎖の領域から選択され、配列番号1及び/又はその相補鎖の連続する塩基を少なくとも5以上含むオリゴヌクレオチド、
2)配列番号2〜341のいずれかで表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
3)前記1)又は2)に記載のオリゴヌクレオチドの相補鎖、
4)前記1)〜3)のいずれか1に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド、
5)前記1)〜4)に記載のオリゴヌクレオチドのうち、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異された塩基配列を含み、プライマー機能を有するオリゴヌクレオチド、
7.核酸増幅の手段がLAMP法である前項6に記載のヒトサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマーセット、
8.オリゴヌクレオチドを含む核酸増幅用プライマーから少なくとも4種を選択することを特徴とする前項7に記載のヒトサイトケラチン18検出のためのプライマーセット、
9.前記プライマーセットに含まれるプライマーのうち少なくとも2種が、配列番号1で表される塩基配列及び/又はその相補鎖の各々2箇所の領域を認識することを特徴とする前項6〜8のいずれか1に記載のヒトサイトケラチン18検出のためのプライマーセット、
10.前記プライマーセットに含まれるプライマーが、配列番号1で表される塩基配列及び/又はその相補鎖の少なくとも6箇所の領域を認識することを特徴とする前項7〜9のいずれか1に記載のプライマーセット、
11.配列番号234〜341で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマーであって、
(a)配列番号234〜286、及び(b)配列番号287〜341、
に分類した場合の、(a)及び(b)から各1のプライマーを選択した組合せを含むことを特徴とするプライマーセット、
12.前項11のプライマーセットに、配列番号66〜88又は配列番号179〜201で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマーであって、
(c)配列番号66〜88、及び(d)配列番号179〜201、
に分類した場合の、(c)及び(d)から各1のプライマーを選択した組合せのプライマーをさらに含むことを特徴とするプライマーセット、
13.前項11又は12のプライマーセットに、配列番号202〜233で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマーであって、
(e)配列番号202〜219、及び(f)配列番号220〜233、
に分類した場合の、(e)及び(f)から各1のプライマーを選択した組合せのプライマーをさらに含むことを特徴とするプライマーセット、
14.次に示す1)〜4)のいずれかからなるサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマーセット;
1)配列番号234、287、66及び179で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
2)配列番号252、297、68及び182で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
3)配列番号259、307、72及び184で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
4)配列番号278、331、79及び193で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
15.次に示す1)〜4)のいずれかからなるヒトサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマーセット;
1)配列番号234、287、66、179、203及び220で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
2)配列番号252、297、68、182、211及び223で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
3)配列番号259、307、72、184、212及び226で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
4)配列番号278、331、79、193、214及び228で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
16.次に示す1)〜8)のいずれかからなるヒトサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマーセット;
1)配列番号280、334、82及び195で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
2)配列番号281、335、83及び196で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
3)配列番号282、336、84及び197で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
4)配列番号282、337、84及び197で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
5)配列番号283、338、85及び198で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
6)配列番号284、339、86及び199で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
7)配列番号285、340、87及び200で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
8)配列番号286、341、88及び201で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
17.次に示す1)〜6)のいずれかからなるヒトサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマーセット;
1)配列番号282、336、84、197、216及び229で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
2)配列番号282、337、84、197、216及び230で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
3)配列番号282、337、84、197、216及び231で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
4)配列番号283、338、85、198、217及び232で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
5)配列番号286、341、88、201、218及び233で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
6)配列番号286、341、88、201、219及び233で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
18.前項3若しくは4に記載のプライマーから必要なプライマーを選択し、又は請求項5〜17のいずれか1に記載のプライマーセットを選択して使用することによるヒトサイトケラチン18の核酸検出方法、
19.以下の群より選択される配列からなるオリゴヌクレオチドを含むヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマー;
1)配列番号342で表される塩基配列の270〜930番目の領域及びその相補鎖の領域から選択され、配列番号342及び/又はその相補鎖の連続する塩基を少なくとも5以上含むオリゴヌクレオチド、
2)配列番号343〜432のいずれかで表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
3)前記1)又は2)に記載のオリゴヌクレオチドの相補鎖、
4)前記1)〜3)のいずれか1に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド、
5)前記1)〜4)に記載のオリゴヌクレオチドのうち、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異された塩基配列を含み、プライマー機能を有するオリゴヌクレオチド、
20.配列番号357〜361又は378〜434の配列番号に表される塩基配列のいずれかより選択されるオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマー、
21.核酸増幅の手段がLAMP法である前項19又は20に記載のヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマー、
22.以下の群より選択される配列からなるオリゴヌクレオチドを含む核酸増幅用プライマーから少なくとも2種を選択することを特徴とするヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマーセット;
1)配列番号342で表される塩基配列の270〜930番目の領域及びその相補鎖の領域から選択され、配列番号342又はその相補鎖の連続する塩基を少なくとも5以上含むオリゴヌクレオチド、
2)配列番号343〜434で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
3)前記1)又は2)に記載のオリゴヌクレオチドの相補鎖、
4)前記1)〜3)のいずれか1に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド、
5)前記1)〜4)に記載のオリゴヌクレオチドのうち、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異された塩基配列を含み、プライマー機能を有するオリゴヌクレオチド、
23.核酸増幅の手段がLAMP法である前項22に記載のヒトサイトケラチン19検出のためのプライマーセット、
24.オリゴヌクレオチドを含む核酸増幅用プライマーから少なくとも4種を選択することを特徴とする前項22又は23に記載のヒトサイトケラチン19検出のためのプライマーセット、
25.前記プライマーセットに含まれるプライマーのうち少なくとも2種が、配列番号342で表される塩基配列及び/又はその相補鎖の各々2箇所の領域を認識することを特徴とする前項22〜24のいずれか1に記載のヒトサイトケラチン19検出のためのプライマーセット、
26.前記プライマーセットに含まれるプライマーが、配列番号342で表される塩基配列及び/又はその相補鎖の少なくとも6箇所の領域を認識することを特徴とする前項22〜25のいずれか1に記載のヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマーセット、
27.配列番号413〜434に表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマーであって、
(a)配列番号413〜417、419、422若しくは424〜427、及び
(b)配列番号418、420、421、423若しくは428〜434、
に分類した場合の、(a)及び(b)から各1のプライマーを選択した組合せを含むことを特徴とするプライマーセット、
28.前項27で選択された各プライマーの組合せに、
配列番号357〜361又は378〜384に表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマーであって、
(c)配列番号357〜361、及び(d)配列番号378〜384、
に分類した場合の、(c)及び(d)から各1のプライマーを選択した組合せのプライマーをさらに含むことを特徴とするプライマーセット、
29.前項27又は28で選択された各プライマーの組合せに、
