JP2004079026A - 粘着膜保護シートの剥離方法及び光ディスクの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】粘着膜から保護シートを剥離する際に、保護シートから粘着膜へ作用する応力により粘着膜に剥離痕が生じることを効果的に抑制する。
【解決手段】ローラ面47からの吸着力(剥離力)により保護シート32を粘着膜26から剥離することにより、保護シート32の剥離点PE1付近の曲率半径がローラ面47の曲率半径(4.0mm)よりも大きく保たれる。これにより、保護シート32の剥離点PE1付近から粘着膜26へ作用する引張応力及び圧縮応力が十分に小さくなるので、保護シート32を粘着膜26から剥離する際の歪み量を所定の値以下に維持し、保護シート32が剥離された粘着膜26の表面部に残留する塑性変形を十分に小さくできる。
【選択図】 図2
【解決手段】ローラ面47からの吸着力(剥離力)により保護シート32を粘着膜26から剥離することにより、保護シート32の剥離点PE1付近の曲率半径がローラ面47の曲率半径(4.0mm)よりも大きく保たれる。これにより、保護シート32の剥離点PE1付近から粘着膜26へ作用する引張応力及び圧縮応力が十分に小さくなるので、保護シート32を粘着膜26から剥離する際の歪み量を所定の値以下に維持し、保護シート32が剥離された粘着膜26の表面部に残留する塑性変形を十分に小さくできる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の材料間の貼合せに用いられる粘着膜の表面部に貼り付けられた保護シートを剥離する粘着膜保護シートの剥離方法及び、ディスク基板上にカバーシート及び粘着膜によりカバー層が構成された光ディスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光を用いて情報を記録し、又は再生する光ディスクとしては、例えば、CD−R(Compact Disc−recordable)、CD(Compact Disc)、DVD(digitalversatile disc)、DVD−R(digital versatile disc−recordable)等が既に普及しているが、近年、光ディスクに対しては、映像情報等の情報を更に大量に格納したいという要望があり、高密度化の検討が進んでいる。このような光ディスクに対する記録密度は、おおむねディスク上の光ビームのスポットサイズで決まり、このスポットサイズは、レーザ波長をλ、対物レンズの開口数をNAとすると、λ/NAに比例する。このため、光ディスクに対する記録密度を高めるためには、レーザ光の短波長化と対物レンズの高NA化が必要となる。しかし、光ディスクの傾きにより発生するコマ収差はNAの3乗に比例して大きくなるため、高NA化によってディスクの傾きに対するマージンが極めて小さくなり、わずかな傾きでもビームがぼやけ、高密度での記録及び再生が実現できなくなる。従って、高密度化に対応した光ディスクでは、例えば、特開平11−31337号公報に開示されているように、レーザ光の透過層であるカバー層を十分薄いもの(例えば、0.1mm程度のもの)とし、高NAに伴うディスクの傾きによるコマ収差の増加を抑制する必要がある。
【0003】
上記のような光ディスクの製造過程では、例えば、情報記録層が形成されたディスク基板の記録面上にポリカーボネイト等の透明樹脂からなるシート材(カバーシート)を粘着膜により貼り合せ、このカバーシート及び粘着膜によりディスク基板上に透明なカバー層を構成する。このような光ディスクの製造時には、例えば、予めカバーシートの片側の面に透明な粘着膜を形成したものものを用意しておき、この粘着膜を介してカバーシートをディスク基板上に重ね合せ、粘着膜の粘着力によりカバーシートをディスク基板に貼り合わせる。また、カバーシートに貼り付けられた粘着膜には、通常、表面部(粘着面)の損傷や塵埃等の異物付着を防止するため保護シートが貼り付けられており、この保護シートは、カバーシートをディスク基板に貼り合せる直前に粘着膜から剥離される。
【0004】
上記のような光ディスクでは、カバーシート及び粘着膜により構成されるカバー層の厚さが0.1mm前後に設定されており、カバー層の厚さについての許容誤差が極めて微小なものになっている。このため、カバーシートをディスク基板へ貼り合せる際には、これらの間に介在する粘着膜を精度良く一定の厚さとすると共に、粘着膜の表面部の平坦性も十分に高いものとする必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、粘着剤により形成された粘着膜は、外力が作用した場合に変形量が十分に小さいと、外力の消失と同時に略元の形状に復元する弾性的な性質を示すが、外力による変形量が増加するに従って、外力が消失しても、ある程度の変形が残留する塑性的な性質を強く示すようになる。このため、次のような問題が生じることがある。
【0006】
例えば、図6に示されるように、カバーシート120上の粘着膜122に貼り付けられた保護シート124を一端部から他端部へ向って剥離する際に、保護シート124を粘着膜122とは反対側へ撓ませつつ剥離すると、保護シート124は粘着膜122からの剥離点PE付近に引張応力及び圧縮応力を作用させる。このとき、保護シート124から粘着膜122へ局部的に不均一な応力が作用すると、この不均一な応力により粘着膜122の表面部に微小な皺、うねり等の塑性変形(剥離痕)が残留する。この剥離痕が残留している状態で、粘着膜122を介してカバーシート120をディスク基板に貼り合わせると、剥離痕が残留している領域では、カバーシート120及び粘着膜122からなるカバー層が一定の厚さにならず、また光ディスクの表面(記録面)に局部的な傾き(面倒れ)も生じやすくなる。このため、粘着膜の剥離痕を十分に小さくしなければ、光ディスクでは、カバー層の厚さ誤差や面倒れが大きなものになり、これらの厚さ誤差や面倒れについての品質基準により決められた許容範囲を外れるものが増加し、製品の歩留りが低下するおそれがある。
【0007】
ここで、剥離時に保護シート124から粘着膜122へ局部的に不均一な応力が作用する原因としては、保護シート124の剥離速度の変動や、保護シート124の粘着膜122から剥離開始する部位(剥離点PE)付近の撓み量の変動が挙げられる。すなわち、保護シート124の剥離速度が変動すると、この変動に従って保護シート124から粘着膜へ作用する応力も変動することから、保護シート124の剥離速度の変動が過大になった場合には粘着膜122に剥離痕が残留しやすくなる。また保護シート124の撓み量が増加するに従って保護シートから粘着膜へ作用する応力が増加し、このように保護シート124の撓み量が大きい状態で撓み量が変動した場合には粘着膜122に剥離痕が残留しやすくなる。
【0008】
本発明の一の目的は、上記事実を考慮して、粘着膜から保護シートを剥離する際に、保護シートから粘着膜へ作用する応力により粘着膜に剥離痕が生じることを効果的に抑制できる粘着膜保護シートの剥離方法を提供することにある。
【0009】
また本発明の他の目的は、上記事実を考慮して、粘着膜及びカバーシートによりカバー層が構成された光ディスクにおける粘着膜の剥離痕に起因する厚さ誤差及び面倒れを十分に小さくできる光ディスクの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る粘着膜保護シートの剥離法方法は、粘着膜の表面部に貼り付けられた薄膜状の保護シートに剥離力を作用させ、該剥離力により保護シートをその一端部から他端部へ向って剥離する粘着膜保護シートの剥離方法であって、前記粘着膜上に貼り付けられた前記保護シートの表面部にガイド部材を近接又は当接させ、該ガイド部材を前記保護シートの一端部から他端部へ向って移動させつつ、前記保護シートにおける前記ガイド部材との近接部又は当接部付近に前記剥離力を作用させ、前記ガイド部材の移動に従って前記保護シートをその一端部から他端部へ向って剥離させると共に、前記粘着膜からの前記保護シートの剥離時に、該保護シートにおける前記粘着膜上からの剥離点を起点とする撓み変形を前記ガイド部材により制限して、該保護シートの前記剥離点付近の曲率半径を4.0mm以上とすることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る粘着膜保護シートの剥離方法によれば、粘着膜上に貼り付けられた保護シートの表面部にガイド部材を近接又は当接させ、このガイド部材を前記保護シートの一端部から他端部へ向って移動させつつ、保護シートにおけるガイド部材との近接部付近又は当接部付近に剥離力を作用させ、ガイド部材の移動に従って保護シートを一端部から他端部へ向って剥離させることにより、保護シートの粘着膜からの剥離速度がガイド部材の移動速度に略等しいものになるので、保護シートの一端部から他端部へ向うガイド部材の移動速度を一定にすれば、このガイド部材の移動に従って剥離される保護シートの粘着膜からの剥離速度を一定とし、剥離速度の変動に伴って生じる保護シートから粘着膜へ作用する応力の変動を防止できる。
【0012】
