JP5043320B2 - メチル化dna及び/又は非メチル化dnaの検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、bisulfite処理及びPCR法とDNAマイクロアレイとを用いたメチル化DNA及び/又は非メチル化DNAの検出方法に関する。
DNAのメチル化は、DNAの複製や発現の調節において重要な役割を果たしている。真核細胞のDNAのメチル化は、「5’-C(シトシン)-G(グアニン)-3’」と並んだ配列(以下「CpG配列」と言う)中のシトシンの5位で生じることが多い。特に、多くの遺伝子のプロモーター領域ではCpG配列が高頻度で存在し、CpGアイランドと呼ばれている(非特許文献1,2)。一般に、常染色体中のCpGアイランドの大部分はメチル化されているが、プロモーター領域に密集して存在するCpGアイランドはメチル化されていない(非特許文献3)。さらに、シトシンのメチル化は、遺伝子の発現制御で大きな役割を担い、そのメチル化パターンの変化が疾病等を惹起させると考えられている。したがって、このメチル化パターンを明らかにすることは、疾病の治療および予後を推し量る上で重要な情報となり得る。
ところで、メチル化DNAの検出方法としては、メチル化特異的PCR法(MSP法:Methylation-specific PCR法)がよく知られている(特許文献1,2及び非特許文献4)。この方法は、DNAを重亜硫酸塩(bisulfite)を処理した場合、メチル化されているシトシンはそのままであるが、メチル化されていないシトシンはウラシル(PCRの鋳型としてはT(チミン)と同じ)に変換されることを利用した方法であり(非特許文献5)、その違いを、PCRプライマーに認識させ、PCR産物の有無によって、メチル化DNA及び非メチル化DNAの有無を判別する方法である。すなわち、MSP法は、メチル化DNA又は非メチル化DNAを含む配列(但しbisulfite処理後の配列)に結合し得るPCRプライマーを設計することにより、両DNAのうちのいずれか一方のみを増幅させる方法である。
そして、このMSP法にDNAマイクロアレイによる検出法を組み合わせた、メチル化DNA又は非メチル化DNAの検出方法もよく知られている(特許文献3)。つまり、当該検出方法は、MSP法におけるPCRの際に標識化したプライマーを用いることにより、得られたPCR産物を標識化し、所定のプローブを搭載したDNAマイクロアレイにより検出する方法である。
特開2004-8217号公報 特許第3612080号公報 特表2004-501666号公報 Bird, A., Cell, 70, 5-8, 1992 Gardiner-Garden, M. et al., J. Mol. Biol., 196, 261-282, 1987 Ng, H-H. et al.,Curr. Opin. Genet. Dev., 9, 158-163, 1999 Herman JG et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93, 9821-9826, 1996 Shapiro, R. et al., J. Amer. Chem.,92, 422, 1970
しかしながら、上記検出方法では、DNAマイクロアレイによる検出感度が十分とはいえない場合も多くあり、さらに近年の技術水準の進展に伴い、より高い検出感度を発揮し得る検出方法が強く望まれている。
また、MSP法において行うPCRをいわゆる競合的PCR法(一組のプライマーを使用)に変えることにより、メチル化DNA及び非メチル化DNAを共に増幅させ、各々の増幅断片にハイブリダイズし得るプローブを搭載したDNAマイクロアレイを用いることにより、両者を同一工程で検出することもできる(例えば“Peng Hou et al., World Journal of Gastroenterology, 10(24), 3553-3558, 2004”参照)。なお、競合的PCR法(competitive PCR)とは、定量的PCRの中で最も多く用いられている方法で、塩基配列等で区別可能な2種類のDNAを同じ反応液中で同時に増幅する方法である。この検出方法を用いれば、メチル化DNA及び非メチル化DNAを同じ反応系で共に増幅させ、各々の増幅断片にハイブリダイズし得るプローブを搭載したDNAマイクロアレイを用いることにより、両者を同一工程で検出することもできる。従って、この方法は、メチル化DNA及び非メチル化DNAの各々の存在割合の算出や定量を可能とする方法の開発に繋がるものとして期待されている。
しかしながら、予めメチル化DNA及び非メチル化DNAに基づくPCR産物をそれぞれ個別に得ておき、両者をいろいろな割合で混合した各種サンプルを用いてハイブリダイゼーション溶液を調製し、各PCR産物とハイブリダイズし得るプローブが搭載されたDNAマイクロアレイと接触させた場合、上記混合割合と十分に相関する検出結果が得られないという問題があった。すなわち、メチル化DNA及び非メチル化DNAの本来の存在割合と、PCR産物の検出結果との関係に基づく有効な検量線は作成できなかった。従って、実際に各種組織由来の被験試料を用いてメチル化DNA及び非メチル化DNAを検出しても、両DNAの存在割合等について信頼性のある結果を得ることはできない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、bisulfite処理及びPCR法とDNAマイクロアレイとを用いて、メチル化DNA及び/又は非メチル化DNAを高感度で検出する方法を提供すること、さらには、bisulfite処理及びPCR法(特に競合的PCR法)とDNAマイクロアレイとを用いて、メチル化DNA及び非メチル化DNAの各々の存在割合と高い相関性を有する検出結果を得ることができる、メチル化DNA及び/又は非メチル化DNAの検出方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、bisulfite処理後のPCRにより得られたPCR産物(二本鎖DNA断片)について、一方の鎖を分解及び/又は除去して得られる一本鎖DNA断片を用いてハイブリダイゼーション溶液を調製し、所定のプローブが搭載されたDNAマイクロアレイと接触させるようにすれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1) メチル化DNA及び/又は非メチル化DNAを検出する方法であって、(a) 被験試料中の核酸に非メチル化シトシンを修飾する試薬を接触させる工程と、(b) 前記被験試料中の核酸を増幅して二本鎖DNA断片を得る工程と、(c) 前記二本鎖DNA断片の一方の鎖を分解及び/又は除去して一本鎖DNA断片とする工程と、(d) 前記一本鎖DNA断片を、当該断片とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプローブが搭載されたDNAマイクロアレイに接触させる工程とを含む、前記方法。
(2) (a) 非メチル化シトシンを修飾する試薬、(b) メチル化シトシンを含むDNA及び前記修飾された塩基を含む核酸を共に増幅し得るプライマーセットであって、一方のプライマーは5’末端がリン酸化されたものである当該セット、(c) λエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素、並びに(d) 前記(b)のプライマーセットを用いて増幅された二本鎖DNA断片を前記(c)の酵素で処理して得られる一本鎖DNA断片とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプローブが搭載されたDNAマイクロアレイ
を含む、メチル化DNA及び/又は非メチル化DNAの検出用キット。
(3) 上記(1)に記載の方法により得られた検出結果から、腫瘍組織及び正常組織に由来するそれぞれの染色体DNAについてメチル化の割合を比較することを含む、腫瘍の良悪性を判定する方法。
本発明の検出方法によれば、被験試料中のメチル化DNA及び/又は非メチル化DNAを高感度で検出することができる。さらには、被験試料中のメチル化DNA及び非メチル化DNAの存在割合に対して高い相関性を有する検出結果を得ることができる。例えば、正常組織や非正常組織(例えば腫瘍組織)由来の染色体DNAについて、所定のDNA領域(癌抑制遺伝子のプロモーター等)がメチル化されているものの割合を容易に求めることができる。
また、上記メチル化の割合を、腫瘍組織と正常組織とで比較することにより、腫瘍の良性又は悪性について、信頼性の高い判定結果を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
1.本発明の概要
