JP2004154088A - Cea検出のための核酸増幅用プライマーおよび該プライマーを用いた検査方法 - Google Patents

Cea検出のための核酸増幅用プライマーおよび該プライマーを用いた検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】癌胎児性抗原(Carcinoembryonic antigen:CEA)を検出するための遺伝子増幅反応に用いる新規プライマーを提供すること。
【解決手段】癌胎児性抗原を検出するためのプライマーであって、その塩基配列の1900番目から2200番目およびその相補鎖の領域から選択され、またはその相補鎖の連続する塩基を少なくとも5以上含むオリゴヌクレオチド、また特定の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドまたはその相補鎖等から選択される配列からなるオリゴヌクレオチドを含む核酸増幅用プライマーを提供する。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、癌胎児性抗原(Carcinoembryonic antigen:CEA)を検出するための核酸増幅用プライマーに関する。
【0002】
【従来の技術】
癌胎児性抗原(以下、本明細書中では「CEA」と記載する)は、ヒトの大腸癌から取り出されたタンパク質で、その免疫学的な性質が胎児の組織と共通性を示すことから癌胎児性抗原あるいは癌胎児タンパクとよばれている。CEAは、癌の臨床において、最も有用な腫瘍マーカーといわれている。例えば、関連する疾患として大腸癌、すい臓、胆道、肺がん、胃癌、甲状腺癌、食道癌、子宮ガン、悪性卵巣腫瘍、尿路系癌などが挙げられる。大腸癌では、癌が進行するほど高値となり、肝移転を起こすとさらに著明に増加する。血中CEAは大腸癌、すい臓癌で50〜60%の陽性率であるが、陽性例は殆どが進行癌であり、手術後や化学療法後の観察に使用されている。
一方、肉腫、白血病、悪性リンパ腫などの陽性率は数%にすぎず、悪性腫瘍の大半でCEAは陰性といわれている。
【0003】
癌細胞は、原病巣部位を離れ、血流やリンパ系を経由して全身に転移する。癌の手術では、できるだけ確実に病巣を取り除くことが必要であるため、転移を正確に検出し、転移の度合に応じて適切な処置をすることが要求される。このため、術中のリンパ節への癌転移診断は極めて重要な意義を有している。例えば乳癌の場合には、QOL(生活の質:Quality of life)向上のために郭清範囲を縮小化する傾向であるが、術中のリンパ節癌転移診断は、最小限のリンパ節郭清範囲を決定するための重要な指針となりうる。食道癌においては、リンパ節転移の部位を検出することにより、開腹、閉胸、頚部切開のうち、いずれの術式を選択するかの決定するための指針となりうる。前立腺癌においては、リンパ節転移があれば摘出手術は中止し、ホルモン療法を行う等の意思決定の指標となり、さらに胃癌においても、術式および術後の治療方針の選択の指針となりうる。また、患者への負担を考えると、術中の癌転移診断は、迅速に行うことが必要である。
【0004】
CEAの測定には、多数の測定キットが既に市販されている(臨床検査法提要、第31版674−675頁、金原出版株式会杜、1998年9月20日発行)。
【0005】
近年の遺伝子解析技術の発展により、癌マーカー遺伝子の発現を検出することで、効果的に癌診断が行われるようになった。例えばPCR法は、DNA鎖の1本鎖への解離、DNA鎖の中の特定の領域をはさんだプライマーの結合、DNAポリメラーゼによるDNA合成反応を繰り返すことによって、目的のDNA断片を数十万倍にも増幅できる方法であり(特開昭61−274697号公報)、種々の試料中の核酸の高感度分析法として使用可能である。例えば、動物体液や組織由来の試料中の核酸の分析が可能であるため、感染症や遺伝病や癌の診断などに有用である。
【0006】
RNAの検出には、RT−PCR法が利用できる。RT−PCR法とは、例えば腫瘍組織からRNAを抽出し、オリゴ(dT)またはランダムヘキサマーをプライマーにして逆転写酵素(RT)によりcDNAを合成し、このcDNAをPCR法で増幅し、検出する方法である。この方法を用いた線維芽細胞腫の診断の例が報告されている(北海道医学雑誌、p.135−141, Vol. 66(2),(1991))。RT−PCRにより、切除した組織からのmRNAの検出が可能となり、癌転移の見落としの問題はある程度回避されるようになった。腫瘍や癌の診断分野では、このような核酸増幅方法が実用化されている(臨床検査法提要、第31版1314頁、金原出版株式会杜、1998年9月20日発行)。
しかし、PCR法では、鋳型DNAの2本鎖から1本鎖への変性の操作を必要とし、増幅反応は複数の温度条件で繰り返し行う必要があった。また、一般に、検出可能な増幅産物を得るのに2時間程度かかり、迅速性を要求される術中に行う検査としては好ましいものではない。
【0007】
PCR法以外のDNA増幅方法として、LAMP法が報告されている(特許文献1)。LAMP法は、鎖置換反応が進行すると増幅産物の末端にヘアピン構造を形成するプライマーを含む複数のプライマーによる遺伝子増幅法である。まず、初期反応において、2種類のインナープライマー(FIP,RIP)と2種類のアウタープライマー(F3プライマー、R3プライマー)および鎖置換型DNAポリメラーゼにより鋳型DNAから両端に一本鎖ループ部分をもつダンベル状の構造が合成される。この構造が増幅サイクルの起点構造となって、この構造の3’末端側から自己を鋳型としてDNAの伸長・合成反応が進む。増幅産物は多数の繰り返し構造からなり、繰り返し構造の単位はプライマーに挟まれた被増幅領域を構成する2本の核酸の塩基配列が逆向きになった同一鎖内の相補性領域からなる。LAMP法は、鋳型DNAの2本鎖から1本鎖への熱変性の操作を必要とせず、増幅反応はすべて等温で連続的に進行することが特徴である(非特許文献1及び2)。鋳型がRNAの場合には、鋳型がDNAの場合の反応液組成にさらに逆転写酵素を添加することで同様に起点構造を合成することができ、増幅を進めることができる(RT−LAMP法)。LAMP法では、30分程度で検出に十分な増幅産物が得られる。したがって、核酸検出に要する時間が短縮されるため、例えば迅速に治療方針を決定することを目的としたリンパ節への癌転移の診断に適用できる。また、迅速に結果が得られることから、術中診断への適用も期待できる。
