JP2004083428A - 抗血栓作用および/または抗動脈硬化作用を持つ食品および薬剤 - Google Patents
抗血栓作用および/または抗動脈硬化作用を持つ食品および薬剤 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】低廉で、かつ薬の副作用を心配せずに摂取可能で、しかも抗血栓作用および/または抗動脈硬化作用を呈する可食性組成物を提供する。
【解決手段】亜麻仁種子それ自体、あるいは、原料亜麻仁種子を圧搾して得られる亜麻仁圧搾粕を含み、かつ抗血栓作用および/または抗動脈硬化作用を呈する可食性組成物。 これら可食性組成物を利用してなる食品および薬学的組成物。
【選択図】 図3
【解決手段】亜麻仁種子それ自体、あるいは、原料亜麻仁種子を圧搾して得られる亜麻仁圧搾粕を含み、かつ抗血栓作用および/または抗動脈硬化作用を呈する可食性組成物。 これら可食性組成物を利用してなる食品および薬学的組成物。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、亜麻仁種子または亜麻仁種子圧搾粕をベースとした、抗血栓作用および/または抗動脈硬化作用を呈する可食性組成物とその利用に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
近年のわが国の食事内容の欧風化と消費者の嗜好の変化に伴い、現在では、高タンパク・高カロリーの食品が好んで摂取されている。 このような食品は、一般的には、脂肪分やコレステロール含量が高いため、それら食品を日常的にかつ過剰に摂取すると、血管内に蓄積されて血栓が形成されるに至る場合がある。
【0003】
血管内で血栓形成を招く血栓症とは、脳梗塞や心筋梗塞、それに肺塞栓症などの致命的かつ重篤な後遺症を残す疾病の原因であり、このような病態を効果的に予防できる薬剤や食品の開発が急がれている。
【0004】
血栓症の治療および予防手段として、これまでに、アスピリンやワルファリン、それにチクロピジンなどの精製化合物を含有した製薬製剤などが提供されている。 しかしながら、これら製薬製剤の場合、薬剤費用の負担のみならず、薬の副作用についても常に注意を払わねばならず、医療費負担の軽減化や薬の副作用についての不安を払拭する観点からすれば、日常的に安心して摂取できる食品でもってして血栓形成を予防することが理想的である。
【0005】
しかしながら、当該技術分野において、血栓形成を効果的に予防できる食品を報告した事例は、未だ見当たらないのが実情である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来技術において認識されていた上掲の問題点に鑑みて鋭意研究を行った。 すなわち、血栓形成および動脈硬化の進行を阻害する食品について本発明者らが鋭意研究を行った結果、亜麻仁(Linum usitatissimum L.)種子の含有成分が、抗血栓作用および抗動脈硬化作用を呈することを初めて知見して、本発明を完成するに至ったのである。
【0007】
すなわち、本発明の要旨とするところは、亜麻仁種子それ自体、あるいは、原料亜麻仁種子を圧搾して得られる亜麻仁圧搾粕を含み、かつ抗血栓作用および/または抗動脈硬化作用を呈する可食性組成物、そして、これら可食性組成物を利用した食品と薬学的組成物にある。 本発明の構成によって、低廉で、しかも薬の副作用も解消された抗血栓作用および/または抗動脈硬化作用を呈する可食性組成物が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0009】
亜麻は、中近東方面が原産とされる高さが30cm〜1mにも及ぶ亜麻科に属する一年草である。 亜麻の種子は、亜麻仁種子または単に亜麻仁とも称されており、その形状は、長径が約5mm、短径が約2.5mm、厚さが約1.5mmという平坦な長楕円形をなしている。 従来より、亜麻仁種子は、亜麻仁油の原料として工業用に利用され、一方で、その搾油粕は肥料や飼料などに利用されている。 また、亜麻仁種子は、リグナンや食物繊維、それにα−リノレン酸などの栄養成分を豊富に含む種子であるため、その栄養組成に着目して、古来より、北米や北欧などにおいては、亜麻仁種子それ自体、あるいはその粉砕物が、パンなどのベーカリー食品や、シリアル食品などに応用されている。
【0010】
本発明で使用する亜麻仁種子とは、その産地や銘柄・等級を問わず、いずれでも使用可能である。 次に、これら亜麻仁種子を出発原料とした、亜麻仁圧搾粕の製造手順を以下に説明する。
【0011】
