JP2004076080A - 配線用薄膜およびスパッタリングターゲット - Google Patents
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Abstract
【課題】Si膜への拡散が非常に少なく低抵抗の配線材料及びそれを形成するためのスパッタリングターゲットを提供する。
【解決手段】Ag、Cuの少なくとも1種を主成分とする合金からなる合金膜と前記合金の窒化物からなる窒化物膜とを積層した2層膜により配線用薄膜を構成する。特に、前記合金として、300℃における窒化物の生成自由エネルギーが負の値である元素を添加元素として含む合金を用いる。また、Ag、Cuの少なくとも1種を主成分とし、300℃における窒化物の生成自由エネルギーが負の値である元素を添加元素として含むスパッタリングターゲットを用いて配線用薄膜を形成する。
【選択図】 なし
【解決手段】Ag、Cuの少なくとも1種を主成分とする合金からなる合金膜と前記合金の窒化物からなる窒化物膜とを積層した2層膜により配線用薄膜を構成する。特に、前記合金として、300℃における窒化物の生成自由エネルギーが負の値である元素を添加元素として含む合金を用いる。また、Ag、Cuの少なくとも1種を主成分とし、300℃における窒化物の生成自由エネルギーが負の値である元素を添加元素として含むスパッタリングターゲットを用いて配線用薄膜を形成する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶、PDP(プラズマディスプレイ)等のFPDや半導体素子に用いられる配線材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータや携帯端末の表示装置として液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、以下LCDと略す)が採用されている。この液晶ディスプレイのうち、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor、以下TFTと略す)を有するアクティブマトリクス型のLCDは、広視野角である特徴を有しておりブラウン管方式に近い表示が可能であることから注目を集めている。
【0003】
このようなTFT型のLCD等ではTFTの電極配線材としてTa、Mo、W、Ta、Ti、Cr、Al単体かこれらの合金が採用されている。最近では、TFT−LCDは大画面化、高精細化を実現するため、より低抵抗の材料が要求されており、Ag系、Cu系の電極配線材が検討されている。
【0004】
ただし、Ag、Cu配線は、耐酸化性に劣り、Si中に拡散しやすいため、素子の特性を劣化させるなどの問題点が指摘されている(Copper−Fundamental Mechanisms for Microelectronic Application,Wiley−Interscience,P29,2000)。
【0005】
今までCu系の材料としては、Cu−Ti(例えば、1988年秋季第49回応用物理学会学術講演会予稿集第2分冊第434頁)、Cu−Zr(例えば、特開平3−196619号公報)、Cu−B(例えば、特開平3−196620号公報)を窒素雰囲気中で加熱処理するものが発表されている。しかしながら、これらは耐酸化性の向上を目的としたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、Siへの拡散が非常に少なく、さらに低抵抗の配線材料を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上述のような現状に鑑み、種々の検討を行った。その結果、Ag、Cuの少なくとも一種を主成分とする合金膜とその合金の窒化物膜との2層構造とすることで、配線材料を構成する元素のSi膜への拡散を防止でき、さらに低抵抗特性を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、Ag、Cuの少なくとも1種を主成分とする合金からなる合金膜と前記合金の窒化物からなる窒化物膜とを積層した2層膜からなることを特徴とする配線用薄膜に関する。ここで、Ag、Cuの少なくとも1種を主成分とする合金とは、▲1▼Agを70原子%以上含む合金、▲2▼Cuを70原子%以上含む合金、又は、▲3▼AgとCuを両者の合計で70原子%以上含む合金のいずれかの合金である。
【0009】
なお、前記Ag、Cuの少なくとも1種を主成分とする合金は、300℃における窒化物の生成自由エネルギーが負の値を有する元素を添加元素として含む合金であることが好ましい。この添加元素は1種であっても良いし2種以上であっても良い。
【0010】