【0008】
ヒトCEA検出用のRT−PCR用プライマーまたはプローブは既に報告されている(非特許文献3)。しかしながら、LAMP法に適用されるプライマーの報告はなく、その開発が望まれている。また、その他の核酸増幅手段に適用されるプライマーでも、公知のプライマーのほかに新たなプライマーまたは測定に有用なプライマーセットの構築が望まれている。
【0009】
【特許文献1】
国際公開第WO 00/28082号パンフレット
【非特許文献1】
Bioベンチャー、日本、2001年、Vol.1, No.1, p.109−115
【非特許文献2】
BIO INDUSTRY、日本、2001年、Vol.18, No.2, p.15−29
【非特許文献3】
Clinical Cancer Research、2000年11月、Vol.6, p.4176−4185
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、CEAを検出するための核酸増幅反応に用いる新規プライマーを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、LAMP法に効果的に適用されるCEAを検出するための核酸増幅用プライマーを構築することができた。
【0012】
即ち本発明は、
1.以下の群より選択される配列からなるオリゴヌクレオチドを含むCEA検出のための核酸増幅用プライマー;
1)配列番号1で表される塩基配列の1900から2200番目およびその相補鎖の領域から選択され、配列番号1および/またはその相補鎖の連続する塩基を少なくとも5以上含むオリゴヌクレオチド。
2)配列番号2〜24のいずれかで表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
3)前記1)または2)に記載のオリゴヌクレオチドの相補鎖。
4)前記1)〜3)のいずれか1に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド。
5)前記1)〜4)に記載のオリゴヌクレオチドのうち、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異された塩基配列を含み、プライマー機能を有するオリゴヌクレオチド、
2.配列番号11〜24で表される塩基配列のいずれかより選択されるオリゴヌクレオチドからなるCEA検出のための核酸増幅用プライマー、
3.核酸増幅の手段がLAMP法である前項1または2に記載の核酸増幅用プライマー、
4.以下の群より選択される配列からなるオリゴヌクレオチドを含む核酸増幅用プライマーから少なくとも2種を選択することを特徴とするCEA検出のための核酸増幅用プライマーセット;
1)配列番号1で表される塩基配列の1900から2200番目およびその相補鎖の領域から選択され、配列番号1および/またはその相補鎖の連続する塩基を少なくとも5以上含むオリゴヌクレオチド。
2)配列番号2〜24のいずれかで表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
3)前記1)または2)に記載のオリゴヌクレオチドの相補鎖。
4)前記1)〜3)のいずれか1に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド。
5)前記1)〜4)に記載のオリゴヌクレオチドのうち、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異された塩基配列を含み、プライマー機能を有するオリゴヌクレオチド、
5.核酸増幅の手段がLAMP法である前項4に記載の核酸増幅用プライマーセット、
6.オリゴヌクレオチドを含む核酸増幅用プライマーから少なくとも4種を選択することを特徴とするCEA検出のための前項5に記載のプライマーセット、
7.前記プライマーセットに含まれるプライマーのうち少なくとも2種が、配列番号1で表される塩基配列および/またはその相補鎖の各々2箇所の領域を認識することを特徴とする前項4から6のいずれか1に記載のプライマーセット。
8.前記プライマーセットに含まれるプライマーが、配列番号1で表される塩基配列および/またはその相補鎖の少なくとも6箇所の領域を認識することを特徴とする請求項5から7のいずれか1に記載のプライマーセット。
9.配列番号18〜24で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるCEA検出のための核酸増幅用プライマーであって、 (a)配列番号18〜20および(b)配列番号22〜24に分類した場合の、各分類から1のプライマーを選択した組み合わせを含むことを特徴とするプライマーセット。
10.前項9のプライマーセットに配列番号11および12で表される配列のプライマーを選択した組み合わせのプライマーをさらに含むことを特徴とするプライマーセット。
11.前項9または10のプライマーセットに、配列番号13〜17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるCEA検出のための核酸増幅用プライマーであって、 (e)配列番号13〜16および(f)配列番号17に分類した場合の、各分類から1のプライマーを選択した組み合わせのプライマーをさらに含むことを特徴とするプライマーセット。
12.次に示す1)〜11)のいずれかからなるCEA検出のための核酸増幅用プライマーセット;
1)配列番号18、22、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
2)配列番号18、23、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
3)配列番号18、24、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