また粘着膜からの保護シートの剥離時に、この保護シートにおける粘着膜からの剥離点を起点とする撓み変形をガイド部材により制限して、この保護シートの前記剥離点付近の曲率半径を4.0mm以上とすることにより、粘着膜からの保護シートの剥離時に、保護シートにおける剥離点付近の撓み変形量を所定の値以下に保つことができるので、保護シートの剥離点付近から粘着膜へ作用する応力を十分に小さくでき、かつ応力の変動自体も抑制できる。
【0013】
この結果、保護シートを粘着力に抗して粘着膜から剥離する際に、剥離点付近で保護シートから粘着膜へ作用する応力を十分に小さくでき、この応力の変動自体も抑制できるので、保護シートが剥離された粘着膜に保護シートから作用する応力の変動により皺、うねり等の剥離痕が残留することを効果的に抑制できる。
【0014】
ここで、ガイド部材としては、例えば、保護シートの表面部上を転動可能に支持された円筒状のガイドローラを用いることができる。このとき、保護シート上でのガイドローラの転動速度(移動速度)を一定にすれば、ガイドローラの移動に従って剥離される保護シートの粘着膜からの剥離速度を一定にできるので、剥離速度の変動に伴って生じる保護シートから粘着膜へ作用する応力の変動を防止でき、またガイドローラのローラ面の曲率半径を4.0mmよりも大きくしておけば、保護シートにおける剥離点付近の曲率半径を十分に大きい値(4.0mm以上)に維持できる。
【0015】
また、本発明に係る光ディスクの製造方法は、少なくとも片側の面に情報記録層が設けられたディスク基板と、前記ディスク基板における前記情報記録層側の面に粘着膜により貼り合され、該粘着膜と共に前記情報記録層を覆う透明なカバー層を構成するカバーシートと、を有する光ディスクの製造方法であって、前記カバーシートの片側の面上に設けられ、表面部に保護シートが貼り付けられた前記粘着膜から、請求項1、2、3又は4記載の粘着膜保護シートの剥離方法を用いて前記保護シートを剥離した後、前記粘着膜を介して前記カバーシートを前記ディスク基板の情報記録層側の面に貼り合わせ、前記カバーシート及び前記粘着膜により前記情報記録層を覆うカバー層を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る光ディスクの製造方法によれば、カバーシートの片側の面上に設けられ、表面部に保護シートが貼り付けられた前記粘着膜から、本発明に係る請求項1、2、3又は4記載の粘着膜保護シートの剥離方法を用いて保護シートを剥離した後、粘着膜を介してカバーシートをディスク基板の情報記録層側の面に貼り合わせることにより、保護シートが剥離された粘着膜に残留する皺、うねり等の塑性変形(剥離痕)を十分に小さいものにできるので、この粘着膜の剥離痕に起因する光ディスクのカバー層の厚さ誤差及び面倒れの発生を効果的に抑制できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る光ディスクの製造方法について図面を参照して説明する。
【0018】
(実施形態の構成)
先ず、本発明の実施形態に係る光ディスクの構造について簡単に説明する。図1には、本発明の実施形態に係る光ディスクの製造方法により製造された光ディスクが示されている。この光ディスク10は、従来のDVD−R等の光ディスクに対して高密度の情報記録が可能とされたものであり、例えば、従来の光ディスクと比較して、記録再生用のレーザ光として短波長の青紫レーザ光を用いると共に、記録再生装置の対物レンズの開口数NAを0.85程度まで増大することで、12cm径の光ディスク10に対する片面記録容量が22.5Gバイト程度まで高められている。
【0019】
光ディスク10には、円盤状に形成されたディスク基板12が設けられており、このディスク基板12の片側の面は情報の記録面とされている。このディスク基板12の記録面側には、光反射層18及び光吸収層20が順に積層されており、これらの光反射層18及び光吸収層20により情報記録層(以下、単に「記録層」という。)16が構成されている。また光ディスク10には、記録層16を覆うようにディスク基板12上に透明なカバー層22が設けられている。このカバー層22は、透明樹脂を素材とするカバーシート24及び粘着膜26により構成され、その厚さが100μm程度とされている。
【0020】
ディスク基板12は、PC(ポリカーボネイト)等の樹脂を素材としてモールド成形されている。カバー層22を構成するカバーシート24は、PC(ポリカーボネイト)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の透明樹脂製の薄膜フィルムからなる。粘着膜26は、公知のアクリル系、ゴム系、シリコン系等の粘着剤により形成されるが、透明性及び耐久性の観点からは、アクリル系粘着剤により粘着膜26が望ましい。またカバーシート24及び粘着膜26の厚さは、カバー層22の設定値に応じて決められるが、例えば、カバー層22の厚さの設定値が100μmの場合には、例えば、カバーシート24の厚さが80μmに設定されると共に、粘着膜26の厚さが20μmに設定される。
【0021】
ディスク基板12の中心部には、光ディスク10の回転中心となる軸心SDに沿って円形のセンターホール28が穿設されている。またカバー層22の中心部にも、軸心Sを中心としてセンターホール28と略同一内径を有する円形の開口部30が形成されている。但し、カバー層22については、その内周端がディスク基板12の記録層16よりも内周側に位置していれば良いことから、この位置関係を満たす範囲で、開口部30の内径をセンターホール28の内径よりも大きくしても良い。
【0022】
上記のような光ディスクの製造ラインでは、モールド成形等により成形されたディスク基板12の片側の面に記録層16を形成した後、このディスク基板12上にカバーシート24を粘着膜26により貼り合せる貼合工程が行われる。この貼合工程により、ディスク基板12上にカバーシート24及び粘着膜26によりカバー層22が形成される。この後、光ディスクの製造ラインでは、必要に応じてカバーシート24に対する加圧、粘着膜26の硬化等が行われ、製品素材としての光ディスクが製造される。
【0023】
光ディスクの製造ラインでは、図2に示されるように、カバーシート24上に粘着膜26が形成され、この粘着膜26のカバーシート24とは反対側の粘着面27に保護シート32が貼り付けられた貼合シート材34が用意される。この貼合シート材34は、例えば、カバーシート24に粘着剤を所定の厚さに塗布して粘着膜26を形成した後、この粘着膜26に保護シート32を貼り付けることにより、あるいはカバーシート24に保護シート32が貼り付けられた粘着膜26(両面粘着シート)を直接、貼り合せることにより製造されている。
【0024】
貼合シート材34は、ディスク基板12へ貼り合される直前に保護シート32が粘着面27から剥離除去され、この粘着面27が記録面14へ当接するようにディスク基板12上へ積み重ねられる。この貼合シート材34及びディスク基板12は、例えば、加圧装置により真空下に保持されると共に、貼合シート材34がディスク基板12上へ加圧される。これにより、粘着面27が記録面14に隙間無く密着して貼合シート材34とディスク基板12との貼り合せが完了する。
【0025】
ここで、保護シート32は、その厚さが30〜100μm程度とされており、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)等を素材として形成されている。また保護シート32には、粘着膜26へ貼り付けられる面に剥離性を良好とするために剥離剤が塗布されている。このような保護シート32の機械的特性としては、弾性係数(ヤング率)Eが概ね40〜100Kgf/mm2の範囲にあり、また撓み方向(厚さ方向)へは十分な可撓性を有し実質的に弾性体と見なすことができる。
【0026】
光ディスクの製造ラインでは、貼合シート材34をディスク基板12へ貼り合せる直前に、図2に示されるシート剥離装置40に装填され、このシート剥離装置40により保護シート32が貼合シート材34から剥離除去される。
【0027】
図2及び図3に示されるように、シート剥離装置40には、支持テーブル42が設けられると共に、この支持テーブル42の上側に円筒状のガイドローラ46が回転可能に支持されている。支持テーブル42の上面は、貼合シート材34が載置される載置面44とされており、載置面44の中央部には円柱状のセンターピン48が突出している。貼合シート材34は、その開口部30内へセンターピン48が挿入されるように載置面44上へ載置され、載置面44の中央部へ位置決めされる。
【0028】
支持テーブル42内には、載置面44の下側に周方向へ延在する負圧室50が設けられており、この負圧室50には吸引配管52を通して真空ポンプ等の真空発生装置(図示省略)が接続されている。また支持テーブル42には、載置面44と負圧室50の上面部との間を貫通する複数の吸引穴54が周方向及び径方向に沿って一定ピッチで穿設されている。シート剥離装置40では、載置面44上へ貼合シート材34が載置されると、真空発生装置を作動させて負圧室50内を減圧し、吸引穴54を通して載置面44上の貼合シート材34へ負圧を作用させる。これにより、貼合シート材34の下面全体が載置面44上へ吸着されると共に、貼合シート材34が皺、弛み等がない平坦な状態に保持される。
