JP2000352709A - 液晶表示装置用のフィルム基板 - Google Patents

液晶表示装置用のフィルム基板

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JP2000352709A
JP2000352709A JP11164921A JP16492199A JP2000352709A JP 2000352709 A JP2000352709 A JP 2000352709A JP 11164921 A JP11164921 A JP 11164921A JP 16492199 A JP16492199 A JP 16492199A JP 2000352709 A JP2000352709 A JP 2000352709A
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inorganic
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organic
liquid crystal
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JP11164921A
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Ritsu Saito
律 斎藤
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄型軽量で表示品質に優れた液晶表示装置の
製造を可能とするフィルム基板を提供する。 【解決手段】 光等方性を有する高分子フィルムの少な
くとも一方の面に、無機酸化物層と有機無機複合膜との
積層体からなるバリアー層を設けて、フィルム基板と
し、上記の有機無機複合膜は無機酸化物層を構成する無
機成分と同系列の無機成分を含有するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置、特に
フィルム状の液晶表示装置に使用するための可撓性とバ
リアー性を兼ね備えたフィルム基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省電力、薄型の表示装置として、
液晶表示装置(LCD)が広範囲な用途に利用されてい
る。一般的に用いられている液晶表示装置は、少なくと
も一方が透明電極である2枚の電極基板の電極側を対向
配置し、両基板の間に液晶を充填したものであり、両基
板間に画素単位で電圧を印加して、液晶の光学特性を制
御することにより動作する。従来の液晶表示装置は、上
記の電極基板としてガラス基板が使用されている。
【0003】このような液晶表示装置は、携帯電話、時
計、電子手帳、ノート型パソコン等の小型情報機器等に
広く用いられているが、薄型軽量化の要請に応えてガラ
ス基板の厚みを薄くすると、落下や外押圧ストレスによ
り破損しやすいという問題があり、薄型軽量化には限界
があった。
【0004】これに対して、ガラス基板の代わりにフィ
ルム基板を使用することにより、上記の薄型軽量化によ
る割れの問題は解消されるが、フィルム基板自体は、ガ
ラス基板とは異なり空気中の酸素や水蒸気等を透過しや
すいため、液晶中に気泡が発生して表示欠陥等の不具合
を招来しやすいという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解消
するために、ガスバリアー性の膜を設けたフィルム基板
が開発されている。例えば、高分子フィルム基板の片面
あるいは両面に金属酸化物膜を形成した液晶表示パネル
用フィルム基板が提案されている(特開昭55−105
222号公報)。
【0006】上記の例では、ポリアリレートフィルム、
ポリサルフォンフィルム、トリアセチルセルロースフィ
ルム等の高分子フィルム基板に、金属酸化物膜として、
酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化タン
グステン、酸化ニッケル等の遷移金属酸化物膜、酸化珪
素、酸化ゲルマニウム、酸化スズ、酸化亜鉛等の第4
族、第4B族元素の酸化物膜、酸化インジウム等の第3
B族元素の酸化物膜、および、これら酸化物の複合膜、
多層膜を形成するものである。
【0007】しかしながら、上述の特開昭55−105
222号公報に記載の高分子フィルム基板は、そこそこ
のガスバリアー性を具備するものではあるが、金属酸化
物膜を完全に均一作製することは困難であり、一部に欠
陥を生じやすい。したがって、例えば、携帯電話等の携
帯機器の表示パネルのように高いバリアー性を要求され
る用途においては、バリアー性が不充分であり実用に供