4)配列番号19、23、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
5)配列番号19、24、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
6)配列番号20、22、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
7)配列番号20、23、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
8)配列番号20、24、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
9)配列番号21、22、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
10)配列番号21、23、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
11)配列番号21、24、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
13.次に示す1)〜24)のいずれかからなるCEA検出のための核酸増幅用プライマーセット;
1)配列番号18、22、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
2)配列番号18、23、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
3)配列番号18、24、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
4)配列番号18、24、11、12、14および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
5)配列番号18、24、11、12、15および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
6)配列番号19、23、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
7)配列番号19、24、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
8)配列番号20、22、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
9)配列番号20、22、11、12、14および17 で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
10)配列番号20、22、11、12、15および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
11)配列番号20、23、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
12)配列番号20、24、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
13)配列番号20、24、11、12、14および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
14)配列番号20、24、11、12、15および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
15)配列番号20、24、11、12、16および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
16)配列番号21、22、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
17)配列番号21、23、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
18)配列番号21、23、11、12、14および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
19)配列番号21、23、11、12、15および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
20)配列番号21、23、11、12、16および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
21)配列番号21、24、11、12、16および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
22)配列番号21、24、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
23)配列番号21、24、11、12、14および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
24)配列番号21、24、11、12、15および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット、
14.前項1若しくは2に記載のプライマーから必要なプライマーを選択し、または前項3〜13いずれか1に記載のプライマーセットを選択して使用することによる核酸検出方法、
15.核酸検出方法がLAMP法である前項14に記載の核酸検出方法、
16.前項14または15記載の核酸検出方法に使用する試薬、
17.前項14または15に記載の核酸検出方法に使用する試薬キット、
18.前項14または15に記載の核酸検出方法を用いた核酸検出システム、
からなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(プライマーの設計)
本発明は、ヒトCEAの核酸増幅法、好ましくはLAMP法に適用可能な核酸増幅用のプライマーを提供するものである。該プライマーは、既知の配列番号1に表される塩基配列および/またはその相補的な配列から連続する塩基を少なくとも5以上含む適当なオリゴヌクレオチドを選択して設計される。尚、配列番号1に記載の塩基配列はGenbank accession No.M17303に基づく。
