JP5258760B2 - メチル化核酸又は非メチル化核酸を増幅する方法 - Google Patents

メチル化核酸又は非メチル化核酸を増幅する方法 Download PDF

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Description

本発明は、生物学的試料に存在するメチル化核酸又は非メチル化核酸を増幅する方法に関する。さらには、かかる増幅方法を含む方法であって、生物学的試料に含有可能性のある目的遺伝子及び/又は遺伝子座におけるメチル化及び/又は非メチル化を検出する方法に関する。
本出願は、参照によりここに援用されるところの、日本特許出願特願2007−153086号からの優先権を請求する。
哺乳類において、ゲノムDNA配列中に存在する5’−CG−3’DNA部分(以下、CpG部位、又は単にCpGという)では、当該グアニン(G)の5’側に位置するシトシン(C)がメチル化される現象が知られている。CpGのメチル化修飾は、遺伝子発現に影響を及ぼすと考えられている。特にCpGに富む領域(CpG島)が遺伝子のプロモーター領域内に存在する場合、CpGは遺伝子発現に対して重要な影響を及ぼすと考えられている。
通常、染色体における多くのCpG島はメチル化から保護されている。しかし、何らかの原因により、プロモーター領域に存在するCpG島がメチル化されると、その遺伝子の転写が抑制される。例えば、ヒト生体内における癌抑制遺伝子において、そのプロモーター領域に存在するCpG島の異常なメチル化が起こり、当該癌抑制遺伝子の転写が不活性化された場合、細胞増殖の制御が効かなくなり、癌などの細胞増殖性疾患が進行してしまうことになる。
一方、CpG島以外の領域では通常、CpGにおけるシトシンはメチル化されている。しかし、癌及び新生物においては、通常メチル化されているCpGのシトシンが、非メチル化されていることが報告されている。
近年の分子生物学的手法の発展によって、DNAのメチル化の有無を検出することにより癌や腫瘍の早期発見及び治療をモニタリングすることが可能になってきた。例えば、特表2000−511776号公報(特許文献1)、国際公開第02/38801A1号パンフレット(特許文献2)、及びXiong Z, Laird PW. Nucleic Acids Res. 1997 jun 15;25(12): 2532-4(非特許文献1)には、CpG含有核酸中のメチル化を迅速に検出するために、PCR法を利用し、癌等を診断する方法が開示されている。これらの方法では、メチル化DNAを特異的に検出することに重点が置かれている。
さらに具体的には、各種体液、組織又は細胞系から核酸試料を調製し、重亜硫酸塩等により非メチル化シトシンをウラシルに変換する修飾を行い、次いで、(1)非メチル化DNAとメチル化DNAとを区別し得る特異的なプライマーによりPCR法(Methylation−Specific−PCR:MSP法)で増幅し、メチル化DNAを検出する方法(特許文献1)と、(2)非メチル化DNAとメチル化DNAとを区別しない非特異的なプライマーによりPCR法で増幅し、そのPCR増幅産物の内部の塩基配列の違いを認識する制限酵素で処理することによりメチル化DNAの有無及び/又は割合を検出する方法(Combined Bisulfite Restriction Analysis:COBRA法)(非特許文献1)が開示されている。これらの方法により、特定の遺伝子の塩基配列中におけるメチル化DNAの存在を検出することで、癌や腫瘍の早期発見及び治療をモニタリングすることが可能になる。
また、メチル化DNA及び/又は非メチル化DNAを高感度で検出する方法が開示されている(特開2007−74950号公報(特許文献3))。PCR増幅工程の後、増幅された二本鎖DNA断片をエキソヌクレアーゼで処理することにより、一本鎖DNA断片を得、DNAマイクロアレイにより検出を行う方法が開示されている。
MSP法やCOBRA法では、核酸試料(DNA試料)が組織又は細胞系からではなく、各種体液より得られたものである場合、含有DNA量が微量であるため、対象となるDNAが増幅されない場合が多々ある。
一般的に、PCR法自体の感度(PCR法により増幅産物を得る確率)と、特異度(目的の遺伝子領域のみを増幅する確率)は、プライマーの塩基配列及びPCR増幅反応の条件によって決まることが知られている。PCRの感度を上げるためには、PCR増幅工程の条件を緩めることが必要であり、この場合PCRの特異度は減少する。
MSP法では、非メチル化DNAとメチル化DNAの各々に特異的な配列を持つプライマーを用いて増幅工程を行う。鋳型DNA量が少ない場合や、精製度が悪い場合には、例えば各種体液を検体にした場合には、増幅工程の条件を緩くしなければならず、特異度が減少してしまう。よって、検出された増幅産物が真に非メチル化DNA又はメチル化DNAのみから増幅されたものであるかがわからず、問題である。また、非メチル化DNAに特異的なプライマーとメチル化DNAに特異的なプライマーの配列は大きく異なるため(例えば、非メチル化DNA用のプライマーはA及びTが多く含まれ、メチル化DNA用のプライマーはC及びGが多く含まれることになる)、非メチル化DNAとメチル化DNAの増幅感度や特異度が異なってしまう。さらに、PCR産物の有無のみで非メチル化及びメチル化の有無を判定するため、増幅工程自体のエラーを確認できない。
COBRA法ではメチル化DNAに対する感度の低さが問題になる。各種体液を検体に用いた場合、COBRA法では検出できない可能性がある。
特表2000−511776号公報 国際公開第02/38801A1号パンフレット 特開2007−74950号公報 Xiong Z, Laird PW. Nucleic Acids Res. 1997 jun 15;25(12): 2532-4
本発明の目的は、各種検体について、目的の遺伝子及び/又は遺伝子座の非メチル化核酸又はメチル化核酸の有無を高感度にて検出するための増幅方法、ならびに非メチル化及び/又はメチル化の検出方法を提供することである。
本願発明者らは、上記課題を鑑み鋭意検討した結果、非メチル化DNAとメチル化DNAの両方を増幅し得る非特異的プライマーと、非メチル化DNA又はメチル化DNAのいずれかを増幅し得る特異的プライマーを設計して増幅反応を行うことにより、対象となるDNAを正確かつ高感度に増幅することができ、また、プライマーの割合を変化させることにより、メチル化及び非メチル化核酸を任意の比率にて増幅し、検出する方法を発明した。
すなわち、本発明は以下よりなる。
1.生物学的試料に含有可能性のある目的遺伝子及び/又は遺伝子座に由来するCpG含有核酸の増幅方法であって、非メチル化核酸とメチル化核酸とを区別しない第1プライマーと、非メチル化核酸とメチル化核酸とを区別する第2プライマーとを少なくとも含むプライマーセットを用いて、該CpG含有核酸を増幅する工程を含み、第2プライマーが、第1プライマーと実質的に同じプライマー領域を有する、核酸増幅方法。
2.第1プライマーの配列に、少なくとも1つのCpG部位が含まれており、かつ、該CpG部位のシトシンに対応する位置の塩基が、混合塩基(Y)及び/又は混合塩基(R)及び/又はイノシン酸(I)で置換されている、前項1に記載の核酸増幅方法。
3.第2プライマーの配列に、少なくとも2つのCpG部位が含まれており、かつ、該CpG部位がメチル化核酸の配列又は非メチル化核酸の配列に特異的に存在する、前項1又は2に記載の核酸増幅方法。
4.増幅がポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により行われる、前項1〜3のいずれか1に記載の核酸増幅方法。
5.非メチル化核酸とメチル化核酸とを区別しないプライマーであって、第1プライマー又は第2プライマーと対になって核酸を増幅する機能を有する第3プライマーを、さらに用いる、前項4に記載の核酸増幅方法。
6.第1プライマーと第2プライマーの濃度比が、10:1〜1:1である、前項1〜5のいずれか1に記載の核酸増幅方法。
7.前記増幅工程の前に、非メチル化シトシンを修飾する試薬に生物学的試料を接触させ、生物学的試料に存在し得る核酸の非メチル化シトシンをウラシルに転換することにより生物学的試料を処理する工程を含む、前項1〜6のいずれか1に記載の方法。
