JP2004075951A - 有機−無機ポリマーハイブリッドフィルム、および有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムからなる透明導電性フィルム、液晶ディスプレイ、有機elディスプレイおよびタッチパネル - Google Patents

有機−無機ポリマーハイブリッドフィルム、および有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムからなる透明導電性フィルム、液晶ディスプレイ、有機elディスプレイおよびタッチパネル Download PDF

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大久保 康
Takahiro Takagi
高木 隆裕
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Abstract

【課題】液晶ディスプレイ用、有機ELディスプレイ用、またはタッチパネル用に、透明性、耐熱性が高く、複屈折が少なく、しなやかな基板フィルムを提供する。
【解決手段】セルロースエステルと、加水分解重縮合が可能な反応性金属化合物の加水分解重縮合物を主成分とする有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムにおいて、下記式(1)のように前記反応性金属化合物における加水分解重縮合反応が完全に終了したと仮定した場合の質量が、有機−無機ポリマーハイブリッドフィルム支持体の全質量に対して、0.1質量%から40質量%であることを特徴とする有機−無機ポリマーハイブリッドフィルム。
式(1) A → Ar/2
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明導電性基板フィルムに関し、より詳しくは液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、タッチパネル用基板フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来液晶表示素子、有機EL表示素子、プラズマディスプレイ、電子ペーパー等の電子ディスプレイ素子用基板、あるいはCCD、CMOSセンサー等の電子光学素子用基板、あるいは太陽電池用基板としては、熱安定性、透明性の高さ、水蒸気透過性の低さからガラスが用いられてきた。しかし、最近携帯電話あるいは携帯用の情報端末の普及に伴い、それらの基板用として割れやすく比較的重いガラスに対し屈曲性に富み割れにくく軽量な基板が求められるようになった。そこでポリエーテルスルホン、ポリカーボネートあるいは特開平5−142525号公報に記載のポリエーテルスルホンとアクリル系基板を張り合わせたプラスチック基板が提案され一部で採用されるようになったが、価格が高価であったり透過率や複屈折等の光学的性質が充分でない等の理由で普及の妨げになっていた。また、これらの基板フィルムは波長分散特性が負であるため、複屈折を利用した表示方法を採用している、例えば、STN、VAあるいはIPSモードの液晶パネルにおいては可視光の全波長域で偏光の補償ができず、表示色の色ずれの原因となり、また、有機EL表示素子においてはコントラストの低下を起こしていた。
【0003】
また、プラスチック基板は一般的に、ガラス基板と比べて透湿性が高く、ガラスの代替材料としてそのまま電子機器に使用するには不十分である。よって、プラスチック基板の透湿性を抑制する層(防湿膜)を設けることが知られており、そのような層としては、酸化ケイ素膜、窒化ケイ素膜、酸窒化ケイ素膜などが知られている。
【0004】
また透明導電膜としては酸化インジウムにスズをドーピングして得られるITO膜、酸化錫にフッ素をドーピングして得られるFTO膜、In・ZnO系アモルファスからなるIZO膜等が挙げられる。
【0005】
上記透湿性を抑制する酸化珪素膜やITO等の透明導電膜は、金属酸化物層であるが、これらは通常、真空蒸着、スパッタリング等で形成される。
【0006】
特開2000−122038公報には、さらに耐熱性を向上させ、防湿性を高める酸化珪素膜と、透明導電膜とを設けたプラスチックフィルムが開示されている。このプラスチックフィルムは、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニールピロリドン、ポリイミド、ポリアミド等の樹脂に対し金属酸化物をナノスケールで混合・相溶させる有機−無機ポリマーハイブリッドという手法である。
【0007】
しかしながら、特開2000−122038公報の液晶表示用フィルムでは、柔軟性、耐折り曲げ性が不充分で、応力がかかった際にガラス基板のように割れると言う短所があり、電子機器用基板としては未だ不十分であることが分かった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の第一の目的は、液晶ディスプレイ用、有機ELディスプレイ用、またはタッチパネル用に、透明性、耐熱性が高く、複屈折が少なく、しなやかな基板フィルムを提供することであり、本発明の第二の目的は、比抵抗が低く、透湿度が低く、透明性が高く、均質で接着性の良い防湿膜・透明導電膜が設けられた透明導電性フィルムを提供することであり、本発明の第三の目的は、画像の歪み・色ずれの少ない液晶ディスプレイ、タッチパネル、また発光輝度の高い有機ELディスプレイを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成された。
【0010】
1.セルロースエステルと、加水分解重縮合が可能な反応性金属化合物の加水分解重縮合物を主成分とする有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムにおいて、下記式(1)のように前記反応性金属化合物における加水分解重縮合反応が完全に終了したと仮定した場合の質量が、有機−無機ポリマーハイブリッドフィルム支持体の全質量に対して、0.1質量%から40質量%であることを特徴とする有機−無機ポリマーハイブリッドフィルム。
【0011】
式(1) A → Ar/2
(但し、Mは中心金属を表し、qはその原子数を表す。Aは加水分解されない1価の置換基を表し、pはその置換基数を表す。Bは加水分解可能な置換基を表し、rはその置換基数を表す。)
2.式(1)のAで表される加水分解重縮合可能な金属化合物の50モル%以上が、p=0である化合物であることを特徴とする前記1に記載の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルム。
【0012】
3.前記加水分解重縮合可能な金属化合物が、ケイ素、ジルコニウム、チタンおよびアルミニウムのいずれかの金属の化合物を含むことを特徴とする前記1又は2に記載の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルム。
【0013】
4.前記セルロースエステルの置換度が、アセチル置換度をX、酢酸以外の酸による置換度をYとしたとき、1.0<X+Y<2.5でありかつ0<X<2.5であるセルロースエステルであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルム。
【0014】
5.前記1〜4のいずれか1項に記載の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムの少なくとも一方の面に、金属酸化物または金属窒化物を含有する防湿膜を有し、さらに該有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムの少なくとも一方の面に透明導電膜が設けられていることを特徴とする有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムを支持体とする透明導電性フィルム。
【0015】
6.前記防湿膜が、酸化ケイ素から構成されていることを特徴とする前記5に記載の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムを支持体とする透明導電性フィルム。
【0016】
7.前記防湿膜と透明導電膜とのいずれの層も、大気圧または大気圧近傍の圧力下において、対向する電極間に、100kHz〜150MHzの高周波電圧で、かつ、1.0〜50W/cmの電力を供給し放電させることにより、反応性ガスをプラズマ状態とし、該プラズマ状態の反応性ガスに基材を晒すことによって形成される膜であることを特徴とする前記5又は6に記載の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムを支持体とする透明導電性フィルム。
【0017】
8.前記5〜7のいずれか1項に記載の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムを支持体とする透明導電性フィルムによって構成されていることを特徴とする液晶ディスプレイ。
【0018】
9.前記5〜7のいずれか1項に記載の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムを支持体とする透明導電性フィルムによって構成されていることを特徴とする有機ELディスプレイ。
【0019】
10.前記5〜7のいずれか1項に記載の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムを支持体とする透明導電性フィルムによって構成されていることを特徴とするタッチパネル。
【0020】
本発明を更に詳しく説明する。
〈有機−無機ポリマーハイブリッド〉
有機−無機ポリマーハイブリッド(または有機−無機ポリマーコンポジットまたはゾル・ゲル法などと呼ばれる手法が用いられるが、本発明では有機−無機ポリマーハイブリッドと呼称する)とは、有機ポリマーと無機化合物を組み合わせて、双方の特性を持った材料を合成する考え方であるが、有機ポリマーと無機化合物は相溶性に乏しいため、単純に両者を混合するだけでは有用な材料を得ることが難しい。近年になって、無機物を金属アルコキシドのような液体状態から合成する手法が開発されるに至り、溶液プロセスによって可視光の波長以下(〜約750nm以下)のナノスケールで有機物と無機物を混合することが可能となり、光学的にも透明で有用な材料が得られるようになってきている。
【0021】
本発明においても、鋭意検討した結果、有機ポリマーであるセルロース誘導体と無機化合物である金属酸化物をある一定の条件下で混合することにより、セルロース誘導体の透明性や光学特性を保ったまま、耐熱性を向上させることができることが判明し、上記課題を達成する基材フィルムを得ることができた。
【0022】
〈有機ポリマー〉
本発明においては、波長分散特性が正である、セルロースエステルが有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムの有機ポリマーとして用いられる。
【0023】
正の波長分散特性とは、該有機ポリマーを可溶な溶媒(例えばアセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、塩化メチレンなどが挙げられ、またこれらの混合溶媒でもよい)に溶解してガラス板上にフィルム厚みが100μmになるように流延し乾燥させたフィルムを作製し、波長600nmにおける面内リターデーション値R(600)を波長450nmにおける面内リターデーション値R(450)で除した値が1より大きいものをいう。
【0024】
波長分散特性が正の基板フィルムにおいては、可視光の全波長領域で偏光の補償が可能であり、複屈折を利用した表示方法を採用している液晶パネルにおいては色ずれがなく、有機EL表示素子においてはコントラストが良好である。
【0025】