し得ないものである。
【0008】本発明は上述のような実情に鑑みてなされ
たものであり、薄型軽量で表示品質に優れた液晶表示装
置の製造を可能とするフィルム基板を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明のフィルム基板は、光等方性を有する
高分子フィルムと、該高分子フィルムの少なくとも一方
の面に設けられたバリアー層とを備え、該バリアー層は
前記高分子フィルム上に形成された無機酸化物層と該無
機酸化物層上に形成された有機無機複合膜との積層体で
あり、前記有機無機複合膜は、前記無機酸化物層を構成
する無機成分と同系列の無機成分を含有するような構成
とした。
【0010】また、本発明のフィルム基板は、前記無機
酸化物層が珪素酸化物SiOx(1.3≦x≦2.0)
を主体とするような構成とした。また、本発明のフィル
ム基板は、一方の面に透明電極を有するような構成とし
た。
【0011】このような本発明において、無機酸化物層
と有機無機複合膜との積層体からなるバリアー層は、無
機酸化物層に欠陥が存在しても、この欠陥は有機無機複
合膜により補償されるので、極めて高いガスバリアー
性、水蒸気バリアー性をフィルム基板に付与することが
できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0013】図1は本発明のフィルム基板の一実施形態
を示す概略断面図である。図1において、フィルム基板
1は、光等方性を有する高分子フィルム2と、この高分
子フィルムの一方の面に設けられたバリアー層3とを備
えるものである。
【0014】フィルム基板1を構成する高分子フィルム
2としては、必要な機械的強度と可撓性を有する高分子
フィルム、例えば、硬質ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ
塩化ビニリデンフィルム、ポリカーボネートフィルム、
ポリスチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリス
ルホンフィルム、ポリ−4−メチルペンテンフィルム、
ポリフェニレンオキサイドフィルム、ポリエーテルスル
ホンフィルム、ポリアリレートフィルム、アモルファス
ポリオレフィンフィルム、ノルボルネン系ポリマーフィ
ルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体フィルム、セルロースフィルム
(セルローストリアセテート、セルロースジアセテー
ト、セルロースアセテートブチレート等)等が挙げら
れ、これらの単層フィルム、2種以上の多層フィルムを
使用することができる。
【0015】さらに、上記の高分子フィルム2は、光等
方性を有することが必要であり、レターデーション値が
30nm以下、好ましくは20nm以下のフィルムであ
り、かつ、可視光線透過率が75%以上のものが用いら
れる。このような光等方性の高分子フィルム2は、流延
法により製造することができ、また、レターデーション
値および可視光線透過率が上記の条件を満足することが
可能であれば、押出法等の他の成型方法を用いて製造す
ることもできる。この高分子フィルム2の厚みは、例え
ば、30〜500μmの範囲で設定することができる。
【0016】フィルム基板1を構成するバリアー層3
は、高分子フィルム2上に形成された無機酸化物層3a
と、この無機酸化物層3a上に形成された有機無機複合
膜3bとの積層体であり、室温40℃、相対湿度100
%での水蒸気透過度が0.1g/m2・day・atm
以下で、かつ、室温25℃、相対湿度90%での酸素透
過度が0.1cc/m2・day・atm以下のバリア
ー層である。
【0017】バリアー層3の無機酸化物層3aは、珪
素、亜鉛、マグネシウム等の酸化物からなる層とするこ
とができ、透明性、光等方性高分子フィルム2に対する
密着性、無着色性、透明電極材料との密着性、製造コス
ト等を考慮して適宜選択することができるが、特に珪素
酸化物SiOx(透明性の点で1.3≦x≦2.0が好
ましい)を主体とする連続薄膜が好ましい。このような
無機酸化物層3aは、化学気相蒸着(CVD)法、物理
気相蒸着(PVD)法により成膜することができる。
【0018】無機酸化物層3aをCVD法により成膜す
る場合、使用するモノマーガスとしては、1,1,3,3−テ
トラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、
ビニルトリメチルシラン、メチルトリメトキシシラン、
ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラ
ン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラ
ン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチル
トリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキ
サン等を挙げることができ、特に1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサンが好ましく
用いられる。
【0019】CVD法により形成する無機酸化物層3a
の厚みは400Å以下、好ましくは100〜250Å程
度である。
【0020】一方、PVD法により無機酸化物層3aを
形成する場合、蒸着材料として酸化珪素、酸化アルミニ
ウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化
スズ、酸化ジルコニウム、酸化鉄等の金属酸化物を使用
することができ、蒸着方法としては、真空蒸着、イオン
プレーティング、スパッタリング、イオンクラスタビー
ム等が挙げられる。また、蒸着材料の加熱方式として、
抵抗加熱、高周波誘導加熱、エレクトロンビーム(E
B)加熱等が挙げられる。さらに、上記の蒸着材料を直
接加熱して蒸着膜を成膜する他に、加熱蒸発させた蒸着
材料を気相あるいはプラズマ気相中で酸素ガスと反応さ
せる、反応性蒸着法により薄膜を形成してもよい。
【0021】PVD法により形成する無機酸化物層3a
の厚みは、100〜1000Å、好ましくは、200〜
500Å程度である。
【0022】バリアー層3の有機無機複合膜3bは、上
記の無機酸化物層3aを構成する無機成分と同系列の無
機成分を含有するものである。このように、無機酸化物
層3aと有機無機複合膜3bに同系列の無機成分が含有
されることにより、無機酸化物層3aと有機無機複合膜
3bとの密着性が高く、仮に無機酸化物層3aに欠陥が
あっても、この欠陥部位は有機無機複合膜3bにより確
実に埋められて補償される。
【0023】例えば、無機酸化物層3aが珪素酸化物を
主体とする場合、有機無機複合膜3bは、下記の一般式
(1)で表される珪素化合物の加水分解による重縮合物
を少なくとも含む塗料を塗布し成膜した薄膜とすること
ができる。 R′SiR3 … (1) (上記一般式(1)において、R′は加水分解に対して
安定で、熱および/または電離放射線の照射により重合
可能な基、RはOH基および/または加水分解を受けや
すい基)
【0024】上記の一般式(1)の基R′としては、例
えば、下記のエポキシ原子団、炭素二重結合を含む基を
挙げることができる。 ・エポキシ原子団 : グリシジルオキシアルキル基、
特にアルキル部に1〜4個の炭素原子団をもつ基であ
り、特に好ましい例として、γ−グリシジルオキシプロ
ピルが挙げられる。 ・炭素二重結合を含む基 : 選択的に置換したアルケ
ニル基およびアルキニル基であり、例えば、2〜20
個、好ましくは2〜10個の炭素原子、および少なくと
も1つの炭素二重結合をもつ直鎖または環状基で、特に
ビニル、1−および2−プロペニル、ブテニル、イソブ
テニル、スチレルおよびプロパルギルのような低級アル
ケニル基、およびアルキニル基、あるいは、メタクリル
またはアクリル基を含む原子団が特に好ましい。
【0025】また、一般式(1)における基Rは、例え
ば、水素、ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシル、アル
キルカルボニルであり、より具体的には、メトキシ、エ
トキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキ
シ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、イソブト
キシ、β−メトキシエトキシ、アセチルオキシ、プロピ
オニルオキシ、モノメチルアミノ、モノエチルアミノ、
ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N−エチルアニリ
ノ、メチルカルボニル、エチルカルボニル、メトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニル等が挙げられる。一般式
(1)の基Rは、最終生成物の中には存在せず、加水分
解により失われ、その加水分解生成物も、直ちに、ある
いは、後に適当な方法で除去しなけらばならないので、
置換基をもたず、メタノール、エタノール、プロパノー
ルおよびブタノール等の低級アルコール類のような低分
子量の加水分解生成物を生じるような基が好ましい。
【0026】一般式(1)の化合物は、全部またはその
一部を予備縮合の形で、すなわち、一般式(1)の化合
