JP2004080898A - 回転子および樹脂磁石の製造方法 - Google Patents

回転子および樹脂磁石の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004080898A
JP2004080898A JP2002237632A JP2002237632A JP2004080898A JP 2004080898 A JP2004080898 A JP 2004080898A JP 2002237632 A JP2002237632 A JP 2002237632A JP 2002237632 A JP2002237632 A JP 2002237632A JP 2004080898 A JP2004080898 A JP 2004080898A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnet
rotor
bonded
bonding
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002237632A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Ishihara
石原 弘之
Youji Hino
日野 陽至
Shinya Naito
内藤 真也
Keiko Kureta
暮田 圭子
Jiyunji Terada
寺田 潤史
Tomohiro Ono
小野 朋寛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
Priority to JP2002237632A priority Critical patent/JP2004080898A/ja
Priority to TW92122134A priority patent/TWI228341B/zh
Priority to CN2008101763353A priority patent/CN101521412B/zh
Priority to CNB031535925A priority patent/CN100456600C/zh
Publication of JP2004080898A publication Critical patent/JP2004080898A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)
  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Abstract

【課題】磁石の接着面とヨークの接着面との隙間に介在する接着剤を容易に食み出させることができる回転子を提供する。
【解決手段】固定子に対向配置された磁石45と、磁石45の被接着面72が接着部材70を介して接着固定された接着面71を含む回転子側ヨーク42とを備え、回転子側ヨーク42を、被接着面72および接着面71間の接着部材70が介在する隙間が接着面71の一端部71a側へ向かってテーパー状となる形状に形成したことを特徴とする回転子40。
【選択図】   図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アキシャルギャップ型やラジアルギャップ型等の回転電機に用いられる回転子に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動二輪車等の駆動源や他の一般の電動モータに用いられる回転電機として、近年では、上記ラジアルギャップ型回転電機に加えてアキシャルギャップ型回転電機にも注目が集められている。
【0003】
このアキシャルギャップ型回転電機としての例えばアキシャルギャップ型電動モータは、その軸受に支持された回転軸を有する円板状の回転子側ヨークと、例えば円板状の鋼板が中心軸方向に沿って積層された積層体である固定子側ヨークとが互いに対向し、かつその対向面が回転軸に直交する構造を有している。
【0004】
そして、回転子側ヨークの対向面には、例えば円形状(あるいは円環状)に界磁用磁石(マグネット)が配設され、固定子側の対向面には、回転軸に対する放射方向(半径方向)に沿って複数のティースが配設されており、磁石およびティースの互いの対向面は回転軸に直交し、かつその対向面間のギャップは回転軸に垂直な平面状に形成される。
【0005】
このように構成されたアキシャルギャップ型モータでは、回転子の磁石は、固定子(複数のティース)に対する吸着力により、常に回転子側ヨークから剥がれる方向へ荷重を受けている。そのため、回転子側ヨークに対する磁石の接着は、より確実かつ強固に行う必要がある。
【0006】
そこで、図19に示すように、ヨーク160の接着面に対して接着剤151を多めに塗布し、被接着体である磁石(マグネット)152の被接着面を接着剤151に載置し、その磁石の被接着面に対向する上面から所定の力Fにより適正な寸法になるまで押圧し、ヨーク接着面と磁石被接着面との隙間の接着剤をその隙間から食み出させることにより、確実な接着を行っていた。
【0007】
一方、上記アキシャルギャップ型電動モータに使用される磁石として、最近では、耐衝撃性、加工性等に優れた樹脂磁石(ボンド磁石)が用いられている。この樹脂磁石は、磁石粉とバインダー樹脂とを混合(コンパウンド)した樹脂(混合物)を射出成形により成形して得られている。
【0008】
例えば、図20は、射出成形装置160の一例を示す図である。
【0009】
図20に示すように、射出成形装置160によれば、射出装置61から射出された、磁石粉とバインダー樹脂との混合物(樹脂)をスプルー162を介して移送し、ランナー163を介して、円環状の金型キャビティ164内にゲート165(金型キャビティ164内への入り口)を介して注入・充填される。その後、冷却固化が完了した後で、スプルー、ランナーを切り外し、金型166を開くことにより、円環状の樹脂磁石が生成される。
【0010】
この射出成形された樹脂磁石を、例えば希土類磁石と比べた場合、希土類磁石は錆が発生しやすく、錆が発生した場合、磁気特性が低下してモータ出力が低下する恐れがある。
【0011】
これに対して、射出成形により生成された樹脂磁石の場合には、射出成形時における溶融樹脂(混合物)が金型166内を流動している際に、低温の金型壁に接する部分(成形物の表面)にスキン層と呼ばれる、樹脂の温度が低下して硬化した層が形成されるため、錆の発生を抑制することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したヨークと磁石との接着においては、接着剤を食み出させてより強固・確実な接着を行うために、強力な荷重による磁石の押圧処理、あるいは長時間かけての磁石の押圧処理が必要であり、回転子製造に必要なエネルギーの増大や、製造時間の増大等を招いていた。
【0013】
また、強力荷重による押圧処理や、長時間に亘っての押圧処理は、磁石の割れ・欠けや、ヨークの変形、接着剤層への残留応力等を生じさせる恐れが生じていた。
【0014】
特に、上述した樹脂磁石を用いた場合、成形収縮により、図21に示すように、樹脂磁石170の被接着面中央部171がその接着面から磁石170の真中へ向かって凹状になるため、凹状部分の無い平面の場合と比べて、接着剤を食み出させるためには、さらに大きな荷重が必要になり、製造時に過度のエネルギーが必要になっていた。また、上記凹状部分171にエア(空気)等が溜まり易くなり、磁石170の被接着面とヨーク172の接着面との接合不良を起こす恐れも生じていた。