波長分散特性が正であるセルロースエステルの例としては、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース(DAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテートなどが挙げられる。
【0026】
上記セルロースエステル類であれば本発明の有機−無機ポリマーハイブリッドには好ましく用いられるが、より好ましくはセルロースエステルの置換度が、アセチル置換度をX、酢酸以外の酸による置換度をYとしたとき1.0<X+Y<2.5かつ0<X<2.5であるものである。X+Yが1.0以下だと複屈折が大きく、透明性・樹脂の溶解性が低下するためであり、一方X+Yが2.5以上では反応性金属化合物の加水分解重縮合物と水素結合を形成しうるセルロース上の水酸基の密度が少なく、有機材料と無機材料の間の相互作用が弱まって高温時の貯蔵弾性率が低下し流動しやすくなるためである。好ましいセルロースエステルとしては、置換度が2.3であるジアセチルセルロースが挙げられる。
【0027】
本発明に用いられるセルロース誘導体の原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることが出来る。また、これらから得られたセルロース誘導体は、それぞれを単独であるいは任意の割合で混合使用することが出来るが、綿花リンターを50質量%以上使用することが好ましい。
【0028】
セルロースエステルフィルムの分子量が大きいと貯蔵弾性率が大きくなるが、分子量を上げすぎるとセルロースエステルの溶解液の粘度が高くなりすぎるため生産性が低下する。セルロースエステルの分子量は数平均分子量(Mn)で70,000〜200,000のものが好ましく、100,000〜200,000のものが更に好ましい。本発明で用いられるセルロースエステルはMw/Mn比が3.0未満であるが、好ましくは1.4〜2.3である。
【0029】
セルロースエステルの平均分子量及び分子量分布は、高速液体クロマトグラフィーを用い測定できるので、これを用いて数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)を算出し、その比を計算することができる。
【0030】
測定条件は以下の通りである。
溶媒:   メチレンクロライド
カラム:  Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器:  RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ:  L6000(日立製作所(株)製)
流量:   1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1,000,000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
【0031】
〈無機化合物〉
次に有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムを構成する無機化合物である、金属化合物について説明する。
【0032】
本発明において金属とは、「周期表の化学」岩波書店 斎藤一夫著 p.71記載の金属すなわち半金属性原子を含む金属である。
【0033】
本発明に用いられる加水分解重縮合が可能な反応性金属化合物としては例えば金属アルコキシド、金属ジケトネート、金属アルキルアセトアセテート、金属イソシアネート、反応性の金属ハロゲン化物が挙げられる。基材フィルムの透湿度を低減する観点から、加水分解されない置換基で該金属1原子当たり1つまたは2つ、あるいは3つ置換されている金属化合物を含んでも良いが、反応性金属化合物の組成のうち50モル%以上は加水分解されない置換基を有さない金属化合物から構成されていることが好ましい。
【0034】
このような加水分解されない置換基としては、置換または無置換のアルキル基、または置換または無置換のアリール基が好ましく該アルキル基またはアリール基の置換基としては、アルキル基(例えばメチル基、エチル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基等)、複素環基(たとえばフラン、チオフェン、ピリジン等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基等)、アシル基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、アルキルチオ基、グリシジル基、ビニル基、フッ素原子含有アルキル基またはフッ素原子含有アリール基等が挙げられる。
【0035】
また、好ましい反応性金属化合物の金属種としてはケイ素、ジルコニウム、チタンおよびアルミニウムが挙げられ、なかでも特に好ましくはケイ素である。
【0036】
前記の式(1)に従って無機物の含有量を算出した場合、有機−無機ポリマーハイブリッド材料の無機物の含有量としては、有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムの全質量に対して、0.1〜40質量%が好ましい。無機物の添加量が0.1質量%より少ないと有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムの物性改良効果が認められなくなり、40質量%を越えると有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムが脆くなってしまうためである。
【0037】
本発明に用いられる重縮合が可能な反応性金属化合物としては、ケイ素化合物として、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、テトラキス(メトキシエトキシ)シラン、テトラキス(メトキシプロポキシ)シラン、テトラクロロシラン、テトライソシアナートシラン等が挙げられる。
【0038】
また加水分解されない置換基を有するケイ素化合物として、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジイソプロポキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ジクロロジメチルシラン、ジクロロジエチルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、アセトキシトリエトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリメトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリクロロシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリクロロシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリクロロシラン、メチルトリイソシアナートシラン、フェニルトリイソシアナートシラン、ビニルトリイソシアナートシラン、等が挙げられる。
【0039】
また、これらの化合物が部分的に縮合した、多摩化学製シリケート40、シリケート45、シリケート48、Mシリケート51のような、数量体のケイ素化合物でもよい。
【0040】
またチタン化合物としては、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンイソプロポキシド、チタン−n−ブトキシド、テトラクロロチタン、チタンジイソプロポキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンジイソプロポキシド(ビス−2,4−エチルアセトアセテート)、チタンジ−n−ブトキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンアセチルアセトネート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、ブチルチタネートダイマー等が挙げられる。
【0041】
またジルコニウム化合物としては、ジルコニウム−n−プロポキシド、ジルコニウム−n−ブトキシド、ジルコニウムトリ−n−ブトキシドアセチルアセトネート、ジルコニウムジ−n−ブトキシドビスアセチルアセトネート、ジルコニウムアセチルアセトネート、ジルコニウムアセテート、等が挙げられる。
【0042】
またアルミニウム化合物としては、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウム−n−ブトキシド、アルミニウム−s−ブトキシド、アルミニウム−t−ブトキシド、アルマトラン、アルミニウムフェノキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、等が挙げられる。
【0043】
またその他の金属からなる化合物としては、例えば、バリウムイソプロポキシド、カルシウムエトキシド、銅エトキシド、マグネシウムエトキシド、マンガンメトキシド、ストロンチウムイソプロポキシド、錫エトキシド、亜鉛メトキシエトキシド、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、アンチモンエトキシド、ヒ素トリエトキシド、ビスマスt−ペントキシド、クロムイソプロポキシド、エルビウムメトキシエトキシド、ガリウムエトキシド、インジウムメトキシエトキシド、鉄エトキシド、ランタンイソプロポキシド、ネオジウムメトキシエトキシド、プラセオジムメトキシエトキシド、サマリウムイソプロポキシド、バナジウムトリイソブトキシドオキシド、イットリウムイソプロポキシド、テトラメトキシゲルマン、テトラエトキシゲルマン、テトライソプロポキシゲルマン、テトラ−n−ブトキシゲルマン、セリウム−t−ブトキシド、ハフニウムエトキシド、ハフニウム−n−ブトキシド、テルルエトキシド、モリブデンエトキシド、ニオブエトキシド、ニオブ−n−ブトキシド、タンタルメトキシド、タンタルエトキシド、タンタル−n−ブトキシド、タングステン(V)エトキシド、タングステン(VI)エトキシド、タングステン(VI)フェノキシド等が挙げられる。
【0044】
また、本発明に用いられる重縮合が可能な反応性金属化合物としては、分子種内に2つの金属原子を持つダブル金属アルコキシドと呼ばれる化合物でも良い。このようなダブル金属アルコキシドとしては、例えば、ゲレスト社製のアルミニウム銅アルコキシド、アルミニウムチタンアルコキシド、アルミニウムイットリウムアルコキシド、アルミニウムジルコニウムアルコキシド、バリウムチタンアルコキシド、バリウムイットリウムアルコキシド、バリウムジルコニウムアルコキシド、インジウム錫アルコキシド、リチウムニッケルアルコキシド、リチウムニオブアルコキシド、リチウムタンタルアルコキシド、マグネシウムアルミニウムアルコキシド、マグネシウムチタンアルコキシド、マグネシウムジルコニウムアルコキシド、ストロンチウムチタンアルコキシド、ストロンチウムジルコニウムアルコキシド等が挙げられるが、少なくとも、ケイ素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウムのいずれかの金属が含まれているものが好ましい。
【0045】
〈加水分解触媒〉
本発明の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムにおいて無機化合物である、加水分解重縮合可能な反応性金属化合物は、必要に応じて水・触媒を加えて加水分解を起こさせて縮合反応を促進する。
【0046】
しかしフィルムのヘイズ、平面性、製膜速度、溶剤リサイクルなどの生産性の観点から、水分はドープ濃度の0.01%以上2.0%以下の範囲内とすることが好ましい。
【0047】