【0029】
図3に示されるように、ガイドローラ46は、そのローラ面47の軸方向に沿って貼合シート材34よりも幅広とされており、ローラ支持機構(図示省略)により載置面44の上方に支持されている。ローラ支持機構は、ガイドローラ46をその軸心SRが載置面44と平行となるように支持しており、保護シート32を粘着膜26から剥離する際には、載置面44との間に貼合シート材34の厚さに対応する間隔を空けつつ、ガイドローラ46を貼合シート材34の径方向(矢印M方向)に沿って直線的に移動させる。またガイドローラ46には、ワンウェイクラッチ等のトルクリミッタを介してモータから貼合シート材34に従動する方向へのトルクが伝達される。これにより、ガイドローラ46は、ローラ面47を保護シート32の上面部に当接させつつ、空転することなく従動方向(矢印F方向)へ回転し、貼合シート材34上を径方向に沿って転動(移動)する。このとき、ガイドローラ46は、貼合シート材34へ僅かな加圧力を作用させつつ貼合シート材34上を転動する。またガイドローラ46はローラ面47の曲率半径が4.0mm以上とされている。
【0030】
図3に示されるように、ガイドローラ46には、そのローラ面47に複数の吸着部56が略一定のピッチで設けられている。ここで、吸着部56はローラ面47に対して凹状に形成されており、各吸着部56には、ガイドローラ46内を貫通する配管により真空ポンプ等の真空発生装置に接続されている。シート剥離装置40では、粘着膜26から保護シート32を剥離開始する前に、真空発生装置を作動させて各吸着部56内へ負圧を供給する。これにより、ローラ面47における保護シート32との当接部では、吸着部56により保護シート32に吸着力が作用し、保護シート32がローラ面47により吸着される。このとき、ガイドローラ46が従動方向へ回転することにより、ローラ面47は保護シート32に粘着膜26から剥離させるような力(剥離力)を作用させ、ローラ面47と保護シート32との当接部付近を起点として保護シート32を粘着膜26から剥離させる。
【0031】
またガイドローラ46における各吸着部56には、それぞれ開閉弁(図示省略)が設けられており、これらの開閉弁は、保護シート32の当接部付近に位置する吸着部56にのみ負圧が供給されるように開閉が制御される。これにより、粘着膜26から剥離された保護シート32の剥離部分にはローラ面47からの吸着力が作用しなくなり、この保護シート32の剥離部分は自重及び弾性的な復元力によりローラ面47から剥離する。
【0032】
なお、吸着部56に負圧を供給する真空発生装置と支持テーブル42の負圧室50へ負圧を供給する真空発生装置とを必ずしも別々に2台設置する必要はなく、1台の真空発生装置により吸着部56及び負圧室50の双方へ負圧を供給するようにしても良い。
【0033】
図2に示されるように、シート剥離装置40には、支持テーブル42の上側に一対の回収ローラ58,60及び、ローラ面47から剥離した保護シート32を回収ローラ58へ案内するためのガイド部材62が配置されている。ここで、回収ローラ58,60及びガイド部材62は、ローラ支持機構により支持されており、ガイドローラ46と一体となって移動する。また回収ローラ58,60はガイドローラ46の回転時にモータ(図示省略)からのトルクが伝達される。これにより、粘着膜26から剥離された保護シート32の剥離部分は、ガイド部材62に沿って回収ローラ58,60間へ案内され、回収ローラ58,60により粘着膜26からの剥離速度と略等しい搬送速度でシート回収部(図示省略)へ送られる。
【0034】
(実施形態の作用)
次に、上記したような光ディスクの製造ラインにて実施される光ディスクの製造方法の作用について説明する。
【0035】
図4に示されるように、ローラ面47からの剥離力により保護シート32が粘着膜26から剥離する部位を剥離点PE1とし、この保護シート32がローラ面47から剥離する部位を剥離点PE2とする。保護シート32は、ガイドローラ46により粘着膜26から剥離される際に、剥離点PE1と剥離点PE2との間の部分がローラ面47に密着した状態になる。従って、保護シート32の剥離点PE1と剥離点PE2との間の部分はローラ面47と略等しい曲率半径で湾曲(撓み変形)する。一方、ローラ面47の曲率半径は、前述したように4.0mm以上になっている。この結果、保護シート32の剥離点PE1と剥離点PE2との間の部分の曲率半径も4.0mm以上になる。
【0036】
また、図4に示されるように、保護シート32は、その剥離点PE1と剥離点PE2とがローラ面47に沿って湾曲した状態では、剥離点PE1対して上流側にあって、ローラ面47と粘着膜26とにより挟まれた部分(剥離点上流部32U)には撓み変形が生じる。すなわち、剥離点上流部32Uにおける剥離点PE1付近は、ローラ面47からの剥離力により上方へ撓み変形し、粘着膜26に引張り応力STを作用させる。このとき、また剥離点上流部32Uにおけるローラ面47下端の真下付近は、ガイドローラ46からの加圧力及び、剥離点PE1付近の撓み変形量に対応する曲げ応力が作用し、この加圧力及び曲げ応力により下方へ撓み変形し、粘着膜26に圧縮応力SPを作用させる。
【0037】
これらの加圧力及び曲げ応力により、粘着膜26には、剥離点PE1を略中心として局部的な歪みが生じる。具体的には、粘着膜26には、断面が剥離点PE1を中心として略山型となるような局部的な歪みが生じる。この局部的な歪みの大きさ(歪み量)は、粘着膜26における剥離点PE1と圧縮応力SPにより最も圧縮された点との厚さ方向に沿った変移量ΔY(図4参照)をパラメータとして表すことができる。発明者等の実験及びシミュレーションの結果によると、保護シート32を粘着膜26から剥離する際に変移量ΔYを所定の値以下に維持することで、保護シート32が剥離された粘着膜26の表面部に残留する塑性変形を十分に小さくできる。
【0038】
図4から明らかなように、上記した粘着膜26の変移量ΔYは、保護シート32の剥離点PE1付近の曲率半径に対して負の相関関係を有する。保護シート32の剥離点PE1付近の曲率半径は、ガイドローラ46のローラ面47の曲率半径と略等しく(厳密には僅かに大きく)なる。このことから、ローラ面47の曲率半径を十分に大きなもの(本実施形態では4.0mm以上)にすることで、粘着膜26の変移量ΔYを十分に小さくして、粘着膜26の表面部に残留する塑性変形を十分に小さいものにできる。この結果、貼合シート材34をディスク基板12に貼り合せて製造された光ディスク10におけるカバー層22の厚さの不均一、及びレーザー入射面の面倒れを十分に小さいものできるので、高密度での情報記録が可能な光ディスク10の品質を向上し、かつ品質を安定化できる。
【0039】
(シート剥離装置の変形例)
次に、本実施形態に係る光ディスクの製造方法に用いられるシート剥離装置の変形例について説明する。
【0040】
図5には本実施形態に係る光ディスクの製造方法に用いられるシート剥離装置の変形例が示されている。なお、このシート剥離装置66では、図2及び図3に示されるシート剥離装置40と構造及び作用が共通の部材に同一符合を付して説明を省略する。シート剥離装置66には、支持テーブル42の上側に円筒状のガイドローラ68が回転可能に支持されている。このガイドローラ68は、図2に示されるガイドローラ46と寸法及び形状が共通とされており、ガイドローラ46と同様に、ローラ支持機構(図示省略)により載置面44の上方に支持されている。但し、ガイドローラ68のローラ面69には吸着部が設けられておらず、ローラ面69により保護シート32を吸着する機能を備えていない。
【0041】
シート剥離装置66には、支持テーブル42の上側にガイドローラ68に連動して所定の巻取方向へ回転する巻取軸70が設けられており、この巻取軸70には、粘着膜26から剥離された保護シート32及び使用済みの両面粘着テープ72が巻き取られている。この巻取軸70には、トルクリミッタを介してモータ(図示省略)が連結されており、このモータはガイドローラ68の回転時に巻取軸70に巻取方向のトルクを伝達する。これにより、巻取軸70は、ガイドローラ68から送り出されてきた両面粘着テープ72に一定の張力を付与しつつ、この両面粘着テープ72をロール状に巻き取る。
【0042】
このシート剥離装置66では、保護シート32の表面部に両面粘着テープ72が貼り付けられた後に、ガイドローラ68が貼合シート材34上を径方向(矢印M方向)に沿って転動する。これにより、ガイドローラ68のローラ面69には、両面粘着テープ72を介して保護シート32が吸着される。このとき、両面粘着テープ72は、そのローラ面69及び保護シート32に対する粘着力が保護シート32と粘着膜26との粘着力よりも大きいものが選択されている。これにより、ガイドローラ68が従動方向へ回転することにより、ローラ面69は保護シート32に粘着膜26から剥離させるような力(剥離力)を作用させ、ローラ面47と保護シート32との当接部付近を起点として保護シート32を粘着膜26から剥離させる。またシート剥離装置66では、ガイドローラ68により粘着膜26から剥離された保護シート32及び両面粘着テープ72が巻取軸70により巻き取られて回収される。
