JP4601565B2 - シート剥離方法及びシート剥離装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シート剥離方法及びシート剥離装置に係り、さらに詳しくは、基材に接合されたシート部材を剥離するシート剥離方法及びシート剥離装置に関する。
近年、情報のデジタル化などに伴い記録媒体としてのディスクの大容量化に対する要求が高まっている。この要求に対する主な方策としては、情報の記録又は再生のために用いられるレーザ光のスポット径を小さくすることがあげられる。
レーザ光のスポット径を小さくするには、レーザ光の波長を短くして対物レンズの開口数(NA)を大きくすることが有効であるが、レーザ光の波長を短くすると対物レンズを含む光学系の焦点深度の狭小化を招いてしまいフォーカスサーボ精度を向上させる必要が生じる。また、対物レンズのNAが増大すると、その対物レンズとディスクの記録面との距離を小さく設定する必要があるため、ディスクの面ぶれを抑制する必要がある。その理由は、始動時のフォーカスサーボを開始する直前に対物レンズを含むピックアップとディスクとが接触するなどの事態を回避する必要があるからである。
このような背景から、可撓性を有するシート部材に記録層などが成膜されたディスク(以下、可撓性ディスクともいう)の開発がすすめられ、このディスクを安定化板上で回転させることにより、ディスクに生じる面ぶれを空気力学的に抑制する手段が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
可撓性ディスクを製造するためには、基材に接合されたシート部材に対し、スタンパを用いてグルーブあるいはピットを転写するエンボス工程や2P転写工程など、複数の工程を経る必要があるため、各工程ごとに基材からシート部材を剥離することが必要となる。一般に基材からシート部材を剥離するにはシート部材の接合面の端部を起点に、シート部材を徐々に基材から引きはがす方法がよく用いられているが、この方法によると剥離時にシート部材に加わる力が一方向に集中してしまい、シート部材に歪みを引き起こしてしまう場合がある。
そこで、例えば特許文献2に示されるように、接合された基材とディスク基板の間に、接合面近傍から気体を供給することで、ディスク基板を剥離する方法が提案されている。しかしながら、この方法は、例えばアクリル製のディスク基板などの比較的剛性が高いディスク基板に対しては有効であるが、基材に接合される部材が可撓性のあるシート部材である場合などには気体を部材間に効果的に供給することが困難となる。
また、この方法を、例えば可撓性シートに紫外線硬化樹脂を塗布するスピンコート装置において用いる場合には、シート部材を回転する基材側に気体の供給源を設ける必要があるため、装置が極めて複雑になる。
米国特許出願公開第20020186636号明細書 特開2003−272258号公報
本発明はかかる事情の下になされたもので、その目的は、簡易な機構で形状安定性を損なうことなくシート部材を剥離することが可能なシート剥離方法及びシート剥離装置を提供することにある。
本発明は、第1の観点からすると、任意の基材に接合されたシート部材を剥離する方法であって、前記基材側の接合面内の中心部付近に、前記シート部材の一側の面が接合されたときに空気だまりとなる凹部を予め形成しておき、前記シート部材の他側の面上に前記空気だまりを形成する部分を少なくとも含む領域を囲むように環状弾性体を配置するとともに、該環状弾性体上に排気通路を有する真空排気用部材を載置して真空排気可能な空間を形成し、前記環状弾性体を環をたどる方向の中心線を中心に回転させて、前記シート部材に対して放射状の張力を作用させた状態で、前記空間を真空排気するシート剥離方法である。
これによれば、剥離力をシート部材に均一に作用させることが可能となり、剥離時にシート部材に生じる歪みの発生を回避することが可能となる。
この場合において、前記凹部は大気に連通していることとすることができる。
本発明は、第2の観点からすると、任意の基材に接合されたシート部材を剥離するシート剥離装置であって、前記シート部材の一側の面が接合されたときに空気だまりとなる凹部が中心部付近に形成されている基材と;前記シート部材の他側の面上に前記空気だまりを形成する部分を少なくとも含む領域を囲むように環状弾性体と、該環状弾性体上に排気通路を有する真空排気用部材を載置して形成された真空排気可能な空間を真空排気する真空ポンプと;前記環状弾性体を環をたどる方向の中心線を中心に回転させて、前記シート部材に対して放射状の張力を作用させる手段と;を備えるシート剥離装置である。