【0014】
LAMP法で用いるプライマーの基本的な考え方は、特許文献1に記載の通りである。具体的には、増幅すべき標的DNAの、3’末端側から順にF3c、F2c、F1cという領域を、5’末端側から順にR3、R2、R1という領域を規定し、少なくともこの6つの領域に対し、実質的に同一な塩基配列、または実質的に相補的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチド鎖を選択し、少なくとも4種のプライマーを設計する。
【0015】
実質的に同じ塩基配列とは、次のように定義される。すなわち、ある塩基配列を鋳型として合成された相補鎖が、目的の塩基配列に対してハイブリダイズし、相補鎖合成の起点を与えるとき、この配列は目的の塩基配列に対して実質的に同一である。例えば、F2に対して実質的に同一な塩基配列とは、F2と全く同一な塩基配列に加えて、F2にハイブリダイズして相補鎖合成の起点となりうる塩基配列を与える鋳型として機能する塩基配列を含む。
【0016】
本発明に基づくオリゴヌクレオチドを構成する塩基配列の特徴付けのために用いられる同一、あるいは相補的という用語はいずれも完全に同一、あるいは完全に相補的であることを要しない。すなわち、ある配列と同一とは、ある配列に対してハイブリダイズすることができる塩基配列に対して相補的な配列をも含むことができる。他方、相補的とは、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができ、相補鎖合成の起点となる3’末端を提供することができる配列を意味する。
【0017】
本発明のプライマーは、以下に述べる各種の核酸合成反応において与えられた環境のもとで必要な特異性を維持しながら相補鎖との塩基対結合を行うことができる程度の鎖長をもつ。具体的には5〜200塩基、より望ましくは10〜50塩基対とする。配列依存的な核酸合成反応を触媒する公知のポリメラーゼが認識するプライマーの鎖長は最低5塩基前後であることから、ハイブリダイズする部分の鎖長はそれ以上である必要がある。加えて、塩基配列としての特異性を維持するためには、10塩基以上の長さを維持するのが望ましい。一方、あまりにも長い塩基配列は化学合成によって調製することが困難となることから、前記のような鎖長が望ましい範囲として例示される。
【0018】
本発明において用いられる鋳型という用語は、相補鎖合成の鋳型となる側の核酸を意味する。鋳型に相補的な塩基配列を持つ相補鎖は、鋳型にハイブリダイズしうる鎖としての意味を持つが、両者の関係はあくまでも相対的なものに過ぎない。すなわち、相補鎖として合成された鎖は、再び鋳型として機能することができる。つまり、相補鎖は鋳型になることができる。
【0019】
本発明において、標的DNAの塩基配列から選択されるプライマーは、各々FIP(forward inner primer)、F3プライマー(forward outer primer)、RIP(reverse inner primer)およびR3プライマー(reverse outer primer)のいずれかを構成する。
FIPは、標的DNAのF2c領域と実質的に相補的なF2領域の塩基配列を3’末端にもち、5’末端に標的DNAのF1c領域と実質的に同じ塩基配列をもつように設計する。この場合において、F2およびF1cの配列間に標的DNAに依存しない配列が介在していても良い。この標的DNAに依存しない配列の長さは0〜50塩基、好ましくは0〜40塩基であれば許容しうる。
F3プライマーは、標的DNAのF3c領域と実質的に相補的なF3領域と実質的に同じ塩基配列をもつように設計する。
RIPは、標的DNAのR2c領域と実質的に相補的なR2領域の塩基配列を3’末端にもち、5’末端に標的DNAのR1c領域と実質的に同じ塩基配列をもつように設計する。RIPもFIPと同様に、R2およびR1cの配列の間に標的DNAに依存しない配列が介在していても良い。
R3プライマーは、標的DNAのR3c領域と実質的に相補的なR3領域と実質的に同じ塩基配列をもつように設計する。
【0020】
また、LAMP法では、少なくとも1種以上のループプライマーを併用することで増幅時間を短縮することができる(国際公開WO 02/24902号公報)。ループプライマーとは、ダンベル構造の5’末端側のループの1本鎖部分、具体的には例えばR1領域とR2領域の間、あるいはF1領域とF2領域の間に相補的な配列をもつプライマーをいう。ループプライマーを用いることによりDNA合成の起点を増やすことが可能となる。このループプライマーは、DNA合成過程でできたFIPまたはRIPがハイブリダイズしないループ領域にハイブリダイズするように設計する。
【0021】
本発明のプライマーも、上記の原理に従った領域を選択し、設計する。ヒトCEAの構造遺伝子は、配列番号1に示す2541塩基よりなるDNA鎖およびその相補鎖によって形成される。
【0022】
本発明のプライマーの領域は、塩基組成、GC含量、二次構造、Tm値などに注意し、DNA領域を認識する塩基配列の長さは、塩基数が少なくとも5塩基以上、好ましくは10から30塩基、より好ましくは17から25塩基のものを選択することができる。Tm値は、一般的にNearest Neighbor法で求めることができる。DNA領域は、Tm値が55〜65℃、好ましくは58〜64℃のものを選択し、GC含量が40〜70%、好ましくは50〜65%のものを選択することができる。
【0023】
このような条件により、本発明で選択されたプライマーの領域は、配列番号1で表される塩基配列の1900番目から2200番目およびその相補鎖の領域およびその相補鎖の領域に含まれる。
【0024】
本発明のプライマーは、1)配列番号1で表される塩基配列の1900番目から2200番目および/またはその相補鎖の領域に含まれ、塩基数が少なくとも5以上のオリゴヌクレオチド、2)配列番号11〜24で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、3)前記1)または2)に記載のオリゴヌクレオチドの相補鎖、4)前記1)〜3)のいずれか1に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド、または、5)前記1)〜4)に記載のオリゴヌクレオチドのうち、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異された塩基配列を含むオリゴヌクレオチドから選択され、設計される。