8.前項1〜7のいずれか1に記載の方法を含む、生物学的試料に含有可能性のある目的遺伝子及び/又は遺伝子座における、メチル化及び/又は非メチル化を検出する方法。
9.制限酵素によって増幅断片を処理することを含み、該制限酵素が増幅断片の配列のうちプライマー領域を除く配列に存在するCG又はTGを認識する、前項8に記載の検出方法。
10.非メチル化核酸とメチル化核酸とを区別しない第1プライマーと、非メチル化核酸とメチル化核酸とを区別するプライマーであって、第1プライマーと実質的に同じプライマー領域を有する第2プライマーとを、少なくとも含むプライマーセット。
11.前項1〜9のいずれか1に記載の方法に用いられる、前項10に記載のプライマーセット。
12.前項11に記載のプライマーセットを含む、試薬キット。
本発明に係る増幅方法によれば、各種検体を用いて、高精度に非メチル化核酸又はメチル化核酸を増幅することができる。さらに、かかる増幅方法は非メチル化又はメチル化核酸に対して、任意の感度を設定できるという利点を有している。例えば、非メチル化の検出が重要な場合であり、かつ、その非メチル化核酸の比率がメチル化核酸に対して非常に小さい場合でも、本方法によれば、当該非メチル化核酸を正確に増幅することが可能である。
核酸のメチル化異常は、増殖性疾患のみならず、そのほかの疾患においても認められる。本発明は、メチル化核酸又は非メチル化核酸を任意の比率にて増幅し、それらを定量的に、あるいは非定量的に算出して検出することを可能にする方法である。したがって、本方法はメチル化異常を効率的かつ高精度で判定(診断)することができ、疾患の診断、治療、及び予防の判定に利用することができ、非常に社会的インパクトの強いものである。
実施例2の結果を示す写真である。 実施例2の結果から算出された、各系における非メチル化PCR産物の割合を示すグラフである。 (A)はRASSF2A遺伝子のプロモーター領域の模式図である。(B)は実施例3−1の結果を示す写真である。(C)は実施例3−2における、COBRA法とHi−SA法の結果を示す写真である。 SFRP2、Reprimo及びAPC遺伝子のプロモーター領域の模式図である。 実施例4の結果を示す写真である。 実施例5の結果を示す写真である。 実施例6の結果を示す図である。 実施例7の結果を示す図である。
符号の説明
SM サイズマーカー
C コントロール
IU 非メチル化DNAに特異的なプライマー
IM メチル化DNAに特異的なプライマー
U 非メチル化PCR産物
M メチル化PCR産物
本発明は、生物学的試料に含有可能性のある遺伝子及び/又は遺伝子座に由来するCpG含有核酸の増幅方法である。また、かかる増幅方法を含む、生物学的試料に含有される遺伝子及び/又は遺伝子座のメチル化及び/又は非メチル化を検出する方法である。
本発明において、「生物学的試料」とは、哺乳類等から採取した検体から調製された核酸を含有する試料を示す(以下、単に「試料」という場合もある)。検体とは、血液、血清、糞便、尿、精液、喀痰、唾液、鼻汁、脳脊髄液、涙等の各種体液、又は、脳、結腸、尿生殖器、肺、腎臓、造血組織、乳房、胸腺、精巣、 卵巣、子宮組織等の各種組織、あるいはこれらに含まれる細胞群が挙げられる。好適には、糞便、喀痰、尿等の非侵襲的に得ることのできる検体が挙げられる。さらに、本発明の生物学的試料は、DNAの精製度が低く、かつ含有DNA量が微量であってもよい。検体から生物学的試料を得る方法としては自体公知の方法を用いればよい。例えば、MagExtractor(東洋紡製)やQIAamp Stool DNA Isolation Kit(QIAGEN社)などの市販品を用いる等、自体公知の方法で検体からDNAを抽出してもよいし、糞便を検体とする場合は、国際公開公報WO2006/064737号に記載の前処理方法を用いれば簡便に試料を得ることができる。
得られた生物学的試料を、生物学的試料に存在する遺伝子の全ての非メチル化シトシンを修飾する試薬により、処理することが好ましい。かかる試薬の例として、重亜硫酸塩が挙げられる。重亜硫酸塩処理によると、非メチル化シトシンはウラシルに転換されるが、メチル化シトシンはウラシルに転換されないので、処理後にシトシンが検出されれば、該シトシンはメチル化していると判断することができる。このような非メチル化シトシンの修飾処理は、DNAメチル化検出用キットの市販品、例えばDNA methylation Kit, EZ(ZYMO RESEARCH)、MethylEasy(Human Genetic Signatures)、CpGenome DNA Modification Kit(CHEMICON)等を用いて行うことができる。
本発明において、「生物学的試料に含有可能性のある遺伝子及び/又は遺伝子座」とは、生物学的試料に含まれる可能性のある各種疾患関連遺伝子や、微生物関連遺伝子を示す。例えば、遺伝病等の原因遺伝子、癌組織由来遺伝子、常在菌由来の遺伝子、試料を採取した宿主に感染している微生物(細菌、ウイルスなど)に由来する遺伝子等が挙げられる。具体的には、EPM2AIP1遺伝子(Genbank Accession No. 9852)、RASSF2A遺伝子(Genbank Accession No. 9770)、SFRP2遺伝子(Genbank Accession No. 6423)、Reprimo遺伝子(Genebank Accession No. 56475)、APC遺伝子(Genbank Accession No. 324)が挙げられる。
本発明において「CpG含有核酸」とは、上記遺伝子や遺伝子座から由来する核酸である。CpG含有核酸は、完全な遺伝子の配列からなる核酸であってもよいが、増幅対象となる領域を含む核酸であれば、DNA断片や、RNA断片などの断片であってもよい。CpGを含有する領域は、例えば、遺伝子のプロモーター領域や、5'領域が挙げられる。具体的にはEPM2AIP遺伝子のプロモーター領域(hMLH1−5'領域)、RASSF2A遺伝子のプロモーター領域、SFRP2遺伝子のプロモーター領域、Reprimo遺伝子のプロモーター領域、APC遺伝子のプロモーター領域が挙げられる。CpG部位におけるシトシンは、メチル化修飾を受けている場合と受けていない場合がある。本発明では、該シトシンがメチル化修飾を受けている核酸を「メチル化核酸」、該シトシンがメチル化修飾を受けていない核酸を「非メチル化核酸」という。
本発明の方法では、非メチル化核酸とメチル化核酸とを区別しない第1プライマーと、非メチル化核酸とメチル化核酸とを区別する第2プライマーとを少なくとも含むプライマーセットを用いて、増幅工程を行うことを特徴とする。さらに、第2プライマーは、第1プライマーと実質的に同じプライマー領域を有することを特徴とする。ここで、プライマー領域とは、目的遺伝子及び/又は遺伝子座のCpG含有核酸の塩基配列の一部であり、プライマーを設計するために選択された領域である。プライマー領域の長さ、すなわちプライマーの大きさは、用いる増幅反応の種類に応じるが、例えばPCR法を用いるならば、5〜40bp、好ましくは10〜30bpが好ましい。
本方法にて使用するプライマーは、鋳型CpG含有核酸のプライマー領域の塩基配列に実質的に相補的な塩基配列を有し、その3’末端よりDNA鎖の伸長が可能であるオリゴヌクレオチドからなる。「実質的に相補的」とは、プライマーの塩基配列が、プライマー領域の塩基配列に完全に相補的でなくてもよく、増幅反応の条件下で、鋳型核酸にハイブリダイズするのに十分相補的であればよい。
第1プライマーにおける「非メチル化核酸とメチル化核酸とを区別しない」とは、第1プライマーが、増幅反応の条件下で、非特異的に、非メチル化核酸にでもメチル化核酸にでもハイブリダイズし得、その後の増幅反応が行われ得ることを意味する。本明細書では、かかる機能を有するプライマーを「非特異的プライマー」と称する。第1プライマーの配列はCpG部位を含まなくてもよいし、CpG部位を含んでもよい。CpG部位を含む場合には、該CpG部位のシトシンに相補的な塩基が混合塩基(Y)及び/又は混合塩基(R)及び/又はイノシン酸(I)で置換されていることが好ましい。なお、第1プライマーの配列には、好ましくは、少なくとも1つのCpG部位が含まれていることが好ましく、かつ、該CpG部位のシトシンに相補的な塩基が混合塩基(Y)及び/又は混合塩基(R)及び/又はイノシン酸(I)で置換されていることが好ましい。