【0015】
このように、従来の磁石(樹脂磁石)とヨークとの接着においては、製造エネルギーの増大や製造時間の増大に加えて、上記空気溜まりに起因した回転子製造における不良率の増大や、製品(回転子を用いた回転電機)寿命の低下等を起こす恐れもあり、改善が求められていた。
【0016】
さらに、樹脂磁石を射出成形で生成した場合においては(図22(a)参照)、図22(b)に示すように、生成された樹脂磁石(成形品)180には、スキン層181が生成されている。
【0017】
このとき、成形品180を取り出すため、成形品180からスプルー162およびランナー163を切り外した際には、図22(b)に示すように、そのゲート部(ランナー切り外し部分)165にスキン層181は生成されていないため、成形品180のゲート部165は磁粉が剥き出しとなっている。したがって、成形品180においては、上記ゲート部165から錆が発生するのを防ぐために、生成された成形品180に対して、さらに防錆処理を施す必要が生じていた。
【0018】
また、上述したように、射出成形において生成されるスキン層181を有する成形品180(樹脂磁石)の問題点として、成形品180をヨークに接着する際に、スキン層181の部分が被接着となるため、接着強度が低くなるという新たな問題が生じていた。
【0019】
そこで、接着強度を向上させるために、生成された成形品180の被接着面(スキン層)に対する改質処理(サンディング処理等)を追加して行う必要が生じていた。
【0020】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、強力な荷重を用いた押圧処理や、長時間に亘っての押圧処理を行うことなく、磁石の接着面とヨークの接着面との隙間に介在する接着剤を容易に食み出させることができる回転子を提供することをその第1の目的とする。
【0021】
また、本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、スキン層の無いゲート部を有する樹脂磁石を用いた場合であっても、防錆処理等の追加処理を行う必要なく、ゲート部からの錆の発生を回避することができる回転子を提供することをその第2の目的とする。
【0022】
さらに、本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、射出成形により生成した樹脂磁石を用いた場合であっても、表面改質処理等を行う必要なく、高い接着強度を得ることができる回転子を提供することをその第3の目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するための請求項1記載の発明に係わる回転子によれば、固定子に対向配置された磁石と、前記磁石の第1の接着面が接着部材を介して接着固定された第2の接着面を含むヨークとを備え、前記磁石およびヨークの内の少なくとも一方を、前記第1の接着面および前記第2の接着面間の前記接着部材が介在する隙間が当該第1および第2の接着面の内の少なくとも一方の端部側あるいは中央部側へ向かってテーパー状となる形状に形成している。
【0024】
請求項2記載の発明においては、前記ヨークを、その第2の接着面の一方の端部が前記磁石の第1の接着面に当接し、当該第2の接着面の他方の端部が当該第1の接着面から離間する形状に形成している。
【0025】
請求項3記載の発明においては、前記ヨークを、その第2の接着面の中央部が前記磁石の第1の接着面に当接し、当該第2の接着面の両端部が当該第1の接着面から離間する形状に形成している。
【0026】
請求項4記載の発明においては、前記磁石を、その第1の接着面の中央部が前記ヨークの第2の接着面に当接する形状に形成している。
【0027】
また、上述した目的を達成するための請求項5記載の発明に係わる回転子によれば、ゲート部を含む被接着面を有する樹脂磁石と、前記被接着面における少なくとも前記ゲート部を囲むように当該被接着面に塗布された接着部材と、前記接着部材により、前記被接着面に対して前記ゲート部を気密状態にして接着されたヨークと、を備えている。
【0028】
請求項6記載の発明においては、前記接着部材は、前記ゲート部全面に塗布されている。
【0029】
請求項7記載の発明においては、前記接着部材は、前記ゲート部を含む被接着面全面に塗布されている。
【0030】
さらに、上述した目的を達成するための請求項8記載の発明に係わる回転子によれば、凹凸状のキャビティ面を有する金型を用いた成形工程により生成された、前記キャビティ面に対応する凹凸面を被接着面として有する樹脂磁石と、前記樹脂磁石の被接着面に接着部材を介して接着されたヨークと、備えている。
【0031】
そして、上述した目的を達成するための請求項9記載の発明に係わる樹脂磁石によれば、前記樹脂磁石の形状に対応し、かつ当該樹脂磁石の被接着面に対応するキャビティ面が凹凸状に加工されたキャビティを有する金型を用意し、この金型内に前記樹脂材料を注入および充填し、当該充填された樹脂材料を固化させ、前記樹脂材料の固化時における保圧により前記樹脂材料と前記金型との間で生じるズリせん断により前記金型内の樹脂材料の前記被接着面に対応する面に凹凸処理を施している。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明に係る回転子の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0033】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる回転子を用いる回転電機の一例であるアキシャルギャップ型回転電機が搭載された電動二輪車1の側面図である。
【0034】
図1に示すように、電動二輪車1は、その車体前方上部にヘッドパイプ2を備え、このヘッドパイプ内には、車体方向変更用の図示しないステアリング軸が回動自在に挿通されている。このステアリング軸の上端には、ハンドル3aが固定されたハンドル支持部3が取り付けられており、このハンドル3aの両端にはグリップ4が取り付けられている。また、不図示の右側(図1の奥側)のグリップ6は回動可能なスロットルグリップを構成している。
【0035】
そして、ヘッドパイプ2の下端から下方に向けて、左右一対のフロントフォーク5が取り付けられている。フロントフォーク5それぞれの下端には、前輪6が前車軸7を介して取り付けられており、前輪6は、フロントフォーク5により緩衝懸架された状態で前車軸7により回転自在に軸支されている。ハンドル支持部3のハンドル3aの前方にはメータ8が配置され、ハンドル支持部3におけるメータ8の下方には、ヘッドランプ9が固定されており、そのヘッドランプ9の両側方には、フラッシャランプ10(図1には一方のみ図示)がそれぞれ設けられている。
【0036】
ヘッドパイプ2から側面視で略L字形を成す左右一対の車体フレーム11が車体後方に向かって延設されている。この車体フレーム11は、丸パイプ状であり、ヘッドパイプ2から車体後方に向けて斜め下方に延びた後、後方に向かって水平に延びて側面視略L字状を成している。
【0037】
この一対の車体フレーム11の後方側端部には、その後方側端部から後方に向けて斜め上方に左右一対のシートレール12が延設されており、このシートレール12の後方側端部12aは、シート13の形状に沿って後方側に屈曲されている。
【0038】