これによれば、剥離力をシート部材に均一に作用させることが可能となり、剥離時にシート部材に生じる歪みの発生を回避することが可能となる。
この場合において、前記凹部は、大気に連通していることとすることができる。
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。図1には第1の実施形態に係る転写装置10の縦断面図がシート部材30とともに示されている。この転写装置10は、例えば光ディスクの製造工程の1つであるホットエンボス処理を行う転写装置である。また、シート部材30としては、一例として厚さ100μmのポリカーボネイト樹脂からなるシートが用いられている。このシート部材30は、例えば、X軸方向に所定間隔を隔てて配置され、ともに長手方向をY軸方向とする供給ローラ32及び巻取りローラ33相互間に所定の張力を付与された状態で架設されている。すなわち、シート部材30は、供給ローラ32に巻かれた状態からその一端が+X方向に引き出され、所定の張力を付与された状態で巻き取りローラ32に巻かれている。そして、シート部材30は巻取りローラ33が図1における時計回りに回転することにより、そのX軸方向の張力を維持した状態で供給ローラ32から順次送り出されるとともに、巻取りローラ33により巻き取られる。
転写装置10は、図1に示されるように、真空排気用部材12、環状弾性部材14、エンボス用加圧部材18、スタンパ16、真空ポンプ20、及び不図示の制御装置などを備えている。
前記真空排気用部材12としては、一例として、ステンレス鋼を素材とし、外径が140mm程度の円柱状の部材が用いられている。この真空排気用部材12の内部には下面の中央部から上面の中央部に貫通する排気通路12bが形成されている。また、真空排気用部材12の下面外縁部近傍には例えばシリコンゴムからなる前記環状弾性部材14が取り付けられている。そして、真空排気用部材12は1対のローラ32,33に架設されたシート部材30の上方に配置され、不図示の駆動機構により鉛直方向へ移動可能となっている。
前記エンボス用加圧部材18としては、一例として、ステンレス鋼を素材とし、外径が140mm程度の円柱状の部材が用いられている。そして、エンボス用加圧部材18は、シート部材30の下方に真空排気用部材12に対向するように配置され、不図示の駆動機構により鉛直方向に移動可能となっている。
図2はスタンパ16の平面図を示す図である。図1及び図2を総合するとわかるように、前記スタンパ16は、中央に例えば外形14mmの丸孔16aが形成された厚さ約1mmの円形板状の部材からなり、エンボス加圧部材18の上面に固定されている。このスタンパ16の上面には、図2に着色して示されるように丸孔16aを中心にシート部材30に転写されるパターン16bが形成されている。
図1に戻り、前記真空ポンプ20は、一端が排気通路12bの上端に接続された吸気管13を介して真空排気用部材12に接続されている。
次に、上述のように構成された転写装置10の動作について説明する。転写装置10では、まず、エンボス用加圧部材18が上方に駆動されることにより、スタンパ16の上面がシート部材30に圧接される。これによりシート部材30に対しスタンパ16による型押加工が施され、シート部材30の下面にスタンパ16に形成されたパターン16bが転写される。なお、このときスタンパ16をシート部材30の下面に圧接させるだけではなく、シート部材30の上面に例えば不図示の加圧部材を圧接した状態で、スタンパ16をシート部材30の下面に圧接させることで、加圧部材(不図示)とスタンパ16とでシート部材30を挟持して、シート部材30にパターン16bを転写してもよい。
シート部材30へのパターン16bの転写が終了すると、真空排気用部材12が下方に駆動され、図3に示されるように、真空排気用部材12の下面が環状弾性部材14を介してシート部材30の上面に圧接される。これにより、シート部材30の上面と、環状弾性部材14と、真空排気用部材12の下面とにより、排気通路12bを介して真空ポンプ20と連通する空間(以下、第1空間という)が形成される。
そして、この状態から真空ポンプ20が駆動されると、上記第1空間内の気体が排気通路12b及び吸気管13を介して排気され、第1空間内の圧力が低下する。これにより、シート部材30の下面と、スタンパ16と、エンボス用加圧部材18の上面とで形成される空間(以下、第2空間という)内の気体が膨張する。そして、シート部材30には、第2空間からスタンパ16の外周に向かう放射状の均一な剥離力が作用し、シート部材30がスタンパ16から剥離される。