【0025】
オリゴヌクレオチドは、自体公知の方法により製造することができ、例えば化学的に合成することができる。あるいは、天然の核酸を制限酵素などによって切断し、上記のような塩基配列で構成されるように改変し、あるいは連結することも可能である。具体的には、オリゴヌクレオチド合成装置(アプライドバイオシステムズ社製 Expedite Model 8909 DNA合成機)等を用いて合成することができる。また、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異させたオリゴヌクレオチドの合成法も、自体公知の製法を使用することができる。例えば、部位特異的変異導入法、遺伝子相同組換え法、プライマー伸長法またはPCR法を単独または適宜組み合わせて、例えば、Molecular Cloning;A Laboratory Manual、2版、Sambrookら編、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク、1989年;[ラボマニュアル遺伝子工学]、村松正實編、丸善株式会社、1988年;[PCRテクノロジー、DNA増幅の原理と応用]、Ehrlich, HE.編、ストックトンプレス、1989年等に記載の方法に準じて、あるいはそれらの方法を改変して実施することができ、例えばUlmerの技術(Science(1983)219:666)を利用することができる。
【0026】
ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は一般に知られたものを選択することができる。その一例としては、50%ホルムアミド、5×SSC(150mM NaCl、15mM クエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム,pH7.6、5×デンハーツ溶液、10%デキストラン硫酸、および20μg/mlのDNAを含む溶液中、42℃で一晩ハイブリダイゼーションした後、室温で2×SSC・0.1%SDS中で一次洗浄し、次いで、約65℃において0.1×SSC・0.1%SDSで二次洗浄といった条件があげられる。
【0027】
本発明において増幅されるべき核酸の鋳型はヒトCEAのmRNAであるから、使用するプライマーが、検体中に含まれるゲノムDNAを増幅しないように設計することが必要とされる。具体的には、本発明のプライマーセットに含まれるプライマーの少なくとも1つは、ヒトCEAの遺伝子において複数のエクソンにまたがる領域を含むものであることが望ましい。このような工夫を行うことによって、ゲノムDNA由来の配列の増幅が排除され、ヒトCEAのmRNA由来の配列を選択的に増幅することが可能となる。
【0028】
(プライマーセット)
本発明のプライマーを使用して核酸増幅を行う場合、少なくとも2種を組み合わせてプライマーセットとして使用する。LAMP法では、少なくとも4種のプライマー(FIP、F3プライマー、RIP、R3プライマー)を組み合わせてプライマーセットとして使用する。さらに、1種以上のループプライマーを組み合わせて、プライマーセットとして使用することもできる。
【0029】
(RT−LAMP法)
RT−LAMP法は、RNAを鋳型とするLAMP法であり、LAMP法の基本的な考え方は特許文献1に記載の通りである。RT−LAMP法では一つの溶液中で、鋳型RNAからcDNAを合成しながら、LAMP法の起点構造が合成される。具体的には次の1)のステップを経た後、2)〜5)ステップの繰り返しにより、DNAの伸長が繰り返され、標的DNAの増幅が行われる。
【0030】
1)鋳型RNA鎖にFIPが結合し、鋳型RNA鎖に相補的なDNA鎖が伸長する。この反応は逆転写酵素、例えばAMV由来の逆転写酵素等を用いる。
2)上記1)で合成したFIPからのDNA鎖を、F3プライマーが鋳型RNAから剥がしながら、鋳型RNA鎖に相補的なDNA鎖が伸長する。以降DNA鎖の伸長はDNAポリメラーゼによる。
3)上記2)で剥がされたDNA鎖に、RIPが結合してDNA鎖が伸長する。4)上記3)で伸長したRIPからのDNA鎖をR3プライマーが剥がしながら、FIPからのDNA鎖に相補的なDNA鎖が伸長し、LAMP法の起点構造が合成される。
5)上記4)で剥がされたDNA鎖の両端の配列は、同じDNA鎖の配列中に相補的な配列を有するので、各々ハイブリダイズし、両端にループ構造を持つ。
なお、例えばBcaDNA polymeraseのように、逆転写酵素活性とDNAポリメラーゼ活性の両活性を有する酵素があり、このような酵素を使用する場合は、上記の反応は1つの酵素で実施することができる。
【0031】
(測定方法)
LAMP法では、合成されたDNA鎖は自己の配列に対して相補的な配列をもつので、その大部分が塩基対結合を形成している。この特徴を利用して、増幅生成物の検出が可能である。エチジウムブロマイド、SYBER GREEN I、あるいはPico Greenのような2本鎖インターカーレーターである蛍光色素の存在下で本発明のプライマーを用いて核酸増幅を実施すれば、生成物の増加に伴って蛍光強度の増大が観察される。これをモニターすれば、閉鎖系でDNAの増幅と蛍光の増加が同時に追跡可能である(臨床検査法提要、31版1318頁;特開2001−242169号公報参照。以下単に「リアルタイム法」という。)。
【0032】
(試薬、試薬キット、その他)
本発明のプライマーを用いて核酸の検出を行う際に必要な各種の試薬類は、あらかじめパッケージングしてキット化することができる。具体的には、本発明の相補鎖合成のプライマーとして、あるいは置換用のプライマーとして必要な各種のオリゴヌクレオチド、逆転写活性を有する酵素、相補鎖合成の基質となるdNTP、鎖置換型の相補鎖合成を行うDNAポリメラーゼ、酵素反応に好適な条件を与える緩衝液、さらに必要に応じて反応生成物の検出のために必要な試薬類がキットとして提供される。
