JP2005076000A - 透明フィルム、透明導電性フィルム、該透明フィルムを基板とした液晶ディスプレイ、有機elディスプレイ、タッチパネルおよびそれらの製造方法 - Google Patents

透明フィルム、透明導電性フィルム、該透明フィルムを基板とした液晶ディスプレイ、有機elディスプレイ、タッチパネルおよびそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 透明性、耐熱性が高く、複屈折が少なく、複屈折の波長分散が正であって、線膨張率が小さい透明フィルムを提供すること、更には透明性が高く、透湿度が低い防湿膜、透明性が高く、比抵抗が低く均質な透明導電膜を設け、画像の歪み・色ずれの少ない液晶ディスプレイ、タッチパネル、また発光輝度の高い有機ELディスプレイを提供する。
【解決手段】 セルロースエステルと、該セルロースエステルの残留水酸基との反応性基を有する反応性高分子化合物との、ポリマーアロイを含有することを特徴とする透明フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透明フィルム、透明導電性フィルム、該透明フィルムを基板とした液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、タッチパネルおよびそれらの製造方法に関する。
従来、液晶表示素子、有機EL表示素子、プラズマディスプレイ、電子ペーパー等の電子ディスプレイ素子用基板、あるいはCCD、CMOSセンサー等の電子光学素子用基板、あるいは太陽電池用基板としては、熱安定性、透明性の高さ、水蒸気透過性の低さからガラス基板が用いられてきた。しかし、最近携帯電話あるいは携帯用の情報端末の普及に伴い、それらの基板用として割れやすく比較的重いガラスに対し屈曲性に富み割れにくく軽量な基板が求められるようになった。
そこでポリエーテルスルホン、ポリカーボネートあるいは、ポリエーテルスルホンとアクリル系基板を張り合わせた透明フィルムをプラスチック基板として使うことが提案され(例えば、特許文献1参照)、一部で採用されるようになったが、耐熱性が十分ではなかったり、価格が高価であったり、透過率や複屈折等の光学的性質が充分でない等の理由で普及の妨げになっていた。
そこで、安価で汎用的な樹脂を架橋することで耐熱性を改良した透明基板材料として、アクリレート系架橋樹脂(例えば、特許文献2参照)や、マレイミド系架橋樹脂(例えば、特許文献3参照)、α−メチルスチレン系架橋樹脂(例えば、特許文献4参照)、ポリカーボネイト系架橋樹脂(例えば、特許文献5参照)、エポキシ系架橋樹脂(例えば、特許文献6参照)などが提案されている。しかし、架橋することによって耐熱性を向上することができても、固く脆い樹脂になってしまうという問題があった。
一方、STN、VAあるいはIPSモードの液晶パネルは、複屈折を利用した表示方法を採用しているが、可視光の全波長域で偏光の補償をするためには基板樹脂の複屈折の波長分散が正分散であることが好ましいが、このような複屈折の波長分散が正である耐熱性樹脂はなく、改善が求められていた。
また、プラスチック基板は一般的に、ガラス基板と比べて透湿性が高く、ガラスの代替材料としてそのまま電子機器に使用するには不十分である。そこで、プラスチック基板の水分の透過を抑制する層(防湿膜)を設けることが知られており、そのような層としては、酸化ケイ素膜、窒化ケイ素膜、酸窒化ケイ素膜などが知られている。
また透明導電膜としては酸化インジウムにスズをドーピングして得られるITO膜、酸化錫にフッ素をドーピングして得られるFTO膜、In23−ZnO系アモルファスからなるIZO膜等が挙げられる。
上記透湿性を抑制する酸化珪素膜やITO等の透明導電膜は、金属酸化物層であり、これらは通常、真空蒸着、スパッタリング等で形成されているが、これらの形成方法では装置が複雑かつ大掛かりであり、酸化珪素膜や透明導電膜のような機能性薄膜の付与は高価なものとなっていた。
また、これらの機能性薄膜をプラスチック基板上に設けるにあたり、一般にプラスチック基板はガラスと比べて線膨張率が大きいという欠点があり、機能性薄膜の形成時の昇温・冷却によってプラスチック基板は伸縮し、機能性薄膜にひびが入ったり、ディスプレイの画素を形成する際に画素の高精細化が難しいという課題があり、改善が求められていた。
特開平5−142525号公報 特開平10−71667号公報 特開平5−209067号公報 特開平8−15682号公報 特開2002−173529号公報 特開2001−59015号公報
従って、本発明の第一の目的は、液晶ディスプレイ用、有機ELディスプレイ用、またはタッチパネル用に、透明性、耐熱性が高く、複屈折が少なく、複屈折の波長分散が正であって、線膨張率が小さい透明フィルムを提供することであり、
本発明の第二の目的は、透明性が高く、透湿度が低い防湿膜、透明性が高く、比抵抗が低く均質な透明導電膜を簡便なプロセスによって設けることであり、
本発明の第三の目的は、画像の歪み・色ずれの少ない液晶ディスプレイ、タッチパネル、また発光輝度の高い有機ELディスプレイを提供することである。
本発明者は、高分子架橋剤による架橋によって、化学的な反応によって生成する化学架橋点だけでなく、高分子鎖の絡まりあいによる物理架橋点も生成し、かつより多くのセルロースエステルと結合できるために、得られるポリマーアロイのガラス転移温度を向上させ、かつ線膨張率を下げることができるという、驚くべき効果を発見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の上記目的は、下記の構成によって達成される。
(請求項1)
セルロースエステルと、該セルロースエステルの残留水酸基との反応性基を有する反応性高分子化合物との、ポリマーアロイを含有することを特徴とする透明フィルム。
(請求項2)
前記セルロースエステルと、前記セルロースエステルの残留水酸基との反応性基を有する反応性高分子化合物とが、互いに反応して架橋されていることを特徴とする請求項1に記載の透明フィルム。
(請求項3)
前記反応性高分子化合物が、架橋ポリマーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明フィルム。
(請求項4)
前記反応性高分子化合物が、複数の重合性不飽和二重結合を有する低分子化合物(B)と、水酸基と反応し得る基と重合性不飽和二重結合とを有する低分子化合物(A)とを、架橋重合させた架橋ポリマーであることを特徴とする請求項3に記載の透明フィルム。
(請求項5)
前記低分子化合物(B)が、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルであることを特徴とする請求項4に記載の透明フィルム。
(請求項6)
前記透明フィルムに対する前記反応性高分子化合物の含有率が、5〜50質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明フィルム。
(請求項7)
MD方向・TD方向にそれぞれ二軸延伸されていることを特徴とする請求項1〜6に記載の透明フィルム。
(請求項8)
前記透明フィルムを法線方向から見たときの波長分散特性が、波長590nmでの面内リタデーション値をR0(590)、波長480nmでの面内リタデーション値をR0(480)としたとき、その比〔R0(480)/R0(590)〕が0.8乃至1.0であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の透明フィルム。
(請求項9)
請求項1〜8のいずれか1項に記載の透明フィルムの少なくとも一方の面に、金属酸化物または金属窒化物を含有する防湿膜が設けられ、さらにこの防湿膜上、または防湿膜と反対側の面に透明導電膜が設けられていることを特徴とする透明導電性フィルム。
(請求項10)
前記防湿膜が主として酸化ケイ素から構成されていることを特徴とする請求項9に記載の透明導電性フィルム。
(請求項11)
請求項9又は10に記載の透明導電性フィルムを基板として用いることを特徴とする液晶ディスプレイ。
(請求項12)
請求項9又は10に記載の透明導電性フィルムを基板として用いることを特徴とする有機ELディスプレイ。
(請求項13)
請求項9又は10に記載の透明導電性フィルムを基板として用いることを特徴とするタッチパネル。
(請求項14)
請求項1〜8のいずれか1項に記載の透明フィルムを、溶剤キャスト法で製造することを特徴とする透明フィルムの製造方法。
(請求項15)
請求項4又は5に記載の透明フィルムの製造方法において、複数の重合性不飽和二重結合を有する低分子化合物を架橋する手段が、エネルギー線の照射であることを特徴とする透明フィルムの製造方法。
(請求項16)
前記エネルギー線が、紫外線であることを特徴とする請求項15に記載の透明フィルムの製造方法。
(請求項17)
請求項9又は10に記載の透明導電性フィルムの製造方法であって、防湿膜および透明導電膜のいずれの層も、大気圧または大気圧近傍の圧力下において、対向する電極間に、100KHz〜150MHzの高周波電圧で、かつ、1W/cm2〜50W/cm2の電力を供給し放電させることにより、反応性ガスをプラズマ状態とし、前記プラズマ状態の反応性ガスに透明フィルムを晒すことによって形成することを特徴とする透明導電性フィルムの製造方法。
本発明によれば複屈折が小さく波長分散特性が正分散であって、ガラス転移温度が高く、また線膨張率の低い液晶ディスプレイ用、有機ELディスプレイ用、またはタッチパネル用基板フィルムを提供することができた。
また、本発明の基板フィルム上に防湿膜を設けることで、基板フィルムの透湿度を下げることができた。
また、防湿膜を付与した本発明の基板フィルム上には、透明度が高く比抵抗の低い透明導電膜を、むらなく均一に設けることができた。
さらに、本発明の基板フィルム上に設ける防湿膜、透明導電膜を大気圧プラズマ処理により成膜することで、高い品質・生産性で透明導電性フィルムを製造することが可能となった。
その結果、良質な液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、タッチパネル等を作製することができた。
以下、本発明を詳細に説明する。
〈セルロースエステル〉
本発明のポリマーアロイフィルムに用いる一方のポリマーとしては、高い透明性、低複屈折、複屈折の波長分散特性が正である、セルロースエステルが用いられる。
本発明において透明であるとは、フィルムの全光透過率が50%以上であるものをいう。しかし一般に光学用途に用いられる透明フィルムとしては、全光透過率が80%以上のものが好ましく、より好ましくは90%以上のフィルムである。
また、波長分散特性が正であるとは、例えば、波長590nmにおける面内リターデーション値R(590)を波長480nmにおける面内リターデーション値R(480)で除した値が1より大きいことをいう。波長590nmにおける面内リターデーション値R(590)及び波長480nmにおける面内リターデーション値R(480)は、該高分子化合物を可溶な溶媒(例えば、アセトン、1,3−ジオキソラン、塩化メチレン及びこれらの混合溶媒)に溶解し、ガラス板上にフィルム厚みが100μmになるように流延し乾燥させたフィルムを作製し、波長590nmにおける面内リターデーション値R(590)と波長480nmにおける面内リターデーション値R(480)を測定することで得られる。
複屈折の波長分散特性が正である基板フィルムにおいては、可視光の全波長領域で偏光の補償が可能であり、複屈折を利用した表示方法を採用している液晶パネルにおいては色ずれを防ぐことができ、また、有機EL表示素子においては良好なコントラストを得ることができる。