また、本発明は、Agを主成分とし、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Ga、Cuから選ばれる1種以上の元素を添加元素として含む合金からなる合金膜と前記合金の窒化物からなる窒化物膜とを積層した2層膜からなることを特徴とする配線用薄膜、Cuを主成分とし、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Ga、Agから選ばれる1種以上の元素を添加元素として含む合金からなる合金膜と前記合金の窒化物からなる窒化物膜とを積層した2層膜からなることを特徴とする配線用薄膜、さらに、AgとCuを主成分とし、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Gaから選ばれる1種以上の元素を添加元素として含む合金からなる合金膜と前記合金の窒化物からなる窒化物膜とを積層した2層膜からなることを特徴とする配線用薄膜に関する。なお、Agを主成分とする合金とは、Agを70原子%以上含む合金、Cuを主成分とする合金とは、Cuを70原子%以上含む合金であり、AgとCuを主成分とする合金とは、AgとCuをともに35原子%以上含む合金である。
【0011】
上記の添加元素の添加量は、0.1原子%以上30原子%以下の範囲であることが好ましい。なお、添加元素が2種以上である場合は、それらの添加量の合計が0.1原子%以上30原子%以下の範囲であることが好ましい。
【0012】
また、前記窒化物膜の膜厚は、配線用薄膜全体の膜厚の2%〜50%の範囲であることが好ましい。
【0013】
また、本発明は、Ag、Cuの少なくとも1種を主成分とし、300℃における窒化物の生成自由エネルギーが負の値である元素を添加元素として含むことを特徴とするスパッタリングターゲットに関する。
【0014】
ここで、Ag、Cuの少なくとも1種を主成分とするとは、▲1▼Agを70原子%以上含むこと、▲2▼Cuを70原子%以上含むこと、又は、▲3▼AgとCuを両者の合計で70原子%以上含むことを意味する。
【0015】
さらに、本発明は、Agを主成分とし、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Ga、Cuから選ばれる1種以上の元素を添加元素として含むことを特徴とするスパッタリングターゲット、Cuを主成分とし、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Ga、Agから選ばれる1種以上の元素を添加元素として含むことを特徴とするスパッタリングターゲット、AgとCuを主成分とし、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Gaから選ばれる1種以上の元素を添加元素として含むことを特徴とするスパッタリングターゲットに関する。なお、Agを主成分とするとは、Agを70原子%以上含むこと、Cuを主成分とするとは、Cuを70原子%以上含むこと、AgとCuを主成分とするとは、AgとCuをともに35原子%以上含むことを意味する。
【0016】
上記スパッタリングターゲットに関し、上記添加元素の添加量は、0.1原子%以上30原子%以下であることが好ましい。これらの添加元素は1種であっても良いし2種以上であっても良いが、2種以上の場合は、添加量はそれらの合計で0.1原子%以上30原子%以下であることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0018】
図1はSi膜上に形成した本発明の配線用薄膜の一例の構造を示す部分断面図である。図1では、Si膜11上に、M−X合金の窒化物膜12、M−X合金膜13が積層された2層膜の配線用薄膜が形成されている。
【0019】
本発明の配線用薄膜に用いられるM−X合金の主成分MとしてはAg、Cuの少なくとも1種である。
【0020】
上記配線用薄膜を構成するM−X合金の添加元素Xとしては、300℃における窒化物の生成自由エネルギーが負の値である元素が好ましい。
【0021】
また、添加元素Xとしては、主成分がAgの場合は、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Ga、Cuから選ばれる1種以上の元素、主成分がCuの場合は、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Ga、Agから選ばれる1種以上の元素、主成分がAgとCuの場合は、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Gaから選ばれる1種以上の元素であることが好ましい。
【0022】
主成分へ添加する元素の量は0.1原子%以上30原子%以下が好ましく、より好ましくは0.5原子%以上20原子%以下、さらに好ましくは0.7原子%以上10原子%以下の範囲である。添加量が30原子%を超えると、膜の抵抗率が大きくなり、配線材料としては実用的でなくなる。添加量が0.1原子%未満では配線用薄膜の主成分元素、即ち、Ag及び/又はCuのSi膜への拡散を防止する機能が低下する。
【0023】
窒化物膜の膜厚は配線用薄膜全体の膜厚の2%以上50%以下が好ましく、より好ましくは、3%以上30%以下、さらに好ましくは、4%以上20%以下の範囲である。窒化物膜の膜厚が配線用薄膜全体の膜厚の50%を超えると、膜の抵抗率が大きくなり、配線材料としては実用的でなくなる。窒化物膜の膜厚が1%未満ではAg及び/又はCuのSi膜への拡散を防止する機能が低下する。