疎水的な加水分解重縮合可能な反応性金属化合物に水を添加する場合には、加水分解重縮合可能な反応性金属化合物と水が混和しやすいように、メタノール、エタノール、アセトニトリルのような親水性の有機溶媒も添加されていることが好ましい。また、セルロース誘導体のドープに加水分解重縮合可能な反応性金属化合物を添加する際に、ドープからセルロース誘導体が析出しないよう、該セルロース誘導体の良溶媒も添加されていることが好ましい。
【0048】
ここで触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、酢酸、トリフロロ酢酸、レブリン酸、クエン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸等が用いられる。酸を添加しゾル・ゲル反応が進行した後に塩基を加え中和しても良い。塩基を加え中和する場合、乾燥工程前でのアルカリ金属の含有量が5000ppm未満である事が好ましい(ここでアルカリ金属とは、イオン状態のものを含む)。又、ルイス酸、例えばゲルマニウム、チタン、アルミニウム、アンチモン、錫などの金属の酢酸塩、その他の有機酸塩、ハロゲン化物、燐酸塩などを併用してもよい。
【0049】
また触媒として、このような酸類の代りに、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなど、DBU(ジアザビシクロウンデセン−1)、DBN(ジアザビシクロノネン)などのビシクロ環系アミン、アンモニア、ホスフィン、アルカリ金属アルコキシド、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム等の塩基を用いることができる。
【0050】
このような、酸またはアルカリ触媒の添加量としては特に制限はされないが、好ましくは重縮合可能な反応性金属化合物の量に対して1.0%〜20%が好ましい。また、酸及び塩基の処理を複数回併用しても良い。触媒を中和してもよいし揮発性の触媒は減圧で除去してもよいし、分液水洗等により除去しても良い。尚、金属化合物の加水分解重縮合は、塗布前の溶液状態で反応を完結させても良いし、フィルム状に流延してから反応を完結させても良いが塗布前に反応を完結させるのが良い。用途によっては反応は完全に終了しなくても良いが、できれば完結していたほうが良い。
【0051】
〈製膜〉
本発明のセルロースエステルおよび加水分解重縮合可能な反応性金属化合物は溶剤に溶解されるが、基材上に流延しフィルムを形成させる際に押し出しあるいは流延後に溶剤を蒸発させる必要性があるため、揮発性の溶媒が好ましく、かつ、反応性金属化合物や触媒等と反応せず、しかも流延用基材を溶解しないものであり、2種以上の溶媒を混合して用いても良い。また、有機ポリマーと加水分解重縮合可能な反応性金属化合物を各々別の溶媒に溶解し後に混合しても良い。
【0052】
溶媒の例としてはエチルアルコール、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、メトキシメチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ぎ酸メチル、ぎ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類の他、ジメチルイミダゾリノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルフォキシド、スルホラン、塩化メチレンなどが挙げられるが、1,3−ジオキソラン、THF、エチルアルコール、メチルエチルケトン、アセトンおよび塩化メチレンが好ましい。
【0053】
得られる基板フィルムの厚さとしては、10μm〜1mm程度の任意のものを作製できるが30μm〜500μmが好ましい。
【0054】
〈添加剤〉
本発明における有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムには、例えば、特開2002−62430などに記載されているような、フィルムに加工性・柔軟性・防湿性を付与する可塑剤、紫外線吸収機能を付与する紫外線吸収剤、フィルムの劣化を防止する酸化防止剤、フィルムに滑り性を付与する微粒子(マット剤)、フィルムのリターデーションを調整するリターデーション調整剤等を含有させても良い。
【0055】
〈防湿膜〉
本発明の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムは、水蒸気透過性の低減のために防湿膜として、基板の少なくとも一方の面に金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物等の皮膜を形成する。これらは積層されていても良いし、両面に形成されていても良い。
【0056】
こうした膜に使用される金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物としてはケイ素、ジルコニウム、チタン、タングステン、タンタル、アルミニウム、亜鉛、インジウム、クロム、バナジウム、スズ、ニオブから選ばれる1種類以上の元素の酸化物あるいは窒化物、酸窒化物が挙げられ、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化ケイ素が好ましいが、特に好ましくは酸化ケイ素である。
【0057】
金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物は例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によって製膜することができるが、後述する大気圧プラズマ放電処理方法が好ましい方法である。
【0058】
また、J.Sol−Gel Sci.Tech.,p141〜146(1998)に開示されているように、金属酸化物や金属窒化物、金属酸窒化物の薄膜はひび割れやすく、割れたクラックから水蒸気がもれてしまうため、金属酸化物や金属窒化物、金属酸窒化物の防湿膜の上に各種コーティング材を塗布することで前記クラックを封止し、一層の透湿度の低減をはかることもできる。
【0059】
〈透明導電膜〉
次に透明導電膜について説明する。
【0060】
本発明において、透明導電膜とは、一般に工業材料としてよく知られているものであり、可視光(400〜700nm)をほとんど吸収せず透明で、しかも良導体の膜のことである。電気を運ぶ自由荷電体の透過特性が可視光域で高く、透明であり、しかも電気伝導性が高いため、有機EL表示装置等の透明電極として用いられる。本発明のように、透明導電膜を有機EL表示装置用として使用する場合には、透明導電膜の膜厚を約100〜140nmとすることが好ましい。
【0061】
透明導電膜としては、SnO、In、CdO、ZnO、SnO:Sb、SnO:F、ZnO:Al、In:Snなどの金属酸化物膜及びドーパントによる複合酸化物膜がある。
【0062】
ドーパントによる複合酸化物膜としては、例えば、酸化インジウムにスズをドーピングして得られるITO膜、酸化錫にフッ素をドーピングして得られるFTO膜、In・ZnO系アモルファスからなるIZO膜等が挙げられる。
【0063】
このような透明導電膜は、例えば、塗布に代表される湿式成膜法や、あるいは、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の真空を用いた乾式成膜法で形成されても良いが、本発明の導電性フィルム上に透明導電膜を形成する手段としては、大気圧プラズマ放電処理方法が好ましい方法である。
【0064】
〈大気圧プラズマ処理〉
大気圧プラズマ処理とは、大気圧または大気圧近傍の圧力下において、対向する電極間に電界を発生させることで、電極間にある反応性ガスをプラズマ状態とし、このプラズマ状態となった反応性ガスに基材を晒すことによって基材上に膜を形成する方法である。
【0065】
本発明の、透明導電膜を形成する大気圧プラズマ処理による装置及び方法についてその一例を説明する。
【0066】
〈大気圧プラズマ放電処理装置〉
大気圧プラズマ放電処理装置は、アース電極であるロール電極と、対向する位置に配置された印加電極である複数の固定電極を有し、これらの電極の間で放電させ、当該電極間に導入した希ガスと反応性ガスを含有する反応ガスをプラズマ状態とし、該ロール電極に巻回されながら移送する基材フィルムを該プラズマ状態の反応ガスに晒すことによって、該フィルムの上に防湿膜や導電膜等の薄膜を形成する。
【0067】
他の方式としては、基材フィルムを電極間ではない電極近傍に置きあるいは移送させ、発生したプラズマを基材フィルム上に吹き付けて薄膜形成を行うジェット方式等がある。
【0068】
図1は、本発明に係る大気圧もしくはその近傍の圧力下でのプラズマ放電処理装置の一例を示す図である。図1はプラズマ放電処理装置30、ガス充填手段50、電圧印加手段40、及び電極温度調節手段60から構成されている。ロール回転電極35と角筒型固定電極群36として、基材フィルムCFをプラズマ放電処理するものである。基材フィルムCFは図示されていない元巻きから巻きほぐされて搬送して来るか、または前工程から搬送されて来てガイドロール64を経てニップロール65で基材フィルムに同伴して来る空気等を遮断し、ロール回転電極35に接触したまま巻き回されながら角筒型固定電極群36との間を移送され、ニップロール66、ガイドロール67を経て、図示してない巻き取り機で巻き取られるか、次工程に移送する。反応ガスはガス充填手段50で、ガス発生装置51で発生させた反応ガスGを、流量制御して給気口52より放電処理室32のプラズマ放電処理容器31内に入れ、該プラズマ放電処理容器31内を反応ガスGで充填し処理排ガスG′を排気口53より排出するようにする。次に電圧印加手段40で、高周波電源41により角筒型固定電極群36に電圧を印加し、ロール回転電極35にはアースを接地し、電極間で放電プラズマを発生させる。ロール回転電極35及び角筒型固定電極群36を電極温度調節手段60を用いて媒体を加熱または冷却し電極に送液する。電極温度調節手段60で温度を調節した媒体を送液ポンプPで配管61を経てロール回転電極35及び角筒型固定電極群36内側から温度を調節する。電極からの帰りの配管については省略されている。プラズマ放電処理の際、基材フィルムの温度によって得られる薄膜の物性や組成は変化することがあり、これに対して適宜制御することが好ましい。媒体としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が好ましく用いられる。プラズマ放電処理の際、幅手方向あるいは長手方向での基材フィルムの温度ムラが出来るだけ生じないようにロールを用いた回転電極の内部の温度を制御することが望まれる。なお、68及び69はプラズマ放電処理容器31と外界を仕切る仕切板である。
【0069】
なお、放電プラズマ処理に用いられる反応ガスは、給気口52からプラズマ放電処理容器31に導入され、処理後のガスは排気口53から排気される。
【0070】
図2は、ロール電極の金属等の導電性母材とその上に被覆されている誘電体の構造を示す一例を示す見取り図である。
【0071】
図2において、アース電極であるロール回転電極35aは、金属等の導電性の母材35Aに対し、誘電体被覆層として、セラミックスを溶射後、無機化合物の封孔材料を用いて封孔処理したセラミックス被覆処理した誘電体35Bを被覆した組み合わせで構成されているものである。セラミックス被覆処理誘電体を片肉で1mm被覆し、アースに接地してある。また、溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工し易いので、更に好ましく用いられる。
【0072】
または、誘電体層として、ガラスライニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体であってもよい。
【0073】
金属等の導電性の母材35Aとしては、チタン金属またはチタン合金、銀、白金、ステンレススティール、アルミニウム、鉄等の金属等や、鉄とセラミックスとの複合材料またはアルミニウムとセラミックスとの複合材料を挙げることが出来るが、電極の安定性という観点からはチタン金属またはチタン合金が好ましい。