配列番号385〜412に表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマーであって、
(e)配列番号385〜398、及び(f)配列番号399〜412、
に分類した場合の、(e)及び(f)から各1のプライマーを選択した組合せを含むことを特徴とするプライマーセット、
30.各配列番号に表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマーであって、1)〜4)のいずれかの組合せを含むプライマーセット;
1)(a)配列番号413〜417、(b)配列番号418、(c)配列番号357、(d)配列番号378に分類した場合の、各分類から1のプライマーを選択した組合せ。
2)(a)配列番号419、(b)配列番号420〜421、(c)配列番号358、(d)配列番号379に分類した場合の、各分類から1のプライマーを選択した組合せ。
3)(a)配列番号422、(b)配列番号423、(c)配列番号359、(d)配列番号380に分類した場合の、各プライマーを選択した組合せ。
4)(a)配列番号424〜427、(b)配列番号428〜434、(c)配列番号360〜361、(d)配列番号381〜384に分類した場合の、各分類から1のプライマーを選択した組合せ、
31.各配列番号に表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマーであって、1)〜4)のいずれかの組合せを含むプライマーセット;
1)(a)配列番号413〜417、(b)配列番号418、(c)配列番号357、(d)配列番号378、(e)配列番号385〜391、(f)配列番号399〜402に分類した場合の、各分類から1のプライマーを選択した組合せ。
2)(a)配列番号419、(b)配列番号420〜421、(c)配列番号358、(d)配列番号379、(e)配列番号392〜393、(f)配列番号403〜406に分類した場合の、各分類から1のプライマーを選択した組合せ。
3)(a)配列番号422、(b)配列番号423、(c)配列番号359、(d)配列番号380、(e)配列番号394〜396、(f)配列番号407〜409に分類した場合の、各分類から1のプライマーを選択した組合せ。
4)(a)配列番号424〜427、(b)配列番号428〜434、(c)配列番号360〜361、(d)配列番号381〜384、(e)配列番号397〜398、(f)配列番号411〜412に分類した場合の、各分類から1のプライマーを選択した組合せ、
32.1)〜3)のいずれかからなるヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマーセット;
1)配列番号413、418、357及び378で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
2)配列番号419、421、358及び379で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
3)配列番号424、431、360及び381で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
33.1)〜4)のいずれかからなるヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマーセット;
1)配列番号413、418、357、378、385及び402で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
2)配列番号419、421、358、379、392及び404で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
3)配列番号422、423、359、380、394及び407で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
4)配列番号424、431、360、381、397及び411で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
34.前項19若しくは20に記載のプライマーから必要なプライマーを選択し、又は前項21〜33のいずれかから選択されるプライマーセットを使用することによる核酸検出方法、
35.以下の群より選択される配列からなるオリゴヌクレオチドを含むヒトサイトケラチン20検出のための核酸増幅用プライマー;
1)配列番号435で表される塩基配列の340〜490番目若しくは495〜1050番目の領域及びそれらの相補鎖の領域から選択され、配列番号435及び/又はその相補鎖の連続する塩基を少なくとも5以上含むオリゴヌクレオチド、
2)配列番号436〜460のいずれかで表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
3)前記1)又は2)に記載のオリゴヌクレオチドの相補鎖、
4)前記1)〜3)のいずれか1に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド、
5)前記1)〜4)に記載のオリゴヌクレオチドのうち、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異された塩基配列を含み、プライマー機能を有するオリゴヌクレオチド、
36.配列番号443、444又は454〜474の配列番号に表される塩基配列のいずれかより選択されるオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン20検出のための核酸増幅用プライマー、
37.核酸増幅の手段がLAMP法である前項35又は36に記載のヒトサイトケラチン20検出のための核酸増幅用プライマー、
38.以下の群より選択される配列からなるオリゴヌクレオチドを含む核酸増幅用プライマーから少なくとも2種を選択することを特徴とするヒトサイトケラチン20検出のための核酸増幅用プライマーセット;
1)配列番号435で表される塩基配列の340〜1050番目及びその相補鎖の領域から選択され、配列番号435及び/又はその相補鎖の連続する塩基を少なくとも5以上含むオリゴヌクレオチド、
2)配列番号436から460のいずれかで表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
3)前記1)又は2)に記載のオリゴヌクレオチドの相補鎖、
4)前記1)〜3)のいずれか1に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド、
5)前記1)〜4)に記載のオリゴヌクレオチドのうち、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異された塩基配列を含み、プライマー機能を有するオリゴヌクレオチド、
39.核酸増幅の手段がLAMP法である前項38に記載のヒトサイトケラチン20検出のための核酸増幅用プライマーセット、
40.オリゴヌクレオチドを含む核酸増幅用プライマーから少なくとも4種を選択することを特徴とする前項39に記載のヒトサイトケラチン20検出のためのプライマーセット、
41.前記プライマーセットに含まれるプライマーのうち少なくとも2種が、配列番号435で表される塩基配列及び/又はその相補鎖の各々2箇所の領域を認識することを特徴とする前項38〜40のいずれか1に記載のヒトサイトケラチン20検出のためのプライマーセット、
42.前記プライマーセットに含まれるプライマーが、配列番号435で表される塩基配列及び/又はその相補鎖の少なくとも6箇所の領域を認識することを特徴とする請求項38〜41のいずれか1に記載のヒトサイトケラチン20検出のためのプライマーセット。
43.配列番号461〜466及び468〜473に表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン20検出のための核酸増幅用プライマーであって、(a)配列番号461〜466、(b)配列番号468〜473に分類した場合の、各分類から1のプライマーを選択した組合せを含むことを特徴とするプライマーセット、
44.前項43で選択された各プライマーの組合せに、さらに配列番号444及び配列番号455で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むヒトサイトケラチン20検出のためのプライマーセット。
45.前項43又は44に記載のプライマーセットにさらに配列番号457及び/又は459若しくは460で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むヒトサイトケラチン20検出のためのプライマーセット、
46.配列番号443、454、467及び474で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むヒトサイトケラチン20検出のためのプライマーセット、
47.配列番号443、454、467及び474で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドの他にさらに配列番号456及び/又は458で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして使用するヒトサイトケラチン20検出のためのプライマーセット、
48.前項35若しくは36に記載のプライマーから必要なプライマーを選択し、又は前項37〜47のいずれかから選択されるプライマーセット使用して行う核酸検出方法、
49.核酸検出方法がLAMP法である前項18、34又は48に記載の核酸検出方法、
50.前項18、34、48又は49に記載の核酸検出方法に使用する試薬、
51.前項18、34、48又は49に記載の核酸検出方法に使用する試薬キット、
52.前項18、34、48又は49に記載の核酸検出方法を用いた核酸検出システム、からなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(プライマーの設計)
本発明は、ヒトCKの核酸増幅法、好ましくはLAMP法に適用可能な核酸増幅用のプライマーを提供するものである。該プライマーは、例えば、公知の配列番号1,342, 435等に表されるCKの塩基配列及び/又はその相補的な配列から連続する塩基を少なくとも5以上含む適当なオリゴヌクレオチドを選択して設計することができる。
【0014】
LAMP法で用いるプライマーの基本的な考え方は、特許文献1に記載の通りである。具体的には、増幅すべき標的DNAの、3’末端側から順にF3c、F2c、F1cという領域を、5’末端側から順にR3、R2、R1という領域を規定し、少なくともこの6つの領域に対し、実質的に同一な塩基配列、又は実質的に相補的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチド鎖を選択し、少なくとも4種のプライマーを設計する。
【0015】
実質的に同じ塩基配列とは、次のように定義される。すなわち、ある塩基配列を鋳型として合成された相補鎖が、目的の塩基配列に対してハイブリダイズし、相補鎖合成の起点を与えるとき、この配列は目的の塩基配列に対して実質的に同一である。例えば、F2に対して実質的に同一な塩基配列とは、F2と全く同一な塩基配列に加えて、F2にハイブリダイズして相補鎖合成の起点となりうる塩基配列を与える鋳型として機能する塩基配列を含む。
【0016】
本発明に基づくオリゴヌクレオチドを構成する塩基配列の特徴付けのために用いられる同一、あるいは相補的という用語はいずれも完全に同一、あるいは完全に相補的であることを要しない。すなわち、ある配列と同一とは、ある配列に対してハイブリダイズすることができる塩基配列に対して相補的な配列をも含むことができる。他方、相補的とは、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができ、相補鎖合成の起点となる3’末端を提供することができる配列を意味する。
【0017】
