JP4667684B2 - 光ディスクの製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクの製造方法に関するものであり、特に、長尺の光ディスク製造用シートを使用して光ディスクを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクの製造方法として、スタンパーがセットされたディスクの型に光透過性の熱可塑性樹脂を射出成型して、凹凸パターンを有するディスク基板を成型する方法が知られている。また、光透過性基板を積層したドライ光硬化性フィルム(エネルギー線硬化性シート)に対してスタンパーを圧着し、その状態でドライ光硬化性フィルムに紫外線を照射してドライ光硬化性フィルムを硬化させた後、スタンパーをドライ光硬化性フィルムから分離し、硬化したドライ光硬化性フィルム上に反射膜および保護膜を形成する方法が開示されている(例えば、特許第2956989号公報、特開平7−287863号公報、特開平7−287864号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような光ディスクの製造方法では、最初の工程で剛性を有する光透過性基板をドライ光硬化性フィルムに積層し、その後の工程で光透過性基板の積層体を1枚毎にロボットハンド等で各工程の作業ステージに搬送する必要がある。このような方法では、作業スピードに限界があり、製造ラインの効率化に向いていなかった。
【0004】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、光ディスクを連続的に効率良く生産することが可能となる光ディスクの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る光ディスクの製造方法は、(a)エネルギー線硬化性層を有する長尺の光ディスク製造用シートの当該エネルギー線硬化性層にスタンパーを圧着し、当該エネルギー線硬化性層に前記スタンパーが有する凹凸パターンを転写する工程と、(b)前記エネルギー線硬化性層にエネルギー線を照射して当該エネルギー線硬化性層を硬化させ、前記転写した凹凸パターンを固定する工程と、(c)前記スタンパーと前記硬化したエネルギー線硬化性層とを分離する工程と、(d)前記エネルギー線硬化性層の前記凹凸パターンが転写された面に反射膜を形成する工程と、(e)前記エネルギー線硬化性層の前記反射膜が形成された側またはその反対側に接着剤を介して光ディスク基板を積層する工程と、(f)前記エネルギー線硬化性層の前記光ディスク基板を積層する側の反対側に、長尺のシート状の感圧接着剤を介して、保護層を構成する長尺のシートを積層する工程とを備え、少なくとも前記(a)〜(c)および(f)の工程の間は、前記長尺の光ディスク製造用シートを切断(穴開けを除く)することなく行うことを特徴とする(請求項1)。
【0006】
上記発明(請求項1)によれば、剛性を有する光ディスク基板が製造工程の後段(工程(e))で積層されるため、光ディスク基板が積層されるまでの長尺のシート、特に、少なくとも工程(a)〜(c)および(f)における長尺のシートは、連続したシート状態で各工程に付すことができ、したがって、光ディスクを個別に製造する方法と比較して、連続的に効率良く光ディスクを製造することが可能となる。
【0007】
また、上記発明(請求項1)においては、長尺のシート状の感圧接着剤を介して光ディスク基板を積層しているため、光ディスク基板とエネルギー線硬化性層との積層を単純な貼付作業により完遂することができ作業効率が高くなる。
【0008】
本発明に係る第2の光ディスクの製造方法は、(a)エネルギー線硬化性層と、前記エネルギー線硬化性層の一方の面に積層された、保護層を構成する長尺のシートとを有する長尺の光ディスク製造用シートの当該エネルギー線硬化性層にスタンパーを圧着し、当該エネルギー線硬化性層に前記スタンパーが有する凹凸パターンを転写する工程と、(b)前記エネルギー線硬化性層にエネルギー線を照射して当該エネルギー線硬化性層を硬化させ、前記転写した凹凸パターンを固定する工程と、(c)前記スタンパーと前記硬化したエネルギー線硬化性層とを分離する工程と、(d)前記エネルギー線硬化性層の前記凹凸パターンが転写された面に反射膜を形成する工程と、(e)前記エネルギー線硬化性層の前記反射膜が形成された側に接着剤を介して光ディスク基板を積層する工程とを備え、少なくとも前記(a)〜(c)の工程の間は、前記長尺の光ディスク製造用シートを切断することなく行うことを特徴とする(請求項2)。