【0074】
図3は、印加電極としての角筒型固定電極群の1個を取り出した角筒型固定電極の母材とその上に被覆されている誘電体の構造を示す一例を示す見取り図である。
【0075】
図3において、角筒型電極36aは、金属等の導電性の母材に対し、図2同様の誘電体被覆層を有している。すなわち、中空の金属パイプに対し、上記同様の誘電体を被覆し、放電中は冷却水による冷却が行えるようになっている。尚、角筒型固定電極の数は、上記ロール電極の円周より大きな円周上に沿って14本設置されている。
【0076】
図3に示した角筒型電極36aは、円筒型電極に比べて、放電範囲(放電面積)を広げる効果があるので、本発明の薄膜形成方法に好ましく用いられる。
【0077】
印加電極に電圧を印加する電源としては、特に限定はないが、パール工業製高周波電源(200kHz)、パール工業製高周波電源(800kHz)、日本電子製高周波電源(13.56MHz)、パール工業製高周波電源(150MHz)等が使用出来る。
【0078】
上記電極間の距離は、電極の導電性母材に設けた固体誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定される。上記電極の一方に誘電体を設けた場合の誘電体表面と電極の最短距離、上記電極の双方に誘電体を設けた場合の誘電体表面同士の距離としては、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.5〜20mmが好ましく、特に好ましくは1±0.5mmである。
【0079】
電源41より角筒型固定電極群36に印加される電圧の値は適宜決定されるが、例えば、電圧が10V〜10kV程度で、電源周波数は100kHzを越えて150MHz以下に調整される。ここで電源の印加法に関しては、連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードとパルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モードのどちらを採用しても良いが連続モードの方がより緻密で良質な膜が得られる。
【0080】
プラズマ放電処理容器31はパイレックス(R)ガラス製の処理容器等が好ましく用いられるが、電極との絶縁がとれれば金属製を用いることも可能である。例えば、アルミニウムまたは、ステンレススティールのフレームの内面にポリイミド樹脂等を張り付けても良く、該金属フレームにセラミックス溶射を行い絶縁性をとっても良い。
【0081】
また、放電プラズマ処理時の基材フィルムへの影響を最小限に抑制するために、放電プラズマ処理時の基材フィルムの温度を常温(15℃〜25℃)〜300℃以下の温度に調整することが好ましい。上記の温度範囲に調整するため、必要に応じて電極、基材フィルムは温度調節手段で冷却や加熱をしながら放電プラズマ処理される。
【0082】
本発明においては、上記の放電プラズマ処理が大気圧または大気圧近傍で行われるが、ここで大気圧近傍とは、20kPa〜110kPaの圧力を表すが、本発明に記載の効果を好ましく得るためには、93kPa〜104kPaが好ましい。
【0083】
〈反応ガス〉
本発明の光学フィルムの防湿膜を形成する反応ガスについて説明する。使用する反応ガスは、基本的に、不活性ガスと、薄膜を形成するための反応性ガスの反応ガスである。反応性ガスは、反応ガスに対し、0.01〜10体積%含有させることが好ましい。薄膜の膜厚としては、0.1〜1000nmの範囲の薄膜が得られる。
【0084】
使用する反応ガスは不活性ガスと反応性ガスを含有する混合ガスである。
不活性ガスとは、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等の希ガス、もしくは窒素等を挙げることが出来るが、本発明に記載の効果を得るためには、ヘリウム、アルゴン、窒素が好ましく用いられる。緻密で、高精度の薄膜を形成するためには、希ガスとしてアルゴンを用いることが最も好ましい。アルゴンを用いると、高密度プラズマを発生しやすいのではないかと推定している。アルゴンガスは、反応ガス(希ガスと反応性ガスの混合ガス)100体積%に対し、90.0〜99.9体積%含有されることが好ましい。
【0085】
薄膜形成を実施するにあたり、使用する反応ガスは、基本的に、不活性ガスと、薄膜を形成するための反応性ガスの反応ガスである。反応性ガスは、反応ガスに対し、0.01〜10体積%含有させることが好ましい。薄膜の膜厚としては、0.1〜1000nmの範囲の薄膜が得られる。
【0086】
反応性ガスは、放電空間でプラズマ状態となり、薄膜を形成する成分を含有するものであり、有機金属化合物、有機化合物、無機化合物、またこれら直接薄膜を形成する化合物と水素ガス、酸素ガス、炭酸ガス等補助的に使用するガスとがある。
【0087】
〈防湿膜形成用反応性ガス〉
防湿膜形成用反応性ガスには、適切な防湿性を得ることの出来る化合物であれば制限なく使用出来るが、チタン化合物、錫化合物、珪素化合物、フッ素化合物、フッ素を有する珪素化合物あるいはこれらの化合物の混合物を好ましく用いることが出来るが、最も好ましくはケイ素化合物である。
【0088】
防湿膜形成用反応性ガスに使用するチタン化合物としては、有機チタン化合物、チタン水素化合物、ハロゲン化チタン等があり、有機チタン化合物としては、例えば、トリエチルチタン、トリメチルチタン、トリイソプロピルチタン、トリブチルチタン、テトラエチルチタン、テトライソプロピルチタン、テトラブチルチタン、トリエトキシチタン、トリメトキシチタン、トリイソプロポキシチタン、トリブトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、メチルジメトキシチタン、エチルトリエトキシチタン、メチルトリイソプロポキシチタン、テトラジメチルアミノチタン、ジメチルチタンジアセトアセトナート、エチルチタントリアセトアセトナート等、チタン水素化合物としてはモノチタン水素化合物、ジチタン水素化合物等、ハロゲン化チタンとしては、トリクロロチタン、テトラクロロチタン等が挙げられる。
【0089】
錫化合物としては、有機錫化合物、錫水素化合物、ハロゲン化錫等であり、有機錫化合物としては、例えば、テトラエチル錫、テトラメチル錫、二酢酸ジ−n−ブチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、テトラエトキシ錫、メチルトリエトキシ錫、ジエチルジエトキシ錫、トリイソプロピルエトキシ錫、ジエチル錫、ジメチル錫、ジイソプロピル錫、ジブチル錫、ジエトキシ錫、ジメトキシ錫、ジイソプロポキシ錫、ジブトキシ錫、錫ジブチラート、錫ジアセトアセトナート、エチル錫アセトアセトナート、エトキシ錫アセトアセトナート、ジメチル錫ジアセトアセトナート等、錫水素化合物等、ハロゲン化錫としては、二塩化錫、四塩化錫等を挙げることが出来る。なお、このようにして、形成された酸化錫層は表面比抵抗値を1011Ω/cm以下に下げることが出来るため、帯電防止層としても有用であるし、防湿膜ではなく導電膜として使用しても構わない。
【0090】
珪素化合物としては、有機珪素化合物、珪素水素化合物、ハロゲン化珪素化合物等を挙げることが出来、有機珪素化合物としては、例えば、テトラエチルシラン、テトラメチルシラン、テトライソプロピルシラン、テトラブチルシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルシランジアセトアセトナート、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等、珪素水素化合物としては、テトラ水素化シラン、ヘキサ水素化ジシラン等、ハロゲン化珪素化合物としては、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジエチルジクロロシラン等を挙げることが出来る。また、これらの反応性ガスを2種以上を同時に混合して使用することが出来る。
【0091】
上記の有機錫化合物、有機チタン化合物または有機珪素化合物は、取り扱い上の観点から金属水素化合物、金属アルコキシドが好ましく、腐食性、有害ガスの発生がなく、工程上の汚れなども少ないことから、金属アルコキシドが好ましく用いられる。
【0092】
〈大気圧プラズマ処理:透明導電膜形成用反応性ガス〉
次に透明導電膜形成用反応性ガスは、放電空間でプラズマ状態となり、透明導電膜を形成する成分を含有するものであり、βジケトン金属錯体、金属アルコキシド、アルキル金属等の有機金属化合物が用いられる。反応性ガスには透明導電膜主成分となる反応性ガスとドーピングを目的に少量用いられる反応性ガスがある。更に、透明導電膜の抵抗値を調整する為に用いる反応性ガスがある。
【0093】
本発明において透明導電膜の主成分に用いられる反応性ガスは、分子内に酸素原子を有する有機金属化合物が好ましい。例えば、インジウムヘキサフルオロペンタンジオネート、インジウムメチル(トリメチル)アセチルアセテート、インジウムアセチルアセトナート、インジウムイソポロポキシド、インジウムトリフルオロペンタンジオネート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル3,5−ヘプタンジオネート)インジウム、ジ−n−ブチルビス(2,4−ペンタンジオネート)スズ、ジ−n−ブチルジアセトキシスズ、ジ−t−ブチルジアセトキシスズ、テトライソプロポキシスズ、テトラブトキシスズ、ジンクアセチルアセトナート等を挙げることができる。この中で特に、好ましいのはインジウムアセチルアセトナート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル3,5−ヘプタンジオネート)インジウム、ジンクアセチルアセトナート、ジ−n−ブチルジアセトキシスズである。
【0094】
ドーピングに用いられる反応性ガスとしては、例えば、アルミニウムイソプロポキシド、ニッケルアセチルアセトナート、マンガンアセチルアセトナート、ボロンイソプロポキシド、n−ブトキシアンチモン、トリ−n−ブチルアンチモン、ジ−n−ブチルビス(2,4−ペンタンジオネート)スズ、ジ−n−ブチルジアセトキシスズ、ジ−t−ブチルジアセトキシスズ、テトライソプロポキシスズ、テトラブトキシスズ、テトラブチルスズ、ジンクアセチルアセトナート、6フッ化プロピレン、8フッ化シクロブタン、4フッ化メタン等を挙げることができる。
【0095】
透明導電膜の抵抗値を調整する為に用いる反応性ガスとしては、例えば、チタントリイソプロポキシド、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等を挙げることができる。
【0096】
透明導電膜主成分として用いられる反応性ガスとドーピングを目的に少量用いられる反応性ガスの量比は、成膜する透明導電膜の種類により異なる。例えば、酸化インジウムにスズをドーピングして得られるITO膜においては得られるITO膜のIn/Snの原子数比が100/0.1〜100/15の範囲になるように反応性ガス量を調整する。好ましくは、100/0.5〜100/10の範囲になるよう調整する。In/Snの原子数比はXPS測定により求めることができる。
【0097】
酸化錫にフッ素をドーピングして得られる透明導電膜(FTO膜という)においては、得られたFTO膜のSn/Fの原子数比が100/0.01〜100/50の範囲になるよう反応性ガスの量比を調整する。Sn/Fの原子数比はXPS測定により求めることができる。
【0098】
In−ZnO系アモルファス透明導電膜(IZO膜)においては、In/Znの原子数比が100/50〜100/5の範囲になるよう反応性ガスの量比を調整する。In/Znの原子数比はXPS測定で求めることができる。
【0099】
また、上述したITO膜、FTO膜、IZO膜において、例えば、Snのドープ量としては5質量%以下であることが好ましい。
【0100】