【0024】
本発明の配線用薄膜はスパッタリング法や真空蒸着法等の真空成膜技術により成膜することができる。特に、スパッタリング法では、M−X系合金ターゲットを使用し、窒素ガスの切り替えのみで、1チャンバーで連続して2層構造の配線用薄膜を形成することができる。
【0025】
本発明のM−X系合金ターゲットは、電子ビーム溶解法、真空溶解法、ホットプレス法、HIP法などさまざまな方法で製造することができるが、添加元素の種類等に応じて適宜最適な方法により製造すれば良い。なお、本発明の配線用薄膜をスパッタリング法により形成する場合、ターゲットとして合金ターゲットを使用して成膜するだけではなく、例えばCuターゲットの上に添加元素のチップを置いて、これをターゲットとして成膜することも可能である。
【0026】
また、上述した例では、Si膜を下層にしたものであるが、逆に上層にSi膜を形成する場合は、基板上に合金膜、合金の窒化物膜、Si膜を積層して使用することができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0028】
(実施例1)
純度4NのCu粉末と純度4NのAl粉末をCu−3原子%Alになるように配合し、ポリエチレン製のポットに入れ、乾式ボールミルにより16時間混合し、混合粉末を製造した。
【0029】
この粉末を内径200mmのカーボン製のモールドに入れ、ホットプレス法にて以下の焼結条件により焼結を行った。
【0030】
焼結温度:950℃
荷重:200kg/cm2
昇温速度:200℃/h
焼結時間:2時間
雰囲気:真空
得られた焼結体をφ150×5mmtに加工し、インジウム半田を用いて無酸素銅のバッキングプレートにボンディングしてターゲットとした。
【0031】
このターゲットを用いて、ガラス基板上に形成されたSi膜(200nm)上にAr、窒素の混合ガス(流量比:Ar/N2=10/1)を雰囲気として、圧力1Paの条件下で、DCスパッタリング法により、Cu−Al−N膜(20nm)を成膜した。この後、窒素ガスを止め、Arガスのみの雰囲気でCu−Al膜(180nm)を連続成膜し、配線用薄膜を作製した。このようにして作製した配線用薄膜サンプルの組成、抵抗率及び配線材料の主成分元素、即ち、CuのSi膜への拡散を調べた。組成はICP法、抵抗率は4端子法で測定した。また、Si膜への拡散の評価は、300℃、30minアニール処理した後、ESCAで分析した。
【0032】
(比較例1)
Al粉末を混合せず、純度4NのCu粉末のみを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でターゲットを製造した。このターゲットを用いて、実施例1と同様の方法で配線用薄膜を作製し評価した。
【0033】
実施例1、比較例1の結果を表1に示す。表1の拡散の評価は、ESCAの分析結果において、CuのSi膜へ拡散する深さが3nm以下であるものを○、3nmから5nmであるものを△、3nmを超えるものを×とした(表2〜9の拡散の評価も同様、ただし、表5〜8ではAgのSi膜への拡散、表9の実施例9はAg及びCuのSi膜への拡散の測定結果を示す)。
【0034】
CuにAlを添加し、その合金の窒化物膜をSi膜との間に形成することで、CuのSi膜への拡散が防止できることがわかる。
【0035】
【表1】
【0036】
(実施例2)
(2−1)純度4NのCu粉末と純度4NのMo粉末をCu−3原子%Moになるように配合した混合粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でターゲットを製造した。このターゲットを用いて、実施例1と同様の方法で配線用薄膜を作製し評価した。
【0037】
(2−2)純度4NのCu粉末と純度4NのCr粉末をCu−3原子%Crになるように配合した混合粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でターゲットを製造した。このターゲットを用いて、実施例1と同様の方法で配線用薄膜を作製し評価した。
【0038】
(2−3)
純度4NのCu粉末と純度4NのFe粉末をCu−3原子%Feになるように配合した混合粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でターゲットを製造した。このターゲットを用いて、実施例1と同様の方法で配線用薄膜を作製し評価した。
【0039】
実施例2の結果を表2に示す。300℃における窒化物の生成自由エネルギーが負の値であれば、Siへの拡散が小さく、配線材料として優れた特性が得られることが確認された。
【0040】
【表2】
【0041】
(実施例3)
純度4NのCu粉末と、添加物X粉末(X:Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Ga、Ag)をCu−3原子%Xになるように配合した混合粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でターゲットを製造した。このターゲットを用いて、実施例1と同様の方法で配線用薄膜を作製し評価した。この結果、上記配線用薄膜の抵抗率はどれも10μΩcm以下で、Siへの拡散が小さく、優れた特性が得られることが確認された。
