JP4793010B2 - 光回折構造賦型用の複製版及びその複製版の製造方法並びに複製版を用いた光回折構造転写用複製物の製造方法 - Google Patents

光回折構造賦型用の複製版及びその複製版の製造方法並びに複製版を用いた光回折構造転写用複製物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光回折構造を賦型するための樹脂製の複製版等に関する。
光回折構造を備えた転写箔、転写リボン等の転写用複製物(以下、複製物と略称することがある。)の製造方法として、複製物に設けられた複製層を複製版の光回折構造層に密着させてそれらを加熱することにより、複製版の光回折構造を複製物に複製する方法が知られている。このような製造方法では、複製物を複製版から剥がす際に、複製層がその背後の剥離層の一部とともに基材から剥離して複製版に付着するいわゆる版取られ現象が生じることがある。そこで、版取られ対策として、複製物の光回折構造層にシリコーンからなる離型剤を添加させる技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2004−258455号公報
光回折構造が賦型された複製物の表面には、アルミニウム等の金属からなる反射層といった被覆層がさらに形成されるが、複製物の複製層に離型剤が添加されているとその離型作用により被覆層と光回折構造層との密着性が低下するおそれがある。そのような懸念が存在するにも拘わらず複製物に離型剤を添加する理由の一つとして、光回折構造を形成するための複製版には電鋳版が使用され、版側に離型剤を入れることが困難であるという事情がある。しかしながら、近年は多品種少量生産への対応や複製版の保管コストの低減を目的として樹脂製の複製版が使用されることがあり、そのような複製版であれば、表面の光回折構造層に離型剤を添加して離型性を確保することも可能である。
ところが、離型剤として使用されている従来のシリコーンは樹脂に対する相溶性が良好な反面、樹脂から容易に分離する性質がある。このため、離型性を確保すべく多量のシリコーンを複製版に添加すると、複製版から離型剤が分離して複製物に転移し、その転移した離型剤により反射層等の密着性が損なわれるおそれがある。しかも、複製版は繰り返し使用されるため、離型剤の離脱に伴って離型性が次第に低下し、複製版の寿命が早期に尽きるおそれもある。このような不都合を回避するには、複製版の光回折構造層に使用される樹脂に対して反応性を有するシリコーンを離型剤として使用することが望ましい。しかしながら、従来の反応性シリコーンは樹脂に対する相溶性が低いために樹脂に少量しか添加することができず、十分な離型性を確保することが困難であった。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、光回折構造層の素材としての樹脂に多量の離型剤を添加して十分な離型性を確保することができ、しかも、複製版からの離型剤の分離も抑えることが可能な複製版、及びその製造方法並びにその複製版を利用した光回折構造転写用複製物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の複製版は、表面に樹脂製の光回折構造層(3)が形成された複製版(1)において、前記光回折構造層に、ポリエーテル変性シリコーンをアクリル変性してなる反応性シリコーンが離型剤として架橋結合されることにより、上述した課題を解決する。
ポリエーテル変性されたシリコーンは複製版の光回折構造層を構成する樹脂に対して良好な相溶性を示し、これをさらにアクリル変性することにより相溶性を損なうことなく、樹脂に対する反応性をシリコーンに付与してその樹脂とシリコーンとを架橋結合させることができる。従って、本発明の複製版によれば、光回折構造層を構成する樹脂に対して十分な量のシリコーンを添加して離型性を十分に確保しつつ、シリコーンを光回折構造層の樹脂と架橋結合させて複製版からのシリコーンの分離を防止することができる。
本発明の複製版の製造方法においては、光回折構造を有する複製元の版(4)と、前記光回折構造が複製されるべき複製版(1)の基材(2)との間に、ポリエーテル変性シリコーンをアクリル変性してなる反応性シリコーンを離型剤として添加させた電磁線硬化樹脂(3A)を介在させ、前記電磁線硬化樹脂に電磁線を照射して該電磁線硬化樹脂を硬化させつつ前記シリコーンと前記電磁線硬化樹脂とを架橋結合させることにより、上述した課題を解決する。