第2プライマーにおける「非メチル化核酸とメチル化核酸とを区別する」とは、第2プライマーが、増幅反応の条件下で、非メチル化核酸もしくはメチル化核酸に特異的にハイブリダイズし得るものであり、したがって、他方には実質的にハイブリダイズしないことを意味する。本明細書では、かかる機能を有するプライマーを「特異的プライマー」と称する。
さらに第2プライマーは、第1プライマーと実質的に同じプライマー領域を有する。「実質的に同じ」とは、完全に同一であることを意味するわけではない。第2プライマーの配列は、第1プライマーの配列の3’末端及び/又は5’末端に、それぞれ1〜8個、好ましくは1〜5個の塩基の付加及び/又は欠失があってもよい。これはプライマー領域の伸張及び/又は短縮があってもよいことを意味する。もちろん、付加及び欠失が全くなくてもよい。さらに好ましくは、両末端の付加及び/又は欠失の和は、5個以下である。
また、第2プライマーの配列には、第1プライマーの配列と比較すると、塩基の相違が1〜8個、好ましくは3〜6個存在する。かかる相違には、上記3’もしくは5’末端における塩基の付加及び/又は欠失によるものが含まれる。例えば、第1プライマーにCpG部位が含まれない場合は、塩基を付加することにより、第2プライマーにCpG部位を含ませることが可能である。また、例えば、第1プライマーの混合塩基(Y)及び/又は混合塩基(R)及び/又はイノシン酸(I)が、第2プライマーではシトシン(C)又はチミン(T)に置換されている場合もある。このように、第1プライマーと第2プライマーのプライマー領域の重複部分に、相違する塩基が存在する場合もある。これらは、第1プライマーが非特異的プライマーであるのに対して、第2プライマーが特異的プライマーであるために生じる、配列の相違である。さらに好ましくは、第2プライマーの配列には、少なくとも2つのCpG部位が含まれており、かつ、該CpG部位はメチル化核酸の配列又は非メチル化核酸の配列に特異的に存在するものである。
増幅反応は、自体公知の方法を用いることができる。具体的には、ポリメラーゼ・チェイン・リアクション法(PCR法、Science, 230:1350-1354,1985)やNASBA法(Nucleic Acid Sequence Based Amplification 法、Nature, 350,91-92,1991)及びLAMP法(特開2001-242169号公報)等が挙げられ、好ましくはPCR法を適用することができる。また、プライマーの設計は、増幅反応の種類に応じて適宜変更する必要があり、第1プライマー及び第2プライマーに加えて、他のプライマーを用いることも可能である。
例えば、PCR法を用いる場合には、第1プライマー及び第2プライマーに加えて、さらに第3プライマーを用いることができる。第3プライマーは、非メチル化核酸とメチル化核酸とを区別しないものであり、第1プライマーもしくは第2プライマーと対になって、増幅反応を行うものである。PCR反応の場合、第1プライマー若しくは第2プライマーと、第3プライマーによって生成される増幅産物は、約100bp〜300bpが好ましく、さらに約100bp〜200bpが好ましいが、以下の検出方法において、解析可能な産物であれば、これらに限定されないことはいうまでもない。また、第1プライマーと第2プライマーのプライマー領域が実質的に同じであることから、第1プライマーと第3プライマーによる増幅断片と、第2プライマーと第3プライマーによる増幅断片とは、実質的に同じ大きさの断片である。すなわち、これらの増幅断片の大きさの差は、理論上0〜16bp、好ましくは0〜10bpと考えられる。
ここで、増幅反応にPCR法を用いた場合を例として、本発明の方法に用いるプライマーについて具体的に説明する。なお、各プライマーの塩基配列は、実施例を参照されたい。
EPM2AIP遺伝子のプロモーター領域(hMLH1−5’領域)について、メチル化核酸の増幅を目的とする場合、第1プライマーとしてEPM2AIP-F(配列番号1)、第2プライマーとしてEPM2AIP-IM(配列番号4)、第3プライマーとしてEPM2AIP-R(配列番号2)を用いることができる。また同じhMLH1−5’領域について、非メチル化核酸の増幅を目的とする場合、第1プライマーとしてEPM2AIP-F(配列番号1)、第2プライマーとしてEPM2AIP-IU(配列番号3)、第3プライマーとしてEPM2AIP-R(配列番号2)を用いることができる。
RASSF2A遺伝子のプロモーター領域について、メチル化核酸の増幅を目的とする場合、第1プライマーとしてRASSF2A-R(配列番号6)、第2プライマーとしてRASSF2A-IM(配列番号8)、第3プライマーとしてRASSF2A-F(配列番号5)を用いることができる。また同じRASSF2A遺伝子のプロモーター領域について、非メチル化核酸の増幅を目的とする場合、第1プライマーとしてRASSF2A-R(配列番号6)、第2プライマーとしてRASSF2A-IU(配列番号7)、第3プライマーとしてRASSF2A-F(配列番号5)を用いることができる。
SFRP2遺伝子のプロモーター領域について、メチル化核酸の増幅を目的とする場合、第1プライマーとしてSFRP2-F(配列番号9)、第2プライマーとしてSFRP2-IM(配列番号11)、第3プライマーとしてSFRP2-R(配列番号10)を用いることができる。
Reprimo遺伝子のプロモーター領域について、メチル化核酸の増幅を目的とする場合、第1プライマーとしてRep-R(配列番号13)、第2プライマーとしてRep-IM(配列番号14)、第3プライマーとしてRep-F(配列番号12)を用いることができる。
APC遺伝子のプロモーター領域について、メチル化核酸の増幅を目的とする場合、第1プライマーとしてAPC-R(配列番号16)、第2プライマーとしてAPC-IM(配列番号18)、第3プライマーとしてAPC-F2(配列番号17)を用いることができる。
本発明の方法に使用されるプライマーは、従来型のホスホトリエステル法及びホスホジエステル法、又はそれらが自動化された実施態様などの、任意の好適な方法を用いて調製することができる。このような自動化された実施態様の1つでは、出発原料としてジエチルホスホルアミダイトを使用されるが、この化合物は、Beaucageらの報告(Tetrahedron Letters,22:1859-1862,1981)に従って合成可能である。改変固体支持体上でオリゴヌクレオチドを合成する方法が、米国特許第4,458,066号に記載されている。
本発明のプライマーには、その配列の末端に、検出のための適当な標識、例えば、蛍光色素、酵素、タンパク、放射性同位体、化学発光物質、ビオチン等が付加されたものも含むものとする。本発明において用いられる蛍光色素としては、一般に塩基を標識して、核酸の定量、検出等に用いられるものが好適に使用でき、例えば、HEX(4,7,2',4',5',7'-hexachloro-6-carboxyfluorescein、緑色蛍光色素)、フルオレセイン(fluorescein)、NED(アプライドバイオシステムズ社商品名、黄色蛍光色素)、あるいは、6−FAM(アプライドバイオシステムズ社商品名、黄緑色蛍光色素)、ローダミン(rhodamin)またはその誘導体(例えば、テトラメチルローダミン(TMR))、VIC(アプライドバイオシステムズ社商品名、緑色蛍光色素)、PET(アプライドバイオシステムズ社商品名、赤色蛍光色素)等を挙げることができるが、これらに限定されない。蛍光色素で塩基を標識する方法は、公知の標識法のうち適当なものを使用できる(Nature Biotechnology, 14, p303-308 (1996)を参照)。また、市販の蛍光標識キットを使用することもできる(例えば、アマシャム・ファルマシア社製 オリゴヌクレオチドECL 3'-オリゴラベリングシステム等)。
蛍光物質は非特異的プライマーに付加すればよく、増幅反応にPCR法を用いる場合は、第1プライマーもしくは第3プライマーのいずれかに蛍光色素を付加することが好ましい。