【0043】
ここで、図5に示されるように、ローラ面69からの剥離力により保護シート32及び両面粘着テープ72が粘着膜26から剥離する部位を剥離点PE3ととする。保護シート32及び両面粘着テープ72は、粘着膜26から剥離される際に、剥離点PE3付近がローラ面69に密着した状態になる。従って、保護シート32及び両面粘着テープ72の剥離点PE3付近はローラ面69と略等しい曲率半径で湾曲(撓み変形)する。一方、ローラ面69の曲率半径は4.0mm以上になっている。この結果、保護シート32の剥離点PE3付近の曲率半径も4.0mm以上になる。
【0044】
図5に示されるシート剥離装置66を用いて粘着膜26から保護シート32を剥離した場合にも、基本的には、図2及び図3に示されるシート剥離装置40を用いた場合と同様の作用及び効果を得られる。但し、粘着膜26の剥離点PE3付近には、保護シート32の剥離点PE3付近の撓み変形量に対応する曲げ応力に加え、両面粘着テープ72の剥離点PE3付近の撓み変形量に対応する曲げ応力が作用する。従って、粘着膜26には、ローラ面69からの加圧力並びに、保護シート32及び両面粘着テープ72からの曲げ応力により、剥離点PE3を略中心として局部的な歪みが生じる。この粘着膜26に生じる歪み量は、剥離点PE3付近の曲率半径を同一として比較した場合、保護シート32だけのときよりも、保護シート32及び両面粘着テープ72が積層されているときの方が増加する。従って、シート剥離装置66では、理論的に、粘着膜26の歪み量をシート剥離装置40と同一とするには、ガイドローラ68の曲率半径を増加させる必要がある。
【0045】
しかし、発明者等の実験及びシミュレーションによれば、ガイドローラ68の曲率半径が4.0mm以上の範囲にあれば、保護シート32だけのときも保護シート32及び両面粘着テープ72が積層されているときも、粘着膜26の歪み量は、殆ど変化しない飽和した状態になる。この結果、保護シート32上に両面粘着テープ72が積層されている場合でも、粘着膜26の変移量ΔYを十分に小さくして、粘着膜26の表面部に残留する塑性変形を十分に小さいものにできる。
【0046】
なお、本実施形態では、ガイド部材として保護シート32上を転動するガイドローラ46,68を用い、そのローラ面47,69からの剥離力により保護シート32に剥離するが、このようなガイド部材としては、必ずしも転動可能なガイドローラ46,68を用いる必要はなく、例えば、粘着膜26から剥離された保護シート32が接するガイド面の曲率半径が4.0mm以上とされ、保護シート32に接しつつ、又は僅かな隙間を空けて移動するものでも良い。この場合には、ガイド部材により保護シート32へ剥離力を付与できないので、一対の回収ローラ58,60(図2参照)、巻取軸70(図5参照)等により保護シート32へ張力を与えることにより、ガイド部材と保護シート32との当接部又は近接部に剥離力を付与する。
【0047】
【実施例】
以下、本発明に係る保護シートの剥離方法を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0048】
本実施例では、図2及び図3に示されるシート剥離装置40に貼合シート材34を装填し、貼合シート材34における粘着膜26から保護シート32を剥離する際に、ガイドローラ46の曲率半径R及び粘着膜26の粘着力Tをそれぞれ段階的に変化させ、その時に生じる粘着膜26の変移量W(図4参照)を実験及びコンピュータシミュレーションにより求めた。本実施例では、保護シート32として、PETを素材として成形され、弾性係数が1000N/mm2、厚さが30μmのものを用いた。
【0049】
下記(表1)には、ガイドローラ46の曲率半径R及び粘着膜26の粘着力Tをそれぞれ段階的に変化させた際の変移量ΔYが示されている。また図7には、曲率半径が異なるガイドローラ46を用いて保護シート32を剥離した際の粘着力Tと変移量ΔYとの関係がグラフとして示されている。
【0050】
【表1】
図7に示されるように、ガイドローラ46の曲率半径Rが1.0〜2.0mmの範囲内にある場合には、概略的には、粘着膜26の張力増加に従って粘着膜26の変移量ΔYも増加する傾向を示し、また変移量ΔYは20nm以上と比較的大きなものになる。一方、ガイドローラ46の曲率半径Rが4.0mmの場合には、概略的には、粘着膜26の張力が増加しても粘着膜26の変移量ΔYはそれぞれ略一定に保たれ、粘着膜26の変移量ΔYは10nm程度に保たれる。なお、実験及びシミュレーションにより、曲率半径Rが4.0mmよりも大きい場合にも、粘着膜26の張力増加と変移量ΔYとの関係が、曲率半径Rが4.0mmの場合と略同一になることが確認されている。
【0051】
また保護シート32の剥離時に、粘着膜26の剥離点PE1付近の歪み量と正の相関を有する変移量ΔYを略20nm以下に維持されていれば、保護シート32を剥離した粘着膜26表面部に残留する剥離痕が十分に小さいものになる。また、このようにして、粘着膜26の剥離痕が十分に小さいものとされた貼合シート材34をディスク基板12に貼り合せて製造した光ディスク10には、粘着膜26の剥離痕に起因するカバー層22の厚さ不均一及び面倒れが観察されなかった。
【0052】
なお、以上説明した実施例の結果からも明らかなように、ガイドローラ46の曲率半径Rは4.0mm以上であれば、粘着膜26の剥離痕を十分に小さくできることになる。また、このようなガイドローラ46を十分な精度で加工し、かつ転動させようとした場合にも、製造コスト、メンテナンスコスト、製造の容易性等を考慮すると、ガイドローラ46の曲率半径は、4.0mm以上であることが好ましい。
【0053】
また本実施形態に係る保護シートの剥離方法は、粘着膜26の一方の面がカバーシート24に貼り付けられていない場合にも適用可能であり、例えば、シート状の両面粘着テープの両面にそれぞれ貼り付けられた保護シートを順次、剥離する場合や、カバーシート24以外の部材に貼り付けられた粘着膜に貼り付けられた保護シートを順次、剥離する場合にも適用可能である。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る粘着膜保護シートの剥離方法によれば、粘着膜から保護シートを剥離する際に、保護シートから粘着膜へ作用する応力により粘着膜に剥離痕が生じることを効果的に抑制できる。
【0055】
また本発明に係る光ディスクの製造方法によれば、粘着膜及びカバーシートによりカバー層が構成された光ディスクにおける粘着膜の剥離痕に起因する厚さ誤差及び面倒れを十分に小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る光ディスクの製造方法が適用可能な光ディスクの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る光ディスクの製造方法に用いられるシート剥離装置の構成を示す側面断面図である。
【図3】図2に示されるシート剥離装置の斜視図である。
【図4】図2に示されるシート剥離装置により保護シートが粘着膜から剥離される貼合シート材の剥離点付近を拡大して示す側面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る光ディスクの製造方法に用いられるシート剥離装置の変形例の構成を示す側面断面図である。
【図6】従来の保護シートの剥離方法により保護シートが粘着膜上から剥離されている状態を示す貼合シート材の側面図である。
【図7】曲率半径が異なるガイドローラを用いて保護シートを剥離した際の粘着力Tと変移量ΔYとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 光ディスク
12 ディスク基板
16 記録層(情報記録層)
24 カバーシート
26 粘着膜
32 保護シート(粘着膜保護シート)
34 貼合シート材(カバーシート、粘着膜、保護シート)
40 シート剥離装置
46 ガイドローラ(ガイド部材)
66 シート剥離装置