そして、この左右一対のシートレール12の間には、バッテリ14が着脱自在に配設されており、このバッテリ14は、充電可能な複数の2次電池を収納して構成されている。
【0039】
左右一対のシートレール12の屈曲部分近傍には、逆U字状を成すシートステー15が車体前方に向かって斜め上方に傾斜して溶着されており、このシートステー15と左右のシートレール12で囲まれる部分に上記シート13が開閉可能、すなわち、シート15の前端部が上下に回動可能に配置されている。
【0040】
シートレール12の後端部にはリヤフェンダ16が取り付けられており、このリヤフェンダ16の後面には、テイルランプ17が取り付けられている。さらに、テイルランプ17の左右には、フラッシュランプ(図1においては一方のみ図示)18が取り付けられている。
【0041】
一方、左右一対の車体フレーム11のシート13下方の水平部には、リヤアームブラケット19(図1には一方のみ図示)がそれぞれ溶着されており、左右一対のリヤアームブラケット19には、リヤアーム20の前端がピボット軸21を介して揺動自在に支持されている。そして、このリヤアーム20の後端部20aには駆動輪である後輪22が回転自在に軸支されており、このリヤアーム20および後輪22は、リヤクッション23により緩衝懸架されている。
【0042】
左右一対の車体フレーム11の水平部下方には、左右一対のフートステップ24(図1には一方のみ図示)がそれぞれ配設されており、また、フートステップ24の後方側には、サイドスタンド25が軸26を介して回動可能に左側のリヤアーム20に支持されており、サイドスタンド25は、リターンスプリング27により閉じ側に付勢されている。
【0043】
そして、リヤアーム20の後端部20a内には、後輪22に連結され、その後輪22を回転駆動させるためのアキシャルギャップ型電動モータ28(以下、単に電動モータ28と略記することもある)を含む駆動ユニット29が取り付けられている。
【0044】
図2は、リヤアーム20の後端部20aの内部を説明するための図1におけるII−II矢視断面図(一部側面図)である。なお、後輪22は図示していない。
【0045】
図2に示すように、リヤアーム20の後端部20aの右側側面には、ギヤカバー35が被着され、その内部に形成された空間内に、駆動ユニット29を構成する電動モータ28、遊星ギヤ減速機36およびコントローラ37等が一体的に組み込まれている。
【0046】
アキシャルギャップ型電動モータ28は、図2に示すように、リヤアーム20の後端部20aに対して、軸受38a、38bを介して、その軸受38a、38bの中心軸線BOを中心に回動可能に支持された回転子(ロータ)40と、この回転子40に対向してリヤアーム後端部20aの内面に固定された略円環(ドーナッツ)状の固定子(ステータ)41とを備えている。
【0047】
回転子40は、図2および図3に示すように、回転子側ヨーク42を有し、この回転子側ヨーク42は、リヤアーム20の後端部20aへ向かって凸の略駒形を成している。
【0048】
すなわち、回転子側ヨーク42は、固定子41に対向する円環状の円環部42aと、この円環部42aの内周縁部からリヤアーム20の後端部20aへ向かって略テーパー状(略円錐台状)に延在するテーパー部42bと、このテーパー部42bのリヤアーム後端部20a側周縁部から後端部20aに向かって中心軸線BOに沿って凸状に延在する第1の円筒部42cと、この円筒部42cのリヤアーム後端部20a側周縁部からその内側に向かって径方向に延在する円環部42dと、この円環部42dの内周縁部から後端部20aに向かって中心軸線BOに沿って凸状に延在する第2の円筒部42eとを備えている。
【0049】
そして、この第2の円筒部42eが軸受38a、38bを介して中心軸線BOを中心に回動可能に支持されており、回転子40の回転軸を構成している。したがって、回転子40の回転軸42eの回転軸中心が軸受38a、38bの中心軸線BOに対応している。
【0050】
また、回転子40は、回転子側ヨーク42の円環部42aにおける固定子側対向面に対して、後述する接着部材70を介して接着・固設されており、中心軸線BOに対して同軸な円環形状を有する界磁用磁石(マグネット)45を備えている。
【0051】
この磁石45は、樹脂磁石(ボンド磁石)であり、磁石粉とバインダー樹脂とを混合(コンパウンド)した樹脂(混合物)を射出成形により円環状に成形して得られており、その周方向に沿って交互に配置されたN極とS極とを有している。
【0052】
回転子40の回転軸42eにおける後輪側端部には、この回転子40(回転軸42e)と同軸状に回転軸46が固設されており、この回転軸46は、回転子40と一体に回転可能になっている。
【0053】
一方、遊星ギヤ減速機36は、回転軸46に連結されており、回転子側ヨーク42のテーパー部42b内に組み込まれている。この遊星ギヤ減速機36と電動モータ28とは車幅方向において部分的にオーバーラップしている。
【0054】
遊星ギヤ減速機36は、回転軸46と同軸状に配置された後車軸47に連結されており、電動モータ28の回転(回転軸46の回転)を減速して後車軸47に伝達する機能を有している。後車軸47のギヤカバー35から突出する先端部47aにはナット50が着脱自在に螺着されており、後輪22は、後車軸47に嵌合された状態においてナット50の螺着により取り付けられている。
【0055】
また、図2に示すように、固定子41は、リヤアーム20の後端部20aに固設されており、円板状あるいは円環状鋼板(本実施形態では円環状鋼板とする)が中心軸方向に沿って積層されて成る積層体構造の固定子側ヨーク(ステータヨーク)60と、磁石45に対して所定間隙をあけて対向しており、それぞれが鋼板の積層体から成る複数のティース61とを備えている。
【0056】
ここで、図4は、図2および図3に示す回転子側ヨーク42のIV−IV矢視断面図である。
【0057】
図4に示すように、回転子側ヨーク42の円環部42aは、磁石45に対向し、その磁石45に接着部材(接着剤)70を介して接着される接着面としての磁石対向面71を有しており、また、磁石45は、磁石対向面71に対向し、かつ接着部材70を介して磁石対向面71に接着される被接着面72を備えている。
【0058】
このとき、回転子側ヨーク42の円環部42aは、磁石対向面71における周縁側の一端部71aが磁石45の被接着面72に当接し、この一端部71aに対向する他端部71bが被接着面72から離間する形状になっており、この結果、磁石対向面71および被接着面72間の接着部材70が介在する隙間は、磁石対向面71の一端部71aと被接着面72との当接部分へ向かってテーパー状になっている。
【0059】
すなわち、本構成によれば、磁石対向面71および被接着面72間の接着部材70が介在する隙間がテーパー状になっているため、図21に示すように、両接着面が平行な場合に比べて、小さな荷重を短時間かけた場合でも、その隙間に介在する接着部材70をその隙間から食み出させて、上記磁石対向面71の他端部71b側から磁石45の内周面に盛り上げることができる。
【0060】
したがって、磁石45の被接着面72と回転子側ヨーク42の磁石対向面71とを確実かつ強固に接着することができる。
【0061】
また、磁石対向面71における周縁側の一端部71aが磁石45の被接着面72に当接しているため、磁石45および回転子側ヨーク42の円環部42aそれぞれの寸法出しを当接点を基準として容易に行うことができ、回転子40の寸法精度を向上させることができる。