【0042】
(実施例4)
純度4NのCuからなるφ150×5mmtのターゲット上に、添加物としてAlチップを載せたものをターゲットとし、Alチップの数を変えて、形成される薄膜の組成を変化させたこと以外は、実施例1と同様の方法で種々の組成の配線用薄膜を作製し評価した。
【0043】
実施例4と比較例1の測定結果を表3に示す。Al添加量が0.1原子%〜30原子%の範囲であれば配線用薄膜の抵抗率は10μΩcm以下で、Siへの拡散が小さい。Al添加量が0.1%未満では、Siへの拡散が大きくなる。Al添加量が30%を超えると、配線用薄膜の抵抗率が10μΩcmを超え、低抵抗配線材料としては好ましくない。
【0044】
【表3】
【0045】
(実施例5)
Cu―3原子%Alターゲットを用いて、Cu−Al−N膜/Cu−Al膜の膜厚を2nm/198nm、4nm/196nm、6nm/194nm、8nm/192nm、40nm/160nm、60nm/140nm、100nm/100nm、140nm/60nmとして形成した以外は、実施例1と同様の方法で配線用薄膜を作製し評価した。
【0046】
実施例5と比較例1の測定結果を表4に示す。窒化物膜の膜厚が全体の2%〜50%の範囲であれば抵抗率は10μΩcm以下で、Si膜への拡散が小さい。窒化物膜の膜厚が全体の2%未満になると、Si膜への拡散が大きくなる。窒化物膜の膜厚が全体の50%を超えると、低抵抗用配線用薄膜の抵抗率が10μΩcmを超え、配線材料としては好ましくない。
【0047】
【表4】
【0048】
(実施例6)
Cu粉末の替わりに純度4NのAg粉末を用い、焼結温度を850℃としてターゲットを製造したこと以外は、上記実施例1〜3と同様の方法で配線用薄膜を作製し評価した。ただし、Si膜への拡散については、AgのSi膜への拡散について測定した(実施例7、8、比較例2も同様)。
【0049】
(実施例7)
純度4NのAgからなるφ150×5mmtのターゲット上に、添加物としてAlチップを載せたものをターゲットとし、Alチップの数を変えて、形成される薄膜の組成を変化させたこと以外は、実施例1と同様の方法で種々の組成の配線用薄膜を作製し評価した。
【0050】
(実施例8)
Ag―3原子%Alターゲットを用いて、Ag−Al−N膜/Ag−Al膜の膜厚を2nm/198nm、4nm/196nm、6nm/194nm、8nm/192nm、40nm/160nm、60nm/140nm、100nm/100nm、140nm/60nmとして形成した以外は、実施例1と同様の方法で配線用薄膜を作製し評価した。
【0051】
(比較例2)
純度4NのAg粉末を用い、焼結温度を850℃としてターゲットを製造したこと以外は、比較例1と同様の方法で配線用薄膜を作製し評価した。
【0052】
(実施例9)
純度4NのCu粉末と純度4NのAg粉末と純度4NのAl粉末を50原子%Cu−47原子%Ag−3原子%Alになるように配合したこと以外は、実施例1と同様の方法でターゲットを製造し、このターゲットを用いて、実施例1と同様の方法で配線用薄膜を作製し評価した。なお、Si膜への拡散については、Ag及びCuの各々について測定したが、いずれも3nm以下であった。
【0053】
実施例6〜9、比較例2の測定結果を表5〜9に示す。Agを主成分とした場合も、また、Cu及びAgを主成分とした場合も、Cuを主成分とした場合と同様の効果が認められた。
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】
【表8】
【0058】
【表9】
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、Ag、Cuの少なくとも1種を主成分とする合金からなる合金膜とその合金の窒化物からなる窒化物膜とを積層した2層構造の膜とすることで、配線材料を構成する元素のSi膜への拡散が非常に少なく、低抵抗の配線用薄膜を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
Si膜上に形成した本発明の配線用薄膜の一例の構造を示す部分断面図である。
【符号の説明】
11:Si膜
12:M−X合金の窒化物膜
13:M−X合金膜
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶、PDP(プラズマディスプレイ)等のFPDや半導体素子に用いられる配線材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータや携帯端末の表示装置として液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、以下LCDと略す)が採用されている。この液晶ディスプレイのうち、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor、以下TFTと略す)を有するアクティブマトリクス型のLCDは、広視野角である特徴を有しておりブラウン管方式に近い表示が可能であることから注目を集めている。