68 ガイドローラ(ガイド部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の材料間の貼合せに用いられる粘着膜の表面部に貼り付けられた保護シートを剥離する粘着膜保護シートの剥離方法及び、ディスク基板上にカバーシート及び粘着膜によりカバー層が構成された光ディスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光を用いて情報を記録し、又は再生する光ディスクとしては、例えば、CD−R(Compact Disc−recordable)、CD(Compact Disc)、DVD(digitalversatile disc)、DVD−R(digital versatile disc−recordable)等が既に普及しているが、近年、光ディスクに対しては、映像情報等の情報を更に大量に格納したいという要望があり、高密度化の検討が進んでいる。このような光ディスクに対する記録密度は、おおむねディスク上の光ビームのスポットサイズで決まり、このスポットサイズは、レーザ波長をλ、対物レンズの開口数をNAとすると、λ/NAに比例する。このため、光ディスクに対する記録密度を高めるためには、レーザ光の短波長化と対物レンズの高NA化が必要となる。しかし、光ディスクの傾きにより発生するコマ収差はNAの3乗に比例して大きくなるため、高NA化によってディスクの傾きに対するマージンが極めて小さくなり、わずかな傾きでもビームがぼやけ、高密度での記録及び再生が実現できなくなる。従って、高密度化に対応した光ディスクでは、例えば、特開平11−31337号公報に開示されているように、レーザ光の透過層であるカバー層を十分薄いもの(例えば、0.1mm程度のもの)とし、高NAに伴うディスクの傾きによるコマ収差の増加を抑制する必要がある。
【0003】
上記のような光ディスクの製造過程では、例えば、情報記録層が形成されたディスク基板の記録面上にポリカーボネイト等の透明樹脂からなるシート材(カバーシート)を粘着膜により貼り合せ、このカバーシート及び粘着膜によりディスク基板上に透明なカバー層を構成する。このような光ディスクの製造時には、例えば、予めカバーシートの片側の面に透明な粘着膜を形成したものものを用意しておき、この粘着膜を介してカバーシートをディスク基板上に重ね合せ、粘着膜の粘着力によりカバーシートをディスク基板に貼り合わせる。また、カバーシートに貼り付けられた粘着膜には、通常、表面部(粘着面)の損傷や塵埃等の異物付着を防止するため保護シートが貼り付けられており、この保護シートは、カバーシートをディスク基板に貼り合せる直前に粘着膜から剥離される。
【0004】
上記のような光ディスクでは、カバーシート及び粘着膜により構成されるカバー層の厚さが0.1mm前後に設定されており、カバー層の厚さについての許容誤差が極めて微小なものになっている。このため、カバーシートをディスク基板へ貼り合せる際には、これらの間に介在する粘着膜を精度良く一定の厚さとすると共に、粘着膜の表面部の平坦性も十分に高いものとする必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、粘着剤により形成された粘着膜は、外力が作用した場合に変形量が十分に小さいと、外力の消失と同時に略元の形状に復元する弾性的な性質を示すが、外力による変形量が増加するに従って、外力が消失しても、ある程度の変形が残留する塑性的な性質を強く示すようになる。このため、次のような問題が生じることがある。
【0006】
例えば、図6に示されるように、カバーシート120上の粘着膜122に貼り付けられた保護シート124を一端部から他端部へ向って剥離する際に、保護シート124を粘着膜122とは反対側へ撓ませつつ剥離すると、保護シート124は粘着膜122からの剥離点PE付近に引張応力及び圧縮応力を作用させる。このとき、保護シート124から粘着膜122へ局部的に不均一な応力が作用すると、この不均一な応力により粘着膜122の表面部に微小な皺、うねり等の塑性変形(剥離痕)が残留する。この剥離痕が残留している状態で、粘着膜122を介してカバーシート120をディスク基板に貼り合わせると、剥離痕が残留している領域では、カバーシート120及び粘着膜122からなるカバー層が一定の厚さにならず、また光ディスクの表面(記録面)に局部的な傾き(面倒れ)も生じやすくなる。このため、粘着膜の剥離痕を十分に小さくしなければ、光ディスクでは、カバー層の厚さ誤差や面倒れが大きなものになり、これらの厚さ誤差や面倒れについての品質基準により決められた許容範囲を外れるものが増加し、製品の歩留りが低下するおそれがある。
【0007】
ここで、剥離時に保護シート124から粘着膜122へ局部的に不均一な応力が作用する原因としては、保護シート124の剥離速度の変動や、保護シート124の粘着膜122から剥離開始する部位(剥離点PE)付近の撓み量の変動が挙げられる。すなわち、保護シート124の剥離速度が変動すると、この変動に従って保護シート124から粘着膜へ作用する応力も変動することから、保護シート124の剥離速度の変動が過大になった場合には粘着膜122に剥離痕が残留しやすくなる。また保護シート124の撓み量が増加するに従って保護シートから粘着膜へ作用する応力が増加し、このように保護シート124の撓み量が大きい状態で撓み量が変動した場合には粘着膜122に剥離痕が残留しやすくなる。
【0008】
本発明の一の目的は、上記事実を考慮して、粘着膜から保護シートを剥離する際に、保護シートから粘着膜へ作用する応力により粘着膜に剥離痕が生じることを効果的に抑制できる粘着膜保護シートの剥離方法を提供することにある。
【0009】
また本発明の他の目的は、上記事実を考慮して、粘着膜及びカバーシートによりカバー層が構成された光ディスクにおける粘着膜の剥離痕に起因する厚さ誤差及び面倒れを十分に小さくできる光ディスクの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る粘着膜保護シートの剥離法方法は、粘着膜の表面部に貼り付けられた薄膜状の保護シートに剥離力を作用させ、該剥離力により保護シートをその一端部から他端部へ向って剥離する粘着膜保護シートの剥離方法であって、前記粘着膜上に貼り付けられた前記保護シートの表面部にガイド部材を近接又は当接させ、該ガイド部材を前記保護シートの一端部から他端部へ向って移動させつつ、前記保護シートにおける前記ガイド部材との近接部又は当接部付近に前記剥離力を作用させ、前記ガイド部材の移動に従って前記保護シートをその一端部から他端部へ向って剥離させると共に、前記粘着膜からの前記保護シートの剥離時に、該保護シートにおける前記粘着膜上からの剥離点を起点とする撓み変形を前記ガイド部材により制限して、該保護シートの前記剥離点付近の曲率半径を4.0mm以上とすることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る粘着膜保護シートの剥離方法によれば、粘着膜上に貼り付けられた保護シートの表面部にガイド部材を近接又は当接させ、このガイド部材を前記保護シートの一端部から他端部へ向って移動させつつ、保護シートにおけるガイド部材との近接部付近又は当接部付近に剥離力を作用させ、ガイド部材の移動に従って保護シートを一端部から他端部へ向って剥離させることにより、保護シートの粘着膜からの剥離速度がガイド部材の移動速度に略等しいものになるので、保護シートの一端部から他端部へ向うガイド部材の移動速度を一定にすれば、このガイド部材の移動に従って剥離される保護シートの粘着膜からの剥離速度を一定とし、剥離速度の変動に伴って生じる保護シートから粘着膜へ作用する応力の変動を防止できる。
【0012】
また粘着膜からの保護シートの剥離時に、この保護シートにおける粘着膜からの剥離点を起点とする撓み変形をガイド部材により制限して、この保護シートの前記剥離点付近の曲率半径を4.0mm以上とすることにより、粘着膜からの保護シートの剥離時に、保護シートにおける剥離点付近の撓み変形量を所定の値以下に保つことができるので、保護シートの剥離点付近から粘着膜へ作用する応力を十分に小さくでき、かつ応力の変動自体も抑制できる。
【0013】
この結果、保護シートを粘着力に抗して粘着膜から剥離する際に、剥離点付近で保護シートから粘着膜へ作用する応力を十分に小さくでき、この応力の変動自体も抑制できるので、保護シートが剥離された粘着膜に保護シートから作用する応力の変動により皺、うねり等の剥離痕が残留することを効果的に抑制できる。
【0014】
ここで、ガイド部材としては、例えば、保護シートの表面部上を転動可能に支持された円筒状のガイドローラを用いることができる。このとき、保護シート上でのガイドローラの転動速度(移動速度)を一定にすれば、ガイドローラの移動に従って剥離される保護シートの粘着膜からの剥離速度を一定にできるので、剥離速度の変動に伴って生じる保護シートから粘着膜へ作用する応力の変動を防止でき、またガイドローラのローラ面の曲率半径を4.0mmよりも大きくしておけば、保護シートにおける剥離点付近の曲率半径を十分に大きい値(4.0mm以上)に維持できる。
【0015】
また、本発明に係る光ディスクの製造方法は、少なくとも片側の面に情報記録層が設けられたディスク基板と、前記ディスク基板における前記情報記録層側の面に粘着膜により貼り合され、該粘着膜と共に前記情報記録層を覆う透明なカバー層を構成するカバーシートと、を有する光ディスクの製造方法であって、前記カバーシートの片側の面上に設けられ、表面部に保護シートが貼り付けられた前記粘着膜から、請求項1、2、3又は4記載の粘着膜保護シートの剥離方法を用いて前記保護シートを剥離した後、前記粘着膜を介して前記カバーシートを前記ディスク基板の情報記録層側の面に貼り合わせ、前記カバーシート及び前記粘着膜により前記情報記録層を覆うカバー層を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る光ディスクの製造方法によれば、カバーシートの片側の面上に設けられ、表面部に保護シートが貼り付けられた前記粘着膜から、本発明に係る請求項1、2、3又は4記載の粘着膜保護シートの剥離方法を用いて保護シートを剥離した後、粘着膜を介してカバーシートをディスク基板の情報記録層側の面に貼り合わせることにより、保護シートが剥離された粘着膜に残留する皺、うねり等の塑性変形(剥離痕)を十分に小さいものにできるので、この粘着膜の剥離痕に起因する光ディスクのカバー層の厚さ誤差及び面倒れの発生を効果的に抑制できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る光ディスクの製造方法について図面を参照して説明する。