本発明に用いられるセルロースエステルとしては、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース(DAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート、硝酸セルロース等のセルロースエステル類が挙げられる。
上記セルロースエステルであれば本発明の透明フィルムには好ましく用いられるが、より好ましくは、セルロースエステルの置換度を、酢酸による置換度をXとして表した場合に、下記の式(1)を満たすセルロースエステルである。
式(1) 2.0<X≦2.9
これはXが2.0以上2.9以下の範囲のものが樹脂の溶解性が高く、高濃度のドープ(溶媒に樹脂を溶かした溶解液を以後ドープと呼ぶ)を作製でき、製膜・乾燥時により有利だからである。
セルロースを形成するグルコースユニットは、結合できる3つの水酸基を有しており、例えば、セルローストリアセテートにおいて、グルコースユニットの3個の水酸基全てがアセチル基に結合している場合には、アセチル基による置換度は3.0である。これらアシル基の置換度の測定方法は、ASTM−D817−96に準じて測定することができる。
本発明に用いられるセルロースエステルの原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることが出来る。また、これらから得られたセルロース誘導体は、それぞれを単独であるいは任意の割合で混合使用することが出来るが、綿花リンターを50質量%以上使用することが好ましい。
セルロースエステルフィルムの分子量が大きいと弾性率が大きくなるが、分子量を挙げすぎるとセルロースエステルの溶解液の粘度が高くなりすぎるため生産性が低下する。セルロースエステルの分子量は数平均分子量(Mn)で70,000〜200,000のものが好ましく、100,000〜200,000のものが更に好ましい。本発明で用いられるセルロースエステルはMw/Mn比が3.0未満であるが、好ましくは1.4〜2.3である。
セルロースエステルの平均分子量及び分子量分布は、高速液体クロマトグラフィーを用い測定できるので、これを用いて数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を算出し、その比を計算することができる。
測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
〈セルロースエステルの残留水酸基との反応性基を有する反応性高分子化合物〉
本発明のポリマーアロイに用いる、もう一方の高分子化合物としては、セルロースエステルの残留水酸基と反応して結合する反応性基を有する反応性高分子化合物が好ましい。
セルロースエステルの残留水酸基との反応性基としては、例えば、酸無水物残基、イソシアナート基、チオイソシアナート基、エポキシ基、アルデヒド基などがあるが、酸無水物残基、イソシアナート基が好ましい。これらの反応性基は、高分子鎖に複数あれば、高分子鎖中にランダムに置換されていても、規則的な炭素数ごとに置換されていても、また両端だけに置換されていても良い。
また、セルロースエステルの残留水酸基と反応する前段階においても、ヘイズを発生させずにセルロースエステルと相溶するように、セルロースエステルと水素結合などによって相互作用可能である官能基を有していることが好ましい。このような官能基としては、水酸基、エーテル基、カルボニル基、エステル基、カルボン酸残基、アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、シアノ基、ニトロ基、スルホニル基、スルホン酸残基、ホスホニル基、ホスホン酸残基等が挙げられるが、好ましくはカルボニル基、エステル基、エーテル基である。
このような高分子化合物としては、例えば、エチレン−無水マレイン酸共重合体、プロピレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体、メタクリル酸−無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、などが挙げられる。
また、セルロースエステルの残留水酸基との反応性基を有する反応性高分子化合物としては、線形高分子であっても架橋高分子であっても構わないが、耐熱性の観点から架橋高分子が好ましい。
しかし一般に架橋高分子は溶解性に乏しく、有機溶媒に溶解することが困難であるため、架橋ポリマーのモノマーまたはプレポリマーをセルロースエステル中に分散後に、加熱あるいはエネルギー線を照射して重合することによって、セルロースエステルとのポリマーアロイを得ても良い。
このような架橋ポリマーとしては、特に限定はないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、架橋ビニルポリマー、ポリシアヌレートなどが挙げられるが、好ましくは透過率が高く、高耐熱性である、架橋ビニルポリマーが好ましく用いられる。架橋ビニルポリマーは、複数の重合性不飽和二重結合を有する低分子化合物(B)と、水酸基との反応性基と重合性不飽和二重結合とを有する低分子化合物(A)とを、加熱あるいはエネルギー線を照射して重合させることによって得られる。
本発明において低分子化合物とは、分子量が1000未満で、それ単体ではフィルムとして成膜できない化合物である。また高分子化合物は、分子量が1000以上のものと定義する。
本発明に用いられる重合性不飽和二重結合を有する化合物しては、例えば、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、アクリル酸残基、メタクリル酸残基等の不飽和脂肪酸残基等を有する低分子化合物が挙げられる。
本発明に用いられる重合性不飽和二重結合を有する化合物しては特に限定はないが、重合前の混合段階でフィルムにヘイズを発生させたりブリードアウト、揮発せず相溶するように、セルロース誘導体と水素結合などによって相互作用可能である官能基を有していることが好ましい。
このような官能基としては、水酸基、エーテル基、カルボニル基、エステル基、カルボン酸残基、アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、シアノ基、ニトロ基、スルホニル基、スルホン酸残基、ホスホニル基、ホスホン酸残基等が挙げられるが、好ましくはカルボニル基、エステル基、エーテル基である。
このような官能基を有し、かつ同時に重合性不飽和二重結合を有する官能基として、アクリル酸、メタクリル酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸残基を有する低分子化合物が好ましく用いられる。
また、重合速度の速いものが好ましく、エネルギー線硬化可能なものが好ましいため、アクリル系および/またはメタクリル系〔これを(メタ)アクリル系と記述する。(メタ)アクリル基、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイル等についても同様である〕の低分子化合物、即ち(メタ)アクリロイル基含有のものが好ましい。
このような条件を満たす重合性不飽和二重結合を有する低分子化合物として、(メタ)アクリル酸と多価のアルコールとのエステル類が好ましく用いられる。
本発明に用いられる多価アルコールは次の一般式(2)で表される。
一般式(2) R1−(OH)n
(ただし、R1はn価の有機基、nは2以上の正の整数、OH基はアルコール性、及び/またはフェノール性水酸基を表す)
好ましい多価アルコールの例としては、例えば以下のようなものをあげることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。アドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等を挙げることができる。特に、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールが好ましい。
多価アルコールエステルに用いられる不飽和カルボン酸は1種類でもよいし、2種以上の混合であってもよい。また、多価アルコール中のOH基は、全てエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。
以下に、多価アルコール不飽和カルボン酸エステルの具体的化合物を示す。
Figure 2005076000
Figure 2005076000
Figure 2005076000
Figure 2005076000
またこれら以外にも、複数の重合性不飽和二重結合を有する低分子化合物として、以下に挙げるような化合物も好ましく用いることができる。
例えば、ジビニルスルホン、ジビニルベンゼン、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、ジアリルアミン、ジアリルスルフィド、ジアリルジスルフィド、ジアリルフタレート、トリアリールトリアジン−2,4,6(1H、3H、5H)−トリオン、N,N′−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N′−1,4−フェニレンジマレイミド、(3−アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリフェニルシラン、(5−ビシクロヘプテニル)トリエトキシシラン、ボロンビニルジメチルシロキシド、ブテニルトリエトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、ジビニルテトラメチルジシラン、1,3−ジアリルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,3−ジフェニル−1,3−ジメチルジシロキサン、ヘキサビニルジシロキサン、メタクリロキシエトキシトリメチルシラン、メタクリロキシプロピルヘプタシクロペンチル−T8−シルセスキオキサン、オクタビニル−T8−シルセスキオキサン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン、スチリルエチルトリメトキシシラン、テトラアリルシラン、テトラアリロキシシラン、テトラキス(2−メタクリロキシエトキシ)シラン、テトラキス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、1,1,3,3−テトラビニルジメチルジシロキサン、テトラビニルシラン、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリビニルエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、1−フェニル−1−トリメチルシロキシエチレン、2−トリメチルシロキシ−4−アリロキシジフェニルケトン、トリス(ビニルジメチルシロキシ)メチルシラン、トリビニルエトキシシラン、トリビニルメチルシラン、トリビニルシラン、1,3,5−トリビニル−1,3,5−トリメチルシクロトリシラザン、1,3,5−トリビニル−1,1,3,3,5,5−ペンタメチルトリシロキサン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アクリル酸アルミニウム、メタクリルオキシトリ−n−ブチルすず、テトラアリルすず、ホウ素ビニルジメチルシロキサイド、チタンアリルアセトアセテートトリイソプロポキサイド、チタンメタクリレートイソプロポキサイド、ジルコニウムジメタクリレートジブトキサイド、ジルコニウムメタクリルオキシエチルアセトアセテートトリ−n−プロポキサイド、銅(II)メタクリルオキシエチルアセトアセテート、エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、ポリエステル樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、ポリエーテル樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、ポリブタジエン樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリウレタン樹脂等のオリゴマー、等を挙げることができる。