本発明のプライマーは、以下に述べる各種の核酸合成反応において与えられた環境のもとで必要な特異性を維持しながら相補鎖との塩基対結合を行うことができる程度の鎖長をもつ。具体的には5〜200塩基、より望ましくは10〜50塩基対とする。配列依存的な核酸合成反応を触媒する公知のポリメラーゼが認識するプライマーの鎖長は最低5塩基前後であることから、ハイブリダイズする部分の鎖長はそれ以上である必要がある。加えて、塩基配列としての特異性を維持するためには、10塩基以上の長さを維持するのが望ましい。一方、あまりにも長い塩基配列は化学合成によって調製することが困難となることから、前記のような鎖長が望ましい範囲として例示される。
【0018】
本発明において用いられる鋳型という用語は、相補鎖合成の鋳型となる側の核酸を意味する。鋳型に相補的な塩基配列を持つ相補鎖は、鋳型にハイブリダイズしうる鎖としての意味を持つが、両者の関係はあくまでも相対的なものに過ぎない。すなわち、相補鎖として合成された鎖は、再び鋳型として機能することができる。つまり、相補鎖は鋳型になることができる。
【0019】
本発明において、標的DNAの塩基配列から選択されるプライマーは、各々FIP(forward inner primer)、F3プライマー(forward outer primer)、RIP(reverse inner primer)及びR3プライマー(reverse outer primer)のいずれかを構成する。
FIPは、標的DNAのF2c領域と実質的に相補的なF2領域の塩基配列を3’末端にもち、5’末端に標的DNAのF1c領域と実質的に同じ塩基配列をもつように設計する。この場合において、F2及びF1cの配列間に標的DNAに依存しない配列が介在していても良い。この標的DNAに依存しない配列の長さは0〜50塩基、好ましくは0〜40塩基であれば許容しうる。
F3プライマーは、標的DNAのF3c領域と実質的に相補的なF3領域と実質的に同じ塩基配列をもつように設計する。
RIPは、標的DNAのR2c領域と実質的に相補的なR2領域の塩基配列を3’末端にもち、5’末端に標的DNAのR1c領域と実質的に同じ塩基配列をもつように設計する。RIPもFIPと同様に、R2及びR1cの配列の間に標的DNAに依存しない配列が介在していても良い。
R3プライマーは、標的DNAのR3c領域と実質的に相補的なR3領域と実質的に同じ塩基配列をもつように設計する。
【0020】
また、LAMP法では、少なくとも1種以上のループプライマーを併用することで増幅時間を短縮することができる(特許文献2)。ループプライマーとは、ダンベル構造の5’末端側のループの1本鎖部分、具体的には例えばR1領域とR2領域の間、あるいはF1領域とF2領域の間に相補的な配列をもつプライマーをいう。ループプライマーを用いることによりDNA合成の起点を増やすことが可能となる。このループプライマーは、DNA合成過程でできたFIP又はRIPがハイブリダイズしないループ領域にハイブリダイズするように設計する。
【0021】
(ヒトCK18検出用のプライマーの設計)
ヒトCK18検出用のプライマーは、既知の配列番号1に表される1412塩基よりなる塩基配列及び/又はその相補的な配列から、連続する塩基を少なくとも5以上含む適当なオリゴヌクレオチドを選択して設計される。尚、配列番号1に示す塩基配列はGenbank accession No. 4557887に基づく。
ヒトCK18検出用のプライマーも、上記プライマーの原理に従った領域を選択して設計する。
【0022】
ヒトCK18検出用プライマーの領域は、塩基組成、GC含量、二次構造、Tm値などに注意し、DNA領域を認識する塩基配列の長さは、塩基数が少なくとも5塩基以上、好ましくは10〜30塩基、より好ましくは17〜25塩基のものを選択することができる。Tm値は、一般的にNearest Neighbor法で求めることができる。DNA領域は、Tm値が55〜65℃、好ましくは58〜64℃のものを選択し、GC含量が40〜70%、好ましくは50〜65%のものを選択することができる。
【0023】
このような条件により、本発明で選択されたプライマーの領域は、配列番号1で表される塩基配列の270〜1375番目の領域及びその相補鎖の領域、好ましくは塩基配列の280〜580番目の領域及びその相補鎖の領域に含まれる。
【0024】
ヒトCK18検出用プライマーは、1) 配列番号1で表される塩基配列の270〜1375番目の領域及び/又はその相補鎖の領域に含まれ、塩基数が少なくとも5以上のオリゴヌクレオチド、2) 配列番号2〜41で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、3) 前記1)又は2)に記載のオリゴヌクレオチドの相補鎖、4) 前記1)〜3)のいずれか1に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド、又は、5) 前記1)〜4)に記載のオリゴヌクレオチドのうち、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異された塩基配列を含むオリゴヌクレオチド、から選択され、設計される。
【0025】
オリゴヌクレオチドは、自体公知の方法により製造することができ、例えば化学的に合成することができる。あるいは、天然の核酸を制限酵素などによって切断し、上記のような塩基配列で構成されるように改変し、あるいは連結することも可能である。具体的には、オリゴヌクレオチド合成装置(アプライドバイオシステムズ社製 Expedite Model 8909 DNA合成機)等を用いて合成することができる。また、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異させたオリゴヌクレオチドの合成法も、自体公知の製法を使用することができる。例えば、部位特異的変異導入法、遺伝子相同組換え法、プライマー伸長法又はPCR法を単独又は適宜組合せて、例えば、Molecular Cloning;A Laboratory Manual、2版、Sambrookら編、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク、1989年;[ラボマニュアル遺伝子工学]、村松正實編、丸善株式会社、1988年;[PCRテクノロジー、DNA増幅の原理と応用]、Ehrlich, HE.編、ストックトンプレス、1989年等に記載の方法に準じて、あるいはそれらの方法を改変して実施することができ、例えばUlmerの技術(Science(1983)219:666)を利用することができる。
【0026】
ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は一般に知られたものを選択することができる。その一例としては、50%ホルムアミド、5×SSC(150mM NaCl、15mM クエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム,pH7.6、5×デンハーツ溶液、10%デキストラン硫酸、及び20μg/mlのDNAを含む溶液中、42℃で一晩ハイブリダイゼーションした後、室温で2×SSC・0.1%SDS中で一次洗浄し、次いで、約65℃において0.1×SSC・0.1%SDSで二次洗浄といった条件があげられる。
【0027】
ここで増幅されるべき核酸の鋳型はヒトCK18のmRNAであるから、使用するプライマーが、検体中に含まれるゲノムDNAを増幅しないように設計することが必要とされる。具体的には、本発明のプライマーセットに含まれるプライマーの少なくとも1つは、ヒトCK18の遺伝子において複数のエクソンにまたがる領域を含むものであることが望ましい。このような工夫を行うことによって、ゲノムDNA由来の配列の増幅が排除され、ヒトCK18のmRNA由来の配列を選択的に増幅することが可能となる。
【0028】
(ヒトCK19検出用のプライマーの設計)
ヒトCK19検出用のプライマーも、ヒトCK18検出用プライマーと同様に、設計することができる。ヒトCK19検出用プライマーは、既知の配列番号342に表される1360塩基よりなる塩基配列及び/又はその相補的な配列から、連続する塩基を少なくとも5以上含む適当なオリゴヌクレオチドを選択して設計される。尚、配列番号342に示す塩基配列はGenbank accession No. 4504916に基づく。
ヒトCK19検出用プライマーも、上記の原理に従った領域を選択し、設計する。ヒトCK19検出用プライマーの領域は、配列番号342で表される塩基配列の270〜930番目の領域及びその相補鎖の領域、好ましくは270〜560番目、370〜585番目、625〜854番目の領域若しくは655〜930番目及びそれらの相補鎖の領域に含まれる。
【0029】
ヒトCK19検出用プライマーは、1) 配列番号342で表される塩基配列の270〜930番目の領域及び/又はその相補鎖の領域に含まれ、好ましくは270〜560番目、370〜585番目、625〜854番目若しくは655〜930番目の領域及び/又はそれら相補鎖の領域に含まれ、塩基数が少なくとも5以上のオリゴヌクレオチド、2) 配列番号343〜382で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、3) 前記1)又は2)に記載のオリゴヌクレオチドの相補鎖、4) 前記1)〜3)のいずれか1に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド、又は、5) 前記1)〜4)に記載のオリゴヌクレオチドのうち、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異された塩基配列を含むオリゴヌクレオチドから選択され、設計される。
【0030】
(ヒトCK20検出用のプライマーの設計)
ヒトCK20検出用のプライマーも、ヒトCK18検出用プライマーやヒトCK19検出用のプライマーと同様に、設計することができる。ヒトCK20検出用プライマーは、既知の配列番号435に表される1275塩基よりなる塩基配列及び/又はその相補的な配列から、連続する塩基を少なくとも5以上含む適当なオリゴヌクレオチドを選択して設計される。尚、配列番号435に示す塩基配列はGenbank accession No.402644に基づく。
ヒトCK20検出用プライマーも、上記の原理に従った領域を選択し、設計する。ヒトCK20検出用プライマーの領域は、配列番号435で表される塩基配列の340〜1050番目の領域及びその相補鎖の領域、好ましくは340〜490番目若しくは495〜1050番目の領域及びそれらの相補鎖の領域、さらに好ましくは340〜490番目、495〜570番目若しくは790〜1050番目の領域及びそれらの相補鎖の領域に含まれる。
【0031】
ヒトCK20検出用プライマーは、1) 配列番号435で表される塩基配列の340〜1050番目の領域及び/又はその相補鎖の領域に含まれ、好ましくは340〜490番目若しくは495〜1050番目の領域及び/又はそれらの相補鎖の領域、さらに好ましくは、340〜490番目、495〜570番目若しくは790〜1050番目の領域及び/又はそれらの相補鎖の領域に含まれ、塩基数が少なくとも5以上のオリゴヌクレオチド、2) 配列番号436〜474で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、3) 前記1)又は2)に記載のオリゴヌクレオチドの相補鎖、4) 前記1)〜3)のいずれか1に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド、又は、5) 前記1)〜4)に記載のオリゴヌクレオチドのうち、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異された塩基配列を含むオリゴヌクレオチドから選択され、設計される。
【0032】
(プライマーセット)
本発明のプライマーを使用して核酸増幅を行う場合、少なくとも2種を組合せてプライマーセットとして使用する。LAMP法では、少なくとも4種のプライマー(FIP、F3プライマー、RIP、R3プライマー)を組合せてプライマーセットとして使用する。さらに、1種以上のループプライマーを組合せて、プライマーセットとして使用することもできる。
【0033】
(RT−LAMP法)
RT−LAMP法は、RNAを鋳型とするLAMP法であり、LAMP法の基本的な考え方は、特許文献1に記載の通りである。RT−LAMP法では一つの溶液中で、鋳型RNAからcDNAを合成しながら、LAMP法の起点構造が合成される。具体的には次の1)のステップを経た後、2)〜5)ステップの繰り返しにより、DNAの伸長が繰り返され、標的DNAの増幅が行われる。