【0033】
本発明は、核酸増幅用プライマーおよびプライマーセット、ならびにこれらのプライマーを用いた核酸検出方法、核酸検出方法に使用される検出試薬、核酸検出キットならびに核酸検出システム全体に及ぶ。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0035】
【実施例1】
(領域の選択)
配列番号1に記載するヒトCEAの塩基配列から、プローブ設計ソフトを用いてLAMP法に適切な領域の位置を検討した。領域の選択は、F1cおよびR1cはTm値が58.5〜63.5℃、F2およびR2はTm値が61.5〜62.5℃、F3およびR3はTm値が58.5〜62.5℃により領域を選択した結果、次に示すものが選択された。選択された領域は、配列番号1で表される塩基配列の1900−2200番目およびその相補鎖の領域に含まれる。
【0036】
F1c:配列番号1で表される配列上の塩基位置に対する相補鎖の領域
2054−2034番目(配列番号2)
【0037】
F2 :配列番号1で表される配列上の塩基位置の領域
1951−1966番目(配列番号3)
1952−1968番目(配列番号4)
1950−1966番目(配列番号5)
1957−1973番目(配列番号6)
【0038】
R1c:配列番号1で表される配列上の塩基位置の領域
2062−2084番目(配列番号7)
【0039】
R2 :配列番号1で表される配列上の塩基位置に対する相補鎖の領域
2134−2114番目(配列番号8)
2133−2114番目(配列番号9)
2138−2120番目(配列番号10)
【0040】
F3 :配列番号1で表される配列上の塩基位置の領域
1906−1922番目(配列番号11)
【0041】
R3 :配列番号1で表される配列上の塩基位置に対する相補鎖の領域
2189−2172番目(配列番号12)
【0042】
loop F:配列番号1で表される配列上の塩基位置に対する相補鎖の領域
1997−1978番目(配列番号13)
1994−1975番目(配列番号14)
1996−1978番目(配列番号15)
1995−1976番目(配列番号16)
【0043】
loop R:配列番号1で表される配列上の塩基位置の領域
2086−2109番目(配列番号17)
【0044】
(プライマーの設計)
選択された領域の配列から、LAMP法に適用される次の核酸増幅用プライマーが得られた。
【0045】
FIP:領域F1cおよびF2を連結した塩基配列からなるプライマー
AFA I :(配列番号18)配列番号2および3で表される配列を連結
AFA II :(配列番号19)配列番号2および4で表される配列を連結
AFA III:(配列番号20)配列番号2および5で表される配列を連結
AFA V :(配列番号21)配列番号2および6で表される配列を連結
【0046】
RIP:領域R1cおよびR2を連結した塩基配列からなるプライマー
ARA I :(配列番号22)配列番号7および8で表される配列を連結
ARA II :(配列番号23)配列番号7および9で表される配列を連結
ARA V :(配列番号24)配列番号7および10で表される配列を連結
【0047】
F3プライマー:各配列番号で表される塩基配列からなるプライマー
AF3 :(配列番号11)
【0048】
R3プライマー:各配列番号で表される塩基配列からなるプライマー
AR3 :(配列番号12)
【0049】
ループプライマーF:各配列番号で表される塩基配列からなるプライマー
LPF :(配列番号13)
LPF II :(配列番号14)
LPF III:(配列番号15)
LPF IV :(配列番号16)
▲6▼ループプライマーR:各配列番号で表される塩基配列からなるプライマー
LPR :(配列番号17)
【0050】
【実験例1】
上記各種プライマーを次の組み合わせでRT−LAMP法で測定した場合の、反応を開始してから増幅が確認できるまでに要する時間を各プライマーセットについて調べることを目的として実験を行った。
【0051】
1)ヒトCEARNA試料の調製方法
ヒトCEAの塩基配列を基に設計したプライマーを用いてRT−PCRを行うことにより、LS180(大腸癌細胞)由来トータルRNAから、ヒトCEAcDNAを単離した。pGEM−3Z(Promega社製プラスミド)にクローニングしたヒトCEAcDNAから、in vitroでの転写システム(Riboprobe in vitro transcription system(Promega社製))を用いて転写産物を合成した。得られた原液のRNA濃度を260nmでの吸光度測定により算出し、その値をもとにヒトCEAのRNAコピー数が60,000、6,000、600、60、6および0(対照)となるように50 ng/mL
yeast RNA(Amibon社製)で希釈調製し、鋳型とした。
【0052】
2)プライマーセット
各種プライマーを(表1)の組み合わせで用いた。表中の番号は、配列番号を示し、各配列番号で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるプライマーをセットで使用したことを示す。
【0053】
【表1】
Figure 2004154088
【0054】
Figure 2004154088
【0055】
4)RT−LAMP法
上記6種のプライマーを含む反応液23μlに、ヒトCEAのRNA試料を2μlとなるよう添加し、65℃で1時間加温して行った。
【0056】
5)増幅の確認
増幅産物は2本鎖構造をもつので、エチジウムブロマイドがインターカレートして蛍光を発する。その蛍光強度の増加をABI社製PRISM7700を用いてリアルタイム法により測定した。
【0057】
6)結果