これらの重合性不飽和二重結合を有する低分子化合物は、単独あるいは2種以上混合して用いることができる。また、不飽和二重結合基を1つ有する化合物を架橋ポリマーの構造中に含んでも良いが、架橋ポリマーの耐熱性を保つためには、架橋ポリマーの50質量%以上は、複数の不飽和二重結合基を有する化合物からなることが好ましい。
また、水酸基との反応性基と重合性不飽和二重結合とを有する低分子化合物としては、例えば、無水マレイン酸、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、アリル無水コハク酸、デセニル無水コハク酸、2−イソシアナートエチルメタクリル酸、メタクリル酸グリシジル、などが挙げられる。
また、セルロースエステルの残留水酸基との反応性基を有する反応性高分子化合物の含有率としては、透明フィルムの全質量に対して、5〜50質量%が好ましい。反応性基を有する反応性高分子化合物の添加量が5質量%より少ないと、架橋による耐熱性向上の効果が認められず、高温加熱時に流動しやすくなるため好ましくない。一方、50質量%を越えると、セルロースエステルの特徴である、正の複屈折の波長分散特性が失われてしまうことがあるため、好ましくない。また、ヘイズも発生しやすくなり好ましくない。
〈エネルギー線、開始剤〉
本発明のポリマーアロイである透明フィルムにおいて、セルロースエステル中に分散された重合性不飽和二重結合を有する低分子化合物を架橋重合させる方法は、任意であり、例えば、加熱、エネルギー線照射等により架橋重合させることができるが、重合速度が速いことや、セルロース誘導体を有機溶剤に溶解する時に熱をかけることがあるため、エネルギー線照射による架橋重合が好ましい。
エネルギー線としては、例えば、電子線、γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線等を用いることができ、中でも装置および取扱いの簡便さから紫外線を用いることが好ましい。照射する紫外線の強度は、0.1〜5000mW/cm2の範囲が好ましく、10〜1000mW/cm2の範囲が更に好ましい。その照射時間も任意であるが、一般に0.1〜100秒程度が好ましい。また、エネルギー線として紫外線や可視光線を用いる場合には、重合速度を速める目的で、光重合開始剤を含有させることも好ましい。更に、紫外線の照射を不活性ガス雰囲気下で行うことによって、重合速度を速め、かつ重合度を上げることが可能である。
このような好ましい光重合開始剤としては、ベンゾイン誘導体、イルガキュア651のようなベンジルケタール誘導体、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)のようなα−ヒドロキシアセトフェノン誘導体、イルガキュア907のようなα−アミノアセトフェノン誘導体などが挙げられる。
また、電子線も本発明に用いることのできる好ましいエネルギー線である。電子線を用いると、溶剤、凝固液、その他の添加剤などの柴外線吸収の影響を受けないため、これらの選択の幅が広がると共に、製膜速度も向上する。なお、加熱により架橋重合させる場合においても、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)や過酸化ベンゾイル(BPO)のような、重合開始剤を添加することが好ましい。
〈溶剤〉
本発明の、セルロースエステルおよびセルロースエステルの残留水酸基との反応性基を有する反応性高分子化合物、またそのモノマーである重合性不飽和二重結合を有する低分子化合物、水酸基と反応して結合する反応性基と重合性不飽和二重結合とを有する低分子化合物は、共に溶剤に溶解され、基材上に流延しフィルムを形成させる際に押し出しあるいは流延後に溶剤を蒸発させるという溶剤キャスト法で成膜することが好ましいため、揮発性の溶媒が好ましく、かつ、触媒や重合性不飽和二重結合を含む化合物等と反応せず、しかも流延用基材を溶解しないものであり、2種以上の溶媒を混合して用いても良い。また、セルロースエステルとセルロースエステルの残留水酸基との反応性基を有する高分子を各々別の溶媒に溶解した後に混合しても良い。
ここで、以下、上記セルロース誘導体に対して良好な溶解性を有する有機溶媒を良溶媒といい、また溶解に主たる効果を示し、その中で大量に使用する有機溶媒を主(有機)溶媒または主たる(有機)溶媒という。
良溶媒の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ぎ酸メチル、ぎ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、γ−ブチロラクトン等のエステル類の他、メチルセロソルブ、ジメチルイミダゾリノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルフォキシド、スルホラン、ニトロエタン、塩化メチレンなどが挙げられるが、1,3−ジオキソラン、THF、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸メチルおよび塩化メチレンが好ましい。
ドープには、上記有機溶媒の他に、炭素原子数1〜4のアルコールを1〜40質量%含有させることが好ましい。これらは、ドープを金属支持体に流延した後、溶媒が蒸発し始めてアルコールの比率が多くなることでウェブ(支持体上にセルロース誘導体のドープを流延した以降のドープ膜の呼び方をウェブとする)をゲル化させ、ウェブを丈夫にし金属支持体から剥離することを容易にするゲル化溶媒として用いられたり、これらの割合が少ない時は非塩素系有機溶媒のセルロース誘導体の溶解を促進したりする役割もあるし、反応性高分子化合物のゲル化、析出、粘度上昇を抑える役割もある。
炭素原子数1〜4のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルを挙げることが出来る。これらのうち、ドープの安定性に優れ、沸点も比較的低く、乾燥性も良く、且つ毒性がないこと等からエタノールが好ましい。これらの有機溶媒は、単独ではセルロース誘導体に対して溶解性を有しておらず、貧溶媒という。
このような条件を満たし好ましい高分子化合物であるセルロース誘導体を高濃度に溶解する溶剤として最も好ましい溶剤は塩化メチレン:エチルアルコールの比が95:5〜80:20の混合溶剤である。
〈添加剤〉
本発明におけるポリマーアロイフィルムには、例えば、特開2002−62430号などに記載されているような、フィルムに加工性・柔軟性・防湿性を付与する可塑剤、紫外線吸収機能を付与する紫外線吸収剤、フィルムの劣化を防止する酸化防止剤、フィルムに滑り性を付与する微粒子(マット剤)、フィルムのリタデーションを調整するリタデーション調製剤等を含有させても良いが、これらの低分子化合物の添加は得られる透明フィルムのガラス転移温度を下げるため、必要がなければ添加しないことが好ましい。
また、これらの添加剤も重合性不飽和二重結合を有する官能基によって置換し、重合性不飽和二重結合を有する低分子化合物とともに共重合させてもよい。
〈製膜〉
以下、本発明に係わるポリマーアロイフィルムの製膜方法について述べる。ポリマーアロイフィルムは溶液流延製膜方法により作製できる。
1)溶解工程
はじめにセルロースエステル、セルロースエステルの残留水酸基との反応性基を有する反応性高分子化合物、あるいはそのモノマー、プレポリマーを含むドープの作製法から説明する。
セルロースエステル、セルロースエステルの残留水酸基との反応性基を有する反応性高分子化合物、あるいはそのモノマー、プレポリマーに対して良溶媒である有機溶媒を主として、溶解釜中で該セルロースエステル、セルロースエステルの留水酸基との反応性基を有する反応性高分子化合物、あるいはそのモノマーやプレポリマー、添加剤を攪拌しながら溶解しドープを形成する。
セルロースエステルの溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、特開平9−95544号公報、特開平9−95557号公報、または特開平9−95538号公報に記載の如き冷却溶解法で行う方法、特開平11−21379号公報に記載の如き高圧で行う方法等種々の溶解方法を用いることが出来るが、特に主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法が好ましい。
ドープ中のセルロースエステル、セルロースエステルの残留水酸基との反応性基を有する反応性高分子化合物を併せた固形分濃度は10〜35質量%が好ましい。溶解中または後のドープに添加剤を加えて溶解及び分散した後、濾材で濾過し、脱泡して送液ポンプで次工程に送る。
2)流延工程
ドープを送液ポンプ(例えば、加圧型定量ギヤポンプ)を通して加圧ダイに送液し、無限に移送する無端の金属ベルト、例えばステンレスベルト、あるいは回転する金属ドラム等の金属支持体上の流延位置に、加圧ダイスリットからドープを流延する工程である。
ダイの口金部分のスリット形状を調整出来、膜厚を均一にし易い加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があるが、何れも好ましく用いられる。金属支持体の表面は鏡面となっている。製膜速度を上げるために加圧ダイを金属支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割して重層してもよい。あるいは複数のドープを同時に流延する共流延法によって積層構造のポリマーアロイフィルムを得ることが好ましい。
3)溶媒蒸発工程
ウェブを金属支持体上で加熱し、金属支持体からウェブが剥離可能になるまで溶媒を蒸発させる工程である。
溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法及び/または金属支持体の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があるが、裏面液体伝熱の方法が乾燥効率がよく好ましい。またそれらを組み合わせる方法も好ましい。裏面液体伝熱の場合は、ドープ使用有機溶媒の主溶媒または最も低い沸点を有する有機溶媒の沸点以下で加熱するのが好ましい。
4)剥離工程
金属支持体上で溶媒が蒸発したウェブを、剥離位置で剥離する工程である。剥離されたウェブは次工程に送られる。なお、剥離する時点でのウェブの残留溶媒量(下記式)があまり大き過ぎると剥離し難かったり、逆に金属支持体上で充分に乾燥させ過ぎてから剥離すると、途中でウェブの一部が剥がれたりする。
ここで、製膜速度を上げる方法(残留溶媒量が出来るだけ多いうちに剥離することで製膜速度を上げることが出来る)としてゲル流延法(ゲルキャスティング)がある。例えば、ドープ中にセルロース誘導体に対する貧溶媒を加えて、ドープ流延後、ゲル化する方法、金属支持体の温度を低めてゲル化する方法等がある。金属支持体上でゲル化させ剥離時の膜の強度を上げておくことによって、剥離を早め製膜速度を上げることが出来るのである。
金属支持体上でのウェブの乾燥が条件の強弱、金属支持体の長さ等により5〜150質量%の範囲で剥離することが好ましいが、残留溶媒量がより多い時点で剥離する場合、ウェブが柔らか過ぎると剥離時平面性を損なったり、剥離張力によるツレや縦スジが発生し易いため、経済速度と品質との兼ね合いで剥離時の残留溶媒量が決められる。本発明においては、該金属支持体上の剥離位置における温度を10〜40℃とするのが好ましく、15〜30℃とするのがより好ましい。