上記発明(請求項1)において、前記(a)工程に付される前の前記エネルギー線硬化性層の両面には剥離シートが積層されており、一方の前記剥離シートを剥離除去して露出したエネルギー線硬化性層に対して、前記スタンパーを圧着することが好ましい(請求項3)。
また、上記発明(請求項2)において、前記(a)工程に付される前の前記エネルギー線硬化性層の他方の面には剥離シートが積層されており、前記剥離シートを剥離除去して露出したエネルギー線硬化性層に対して、前記スタンパーを圧着することが好ましい(請求項4)。
【0009】
上記発明(請求項1〜4)においては、前記光ディスク基板を積層する前または後に、前記光ディスク基板の外周に沿って前記長尺のシートを切断する工程をさらに備えていてもよい(請求項5)。本発明(請求項5)によれば、シートが複数層になっている場合、それら複数層のシートを一度に切断することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
〔第1の実施形態〕
図1(a)〜(i)は本発明の第1の実施形態に係る光ディスクの製造方法を示す断面図である。
【0011】
本実施形態では、あらかじめ図1(a)に示すような長尺の光ディスク製造用シート10を用意する。この長尺の光ディスク製造用シート10は、エネルギー線硬化性層1と、エネルギー線硬化性層1の両面に積層された剥離シート2,2’とから構成される。
【0012】
エネルギー線硬化性層1を構成する材料としては、スタンパーSの凹凸パターンが良好に転写され、ピットまたはグルーブが正確に形成され得るエネルギー線硬化性の材料であれば特に限定されるものではない。このようなエネルギー線硬化性の材料としては、例えば、特許第2956989号公報、特願2001−311966号明細書等に記載されている材料を使用することができる。
【0013】
エネルギー線硬化性層1の厚みは、形成すべきピットまたはグルーブの深さに応じて決定されるが、通常は5〜100μm程度であり、好ましくは5〜20μm程度である。
【0014】
剥離シート2,2’は、圧力の印加により変形しやすいエネルギー線硬化性層1を保護するものである。この剥離シート2,2’としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンなどの樹脂フィルムをシリコーン系剥離剤等で剥離処理したものを使用することができる。
【0015】
剥離シート2,2’は、エネルギー線硬化性層1に平滑性を付与するために、剥離処理した側(エネルギー線硬化性層1と接触する側)の表面粗さ(Ra)が0.1μm以下であるのが好ましい。
【0016】
本実施形態に係る光ディスクの製造方法においては、最初に、図1(b)に示すように、上記エネルギー線硬化性層1に積層された一方の剥離シート2’を剥離除去し、エネルギー線硬化性層1の表面を露出させる。この状態のシート(エネルギー線硬化性層1+剥離シート2)を、以下「積層シート20」という。そして、図1(b)〜(c)に示すように、露出したエネルギー線硬化性層1の表面にスタンパーSを圧着し、エネルギー線硬化性層1にスタンパーSの凹凸パターンを転写する。
【0017】
スタンパーSは、通常はニッケル合金等の金属材料から構成される。なお、図1(b)〜(d)に示すスタンパーSの形状は板状であるが、これに限定されるものではなく、光ディスク製造用シート10と同様の長尺のシートに凹凸パターンが形成されているものであってもよい。
【0018】
そして、図1(c)に示すように、エネルギー線硬化性層1にスタンパーSを密着させた状態で、エネルギー線照射装置(図1(c)中では一例としてUVランプL)を使用して、剥離シート2側からエネルギー線硬化性層1に対してエネルギー線を照射する。これにより、エネルギー線硬化性層1が硬化し、エネルギー線硬化性層1に転写された凹凸パターンが固定される。その後、図1(d)に示すように、スタンパーSをエネルギー線硬化性層1から分離する。
【0019】
エネルギー線としては、通常、紫外線、電子線等が用いられる。エネルギー線の照射量は、エネルギー線の種類によって異なるが、例えば紫外線の場合には、光量で100〜500mJ/cm程度が好ましく、電子線の場合には、10〜1000krad程度が好ましい。