22〜24の各プライマーセットを用いた場合の結果を各々図1〜3に示した。その結果、各々についてCEAの鋳型の量が多い場合のほうが、増幅が確認できるまでに要する時間は短かかった。プライマーセット1〜3では、60コピーの場合でも20分以内に増幅が確認され、6,000コピーの場合に約10分で増幅が確認された。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のプライマーまたはプライマーセットを用いてLAMP法を行うと、効果的にヒトCEAを特異的に増幅することがわかった。このことから、本発明のプライマーを用いると、20分以内にヒトCEAを検出することが可能となり、核酸増幅手段を用いたリンパ節への癌転移診断に要する時間の短縮化が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】プライマーセット22を用いたときの感度を示す図である。(実験例1)
【図2】プライマーセット23を用いたときの感度を示す図である。(実験例1)
【図3】プライマーセット24を用いたときの感度を示す図である。(実験例1)
【符号の説明】
○ ヒトCEAのRNAの鋳型コピー数 0 の場合
△ ヒトCEAのRNAの鋳型コピー数 60 の場合
× ヒトCEAのRNAの鋳型コピー数 600 の場合
◆ ヒトCEAのRNAの鋳型コピー数 6,000 の場合
● ヒトCEAのRNAの鋳型コピー数 60,000 の場合
【配列表】
Figure 2004154088
Figure 2004154088
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Claims (18)

  1. 以下の群より選択される配列からなるオリゴヌクレオチドを含む癌胎児性抗原(Carcinoembryonic antigen:CEA)検出のための核酸増幅用プライマー;
    1)配列番号1で表される塩基配列の1900から2200番目およびその相補鎖の領域から選択され、配列番号1および/またはその相補鎖の連続する塩基を少なくとも5以上含むオリゴヌクレオチド。
    2)配列番号2〜24のいずれかで表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
    3)前記1)または2)に記載のオリゴヌクレオチドの相補鎖。
    4)前記1)〜3)のいずれか1に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド。
    5)前記1)〜4)に記載のオリゴヌクレオチドのうち、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異された塩基配列を含み、プライマー機能を有するオリゴヌクレオチド。
  2. 配列番号11〜24で表される塩基配列のいずれかより選択されるオリゴヌクレオチドからなるCEA検出のための核酸増幅用プライマー。
  3. 核酸増幅の手段がLAMP法である請求項1または2に記載の核酸増幅用プライマー。
  4. 以下の群より選択される配列からなるオリゴヌクレオチドを含む核酸増幅用プライマーから少なくとも2種を選択することを特徴とするCEA検出のための核酸増幅用プライマーセット;
    1)配列番号1で表される塩基配列の1900から2200番目およびその相補鎖の領域から選択され、配列番号1および/またはその相補鎖の連続する塩基を少なくとも5以上含むオリゴヌクレオチド。
    2)配列番号2〜24のいずれかで表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
    3)前記1)または2)に記載のオリゴヌクレオチドの相補鎖。
    4)前記1)〜3)のいずれか1に記載のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド。
    5)前記1)〜4)に記載のオリゴヌクレオチドのうち、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異された塩基配列を含み、プライマー機能を有するオリゴヌクレオチド。
  5. 核酸増幅の手段がLAMP法である請求項4に記載の核酸増幅用プライマーセット。
  6. オリゴヌクレオチドを含む核酸増幅用プライマーから少なくとも4種を選択することを特徴とするCEA検出のための請求項5に記載のプライマーセット。
  7. 前記プライマーセットに含まれるプライマーのうち少なくとも2種が、配列番号1で表される塩基配列および/またはその相補鎖の各々2箇所の領域を認識することを特徴とする請求項4から6のいずれか1に記載のプライマーセット。
  8. 前記プライマーセットに含まれるプライマーが、配列番号1で表される塩基配列および/またはその相補鎖の少なくとも6箇所の領域を認識することを特徴とする請求項5から7のいずれか1に記載のプライマーセット。
  9. 配列番号18〜24で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるCEA検出のための核酸増幅用プライマーであって、 (a)配列番号18〜20および(b)配列番号22〜24に分類した場合の、各分類から1のプライマーを選択した組み合わせを含むことを特徴とするプライマーセット。
  10. 請求項9のプライマーセットに配列番号11および12で表される配列のプライマーを選択した組み合わせのプライマーをさらに含むことを特徴とするプライマーセット。
  11. 請求項9または10のプライマーセットに、配列番号13〜17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドからなるCEA検出のための核酸増幅用プライマーであって、 (e)配列番号13〜16および(f)配列番号17に分類した場合の、各分類から1のプライマーを選択した組み合わせのプライマーをさらに含むことを特徴とするプライマーセット。
  12. 次に示す1)〜11)のいずれかからなるCEA検出のための核酸増幅用プライマーセット;