【0062】
さらに、磁石対向面71における周縁側の一端部71aが磁石45の被接着面72に当接しているため、この当接点を基準として、磁石対向面71および被接着面72間に介在する接着部材層の厚みを最適に確保することができる。
【0063】
図5は、本実施形態の第1の変形例に係わる回転子40Aの図4に対応する断面図である。
【0064】
すなわち、本変形例では、図5に示すように、回転子側ヨーク42の円環部42aは、磁石対向面71における周縁側の一端部71aが磁石45の被接着面72から離間し、この一端部71aに対向する他端部71bが被接着面72に当接する形状になっており、この結果、磁石対向面71および被接着面72間の接着部材70が介在する隙間は、磁石対向面71の他端部71bと被接着面72との当接部分へ向かってテーパー状になっている。
【0065】
本構成によれば、磁石対向面71および被接着面72間の接着部材70が介在する隙間がテーパー状になっているため、両接着面が平行な場合(図21参照)に比べて、小さな荷重を短時間かけた場合でも、その隙間に介在する接着部材70をその隙間から食み出させて、磁石対向面71の一端部71a側から磁石45の外周面に盛り上げることができる。
【0066】
したがって、上述した磁石45の被接着面72と回転子側ヨーク42の磁石対向面71との接着性の向上、磁石45および回転子側ヨーク42の円環部42aそれぞれの寸法精度の向上および磁石対向面71および被接着面72間に介在する接着部材層の厚みの最適化等を得ることができる。
【0067】
図6は、本実施形態の第2の変形例に係わる回転子40Bの図4に対応する断面図である。
【0068】
すなわち、本変形例では、図6に示すように、回転子側ヨーク42の円環部42aは、磁石対向面71における周縁側の一端部71aおよびこの一端部71aに対向する他端部71bがそれぞれ磁石45の被接着面72から離間し、磁石対向面71の中央部71cが被接着面72に当接する形状になっており、この結果、磁石対向面71および被接着面72間の接着部材70が介在する隙間は、磁石対向面71の中央部71cと被接着面72との当接部分へ向かってテーパー状になっている。
【0069】
本構成によれば、磁石対向面71および被接着面72間の接着部材70が介在する隙間がテーパー状になっているため、両接着面が平行な場合(図21参照)に比べて、小さな荷重を短時間かけた場合でも、その隙間に介在する接着部材70をその隙間から食み出させて、磁石対向面71の一端部71aおよび他端部71bの双方から磁石45の外周面および内周面側に盛り上げることができる。
【0070】
したがって、上述した磁石45の被接着面72と回転子側ヨーク42の磁石対向面71との接着性の向上、磁石45および回転子側ヨーク42の円環部42aそれぞれの寸法精度の向上および磁石対向面71および被接着面72間に介在する接着部材層の厚みの最適化等を得ることができる。
【0071】
図7は、本実施形態の第3の変形例に係わる回転子40Cの図4に対応する断面図である。
【0072】
すなわち、本変形例では、図5に示すように、磁石45の被接着面72における外周縁側の一端部72aおよび内周縁側の他端部72bがそれぞれ円筒部45aの磁石対向面71から離間し、被接着面72における中央部72cが磁石対向面71に当接する形状になっており、この結果、磁石対向面71および被接着面72間の接着部材70が介在する隙間は、被接着面71の中央部72cと磁石対向面71との当接部分へ向かってテーパー状になっている。
【0073】
本構成によれば、磁石対向面71および被接着面72間の接着部材70が介在する隙間がテーパー状になっているため、両接着面が平行な場合(図21参照)に比べて、小さな荷重を短時間かけた場合でも、その隙間に介在する接着部材70をその隙間から食み出させて、磁石45の被接着面72の内外周縁部72aおよび72b側から磁石45の内外周面に盛り上げることができる。
【0074】
したがって、上述した磁石45の被接着面72と回転子側ヨーク42の磁石対向面71との接着性の向上、磁石45および回転子側ヨーク42の円環部42aそれぞれの寸法精度の向上および磁石対向面71および被接着面72間に介在する接着部材層の厚みの最適化等を得ることができる。
【0075】
なお、本実施形態では、回転子側ヨーク42の円環部42aおよび磁石45の形状の一例を図4〜図7に示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、磁石45の被接着面72および回転子側ヨーク円環部42aの磁石対向面71間の接着部材70が介在する隙間が上記被接着面72および磁石対向面71の内の少なくとも一方の端部側あるいは中央部側へ向かってテーパー状となる形状であれば、他の様々な形状を採り得ることができる。
【0076】
(第2の実施の形態)
図8は、本発明の第2の実施形態に係わる回転子80の樹脂磁石81および回転子側ヨーク82の概略構成をそれぞれ示す分解斜視図である。なお、図8においては、説明を容易にするため、回転子側ヨーク82は、固定子41に対向する円環状の円環部82aを有する略円筒形状としている。
【0077】
本実施形態における回転子80の樹脂磁石81は、磁石粉とバインダー樹脂とを混合した樹脂(混合物)を射出成形により成形して得られており、図8に示すように、射出成形終了後(冷却固化後)にスプールやランナーを切り外した際に生じた非スキン層部分であるゲート部83を被接着面81aに有している。
【0078】
このとき、本実施形態の回転子80は、図8に示すように、磁石81の被接着面81aに形成された全てのゲート部83それぞれを囲むように被接着面81aに略円形に塗布された接着部材84を備えており、回転子側ヨーク82の円環部82aの磁石対向面が磁石81の被接着面81aに接着部材84を介して接着されて回転子80が構成される。
【0079】
すなわち、本実施形態においては、全てのゲート部83、すなわち、スキン層が剥がれた部位の周囲を囲むように接着部材84が塗布されているため、この接着部材84を介して回転子側ヨーク82の円環部82aの磁石対向面が接着されると、ゲート部83は、その周囲が全て回転子側ヨーク82に塞がれることになり、ゲート部83を、その周囲の外気に対して気密状態にすることができる。
【0080】
したがって、防錆処理等を行うことなく、外気等の周囲の影響に起因したゲート部83への錆の発生を抑えることができ、回転子80の磁気特性の低下を防止し、電動モータ28の出力を高く維持することができる。
【0081】
図9は、本実施形態の第1の変形例に係わる回転子80Aの樹脂磁石81および回転子側ヨーク82の概略構成をそれぞれ示す分解斜視図である。なお、図9においても、説明を容易にするため、回転子側ヨーク82は、固定子41に対向する円環状の円環部82aを有する略円筒形状としている。
【0082】
本変形例の回転子80Aは、図9に示すように、磁石81の被接着面81aに形成された全てのゲート部83それぞれの全面に略円形に塗布された接着部材84aを備えており、回転子側ヨーク82の円環部82aの磁石対向面が磁石81の被接着面81aに接着部材84aを介して接着されて回転子80Aが構成される。
【0083】
すなわち、本実施形態においては、全てのゲート部83、すなわち、スキン層が剥がれた部位全面に接着部材84aが塗布されているため、この接着部材84aを介して回転子側ヨーク82の円環部82aの磁石対向面が接着されると、ゲート部83の全てが回転子側ヨーク82に塞がれることになり、ゲート部83を、その周囲の外気に対して気密状態にすることができる。