また、該剥離位置におけるウェブの残留溶媒量を10〜120質量%とすることが好ましい。
残留溶媒量は下記の式で表すことが出来る。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはウェブの任意時点での質量、Nは質量Mのものを110℃で3時間乾燥させた時の質量である。
5)乾燥及び延伸工程
剥離後、ウェブを乾燥装置内に複数配置したロールに交互に通して搬送する乾燥装置、及び/またはクリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター装置を用いて、ウェブを乾燥する。
本発明においては、ポリマーアロイフィルムを幅手方向に対して延伸する方法として、テンター装置を用いて延伸することが好ましい。更に好ましくは縦及び横方向に2軸延伸されたものである。延伸倍率は目的の光学特性(Ro、Rt)、線膨張率などに応じて設定される。
乾燥の手段はウェブの両面に熱風を吹かせるのが一般的であるが、風の代わりにマイクロウエーブを当てて加熱する手段もある。あまり急激な乾燥は出来上がりのフィルムの平面性を損ね易い。全体を通して、通常乾燥温度は40〜250℃の範囲で行われる。使用する溶媒によって、乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間が異なり、使用溶媒の種類、組合せに応じて乾燥条件を適宜選べばよい。
フィルムの厚さは特に限定されないが、例えば、10μm〜1mm程度のもの等任意の厚さのフィルムを作製することができる。好ましくは乾燥、延伸等の処理が終わった後の膜厚で10μm〜500μmが好ましく、特に30〜200μmが好ましい。
〈防湿膜〉
本発明のポリマーアロイフィルムには、水蒸気透過性の低減を目的とした、金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物、金属炭化物等の皮膜を、防湿膜として基板の少なくとも一方の面に形成してよい。これらは積層されていても良いし、両面に形成されていても良い。
こうした膜に使用される金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物、金属炭化物としてはケイ素、ジルコニウム、チタン、タングステン、タンタル、アルミニウム、亜鉛、インジウム、クロム、バナジウム、スズ、ニオブから選ばれる1種類以上の元素の酸化物あるいは窒化物、酸窒化物が挙げられ、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化ケイ素が好ましいが、特に好ましくは酸化ケイ素が主たる成分である金属酸化物膜である。主たる成分であるとは、防湿膜の成分内の比率が80質量%以上であることをいう。
金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物、金属炭化物は例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によって製膜することができるが、後述する大気圧プラズマ放電処理方法が好ましい方法である。
また、J.Sol−Gel Sci.Tech.,p141〜146(1998)に開示されているように、金属酸化物や金属窒化物、金属酸窒化物の薄膜はひび割れやすく、割れたクラックから水蒸気がもれてしまうため、金属酸化物や金属窒化物、金属酸窒化物の防湿膜の上に各種コーティング材を塗布することで前記クラックを封止し、一層の透湿度の低減をはかることもできる。
〈透明導電膜〉
次に透明導電膜について説明する。
本発明において、透明導電膜とは、一般に工業材料としてよく知られているものであり、可視光(400〜700nm)をほとんど吸収せず透明で、しかも良導体の膜のことである。電気を運ぶ自由荷電体の透過特性が可視光域で高く、透明であり、しかも電気伝導性が高いため、有機EL表示装置等の透明電極として用いられる。本発明のように、透明導電膜を有機EL表示装置用として使用する場合には、透明導電膜の膜厚を約100〜140nmとすることが好ましい。
透明導電膜としては、SnO2、In23、CdO、ZnO2、SnO2:Sb、SnO2:F、ZnO:AL、In23:Snなどの金属酸化物膜及びドーパントによる複合酸化物膜がある。
ドーパントによる複合酸化物膜としては、例えば、酸化インジウムにスズをドーピングして得られるITO膜、酸化錫にフッ素をドーピングして得られるFTO膜、In23−ZnO系アモルファスからなるIZO膜等が挙げられる。
このような透明導電膜は、例えば、塗布に代表される湿式成膜法や、あるいは、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の真空を用いた乾式成膜法で形成されても良いが、本発明の導電性フィルム上に透明導電膜を形成する手段としては、製膜プロセスが簡便な大気圧プラズマ放電処理方法が好ましい方法である。
〈大気圧プラズマ処理〉
大気圧プラズマ処理とは、大気圧または大気圧近傍の圧力下において、対向する電極間に電界を発生させることで、電極間にある反応性ガスをプラズマ状態とし、このプラズマ状態となった反応性ガスに基材を晒すことによって基材上に膜を形成する方法である。
本発明において、大気圧近傍とは、20kPa〜110kPaの圧力を表すが、本発明に記載の効果を好ましく得るためには、93kPa〜104kPaが好ましい。
本発明の、透明導電膜を形成する大気圧プラズマ処理による装置及び方法についてその一例を説明する。
〈大気圧プラズマ放電処理装置〉
大気圧プラズマ放電処理装置は、アース電極であるロール電極と、対向する位置に配置された印加電極である複数の固定電極を有し、これらの電極の間で放電させ、当該電極間に導入した希ガスと反応性ガスを含有する反応ガスをプラズマ状態とし、該ロール電極に巻回されながら移送する基材フィルムを該プラズマ状態の反応ガスに晒すことによって、該フィルムの上に防湿膜や導電膜等の薄膜を形成する。
他の方式としては、基材フィルムを電極間ではない電極近傍に配置あるいは移送させ、発生したプラズマを基材フィルム上に吹き付けて薄膜形成を行うジェット方式がある。
図1は、本発明に係る大気圧もしくはその近傍の圧力下でのプラズマ放電処理装置の一例を示す図である。図1はプラズマ放電処理装置30、ガス充填手段50、電圧印加手段40、及び電極温度調節手段60から構成されている。ロール回転電極35と角筒型固定電極群36として、基材フィルムFをプラズマ放電処理するものである。基材フィルムFは図示されていない元巻きから巻きほぐされて搬送して来るか、または前工程から搬送されて来てガイドロール64を経てニップロール65で基材フィルムに同伴して来る空気等を遮断し、ロール回転電極35に接触したまま巻き回されながら角筒型固定電極群36との間を移送され、ニップロール66、ガイドロール67を経て、図示してない巻き取り機で巻き取られるか、次工程に移送する。反応ガスはガス充填手段50で、ガス発生装置51で発生させた反応ガスGを、流量制御して給気口52より放電処理室32のプラズマ放電処理容器31内に入れ、該プラズマ放電処理容器31内を反応ガスGで充填し処理排ガスG′を排気口53より排出するようにする。次に電圧印加手段40で、高周波電源41により角筒型固定電極群36に電圧を印加し、ロール回転電極35にはアースを接地し、電極間で放電プラズマを発生させる。ロール回転電極35及び角筒型固定電極群36を電極温度調節手段60を用いて媒体を加熱または冷却し電極に送液する。電極温度調節手段60で温度を調節した媒体を送液ポンプPで配管61を経てロール回転電極35及び角筒型固定電極群36内側から温度を調節する。電極からの帰りの配管については省略されている。プラズマ放電処理の際、基材フィルムの温度によって得られる薄膜の物性や組成は変化することがあり、これに対して適宜制御することが好ましい。媒体としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が好ましく用いられる。プラズマ放電処理の際、幅手方向あるいは長手方向での基材フィルムの温度ムラが出来るだけ生じないようにロールを用いた回転電極の内部の温度を制御することが望まれる。なお、68及び69はプラズマ放電処理容器31と外界を仕切る仕切板である。
なお、放電プラズマ処理に用いられる反応ガスは、給気口52からプラズマ放電処理容器31に導入され、処理後のガスは排気口53から排気される。
図2は、ロール電極の金属等の導電性母材とその上に被覆されている誘電体の構造を示す1例を示す図である。
図2において、アース電極であるロール回転電極35aは、金属等の導電性の母材35Aに対し、誘電体被覆層として、セラミックスを溶射後、無機化合物の封孔材料を用いて封孔処理した誘電体35Bを被覆した組み合わせで構成されているものである。セラミックス被覆処理誘電体を片肉で1mm被覆し、アースに接地してある。また、溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工し易いので、特に好ましく用いられる。
誘電体層として、ガラスライニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体であってもよい。
金属等の導電性の母材35Aとしては、チタン金属またはチタン合金、銀、白金、ステンレススティール、アルミニウム、鉄等の金属等や、鉄とセラミックスとの複合材料またはアルミニウムとセラミックスとの複合材料を挙げることが出来るが、電極の安定性という観点からはチタン金属またはチタン合金が好ましい。
導電性の母材及び誘電体についての詳細については後述する。
図3は、印加電極としての角筒型固定電極群の1個を取り出した角筒型固定電極の構造の1例を示す図である。
図3において、角筒型電極36aは、金属等の導電性の母材に対し、図2同様の誘電体被覆層を有している。すなわち、中空の金属パイプに対し、上記同様の誘電体を被覆し、放電中は冷却水による冷却が行えるようになっている。尚、角筒型固定電極の数は、上記ロール電極の円周より大きな円周上に沿って多数設置されている。
図3に示した角筒型電極36aは、円筒型電極に比べて、放電範囲(放電面積)を広げる効果があるので、本発明の薄膜形成方法に好ましく用いられる。
印加電極に電圧を印加する電源としては、特に限定はないが、パール工業製高周波電源(200kHz)、パール工業製高周波電源(800kHz)、日本電子製高周波電源(13.56MHz)、パール工業製高周波電源(150MHz)等が使用出来る。
上記電極間の距離は、電極の導電性母材に設けた固体誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定される。上記電極の一方に誘電体を設けた場合の誘電体表面と電極の最短距離、上記電極の双方に誘電体を設けた場合の誘電体表面同士の距離としては、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.5〜20mmが好ましく、特に好ましくは1±0.5mmである。
電源41より角筒型固定電極群36に印加される電圧の値は適宜決定されるが、例えば、電圧が10V〜10kV程度で、電源周波数は100kHzを越えて150MHz以下に調整される。ここで電源の印加法に関しては、連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードとパルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モードのどちらを採用しても良いが連続モードの方がより緻密で良質な膜が得られる。