【0003】
このようなTFT型のLCD等ではTFTの電極配線材としてTa、Mo、W、Ta、Ti、Cr、Al単体かこれらの合金が採用されている。最近では、TFT−LCDは大画面化、高精細化を実現するため、より低抵抗の材料が要求されており、Ag系、Cu系の電極配線材が検討されている。
【0004】
ただし、Ag、Cu配線は、耐酸化性に劣り、Si中に拡散しやすいため、素子の特性を劣化させるなどの問題点が指摘されている(Copper−Fundamental Mechanisms for Microelectronic Application,Wiley−Interscience,P29,2000)。
【0005】
今までCu系の材料としては、Cu−Ti(例えば、1988年秋季第49回応用物理学会学術講演会予稿集第2分冊第434頁)、Cu−Zr(例えば、特開平3−196619号公報)、Cu−B(例えば、特開平3−196620号公報)を窒素雰囲気中で加熱処理するものが発表されている。しかしながら、これらは耐酸化性の向上を目的としたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、Siへの拡散が非常に少なく、さらに低抵抗の配線材料を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上述のような現状に鑑み、種々の検討を行った。その結果、Ag、Cuの少なくとも一種を主成分とする合金膜とその合金の窒化物膜との2層構造とすることで、配線材料を構成する元素のSi膜への拡散を防止でき、さらに低抵抗特性を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、Ag、Cuの少なくとも1種を主成分とする合金からなる合金膜と前記合金の窒化物からなる窒化物膜とを積層した2層膜からなることを特徴とする配線用薄膜に関する。ここで、Ag、Cuの少なくとも1種を主成分とする合金とは、▲1▼Agを70原子%以上含む合金、▲2▼Cuを70原子%以上含む合金、又は、▲3▼AgとCuを両者の合計で70原子%以上含む合金のいずれかの合金である。
【0009】
なお、前記Ag、Cuの少なくとも1種を主成分とする合金は、300℃における窒化物の生成自由エネルギーが負の値を有する元素を添加元素として含む合金であることが好ましい。この添加元素は1種であっても良いし2種以上であっても良い。
【0010】
また、本発明は、Agを主成分とし、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Ga、Cuから選ばれる1種以上の元素を添加元素として含む合金からなる合金膜と前記合金の窒化物からなる窒化物膜とを積層した2層膜からなることを特徴とする配線用薄膜、Cuを主成分とし、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Ga、Agから選ばれる1種以上の元素を添加元素として含む合金からなる合金膜と前記合金の窒化物からなる窒化物膜とを積層した2層膜からなることを特徴とする配線用薄膜、さらに、AgとCuを主成分とし、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Gaから選ばれる1種以上の元素を添加元素として含む合金からなる合金膜と前記合金の窒化物からなる窒化物膜とを積層した2層膜からなることを特徴とする配線用薄膜に関する。なお、Agを主成分とする合金とは、Agを70原子%以上含む合金、Cuを主成分とする合金とは、Cuを70原子%以上含む合金であり、AgとCuを主成分とする合金とは、AgとCuをともに35原子%以上含む合金である。
【0011】
上記の添加元素の添加量は、0.1原子%以上30原子%以下の範囲であることが好ましい。なお、添加元素が2種以上である場合は、それらの添加量の合計が0.1原子%以上30原子%以下の範囲であることが好ましい。
【0012】
また、前記窒化物膜の膜厚は、配線用薄膜全体の膜厚の2%〜50%の範囲であることが好ましい。
【0013】
また、本発明は、Ag、Cuの少なくとも1種を主成分とし、300℃における窒化物の生成自由エネルギーが負の値である元素を添加元素として含むことを特徴とするスパッタリングターゲットに関する。
【0014】
ここで、Ag、Cuの少なくとも1種を主成分とするとは、▲1▼Agを70原子%以上含むこと、▲2▼Cuを70原子%以上含むこと、又は、▲3▼AgとCuを両者の合計で70原子%以上含むことを意味する。
【0015】
さらに、本発明は、Agを主成分とし、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Ga、Cuから選ばれる1種以上の元素を添加元素として含むことを特徴とするスパッタリングターゲット、Cuを主成分とし、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Ga、Agから選ばれる1種以上の元素を添加元素として含むことを特徴とするスパッタリングターゲット、AgとCuを主成分とし、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Gaから選ばれる1種以上の元素を添加元素として含むことを特徴とするスパッタリングターゲットに関する。なお、Agを主成分とするとは、Agを70原子%以上含むこと、Cuを主成分とするとは、Cuを70原子%以上含むこと、AgとCuを主成分とするとは、AgとCuをともに35原子%以上含むことを意味する。