これらの反応性ガスは、放電プラズマ処理により基材フィルム上に均一な薄膜を形成する観点から、反応ガス中の含有率は、0.01〜10体積%で有することが好ましいが、更に好ましくは、0.01〜1体積%である。
【0101】
更に、反応性ガスとして酸素、オゾン、過酸化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、窒素から選択される成分を0.01〜5体積%含有させることにより、反応促進され、且つ、緻密で良質な薄膜を形成することが出来る。
【0102】
透明導電膜の膜厚としては、0.1nm〜1000nmの範囲の透明導電膜が得られる。
【0103】
また、上記の有機錫化合物、有機チタン化合物、有機珪素化合物、有機亜鉛化合物、または有機インジウム化合物を放電空間である電極間に導入するには、両者は常温常圧で、気体、液体、固体何れの状態であっても構わない。気体の場合は、そのまま放電空間に導入出来るが、液体、固体の場合は、加熱、減圧、超音波照射等の手段により気化させて使用される。また上記金属アルコキシドは、溶媒によって希釈して使用されても良く、この場合、希ガス中へ気化器等により気化して反応ガスに使用すればよい。溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、n−ヘキサンなどの有機溶媒及びこれらの混合溶媒が使用出来る。
【0104】
〈印加電圧〉
薄膜形成方法では、対向する電極間に、100kHzを越えた高周波電圧で、且つ、1W/cm以上の電力(出力密度)を供給し、反応性ガスを励起してプラズマを発生させることが好ましい。
【0105】
電極間に印加する高周波電圧の周波数の上限値は150MHzである。また、高周波電圧の周波数の下限値としては、好ましくは200kHz以上、更に好ましくは800kHz以上である。
【0106】
電極間に供給する電力の下限値は、好ましくは1.2W/cm以上であり、上限値としてはは50W/cmであり、好ましくは20W/cm以下である。なお、放電面積(1/cm)は、電極において放電が起こる範囲の面積のことを指す。本発明におけるように、高い周波数で、且つ、高い出力密度でハイパワーの電圧を印加する場合には、放電面積は片側の電極の放電面の総面積に相当する。この総面積で、前記電極に接続した電源から供給されるトータル電力(W)を割り算すると、出力密度を算出することが出来る。
【0107】
また、この大気圧プラズマ放電処理方法は、特に大面積において均一な膜厚を得るには、一組の対向する電極に印加するトータル電力は、15kWを越えることが好ましく、より好ましくは30kW以上、更に好ましくは50kW以上である。発熱の観点からは、300kW以下であることが好ましい。尚、トータル電力は、前記一組の電極に接続された電源から供給される電力(W)に相当する。前記一組の電極に対し、電源が2以上接続されている場合には、これら電源全ての供給電力を足し算した値である。具体的には、前述の図1の大気圧プラズマ放電処理装置において、ロール回転電極35と角筒型固定電極群36を一組の対向する電極とし、それに接続された電源41から供給される電力のことになる。トータル電力の範囲を満たすには、放電面積がある程度大きいことが必要となってくる。
【0108】
また、電極間に印加する高周波電圧は、断続的なパルス波であっても、連続したサイン波であっても構わないが、本発明の効果を高く得るためには、連続したサイン波であることが好ましい。
【0109】
〈大気圧プラズマ処理:電極〉
大気圧または大気圧近傍の圧力下において、このようなハイパワーの電界を、大面積の電極に印加しても、均一な放電状態を保つことが出来る高耐久電極をプラズマ放電処理装置に採用する必要がある。
【0110】
このような電極としては、金属等の導電性母材上の少なくとも放電面に誘電体を被覆したものであることが好ましい。少なくとも対向する印加電極とアース電極のどちらか片側に誘電体を被覆すること、好ましくは、印加電極とアース電極の両方に誘電体を被覆することである。
【0111】
誘電体被覆電極は、金属等の導電性母材と、セラミックスやガラス等の誘電体素材の複合部品であり、供給する電力、特にトータル電力が大きい場合には、誘電体の脆弱な部分から破壊されやすく、安定したプラズマ放電を維持することが難しい。特に、大きい放電面積を有する誘電体被覆電極においては、それが顕著であり、本発明におけるハイパワーを用いる薄膜形成方法を実施するためには、少なくとも一方の電極がそれに耐え得る誘電体被覆電極であることが必要となる。
【0112】
本発明において、誘電体被覆電極に用いられる誘電体としては、具体的には、比誘電率が6〜45の無機化合物であることが好ましく、また、このような誘電体としては、アルミナ、窒化珪素等のセラミックス溶射材、あるいは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス等のガラスライニング材等がある。この中では、後述のセラミックスを溶射したものやガラスライニングにより設けたものが好ましい。特にアルミナを溶射して設けた誘電体が好ましい。
【0113】
また、誘電体被覆電極において、大電力に耐える他の好ましい仕様としては、耐熱温度が100℃以上であることである。更に好ましくは120℃以上、特に好ましくは150℃以上である。尚、耐熱温度とは、絶縁破壊が発生せず、正常に放電出来る状態において耐えられる最も高い温度のことを指す。このような耐熱温度は、上記のセラミックス溶射や、泡混入量の異なる層状のガラスライニングで設けた誘電体を適用したり、下記導電性母材と誘電体の線熱膨張係数の差の範囲内の材料を適宜選択する手段を適宜組み合わせることによって達成可能である。
【0114】
また、本発明に係る誘電体被覆電極において、別の好ましい仕様としては、誘電体と導電性母材との線熱膨張係数の差が10×10−6/℃以下となる組み合わせのものである。好ましくは8×10−6/℃以下、更に好ましくは5×10−6/℃以下、特に好ましくは2×10−6/℃以下である。尚、線熱膨張係数とは、周知の材料特有の物性値である。
【0115】
線熱膨張係数の差が、この範囲にある導電性母材と誘電体との組み合わせとしては、導電性母材がチタンを70質量%以上含有するチタン金属またはチタン合金で、誘電体がセラミックス溶射被膜であるか、また誘電体がガラスライニングのものが好ましく用いられる。
【0116】
上記チタン金属またはチタン合金は、チタンを70質量%以上含有していれば、問題なく使用出来るが、好ましくは80質量%以上のチタンを含有しているものが好ましい。本発明に有用なチタン合金またはチタン金属は、工業用純チタン、耐食性チタン、高力チタン等として一般に使用されているものを用いることが出来る。工業用純チタンとしては、TIA、TIB、TIC、TID等を挙げることが出来、何れも鉄原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、水素原子等を極僅か含有しているもので、チタンの含有量としては、99質量%以上を有している。耐食性チタン合金としては、T15PBを好ましく用いることが出来、上記含有原子の他に鉛を含有しており、チタン含有量としては、98質量%以上である。また、チタン合金としては、鉛を除く上記の原子の他に、アルミニウムを含有し、その他バナジウムや錫を含有しているT64、T325、T525、TA3等を好ましく用いることが出来、これらのチタン含有量としては、85質量%以上を含有しているものである。これらのチタン合金またはチタン金属は熱膨張係数がステンレススティール、例えばAISI316に比べて、熱膨張係数が1/2程度小さく、金属母材としてチタン合金またはチタン金属の上に施された後述の誘電体との組み合わせがよく、高温、長時間での使用に耐えることが出来る。
【0117】
また、本発明の誘電体被覆電極において、大電力に耐える別の好ましい仕様としては、誘電体の厚みが0.5〜2mmであることである。この膜厚変動は、5%以下であることが望ましく、好ましくは3%以下、更に好ましくは1%以下である。
【0118】
誘電体の空隙率をより低減させるためには、セラミックス等の溶射膜に、更に、無機化合物で封孔処理を行うことが好ましい。前記無機化合物としては、金属酸化物が好ましく、この中では特に酸化ケイ素(SiOx)を主成分として含有するものが好ましい。
【0119】
封孔処理の無機化合物は、ゾル・ゲル反応により硬化して形成したものであることが好ましい。封孔処理の無機化合物が金属酸化物を主成分とするものである場合には、金属アルコキシド等を封孔液として前記セラミック溶射膜上に塗布し、ゾル・ゲル反応により硬化する。無機化合物がシリカを主成分とするものの場合には、アルコキシシランを封孔液として用いることが好ましい。
【0120】
ここでゾル・ゲル反応の促進には、エネルギー処理を用いることが好ましい。エネルギー処理としては、熱硬化(好ましくは200℃以下)や、紫外線照射などがある。更に封孔処理の仕方として、封孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐次で数回繰り返すと、よりいっそう無機質化が向上し、劣化の無い緻密な電極が出来る。
【0121】
誘電体被覆電極の金属アルコキシド等を封孔液として、セラミックス溶射膜にコーティングした後、ゾル・ゲル反応で硬化する封孔処理を行う場合、硬化した後の金属酸化物の含有量は60モル%以上であることが好ましい。封孔液の金属アルコキシドとしてアルコキシシランを用いた場合には、硬化後のSiOx(xは2以下)含有量が60モル%以上であることが好ましい。硬化後のSiOx含有量は、XPSにより誘電体層の断層を分析することにより測定する。
【0122】
また、誘電体被覆電極の誘電体表面を研磨仕上げする等の方法により、電極の表面粗さRmax(JIS B 0601)を10μm以下にすることで、誘電体の厚み及び電極間のギャップを一定に保つことが出来、放電状態を安定化出来ること、更に熱収縮差や残留応力による歪やひび割れを無くし、かつ、高精度で、耐久性を大きく向上させることが出来る。誘電体表面の研磨仕上げは、少なくとも基材フィルムと接する側の誘電体において行われることが好ましい。
【0123】
〈活性線硬化樹脂層〉
本発明の透明導電性フィルムにおいて、上記の防湿膜・透明導電膜のような金属化合物層を有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムに直接形成させてもよいが、他の中間層を少なくとも1層設けた上に形成させてもよい。他の層として、防眩層やクリアハードコート層等を好ましく用いることが出来、これらの層が紫外線等活性線により硬化する活性線硬化樹脂層であることが好ましく、このような紫外線で硬化された樹脂層の上に本発明に係る防湿膜・透明導電膜を形成させることによって耐擦り傷性に優れた透明導電性フィルムを得ることが出来る。
【0124】
この中間層は、大気圧プラズマ処理により金属酸化物層を形成する場合、接着性向上及びプラズマダメージ軽減の作用を有する。このように、中間層を設けることによって、基材上に直接、金属化合物層を形成する場合に比して金属化合物層の特性を上げることができる。また、この中間層によって基材と金属化合物層との間の密着性を向上させることができる。
【0125】
防眩層及びクリアハードコート層の活性線硬化樹脂層は、エチレン性不飽和モノマーを含む成分を重合させて形成した樹脂層で、活性線硬化樹脂層である。ここで、活性線硬化樹脂層とは、紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応などを経て硬化する樹脂を主たる成分とする層をいう。活性線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂などが代表的なものとして挙げられるが、紫外線や電子線以外の活性線照射によって硬化する樹脂でもよい。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることが出来る。