シート部材30がスタンパ16から剥離されると真空ポンプ20が停止され第1空間内の気圧がほぼ大気圧と同程度となる。その後真空排気用部材12及びエンボス用加圧部材18はそれぞれ上方及び下方へ駆動される。そして、シート部材30が所定量巻取りローラ33により巻き取られた後、転写装置10による上記動作が繰り返される。
以上説明したように、本第1の実施形態に係る転写装置10によると、予めスタンパ16に丸孔16aが形成されているため、シート部材30にスタンパ16を圧接したときに第2空間が形成される。そして、第2空間の反対側に形成された第1空間内から気体を排気して両空間に気圧差を生じさせることで第2空間内の気体を膨張させ、シート部材30に剥離力を作用させる。したがって、シート部材30には第2空間を中心とする放射状の剥離力が均一に作用し、シート部材の剥離時に生じる部材の歪みを効果的に回避することが可能となる。
なお、本第1の実施形態ではスタンパ16に丸孔16aを設けることで第2空間を形成する場合について説明したが、これに限らず、例えば、スタンパ16に凹部を形成することとしてもよい。
また、本第1の実施形態ではシート部材30と、スタンパ16と、エンボス用加圧部材18とにより第2空間を形成する場合について説明したが、これに限らず、図4に示されるように例えばエンボス用加圧部材18の内部に設けられた空気導入通路18aを介して第2空間が大気に連通していてもよい。
また、シート部材30の剥離に要する時間は、シート部材30の接合部の面積、上述した第1空間の容積、真空ポンプ20の容量に依存するが、基本的にはこれらのパラメータにより決まる時間により管理できる。また、剥離時間の観点からすると第1空間の容積は出来るだけ小さくしておくことが望ましい。例えば真空排気用部材12の下面中央部を下方に突出させて第1空間の容積を小さくすることなどが考えられる。
また、第2空間はスタンパ16に予め丸孔16aを設けておくだけの、単純な機構で形成することができるため、例えば圧縮空気を供給する装置などの複雑な機構をエンボス用加圧部材18側に設ける必要がなく、装置の複雑化を招くこともない。したがって、シート30を保持する移動体や、スピンコート装置などに応用する場合には、回転テーブルの保持面に凹部等を設けておくことで、真空排気用部材12を用いて上記と同様にシート部材30に放射状の剥離力を均一に作用させることができ、回転機器などに複雑な機構を設けることを回避することが可能となる。以下、一例として記録領域30bを有するシート部材30が接合された移動体から、シート部材30を剥離する方法について説明する。
図5(A)は搬送可能な保持構造体40を、この保持構造体40に保持されたシート部材30とともに示す平面図であり、図5(B)は、図5(A)のAA線に沿った断面図である。図5(A)及び図5(B)を総合するとわかるように、保持構造体40は円形板状の部材からなり、上面中央部には凹部40bが形成され、上面の外縁部近傍には環状の保持用溝40aが形成されている。そして、シート部材30は保持構造体40の上面に、シート部材30の下面と保持構造体40上面との間の面間吸着力と、保持用溝40aとシート部材30下面に作用する吸着力により保持されている。
上述のように構成された保持構造体40では、図6に示されるように、保持構造体40に保持されたシート部材30上面に、真空排気用部材12を環状弾性部材14を介して圧接し、シート部材30の上面側にシート部材30の上面と、真空排気用部材12と、環状弾性部材14とで第1空間を形成し、シート部材30の下面側にはシート部材30の下面と、凹部40bとで第2空間を形成する。そして、第1空間内の気体を真空ポンプ20により排気することにより第2空間内の気体を膨張させ、シート部材30を保持構造体40の上面から剥離することができる。
《変形例1》
次に、第1の実施形態の変形例1について説明する。この変形例1に係る転写装置10Aは、丸孔30aが形成されているシート部材30にパターンの転写を行なう転写装置である。この転写装置10Aは、図7に示されるように、真空排気用部材12の下面中央部と、エンボス用加圧部材18の上面中央部とに、外径が丸孔30aの直径よりも大きい柱状部12c、18bがそれぞれ形成されている点で、転写装置10と異なっている。
転写装置10Aでは、柱状部12cの下面、及び柱状部18bの上面が、シート部材30をスタンパ16から剥離する際に、丸孔30aを上方及び下方から閉塞するようになっており、シート部材30の上面側にはシート部材30の上面と、真空排気用部材12と、環状弾性部材14とで環状の第1空間が形成され、シート部材30の下面側にはシート部材30の下面と、スタンパ16と、エンボス用加圧部材18とで環状の第2空間が形成される。そして、第1空間内の気体を真空ポンプ20により排気することで第2空間内の気体を膨張させ、シート部材30をスタンパ16から剥離することができるようになっている。