亜麻仁種子を、まず準備工程に適用する。 最初に、製油所に運び込まれた亜麻仁種子と共に混在する異種植物の種子や茎および葉、傷の付いた種子、未熟種子などを除去して、亜麻仁種子の精選(選別)を行う。 この亜麻仁種子の精選は、フルイ(篩)分け、種子の比重差を利用する風別、磁石による鉄片の除去などを適宜組み合わせて実施する。 また、傾斜した振動篩板上に均一な空気層を形成することで、種子のわずかな比重差に基づいて正確に優良な亜麻仁種子だけを選抜する方法(キップケリー方式)や、グレンセパレーターなども利用できる。
【0012】
次に、精選された亜麻仁種子を、粗砕および乾燥の工程に任意に適用する。
【0013】
なお、後述するよう、これら粗砕および乾燥の工程は、本発明にあっては任意の工程であり、また、これら工程を実施するにしても、処理対象物の品温が上がらないように注意することが肝要である。
【0014】
粗砕工程とは、種子内部に包含された油脂部分を取り出すために、種子を物理的に圧壊または裂開するための工程であって、好ましくは、荒割りロール(クラッキンロール:Cracking Roll)と呼ばれるスジロール(一段式のペアロール)で、亜麻仁種子を4〜8分割程度に砕く。
【0015】
粗砕したこれら亜麻仁種子に関して、次に、その水分の調整を行う。 例えば、減圧下で攪拌するなどの操作による水分調整を行うことができる。
【0016】
精選された亜麻仁種子または粗砕した亜麻仁種子片を、圧搾工程(搾油処理工程)に適用する。 この工程で用いられる圧搾方法として、本発明にあっては、当該技術分野で周知のいずれの圧搾方法でも適用可能であるが、好ましくは、低温下での物理的圧搾法(コールドプレス法)を利用する。
【0017】
このコールドプレス法とは、精選した生の亜麻仁種子または前述の粗砕した亜麻仁種子片を、処理対象物がなるべく熱を受けないように、低温条件下で圧搾するものである。 コールドプレス法での圧搾温度は、亜麻仁種子の種類や、使用するコールドプレス機の仕様に応じて適宜調整されるものであり、一般的には、亜麻仁種子の風味成分を残存せしめるべく、約60℃以下、好ましくは、約40℃以下、さらに好ましくは、約10〜約40℃の温度範囲に設定される。 好ましくは、亜麻仁圧搾粕での残油分を、油脂酸化による亜麻仁圧搾粕の劣化防止を念頭に置いて、約30重量%以下、好ましくは、約0.1〜約30重量%、さらに好ましくは、約0.1〜約20重量%の量とするのが好ましい。
【0018】
さらに、コールドプレス法に適用可能な搾油機としては、稼働中に処理対象の品温の上昇を招かないように工夫された搾油機であれば、いずれでも使用可能であり、例えば、スクリュープレスAP−08型(ライナルツ(Reinartz)社製:ドイツ)などが、本発明において好適に使用できる。
【0019】
コールドプレス法による圧搾工程を経て得られた亜麻仁圧搾粕は、そのままでも利用可能であるが、好ましくは、処理対象物がなるべく熱を受けないよう注意しながら、さらに粉砕機で粉砕する。 粉砕機としては、当該技術分野で周知の粉砕機であればいずれも使用可能であり、例えば、ニュー・コスモマイザー(株式会社ダルトン)、パワーミル(粗粉砕機:株式会社ダルトン)、アトマイザー(微粉砕機:株式会社ダルトン)などを単独または組み合わせて使用することができるが、特に、粉砕機能と分級機能とを兼ね備えたネアミル粉砕機(不二パウダル株式会社)などが、本発明において好適に使用できる。
【0020】
このようにして得られた亜麻仁圧搾粕を利用した食品や薬剤の食感を改善する観点に立脚すれば、亜麻仁圧搾粕の粒度分布を、平均粒径が約150μ以下であり、かつ約350μ以下の粒子が全粒子の約95%以上を占める分布、好ましくは、平均粒径が約75μ以下であり、かつ約250μ以下の粒子が全粒子の約95%以上を占める分布とする。
【0021】
コールドプレス法による圧搾工程を経て得られる亜麻仁圧搾粕は、缶、ガラス瓶、プラスチック、紙などの公知の収納容器に充填・収容される。
【0022】
また、これら亜麻仁圧搾粕を料理に加えることで、良好な風味と食味を呈する食品が得られる。 例えば、これら亜麻仁圧搾粕を、ベーカリー食品、健康食品、菓子、それに飲料、例えば、パン、ケーキ、クッキー、ビスケット、エネルギーバー、錠剤食品、カプセル食品、シリアルフレーク、ゼリー、キャンディー、チョコレート、アイスクリーム、ベバレッジなどに利用することで、風味良好な食品とすることができる。
【0023】