【0018】
(実施形態の構成)
先ず、本発明の実施形態に係る光ディスクの構造について簡単に説明する。図1には、本発明の実施形態に係る光ディスクの製造方法により製造された光ディスクが示されている。この光ディスク10は、従来のDVD−R等の光ディスクに対して高密度の情報記録が可能とされたものであり、例えば、従来の光ディスクと比較して、記録再生用のレーザ光として短波長の青紫レーザ光を用いると共に、記録再生装置の対物レンズの開口数NAを0.85程度まで増大することで、12cm径の光ディスク10に対する片面記録容量が22.5Gバイト程度まで高められている。
【0019】
光ディスク10には、円盤状に形成されたディスク基板12が設けられており、このディスク基板12の片側の面は情報の記録面とされている。このディスク基板12の記録面側には、光反射層18及び光吸収層20が順に積層されており、これらの光反射層18及び光吸収層20により情報記録層(以下、単に「記録層」という。)16が構成されている。また光ディスク10には、記録層16を覆うようにディスク基板12上に透明なカバー層22が設けられている。このカバー層22は、透明樹脂を素材とするカバーシート24及び粘着膜26により構成され、その厚さが100μm程度とされている。
【0020】
ディスク基板12は、PC(ポリカーボネイト)等の樹脂を素材としてモールド成形されている。カバー層22を構成するカバーシート24は、PC(ポリカーボネイト)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の透明樹脂製の薄膜フィルムからなる。粘着膜26は、公知のアクリル系、ゴム系、シリコン系等の粘着剤により形成されるが、透明性及び耐久性の観点からは、アクリル系粘着剤により粘着膜26が望ましい。またカバーシート24及び粘着膜26の厚さは、カバー層22の設定値に応じて決められるが、例えば、カバー層22の厚さの設定値が100μmの場合には、例えば、カバーシート24の厚さが80μmに設定されると共に、粘着膜26の厚さが20μmに設定される。
【0021】
ディスク基板12の中心部には、光ディスク10の回転中心となる軸心SDに沿って円形のセンターホール28が穿設されている。またカバー層22の中心部にも、軸心Sを中心としてセンターホール28と略同一内径を有する円形の開口部30が形成されている。但し、カバー層22については、その内周端がディスク基板12の記録層16よりも内周側に位置していれば良いことから、この位置関係を満たす範囲で、開口部30の内径をセンターホール28の内径よりも大きくしても良い。
【0022】
上記のような光ディスクの製造ラインでは、モールド成形等により成形されたディスク基板12の片側の面に記録層16を形成した後、このディスク基板12上にカバーシート24を粘着膜26により貼り合せる貼合工程が行われる。この貼合工程により、ディスク基板12上にカバーシート24及び粘着膜26によりカバー層22が形成される。この後、光ディスクの製造ラインでは、必要に応じてカバーシート24に対する加圧、粘着膜26の硬化等が行われ、製品素材としての光ディスクが製造される。
【0023】
光ディスクの製造ラインでは、図2に示されるように、カバーシート24上に粘着膜26が形成され、この粘着膜26のカバーシート24とは反対側の粘着面27に保護シート32が貼り付けられた貼合シート材34が用意される。この貼合シート材34は、例えば、カバーシート24に粘着剤を所定の厚さに塗布して粘着膜26を形成した後、この粘着膜26に保護シート32を貼り付けることにより、あるいはカバーシート24に保護シート32が貼り付けられた粘着膜26(両面粘着シート)を直接、貼り合せることにより製造されている。
【0024】
貼合シート材34は、ディスク基板12へ貼り合される直前に保護シート32が粘着面27から剥離除去され、この粘着面27が記録面14へ当接するようにディスク基板12上へ積み重ねられる。この貼合シート材34及びディスク基板12は、例えば、加圧装置により真空下に保持されると共に、貼合シート材34がディスク基板12上へ加圧される。これにより、粘着面27が記録面14に隙間無く密着して貼合シート材34とディスク基板12との貼り合せが完了する。
【0025】
ここで、保護シート32は、その厚さが30〜100μm程度とされており、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)等を素材として形成されている。また保護シート32には、粘着膜26へ貼り付けられる面に剥離性を良好とするために剥離剤が塗布されている。このような保護シート32の機械的特性としては、弾性係数(ヤング率)Eが概ね40〜100Kgf/mm2の範囲にあり、また撓み方向(厚さ方向)へは十分な可撓性を有し実質的に弾性体と見なすことができる。
【0026】
光ディスクの製造ラインでは、貼合シート材34をディスク基板12へ貼り合せる直前に、図2に示されるシート剥離装置40に装填され、このシート剥離装置40により保護シート32が貼合シート材34から剥離除去される。
【0027】
図2及び図3に示されるように、シート剥離装置40には、支持テーブル42が設けられると共に、この支持テーブル42の上側に円筒状のガイドローラ46が回転可能に支持されている。支持テーブル42の上面は、貼合シート材34が載置される載置面44とされており、載置面44の中央部には円柱状のセンターピン48が突出している。貼合シート材34は、その開口部30内へセンターピン48が挿入されるように載置面44上へ載置され、載置面44の中央部へ位置決めされる。
【0028】
支持テーブル42内には、載置面44の下側に周方向へ延在する負圧室50が設けられており、この負圧室50には吸引配管52を通して真空ポンプ等の真空発生装置(図示省略)が接続されている。また支持テーブル42には、載置面44と負圧室50の上面部との間を貫通する複数の吸引穴54が周方向及び径方向に沿って一定ピッチで穿設されている。シート剥離装置40では、載置面44上へ貼合シート材34が載置されると、真空発生装置を作動させて負圧室50内を減圧し、吸引穴54を通して載置面44上の貼合シート材34へ負圧を作用させる。これにより、貼合シート材34の下面全体が載置面44上へ吸着されると共に、貼合シート材34が皺、弛み等がない平坦な状態に保持される。
【0029】
図3に示されるように、ガイドローラ46は、そのローラ面47の軸方向に沿って貼合シート材34よりも幅広とされており、ローラ支持機構(図示省略)により載置面44の上方に支持されている。ローラ支持機構は、ガイドローラ46をその軸心SRが載置面44と平行となるように支持しており、保護シート32を粘着膜26から剥離する際には、載置面44との間に貼合シート材34の厚さに対応する間隔を空けつつ、ガイドローラ46を貼合シート材34の径方向(矢印M方向)に沿って直線的に移動させる。またガイドローラ46には、ワンウェイクラッチ等のトルクリミッタを介してモータから貼合シート材34に従動する方向へのトルクが伝達される。これにより、ガイドローラ46は、ローラ面47を保護シート32の上面部に当接させつつ、空転することなく従動方向(矢印F方向)へ回転し、貼合シート材34上を径方向に沿って転動(移動)する。このとき、ガイドローラ46は、貼合シート材34へ僅かな加圧力を作用させつつ貼合シート材34上を転動する。またガイドローラ46はローラ面47の曲率半径が4.0mm以上とされている。
【0030】
図3に示されるように、ガイドローラ46には、そのローラ面47に複数の吸着部56が略一定のピッチで設けられている。ここで、吸着部56はローラ面47に対して凹状に形成されており、各吸着部56には、ガイドローラ46内を貫通する配管により真空ポンプ等の真空発生装置に接続されている。シート剥離装置40では、粘着膜26から保護シート32を剥離開始する前に、真空発生装置を作動させて各吸着部56内へ負圧を供給する。これにより、ローラ面47における保護シート32との当接部では、吸着部56により保護シート32に吸着力が作用し、保護シート32がローラ面47により吸着される。このとき、ガイドローラ46が従動方向へ回転することにより、ローラ面47は保護シート32に粘着膜26から剥離させるような力(剥離力)を作用させ、ローラ面47と保護シート32との当接部付近を起点として保護シート32を粘着膜26から剥離させる。
【0031】