本発明は、bisulfite処理及びPCR法と、DNAマイクロアレイを用いた検出法とを組合せたメチル化DNA及び/又は非メチル化DNAの検出方法であり、ハイブリダイゼーション溶液(DNAマイクロアレイと接触させる溶液)の調製に用いるDNA断片として、PCR後の増幅断片(二本鎖DNA断片)の一方の鎖を分解及び/又は除去して得られる一本鎖DNA断片を用いることを特徴とするものである。
従来は、上記PCR後の増幅断片をそのまま用いてハイブリダイゼーション溶液を調製し、DNAマイクロアレイと接触させて検出していたが、この場合検出感度が十分ではないという問題があった。特に、メチル化DNA及び非メチル化DNA(但しbisulfite処理後の配列)に基づくPCR産物のように、増幅断片の塩基配列がメチル化シトシンの箇所のみで異なる非常によく似ているものを、PCR法(競合的PCR法)により同時に得、各断片に対応したプローブが搭載されたDNAマイクロアレイで同時検出する系においては、検出感度が十分でないことに加え、メチル化DNA及び非メチル化DNAの本来の存在割合との相関性が低い検出結果しか得られないという問題があった。
上記問題に対し、本発明者は、ハイブリダイゼーション溶液中におけるDNA断片の挙動に着目した。すなわち、PCRにより得られた二本鎖DNA断片は、ハイブリダイゼーション溶液の調製により、相補鎖が互いに分離した一本鎖DNAの断片として溶液中に存在することになるが、この際、DNAマイクロアレイのプローブに結合し得る一方の鎖が、分離した他方の鎖と一部相互作用する場合が考えられ、その結果、本発明者は、本来プローブに結合すべきDNAの量が拮抗的に減少することを見出した。特に、前述したように、増幅された二本鎖DNA断片の塩基配列がよく似ているものを用いてハイブリダイゼーション溶液を調製した場合、個々の断片の一方の鎖(プローブに結合し得る鎖)は、自己の断片の他方の鎖(当該一方の鎖の相補鎖)のみならず、別の断片の一方の鎖(プローブに結合し得る鎖)の相補鎖とも相互作用してしまい、検出結果がさらに信頼性の低いものになると考えられる。
そこで、本発明者は、bisulfite処理及びPCR法により得られた二本鎖DNA断片において、プローブには結合しない方の鎖を予め分解及び/又は除去しておくことによりプローブに結合し得る方の一本鎖の断片とした上で、ハイブリダイゼーション溶液を調製し、DNAマイクロアレイと接触させるようにすれば、上述した相互作用の問題は解消され、高感度で検出できること、さらには信頼性の高い検出結果が得られることを見出した。本発明はこのような知見に基づいて完成されたものである。

2.メチル化DNA及び/又は非メチル化DNAの検出方法
本発明の検出方法は、メチル化DNA及び/又は非メチル化DNAを検出する方法であって、下記の工程を含むことを特徴とする。
工程(a):被験試料中の核酸に非メチル化シトシンを修飾する試薬を接触させる工程
工程(b):前記被験試料中の核酸を増幅して二本鎖DNA断片を得る工程
工程(c):前記二本鎖DNA断片の一方の鎖を分解及び/又は除去して一本鎖DNA断片とする工程
工程(d):前記一本鎖DNA断片を、当該断片とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプローブが搭載されたDNAマイクロアレイに接触させる工程
以下に、本発明の検出方法の詳細を各工程ごとに説明する。
(1) 工程(a)について
本工程では、被験試料中の核酸に非メチル化シトシンを修飾する試薬を接触させる。
本工程で用いる被験試料は、核酸としてメチル化DNA(メチル化シトシンを含むDNA)及び/又は非メチル化DNA(非メチル化シトシンを含むDNA)を含むものである。ここで、メチル化DNA及び/又は非メチル化DNAとは、CpG配列等の標的座を含む特異的核酸配列を含むもの又は含み得るものであることが好ましい。なお、被験試料中の核酸は、染色体DNA等のように上記特異的核酸配列をその一部に含む核酸分子であってもよいし、上記特異的核酸配列のみで全体が構成される断片化された核酸分子であってもよく、限定はされない。
被験試料としては、いかなる組織由来の細胞、血液、体液を使用してもよく、例えば、脳、心臓、肺、脾臓、腎臓、肝臓、膵臓、胆嚢、食道、胃、腸、膀胱、骨格筋等の各種組織由来の細胞、血液、体液が挙げられる。より具体的には、例えば、血液、髄液、尿、喀痰、胸水、腹水、胃液、水疱内体液等が挙げられる。また、被験試料は、後述する核酸増幅(工程(b))を行う前に、当該増幅に用い得るDNA含有試料として調製、及び精製しておくことが好ましい。当該調製及び精製は、公知の核酸抽出法に従って行うことができ、例えば、Maniatisらの記載(Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor, NY, pp280,281, 1982)に準ずる種々の技術が採用できる。
また、被験試料は、正常組織に由来するものであってもよいし、腫瘍組織等の非正常組織に由来するものであってもよい。
非メチル化シトシンを修飾する試薬に関し、「修飾」とは、非メチル化シトシンを、非メチル化シトシンとメチル化シトシンとが識別される他の塩基(ヌクレオチド)へ変換することを意味する。
非メチル化シトシンを修飾する試薬としては、例えば、重亜硫酸ナトリウム(NaHSO3)等の重亜硫酸塩(bisulfite)が好ましく挙げられるが、限定はされず、非メチル化シトシンは修飾するがメチル化シトシンは修飾しない試薬であれば他の試薬も好ましく用い得る。重亜硫酸塩は、シトシンの5,6-二重結合と容易に反応するが、メチル化シトシンとは反応しない。シトシンが重亜硫酸イオンと反応すると、脱アミノ化を起こしやすいスルホン化シトシン反応中間体を形成し、その結果、スルホン化ウラシルが生じる。スルホネート基は、アルカリ条件下で除去可能であり、結果としてウラシルが形成される。
なお、ウラシルは、DNAポリメラーゼ(Taqポリメラーゼ等)によりチミンとして認識されるため、これを鋳型としてPCRにより増幅を行うと、得られる増幅産物のDNA配列中には、もともと5-メチル-シトシンが存在していた場所にだけシトシンが含まれることになる。
被験試料中の核酸の重亜硫酸塩処理は、例えば、CpGenomeTM DNA Modification Kit(CHEMICON #S7820)、MethylampTMDNA Modification Kit (フナコシ)、BisulFastTM Methylated DNA detection Kit (東洋紡)等を用いて行うことができる。

(2) 工程(b)について
本工程では、工程(a)における試薬の接触後、被験試料中の核酸を増幅して二本鎖DNA断片を得る。
本工程で増幅する核酸とは、被験試料中の核酸の全体でも一部であってもよく、限定はされないが、詳しくは、工程(a)での試薬接触前にメチル化DNA又は非メチル化DNAであった部位を含む核酸を増幅することが好ましい。増幅する核酸としては、限定はされないが、例えば、各種遺伝子のプロモーターが好ましく、癌抑制遺伝子のプロモーターがより好ましい。癌抑制遺伝子のプロモーターとしては、p15、p16、LOX、RUNX3、TIG1、APC、Chfr、E-Cadherin、hMLH、DAP-Kinase1、RASSF1A、HRK、TSLC1、BINP3、BRCA1、SFRP1等の癌抑制遺伝子のプロモーターが好ましく挙げられる。
核酸の増幅は、増幅しようとする核酸配列(又はそれを含む配列)を鋳型(テンプレート)とし、当該配列に特異的に結合するオリゴヌクレオチドプライマー(セット)を用いてPCRにより行うことが好ましい。使用するプライマーは、上記のように特異的に結合(ハイブリダイズ)し得るものである限り、その塩基配列(塩基組成及び塩基数等)は特に限定はされず、適宜設計することができる。
本工程で使用し得るプライマーとしては、例えば、「メチル化DNA」及び「非メチル化DNAを修飾試薬(工程(a))で処理した核酸」を実質的に同一の増幅効率で共に増幅し得るプライマーが好ましい。ここで、「非メチル化DNAを修飾試薬(工程(a))で処理した核酸」とは、非メチル化シトシンが修飾試薬(工程(a))により修飾された塩基含む核酸のことである。上記プライマーは、具体的には、上記メチル化DNA、及び、非メチル化DNAを修飾試薬で処理した核酸より外側の共通の核酸配列に対して結合し得るように設計することが好ましい。但し、適する共通配列が物理的に無い場合においては、両鋳型間で異なる(共通ではない)塩基に対応するプライマーの塩基としてイノシンを用いるか、又は塩基でないものを用いて設計したプライマーを使用することもできる。このようなプライマーセットを用いた場合、上記メチル化DNAに基づく増幅断片、及び、非メチル化DNAを修飾試薬で処理した核酸に基づく増幅断片をいずれも同一工程で得ることができ、また、両増幅断片を実質的に同じ増幅効率で得ることができるため、テンプレートと同じ存在割合で両増幅断片を得ることができる。