【0020】
以上の凹凸パターンの転写・固定は、図1(e)に示すように、積層シート20に対して複数同時にまたは連続的に行うのが好ましい。本実施形態における光ディスク製造用シート10(積層シート20)は長尺であるため、このようなことが容易に可能となる。
【0021】
また、上記凹凸パターンの転写・固定を行うにあたり、光ディスク製造用シート10は、図2に示すように、捲収体の状態から引き出され、凹凸パターンが転写・固定された後、巻き取られて再度捲収体にされるようにしてもよい。このように光ディスク製造用シート10を捲収体とすることにより、自動取出で効率的に凹凸パターンの転写・固定を行うことができるとともに、保管や輸送に便利となる。
【0022】
図2に示す例では、光ディスク製造用シート10は、エネルギー線硬化性層1の両面に剥離シート2,2’が積層された状態で捲収体とされており、捲収体から引き出された途中でエネルギー線硬化性層1の上面に積層された剥離シート2’が上方に向かって剥離され、残った積層シート20が凹凸パターン転写・固定装置8の中を通過し、その後再度積層シート20(エネルギー線硬化性層1)の上面に剥離シート2’が積層され、巻き取られて捲収体にされる。
【0023】
上記のようにエネルギー線硬化性層1に再度剥離シート2’を積層することにより、エネルギー線硬化性層1の凹凸パターンが転写・固定された面に、塵、ゴミ等の異物が付着することを防止することができる。なお、剥離シート2’の代わりに、別の被覆用のシートをエネルギー線硬化性層1に積層してもよい。
【0024】
エネルギー線硬化性層1には、エネルギー線の未照射部分を設け、そのエネルギー線未照射部分が有する接着力によって剥離シート2’を再度エネルギー線硬化性層1に貼付・積層するようにしてもよい。このようなエネルギー線未照射部分は、例えば、エネルギー線硬化性層1において転写される凹凸パターン以外の部分全部とすることもできるし、エネルギー線硬化性層1の両端部(凹凸パターン以外)とすることもできる。
【0025】
なお、図2に示す例では、エネルギー線硬化性層1に転写・固定される凹凸パターンは2列となっているが、1列であってもよいし、3列以上であってもよい。
【0026】
図3に、凹凸パターン転写・固定装置8の内部構造の一例を概略的に示す。凹凸パターン転写・固定装置8の内部には、図3に示すように、積層シート20上において積層シート20の進行方向にスタンパーSを配置するスタンパー供給ユニット(吸着機構付ロボットアームR)と、エネルギー線硬化性層1を圧着ローラ811によりスタンパーSに圧着させることのできる圧着ユニット81と、積層シート20に光ディスクのセンターホールを形成することのできる穴開けユニット82と、UVランプLからなる硬化ユニット83と、積層シート20を下段に移行させ、エネルギー線硬化性層1をスタンパーSから分離させることのできる上下一対のニップロール841,842および1本のガイドローラ843からなる分離ユニット84とが設けられている。
【0027】
各スタンパーSは、積層シート20に圧着されることにより積層シート20とともに移動可能となっており、圧着ユニット81、穴開けユニット82、硬化ユニット83および分離ユニット84を順に通過した後、スタンパー供給ユニットによって再度圧着ユニット81上の所定の位置に戻るようになっている。
【0028】
スタンパー供給ユニットは、図示しないスタンパー供給カセットまたは分離ユニットから回収されたスタンパーSを、1枚づつ圧着ユニット81の所定位置に配置する。なお、光ディスク製造用シート10は、圧着ユニット81の直前で剥離シート2’が剥離され、積層シート20の状態で圧着ユニット81に供給される。
【0029】
スタンパー供給ユニットにより供給されたスタンパーSは、圧着ユニット81において積層シート20上に配置される。スタンパーSと積層シート20とが対面すると、圧着ローラ811は、スタンパーSの端部を押圧し、続いて積層シート20の剥離シート2側の面をスタンパーSの上記端部と反対側の端部に向かって回転しながら移動し、積層シート20をスタンパーSに圧着していく。
【0030】