本変形例1の保持装置によると、シート部材30をスタンパ16から剥離する際には、シート部材30に形成された丸孔30aが閉塞されるため、丸孔30aにより第1空間と第2空間が連通することがなく、第2空間内の気体を膨張させることでシート部材30を歪みを生じさせることなく剥離することが可能となる。
なお、本変形例1では、真空排気用部材12に柱状部12cを設けたが、これに限らず、例えば図8(A)に示されるようにシート部材30を剥離する際に、真空排気用部材12により丸孔30aの外縁部近傍に圧接される環状弾性部材14を設けてもよい。また、例えば図8(B)に示されるようにシート部材30を剥離する際に丸孔30aを閉塞する球状又は楕円球状の弾性部材15を、真空排気用部材12の下面に設けてもよい。
《変形例2》
次に第1の実施形態の変形例2について説明する。この変形例2に係る転写装置10Bは、図9に示されるように真空排気用部材12の下面に外径が環状弾性部材14の内径よりも大きい円形の突出部12aが形成されている点で転写装置10と異なっている。転写装置10Bでは、真空排気用部材12が環状弾性部材14を介してシート部材30の上面に圧接される際に、突出部12aが環状弾性部材14に挿入されることで、図10(A)の矢印に示されるように環状弾性部材14を環をたどる方向に回転させ、シート部材30に図10(B)に矢印で示される放射状の張力を作用させるようになっている。これにより、剥離の際に生じるシート部材30の歪みの発生を更に効果的に回避することが可能となっている。なお、突出部12aの外周面はシート部材30に対し垂直である必要はなく、例えば図11に示されるように、シート部材30に近づくにつれて外周面の半径が小さくなるテーパー形状であってもよい。
また、開口30aが設けられたシート部材30に対しては、図12(A)に示されるように、真空排気用部材12の下面に、外径が、環状部材14の内径より大きく環をたどる方向の中心線の半径よりも小さく、内径が、環状弾性部材14’の外径より小さく環をたどる方向の中心線の半径より大きい環状突起12dを設け、真空排気用部材12をシート30に環状弾性部材14,14’を介して圧接したときに、環状突起12dで環状弾性部材14,14’を環をたどる方向の中心線を中心に図12(A)の矢印に示される方向に回転させて、シート部材30に図12(B)の矢印に示されるような張力を作用させることとしてもよい。また、環状突起12dの側面は図13に示されるように、シート部材30に近づくにつれて外周面の半径が小さくなり、内周面の半径が大きくなるようなテーパー形状としてもよい。
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態に係るコート装置50を、図14に基づいて説明する。ここで、重複説明を避ける観点から、前述した第1の実施形態と同等の構成部分については、同一の符号を用いるとともに説明を簡略し又は省略するものとする。
コート装置50は、図14に示されるように、真空排気用部材12、環状弾性部材14、コータ51、真空ポンプ20、及び不図示の制御装置などを備えている。
前記コータ51は、一例として、外径が140mm程度の円柱状の部材からなり、不図示の駆動機構により鉛直方向へ移動可能となっている。また、コータ51の上面は、シート部材30に対向する面が鏡面加工されるとともに中央部に凹部51aが形成され、不図示の供給装置により光硬化性樹脂が供給されることによる塗布層が形成されている。
次に、上述のように構成されたコート装置50の動作について説明する。コート装置50では、まず、コータ51が上方に駆動されることにより、コータ51上面がシート部材30に圧接され、不図示の紫外線照射装置により上方からシート部材30が照明される。これによりシート部材30の下面に紫外線硬化樹脂による保護膜が形成される。
シート部材30に保護層が形成されると、真空排気用部材12が下方に駆動され、真空排気用部材12の下面が環状弾性部材14を介してシート部材30の上面に圧接される。これにより、シート部材30の上面と、環状弾性部材14と、真空排気用部材12の下面とにより、排気通路12bを介して真空ポンプ20と連通する第1空間が形成される。
そして、この状態から真空ポンプ20が駆動されると、上記第1空間内の気体が排気通路12b及び吸気管13を介して排気され、第1空間内の圧力が低下する。これにより、シート部材30の下面と、コータ51とで形成される第2空間内の気体が膨張する。そして、シート部材30には、第2空間からコータ51上面の外周に向かう放射状の均一な剥離力が作用し、シート部材30がコータ51から剥離される。