【0084】
したがって、上述したように、ゲート部83への錆発生の抑制、回転子80Aの磁気特性の低下防止および電動モータ28の高出力維持に寄与することができる。
【0085】
図10は、本実施形態の第2の変形例に係わる回転子80Bの樹脂磁石81および回転子側ヨーク82の概略構成をそれぞれ示す分解斜視図である。なお、図10においても、説明を容易にするため、回転子側ヨーク82は、固定子41に対向する円環状の円環部82aを有する略円筒形状としている。
【0086】
本変形例の回転子80Bは、図10に示すように、磁石81の被接着面81aに形成された全てのゲート部83それぞれを個々に囲むように被接着面81aに略円形に塗布された接着部材84と、全てのゲート部83を内包するように被接着面81aに略多角形状に塗布された接着部材84bとを備えており、回転子側ヨーク82の円環部82aの磁石対向面が磁石81の被接着面81aに接着部材84および84bを介して接着されて回転子80が構成される。
【0087】
本変形例においても、ゲート部83の全てを回転子側ヨーク82で塞ぐことができ、ゲート部83を、その周囲の外気に対して気密状態にすることができる。
【0088】
この結果、上述したように、ゲート部83への錆発生の抑制、回転子80Bの磁気特性の低下防止および電動モータ28の高出力維持に寄与することができる。
【0089】
図11は、本実施形態の第3の変形例に係わる回転子80Cの樹脂磁石81および回転子側ヨーク82の概略構成をそれぞれ示す分解斜視図である。なお、図11においても、説明を容易にするため、回転子側ヨーク82は、固定子41に対向する円環状の円環部82aを有する略円筒形状としている。
【0090】
本変形例の回転子80Cは、図11に示すように、磁石81の被接着面81aに形成された全てのゲート部83の内接円よりも小径の略円形となるように被接着面81aに塗布された接着部材84cと、全てのゲート部83を内包するように被接着面81aに略円形に塗布された接着部材84dとを備えており、回転子側ヨーク82の円環部82aの磁石対向面が磁石81の被接着面81aに接着部材84cおよび84dを介して接着されて回転子80が構成される。
【0091】
本変形例においても、ゲート部83の全ての内周側を接着部材84cを介して回転子側ヨーク82で塞ぎ、ゲート部83の全ての外周側を接着部材84dを介して回転子側ヨー82で塞ぐことができるため、ゲート部83を、その周囲の外気に対して気密状態にすることができる。
【0092】
この結果、上述したように、ゲート部83への錆発生の抑制、回転子80Cの磁気特性の低下防止および電動モータ28の高出力維持に寄与することができる。
【0093】
図12は、本実施形態の第4の変形例に係わる回転子80Dの樹脂磁石81および回転子側ヨーク82の概略構成をそれぞれ示す分解斜視図である。なお、図12においても、説明を容易にするため、回転子側ヨーク82は、固定子41に対向する円環状の円環部82aを有する略円筒形状としている。
【0094】
本変形例の回転子80Dは、図12に示すように、磁石81の被接着面81a全面に塗布された接着部材84eを備えており、回転子側ヨーク82の円環部82aの磁石対向面が磁石81の被接着面81aに接着部材84eを介して接着されて回転子80が構成される。
【0095】
本変形例においては、ゲート部83を全て含む被接着面81a全面が接着部材84eを介して回転子側ヨーク82で塞ぐことができるため、ゲート部83を、その周囲の外気に対して気密状態にすることができる。
【0096】
この結果、ゲート部83への錆発生の抑制、回転子80Dの磁気特性の低下防止および電動モータ28の高出力維持に寄与することができる。
【0097】
なお、本実施形態では、磁石81の被接着面81aに塗布される接着部材の様々な塗布形状について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲート部83を気密にした状態で磁石81および回転子側ヨーク82を接着できるものであれば、如何なる塗布形状も含まれる。
【0098】
(第3の実施の形態)
図13は、本発明の第3の実施の形態に係わる回転子90の樹脂磁石91を製造するための射出成形装置100を示す図である。
【0099】
図13に示すように、射出成形装置100は、磁石粉とバインダー樹脂との混合物(樹脂)を成形材料として射出するための射出装置101と、製造(成形)したい対象(樹脂磁石91)の形状に対応するキャビティ(空洞)102を有する金型103と、射出装置101から射出された、磁石粉とバインダー樹脂との混合物Cを金型103内に移送するスプルー104と、このスプルー104を介して移送された樹脂材料(混合物)Cを金型キャビティ102内へ導く通路となるランナー105と、このランナー105から金型キャビティ102内に樹脂材料が充填される際の入り口であるゲート106とを備えている。
【0100】
そして、本実施形態の射出成形装置100における金型キャビティ102における、成形品(樹脂磁石)の被接着面91aに対応するキャビティ面102aには、図13に示すように、凹凸処理が施されており、キャビティ面102aは、凹凸面となっている。
【0101】
図14は、図13に示す射出成形装置100により生成(成形)された樹脂磁石91を示す図である。
【0102】
図14に示すように、樹脂磁石91における被接着面91aは、上記キャビティ面102aの凹凸面に対応する凹凸面となっており、被接着面91aに対するスキン層の形成を阻止することができる。
【0103】
以下、本実施形態の射出成形装置100に基づく樹脂磁石90の製造工程を説明しながら、併せて、本実施形態の作用について説明する。
【0104】
すなわち、樹脂磁石90を製造する時、射出装置100から射出された、磁石粉とバインダー樹脂との混合物(樹脂)は、スプルー104を介して移送され、ランナー105を介して金型キャビティ102内にゲート106を介して注入・充填される。
【0105】
このとき、低温の金型103の壁に接する部分(成形物の表面)は比較的温度が小さいため、その成形物表面には、スキン層110が形成される(図15参照)。
【0106】
ここで、金型キャビティ102内に樹脂材料が完全に充填され、射出が完了されると、金型キャビティ内の樹脂材料は固化していく。
【0107】
ところで、射出成形樹脂材料の固化の直前、保圧がかかることにより、成形品とスキン層との間にズリせん断が生じることが知られている(図16参照)。
【0108】
したがって、本実施形態の構成においても、ゲート106を介して注入・充填された樹脂材料が固化する際に、保圧がかかることにより、図17に示すように、樹脂材料(成形品)Cと金型103との間でズリせん断が生じる。
【0109】
このとき、本実施形態によれば、成形品C(樹脂磁石91)の被接着面91aに対応するキャビティ面102aが凹凸面であるため、成形品Cのズリせん断により、被接着面91aに形成されていたスキン層110がキャビティ面102aの凹凸部に引っかかって破れ、成形品C(樹脂磁石91)の被接着面91aは、キャビティ面102aの凹凸に対応し、かつスキン層の無い凹凸面となる(図18参照)。
【0110】
その後、金型103を開くことにより、成形品である円環状の樹脂磁石91を生成することができる。
【0111】