このようにしてスタンパーSの凹凸パターンがエネルギー線硬化性層1に転写されたら、スタンパーSとエネルギー線硬化性層1とが密着した状態で、スタンパーSおよび積層シート20は穴開けユニット82に移動する。穴開けユニット82はトムソン刃821を有し、このトムソン刃821がスタンパーSの貫通孔を通過して下降し、支持部材822上の積層シート20を光ディスクのセンターホールと同形状にカットする。
【0031】
積層シート20がカットされ、トムソン刃821が上昇したら、スタンパーSおよび積層シート20は硬化ユニット83に移動し、UVランプLから積層シート20に対して紫外線が照射される。
【0032】
積層シート20のエネルギー線硬化性層1に転写された凹凸パターンが紫外線の照射により固定されたら、スタンパーSおよび積層シート20は分離ユニット84に移動する。分離ユニット84において、積層シート20は、一対のニップローラ841,842とガイドローラ843によってスタンパーSから分離される。
【0033】
以上の各工程は、複数のスタンパーSを使用して積層シート20に対し連続して行われるため、上記凹凸パターン転写・固定装置8によれば、光ディスク製造の各工程ステージへの移載にロボットアームを使用する必要がなく、各工程を連続的に効率良く行うことができる。
【0034】
図4に、凹凸パターン転写・固定装置8の内部構造の他の例を概略的に示す。凹凸パターン転写・固定装置8の内部においては、図4(a)に示すように、圧着ユニット81’と硬化ユニット83’と穴開けユニット82’とが積層シート20の進行方向と直交する方向に一体的に並設された3連ユニット85が構成されている。この3連ユニット85は、積層シート20の進行方向と直交する方向に往復移動可能となっている。
【0035】
スタンパー供給ユニットによって圧着ユニット81’の所定位置にスタンパーSが固定されると、図4(b)に示すように、圧着ユニット81’の内部に位置する圧着ローラ811’が上昇し、スタンパーSの端部を押圧する。続いて、圧着ローラ811’は、積層シート20の剥離シート2側の面をスタンパーSの上記端部と反対側の端部に向かって回転しながら移動し、積層シート20をスタンパーSに圧着していく。
【0036】
このようにしてスタンパーSの凹凸パターンが積層シート20のエネルギー線硬化性層1に転写されたら、3連ユニット85は、硬化ユニット83’のUVランプがスタンパーSの下に位置するように移動する。そして、UVランプLから積層シート20に対して紫外線が照射され、積層シート20のエネルギー線硬化性層1に転写された凹凸パターンが固定される。
【0037】
紫外線照射後、3連ユニット85は、穴開けユニット82’がスタンパーSの下に位置するように移動し、穴開けユニット82’の図示しないトムソン刃によって、積層シート20を光ディスクのセンターホールと同形状にカットする。
【0038】
積層シート20が上記のようにカットされたら、3連ユニット85は、圧着ユニット81’が再びスタンパーSの下に位置するように移動する。この圧着ユニット81’は、分離ユニットとしての機能も併せ持っている。すなわち、圧着ユニット81’においては、図4(c)に示すように、積層シート20上のスタンパーSをスタンパーS回収用のロボットアームRと圧着ローラ811’とで挟持し、このスタンパーSを、当該スタンパーSの進行方向のやや下方に位置するピンチローラ844側に進行させることにより、積層シート20はスタンパーSから分離される。スタンパーSは、ロボットアームRに吸着された状態で回収され、次の凹凸パターンの転写に使用される。
【0039】
以上のようにしてエネルギー線硬化性層1にスタンパーSの凹凸パターンが転写・固定され、ピットまたはグルーブが形成されたら、次に、図1(f)に示すように、スパッタリング等の手段によりエネルギー線硬化性層1の表面に反射膜3を形成する。反射膜3としては、相変化記録層等の記録層をさらに含む多層膜であってもよい。この反射膜3は、通常、金属または金属化合物の薄膜であり、スパッタリング等により形成される。これらの層の厚みは、通常10〜200nm程度である。
【0040】
上記反射膜3上には、図1(g)に示すように、接着剤層4を介して保護シート5を積層する。この接着剤層4は、感圧接着剤からなるのが好ましく、また長尺のシート状となっているのが好ましい。このような接着シートを使用することにより、例えば、反射膜3が形成された積層シート20と当該接着シートと保護シート5とを重ね合わせながら巻き取るだけで、保護シート5を容易にエネルギー線硬化性層1に積層することができる。