シート部材30がコータ51から剥離されると真空ポンプ20が停止され第1空間内の気圧がほぼ大気圧と同程度となる。その後真空排気用部材12及びコータ51はそれぞれ上方及び下方へ駆動される。そして、シート部材30が所定量巻取りローラ33により巻き取られた後、コート装置10による上記動作が繰り返される。
以上説明したように、本第2の実施形態に係るコート装置50によると、予め上面に凹部50aが形成されているため、シート部材30にコータ51上面を圧接したときに第2空間が形成される。そして、第2空間の反対側に形成された第1空間内から気体を排気して両空間に気圧差を生じさせることで第2空間内の気体を膨張させ、シート部材30に剥離力を作用させる。したがって、シート部材30に第2空間を中心とする放射状の剥離力を均一に作用させることができ、シート部材30の剥離時に生じる部材の歪みを効果的に回避することが可能となる。
《第3の実施形態》
次に、上述した転写装置10、及びコート装置50を用いた、第3の実施形態に係るディスク製造装置100について図15に基づいて説明する。なお、前述した各実施形態及び各変形例と同等の構成部分については、同一の符号を用いるとともに説明を簡略し又は省略するものとする。
この第3の実施形態に係るディスク製造装置100は、図10に示されるように、シート部材30の移動方向上流側から下流側に向かって配置された転写装置10、スパッタ装置120、スピンコート装置50、及び上記各装置による処理が施される際にシート部材30を保持する保持装置60などを含んで構成されている。
前記スパッタ装置120は、スパッタターゲットをシート部材30の下面に成膜させるスパッタ源121、不図示のガス供給装置及びガス排気装置、並びにこれらを収容するとともに内部環境を所定の真空度に維持する真空チャンバ122等を備えている。そして、スパッタ装置120では、ガス供給装置により真空チャンバの内部空間に、例えばArガスを導入しつつイオン化させたArをスパッタターゲットに衝突させて、スパッタ源121からスパッタターゲットをシート部材30の下面に弾き飛ばすことにより、一例として厚さ120nmのAg反射層、厚さ7nmの(ZrO−Y)−SiO層、厚さ10nmのAgInSbTeGe層、厚さ25nmのZnS−Si層を順次成膜する。
保持装置60は、1組のローラ32,33に架設されたシート部材30のうちの、上記転写装置10,スパッタ装置120,コート装置50による処理が施される領域(以下、処理領域という)の周囲を保持する保持装置である。この保持装置60は、シート部材30の上方に配置された環状部材からなる固定部材61と、シート部材30の下方に昇降自在に配置された環状部材からなる押圧部材63と、該押圧部材63の上部に装着された環状弾性部材62とを備えている。そして、上記各装置10,120,50における処理中には、押圧部材61を上方へ駆動してシート部材30の下面を環状弾性部材61を介して上方へ押圧することにより、シート部材30を固定部材61と押圧部材63により挟持する。これにより、シート部材30の処理領域には、中心部から外周部へ向かう張力が作用し、処理領域の平坦度が維持されるようになっている。
ディスク製造装置100では、図15に示されるように、巻取りローラ33を回転させることによりシート部材30を、上述した転写装置10、スパッタ装置120及びスピンコート装置50に対し相対的に移動させて、シート部材30に対しホットエンボス処理、スパッタ処理、コート処理を順次行ない、各処理が施されたシート部材30の外径120mmの部分を不図示のカットパンチ機により切り抜くことにより、シート部材30をディスク基板とするディスクが製造される。
発明者が、上記ディスク製造装置100と同様の装置を用いて、上述と同様の方法で、ディスクを実際に製造し、そのディスクの真円度及び最大反り高を計測したところ、そのディスクの真円度及び最大反り高は次表に示される結果となった。
Figure 0004601565
一方、シート部材30の一端を機械的に引っ張ることにより剥離する従来の剥離方法を用いた場合には、ディスクの真円度及び最大反り高は次表2に示される結果となった。
Figure 0004601565
表1及び表2の結果を比較するとわかるように、ディスク製造装置100により製造されたディスクの真円度及び最大反り高は従来の剥離方法を用いた場合に比べて小さく抑えられているとがわかる。