本発明の複製版の製造方法によれば、電磁線硬化樹脂に対する電磁線の照射により、電磁線硬化樹脂が硬化してこれに複製元の版の光回折構造が賦型されるとともに、樹脂とシリコーンとが架橋結合してシリコーンが電磁線硬化樹脂内に取り込まれる。これにより、複製物からシリコーンが分離し難くかつ離型性に優れた複製版を製造することができる。
本発明の光回折構造転写用複製物の製造方法においては、ポリエーテル変性シリコーンをアクリル変性してなる反応性シリコーンが離型剤として架橋結合している樹脂製の光回折構造層(3)を有する複製版(1)と、転写用複製物の基材(21)上に設けられた樹脂製の複製層(23)とを密着させ、その密着部分に熱を加えて複製層を軟化させることにより、前記複製版の光回折構造を前記複製層に複製することにより、上述した課題を解決する。
本発明の光回折構造転写用複製物の製造方法によれば、複製版の光回折構造層を構成する樹脂に離型剤として反応性シリコーンが架橋結合しているため、版取られを生じさせることなく、複製版から複製物の基材上の複製層を容易に離型させることができる。しかも、複製版の離型剤が複製物側に転移するおそれがなく、複製層上に形成された光回折構造に対して反射層等の被覆層を良好に密着させることができる。
本発明の好適な一形態において、前記反応性シリコーンは、シロキサン骨格構造の両末端をポリエーテル変性し、さらに両末端のポリエーテル構造をアクリル変性してなるものとすることができる。
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
以上に説明したように、本発明によれば、光回折構造層の樹脂に離型剤として添加されるべきシリコーンとして、ポリエーテル変性シリコーンをアクリル変性してなる反応性シリコーンを使用することにより、光回折構造層の樹脂に対するシリコーンの相溶性を損なうことなくその樹脂に対する反応性をシリコーンに付与することができる。従って、シリコーンを光回折構造層の樹脂に多量に添加して複製版と複製物との離型性を十分に確保しつつ、光回折構造層の樹脂と離型剤のシリコーンとを架橋結合させて複製版からのシリコーンの分離を防止し、それにより複製版の寿命を改善することができる。また、本発明の複製版を利用して光回折構造が複製された転写用複製物の複製層には離型剤が付着しないので、その複製層に対して反射層等の被覆層を良好に密着させることができる。
[複製版の構造]
図1は本発明の一形態に係る複製版の部分断面を示す。複製版1は樹脂基材2に光回折構造層3を設けた構成を備えている。樹脂基材2には、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6等のポリアミド系樹脂、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ポリアクレート等のアクリル系樹脂といった各種の樹脂基材を用いることができる。光回折構造層3は表面に回折格子、ホログラム等の光回折構造を構成する微細な凹凸が形成されたものである。図1では光回折構造を単純な凹凸形状に描いているが、その形状は適宜でよい。また、図1では説明の便宜のために樹脂基材2及び光回折構造層3を誇張して描いており、その寸法関係は実際の製品を反映したものではない。図1の層構成は一例であり、樹脂基材2は複数層からなるものでもよいし、樹脂基材2と光回折構造層3との間にプライマ層等の他の層が介在されてもよい。
光回折構造層3は電磁線硬化樹脂の一種である紫外線硬化樹脂を素材として構成されるとともに、その光回折構造層3には離型剤として反応性シリコーンが添加されている。紫外線硬化樹脂は、一例として2、3の官能基を有するビスフェノールA系、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、又は特殊アクリレートからなるアクリレートモノマ、又はアクリレート樹脂に光重合開始剤を添加して構成される。光回折構造層3を構成する樹脂としては、以下に記載した組成(以下、これを組成Aと呼ぶ。)の紫外線硬化樹脂が挙げられる。
ビスフェノールA系エポキシアクリレート 27重量部
ポリエステルアクリレート A 19重量部
ポリエステルアクリレート B 34重量部
特殊アクリレート(多官能アクリレート)A 9.7重量部
特殊アクリレート(多官能アクリレート)B 2.9重量部
イルガキュア184 4.9重量部
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(非反応性) 2.5重量部
離型剤としての反応性シリコーンには、ポリエーテル変性シリコーンをさらにアクリル変性したシリコーンが用いられる。ポリエーテル変性シリコーンは、ポリジメチルシロキサンを基本構造とするシリコーンの骨格を変性して、そのジメチル基にポリエーテル基を付加することにより、樹脂に対するシリコーンの相溶性を高めたものである。その構造式は下記(1)式に示す通りである。