【0126】
〈層構成〉
本発明の導電性フィルムは防湿膜と透明導電膜のそれぞれの薄膜が製膜されたものである。これらの層は、互いに積層されていても良いし、基板の片面ずつに成膜されていても良い。また防湿膜は両面に成膜されてもよい。
【0127】
防湿膜と導電膜を積層する場合は、例えば、図1のような大気圧もしくはその近傍の圧力下で反応ガス雰囲気内でプラズマ放電処理装置を直列に2基を防湿膜・導電膜の順に2層積層するように並べて連続的に処理することが出来、この連続的積層処理は品質の安定やコスト削減、生産性の向上等から本発明の導電性フィルムの作製に適しており好ましい。無論同時に積層せずに、1層処理ごと、処理後巻き取り、逐次処理して積層してもよい。
【0128】
導電膜が積層されていない有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムの裏面側には防汚層を設けても良い。また裏面にも防湿膜がある場合は、防湿膜の上に防汚層や反射防止層を積層しても良い。また、本発明の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムまたは透明導電性フィルムを他のフィルム状、シート状あるいは板状の成型物と貼り合わせて使用してもよい。
【0129】
防汚層とは、透明基材表面に汚れがついて透過像を見にくくすることがないよう、ゴミ・指紋等を付着しにくく、またふき取りやすい層である。防汚層は、例えば熱架橋性含フッ素ポリマーにイソプロピルアルコールを加えて、0.2質量%の粗分散液を作製し、最表面層の表面にバーコータで塗布することによって形成される。
【0130】
本発明における透明導電性フィルムの好ましい構成例は以下に示す通りである。
(A) 基材/中間層/防湿膜/透明導電膜
(B) 防汚層/ 基材/中間層/防湿膜/透明導電膜
(C) 防湿膜/中間層/基材/中間層/透明導電膜
(D) 防汚層/防湿膜/中間層/基材/中間層/防湿膜/透明導電膜
【0131】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
【0132】
実施例1
各実施例においてフィルムに成膜する前に、原料であるセルロースエステルの置換度を下記のようにして測定した。
【0133】
〈アセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートの置換度測定〉
ASTM D817−96に基づき、下記のようにして置換度DSを求めた。乾燥したセルロースエステル1.90gを精秤し、アセトン70mlとジメチルスルホキシド30mlを加え溶解した後、さらにアセトン50mlを加えた。攪拌しながら1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、2時間ケン化した。熱水100mlを加え、フラスコ側面を洗浄した後、フェノールフタレインを指示薬として1mol/Lの硫酸で滴定した。別に試料と同じ方法で空試験を行なった。滴定が終了した溶液の上澄み液を100倍に希釈し、イオンクロマトグラフを用いて、常法により有機酸の組成を測定した。測定結果とイオンクロマトグラフによる酸組成分析結果から、下記式により置換度を計算した。
TA=(B−A)×F/(1000×W)
DSace=(162.14×TA)/{1−42.14×TA+(1−56.06×TA)×(P/A)}
DSpro=DSace×(AL/AC)
DS=DSace+DSpro
A:試料滴定量(ml)
B:空試験滴定量(ml)
F:硫酸の力価(1M/L)
W:試料質量(g)
TA:全有機酸量(mol/g)
P/A:イオンクロマトグラフで測定した酢酸とプロピオン酸とのモル比
DSace :アセチル基の置換度
DSpro :プロピオニル基の置換度
上記手法により、本発明の実施例で用いるセルロースエステルの置換度DSを測定した結果を下記に示す。
ジアセチルセルロース(ダイセル化学製、LM80)、DS=2.13
ジアセチルセルロース(ダイセル化学製、L50)、DS=2.33
トリアセチルセルロース(ダイセル化学製、LT55)、DS=2.80
セルロースアセテートプロピオネート(イーストマンケミカル製,CAP)、DS=2.43
〈本発明の基板フィルム101の作製〉
ジアセチルセルロース(LM80)4.80gをアセトン:塩化メチレンが質量比で25:75の混合溶媒28.8mlに溶解させたドープを作製しておく。テトラエトキシシラン10.40g(50mmol、シリカ含量3.00g)とエタノール5.20g、塩化メチレン5.20gを混合し、攪拌しながら、12.7質量%塩酸水溶液を1.75g加えた。10分後、この溶液を作製しておいたLM80のドープに攪拌しながら加えた。得られた溶液を4時間40℃で攪拌した後、ガラス板上にギャップ巾350μmのナイフコーターで製膜し、120℃で30分乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。
【0134】
〈本発明の基板フィルム102の作製〉
ジアセチルセルロース(L50)4.80gをアセトン:塩化メチレンが質量比で25:75の混合溶媒28.8mlに溶解させたドープを作製しておく。
【0135】
テトラエトキシシラン4.16g(20mmol、シリカ含量1.20g)とエタノール2.08g、塩化メチレン2.08gを混合し、攪拌しながら、12.7質量%塩酸水溶液を0.70g加えた。10分後、この溶液を作製しておいたL50のドープに攪拌しながら加えた。得られた溶液を4時間40℃で攪拌した後、ガラス板上にギャップ巾350μmのナイフコーターで製膜し、120℃で30分乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。
【0136】
〈本発明の基板フィルム103の作製〉
CAP4.80gをアセトン:塩化メチレンが質量比で25:75の混合溶媒28.8mlに溶解させたドープを作製しておく。テトラエトキシシラン2.08g(10mmol、シリカ含量0.60g)とエタノール1.04g、塩化メチレン1.04gを混合し、攪拌しながら、12.7質量%塩酸水溶液を0.35g加えた。10分後、この溶液を作製しておいたCAPのドープに攪拌しながら加えた。得られた溶液を4時間40℃で攪拌した後、ガラス板上にギャップ巾350μmのナイフコーターで製膜し、120℃で30分乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。
【0137】
〈本発明の基板フィルム104の作製〉
トリアセチルセルロース(LT55)4.80gをエタノール:塩化メチレンが質量比で16:84の混合溶媒28.8mlに溶解させたドープを作製しておく。テトラエトキシシラン1.04g(5mmol、シリカ含量0.30g)とエタノール0.50g、塩化メチレン0.50gを混合し、攪拌しながら、12.7質量%塩酸水溶液を0.18g加えた。10分後、この溶液を作製しておいたLT55のドープに攪拌しながら加えた。得られた溶液を4時間40℃で攪拌した後、ガラス板上にギャップ巾350μmのナイフコーターで製膜し、120℃で30分乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。
【0138】
〈本発明の基板フィルム105の作製〉
ジアセチルセルロース(ダイセル化学製、L50)5.08gをアセトン:塩化メチレンが質量比で25:75の混合溶媒30.5mlに溶解させたドープを作製しておく。テトラエトキシシラン2.08g(10mmol、シリカ含量0.60g)とメチルトリエトキシシラン1.78g(10mmol、メチルシルセスキオキサン含量0.67g)、エタノール1.93g、塩化メチレン1.93gとを混合し、攪拌しながら、12.7質量%塩酸水溶液を0.61g加えた。10分後、この溶液を作製しておいたL50のドープに攪拌しながら加えた。得られた溶液を4時間40℃で攪拌した後、ガラス板上にギャップ巾350μmのナイフコーターで製膜し、120℃で30分乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。
【0139】
〈本発明の基板フィルム106の作製〉
ジアセチルセルロース(L50)5.08gをアセトン:塩化メチレンが質量比で25:75の混合溶媒30.5mlに溶解させたドープを作製しておく。
【0140】
メチルトリエトキシシラン3.57g(20mmol、メチルシルセスキオキサン含量1.34g)、エタノール1.79g、塩化メチレン1.79gとを混合し、攪拌しながら、12.7質量%塩酸水溶液を0.52g加えた。10分後、この溶液を作製しておいたL50のドープに攪拌しながら加えた。得られた溶液を4時間40℃で攪拌した後、ガラス板上にギャップ巾350μmのナイフコーターで製膜し、120℃で30分乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。
【0141】
〈本発明の基板フィルム107の作製〉
CAP4.80gをメチルセロソルブ:塩化メチレンが質量比で50:50の混合溶媒43.2mlに溶解させたドープを作製しておく。チタニウムテトライソプロポキシド4.26g(15mmol、チタニア含量1.20g)を塩化メチレン4.68gと混合し、この溶液を作製しておいたCAPのドープに攪拌しながら加えた。得られた溶液を4時間室温で攪拌した後、ガラス板上にギャップ巾500μmのナイフコーターで製膜し、120℃で30分乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。
【0142】
〈本発明の基板フィルム108の作製〉
CAP4.92gをメチルセロソルブ:塩化メチレンが質量比で50:50の混合溶媒44.3mlに溶解させたドープを作製しておく。ジルコニウムテトラプロポキシド、70%プロパノール溶液4.68g(10mmol、ジルコニア含量1.23g)を塩化メチレン4.68gと混合し、この溶液を作製しておいたCAPのドープに攪拌しながら加えた。得られた溶液を4時間室温で攪拌した後、ガラス板上にギャップ巾500μmのナイフコーターで製膜し、120℃で30分乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。
【0143】
〈本発明の基板フィルム109の作製〉
CAP3.41gをメチルセロソルブ:塩化メチレンが質量比で50:50の混合溶媒30.7mlに溶解させたドープを作製しておく。アルミニウムテトラs−ブトキシド4.12g(16.7mmol、アルミナ含量0.85g)を塩化メチレン4.12gと混合し、この溶液を作製しておいたCAPのドープに攪拌しながら加えた。得られた溶液を4時間室温で攪拌した後、ガラス板上にギャップ巾500μmのナイフコーターで製膜し、120℃で30分乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。
【0144】
〈比較例の基板フィルム110の作製〉
ジアセチルセルロース(L50)4.00gをアセトン:塩化メチレンが質量比で25:75の混合溶媒24.0mlに溶解させたドープを作製し、ガラス板上にギャップ巾350μmのナイフコーターで製膜し、120℃で30分乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。
【0145】
〈比較例の基板フィルム111の作製〉
LT55 4.00gをメチルセロソルブ:塩化メチレンが質量比で50:50の混合溶媒36.0mlに溶解させたドープを作製し、ガラス板上にギャップ巾500μmのナイフコーターで製膜し120℃で30分乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。
【0146】
〈比較例の基板フィルム112の作製〉