【0034】
1) 鋳型RNA鎖にFIPが結合し、鋳型RNA鎖に相補的なDNA鎖が伸長する。この反応は逆転写酵素、例えばAMV由来の逆転写酵素等を用いる。
2) 上記1)で合成したFIPからのDNA鎖を、F3プライマーが鋳型RNAから剥がしながら、鋳型RNA鎖に相補的なDNA鎖が伸長する。以降DNA鎖の伸長はDNAポリメラーゼによる。
3) 上記2)で剥がされたDNA鎖に、RIPが結合してDNA鎖が伸長する。
4) 上記3)で伸長したRIPからのDNA鎖をR3プライマーが剥がしながら、FIPからのDNA鎖に相補的なDNA鎖が伸長し、LAMP法の起点構造が合成される。
5) 上記4)で剥がされたDNA鎖の両端の配列は、同じDNA鎖の配列中に相補的な配列を有するので、各々ハイブリダイズし、両端にループ構造を持つ。
なお、例えばBcaDNA polymeraseのように、逆転写酵素活性とDNAポリメラーゼ活性の両活性を有する酵素があり、このような酵素を使用する場合は、上記の反応は1つの酵素で実施することができる。
【0035】
(検出方法)
LAMP法では、合成されたDNA鎖は自己の配列に対して相補的な配列をもつので、その大部分が塩基対結合を形成している。この特徴を利用して、増幅生成物の検出が可能である。エチジウムブロマイド、SYBER GREEN I、あるいはPico Greenのような2本鎖インターカーレーターである蛍光色素の存在下で本発明のプライマーを用いて核酸増幅を実施すれば、生成物の増加に伴って蛍光強度の増大が観察される。これをモニターすれば、閉鎖系でDNAの増幅と蛍光の増加が同時に追跡可能である(臨床検査法提要、31版1318頁;特開2001−242169号公報参照。以下単に「リアルタイム法」という)。
また、LAMP法では、増幅反応の過程で、副産物として不溶性のピロリン酸マグネシウムが生成し、白濁する。そこで、反応液の濁りを目視により確認する、あるいは反応液の吸光度や散乱光強度を測定して濁度を検出する、または反応液を有色のフィルターでろ過し、フィルター上の残渣を確認することにより増幅生成物の有無を検出することができる(国際公開WO01/83817号参照)。
【0036】
(試薬、試薬キット、その他)
本発明のプライマーを用いて核酸の検出を行う際に必要な各種の試薬類は、あらかじめパッケージングしてキット化することができる。具体的には、本発明の相補鎖合成のプライマーとして、あるいは置換用のプライマーとして必要な各種のオリゴヌクレオチド、逆転写活性を有する酵素、相補鎖合成の基質となるdNTP、鎖置換型の相補鎖合成を行うDNAポリメラーゼ、酵素反応に好適な条件を与える緩衝液、必要があればRNaseインヒビターのように増幅反応を阻害する物質を除去するための薬剤、さらに必要に応じて反応生成物の検出のために必要な試薬類がキットとして提供される。
【0037】
本発明は、核酸増幅用プライマー及びプライマーセット、ならびにこれらのプライマーを用いた核酸検出方法、核酸検出方法に使用される検出試薬、核酸検出キットならびに核酸検出システム全体に及ぶ。
【0038】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0039】
(実施例1−1)ヒトCK18塩基配列からの領域の選択
配列番号1に記載するヒトCK18の塩基配列から、プローブ設計ソフトを用いてLAMP法に適切な領域の位置を検討した。F1c及びR1cはTm値が58.5〜63.5℃、F2及びR2はTm値が61.5〜62.5℃、F3及びR3はTm値が58.5〜62.5℃の条件により領域を選択した結果、次に示すものが選択された。選択された領域は、配列番号1で表される塩基配列の340〜1050番目の領域及びその相補鎖の領域に含まれる。
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
(実施例1−2)CK18検出用プライマーの設計
実施例1−1で選択された領域の配列から、LAMP法に適用される次の核酸増幅用プライマーが得られた。
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
(実施例2−1)ヒトCK19塩基配列からの領域の選択
配列番号342に記載するヒトCK19の遺伝子の塩基配列から、プローブ設計ソフトを用いてLAMP法に適切な領域の位置を検討した。F1c及びR1cはTm値が58.5〜63.5℃、F2及びR2はTm値が61.5〜62.5℃、F3及びR3はTm値が58.5〜62.5℃の条件により領域を選択した結果、次に示すものが選択された。選択された領域は、配列番号342で表される塩基配列の270〜930番目の領域及びその相補鎖の領域に含まれる。
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
(実施例2−2)CK19検出用プライマーの設計
実施例2−1で選択された領域の配列から、LAMP法に適用される次の核酸増幅用プライマーが得られた。
各プライマーを、本発明のRT−LAMP法において使用するプライマーセットとして示し、領域ごとにA〜Dの4つのグループに分類した。Aグループの各プライマーは、配列番号342で表される塩基配列の270〜560番目の領域及びその相補鎖の領域から選択され、Bグループの各プライマーは、同様に370〜585番目の領域及びその相補鎖の領域、Cグループの各プライマーは、同様に625〜854番目の領域及びその相補鎖の領域、Dグループの各プライマーは、同様に655〜930番目の領域及びその相補鎖の領域の各領域から選択される。
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
(実施例3−1)ヒトCK20塩基配列からの領域の選択
配列番号435に記載するヒトCK20の塩基配列から、プローブ設計ソフトを用いてLAMP法に適切な領域の位置を検討した。F1c及びR1cはTm値が58.5〜63.5℃、F2及びR2はTm値が61.5〜62.5℃、F3及びR3はTm値が58.5〜62.5℃の条件により領域を選択した結果、次に示すものが選択された。選択された領域は、配列番号435で表される塩基配列の340〜1050番目の領域及びその相補鎖の領域に含まれる。
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
(実施例3−2)CK20検出用プライマーの設計
実施例3−1で選択された領域の配列から、LAMP法に適用される次の核酸増幅用プライマーが得られた。
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【実験例】
上記で取得したCK18、CK19又はCK20検出用の各種プライマーを用いてRT−LAMP法を実施した場合の効果を、実験例1〜3により測定し、確認した。
【0079】
(実験例1−1)増幅の確認
ヒトCK18検出用の各種プライマーを次の組合せでRT−LAMP法で測定した場合の、反応を開始してから増幅が確認できるまでに要する時間を各プライマーセットについて調べることを目的として実験を行った。
【0080】
1)ヒトCK18RNA試料の調製方法
ヒトCK18の塩基配列を基に設計したプライマーを用いてRT−PCRを行うことにより、KATOIII(胃癌細胞)由来トータルRNAから、ヒトCK18cDNAを単離した。pBluescript(STRATAGENE社製プラスミド)にクローニングしたヒトCK18cDNAから、in vitroでの転写システム(Riboprobe in vitro transcription system(Promega社製))を用いて転写産物を合成した。得られた原液のRNA濃度を260nmでの吸光度測定により算出し、その値をもとにヒトCK18のRNAコピー数が60000、6000、600、60、6及び0(対照)となるように50 ng/μL yeast RNA(Amibon社製)で希釈調製し、鋳型とした。
【0081】
2)ヒトCK18検出用プライマーセット
各種プライマーを(表1)の組合せで用いた。
(表1)プライマーセット
(各番号は配列番号を示し、プライマーは各配列番号で表される配列からなるプライマーを意味する)
【0082】
3)反応液組成
dNTPs (GIBCO社製) 0.4 mM
MgSO4 2 mM
ジチオトレイトール(dithiothreitol) 5 mM
ベタイン(betaine)(Sigma社製) 640 mM
Thermopol buffer (New England BioLabs)
AMV 逆転写酵素 (Promega社製) 1.25U
Bst DNA ポリメラーゼ (New England BioLabs社製) 16U
エチジウムブロマイド(ethidium bromide) 0.125 mg/mL
プライマー
FIP 40pmol, RIP 40pmol,
F3プライマー 5pmol, R3プライマー 5pmol,
ループプライマー(loop F, loop R) 各 20pmol
【0083】
4)RT−LAMP法
上記6種のプライマーを含む反応液23μlに、ヒトCK18のRNA試料を2μl添加し、65℃で1時間加温して行った。
【0084】
5)増幅の確認
増幅産物は2本鎖構造をもつので、エチジウムブロマイドがインターカレートして蛍光を発する。その蛍光強度の増加 (Rn) をABI社製PRISM7700を用いてリアルタイム法により測定した。
【0085】
6)結果
I〜IVの各プライマーセットを用いた場合の結果を各々図1〜4に示した。その結果、各セットについてヒトCK18の鋳型の量が多いほうが、増幅が確認できるまでに要する時間は短かかった。プライマーセットI及びIIIでは、600コピーの場合でも20分以内に増幅が確認され、プライマーセットIIでは6000コピーの場合に約20分で増幅が確認され、プライマーセットIVの場合は6000コピーの場合に約20分で増幅が確認され、600コピーの場合でも約30分で増幅が確認された。
【0086】
(実験例1−2)ループプライマーの効果
実験例1−1で検討したプライマーセットのうち、増幅の確認に要する時間が短かったプライマーセットIを選択し、ループプライマーを用いた場合と用いない場合での感度を調べることを目的として実験を行った。
【0087】
1)ヒトCK18RNA試料の調製方法
実験例1−1と同様の操作を行い、コピー数が60000、6000、600及び0(対照)となるよう試料を調製した。
【0088】
2)プライマーセット
表1に示すプライマーセットI 及びプライマーセットI から各ループプライマーを除いたプライマーセットを用いた。
【0089】
3)反応液組成
実験例1−1と同様のものを使用し、ループプライマーのないセットについては、ループプライマーを添加しなかった。
【0090】
4)RT−LAMP法
6種又は4種のプライマーを含む反応液23μlに、ヒトCK18のRNA試料を2μlとなるよう添加し、65℃で1時間加温して行った。
【0091】
5)増幅の確認
実験例1−1と同様にリアルタイム法により測定した。
【0092】
6)結果
測定結果を図5及び図6に示した。その結果、ループプライマーを用いたほうが、増幅が確認できるまでに要する時間は短かかった。しかし、ループプライマーを用いない場合でも、60000コピーの場合で約50分でヒトCK18の増幅が確認された。
【0093】
(実験例1−3)ヒトCK18に対する増幅特異性
プライマーセットI を用いて測定した場合のヒトCK18に対する増幅特異性を調べた。サイトケラチン(CK)には、ヒトCK18のほかにヒトCK19,20等のアイソフォームが知られており、これらはヒトCK18と約60%のホモロジーを有する塩基配列からなる。上記プライマーセットを用いて測定した場合に、ヒトCK19又は20と識別して検査可能か否かを調べることを目的として実験を行った。
【0094】
1)RNA試料の調製方法
実験例1−1と同様の操作を行い、コピー数が60000のヒトCK18のRNA試料を調製した。ヒトCK19及びヒトCK20のRNAについても同様に試料を調製した。
【0095】
2)プライマーセット
表1に示すプライマーセットI を用いた。
【0096】
3)反応液組成
組成は実験例1−1と同様のものを使用した。
【0097】
4)RT−LAMP法
実験例1−1と同様の条件で行った。
【0098】
5)増幅の確認
実験例1−1と同様にリアルタイム法により測定した。
【0099】
6)結果