すなわち、本構成においては、射出成形時における、ズリせん断に応じたキャビティ面102aの作用により、成形品Cである樹脂磁石91の被接着面91aに対して、自動的にシボ(凹凸加工)を施すことができる。
【0112】
したがって、樹脂磁石91の被接着面91aを、図示しない回転子側ヨークの円環部における磁石対向面に接着する際に、その接着面(被接着面91a)の接着面積を、通常の平面と比べて増大させることができ、樹脂磁石91の接着強度を向上させることができる。
【0113】
以上述べたように、本実施形態によれば、射出成形により生成した樹脂磁石91を用いた回転子90であっても、表面改質処理等の追加処理を行うことなく、その射出成形工程において被接着面91aに対して自動的に凹凸加工(シボ加工)を施してスキン層を除去することが可能になり、上記射出成形により生成した樹脂磁石91の接着強度を向上させることができる。
【0114】
この樹脂磁石91は、回転子用の磁石以外の用途に適用することが可能である。
【0115】
なお、上述した各実施の形態においては、本発明に係わる回転子を、自動二輪車に搭載したアキシャルギャップ型回転電機に用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の装置/機器に搭載されたアキシャルギャップ型回転電機に適用することが可能であり、上述した効果が得られる。
【0116】
そして、上述した各実施の形態においては、本発明に係わる回転子が搭載されたアキシャルギャップ型回転電機として、アキシャルギャップ型電動機(電動モータ)について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、回転子を外部から回転させることにより、コイルに起電力を生じさせる、いわゆる発電機としても利用することが可能である。
【0117】
また、上述した各実施の形態においては、本発明に係わる回転子を用いた回転電機として、アキシャルギャップ型回転電機(電動モータ)について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ラジアルギャップ型回転電機、すなわち、磁石および複数のティースの互いの対向面は回転軸に平行であり、かつその対向面間のギャップは回転軸に沿って円筒状に形成されたラジアルギャップ型回転電機に対しても適用可能である。
【0118】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係わる請求項1乃至4記載の回転子によれば、磁石およびヨークの内の少なくとも一方を、磁石の第1の接着面およびヨークの第2の接着面間の接着部材が介在する隙間が当該第1および第2の接着面の内の少なくとも一方の端部側あるいは中央部側へ向かってテーパー状となる形状に形成している。
【0119】
このため、第1および第2の接着面間の隙間が一定の厚みである場合と比べて、小さな荷重を短時間かけた場合でも、その隙間に介在する接着部材をその隙間から食み出させることができる。
【0120】
したがって、製造エネルギーや製造時間を増大させることなく、磁石の第1の接着面とヨークの第2の接着面とを確実かつ強固に接着することができ、接着不良に伴う製造歩留まりの悪化や回転子搭載機器の製品寿命の短縮等を回避することができる。
【0121】
また、本発明に係わる請求項5乃至8記載の回転子によれば、樹脂磁石の被接着面における少なくともゲート部を囲むように、その被接着面に接着部材が塗布されており、その接着部材により、被接着面に対して前記ゲート部を気密状態にしてヨークを接着することができる。
【0122】
したがって、防錆処理等を行うことなく、外気等の周囲の影響に起因したゲート部への錆の発生を抑えることができ、回転子の磁気特性の低下を防止し、回転子が搭載された機器の出力を高く維持することができる。
【0123】
さらに、本発明に係わる請求項8又は9記載の発明によれば、凹凸状のキャビティ面を有する金型を用いた成形工程(製造工程)により、キャビティ面に対応する凹凸面を被接着面として有する樹脂磁石を得ることができるため、樹脂磁石の被接着面の面積を平面状の場合と比べて向上させることができ、樹脂磁石の接着強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる回転子を含むアキシャルギャップ型回転電機が搭載された装置の一例である電動二輪車の側面図。
【図2】図1に示すリヤアームの後端部の内部を説明するための図1におけるII−II矢視断面図(一部側面図)。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係わる回転子を図2に示す固定子側から見た場合の状態を表す平面図。
【図4】図3に示す回転子のIV−IV矢視断面図。
【図5】図4に対応する第1の実施形態の第1の変形例の回転子を表す断面図。
【図6】図4に対応する第1の実施形態の第2の変形例の回転子を表す断面図。
【図7】図4に対応する第1の実施形態の第3の変形例の回転子を表す断面図。
【図8】本発明の第2の実施形態に係わる回転子の樹脂磁石および回転子側ヨークの概略構成をそれぞれ示す分解斜視図。
【図9】第2の実施形態の第1の変形例に係わる回転子の樹脂磁石および回転子側ヨークの概略構成をそれぞれ示す分解斜視図。
【図10】第2の実施形態の第2の変形例に係わる回転子の樹脂磁石および回転子側ヨークの概略構成をそれぞれ示す分解斜視図。
【図11】第2の実施形態の第3の変形例に係わる回転子の樹脂磁石および回転子側ヨークの概略構成をそれぞれ示す分解斜視図。
【図12】第2の実施形態の第4の変形例に係わる回転子の樹脂磁石および回転子側ヨークの概略構成をそれぞれ示す分解斜視図。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係わる回転子の樹脂磁石を製造するための射出成形装置を示す図。
【図14】図13に示す射出成形装置により生成された樹脂磁石を示す図。
【図15】成形時におけるスキン層の生成過程を説明するための図。
【図16】成形時におけるズリせん断を説明するための図。
【図17】本発明の第3の実施の形態に係わる樹脂磁石の製造過程に生じるズリせん断を示す図。
【図18】本発明の第3の実施の形態に係わる樹脂磁石の製造過程において、スキン層が破れた状態を示す図。
【図19】従来の磁石とヨークとの接着状態を示す図。
【図20】射出成形装置の一例を示す図。
【図21】従来の樹脂磁石とヨークとの接着状態を示す図。
【図22】(a)は、射出成形後、成形品である樹脂磁石を射出成形装置から切り外した状態を示す図、(b)は、図22(a)に示す成形品のゲート部(破線の円で示すA部分)を拡大して示す図。
【符号の説明】
20 リヤアーム
20a 後端部
28 電動モータ
40、40A〜40C 回転子
41 固定子
42 回転子側ヨーク
42a 円環部
45 磁石
70 接着部材
71 磁石対向面
71a 一端部
71b 他端部
71c 中央部
72 被接着面
72a 一端部
72b 他端部
72c 中央部
80、80A〜80C 回転子
81 樹脂磁石
81a 被接着面
82 回転子側ヨーク
82a 円環部
83 ゲート部
84、84a〜84e 接着部材
90 回転子
91 樹脂磁石
91a 被接着面
100 射出成形装置
101 射出装置
102 キャビティ
102a キャビティ面
103 金型
104 スプルー
105 ランナー
106 ゲート
110 スキン層