本発明に従って、後出の実施例に記載の通り、西洋食(高脂肪食)に亜麻仁圧搾粕を添加して調製した食餌を、遺伝的に高コレステロール症を発症するモデル動物に与えて、当該動物での血栓形成傾向および動脈硬化の進展に対する影響を調べたところ、亜麻仁圧搾粕を加えることで、血栓形成が有意に抑えられ、動脈硬化の進行についても抑制傾向が認められた。
【0024】
これにより、亜麻仁圧搾粕のみならず、亜麻仁圧搾粕の原料である原料亜麻仁種子を利用することで、抗血栓作用および/または抗動脈硬化作用を有する食品や薬剤の実現に向けての前途が切り開かれたのである。
【0025】
【実施例】
以下に、本願発明の実施例を具体的に説明するが、本願発明はこれら実施例の開示によって限定的に解釈されるべきものではない。
【0026】
実施例1:亜麻仁圧搾粕
精選したカナダ産の亜麻仁種子100kgを、スクリュープレスAP−08型(ライナルツ社製)搾油機に適用して、シャフト速度20rpmで以てして、亜麻仁粗油の搾油を行い、65kgの亜麻仁圧搾粕を得た。
【0027】
実施例2:抗血栓作用および抗動脈硬化作用の検討
井尻、他[Blood Coagulation and Fibrinolysis, 13, pp.1−8 (2002)]に記載の手順に従って、亜麻仁種子による抗血栓作用および抗動脈硬化作用を評価した。
【0028】
まず、実験動物として、アポプロテインEと低密度リポプロテインレセプターの双方を欠損している先天的動脈硬化マウス(Apo E−/−・LDLR−/−ダブルノックアウトマウス:以下、「DKマウス」と称する)を準備した。 次いで、このDKマウスの頚動脈にヘリウム−ネオン(He−Ne)レーザーを照射して血栓を形成し、その血栓形成傾向を総合的に判定した。 さらに、血管をオイルレッドOで染色することによって、動脈硬化度を評価した。
【0029】
(1) 実験動物
DKマウスは、Jacskson Laboratories (米国) から購入した。 兄妹交配して繁殖させて生まれた雄マウスを、日本クレア株式会社の標準固形飼料CE−2で6週齢まで予備飼育した後、以下の食餌を給餌した。 DKマウスは、明暗各12時間、室温22.5±0.5℃、湿度55±5%の条件下で飼育した。 水道水を飲料水とし、自由に摂水させた。
【0030】
(2) 食 餌
標準飼料AIN93G(米国国立栄養研究所)に対して1970年代の西欧における脂質摂取量を反映させるように脂質を加減調整して得た高脂肪・高エネルギー食を対照食餌とした。
【0031】
これに対して、実施例1に記載の亜麻仁圧搾粕を5重量%配合した亜麻仁食餌を調製した。 亜麻仁食餌には、対照食餌とのエネルギーのバランスを図るために添加した亜麻仁圧搾粕に含まれるたんぱく質、糖分、油分のそれぞれと同量のカゼイン、コーンスターチ、スクロース、大豆油をぞれぞれ減算して配合した。
【0032】
対照食餌と亜麻仁食餌の組成を、以下の表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
対照食餌あるいは亜麻仁食餌のいずれかのみを8週間給餌したマウスに対して、抗血栓作用および抗動脈硬化作用を評価する実験系を適用した。
【0035】
(3) ヘリウム−ネオン (He−Ne) レーザー惹起頚動脈血栓形成法
血栓形成法は、井尻らの方法(前出)に従って実施した。 すなわち、麻酔したDKマウスの左大腿動脈にポリエチレンチューブ (PE10、Becton Dikinson and Company、米国) を留置した後、DKマウスの頸部を切開し、左総頚動脈を露出させて、顕微鏡の37℃に加温した載置台上に固定した。 その後、ヘリウム−ネオン(He−Ne)レーザー(Model NEO−50MS、日本科学エンジニアリング株式会社)を露出したDKマウス頚動脈に対して照射した。 留置したチューブよりエバンスブルーを動脈注射することで、血栓形成を開始した。 血栓形成過程は、鏡筒上部に設置したCCDカメラ(Model TMC−7、竹中機器システム株式会社)を介してビデオ(Model SR−1750、日本ビクター株式会社)で録画するとともに、エバンスブルーの動脈注射から、10秒間隔で10分間、合計60枚の画像をパーソナルコンピューターに格納した。
【0036】
(4) 血栓サイズの解析と血栓形成傾向の評価
井尻らの方法(前出)に従って、血栓サイズの解析と血栓形成傾向の評価を行った。 パーソナルコンピューターに取り込んだ画像を、画像解析ソフトImage−Pro Plus(Media Cybernetics、米国)を用いて血栓サイズを算出した。 画像に一定の輝度閾値を与えて血栓の面積を計測した後、この値に輝度を乗じて積分光学濃度を算出して、これを血栓サイズの近似値とした。 パーソナルコンピューターに格納した60枚の画像での血栓サイズを合算したものを、血栓形成傾向の指標とした。