さらに本工程では、上記のプライマーセットを、異なる2種以上併用することもでき、例えば、各種遺伝子のプロモーター領域をそれぞれ特異的に増幅し得るプライマーセットを併用することができる。特に、好ましい一態様として、各種癌抑制遺伝子のプロモーター領域をそれぞれ同一のPCR系で増幅し、後述するDNAマイクロアレイによって全ての増幅断片を同時に検出することが挙げられる。なお、個々のプライマーセットに応じて、メチル化DNAに基づく断片と、非メチル化DNAを修飾試薬(工程(a))で処理した核酸に基づく断片との両断片が増幅され得る。
その他に使用し得るプライマーとしては、例えば、メチル化DNAと非メチル化DNAを識別し得るプライマーが挙げられる。すなわち、メチル化DNAには特異的に結合するが、非メチル化DNAを修飾試薬(工程(a))で処理した核酸には結合しないプライマーや、逆に、非メチル化DNAを修飾試薬(工程(a))で処理した核酸には特異的に結合するが、メチル化DNAには結合しないプライマーを用いることができる。このようなプライマーを用いた場合、当該プライマーが結合し得るテンプレートに基づく増幅断片のみが得られる。
本発明では、後述するように、得られた増幅断片をDNAマイクロアレイを用いて検出するため、当該検出が可能なように、使用するプライマーセットは、少なくとも一方のプライマーが蛍光標識等で標識化されたものであることが好ましい。標識化はプライマーの5’末端等に行うことができる。蛍光標識としては、例えば、各種レポーター色素(例えば、Cy5、Cy3、VIC、FAM、HEX、TET、フルオレセイン、FITC、TAMRA、Texas red、Yakima Yellow等)を用いることができる。
また、本工程で使用し得るプライマーセットは、例えば、当該セットのうちの一方のプライマーが、5’末端がリン酸化されたものであることが好ましい。本発明では、後述するように(工程(c))、増幅断片(二本鎖DNA)の一方の鎖を分解等して一本鎖DNA断片とすることが重要であるが、このように5’末端がリン酸化されたプライマーを用いれば、増幅断片のうち当該プライマーにより増幅されたDNA鎖は、5’末端からλエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素により容易に分解され得る。
同様に、本工程では、当該セットのうちの一方のプライマーが、5’末端がビオチン化されているプライマーセットを使用することも好ましい。本発明では、後述するように(工程(c))、増幅断片(二本鎖DNA)の一方の鎖を除去等して一本鎖DNA断片とすることが重要であるが、このように5’末端がビオチン化されているプライマーを用いれば、例えば表面にストレプトアビジンが固定化されたビーズと、一本鎖どうしに解離させた増幅断片(二本鎖DNA)とを接触させることにより、上記ビーズにビオチン化プライマーで増幅された断片のみを固定化でき、その後、アルカリ変性して遠心し、上清を得ることにより、容易に一方の鎖を除去することができる。
PCRによる核酸増幅においては、DNAポリメラーゼ、プライマー、dNTP、バッファ及びテンプレート等を含む反応液組成や、熱変性、アニーリング、伸長等の温度及び時間といった反応条件は、特に限定はされず、適宜設定することができる。なお、上記反応液組成や反応条件は、必要に応じ、テンプレート及びプライマーの種類等を勘案して設定することもできる。例えば、PCRのサイクル数については、20〜50サイクルとすることが好ましく、PCRのサイクル数が上記範囲内であれば、核酸の定量性がより一層向上し、非特異的PCR産物の増幅を抑制できる等の効果を得ることができる。また、プライマーセットの濃度については、例えば、0.05〜0.5μMとすることが好ましく、特にマルチプレックスでPCR(Multiplex PCR)を行うときはこの範囲内でより低濃度とするのが好ましい。プライマーセットの濃度が上記範囲内であれば、最適な増幅効率で核酸を増幅させることができるため、核酸の定量性がより一層向上する等の効果を得ることができる。さらに、テンプレートとなる核酸の濃度については、例えば、0.01〜50ng/μlとすることが好ましい。

(3) 工程(c)について
本工程では、工程(b)における増幅で得られた二本鎖DNA断片の一方の鎖を分解及び/又は除去して一本鎖DNA断片とする。
本工程において、増幅断片の一方の鎖を分解する方法としては、限定はされないが、例えば、λエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素を用いて分解する方法が好ましい。当該酵素を用いて分解する場合は、前述したように、工程(b)において使用するプライマーセットのうちの一方のプライマーとして、5’末端がリン酸化されたものを用いることが必要となる。酵素反応時においては、増幅断片、バッファ及び酵素等を含む反応液組成や、反応温度、反応時間及び酵素不活性化条件等の反応条件は、特に限定はされず、例えば、シークエンスのテンプレートを作製する場合に用いられる方法等の常法に従い、適宜設定することができる。上記酵素を用いる分解においては、例えば、Strandaseキット(NovaGen社製)等の各種キットを用いて行うことができる。なお、本工程においては、上述のように分解した一方の鎖は、後述するハイブリダイゼーション反応の前に除去しておいてもよいし除去しておかなくてもよく、限定はされないが、除去しておくことが好ましい。この分解物の除去方法としては、例えば、カラムによる精製やフィルターによるカットオフ等が挙げられる。
また、本工程において、増幅断片の一方の鎖を除去する方法としては、限定はされないが、例えば、ビーズを用いて分離することにより除去する方法が好ましい。当該ビーズとしては、その表面にストレプトアビジンが固定化されているものを使用することができるが、この場合、工程(b)において使用するプライマーセットのうちの一方のプライマーとして、5’末端がビオチン標識されたものを用いることが必要となる。ビーズへのビオチン化断片の固定化、アルカリ変性処理及び遠心分離処理等に関しては、増幅断片、ビーズ及びバッファ等の反応液組成や、温度、時間等の反応条件は、特に限定はされず、常法に従い、適宜設定することができる。上記ビーズを用いる除去においては、例えば、ダイナビーズ M-280 ストレプトアビジン(DYNAL社製)、MagnaBindTM Streptavidin Beads(PIERCE社)、MagacellTM Streptavidin(ナカライテスク株式会社)等を用いて行うことができる。
なお、本発明においては、上記分解及び/又は除去後に得られる一本鎖DNA断片(プローブに結合し得る断片)は、後述するDNAマイクロアレイによる検出が可能となるよう、蛍光標識等の標識化がなされている必要がある。従って、この一本鎖DNA断片の増幅に使用されるプライマーには蛍光標識等の標識化がなされていることが必要となる。

(4) 工程(d)について
本工程では、工程(c)で得られた一本鎖DNA断片を、当該断片とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプローブ(キャプチャープローブ)が搭載されたDNAマイクロアレイに接触させる。
上記接触とは、具体的には、DNA断片を含むハイブリダイゼーション溶液を調製し、当該溶液中のDNA断片をDNAマイクロアレイに搭載されたオリゴヌクレオチドプローブに結合(ハイブリダイズ)させることを言う。
工程(c)で得られた一本鎖DNA断片を用いたハイブリダイゼーション溶液は、SDSやSSC等の緩衝液を用いて、常法に従い、適宜調製することができる。
本工程に用い得るDNAマイクロアレイは、支持体上に、工程(c)で得られた各種一本鎖DNA断片とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプローブがそれぞれ固定されたものであれば、限定はされない。例えば、前述したように、メチル化DNAに基づく増幅断片と、非メチル化DNAを修飾試薬(工程(a))で処理した核酸に基づく断片とが増幅される場合は、両増幅断片に由来する各々の一本鎖DNA断片とハイブリダイズし得るプローブをそれぞれ支持体に固定しておくことにより、すべての断片を同時に検出することができる。
本工程に用い得るDNAマイクロアレイについて、その支持体の形態は、限定はされず、平板、棒状、ビーズ等のいずれの形態のものも使用できる。支持体として、平板を使用する場合は、その平板上に、所定の間隔もって、所定のプローブを種類毎に固定することができる(スポッティング法等;Science 270, 467-470 (1995)等参照)。また、平板上の特定の位置で、所定のプローブを種類毎に逐次合成していくこともできる(フォトリソグラフィー法等;Science 251, 767-773 (1991)等参照)。他の好ましい支持体の形態としては、中空繊維を使用するものが挙げられる。支持体として中空繊維を使用する場合は、所定のプローブを種類毎に各中空繊維に固定し、すべての中空繊維を集束させ固定した後、繊維の長手方向で切断を繰り返すことにより得られるマイクロアレイ(以下「繊維型マイクロアレイ」と言う)が好ましく例示できる。このマクロアレイは、貫通孔基板に核酸を固定化したタイプのものと説明することもでき、いわゆる「貫通孔型マイクロアレイ」とも言われる(特許第3510882号公報等参照)。