【0041】
感圧接着剤の種類としては、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、ゴム系、シリコーン系等のいずれであってもよく、いわゆる粘着剤であってもよいし、粘接着剤であってもよい。接着剤層4を接着シートで構成する場合、その接着シートの厚みは、5〜100μmであるのが好ましく、特に10〜30μmであるのが好ましい。
【0042】
保護シート5は、光ディスクの受光面やラベル面など、光ディスクの一部を構成するものである。保護シート5の材料としては、保護シート5が受光面を構成する場合には、情報読み取りのための光の波長域に対し十分な光透過性を有するものであればよく、保護シート5がラベル面を構成する場合には、ラベル印刷用のインキが定着しやすい易接着表面を有するものが好ましい。また、いずれの場合も、保護シート5の材料は、光ディスクを容易に製造するために、剛性や柔軟性が適度にあるものが好ましく、光ディスクの保管のために、温度に対して安定なものであるのが好ましい。このような材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等の樹脂を用いることができる。
【0043】
保護シート5の線膨張係数は、高温で光ディスクが反りを起こさないよう、後述する光ディスク基板7の線膨張係数とほぼ同じであるのが好ましい。例えば、光ディスク基板7がポリカーボネート樹脂からなる場合には、保護シート5も同じポリカーボネート樹脂からなるのが好ましい。
【0044】
保護シート5の厚みは、光ディスクの種類や光ディスクのその他の構成部位の厚みに応じて決定されるが、通常は25〜300μm程度であり、好ましくは50〜200μm程度である。
【0045】
上記のようにして保護シート5を積層したら、エネルギー線硬化性層1の反射膜3が形成された面の反対側の面に接着剤層6を介して光ディスク基板7を積層する。この接着剤層6も、上記接着剤層4と同様のものを使用することができ、感圧接着剤からなるのが好ましく、また長尺のシート状となっているのが好ましい。接着剤層6として長尺の接着シートからなるものを使用することにより、光ディスクの製造工程において、連続したシート状態で加工できる工程がさらに増えるため、光ディスクの製造がより効率的になる。接着剤層6の材料および厚みは、上記接着剤層4と同様である。
【0046】
光ディスク基板7の材料としては、光ディスクに適した光透過性および剛性を有しているものであればよく、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等の樹脂、あるいは光学ガラスなどの材料を使用することができる。これらの材料の中でも、ポリカーボネートは、耐環境性、寸法安定性等に優れていることから好適に用いられる。この光ディスク基板7の厚みは、通常0.6〜1.2mm程度である。
【0047】
最後に、図1(i)に示すように、光ディスク基板7の外周に沿って、接着剤層6、エネルギー線硬化性層1、反射膜3、接着剤層4および保護シート5の積層体を切断する。この積層体の切断は、カッターを使用して行ってもよいし、型抜きで行ってもよい。このようにして、光ディスク基板7、接着剤層6、エネルギー線硬化性層1、反射膜3、接着剤層4および保護シート5の積層体からなる光ディスクが製造される。
【0048】
本実施形態に係る光ディスクの製造方法においては、剛性を有する光ディスク基板7が製造工程の後段で積層されるため、光ディスク基板7が積層されるまでの長尺のシートは、連続したシート状で各工程に付すことができる。したがって、本実施形態に係る光ディスクの製造方法によれば、光ディスクを個別に製造する方法と比較して、連続的に効率良く光ディスクを製造することができる。
【0049】
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態に係る光ディスクの製造方法について説明する。
図5(a)〜(h)は本発明の第2の実施形態に係る光ディスクの製造方法を示す断面図である。
【0050】
本実施形態では、あらかじめ図5(a)に示すような長尺の光ディスク製造用シート30を用意する。この長尺の光ディスク製造用シート30は、エネルギー線硬化性層1と、エネルギー線硬化性層1の一方の面(図5中下面)に積層された保護シート5と、エネルギー線硬化性層1の他方の面(図5中上面)に積層された剥離シート2とから構成される。