その結果を図7に示した。その結果、プライマーセットI を用いると、ヒトCK18RNAは増幅するが、ヒトCK19RNA及びヒトCK20RNAについては全く増幅せず、プライマーセットIはヒトCK18RNAに特異性があることが確認された。
【0100】
(実験例2−1)ヒトCK19検出用プライマーセット(Aグループ)の効果
実施例2−2で示されたAグループから選択されるプライマーセットを用いてヒトCK19のRNAをRT−LAMP法で測定した場合の増幅パターンを調べることを目的として実験を行った。
【0101】
1)プライマーセット(Aグループ)
FIP: FA−401, RIP: RA−401, F3: F3−401及び R3: R3−401の各プライマーからなるプライマーセット、並びにさらに各種ループプライマー:LPF−401とLPR−401、LPF−401とLPR−402、LPF−401とLPR−403、又はLPF−401とLPR−404を組合せて用いたプライマーセットの場合について調べた。
【0102】
2)ヒトCK19RNA試料の調製方法
ヒトCK19の塩基配列を基に設計したプライマーを用いてRT−PCRを行うことにより、KATOIII(胃癌細胞)由来トータルRNAから、ヒトCK19cDNAを単離した。pBluescript(STRATAGENE社製プラスミド)にクローニングしたヒトCK19cDNAから、in vitroでの転写システム(Riboprobe in vitro transcription system (Promega社製))を用いて転写産物を合成した。得られた原液のRNA濃度を260nmでの吸光度測定により算出し、その値をもとにヒトCK19のRNAコピー数が60000、6000、600及び0 (対照)となるように50 ng/μL yeast RNA(Amibon社製)で希釈調製し、鋳型とした。
【0103】
3)反応液組成
実験例1−1と同様のものを使用した。ループプライマーのないセットについては、ループプライマーは添加しなかった。
【0104】
4)RT−LAMP法
上記のうちループプライマーを含まない4種、又はループプライマーを含む6種のプライマーを含む反応液23μLに、ヒトCK19のRNA試料を2μL添加し、65℃で1時間加温して行った。
【0105】
5)増幅の確認
実験例1−1と同様にリアルタイム法により測定した。
【0106】
6)結果
ループプライマーを用いないプライマーセット、及び各種ループプライマーを用いたプライマーセットによる結果を図8〜12に示した。その結果、ループプライマーを用いない場合には、核酸の増幅が確認できるまでに要する時間は試験開始後約40分であった。一方、図9〜12に示すように、ループプライマーを加えた系では、約10分から20分の間に増幅を確認することができた。
【0107】
(実験例2−2)ヒトCK19検出用プライマーセット(Cグループ)の効果
実施例2−2で示されたCグループから選択されるプライマーセットを用いてヒトCK19のRNAをRT−LAMP法で測定した場合の増幅パターンを調べることを目的として実験を行った。
【0108】
1)プライマーセット(Cグループ)
FIP: FA−1101, RIP: RA−1101, F3: F3−1101及びR3: R3−1101の各プライマーからなるプライマーセット、並びにさらに各種ループプライマー:LPF−1101とLPR−1101、LPF−1101とLPR−1102、LPF−1101とLPR−1103、LPF−1101とLPR−1104、LPF−1102とLPR−1101、又はLPF−1103とLPR−1101を組合せて用いたプライマーセットの場合について調べた。
【0109】
2)ヒトCK19RNA試料の調製、
実験例2−1と同様の操作を行い、コピー数が、60000、6000、600、60及び0 (対照)となるように調製した。
【0110】
3)反応液組成、4)RT−LAMP法及び5)増幅の確認は実験例2−1と同様の手法により行った。
【0111】
6)結果
ループプライマーを用いないプライマーセット、及び各種ループプライマーを用いたプライマーセットによる結果を図13〜19に示した。その結果、ループプライマーを用いない場合には、核酸の増幅が確認できるまでに要する時間は試験開始後約30分であった(図13)。一方、ループプライマーを用いた系では、LPF−1101とLPR−1101(図14)、LPF−1101とLPR−1102(図15)、LPF−1101とLPR−1104(図17)、LPF−1102とLPR−1101(図18)又はLPF−1103とLPR−1101(図19)を組合せた場合に約10分から20分の間に増幅を確認することができ、LPF−1101とLPR−1103(図16)を組合せた場合には約20分で増幅を確認することができた。
【0112】
(実験例2−3)ヒトCK19検出用プライマーセット(Dグループ)の効果
実施例2−2で示されたDグループから選択されるプライマーセットを用いてヒトCK19のRNAをRT−LAMP法で測定した場合の増幅パターンを調べることを目的として実験を行った。
【0113】
1)プライマーセット(Dグループ)
FIP: FA−601, RIP: RA−604, F3: F3−601及びR3: R3−601の各プライマーからなるプライマーセット、並びにさらにループプライマー:LPF−601とLPR−601を組合せて用いたプライマーセットの場合について調べた。
【0114】
2)ヒトCK19RNA試料の調製
実験例2−1と同様の操作を行い、コピー数が、60000、6000、600、60及び0 (対照)となるように調製した。
【0115】
3)反応液組成、4)RT−LAMP法及び5)増幅の確認は実験例2−1と同様の手法により行った。
【0116】
6)結果
ループプライマーを用いないプライマーセット及び用いたプライマーセットによる結果をそれぞれ図20及び図21に示した。その結果、ループプライマーを用いない場合は、核酸の増幅が確認できるまでに要する時間は約70分であった。また、コピー数が0でも非特異的な増幅が起こり若干特異性が低かった。一方、ループプライマーを用いた場合は、約20分程度で増幅が確認でき、かつコピー数が0で非特異増幅は起こらなかった。ループプライマーを用いることにより特異性は向上した。
【0117】
(実験例2−4)測定感度
実験例2−1〜2−3で示されたA、C、Dの各グループから選択された各プライマーセット及びBグループから選択されたプライマーセットを用いて測定した場合の、ヒトCK19RNAの測定感度を調べることを目的として実験を行った。
【0118】
【0119】
2)ヒトCK19RNA試料の調製
実験例2−1と同様の操作を行い、コピー数が、60000、20000、6000、2000、600、200、60、20及び0 (対照)となるように調製した。
【0120】
3)反応液組成、4)RT−LAMP法及び5)増幅の確認は実験例2−1と同様の手法により行った。
【0121】
6)結果
結果を図22〜25に示した。その結果、各グループのプライマーセットについて、ヒトCK19RNAのコピー数が大きい方が核酸の増幅が確認できるまでに要する時間が短かく、コピー数が60000の場合に15〜25分程度で増幅が認められた。また、Aグループについてはコピー数が200以上の場合に20〜30分(図22)、Bグループについてはコピー数が200以上の場合に15〜25分(図23)、Cグループについてはコピー数が600以上の場合に15〜25分(図24)及びDグループについてはコピー数が200以上の場合に25〜35分(図25)で増幅が認められた。
【0122】
(実験例2−5)ヒトCK19RNAに対する増幅特異性
実験例2−4で示された各プライマーセットを用いて測定した場合の、ヒトCK19RNAに対する増幅特異性を調べた。サイトケラチン(CK)には、ヒトCK19のほかにヒトCK18,20等のアイソフォームが知られており、これらはヒトCK19と約60%のホモロジーを有する塩基配列からなる。上記プライマーセットを用いて測定した場合に、ヒトCK18又は20と識別して検査可能か否かを調べることを目的として実験を行った。
【0123】
1)プライマーセット
実験例2−4と同じプライマーセットについて調べた。
【0124】
2)RNA試料の調製
実験例2−1と同様の操作を行い、コピー数が60000、6000、600及び0 (対照)となるようにヒトCK19RNA試料を調製した。ヒトCK18及びヒトCK20のRNAについては同様に各々コピー数が60000の試料を調製した。
【0125】
3)反応液組成、4)RT−LAMP法及び5)増幅の確認は実験例2−1の手法によりおこなった。
【0126】
6)結果
実験例2−4で示された各プライマーセットによる結果を図26〜29に示した。その結果、いずれのグループのプライマーセットも、ヒトCK19RNAに特異的に増幅が認められたが、ヒトCK18RNA及びヒトCK20RNAについては増幅を認めなかった。
【0127】
(実験例2−6)ヒトCK19RNAに対する増幅の確認(濁度の測定)
1)プライマーセット(Cグループ)
FIP: FA−1101、RIP: RA−1101、F3: F3−1101、R3: R3−1101及び各ループプライマー:LPF−1101とLPR−1101を組合せて用いたプライマーセットの場合について調べた。
【0128】
2)ヒトCK19RNA試料の調製、
実験例2−1と同様の操作を行い、コピー数が、100000、10000、1000及び0 (対照)となるように調製した。
【0129】
【0130】
4)RT−LAMP法は実験例2−1と同様の手法により行った。反応は0.2mlのチューブ内で65℃で1.5時間行った。
【0131】
5)増幅の確認
RT−LAMP反応物の濁度を、波長500nmにおける吸光度により経時的に測定した。測定装置はテラメックス社製のLA−200を使用した。
【0132】
6)結果
その結果を図30に示した。鋳型コピー数に応じて、測定開始後11〜13分の間で、増幅開始が認められた。
【0133】
(実験例2−7)ヒトCK19RNAに対する増幅の確認(濁度の測定)
1)プライマーセット(Cグループ)
FIP: FA−1101、RIP: RA−1101、F3: F3−1101、R3: R3−1101及び各ループプライマー:LPF−1101とLPR−1101を組合せて用いたプライマーセット及びRNaseインヒビターを加えた場合について調べた。
【0134】
2)ヒトCK19RNA試料の調製、
実験例2−1と同様の操作を行い、コピー数が、100000、10000、1000及び0 (対照)となるように調製した。
【0135】
3)反応液組成
さらに、RNase Inhibitor(東洋紡社製)を25U加える他は、実験例2−6と同様の反応組成液を使用した。
【0136】
4)RT−LAMP法及び5)増幅の確認は実験例2−6と同様に行った。
【0137】
6)結果
その結果を図31に示した。鋳型コピー数に応じて、測定開始後10〜12分の間で、増幅開始が認められた。RNase inhibitorを添加することによって、増幅反応を阻害する物質の影響が低減され、増幅の確認に要する時間を短くすることができた。
【0138】
(実験例3−1)
実施例3−2に示される各種プライマーから、次の組合せによりRT−LAMP法で測定した場合の、反応を開始してから増幅が確認できるまでに要する時間を各プライマーセットについて調べることを目的として実験を行った。
【0139】
1)ヒトCK20RNA試料の調製方法
ヒトCK20の塩基配列を基に設計したプライマーを用いてRT−PCRを行うことにより、KATOIII(胃癌細胞)由来トータルRNAから、ヒトCK20cDNAを単離した。pBluescript(STRATAGENE社製プラスミド)にクローニングしたヒトCK20cDNAから、in vitroでの転写システム(Riboprobe in vitro transcription system (Promega社製))を用いて転写産物を合成した。得られた原液のRNA濃度を260nmでの吸光度測定により算出し、その値をもとにヒトCK20のRNAコピー数が600000となるように 50 ng/μL yeast RNA(Amibon社製)で希釈調製し、鋳型とした。
【0140】
2)プライマーセット
各種プライマーを(表2)の組合せで用いた。
【0141】
(表2)プライマーセット及び増幅が確認できるまでに要する時間
【0142】
3)反応液組成
実験例1−1と同様のものを使用し、ループプライマーは添加しなかった。