支持体へのプローブの固定方法は、限定はされず、どのような結合様式でもよい。また、支持体に直接固定することに限定はされず、例えば、予め支持体をポリリジン等のポリマーでコーティング処理し、処理後の支持体にプローブを固定することもできる。さらに、支持体として中空繊維等の管状体を使用する場合は、管状体にゲル状物を保持させ、そのゲル状物にプローブを固定することもできる。
以下、繊維型マイクロアレイに関して詳細に説明する。このマイクロアレイは、例えば、下記(i)〜(iv)の工程を経て作製することができる。
(i) 複数本の中空繊維を、中空繊維の長手方向が同一方向となるように3次元に配列して配列体を製造する工程
(ii) 前記配列体を包埋し、ブロック体を製造する工程
(iii) オリゴヌクレオチドプローブを含むゲル前駆体重合性溶液を前記ブロック体の各中空繊維の中空部に導入して重合反応を行い、プローブを含むゲル状物を中空部に保持させる工程
(iv) 中空繊維の長手方向と交差する方向で切断して、ブロック体を薄片化する工程
中空繊維に使用される材料としては、限定はされないが、例えば、特開2004-163211号公報等に記載の材料が好ましく挙げられる。
中空繊維は、その長手方向の長さが同一となるように3次元に配列される(工程(i))。配列方法としては、例えば、粘着シート等のシート状物に複数本の中空繊維を所定の間隔をもって平行に配置し、シート状とした後、このシートを螺旋状に巻き取る方法(特開平11-108928号公報参照)や、複数の孔が所定の間隔をもって設けられた多孔板2枚を孔部が一致するように重ね合わせ、それらの孔部に中空繊維を通過させ、その後2枚の多孔板の間隔を開いて仮固定し、2枚の多孔板間における中空繊維の周辺に硬化性樹脂原料を充満させて硬化させる方法(特開2001-133453号公報参照)などが挙げられる。
製造された配列体はその配列が乱れないように包埋される(工程(ii))。包埋の方法としては、ポリウレタン樹脂及びエポキシ樹脂等を繊維間の隙間に流し込む方法のほか、繊維どうしを熱融着により接着する方法等が好ましく挙げられる。
包埋された配列体には、各中空繊維の中空部に、オリゴヌクレオチドプローブを含むゲル前駆体重合性溶液(ゲル形成溶液)を充填し、中空部内で重合反応を行う(工程(iii))。これにより、各中空繊維の中空部に、プローブが固定されたゲル状物を保持させることができる。
ゲル前駆体重合性溶液とは、ゲル形成重合性モノマー等の反応性物質を含有する溶液であって、該モノマー等を重合、架橋させることにより該溶液がゲル状物となることが可能な溶液をいう。そのようなモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ビニルピロリドン、メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。この場合、溶液には重合開始剤等が含まれていてもよい。
中空繊維内にプローブを固定した後、中空繊維の長手方向と交差する方向(好ましくは直交する方向)で、ブロック体を切断して薄片化する(工程(iv))。このようにして得られた薄片は、DNAマイクロアレイとして使用できる。当該アレイの厚みは、0.01mm〜1mm程度であることが好ましい。ブロック体の切断は、例えば、ミクロトーム及びレーザー等により行うことができる。
上述した繊維型マイクロアレイとしては、例えば、三菱レイヨン社製DNAチップ(GenopalTM)等が好ましく挙げられる。
本工程において、ハイブリダイゼーション溶液とDNAマイクロアレイとの接触、すなわちハイブリダイゼーション反応は、上記溶液中のDNA断片が上記アレイに搭載されたプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るよう、反応条件(緩衝液の種類、pH、温度等)を適宜設定して行うことができる。
なお、「ストリンジェントな条件」とは、ハイブリダイズさせた後のDNAマイクロアレイの洗浄条件を意味し、例えば、塩(ナトリウム)濃度が48〜780mMであり、温度が37〜80℃であることが好ましく、より好ましくは塩濃度が97.5〜390mMであり、温度が50〜75℃である条件を言う。
洗浄後は、プローブに結合したDNA断片の標識を検出できる装置により、各スポットごとに検出強度を測定する。蛍光標識化されたDNA断片を結合させた場合は、各種蛍光検出装置(例えば、三菱レイヨン社製の冷却CCD式蛍光検出装置など)を使用して蛍光強度を測定することができる。
検出後は、例えば以下の処理により、メチル化率(メチレーションレベル)を算出してメチル化DNAの存在割合を評価することができる。すなわち、まず下記式(I):
M/(M+U) (I)により、「メチル化DNA用プローブのスポットにおける蛍光強度(M)」と「非メチル化DNA用プローブのスポットにおける蛍光強度(U)」との和に対する「上記蛍光強度(M)」の比の値を求め、予め作成しておいた検量線からメチル化率を求めることができる(詳しくは実施例参照)。なお、この評価方法が採用できるのは、工程(b)におけるプライマーセットとして、非メチル化DNAを修飾試薬(工程(a))で処理した核酸と、メチル化DNAとを共に増幅し得るプライマーを用いた場合である。

(5) 本発明の検出方法の用途
本発明の検出方法は、例えば、腫瘍の良悪性の判定方法に好ましく利用できる。詳しくは、本発明の検出方法により得られた検出結果から、腫瘍組織及び正常組織に由来するそれぞれの染色体DNAについてメチル化の割合を比較することにより、腫瘍の良性又は悪性を判定することができる。
具体的には、腫瘍組織由来の染色体DNAサンプルと、正常組織由来の染色体DNAサンプルのそれぞれに関して、同じ核酸領域を検出対象として、本発明の検出方法(工程(a)〜(d))を実施する。ここで、当該核酸領域としては、癌抑制遺伝子のプロモーターが好ましく、より好ましくは、前記「(2) 工程(b)」で列挙した各種癌抑制遺伝子のプロモーターである。癌抑制遺伝子のプロモーターにおけるCpGアイランドのメチル化が、当該遺伝子の不活性化(遺伝子サイレンシング)の機構として突然変異や染色体欠失と同等の役割を果たすからである。なお、当該プロモーターが、CpG配列のシトシンにおいてメチル化されているものであっても非メチル化のものであっても工程(b)において増幅され得るよう、使用するプライマーセットとしては、非メチル化DNAを修飾試薬(工程(a))で処理した核酸と、メチル化DNAとを共に増幅し得るプライマーを用いる。検出対象とする癌抑制遺伝子のプロモーターについては、2種以上選択することもでき、それぞれのプロモーター領域に対応するプライマーセットを併用することで、同時に検出することができる。
次いで、検出結果と前述した式(I)から、腫瘍組織由来の染色体DNA及び正常組織由来の染色体DNAにおけるメチル化率(すなわち、検出対象とする癌抑制遺伝子のプロモーターがメチル化されているものの割合)をそれぞれ比較して、腫瘍の存在、ひいては腫瘍の良性又は悪性を判定する。この際、腫瘍組織でのメチル化率が正常組織でのメチル化率に対してどの程度高ければ悪性であるかという判定基準を、予め多数の臨床データに基づいて設定しておけば、その基準値との比較により、容易に腫瘍の存在及び腫瘍の良性又は悪性を判定することができる。
また、複数の癌抑制遺伝子のプロモーターについて、腫瘍組織及び正常組織でのメチル化率の臨床データを分析することにより、どのような腫瘍においてどのような癌抑制遺伝子のプロモーターがメチル化の影響を受けやすいか、予め把握することができる。この知見を利用すれば、腫瘍の種類に応じて、それが良性か悪性かをより高い信頼性をもって判定することができる。
判定対象とする腫瘍としては、限定はされず、例えば、胃癌、肺癌、頭頚部癌、食道癌、乳癌、肝癌、大腸癌、前立腺癌、メラノーマ、脳腫瘍、リンパ腫等が挙げられる。
さらに、本発明は、腫瘍の性質の判定方法、腫瘍の発生リスクの判定方法も含むものである。腫瘍の性質の判定方法は、DNAメチル化異常が腫瘍細胞の性質に関連することがあることを利用したものである。詳しくは、ある癌抑制遺伝子のプロモーターがメチル化されている場合、特定の腫瘍については薬剤反応性が良く予後が良いなどといった、メチル化DNAの領域と腫瘍細胞の性質とを関連づけた知見が利用される。腫瘍の発生リスクの判定方法は、正常組織に蓄積したDNAメチル化異常を利用したものであり、現時点では正常組織であっても今後腫瘍組織になる可能性があるものを判定する方法である。詳しくは、ある組織の正常細胞について特定の癌抑制遺伝子のプロモーターが高頻度にメチル化されている場合、将来腫瘍となるリスクが高いと判定できる。