    1)配列番号18、22、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    2)配列番号18、23、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    3)配列番号18、24、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    4)配列番号19、23、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    5)配列番号19、24、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    6)配列番号20、22、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    7)配列番号20、23、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    8)配列番号20、24、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    9)配列番号21、22、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    10)配列番号21、23、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    11)配列番号21、24、11および12で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
  13. 次に示す1)〜24)のいずれかからなるCEA検出のための核酸増幅用プライマーセット;
    1)配列番号18、22、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    2)配列番号18、23、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    3)配列番号18、24、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    4)配列番号18、24、11、12、14および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    5)配列番号18、24、11、12、15および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    6)配列番号19、23、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    7)配列番号19、24、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    8)配列番号20、22、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    9)配列番号20、22、11、12、14および17 で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    10)配列番号20、22、11、12、15および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    11)配列番号20、23、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    12)配列番号20、24、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    13)配列番号20、24、11、12、14および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    14)配列番号20、24、11、12、15および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    15)配列番号20、24、11、12、16および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    16)配列番号21、22、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    17)配列番号21、23、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    18)配列番号21、23、11、12、14および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    19)配列番号21、23、11、12、15および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    20)配列番号21、23、11、12、16および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    21)配列番号21、24、11、12、16および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    22)配列番号21、24、11、12、13および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    23)配列番号21、24、11、12、14および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    24)配列番号21、24、11、12、15および17で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
  14. 請求項1若しくは2に記載のプライマーから必要なプライマーを選択し、または請求項3〜13いずれか1に記載のプライマーセットを選択して使用することによる核酸検出方法。
  15. 核酸検出方法がLAMP法である請求項14に記載の核酸検出方法。
  16. 請求項14または15記載の核酸検出方法に使用する試薬。
  17. 請求項14または15に記載の核酸検出方法に使用する試薬キット。
  18. 請求項14または15に記載の核酸検出方法を用いた核酸検出システム。
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