以上説明したように、ディスク製造装置100では、転写装置10及びコート装置50を用いたホットエンボス処理及びコート処理が行われ、転写装置10のスタンパ16、及びコート装置50のコータ51からシート部材30が剥離される際には、シート部材30に生じる歪みが効果的に抑制される。したがって、製品の不良品率が低下することで歩留まりが向上し、結果的に生産性の向上を図ることが可能となる。また、複雑な機構を新たに設ける必要もないので、装置の高コスト化を招くこともない。
また、シート部材30の形状安定性が良好に確保されることからシート部材30を供給ローラ32に巻回した反物状にして供給することができるため、容易にロール工法によりディスクを製造することができ、生産効率の向上を図ることが可能となる。
以上説明したように、本発明のシート剥離方法及びシート剥離装置は可撓性のあるシートを剥離するのに適しており、本発明の転写装置、コート装置及びディスク製造装置は可撓性のあるディスクの製造に適している。
本発明の第1の実施形態に係る転写装置10の縦断面図である。 転写装置10のスタンパ16を示す図である。 転写装置10の動作を説明するための図である。 転写装置10の変形例を説明するための図である。 図5(A)は保持構造体40の平面図であり、図5(B)は保持構造体40の断面図である。 保持構造体40からの剥離方法を説明するための図である。 転写装置10Aの断面図を示す図である。 図8(A)及び図8(b)は転写装置10Aの変形例を説明するための図である。 転写装置10Bの断面図を示す図である。 図10(A)及び図10(B)は転写装置10Bの動作を説明するための図である。 転写装置10Bの変形例を説明するための図(その1)である。 図12(A)及び図12(B)は転写装置10Bの変形例を説明するための図(その2、その3)である。 図13は転写装置10Bの変形例を説明するための図(その4)である。 本発明の第2の実施形態に係るコート装置50の断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るディスク製造装置100の概略構成を示す図である。
符号の説明
10,10A,10B…転写装置、12…真空排気用部材、12a…突出部、12b…排気通路、12c…柱状部、13…吸気管、14,14’…環状弾性部材、15…弾性部材、16…スタンパ、16a…丸孔、16b…パターン、18…エンボス用加圧部材、18a…空気導入通路、18b…柱状部、20…真空ポンプ、30…シート部材、30a…丸孔、30b…記録領域、32…供給ローラ、33…巻取りローラ、40…保持構造体、40a…保持用溝、40b…凹部、50…コート装置、51…コータ、51a…凹部、100…ディスク製造装置、120…スパッタ装置。

Claims (6)

  1. 任意の基材に接合されたシート部材を剥離する方法であって、
    前記基材側の接合面内の中心部付近に、前記シート部材の一側の面が接合されたときに空気だまりとなる凹部を予め形成しておき、
    前記シート部材の他側の面上に前記空気だまりを形成する部分を少なくとも含む領域を囲むように環状弾性体を配置するとともに、該環状弾性体上に排気通路を有する真空排気用部材を載置して真空排気可能な空間を形成し、
    前記環状弾性体を環をたどる方向の中心線を中心に回転させて、前記シート部材に対して放射状の張力を作用させた状態で、前記空間を真空排気するシート剥離方法。
  2. 前記環状弾性体の内側に該環状弾性体の直径よりも小さい直径の別の環状弾性体を更に配置することを特徴とする請求項1に記載のシート剥離方法。
  3. 前記凹部は大気に連通していることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート剥離方法。
  4. 任意の基材に接合されたシート部材を剥離するシート剥離装置であって、
    前記シート部材の一側の面が接合されたときに空気だまりとなる凹部が中心部付近に形成されている基材と;
    前記シート部材の他側の面上に前記空気だまりを形成する部分を少なくとも含む領域を囲むように環状弾性体と、該環状弾性体上に排気通路を有する真空排気用部材を載置して形成された真空排気可能な空間を真空排気する真空ポンプと;
    前記環状弾性体を環をたどる方向の中心線を中心に回転させて、前記シート部材に対して放射状の張力を作用させる手段と;を備えるシート剥離装置。
  5. 前記環状弾性体の内側に配置され、前記環状弾性体の直径よりも小さい直径の別の環状弾性体を更に備えることを特徴とする請求項4に記載のシート剥離装置。
  6. 前記凹部は、大気に連通していることを特徴とする請求項4又は5に記載のシート剥離装置。
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