3.メチル化DNA及び/又は非メチル化DNAの検出用キット
本発明のキットは、下記(a)〜(d)の構成成分を含むことを特徴とするものである。なお、各構成成分の詳細については、前述した説明が同様に適用できる。
(a) 非メチル化シトシンを修飾する試薬
(b) メチル化シトシンを含むDNA及び前記修飾された塩基を含む核酸を共に増幅し得るプライマーセットであって、一方のプライマーは5’末端がリン酸化されたものである当該セット
(c) λエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素
(d) 前記(b)のプライマーセットを用いて増幅された二本鎖DNA断片を前記(c)の酵素で処理して得られる一本鎖DNA断片とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプローブが搭載されたDNAマイクロアレイ
本発明のキットは、前述した本発明の検出方法、腫瘍の良悪性の判定方法、腫瘍の性質の判定方法、腫瘍の発生リスクの判定方法のいずれにも有効に用いることができる。
本発明のキットは、上記各構成成分以外に他の構成成分を含んでいてもよい。他の構成成分としては、例えば、DNAポリメラーゼ、各種バッファ、滅菌水、エッペンドルフチューブ、フェノールクロロホルム、クロロホルム、エタノール、核酸共沈剤、実験操作マニュアル(説明書)等のほか、必要に応じ、各種PCR等実験機器等も挙げることができる。

以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.DNAマイクロアレイの製造
貫通孔型のDNAマイクロアレイを、以下の手順で製造した。
(1) プローブの調製
DNAマイクロアレイに搭載するオリゴヌクレオチドプローブ(キャプチャープローブ)として、下記配列番号1〜8に示す配列情報をもつ5'末端ビニル化核酸分子を用いた。これら核酸分子の調製方法を以下に示す。
まず、末端アミノ化核酸(5'-O-アミノヘキシル-核酸)を合成するために、アミダイト試薬を用いてDNA自動合成装置により、下記配列番号1〜8に示す塩基配列のオリゴヌクレオチドをそれぞれ合成した。その後、最終段階で、アミノリンクTM(PEバイオシステムズ社製)を各オリゴヌクレオチドに反応させ、次いで脱保護操作を行うことにより調製した。なお、下記の各プローブ名(例えば「p16-M」等)は、「癌抑制遺伝子名−〔メチル化DNA用プローブ(M)又は非メチル化DNA用プローブ(U)〕」の形式で表されている。
「p16-M」
5'-GCCGCCCGCTACCTACTCTACCCCTCTCCGCAACCGCCGAACGCACTCGATCCG-3'(配列番号1)
「p16-U」
5'-ACCACCCACTACCTACTCTACCCCTATCCACAACCACCAAACACACTCAATCCA-3'(配列番号2)
「LOX-M」
5'-GCCAAACGCCCGAAACCGCCGACGACTCGCGCGAAAACTACTATTAACCGACGACG-3'(配列番号3)
「LOX-U」
5'-ACCAAACACCCAAAACCACCAACAACTCACACAAAAACTACTATTAACCAACAACA-3'(配列番号4)
「RUNX3-M」
5'-GCCCCAACGTCAAAAAACTACGACCCGAAAAAAAACGACAAAAACGCCTTCCGTAAAACCCGAACG-3'(配列番号5)
「RUNX3-U」
5'-ACCCCAACATCAAAAAACTACAACCCAAAAAAAAACAACAAAAACACCTTCCATAAAACCCAAACA-3'(配列番号6)
「TIG1-M」
5'-GCTCCGAACCCGTATCTATCGAATACCGAACCAACTTTCCTACGTCCATACAACCCCGCCGACAACG-3'(配列番号7)
「TIG1-U」
5'-ACTCCAAACCCATATCTATCAAATACCAAACCAACTTTCCTACATCCATACAACCCCACCAACAACA-3'(配列番号8)
(2) 中空繊維束(中空繊維配列体)の製造
図1に示す配列固定器具を利用して中空繊維束(中空繊維配列体)を製造した。なお、図1中のx、y、zは互いに直交する3次元軸であり、x軸は上記中空繊維の長手方向と一致する。
まず、孔の中心間距離を0.42mmとして直径0.32mmの孔が縦横各12列で合計144個設けられた、厚さ0.1mmの多孔板21を2枚準備した。これらの多孔板21を重ね合わせて、そのすべての孔に、ポリカーボネート中空繊維31(三菱エンジニアリングプラスチック社製、カーボンブラック1質量%含有)を1本ずつ通過させた。
x軸方向に各中空繊維31に0.1Nの張力をかけた状態で2枚の多孔板21の位置を移動させて、中空繊維31の一方の端部から20mmの位置と100mmの位置の2ヶ所に上記多孔板21を固定した。即ち、2枚の多孔板21の間隔を80mmとした。
次いで、上記多孔板間の空間の周囲3面を板状物41で囲った。このようにして上部のみが開口状態にある容器を得た。
得られた容器の上部から樹脂原料を流し込んだ。樹脂原料としては、ポリウレタン樹脂接着剤(日本ポリウレタン工業(株)製、ニッポラン4276,コロネート4403)の総重量に対し、2.5質量%のカーボンブラックを添加したものを使用した。樹脂原料を流し込んだ後、容器を25℃で1週間静置して樹脂を硬化させた。硬化後、容器から多孔板21と板状物41を取り除いて、中空繊維束を得た。得られた中空繊維束の繊維端のうち、一方は封止し、もう一方は開放状態にしておいた。
(3) ゲル充填中空繊維配列体の製造
次に、下記表1に示す配合割合(プローブに関しては濃度)で混合した単量体及び開始剤を含むゲル前駆体重合性溶液を調製した。当該溶液は、先に調製したプローブの種類ごとに調製した。
調製した各種ゲル前駆体重合性溶液を、384マイクロタイタープレートの所定のウェルに、表2に示した通りに、80μLずつ分注した。なお、表2中の「B」は何も分注していないブランクのウェルを意味する。
次に、上記分注後の384プレート及び中空繊維束をデシケーター内に配置し、デシケーター内を減圧状態にした後、中空繊維束の繊維束が固定されていない一方の端部を、384プレートに分注した溶液中に浸漬した。その後、デシケーター内に窒素ガスを封入して減圧状態を解き、中空繊維の中空部に、プローブを含むゲル前駆体重合性溶液を導入させた。次いで、容器内を70℃とし、3時間かけて重合反応を行った。
このようにして、プローブがゲル状物を介して中空繊維の中空部に保持された中空繊維束(ゲル充填中空繊維配列体)を得た。
(4) 薄片化
上記(3)で得られた中空繊維束を、ミクロトームを用いて繊維の長手方向と直交する方向に厚さ0.25mmで200枚スライスし、得られた薄片シートをDNAマイクロアレイとした。
2.メチル化DNA及び非メチル化DNAの検出
(1) 被験試料の調製
合計26名の患者(男性及び女性)から、胃の上皮の腫瘍組織及び正常組織をそれぞれ採取した。採取した組織サンプルは、実験に用いるまで-80℃で保存しておいた。DNAの抽出はSepaGene(三光純薬社製)を用いて行い、被験試料とした。
また別途、検量線を作成するためのコントロール試料として、完全にメチル化されたDNA「CpGenomeTM Universal Methylated DNA (CHEMICON #S7821)」、及び完全な非メチル化DNA「CpGenomeTM Universal Unmethylated DNA set(CHEMICON #S7822)のVialA」を用いた。具体的には、下記のようにメチル化率の設定が異なる以下の(i)〜(v)の配合サンプルを調製して使用した。
非メチル化DNA メチル化DNA メチル化率
(i) 1.0μg 0μg 0%
(ii) 0.75μg 0.25μg 25%
(iii) 0.5μg 0.5μg 50%
(vi) 0.25μg 0.75μg 75%
(v) 0μg 1.0μg 100%
(2) 重亜硫酸塩(bisulfite)処理
被験試料のゲノムDNA(染色体DNA)におけるメチル化されていないシトシンを全てウラシルに変換するため、CpGenomeTM DNA Modification Kit(CHEMICON#S7820)を用いてbisulfite処理を行った。
具体的には、まず、被験試料のゲノムDNAを1μg/100μlの濃度に調整し、この溶液に3M NaOHを7μl入れ、よく混合した後、50℃で10分間インキュベートした。
次に、CpGenomeTM DNA Modification Kitに付属のReagent Iを秤量し、「Reagent Iの重量(g)÷0.227×0.571ml」分の滅菌水を加えて完全に溶解させた。
上記溶液に、〔20×(Reagent Iの重量(g)÷0.227)〕μlの3M NaOHを加えてよく混ぜ、pHを約5に調整した。