Figure 0004793010
上述したポリエーテル変性シリコーンに対して、さらに反応性を付与するための有機基(変性基)として、アクリロイル基を付加することにより、光回折構造層3に添加すべき離型剤が得られる。有機基として使用し得るアクリロイル基の構造式を(2)式に示す。これらの有機基の付加位置としては、ポリシロキサンの側鎖、片側又は両側の末端でもよいし、側鎖及び両末端でもよい。
Figure 0004793010
以上のような反応性シリコーンが添加された紫外線硬化樹脂は、例えば上記組成Aの紫外線硬化樹脂からシリコーン成分を除外し、これに代えて、反応性シリコーンとして信越化学工業株式会社が商品名X−22−1602を付して提供する反応性シリコーンを添加することにより得られる。商品名X−22−1602の反応性シリコーンは、シロキサン骨格構造の両末端をポリエーテル変性し、さらに両末端のポリエーテル構造をアクリル変性してなるものである。ビックケミー・ジャパン株式会社が商品名BYK−UV3500、BYK−UV3530を付してそれぞれ提供するポリエーテル変性アクリル基を有するポリジメチルシロキサンを添加しても同等の効果が得られる。
光回折構造層3に離型剤として添加すべき反応性シリコーンは上記のものに限定されず、ポリエーテル変性シリコーンをアクリル変性した構成を有し、かつ紫外線の照射により紫外線硬化樹脂と架橋反応を示すものであれば適宜に選択してよい。
光回折構造層3に添加すべき反応性シリコーンの量は、複製版1に対して要求される離型性と、紫外線硬化樹脂に対する反応性シリコーンの相溶性とに応じて適宜に設定してよいが、なるべくは、全配合に対し、添加剤として0.2〜20%の範囲で反応性シリコーンを添加することが望ましく、さらには、全配合に対し、添加剤として2〜15%の範囲で反応性シリコーンを添加するとよい。
[複製版の製造方法]
図2A〜図2Cを参照して複製版1の製造方法の一形態を説明する。ここでは、いわゆる2P法(Photo Polymerization法の略)により複製版1を製造する方法について説明する。2P法により複製版1を製造するには、まず、図2Aに示すように、複製版1に形成すべき光回折構造に対して相補的な形状の凹凸部が表面に形成された複製元の版4を用意し、その表面に未硬化状態の紫外線硬化樹脂3Aを塗工する。紫外線硬化樹脂3Aには反応性シリコーンからなる離型剤を予め適当量添加しておく。なお、紫外線硬化樹脂3Aの塗工には公知の各種の塗工法を用いてよい。複製元の版4は光回折構造を形成するためのパターンをガラス基板等の硬質基板上に撮影又は描画したいわゆる原板でもよいし、その原板から複製された中間版でもよい。
次に、図2Bに示すように紫外線硬化樹脂3Aの表面に樹脂基材2を載置し、これを押圧することにより版4と樹脂基材2との間に紫外線硬化樹脂3Aを挟み込む。なお、版4と樹脂基材2とを紫外線硬化樹脂3Aを介してラミネートすることにより、紫外線硬化樹脂3Aを塗工することなく直ちに図2Bの状態を得るようにしてもよい。続いて、図2Cに示すように紫外線硬化樹脂3Aに向けて紫外線UVを照射する。これにより、紫外線硬化樹脂3Aが硬化し、その硬化物の表面に版4と相補的な形状の光回折構造が複製されて光回折構造層3が形成される。紫外線UVの照射時に、紫外線硬化樹脂3Aに添加された反応性シリコーンが紫外線硬化樹脂3Aと架橋反応を起こして樹脂中に取り込まれる。これにより、光回折構造層3に対して反応性シリコーンが強固に定着し、光回折構造層3から離型剤が分離し難くなる。なお、紫外線UVは樹脂基材2側から照射してもよいし、版4側から照射してもよい。紫外線硬化樹脂3Aの硬化後、版4から樹脂基材2及び光回折構造層3を剥がし、その後、紫外線を追加照射して紫外線硬化樹脂3Aをさらに硬化させることにより複製版1を得ることができる。
[複製物の製造方法]
次に、複製版1を利用した複製物の製造方法を説明する。ここでは、複製物をいわゆるセミドライ法により製造する方法について説明する。図3はセミドライ法による複製装置10の概略を示す。複製装置10は複製対象のフィルム20を所定速度で送り出す送り出しローラ11と、フィルム20が巻き掛けられるエンボスローラ12と、フィルム20を巻き取る巻き取りローラ13と、フィルム20を圧着点αにてエンボスローラ12に圧着する圧着ローラ14と、フィルム20をエンボスローラ12から剥離する剥離点βに設けられた剥離ローラ15と、フィルム20を適宜に案内するガイドローラ16と、エンボスローラ12を加熱する加熱装置17と、剥離ローラ15を冷却する冷却装置18とを備えている。エンボスローラ12の外周には図1に示した複製版1が巻き付けられて一体回転可能に固定されている。さらに、複製装置10にはエンボスローラ12にて賦型されたフィルム20に対して紫外線UVを照射する紫外線照射装置19が設けられている。