【0037】
(5) 動脈硬化度の測定 ( 全大動脈法 )
Rajendra K.らの方法[J Lipid Res, 36, p2320 (1995)]に従って、動脈硬化度を測定した。 すなわち、He−Neレーザー惹起頚動脈血栓形成法によって血栓形成傾向を評価したDKマウスの左心室に翼状針を留置し、10%ホルマリンを含むリン酸緩衝液による環流固定を行った後、心臓から大腿動脈までを切り出し、血管内腔を反転させた。 得られた血管内腔を、オイルレッドOで脂質部分を染色した。 染色した画像をパーソナルコンピューターに格納し、Image−Pro Plus(前出)で解析した。 オイルレッドOで赤色に染まった部位を動脈硬化部位とし、血管全体の面積に対する動脈硬化部位の面積の割合を動脈硬化度とした。
【0038】
(6) 統計処理
統計学的有意差検定として、マイクロソフトエクセル97のコンピューターソフトを用いて、t検定を行った。 得られた結果は、平均値±標準誤差で表し、また、危険率5%未満のものを統計学的に有意差ありとした。
【0039】
(7) 体重と食餌摂取量
対照食餌を給餌したマウスと亜麻仁食餌を給餌したマウスに関して、給餌開始時からの体重変化(図1)と食餌摂取量[食欲]の変化(図2)を計測した。
【0040】
図1および2に記載のグラフから明らかなように、両者の間には体重および食餌摂取量の双方について、有意な差は認められなかった。 これにより、亜麻仁食餌は、体重や食餌摂取量に影響を及ぼさないことが明らかとなった。
【0041】
(8) 血栓形成傾向
高脂肪食によって誘導される血栓形成の亢進に対する亜麻仁が及ぼす影響について検討したところ、亜麻仁食餌を与えたマウスでの血栓形成傾向の有意な低下が認められた(図3)。
【0042】
(9) 動脈硬化度
動脈硬化に対する亜麻仁が及ぼす影響について検討したところ、亜麻仁食餌を与えたマウスでの動脈硬化の進行抑制傾向が認められた(図4)。 また、動脈硬化の進行抑制傾向には、部位特異性は認められなかった。
【0043】
実施例3:錠剤食品
単位錠剤当たり、亜麻仁圧搾粕2,000mg、微晶質セルロース300mg、澱粉50mg、ステアリン酸マグネシウム15mg、およびラクトース100mgを配合して、これを打錠して、錠剤食品を得た。 この食品を試食してみたところ、亜麻仁の風味が漂い、美味であった。
【0044】
実施例4:クッキー
以下の表2に記載の原材料を混合した。
【0045】
【表2】
【0046】
得られた混合物に対してバターと上白糖を加えて、ミキサー(中速)でクリーム状になるまで撹拌した。 ミキサーを低速に切り替え、全卵を3回に分けて全体がまとめるまで撹拌を続けた。 次に、その余の材料を加えて、低速で30秒程度撹拌してクッキー生地を得た。 得られたクッキー生地を適当な大きさに分割・成型した後、170℃のオーブンで13分間焼成して、クッキーを得た。 このクッキーを食したところ、亜麻仁の風味が豊かで、美味しく食することができた。
【0047】
なお、本実施例にあっては、クッキーの調製例について例示したが、当業者であれば、同様の生地材料と周知の調理手法を用い、原材料の一部を亜麻仁と置換し、生地の焼成温度を調整することで、パン、ケーキ、ビスケットその他の焼き菓子、エネルギーバー、シリアルフレーク、ゼリー、キャンディー、チョコレート、アイスクリームなどの菓子類および飲料などのその他の食品を容易に製造できることは自明のことである。
【0048】
【発明の効果】
このように本発明によると、所期の目的であった、低廉で、薬の副作用を心配せずに摂取可能で、しかも抗血栓作用および/または抗動脈硬化作用を呈する可食性組成物が実現されるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】対照食餌給餌マウスと亜麻仁食餌給餌マウスの給餌開始時からの体重変化を示すグラフである。
【図2】対照食餌給餌マウスと亜麻仁食餌給餌マウスの給餌開始時からの食餌摂取量の変化を示すグラフである。
【図3】亜麻仁食餌給餌マウスでの血栓形成抑制効果を示すグラフである。
【図4】亜麻仁食餌給餌マウスでの動脈硬化の進行抑制効果を示すグラフである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、亜麻仁種子または亜麻仁種子圧搾粕をベースとした、抗血栓作用および/または抗動脈硬化作用を呈する可食性組成物とその利用に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