インキュベート後のゲノムDNA溶液に、pHを約5に調整したReagent I溶液を550μl加えてよく混合した。混合後、50℃で16時間インキュベートした。
インキュベートしている間に、以下の溶液を準備した。
・20mM NaOH/90% EtOH溶液:
900μlの98%エタノールに、93.4μlの滅菌水と6.6μlの3M NaOHを加えて混合した。
・CpGenomeTM DNA Modification Kitに付属のReagent II溶液:
20mlの滅菌水に1μlのβ-メルカプトエタノールを加えて混合した(1液とする)。
CpGenomeTM DNA Modification Kitに付属のReagent II試薬を秤量し、「Reagent IIの重量(g)÷1.35×750μl」分の1液を加えて完全に溶解させた。
16時間後、よく懸濁させたCpGenomeTM DNA Modification Kitに付属のReagent IIIから10μlをとり、インキュベートしていたゲノムDNA溶液に混合した。次いで、750μlのReagent II溶液をさらに加えてボルテックスし、遮光して室温で5分間放置した。
その後、遠心機で16000rpm、1分間遠心した後、沈殿を崩さないように完全に上清を除いた。
1mlの70%エタノールを入れて懸濁させた後、遠心機で16000rpm、1分間遠心し沈殿を崩さないように完全に上清を除いた。この操作をあと2回繰り返した。
50μlの20mM NaOH/90% EtOH溶液を入れ、チューブをはじいてよく混合した後、スピンダウンし、5分間室温で放置した。
その後、90%エタノールを1ml加えて、ボルテックスし、再度遠心した。遠心後、上清のエタノールを完全に取り除いた。この操作をあと1回繰り返した。
上清のエタノールを完全に取り除いた後、パラフィルムで蓋をし、針で穴を開け、10分間ほど放置して乾燥させた。
乾燥した沈殿に、buffer TE(10mM Tris-HCl,1mM EDTA,pH7.0)を25μl加え、チューブをはじいてよく混合した。
スピンダウン後、50℃で15分間インキュベートした。滅菌済みウルトラフリーMC 0.22μm(ミリポア社、型番:UFC3 0GV 0S)に白濁液を全量入れ、最高速度で2分間遠心した。このようにして、約25μlのbisulfite処理済DNA溶液を得た。
(3) Multiplex PCR
以下の(i)〜(viii)のPCRプライマー(Bex社;配列番号9〜16)を購入した。奇数番号のプライマー「(i),(iii),(v),(vii)」は5'末端がcy5で蛍光標識化されており、偶数番号のプライマー「(ii),(iv),(vi),(viii)」は5'末端がリン酸化(P)されている。すべて20μMの溶液となるように調製した。なお、(iv),(vi),(vii),(viii)のプライマーは、配列中にイノシン(I)を含む。
(i) cy5-LOX-F:
cy5-GGTTAATTTGGTAAAAGGAGTGATG(配列番号9)
(ii) LOX-R-p:
P-TTATTCTCCCATTAAATCTACTAAC(配列番号10)
(iii) cy5-P16-F:
cy5-AGAAAGAGGAGGGGTTGGTTGGTTATTAGA(配列番号11)
(iv) p16-IR-p:
P-CAACCAATCAACCIAAAACTCCATACTACT(配列番号12)
(v) cy5-RUNX3-F:
cy5-GGGTAAATGTTAGAAATTTGTTTAGAA(配列番号13)
(vi) RUNX3-IR-p:
P-TTACAAAAATCACAAACCCIAAACAACAAAAACT(配列番号14)
(vii) cy5-TIG1-IF:
cy5-TGGGTTIGGATTAGGGAGTAGGTAG(配列番号15)
(viii) TIG1-IR-p:
P-AAAAACCCACCACIACCTTATTTCC(配列番号16)
各プライマーを以下の配合で混合し、マルチプレックス用プライマーmixを調製した。
プライマー(i)〜(viii) 各50μl (計400μl)
滅菌水 600μl
合計 1000μl
Multiplex PCRは、QIGEN Multiplex PCR kit(QIGEN社)を用い、GeneAmp9700(アプライドバイオシステムズ社、50μl,maxモード)により、以下の反応液組成及び反応条件で行った。
<反応液組成>
テンプレート(bisulfite処理済ゲノムDNA) 2.5μl
マルチプレックス用プライマーmix 10μl
マルチプレックスマスターMix 25μl
滅菌水 12.5μl
合計 50μl
<反応条件>
以下に概略を示すが、特に、サイクル条件については、解離:94℃(30sec)→アニーリング:55℃(1min)→合成:72℃(30sec)を1サイクルとして計10サイクル行い、続いて、解離:94℃(30sec)→アニーリング:60℃(1min)→合成:72℃(30sec)を1サイクルとして40サイクル行い、計50サイクル行った。
上記PCR後、QIAGEN MinElute PCR purification Kit(QIGEN社)を用いて、以下の手順(a)〜(h)によりPCR産物を精製した。
(a) 50μlのPCR反応液にbuffer PBを300μl入れ、混合後カラムにのせた。
(b) 15000rpmで1分間遠心後、溶出液を捨て再度カラムを受けのチューブに挿入した。
(c) カラムにbuffer PEを750μl入れ、15000rpmで1分間遠心した。
(d) 溶出液を捨て、再度カラムを受けのチューブに挿入した。
(e) カラムに何も入れずに15000rpmで1分間遠心してbuffer PEをよく除いた。
(f) カラムを滅菌済みの新規な1.5mlチューブに差込み、カラムに滅菌水を10μl入れた。
(g) 1分間室温で放置した。
(h) 15000rpmで1分間遠心し、約9.5μlの溶出液を得た。
(4) PCR産物の一本鎖化
精製して得られたPCR産物(二本鎖DNA断片)を、Strandaseキット(NovaGen社)を使用して一本鎖DNA断片とした。具体的には、下記の反応液組成で、37℃で20分間インキュベートして酵素処理を行い、その後75℃で10分間加熱して酵素を不活性化させた。
PCR産物(M又はU) 9.3μl
10×buffer 2μl
Strandase 4μl
滅菌水 4.7μl
合計 20μl
上記酵素処理後の反応液を、QIAGEN PCR MinElute purification kit(QIAGEN社)を用いてカラム精製し、10μl、1回で溶出した。以下に具体的な手順(a)〜(h)を説明する。
(a) 20μlの反応液にbuffer PBを300μl入れ、混合後カラムにのせた。
(b) 15000rpmで1分間遠心後、溶出液を捨て再度カラムを受けのチューブに挿入した。
(c) カラムにbuffer PEを750μl入れ、15000rpmで1分間遠心した。
(d) 溶出液を捨て、再度カラムを受けのチューブに挿入した。
(e) カラムに何も入れずに15000rpmで1分間遠心してbuffer PEをよく除いた。
(f) カラムを滅菌済みの新規な1.5mlチューブに差込み、カラムに滅菌水を10μl入れた。
(g) 1分間室温で放置した。
(h) 15000rpmで1分間遠心し、約9.5μlの溶出液を得た。
得られた溶出液から2μlとって、分光光度計(GeneSpec III、日立計測器サービス)で260nmの吸光度を測定し、核酸濃度を算出した。その後、得られた溶出液に、滅菌水を適量加えて5ng/μlとなるように希釈した。
(5) ハイブリダイゼーション
以下のように各溶液を混合し、ハイブリダイゼーション溶液を調製した。
一本鎖DNA断片(5ng/μl) 16μl
20×SSC 5μl
20%SDS 1μl
滅菌水 78μl
合計 100μl
100μlのハイブリダイゼーション溶液を、前記1.で製造したDNAマイクロアレイに接触させ(アプライし)、65℃で16時間ハイブリダイゼーション反応を行った。
(6) 洗浄
ハイブリダイゼーション反応後、以下の手順(a)〜(d)でDNAマイクロアレイを洗浄した。
(a) 滅菌済みの遠心管に0.5×SSCを10ml入れ、これを2本用意した。
(b) 1本は70℃に保温し、もう1本は室温に置いた。
(c) 保温した洗浄液が70℃に温まったところで、チャンバーからDNAマイクロアレイを取り出して60分間浸漬した。
(d) その後、70℃の洗浄液から室温の洗浄液にDNAマイクロアレイを移した。
(7) 検出
上記洗浄後、三菱レイヨン社製の冷却CCD式蛍光検出装置(型番:0060304)を用い、下記検出条件で、各スポットの蛍光シグナルを測定した。
<検出条件>
中心励起波長 :630nm
蛍光フィルター:Cy5フィルター
露光時間 :200 msec
(8) メチル化率