図4に示すようにフィルム20の断面構造の一例を示す。この例は、複製物としての光回折構造の転写箔を形成するためのフィルムの一形態である。フィルム20は、樹脂基材21に剥離層22及び複製層23が順次形成されてなるものである。樹脂基材21はポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン等の各種の樹脂を素材として形成されている。剥離層22は複製層23に形成される光回折構造を別の物品に転写する際に樹脂基材21と複製層23とを剥離させるために設けられている。このような剥離層22の素材には、アクリル樹脂、メラミン樹脂、スチレン樹脂等を用いることができる。複製層23は紫外線硬化樹脂にて構成される。ここで使用される紫外線硬化樹脂は複製版1の光回折構造層3の基材として使用されるものと同様に適宜に選択してよい。
以上の複製装置10及びフィルム20を用いた光回折構造の複製手順は次の通りである。まず、フィルム20はその複製層23がエンボスローラ12の表面の複製版1に密着するような向きで複製装置10に装着される。複製装置10のエンボスローラ12は加熱装置17により複製層23の軟化点温度(一例として60°C程度)又はそれよりも高温に加熱され、剥離ローラ15は冷却装置18により複製層23の軟化点温度よりも低温に保持される。このような状態でエンボスローラ12が図中の矢印方向に回転駆動され、それと並行してフィルム20が送り出しローラ11から巻き取りローラ13まで連続的に送られる。従って、圧着ローラ14によりエンボスローラ12に押し付けられたフィルム20の複製層23は軟化してその表面に複製版1の光回折構造が複製(賦型)される。
そして、フィルム20が剥離ローラ15にてさらに冷却されて複製層23の硬化が進み、剥離点βにてフィルム20がエンボスローラ12上の複製版1から剥がされる。この際、複製版1には上述したように離型剤が添加されているので、複製層23が背後の剥離層22の一部とともに樹脂基材21から剥離して複製版1に付着する版取られが生じることもない。その後、フィルム20は紫外線照射装置19から紫外線が照射されることにより完全硬化される。
以上のようにして光回折構造が複製されたフィルム20の複製層23には、図5に示すように反射層24が被覆層として形成される。反射層24は光回折構造上で可視光を反射させるべく設けられるものであり、その素材には、アルミニウム、銀、金等の金属又は合金、あるいは高屈折率セラミックスが好適に使用される。これらの素材を蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング法等の薄膜形成技術を利用して複製層23の表面にほぼ均一の膜厚で形成することにより反射層24が形成される。本形態では、複製層23に離型剤が添加されておらず、かつ、複製版1から離型剤が分離して複製層23に付着することもないため、反射層24を複製層23に対して良好に密着させることができる。
さらに、反射層24の表面には接着層25が形成され、これにより光回折構造の転写箔20Aが構成される。接着層25は転写箔20Aの光回折構造を転写すべき被転写体に複製層23及び反射層24を固定するためのものであり、一例として感熱接着剤が利用される。但し、転写箔20Aの層構成は一例であり、複製層23の表裏は図示の各層に限らず、適宜の層を設けてよい。
本発明は以上の形態に限ることなく、適宜の形態にて実施してよい。例えば、複製版1の製造方法は上述した2P法に限定されず、複製物の製造方法として例示したものと同様のセミドライ法により複製版を製造してもよい。この場合、エンボスローラに圧着されるフィルムの基材上に反応性シリコーンを添加した紫外線硬化樹脂層を設けておき、その紫外線硬化樹脂層をエンボスローラ上の複製版に押し付けて軟化させつつ紫外線を照射して架橋反応を生じさせればよい。ガラス基板等の硬質基材を利用した原版から複製版を製造する際には2P法が適当であるが、樹脂製の複製版からさらなる複製版を製造する場合にはセミドライ法を好適に用いることができる。いずれにせよ、複製版に形成すべき光回折構造を備えた複製元の版と、複製版の基材との間に上述した反応性シリコーンを離型剤として添加させた紫外線硬化樹脂を介在させ、その状態で紫外線硬化樹脂に紫外線を照射してこれを硬化させつつ離型剤のシリコーンと紫外線硬化樹脂とを架橋結合させることができればよい。さらに、上記の形態では複製版の素材に紫外線硬化樹脂を使用したが、可視光又はそれよりも波長が短い電磁線(紫外線、X線、γ線、及び電子線を含む)の照射に対して硬化反応を生じる各種の電磁線硬化樹脂を複製版の素材として選択してよく、その樹脂に添加すべき反応性シリコーンも電磁線の種類、照射線量に応じて適宜調整すればよい。