CAP4.00gをエタノール:塩化メチレンが質量比で16:84の混合溶媒24.0mlに溶解させたドープを作製し、ガラス板上にギャップ巾350μmのナイフコーターで製膜し、120℃で30分乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。
【0147】
〈比較例の基板フィルム113の作製〉
フィルム厚50μmのポリエーテルスルホンフィルムである住友ベークライト(株)製“スミライト FS1300”を比較の基板フィルム113とした。
【0148】
〈比較例の基板フィルム114の作製〉
フィルム厚100μmのポリカーボネートフィルムである帝人(株)製“ピュアエース”を比較の基板フィルム114とした。
【0149】
〈比較例の基板フィルム115の作製〉
フィルム厚100μmのポリノルボルネンフィルムである日本ゼオン(株)製“ゼオノア ZF1420R”を比較の基板フィルム115とした。
【0150】
〈比較例の基板フィルム116の作製〉
特開2000−122038に開示の、実施例1に基づき、フィルムを作製した。
【0151】
ポリビニルピロリドン(PVP)10gをエタノール90gに溶解し、PVPの10%エタノール溶液を作製した。また、テトラエトキシシラン4.0gをエタノール6.0gと混合し、テトラエトキシシランの40%エタノール溶液を作製した。このPVP10%エタノール溶液と、テトラエトキシシラン40%エタノール溶液を混合し、水5.0gと1規定塩酸水溶液を1.0gを加えた。攪拌しながら24時間放置し、できた溶液をガラス板上に、乾燥時の膜厚が100μmとなるように塗布した。ガラス板上にできたフィルムを乾燥後、剥離し、比較の基板フィルム116とした。
【0152】
以上、作製した本発明の基板フィルム101〜109および比較例の基板フィルム110〜116について下記の評価を実施した。評価結果を下記表1に示す。
【0153】
〈貯蔵弾性率の測定〉
レオメトリックス社製固体粘弾性測定装置RSA−IIを用い、引っ張りモードにて室温から250℃まで掃引し、試料の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムの貯蔵弾性率E′(Pa)、損失弾性率E″(Pa)、またその比(E″/E′)であるtanδを測定した。このtanδが極大値をとる温度をガラス転移温度とした。
【0154】
〈複屈折の測定〉
王子計測機器(株)製自動複屈折計KOBRA−21ADHで測定し、試料の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムの面内のX方向、Y方向の屈折率の差に、厚みを50μmと仮定して乗じた値を複屈折(nm)として表した。
【0155】
〈透過率・ヘイズの測定〉
東京電色製TURBIDITY METER T−2600DAで測定した。
【0156】
〈耐屈曲性試験〉
日本工業規格 K5400に準じて、耐屈曲性試験を行った。基板フィルムの試料3枚のうち2枚以上が割れない最小の折り曲げ直径を調べた。
◎:直径2mmの折り曲げ試験を行っても割れない
○:直径4mmの折り曲げ試験を行っても割れないが、直径2mmでは割れる
△:直径10mmの折り曲げ試験を行っても割れないが、直径4mmでは割れる
×:直径10mmの折り曲げ試験で割れる。
【0157】
【表1】
Figure 2004075951
【0158】
表1から、比較例の基板フィルム111、114、115、116はtanδのピーク温度(ガラス転移温度)が低く好ましくない。また、基板フィルム112はtanδのピーク温度200℃を越えているが、それ以後の温度では急激に貯蔵弾性率が低下し軟化しており好ましくない。また比較例の基板フィルム114は複屈折が大きく好ましくない。また比較例の基板フィルム110、113は、透明性が高く複屈折も小さくガラス転移温度も高いが、ガラス転移点を越えた後は急激に10MPa以下のオーダーまで貯蔵弾性率が低下し、250℃では流動状態になっていることがわかる。また、比較例のフィルム116では、折り曲げ試験ですぐに折れ、基板のフィルムとしては好ましくなかった。
【0159】
これに対し、本発明の基板フィルム106は、加水分解されない基を1つ有する化合物であるメチルトリエトキシシランが重縮合した金属酸化物であるメチルシルセスキオキサンの混合により、Tgを越えた後の250℃での貯蔵弾性率は130MPaとガラス状態に近い貯蔵弾性率を保持しており、耐熱性が向上した好ましい基板フィルムであることがわかる。
【0160】
さらに基板フィルム105のように、テトラエトキシシランのような加水分解されない置換基を有しない金属化合物を50%混合すると、250℃での貯蔵弾性率E′が更に向上して440MPaとなるばかりか、ジアセチルセルロース単体よりガラス転移温度が10℃上昇して226℃となった。さらに基板フィルム102のようにテトラエトキシシランのみでハイブリッド化を行うと、250℃での貯蔵弾性率E′は710MPaまで改善された。
【0161】
同様に基板フィルム107、108、109のようにチタニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムn−プロポキシド、アルミニウムs−ブトキシドを用いても、CAP単体よりもガラス転移温度が向上し、250℃での貯蔵弾性率E′も高くなった。
【0162】
さらにセルロースエステルの置換度を下げて行くと、置換度2.13のジアセチルセルロースを用いた基板フィルム101ではガラス転移点を越えた後の250℃でも、1100MPaと貯蔵弾性率が室温とほとんど変わらない基板フィルムが得られており、より好ましい基板フィルムであった。なお、置換度の異なるセルロースエステルを用いた基板フィルム103、104においても、250℃での貯蔵弾性率E′がそれぞれ530MPa、320MPaである耐熱性の高い基板フィルムが得られた。
【0163】
実施例2
実施例1で得られた基板フィルム101〜116上に下記の方法でクリアハードコート層、防湿膜を形成した基板フィルム201〜216を作製した。
【0164】
〈クリアハードコート層の作製〉
基材フィルム101上にハードコート層塗布組成物が3μmの膜厚となるように押出しコーターでコーティングし、ついで80℃に設定された乾燥部で1分間乾燥した後、120mJ/cmで紫外線照射することにより形成した。
【0165】
〈防湿膜の作製〉
プラズマ放電装置には、電極が平行平板型のものを用い、この電極間に上記ガラス基板を載置し、且つ、混合ガスを導入して薄膜形成を行った。
【0166】
尚、電極は、以下の物を用いた。200mm×200mm×2mmのステンレス板に高密度、高密着性のアルミナ溶射膜を被覆し、その後、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬化させ封孔処理を行った。このようにして被覆した誘電体表面を研磨し、平滑にして、Rmax5μmとなるように加工した。このように電極を作製し、アース(接地)した。
【0167】
一方、印加電極としては、中空の角型の純チタンパイプに対し、上記同様の誘電体を同条件にて被覆したものを複数作製し、対向する電極群とした。
【0168】
また、プラズマ発生に用いる使用電源は日本電子(株)製高周波電源JRF−10000にて周波数13.56MHzの電圧で且つ5W/cmの電力を供給し、電極間に以下の組成の反応性ガスを流した。
不活性ガス:アルゴン                  99.3体積%
反応性ガス1:水素                    0.5体積%
反応性ガス2:テトラエトキシシラン            0.3体積%
クリアハードコート層が設けられた基板フィルム101のクリアハードコート層上に、上記反応ガス、反応条件により大気圧プラズマ処理を行い、防湿膜として酸化ケイ素膜を作製し、基板フィルム201とした。
【0169】
以下同様の条件にて、基板フィルムを102〜116に代えることで透明導電性フィルム202〜216を作製し、下記の評価を行った。
【0170】
〈透湿度評価〉
透湿度はJIS−Z−0208に記載の条件A(25℃、40%RH)で測定した。透湿度評価は、クリアハードコート層・防湿膜を付与する前後で測定した。
【0171】
〈膜厚〉
基材上の酸化ケイ素膜厚は、Photal社製FE−3000反射分光膜厚計により測定した。
【0172】
〈剥離試験〉
日本工業規格K5400に準拠し、下記のような碁盤目テープ試験を行った。形成された防湿膜の表面に片刃のカミソリの刃を防湿膜の面に対して90°の角度で1mm間隔で縦横に11本入れ、1mm角の碁盤目を100個作製した。この上に市販のセロファンテープを貼りつけ、その一端を手で持って垂直に力強く引っ張って剥がし、切りこみ線からの貼られたテープ面積に対する薄膜が剥がされた面積の割合を下記の3段階で評価した。
【0173】
A:全く剥離されなかった
B:剥離された面積割合が10%未満だった
C:剥離された面積割合が10%以上だった。
【0174】
【表2】
Figure 2004075951
【0175】
表2で示されたように、大気圧プラズマ処理によって設けられた酸化ケイ素膜により、高い防湿性が本発明の基板フィルムや比較例の基板フィルムに付与されたことがわかる。
【0176】
なおこの防湿膜の基板への密着性の評価では、実施例の基板フィルム201〜209、比較例の基板フィルム210〜212、216のような本来親水性のフィルムほど密着性が良くはがれにくく好ましい基板フィルムであったが、比較例の基板フィルム213〜215のような本来疎水性のフィルムほど密着性が悪くはがれやすく好ましくない基板フィルムであった。
【0177】
実施例3
実施例2で得られた基板フィルム201〜216の酸化ケイ素層上に、下記の方法で透明導電膜を形成して透明導電性フィルム301〜316を作製した。
【0178】
〈透明導電膜の作製〉
供給電力を12W/cmに変更した以外は、防湿膜の形成と同様の大気圧プラズマ条件で、反応性ガスは下記の組成に変更したものを流した。
不活性ガス :ヘリウム                98.69体積%
反応性ガス1:水素                   0.05体積%
反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナト       1.2体積%
反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート          0.05体積%
反応性ガス4:テトラエトキシシラン           0.01体積%
基材フィルム201の酸化ケイ素層上に上記反応ガス、反応条件により大気圧プラズマ処理を行い、透明導電膜として錫ドープ酸化インジウム膜(ITO膜)を作製した。
【0179】
以下、基板フィルムを202〜216に変更することで透明導電性フィルム302〜316を作製し、下記の評価を行った。
【0180】
〈比抵抗〉
JIS−R−1637に従い、四端子法により求めた。なお、測定には三菱化学製ロレスタ−GP、MCP−T600を用いた。
【0181】
〈透過率〉
東京電色製TURBIDITY METER T−2600DAで測定した。
【0182】
〈平均反射率のバラツキ測定〉
光学フィルム1〜7をそれぞれ10枚ずつサンプリングして、反射モードの日立製作所製分光光度計U−4000型により、5度正反射の条件で400〜700nmの範囲で反射率の測定を行い、平均反射率のバラツキを調べ、最大値と最小値の差でバラツキを表示した。なお、反射防止層のない側の光学フィルム面を粗面化した後、黒色のスプレーを用いて光吸収処理を行い、光学フィルム裏面の光の反射を防止した。
【0183】
透明導電膜が付与された透明導電性フィルム301〜316について、比抵抗、透過率と平均反射率のばらつきを評価した結果を表3に示す。
【0184】
【表3】
Figure 2004075951
【0185】
表3で示されたように、大気圧プラズマ法によってITO膜を設けたところ、本発明の基板フィルム301〜309、比較の基板フィルム310〜316いずれも、透明度が高く比抵抗の低い良好な透明導電性フィルムであった。