Claims (9)

  1. 固定子に対向配置された磁石と、
    前記磁石の第1の接着面が接着部材を介して接着固定された第2の接着面を含むヨークとを備え、
    前記磁石およびヨークの内の少なくとも一方を、前記第1の接着面および前記第2の接着面間の前記接着部材が介在する隙間が当該第1および第2の接着面の内の少なくとも一方の端部側あるいは中央部側へ向かってテーパー状となる形状に形成したことを特徴とする回転子。
  2. 前記ヨークを、その第2の接着面の一方の端部が前記磁石の第1の接着面に当接し、当該第2の接着面の他方の端部が当該第1の接着面から離間する形状に形成したことを特徴とする請求項1記載の回転子。
  3. 前記ヨークを、その第2の接着面の中央部が前記磁石の第1の接着面に当接し、当該第2の接着面の両端部が当該第1の接着面から離間する形状に形成したことを特徴とする請求項1記載の回転子。
  4. 前記磁石を、その第1の接着面の中央部が前記ヨークの第2の接着面に当接する形状に形成したことを特徴とする請求項1記載の回転子。
  5. ゲート部を含む被接着面を有する樹脂磁石と、
    前記被接着面における少なくとも前記ゲート部を囲むように当該被接着面に塗布された接着部材と、
    前記接着部材により、前記被接着面に対して前記ゲート部を気密状態にして接着されたヨークと、
    を備えたことを特徴とする回転子。
  6. 前記接着部材は、前記ゲート部全面に塗布されていることを特徴とする請求項5記載の回転子。
  7. 前記接着部材は、前記ゲート部を含む被接着面全面に塗布されていることを特徴とする請求項5記載の回転子。
  8. 凹凸状のキャビティ面を有する金型を用いた成形工程により生成された、前記キャビティ面に対応する凹凸面を被接着面として有する樹脂磁石と、
    前記樹脂磁石の被接着面に接着部材を介して接着されたヨークと、
    を備えたことを特徴とする回転子。
  9. 樹脂材料を用いて樹脂磁石を製造する方法であって、
    前記樹脂磁石の形状に対応し、かつ当該樹脂磁石の被接着面に対応するキャビティ面が凹凸状に加工されたキャビティを有する金型を用意し、
    この金型内に前記樹脂材料を注入および充填し、当該充填された樹脂材料を固化させ、
    前記樹脂材料の固化時における保圧により前記樹脂材料と前記金型との間で生じるズリせん断により前記金型内の樹脂材料の前記被接着面に対応する面に凹凸処理を施すことを特徴とする樹脂磁石製造方法。
JP2002237632A 2002-08-16 2002-08-16 回転子および樹脂磁石の製造方法 Pending JP2004080898A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002237632A JP2004080898A (ja) 2002-08-16 2002-08-16 回転子および樹脂磁石の製造方法
TW92122134A TWI228341B (en) 2002-08-16 2003-08-12 Manufacturing method of rotor and resin magnet
CN2008101763353A CN101521412B (zh) 2002-08-16 2003-08-18 转子及树脂磁体制造方法
CNB031535925A CN100456600C (zh) 2002-08-16 2003-08-18 转子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002237632A JP2004080898A (ja) 2002-08-16 2002-08-16 回転子および樹脂磁石の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004080898A true JP2004080898A (ja) 2004-03-11