上述した複製物の製造方法では、フィルムの加熱と並行して紫外線を照射しているが、加熱後に紫外線等の電磁線を照射して複製層を硬化させてもよい。なお、以上では複製物として転写箔を例に挙げたが、複製物はこれに限らず、転写リボン等でもよい。以上の説明で挙げた商品名は各社の商標又は登録商標である。
次に、本発明の実施例を説明する。下表は、上述した実施の形態にて組成を特定した紫外線硬化樹脂に、実施例1、2及び比較例1〜7にそれぞれ記載の反応性シリコーンを離型剤として添加して離型剤の相溶性を評価するとともに、離型剤添加後の樹脂を紫外線の照射によって完全硬化させ、得られたサンプルの離型性をそれぞれ評価した結果を示している。反応性シリコーンと紫外線硬化樹脂との重量比は5:95とした。相溶性は、極めて良好なものを◎、従来よりも幾らか良好であるが複製版の離型剤としては未だ十分でないものを△、従来と同程度の相溶性を×で示した。離型性については、樹脂硬化後のサンプルの表面に純水を滴下し、1分経過後の水滴の接触角θ(図6参照)を測定している。但し、接触角θは表面状態によって変化するため、ここでは硬化前の樹脂の表面を素ガラスに接触させて各例の表面状態を統一している。実施例1〜3においては離型剤が良好な相溶性を示すとともに、離型性についても比較例と同等又はこれを上回る性能が得られていることが判る。なお、実施例2のシリコーン名はビックケミー・ジャパン株式会社の商品名、それ以外のシリコーン名は信越化学工業株式会社の商品名である。これらの商品名は各社の商標又は登録商標である。
Figure 0004793010
本発明の一形態に係る複製版の部分断面図。 複製版を2P製法で製造する場合の一形態を示す図。 図2Aに続く手順を示す図。 図2Bに続く手順を示す図。 複製版から転写箔基材に光回折構造を複製するための複製装置を示す図。 転写箔を製造するためのフィルムの層構成の一例を示す図。 光回折構造層を反射層及び接着層で覆った転写箔を示す図。 実施例及び比較例において離型性評価の目安として使用した水滴の接触角を示す図。
符号の説明
1 複製版
2 樹脂基材
3 光回折構造層
3A 紫外線硬化樹脂
4 複製元の版
10 複製装置
12 エンボスローラ
19 紫外線照射装置
20 フィルム
20A 転写箔
21 樹脂基材
22 剥離層
23 複製層
24 反射層
25 接着層

Claims (6)

  1. 表面に樹脂製の光回折構造層が形成された複製版において、前記光回折構造層に、ポリエーテル変性シリコーンをアクリル変性してなる反応性シリコーンが離型剤として架橋結合されていることを特徴とする光回折構造の複製版。
  2. 前記反応性シリコーンは、シロキサン骨格構造の両末端をポリエーテル変性し、さらに両末端のポリエーテル構造をアクリル変性してなることを特徴とする請求項1に記載の複製版。
  3. 光回折構造を有する複製元の版と、前記光回折構造が複製されるべき複製版の基材との間に、ポリエーテル変性シリコーンをアクリル変性してなる反応性シリコーンを離型剤として添加させた電磁線硬化樹脂を介在させ、前記電磁線硬化樹脂に電磁線を照射して該電磁線硬化樹脂を硬化させつつ前記シリコーンと前記電磁線硬化樹脂とを架橋結合させることを特徴とする複製版の製造方法。
  4. 前記反応性シリコーンは、シロキサン骨格構造の両末端をポリエーテル変性し、さらに両末端のポリエーテル構造をアクリル変性してなることを特徴とする請求項3に記載の複製版の製造方法。
  5. ポリエーテル変性シリコーンをアクリル変性してなる反応性シリコーンが離型剤として架橋結合している樹脂製の光回折構造層を有する複製版と、転写用複製物の基材上に設けられた樹脂製の複製層とを密着させ、その密着部分に熱を加えて複製層を軟化させることにより、前記複製版の光回折構造を前記複製層に複製することを特徴とする光回折構造転写用複製物の製造方法。
  6. 前記反応性シリコーンは、シロキサン骨格構造の両末端をポリエーテル変性し、さらに両末端のポリエーテル構造をアクリル変性してなることを特徴とする請求項5に記載の光回折構造転写用複製物の製造方法。
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