本発明の方法において、PCR法により増幅反応を行う場合の蛍光色素でラベルされたプライマーの具体例を説明する。プライマーの配列については実施例を参照されたい。
RASSF2A遺伝子のプロモーター領域について、メチル化核酸の増幅を目的とする場合、第1プライマーとしてRASSF2A-R(配列番号6)、第2プライマーとしてRASSF2A-IM(配列番号8)、第3プライマーとしてRASSF2A-F(配列番号5)を用い、第3プライマーの5'末端に6−FAMを付加したものを用いることができる。
SFRP2遺伝子のプロモーター領域について、メチル化核酸の増幅を目的とする場合、第1プライマーとしてSFRP2-F(配列番号9)、第2プライマーとしてSFRP2-IM(配列番号11)、第3プライマーとしてSFRP2-R(配列番号10)を用い、第3プライマーの5'末端にNEDを付加したものを用いることができる。
Reprimo遺伝子のプロモーター領域について、メチル化核酸の増幅を目的とする場合、第1プライマーとしてRep-R(配列番号13)、第2プライマーとしてRep-IM(配列番号14)、第3プライマーとしてRep-F(配列番号12)を用い、第1プライマーの5'末端にVICを付加したものを用いることができる。
APC遺伝子のプロモーター領域について、メチル化核酸の増幅を目的とする場合、第1プライマーとしてAPC-R(配列番号16)、第2プライマーとしてAPC-IM(配列番号18)、第3プライマーとしてAPC-F2(配列番号17)を用い、第3プライマーの5'末端にPETを付加したものを用いることができる。
本方法では、第1プライマーと第2プライマーの濃度の割合を変化させることにより、所望の割合及び感度で、増幅産物を得ることが可能である。
好ましくは、第1プライマーと第2プライマーの濃度比は、10:1〜1:1であり、より好ましくは5:1〜1:1、さらに好ましくは3:1〜1:1である。第2プライマーの濃度を増加させると、第2プライマーが特異的に増幅し得る核酸由来の増幅産物の割合が増加する。かかる第2プライマーの効果は、第1プライマーと第2プライマーの濃度比が2:1の場合に、最大に発揮されると考えられる。
本発明の検出方法において、目的遺伝子及び/又は遺伝子座におけるメチル化核酸又は非メチル化核酸の検出を行うとは、メチル化核酸及び/又は非メチル化核酸の有無の検出、あるいは、メチル化核酸と非メチル化核酸の割合を検出することを意味する。
本発明の検出方法は、上記の増幅方法による増幅産物を(1)適切な制限酵素で処理し、電気泳動やシーケンサなどにより断片の大きさを確認して非メチル化DNA及び/又はメチル化DNAの有無及び/又は量を判定する工程、又は(2)増幅産物のプライマー領域を除く領域の塩基配列に相補的な配列からなるオリゴヌクレチドを搭載したマイクロアレイにて、非メチル化DNA及び/又はメチル化DNAの有無及び/又は量を判定する工程を含む。かかる検出方法によれば、増幅産物のプライマー領域を除く領域について、非メチル化及び/又はメチル化の検出が可能である。
制限酵素で処理する工程を含む検出方法において用いられる制限酵素は、増幅断片の配列のプライマー領域を除く配列中に存在するCG又はTGを認識するものであることが好ましい。遺伝子の種類、増幅産物の配列に応じて制限酵素を選択すればよい。制限酵素による処理時間等の処理条件については、適宜調整可能である。制限酵素による処理時間は、好ましくは5分から12時間、より好ましくは5分から15分である。
EPM2AIP遺伝子のプロモーター領域(hMLH1−5’領域)について、EPM2AIP-F(配列番号1)、EPM2AIP-R(配列番号2)、EPM2AIP-IM(配列番号4)若しくはEPM2AIP-IU(配列番号3)の3つをプライマーセットとして用いて増幅工程を行った場合、制限酵素HhaIを用いることができる。
RASSF2A遺伝子のプロモーター領域について、RASSF2A-R(配列番号6)、RASSF2A-F(配列番号5)、RASSF2A-IM(配列番号8)若しくはRASSF2A-IU(配列番号7)の3つをプライマーセットとして用いて増幅工程を行った場合、制限酵素HhaIを用いることができる。
SFRP2遺伝子のプロモーター領域について、SFRP2-F(配列番号9)、SFRP2-IM(配列番号11)、SFRP2-R(配列番号10)をプライマーセットとして増幅工程を行った場合、制限酵素BssHIIを用いることができる。
Reprimo遺伝子のプロモーター領域について、Rep-R(配列番号13)、Rep-IM(配列番号14)、Rep-F(配列番号12)をプライマーセットとして用いて増幅工程を行った場合、ならびに、APC遺伝子のプロモーター領域について、APC-R(配列番号16)、APC-IM(配列番号18)、APC-F2(配列番号17)をプライマーセットとして増幅工程を行った場合、制限酵素TaqIを用いることができる。
また、複数の遺伝子の増幅産物を同時に制限酵素処理することもできる。RASSF2A遺伝子およびSFRP2遺伝子の増幅産物を同時に制限酵素処理する場合は、制限酵素HhaIを用いることができる。Reprimo遺伝子およびAPC遺伝子の増幅産物を同時に制限酵素処理する場合は、制限酵素TaqIを用いることができる。
制限酵素で処理された増幅断片を電気泳動により大きさを確認することにより、非メチル化DNA及び/又はメチル化DNAの有無及び/又は量を判定することができる。電気泳動は自体公知の方法により行うことができる。電気泳動の代わりにシーケンサを用いて、断片の大きさを確認することもできる。シーケンサを用いる場合、増幅反応に用いるプライマーは蛍光色素等により標識されているものを使用することが好ましい。
シーケンサを用いた検出方法では、複数種の遺伝子領域に対して一度に解析を行うことが可能であり、有用である。例えば4種の蛍光色素が区別可能なシーケンサを用いる場合には、各々の蛍光色素を、4種の遺伝子領域に対応したプライマーに付加して増幅反応を行えばよい。また、4種の遺伝子領域由来の増幅産物の塩基長が異なるように、プライマーの設計をする必要がある。増幅産物の塩基長の相違は、少なくとも2bp、好ましくは10bp以上である。反応後の増幅産物は、同時にシーケンサにアプライして解析することが可能である。
シーケンサを用いた検出方法のさらなる利点は、制限酵素反応時間と試料の量を大幅に短縮、削減することが可能である点である。
例えば、シーケンサを用いずに判定を行う場合、制限酵素による増幅物処理時間は、制限酵素の濃度によって変わるが、基本的には8時間以上要することとなる。また、シーケンサを用いない電気泳動による判定では、増幅対象となる各遺伝子ごとに30分以上の泳動時間を必要とする。例えば、4つの遺伝子をマーカーとして用いて判定を行う場合には、各遺伝子につき電気泳動を行う必要があるため、必要な時間は120分(4×30分)以上である。また電気泳動には、PCRで増幅反応を行った場合、少なくとも5μLの増幅反応液を必要とする。
一方、シーケンサを用いて判定を行う場合、シーケンサによる泳動には、PCRで増幅反応を行った場合の必要な増幅反応液の量は微量であり、例えば0.02μLのPCR増幅反応液で十分である。必要な増幅反応液の量が電気泳動と比較して微量であるため、同等の制限酵素量を用いた場合には、制限酵素処理に有する時間は5分から10分で十分となる。また、複数の遺伝子をマーカーとした場合でも、一度にシーケンサに泳動することが可能である。よって、1つの試料を4つの遺伝子について判定するのに要する時間は、30分(1×30分)である。
マイクロアレイを用いて増幅産物を捕捉する方法においては、マイクロアレイに搭載されたオリゴヌクレオチドに、検出物質、例えば蛍光物質が付加されていることが好ましい。
上記増幅方法によれば、増幅工程の成功率を上昇させるために、増幅工程の条件を緩めた場合、各プライマーの、当該プライマーの配列に相補的なDNAに対する特異度が減少する可能性がある。しかし、上記(1)や(2)の工程により非メチル化及び/又はメチル化DNAを認識するため、特異度減少の問題は解消される。また、本発明の検出方法では、増幅産物の有無のみによって非メチル化又はメチル化DNAの有無を判定するわけではないので、増幅工程のエラーの確認が可能となる。よって、従来例よりも確実に非メチル化及び/又はメチル化DNAの有無及び/又は量を判定することが可能となる。