被験試料の検出結果に基づき、下記式(I)により、「メチル化DNA用プローブのスポットにおける蛍光強度(M)」と「非メチル化DNA用プローブのスポットにおける蛍光強度(U)」との和に対する「上記蛍光強度(M)」の比の値を算出した。その結果を下記表4に示す。
M/(M+U) (I)
ここで、前述したコントロール試料について、各メチル化率のサンプルごとに、被験試料と同様の操作を3回ずつ行い、得られた検出結果に基づいて検量線を作成した(図2参照)。検量線から、以下のような関係式(メチル化率の算出式)を導いた。
p16: メチル化率(%)=97.528×[M/(M+U)] (R2=0.9465)
LOX: メチル化率(%)=107.99×[M/(M+U)] (R2=0.9687)
RUNX3: メチル化率(%)=94.018×[M/(M+U)] (R2=0.9522)
TIG1: メチル化率(%)=101.28×[M/(M+U)] (R2=0.9707)
表4に示した各値を上記関係式に代入してメチル化率(%)を算出し、また、算出したメチル化率に応じて、更に5段階に分けて評価した。具体的には、レベル1:20%未満;レベル2:20%以上、40%未満;レベル3:40%以上、60%未満;レベル4:60%以上、80%未満;レベル5:80%以上に分けて評価した。その結果を下記表5に示す。
1.メチル化DNA及び非メチル化DNAに相当するモデル核酸の調製
以下の2種の二本鎖DNAを合成した。すなわち、メチル化DNAのモデル核酸として、TIG1のプロモーター領域の塩基配列を含むDNAを合成し、非メチル化DNAをbisulfite処理した核酸のモデル核酸として、メチル化DNAのモデル核酸のうちシトシン(C)がチミン(T)に変換されたDNAを合成した。なお、PCRの鋳型としてはウラシル(U)とチミン(T)は同等である。但し、後者のDNAにおいてCがTに変換されているのは、センス鎖に相当する方の鎖である。
具体的には、まず次の4種のオリゴヌクレオチドを合成した。合成したオリゴヌクレオチドはいずれも滅菌水に溶解させて100mMとした。
TIG1-Mcon1
5'-TGGGTTCGGATTAGGGAGTAGGTAGTCGTTGTCGGCGGGGTTGTATGGACGTAGGAAAGTTGGTTCGGTATTCGATAGATACGGG-3' (配列番号17)
TIG1-Mcon2
5'-AAAAACCCACCACGACCTTATTTCCGCGAACGCCGACACTACCCGCTCCGAACCCGTATCTATCGAATACCGAACCAACTTTCCT-3'(配列番号18)
TIG1-Ucon1
5'-TGGGTTTGGATTAGGGAGTAGGTAGTTGTTGTTGGTGGGGTTGTATGGATGTAGGAAAGTTGGTTTGGTATTTGATAGATATGGG-3'(配列番号19)
TIG1-Ucon2
5'-AAAAACCCACCACAACCTTATTTCCACAAACACCAACACTACCCACTCCAAACCCATATCTATCAAATACCAAACCAACTTTCCT-3'(配列番号20)
以下の反応液組成で混合後、94℃で2分間加熱し、室温で30分間放置して冷却することにより、TIG1-Mcon1とTIG1-Mcon2、及び、TIG1-Ucon1とTIG1-Ucon2を、図3に示すようにアニールさせた。
TIG1-Mcon1(又はTIG1-Ucon1) 5μl
TIG1-Mcon2(又はTIG1-Ucon2) 5μl
Second Strand Buffer 30μl
(インビトロジェン社)
滅菌水 103μl
合計 143μl
上記反応後の溶液を氷上に置き、以下の反応液組成で、混合後16℃で2時間インキュベートした。その後、反応系にT4 polymerase(インビトロジェン社)を2μl添加し、さらに16℃で15分間インキュベートすることにより、アニール部分の両側の一本鎖DNAについて相補鎖を合成し、2種の二本鎖DNA(「M」又は「U」と称する)を合成した。
インキュベート後の溶液(2種)を、それぞれQIAGEN PCR精製キット(QIAGEN社)でカラム精製し、100μl、1回で溶出した。この100μlのうち1μlをPCR用テンプレートとし、下記プライマーを用いて、以下の反応液組成及び反応条件で、上記2種の二本鎖DNAを増幅した。なお、当該PCRは、QIGEN HotStarTaq PCR kit(QIGEN社)を用い、GeneAmp9700(アプライドバイオシステムズ社、50μl,9600エミュレーションモード)により行った。
Fプライマー:
5'-TGGGTTIGGATTAGGGAGTAGGTAG-3'(配列番号21)
Rプライマー:
5'-AAAAACCCACCACIACCTTATTTCC-3'(配列番号22)
<反応液組成>
テンプレート(M又はU) 1μl
10×buffer 5μl
2.5mM dNTP 4μl
HotStarTaq 0.5μl
Fプライマー(20μM) 1μl
Rプライマー(20μM) 1μl
滅菌水 37.5μl
合計 50μl
<反応条件>
94℃で10分間加熱後、「解離:94℃(30sec)→アニーリング:50℃(30sec)→合成:72℃(30sec)」を1サイクルとして計35サイクル行い、次いで72℃で5分間加熱した後、4℃で冷却した。
上記PCR後の反応液(2種)からそれぞれ1μlとり、アジレント バイオアナライザーで電気泳動した結果、いずれの増幅断片についても一本のバンドが確認された(図4参照)。
上記PCR後の反応液を、QIAGEN PCR MinElute精製キット(QIGEN社)でカラム精製し、10μl、1回で溶出した。そのうち2μlとり吸光度を測定したところ、下記のとおりであった。これらを希釈して、M及びUともに10pg/μlの溶液とした。
M:2.184(A260)=109.2ng/μl
U:1.999(A260)= 99.9ng/μl
2.モデル核酸の増幅
次いで、上記2種の二本鎖DNAを、それぞれ個別に、同じPCRプライマーセットを用いて増幅した。
具体的には、上記M及びUをそれぞれテンプレートとし、下記プライマーを用いて、以下の反応液組成及び反応条件で増幅した。なお、Fプライマーは5'末端がcy5で蛍光標識化されており、Rプライマーは5'末端がリン酸化(P)されている。また、当該PCRは、QIGEN HotStarTaq PCR kit(QIGEN社)を用い、GeneAmp9700(アプライドバイオシステムズ社、50μl,9600エミュレーションモード)により行った。
Fプライマー:
cy5-TGGGTTIGGATTAGGGAGTAGGTAG(配列番号23)
Rプライマー:
P-AAAAACCCACCACIACCTTATTTCC (配列番号24)
<反応液組成>
テンプレート(M又はU)(10pg/μl) 1μl
10×buffer 5μl
2.5mM dNTP 4μl
HotStarTaq 0.5μl
Fプライマー(20μM) 1μl
Rプライマー(20μM) 1μl
滅菌水 37.5μl
合計 50μl
<反応条件>
94℃で10分間加熱後、「解離:94℃(30sec)→アニーリング:50℃(30sec)→合成:72℃(30sec)」を1サイクルとして計35サイクル行い、次いで72℃で5分間加熱した後、4℃で冷却した。
上記PCR後の反応液を、QIAGEN PCR MinElute精製キット(QIGEN社)でカラム精製し、10μl、1回で溶出した。
3.増幅断片の一本鎖化
得られた増幅断片の一方の鎖を分解して、2種の一本鎖化されたDNAを得た。詳しくは、Strandaseキット(NovaGen社)を使用し、増幅断片においてリン酸化されている方の鎖をStrandaseにより分解した。
具体的には、以下の反応液組成で、混合後37℃で20分間インキュベートした後、75℃で10分間加熱して酵素(Strandase)を不活性化させた。
PCR産物(M又はU) 9.3μl
(前記カラム精製後の溶出液)
10×buffer 2μl
Strandase 4μl
滅菌水 4.7μl
合計 20μl
反応後の液を、QIAGEN PCR MinElute精製キット(QIGEN社)でカラム精製し、10μl、1回で溶出した。そのうち2μlとり吸光度を測定したところ、下記のとおりであった。これらを希釈して、一本鎖化したM及びU(それぞれ「Mss」及び「Uss」と称する)ともに5ng/μlの溶液とした。
Mss:0.970(A260)=32.0ng/μl
Uss:0.982(A260)=32.4ng/μl
Mss及びUssをアジレント バイオアナライザーで電気泳動した結果、いずれの断片についても一本のバンドが確認された(図5参照)。
4.一本鎖のモデル核酸の調製