物の部分加水分解により生じた化合物を単独で、また
は、下記のような他の加水分解性化合物と混合して使用
することができる。そのようなオリゴマーは、好ましく
は反応媒体に可溶で、直鎖または環状の縮合度が約2〜
100、特に2〜6である低分子量の部分縮合物(ポリ
オルガノシロキサン)が好ましい。
【0027】一般式(1)の化合物の例としては、γ−
(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、
ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキ
シエトキシ)シラン、γ−グリシジルオキシプロピルト
リメトキシシラン等を挙げることができる。
【0028】また、一般式(1)の化合物は、下記の一
般式(2)で表される化合物と混合し、これらの化合物
を加水分解、好ましくは完全加水分解により、相当する
酸化物の水和物に転換することができる。 MRn … (2) (上記一般式(2)において、Mは珪素、アルミニウ
ム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ホウ素、スズ
から選ばれる金属元素、RはOH基および/または加水
分解を受けやすい基、nは金属元素の価数)
【0029】一般式(2)における基Rは、一般式
(1)における基Rと同一でも異なっていてもよい。ま
た、一般式(2)で示される化合物は、一般式(1)の
珪素化合物と、モル比で1:99〜99:1の割合で混
合させることが可能である。
【0030】バリアー層3を構成する有機無機複合膜3
bには、一般式(1)、(2)で示される化合物の他
に、バインダー成分として、水素結合形成基を有する樹
脂を含むことも可能である。水素結合形成基を有する樹
脂の例としては、ヒドロキシル基を有するポリマーとそ
の誘導体(ポリビニルアルコール、ポリビニルアセター
ル、エチレン−ビニルアルコール共重合体、フェノール
樹脂、メチロールメラミン等とその誘導体);カルボキ
シル基を有するポリマーとその誘導体(ポリ(メタ)ア
クリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の重合性不飽
和酸の単位を含む単独または共重合体と、これらのポリ
マーのエステル化物(酢酸ビニル等のビニルエステル、
メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル等
の単位を含む単独または共重合体)等);エーテル結合
を有するポリマー(ポリアルキレンオキサイド、ポリオ
キシアルキレングリコール、ポリビニルエーテル、珪素
樹脂等);アミド結合を有するポリマー(>N(CO
R)−結合(式中、Rは水素原子、置換基を有していて
もよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール
基を示す)を有するポリオキサゾリンやポリアルキレン
イミンのN−アシル化物);>NC(O)−結合を有す
るポリビニルピロリドンとその誘導体;ウレタン結合を
有するポリウレタン;尿素結合を有するポリマー等を挙
げることができる。
【0031】上記のような水素結合形成基を有する樹脂
は、一般式(1)、(2)で示される化合物100重量
部に対して、1〜1000重量部、好ましくは5〜30
重量部の範囲で使用することができる。
【0032】有機無機複合膜3bを形成するための塗布
液は、従来公知の方法により調製することができる。例
えば、原料をエタノールやプロパノール等の適当な溶剤
に溶解し、それを化学量論的に必要な量の水、好ましく
は1部または数部過剰の水と接触させる。使用する溶剤
は、上記の低級脂肪族アルコールの他に、アセトン、メ
チルイソブチルケトン等の低級ジアルキルケトン類、エ
ステル類、好ましくはジエチルエーテルのような低級ジ
アルキルエーテル、THF、アミド類、エステル類、特
に酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、および、それら
の混合物が挙げられる。
【0033】加水分解は一般に−20〜130℃、好ま
しくは0〜30℃の温度、あるいは、使用する溶剤の沸
点で行う。接触させる方法は、使用する原料の反応性に
応じて適宜設定することができ、例えば、溶解した原料
を水にゆっくり滴下する方法、溶解した原料に水を一度
に、または数回に分けて加える方法等がある。また、水
をそのまま加えるのではなく、水を含む無機系物質(モ
レキュラーシーブ等の水を含む吸着材等)あるいは有機
系物質(80%濃度のエタノール等)を使用して水を反
応混合物に導入することできる。さらに、水が形成され