また、本方法では、検体として、組織、血液だけでなく、各種体液や排泄物も使用することができる。排泄物などの非侵襲的に得ることが可能な検体は、特定の場所で採取を行う必要がないため、これらを利用可能な本方法は、各種の癌の早期診断などについて、非常に汎用に使用することができ有用である。
したがって、本発明に係る検出方法により、所定の遺伝子及び/又は遺伝子座、例えば癌抑制遺伝子のプロモーター領域についてメチル化の有無を検出することによって、簡便かつ高精度に癌等の細胞増殖性疾患の判定(診断)を行うことができる。遺伝子のプロモーター領域においてDNAのメチル化が起こっている場合、当該遺伝子の発現が抑制される。この遺伝子が癌抑制遺伝子である場合、生体において癌抑制遺伝子の発現が抑制されるため、癌が発生し進行してしまうことになる。
本方法を用いて、前記生物学的試料のメチル化核酸及び非メチル化核酸を検出することにより、細胞増殖性疾患及び/又は炎症性疾患を検査することが可能である。前記細胞増殖性疾患及び/又は炎症性疾患は、低度星状細胞腫、未分化星状細胞腫、グリア芽細胞腫、髄芽細胞 腫、咽喉癌、食道癌、胃癌、肝癌、胆嚢癌、胆管癌、膵臓癌、膵炎、小腸癌、クローン病、結腸癌、直腸癌、潰瘍性大腸炎、肺癌、腎臓癌、白血病、乳癌、前立腺癌、子宮内膜癌及び神経芽細胞腫よりなる群から選択することができる。
さらに本発明は、上記の増幅方法及び検出方法に用いられるプライマーセットにも及ぶ。当該プライマーセットは、第1プライマー及び第2プライマーを少なくとも含み、さらには第3プライマーを含むセットである。さらに、本発明の増幅反応に必要なプライマーを含んでもよい。また、これらのプライマーは蛍光色素でラベルされていてもよい。
本発明は、上記プライマーセットを含む試薬キットにも及ぶ。試薬キットは、その他必要な試薬、例えば、酵素、緩衝液等を含むことができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)DNA試料の調製
大腸正常粘膜からDNAを抽出した。大腸正常粘膜から抽出されたDNAでは、各遺伝子のプロモーター領域のCpG領域は、基本的には非メチル化である。よって、大腸正常粘膜から抽出されたDNAより、非メチル化であることを既に確認済みのDNAを選別し、「非メチル化DNA」とした。「メチル化DNA」は、この「非メチル化DNA」をSssIメチルトランスフェラーゼにて処理を行うことによって得た。
各DNAについて重亜硫酸塩(bisulfite)処理を行った。処理後、メチル化DNAと非メチル化DNAを種々の比率で混合して混合鋳型の試料を作製した。混合鋳型試料は、メチル化DNAの比率(%)が100、50、10、5、1、0.5、0.1、0.05、0.01、0となるように調節して作製した。
(実施例2)
本発明の増幅方法により、試料DNAの増幅を行い、増幅産物を電気泳動することにより効果について検討を行った。以下、電気泳動による本発明の検出方法をHi−SA法(High−Sensitive Assay)とも呼ぶ。
まず、実施例1にて作製した鋳型試料のうち、メチル化DNAの比率が50%の試料(非メチル化DNA:メチル化DNA=1:1)を用い、Hi−SA法における「非特異的プライマー」の効果について、EPM2AIP遺伝子のプロモーター領域(hMLH1−5’領域)をモデルに、検討を行った。
EPM2AIP遺伝子のプロモーター領域(hMLH1−5’領域)を増幅しうるHi−SA法のプライマーは以下のとおりである。
EPM2AIP-F: 5'-YGGGTAAGTYGTTTTGAYGTAGA (配列番号1)
EPM2AIP-R: 5'-TATACCTAATCTATCRCCRCCTCA (配列番号2)
EPM2AIP-IU: 5'-CGGGTAAGTCGTTTTGACGTAGA (配列番号3)
EPM2AIP-IM: 5'-TGGGTAAGTTGTTTTGATGTAGA (配列番号4)
EPM2AIP-F(配列番号1)とEPM2AIP-R(配列番号2)は非特異的プライマーであり、非メチル化シトシンの存在するDNAにもメチル化シトシンの存在するDNAにもハイブリダイズするように設計されている。この2つのプライマーにより、メチル化シトシンの有無にかかわらず、150bpの増幅産物が得られる。
EPM2AIP-IU(配列番号3)は、非メチル化DNAに特異的なプライマーであり、EPM2AIP-IM(配列番号4)は、メチル化DNAに特異的なプライマーである(以下、非メチル化DNAに特異的なプライマーを「IU」、メチル化DNAに特異的なプライマーを「IM」と表記することもある)。
HotStarTaq(QIAGEN社)15μL、試料DNA溶液2μL、EPM2AIP-F(配列番号1)のプライマー及びEPM2AIP-R(配列番号2)のプライマーを各0.4μM(最終濃度)、EPM2AIP-IU(配列番号3)のプライマー又はEPM2AIP-IM(配列番号4)のプライマーを、濃度を変化させて添加し、合計30μLのPCR反応溶液を調製し、増幅反応を行った。EPM2AIP-IU(配列番号3)のプライマー又はEPM2AIP-IM(配列番号4)のプライマーは、最終濃度(μM)が下記表1に示す数値となるように変化させて添加した。尚、表中「C」と表記した系はIU及びIMのいずれも加えていない系である。
PCR増幅反応は、95℃を15分の後、95℃を20秒、59℃を40秒、72℃を20秒を1サイクルとして合計3サイクル、次に95℃を20秒、57℃を30秒、72℃を20秒を1サイクルとして合計7サイクル、その後95℃を20秒、55℃を30秒、72℃を20秒を1サイクルとして合計35サイクル行い、最後に72℃を7分間で行った。
PCR増幅工程の後、制限酵素HhaIを用い、37℃、12時間処理を行い、2.5%アガロースゲルにて電気泳動を行った。
その結果を、図1に示す。図1において、SMはサイズマーカー、各レーンは表1の各系を示す。Uは非メチル化PCR産物のバンド、Mはメチル化PCR産物を制限酵素で分解して生成された2つのバンドを示す。
また、EPM2AIP遺伝子におけるHi−SA法は合計6回行い、制限酵素にて切断されないPCR産物の割合(%)を算出した。本実施例において、制限酵素にて切断されなかったPCR産物は、非メチル化DNAを鋳型として増幅されたものと考えられる。これらの結果を図2及び表2に示す。なお、非メチル化DNAを鋳型として増幅された産物を非メチル化PCR産物、メチル化DNAを鋳型として増幅された産物をメチル化PCR産物とよぶ。
特異的プライマーの濃度と、検出されうる非メチル化PCR産物、メチル化PCR産物の検出量を、グラフにて表したものを図2に示す。非メチル化、メチル化を検出するための特異的プライマーの濃度は、Hi−SA法の非特異的プライマーの濃度に対し、1/2量までは相加的に効果を示すが、1/2量以上では効果を示さないことが認められる。
以上の結果から、非メチル化DNA又はメチル化DNAを認識する特異的プライマーの割合を変化させることにより、メチル化DNA及び非メチル化DNAの双方を、任意の比率にて増幅し、検出することが可能であることがわかった。そして、加える特異的プライマーの効果を得ることが出来るのは、特異的プライマーと非特異的プライマーの濃度比が1:2のときであると推測される。特異的プライマーが非特異的プライマーの濃度の1/2までは、特異的プライマーの濃度と、目的の非メチル化又はメチル化DNAのPCR産物の濃度は、相加的な(直線的な)関係が認められた。
(実施例3)
次に、RASSF2A遺伝子のプロモーター領域に対し、実施例2と同様にHi−SA法プライマーを設定し(図3A)、メチル化DNAと非メチル化DNAが1:1の試料を用いてIU及びIMの効果の確認を行った。なお、図3Aにおいて、上部の灰色四角は、非翻訳領域のエキソンを示し、その上方の矢印は転写開始部を示す。中央実線上の縦線は、各CpG部位を示す。縦線上のひし形は、制限酵素認識部位を示す。下部の太線は、COBRA法又はHi−SA法によるPCR産物を示す。その下の矢印は、IMプライマーを示す。