【0016】
上記スパッタリングターゲットに関し、上記添加元素の添加量は、0.1原子%以上30原子%以下であることが好ましい。これらの添加元素は1種であっても良いし2種以上であっても良いが、2種以上の場合は、添加量はそれらの合計で0.1原子%以上30原子%以下であることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0018】
図1はSi膜上に形成した本発明の配線用薄膜の一例の構造を示す部分断面図である。図1では、Si膜11上に、M−X合金の窒化物膜12、M−X合金膜13が積層された2層膜の配線用薄膜が形成されている。
【0019】
本発明の配線用薄膜に用いられるM−X合金の主成分MとしてはAg、Cuの少なくとも1種である。
【0020】
上記配線用薄膜を構成するM−X合金の添加元素Xとしては、300℃における窒化物の生成自由エネルギーが負の値である元素が好ましい。
【0021】
また、添加元素Xとしては、主成分がAgの場合は、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Ga、Cuから選ばれる1種以上の元素、主成分がCuの場合は、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Ga、Agから選ばれる1種以上の元素、主成分がAgとCuの場合は、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Gaから選ばれる1種以上の元素であることが好ましい。
【0022】
主成分へ添加する元素の量は0.1原子%以上30原子%以下が好ましく、より好ましくは0.5原子%以上20原子%以下、さらに好ましくは0.7原子%以上10原子%以下の範囲である。添加量が30原子%を超えると、膜の抵抗率が大きくなり、配線材料としては実用的でなくなる。添加量が0.1原子%未満では配線用薄膜の主成分元素、即ち、Ag及び/又はCuのSi膜への拡散を防止する機能が低下する。
【0023】
窒化物膜の膜厚は配線用薄膜全体の膜厚の2%以上50%以下が好ましく、より好ましくは、3%以上30%以下、さらに好ましくは、4%以上20%以下の範囲である。窒化物膜の膜厚が配線用薄膜全体の膜厚の50%を超えると、膜の抵抗率が大きくなり、配線材料としては実用的でなくなる。窒化物膜の膜厚が1%未満ではAg及び/又はCuのSi膜への拡散を防止する機能が低下する。
【0024】
本発明の配線用薄膜はスパッタリング法や真空蒸着法等の真空成膜技術により成膜することができる。特に、スパッタリング法では、M−X系合金ターゲットを使用し、窒素ガスの切り替えのみで、1チャンバーで連続して2層構造の配線用薄膜を形成することができる。
【0025】
本発明のM−X系合金ターゲットは、電子ビーム溶解法、真空溶解法、ホットプレス法、HIP法などさまざまな方法で製造することができるが、添加元素の種類等に応じて適宜最適な方法により製造すれば良い。なお、本発明の配線用薄膜をスパッタリング法により形成する場合、ターゲットとして合金ターゲットを使用して成膜するだけではなく、例えばCuターゲットの上に添加元素のチップを置いて、これをターゲットとして成膜することも可能である。
【0026】
また、上述した例では、Si膜を下層にしたものであるが、逆に上層にSi膜を形成する場合は、基板上に合金膜、合金の窒化物膜、Si膜を積層して使用することができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0028】
(実施例1)
純度4NのCu粉末と純度4NのAl粉末をCu−3原子%Alになるように配合し、ポリエチレン製のポットに入れ、乾式ボールミルにより16時間混合し、混合粉末を製造した。
【0029】
この粉末を内径200mmのカーボン製のモールドに入れ、ホットプレス法にて以下の焼結条件により焼結を行った。
【0030】
焼結温度:950℃
荷重:200kg/cm2
昇温速度:200℃/h
焼結時間:2時間
雰囲気:真空
得られた焼結体をφ150×5mmtに加工し、インジウム半田を用いて無酸素銅のバッキングプレートにボンディングしてターゲットとした。
【0031】
このターゲットを用いて、ガラス基板上に形成されたSi膜(200nm)上にAr、窒素の混合ガス(流量比:Ar/N2=10/1)を雰囲気として、圧力1Paの条件下で、DCスパッタリング法により、Cu−Al−N膜(20nm)を成膜した。この後、窒素ガスを止め、Arガスのみの雰囲気でCu−Al膜(180nm)を連続成膜し、配線用薄膜を作製した。このようにして作製した配線用薄膜サンプルの組成、抵抗率及び配線材料の主成分元素、即ち、CuのSi膜への拡散を調べた。組成はICP法、抵抗率は4端子法で測定した。また、Si膜への拡散の評価は、300℃、30minアニール処理した後、ESCAで分析した。