る反応、例えば、酸とアルコールからエステルを形成す
る反応により水を加えることもできる。
【0034】重縮合は、触媒、例えば、プロトンまたは
ヒドロキシルイオンを放出する化合物、または、アミン
類を加えて行うことができる。触媒濃度は、1リットル
当たり3モル以下が好ましい。原料化合物の全量が加水
分解(重縮合)開示時に存在する必要はなく、原料化合
物の一部だけを最初に水と接触させ、その後、残りの原
料化合物を加えてもよい。
【0035】反応に要する時間が原料化合物、使用する
触媒、反応温度等に応じて適宜設定することができる。
また、反応時の圧力は、通常、大気圧とするが、加圧あ
るいは減圧下としてもよい。
【0036】尚、塗布液に市販の光重合開始剤を添加す
ることにより、電離放射線により硬化可能な塗布液とす
ることができる。また、塗布液に熱反応開始剤(例え
ば、過酸化ジベンゾイル、過安息香酸tert−ブチ
ル、アゾビスイソブチロニトリル等)を添加することに
より、熱硬化可能な塗布液とすることができる。さら
に、塗布液にイオン重合反応を開始する開始剤を添加す
ることもできる。このような反応開始剤を添加する場
合、添加量は0.5〜2重量%程度が好ましい。
【0037】バリアー層3を構成する有機無機複合膜3
bの形成は、上述のように調製した塗布液をディップコ
ート、フローコート、カーテンコート、スピンコート、
スプレイコート、バーコート等により塗布し乾燥、硬化
することにより行うことができる。この有機無機複合膜
3bの厚みは0.01〜1.0μm程度とすることが好
ましい。
【0038】本発明のフィルム基板1は、一方の面に透
明電極を有するものであってもよい。透明電極は、例え
ば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティ
ング方、金属溶射法、金属めっき法等の公知の方法によ
り、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ、酸化亜
鉛等の透明導電性物質をパターン状あるいはベタ状に成
膜(厚さ200〜2000Å)することにより形成する
ことができる。
【0039】また、本発明のフィルム基板1は、一方の
面に偏光板あるいは位相差板を一体に備えるものであっ
てもよい。
【0040】図2は、本発明のフィルム基板を用いた液
晶表示装置の一例を示す概略断面図である。図2におい
て、液晶表示装置11は、フィルム基板1の一方の面に
カラーフィルタ12、透明電極13および配向膜14と
が積層された基板と、フィルム基板1の一方の面にアク
ティブマトリックス層15と配向膜16とが積層された
基板とが、液晶層17を介して対向しており、各基板の
外側には偏光板18,18が配設されて構成されてい
る。上記の両基板は、スペーサ(図中に2点鎖線で示さ
れる)を介して所定の間隔で対向しており、その間に厚
さ約5〜10μm程度の液晶層17が形成されている。
【0041】透明電極13は、例えば、スパッタリング
法、真空蒸着法、CVD法等の公知の方法により、酸化
インジウムスズ(ITO)、酸化スズ、酸化亜鉛等の透
明導電性物質を成膜(厚さ200〜2000Å)するこ
とにより形成される。
【0042】上記のアクティブマトリックス層15は、
複数の透明画素電極が縦横に配列されており、個々の透
明画素電極には、それぞれアモルファスシリコンを用い
た薄膜トランジスタや薄膜ダイオード、あるいはタンタ
ル、酸化タンタルを用いたMIM(金属/絶縁物/金
属)素子といった駆動素子が接続されている。
【0043】液晶層17は、通常の捩れネマティック液
晶の他に、スメクチック液晶、コレステリック液晶も用
いることができる。また、液晶層17は、硬化型あるい
は分散型の公知の高分子分散液晶層としてもよい。
【0044】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。
【0045】フィルム基板の作製 まず、ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製C−1
400、平均分子量37000)を流延法を用いて10
0μm厚の光等方性を有する高分子フィルムとして作製
した。得られた高分子フィルムのレターデーション値
は、波長590nmの測定において14nmであった。
次に、この高分子フィルムの一方の面に、CVD法によ
り下記の条件で厚み120Åの珪素酸化物層(SiOx
(X=1.6))を形成した。尚、珪素酸化物層の厚み
は、蛍光X線分析装置((株)理学電気製RIX200
0)を用いて、ファンダメンタルパラメータ法により測
定した。
【0046】(CVD成膜条件) ・反応ガス混合比(単位=slm):ヘキサメチルジシ