また、実施例1にて作製した種々の混合割合のDNA試料9種を用いて、COBRA法とHi−SA法を行い、Hi−SA法の効果の確認を行った。
(実施例3−1)
RASSF2A遺伝子のプロモーター領域を増幅しうるHi−SA法プライマーは以下のとおりである。
RASSF2A-F: 5'-TGAAGAGYGAGAGAAAAGAGAGGA (配列番号5)
RASSF2A-R: 5'-TCCAACCAAACTAAACAAACRATAA (配列番号6)
RASSF2A-IU: 5'-CCAACCAAACTAAACAAACAATAACCA (配列番号7)
RASSF2A-IM: 5'-CCAACCAAACTAAACAAACGATAACCG (配列番号8)
RASSF2A-F(配列番号5)とRASSF2A-R(配列番号6)は非特異的プライマーであり、メチル化シトシンの存在するDNAにも非メチル化シトシンの存在するDNAにもハイブリダイズするように設計されており、この2つのプライマーにより、メチル化シトシンの有無にかかわらず、160bpの増幅産物が得られる。
RASSF2A-IU(配列番号7)は非メチル化シトシンの存在するDNAのみにハイブリダイズするように設計されており、RASSF2A-IM(配列番号8)はメチル化シトシンの存在するDNAのみにハイブリダイズするように設計されている。
HotStarTaq(QIAGEN社)15μL、試料DNA溶液2μL、RASSF2A-F(配列番号5)のプライマー及びRASSF2A-R(配列番号6)のプライマーを各0.4μM(最終濃度)、RASSF2A-IU(配列番号7)のプライマー又はRASSF2A-IM(配列番号8)のプライマーを、濃度を変化させて添加し、合計30μLのPCR反応溶液を調製し、増幅反応を行った。RASSF2A-IU(配列番号7)のプライマー又はRASSF2A-IM(配列番号8)のプライマーは、最終濃度(μM)が0.8、0.4、0.2、0.1となるように添加した。
PCR増幅反応は、95℃を15分の後、95℃を20秒、59℃を40秒、72℃を20秒を1サイクルとして合計3サイクル、次に95℃を20秒、57℃を30秒、72℃を20秒を1サイクルとして合計7サイクル、その後95℃を20秒、55℃を30秒、72℃を20秒を1サイクルとして合計35サイクル行い、最後に72℃を7分間で行った。
PCR増幅工程の後、制限酵素HhaIを用い、37℃、12時間処理を行い、3%アガロースゲルにて電気泳動を行った。図3Bにその結果を示す。図3において、SMはサイズマーカー、各レーンは加えた非メチル化又はメチル化特異的プライマーの濃度(μM)を示す。Uは非メチル化PCR産物のバンド、Mはメチル化PCR産物を制限酵素で分解して生成された2つのバンドを示す。実施例2と同様に、IU又はIMプライマーの効果が認められた。
(実施例3−2)
次に、メチル化DNAの検出を目的とし、RASSF2A遺伝子のプロモーター領域についてCOBRA法とHi−SA法を行った。実施例1にて作製した9種の混合割合のDNA試料を用いて、COBRA法とHi−SA法のメチル化検出感度の検討を行った。
RASSF2A遺伝子のプロモーター領域を増幅しうるCOBRA法プライマーは、Hi−SA法と同じRASSF2A-F(配列番号5)とRASSF2A-R(配列番号6)を用いた。本実施例では、メチル化DNAを検出することを目的とするため、Hi−SA法における特異的プライマーは、メチル化特異的プライマーであるRASSF2A-IM(配列番号8)のみを用いた。
COBRA法の核酸増幅反応には、HotStarTaq(QIAGEN社)15μL、各プライマー0.4μM(最終濃度)、各DNA試料(実施例1にて調製)2μL、合計30μLのPCR反応溶液を用いた。
Hi−SA法の核酸増幅反応には、HotStarTaq(QIAGEN社)15μL、非特異的プライマー各0.4μM(最終濃度)、特異的プライマー0.2μM(最終濃度)、各DNA試料(実施例1にて調製)2μL、合計30μLのPCR反応溶液を用た。
Hi−SA法及びCOBRA法ともに、増幅反応は、95℃を15分の後、95℃を20秒、59℃を40秒、72℃を20秒を1サイクルとして合計3サイクル、次に95℃を20秒、57℃を30秒、72℃を20秒を1サイクルとして合計7サイクル、その後に95℃を20秒、55℃を30秒、72℃を20秒を1サイクルとして合計35サイクル、最後に72℃を7分間行った。
PCR増幅工程の後、制限酵素HhaIを用い、37℃、12時間処理を行い、3%アガロースゲルにて電気泳動を行った。
RASSF2A遺伝子のプロモーター領域におけるHi−SA法及びCOBRA法の結果を図3Cに示す。図3Cにおいて、SMはサイズマーカー、各レーンの数値は試料DNAにおけるメチル化DNAの比率(%)を示す。矢印は、メチル化PCR産物の分解物を示す。
COBRA法は1%のメチル化検出を限界とするが、本実施例のプライマー比率によれば、Hi−SA法は0.1%のメチル化検出を可能とする。このように、Hi−SA法は、目的とするDNAの非メチル化又はメチル化を、高感度に検出することが可能である。
(実施例4)
実施例3−2と同様に、メチル化DNAの検出を目的とし、3つの領域についてCOBRA法とHi−SA法を行った。検討を行った領域は、SFRP2、Reprimo、APC遺伝子のプロモーター領域であり(図4)、これらは大腸癌でメチル化されていることが報告されている遺伝子のプロモーター領域である。図4において、中央の実線は、各遺伝子を示す。上部の灰色四角は、非翻訳領域のエキソン、上部の黒色四角は、翻訳領域のエキソンを示し、四角上部の矢印は転写開始部を示す。中央実線上の縦線は、各CpG部位を示す。縦線上のひし形は、制限酵素認識部位を示す。下部の太線は、COBRA法又はHi−SA法のPCR産物を示す。その下の矢印は、IMプライマーを示す。
実施例1にて作製した10種類の試料を用いて、COBRA法とHi−SA法のメチル化検出感度の検討を行った。
(i)SFRP2遺伝子
SFRP2遺伝子のプロモーター領域を増幅しうるCOBRA法プライマーは以下のとおりである。
SFRP2-F: 5'-GTYGGAGTTTTTYGGAGTTG (配列番号9)
SFRP2-R: 5'-ACCCRCTCTCTTCRCTAAATAC (配列番号10)
SFRP2-F(配列番号9)とSFRP2-R(配列番号10)は、メチル化シトシンの存在するDNAにも非メチル化シトシンの存在するDNAにもハイブリダイズするように設計されている。この2つのプライマーにより、メチル化シトシンの有無にかかわらず、139bpの増幅産物が得られる。
SFRP2遺伝子のプロモーター領域を増幅しうるHi−SA法プライマーは以下のとおりである。
SFRP2-F: 5'-GTYGGAGTTTTTYGGAGTTG (配列番号9)
SFRP2-R: 5'-ACCCRCTCTCTTCRCTAAATAC (配列番号10)
SFRP2-IM: 5'-CGGAGTTTTTCGGAGTTGC (配列番号11)
SFRP2-F(配列番号9)とSFRP2-R(配列番号10)は、COBRA法と同じ非特異的プライマーであり、この2つのプライマーにより、メチル化シトシンの有無にかかわらず、139bpの増幅産物が得られる。
SFRP2-IM(配列番号11)はメチル化シトシンの存在するDNAのみにハイブリダイズするように設計されている。
(ii)Reprimo遺伝子
Reprimo遺伝子のプロモーター領域を増幅しうるCOBRA法プライマーは以下のとおりである。
Rep-F: 5'-GGTTTTGTGTTTTATTGYGGAGTG (配列番号12)
Rep-R: 5'-AAAAATTTCCCAAAAACCTCTCC (配列番号13)
Rep-F(配列番号12)とRep-R(配列番号13)はメチル化シトシンの存在するDNAにも非メチル化シトシンの存在するDNAにもハイブリダイズするように設計されている。この2つのプライマーにより、メチル化シトシンの有無にかかわらず、138bpの増幅産物が得られる。
Reprimo遺伝子のプロモーター領域を増幅しうるHi−SA法プライマーは以下のとおりである。
Rep-F: 5'-GGTTTTGTGTTTTATTGYGGAGTG (配列番号12)