またガイドローラ46における各吸着部56には、それぞれ開閉弁(図示省略)が設けられており、これらの開閉弁は、保護シート32の当接部付近に位置する吸着部56にのみ負圧が供給されるように開閉が制御される。これにより、粘着膜26から剥離された保護シート32の剥離部分にはローラ面47からの吸着力が作用しなくなり、この保護シート32の剥離部分は自重及び弾性的な復元力によりローラ面47から剥離する。
【0032】
なお、吸着部56に負圧を供給する真空発生装置と支持テーブル42の負圧室50へ負圧を供給する真空発生装置とを必ずしも別々に2台設置する必要はなく、1台の真空発生装置により吸着部56及び負圧室50の双方へ負圧を供給するようにしても良い。
【0033】
図2に示されるように、シート剥離装置40には、支持テーブル42の上側に一対の回収ローラ58,60及び、ローラ面47から剥離した保護シート32を回収ローラ58へ案内するためのガイド部材62が配置されている。ここで、回収ローラ58,60及びガイド部材62は、ローラ支持機構により支持されており、ガイドローラ46と一体となって移動する。また回収ローラ58,60はガイドローラ46の回転時にモータ(図示省略)からのトルクが伝達される。これにより、粘着膜26から剥離された保護シート32の剥離部分は、ガイド部材62に沿って回収ローラ58,60間へ案内され、回収ローラ58,60により粘着膜26からの剥離速度と略等しい搬送速度でシート回収部(図示省略)へ送られる。
【0034】
(実施形態の作用)
次に、上記したような光ディスクの製造ラインにて実施される光ディスクの製造方法の作用について説明する。
【0035】
図4に示されるように、ローラ面47からの剥離力により保護シート32が粘着膜26から剥離する部位を剥離点PE1とし、この保護シート32がローラ面47から剥離する部位を剥離点PE2とする。保護シート32は、ガイドローラ46により粘着膜26から剥離される際に、剥離点PE1と剥離点PE2との間の部分がローラ面47に密着した状態になる。従って、保護シート32の剥離点PE1と剥離点PE2との間の部分はローラ面47と略等しい曲率半径で湾曲(撓み変形)する。一方、ローラ面47の曲率半径は、前述したように4.0mm以上になっている。この結果、保護シート32の剥離点PE1と剥離点PE2との間の部分の曲率半径も4.0mm以上になる。
【0036】
また、図4に示されるように、保護シート32は、その剥離点PE1と剥離点PE2とがローラ面47に沿って湾曲した状態では、剥離点PE1対して上流側にあって、ローラ面47と粘着膜26とにより挟まれた部分(剥離点上流部32U)には撓み変形が生じる。すなわち、剥離点上流部32Uにおける剥離点PE1付近は、ローラ面47からの剥離力により上方へ撓み変形し、粘着膜26に引張り応力STを作用させる。このとき、また剥離点上流部32Uにおけるローラ面47下端の真下付近は、ガイドローラ46からの加圧力及び、剥離点PE1付近の撓み変形量に対応する曲げ応力が作用し、この加圧力及び曲げ応力により下方へ撓み変形し、粘着膜26に圧縮応力SPを作用させる。
【0037】
これらの加圧力及び曲げ応力により、粘着膜26には、剥離点PE1を略中心として局部的な歪みが生じる。具体的には、粘着膜26には、断面が剥離点PE1を中心として略山型となるような局部的な歪みが生じる。この局部的な歪みの大きさ(歪み量)は、粘着膜26における剥離点PE1と圧縮応力SPにより最も圧縮された点との厚さ方向に沿った変移量ΔY(図4参照)をパラメータとして表すことができる。発明者等の実験及びシミュレーションの結果によると、保護シート32を粘着膜26から剥離する際に変移量ΔYを所定の値以下に維持することで、保護シート32が剥離された粘着膜26の表面部に残留する塑性変形を十分に小さくできる。
【0038】
図4から明らかなように、上記した粘着膜26の変移量ΔYは、保護シート32の剥離点PE1付近の曲率半径に対して負の相関関係を有する。保護シート32の剥離点PE1付近の曲率半径は、ガイドローラ46のローラ面47の曲率半径と略等しく(厳密には僅かに大きく)なる。このことから、ローラ面47の曲率半径を十分に大きなもの(本実施形態では4.0mm以上)にすることで、粘着膜26の変移量ΔYを十分に小さくして、粘着膜26の表面部に残留する塑性変形を十分に小さいものにできる。この結果、貼合シート材34をディスク基板12に貼り合せて製造された光ディスク10におけるカバー層22の厚さの不均一、及びレーザー入射面の面倒れを十分に小さいものできるので、高密度での情報記録が可能な光ディスク10の品質を向上し、かつ品質を安定化できる。
【0039】
(シート剥離装置の変形例)
次に、本実施形態に係る光ディスクの製造方法に用いられるシート剥離装置の変形例について説明する。
【0040】
図5には本実施形態に係る光ディスクの製造方法に用いられるシート剥離装置の変形例が示されている。なお、このシート剥離装置66では、図2及び図3に示されるシート剥離装置40と構造及び作用が共通の部材に同一符合を付して説明を省略する。シート剥離装置66には、支持テーブル42の上側に円筒状のガイドローラ68が回転可能に支持されている。このガイドローラ68は、図2に示されるガイドローラ46と寸法及び形状が共通とされており、ガイドローラ46と同様に、ローラ支持機構(図示省略)により載置面44の上方に支持されている。但し、ガイドローラ68のローラ面69には吸着部が設けられておらず、ローラ面69により保護シート32を吸着する機能を備えていない。
【0041】
シート剥離装置66には、支持テーブル42の上側にガイドローラ68に連動して所定の巻取方向へ回転する巻取軸70が設けられており、この巻取軸70には、粘着膜26から剥離された保護シート32及び使用済みの両面粘着テープ72が巻き取られている。この巻取軸70には、トルクリミッタを介してモータ(図示省略)が連結されており、このモータはガイドローラ68の回転時に巻取軸70に巻取方向のトルクを伝達する。これにより、巻取軸70は、ガイドローラ68から送り出されてきた両面粘着テープ72に一定の張力を付与しつつ、この両面粘着テープ72をロール状に巻き取る。
【0042】
このシート剥離装置66では、保護シート32の表面部に両面粘着テープ72が貼り付けられた後に、ガイドローラ68が貼合シート材34上を径方向(矢印M方向)に沿って転動する。これにより、ガイドローラ68のローラ面69には、両面粘着テープ72を介して保護シート32が吸着される。このとき、両面粘着テープ72は、そのローラ面69及び保護シート32に対する粘着力が保護シート32と粘着膜26との粘着力よりも大きいものが選択されている。これにより、ガイドローラ68が従動方向へ回転することにより、ローラ面69は保護シート32に粘着膜26から剥離させるような力(剥離力)を作用させ、ローラ面47と保護シート32との当接部付近を起点として保護シート32を粘着膜26から剥離させる。またシート剥離装置66では、ガイドローラ68により粘着膜26から剥離された保護シート32及び両面粘着テープ72が巻取軸70により巻き取られて回収される。
【0043】
ここで、図5に示されるように、ローラ面69からの剥離力により保護シート32及び両面粘着テープ72が粘着膜26から剥離する部位を剥離点PE3ととする。保護シート32及び両面粘着テープ72は、粘着膜26から剥離される際に、剥離点PE3付近がローラ面69に密着した状態になる。従って、保護シート32及び両面粘着テープ72の剥離点PE3付近はローラ面69と略等しい曲率半径で湾曲(撓み変形)する。一方、ローラ面69の曲率半径は4.0mm以上になっている。この結果、保護シート32の剥離点PE3付近の曲率半径も4.0mm以上になる。
【0044】
図5に示されるシート剥離装置66を用いて粘着膜26から保護シート32を剥離した場合にも、基本的には、図2及び図3に示されるシート剥離装置40を用いた場合と同様の作用及び効果を得られる。但し、粘着膜26の剥離点PE3付近には、保護シート32の剥離点PE3付近の撓み変形量に対応する曲げ応力に加え、両面粘着テープ72の剥離点PE3付近の撓み変形量に対応する曲げ応力が作用する。従って、粘着膜26には、ローラ面69からの加圧力並びに、保護シート32及び両面粘着テープ72からの曲げ応力により、剥離点PE3を略中心として局部的な歪みが生じる。この粘着膜26に生じる歪み量は、剥離点PE3付近の曲率半径を同一として比較した場合、保護シート32だけのときよりも、保護シート32及び両面粘着テープ72が積層されているときの方が増加する。従って、シート剥離装置66では、理論的に、粘着膜26の歪み量をシート剥離装置40と同一とするには、ガイドローラ68の曲率半径を増加させる必要がある。
【0045】
しかし、発明者等の実験及びシミュレーションによれば、ガイドローラ68の曲率半径が4.0mm以上の範囲にあれば、保護シート32だけのときも保護シート32及び両面粘着テープ72が積層されているときも、粘着膜26の歪み量は、殆ど変化しない飽和した状態になる。この結果、保護シート32上に両面粘着テープ72が積層されている場合でも、粘着膜26の変移量ΔYを十分に小さくして、粘着膜26の表面部に残留する塑性変形を十分に小さいものにできる。