ロキサン/酸素ガス/ヘリウム=1/10/10 ・真空チャンバー内の真空度:5.5×10-6mbar ・蒸着チャンバー内の真空度:6.5×10-2mbar ・冷却電極ドラム供給電力:18kW ・高分子フィルム搬送速度:80m/分
【0047】次に、エチルシリケート25g、エタノー
ル25g、2N塩酸1.86gおよび水1.5gを混合
し、80℃で1時間攪拌した。この混合物において、エ
チルシリケートと水のモル比は1:1.51である。次
いで、エポキシシラン(東レダウコーニング(株)製S
H604)2.5gを加えて攪拌した。この混合物に、
水素結合形成基を有する樹脂としてポリビニルアセター
ル(クラレ(株)製(重合度2000))を10重量%
含む水溶液17.4g加え、1時間攪拌して透明となっ
た時点で、N,N−ジメチルベンジルアミンを35重量
%含むエタノール溶液0.1gを加えて攪拌して有機無
機複合膜用塗布液Aを得た。
【0048】次いで、上記の珪素酸化物層上に有機無機
複合膜用塗布液Aをバーコート法により塗布し乾燥(1
20℃、1時間)して、厚み約0.8μmの有機無機複
合膜を形成した。これにより、珪素酸化物層と有機無機
複合膜との積層体からなるバリアー層を形成して、フィ
ルム基板(実施例)とした。
【0049】比較として、次のようにしてフィルム基板
(比較例1)を作製した。すなわち、実施例にて用いた
のと同様の高分子フィルムの一方の面に、CVD法によ
り下記の条件で厚み120Åの珪素酸化物層(SiOx
(X=1.6))を形成した。尚、珪素酸化物層の厚み
は、蛍光X線分析装置((株)理学電気製RIX200
0)を用いて、ファンダメンタルパラメータ法により測
定した。
【0050】(CVD法成膜条件) ・反応ガス混合比(単位=slm):ヘキサメチルジシ
ロキサン/酸素ガス/ヘリウム=1/3/3 ・真空チャンバー内の真空度:5.5×10-6mbar ・蒸着チャンバー内の真空度:6.5×10-2mbar ・冷却電極ドラム供給電力:18kW ・フィルム搬送速度:110m/分
【0051】さらに、比較として、次のようにしてフィ
ルム基板(比較例1)を作製した。すなわち、まず、実
施例と同様にして高分子フィルム上に珪素酸化物層を形
成した。次いで、アルミニウムイソプロポキシド10g
を80℃の熱水150g中に添加し、3時間加水分解さ
せた後1gの酢酸を加えて解こうしたゾル溶液中に、重
合度2400のポリビニルアルコール(クラレ(株)製
ポバール124)8.0gを溶解して、珪素と別系列の
無機成分であるアルミナを含有する有機無機複合膜用塗
布液Bを調製した。そして、上記の珪素酸化物層上に有
機無機複合膜用塗布液Bをバーコート法により塗布し乾
燥(120℃、1時間)して、厚み約1.0μmの有機
無機複合膜を形成した。これにより、珪素酸化物層と有
機無機複合膜との積層体からなるバリアー層を形成し
て、フィルム基板(比較例2)とした。
【0052】バリアー性の評価 上記のフィルム基板(実施例、比較例1,2)につい
て、下記の方法により酸素透過度および水蒸気透過度を
測定し、結果を下記の表1に示した。
【0053】(酸素透過度)酸素ガス透過度測定装置
(モダンコントロール社製MOCON OX−TRAN
2/20)を用いて、温度25℃、湿度90%RHで測
定した。
【0054】(水蒸気透過度)水蒸気透過度測定装置
(モダンコントロール社製MOCON PERMATR
AN)を用いて、温度40℃、湿度100%RHで測定
した。
【0055】
【表1】 表1に示されるように、本発明のフィルム基板(実施
例)は、極めて高いバリアー性を備えることが確認され
た。これに対して、比較例1,2のフィルム基板は、本
発明のフィルム基板に比べいずれもバリアー性が劣るも
のであった。
【0056】液晶表示装置の作製 上記のフィルム基板(実施例、比較例1,2)を用い
て、以下のように液晶表示装置を作製した。すなわち、
得られた上記フィルム基板(2枚)の片面に1000Å
厚の酸化インジウムスズ(ITO)透明導電膜を低温ス
パッタリング法により成膜し、このITO透明導電膜を
フォトリソグラフィー法により所定のパターンに加工し
て透明電極を形成した。次に、この透明電極に1000
Åで可溶性ポリアミド膜を塗布して120℃で3分間乾
燥し配向膜を形成した。次いで、上記の配向膜を所定方
向にラビング処理した後、一方の基板上にシール剤とし
て所定のギャップ材(例えば、早川ゴム(株)製ハヤビ
ーズL−21S)を入れたエポキシ系接着剤をスクリー
ン印刷し、さらに、上記のギャップ材を基板上へ湿式ス
プレー法により散布し、2枚の基板を対向接着した。上
記のギャップ材からなるスペーサーの散布密度は50〜
400個/mm2とした。次に、真空注入方式で液晶組