プラズマ放電処理容器31はパイレックス(R)ガラス製の処理容器等が好ましく用いられるが、電極との絶縁がとれれば金属製を用いることも可能である。例えば、アルミニウムまたは、ステンレススティールのフレームの内面にポリイミド樹脂等を張り付けても良く、該金属フレームにセラミックス溶射を行い絶縁性をとっても良い。
また、放電プラズマ処理時の基材フィルムへの影響を最小限に抑制するために、放電プラズマ処理時の基材フィルムの温度を常温(15℃〜25℃)〜300℃以下の温度に調整することが好ましい。上記の温度範囲に調整するため、必要に応じて電極、基材フィルムは温度調節手段で冷却や加熱をしながら放電プラズマ処理される。
〈反応ガス〉
本発明の光学フィルムの防湿膜を形成する反応ガスについて説明する。使用する反応ガスは、基本的に、不活性ガスと、薄膜を形成するための反応性ガスからなる混合ガスである。反応性ガスは、反応ガスに対し、0.01〜10体積%含有させることが好ましい。薄膜の膜厚としては、0.1〜1000nmの範囲の薄膜が得られる。
不活性ガスとは、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等の希ガス、もしくは窒素等を挙げることが出来るが、本発明に記載の効果を得るためには、ヘリウム、アルゴン、窒素が好ましく用いられる。緻密で、高精度の薄膜を形成するためには、希ガスとしてアルゴンを用いることが最も好ましい。アルゴンを用いると、高密度プラズマを発生しやすいためではないかと推定している。アルゴンガスは、反応ガス(希ガスと反応性ガスの混合ガス)100体積%に対し、90.0〜99.9体積%含有されることが好ましい。
反応性ガスは、放電空間でプラズマ状態となり、薄膜を形成する成分を含有するものであり、有機金属化合物、有機化合物、無機化合物、またこれら直接薄膜を形成する化合物と水素ガス、酸素ガス、炭酸ガス等補助的に使用するガスとがある。
〈防湿膜形成用反応性ガス〉
防湿膜形成用反応性ガスには、適切な防湿性を得ることの出来る化合物であれば制限なく使用出来るが、チタン化合物、錫化合物、珪素化合物、フッ素化合物、フッ素を有する珪素化合物あるいはこれらの化合物の混合物を好ましく用いることが出来るが、最も好ましくはケイ素化合物である。
防湿膜形成用反応性ガスに使用できる珪素化合物としては、有機珪素化合物、珪素水素化合物、ハロゲン化珪素化合物等を挙げることが出来、有機珪素化合物としては、例えば、テトラエチルシラン、テトラメチルシラン、テトライソプロピルシラン、テトラブチルシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルシランジアセトアセトナート、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等、珪素水素化合物としては、テトラ水素化シラン、ヘキサ水素化ジシラン等、ハロゲン化珪素化合物としては、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジエチルジクロロシラン等を挙げることが出来る。
防湿膜形成用反応性ガスに使用できるチタン化合物としては、有機チタン化合物、チタン水素化合物、ハロゲン化チタン等があり、有機チタン化合物としては、例えば、トリエチルチタン、トリメチルチタン、トリイソプロピルチタン、トリブチルチタン、テトラエチルチタン、テトライソプロピルチタン、テトラブチルチタン、トリエトキシチタン、トリメトキシチタン、トリイソプロポキシチタン、トリブトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、メチルジメトキシチタン、エチルトリエトキシチタン、メチルトリイソプロポキシチタン、テトラジメチルアミノチタン、ジメチルチタンジアセトアセトナート、エチルチタントリアセトアセトナート等、チタン水素化合物としてはモノチタン水素化合物、ジチタン水素化合物等、ハロゲン化チタンとしては、トリクロロチタン、テトラクロロチタン等が挙げられる。
防湿膜形成用反応性ガスに使用できる錫化合物としては、有機錫化合物、錫水素化合物、ハロゲン化錫等であり、有機錫化合物としては、例えば、テトラエチル錫、テトラメチル錫、二酢酸ジ−n−ブチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、テトラエトキシ錫、メチルトリエトキシ錫、ジエチルジエトキシ錫、トリイソプロピルエトキシ錫、ジエチル錫、ジメチル錫、ジイソプロピル錫、ジブチル錫、ジエトキシ錫、ジメトキシ錫、ジイソプロポキシ錫、ジブトキシ錫、錫ジブチラート、錫ジアセトアセトナート、エチル錫アセトアセトナート、エトキシ錫アセトアセトナート、ジメチル錫ジアセトアセトナート等、錫水素化合物等、ハロゲン化錫としては、二塩化錫、四塩化錫等を挙げることが出来る。なお、このようにして、形成された酸化錫層は表面比抵抗値を1011Ω/cm2以下に下げることが出来るため、帯電防止層としても有用であるし、防湿膜ではなく導電膜として使用しても構わない。また、これらの反応性ガスを2種以上を同時に混合して使用することが出来る。
上記の有機珪素化合物、有機チタン化合物または有機錫化合物は、取り扱い上の観点から金属水素化合物、金属アルコキシドが好ましく、腐食性、有害ガスの発生がなく、工程上の汚れなども少ないことから、金属アルコキシドが好ましく用いられる。
〈大気圧プラズマ処理:透明導電膜形成用反応性ガス〉
次に透明導電膜形成用反応性ガスは、放電空間でプラズマ状態となり、透明導電膜を形成する成分を含有するものであり、β−ジケトン金属錯体、金属アルコキシド、アルキル金属等の有機金属化合物が用いられる。反応性ガスには透明導電膜主成分となる反応性ガスとドーピングを目的に少量用いられる反応性ガスがある。更に、透明導電膜の抵抗値を調整する為に用いる反応性ガスがある。
本発明において透明導電膜の主成分に用いられる反応性ガスは、分子内に酸素原子を有する有機金属化合物が好ましい。例えば、インジウムヘキサフルオロペンタンジオネート、インジウムメチル(トリメチル)アセチルアセテート、インジウムアセチルアセトナート、インジウムイソポロポキシド、インジウムトリフルオロペンタンジオネート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)インジウム、ジ−n−ブチルビス(2,4−ペンタンジオネート)スズ、ジ−n−ブチルジアセトキシスズ、ジ−t−ブチルジアセトキシスズ、テトライソプロポキシスズ、テトラブトキシスズ、ジンクアセチルアセトナート等を挙げることができる。この中で特に、好ましいのはインジウムアセチルアセトナート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)インジウム、ジンクアセチルアセトナート、ジ−n−ブチルジアセトキシスズ等である。
ドーピングに用いられる反応性ガスとしては、例えば、アルミニウムイソプロポキシド、ニッケルアセチルアセトナート、マンガンアセチルアセトナート、ボロンイソプロポキシド、n−ブトキシアンチモン、トリ−n−ブチルアンチモン、ジ−n−ブチルビス(2,4−ペンタンジオネート)スズ、ジ−n−ブチルジアセトキシスズ、ジ−t−ブチルジアセトキシスズ、テトライソプロポキシスズ、テトラブトキシスズ、テトラブチルスズ、ジンクアセチルアセトナート、6−フッ化プロピレン、8−フッ化シクロブタン、4−フッ化メタン等を挙げることができる。
透明導電膜の抵抗値を調整する為に用いる反応性ガスとしては、例えば、チタントリイソプロポキシド、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等を挙げることができる。
透明導電膜主成分として用いられる反応性ガスとドーピングを目的に少量用いられる反応性ガスの量比は、成膜する透明導電膜の種類により異なる。例えば、酸化インジウムにスズをドーピングして得られるITO膜においては得られるITO膜のIn/Snの原子数比が100/0.1〜100/15の範囲になるように反応性ガス量を調整する。好ましくは、100/0.5〜100/10の範囲になるよう調整する。In/Snの原子数比はXPS測定により求めることができる。
酸化錫にフッ素をドーピングして得られる透明導電膜(FTO膜という)においては、得られたFTO膜のSn/Fの原子数比が100/0.01〜100/50の範囲になるよう反応性ガスの量比を調整する。Sn/Fの原子数比はXPS測定により求めることができる。
In23−ZnO系アモルファス透明導電膜(IZO膜)においては、In/Znの原子数比が100/50〜100/5の範囲になるよう反応性ガスの量比を調整する。In/Znの原子数比はXPS測定で求めることができる。
また、上述したITO膜、FTO膜、IZO膜において、例えば、Snのドープ量としては5質量%以下であることが好ましい。
これらの反応性ガスは、放電プラズマ処理により基材フィルム上に均一な薄膜を形成する観点から、反応ガス中の含有率は、0.01〜10体積%で含有することが好ましいが、更に好ましくは、0.01〜1体積%である。
更に、反応性ガスとして酸素、オゾン、過酸化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、窒素から選択される成分を0.01〜5体積%含有させることにより、反応促進され、且つ、緻密で良質な薄膜を形成することが出来る。
透明導電膜の膜厚としては、0.1nm〜1000nmの範囲の透明導電膜が得られる。
また、上記の有機錫化合物、有機チタン化合物、有機珪素化合物、有機亜鉛化合物、または有機インジウム化合物を放電空間である電極間に導入するには、両者は常温常圧で、気体、液体、固体何れの状態であっても構わない。気体の場合は、そのまま放電空間に導入出来るが、液体、固体の場合は、加熱、減圧、超音波照射等の手段により気化させて使用される。また上記金属アルコキシドは、溶媒によって希釈して使用されても良く、この場合、希ガス中へ気化器等により気化して反応ガスに使用すればよい。溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、n−ヘキサンなどの有機溶媒及びこれらの混合溶媒が使用出来る。
〈印加電圧〉
薄膜形成方法では、対向する電極間に、100kHzを越えた高周波電圧で、且つ、1W/cm2以上の電力(出力密度)を供給し、反応性ガスを励起してプラズマを発生させることが好ましい。
電極間に印加する高周波電圧の周波数の上限値は、好ましくは150MHz以下である。また、高周波電圧の周波数の下限値としては、好ましくは200kHz以上、更に好ましくは800kHz以上である。
電極間に供給する電力の下限値は、好ましくは1.2W/cm2以上であり、上限値としては、好ましくは50W/cm2以下、更に好ましくは20W/cm2以下である。なお、放電面積(1/cm2)は、電極において放電が起こる範囲の面積のことを指す。本発明におけるように、高い周波数で、且つ、高い出力密度でハイパワーの電圧を印加する場合には、放電面積は片側の電極の放電面の総面積に相当する。この総面積で、前記電極に接続した電源から供給されるトータル電力(W)を割り算すると、出力密度を算出することが出来る。
また、この大気圧プラズマ放電処理方法は、特に大面積において均一な膜厚を得るには、一組の対向する電極に印加するトータル電力は、15kWを越えることが好ましく、より好ましくは30kW以上、更に好ましくは50kW以上である。発熱の観点からは、300kW以下であることが好ましい。尚、トータル電力は、前記一組の電極に接続された電源から供給される電力(W)に相当する。前記一組の電極に対し、電源が2以上接続されている場合には、これら電源全ての供給電力を足し算した値である。具体的には、前述の図1の大気圧プラズマ放電処理装置において、ロール回転電極35と角筒型固定電極群36を一組の対向する電極とし、それに接続された電源41から供給される電力のことになる。トータル電力の範囲を満たすには、放電面積がある程度大きいことが必要となってくる。