【0143】
4)RT−LAMP法
上記4種のプライマーを含む反応液23μlに、ヒトCK20のRNA試料を2μl添加し、65℃で1時間加温して行った。
【0144】
5)増幅の確認
実験例1−1と同様にリアルタイム法により測定した。
【0145】
6)結果
各プライマーセットにより反応させた場合の増幅が確認できるまでに要する時間を表2に示した。その結果、最大で40分であり、ほとんどのプライマーセットで、30分以内で確認された。
【0146】
(実験例3−2)
実験例3−1で検討したプライマーセットのうち、増幅の確認に要する時間が短いプライマーセットを選択し、さらにループプライマーを用いた組合せのプライマーセットによりRT−LAMP法で測定した場合の感度を調べることを目的として実験を行った。
【0147】
1)ヒトCK20RNA試料の調製方法
実験例3−1と同様の操作を行い、コピー数が各々0、190、960、4800、24000、120000、600000となるよう試料を調製した。
【0148】
2)プライマーセット
次の各組合せのプライマーセットについて検討を行った。
セット1:FIP (KFA−5b)、RIP (KRA−5) 、F3プライマー (KF3−5)、R3プライマー (KR3−5)、ループプライマー (K−LPF2, K−LPR1)
セット2:FIP (KFA−5b)、RIP (KRA−5) 、F3プライマー (KF3−5)、R3プライマー (KR3−5)、ループプライマー (K−LPF2, K−LPR2)
【0149】
3)反応液組成
実験例1−1と同様のものを使用した。
【0150】
4)RT−LAMP法及び5)増幅の確認は実験例3−1と同様の手法により行った。
【0151】
6)結果
プライマーセット1について検討した結果を図32に示した。その結果、ヒトCK20のRNAの鋳型の量が多い場合のほうが、増幅が確認できるまでに要する時間は短かかった。しかし鋳型の量が190コピーの場合でも30分以内にDNAの増幅が認められ、鋳型の量が600000コピーの場合でも10分程度でDNAの増幅が確認された。プライマーセット2を使用した場合にも同様の結果が得られた。
【0152】
(実験例3−3)ヒトCK20RNAに対する増幅特異性
実験例3−2で選択したプライマーセットを用いて測定した場合のヒトCK20のRNAに対する増幅特異性を調べた。サイトケラチン(CK)には、ヒトCK20のほかにヒトCK18,19等のアイソフォームが知られており、これらはヒトCK20と約60%のホモロジーを有する塩基配列からなる。本発明のプライマーセットを用いて測定した場合に、ヒトCK18又は19と識別して検査可能か否かを調べることを目的として実験を行った。
【0153】
1)RNA試料の調製方法
実験例3−1と同様の操作を行い、コピー数600000のヒトCK20のRNA試料を調製した。ヒトCK18及びヒトCK19のRNAについても同様試料を調製した。
【0154】
2)プライマーセット
実験例3−2で選択したプライマーセット1及びセット2を用いた。
【0155】
3)反応液組成、4)RT−LAMP法及び5)増幅の確認は、実験例3−2と同様の手法により行った。
【0156】
6)結果
プライマーセット1について検討した結果を図33に示した。選択したプライマーセットではヒトCK20RNAは増幅するが、ヒトCK18RNA及びヒトCK19RNAは全く増幅せず、ヒトCK20RNAに特異性があることが確認された。プライマーセット2についても同様の結果が得られた。
【0157】
(実験例3−4)
プライマーセットを用いて測定した場合の、ヒトCK20RNAの測定感度を調べることを目的として実験を行った。
【0158】
1)ヒトCK20RNA試料の調製方法
実験例3−1と同様の操作を行い、コピー数が各々0、190、960、4800、24000、120000及び600000となるように試料を調製した。
【0159】
2)プライマーセット
次の各組合せのプライマーセットについて検討を行った。
セット3:FIP(AFA)、RIP(ARAf)、F3プライマー(AF3)、R3プライマー(AR3)、ループプライマー(LPF2, LPR6)
【0160】
3)反応液組成、4)RT−LAMP法及び5)増幅の確認は、実験例3−2と同様の手法により行った。
【0161】
6)結果
その結果を図34に示した。その結果、ヒトCK20のRNAの鋳型の量が多い場合のほうが、増幅が確認できるまでに要する時間は短かかった。しかし鋳型の量が190コピーの場合でも30分以内にDNAの増幅が認められ、鋳型の量が600000コピーの場合でも10分程度でDNAの増幅が確認された。
【0162】
(実験例3−5)
実験例3−4で選択したプライマーセットを用いて測定した場合のヒトCK20RNAに対する増幅特異性を調べることを目的として実験を行った。
【0163】
1)RNA試料の調製方法
実験例3−1と同様の操作を行い、コピー数が600000のヒトCK20のRNA試料を調製した。ヒトCK18及びヒトCK19のRNAについても同様に試料を調製した。
【0164】
2)プライマーセット
実験例3−4で選択したプライマーセット(セット3)を選択した。
【0165】
3)反応液組成、4)RT−LAMP法及び5)増幅の確認は、実験例3−2と同様の手法により行った。
【0166】
6)結果
その結果を図35に示した。選択したプライマーセットではヒトCK20RNAは増幅するが、ヒトCK18RNA及びヒトCK19RNAについては全く増幅せず、ヒトCK20RNAに特異性があることが確認された。
【0167】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のプライマー又はプライマーセットを用いてLAMP法を行うと、効果的にヒトCK18RNA、CK19RNA及びCK20RNAを特異的に増幅させることができることがわかった。このことから、本発明のプライマーを用いると、短時間にヒトCK18RNA、CK19RNA及びCK20RNAを検出することが可能となり、核酸増幅手段を用いたリンパ節への癌転移診断に要する時間の短縮化が可能となった。
【0168】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒトCK18のプライマーセットIを用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例1−1)
【図2】ヒトCK18のプライマーセットIIを用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例1−1)
【図3】ヒトCK18のプライマーセットIIIを用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例1−1)
【図4】ヒトCK18のプライマーセットIVを用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例1−1)
【図5】ヒトCK18のプライマーセットI(ループプライマーあり)を用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例1−2)
【図6】ヒトCK18のプライマーセットI(ループプライマーなし)を用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例1−2)
【図7】ヒトCK18のプライマーセットIを用いてLAMP法を行った場合の増幅特異性を示す図である。(実験例1−3)
【図8】ヒトCK19のプライマーセットA(ループプライマーなし)を用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例2−1)
【図9】ヒトCK19のプライマーセットA(ループプライマーなし)を用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例2−1)
【図10】ヒトCK19のプライマーセットA(ループプライマーあり)を用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例2−1)
【図11】ヒトCK19のプライマーセットA(ループプライマーあり)を用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例2−1)
【図12】ヒトCK19のプライマーセットA(ループプライマーあり)を用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例2−1)
【図13】ヒトCK19のプライマーセットC(ループプライマーなし)を用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例2−2)
【図14】ヒトCK19のプライマーセットC(ループプライマーあり)を用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例2−2)
【図15】ヒトCK19のプライマーセットC(ループプライマーあり)を用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例2−2)
【図16】ヒトCK19のプライマーセットC(ループプライマーあり)を用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例2−2)
【図17】ヒトCK19のプライマーセットC(ループプライマーあり)を用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例2−2)
【図18】ヒトCK19のプライマーセットC(ループプライマーあり)を用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例2−2)
【図19】ヒトCK19のプライマーセットC(ループプライマーあり)を用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例2−2)
【図20】ヒトCK19のプライマーセットD(ループプライマーなし)を用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例2−3)
【図21】ヒトCK19のプライマーセットD(ループプライマーあり)を用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例2−3)
【図22】ヒトCK19のプライマーセットAを用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例2−4)
【図23】ヒトCK19のプライマーセットBを用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例2−4)
【図24】ヒトCK19のプライマーセットCを用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例2−4)
【図25】ヒトCK19のプライマーセットDを用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例2−4)
【図26】ヒトCK19のプライマーセットAを用いてLAMP法を行った場合の増幅特異性を示す図である。(実験例2−5)
【図27】ヒトCK19のプライマーセットBを用いてLAMP法を行った場合の増幅特異性を示す図である。(実験例2−5)
【図28】ヒトCK19のプライマーセットCを用いてLAMP法を行った場合の増幅特異性を示す図である。(実験例2−5)
【図29】ヒトCK19のプライマーセットDを用いてLAMP法を行った場合の増幅特異性を示す図である。(実験例2−5)
【図30】ヒトCK19のプライマーセットCを用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例2−6)
【図31】ヒトCK19のプライマーセットCを用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例2−7)
【図32】ヒトCK20のプライマーセット1を用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例3−2)
【図33】ヒトCK20のプライマーセット1を用いてLAMP法を行った場合の増幅特異性を示す図である。(実験例3−3)