【0046】
なお、本実施形態では、ガイド部材として保護シート32上を転動するガイドローラ46,68を用い、そのローラ面47,69からの剥離力により保護シート32に剥離するが、このようなガイド部材としては、必ずしも転動可能なガイドローラ46,68を用いる必要はなく、例えば、粘着膜26から剥離された保護シート32が接するガイド面の曲率半径が4.0mm以上とされ、保護シート32に接しつつ、又は僅かな隙間を空けて移動するものでも良い。この場合には、ガイド部材により保護シート32へ剥離力を付与できないので、一対の回収ローラ58,60(図2参照)、巻取軸70(図5参照)等により保護シート32へ張力を与えることにより、ガイド部材と保護シート32との当接部又は近接部に剥離力を付与する。
【0047】
【実施例】
以下、本発明に係る保護シートの剥離方法を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0048】
本実施例では、図2及び図3に示されるシート剥離装置40に貼合シート材34を装填し、貼合シート材34における粘着膜26から保護シート32を剥離する際に、ガイドローラ46の曲率半径R及び粘着膜26の粘着力Tをそれぞれ段階的に変化させ、その時に生じる粘着膜26の変移量W(図4参照)を実験及びコンピュータシミュレーションにより求めた。本実施例では、保護シート32として、PETを素材として成形され、弾性係数が1000N/mm2、厚さが30μmのものを用いた。
【0049】
下記(表1)には、ガイドローラ46の曲率半径R及び粘着膜26の粘着力Tをそれぞれ段階的に変化させた際の変移量ΔYが示されている。また図7には、曲率半径が異なるガイドローラ46を用いて保護シート32を剥離した際の粘着力Tと変移量ΔYとの関係がグラフとして示されている。
【0050】
【表1】
図7に示されるように、ガイドローラ46の曲率半径Rが1.0〜2.0mmの範囲内にある場合には、概略的には、粘着膜26の張力増加に従って粘着膜26の変移量ΔYも増加する傾向を示し、また変移量ΔYは20nm以上と比較的大きなものになる。一方、ガイドローラ46の曲率半径Rが4.0mmの場合には、概略的には、粘着膜26の張力が増加しても粘着膜26の変移量ΔYはそれぞれ略一定に保たれ、粘着膜26の変移量ΔYは10nm程度に保たれる。なお、実験及びシミュレーションにより、曲率半径Rが4.0mmよりも大きい場合にも、粘着膜26の張力増加と変移量ΔYとの関係が、曲率半径Rが4.0mmの場合と略同一になることが確認されている。
【0051】
また保護シート32の剥離時に、粘着膜26の剥離点PE1付近の歪み量と正の相関を有する変移量ΔYを略20nm以下に維持されていれば、保護シート32を剥離した粘着膜26表面部に残留する剥離痕が十分に小さいものになる。また、このようにして、粘着膜26の剥離痕が十分に小さいものとされた貼合シート材34をディスク基板12に貼り合せて製造した光ディスク10には、粘着膜26の剥離痕に起因するカバー層22の厚さ不均一及び面倒れが観察されなかった。
【0052】
なお、以上説明した実施例の結果からも明らかなように、ガイドローラ46の曲率半径Rは4.0mm以上であれば、粘着膜26の剥離痕を十分に小さくできることになる。また、このようなガイドローラ46を十分な精度で加工し、かつ転動させようとした場合にも、製造コスト、メンテナンスコスト、製造の容易性等を考慮すると、ガイドローラ46の曲率半径は、4.0mm以上であることが好ましい。
【0053】
また本実施形態に係る保護シートの剥離方法は、粘着膜26の一方の面がカバーシート24に貼り付けられていない場合にも適用可能であり、例えば、シート状の両面粘着テープの両面にそれぞれ貼り付けられた保護シートを順次、剥離する場合や、カバーシート24以外の部材に貼り付けられた粘着膜に貼り付けられた保護シートを順次、剥離する場合にも適用可能である。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る粘着膜保護シートの剥離方法によれば、粘着膜から保護シートを剥離する際に、保護シートから粘着膜へ作用する応力により粘着膜に剥離痕が生じることを効果的に抑制できる。
【0055】
また本発明に係る光ディスクの製造方法によれば、粘着膜及びカバーシートによりカバー層が構成された光ディスクにおける粘着膜の剥離痕に起因する厚さ誤差及び面倒れを十分に小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る光ディスクの製造方法が適用可能な光ディスクの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る光ディスクの製造方法に用いられるシート剥離装置の構成を示す側面断面図である。
【図3】図2に示されるシート剥離装置の斜視図である。
【図4】図2に示されるシート剥離装置により保護シートが粘着膜から剥離される貼合シート材の剥離点付近を拡大して示す側面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る光ディスクの製造方法に用いられるシート剥離装置の変形例の構成を示す側面断面図である。
【図6】従来の保護シートの剥離方法により保護シートが粘着膜上から剥離されている状態を示す貼合シート材の側面図である。
【図7】曲率半径が異なるガイドローラを用いて保護シートを剥離した際の粘着力Tと変移量ΔYとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 光ディスク
12 ディスク基板
16 記録層(情報記録層)
24 カバーシート
26 粘着膜
32 保護シート(粘着膜保護シート)
34 貼合シート材(カバーシート、粘着膜、保護シート)
40 シート剥離装置
46 ガイドローラ(ガイド部材)
66 シート剥離装置
68 ガイドローラ(ガイド部材)
Claims (5)
- 粘着膜の表面部に貼り付けられた薄膜状の保護シートに剥離力を作用させ、該剥離力により保護シートをその一端部から他端部へ向って剥離する粘着膜保護シートの剥離方法であって、
前記粘着膜上に貼り付けられた前記保護シートの表面部にガイド部材を近接又は当接させ、該ガイド部材を前記保護シートの一端部から他端部へ向って移動させつつ、前記保護シートにおける前記ガイド部材との近接部又は当接部付近に前記剥離力を作用させ、前記ガイド部材の移動に従って前記保護シートをその一端部から他端部へ向って剥離させると共に、
前記粘着膜上からの前記保護シートの剥離時に、該保護シートにおける前記粘着膜からの剥離点を起点とする撓み変形を前記ガイド部材により制限して、該保護シートの前記剥離点付近の曲率半径を4.0mm以上とすることを特徴とする粘着膜保護シートの剥離方法。 - 前記ガイド部材として前記保護シートの表面部上を転動可能に支持された円筒状のガイドローラを用い、
前記ガイドローラを前記保護シートの表面部上を一端部から他端部へ向って転動させつつ、前記保護シートにおける前記ガイドローラとの当接部付近に前記剥離力を作用させ、前記ガイドローラの移動に従って前記保護シートを一端部から他端部へ向って剥離させると共に、
前記粘着膜上からの前記保護シートの剥離時に、該保護シートにおける前記粘着膜からの剥離点付近を起点とする撓み変形を前記ガイドローラのローラ面により制限して、該剥離点付近の曲率半径を4.0mm以上とすることを特徴とする請求項1記載の粘着膜保護シートの剥離方法。 - 前記ガイドローラのローラ面に負圧の作用により前記保護シートに吸着力を作用させる吸着部を設け、
前記吸着部により前記保護シートを吸着しつつ前記ガイドローラを転動させて,該ガイドローラにより前記保護シートに前記剥離力を作用させることを特徴とする請求項2記載の粘着膜保護シートの剥離方法。 - 前記ガイドローラにおける軸心を中心とするローラ面の曲率半径を4.0mm以上としたことを特徴とする請求項2又は3記載の粘着膜保護シートの剥離方法。
- 少なくとも片側の面に情報記録層が設けられたディスク基板と、前記ディスク基板における前記情報記録層側の面に粘着膜により貼り合され、該粘着膜と共に前記情報記録層を覆う透明なカバー層を構成するカバーシートと、を有する光ディスクの製造方法であって、
前記カバーシートの片側の面上に設けられ、表面部に保護シートが貼り付けられた前記粘着膜から、請求項1、2、3又は4記載の粘着膜保護シートの剥離方法を用いて前記保護シートを剥離した後、前記粘着膜を介して前記カバーシートを前記ディスク基板の情報記録層側の面に貼り合わせ、前記カバーシート及び前記粘着膜により前記カバー層を形成する工程を含むことを特徴とする光ディスクの製造方法。
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- 2002-08-12 JP JP2002234570A patent/JP2004079026A/ja active Pending
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