上記一本鎖化DNAとは別に、一本鎖のモデル核酸として、以下の2種の一本鎖DNAを合成した。すなわち、上記2種の一本鎖化DNA(Mss及びUss)の一部の塩基配列からなる一本鎖DNAを合成した。詳しくは、cy5-TIG1-M1は、Mssの一部の塩基配列からなり、cy5-TIG1-U1は、Ussの一部の塩基配列からなる。なお、これら一部の塩基配列とは、検出時に用いるDNAマイクロアレイに搭載するプローブの塩基配列と完全相補な配列である。また、いずれの合成一本鎖DNAも、5'末端がcy5で蛍光標識化されている。
cy5-TIG1-M1:
cy5-CGTTGTCGGCGGGGTTGTATGGACGTAGGAAAGTTGGTTCGGTATTCGATAGATACGGGTTCGGAGC(配列番号25)
cy5-TIG1-U1:
cy5-TGTTGTTGGTGGGGTTGTATGGATGTAGGAAAGTTGGTTTGGTATTTGATAGATATGGGTTTGGAGT(配列番号26)
5.各種検出サンプル、及びハイブリダイゼーション溶液の調製
調製した一本鎖化DNA(Mss及びUss)及び合成一本鎖DNA(cy5-TIG1-M1及びcy5-TIG1-U1)を用いて、下記表6及び表7に示す配合割合で各種検出サンプルを調製した。
一本鎖化DNAを用いた各検出サンプル(4μl)には、以下の混合溶液を加えて、合計100μlのハイブリダイゼーション溶液を調製した。
20×SSC 5μl
20%SDS 1μl
滅菌水 90μl
合計 96μl
合成一本鎖DNAを用いた各検出サンプル(10μl)には、以下の混合溶液を加えて、合計100μlのハイブリダイゼーション溶液を調製した。
20×SSC 5μl
20%SDS 1μl
滅菌水 84μl
合計 90μl
6.ハイブリダイゼーション
上記検出サンプルごとに、100μlのハイブリダイゼーション溶液を、実施例1の1.で製造したDNAマイクロアレイに接触させ(アプライし)、65℃で16時間ハイブリダイゼーション反応を行った。
ハイブリダイゼーション反応後は、実施例1の2.(6)と同様の手順によりDNAマイクロアレイを洗浄した。
7.蛍光標識の検出、及びメチル化率の算出
上記洗浄後、三菱レイヨン社製の冷却CCD式蛍光検出装置(型番:0060304)を用い、実施例1の2.(7)と同様の検出条件で、各スポットの蛍光シグナルを測定した。なお、各スポットでの蛍光シグナルの強さが検出サンプルごとに異なる様子を図6(a)の写真に示した。
各検出サンプルごとの検出結果に基づき、実施例1の2.(7)と同様の式(I)より、「メチル化DNA用プローブ「TIG1-M」のスポットにおける蛍光強度(M)」と「非メチル化DNA用プローブ「TIG1-U」のスポットにおける蛍光強度(U)」との和に対する「上記蛍光強度(M)」の比の値を算出した。その結果をプロットしたグラフを図7に示す。
図7のグラフより、一本鎖化DNA(サンプルA1〜A5)の検出結果は、合成一本鎖DNA(サンプルB1〜B5)の検出結果とほぼ同等であり、非常に信頼性の高い結果であることが分かった。
〔比較例1〕
実施例2の「2.モデル核酸の増幅」において、Rプライマーとして5'末端がリン酸化されていないものを用いた以外は同様にして、PCR及びカラム精製を行い、2種の二本鎖DNA(それぞれ「Mds」及び「Uds」と称する)を得た。カラム精製後の溶液(10μl)のうち2μlとり吸光度を測定したところ、下記のとおりであった。これらを希釈して、一本鎖化したM及びUともに5ng/μlの溶液とした。
Mds:2.582(A260)=129.1ng/μl
Uds:2.522(A260)=126.1ng/μl
Mds及びUdsをアジレント バイオアナライザーで電気泳動した結果、いずれの断片についても一本のバンドが確認された(図5参照)。
調製した二本鎖DNA(Mds及びUds)を用いて、下記表8に示す配合割合で各種検出サンプルを調製した。
上記各検出サンプル(8μl)には、以下の混合溶液を加えて、合計100μlのハイブリダイゼーション溶液を調製した。
20×SSC 5μl
20%SDS 1μl
滅菌水 86μl
合計 92μl
上記各検出サンプルについて、実施例2の6.及び7.と同様にして、ハイブリダイゼーション、蛍光標識の検出、及びメチル化率の算出を行った。その結果をプロットしたグラフを図7に示す。なお、各スポットでの蛍光シグナルの強さが検出サンプルごとに異なる様子を図6(b)の写真に示した。
図7のグラフより、二本鎖DNA(サンプルC1〜C5)の検出結果は、一本鎖化DNA(サンプルA1〜A5)や合成一本鎖DNA(サンプルB1〜B5)の検出結果とは大きく異なり、信頼性の低い結果となることが分かった。
中空繊維束(中空繊維配列体)の製造用の配列固定治具を示す概略図である。 コントロール試料を用いた検出結果及び検量線を示すグラフである。 合成オリゴヌクレオチドのアニーリング部位を示す図である。 調製したモデル核酸を電気泳動した結果を示す写真である。 一本鎖化DNA(Mss,Uss)及び二本鎖DNA(Mds,Uds)を電気泳動した結果を示す写真である。 (a) 一本鎖化DNA(Mss,Uss)の各種サンプルとDNAマイクロアレイとのハイブリダイゼーション反応後の、各スポットの蛍光を検出した写真である。(b) 二本鎖DNA(Mds,Uds)の各種サンプルとDNAマイクロアレイとのハイブリダイゼーション反応後の、各スポットの蛍光を検出した写真である。 実施例2及び比較例1において、各種モデル核酸を用いて調製したサンプルの検出データ(M/(M+U))をプロットして得られた結果を示すグラフである。
符号の説明
11 孔
21 多孔板
31 中空繊維
41 板状物
配列番号1:合成DNA
配列番号2:合成DNA
配列番号3:合成DNA
配列番号4:合成DNA
配列番号5:合成DNA
配列番号6:合成DNA
配列番号7:合成DNA
配列番号8:合成DNA
配列番号9:合成DNA
配列番号10:合成DNA
配列番号11:合成DNA
配列番号12:合成DNA
配列番号13:合成DNA
配列番号14:合成DNA
配列番号15:合成DNA
配列番号16:合成DNA
配列番号17:合成DNA
配列番号18:合成DNA
配列番号19:合成DNA
配列番号20:合成DNA
配列番号21:合成DNA
配列番号22:合成DNA
配列番号23:合成DNA
配列番号24:合成DNA
配列番号25:合成DNA
配列番号26:合成DNA

Claims (3)

  1. メチル化DNA及び/又は非メチル化DNAを検出する方法であって、
    (a) 被験試料中の核酸に非メチル化シトシンを修飾する試薬を接触させる工程と、
    (b) メチル化シトシンを含むDNA及び前記修飾された塩基を含む核酸を共に増幅し得る標識化したPCRプライマーセットを用い、前記被験試料中の核酸を増幅して二本鎖DNA断片を得る工程と、
    (c) 前記二本鎖DNA断片の一方の鎖を分解及び/又は除去して一本鎖DNA断片とする工程と、
    (d) 前記一本鎖DNA断片を、当該断片とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプローブが搭載されたDNAマイクロアレイに接触させ、当該プローブに結合したDNA断片の検出強度を測定する工程と、
    (e)予め作成した検量線から、前記検出強度に基づいて、メチル化率を算出する工程と
    を含み、
    前記検量線は、シトシンが完全にメチル化された核酸と完全にメチル化されていない核酸とを配合し、メチル化率が0%、25%、50%、75%及び100%に調製された配合サンプル用いて、前記(a)〜(d)と同様の工程を行うことにより作成された、R2値が0.9465以上のものである、
    前記方法。
  2. (a) 非メチル化シトシンを修飾する試薬、
    (b) メチル化シトシンを含むDNA及び前記修飾された塩基を含む核酸を共に増幅し得る標識化したPCRプライマーセットであって、一方のプライマーは5’末端がリン酸化されたものである当該セット、
    (c) λエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素、
    (d) 前記(b)のプライマーセットを用いて増幅された二本鎖DNA断片を前記(c)の酵素で処理して得られる一本鎖DNA断片とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプローブが搭載されたDNAマイクロアレイ、並びに
    (e) シトシンが完全にメチル化された核酸と完全にメチル化されていない核酸とを配合し、メチル化率が0%、25%、50%、75%及び100%に調製された、検量線作成用の配合サンプル
    を含む、請求項1に記載の方法に用いるための、メチル化DNA及び/又は非メチル化DNAの検出用キット。
  3. 請求項1に記載の方法により得られた検出結果から、腫瘍組織及び正常組織に由来するそれぞれの染色体DNAについてメチル化の割合を比較することを含む、良性又は悪性腫瘍の検出を補助する方法。
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