【図34】ヒトCK20のプライマーセット3を用いてLAMP法を行った場合の結果を示す図である。(実験例3−4)
【図35】ヒトCK20のプライマーセット3を用いてLAMP法を行った場合の増幅特異性を示す図である。(実験例3−5)
Claims (52)
- LAMP法によりサイトケラチンを検出するための核酸増幅用プライマー。
- サイトケラチンが、サイトケラチン18、サイトケラチン19及びサイトケラチン20からなる群より選択される請求項1に記載の核酸増幅用プライマー。
- 以下の群より選択される配列からなるオリゴヌクレオチドを含むヒトサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマー;
1)配列番号1で表される塩基配列の270〜1375番目の領域及びその相補鎖の領域から選択され、配列番号1及び/又はその相補鎖の連続する塩基を少なくとも5以上含むオリゴヌクレオチド。
2)配列番号2〜341のいずれかで表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
3)前記1)又は2)に記載のオリゴヌクレオチドの相補鎖。
4)前記1)〜3)のいずれか1に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド。
5)前記1)〜4)に記載のオリゴヌクレオチドのうち、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異された塩基配列を含み、プライマー機能を有するオリゴヌクレオチド。 - 配列番号66〜88又は179〜341で表される塩基配列のいずれかより選択されるオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマー。
- 核酸増幅の手段がLAMP法である請求項3又は4に記載の核酸増幅用プライマー。
- 以下の群より選択される配列からなるオリゴヌクレオチドを含む核酸増幅用プライマーから少なくとも2種を選択することを特徴とするヒトサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマーセット;
1)配列番号1で表される塩基配列の270〜1375番目の領域及びその相補鎖の領域から選択され、配列番号1及び/又はその相補鎖の連続する塩基を少なくとも5以上含むオリゴヌクレオチド。
2)配列番号2〜341のいずれかで表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
3)前記1)又は2)に記載のオリゴヌクレオチドの相補鎖。
4)前記1)〜3)のいずれか1に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド。
5)前記1)〜4)に記載のオリゴヌクレオチドのうち、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異された塩基配列を含み、プライマー機能を有するオリゴヌクレオチド。 - 核酸増幅の手段がLAMP法である請求項6に記載のヒトサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマーセット。
- オリゴヌクレオチドを含む核酸増幅用プライマーから少なくとも4種を選択することを特徴とする請求項7に記載のヒトサイトケラチン18検出のためのプライマーセット。
- 前記プライマーセットに含まれるプライマーのうち少なくとも2種が、配列番号1で表される塩基配列及び/又はその相補鎖の各々2箇所の領域を認識することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1に記載のヒトサイトケラチン18検出のためのプライマーセット。
- 前記プライマーセットに含まれるプライマーが、配列番号1で表される塩基配列及び/又はその相補鎖の少なくとも6箇所の領域を認識することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1に記載のプライマーセット。
- 配列番号234〜341で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマーであって、
(a)配列番号234〜286、及び(b)配列番号287〜341、
に分類した場合の、(a)及び(b)から各1のプライマーを選択した組合せを含むことを特徴とするプライマーセット。 - 請求項11のプライマーセットに、配列番号66〜88又は配列番号179〜201で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマーであって、
(c)配列番号66〜88、及び(d)配列番号179〜201、
に分類した場合の、(c)及び(d)から各1のプライマーを選択した組合せのプライマーをさらに含むことを特徴とするプライマーセット。 - 請求項11又は12のプライマーセットに、配列番号202〜233で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマーであって、
(e)配列番号202〜219、及び(f)配列番号220〜233、
に分類した場合の、(e)及び(f)から各1のプライマーを選択した組合せのプライマーをさらに含むことを特徴とするプライマーセット。 - 次に示す1)〜4)のいずれかからなるサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマーセット;
1)配列番号234、287、66及び179で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
2)配列番号252、297、68及び182で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
3)配列番号259、307、72及び184で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
4)配列番号278、331、79及び193で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。 - 次に示す1)〜4)のいずれかからなるヒトサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマーセット;
1)配列番号234、287、66、179、203及び220で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
2)配列番号252、297、68、182、211及び223で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
3)配列番号259、307、72、184、212及び226で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
4)配列番号278、331、79、193、214及び228で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。 - 次に示す1)〜8)のいずれかからなるヒトサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマーセット;
1)配列番号280、334、82及び195で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
2)配列番号281、335、83及び196で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
3)配列番号282、336、84及び197で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
4)配列番号282、337、84及び197で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
5)配列番号283、338、85及び198で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
6)配列番号284、339、86及び199で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
7)配列番号285、340、87及び200で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
8)配列番号286、341、88及び201で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。 - 次に示す1)〜6)のいずれかからなるヒトサイトケラチン18検出のための核酸増幅用プライマーセット;
1)配列番号282、336、84、197、216及び229で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
2)配列番号282、337、84、197、216及び230で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
3)配列番号282、337、84、197、216及び231で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
4)配列番号283、338、85、198、217及び232で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
5)配列番号286、341、88、201、218及び233で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
6)配列番号286、341、88、201、219及び233で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。 - 請求項3若しくは4に記載のプライマーから必要なプライマーを選択し、又は請求項5〜17のいずれか1に記載のプライマーセットを選択して使用することによるヒトサイトケラチン18の核酸検出方法。
- 以下の群より選択される配列からなるオリゴヌクレオチドを含むヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマー;
1)配列番号342で表される塩基配列の270〜930番目の領域及びその相補鎖の領域から選択され、配列番号342及び/又はその相補鎖の連続する塩基を少なくとも5以上含むオリゴヌクレオチド。
2)配列番号343〜432のいずれかで表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
3)前記1)又は2)に記載のオリゴヌクレオチドの相補鎖。
4)前記1)〜3)のいずれか1に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド。
5)前記1)〜4)に記載のオリゴヌクレオチドのうち、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異された塩基配列を含み、プライマー機能を有するオリゴヌクレオチド。 - 配列番号357〜361又は378〜434の配列番号に表される塩基配列のいずれかより選択されるオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマー。
- 核酸増幅の手段がLAMP法である請求項19又は20に記載のヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマー。
- 以下の群より選択される配列からなるオリゴヌクレオチドを含む核酸増幅用プライマーから少なくとも2種を選択することを特徴とするヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマーセット;
1)配列番号342で表される塩基配列の270〜930番目の領域及びその相補鎖の領域から選択され、配列番号342又はその相補鎖の連続する塩基を少なくとも5以上含むオリゴヌクレオチド。
2)配列番号343〜434で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
3)前記1)又は2)に記載のオリゴヌクレオチドの相補鎖。