【0051】
なお、本実施形態におけるエネルギー線硬化性層1、保護シート5、剥離シート2、さらには後述する反射膜3、接着剤層6および光ディスク基板7の材料、厚み、性質等は、上記第1の実施形態におけるものと同様である。
【0052】
上記のような光ディスク製造用シート30は、エネルギー線硬化性層1を構成する材料と、所望によりさらに溶媒とを含有する塗布剤を調製し、キスロールコーター、リバースロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、ダイコーター等の塗工機によって保護シート5上に塗布して乾燥させ、エネルギー線硬化性層1を形成した後、そのエネルギー線硬化性層1の表面に剥離シート2を積層することによって、あるいは、上記塗布剤を剥離シート2上に塗布して乾燥させ、エネルギー線硬化性層1を形成した後、そのエネルギー線硬化性層1の表面に保護シート5を積層することによって得られる。
【0053】
本実施形態に係る光ディスクの製造方法においては、最初に、図5(b)に示すように、上記エネルギー線硬化性層1に積層された剥離シート2を剥離除去し、エネルギー線硬化性層1の表面を露出させる。この状態のシート(エネルギー線硬化性層1+保護シート5)を、以下「積層シート20’」という。そして、図5(b)〜(c)に示すように、露出したエネルギー線硬化性層1の表面にスタンパーSを圧着し、エネルギー線硬化性層1にスタンパーSの凹凸パターンを転写する。
【0054】
次いで、図5(c)に示すように、エネルギー線硬化性層1にスタンパーSが密着させた状態で、エネルギー線照射装置(図5(c)中では一例としてUVランプL)を使用して、保護シート5側からエネルギー線硬化性層1に対してエネルギー線を照射する。これにより、エネルギー線硬化性層1が硬化し、エネルギー線硬化性層1に転写された凹凸パターンが固定される。その後、図5(d)に示すように、スタンパーSをエネルギー線硬化性層1から分離する。
【0055】
上記凹凸パターンの転写・固定は、図5(e)に示すように、積層シート20’に対して連続的に行ってもよいし、複数同時に行ってもよい。また、上記凹凸パターンの転写・固定を行うにあたり、光ディスク製造用シート30は、図2に示すように、捲収体の状態から引き出され、凹凸パターンが転写・固定された後、巻き取られて再度捲収体にされるようにしてもよい。
【0056】
以上のようにしてエネルギー線硬化性層1にスタンパーSの凹凸パターンが転写・固定され、ピットまたはグルーブが形成されたら、次に、図5(f)に示すように、スパッタリング等の手段によりエネルギー線硬化性層1の表面に反射膜3を形成する。そして、この反射膜3上には、図5(g)に示すように、接着剤層6を介して光ディスク基板7を積層する。
【0057】
最後に、図5(h)に示すように、光ディスク基板7の外周に沿って、接着剤層6、反射膜3および積層シート20’の積層体を切断する。このようにして、光ディスク基板7、接着剤層6、反射膜3、エネルギー線硬化性層1および保護シート5の積層体からなる光ディスクが製造される。
【0058】
本実施形態に係る光ディスクの製造方法においても、剛性を有する光ディスク基板7が製造工程の後段で積層されるため、光ディスク基板7が積層されるまでの長尺のシートは、連続したシート状態で各工程に付すことができる。したがって、本実施形態に係る光ディスクの製造方法によれば、光ディスクを個別に製造する方法と比較して、連続的に効率良く光ディスクを製造することができる。
【0059】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0060】
例えば、光ディスクのセンターホールを形成する穴開け工程は、図1(i)または図5(h)に示すようなシート切断工程と同時に、またはシート切断工程の前後に行ってもよい。この場合、図3および図4に示すような穴開けユニット82,82’は不要となる。
【0061】
また、光ディスクの製造方法につき、図1(a)〜(d)に示す工程および図5(a)〜(d)に示す工程を連続したシート状態で行う方法を説明してきたが、これにかかわらず、図1に示す工程においても図5に示す工程においても、シート切断工程に至る全ての工程を、長尺シートを連続したシート状態で各工程に付す方法で行ってもよい。