また、電極間に印加する高周波電圧は、断続的なパルス波であっても、連続したサイン波であっても構わないが、本発明の効果を高く得るためには、連続したサイン波であることが好ましい。
〈大気圧プラズマ処理:電極〉
大気圧または大気圧近傍の圧力下において、このようなハイパワーの電界を、大面積の電極に印加しても、均一な放電状態を保つことが出来る高耐久電極をプラズマ放電処理装置に採用する必要がある。
このような電極としては、金属等の導電性母材上の少なくとも放電面に誘電体を被覆したものであることが好ましい。少なくとも対向する印加電極とアース電極のどちらか片側に誘電体を被覆すること、好ましくは、印加電極とアース電極の両方に誘電体を被覆することである。
誘電体被覆電極は、金属等の導電性母材と、セラミックスやガラス等の誘電体素材の複合部品であり、供給する電力、特にトータル電力が大きい場合には、誘電体の脆弱な部分から破壊されやすく、安定したプラズマ放電を維持することが難しい。特に、大きい放電面積を有する誘電体被覆電極においては、それが顕著であり、本発明におけるハイパワーを用いる薄膜形成方法を実施するためには、少なくとも一方の電極がそれに耐え得る誘電体被覆電極であることが必要となる。
本発明において、誘電体被覆電極に用いられる誘電体としては、具体的には、比誘電率が6〜45の無機化合物であることが好ましく、また、このような誘電体としては、アルミナ、窒化珪素等のセラミックス溶射材、あるいは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス等のガラスライニング材等がある。この中では、後述のセラミックスを溶射したものやガラスライニングにより設けたものが好ましい。特にアルミナを溶射して設けた誘電体が好ましい。
また、誘電体被覆電極において、大電力に耐える他の好ましい仕様としては、耐熱温度が100℃以上であることである。更に好ましくは120℃以上、特に好ましくは150℃以上である。尚、耐熱温度とは、絶縁破壊が発生せず、正常に放電出来る状態において耐えられる最も高い温度のことを指す。このような耐熱温度は、上記のセラミックス溶射や、泡混入量の異なる層状のガラスライニングで設けた誘電体を適用したり、下記導電性母材と誘電体の線熱膨張係数の差の範囲内の材料を適宜選択する手段を適宜組み合わせることによって達成可能である。
また、本発明に係る誘電体被覆電極において、別の好ましい仕様としては、誘電体と導電性母材との線熱膨張係数の差が10×10-6/℃以下となる組み合わせのものである。好ましくは8×10-6/℃以下、更に好ましくは5×10-6/℃以下、更に好ましくは2×10-6/℃以下である。尚、線熱膨張係数とは、周知の材料特有の物性値である。
線熱膨張係数の差が、この範囲にある導電性母材と誘電体との組み合わせとしては、導電性母材がチタンを70質量%以上含有するチタン金属またはチタン合金で、誘電体がセラミックス溶射被膜であるか、また誘電体がガラスライニングのものが好ましく用いられる。
上記チタン金属またはチタン合金は、チタンを70質量%以上含有していれば、問題なく使用出来るが、好ましくは80質量%以上のチタンを含有しているものが好ましい。本発明に有用なチタン合金またはチタン金属は、工業用純チタン、耐食性チタン、高力チタン等として一般に使用されているものを用いることが出来る。工業用純チタンとしては、TIA、TIB、TIC、TID等を挙げることが出来、何れも鉄原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、水素原子等を極僅か含有しているもので、チタンの含有量としては、99質量%以上を有している。耐食性チタン合金としては、T15PBを好ましく用いることが出来、上記含有原子の他に鉛を含有しており、チタン含有量としては、98質量%以上である。また、チタン合金としては、鉛を除く上記の原子の他に、アルミニウムを含有し、その他バナジウムや錫を含有しているT64、T325、T525、TA3等を好ましく用いることが出来、これらのチタン含有量としては、85質量%以上を含有しているものである。これらのチタン合金またはチタン金属は熱膨張係数がステンレススティール、例えばAISI316に比べて、熱膨張係数が1/2程度小さく、金属母材としてチタン合金またはチタン金属の上に施された後述の誘電体との組み合わせがよく、高温、長時間での使用に耐えることが出来る。
また、本発明の誘電体被覆電極において、大電力に耐える別の好ましい仕様としては、誘電体の厚みが0.5〜2mmであることである。この膜厚変動は、5%以下であることが望ましく、好ましくは3%以下、更に好ましくは1%以下である。
誘電体の空隙率をより低減させるためには、セラミックス等の溶射膜に、更に、無機化合物で封孔処理を行うことが好ましい。前記無機化合物としては、金属酸化物が好ましく、この中では特に酸化ケイ素(SiOx)を主成分として含有するものが好ましい。
封孔処理の無機化合物は、ゾルゲル反応により硬化して形成したものであることが好ましい。封孔処理の無機化合物が金属酸化物を主成分とするものである場合には、金属アルコキシド等を封孔液として前記セラミック溶射膜上に塗布し、ゾルゲル反応により硬化する。無機化合物がシリカを主成分とするものの場合には、アルコキシシランを封孔液として用いることが好ましい。
ここでゾルゲル反応の促進には、エネルギー処理を用いることが好ましい。エネルギー処理としては、熱硬化(好ましくは200℃以下)や、紫外線照射などがある。更に封孔処理の仕方として、封孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐次で数回繰り返すと、よりいっそう無機質化が向上し、劣化の無い緻密な電極が出来る。
誘電体被覆電極の金属アルコキシド等を封孔液として、セラミックス溶射膜にコーティングした後、ゾルゲル反応で硬化する封孔処理を行う場合、硬化した後の金属酸化物の含有量は60モル%以上であることが好ましい。封孔液の金属アルコキシドとしてアルコキシシランを用いた場合には、硬化後のSiOx(xは2以下)含有量が60モル%以上であることが好ましい。硬化後のSiOx含有量は、XPSにより誘電体層の断層を分析することにより測定する。
また、誘電体被覆電極の誘電体表面を研磨仕上げする等の方法により、電極の表面粗さRmax(JIS B 0601)を10μm以下にすることで、誘電体の厚み及び電極間のギャップを一定に保つことが出来、放電状態を安定化出来ること、更に熱収縮差や残留応力による歪やひび割れを無くし、かつ、高精度で、耐久性を大きく向上させることが出来る。誘電体表面の研磨仕上げは、少なくとも基材フィルムと接する側の誘電体において行われることが好ましい。
〈エネルギー線硬化樹脂層〉
本発明の透明導電性フィルムにおいて、上記の防湿膜・透明導電膜のような金属化合物層をポリマーアロイフィルムに直接形成させてもよいが、他の中間層を少なくとも1層設けた上に形成させてもよい。他の層として、防眩層やクリアハードコート層等を好ましく用いることが出来、これらの層が紫外線等エネルギー線により硬化するエネルギー線硬化樹脂層であることが好ましく、このような紫外線で硬化された樹脂層の上に本発明に係る防湿膜・透明導電膜を形成させることによって耐擦り傷性に優れた透明導電性フィルムを得ることが出来る。
このような中間層は、大気圧プラズマ処理により金属酸化物層を形成する場合、接着性向上及びプラズマダメージ軽減の作用を有する。このように、中間層を設けることによって、基材上に直接、金属化合物層を形成する場合に比して金属化合物層の特性を上げることができる。また、この中間層によって基材と金属化合物層との間の密着性を向上させることができる。
防眩層及びクリアハードコート層のエネルギー線硬化樹脂層は、重合性不飽和モノマーを含む成分を重合させて形成した樹脂層で、エネルギー線硬化樹脂層である。ここで、エネルギー線硬化樹脂層とは、紫外線や電子線のようなエネルギー線照射により架橋反応などを経て硬化する樹脂を主たる成分とする層をいう。エネルギー線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂などが代表的なものとして挙げられるが、紫外線や電子線以外の活性線照射によって硬化する樹脂でもよい。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることが出来る。
〈層構成〉
本発明の透明導電性フィルムは、防湿膜と透明導電膜のそれぞれの薄膜が製膜されたものである。これらの層は、互いに積層されていても良いし、基板の片面ずつに成膜されていても良い。また防湿膜は両面に成膜されてもよい。
防湿膜と導電膜を積層する場合は、例えば、図1のような大気圧もしくはその近傍の圧力下で反応ガス雰囲気内でプラズマ放電処理装置を直列に2基を防湿膜・導電膜の順に2層積層するように並べて連続的に処理することが出来、この連続的積層処理は品質の安定やコスト削減、生産性の向上等から本発明の導電性フィルムの作製に適しており好ましい。無論同時に積層せずに、1層処理ごと、処理後巻き取り、逐次処理して積層してもよい。
導電膜が積層されていない基板フィルムの裏面側には防汚層を設けても良い。また裏面にも防湿膜がある場合は、防湿膜の上に防汚層や反射防止層を積層しても良い。また、本発明の基板フィルムまたは透明導電性フィルムを他のフィルム状、シート状あるいは板状の成型物と貼り合わせて使用してもよい。
防汚層とは、透明基材表面に汚れがついて透過像を見にくくすることがないよう、ゴミ・指紋等を付着しにくく、またふき取りやすくする層である。防汚層は、例えば熱架橋性含フッ素ポリマーにイソプロピルアルコールを加えて、0.2質量%の粗分散液を調整し、最表面層の表面にバーコータで塗布することによって形成される。
本発明における透明導電性フィルムの好ましい構成例は以下に示す通りである。
(A)基材/中間層/防湿膜/透明導電膜
(B)防汚層/基材/中間層/防湿膜/透明導電膜
(C)防湿膜/中間層/基材/中間層/透明導電膜
(D)防汚層/防湿膜/中間層/基材/中間層/防湿膜/透明導電膜
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
実施例1
〈本発明の基板フィルム101の作製〉
エタノール3.7gと酢酸メチル42.8gの混合溶媒に、ジアセチルセルロース(ダイセル化学工業製L50、以下DAC)9.5g、ビニルメチルエーテル・無水マレイン酸共重合体(アルドリッチ製、以下VME−MAと略す)0.5gを溶解後、ガラス板上にギャップ巾1000μmのドクターブレードで成膜し、本発明の基板フィルム101とした。フィルムの厚みは100μmだった。
〈本発明の基板フィルム102の作製〉
エタノール3.7gと酢酸メチル42.8gの混合溶媒に、DAC9.0gと、VME−MA1.0gを溶解後、ガラス板上にギャップ巾1000μmのドクターブレードで成膜し、本発明の基板フィルム102とした。フィルムの厚みは100μmだった。
〈本発明の基板フィルム103の作製〉
エタノール3.7gと酢酸メチル42.8gの混合溶媒に、DAC8.0gと、VME−MA2.0gを溶解後、ガラス板上にギャップ巾1000μmのドクターブレードで成膜し、本発明の基板フィルム103とした。フィルムの厚みは100μmだった。
〈本発明の基板フィルム104の作製〉