成物を封入し、偏光板を貼着して液晶表示装置を完成さ
せた。
【0057】液晶表示装置の評価 上記のように作製した各液晶表示装置について、高湿度
下での耐久性を下記の方法により評価した。その結果、
本発明のフィルム基板(実施例)を用いた液晶表示装置
は、100時間経過後においても画像表示品質が良好で
あった。
【0058】これに対して、比較例1のフィルム基板を
用いた液晶表示装置は、60時間経過したところで表示
欠陥が発生した。
【0059】また、比較例2のフィルム基板を用いた液
晶表示装置は、80時間経過したところで表示欠陥が発
生した。
【0060】(耐久性評価方法)23℃、Rh80%の
雰囲気下で連続的に液晶表示装置の表示を行い、100
時間経過後の画像品質を観察する。
【0061】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば光
等方性を有する高分子フィルムの少なくとも一方の面
に、無機酸化物層と有機無機複合膜との積層体からなる
バリアー層を設けてフィルム基板とし、上記の有機無機
複合膜は無機酸化物層を構成する無機成分と同系列の無
機成分を含有するので、無機酸化物層に欠陥が存在する
場合、この欠陥が有機無機複合膜により解消され、この
ような積層体からなるバリアー層によって、フィルム基
板は極めて高いガスバリアー性、水蒸気バリアー性が付
与され、携帯電話等の携帯機器の表示パネルのように高
いバリアー性が要求される用途に使用されても、液晶中
に気泡が発生して表示欠陥等が発生するといった不具合
を生じることがなく、かつ、可撓性を有し軽量で耐衝撃
性に優れ、薄型軽量で表示品質に優れた液晶表示装置を
可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルム基板の実施形態の一例を示す
概略断面図である。
【図2】本発明のフィルム基板を用いたフィルム液晶表
示装置の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…フィルム基板 2…高分子フィルム 3…バリアー層 3a…無機酸化物層 3b…有機無機複合膜 11…液晶表示装置 12…カラーフィルタ 13…透明電極 15…アクティブマトリックス層 17…液晶層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H089 JA04 QA07 QA16 TA01 TA02 TA14 TA15 UA09 3C059 AA02 AB00 DA01 4F100 AA01C AA17B AA20B AH06 AH08 AK01A AK01C AK45 AK69C AK80C AT00A BA03 BA07 BA10C EH46 EH66 EJ86 GB41 JD02 JK17 JN30A 4G072 AA25 BB09 FF07 GG02 HH29 JJ03 LL03 MM01 NN13 RR03 RR11 UU30

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光等方性を有する高分子フィルムと、該
    高分子フィルムの少なくとも一方の面に設けられたバリ
    アー層とを備え、該バリアー層は前記高分子フィルム上
    に形成された無機酸化物層と該無機酸化物層上に形成さ
    れた有機無機複合膜との積層体であり、前記有機無機複
    合膜は、前記無機酸化物層を構成する無機成分と同系列
    の無機成分を含有するものであることを特徴とするフィ
    ルム基板。
  2. 【請求項2】 前記無機酸化物層は、珪素酸化物SiO
    x(1.3≦x≦2.0)を主体とすることを特徴とす
    る請求項1に記載のフィルム基板。
  3. 【請求項3】 一方の面に透明電極を有することを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載のフィルム基板。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008512273A (ja) * 2004-09-13 2008-04-24 シルク・ディスプレイズ プラスチック基板用の高性能複合体材料
KR100827086B1 (ko) * 2001-10-18 2008-05-02 가부시키가이샤 히타치세이사쿠쇼 표시 소자용 기판 및 그것을 이용한 표시 소자
CN105572970A (zh) * 2016-01-16 2016-05-11 汕头万顺包装材料股份有限公司 增亮阻隔膜及具有该增亮阻隔膜的量子点膜、背光模组

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