【0032】
(比較例1)
Al粉末を混合せず、純度4NのCu粉末のみを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でターゲットを製造した。このターゲットを用いて、実施例1と同様の方法で配線用薄膜を作製し評価した。
【0033】
実施例1、比較例1の結果を表1に示す。表1の拡散の評価は、ESCAの分析結果において、CuのSi膜へ拡散する深さが3nm以下であるものを○、3nmから5nmであるものを△、3nmを超えるものを×とした(表2〜9の拡散の評価も同様、ただし、表5〜8ではAgのSi膜への拡散、表9の実施例9はAg及びCuのSi膜への拡散の測定結果を示す)。
【0034】
CuにAlを添加し、その合金の窒化物膜をSi膜との間に形成することで、CuのSi膜への拡散が防止できることがわかる。
【0035】
【表1】
【0036】
(実施例2)
(2−1)純度4NのCu粉末と純度4NのMo粉末をCu−3原子%Moになるように配合した混合粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でターゲットを製造した。このターゲットを用いて、実施例1と同様の方法で配線用薄膜を作製し評価した。
【0037】
(2−2)純度4NのCu粉末と純度4NのCr粉末をCu−3原子%Crになるように配合した混合粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でターゲットを製造した。このターゲットを用いて、実施例1と同様の方法で配線用薄膜を作製し評価した。
【0038】
(2−3)
純度4NのCu粉末と純度4NのFe粉末をCu−3原子%Feになるように配合した混合粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でターゲットを製造した。このターゲットを用いて、実施例1と同様の方法で配線用薄膜を作製し評価した。
【0039】
実施例2の結果を表2に示す。300℃における窒化物の生成自由エネルギーが負の値であれば、Siへの拡散が小さく、配線材料として優れた特性が得られることが確認された。
【0040】
【表2】
【0041】
(実施例3)
純度4NのCu粉末と、添加物X粉末(X:Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Ga、Ag)をCu−3原子%Xになるように配合した混合粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でターゲットを製造した。このターゲットを用いて、実施例1と同様の方法で配線用薄膜を作製し評価した。この結果、上記配線用薄膜の抵抗率はどれも10μΩcm以下で、Siへの拡散が小さく、優れた特性が得られることが確認された。
【0042】
(実施例4)
純度4NのCuからなるφ150×5mmtのターゲット上に、添加物としてAlチップを載せたものをターゲットとし、Alチップの数を変えて、形成される薄膜の組成を変化させたこと以外は、実施例1と同様の方法で種々の組成の配線用薄膜を作製し評価した。
【0043】
実施例4と比較例1の測定結果を表3に示す。Al添加量が0.1原子%〜30原子%の範囲であれば配線用薄膜の抵抗率は10μΩcm以下で、Siへの拡散が小さい。Al添加量が0.1%未満では、Siへの拡散が大きくなる。Al添加量が30%を超えると、配線用薄膜の抵抗率が10μΩcmを超え、低抵抗配線材料としては好ましくない。
【0044】
【表3】
【0045】
(実施例5)
Cu―3原子%Alターゲットを用いて、Cu−Al−N膜/Cu−Al膜の膜厚を2nm/198nm、4nm/196nm、6nm/194nm、8nm/192nm、40nm/160nm、60nm/140nm、100nm/100nm、140nm/60nmとして形成した以外は、実施例1と同様の方法で配線用薄膜を作製し評価した。
【0046】
実施例5と比較例1の測定結果を表4に示す。窒化物膜の膜厚が全体の2%〜50%の範囲であれば抵抗率は10μΩcm以下で、Si膜への拡散が小さい。窒化物膜の膜厚が全体の2%未満になると、Si膜への拡散が大きくなる。窒化物膜の膜厚が全体の50%を超えると、低抵抗用配線用薄膜の抵抗率が10μΩcmを超え、配線材料としては好ましくない。
【0047】
【表4】
【0048】
(実施例6)
Cu粉末の替わりに純度4NのAg粉末を用い、焼結温度を850℃としてターゲットを製造したこと以外は、上記実施例1〜3と同様の方法で配線用薄膜を作製し評価した。ただし、Si膜への拡散については、AgのSi膜への拡散について測定した(実施例7、8、比較例2も同様)。
【0049】
(実施例7)
純度4NのAgからなるφ150×5mmtのターゲット上に、添加物としてAlチップを載せたものをターゲットとし、Alチップの数を変えて、形成される薄膜の組成を変化させたこと以外は、実施例1と同様の方法で種々の組成の配線用薄膜を作製し評価した。
【0050】