2−ブタノール4.2gと1,3−ジオキソラン48.3gの混合溶媒に、トリアセチルセルロース(ダイセル化学工業製LT55、以下TAC)9.0gと、VME−MA1.0gを溶解後、ガラス板上にギャップ巾1000μmのドクターブレードで成膜し、本発明の基板フィルム103とした。フィルムの厚みは100μmだった。
〈本発明の基板フィルム105の作製〉
エタノール5.2gと塩化メチレン59.0gの混合溶媒に、TAC8.0gと、トリメチロールプロパントリアクリレート(例示化合物27)1.8gと、無水マレイン酸(以下MAと略)0.2gと、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.10gを溶解後、ガラス板上にギャップ巾1000μmのドクターブレードで成膜し、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させた後に、120mW/cm2の強度の紫外線を1分間照射させ、さらに170℃で1時間熱処理することで、本発明の基板フィルム105とした。フィルムの厚みは100μmだった。
〈本発明の基板フィルム106の作製〉
エタノール5.2gと塩化メチレン59.0gの混合溶媒に、TAC8.0gと、トリメチロールプロパントリアクリレート(例示化合物27)1.8gと、無水アクリル酸(以下AAと略)0.2gと、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.10gを溶解後、ガラス板上にギャップ巾1000μのドクターブレードで成膜し、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させた後に、120mW/cm2の強度の紫外線を1分間照射させ、さらに170℃で1時間熱処理することで、本発明の基板フィルム106とした。フィルムの厚みは100μmだった。
〈本発明の基板フィルム107の作製〉
エタノール5.2gと塩化メチレン59.0gの混合溶媒に、TAC8.0gと、トリメチロールプロパントリアクリレート(例示化合物27)1.8gと、2−イソシアナートエチルメタクリレート(以下IEMと略)0.2gと、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.10gを溶解後、ガラス板上にギャップ巾1000μmのドクターブレードで成膜し、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させた後に、120mW/cm2の強度の紫外線を1分間照射させ、さらに170℃で1時間熱処理することで、本発明の基板フィルム107とした。フィルムの厚みは100μmだった。
〈本発明の基板フィルム108の作製〉
本発明の基板フィルム107と同様のドープを作製し、ガラス板上にギャップ巾1000μmのドクターブレードで成膜し、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させた後に、二軸延伸機でMD方向、TD方向それぞれに10%の延伸を行った後、120mW/cm2の強度の紫外線を1分間照射させ、さらに170℃で1時間熱処理することで、本発明の基板フィルム108とした。フィルムの厚みは100μmだった。
〈本発明の基板フィルム109の作製〉
エタノール5.2gと塩化メチレン59.0gの混合溶媒に、DAC8.0gと、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(例示化合物21)1.8gと、無水マレイン酸(以下MAと略)0.2gと、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.10gを溶解後、ガラス板上にギャップ巾1000μmのドクターブレードで成膜し、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させた後に、120mW/cm2の強度の紫外線を1分間照射させ、さらに170℃で1時間熱処理することで、本発明の基板フィルム109とした。フィルムの厚みは100μmだった。
〈本発明の基板フィルム110の作製〉
エタノール5.2gと塩化メチレン59.0gの混合溶媒に、DAC8.0gと、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(例示化合物35)1.8gと、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.10gを溶解後、ガラス板上にギャップ巾1000μmのドクターブレードで成膜し、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させた後に、120mW/cm2の強度の紫外線を1分間照射させ、さらに170℃で1時間熱処理することで、本発明の基板フィルム110とした。フィルムの厚みは100μmだった。
〈比較例の基板フィルム111の作製〉
エタノール5.2gと塩化メチレン59.0gの混合溶媒に、DAC10.0gを溶解後、ガラス板上にギャップ巾400μmのドクターブレードで成膜し、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させ、比較例の基板フィルム111とした。フィルムの厚みは50μmだった。
〈比較例の基板フィルム112の作製〉
エタノール5.2gと塩化メチレン59.0gの混合溶媒に、TAC10.0gを溶解後、ガラス板上にギャップ巾400μmのドクターブレードで成膜し、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させ、比較例の基板フィルム112とした。フィルムの厚みは50μmだった。
〈比較例の基板フィルム113〉
フィルム厚50μmのポリエーテルスルホンフィルムである住友ベークライト(株)製“スミライト FS−1300”を比較の基板フィルム113とした。
〈比較例の基板フィルム114〉
フィルム厚100μmのポリカーボネートフィルムである帝人(株)製“ピュアエース”を比較の基板フィルム113とした。
〈比較例の基板フィルム115〉
フィルム厚100μmのポリノルボルネンフィルムであるJSR(株)製“アートン”を比較の基板フィルム115とした。
以上、フィルムとして得ることができた本発明の基板フィルム101〜110および比較例の基板フィルム111〜115について下記の評価を実施した。評価結果を下記表1に示す。
〈全光透過率の測定〉
東京電色製TURBIDITY METER T−2600DAで測定した。
〈複屈折、波長分散特性の測定〉
王子計測機器(株)製自動複屈折計KOBRA−21ADHで測定し、各透明フィルムの面内のX方向、Y方向の屈折率の差に、厚みを50μmと仮定して乗じた値を複屈折(nm)として表した。
また、480nmにおけるリタデーション値R0(480)及び590nmにおけるリタデーション値R0(590)を、同様にKOBRA−21ADHを用いて測定し、下式に示すように480nmでの複屈折値と590nmでの複屈折値の比を計算し、複屈折の波長分散を評価した。
P=R0(480)/R0(590)
〈ガラス転移温度、線膨張率の測定〉
本発明のセルロースエステル類のガラス転移温度は、走査型示差熱量計(DSC)の測定では、不明確で測定されないことが多いため、熱応力歪み測定(TMA)における温度−歪み曲線の変曲点をガラス転移温度とした。
熱応力歪み測定は、セイコーインスツルメンツ社製TMA−SS6100を用い、膜厚100μm、巾4mmの試料を、チャック間距離20mmで固定し、室温から180℃まで一旦昇温して残留ひずみを取ったあと、室温から5℃/minで250℃まで昇温し、JIS K7197に基づき、チャック間距離の伸びから線膨張率を求めた。
また、上述の通り温度−歪み曲線の変曲点からガラス転移温度を求めた。
Figure 2005076000
比較例の透明フィルム114、115はガラス転移温度が低く好ましくない。また透明フィルム114は面内複屈折も大きく好ましくない。
また比較例の基板フィルム113はガラス転移温度が220℃を越え、高いガラス転移温度を有しているが、線膨張率が大きく、また複屈折の波長分散が逆分散であり好ましくない。
また比較例の透明フィルム111、112は、ガラス転移温度が200℃前後と高いガラス転移温度を有しており、複屈折の波長分散も正であるが、線膨張率が50ppm以上と大きく好ましくない。
一方、本発明の基板フィルム101は、高分子架橋剤によって架橋されたためにDAC単体のフィルムよりもガラス転移温度、線膨張率ともにわずかながら改善されている。さらに架橋高分子の比率の高い基板フィルム103は、線膨張率が50ppmを下回り、またガラス転移温度が大きく向上しており、高分子架橋剤によってDACが架橋された効果が大きく現れている。セルロースエステルをTACに変更した透明フィルム104も、高い耐熱性と低い線膨張率を有する好ましい基板フィルムであった。
また、高分子架橋剤を架橋高分子とした透明フィルム105〜110では、高分子架橋剤の高いガラス転移温度のためにガラス転移温度が大きく向上し、線膨張率も低い透明フィルムが得られた。また延伸を行った透明フィルム108では、複屈折が大きく変化することなしに、より低い線膨張率を有する好ましい透明フィルムが得られた。
実施例2
実施例1で得られた基板フィルム101〜115上に、順に下記の方法でクリアハードコート層、防湿膜、透明導電膜を形成した透明導電性フィルム201〜215を作製した。
〈クリアハードコート層の作製〉
基材フィルム101上に下記ハードコート層塗布組成物が3μmの膜厚となるように押出しコーターでコーティングし、ついで80℃に設定された乾燥部で1分間乾燥した後、120mW/cm2で紫外線照射することにより形成した。
〈クリアハードコート層塗布組成物〉
ジぺンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体(化合物例35) 60質量部
ジぺンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20質量部
ジぺンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 20質量部
ジメトキシベンゾフェノン 4質量部
酢酸エチル 50質量部
メチルエチルケトン 50質量部
イソプロピルアルコール 50質量部
〈防湿膜の作製〉
プラズマ放電装置としては、電極が平行平板型のものを用い、この電極間に上記透明フィルムを載置し、且つ、混合ガスを導入して薄膜形成を行った。
尚、電極は、以下のものを用いた。200mm×200mm×2mmのステンレス板に高密度、高密着性のアルミナ溶射膜を被覆し、その後、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬化させ封孔処理を行った。このようにして被覆した誘電体表面を研磨し、平滑にして、Rmax5μmとなるように加工した。このように電極を作製し、アース(接地)した。
一方、印加電極としては、中空の角型の純チタンパイプに対し、上記同様の誘電体を同条件にて被覆したものを複数作製し、対向する電極群とした。
また、プラズマ発生に用いる使用電源は日本電子(株)製高周波電源JRF−10000にて周波数13.56MHzの電圧で且つ5W/cm2の電力を供給し、電極間に以下の組成の反応性ガスを流した。
不活性ガス:アルゴン 99.3体積%
反応性ガス1:水素 0.5体積%
反応性ガス2:テトラエトキシシラン 0.3体積%
クリアハードコート層が設けられた透明フィルム101〜115のクリアハードコート層上に、上記反応ガス、反応条件により大気圧プラズマ処理を行い、防湿膜として180nmの膜厚の酸化ケイ素膜を作製した。
〈透明導電膜の作製〉