【0062】
【発明の効果】
本発明の光ディスクの製造方法によれば、光ディスクを連続的に効率良く生産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光ディスクの製造方法を示す断面図である。
【図2】光ディスク製造用シート(積層シート)に対する凹凸パターンの転写・固定を連続したシート状態で行う一実施形態を示す斜視図である。
【図3】図2における凹凸パターン転写・固定装置の内部構造の一例を概略的に示す側面図である。
【図4】(a)は、図2における凹凸パターン転写・固定装置の内部構造の他の例を概略的に示す斜視図であり、(b)は、圧着ローラにより積層シートをスタンパーに圧着する様子を示す概略側面図であり、(c)は、積層シートとスタンパーとが分離される様子を示す概略側面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る光ディスクの製造方法を示す断面図である。
【符号の説明】
10,30…光ディスク製造用シート
20,20’…積層シート
1…エネルギー線硬化性層
2,2’…剥離シート
3…反射層
4,6…接着剤層
5…保護シート
7…光ディスク基板

Claims (5)

  1. (a)エネルギー線硬化性層を有する長尺の光ディスク製造用シートの当該エネルギー線硬化性層にスタンパーを圧着し、当該エネルギー線硬化性層に前記スタンパーが有する凹凸パターンを転写する工程と、
    (b)前記エネルギー線硬化性層にエネルギー線を照射して当該エネルギー線硬化性層を硬化させ、前記転写した凹凸パターンを固定する工程と、
    (c)前記スタンパーと前記硬化したエネルギー線硬化性層とを分離する工程と、
    (d)前記エネルギー線硬化性層の前記凹凸パターンが転写された面に反射膜を形成する工程と、
    (e)前記エネルギー線硬化性層の前記反射膜が形成された側またはその反対側に接着剤を介して光ディスク基板を積層する工程と、
    (f)前記エネルギー線硬化性層の前記光ディスク基板を積層する側の反対側に、長尺のシート状の感圧接着剤を介して、保護層を構成する長尺のシートを積層する工程と
    を備え、少なくとも前記(a)〜(c)および(f)の工程の間は、前記長尺の光ディスク製造用シートを切断(穴開けを除く)することなく行うことを特徴とする光ディスクの製造方法。
  2. (a)エネルギー線硬化性層と、前記エネルギー線硬化性層の一方の面に積層された、保護層を構成する長尺のシートとを有する長尺の光ディスク製造用シートの当該エネルギー線硬化性層にスタンパーを圧着し、当該エネルギー線硬化性層に前記スタンパーが有する凹凸パターンを転写する工程と、
    (b)前記エネルギー線硬化性層にエネルギー線を照射して当該エネルギー線硬化性層を硬化させ、前記転写した凹凸パターンを固定する工程と、
    (c)前記スタンパーと前記硬化したエネルギー線硬化性層とを分離する工程と、
    (d)前記エネルギー線硬化性層の前記凹凸パターンが転写された面に反射膜を形成する工程と、
    (e)前記エネルギー線硬化性層の前記反射膜が形成された側に接着剤を介して光ディスク基板を積層する工程と
    を備え、少なくとも前記(a)〜(c)の工程の間は、前記長尺の光ディスク製造用シートを切断することなく行うことを特徴とする光ディスクの製造方法。
  3. 前記(a)工程に付される前の前記エネルギー線硬化性層の両面には剥離シートが積層されており、一方の前記剥離シートを剥離除去して露出したエネルギー線硬化性層に対して、前記スタンパーを圧着することを特徴とする請求項1に記載の光ディスクの製造方法。
  4. 前記(a)工程に付される前の前記エネルギー線硬化性層の他方の面には剥離シートが積層されており、前記剥離シートを剥離除去して露出したエネルギー線硬化性層に対して、前記スタンパーを圧着することを特徴とする請求項2に記載の光ディスクの製造方法。
  5. 前記光ディスク基板を積層する前または後に、前記光ディスク基板の外周に沿って前記長尺のシートを切断する工程をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光ディスクの製造方法。
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