近年のわが国の食事内容の欧風化と消費者の嗜好の変化に伴い、現在では、高タンパク・高カロリーの食品が好んで摂取されている。 このような食品は、一般的には、脂肪分やコレステロール含量が高いため、それら食品を日常的にかつ過剰に摂取すると、血管内に蓄積されて血栓が形成されるに至る場合がある。
【0003】
血管内で血栓形成を招く血栓症とは、脳梗塞や心筋梗塞、それに肺塞栓症などの致命的かつ重篤な後遺症を残す疾病の原因であり、このような病態を効果的に予防できる薬剤や食品の開発が急がれている。
【0004】
血栓症の治療および予防手段として、これまでに、アスピリンやワルファリン、それにチクロピジンなどの精製化合物を含有した製薬製剤などが提供されている。 しかしながら、これら製薬製剤の場合、薬剤費用の負担のみならず、薬の副作用についても常に注意を払わねばならず、医療費負担の軽減化や薬の副作用についての不安を払拭する観点からすれば、日常的に安心して摂取できる食品でもってして血栓形成を予防することが理想的である。
【0005】
しかしながら、当該技術分野において、血栓形成を効果的に予防できる食品を報告した事例は、未だ見当たらないのが実情である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来技術において認識されていた上掲の問題点に鑑みて鋭意研究を行った。 すなわち、血栓形成および動脈硬化の進行を阻害する食品について本発明者らが鋭意研究を行った結果、亜麻仁(Linum usitatissimum L.)種子の含有成分が、抗血栓作用および抗動脈硬化作用を呈することを初めて知見して、本発明を完成するに至ったのである。
【0007】
すなわち、本発明の要旨とするところは、亜麻仁種子それ自体、あるいは、原料亜麻仁種子を圧搾して得られる亜麻仁圧搾粕を含み、かつ抗血栓作用および/または抗動脈硬化作用を呈する可食性組成物、そして、これら可食性組成物を利用した食品と薬学的組成物にある。 本発明の構成によって、低廉で、しかも薬の副作用も解消された抗血栓作用および/または抗動脈硬化作用を呈する可食性組成物が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0009】
亜麻は、中近東方面が原産とされる高さが30cm〜1mにも及ぶ亜麻科に属する一年草である。 亜麻の種子は、亜麻仁種子または単に亜麻仁とも称されており、その形状は、長径が約5mm、短径が約2.5mm、厚さが約1.5mmという平坦な長楕円形をなしている。 従来より、亜麻仁種子は、亜麻仁油の原料として工業用に利用され、一方で、その搾油粕は肥料や飼料などに利用されている。 また、亜麻仁種子は、リグナンや食物繊維、それにα−リノレン酸などの栄養成分を豊富に含む種子であるため、その栄養組成に着目して、古来より、北米や北欧などにおいては、亜麻仁種子それ自体、あるいはその粉砕物が、パンなどのベーカリー食品や、シリアル食品などに応用されている。
【0010】
本発明で使用する亜麻仁種子とは、その産地や銘柄・等級を問わず、いずれでも使用可能である。 次に、これら亜麻仁種子を出発原料とした、亜麻仁圧搾粕の製造手順を以下に説明する。
【0011】
亜麻仁種子を、まず準備工程に適用する。 最初に、製油所に運び込まれた亜麻仁種子と共に混在する異種植物の種子や茎および葉、傷の付いた種子、未熟種子などを除去して、亜麻仁種子の精選(選別)を行う。 この亜麻仁種子の精選は、フルイ(篩)分け、種子の比重差を利用する風別、磁石による鉄片の除去などを適宜組み合わせて実施する。 また、傾斜した振動篩板上に均一な空気層を形成することで、種子のわずかな比重差に基づいて正確に優良な亜麻仁種子だけを選抜する方法(キップケリー方式)や、グレンセパレーターなども利用できる。
【0012】
次に、精選された亜麻仁種子を、粗砕および乾燥の工程に任意に適用する。
【0013】
なお、後述するよう、これら粗砕および乾燥の工程は、本発明にあっては任意の工程であり、また、これら工程を実施するにしても、処理対象物の品温が上がらないように注意することが肝要である。
【0014】
粗砕工程とは、種子内部に包含された油脂部分を取り出すために、種子を物理的に圧壊または裂開するための工程であって、好ましくは、荒割りロール(クラッキンロール:Cracking Roll)と呼ばれるスジロール(一段式のペアロール)で、亜麻仁種子を4〜8分割程度に砕く。
【0015】