供給電力を12W/cm2に変更した以外は、防湿膜の形成と同様の大気圧プラズマ条件で、反応性ガスは下記の組成に変更したものを流した。
不活性ガス :ヘリウム 98.69体積%
反応性ガス1:水素 0.05体積%
反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナト 1.2体積%
反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積%
反応性ガス4:テトラエトキシシラン 0.01体積%
クリアハードコート層、酸化ケイ素層が設けられた透明フィルム101〜115の酸化ケイ素層上に、上記反応ガス、反応条件により大気圧プラズマ処理を行い、透明導電膜として錫ドープ酸化インジウム膜(ITO膜)を作製し、透明導電性フィルム201〜215とした。
このようにして得られた透明導電性フィルムを201〜215に対し、下記の評価を行った。
〈透過率〉
東京電色製TURBIDITY METER T−2600DAで測定した。
〈透湿度評価〉
透湿度はJIS−Z−0208に記載の条件B(40℃、90%RH)で測定した。
〈比抵抗〉
JIS−R−1637に従い、四端子法により求めた。なお、測定には三菱化学製ロレスタ−GP、MCP−T600を用いた。
〈平均反射率のばらつき測定〉
透明導電性フィルム201〜215をそれぞれ10枚ずつサンプリングして、反射モードの日立製作所製分光光度計U−4000型により、5度正反射の条件で400〜700nmの範囲で反射率の測定を行い、平均反射率のバラツキを調べ、最大値と最小値の差でバラツキを表示した。なお、反射防止層のない側の光学フィルム面を粗面化した後、黒色のスプレーを用いて光吸収処理を行い、光学フィルム裏面の光の反射を防止した。
透明導電膜が付与された透明導電性フィルム201〜215について、比抵抗、透過率と平均反射率のばらつきを評価した結果を表2に示す。
Figure 2005076000
表2で示されたように、大気圧プラズマ処理によって設けられた酸化ケイ素膜により、本発明の透明フィルムや比較例の透明フィルムの透湿度が低く抑えられていることがわかる。
また、大気圧プラズマ処理によって、本発明の透明フィルムや比較例の透明フィルム上に高い透過率と低い比抵抗の透明導電膜を設けることができた。しかし、本発明の透明導電性フィルム201〜210ではほとんど反射率のばらつきが発生しない、好ましい透明導電性フィルムであったが、比較の透明導電性フィルム211〜215のような架橋構造を有さない透明導電性フィルムでは反射率のばらつきが観測された。これは透明導電膜を設ける際のハイパワーの電力に、耐熱性の低い基材では耐えられないためではないかと推測される。
実施例3
また、上述した本発明の透明導電性フィルム201〜210、比較例の透明導電性フィルム211〜215を用いて、図4に示すようなTN液晶表示素子を以下の方法で作製した。
〈TN液晶表示素子の作製方法〉
上記基材上に形成された透明導電膜を、ストライプ形状等にパターニング加工して表示用電極を形成させ、対向基板側にも表示用電極を形成し、さらに、配向膜、シール材をそれぞれ印刷法等で形成し、スペーサー散布を行った後、両基板を対向させて圧着し空セルを構成する。そしてこの空セルに真空注入法等で液晶を注入し、対向する表示用電極に駆動電圧が印加されるように端子部を取り出し、必要に応じて位相差板、偏光板、タッチパネル、光源等を組み合わせることによって液晶表示素子を形成する。
このようにして作製した液晶表示素子において、本発明の透明導電性フィルム201〜210は良好な画像が得られたが、比較例の透明導電性フィルム211〜215においては画像の歪み・色調のずれが認められた。
実施例4
また、本発明の透明導電性フィルム201〜210、比較例の透明導電性フィルム211〜215を用いて、図5に示すような単純マトリックス駆動有機EL素子を以下の方法で作製した。
〈有機EL素子の作製方法〉
まず、電極をパターニングした。その後、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄し、次いで煮沸エタノール中から引き上げ乾燥した。次いで、透明導電膜表面をUV/O3洗浄した後、真空蒸着装置でN,N′−ジフェニル−m−トリル−4,4′−ジアミン−1,1′−ビフェニル(TPD)を蒸着速度0.2nm/secで55nmの厚さに蒸着し、正孔注入輸送層とした。
さらに、Alq3:トリス(8−キノリノラト)アルミニウムを蒸着速度0.2nm/secで50nmの厚さに蒸着して、電子注入輸送・発光層とした。
次いで、スパッタ装置でDCスパッタ法にてAl・Sn合金(Sn:10at%)をターゲットとして陰電極を200nmの厚さに製膜した。この時のスパッタガスにはArを用い、ガス圧3.5Pa、ターゲットと基板間距離(Ts)9.0cmとした。また、投入電力は1.2W/cm2とした。
最後に、SiO2を200nmの厚さにスパッタして保護層として、有機EL発光素子を得た。この有機EL発光素子は、それぞれ2本ずつの平行ストライプ状陰電極と、8本の平行ストライプ状陽電極を互いに直交させ、2×2mm縦横の素子単体(画素)を互いに2mmの間隔で配置し、8×2の16画素の素子としたものである。
このようにして得られた有機EL素子を9Vで駆動させたところ、実施例の透明導電性フィルム201〜210では350cd/m2以上の輝度が得られたが、比較例の透明導電性フィルム211〜215では50cd/m2以下であり、有機EL素子としての必要な発光強度が得られなかった。
実施例5
さらに、上述した本発明の透明導電性フィルム201〜210、比較例の透明導電性フィルム211〜215を用いて、図6に示すようなタッチパネルを以下の方法で組み立てた。
〈タッチパネルの組み立て方法〉
図6における下部電極にはタッチパネル用ガラスITO(スパッタリング製膜品)を用い、上部電極には前記の実施例で得られた透明導電性基材(本発明の基板フィルム201〜210、比較例の基板フィルム211〜215)を用いた。そして、透明導電性基材の透明導電膜面を向かい合わせにし、熱硬化タイプドットスペーサを用い、間隔を7μm空けてパネル化してタッチパネルを組み立てた。
このようにして組み立てたタッチパネルの下に適当な画像を置き、ななめ45℃から視認して、透過して見える画像が歪まずに見えるか視認性試験を行ったところ、実施例の透明導電性フィルム201〜210では歪みなく画像を視認できたが、比較例透明導電性フィルム211〜215では歪みが確認された。
本発明に係る大気圧もしくはその近傍の圧力下でのプラズマ放電処理装置の一例を示す図である。 ロール電極の金属等の導電性母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す図である。 印加電極としての角筒型固定電極群の1個を取り出した角筒型固定電極の母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す図である。 液晶表示装置を説明するためのもので、液晶表示装置の斜視図である。 有機EL素子の構成例を示す概念図である。 タッチパネルの一例を示す断面図である。
符号の説明
30 プラズマ放電処理装置
31 プラズマ放電処理容器
32 放電処理室
35、35a ロール回転電極
35A、36A 母材
35B、36B 誘電体
36 角筒型固定電極群
36a 角筒型電極
40 電圧印加手段
50 ガス充填手段
51 ガス発生装置
60 電極温度調節手段
301 上下の透明プラスチック基板
302 透明導電膜からなる透明電極配線
303 配向膜
304 液晶
401 透明プラスチック基板
402 透明導電膜(陽電極)
403 正孔注入輸送層
404 発光層
405 陰電極
406 保護層
501 透明プラスチック基板
502 ガラス基板
503、504 透明導電膜
505 上部電極
506 下部電極
507 スペーサ

Claims (17)

  1. セルロースエステルと、該セルロースエステルの残留水酸基との反応性基を有する反応性高分子化合物との、ポリマーアロイを含有することを特徴とする透明フィルム。
  2. 前記セルロースエステルと、前記セルロースエステルの残留水酸基との反応性基を有する反応性高分子化合物とが、互いに反応して架橋されていることを特徴とする請求項1に記載の透明フィルム。
  3. 前記反応性高分子化合物が、架橋ポリマーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明フィルム。
  4. 前記反応性高分子化合物が、複数の重合性不飽和二重結合を有する低分子化合物(B)と、水酸基と反応し得る基と重合性不飽和二重結合とを有する低分子化合物(A)とを、架橋重合させた架橋ポリマーであることを特徴とする請求項3に記載の透明フィルム。
  5. 前記低分子化合物(B)が、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルであることを特徴とする請求項4に記載の透明フィルム。
  6. 前記透明フィルムに対する前記反応性高分子化合物の含有率が、5〜50質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明フィルム。
  7. MD方向・TD方向にそれぞれ二軸延伸されていることを特徴とする請求項1〜6に記載の透明フィルム。
  8. 前記透明フィルムを法線方向から見たときの波長分散特性が、波長590nmでの面内リタデーション値をR0(590)、波長480nmでの面内リタデーション値をR0(480)としたとき、その比〔R0(480)/R0(590)〕が0.8乃至1.0であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の透明フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の透明フィルムの少なくとも一方の面に、金属酸化物または金属窒化物を含有する防湿膜が設けられ、さらにこの防湿膜上、または防湿膜と反対側の面に透明導電膜が設けられていることを特徴とする透明導電性フィルム。
  10. 前記防湿膜が主として酸化ケイ素から構成されていることを特徴とする請求項9に記載の透明導電性フィルム。
  11. 請求項9又は10に記載の透明導電性フィルムを基板として用いることを特徴とする液晶ディスプレイ。
  12. 請求項9又は10に記載の透明導電性フィルムを基板として用いることを特徴とする有機ELディスプレイ。
  13. 請求項9又は10に記載の透明導電性フィルムを基板として用いることを特徴とするタッチパネル。
  14. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の透明フィルムを、溶剤キャスト法で製造することを特徴とする透明フィルムの製造方法。
  15. 請求項4又は5に記載の透明フィルムの製造方法において、複数の重合性不飽和二重結合を有する低分子化合物を架橋する手段が、エネルギー線の照射であることを特徴とする透明フィルムの製造方法。
  16. 前記エネルギー線が、紫外線であることを特徴とする請求項15に記載の透明フィルムの製造方法。
  17. 請求項9又は10に記載の透明導電性フィルムの製造方法であって、防湿膜および透明導電膜のいずれの層も、大気圧または大気圧近傍の圧力下において、対向する電極間に、100KHz〜150MHzの高周波電圧で、かつ、1W/cm2〜50W/cm2の電力を供給し放電させることにより、反応性ガスをプラズマ状態とし、前記プラズマ状態の反応性ガスに透明フィルムを晒すことによって形成することを特徴とする透明導電性フィルムの製造方法。
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