4)前記1)〜3)のいずれか1に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド。
5)前記1)〜4)に記載のオリゴヌクレオチドのうち、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異された塩基配列を含み、プライマー機能を有するオリゴヌクレオチド。 - 核酸増幅の手段がLAMP法である請求項22に記載のヒトサイトケラチン19検出のためのプライマーセット。
- オリゴヌクレオチドを含む核酸増幅用プライマーから少なくとも4種を選択することを特徴とする請求項22又は23に記載のヒトサイトケラチン19検出のためのプライマーセット。
- 前記プライマーセットに含まれるプライマーのうち少なくとも2種が、配列番号342で表される塩基配列及び/又はその相補鎖の各々2箇所の領域を認識することを特徴とする請求項22〜24のいずれか1に記載のヒトサイトケラチン19検出のためのプライマーセット。
- 前記プライマーセットに含まれるプライマーが、配列番号342で表される塩基配列及び/又はその相補鎖の少なくとも6箇所の領域を認識することを特徴とする請求項22〜25のいずれか1に記載のヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマーセット。
- 配列番号413〜434に表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマーであって、
(a)配列番号413〜417、419、422若しくは424〜427、及び
(b)配列番号418、420、421、423若しくは428〜434、
に分類した場合の、(a)及び(b)から各1のプライマーを選択した組合せを含むことを特徴とするプライマーセット。 - 請求項27で選択された各プライマーの組合せに、
配列番号357〜361又は378〜384に表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマーであって、
(c)配列番号357〜361、及び(d)配列番号378〜384、
に分類した場合の、(c)及び(d)から各1のプライマーを選択した組合せのプライマーをさらに含むことを特徴とするプライマーセット。 - 請求項27又は28で選択された各プライマーの組合せに、
配列番号385〜412に表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマーであって、
(e)配列番号385〜398、及び(f)配列番号399〜412、
に分類した場合の、(e)及び(f)から各1のプライマーを選択した組合せを含むことを特徴とするプライマーセット。 - 各配列番号に表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマーであって、1)〜4)のいずれかの組合せを含むプライマーセット;
1)(a)配列番号413〜417、(b)配列番号418、(c)配列番号357、(d)配列番号378に分類した場合の、各分類から1のプライマーを選択した組合せ。2)(a)配列番号419、(b)配列番号420〜421、(c)配列番号358、(d)配列番号379に分類した場合の、各分類から1のプライマーを選択した組合せ。3)(a)配列番号422、(b)配列番号423、(c)配列番号359、(d)配列番号380に分類した場合の、各プライマーを選択した組合せ。
4)(a)配列番号424〜427、(b)配列番号428〜434、(c)配列番号360〜361、(d)配列番号381〜384に分類した場合の、各分類から1のプライマーを選択した組合せ。 - 各配列番号に表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマーであって、1)〜4)のいずれかの組合せを含むプライマーセット;
1)(a)配列番号413〜417、(b)配列番号418、(c)配列番号357、(d)配列番号378、(e)配列番号385〜391、(f)配列番号399〜402に分類した場合の、各分類から1のプライマーを選択した組合せ。
2)(a)配列番号419、(b)配列番号420〜421、(c)配列番号358、(d)配列番号379、(e)配列番号392〜393、(f)配列番号403〜406に分類した場合の、各分類から1のプライマーを選択した組合せ。
3)(a)配列番号422、(b)配列番号423、(c)配列番号359、(d)配列番号380、(e)配列番号394〜396、(f)配列番号407〜409に分類した場合の、各分類から1のプライマーを選択した組合せ。
4)(a)配列番号424〜427、(b)配列番号428〜434、(c)配列番号360〜361、(d)配列番号381〜384、(e)配列番号397〜398、(f)配列番号411〜412に分類した場合の、各分類から1のプライマーを選択した組合せ。 - 1)〜3)のいずれかからなるヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマーセット;
1)配列番号413、418、357及び378で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
2)配列番号419、421、358及び379で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
3)配列番号424、431、360及び381で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。 - 1)〜4)のいずれかからなるヒトサイトケラチン19検出のための核酸増幅用プライマーセット;
1)配列番号413、418、357、378、385及び402で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
2)配列番号419、421、358、379、392及び404で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
3)配列番号422、423、359、380、394及び407で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
4)配列番号424、431、360、381、397及び411で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。 - 請求項19若しくは20に記載のプライマーから必要なプライマーを選択し、又は請求項21〜33のいずれかから選択されるプライマーセットを使用することによる核酸検出方法。
- 以下の群より選択される配列からなるオリゴヌクレオチドを含むヒトサイトケラチン20検出のための核酸増幅用プライマー;
1)配列番号435で表される塩基配列の340〜490番目若しくは495〜1050番目の領域及びそれらの相補鎖の領域から選択され、配列番号435及び/又はその相補鎖の連続する塩基を少なくとも5以上含むオリゴヌクレオチド。
2)配列番号436〜460のいずれかで表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
3)前記1)又は2)に記載のオリゴヌクレオチドの相補鎖。
4)前記1)〜3)のいずれか1に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド。
5)前記1)〜4)に記載のオリゴヌクレオチドのうち、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異された塩基配列を含み、プライマー機能を有するオリゴヌクレオチド。 - 配列番号443、444又は454〜474の配列番号に表される塩基配列のいずれかより選択されるオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン20検出のための核酸増幅用プライマー。
- 核酸増幅の手段がLAMP法である請求項35又は36に記載のヒトサイトケラチン20検出のための核酸増幅用プライマー。
- 以下の群より選択される配列からなるオリゴヌクレオチドを含む核酸増幅用プライマーから少なくとも2種を選択することを特徴とするヒトサイトケラチン20検出のための核酸増幅用プライマーセット;
1)配列番号435で表される塩基配列の340〜1050番目及びその相補鎖の領域から選択され、配列番号435及び/又はその相補鎖の連続する塩基を少なくとも5以上含むオリゴヌクレオチド。
2)配列番号436から460のいずれかで表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
3)前記1)又は2)に記載のオリゴヌクレオチドの相補鎖。
4)前記1)〜3)のいずれか1に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド。
5)前記1)〜4)に記載のオリゴヌクレオチドのうち、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異された塩基配列を含み、プライマー機能を有するオリゴヌクレオチド。 - 核酸増幅の手段がLAMP法である請求項38に記載のヒトサイトケラチン20検出のための核酸増幅用プライマーセット。
- オリゴヌクレオチドを含む核酸増幅用プライマーから少なくとも4種を選択することを特徴とする請求項39に記載のヒトサイトケラチン20検出のためのプライマーセット。
- 前記プライマーセットに含まれるプライマーのうち少なくとも2種が、配列番号435で表される塩基配列及び/又はその相補鎖の各々2箇所の領域を認識することを特徴とする請求項38〜40のいずれか1に記載のヒトサイトケラチン20検出のためのプライマーセット。
- 前記プライマーセットに含まれるプライマーが、配列番号435で表される塩基配列及び/又はその相補鎖の少なくとも6箇所の領域を認識することを特徴とする請求項38〜41のいずれか1に記載のヒトサイトケラチン20検出のためのプライマーセット。
- 配列番号461〜466及び468〜473に表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるヒトサイトケラチン20検出のための核酸増幅用プライマーであって、 (a)配列番号461〜466、(b)配列番号468〜473に分類した場合の、各分類から1のプライマーを選択した組合せを含むことを特徴とするプライマーセット。
- 請求項43で選択された各プライマーの組合せに、さらに配列番号444及び配列番号455で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むヒトサイトケラチン20検出のためのプライマーセット。
- 請求項43又は44に記載のプライマーセットにさらに配列番号457及び/又は459若しくは460で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むヒトサイトケラチン20検出のためのプライマーセット。
- 配列番号443、454、467及び474で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むヒトサイトケラチン20検出のためのプライマーセット。
- 配列番号443、454、467及び474で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドの他にさらに配列番号456及び/又は458で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして使用するヒトサイトケラチン20検出のためのプライマーセット。
- 請求項35若しくは36に記載のプライマーから必要なプライマーを選択し、又は請求項37〜47のいずれかから選択されるプライマーセット使用して行う核酸検出方法。
- 核酸検出方法がLAMP法である請求項18、34又は48に記載の核酸検出方法。
- 請求項18、34、48又は49に記載の核酸検出方法に使用する試薬。
- 請求項18、34、48又は49に記載の核酸検出方法に使用する試薬キット。
- 請求項18、34、48又は49に記載の核酸検出方法を用いた核酸検出システム。
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