Rep-R: 5'- AAAAATTTCCCAAAAACCTCTCC (配列番号13)
Rep-IM: 5'-AAAAATTTCCCAAAAACCTCTCCGACG (配列番号14)
Rep-F(配列番号12)とRep-R(配列番号13)は、COBRA法と同じ非特異的プライマーであり、この2つのプライマーにより、メチル化シトシンの有無にかかわらず、138bpの増幅産物が得られる。
Rep-IM(配列番号14)はメチル化シトシンの存在するDNAのみにハイブリダイズするように設計されている。
(iii)APC遺伝子
APC遺伝子のプロモーター領域を増幅しうるCOBRA法プライマーは以下のとおりである。
APC-F1: 5'-GGTTTTGTGTTTTATTGYGGAGTG (配列番号15)
APC-R: 5'-CACCAATACAACCACATATCNATCAC (配列番号16)
APC-F1(配列番号15)とAPC-R(配列番号16)はメチル化シトシンの存在するDNAにも非メチル化シトシンの存在するDNAにもハイブリダイズするように設計されている。この2つのプライマーにより、メチル化シトシンの有無にかかわらず、156bpの増幅産物が得られる。
APC遺伝子のプロモーター領域を増幅しうるHi−SA法プライマーは以下のとおりである。
APC-F2: 5'-GGTTTTGTGTTTTATTGNGGAGTG (配列番号17)
APC-R: 5'-CACCAATACAACCACATATCNATCAC (配列番号16)
APC-IM: 5'- ACCAATACAACCACATATCGATCACG (配列番号18)
APC-F2(配列番号17)とAPC-R(配列番号16)は、COBRA法と同じ非特異的プライマーであり、この2つのプライマーにより、メチル化シトシンの有無にかかわらず、138bpの増幅産物が得られる。
APC-IM(配列番号18)はメチル化シトシンの存在するDNAのみにハイブリダイズするように設計されている。なお、APC-F2(配列番号17)とAPC-R(配列番号16)の配列中のNは、イノシン酸(I)である。
(iv)増幅工程
COBRA法の核酸増幅反応には、HotStarTaq(QIAGEN社)15μL、各プライマー10mM(最終濃度)、各DNA試料(実施例1にて調製)2μL、合計30μLのPCR反応溶液を用いた。
Hi−SA法の核酸増幅反応には、HotStarTaq(QIAGEN社)15μL、非特異的プライマー各0.4μM(最終濃度)、特異的プライマー0.2μM(最終濃度)、各DNA試料(実施例1にて調製)2μL、合計30μLのPCR反応溶液を用た。
SFRP2遺伝子の増幅反応は、Hi−SA法及びCOBRA法ともに、95℃を15分の後、95℃を20秒、58℃を40秒、72℃を20秒を1サイクルとして合計3サイクル、次95℃を20秒、56℃を30秒、72℃を20秒を1サイクルとして合計8サイクル、95℃を20秒、54℃を30秒、72℃を20秒を1サイクルとして合計15サイクル、95℃を20秒、52℃を30秒、72℃を20秒を1サイクルとして合計20サイクル行い、最後に72℃を7分間行った。
Reprimo遺伝子及びAPC遺伝子の増幅反応は、Hi−SA法及びCOBRA法ともに、RASSF2Aと同じ条件(実施例3)で行った。
PCR増幅工程の後、Hi−SA法及びCOBRA法ともに、SFRP2の増幅産物には制限酵素BssHII(New England Bio Lab社)を用いて、50℃、12時間処理を行い、Reprimo及びAPCの増幅産物には制限酵素TaqI(New England Bio Lab社)を用いて、65℃、12時間処理を行った。
各領域におけるHi−SA法及びCOBRA法の結果を図5に示す。図5において、SMはサイズマーカー、各レーンの数値は試料DNAにおけるメチル化DNAの比率(%)を示す。矢印はメチル化PCR産物の分解物を示す。
SFRP2遺伝子、Reprimo遺伝子及びAPC遺伝子の各プロモーター領域において、COBRA法は0.5〜5%のメチル化検出を限界であったが、Hi−SA法はCOBRA法の5〜10倍の感度を示した。このように、Hi−SA法は高感度に目的とするDNAの非メチル化又はメチル化を検出することが可能である。
また、各遺伝子において、異なる種類の制限酵素を使用したが(RASSF2A遺伝子にはHhaI(実施例3)、SFRP2遺伝子にはBssHII、Reprimo遺伝子及びAPC遺伝子にはTaqI)、制限酵素の種類に関係なく同様の効果を示した。以上から、Hi−SA法は増幅する遺伝子又は遺伝子座の部位や、制限酵素の効果に関係なく、使用することができると予測される。すなわち、Hi−SA法は普遍的に成立し得ると考えられる。特異的プライマーの濃度及び配列を変更することにより、任意の感度にて、目的とするDNAの非メチル化及び/又はメチル化を検出することが可能であると考えられる。
(実施例5)
次に、Hi−SA法を用いて、RASSF2A遺伝子をマーカーとして、大腸癌患者14例から得られた糞便及び、大腸内視鏡検査にて大腸に新生物を認めなかった患者14例から得られた糞便を対象として、検討を行った。
糞便検体の核酸修飾処理は、特開2006−166712号公報(特願2004−359471号)の方法により行い、得られた試料を用いてHi−SA法を行った。Hi−SA法は、実施例3の方法と同様に行った。
結果を図6に示す。図6において、各レーンの番号は試料番号を示す。SMはサイズマーカーを示し、矢印はメチル化PCR産物の分解物を示し、Mはメチル化が検出されたことを示す。
RASSF2A遺伝子のメチル化は、大腸患者からの糞便検体14例中6例(43%)に、健常者からの糞便検体は14例中0例(0%)に検出された。
(実施例6)DNA試料の調製
大腸正常粘膜からDNAを抽出した。大腸正常粘膜から抽出されたDNAでは、各遺伝子のプロモーター領域のCpG領域は、基本的には非メチル化である。よって、大腸正常粘膜から抽出されたDNAより、非メチル化であることを既に確認済みのDNAを選別し、「非メチル化DNA」とした。「メチル化DNA」は、この「非メチル化DNA」をSssIメチルトランスフェラーゼにて処理を行うことによって得た。
各DNAについて重亜硫酸塩(bisulfite)処理を行った。処理後、非メチル化DNAのみの試料をU(非メチル化DNAのコントロール)とし、メチル化DNAをM(メチル化DNAのコントロール)とした。
(実施例7)
本発明の増幅方法により試料DNAの増幅を行い、増幅産物をシーケンサにアプライして非メチル化増幅産物および/またはメチル化増幅産物の検出を行った。プライマーは蛍光物質が付加されたものを用いた。かかる蛍光物質を用いた方法を、蛍光Hi−SA法とも呼ぶ。
実施例3および実施例4にて用いたRASSF2A遺伝子、SFRP2遺伝子、Reprimo遺伝子、APC遺伝子において、実施例6にて作製した試料を用いて、蛍光Hi−SA法を行った。各遺伝子の領域について、以下の蛍光物質が付加されたプライマーを用いた。
(i)RASSF2A遺伝子
RASSF2A-F: 5'-FAM-TGAAGAGYGAGAGAAAAGAGAGGA (配列番号5)
RASSF2A-R: 5'-TCCAACCAAACTAAACAAACRATAA (配列番号6)
RASSF2A-IM: 5'-CCAACCAAACTAAACAAACGATAACCG (配列番号8)
(ii)SFRP2遺伝子
SFRP2-F: 5'-GTYGGAGTTTTTYGGAGTTG (配列番号9)
SFRP2-R: 5'-NED-ACCCRCTCTCTTCRCTAAATAC (配列番号10)
SFRP2-IM: 5'-CGGAGTTTTTCGGAGTTGC (配列番号11)
(iii)Reprimo遺伝子
Rep-F: 5'-GGTTTTGTGTTTTATTGYGGAGTG (配列番号12)
Rep-R: 5'-VIC-AAAAATTTCCCAAAAACCTCTCC (配列番号13)
Rep-IM: 5'-AAAAATTTCCCAAAAACCTCTCCGACG (配列番号14)
(iv)APC遺伝子
APC-F2: 5'-PET-GGTTTTGTGTTTTATTGNGGAGTG (配列番号17)