粗砕したこれら亜麻仁種子に関して、次に、その水分の調整を行う。 例えば、減圧下で攪拌するなどの操作による水分調整を行うことができる。
【0016】
精選された亜麻仁種子または粗砕した亜麻仁種子片を、圧搾工程(搾油処理工程)に適用する。 この工程で用いられる圧搾方法として、本発明にあっては、当該技術分野で周知のいずれの圧搾方法でも適用可能であるが、好ましくは、低温下での物理的圧搾法(コールドプレス法)を利用する。
【0017】
このコールドプレス法とは、精選した生の亜麻仁種子または前述の粗砕した亜麻仁種子片を、処理対象物がなるべく熱を受けないように、低温条件下で圧搾するものである。 コールドプレス法での圧搾温度は、亜麻仁種子の種類や、使用するコールドプレス機の仕様に応じて適宜調整されるものであり、一般的には、亜麻仁種子の風味成分を残存せしめるべく、約60℃以下、好ましくは、約40℃以下、さらに好ましくは、約10〜約40℃の温度範囲に設定される。 好ましくは、亜麻仁圧搾粕での残油分を、油脂酸化による亜麻仁圧搾粕の劣化防止を念頭に置いて、約30重量%以下、好ましくは、約0.1〜約30重量%、さらに好ましくは、約0.1〜約20重量%の量とするのが好ましい。
【0018】
さらに、コールドプレス法に適用可能な搾油機としては、稼働中に処理対象の品温の上昇を招かないように工夫された搾油機であれば、いずれでも使用可能であり、例えば、スクリュープレスAP−08型(ライナルツ(Reinartz)社製:ドイツ)などが、本発明において好適に使用できる。
【0019】
コールドプレス法による圧搾工程を経て得られた亜麻仁圧搾粕は、そのままでも利用可能であるが、好ましくは、処理対象物がなるべく熱を受けないよう注意しながら、さらに粉砕機で粉砕する。 粉砕機としては、当該技術分野で周知の粉砕機であればいずれも使用可能であり、例えば、ニュー・コスモマイザー(株式会社ダルトン)、パワーミル(粗粉砕機:株式会社ダルトン)、アトマイザー(微粉砕機:株式会社ダルトン)などを単独または組み合わせて使用することができるが、特に、粉砕機能と分級機能とを兼ね備えたネアミル粉砕機(不二パウダル株式会社)などが、本発明において好適に使用できる。
【0020】
このようにして得られた亜麻仁圧搾粕を利用した食品や薬剤の食感を改善する観点に立脚すれば、亜麻仁圧搾粕の粒度分布を、平均粒径が約150μ以下であり、かつ約350μ以下の粒子が全粒子の約95%以上を占める分布、好ましくは、平均粒径が約75μ以下であり、かつ約250μ以下の粒子が全粒子の約95%以上を占める分布とする。
【0021】
コールドプレス法による圧搾工程を経て得られる亜麻仁圧搾粕は、缶、ガラス瓶、プラスチック、紙などの公知の収納容器に充填・収容される。
【0022】
また、これら亜麻仁圧搾粕を料理に加えることで、良好な風味と食味を呈する食品が得られる。 例えば、これら亜麻仁圧搾粕を、ベーカリー食品、健康食品、菓子、それに飲料、例えば、パン、ケーキ、クッキー、ビスケット、エネルギーバー、錠剤食品、カプセル食品、シリアルフレーク、ゼリー、キャンディー、チョコレート、アイスクリーム、ベバレッジなどに利用することで、風味良好な食品とすることができる。
【0023】
本発明に従って、後出の実施例に記載の通り、西洋食(高脂肪食)に亜麻仁圧搾粕を添加して調製した食餌を、遺伝的に高コレステロール症を発症するモデル動物に与えて、当該動物での血栓形成傾向および動脈硬化の進展に対する影響を調べたところ、亜麻仁圧搾粕を加えることで、血栓形成が有意に抑えられ、動脈硬化の進行についても抑制傾向が認められた。
【0024】
これにより、亜麻仁圧搾粕のみならず、亜麻仁圧搾粕の原料である原料亜麻仁種子を利用することで、抗血栓作用および/または抗動脈硬化作用を有する食品や薬剤の実現に向けての前途が切り開かれたのである。
【0025】
【実施例】
以下に、本願発明の実施例を具体的に説明するが、本願発明はこれら実施例の開示によって限定的に解釈されるべきものではない。
【0026】
実施例1:亜麻仁圧搾粕
精選したカナダ産の亜麻仁種子100kgを、スクリュープレスAP−08型(ライナルツ社製)搾油機に適用して、シャフト速度20rpmで以てして、亜麻仁粗油の搾油を行い、65kgの亜麻仁圧搾粕を得た。
【0027】
実施例2:抗血栓作用および抗動脈硬化作用の検討
井尻、他[Blood Coagulation and Fibrinolysis, 13, pp.1−8 (2002)]に記載の手順に従って、亜麻仁種子による抗血栓作用および抗動脈硬化作用を評価した。
【0028】