Family

ID=32021308

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002237632A Pending JP2004080898A (ja) 2002-08-16 2002-08-16 回転子および樹脂磁石の製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2004080898A (ja)
CN (2) CN101521412B (ja)
TW (1) TWI228341B (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7456539B2 (en) 2005-02-24 2008-11-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Rotor and method of manufacturing the same
US8081961B2 (en) 2003-04-22 2011-12-20 Hitachi, Ltd. Network management apparatus and method of selecting base station for software update
JPWO2018138914A1 (ja) * 2017-01-30 2019-06-27 株式会社日立産機システム アキシャルギャップ型回転電機

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6552275B2 (ja) * 2015-05-28 2019-07-31 透一 野渡 モータ及び発電機

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA1109916A (en) * 1977-09-21 1981-09-29 Yoshio Kishi Stator yoke for electrical apparatus
JP3292804B2 (ja) * 1996-01-10 2002-06-17 株式会社三協精機製作所 ロータ及びロータの製造方法
JPH1142845A (ja) * 1997-07-24 1999-02-16 Osaka Insatsu Ink Seizo Kk 印刷を施した容器
CN2412788Y (zh) * 2000-02-22 2001-01-03 张士秀 高性能车用直驱无刷直流电动机
JP2001238375A (ja) * 2000-02-22 2001-08-31 Moric Co Ltd 永久磁石界磁モータおよび永久磁石の固着方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8081961B2 (en) 2003-04-22 2011-12-20 Hitachi, Ltd. Network management apparatus and method of selecting base station for software update
US7456539B2 (en) 2005-02-24 2008-11-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Rotor and method of manufacturing the same
JPWO2018138914A1 (ja) * 2017-01-30 2019-06-27 株式会社日立産機システム アキシャルギャップ型回転電機
EP3576253A4 (en) * 2017-01-30 2020-10-14 Hitachi Industrial Equipment Systems Co., Ltd. ELECTRIC ROTATING MACHINE OF THE AXIAL GAP TYPE

Also Published As

Publication number Publication date
CN101521412A (zh) 2009-09-02
TW200406972A (en) 2004-05-01
CN101521412B (zh) 2011-01-19
TWI228341B (en) 2005-02-21
CN100456600C (zh) 2009-01-28
CN1484356A (zh) 2004-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09150777A (ja) 電気自転車
US8794368B2 (en) Motor assisted rotating wheel mechanism
CN1901325A (zh) 旋转电机以及电动轮椅车
US7116027B2 (en) Magnet for a dynamo-electric machine
TW200301988A (en) Axial gap type electrical rotation machine
CN111033950B (zh) 转子、辐条型马达、车辆用马达、无人飞行体、电动助力装置以及机器人装置
JP7163926B2 (ja) ロータ、スポーク型モータ、車両用モータ、無人飛行体、電動アシスト装置およびロボット装置
JP2004080898A (ja) 回転子および樹脂磁石の製造方法
JP2004142631A (ja) 電動自転車
FR3004297A1 (fr) Rotor a aimantation permanente pouvant lui etre donnee apres coup
WO2012014969A1 (ja) モールドモータ及びこれを搭載した移動体
JP4050747B2 (ja) 回転電機
CN101902091A (zh) 模制电动机、电动车辆以及模制电动机的制造方法
CN101299563B (zh) 轴向间隙型旋转电机
CN201650834U (zh) 一种风叶用轴芯、离心风叶
JP7131457B2 (ja) 電動機の製造方法
JP2002331986A (ja) 電動アシスト自転車用モータ
JP3617827B2 (ja) 永久磁石回転子およびその製造方法
JP7386078B2 (ja) 人力駆動車用のドライブユニットおよび人力駆動車用のドライブユニットの製造方法
JP2005027440A (ja) 回転電機のロータおよびその製造方法
JPH02218377A (ja) 高出力電動ホースカー
JP3684344B2 (ja) 永久磁石回転子およびその製造方法
CN217197617U (zh) 一种复合材料的新型电动车车轮
WO2013046786A1 (ja) モールドモータ及びこれを搭載した移動体
JP2011025730A (ja) 電動車両

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050617

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080826

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081027

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090224