APC-R: 5'-CACCAATACAACCACATATCNATCAC (配列番号16)
APC-IM: 5'- ACCAATACAACCACATATCGATCACG (配列番号18)
蛍光Hi−SA法の核酸増幅反応には、HotStarTaq(QIAGEN社)15μL、非特異的プライマー各0.4μM(最終濃度)、特異的プライマー0.2μM(最終濃度)、各DNA試料(実施例6にて調製)2μL、合計30μLのPCR反応溶液を用いた。増幅反応は、実施例4に従った。
RASSF2A遺伝子およびSFRP2遺伝子の増幅産物を1μLずつ混合し、制限酵素HhaIにより、37℃で10時間、処理を行った。Reprimo遺伝子およびAPC遺伝子の増幅産物を1μLずつ混合し、制限酵素TaqIにより、65℃で10時間、処理を行った。このRASSF2A遺伝子およびSFRP2遺伝子の増幅産物を1μLずつ混合して制限酵素HhaIにて処理を行ったものを1μL、ならびに、Reprimo遺伝子およびAPC遺伝子の増幅産物を1μLずつ混合して制限酵素TaqIにて処理を行ったものを1μLずつ採り、超純水98μLを加えて100μLとし、かかる溶液から1μLをシーケンサ(ABI 310R Genetic Analyzer)にアプライした。データの取得にはプレローディングも含め、約1時間必要であった。検出感度の比較のために、各増幅産物(PCR反応液10μL)について3%アガロースゲルにて電気泳動を行った。
結果を図7に示す。各々RASSF2A遺伝子、SFRP2遺伝子、Reprimo遺伝子、APC遺伝子の結果を示す。各々の領域について、上段はコントロール(非メチル化DNAのみの試料)を用いて増幅反応を行った結果、下段はメチル化DNAを用いて増幅反応を行った結果を示す。また、左の波形はシーケンサの結果であり、右の写真は電気泳動の結果を示す。SMはサイズマーカー、白色矢頭は非メチル化PCR産物であり、灰色矢頭はメチル化PCR産物の分解物を示す。
シーケンサを用いた蛍光Hi−SA法では、電気泳動を用いたHi−SA法よりも高感度に、メチル化DNAもしくは非メチル化DNAを検出可能であることがわかった。
(実施例8)
蛍光物質でラベルされたプライマーを用いたHi−SA法により、大腸腺腫患者および大腸癌患者から得られた糞便を対象として検討を行った。糞便検体の核酸修飾処理は、特開2006−166712号公報(特願2004−359471号)の方法により行った。マーカーとして実施例7に記載の4つの領域を使用して、実施例7の方法と同様に蛍光Hi−SA法を行った。
結果を図8に示す。各患者の波形は、上段から、RASSF2A遺伝子、Reprimo遺伝子、SFRP2遺伝子、APC遺伝子の結果を示す。各々の領域について、白色矢頭は非メチル化PCR産物であり、灰色矢頭はメチル化PCR産物の分解物を示す。これらの結果から、シーケンサを用いた場合でも、糞便検体中のメチル化DNAと非メチル化DNAを高感度に検出可能であることがわかった。
以上説明したように、本発明の方法は、増幅する遺伝子及び/又は遺伝子座の部位や、制限酵素に関係なく、実施することができる。また、特異的プライマーの濃度及び配列を変更することにより、感度を任意に上昇させて、目的とする核酸の非メチル化又はメチル化を検出することが可能である。したがって、本発明の方法によれば、正確かつ高感度に、メチル化又は非メチル化の有無を検出をすることができ、また、メチル化核酸及び/又は非メチル化核酸を定量的に検出することも可能となる。
また、本発明の検査方法は、生体検体、特に糞便検体から大腸に存在する癌を判定することが可能である。実施例に示した遺伝子プロモーター領域のメチル化の有無は、正常粘膜組織由来DNA又は大腸癌組織由来DNAのメチル化の有無の検出を糞便から本方法により検出可能であることを示した。このように非侵襲DNA材料として実用的に利用可能であるということは、各種疾患の診断上有用であるばかりではなく、操作的に多数検体の処理が可能なことから、正常集団を対象とした大腸癌等の各種検診への応用も可能である。また、糞便は、DNAの抽出及び精製が難しいことが知られていることから、本発明の方法は、糞便のみならず、様々な生体検体を用いての応用が可能であると考えられる。よって本方法は、大腸癌の診断のみではなく、広く各種、各臓器に存在する癌や新生物に対しての診断への応用が可能であり、また、その新生物をある程度予測できるものと考えられる。

Claims (7)

  1. 生物学的試料に含有可能性のある目的遺伝子及び/又は遺伝子座に由来するCpG含有核酸の増幅方法を含む、目的遺伝子及び/又は遺伝子座におけるメチル化及び/又は非メチル化を検出する方法であって、
    非メチル化シトシンを修飾する試薬に生物学的試料を接触させ、生物学的試料に存在し得る核酸の非メチル化シトシンをウラシルに転換することにより生物学的試料を処理する工程、
    前記工程により処理された生物学的試料中の核酸を、非メチル化核酸とメチル化核酸とを区別しない第1プライマーと、非メチル化核酸とメチル化核酸とを区別する第2プライマーと、非メチル化核酸とメチル化核酸とを区別しない第3プライマーからなるプライマーセットを用いて、増幅する工程、および
    制限酵素によって増幅断片を処理する工程
    を含み、
    前記増幅工程がポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により行われ、
    第2プライマーが、第1プライマーと実質的に同じプライマー領域を有しており、
    第3プライマーが第1プライマー及び第2プライマーと対になって核酸を増幅する機能を有しており、第1プライマーと第3プライマーによる増幅断片と、第2プライマーと第3プライマーによる増幅断片とが実質的に同じ大きさの増幅断片であ
    前記制限酵素が増幅断片の塩基配列のうち、プライマー領域を除く塩基配列に存在するCG又はTGを認識する、
    メチル化及び/又は非メチル化を検出する方法。
  2. 第1プライマーの配列に、少なくとも1つのCpG部位が含まれており、かつ、該CpG部位のシトシンに対応する位置の塩基が、混合塩基(Y)及び/又は混合塩基(R)及び/又はイノシン酸(I)で置換されている、請求項1に記載のメチル化及び/又は非メチル化を検出する方法。
  3. 第2プライマーの配列に、少なくとも2つのCpG部位が含まれており、かつ、該CpG部位がメチル化核酸の配列又は非メチル化核酸の配列に特異的に存在する、請求項1又は2に記載のメチル化及び/又は非メチル化を検出する方法。
  4. 第1プライマーと第2プライマーの濃度比が、10:1〜1:1である、請求項1〜3のいずれか1に記載のメチル化及び/又は非メチル化を検出する方法。
  5. 以下の(1)プライマーセット及び(2)制限酵素を含む、試薬キット:
    (1)非メチル化核酸とメチル化核酸とを区別しない第1プライマーと、
    非メチル化核酸とメチル化核酸とを区別するプライマーであって、第1プライマーと実質的に同じプライマー領域を有する第2プライマーと、
    非メチル化核酸とメチル化核酸とを区別しないプライマーであって、第1プライマー及び第2プライマーと対になって核酸を増幅する機能を有する第3プライマーからなり、
    非メチル化シトシンを修飾する試薬に生物学的試料を接触させて処理された生物学的試料中の核酸をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅するために用いられ、
    第1プライマーと第3プライマーによる増幅断片と、第2プライマーと第3プライマーによる増幅断片とが実質的に同じ大きさの増幅断片である、プライマーセット
    (2)プライマーセットにより増幅された増幅断片の塩基配列のうち、プライマー領域を除く塩基配列に存在するCG又はTGを認識する、制限酵素。
  6. 請求項1〜のいずれか1に記載の方法に用いられる、請求項に記載の試薬キット
  7. さらに、生物学的試料に存在し得る核酸の非メチル化シトシンを修飾する試薬を含む、請求項5または6に記載の試薬キット。
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