まず、実験動物として、アポプロテインEと低密度リポプロテインレセプターの双方を欠損している先天的動脈硬化マウス(Apo E−/−・LDLR−/−ダブルノックアウトマウス:以下、「DKマウス」と称する)を準備した。 次いで、このDKマウスの頚動脈にヘリウム−ネオン(He−Ne)レーザーを照射して血栓を形成し、その血栓形成傾向を総合的に判定した。 さらに、血管をオイルレッドOで染色することによって、動脈硬化度を評価した。
【0029】
(1) 実験動物
DKマウスは、Jacskson Laboratories (米国) から購入した。 兄妹交配して繁殖させて生まれた雄マウスを、日本クレア株式会社の標準固形飼料CE−2で6週齢まで予備飼育した後、以下の食餌を給餌した。 DKマウスは、明暗各12時間、室温22.5±0.5℃、湿度55±5%の条件下で飼育した。 水道水を飲料水とし、自由に摂水させた。
【0030】
(2) 食 餌
標準飼料AIN93G(米国国立栄養研究所)に対して1970年代の西欧における脂質摂取量を反映させるように脂質を加減調整して得た高脂肪・高エネルギー食を対照食餌とした。
【0031】
これに対して、実施例1に記載の亜麻仁圧搾粕を5重量%配合した亜麻仁食餌を調製した。 亜麻仁食餌には、対照食餌とのエネルギーのバランスを図るために添加した亜麻仁圧搾粕に含まれるたんぱく質、糖分、油分のそれぞれと同量のカゼイン、コーンスターチ、スクロース、大豆油をぞれぞれ減算して配合した。
【0032】
対照食餌と亜麻仁食餌の組成を、以下の表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
対照食餌あるいは亜麻仁食餌のいずれかのみを8週間給餌したマウスに対して、抗血栓作用および抗動脈硬化作用を評価する実験系を適用した。
【0035】
(3) ヘリウム−ネオン (He−Ne) レーザー惹起頚動脈血栓形成法
血栓形成法は、井尻らの方法(前出)に従って実施した。 すなわち、麻酔したDKマウスの左大腿動脈にポリエチレンチューブ (PE10、Becton Dikinson and Company、米国) を留置した後、DKマウスの頸部を切開し、左総頚動脈を露出させて、顕微鏡の37℃に加温した載置台上に固定した。 その後、ヘリウム−ネオン(He−Ne)レーザー(Model NEO−50MS、日本科学エンジニアリング株式会社)を露出したDKマウス頚動脈に対して照射した。 留置したチューブよりエバンスブルーを動脈注射することで、血栓形成を開始した。 血栓形成過程は、鏡筒上部に設置したCCDカメラ(Model TMC−7、竹中機器システム株式会社)を介してビデオ(Model SR−1750、日本ビクター株式会社)で録画するとともに、エバンスブルーの動脈注射から、10秒間隔で10分間、合計60枚の画像をパーソナルコンピューターに格納した。
【0036】
(4) 血栓サイズの解析と血栓形成傾向の評価
井尻らの方法(前出)に従って、血栓サイズの解析と血栓形成傾向の評価を行った。 パーソナルコンピューターに取り込んだ画像を、画像解析ソフトImage−Pro Plus(Media Cybernetics、米国)を用いて血栓サイズを算出した。 画像に一定の輝度閾値を与えて血栓の面積を計測した後、この値に輝度を乗じて積分光学濃度を算出して、これを血栓サイズの近似値とした。 パーソナルコンピューターに格納した60枚の画像での血栓サイズを合算したものを、血栓形成傾向の指標とした。
【0037】
(5) 動脈硬化度の測定 ( 全大動脈法 )
Rajendra K.らの方法[J Lipid Res, 36, p2320 (1995)]に従って、動脈硬化度を測定した。 すなわち、He−Neレーザー惹起頚動脈血栓形成法によって血栓形成傾向を評価したDKマウスの左心室に翼状針を留置し、10%ホルマリンを含むリン酸緩衝液による環流固定を行った後、心臓から大腿動脈までを切り出し、血管内腔を反転させた。 得られた血管内腔を、オイルレッドOで脂質部分を染色した。 染色した画像をパーソナルコンピューターに格納し、Image−Pro Plus(前出)で解析した。 オイルレッドOで赤色に染まった部位を動脈硬化部位とし、血管全体の面積に対する動脈硬化部位の面積の割合を動脈硬化度とした。
【0038】
(6) 統計処理
統計学的有意差検定として、マイクロソフトエクセル97のコンピューターソフトを用いて、t検定を行った。 得られた結果は、平均値±標準誤差で表し、また、危険率5%未満のものを統計学的に有意差ありとした。
【0039】
(7) 体重と食餌摂取量