【0186】
しかしこの透明導電膜の面内反射率のばらつきを評価すると、比較の透明導電性フィルム310〜316では反射率のばらつきが観測されたが、本発明の透明導電性フィルム301〜309ではほとんど反射率のばらつきが発生しない、好ましい透明導電性フィルムであった。これは透明導電膜を設ける際のハイパワーの電力に、耐熱性の低い基材では耐えられないゆえではないかと推測される。
【0187】
実施例4
また、上述した本発明の透明導電性フィルム301〜309、比較例の透明導電性フィルム310〜316を用いて、図4に示すような、TN液晶表示素子を以下の方法で作製した。
【0188】
〈TN液晶表示素子の作製方法〉
上記透明導電膜が形成された透明導電性基材(本発明の透明導電性フィルム301〜309、比較例の透明導電性フィルム310〜316)401上に、平滑化のための樹脂層をコートし、さらにその上に直接あるいは二酸化ケイ素層等を介して透明導電膜402を形成し、ストライプ形状等にパターニング加工して表示用電極を形成させ、対向基材401側にも表示用電極を形成し、さらに、配向膜403、シール材をそれぞれ印刷法等で形成し、スペーサー散布を行った後、両基板を対向させて圧着し空セルを構成する。そしてこの空セルに真空注入法等で液晶404を注入し、対向する表示用電極に駆動電圧が印加されるように端子部を取り出し、必要に応じて位相差板、偏光板、タッチパネル、光源等を組み合わせることによって液晶表示素子を形成する。
【0189】
このようにして作製した液晶表示素子において、本発明の透明導電性フィルム301〜309は良好な画像が得られたが、比較例の透明導電性フィルム310〜316においては画像の歪み・色調のずれが認められた。
【0190】
実施例5
また、本発明の透明導電性フィルム301〜309、比較例の透明導電性フィルム310〜316を用いて、図5に示すような、単純マトリックス駆動有機EL素子を以下の方法で作製した。
【0191】
〈有機EL素子の作製方法〉
まず、透明導電性基材(本発明の透明導電性フィルム301〜309、比較例の透明導電性フィルム310〜316)501上に透明導電膜(陽電極)502をパターニングした。その後、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄し、次いで煮沸エタノール中から引き上げ乾燥した。次いで、透明導電膜表面をUV/O洗浄した後、真空蒸着装置でN,N′−ジフェニル−m−トリル−4,4′−ジアミン−1,1′−ビフェニル(TPD)を蒸着速度0.2nm/secで55nmの厚さに蒸着し、正孔注入輸送層503とした。
【0192】
さらに、Alq:トリス(8−キノリノラト)アルミニウムを蒸着速度0.2nm/secで50nmの厚さに蒸着して、電子注入輸送・発光層504とした。
【0193】
次いで、スパッタ装置でDCスパッタ法にてAl・Sm合金(Sm:10at%)をターゲットとして陰電極505を200nmの厚さに製膜した。この時のスパッタガスにはArを用い、ガス圧3.5Pa、ターゲットと基板間距離(Ts)9.0cmとした。また、投入電力は1.2W/cmとした。
【0194】
最後に、SiOを200nmの厚さにスパッタして保護層506として、有機EL発光素子を得た。この有機EL発光素子は、それぞれ2本ずつの平行ストライプ状陰電極と、8本の平行ストライプ状用電極を互いに直交させ、2×2mm縦横の素子単体(画素)を互いに2mmの間隔で配置し、8×2の16画素の素子としたものである。
【0195】
このようにして得られた有機EL素子を9Vで駆動させたところ、実施例の透明導電性フィルム301〜309では350cd/m以上の輝度が得られたが、比較例の透明導電性フィルム310〜316では50cd/m以下であり、有機EL素子としての必要な発光強度が得られなかった。
【0196】
実施例6
さらに、上述した本発明の透明導電性フィルム301〜309、比較例の透明導電性フィルム310〜316を用いて、図6示すようなタッチパネルを以下の方法で組み立てた。
【0197】
〈タッチパネルの組み立て方法〉
図6における下部電極606にはタッチパネル用ガラス602(ITOスパッタリング製膜品)を用い、上部電極605には前記の実施例で得られた透明導電性基材601(本発明の透明導電性フィルム301〜309、比較例の透明導電性フィルム310〜316)を用いた。そして、透明導電性基材601とタッチパネル用ガラス602との透明導電膜603、604を向かい合わせにし、熱硬化タイプドットスペーサ607を用い、間隔を7μm空けてパネル化してタッチパネルを組み立てた。
【0198】
このようにして組み立てたタッチパネルの下に適当な画像を置き、ななめ45℃から視認して、透過して見える画像が歪まずに見えるか視認性試験を行ったところ、実施例の透明導電性フィルム301〜309では歪みなく画像を視認できたが、比較の透明導電性フィルム310〜316では歪みが確認された。
【0199】
【発明の効果】
本発明によれば透明性が高く、複屈折が小さく、しなやかで、ガラス転移温度が高く、またガラス転移温度を越えても軟化せず高い貯蔵弾性率を保持できる耐熱性の高い液晶ディスプレイ用、有機ELディスプレイ用、またはタッチパネル用基板フィルムを提供することができた。
【0200】
また、本発明の基板フィルム上には良好な密着性で防湿膜を設けることができ、基板フィルムの透湿度を、基板フィルムの用いられる電子機器等に悪影響を与えない程度にまで下げることができた。
【0201】
また、防湿膜を付与した本発明の基板フィルム上には、透明度が高く比抵抗の低い透明導電膜を、むらなく均一に設けることができた。
【0202】
さらに、本発明の基板フィルム上に設ける防湿膜、透明導電膜を大気圧プラズマ処理により成膜することで、高い品質・生産性で透明導電性フィルムを製造することが可能となった。
【0203】
その結果、良質な液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、タッチパネル等を作製することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る大気圧もしくはその近傍の圧力下でのプラズマ放電処理装置の一例を示す図である。
【図2】ロール電極の金属等の導電性母材とその上に被覆されている誘電体の構造を示す一例を示す見取り図である。
【図3】印加電極としての角筒型固定電極群の1個を取り出した角筒型固定電極の母材とその上に被覆されている誘電体の構造を示す一例を示す見取り図である。
【図4】液晶表示装置を説明するためのもので、液晶表示装置の斜視図である。
【図5】有機EL素子の構成例を示す概念図である。
【図6】タッチパネルの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
30 プラズマ放電処理装置
31 プラズマ放電処理容器
32 放電処理室
35、35a ロール回転電極
35A、36A 母材
35B、36B 誘電体
36 角筒型固定電極群
36a 角筒型電極
40 電圧印加手段
50 ガス充填手段
51 ガス発生装置
60 電極温度調節手段
401 透明導電性基材
402 透明導電膜
403 配向膜
404 液晶
501 透明導電性基材
502 透明導電膜
503 正孔注入輸送層
504 電子注入輸送・発光層
505 陰電極
506 保護層
601 透明導電性基材
602 タッチパネル用ガラス
603、604 透明導電膜
605 上部電極
606 下部電極
607 熱硬化タイプドットスペーサ

Claims (10)

  1. セルロースエステルと、加水分解重縮合が可能な反応性金属化合物の加水分解重縮合物を主成分とする有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムにおいて、下記式(1)のように前記反応性金属化合物における加水分解重縮合反応が完全に終了したと仮定した場合の質量が、有機−無機ポリマーハイブリッドフィルム支持体の全質量に対して、0.1質量%から40質量%であることを特徴とする有機−無機ポリマーハイブリッドフィルム。
    式(1) A → Ar/2
    (但し、Mは中心金属を表し、qはその原子数を表す。Aは加水分解されない1価の置換基を表し、pはその置換基数を表す。Bは加水分解可能な置換基を表し、rはその置換基数を表す。)
  2. 式(1)のAで表される加水分解重縮合可能な金属化合物の50モル%以上が、p=0である化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルム。
  3. 前記加水分解重縮合可能な金属化合物が、ケイ素、ジルコニウム、チタンおよびアルミニウムのいずれかの金属の化合物を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルム。
  4. 前記セルロースエステルの置換度が、アセチル置換度をX、酢酸以外の酸による置換度をYとしたとき、1.0<X+Y<2.5でありかつ0<X<2.5であるセルロースエステルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムの少なくとも一方の面に、金属酸化物または金属窒化物を含有する防湿膜を有し、さらに該有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムの少なくとも一方の面に透明導電膜が設けられていることを特徴とする有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムを支持体とする透明導電性フィルム。
  6. 前記防湿膜が、酸化ケイ素から構成されていることを特徴とする請求項5に記載の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムを支持体とする透明導電性フィルム。
  7. 前記防湿膜と透明導電膜とのいずれの層も、大気圧または大気圧近傍の圧力下において、対向する電極間に、100kHz〜150MHzの高周波電圧で、かつ、1.0〜50W/cmの電力を供給し放電させることにより、反応性ガスをプラズマ状態とし、該プラズマ状態の反応性ガスに基材を晒すことによって形成される膜であることを特徴とする請求項5又は6に記載の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムを支持体とする透明導電性フィルム。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムを支持体とする透明導電性フィルムによって構成されていることを特徴とする液晶ディスプレイ。
  9. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムを支持体とする透明導電性フィルムによって構成されていることを特徴とする有機ELディスプレイ。
  10. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムを支持体とする透明導電性フィルムによって構成されていることを特徴とするタッチパネル。
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JP2005283742A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Fuji Photo Film Co Ltd プラスチック製レンズを用いた光学ユニット
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CN113663658A (zh) * 2021-08-27 2021-11-19 中国医学科学院放射医学研究所 硼酸功能化磁性纳米材料及其一锅法制备

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