(実施例8)
Ag―3原子%Alターゲットを用いて、Ag−Al−N膜/Ag−Al膜の膜厚を2nm/198nm、4nm/196nm、6nm/194nm、8nm/192nm、40nm/160nm、60nm/140nm、100nm/100nm、140nm/60nmとして形成した以外は、実施例1と同様の方法で配線用薄膜を作製し評価した。
【0051】
(比較例2)
純度4NのAg粉末を用い、焼結温度を850℃としてターゲットを製造したこと以外は、比較例1と同様の方法で配線用薄膜を作製し評価した。
【0052】
(実施例9)
純度4NのCu粉末と純度4NのAg粉末と純度4NのAl粉末を50原子%Cu−47原子%Ag−3原子%Alになるように配合したこと以外は、実施例1と同様の方法でターゲットを製造し、このターゲットを用いて、実施例1と同様の方法で配線用薄膜を作製し評価した。なお、Si膜への拡散については、Ag及びCuの各々について測定したが、いずれも3nm以下であった。
【0053】
実施例6〜9、比較例2の測定結果を表5〜9に示す。Agを主成分とした場合も、また、Cu及びAgを主成分とした場合も、Cuを主成分とした場合と同様の効果が認められた。
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】
【表8】
【0058】
【表9】
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、Ag、Cuの少なくとも1種を主成分とする合金からなる合金膜とその合金の窒化物からなる窒化物膜とを積層した2層構造の膜とすることで、配線材料を構成する元素のSi膜への拡散が非常に少なく、低抵抗の配線用薄膜を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
Si膜上に形成した本発明の配線用薄膜の一例の構造を示す部分断面図である。
【符号の説明】
11:Si膜
12:M−X合金の窒化物膜
13:M−X合金膜
Claims (12)
- Ag、Cuの少なくとも1種を主成分とする合金からなる合金膜と前記合金の窒化物からなる窒化物膜とを積層した2層膜からなることを特徴とする配線用薄膜。
- Ag、Cuの少なくとも1種を主成分とする合金が、300℃における窒化物の生成自由エネルギーが負の値である元素を添加元素として含む合金であることを特徴とする請求項1に記載の配線用薄膜。
- Agを主成分とし、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Ga、Cuから選ばれる1種以上の元素を添加元素として含む合金からなる合金膜と前記合金の窒化物からなる窒化物膜とを積層した2層膜からなることを特徴とする配線用薄膜。
- Cuを主成分とし、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Ga、Agから選ばれる1種以上の元素を添加元素として含む合金からなる合金膜と前記合金の窒化物からなる窒化物膜とを積層した2層膜からなることを特徴とする配線用薄膜。
- Ag及びCuを主成分とし、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Gaから選ばれる1種以上の元素を添加元素として含む合金からなる合金膜と前記合金の窒化物からなる窒化物膜とを積層した2層膜からなることを特徴とする配線用薄膜。
- 添加元素の添加量が0.1原子%以上30原子%以下であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の配線用薄膜。
- 窒化物膜の膜厚が配線用薄膜全体の膜厚の2%〜50%の範囲であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の配線用薄膜。
- Ag、Cuの少なくとも1種を主成分とし、300℃における窒化物の生成自由エネルギーが負の値である元素を添加元素として含むことを特徴とするスパッタリングターゲット。
- Agを主成分とし、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Ga、Cuから選ばれる1種以上の元素を添加元素として含むことを特徴とするスパッタリングターゲット。
- Cuを主成分とし、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Ga、Agから選ばれる1種以上の元素を添加元素として含むことを特徴とするスパッタリングターゲット。
- AgとCuを主成分とし、Th、Hf、Ce、Sc、La、Al、Ta、Nb、Mg、V、Ca、Si、Ba、Mn、Li、Cr、In、Mo、Gaから選ばれる1種以上の元素を添加元素として含むことを特徴とするスパッタリングターゲット。
- 添加元素の添加量が0.1原子%以上30原子%以下であることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載のスパッタリングターゲット。
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