対照食餌を給餌したマウスと亜麻仁食餌を給餌したマウスに関して、給餌開始時からの体重変化(図1)と食餌摂取量[食欲]の変化(図2)を計測した。
【0040】
図1および2に記載のグラフから明らかなように、両者の間には体重および食餌摂取量の双方について、有意な差は認められなかった。 これにより、亜麻仁食餌は、体重や食餌摂取量に影響を及ぼさないことが明らかとなった。
【0041】
(8) 血栓形成傾向
高脂肪食によって誘導される血栓形成の亢進に対する亜麻仁が及ぼす影響について検討したところ、亜麻仁食餌を与えたマウスでの血栓形成傾向の有意な低下が認められた(図3)。
【0042】
(9) 動脈硬化度
動脈硬化に対する亜麻仁が及ぼす影響について検討したところ、亜麻仁食餌を与えたマウスでの動脈硬化の進行抑制傾向が認められた(図4)。 また、動脈硬化の進行抑制傾向には、部位特異性は認められなかった。
【0043】
実施例3:錠剤食品
単位錠剤当たり、亜麻仁圧搾粕2,000mg、微晶質セルロース300mg、澱粉50mg、ステアリン酸マグネシウム15mg、およびラクトース100mgを配合して、これを打錠して、錠剤食品を得た。 この食品を試食してみたところ、亜麻仁の風味が漂い、美味であった。
【0044】
実施例4:クッキー
以下の表2に記載の原材料を混合した。
【0045】
【表2】
【0046】
得られた混合物に対してバターと上白糖を加えて、ミキサー(中速)でクリーム状になるまで撹拌した。 ミキサーを低速に切り替え、全卵を3回に分けて全体がまとめるまで撹拌を続けた。 次に、その余の材料を加えて、低速で30秒程度撹拌してクッキー生地を得た。 得られたクッキー生地を適当な大きさに分割・成型した後、170℃のオーブンで13分間焼成して、クッキーを得た。 このクッキーを食したところ、亜麻仁の風味が豊かで、美味しく食することができた。
【0047】
なお、本実施例にあっては、クッキーの調製例について例示したが、当業者であれば、同様の生地材料と周知の調理手法を用い、原材料の一部を亜麻仁と置換し、生地の焼成温度を調整することで、パン、ケーキ、ビスケットその他の焼き菓子、エネルギーバー、シリアルフレーク、ゼリー、キャンディー、チョコレート、アイスクリームなどの菓子類および飲料などのその他の食品を容易に製造できることは自明のことである。
【0048】
【発明の効果】
このように本発明によると、所期の目的であった、低廉で、薬の副作用を心配せずに摂取可能で、しかも抗血栓作用および/または抗動脈硬化作用を呈する可食性組成物が実現されるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】対照食餌給餌マウスと亜麻仁食餌給餌マウスの給餌開始時からの体重変化を示すグラフである。
【図2】対照食餌給餌マウスと亜麻仁食餌給餌マウスの給餌開始時からの食餌摂取量の変化を示すグラフである。
【図3】亜麻仁食餌給餌マウスでの血栓形成抑制効果を示すグラフである。
【図4】亜麻仁食餌給餌マウスでの動脈硬化の進行抑制効果を示すグラフである。
Claims (10)
- 亜麻仁種子を含み、かつ抗血栓作用および/または抗動脈硬化作用を呈することを特徴とする可食性組成物。
- 前記亜麻仁種子の量が、前記可食性組成物の0.5〜100重量%の量である請求項1に記載の可食性組成物。
- 原料亜麻仁種子を圧搾して得られる亜麻仁圧搾粕を含み、かつ抗血栓作用および/または抗動脈硬化作用を呈することを特徴とする可食性組成物。
- 前記原料亜麻仁種子が、60℃以下の温度条件下で圧搾される請求項3に記載の可食性組成物。
- 前記温度が、10〜40℃である請求項4に記載の可食性組成物。
- 前記亜麻仁圧搾粕の量が、前記可食性組成物の0.5〜100重量%の量である請求項3乃至5のいずれかに記載の可食性組成物。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の可食性組成物を利用して調製された食品。
- 前記食品が、ベーカリー食品、健康食品、菓子および飲料からなるグループから選択される形態である請求項7に記載の食品。
- 前記食品が、パン、ケーキ、クッキー、ビスケット、エネルギーバー、錠剤食品、カプセル食品、シリアルフレーク、ゼリー、キャンディー、チョコレート、アイスクリームおよびベバレッジからなるグループから選択される請求項8に記載の食品。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の可食性組成物を含む薬学的組成物。
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